人間関係は仕事・交友・愛と3つのタスクに分かれ、それぞれ難易度が異なります。自分が他人や他者に対して適切な「貢献」を行えると、これらのタスクに対して上手な人付き合いができるようになる、との内容でした。今回は「悩む」ということに焦点をおいて、アドラー心理学を解説しましょう。■選択できない人は選択しない人私は以前、とあるSNSの恋愛相談コミュニティーを管理運営しており、そちらを通して年間2千人以上におよぶ恋愛相談を承っていました。その際、「恋人が二股していて、どっちを本命にするか悩んだままなかなか決断してくれない」という相談を何度か受けたことがあります。二股している恋人は、「どちらも大切な存在だからすぐに判断することができないし、じっくり考えて決めたい」と言いながらずっと悩み続けているそうで。ケジメをつけるよう強引に迫るのが恐くて、なかなか強気に出られない。でもこんな中途半端な状態が続くのは嫌…。どうしたらいいか、という内容でした。このような相談に対して、私の回答はひとつ。「相手が自ら決断することはない」です。少なくとも、相談者かもう一方の相手が「もうこの関係はやめる」と決断しない限り。ではなぜ「決断することはない」といえるのでしょうか。■「悩む」ことが目的になるアドラー心理学では、人の行動には必ず何らかの目的がある、と説いています。物事には達成ポイントがあって、人はそれに向かって進んでいくわけです。この達成ポイントが「目的」であり、そこに上手くたどり着けないときに悩むという行動(過程)が発生します。通常であれば悩むことで突破口を見つけるのですが、稀にこの悩むことそのものが「目的」となるのです。先の二股する恋人の例でいえば、本来決断することを目的として悩むという行為になるはずが、悩むことが目的で悩んでいるわけですね。だから、いつまでたっても決断ポイントにたどり着かない。まあそもそも、本当に大切にしたい関係ならばどんな障害があろうとケジメをつけるもの。ケジメをつけない時点で結論が出ているのですが、それを認めるより「悩んでいる」という状態でいたいわけです。そうやって悩んでいる間は、自分や他人に対して「問題に向き合っている」というアピールになるから。このような「アピール」の根底にあるのは、自分以外の何か(他人や時間)が代わりに決めてくれるまで問題を先送りにしようとする「甘え」なのです。■まとめ決断できない人はなぜできないのか、ご理解いただけましたでしょうか。例えば、気になる人がいるけれど過去のトラウマからアプローチしにいけない!といって、いつまでもグズグズしている人にも同じことがいえます。トラウマとストレスを混同する方って多いのですが、全く異なります。心身の安全を脅かされるような危険にさらされた、あるいは目にした影響で、強い恐怖を感じるような反応を示すことが、トラウマです。過去の経験がストッパーになり、傷つくのを怖がるのはトラウマではありません。それはトラウマという言葉を、勇気を出せない自分の免罪符代わりに使用しているだけ。つらい記憶のストレスと向き合うより、迷っていたいわけですね。迷うことが目的になっている間は、決断することはできないのです。自分が幸福になるために、自分にとって都合のいい目的ではなく、本当に必要とすべき目的に向かって進む勇気を持ちましょう。自分に曖昧を許したら、得られる幸福も曖昧なまま。好きに人に対して、好きな人だからこそ「甘え」を許さない強さを持つべきです。自分と相手が達成すべきポイントはどこなのか。悩んでいるこの瞬間、本当にそこに向かっていますか?改めて考えてみてくださいね。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月18日人間関係は仕事・交友・愛と3つのタスクに分かれ、それぞれ難易度が異なります。自分が他人や他者に対して適切な「貢献」を行えると、これらのタスクに対して上手な人付き合いができるようになる、との内容でした。今回は「悩む」ということに焦点をおいて、アドラー心理学を解説しましょう。■選択できない人は選択しない人私は以前、とあるSNSの恋愛相談コミュニティーを管理運営しており、そちらを通して年間2千人以上におよぶ恋愛相談を承っていました。その際、「恋人が二股していて、どっちを本命にするか悩んだままなかなか決断してくれない」という相談を何度か受けたことがあります。二股している恋人は、「どちらも大切な存在だからすぐに判断することができないし、じっくり考えて決めたい」と言いながらずっと悩み続けているそうで。ケジメをつけるよう強引に迫るのが恐くて、なかなか強気に出られない。でもこんな中途半端な状態が続くのは嫌…。どうしたらいいか、という内容でした。このような相談に対して、私の回答はひとつ。「相手が自ら決断することはない」です。少なくとも、相談者かもう一方の相手が「もうこの関係はやめる」と決断しない限り。ではなぜ「決断することはない」といえるのでしょうか。■「悩む」ことが目的になるアドラー心理学では、人の行動には必ず何らかの目的がある、と説いています。物事には達成ポイントがあって、人はそれに向かって進んでいくわけです。この達成ポイントが「目的」であり、そこに上手くたどり着けないときに悩むという行動(過程)が発生します。通常であれば悩むことで突破口を見つけるのですが、稀にこの悩むことそのものが「目的」となるのです。先の二股する恋人の例でいえば、本来決断することを目的として悩むという行為になるはずが、悩むことが目的で悩んでいるわけですね。だから、いつまでたっても決断ポイントにたどり着かない。まあそもそも、本当に大切にしたい関係ならばどんな障害があろうとケジメをつけるもの。ケジメをつけない時点で結論が出ているのですが、それを認めるより「悩んでいる」という状態でいたいわけです。そうやって悩んでいる間は、自分や他人に対して「問題に向き合っている」というアピールになるから。このような「アピール」の根底にあるのは、自分以外の何か(他人や時間)が代わりに決めてくれるまで問題を先送りにしようとする「甘え」なのです。■まとめ決断できない人はなぜできないのか、ご理解いただけましたでしょうか。例えば、気になる人がいるけれど過去のトラウマからアプローチしにいけない!といって、いつまでもグズグズしている人にも同じことがいえます。トラウマとストレスを混同する方って多いのですが、全く異なります。心身の安全を脅かされるような危険にさらされた、あるいは目にした影響で、強い恐怖を感じるような反応を示すことが、トラウマです。過去の経験がストッパーになり、傷つくのを怖がるのはトラウマではありません。それはトラウマという言葉を、勇気を出せない自分の免罪符代わりに使用しているだけ。つらい記憶のストレスと向き合うより、迷っていたいわけですね。迷うことが目的になっている間は、決断することはできないのです。自分が幸福になるために、自分にとって都合のいい目的ではなく、本当に必要とすべき目的に向かって進む勇気を持ちましょう。自分に曖昧を許したら、得られる幸福も曖昧なまま。好きに人に対して、好きな人だからこそ「甘え」を許さない強さを持つべきです。自分と相手が達成すべきポイントはどこなのか。悩んでいるこの瞬間、本当にそこに向かっていますか?改めて考えてみてくださいね。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月18日アドラー心理学を基に作られた、ドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)をご存知でしょうか。主人公は捜査一課8係のエース、庵堂蘭子。周囲にどう思われようと、己を貫く一匹オオカミタイプの女性です。コンビを組むのは、捜査一課に異動してきたばかりの青山年雄。こちらは、正義感は強いものの、他人から自分がどう見られているかいつも気になる心配性。真逆の二人を通して、ドラマは展開していきます。■人間関係における3つのタスクアドラー心理学では、向き合うべき人間関係は、難易度によって3段階にわかれています。【難易度低】一番難易度が低いのが「仕事のタスク」です。職場の人間関係がこれに該当します。会社での付き合いというのは、あなたがその職場を辞めればリセットされてしまうような、一時的なつながりでしかありません。【難易度中】中レベルが「交友のタスク」です。これは、友達や親友を相手とした対人関係を指します。付き合い続けようと思えばずっと親しくしていることができるけれど、何らかのきっかけで切れてしまうかもしれない、そういう曖昧さがある関係です。【難易度高】難易度が高いのが「愛のタスク」です。これは、家族や伴侶を相手とした人間関係を指します。生活や運命を共に過ごす相手とのつながりです。■自分と他人との境界線仕事仲間でしかない異性だと、不用意に自分のプライバシーに踏み込まれたくないですよね。でも、好きな人には自分のプライバシーに興味を持ってもらいたい。そんな願望を抱いたことはないでしょうか。「愛のタスク」に属する相手には、プライバシーを共有できるような親密感を求めたくなりますし、「好きな人とは、同じものを見て同じように感じて、考えて、思うことも同じであってほしい」というふうに、自分と相手の「同一化」を期待する人が多いのです。しかし、たとえオシドリ夫婦でも、同じ人間になることはできません。他者は自分とは異なる存在だという点を理解し、意識して心理的な境界線を引けることは、円滑な対人関係を築く上でとても重要です。「心理的な境界線を引く」と言うと、心の距離を置くように感じられるかもしれません。言い方を変えればそれは、自分と相手を客観的に把握する「目」を持つということです。だいたいの人は親しくなればなるほど情に流され、客観視できなくなってしまいがち。相手はどういう人間で、自分にはどのような能力があるのか。どんな相手であれ、細やかな分析を行うことができる。そういう理性を保ちましょう。■孤独からの解放“私”という存在は、唯一のもの。もし自分が簡単に誰かと代わってしまえるとなったら、不安や嫉妬にさいなまれることになるでしょう。アドラー心理学では、不安や嫉妬そのものより、このようなマイナスな感情を理由に「人生のタスク」に向き合えなくなることが問題だ、と説いています。自分ができることは小さくても、気づいたその時にやればいい。独善を押しつけるようなことはせず、相手や社会の立場から見て本当に必要だと思えることを行っていきましょう。適切な貢献ができればそこに絆が生まれ、孤独や孤立に悩まされることはなくなります。■まとめ恋人との信頼関係を築くコツ、ご理解いただけましたでしょうか。よく「過去の恋愛がトラウマになって先に進めない」という人を見かけますが、これはコンプレックスを理由に「人生のタスク」と向き合おうとしていないだけです。自分をかわいそうがっても、救いは訪れません。社会から切り離され、どんどん孤独になっていくでしょう。心を閉ざすのではなく、心の線引きを意識しながら偏見なしに相手を見つめてください。相手に対して、今のあなたには何ができるかを考えましょう。それが信頼ある人との結びつきを生み出し、あなたの世界を広げてくれるのです。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月11日アドラー心理学を基に作られた、ドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)をご存知でしょうか。主人公は捜査一課8係のエース、庵堂蘭子。周囲にどう思われようと、己を貫く一匹オオカミタイプの女性です。コンビを組むのは、捜査一課に異動してきたばかりの青山年雄。こちらは、正義感は強いものの、他人から自分がどう見られているかいつも気になる心配性。真逆の二人を通して、ドラマは展開していきます。■人間関係における3つのタスクアドラー心理学では、向き合うべき人間関係は、難易度によって3段階にわかれています。【難易度低】一番難易度が低いのが「仕事のタスク」です。職場の人間関係がこれに該当します。会社での付き合いというのは、あなたがその職場を辞めればリセットされてしまうような、一時的なつながりでしかありません。【難易度中】中レベルが「交友のタスク」です。これは、友達や親友を相手とした対人関係を指します。付き合い続けようと思えばずっと親しくしていることができるけれど、何らかのきっかけで切れてしまうかもしれない、そういう曖昧さがある関係です。【難易度高】難易度が高いのが「愛のタスク」です。これは、家族や伴侶を相手とした人間関係を指します。生活や運命を共に過ごす相手とのつながりです。■自分と他人との境界線仕事仲間でしかない異性だと、不用意に自分のプライバシーに踏み込まれたくないですよね。でも、好きな人には自分のプライバシーに興味を持ってもらいたい。そんな願望を抱いたことはないでしょうか。「愛のタスク」に属する相手には、プライバシーを共有できるような親密感を求めたくなりますし、「好きな人とは、同じものを見て同じように感じて、考えて、思うことも同じであってほしい」というふうに、自分と相手の「同一化」を期待する人が多いのです。しかし、たとえオシドリ夫婦でも、同じ人間になることはできません。他者は自分とは異なる存在だという点を理解し、意識して心理的な境界線を引けることは、円滑な対人関係を築く上でとても重要です。「心理的な境界線を引く」と言うと、心の距離を置くように感じられるかもしれません。言い方を変えればそれは、自分と相手を客観的に把握する「目」を持つということです。だいたいの人は親しくなればなるほど情に流され、客観視できなくなってしまいがち。相手はどういう人間で、自分にはどのような能力があるのか。どんな相手であれ、細やかな分析を行うことができる。そういう理性を保ちましょう。■孤独からの解放“私”という存在は、唯一のもの。もし自分が簡単に誰かと代わってしまえるとなったら、不安や嫉妬にさいなまれることになるでしょう。アドラー心理学では、不安や嫉妬そのものより、このようなマイナスな感情を理由に「人生のタスク」に向き合えなくなることが問題だ、と説いています。自分ができることは小さくても、気づいたその時にやればいい。独善を押しつけるようなことはせず、相手や社会の立場から見て本当に必要だと思えることを行っていきましょう。適切な貢献ができればそこに絆が生まれ、孤独や孤立に悩まされることはなくなります。■まとめ恋人との信頼関係を築くコツ、ご理解いただけましたでしょうか。よく「過去の恋愛がトラウマになって先に進めない」という人を見かけますが、これはコンプレックスを理由に「人生のタスク」と向き合おうとしていないだけです。自分をかわいそうがっても、救いは訪れません。社会から切り離され、どんどん孤独になっていくでしょう。心を閉ざすのではなく、心の線引きを意識しながら偏見なしに相手を見つめてください。相手に対して、今のあなたには何ができるかを考えましょう。それが信頼ある人との結びつきを生み出し、あなたの世界を広げてくれるのです。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月11日こんにちは、保育士ライターのyossyです。書籍やドラマの『嫌われる勇気』で話題になった“アドラー心理学”。近年、「アドラー式子育て」という言葉もよく聞かれるようになりました。どのような子育て法なのでしょうか。メリットとともにご紹介します。●『嫌われる勇気』で注目されるようになったアドラー心理学アドラーというのは、オーストリア出身の心理学者・精神科医です。有名な『嫌われる勇気』の著者(古賀史健氏との共著)でもある岸見一郎氏は、『子どもをのばすアドラーの言葉子育ての勇気』のなかで、『子育ての目標は“自立”である』と述べています。そのためには下記の3つがポイントになるそうです。・子どもが自分で決められる・子どもが自分自身の価値を決められる・自己中心性から脱却するアドラー式子育てを実践すると、上記のようなメリットが得られるということですね。どれも、社会で人として強く生きていくために重要なことです。また、子どもとの関係性に悩んでいる場合は、関係性がよくなるケースも多い ようです。●叱る子育てとも、褒める子育てとも違う親は、ついつい「子どものため」という言葉を言い訳にして叱ってしまいがちですね。そんな子育て法はよくない、ということで、近年は褒める子育てがよく注目されています。アドラー式子育てにおいても、叱ることは即効性はあるが、結局親が怖いから行動をやめているだけ。長期的にみれば子どもの行動を変えられないことから、有意ではない、としています。しかし、褒めるのも違う のだそうです。褒めることで気分はよくなりますが、人間、いつも褒められるべき状況におかれるわけではありません。また、一生褒めてくれる人がそばにいるわけでもありませんね。●“子どものため”は本当に子どものため?あらかじめ子どもの行動を決めてしまったり、親の言うことを無理に聞かせようとしたりすることは、本当に子どものためでしょうか。また、褒めているとき、子どもに対して上から目線で接していないでしょうか。子どもと対等な目線で話をするように心がけることが、子育ての大事なポイントになるそうです。体罰など、もってのほかですね。子どもに介入せず、でも放任はせず、「いつでも援助する用意はあるよ」と寄り添う のがアドラー式です。普段の勉強や、進学、習い事、友人関係などで決断を迫られたとき、あるいは問題が起きたとき、決めるのは子ども自身。親は先回りして考えてしまうでしょうが、子どもの人生なので、“我が事”として考えすぎないことが大切です。例えば、子どもが勉強をしないときに、「勉強しなさい」と言うのは踏み込みすぎ。勉強についてどうしたほうがいいのか対等に話し合うことや、そもそも勉強が楽しいものであるということを子どもと共有することが大切だというわけです。そして、「勉強する」という意思表示を子どもがしたら、親は本当に信じてあげるのです。----------子どもはいずれ親から自立し、自分の力で生きて行かなくてはいけません。アドラー式子育ては、頭では理解できても実践が難しいと感じる部分も多いでしょう。まずは、頭ごなしに叱るのをやめることから始めてみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『子どもをのばすアドラーの言葉子育ての勇気』岸見一郎・著●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/赤松侑里(さゆりちゃん)
2017年03月09日女性の永遠のテーマであるダイエット。ママにとっても悩ましい問題ですよね。「アドラー心理学」で、一風変わったダイエット法を試してみませんか?■アドラー心理学ってどういうこと?アドラー心理学はオーストリアの精神科医、アルフレッド・アドラーが創始しました。根本としては、人は人、自分は自分として目標や計画を立てるようにする、個人を尊重した考え方をするということ。また、過去よりも未来を見て、目標に向かっていくことを推奨するという考え方です。つまり、「過去の原因探し」をしない、ということ。簡単に言いますと、いまマイナスの状態で悩んでいるなら、プラスにしか向かわないから過去を見なくて良いというようなニュアンスです。■アドラー心理学でダイエットアドラー心理学では、理想の自分と現在の自分とのギャップはマイナスポイントではないと考えます。これをダイエットに生かすとしたら、「いまはこのサイズの洋服を着られないけど、着られない自分を嘆くのではなく、その劣等感を目標に変えてがんばる力を見いだそう」という考えです。「“人間は自分で自分を変える力を持っている”という基本をもとに努力を続けていけば、ダイエットは絶対に成功する」と思うようにします。また、どうしていまダイエットをしているのか、自身で確認することも必要です。目的と目標、手段(計画)をまずは頭に置きましょう。例としては、次のような形です。あまりストイックにならず、ありのままの自分を受けとめてスタートするのがコツです。・「目的」健康を維持するため(このまま太っていたら体に影響がある)・「目標」ウエスト5センチ減、体重5キロ減・「手段」食べる量を腹八分目にして、ウォーキングを1日20分・「期間」3ヶ月たとえば、1ヶ月で2キロ痩せたい場合、まずは次のような目標を立てて実行します。・お菓子は朝か昼間にひとつだけにする。・夜の21時以降は食べないようにする。・朝ごはんはきちんと食べるようにする。・1日20分、ウォーキングをする。しかし、お菓子をどうしても我慢できず、寝る前に食べてしまった! ということがあるかもしれません。その場合にも落ちこまず、「明日またやり直せばよい。こうした日が続かなければ大丈夫」というように、自分で立てなおすようにします。疲れていてウォーキングができなかった日があっても、次の日からまた、きちっとやればよい。そう思って立てなおす気持ちを持つことが大事。ただし、違反が毎日続かないようにします。■アドラー心理学では不完全は恥ずかしくないダイエットに疲れたら、1~2日休んでもアドラー心理学ではOK。完璧を求めずにゆるい気持ちで、自分の行動を信じて進みましょう。『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)で有名になったアドラー心理学ですが、自分を責めたり、ストイックになりすぎることはありません。できない日があっても「次の日」にやりなおせばよい、観念に振りまわされず目標に向かっていこうという考えを持つと、ダイエットの成功は近くなると思います。アドラーの嫌われる勇気は、人や周りを気にした発言や生活をしているより、ときには自分の思うことをぶちまけよう、そして前に進もうというメッセージもこめられています。失敗しても自分を責めないように、次に向かって過去を振りかえらずに進むことは、ダイエットでもマイナスをプラスに向かわせるということになるのですね。
2016年09月04日『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』(かんき出版)の著者・丸山郁美さんは、ストレスを持たずに片づける方法を考案しました。それは、アドラー心理学のエッセンスを取り入れた片づけ術。丸山さんは東京在住の主婦。2013年に、サンケイリビング新聞社主催の主婦の技を競うSHUFU-1コンテストで準グランプリを受賞した片づけの達人です。思い通りに片づけられず、ストレスを抱えていたのに、アドラー心理学を取り入れた片づけ術を実践したところ、きれいに片づけられるようになったというのです。以後7年にわたり、750を超える世帯で「アドラー流お片づけ」のレクチャーやカウンセリングをされています。それはどんな方法なのでしょうか?■アドラーマインドを取り入れるアドラー心理学とは、オーストリア出身のアルフレッド・アドラー(1870-1937)が創始した「個人心理学」のこと。「すべての悩みは対人関係の悩みである」とし、人は過去の原因によって突き動かされるのではなく、目的に沿って生きていると「目的論」で考えます。つまり「なぜあの人は怒りっぽいのか」と考えるとき、アドラーは「怒っている人は、怒っている人独自の目的を達成するために”怒る”行動をとっている」と見るのです。本書では、「イライラや劣等感などの不快な感情こそ、より快い状態=目的を叶えるエネルギーになる」というアドラーの主張から、片づけられない自分にイライラするのではなく、不快な感情を自分のなりたい姿や、したい行動、いわゆる目的のための意識に変えると、自分が思うように叶うと説いているわけです。たとえばモノが多くて散らかっている場合。捨てたり減らしたりすることばかりを考えるのではなく、「どういうモノといかに暮らしていくか」を考えるのだということ。気持ちをこう切りかえ、「イメージ」「整理」「収納」「片づけ」「掃除」「見直し」という6ステップを踏んで片づけると、ストレスなく部屋を片づけられるというのです。■アドラー流お片付け6ステップ(1)行動を「イメージする」「普段、なにをしているときにいちばん幸せを感じるか」「この部屋で何をしたいのか」をイメージします。既成の価値観にとらわれず、「本当にしたい行動」にアプローチすると、部屋をどう片づければ心地よい部屋になるのかが判ってくるのだといいます。なかなかイメージできない人は「イライラ・ポイント」リストを作成し、部屋の間取りを描いて、「机の上に書類が山盛り」「家電の取扱説明書があり過ぎて面倒」など不快だと思うポイントを書き込んでみましょう。すると、「机の上はすっきりしたい」「家電の取扱説明書は探しやすくしたい」など、本当にしたい行動が見つかるそうです。(2)全部出して分けて減らして「整理」する具体的なイメージができたら、次は整理。ポイントは、出して、分けて、減らすこと。また収納のスペースの大きさを知るためにも、全部出して仕分けします。ルールはなく、自分の価値観に沿ったやり方でOKです。クローゼットの整理の場合、洋服を捨てたくないなら、その気持ちを大切にすればいいということ。着ないけれど取っておきたい服は、自分が「快」と「不快」のとどちらの感情なのかで判断し、「不快」なモノを減らすようにします。こうすると、「思い切って処分した」というような感情はなくなるもの。大事なのは、捨てることではなく「大切なモノといかに仲よく暮らすか」を考えることだといいます。(3)「収納」する次は収納。収納家具やグッズを買う前に、整理されたモノの定位置を決めます。行動イメージに沿って、どこになにを置くかを考えるのです。モノの定位置を決めるときも、アドラー心理学的に、自分を主人公として捉えます。既成の価値観でなく、自身の行動を考え、「なにをどう置くのが自分に適した収納なのか」を考えるのです。収納方法は次の3パターン。1.引き出し収納・・・立てる、仕切る、重ねない2.棚の収納・・・高さ調整可能に、棚は増減自在に、奥高く手前は低く3.吊るす収納・・・1フックにかけすぎない、洋服は1ハンガー1着モノの収納は、このいずれかに当てはめてみると、すっきりするといいます。洋服の収納の場合なら、「たたむ」「棚に並べる」「吊るす」、どの収納が便利か、自分に合っているか考えてください。避けるべきが床置き。どうしても収納場所がない場合は、整理してモノを減らすか、収納グッズや家具で工夫しましょう。(4)「片づけ」のポイントは「使ったら戻す」片づけで大切なのは、「使ったら戻す」こと。余計なことは考えず、「使ったら戻す」ことを習慣化するのです。一緒に掃除する必要はなし。なぜなら掃除しながら片づけると余計な動きが多くなり、かえって疲れて嫌になってしまうから。「片づけ」と「掃除」の時間は別々に分けて行うことが、片づけを楽にするポイントだということです。著者は、「使ったら戻す」片づけの時間を寝る前にとるそうです。所要時間は5分~10分で、「リセットタイム」と名づけて習慣化しているそう。毎日が無理なら、休みの日にまとめてもOK。ストレスを感じない方法でやればいいといいます。(5)「掃除」も1日1回できれば十分「片づけ」と「掃除」は、それぞれの時間帯を分けた方が楽。著者は、「片づけ」は夜、「掃除」は朝早く家族が起床する前に済ませるといいます。1日1回どこかで「リセットタイム」を持てばOK、「掃除」も1日1回できれば十分。一人暮らしや共働き家庭では、休みの日にまとめて掃除するだけでもいいそうです。普通に生活していれば、どんな人の部屋でもモノが増えたりするもの。ずっときれいな状態をキープすることに躍起になる必要はないといいます。(6)「見なおし」でライフスタイルの変化に対応一度は片づいても、生活の変化で片づかないときがやってきます。そこで一定の期間を決めて、定期的に「片づけシステム」の見なおしをします。子どもがいる家族は半年ぐらいで、ライフスタイルが確立されている一人暮らしは2~3年のサイクルで。具体的にはステップ1の「イメージする」に戻るのです。ライフスタイルが変化するたびに、システムづくりの腕は上がり、より心地よい理想の暮らしになっていくはず。*「アドラー流お片づけ」は、無理のないサイクルで6つのステップを順番にくるくる回していくだけ。アドラー心理学はちょっと難しいかもしれませんが、参考にできるところは多々あります。(文/森美奈)【参考】※丸山郁美(2015)『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』かんき出版
2016年01月26日まもなく卒業式シーズンが始まります。実際に今、卒業式を迎える人だけでなく、既に卒業していて卒業式とは関係のない人でも、卒業式シーズンというのは、実は活用のしがいのある時期なのです。■1. 卒業式シーズンの時期基本的には3月の上旬から中旬にかけてが全国的に卒業式の多い時期です。2月中に受験や就職活動が大詰めを迎え、3月に卒業式。その後、少しの準備期間を置いて、4月から新たな一歩を踏み出す。・・・基本的にはこのようなスケジュールになっています。■2. 卒業シーズンのエネルギーを活用する実際に卒業式を迎えない人でも、何か卒業したいことがある人や区切りを付けたいと思っている人は、この卒業シーズンに合わせて思い切って卒業し、区切りをつけてしまいましょう。季節ごとの行事は大きなエネルギーを持っています。ひとりではなかなか踏み出せなくても、社会全体が持つ流れに乗れば、卒業を成し遂げることができるのです。卒業したいことや抜け出したいことがある時には、卒業シーズンのエネルギーを活用しましょう。■3. 卒業できる事柄卒業のエネルギーを受けられるのは、現在のあなたが抱えている問題からの卒業です。例えば、過去の恋における未練からの卒業、飲みすぎ・食べ過ぎからの卒業、言い訳の多い自分からの卒業などです。逆に、「無いこと」や「出来ないこと」からは卒業できません。例えば、パートナーがいないのに、独身からの卒業はできません。実際の卒業と同じように、卒業後の展望が見えていても、いなくても構いません。また、卒業したいことを紙に書くなどして、きちんと卒業式を迎える意識を持つことも大切です。■4. 卒業後は英気を養うきちんと卒業を意識したら、次は4月。春にやってくる入学式です。卒業できたら、それからの数日間は次に進むために英気を養う時間。「卒業すること」と「入学すること」に意識を分けられるので、次のことを始めるのも容易になります。また、季節の流れの力を利用するので、新しく始めたことを達成できる可能性が高くなります。卒業後に気持ちを整理して、春に新たな自分を作り始めるための時間を作りましょう。■おわりに毎年巡る季節や行事にはそれぞれの意味があり、それぞれのエネルギーがあります。逆らって難しい方向に進むのではなく、自分が望む方向に進むために利用していきましょう。満月や新月という月の区切りよりも大きな、年単位のエネルギーをもつ卒業式。実際に卒業する人達ではなくても、そのエネルギーは活かすことのできるものなのです。あなたはこの冬、何を卒業したいですか?(桜田ケイ/ハウコレ)
2015年03月08日