こんにちは、保育士ライターのyossyです。書籍やドラマの『嫌われる勇気』で話題になった“アドラー心理学”。近年、「アドラー式子育て」という言葉もよく聞かれるようになりました。どのような子育て法なのでしょうか。メリットとともにご紹介します。●『嫌われる勇気』で注目されるようになったアドラー心理学アドラーというのは、オーストリア出身の心理学者・精神科医です。有名な『嫌われる勇気』の著者(古賀史健氏との共著)でもある岸見一郎氏は、『子どもをのばすアドラーの言葉子育ての勇気』のなかで、『子育ての目標は“自立”である』と述べています。そのためには下記の3つがポイントになるそうです。・子どもが自分で決められる・子どもが自分自身の価値を決められる・自己中心性から脱却するアドラー式子育てを実践すると、上記のようなメリットが得られるということですね。どれも、社会で人として強く生きていくために重要なことです。また、子どもとの関係性に悩んでいる場合は、関係性がよくなるケースも多い ようです。●叱る子育てとも、褒める子育てとも違う親は、ついつい「子どものため」という言葉を言い訳にして叱ってしまいがちですね。そんな子育て法はよくない、ということで、近年は褒める子育てがよく注目されています。アドラー式子育てにおいても、叱ることは即効性はあるが、結局親が怖いから行動をやめているだけ。長期的にみれば子どもの行動を変えられないことから、有意ではない、としています。しかし、褒めるのも違う のだそうです。褒めることで気分はよくなりますが、人間、いつも褒められるべき状況におかれるわけではありません。また、一生褒めてくれる人がそばにいるわけでもありませんね。●“子どものため”は本当に子どものため?あらかじめ子どもの行動を決めてしまったり、親の言うことを無理に聞かせようとしたりすることは、本当に子どものためでしょうか。また、褒めているとき、子どもに対して上から目線で接していないでしょうか。子どもと対等な目線で話をするように心がけることが、子育ての大事なポイントになるそうです。体罰など、もってのほかですね。子どもに介入せず、でも放任はせず、「いつでも援助する用意はあるよ」と寄り添う のがアドラー式です。普段の勉強や、進学、習い事、友人関係などで決断を迫られたとき、あるいは問題が起きたとき、決めるのは子ども自身。親は先回りして考えてしまうでしょうが、子どもの人生なので、“我が事”として考えすぎないことが大切です。例えば、子どもが勉強をしないときに、「勉強しなさい」と言うのは踏み込みすぎ。勉強についてどうしたほうがいいのか対等に話し合うことや、そもそも勉強が楽しいものであるということを子どもと共有することが大切だというわけです。そして、「勉強する」という意思表示を子どもがしたら、親は本当に信じてあげるのです。----------子どもはいずれ親から自立し、自分の力で生きて行かなくてはいけません。アドラー式子育ては、頭では理解できても実践が難しいと感じる部分も多いでしょう。まずは、頭ごなしに叱るのをやめることから始めてみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『子どもをのばすアドラーの言葉子育ての勇気』岸見一郎・著●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/赤松侑里(さゆりちゃん)
2017年03月09日女性の永遠のテーマであるダイエット。ママにとっても悩ましい問題ですよね。「アドラー心理学」で、一風変わったダイエット法を試してみませんか?■アドラー心理学ってどういうこと?アドラー心理学はオーストリアの精神科医、アルフレッド・アドラーが創始しました。根本としては、人は人、自分は自分として目標や計画を立てるようにする、個人を尊重した考え方をするということ。また、過去よりも未来を見て、目標に向かっていくことを推奨するという考え方です。つまり、「過去の原因探し」をしない、ということ。簡単に言いますと、いまマイナスの状態で悩んでいるなら、プラスにしか向かわないから過去を見なくて良いというようなニュアンスです。■アドラー心理学でダイエットアドラー心理学では、理想の自分と現在の自分とのギャップはマイナスポイントではないと考えます。これをダイエットに生かすとしたら、「いまはこのサイズの洋服を着られないけど、着られない自分を嘆くのではなく、その劣等感を目標に変えてがんばる力を見いだそう」という考えです。「“人間は自分で自分を変える力を持っている”という基本をもとに努力を続けていけば、ダイエットは絶対に成功する」と思うようにします。また、どうしていまダイエットをしているのか、自身で確認することも必要です。目的と目標、手段(計画)をまずは頭に置きましょう。例としては、次のような形です。あまりストイックにならず、ありのままの自分を受けとめてスタートするのがコツです。・「目的」健康を維持するため(このまま太っていたら体に影響がある)・「目標」ウエスト5センチ減、体重5キロ減・「手段」食べる量を腹八分目にして、ウォーキングを1日20分・「期間」3ヶ月たとえば、1ヶ月で2キロ痩せたい場合、まずは次のような目標を立てて実行します。・お菓子は朝か昼間にひとつだけにする。・夜の21時以降は食べないようにする。・朝ごはんはきちんと食べるようにする。・1日20分、ウォーキングをする。しかし、お菓子をどうしても我慢できず、寝る前に食べてしまった! ということがあるかもしれません。その場合にも落ちこまず、「明日またやり直せばよい。こうした日が続かなければ大丈夫」というように、自分で立てなおすようにします。疲れていてウォーキングができなかった日があっても、次の日からまた、きちっとやればよい。そう思って立てなおす気持ちを持つことが大事。ただし、違反が毎日続かないようにします。■アドラー心理学では不完全は恥ずかしくないダイエットに疲れたら、1~2日休んでもアドラー心理学ではOK。完璧を求めずにゆるい気持ちで、自分の行動を信じて進みましょう。『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)で有名になったアドラー心理学ですが、自分を責めたり、ストイックになりすぎることはありません。できない日があっても「次の日」にやりなおせばよい、観念に振りまわされず目標に向かっていこうという考えを持つと、ダイエットの成功は近くなると思います。アドラーの嫌われる勇気は、人や周りを気にした発言や生活をしているより、ときには自分の思うことをぶちまけよう、そして前に進もうというメッセージもこめられています。失敗しても自分を責めないように、次に向かって過去を振りかえらずに進むことは、ダイエットでもマイナスをプラスに向かわせるということになるのですね。
2016年09月04日『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』(かんき出版)の著者・丸山郁美さんは、ストレスを持たずに片づける方法を考案しました。それは、アドラー心理学のエッセンスを取り入れた片づけ術。丸山さんは東京在住の主婦。2013年に、サンケイリビング新聞社主催の主婦の技を競うSHUFU-1コンテストで準グランプリを受賞した片づけの達人です。思い通りに片づけられず、ストレスを抱えていたのに、アドラー心理学を取り入れた片づけ術を実践したところ、きれいに片づけられるようになったというのです。以後7年にわたり、750を超える世帯で「アドラー流お片づけ」のレクチャーやカウンセリングをされています。それはどんな方法なのでしょうか?■アドラーマインドを取り入れるアドラー心理学とは、オーストリア出身のアルフレッド・アドラー(1870-1937)が創始した「個人心理学」のこと。「すべての悩みは対人関係の悩みである」とし、人は過去の原因によって突き動かされるのではなく、目的に沿って生きていると「目的論」で考えます。つまり「なぜあの人は怒りっぽいのか」と考えるとき、アドラーは「怒っている人は、怒っている人独自の目的を達成するために”怒る”行動をとっている」と見るのです。本書では、「イライラや劣等感などの不快な感情こそ、より快い状態=目的を叶えるエネルギーになる」というアドラーの主張から、片づけられない自分にイライラするのではなく、不快な感情を自分のなりたい姿や、したい行動、いわゆる目的のための意識に変えると、自分が思うように叶うと説いているわけです。たとえばモノが多くて散らかっている場合。捨てたり減らしたりすることばかりを考えるのではなく、「どういうモノといかに暮らしていくか」を考えるのだということ。気持ちをこう切りかえ、「イメージ」「整理」「収納」「片づけ」「掃除」「見直し」という6ステップを踏んで片づけると、ストレスなく部屋を片づけられるというのです。■アドラー流お片付け6ステップ(1)行動を「イメージする」「普段、なにをしているときにいちばん幸せを感じるか」「この部屋で何をしたいのか」をイメージします。既成の価値観にとらわれず、「本当にしたい行動」にアプローチすると、部屋をどう片づければ心地よい部屋になるのかが判ってくるのだといいます。なかなかイメージできない人は「イライラ・ポイント」リストを作成し、部屋の間取りを描いて、「机の上に書類が山盛り」「家電の取扱説明書があり過ぎて面倒」など不快だと思うポイントを書き込んでみましょう。すると、「机の上はすっきりしたい」「家電の取扱説明書は探しやすくしたい」など、本当にしたい行動が見つかるそうです。(2)全部出して分けて減らして「整理」する具体的なイメージができたら、次は整理。ポイントは、出して、分けて、減らすこと。また収納のスペースの大きさを知るためにも、全部出して仕分けします。ルールはなく、自分の価値観に沿ったやり方でOKです。クローゼットの整理の場合、洋服を捨てたくないなら、その気持ちを大切にすればいいということ。着ないけれど取っておきたい服は、自分が「快」と「不快」のとどちらの感情なのかで判断し、「不快」なモノを減らすようにします。こうすると、「思い切って処分した」というような感情はなくなるもの。大事なのは、捨てることではなく「大切なモノといかに仲よく暮らすか」を考えることだといいます。(3)「収納」する次は収納。収納家具やグッズを買う前に、整理されたモノの定位置を決めます。行動イメージに沿って、どこになにを置くかを考えるのです。モノの定位置を決めるときも、アドラー心理学的に、自分を主人公として捉えます。既成の価値観でなく、自身の行動を考え、「なにをどう置くのが自分に適した収納なのか」を考えるのです。収納方法は次の3パターン。1.引き出し収納・・・立てる、仕切る、重ねない2.棚の収納・・・高さ調整可能に、棚は増減自在に、奥高く手前は低く3.吊るす収納・・・1フックにかけすぎない、洋服は1ハンガー1着モノの収納は、このいずれかに当てはめてみると、すっきりするといいます。洋服の収納の場合なら、「たたむ」「棚に並べる」「吊るす」、どの収納が便利か、自分に合っているか考えてください。避けるべきが床置き。どうしても収納場所がない場合は、整理してモノを減らすか、収納グッズや家具で工夫しましょう。(4)「片づけ」のポイントは「使ったら戻す」片づけで大切なのは、「使ったら戻す」こと。余計なことは考えず、「使ったら戻す」ことを習慣化するのです。一緒に掃除する必要はなし。なぜなら掃除しながら片づけると余計な動きが多くなり、かえって疲れて嫌になってしまうから。「片づけ」と「掃除」の時間は別々に分けて行うことが、片づけを楽にするポイントだということです。著者は、「使ったら戻す」片づけの時間を寝る前にとるそうです。所要時間は5分~10分で、「リセットタイム」と名づけて習慣化しているそう。毎日が無理なら、休みの日にまとめてもOK。ストレスを感じない方法でやればいいといいます。(5)「掃除」も1日1回できれば十分「片づけ」と「掃除」は、それぞれの時間帯を分けた方が楽。著者は、「片づけ」は夜、「掃除」は朝早く家族が起床する前に済ませるといいます。1日1回どこかで「リセットタイム」を持てばOK、「掃除」も1日1回できれば十分。一人暮らしや共働き家庭では、休みの日にまとめて掃除するだけでもいいそうです。普通に生活していれば、どんな人の部屋でもモノが増えたりするもの。ずっときれいな状態をキープすることに躍起になる必要はないといいます。(6)「見なおし」でライフスタイルの変化に対応一度は片づいても、生活の変化で片づかないときがやってきます。そこで一定の期間を決めて、定期的に「片づけシステム」の見なおしをします。子どもがいる家族は半年ぐらいで、ライフスタイルが確立されている一人暮らしは2~3年のサイクルで。具体的にはステップ1の「イメージする」に戻るのです。ライフスタイルが変化するたびに、システムづくりの腕は上がり、より心地よい理想の暮らしになっていくはず。*「アドラー流お片づけ」は、無理のないサイクルで6つのステップを順番にくるくる回していくだけ。アドラー心理学はちょっと難しいかもしれませんが、参考にできるところは多々あります。(文/森美奈)【参考】※丸山郁美(2015)『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』かんき出版
2016年01月26日