第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、長編アニメーション映画賞に『スパイダーマン:スパイダーバース』が輝いた。ディズニー作品の7年連続となる同賞受賞は実現しなかった。■各映画賞を総なめ、大本命が有終の美!昨年12月に全米で公開されるや、映画ランキングで初登場第1位に輝き、メディアや批評家からも「スパイダーマン映画史上、最高傑作」と絶賛の声が相次いだ本作。アニメ界のアカデミー賞と称されるアニー賞で、長編作品賞をはじめ、候補になった7部門全てを受賞したほか、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、英国アカデミー賞などで長編アニメ賞を獲得。第76回ゴールデングローブ賞でも、アニメ映画賞を手にしていた。まさに大本命として映画賞レースを牽引した本作が、アカデミー賞で有終の美を飾った形だ。■スパイダーマン、死す!そして“スパイダーバース”って何?“スパイダーマン”ことピーター・パーカーの突然の訃報で幕を開ける本作。悲しみに包まれるニューヨークに暮らす13歳の少年マイルスが、ピーターの遺志を継ぐ新たなスパイダーマンとして、闇社会に君臨するキングピンとの戦いに身を投じる。スパイダーバースとは、キングピンによって時空が歪められたせいで、異なる次元で活躍する“スパイダーマンたち”が集結する世界。彼らとの出会いを通した、マイルスの成長が物語の主軸となる。CGと手描きアニメの融合が生み出す、革新的なアニメーション描写はまさに「動くコミック」そのものだ。製作はソニー・ピクチャーズ アニメーション。『LEGO(R)ムービー』のフィル・ロード&クリストファー・ミラーがプロデューサーを務めている。■来年は早くもディズニーが大本命?第85回アカデミー賞の長編アニメーション映画賞を受賞した『メリダとおそろしの森』を皮切りに、『アナと雪の女王』『ベイマックス』『インサイド・ヘッド』『ズートピア』『リメンバー・ミー』と6年連続で同賞に輝いたディズニー作品は今年、受賞を逃した。ただ、2019年は『トイ・ストーリー4』&『アナと雪の女王』第2弾という超強力なラインアップが控えており、早く「来年はディズニー作品が本命」の声もあがっている。少々、先走った予測ではあるが、果たして結果は?『スパイダーマン:スパイダーバース』は3月8日(金)から全国で公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スパイダーマン:スパイダーバース 2019年3月8日より全国にて公開
2019年02月25日ティム・バートン監督とディズニーがタッグを組んだ実写映画『ダンボ』。この度、大空を羽ばたくダンボと、それを見守る個性豊かなキャラクターたちが映し出された日本版ポスタービジュアルがお披露目された。『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』など、魅力溢れる個性的なキャラクターたちの成長を描いてきた鬼才ティム・バートン監督が、「お気に入りのディズニー・アニメーション」と語る名作をその独特の映像美と世界観でファンタジックに描く本作。今回解禁された日本版ポスタービジュアルには、“「羽ばたけ!」大きな耳を勇気の翼に変えてー”というコピーと共に、大きな耳で大空を舞う“ダンボ”が描かれる。そんなダンボの姿を見つめるのは、サーカスの元看板スターでダンボの世話係を任されるホルト(コリン・ファレル)とホルトの娘ミリー(ニコ・パーカー)、息子ジョー(フィンリー・ホビンス)の家族と、空中ブランコのスター、コレット(エヴァ・グリーン)。そして、左側にはサーカスの団長メディチ(ダニー・デヴィート)に、空飛ぶ子象のダンボで金儲けを企む起業家ヴァンデバー(マイケル・キートン)といった、ダンボを取り巻くキャラクターが勢ぞろい。ダンボが“母親を助けるため”懸命に一歩を踏み出そうとする勇気によって、彼らがどのように変わっていくのか?物語が楽しみになるビジュアルとなっている。これまでも、魅力溢れるキャラクターたちが自分らしさを受け入れ、一歩踏み出すファンタジックなドラマを数々描いてきたバートン監督。本作の個性的なキャラクターのひとり・ホルトを演じたコリンは、「稀代のビジュアルアーティストのティム・バートンと『ダンボ』という題材ほど、幸せな組み合わせはない!」とバートン作品への初出演を即決したほど。さらに、近年のティム・バートン作品に欠かせないエヴァに、バートン監督による『バットマン』シリーズでタッグを組んだマイケル、また、ダニーはバートン作品4度目の出演と、監督が信頼するハリウッドの豪華キャストの集結も見逃せない。サーカス団の家族の力を借りて新たな一歩を踏み出す、新しい「ダンボ」の物語にますます期待が高まる。『ダンボ』は3月29日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ダンボ(2019) 2019年3月29日より全国にて公開©2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
2019年01月22日ディズニーランド・リゾート(カリフォルニア州アナハイム)とウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(フロリダ州オーランド)では、90回目の誕生日を迎えたミッキーマウスとミニーマウスをお祝いするため、それぞれ期間限定イベントを開催する。あの人気パレード復活やミッキー&ミニーの90周年の衣装でのペアのグリーティングなど盛りだくさんだ。カリフォルニア ディズニーランド・リゾートでは、90回目のバースデーを迎えたミッキーマウスをテーマに、楽しいイベントが続々とスタート。最新技術を駆使したプロジェクションマッピングで夜のパークを彩る新たなショーや、あのミッキーマウスの大人気のパレードが復活する予定だ。■ゲット・ユア・イヤーズ・オン:ミッキー&ミニー・セレブレーション90回目のバースデーを迎えたミッキーマウスとミニーマウスをお祝いするため、「ゲット・ユア・イヤーズ・オン:ミッキー&ミニー・セレブレーション」と題して、期間限定の新しいエンターテインメントやパーク内のデコレーションがスタート。イベント限定ドリンクカップをはじめ、期間限定デザインの新しいミッキーマウス&ミニーマウスのポップコーンバゲットなども。アパレルやピン、ぬいぐるみやミッキーとミニーの耳のアイテムなど、この期間だけのスペシャルなフードやドリンク、グッズが。また、商業施設エリアのダウンタウン・ディズニーでは、カスタマイズジュエリーで世界的に定評があるジュエリーブランド「PANDRA(パンドラ)」が、90周年をお祝いする14金製のマスコットチャームを販売する。◆ミッキーのミックス・マジック2019年1月18日には、ミッキーのアニバーサリーをお祝いする新しいプロジェクションショー「ミッキーのミックス・マジック」がスタート。DJに扮したミッキーマウスが選択する音楽に合わせて、最新のプロジェクションショーが夜空を鮮やかにライトアップ!メインストリートUSAを中心に“イッツ・ア・スモール・ワールド”の外観や、アメリカ河のウォータースクリーンに映し出す美しい映像やサウンドで、陽気に楽しめるダンスパーティーに!日によっては花火とのコラボレーションもある予定だ。◆ミッキーのサウンドセーショナル・パレード大人気の「ミッキーのサウンドセーショナル・パレード」が、2019年1月25日に大復活!今回はクラシックなミッキーの引っ張るおもちゃからヒントを得たオープニングで始まり、ミッキーマウスと鼓笛隊の楽しい音楽に合わせて、チップとデールが巨大なセレブレーションケーキと一緒に登場。東京ディズニーリゾートの旧フロートが登場するといううわさも!?◆バレンタインマンス2019年1月22日~2月18日までのバレンタイン期間には、ミッキーマウスとミニーマウスの愛をテーマに、バレンタインのお祝いを開催する。メインストリートUSAはミッキーマウスの顔を花で作ったデコレーションでいっぱいとなり、期間中バレンタインテーマの宝探しを開催する。これはパーク内の所定のショップにて専用の地図とステッカーを購入して、パーク内にミニーがこっそり隠したミッキーへのバレンタインギフトを探すというもの。全てのチェックポイントを完了して地図を所定のショップに返却すると、サプライズのバレンタインギフトと交換することが可能だ。■フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのマジックキングダム・パークでは、バースデー用の特別コスチュームのミッキーマウスとミニーマウスに会えちゃうエンターテインメントショーを開催。また2019年5月1日に30周年を迎えるディズニー・ハリウッド・スタジオでは、新しいナイトタイムショーや、アトラクションが続々とオープンする予定だ。◆マジックキングダム・パークマジックキングダム・パークでは、「ミッキー&ミニーのサプライズ・セレブレーション」を2019年1月18日~9月30日の期間限定で開催する。タウンスクエア・シアターでは、バースデー用のカラフルな90周年コスチュームのミッキーとミニーがペアでゲストのみなさんをお出迎えする。お城前で開催する新ダンスパーティー「ムーブ・イット!シェイク・イット!マウスケダンス・イット!」では、新曲「イッツ・ア・グッドタイム」をお披露目。ドナルドダックや、グーフィーたちとも一緒に楽しくにぎやかにお祝い!また、ファンタジーランドのピートのシリーサイド・ショーでは、プルートがミニーに変わってグリーティングに登場の予定。◆開園30周年!ディズニー・ハリウッド・スタジオ2019年秋には、ディズニーチャンネルのアニメーション「ミッキーマウス!」の世界をそのまま再現したかのような、ミッキー&ミニーのライドアトラクション「ミッキーとミニーのランナウェイ・レイルウェイ」が新登場。このアトラクションは3Dならぬ“2と1/2D”という新しい技術を使用したアトラクションで、ミッキー&ミニーによる新しいオリジナルのストーリーとかわいらしいテーマソングとともに、現実世界からエミー賞を受賞した「ミッキーマウス!」の世界へゲストを連れていくというもの。2019年4月には、映画『カーズ』をテーマにした「ライトニング・マックィーンのレーシング・アカデミー」が登場。そして5月には、新プロジェクションマッピングのショー「ワンダフル・ワールド・オブ・アニメーション」がスタートする。また、2019年最大の話題のスター・ウォーズのテーマランド「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」は、ディズニー・ハリウッド・スタジオに、2019年の晩秋に誕生する予定だ。※画像はあくまでもイメージです。紹介したエンターテインメントや現地イベントの内容など全ての情報は予告なく変更になる場合があります。(text:cinemacafe.net)
2018年12月23日年末年始を含む冬休みシーズンのファミリー・ムービーの定番は、やはりアニメーション映画。今年は『グリンチ』と『シュガー・ラッシュ:オンライン』という大注目作がスタンバイしています。かたや子どもたちに大人気のキャラクター「ミニオン」でおなじみのイルミネーションの最新作で、かたやディズニーの最新作。否が応でも期待が高まりますが、どちらもその期待を裏切らない。もう一つ言うと、今の子どもたちに見て、考えてほしい問題の含まれた内容になっています。■これまで描かれなかった子どものリアル問題を描く『グリンチ』と『シュガー・ラッシュ:オンライン』ですが、ひと言でいえば単に楽しいだけでは終わらない作品といっていい。どちらも、親としてはなかなか言葉で説明できないメッセージを子どもたちに届けてくれる内容になっています。しかも、それは従来のアニメーションがよくテーマにしてきた「夢」や「希望」の大切さといったことではありません。これまで子ども向けアニメーションで正面から語られることの少なかった、今まさに子どもたちが実生活で直面しているであろう友人関係や親子関係の問題が、物語の中に大きなテーマとして組みこまれ、大切なメッセージを伝えます。魅力的なキャラクターや美しいアニメ映像にももちろん目を奪われて、一瞬見落としてしまいそうになるのですが、そのストーリーは今の時代をまるで反映させたかのような内容で、中身はじつに骨太です。■謝る大切さを教えてくれるグリンチ。大人はどうする?まずはじめに『グリンチ』は、世界で愛される絵本作家、ドクター・スースの原作の映画化です。主人公の人里離れた洞窟で愛犬のマックスと暮らしているグリンチ。ひねくれ者の彼は村の人々に意地悪なことばかりをしています。そんな彼は人々がみんな楽しそうで一緒に過ごすクリスマスが大っ嫌い。そこで、プレゼントからツリーまでクリスマスに関わるありとあらゆるものを、クリスマス・イブの夜に村中の家から盗んでしまおうと思いつきます。詳しくは明かせませんが、そのなかで、グリンチはひとつ改心します。みずからの過ちに気づき、深く反省するのです。それに気づかせてくれるのが、村の少女、シンディ・ルー。グリンチはあることから彼女の“サンタへのお願い”を知ります。じつは彼女、自分のためのプレゼントもクリスマスのごちそうも望んでいない。彼女がサンタにお願いしたいのは、「いつも一生懸命働いて、なんだか最近、ちょっとお疲れ気味のママの幸せ」だけ。そのとき、グリンチは気づくのです。「クリスマスは独り占めするものではない。みんなで幸せを分かち合う。誰かの幸せを願うことなのだ」と。さらに自分がクリスマスを嫌いな本当の理由にも気づきます。「本当はクリスマスが嫌いなのではない。あるトラウマから、クリスマスを誰とも祝えない、ひとりぼっちの自分が嫌いなのだ」と。これまで目をつぶってきた自分の嫌な面と向き合うグリンチ。そして、彼は最大の勇気を振り絞って、自分のしたことを正直に話し、みんなに「ごめんなさい」の気持ちを伝えます。このグリンチの行いから、「謝ることの勇気」や「人の言葉に耳を傾けること」など、子どもが学ぶことはきっと多いはずです。また、なにか最近、謝罪会見といいながら、言い逃れしたり、話をはぐらかしたりといったいい大人の悪あがきを目にすることが多いのではないでしょうか? そういう意味で、グリンチの潔い姿には、大人も見習うべきところがあるといっていいでしょう。■グリンチが描く、今の世界に対する痛切なメッセージもうひとつ触れておきたいことがあります。それはシンディ・ルーをはじめとする村の人々の厚意です。悪いことをしたことに気づくグリンチですが、悪いことをしたことに変わりはありません。普通ならばみんなからそっぽを向かれても仕方がない。でも、シンディー・ルーは、グリンチをパーティーに招待します。グリンチがパーティーにいくと、村の人々も何事もなかったかのように彼に接します。つまり、悪いことをしたグリンチを大きな心をもって受け入れるのです。ここに込められたメッセージこそが本作の最重要ポイントといっていいかもしれません。いま、世界では仲間以外は認めない。自分とちょっとでも違う人間は受け入れない。そんな排他主義の意識が社会で強まってきている。そのことを危惧するように、本作は他者との協調性の重要さと、思いやりの心の大切さを唱えます。それは大人、子ども関係なく、いろいろと自分の身の回りの人間関係について考える機会になることでしょう。■自分の想いは相手のため?『シュガー・ラッシュ:オンライン』一方、全米で公開され記録的な大ヒットになっている『シュガー・ラッシュ:オンライン』もまた多くのメッセージを届けてくれます。“今”を生きる子どもたちにぜひみてほしいと個人的にはいいたい1本です。この作品のストーリーの根本で言及しているのは、「真の友情」といっていいかもしれません。本作の主人公は、ラルフとヴァネロペ。人間たちが知らないアーケイド・ゲームの世界の住人であるゲーム・キャラクターの二人は、大の仲良しで楽しい毎日を過ごしています。でも、ヴァネロペが活躍するレースゲーム<シュガー・ラッシュ>のハンドルが壊れてしまう緊急事態が発生。このままではゲームが廃棄処分の危機に! それを防ぐためにはインターネットでハンドルを買うことが必要と知ったラルフとヴァネロペはインターネットの世界へ向かいます。ただ、そこでヴァネロペは自分が本当に活き活きと生きられ、自分らしくいられる場所を見つけてしまいます。ラルフと過ごす楽しい毎日も捨てがたい。でも、苦渋の決断で、彼女は新たなレースゲームの世界で自分の力を試す決断をします。それを知ったラルフはひどく落ち込みます。ヴァネロペと別れるのは寂しい。どうにかして一緒にいたい。そして、ヴァネロペを自分に振り向かせようと、ほんの出来心から、ちょっとしたいたずらをしてしまいます。それをきっかけに大の仲良しだったはずの二人の関係にひびが入るのですが、本作はそのときどきに沸き起こる二人の感情を互いにぶつけ合うような構成にしてこちらへ届けます。そのため、われわれはラルフとヴァネロペ、双方の言い分に耳を傾けることになります。その互いの感情のすれ違いから垣間見えてくる「真の友情」。ラルフもヴァネロペも、自分がどれだけおのおのを想っているか、その思いのたけをぶつけるように語ります。でも、ある瞬間に、その思いが時に相手の重荷になってしまうこと、良かれと思ってやったことが相手にとっての幸せの妨げになってしまうことに気づきます。そのとき、はじめて自分のひとりよがりを認識するのです。相手のことを想うならば時に一歩引くこと、隠れて見えないところから応援することも必要。そして、二人は自分たちの関係において、ほどよく心地の良い距離と関係を見つけていくのです。こうしたトラブルはおそらくほとんどの子どもたちが体験したことがあるはず。友人関係を構築する上で、なにが大切なのか? 子どもたちにヒントをきっと与えてくれることでしょう。■ささいないたずらが「いじめのタネ」になるそれからもうひとつ。ラルフがヴァネロペにいたずらをしてしまうと触れましたが、これがのちのち大変なことに。このいたずらがあれよあれよと暴走し、取り返しのつかない事態を招きます。このことが物語るのは、ほんのささいないたずらが時に「いじめのタネ」になってしまうこと。たとえば自分にとってはたいしたことでなくても、相手によってはその人の心を深く傷つけてしまうことがある。仲良くしたいからこそ生まれてしまう相手への嫉妬や憎悪をどうコントロールすればいいのか?そのことを物語全体で本作は伝えています。そういう意味で、いじめが社会問題になっている日本こそ、最も心に響くメッセージの込められた1作といっていいかもしれません。いずれも話題性だけのアニメーションではありません。人として大切にしたいことのメッセージが含まれた内容です。そのメッセージに親子で耳を傾け、学校のこと、友人関係のことなどいろいろな会話をもってみてはいかがでしょうか。『グリンチ』12月14日(金)全国公開『怪盗グルーの月泥棒3D』をはじめ、『ミニオンズ』、『SING/シング』など大ヒットアニメーションを生み出しているスタジオ「イルミネーション」による最新アニメ。絵本作家、ドクター・スースの代表作を原作に、ひねくれ者のグリンチが起こすとんだ騒動が描かれる。字幕版のベネディクト・カンバーバッチが担当したグリンチの日本語版吹替えは大泉洋。そのほか吹替え版には杏、宮野真守らが声の出演を果たしている。ひとりぼっちのグリンチがどんな幸せなクリスマスを迎えるのか注目です!『グリンチ』と共に同時上映! 『ミニオンのミニミニ脱走』『シュガー・ラッシュ:オンライン』12月21日(金) 全国公開2012年に公開され大ヒットを記録したディズニーのアニメーション『シュガー・ラッシュ』の続編。ゲームの裏側の世界を舞台に、アーケード・ゲームの人気キャラクターであるラルフとヴァネロペ が、ゲーム廃棄危機に直面し、インターネットの世界へ。新たな大冒険を繰り広げる。インターネットの世界を可視化したアニメーションのユニークな表現に目を奪われる一方で、「真の友情」について言及したストーリーに大人から子どもまで深く考えさせられます。
2018年12月13日ディズニーと鬼才ティム・バートン監督が、世界中から愛される名作『ダンボ』を全く新しい物語として実写映画化。この度、本作の公開日が日米同時公開の2019年3月29日(金)に決定。重ねて待望の特報とポスタービジュアルも解禁された。■映画賞も受賞するほどの名作アニメ1941年、ウォルト・ディズニーが贈りだした名作「ダンボ」は、ほかの象と異なるあまりにも大きな耳を持ったために仲間はずれにされてしまうダンボの成長物語。悲しみに沈むダンボを勇気づけるネズミのティモシーとの友情や、母の愛情にささえられながら、ありのままの自分を信じて大空を舞う姿は全世界で共感を呼び、不朽の名作となった。そんなシンプルながら“他者との違いを受け入れ、夢と希望を取り戻す”奥深いストーリーを表現したこのアニメは第2回カンヌ国際映画祭でのアニメーション賞を受賞するなど世界中で高い評価を受けた。■名匠ティム・バートンが豪華キャストを迎えて挑む皆が知る名作をベースに、オリジナル脚本で『ダンボ』を実写映画化したのは『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』などで知られる鬼才ティム・バートン監督。なんと「(『ダンボ』が)お気に入りのディズニー・アニメーション」と語っており、その独特な映像美と世界観で、新たな解釈で描かれるファンタジックな物語に期待が高まる。そしてキャストには、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のヒール役が記憶に新しいコリン・ファレルがサーカスの元スター団員ホルト役、ティム・バートン版『バットマン』で主演を務めた過去もあるマイケル・キートンがサーカス団団長ヴァンデミア役、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』のエヴァ・グリーンが空中ブランコ乗りのコレット役といった、ハリウッド常連の豪華俳優が名を連ねている。■待望のビジュアル解禁! 特報では空飛ぶ姿も!この度解禁されたティザービジュアルは「“奇跡”が飛び立つ――」という感動を予感させるキャッチコピーと共に、原作アニメを彷彿とさせるダンボのシルエットが描かれている。まだダンボの全貌が明らかになっていないだけに、今後のビジュアルにも期待が高まる。そして同時に公開された特報では、寝床の藁のベッドから恐る恐る顔を上げ大きな耳とつぶらな瞳を覗かせる赤ちゃん象=ダンボの姿が!原作アニメの姿を忠実に再現しながらも完全実写化され、観る者の想像を上回る可愛らしいその姿はまさに奇跡の一言。映像の終盤には、ダンボが大きな耳で宙を飛ぶシーンを確認することができ、ファンタジックなこの映像はファンならずとも観入ってしまうほど。またコリン・ファレルと共にダンボと対面しているニコ・パーカー、フィンリー・ホビンスといった子役にも注目が集まっている。ダンボとの出会いによって夢と希望を取り戻していく人々を描いた奇跡のファンタジー・アドベンチャーに期待が高まる。『ダンボ』は2019年3月29日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年09月13日来月10月に開催される「京都国際映画祭2018」において、9月3日によしもと祇園花月にて、開催概要発表会見が行われた。「京都映画祭」の伝統と志を引き継ぎ、“映画もアートもその他もぜんぶ”をテーマに行われる「京都国際映画祭」。5年目を迎える本映画祭今年のキャッチコピーは「京都上映中。」。名作を生み出してきた京都の街全体で、映画のある幸福をたくさんの人たちと共有したい、という思いが込められている。昨年に引き続き、世界文化遺産である西本願寺の重要文化財、南能舞台にてレッドカーペット・オープニングセレモニーを行うことも決定し、多数のゲストを迎えること、「牧野省三賞」、「三船敏郎賞」の授賞式が行われることも併せて発表された。■充実の「映画部門」企画「映画部門」では奥山和由京都国際映画祭総合プロデューサーが「こういう映画祭は大きくなるほど軸がずれていく怖さもある、5回という区切りの中で原点を振り返ってみていきたい」と映画部門の大テーマは原点復帰になるとコメント。まず、テレビ局と吉本興業による共同制作プロジェクト「TV DIRECTOR’S MOVIE」からは、「ガンバレルーヤ」よしこ主演の『Bの戦場』、宮川大輔出演の『サクらんぼの恋』含む7作品。「サイレント・クラシック映画」では、高橋寿康監督の新たに発見された『照る日曇る日』、時代劇の基礎を築いた名監督の一人、伊藤大輔監督の幻の作品『明治元年』などの名作を。一人の人、一つのテーマにスポットをあてる「特集上映」では、「深作欣二監督特集vol.1」、「宮川一夫特集」「京の映画」「特別上映」といったテーマでの上映。「映画祭連携企画」では、京都で行われている様々な映画祭・映画イベントが手を組み、作品の紹介上映を実施。そして、昨年新設された「アニメーション」では、従来のアニメーションだけでなく、コマ撮りという特殊な手法にも注目し、様々な作品の上映と関連イベントを行う予定だ。■中島貞夫監督が描く時代劇がワールドプレミア上映!さらに、「特別招待作品」として、京都を代表する巨匠・中島貞夫監督の59年に及ぶ映画人生の集大成となる、20年ぶりの長編最新作『多十郎殉愛記』のワールドプレミア上映も決定。14日(日)によしもと祇園花月でクロージング作品として上映される。この日流れた映像では、本作で主演する高良健吾のコメントも登場。高良さんは1か月ほど京都に入り込んで徹底的に勉強し、切られ役は吉本の若手から20人ほどを抜擢して、3週間徹底的に訓練したという本作。高良さんは「この映画はいまの時代劇の技術的な限界に挑戦するというよりは、役者の限界、体力、肉体の限界に挑戦した時代劇になっている」と作品を説明し、「みんなでこだわって作った、それが映っていると思う、とても自信があるので見ていただけるとうれしい」とアピールしていた。■『Bの戦場』大野拓朗も登場さらにこの日、「TV DIRECTOR’S MOVIE」で上映される『Bの戦場』から、大野拓朗がゲスト登場。主演のよしこさんについて「だんだん可愛く見えてしまうのを楽しんで見ていただきたい」と笑顔を見せ、沖縄でも大好評だったとのことで、「京都でももっと盛り上げていけたら」とアピールしていた。■映画だけじゃないアートにも注目ほかにも、「夢あるなぁ」をテーマに展開される「アート部門」では、今年から新たな会場になった「元淳風小学校」、「岡崎公園・ロームシアター京都 ロームスクエア」、「図書館」などで様々な展示が行われる。「京都国際映画祭2018」は10月11日(木)~14日(日)まで開催。(cinemacafe.net)
2018年09月05日「東映アニメーションミュージアム」が、2018年7月28日(土)より東京・練馬区にオープンする。「東映アニメーションミュージアム」は、2014年9月に惜しまれながら休館となった「東映アニメーションギャラリー」をリニューアルした新施設。施設内には、作品の詳細な情報や映像が流れる巨大なタッチモニターや、作品の原画やセル画などの貴重な製作資料を展示。東映アニメーションが世に送り出してきた作品の数々を、より深く知ることができる。オープンより、企画展「プリキュアあそべるひろば」をイベントスペースにて開催。大きなパズルやおもちゃ体験コーナー、フォトスポットなど、子供が楽しめるコンテンツが用意されている。また、東映アニメーションのキャラクターグッズを販売するミュージアムショップでは、イベントスペースの企画展と連動したグッズなども展開。なお、ミュージアムは入場無料となっている。【詳細】東映アニメーションミュージアムオープン日:2018年7月28日(土)場所:東映アニメーション・大泉スタジオ施設内住所:東京都練馬区東大泉2-10-5開館時間:10:00~17:00(16:30最終入館)定休日:水曜日、その他不定休 ※2018年8月15日(水)は開館入館料:無料
2018年07月29日宮城県美術館にて開催!「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」リトル・マーメイドより 1989年 (C)Disney Enterprises, Inc.宮城県仙台市にある「宮城県美術館」にて、「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」が期間限定で開催されます。期間は2018年6月16日(土)~9月30日(日)。「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」は、2017年4月、東京・日本科学未来館からスタートし、全国3都市を巡回。累計約70万人を動員した展覧会は、仙台が最終会場となります。ミッキーのハワイ旅行より 1937年 (C)Disney Enterprises, Inc.世界中で愛されるミッキーマウスは1928年にスクリーンデビューしてから、2018年で90周年! この機会に本展でしか見ることのできない貴重なオリジナル作品を鑑賞しに、足を運んでみてはいかがでしょうか?90年分・500点の貴重な作品が集結!モアナと伝説の海より 2016年(C)Disney Enterprises, Inc.ミッキーマウスが誕生してから「モアナと伝説の海」公開までの、約90年におよぶ「ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ」の歴史を紐解く“原画・スケッチ・コンセプト・アート”などおよそ500点を展示。そのほとんどが日本初上陸となる貴重な展示品です。「いのちが吹き込まれた瞬間」に立ち会うアナと雪の女王より 2013年 (C)Disney Enterprises, Inc.「ディズニー・アニメーション」による“いのちを吹き込む技=魔法”は、想像力と時代の最新技術を取り入れることによって生み出されたもの。数々の傑作を創り出した技術・リサーチ・開発といった側面にも焦点をあてます。ディズニーキャラクターたちがスクリーンの中で生き生きと動き出す秘密に迫ります。まさに「いのちが吹き込まれた瞬間」に立ち会える展覧会。“ミッキーマウスのデビュー作” 原画が公開蒸気船ウィリーより 1928年 (C)Disney Enterprises, Inc.ミッキーマウスの公式デビュー作は、1928年公開の「蒸気船ウィリー」。実はその少し前に、「プレーン・クレイジー」という“真のデビュー作”と言うべき作品が作られていました。公開の順番は事情により前後しましたが、ミッキーマウスのデビュー作と言われる2つの作品の貴重な原画が同時初公開されます。90年ほど前に描かれたとは思えない繊細で鮮やかな鉛筆画のタッチをじっくり鑑賞してみてください。関連イベントが目白押し。ディズニーに染まる夏を過ごしてズートピアより 2016年 (C)Disney Enterprises, Inc.「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」に合わせて、「宮城県美術館」ではさまざまな関連イベントが開催されます。7月7日(土)・14日(土)・21日(土)の各日14:00~、「ディズニー映画上映会」を開催。12:00から整理券が配布されるそうなので、気になる方は早めの来場が狙い目。8月6日(月)~8月8日(水)では「仙台七夕(たなばた)キャンペーン」と称して、19:00まで開館時間を延長。当日先着200名には“オリジナルうちわ”がプレゼントされます。仙台市営地下鉄東西線「国際センター駅」西1出口より徒歩7分、仙台市営地下鉄東西線「川内駅」北1出口より徒歩7分。「ディズニー・アニメーション」の探求とイマジネーションの軌跡を確かめてみては?イベント情報イベント名:ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法催行期間:2018年06月16日 〜 2018年09月30日住所:宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1 「宮城県美術館」電話番号:022-221-2111
2018年06月14日エディ・レッドメインやトム・ヒドルストン、メイジー・ウィリアムズらが声を務める『アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~』。この度、エディやメイジーらが本作に登場する愉快なキャラクターたちを紹介する特別動画が到着、併せて本ポスタービジュアルが公開された。本作は、『ウォレスとグルミット』『ひつじのショーン』などで知られ、これまでに4 度のアカデミー賞受賞歴を持つニック・パーク監督×アードマン・アニメーションズが制作する新作ストップモーション・アニメーション。今回到着したのは、登場キャラクターをまねておどける主人公・ダグ役のエディや、ヒロイン・グーナを演じたメイジーのキュートなコメントと、本作プロデューサーのピーター・ロードがアードマンアニメーションならではの愉快な登場キャラクターたちを一気に紹介する特別動画。英国の名バイブレーヤー、ティモシー・スポールが演じるボブナー長老など「アーリーマン」チームの個性あふれる姿が紹介されつつ、エディは人気コメディアン、リチャード・アイオアディが演じる“強く見えて内心怖がり”の原始人トレボーのまねをしておどける姿など、とても楽しそうな収録現場の様子が伝わるもの。また、本ポスタービジュアルでは、人間より賢いダグの相棒のブタ・ホグノブやサッカー選手に憧れる少女・グーナ、ダグたちを利用したサッカーの試合で大儲けを企む「ブロンズ・エイジ・シティ」の暴君・ヌース卿(声:トム・ヒドルストン)のほか、ダグを中心に「アーリーマン」チームがサッカー競技場に勢ぞろい!本編がますます気になるビジュアルとなっている。『アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~』は7月6日(金)よりTOHOシネマズ 上野ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~ 2018年7月6日よりTOHOシネマズ 上野ほか全国にて公開© 2017 Studiocanal S.A.S. and the British Film Institute. All Rights Reserved.
2018年06月02日日本テレビ系の「金曜ロードSHOW!」では、細田守監督の最新作『未来のミライ』が公開されるのを記念して、「夏のスーパーアニメ祭り 第1弾」と銘打ち、7月20日(金)から2週連続で細田作品を放送することが決まった。監督した多くの作品が日本アカデミー賞アニメーション作品賞ほか、国内外での映画賞を多数受賞してきた細田監督。最新作『未来のミライ』は第71回カンヌ国際映画祭・監督週間にアニメーション作品で唯一選出・上映されるなど、いまや世界から最も注目されるアニメーション映画監督の1人となった。そんな待望の最新作が公開されるタイミングで、「金曜ロードSHOW!」では『時をかける少女』と『バケモノの子』を放送する。7月20日(金)放送『時をかける少女』高校2年生の真琴は、クラスメイトの千昭と功介と放課後に野球をしたり、カラオケをしたりするごく普通の女の子。ある日突然、時空を飛び越える能力を手に入れた真琴は、深い考えもないまま小さな欲求に従って過去と現在を行き来するうちに、自分にとって一番大事なかけがえのない時間がそこにあったことに気づく…。■7月27日(金)放送『バケモノの子』物語の舞台は、東京・渋谷と、渋谷によく似たバケモノの異世界・渋天街。ひとりぼっちの孤独な少年・九太が、ひょんなことから渋天街の暴れん坊の熊徹と出会い、彼の元で“修行”することになる。共に暮らし修行を続けるうちに、2人は本当の親子のような固い絆で結ばれていくのだが…。■細田監督から、今回の放送に向けてのメッセージも!新作公開のタイミングでこの2本が放送されることについて、細田監督は「『時をかける少女』は少女の懐かしい青春もの、夏の物語です。『バケモノの子』も、夏の少年の冒険もの、ということで、夏休みのはじめに解放感と一緒に体験するのに、これ以上ふさわしい映画はないと思います。夏休みの子ども達の気分を代弁して、励まして、盛り上げるような役割を果たせれば嬉しく思います」とコメント。今回放送される2作と、最新作『未来のミライ』の共通点に関して「青空の質感も近いし、ミライちゃんが、真琴(「時をかける少女」主役)みたいにも思える。他にも、くんちゃん(「未来のミライ」の主役の少年)が九太(「バケモノの子」の主役)みたいになるかもしれないです。実は、そうした共通項もあり、その辺もお楽しみいただければと思います」と説明し、視聴者に向けて「自由になれた開放感…そのくらいの感じで楽しんでいただければ。夏休みの狼煙をあげる…『自分も冒険するぞ!』『チャレンジするぞ』、と感じてもらえれば。若い人たちを夏休みに向けて盛り上げる二本、になってくれれば最高です」と、メッセージを寄せた。『時をかける少女』は7月20日(金)21:00~、『バケモノの子』は7月27日(金)21:00~、それぞれ日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」にて放送。『未来のミライ』は7月20日(金)より全国公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:時をかける少女 (2010) 2010年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010バケモノの子 2015年7月11日より全国東宝系にて公開© 2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図
2018年06月01日第71回カンヌ国際映画祭にて開催中の「監督週間」に、細田守監督の最新作『未来のミライ』が選出され、世界初上映された。会場には、細田監督と主人公・くんちゃんの声を担当した上白石萌歌が招待を受け、上映終了後には舞台挨拶も行われた。『サマーウォーズ』や『おおかみこども雨と雪』などで知られる細田守監督の最新作『未来のミライ』は、時空を超えた“きょうだい”の物語。声のキャストには、上白石萌歌、黒木華、星野源、さらに福山雅治など、豪華俳優陣が名を連ねている。■「監督週間」アニメ作品は本作のみ選出も、細田監督「まだ全然実感がない」今回が初のカンヌとなる細田監督は、「まだ全然実感がないですが、初上映がカンヌで、カンヌの人たちと一緒に作品を観られることがとても楽しみです」とコメント。また上白石さんは国際映画祭自体が初参加ということで、緊張をにじませながらも期待に目を輝かせた。開催50周年を迎える「監督週間」は、過去にソフィア・コッポラや大島渚、北野武が選出されるなど、映画監督の登竜門的な部門でもある。映画際から独立した並行部門として特に監督の作家性が重要視され、近年では、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が選出されたことでも記憶に新しい。今回は、1,600本以上もの応募作品の中から20本の長編作品が選ばれ、アニメーション作品では細田監督の『未来のミライ』だけが選出され、正式招待される運びとなった。■上白石萌歌、流暢なフランス語で挨拶公式上映会場となったのは、「監督週間」部門のメイン会場「シアタークロワゼット」。8時45分から行われた上映は、開場前から長蛇の列ができ、10代からシニア層までの劇場を埋め尽くす850人もの観客が来場。場内満席の大盛況の中、細田監督、上白石さんが場内に入場すると大きな歓声と拍手が!上映中には、上白石さんが演じるくんちゃんの4歳ならではの天真爛漫なしぐさ、その愛くるしい表情に何度も笑いが起き、家族それぞれの想いに感嘆の声が漏れ聞こえていた。観客からの大きな拍手を受けながら、上映後の舞台挨拶に登壇した上白石さんは、「こんにちは! 上白石萌歌です」と緊張気味ながらも流暢なフランス語を披露。また、細田監督は4歳の男の子を主人公にする本作のチャレンジに、「どこにでもある1つの家族を通して、何百年、何千年と続く人生のループみたいなものを描きたいと思って作りました」とコメント。さらにアニメーション映画について「アニメーションという表現で作る映画はまだまだやっていないことが多い。(高畑勲監督や宮崎駿監督といった方々が)これまでたくさんの作品を生み出されており、そのバトンを受け継ぐように、様々なことにチャレンジをし、表現していかなければいけないと思います」と想いを語った。なお、本作は世界最大規模のアニメーション映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭2018」の長編部門コンペティションにも選出が決まっており、今夏には細田監督がアジア数か国を巡る舞台挨拶ツアーも決定。さらに世界中で期待が高まっている。上映会終了後のコメント細田守監督日本よりも先に、世界の方々に観てもらうことが大変なプレッシャーを感じていました。初めての上映はいつも緊張しますが、上映が終わった後、たくさんの拍手を頂けて今はとてもホッとしています。映画が出来上がり、お客さんが観終わって初めて映画が完成します。子どもが生まれる瞬間と同じ気持ちで、カンヌのお客さんに、映画の誕生の瞬間に立ち会っていただき、祝福されながら無事に映画が生まれました。上映中には何度も笑い声が聞こえ、お客さんの反応を直接感じることが出来て嬉しかったです。次は日本で、夏休みの時期に公開なので家族みんなで楽しんでもらいたいです。上白石萌歌監督の隣で初めて作品を観させていただくこととフランス語での挨拶がとても緊張しましたが、しっかりと想いが伝わって良かったです。カンヌで映画が生まれた瞬間に立ち会うことが出来てとても幸せで、夢のような時間でした。映像の美しさ、音楽の壮大さを4歳のくんちゃんの目で冒険出来るという作品の素晴らしさを日本でも自信を持って伝えていきたいです。『未来のミライ』は7月20日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開© 2013 畑事務所・GNDHDDTKリズと青い鳥 2018年4月21日より全国にて公開© 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図
2018年05月17日10月25日(木)より開催される「第31回東京国際映画祭」では、日本映画をより世界へ強く発信していく企画として、2つの大きな日本映画の特集を実施することが決定。「Japan Now部門」では俳優・役所広司を、「アニメーション特集」ではアニメーション監督の湯浅政明を特集する。■Japan Now部門:「映画俳優 役所広司」3年前に新設された「Japan Now部門」は近年の日本映画をふり返り、現在の日本を代表する作品の数々を、映画祭独自の視点でセレクション。いま一番海外へ紹介したい映画人として、これまでに原田眞人監督、岩井俊二監督の監督特集、さらに安藤サクラ、蒼井優、満島ひかり、宮崎あおいの女優特集を行ってきた。そして今回は、東京国際映画祭最優秀男優賞受賞作『CURE』(’97/黒沢清監督)、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞作『Shall we ダンス?』(’96/周防正行監督)、米アカデミー賞作品賞ノミネート作『バベル』(’06/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)など、多くの出演作が国際的に高く評価され、国内外で幅広く活躍する俳優・役所広司を特集。昭和の時代の貴重な作品から最新作までを紹介する初の大規模上映を実施し、これまでの軌跡を辿りつつ、常に新しい挑戦を続ける役所さんの魅力を世界に発信する。今回の決定に役所さんは、「芝居に興味を持って、今年で40年。子どもの頃から何一つ長続きしたものがない僕にとって、40年同じことを続けられるなんて奇跡です」と役者人生をふり返り、「今回の特集上映、とても光栄です。そして、今まで自分に影響を与えてくれた全ての人に感謝します」とコメントしている。■アニメーション特集:「アニメーション監督 湯浅政明の世界」続いて、これまで庵野秀明や細田守などを特集してきたアニメーション特集では、「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」など、日本を代表するアニメシリーズにも数多く携わっているアニメーション監督の湯浅政明をフィーチャー。昨年公開されたオリジナル長編映画『夜明け告げるルーのうた』は、世界最大級のアニメーション映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭にて、長編部門グランプリにあたるクリスタル賞を受賞し、宮崎駿監督、高畑勲監督に次ぐ、日本人史上3人目となる快挙を果たした湯浅監督。『夜は短し歩けよ乙女』(’17)で第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞したほか、第41回オタワ国際アニメーションフェスティバルでは、日本人として初めて長編部門グランプリを受賞するなど国内外で多くの賞を受賞し、世界中から注目を集めている。湯浅監督は、「世界中から作品が集まる国際映画祭で、まさか自分の名前のついた特集上映が実施される日がくるとは思いもしませんでした。このような機会をいただき、大変光栄ですし、とてもびっくりしています」と心境を明かし、「ぜひこの機会に、未だご覧になった事のない多くの皆様に観ていただく事ができればとても嬉しく思います。私自身も作品をふり返る機会をいただいたと思い、楽しみたいと思います」と多くの人に作品を楽しんでもらいたいと語っている。「第31回東京国際映画祭」は10月25日(木)~11月3日(土・祝)の期間中、六本木ヒルズ(港区)、EXシアター六本木ほかにて開催。(cinemacafe.net)
2018年05月09日キキ&ララと人気声優アーティスト・蒼井翔太のコラボカフェ「Shouta Aoi×Little Twin Stars Cafe」が表参道ボックス カフェ アンド スペース(OMOTESANDO BOX CAFE & SPACE)にオープン。期間は、2018年5月11日(金)から6月10日(日)まで。蒼井翔太は、「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズの美風藍役、「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」の橘イツキ役など数多くの作品で声優としてだけでなく、歌手としても活躍しているアーティスト。2018年に入ってからは、人気俳優を起用し続けていた「ポプテピピック」に唯一実写で登場したことでも話題になった。そんな彼が、サンリオの人気者であるキキ&ララとコラボレーション。「リトルツインスターズの世界に、蒼井翔太がお友だちキャラクターになって登場する」というコンセプトのもと、ほっこり癒されるようなカフェメニューやグッズを展開する。また、メニューの中には蒼井が考案した公式マスコットキャラクター“たむたむ”をイメージした「キラキラ☆☆しょーたんカレー&タムタムサラダ」も登場する。なお、カフェは事前予約制となっており、予約者にはカフェ限定オリジナルステッカーをプレゼント。来店特典として、ランチョンマットも用意されている。【詳細】Shouta Aoi×Little Twin Stars Cafe期間:2018年5月11日(金)~6月10(日)場所:表参道ボックス カフェ アンド スペース住所:東京都渋谷区神宮前5-13-2 パインアンダーフラットB1F営業時間:11:00~21:40 ※80分入れ替え制事前予約:公式WEBサイト上にて(予約開始日時:4月18日(水)16:00~メニュー例:・大人もOK!わくわくお子様プレート 1,490円+税・キラキラ☆☆しょーたんカレー&たむたむサラダ 1,390円+税・しょーたん&リトルツインスターズのなかよしパスタプレート 1,490円+税・ふわふわお茶会ホワイトモカ 890円+税・キキ&ララの選べる☆キャンティーソーダ 990円+税
2018年04月21日国内外で最も注目されるアニメーション映画監督の1人・細田守の待望の新作『未来のミライ』。このたび、本作のメインキャラクターの声優陣として、主人公の4歳の男の子・くんちゃんに第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得し、映画・ミュージカル・CMで活躍する新進気鋭の若手女優・上白石萌歌、そのほか黒木華、星野源、麻生久美子、役所広司らのキャストが発表された。細田監督が自ら原作・脚本を手がけた3年ぶりの新作となる本作。甘えん坊の男の子・くんちゃんと未来からやってきた妹・ミライちゃんが織りなす、ちょっと変わった「きょうだい」の物語だ。■上白石萌歌、映画の声優初挑戦!黒木華は細田作品3作目今作が映画の声優初挑戦となる上白石萌歌は、当初ミライちゃんの声優オーディションに参加したところ、くんちゃん役に大抜擢、映画初主演を射止めた。姉は新海誠監督の『君の名は。』で知られる上白石萌音。姉妹揃っての声優業での活躍に期待が持たれる。また、未来からやってくる妹・ミライちゃんを、今作で『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』に続いて細田作品3作目の参加となる黒木華。また、くんちゃんとミライちゃんのおとうさん役には、俳優・音楽家・文筆家と多才ぶりを発揮する星野源、おかあさん役を自身も2児の母である麻生久美子。くんちゃんが出会う謎の男をディズニー実写版『美女と野獣』のガストン役も記憶に新しい吉原光夫、くんちゃんのばあば役を映画・ドラマだけでなく、バラエティ番組でも活躍中の女優・宮崎美子、じいじ役を『バケモノの子』で熊徹を演じた俳優・役所広司が務める。上白石さんは、4歳の男の子の声に苦戦しながらも、一緒にアフレコをした先輩キャストと切磋琢磨しながら、持ち前ののびやかな声でくんちゃんを演じきった。共演した黒木さんは「透明感があって、とてもいきいきしている素敵な声」と絶賛、母親役の麻生さんは「4歳の男の子の声にしか聞こえない。ぴったりですごくかわいい」と称賛の声を贈るほどで、細田監督の期待に見事に応えた形となった。今回新たに解禁された予告2の映像では、妹・ミライちゃんの子育てに必死な両親の姿や、くんちゃんが近未来らしき駅の中で「なくしたものは、“自分自身”というわけですね」と問われるシーンなどが、山下達郎が手がけた「ミライのテーマ」に彩られながら描かれている。新たなシーンも加わり、くんちゃんの冒険とその家族の、時をこえた物語の行方にますます期待が高まる。■キャストからコメント到着!上白石萌歌(くんちゃん)最新作が公開になる度に劇場で観ていた細田監督の作品に出演することができ、すごく幸せです。ミライちゃん役のオーディションを受けた帰りに監督から呼び止められ、4歳の男の子を演じることになり、驚きました。くんちゃん役に決まってからは、保育園で4歳の男の子と実際に遊んだり、お話をしたりして、自分が4歳だったころを思い出していました。とても難しい役でしたが、模索しながらも楽しんで挑戦しました。くんちゃんはずっと見ていても飽きないくらい愛くるしい。『未来のミライ』は、細田監督の愛を強く感じる作品です。その愛情を受け取り、くんちゃんとしてしっかり存在したいです。黒木華(ミライちゃん)細田監督作品は、身近な出来事が繊細に描かれているのに、物語の世界観が壮大で勇気をもらうことができます。監督と今作で再びご一緒することができてとても嬉しいです。4歳の子どもが主人公の作品はなかなかないのでとても楽しみにしていました。私自身、姉弟がいるので、妹ができたときのくんちゃんの気持ちにはとても共感するところがありました。くんちゃんが少しずつ成長していく姿が微笑ましく、くんちゃんの冒険を通して、愛情や絆を沢山感じられる作品です。星野源(おとうさん)細田監督の世界に呼んで頂いたことを、とても嬉しく思います。僕が演じるのは、子育てと仕事に奔走し、成長せんともがいている父親です。映像を初めて観たとき、くんちゃんと赤ちゃんのミライちゃんの一挙手一投足があまりにも可愛く、転げ回りました。収録も穏やかで、何か一つの生き物を全員で大事に育てている感覚になりました。いまから公開の日を楽しみにしています。麻生久美子(おかあさん)『時をかける少女』を観たときから細田作品のファンでした。くんちゃんの家族は、我が家の家族構成とよく似ていてとても身近に感じました。私が演じるおかあさんは、ミライちゃんの誕生で赤ちゃん返りをするくんちゃんに手を焼きますが、私も同じことで悩んだことがあったので、共感の嵐でした。子どもはちょっとずつしか成長しませんが、その“ちょっと”が出来た瞬間を見る幸せが、たくさん描かれた素敵な作品です。『未来のミライ』は7月20日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年04月11日『火垂るの墓』や「アルプスの少女ハイジ」など多数の名作を生み出したアニメーション作家で監督の高畑勲が、4月5日、82歳で亡くなった。14年ぶりとなった長編映画『かぐや姫の物語』は米アカデミー賞にもノミネートされるなど国内外で絶賛されたこともあり、海外でも悲しみの声が広がっている。1935年、三重県・伊勢出身の高畑さんは、東京大学文学部仏文科に在学中、フランス初の長編アニメーション映画『やぶにらみの暴君』(1952年、後に『王と鳥』として公開)に影響を受け、アニメーションに関心を持つようになったという。日本では1955年に公開された同作は、高畑監督のみならず、盟友・宮崎駿監督にも大きな影響を与えたことで知られ、『王と鳥』はスタジオジブリ提供によって2006年に日本公開されている。高畑監督は、宮崎監督とともにTVアニメ「ルパン三世」や「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」などの作品を手がけ、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』にもプロデューサーとして参加。1985年、スタジオジブリの創立に関わった。野坂昭如・原作で太平洋戦争に翻弄された兄妹の悲劇をアニメーションで如実に表現した『火垂るの墓』(1988)は、モスクワ児童青少年国際映画祭でグランプリを獲得するなど海外での評価が高いことで知られる。手描き風アニメーションや水墨画のような表現で注目を集めた『かぐや姫の物語』(2015年)も高い評価を受け、第87回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネート。2009年にも、スイス・ロカルノ国際映画祭でも映画界への長年の貢献が評価され「名誉豹賞」を受賞。2015年には、世界最大級のアニメーション映画祭として知られるフランスのアヌシー国際アニメ映画祭「名誉クリスタル賞」を受賞し、フランス芸術文化勲章のオフィシエを受けている。翌年には“アニメ界のアカデミー賞”アニー賞でも、功労賞にあたる「ウィンザー・マッケイ賞」を受賞するなど、海外の映画・アニメ専門家からも尊敬を受けていた。訃報を受け、米誌「The Playlist」では「スタジオジブリの共同創設者で、アニメーションのパイオニア」と高畑監督を紹介。先日、『かぐや姫の物語』を21世紀の最も優れた日本映画(The Best Japanese Films of the 21st Century)の1本に選んだばかりの「IndieWire」誌は、『火垂るの墓』をはじめ『おもひでぽろぽろ』(1991)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)などを代表作として上げている。より詳しく、1960年初期から映画とテレビの双方で活躍し、アニメーターであり、脚本家であり、製作者であったこと、最後にその名がクレジットされたのは『レッドタートル ある島の物語』(アーティスティックプロデューサー)であったことにも言及。とりわけ、『火垂るの墓』については「最も偉大で(--そして最も悲しい)アニメーション映画であり、彼の最も有名で最も尊敬された仕事として刻まれる」とコメント、映画批評家として知られた故ロジャー・イーバートが遺した言葉「これまで作られた最も優れた戦争映画のあらゆるリストに加えられるべき作品」も引用している。SNSには、『火垂るの墓』の画像とともに「信じられない」「レジェンドだった」など、ショックと悲しみを伝える声が後を絶たない。フランスのアニメチャンネルとして知られる「Catsuka」ではTwitterで追悼の意を示し、2014年に行われた監督のインタビューがオンラインでも見られることを告知、さらに『火垂るの墓』を再放送すると伝えている。またフランス大使館からも【大使の言葉】と題しローラン・ピック駐日フランス大使から追悼のコメントが発表された。(text:cinemacafe.net)
2018年04月06日『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、『レディ・バード』の公開も控える若手イケメン俳優ティモシー・シャラメが主演するショートフィルム『サインスピナー』が、ショートフィルム専門のオンラインシアター「ブリリアショートショートシアター オンライン(以下、BSSTO)」にて配信スタートした。『サインスピナー』はロサンゼルス郊外、“スピナーズ”と呼ばれる看板回しの仕事をしながら、その日々の生活に不安や鬱憤を感じ、傷つきやすくも残酷な少年の姿を描いた作品。アメリカで多発し、社会問題化するティーン・エイジャーの銃撃事件の背景を思わざるを得ないリアルな社会描写と、そこに暮らす一触即発の繊細な少年たちの表情が心に残る。主人公の少年ジェイスを演じたティモシーは、その後、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』に出演するなど、映画界が最も注目する若手俳優への道を歩んでいくことに。また、「BSSTO」には、2月28日(水)よりショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016でグランプリを受賞後、見事に翌年のアカデミー賞短編実写部門に輝いた『合唱』が追加されており、3月28日(水)からは『ネガティブ・スペース』が今年のアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた桑畑かおる監督による2011年のショートフィルム作品の公開が予定されている。世界が注目する俳優やクリエイターたちの作品を満喫できるショートフィルムのラインナップをぜひチェックしてみて。■『サインスピナー』(Spinners)13分16秒/2013年/アメリカ第90回アカデミー賞主演男優賞ノミネート ティモシー・シャラメ主演砂漠に囲まれたとある町で、サインスピニングで小遣い稼ぎをしているジェイスとデレクは、日ごろ彼らをバカにする奴らに仕返しをしようと、ある計画を思いつく。しかし1人の母親が2人の前に現れたとき、彼らの計画は思いもよらぬ方向に…。■『合唱』(Sing)25分/2015年/ハンガリー第89回アカデミー賞短編実写映画賞受賞おとなしい10歳の少女ジョフィーは転校したばかり。最初は少し慣れなかったが、すぐに校内で有名な合唱団に入ることを決め、人気者のクラスメイト、リザと仲良しに。ほどなく、彼女たちは一致団結して合唱団の指揮者である先生に立ち向かうことになる。彼女は見た目と違い、本当は意地悪な人物だった――。■『犯罪オタクのカップル』(Something Left, Something Taken)10分/2011/アメリカ第90回アカデミー賞短編アニメ賞ノミネート桑畑かおる監督作品「犯罪現場では何かが残り 何かがなくなる」。犯罪マニアのカップルが出くわしたゾディアック事件の犯人は…?マックス・ポーター&桑畑かほる夫妻によるパペット・アニメーション。サンダンス映画祭などでも絶賛された。ブリリア ショートショート シアター オンラインにて『サインスピナー』『合唱』は配信中、『犯罪オタクのカップル』は3月28日(水)より配信予定(※視聴は無料だが初回に会員登録が必要)。(text:cinemacafe.net)
2018年03月19日人間界とバケモノの世界を描き、大きな反響を呼んだ2015年公開の『バケモノの子』をはじめ、次々に大ヒットアニメーション映画を生み出すアニメーション映画監督・細田守の新作『未来のミライ』。このたび、ついに物語が動き出し、新たなキャラクターも登場する最新映像の予告編が公開された。高校生と田舎の大家族のひと夏のふれあいを描いた『サマーウォーズ』、2人の子どもを育てる母親と子の自立の姿を描いた『おおかみこどもの雨と雪』、ひとりぼっちの少年と師匠となる“バケモノ”との種族を超えた絆を描いた前作『バケモノの子』。誰もが共感できる普遍的なテーマを、時にリアルに、時にファンタジックに鮮やかにスクリーンへと投影してきた細田監督。3年ぶりの新作となる本作は、細田監督が自ら原作・脚本も担当。主人公の4歳の男の子・くんちゃんが、未来からやって来た妹・ミライちゃんと出会い、初めての体験を繰り返しながら成長していく姿を、細田作品ならではのファンタジーな世界を融合させながら描いていく。今回、新たに解禁された予告映像では、くんちゃんが未来からやって来たミライちゃんと出会うシーンをはじめ、近未来らしき巨大な駅のホームの景色が登場。さらに、耳と尻尾が生え(?)まるで犬のように楽しそうに走り回るくんちゃんの姿も。また、くんちゃんに話しかける謎めいた男性、ウインクを投げかける少女、そしてくんちゃんをバイクに乗せて走る青年など、新キャラクターも登場しているのが見てとれる。いよいよ始まる、小さなお兄ちゃんの不思議な大冒険。見たことのない世界、初めての体験、たくさんの出会い。時間も空間も超えてくんちゃんとミライちゃんが辿り着いた、その場所とは?どうしてミライちゃんは未来からやってきたのか――?まだまだ気になることが多い本作。今後の続報も楽しみにしていて。『未来のミライ』は7月20日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年03月02日見た目はキュートな赤ちゃん、でも中身は人使いが荒く口の悪いおっさん“ボス・ベイビー”が登場するユニバーサル・スタジオ×ドリームワークス・アニメーション第1弾『ボス・ベイビー』。この度、本作とドリームワークスによる新作短編アニメーション『ビルビー』が同時上映されることが決定した。本作の主人公は、タイトルにもなっている実在するオーストラリア生息の絶滅危惧種のひとつ、夜行性有袋類動物“ビルビー”。砂漠で食糧確保に勤しむ度に危険生物に襲われるビルビーだが、なんとか逃げ切った矢先に出会ったのは、白くてフワフワでつぶらな目をした一羽の小鳥。常に危険が付きまとうこの砂漠では、自分の身を守るのが精一杯。まだ歩くのでさえおぼつかない小鳥が自分の後をついてきているとわかっていながらも、後ろ髪を引かれる思いをふり切りその場を立ち去ろうとするビルビー。しかし、次の瞬間その小鳥に危険生物が襲い掛かかり…。本作は、そんな小鳥の大ピンチを目の前に、お人好しのビルビーの奮闘を描く物語。ハラハラドキドキの展開の末に、心温まるラストが待ち受ける。なお、短編アニメーションが同時上映されるのは、ここ日本だけ。日本のためだけに用意されたこのドリームワークスの新作短編アニメーションもぜひお楽しみに。『ボス・ベイビー』同時上映『ビルビー』は3月21日(水・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年02月15日冬休みはアートに触れに街へ出かけてみてはいかが? 日常とはひと味違う時間が流れる美術館やギャラリーに行くと、新しいインスピレーションが得られそう。都内近郊にできたニューオープンのアートスポットや、人気沸騰の展覧会をまとめてご紹介!■草間彌生美術館で語られた草間のメッセージ。「私の愛する美術館を、一生愛して」【レポート】東京の新宿区弁天町にある草間彌生美術館では2018年2月25日まで、開館記念展「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」が開催中。最新絵画シリーズ「わが永遠の魂」を中心に、ミラールームや、屋上には新作のかぼちゃ立体作品「Starry Pumpkin」の展示もあり。©小田原文化財団/Odawara Art Foundation■杉本博司の集大成「江之浦測候所」がついにオープン、“世界や宇宙と自分との距離を測る場所”写真家、現代美術家の杉本博司が、私財を投じた一大プロジェクト「小田原文化財団 江之浦測候所」が、構想から施工まで20年を経て、10から一般公開をスタート。相模湾を一望する丘の上に広がる、写真作品や古美術品を展示するギャラリー棟や茶室、光学硝子舞台など複数の建築を見学することができる。■レゴがデンマーク本社に建設した「レゴハウス」で究極のレゴ体験!大人から子供まで楽しめるオモチャとして不動の人気を誇るレゴが、本社デンマークに「レゴハウス」をオープン。施設はレッド、ブルー、グリーン、イエローの4つのゾーンに分かれており、レゴで出来たロボットをプログラミングで動かせる「ロボ・ラボ」や、レゴを動かしてストップモーションムービーの撮影ができるアトラクションなどを展開する。冬休み中も見られるアート展レアンドロ・エルリッヒ《建物》2004年リノリウムにデジタルプリント、照明、鉄、木材、鏡800 x 600 x 1,200 cm展示風景:104-パリ、2011年※参考図版■レアンドロ・エルリッヒ展をレポート! “見る”ことを疑い驚きのアート体験を金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」の作家として知られるアルゼンチン出身の現代アーティスト、レアンドロ・エルリッヒの個展「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」が4月1日まで、六本木・森美術館で開催中。大型インスタレーションから映像まで、日本初公開作品含む、44点が展示されている。■ドラえもんと村上隆などアーティストが夢の競演! 15年ぶりに帰ってきた「THE ドラえもん展 TOKYO」【レポート】六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーでは「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」が開催中。本展は、「あなたのドラえもんをつくってください」というオファーに、村上隆、奈良美智、蜷川実花、しりあがり寿ら28組のアーティストたちが応えた作品展。国民的キャラクタードラえもんの新しい魅力に触れられるだろう。2018年に行きたいアート展■山縣良和ら7組のアーティストが“装飾の今”と向きあう、「装飾は流転する」が東京都庭園美術館で開催中(年始は1月5日〜)東京都庭園美術館では、人類と共に常に存在してきたをテーマにした展覧会「装飾は流転する 『今』と向きあう7つの方法(Decoration never dies, anyway)」が2月25日まで開催する。ヴィム・デルボワ、ニンケ・コスター、山本麻紀子、山縣良和ら7組の作品を公開する。Foggy Forest | 1992 | Showa Kinen Park, Tachikawa, Japan (Permanent Installation) / Photo: Shigeo Ogawa■霧のアーティスト中谷芙二子と科学者の父・宇吉郎による展覧会、銀座メゾンエルメスで開催銀座メゾンエルメス フォーラムでは、霧のアーティストとして国際的に活躍する中谷芙二子とその父・宇吉郎の展覧会「グリーンランド」 中谷芙二子+宇吉郎展が開催中。中谷芙二子の新作『Glacial Fogfall』を始め、グリーンランドや日本各地での写真などが公開される。1970年当時の太陽の塔内部を再現■岡本太郎と「太陽の塔」を辿る! 大阪万博テーマ館のミニチュア立体化展が開催中(年始は1月5日〜)南青山の岡本太郎記念館では、企画展「太陽の塔 1967 ー 2018 ー岡本太郎が問いかけたものー」の第1期が、2018年2月18日まで開催中。大阪万博テーマ館での岡本太郎の芸術的な展示空間を3次元で追体験できる希少な展示や、海洋堂によるジオラマ展示が行われる。デイヴィッド・シュリグリー「アーティスト」2012 アニメーション 2分24秒 Courtesy: Artist and Stephen Friedman Gallery, London■ブラックユーモアたっぷり。デイヴィッド・シュリグリーの日本初の大規模個展が水戸芸術館 現代美術ギャラリーで開催(年始は1月4日〜)イギリス人現代美術家であるデイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)の日本初大規模個展「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」が、2018年1月21日まで水戸芸術館 現代美術ギャラリーにて開催中。ブラックユーモアを取り込み、ウィットに富んだドローイングの数々が公開される。A Shadow Necessary for Windows / at Palais de Tokyo, Paris, France 2002■コズミック ワンダーの特別展「COSMIC WONDER 充溢する光」が島根県立石見美術館で開催(年始は1月2日〜)島根県立石見美術館は、20周年を迎えたコズミック ワンダー(COSMIC WONDER)の活動を紹介する特別展「COSMIC WONDER 充溢する光」を2018年1月8日まで開催する。2000年から2009年にかけ、パリで発表したコレクションの中から代表的な作品を、ルックブックやコレクションを記録した写真など、貴重な資料とともに紹介する。ウジェーヌ・アジェ「日食の間」(1912年 ゼラチン・シルバー・プリント)■古きパリを記録した近代写真の父、ウジェーヌ・アジェの展覧会が東京都写真美術館で開催(年始は1月2日〜)“近代写真の父”と称されるフランスの写真家ウジェーヌ・アジェ(Eugène Atget)のスピリットを紐解く展覧会「TOP Collection アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」が1月28日まで、東京都写真美術館にて開催される。マン・レイ、荒木経惟、森山大道ら12作家の作品、約155点が一堂に会する他、写真評論家を招いたトークイベントも開催される。ちなみに1月2日は入場無料。
2017年12月31日新海誠監督による2016年の超大ヒット作品『君の名は。』が、2018年1月3日(水)にテレビ朝日で地上波初放送されることが決定!新海監督から地上波放送へ向けた想いが寄せられた。日本映画史上歴代2位!社会現状を巻き起こした『君の名は。』気鋭のアニメーション映画監督・新海監督の最新作にして、神木隆之介や上白石萌音、さらに悠木碧、島崎信長ら人気声優陣を迎えた映画『君の名は。』。2016年8月26日に公開された本作は、国内興行収入250億円を突破し、2016年の興行収入1位、さらに日本映画史上歴代2位という大記録を打ち立て社会現象を巻き起こした。また、日本のみならず、台湾、香港、タイ、中国、韓国などアジア圏でも公開され、ハリウッドでは実写映画化も決定している。物語は、田舎暮らしの女子高校生・三葉(上白石萌音)と、東京に住む男子高校生・瀧(神木隆之介)、出会うはずのない2人は夢の中で互いの身体が“入れ替わる”という不思議な体験を繰り返すうち、いつしか恋に落ちていくというストーリー。そんな2人の恋と奇跡のストーリーを盛り上げる「RADWIMPS」の音楽も話題となり、中でも「前前前世」は大ヒットとなった。新海誠監督「1月3日は1日中、テレビもネットも見ないようにしようと思っています」そんな本作が新春、地上波に初登場!放送にあたって新海監督は「地上波のゴールデンタイムに自分の作った映画を観ていただけるなんて、これまで想像したことがありませんでした。でも、自分が子どもの頃はテレビで観る映画はとても楽しみでしたし、そこでしか知ることができなかったものもたくさんありました。そういう意味では、自分が子ども時代に受け取ったものを、今度は自分が違う世代の方たちに届けることができるようになったのだなと思えて、とてもうれしいですね」と喜びつつ、「皆さんがこの作品をどんなふうに観てくださるのか、少し緊張も感じます」とコメント。また、「この『君の名は。』はひとりで観ていただいても、大切な誰かと2人で観ていただいても、ご家族揃って観ていただいても、それぞれに何か大事なものを見つけてもらえる作品だと思っています。新年の放送では同じ時間に何十万人、何百万人の人が観るので、いろいろな感情が同じ瞬間に起きる…。そんなにも多くの人と作品を共に楽しむのは、繰り返し映画を観た方にとっても初めての経験だと思うので、“同時代感”、“リアルタイム感”みたいなものを楽しんでいただければ」と視聴者へメッセージを寄せる。さらに、自分の作品はいろいろ気になってしまって改めて観ることができないと言う監督だが、「いまのところ1月3日は1日中、テレビもネットも見ないようにしようと思っていますが…誘惑に勝てずにチャンネルを合わせてしまうかもしれません(笑)」と語っている。映画『君の名は。』は2018年1月3日(水)21時~テレビ朝日にて放送。(cinemacafe.net)
2017年12月07日先日ハリウッドでの実写映画化も決定した、’16年の記録的ヒットが記憶に新しいアニメーション映画『君の名は。』などで知られる新海誠監督の展示会『国立新美術館開館10周年新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで』(国立新美術館にて12月18日まで開催中)が人気をよんでいる。 会場には企画書や原画、絵コンテなど、製作の裏側がわかる貴重な資料約1,000点がズラリ。 「展示は一つひとつのカットがどう作られていくかの過程や、音や映像、言葉の演出もありますし、映画に新たな意味が生じるように編集されていたりと、飽きずにいろんな発見ができるよう構成していただいたと思います」(新海監督) 国立の美術館において、現役のアニメーション映画監督の展覧会が開催されるのは今回が初めてのことだ。 「僕がタイミングに恵まれていただけだと思います。僕でなくても似た役割をする方が、前後1~2年で現れたのではないかと。たまたま自分や『君の名は。』がその場所にいたという気がしています」(新海監督) そんな数々の感動を生んだ新海作品のこだわりを、監督自身が解説してくれた。 【君の名は。】“すれ違い”のシーンに映る1対1の人間関係というテーマの追求 「電車や階段などで、登場人物たちがすれ違うシーンについてですが、1対1の人間関係はいつまでもクリアにできない課題で、自分自身の、そして映画のテーマでもあり、描き切ったという気持ちにはならず、繰り返し描いてしまうところはあります。作り終えたあとに関係性を描くのに階段や電車が必要だったんだなと。気づいたら自然とそうなってしまっていたという感じです」(新海監督) 【星を追う子ども】作品にあるキズやすき間が、ファンの心を引きつける 「作品にはキズやすき間のようなものが残っています。ファンの方たちはそんな未熟な部分があるからこそ好きになってくれたところがあるようです。僕自身は、作品を重ねるたびにそんなキズやすき間を少しずつでも軽くしようと思っていて『君の名は。』で、それがかなりできたのかな、と」(新海監督) 【言の葉の庭】新宿の景色に映した人々を肯定してくれる力 「新宿駅付近や新宿にある庭園など、作品には多くの『新宿』が登場しますが、新宿には子どももいれば外国人もいて、昔から住んでいる人もいる。歓楽街もあれば、高級デパートもあります。多種多様な人たちがいるエリアだと思うんですね。人間の多様性、人間の寂しさのようなもの。そんなさまざまなものを肯定してくれる街だと思っていますし、歩いていると安心するんですね。僕が好きな街です」(新海監督) 本展の監修者でもあり、新海作品の配給・製作を行うコミックス・ウェーブ・フィルムの落合千春さんは、展覧会の注目ポイントを次のように語る。 「会場の後半にある新海作品を読み解くコーナー、あとは最後にある大きなシアタールームでは広い会場ならではの映像演出を行っています。フォトスポットもありますので、見て、撮って、楽しんでいただければ」(落合さん) 新海監督やスタッフの、製作という“闘い”の軌跡は、作品の感動をいっそう大きくしてくれるものばかり。新海監督の気になる次回作は、’19年公開予定だ。
2017年11月30日『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の勢いが止まらない。普段ホラー映画は選ばないカップルや学生グループが劇場に押し寄せ、R15+作品ながら公開3通目にして動員ランキング1位を獲得。公開4週目の今週も動員ランキング2位と好調を維持し、動員100万人、興行収入15憶円を突破した。日本列島に“ピエロ旋風”を巻き起こしている最大の要因は、“最恐”ピエロのペニーワイズを演じたビル・スカルスガルドの怪演にほかならない。このビルの父親はスウェーデン出身の名優ステラン・スカルスガルド、兄も美形実力派のアレクサンダー・スカルスガルドだ。いま最もアツい視線を送られる、“最強”の芸能一家・スカルスガルド家の面々に迫った。■ハリウッドを席巻するハイスペック家族、スカルスガルド家とは?日本はもちろんのこと、ハリウッドでもクリント&スコット・イーストウッド親子、クリス(次男)&リアム(三男)&ルーク(長男)のヘムズワース兄弟など、2世俳優や兄弟俳優たち、芸能一家は珍しくはないが、揃いも揃って190cm超えの高身長で美形、父のみならず、子ども4人(8人中)が俳優というスカルスガルド家は特別。父ステランといえば、悪役からコメディまでこなせるキャリア50年のベテランであり、長男アレクサンダー(以下、アレックス)は“世界で最も美しいターザン”として知られる。そして、次男グスタフは全米ヒットドラマ「ヴァイキング~海の覇者たち~」に出演、四男となるビルは『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の世界的大ヒットによりハリウッドの最注目株に。三男は母親(ステランの前妻)と同じく医師の道を選んだが(でもやっぱり長身イケメン)、五男ヴァルターも俳優として活躍中、長女のエイヤは元モデルと、まさに向かうところ敵なし!?の“最強”一家なのだ。父:ステラン・スカルスガルド代表作『ドラゴン・タトゥーの女』『マイティ・ソー』シリーズほか1951年生まれのステランは、本国スウェーデンでTVシリーズやストックホルム王立劇場の舞台俳優として活躍後、1972年に映画デビュー。ラース・フォン・トリアー監督のカンヌグランプリ作『奇跡の海』(’96)や、ビョークが主演した『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(’00)などに出演。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズではオーランド・ブルーム扮するウィル・ターナーの父親“靴ひものビル”役で広く知られるようになった。『ドラゴン・タトゥーの女』や『ニンフォマニアック』などでクセのある役を演じたかと思えば、『マンマ・ミーヤ!』ではコリン・ファースやピアーズ・ブロスナンと“父親候補”の1人を演じたりと、その演技は実に幅広い。マーベルの『マイティー・ソー』シリーズでは天体学者エリック・セルヴィグ役を務めていたが、『アベンジャーズ』でロキ(トム・ヒドルストン)にヒドいことをされてしまったせいで、『マイティー・ソー/ダーク・ワールド』では全裸でストーンヘンジ遺跡を駆け回るという奇行も…。名優になんてことさせるんだ、と思った人も多いはず。でも、長男のアレックスもそうだが、脱ぎっぷりがいいのもスカルスガルド家の特徴(!?)といえる。また、プライベートでは、アレックスを筆頭に6人の子どもをもうけた前妻と離婚後、なんと息子と同い年生まれの映画プロデューサーと再婚。さらに2人の息子が誕生し、8人目が生まれたのは61歳のときという達者ぶり。なお、『劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション』(’10)ではマッツ・ミケルセン、ピーター・ストーメアら北欧を代表する俳優たちがボイスキャストを務めたが、アレックスとムーミン親子を演じたこともファンの間では話題となった。長男:アレクサンダー・スカルスガルド代表作『ターザン:REBORN』「ビッグ・リトル・ライズ セレブママたちの憂うつ」1976年生まれ、完璧すぎるブロンドとグリーンの瞳で知られるアレックス。父の影響を受け、1984年にスウェーデンで映画デビューを果たすも、一時は軍隊に入隊。その後、俳優復帰し『ズーランダー』でハリウッドに進出した。大人のためのヴァンパイアドラマ「トゥルーブラッド」のエリック・ノースマン役で肉体美を惜しげもなく披露してブレイク。レディー・ガガ「パパラッチ」のPVや浅野忠信が出演した『バトルシップ』などでも注目を集めた。2016年には『ターザン:REBORN』に抜擢され、来日も果たしたアレックス。「世界で最もハンサムな顔」常連のカリスマ性あふれるルックスとは裏腹な、茶目っ気たっぷりの飾らない素顔のギャップ、そして“神対応”のファンサービスには日本のファンもメロメロに。今年9月に行われたエミー賞では、最多タイ5部門受賞のHBO「ビッグ・リトル・ライズセレブママたちの憂うつ」でニコール・キッドマンの年下夫を演じ、リミテッドシリーズ/テレビムービー部門・助演男優賞を獲得。本作のリッチで美男美女、非の打ち所のない夫婦の“裏の顔”には、誰もが震撼した。アレックスは受賞も納得の熱演を見せている。かと思えば、MTVに「僕はターザンだから」とパンツ姿で登場しサミュエル・L・ジャクソンを失笑させたり、アレクサ・チャンをはじめ錚々たるセレブと浮き名を流したりと、常に話題を提供。先月には、側頭部の髪だけを残してツルンとなった“波平”風の髪型でイベントに登場して衝撃を呼んだばかり。これはジェシー・アイゼンバーグ、カーラ・デルビーニュ共演の新作『ザ・ハミングバード・プロジェクト』(原題)の役作りのためだそうだが、この撮影中に怪我をしてしまったらしく自らインスタにアップ。本当、話題に事欠かないイケメンだ。四男:ビル・スカルスガルド代表作『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』『アトミック・ブロンド』1990年生まれ、今年27歳となったビル。10歳のときに兄アレックスの出演作で映画デビュー。2014年に日本で公開された『シンプルシモン』(’10)では、他人との距離のとり方やこだわりが独特のアスペルガー症候群の青年を好演して、大きな注目を集めた。同作はアカデミー賞外国語映画賞スウェーデン代表作品に選ばれ、日本でもスマッシュヒットに。だからこそ、彼が『IT/イット』でペニーワイズになると知ったときには驚きを隠せなかった。しかも映画を観たら、素顔を隠した最恐ピエロぶりでさらに驚愕!そして今年は、キーマンともいえる役柄を妖艶に演じたシャーリーズ・セロンの『アトミック・ブロンド』、兄アレックスが「ビッグ・リトル・ライズ」で共演したシャイリーン・ウッドリーの主演シリーズ『ダイバージェント:FINAL』と、3作品が相次いで日本公開に。兄同様、ヴァンパイアを演じたNetflix製作のホラードラマ「ヘムロック・グローブ」も一挙にソフトリリースされることになった。『IT/イット』では完全封印されていた兄アレックスをも凌ぐ色気は、これらの作品ではバッチリと堪能できる。スティーヴン・キング原作×J・J・エイブラムス製作総指揮のHuluオリジナルドラマ「Castle Rock」なども待機しており、ますます目が離せない存在だ。次男も五男もTVシリーズで活躍中『IT/イット』のUSプレミアに、アレックスとともに駆けつけたのが次男のグスタフ。1980年生まれ、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』のヨアヒム・ローニング&エスペン・サンドベリ監督コンビが同作に抜擢されるきっかけとなったノルウェー映画『コン・ティキ』(’12)などに出演してきた。ワイルドみのあるルックスで、「THE TUDORS~背徳の王冠~」「ボルジア家愛と欲望の教皇一族」の製作陣による「ヴァイキング~海の覇者たち~」に出演して人気を集め、「ウエストワールド」シーズン2にも出演する。また、ビルのすぐ下の妹はエイヤ。1992年生まれの現在25歳。14歳のとき、父ステランの『パイレーツ・オブ・カリビアン』プレミアに出席した際、モデルにスカウトされた。きょうだい唯一の女の子だが女優には興味ないそうで、現在はモデルをやめ、ストックホルムでナイトクラブのマネージャーをしているという。そして、1995年生まれ、22歳になったばかりの五男ヴァルターもまた、子役からキャリアをスタートさせ、スウェーデン発のスリラー「Black Lake」(英題)がBBCで放送されたところ。まだ少年ぽいあどけなさを残す彼も、今後の活躍が期待されている。来年以降も話題作出演が続く売れっ子ばかりながら、プライベートでは仲良しのスカルスガルド一家。個々の活躍に、これからも注目していきたい。(text:Reiko Uehara)
2017年11月29日世界的人気ヒーロー「ジャスティス・リーグ」と「鷹の爪」の奇跡のコラボが実現した映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』。なんと劇中で、ジョーカー(声:安田顕)とハーレイ・クイン(声:知英)が『君の名は。』の世界に迷い込んでしまう(?)ことが分かった。「鷹の爪」シリーズは、CGクリエイターのFROGMANが監督・作画・声優(女性キャラ以外)をほとんど1人で務め、制作を行っている大人気フラッシュ・アニメーション。劇場版第9作となる本作では、バットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンらをはじめとした、あのDCコミックスのスーパーヒーロー・チーム「ジャスティス・リーグ」とまさかのスペシャル・コラボが実現!とはいえ、「鷹の爪」らしさは随所に健在だ。今回シネマカフェが入手した映像では、バットマンの宿敵として知られるジョーカーが悪夢から目を覚ますところから始まる。通常は紫スーツ姿のジョーカーが、寝間着Tシャツ姿や制服姿を披露、ハーレイ・クインはJK姿になって登場し、どこかで聴いたことがあるような、ないようなテーマソングが流れてくる、ほかのDC作品では観ることができない貴重な映像となっている。どうやら彼らが迷い込んでしまったのは、国民的大ヒットアニメ映画『君の名は。』の世界。新海誠作品ではお馴染みのNTTドコモ代々木ビル(通称:ドコモタワー)を背にし、白塗りで緑髪のジョーカーが、半そでシャツの制服を着ているというミスマッチすぎる世界観がとてもシュールだ。また、JK姿のハーレイ・クインが階段で振り向く姿は、『君の名は。』の印象的なビジュアルそのもの。怖いものなしのブッ飛んだイカれキャラとして知られるジョーカーだが、明らかにこの世界観に動揺している姿も何だか新鮮。「なーんだとーーー!」と叫ぶ姿は、ジョーカーファンに新たな嵐を巻き起こすに違いない!?まさにギリギリを攻める鷹の爪の世界に巻き込まれてしまったジョーカーの運命や、いかに!?実は本作には、このシーン以外にも日本の作品のパロディが満載。ジョーカーが鷹の爪団の秘密兵器に目を付けて悪だくみをし、それを阻止するために東京にジャスティス・リーグが登場するのだが、日本にやってきたジョーカーとハーレイ・クインは「テラスハウス」風のおしゃれなシェア・ハウスをアジトに選んでいる。アジト内では「テラハ」お馴染みの、住人同士による恋模様や家族会議が勃発している点にも注目だ。それ以外にも、『シン・ゴジラ』をもじった全長600mの「シン・入社員」が登場するなど、抱腹絶倒のパロディが盛りだくさん。また、アメリカを拠点とするジョーカーたちが、鷹の爪団の拠点の麹町に降り立ち、レインボーブリッジにも登場するなど、本作でしか観ることのできない数々の姿を目にすることができる。ともかく、なぜジョーカーが全く縁のなさそうな『君の名は。』の世界に迷い込んでしまうのか?本編のラストで明かされるこの謎を、劇場で確認してみて。『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』は10月21日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年10月19日女優・宮沢りえが、絵本、コミックス、アニメーションと、世界中の人々から愛されているムーミンの映画最新作となるパペットアニメ『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』で“ムーミン役”として、12年ぶりに劇場版アニメ主演を務めることが決定した。これまで、岸田今日子(テレビアニメ「ムーミン」1969年、1972年)や高山みなみ(テレビアニメ「楽しいムーミン一家」1990年ほか)、松たか子(「ムーミン パペット・アニメーション」2012年)らによって演じられてきた主人公ムーミントロール。映画シリーズ初となる“冬のムーミン谷”が舞台となる今作では、主人公ムーミントロールを、『紙の月』『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞ほか各映画賞を総なめにした、日本を代表する実力派女優・宮沢りえが担当!宮沢さんは女優だけでなく、フランス映画『オーシャンズ』のナレーションや、実写版『ジャングル・ブック』の吹き替えも担当しており、劇場版アニメの吹き替えは、人形アニメ監督・川本喜八郎の『死者の書』以来実に12年ぶりとなった。宮沢さんは「ムーミンは子どもの頃、絵本やアニメで楽しませていただいてました。芸術的な絵の色彩やムーミン谷の世界観にドキドキしましたし、キャラクターそれぞれが本当に生き生きしていて、ムーミンの正義感、勇気、おおらかさ、自由さに、心踊っていましたから、今回声という表現で、参加させていただくことをとても嬉しく思っています」とコメント。また「子どもの頃人見知りだった私に母が『ねぇムーミン、こっち向いて…』というフレーズを借りて、私の名前でこの歌を口ずさむことがありました。それがとても好きだったし、大切な思い出です」と自身の幼少期をふり返り、「夢や希望だけでなく現実的なテーマにユーモアをちりばめたムーミンの世界観の魅力をお子さんは勿論、歳を重ねた方々にも、お届けできるように、私自身も楽しみながらムーミンを演じたいと思います」と意気込みを語った。さらに宮沢さんのほかにも、キアヌ・リーブスやトム・クルーズ、ユアン・マクレガーの吹き替えでお馴染みの森川智之と、「鋼の錬金術師」エドワード・エルリック役やルーシー・リューの吹き替えを多く担当する朴ロ美という実力・人気を兼ね備えた声優がそのほかの役を見事な声色で演じ分けるほか、歌手であり『アナと雪の女王』のアナ役の好演で一躍注目を浴びた神田沙也加がナレーションを担当することも明らかになった。『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』は12月2日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年09月30日気鋭のアニメーション映画監督・新海誠監督の最新作にして、神木隆之介や上白石萌音を声優陣に迎え2016年日本映画界を大いに賑わせた大ヒット映画『君の名は。』が、この度、ハリウッドにて実写映画化されることが決定。新海監督とプロデューサーを務めた川村元気からコメントが届いた。描かれるのは、夢の中で“入れ替わる”少年と少女の恋と奇跡の物語。2016年8月に日本公開が始まると、口コミでその評判が拡散。実に15年ぶりの興行収入200億円突破し、邦画歴代興行収入ランキングで『千と千尋の神隠し』に次ぐ第2位を記録。日本のみならず、台湾、香港、タイ、中国、韓国などアジア圏でも公開され、各地で日本映画としての記録を塗り替える大ヒットを達成。映画史に残る金字塔を打ち立てた。また本作のDVD&Blu-ray Discが7月26日に発売され、オリコン週間映像ランキングで邦画アニメで初の快挙をなり遂げるなど、劇場公開後も多くのファンを魅了し、いまだに社会現象を巻き起こしている。そんな勢いそのままに、この度、本作のハリウッドでの実写映画化が決定。東宝は、米パラマウント・ピクチャーズとフィルムメーカー・J.J.エイブラムスが設立した「バッド・ロボット」とともに開発を進めているという。脚本は『メッセージ』で2017年アカデミー賞脚色賞にノミネートされたエリック・ハイセラーが担当。プロデュースには、監督作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が世界中で大ヒットを収め、今後も『ミッション:インポッシブル6』『スター・ウォーズ/エピソード9』とビックタイトルが控えるJ.J.エイブラムスとリンジー・ウェバー、さらに川村氏もプロデューサーとして開発に参加する。以下、スタッフ陣からのコメント。■新海誠/原作・脚本・監督『君の名は。』は、日本に暮らす僕たちのローカルな想像力、ドメスティックな技術で組み立てた映画です。そういう作品がハリウッドと交わることで、もしかしたら新しい可能性のようなものを見せてもらえるのかもしれない──そんな期待をしながら、完成を楽しみに待っています。■川村元気/プロデューサーこれ以上ない、夢のようなチームになりました。J.J.エイブラムスさんが『君の名は。』をハリウッドで実写化したがっていると聞いたときは信じられない気持ちでした。バッド・ロボットで彼と会って話すまで「これは夢だ、きっと夢に違いない」そう思っていたのですが、どうやらこれは現実のようです。数々の名作を現代的なセンスで生まれ変わらせてきたJ.J.エイブラムスさん。『君の名は。』をハリウッドで実写映画として生まれ変わらせるのにあたりJ.J.エイブラムスさんと彼のチーム以上のクリエーターはいないと思います。また脚本のエリック・ハイセラーさんが書いた『メッセージ』はここ数年で見たSF映画のなかで最も心を動かされたものでした。SFとラブストーリーが融合してクライマックスへと突き進む『君の名は。』を、エリックさんならば最高なかたちで表現してくれると確信しています。J.J.さん、エリックさんと共に『君の名は。』のハリウッド版実写映画をプロデュースできることを心より誇りに思います。なお、東宝は、日本のIP(知的財産)を基にした海外との共同製作・リメイクを進める専門チームを立ち上げており、今後、同様の案件を増やしていく予定だという。日本の人気作がハリウッドで実写化・リメイクされる流れは、今後増々加速しそうだ。(text:cinemacafe.net)
2017年09月28日デイヴィッド・シュリグリー「アーティスト」2012 アニメーション 2分24秒 / Courtesy: Artist and Stephen Friedman Gallery, Londonイギリス人現代美術家であるデイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)の日本初大規模個展「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」が、10月14日から18年1月21日まで水戸芸術館 現代美術ギャラリーにて開催される。1968年イングランド北部マックルズフィールドに生まれたデイヴィッド・シュリグリー。イギリス人もしくはイギリス在住作家に贈られる名声高いターナー賞に2013年にノミネートされ、2016年にはイギリスで最も重要なパブリックアートの一つとされる「第4の台座」プロジェクト(ロンドン、トラファルガー広場)に、異様に長い親指を突き立てて「いいね」のしぐさを示す7メートルのブロンズ彫刻「リアリー・グッド」が選出されて話題となった。それらの作品は、ブラックユーモアを取り込んだアイロニーさがあり、中でも日々の生活を題材としたウィットに富んだドローイングが人気を博し、雑誌やTシャツ、バッジ、グリーディングカードなどの商品にも起用されている。「Lose Your Mind(ルーズ・ユア・マインド)」という、「気が狂う」などを意味する熟語の命令形で正気を失うよう促す挑発的なタイトルの同展では、人気の高いドローイングを圧倒的なボリュームで展示。加えて、思わず笑いがこぼれるようなアニメーションや、剥製の彫刻、芸術を揶揄するコンセプチュアルな作品などを目にすることができる。さらに、2016年秋からロンドンのファルガー広場にて展示され、話題を呼んでいるパブリックアート「リアリー・グッド」のバルーン版が制作され、世界に先駆けて初公開される。【展覧情報】「デイヴィッド・シュリグリー『ルーズ・ユア・マインド-ようこそダークなせかいへ』」会期:10月14日~18年1月21日会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8時間:9:30~18:00(入場は17:30まで)休館日:月曜(18年1月8日は開館)、12月27日~18年1月3日、9日入場料:一般800円(600円)、中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添い1名無料※()内は前売、20名以上の団体料金
2017年09月24日大ヒットとなった『君の名は。』などを手掛けるアニメーション映画監督・新海誠のデビュー15周年を記念して、「新海誠展 -『ほしのこえ』から『君の名は。』まで-」が東京・六本木にある国立新美術館にて11月11日(土)より開催されることが決定。国立の美術館では、現役アニメーション映画監督の展覧会は今回が初となった。新海監督は、2002年に短編アニメーション『ほしのこえ』で商業デビューし、『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』などを手掛け、昨年公開された『君の名は。』は、日本だけでなくアジア圏を始め世界中で公開され、旋風を巻き起こした。そんな世代や国境を越えて多くの人々を惹きつける作品を生み出してきた新海監督。本展は、新海監督のその軌跡を貴重な制作資料である絵コンテ、設定、作画、美術、映像を始め、 世界観を体験できる造形物などを通じて紹介。個人制作の『ほしのこえ』から、初の長編作品にして毎日映画コンクールで受賞した『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』『君の名は。』を1章から6章にふり分け、新海誠アニメーションの魅力に迫る。なお、本展は6月より静岡・大岡信ことば館にてすでにスタート。9月から始まる長野・小海町高原美術館を経て、東京・国立新美術館へと巡回。そして、開館10周年となる国立新美術館はほかの会場より広い2,000平米もの展示空間になるため、巡回展での展示内容に加え、初公開を含む制作資料類が多数盛り込まれるという。また東京会場の後、来年1月より札幌、福岡などを順次巡回予定となっている。国立新美術館開館10周年『新海誠展 -「ほしのこえ」から「君の名は。」まで-』は11月11日(土)~12月18日(月)国立新美術館(東京・六本木)にて開催。※休館日:毎週火曜日(cinemacafe.net)
2017年08月28日魅力的で心惹きつけられるキャラクターとともに、作品に入り込むための世界観づくりを徹底して行うのが「ディズニー・アニメーション」の製作における重要な点であることが今回のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ本社取材で発見したことだ。先日発売された『モアナと伝説の海』MovieNEX内のボーナス映像『VOICE OF THE ISLAND(南の島の声をたどって)』では、ロン・クレメンツ&ジョン・マスカー監督をはじめとする製作陣の5年に渡るフィールド・ワークの模様が映されているが、今回はその監督&プロデューサーのオスナット・シューラ―に直接インタビューし、南太平洋の文化を肌で感じたその感触や、彼らの目に映った現地でのリアルな光景を語ってもらった。また、本作を先導した彼らだからこそ理解しているキャラクターの魅力についても監督らのコメントとともに紹介していく。■自然と協力しながら生きる人々の持つ「精神的な豊かさ」島に生きる人々は食物や原料、自然のものに対して非常にセンシティブである。なぜなら、限られたものの中で、何かを極端に使いすぎたり収穫しすぎたりするとそれがダイレクトに生活に影響するからだ。不足したものをすぐに調達することも難しい環境で、人々は均衡をうまく保ちながら自然と協力して生活している。そのようにして、人々はモノに頼らず、工夫を凝らしながら臨機応変に暮らしているが、その姿にはモノに溢れた生活を送る私たちには無い「精神的な豊かさ」があったという。オスナット氏「私たちは、島の中でも非常に豊かさを感じました。島の人たちの自然とのつながりや、自然に対する精神性にはとても感動的なものがありました。特に現在、世界で起きていることを考えると、皆がああいう考え方をすることができたら世の中も良くなるのではないかと考えたりもします」。具体的には、大きな葉っぱを使ってちょっとしたリュックサックを作って漁に持っていったり、ココナッツの木から繊維を取って、パンツの上でよじるようにして縄を作るなど、人々はその場にあるものでなんでも作ってしまうのだ。モノを買ったり消費することが豊かであるという考えを否定することはないが、物質的な幸せを求めるほど自然とのバランスは崩れ、間接的に島の人々の生活を脅かす環境の一因になっていることも、また否定が出来ない。いまこそ、私たちは南太平洋の人々が持つ、精神的な豊かさから学ぶ必要があるのかもしれない。監督たちが島に到着した際、島の人々から受けた「カヴァセレモニー」という歓迎があったという。カヴァとは、コショウ科の樹の皮を乾燥させ粉状にして液体に混ぜた飲み物で、唇が少し痺れ筋肉が弛緩する作用があり、飲みすぎると少しヨロヨロしてしまうこともあるのだとか。セレモニーではカヴァの入った杯をもらって飲み、飲み残しは捨てて、杯を返すそう。気になるカヴァの味は、オスナット氏いわく「食器洗い洗剤のような味」と、少し苦みがある感じなんだとか。ほかにも「カヴァセレモニー」の後、ウムミールという食事をしたのだとか。オスナット氏が当時の模様を教えてくれた。「全てのものを地中に埋め、石を熱して調理するのですが、海からは魚を獲ってきて、ココナッツは木から取ってきたし、タロイモもそこで掘ったものだったし、それを火で調理して割ったものや、葉っぱを利用して食べました。どれ1つとして、よそで作られた物や工場で作られた物ではなかったのです」。■魅力的なキャラクターづくり島の人たちや海に愛されるモアナ。責任感が強く冒険心もある彼女の最大の魅力を監督たちに語ってもらった。オスナット氏「私にとっては素晴らしい美しさと強さを併せ持つキャラクターだということですね。彼女が戦士のように凛々しく立っているところが大好きなんです。若い女性が、世界を救ってヒーローになるという話を語るのは素晴らしいことだと思うし、私たち、特に女性にとっては、本作は「いま」という時代の現実の問題に直結している話だと思うのです」。ロン監督「それに付け加えたいのですが、モアナは思いやりがあって相手の感情を理解する能力に長けていて、彼女のそういう一面がストーリーで重要な役割を果たしていると思うし、彼女の素晴らしい資質だと思います」。ジョン監督「モアナの資質ではあと2つ言っておきたいところがありますね。1つは彼女には傷つきやすいところがあるということ。彼女は、自分が正しいことをしているのかどうか、いつも確信を持てているというわけではないのだけれど、自分に対するそういう疑念と戦って物事を成し遂げるのです。もう1つはユーモアのセンスがあるということです。その持ち前のウィットで、自分より大きくて何でもコントロールしたがるマウイをぐうの音も出ないほど追い詰めてしまう。そうやって相手との関係を最上なところに持っていくという才能にも私は惹かれます」。力強さと思いやりが共存し、かつユーモアのセンスに長けたモアナ。では、モアナをはじめとする、アニメーション作品の興味深いキャラクターづくりや、ほかの登場人物とのダイナミックなつながりを描くうえで監督たちが考えるビジョンとはどんなものなのか?ロン監督「私がディズニーで働き始めて、一緒に仕事をしてきた人たちから学んだのは、キャラクターと彼らの関係は非常に大事だということです。登場人物たちを興味深いキャラクターにして、彼らの関係をダイナミックにするためにすごく頑張らねばならないのです」。ジョン監督「キャラクターは作品の中心になるものですからね。キャラクターに感情移入できなかったら…」オスナット氏「全てがどうでもよくなってしまいますからね」。ジョン監督「映画に入り込めなってしまいます。だから、観客を作品の世界に誘い込んで、自分や自分の知っている人たちと近しいものを感じられるようなキャラクターであることが必要なのです。同時に、自分とは違うところがあって、驚かせてくれる人物であり、感情移入して彼らが幸せになってくれることを望むような人物でなければならないのです」。また、キャラクター作りだけでなく、声優のキャスティングも観客を作品に引き込む一環であるとジョン監督は語る。「いかにもそのキャラクターらしい納得のいく声であり、観る人を惹きつけ彼気に入ってもらえる声の持ち主を探さねばなりません」。本作でモアナの声を務めたハワイ出身のアウリィ・カルバーリョは自身のキャラクターに沿ったアドリブなどをしたそう。観客たちが作品に感情移入して思い入れを持てるようなキャラクターにするというのは、決して容易ではないことながら、これまで7本のディズニーアニメーション作品を手掛け、本作でも海をキャラクターとして描くなど、新たなチャレンジにワクワクしながら取り組んだというロン&ジョン監督。今年でディズニー在籍40周年と43年を迎えた監督たちは、この長い期間の中で“希望が持てなかった”時期、辞職しようと考えた時期もあったそうだが、「自分の声に従う」というテーマが込められた本作から、監督たち自身のスタンスもうかがえるのかもしれない。『モアナと伝説の海』MovieNEXは発売中、デジタル配信中。協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:モアナと伝説の海 2017年3月10日より全国にて公開(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年07月11日モアナの海の冒険を描いた『モアナと伝説の海』。モアナ以外にもたくさんの愛すべきキャラクターたちが生まれた本作。今回は、ディズニー・アニメーション・スタジオでの製作スタッフのインタビューを通して、それぞれのキャラクターの背景、内なる想いを制作秘話とともにお届けし、様々な視点でとらえたキャラクターのつながりを掘り下げる。■ミニ・マウイは何者?CG×手書きアニメーションという試み自信満々でエゴイスト、そしてテ・フィティの心を恐れる半神半人の伝説的キャラクター・マウイ。そのマウイの体に施された、オセアニアの伝統的なマウイのタトゥーの1つに、マウイの分身で彼の“良心”を表したミニ・マウイがいる。そのミニ・マウイや本作の手描きアニメーションのスーパーバイザーを務めたのが、映画『アラジン』でジーニーのアニメーターも務めたエリック・ゴールドバーグ。世界中のアニメーターから多く支持される伝説的な人物に、今回の取材で直接インタビューできる貴重な機会が設けられ、本作での新たな試みについて取材した。本作ではCGアニメーションと手書きアニメーションが映像上でコラボするという、ディズニー・アニメーションの新たな試みがされた。このことをエリック氏は「自分の能力を試してみるようで、とても楽しい」とコメントしている。手描きアニメーションの場合、できるだけ具象的に、立体感を持たせようとすることが多いが、ミニ・マウイは図式的なデザインであり、カラーも白黒であるため、いままでとは違ったアクションが必要になったという。例えばミニ・マウイの感情を表すためには、全て彼の身体やポーズ、顔の表情で読み取ることが出来なければいけなかった。そこでエリック氏はミニ・マウイをチャーミングで愛嬌のあるキャラクターへと肉付けするために、手書きアニメーションやアイディアとともに、それを映像化するコンピューター・アニメーターの協力して製作する必要があった。例えば、マウイがモアナを島の洞窟に閉じ込めて彼女の船を盗もうとするところでは、マウイを引き止めるためにミニ・マウイはタトゥーの一部をゴムのように弾いてマウイの注意を惹こうとする。それにマウイが「痛っ!」と反応するシーンは、高度なCG技術が必要とされた。さらに今回の取材では、エリック氏直伝の「ミニ・マウイの描き方」も教授してくれた。やはり特徴としては、三角形や直線を組み合わせて作られる図式的なデザイン。最後に、エリック氏はこれからの若いクリエーターやアーティストに自身の技術やデザインを伝えていくことは「義務である」と語る。エリック氏はディズニー・アニメーション・スタジオのほかにも、南カリフォルニア大学でアニメーションを教えており、またスタジオ内でも、アーティスト同士講演をしているのだとか。「私たちも、私たちの前に活躍していた名匠アニメーターたちから学んだのですから。私たちが若い世代に伝えていくのは、絶対に必要なことだと思っています」とエリック氏はアニメーターとしての使命を明かした。続いて、本作でスクリプトリーダー(脚本)を担当したジャレド・ブッシュにストーリーの背景やキャラクターの関係性についてをインタビュー。■「海」がひとつのキャラクター作品を生み出すたびに、革新的な部分を同時に創り出し、常に進化し続けているディズニー・アニメーション。本作では「海」がヒューマニティを持ち、ひとつのキャラクターとして存在しているのも、その「新たな試み」の部分と言えるだろう。本作では、その「海」に選ばれたモアナが半神半人のマウイとともにテ・フィティの心を返しに海の冒険へと出る。その旅の途中で、海は船から投げ出されたモアナを助けてあげたり、モアナが言う通りに海が動いたりする。しかしその一方で、モアナが助けを求めていても、海はそれに応じない場合がある。それはなぜか?これについてジャレド氏は、海とモアナの関係性は「親子の関係に近い」と指摘する。実際に3児の父親でもあるジャレド氏は、海がモアナに特別なものを見出したのは、それは「親が自分の子どもに特別なものを見出すのに似ている」からだと考える。確かに、もしこれらが“友だち”だとしたら、互いに協力し合うようになるだろう。それよりも、海はモアナに時間を与え、モアナが彼女なりに試行錯誤するのを“見守って”あげている、親と子のような力関係にあると言える。■モアナとお父さんは立場は違えど気持ちは同じ?本作の見どころのひとつに、モアナの父でありモトゥヌイの村長であるトゥイの心情の変化がある。ジャレド氏はトゥイのキャラクター作りに関して、90分という限られた時間の中でトゥイがどういった人物であるかを知ってもらうために、何年もかけて彼を理解して脚本を書いたそう。そしてジャレド氏は「トゥイは、かつてモアナと同年齢だったときにはモアナとそっくりな人間で、彼の父親もおそらく保守的だったが彼も外に飛び出したがってました」と考えた。しかし本編の描写にもあるように、トゥイは悲劇に見舞われて、それ以来トゥイはその責任は自分にあると罪悪感を感じるようになった。モアナに対しても、その反省から自身の支配力を行使してモアナを島に留めるようにしたのだ。それでも、トゥイの心の深くでは、モアナが考える以上に彼女のことを良く理解していた。そしてモアナが冒険を終えてから、島に“戻ってきた”ことに大きな意味を持つとジャレド氏は考える。「モアナは父親を感心させるためだけに戻ってきたのではなく、父親の中にずっと眠っていたけれど本人はそれに従って行動を起こすことができなかった何かを解き放つためにも戻ってきた」と語る。つまり、モアナは島の人々を救っただけでなく、父親が本来なるべき人間になれるよう感情的な面でも救ったのだ。本作のキャラクターの個々の発見を通して筆者は、周りの人やものが自分にとっての新たな扉を開く「鍵」のような存在であるように感じた。テ・フィティの心がモアナの本当の声の役割になったり、ミニ・マウイがマウイにとっての“良心”役であったり、ラストシーンではモアナ自身がお父さんや島の人々にとっての新たな希望となった。言い換えると、本作では自分の「本当の声」は他者を通じて聞こえる“内なるつながり”があると言えるのかもしれない。『モアナと伝説の海』は6月28日(水)より先行デジタル配信開始、7月5日(水)よりMovieNEX発売。協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:モアナと伝説の海 2017年3月10日より全国にて公開(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年06月27日日本でアニメーションが初めて公開されてから100周年、という節目の年に始動する、ゴジラ映画史上初のアニメーション企画『GODZILLA 怪獣惑星』。来週6月12日(月)~17(土)にフランスにて開催される「アヌシー国際アニメーション映画祭2017」に本作が参加するにあたり、W監督を担う静野孔文監督と瀬下寛之監督からコメントが到着した。1954年に誕生した映画『ゴジラ』は、巨大な文化的アイコンとして世界中の人々に愛されてきた。2016年には庵野秀明総監督『シン・ゴジラ』が公開され、興行収入82.5億円を記録する大ヒットとなった。そして2017年、『ゴジラ』はアニメーション映画となって降臨する。本作が描くのは、これまでのどんな『ゴジラ』とも一線を画すシビアでハードな未来世界。ゴジラを倒すことだけを考えている移民船に乗る1人の青年・ハルオを主人公に、2万年もの間、地球に君臨し続けてきた“ゴジラ”とそれに対峙する人類の因縁の物語だ。監督には、劇場版最新作『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』がシリーズ最高興収の64.3億円(6月1日時点)を突破している静野監督。コンビを組むのは、SF漫画の鬼才・弐瓶勉原作の、世界中のクリエイターやSFファンを虜にした伝説のコミック「BLAME!」の映像化を成功させた瀬下監督。CG領域の第一線で培われたその手腕は、『シドニアの騎士 第九惑星戦役』や『亜人』で立証済みといえる2人だ。そんな本作が、フランス「アヌシー国際アニメーション映画祭2017」の招待作品に。「アヌシー国際アニメーション映画祭」といえば、1960年にカンヌ国際映画祭のアニメーション部門が独立して始まった国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)の公認で、世界最大規模のアニメーション映画祭。『GODZILLA 怪獣惑星』は、今後公開の長編新作のメイキングを紹介する「Work in Progress」というプログラムに招待されている。6月14日(現地時間)午前9:30からの上映には、静野監督と瀬下監督が登壇の予定。なお、この「Work in Progress」には2015年に『バケモノの子』(細田守監督)、2016年に『この世界の片隅に』(片渕須直監督)が日本からは招待されており、近年映画祭の中で注目が高まってきている。静野監督は、「ゴジラがアニメになることを世界の人たちはどう思っているのか、気になるところ。アヌシーに集まるアニメファンが我々の『GODZILLA』にどんな反応を示すのか、とても楽しみです」とコメント。また、瀬下監督は「世界最高のアニメーションフェスティバルに、世界最高の『怪獣』が登場する、そんな歴史的瞬間に立ち会えて幸せです」とコメントを寄せている。『GODZILLA 怪獣惑星』第一章は11月公開。(text:cinemacafe.net)
2017年06月05日