ワット・プラ・シー・サンペット photo:世界遺産イェーイ!国際貿易都市として約400年間栄えたアユタヤ。神格化された歴代の王たちは多くの仏像やチェディ(仏塔)、寺院などを築きました。しかし1767年にビルマ軍の侵攻により絢爛豪華な仏像や寺院は破壊され、現在は切り落とされた仏像、崩れ落ちた仏塔、土台のみの王宮などが残されています。 バンコクからアユタヤへの移動手段アユタヤはタイの首都バンコクからのアクセスが良いことでも有名です!日本からバンコクまでは飛行機で約5時間半。バンコクからアユタヤは電車やバスで約2時間と、バンコクから日帰りも可能なのです。バンコクからアユタヤへの移動手段は、ロットゥー(ミニバス)、電車、タクシーチャーターなどがあります。ロットゥーは、バンコクの戦勝記念塔から出発してアユタヤの主要な寺院のすぐ近くに到着するので何かと便利。バンコクの戦勝記念塔まではBTS(スカイトレイン)で行くことができます。タクシーチャーターは少々高くつきますが何人かでシェアできると割安に楽に行くことができます。またバンコクからの日帰りツアーも数多く出ており、行きはバスで帰りはチャオプラヤー川をクルージング!というツアーもあります。photo:世界遺産イェーイ!個人的には雰囲気たっぷり旅情たっぷりの電車が好きです。少々便利さではロットゥーに劣りますが、タイの風に吹かれながら(エアコンなしも多い)、ガタゴト行くのも楽しく、車内販売でアイスやお菓子が買えるのも魅力的です。 アユタヤで絶対に見たい寺院5つ!1. ワット・プラ・マハータートphoto:ひさほゆうアユタヤで最も有名と言っても過言ではないこちらの仏頭!ビルマ軍の侵攻により仏像が破壊され、長い年月をかけて仏頭が木の根に取り込まれこのような姿になりました。かつては44mの黄金の仏塔があったと言われていますが、現在残っているのは、こちらの仏頭、そして壊された仏塔だけです。 2. ワット・プラ・シー・サンペットphoto:ひさほゆうアユタヤ王朝の王室守護寺院として建てられた寺院。スリランカ様式の3塔の仏塔には歴代のアユタヤ王朝の王3人の遺骨が納められています。(スリランカ様式:仏塔の先が鋭くとがっているのが特徴) 3. ワット・ロカヤ・スターphoto:世界遺産イェーイ!インパクト大!な草原に横たわる全長28m高さ5mの涅槃仏!頭の方にいる人と比べてみて下さい。遺跡の側を、象が歩いているんですよ! photo:世界遺産イェーイ! 4. ワット・ヤイ・チャイモンコンphoto:ひさほゆうアユタヤの島の外側(南東)にあり、島の内部の遺跡からは少し離れています。高さ62メートルの仏塔を囲むようにずらーりとたくさんの座仏像が並んでいることで有名です。 5. ワット・ラチャブラナphoto:世界遺産イェーイ!クメール様式の寺院。大きな仏塔は途中まで上ることができます。アユタヤ時代の壁画なども仏塔内部に残されているのでぜひ上ってみましょう!(クメール様式:仏塔の先端が丸みを帯びているのが特徴) 5つの寺院をトゥクトゥクで回ろう!アユタヤの中心部は3つの川で囲まれて島のようになっていて、今ご紹介した5つの寺院のうち「ワット・ヤイ・チャイモンコン」以外は島の中にあります。アユタヤは暑いので効率よく体力を温存して楽しむにはトゥクトゥクで回るのをオススメします!アユタヤで半日あれば大丈夫です! モデルルートはこちら!アユタヤ駅またはロットゥー乗り場↓ワット・ラチャブラナ↓ワット・プラ・マハータート↓ワット・プラ・シー・サンペット↓時間に余裕があれば「ワット・プラ・シー・サンペット」の近くにある屋台でご飯!↓ワット・ロカヤ・スター↓ワット・ヤイ・チャイモンコン↓アユタヤ駅またはロットゥー乗り場タイのオムレツは美味しい photo:世界遺産イェーイ!もう少し時間があれば、朱印船貿易で栄えていた日本人町や、アユタヤから南へ約20kmのところにあるバーン・パイン宮殿などにも行ってみたいところです。夜のワット・プラ・シー・サンペット photo:世界遺産イェーイ!以上バンコクからの日帰りを押してきましたが、実はアユタヤは泊まっても楽しいんです!いくつかの寺院は夜ライトアップされ、昼間とは違った幻想的な雰囲気を見せてくれます。夜はかなり暗く、人もほとんどいないので安全面を考え旅行代理店や泊まっているホテル主催のナイトツアーに参加しましょう!・アユタヤへのアクセス日本からタイの首都バンコクまで直行便で約5時間半。バンコクからアユタヤは車、電車で約2時間。 アユタヤと周辺の歴史地区 (文化遺産)・登録:1991年・登録基準:「文明の証拠」 ※記事中の情報は、全て2016年3月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム タイ中部の世界遺産!アユタヤの遺跡と、貴重な動物に会える自然遺産!
2016年04月03日ワット・ヤイ・チャイモンコン@アユタヤphoto:世界遺産イェーイ!タイには5件の世界遺産があります。前回は、タイ北部にある世界遺産2件を紹介しました。今回は、首都バンコクからのアクセスも良くタイで一番メジャーな世界遺産アユタヤの遺跡と、手長猿や象など貴重な動物に会える自然遺産2件をご紹介致します!アユタヤと周辺の歴史地区(文化遺産)登録基準:「文明の証拠」ワット・プラ・シー・サンペット3基の大仏塔が有名 photo:世界遺産イェーイ!アユタヤは「平和の都」という意味で、約400年間栄えたアユタヤ朝の都です。3つの河川の合流地点にあるアユタヤはかつて「水の都」とも呼ばれ、商業と文化の中心地として栄えていました。アンコール朝を滅ぼし、スコータイ朝を併合したりして17世紀には国際貿易都市に発展するも、1767年のビルマ軍侵攻によって都は徹底的な略奪と破壊にあってしまいました。この際に仏像の頭部が切り落とされたりしたわけです。ワット・プラ・マハータート菩提樹の木に覆われた仏頭 photo:世界遺産イェーイ!仏教を信仰した歴代のアユタヤ朝の王たちが築いた美しい仏像や寺院を楽しむことができるアユタヤ。首都バンコクから北へ約80km、バスや電車に乗って約1時間半で行けることから多くの観光客を集めているアクセス良好な世界遺産でもあります。私たちはレンタサイクルでまわりました! photo:世界遺産イェーイ!前回の記事でご紹介したスコータイも巨大な遺跡でしたが、こちらのアユタヤも広い!!世界遺産に登録されている寺院はたくさんあり、点在しているのでレンタサイクルやトゥクトゥクでまわりましょう!暑いので水分補給はしっかりと!バンコクから日帰りでも十分観光できますが、アユタヤにもホテルがたくさんあるので何泊かしてのんびり寺院巡りをするのもオススメです。ワット・ラー・ジャブーラナ@アユタヤ砲弾系の塔は必見です! photo:世界遺産イェーイ!・アクセス日本から首都バンコクまで飛行機で約6時間。バンコクからアユタヤまでバスか電車で約1時間半~2時間。ドン・パヤーイェン-カオ・ヤイの森林群 (自然遺産)登録基準:「絶滅危惧種」カオヤイ国立公園で出会ったトカゲの一種 photo:世界遺産イェーイ!世界遺産、「ドン・パヤーイェン‐カオ・ヤイ森林群」は、カオヤイ国立公園など4つの国立公園と、ドンヤイ野生生物保護区で構成される広大な山岳地帯です。運が良ければ象やトラが見られる野生動物の宝庫で、トレッキング、バードウォッチング、自然観察、キャンプなどを楽しむことができます!バンコクから日帰りツアーで行くこともできますが、私たちはせっかくなのでバンコクから電車で約4時間のところにあるパクチョンという街に泊まって観光しました。パクチョンにある宿で開催している1日トレッキングツアーでカオヤイ国立公園を満喫しました!ヒルが多いのでこんなのを履いて出発! photo:世界遺産イェーイ!トレッキングをしていると様々な動物に会うことができます。こちらは、ガイドさんが望遠鏡越しに写真を撮ってくれた手長猿!photo:世界遺産イェーイ!トレッキングの最後ではこんな滝で水遊びをすることもできます!photo:世界遺産イェーイ!山歩きを楽しみながら、珍しい動物に会ったり、滝つぼで水遊びをしたりと自然を満喫できる世界遺産カオヤイ!バンコクから少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか。・アクセスバンコクからパクチョンまで電車で約4時間。パクチョンのホテルでツアーを申し込む。バンコクからのツアーもある。トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区 (自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」「トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区」は、タイ北部、ミャンマーとの国境沿いに位置し、東南アジア最大級の動物保護区でもあります。インドゾウなどの珍しい植物を見ることができます。現在野生動物保護区は人の立ち入りが禁止されているため、なかなか見学するのが難しいですが、周辺の国立公園で自然を少し楽しむことはできます。バンコクや、バンコク近郊のカンチャナブリーから、ツアーで観光することができます!・アクセスバンコクやバンコクからバスで約2時間のところにあるカンチャナブリーからツアー。※記事中の情報は、全て2015年12月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2016年01月05日©Tourism Authority of Thailand世界遺産登録をきっかけに始まった「アユタヤ世界遺産祭り」。アユタヤ歴史公園で開催される祭典では、幻想的にライトアップされた遺跡群を背景に繰り広げられる光と音のショーを始め、ダンスショーや古代マーケットを再現した市など、様々なイベントが催される。2015年は12月18日~27日に開催。歴史に思いを馳せる10日間©Tourism Authority of Thailandバンコクから北へ約80キロに位置する古代都市「Ayutthaya(アユタヤ)」。1351年から400年以上タイの中心都市として栄えた都市には、現在も貴重な遺跡群が残されている。1991年、このアユタヤの遺跡群がユネスコ世界遺産に登録されたのを機に始まった「The Glorious of Ayutthaya Fair(アユタヤ世界遺産祭り)」は、年に一度のタイを代表する華やかな祭典。幻想的にライトアップされた遺跡群を背景に、光と音を駆使した歴史劇やダンス、花火など、様々なイベントが予定される。会場となるのは、遺跡を数多く有するAyutthaya Historical Park(アユタヤ歴史公園)。ライトアップされた遺産が舞台!幻想的な光と音のショー©Tourism Authority of Thailand華やかな祭典に先駆けて2015年12月9日には、アユタヤを創設したKing U-Thong(ウートン王)の像にて仏陀への敬意を表する宗教的式典が執り行われる。続いて18日に行われるオープニングセレモニーにて、10日間に及ぶ祭典が開幕。アユタヤ世界遺産祭りのメインイベントの一つ、歴史公園内Wat Mahathat(ワット・マハタート)にて行われる光と音のショーは、アユタヤ王朝の歴史が壮大なスケールで表現される観光客にも人気のパフォーマンス。Chao Sam Phraya National Museum(チャオ・サム・パラヤ国立博物館)での古代の金の展示や、中央ステージでの伝統的な仮面のダンスショーやフォークパフォーマンスなども見どころ。©Tourism Authority of ThailandWat Langka Khaoでは、夕方16時~21時の間、古代のマーケットを再現。当時のお金を使い、100を越える店がタイ料理やOne-Tambon-One-Product (OTOP/一村一品運動)の品などのお買い物を楽しめる。ステージでは、毎日17時~19時、伝統的な仮面のダンスやその他民族パフォーマンスも開催。期間中は、Ayutthaya Tourism Center(アユタヤ・ツーリズム・センター)にて、地元の大学「Rajabhat Ayutthaya University」の生徒たちによるガイド付きの無料アユタヤトラムツアーも実施される。荘厳な世界遺産に身を委ね、アユタヤ王朝の歴史に思いを馳せてみては?
2015年12月11日世界遺産で知られている古都・アユタヤの新名所として人気を集めているのが水上マーケット。2010年に登場した「アヨダヤ水上マーケット」は、運河を使った交通手段が一般的だった古き良き時代を再現したテーマパーク。外国人のみならず、地元タイ人にも人気の観光スポットで、週末となればバンコク等周辺エリアから訪れるファミリーや学生グループで賑わう。「ワット・マヘーヨン」近くに造られた人工池の周りには、タイの古い街並みが再現され、施設の名称もあえて伝統的な「アヨダヤ」とネーミング。大きな池を囲むように、土産店や飲食店等たくさんのお店がずらり軒を連ね、ショッピングやちょっとしたランチ、軽食が充実している。初めて訪れるなら、船で広い敷地内を巡る約15分の遊覧コース(大人20バーツ、子ども15バーツ)もおすすめ。もちろん水上マーケットならではの、水路に浮かぶ小舟のお店から気に入った品を買うという体験も楽しい。隣接の「エレファントビレッジ」では象に乗って遺跡見物することが可能。象の他にもトラやヘビ等の動物と間近で触れ合えることが出来る。「アヨダヤ水上マーケット」は入場無料で、タイの伝統的生活の雰囲気を気軽に味わうことが出来るので、アユタヤの遺跡巡りついでに立ち寄ってみては。アヨダヤ水上マーケット&エレファントビレッジ(Ayothaya Floating Market & Elephant Village)・住所:Phai Ling, Phra Nakhon Si Ayutthaya District, Phra Nakhon Si Ayutthaya, Thailand<水上マーケット>・利用時間:8:00~18:00・利用料金:無料<エレファントビレッジ>・利用時間:8:00~17:00・利用料金:20分で1人400バーツ©all photos to Tourism Authority of Thailand
2015年09月01日© ASEAN-Japan Centre遠くからでも巨大仏塔が一際目立つ「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」。パーサック川の東側に位置する寺院は1357年、アユタヤ王朝の初代王であるウートン王がセイロン(現スリランカ)に留学中の修行僧たちの明造場として建てたもので、別名「ワット・プラ・チャオプラヤータイ」とも呼ばれている。象徴的な高さ72mの仏塔は、1592年に19代ナレスアン王がビルマ王子との一騎打ちで、ビルマ軍との戦いに勝利した記念の塔。当時、ナレスアン王はビルマが先に建てた「ワット・プーカオトーン」に対抗してこの仏塔を建立したが、高さはわずかに及ばなかった。この仏塔には仏舎利が収められていると言われ、階段で途中まで登ることが可能。上部の回廊は、アユタヤの街を一望することが出来る絶景スポット!但し、急傾斜やレンガが崩れている個所もあるので足元に気をつけて。途中階内部には8体の仏像と井戸のように掘られた穴があり、20バーツを支払うと金箔を仏像に張りお参りすることも出来る。アユタヤ市内から少し離れているため戦火や仏像の倒壊はまぬがれたという、貴重な場所。塔の周囲をぐるりと囲む、鮮やかな黄色の衣をまとった数十体の仏座象は圧巻。境内にはほかにも寝釈迦象や小さな市場もあり、ゆっくり見物したい。ワット・ヤイ・チャイ・モンコン(Wat Yai Chai Mongkon)・住所:Khlong Suan Phlu Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya・利用時間:8:00~17:00・利用料金:20バーツ
2015年08月29日©ASEAN-Japan Centreアユタヤにある、木の根に埋まった仏頭が有名な「ワット・マハタート」。仏舎利が収められ、建築的にも13世紀の重要な寺院のひとつとされている。かつては塔の頂上が黄金に輝いていたここも周辺の寺院同様、ビルマ軍の侵略により廃墟と化し、今は木の根の間に眠る仏像の頭や、頭部がない仏像、崩れ落ちたレンガの壁や礼拝堂の土台が残るのみとなり、歴史を静かに物語っている。「ワット・プラ・シーサンペット」の西に位置する寺院は、1369年~70年の2代ラーメスアン王が建てたという説と、1370~88年の3代ボロムラーチャー1世が建てたという説があり、“仏舎利を祀る寺院”を意味する「ワット・マハタート」の名を持つ。クメール様式に影響された仏塔は、後にタイ全国で建てられた数々の仏塔のモデルに。1956年の修復の際、塔の跡から数々の黄金仏や宝飾品などが発見され、これらは現在「チャオ・サン・プラヤー国立博物館」に展示されている。「ワット・マハタート」を象徴するのが、仏頭が根に埋め込まれた菩提樹。一度はテレビやガイドブック等で目にしたことがある人も多いと思うが、これはビルマ軍が切り落とし放置したものが長い年月を経て、自然と木に取り囲まれたもので、その神秘的な姿は戦争の悲惨さや、時の流れについて考えさせられる。尚、この仏頭の前で写真を撮る際は、仏頭より高くならないようにしゃがむことを注意して。ワット・マハタート(Wat Phra Mahathat)・住所:Chikun Tha Wasukri Phra Nakhon Si Ayutthaya・利用時間:8:00~18:00、ライトアップは19:00~21:00・拝観料:50バーツこちらも合わせてCheck!タイの歴史を物語る古都「アユタヤ」を訪れてみようアユタヤの象徴的寺院「ワット・プラ・シーサンペット」
2015年08月20日バン・パイン宮殿バンコクから北へ約76キロ。数多くの遺跡が点在し、四方を川に囲まれた美しい水の都、アユタヤ。1991年12月にはユネスコ世界文化遺産に指定され、タイの歴史を物語る上で欠かすことが出来ない古都だ。タイ初心者ならばバンコクとあわせて訪れることの多い、旅行者に人気の観光スポット。バンコク北バスターミナル発のバスに揺られること約1時間半で、各社から企画されているツアーを利用するのもお手軽だ。ぶらり鉄道の旅も風情たっぷり!バンコクのフアランポーン駅発、チェンマイまたはウボンラチャタニー行きの国鉄が1日15本運行。こちらも所要1時間半程度で到着する。ワット・プラ・シーサンペット1351年にウートン王によって建都されてから、1767年にビルマ軍の攻撃で破壊されるまでの417年間、アユタヤ王朝の都でタイの中心として栄えた都市。チャオプラヤー川とその支流に囲まれた地形は水運に恵まれ、17世紀はじめにはヨーロッパと東アジアを結ぶ国際貿易都市として繁栄した。その都市計画や中央集権制度、国際貿易振興といった近代国家の基盤は、その後のバンコク王朝にも受け継がれている。苔むした仏塔や、大草原に横たわる涅槃像、歴代王の離宮…現代に当時の姿を伝える荘厳な遺跡群は歴史公園として整備され、多くの観光客を惹きつけている。ワット・マハータートアユタヤ観光のハイライトとなるのは、中心部に広がるアユタヤ歴史公園の遺跡群。かつて王室儀礼が執り行われ、歴代3人の王が眠っている王宮寺院の「ワット・プラ・シーサンペット」、初代王ウートンの菩提寺「ワット・プラ・ラーム」、長い年月ののち木の根で覆われてしまった仏像の頭が残る「ワット・マハタート」らはどれも見逃せない。日没から21時まで実施されるライトアップも幻想的!サムロー(人力車)や運河クルーズからゆったり美しい光景を楽しむことができる。アユタヤの中心地からチャオプラヤー川を南へ約17キロ下ったところに位置するのが「バン・パイン宮殿」。アユタヤ王朝24代王プラサート・トーンが建てた宮殿で、後にバンコク王朝のラーマ4世・5世が夏を過ごす離宮として修復したものだ。さらに南へ18キロほど行くと、タイの各地方の伝統家屋や民芸品・生活用品などが展示されたバンサイ民芸文化村がある。時間に余裕があるなら、「チャンタラカセーム国立博物館」や「チャオ・サーム・プラヤー国立博物館」でアユタヤの歴史と美術に浸るのも良い。又、アユタヤでは毎年12月、世界遺産に登録されたことを祝う祭りが催され、歴史公園を舞台に伝統舞踊などのショーや花火が開催。ソンクラーンやロイクラトンなど、タイの伝統的な祭りや、川でのボートレースも盛大に行われるので、この時期にあわせてタイ旅行を計画するのもおすすめだ。©all photos to ASEAN-Japan Centre
2015年08月11日アユタヤへの普通列車(筆者撮影)「本当にその国のことを知るなら、地元の鉄道に乗ってみるのがよい」そんな話を聞くことがある。ここでいう「鉄道」とは、都市の地下鉄や高架鉄道ではなく、もちろん中長距離の列車、日本でいえば昔の「国鉄」の列車のこと。ただ、言葉も分からない、切符の買い方も分からない、そんな状況で見知らぬ国の鉄道に乗るのは、少々億劫ではないだろうか。そんな方でも気楽にトライできるのが、微笑みの国、タイの鉄道。何か困ったことがあってもタイの人なら優しく力になってくれるはず。幸い、バンコクから日帰り観光に最適なアユタヤへは、鉄道で移動しても1~2時間程度。気楽に「アジア鉄道の旅デビュー」を果たすことができる。アユタヤへの列車は1時間に1本程度。列車の時刻は、英語画面もあるタイ国鉄のホームページから簡単に調べられる。特急、急行は座席指定制なので事前の購入が必要。手数料を払えば日本からでも手配できるほか、バンコク市内の日系旅行社の支店でも購入が可能。でも、やはり鉄道を楽しむなら普通列車がお勧め。普通列車は自由席なので、当日の切符購入で大丈夫。ファランポーン駅(筆者撮影)バンコクの始発駅はファランポーン駅。市内の宿から地下鉄で簡単にアクセスできる。地下鉄の階段を上がり、ファランポーン駅に一歩踏み入れると一気にローカル度が増す。タイ各地の人がバンコクとの往復に利用するこの駅は、昔、東北の玄関口であった上野駅のような雰囲気がある。ファランポーン駅ののどかな光景(筆者撮影)朝8時ファランポーン駅で起立する人たち(筆者撮影)出発時刻まで時間があれは、駅の2階のカフェで甘いコーヒーを飲みながら、故郷に向かう待合室の人たちの様子を眺めるのもよい。もし朝8時か夜6時に駅にいれば、国歌に合わせて全員が起立する様子も見られる。入口のところに掲げられている肖像はタイの鉄道の創始者、ラーマ5世。普通列車の車内。木製の座席もある。(筆者撮影)発車の合図は駅員が鐘をならす。(筆者撮影)さて、いよいよ列車に乗り込む。ここで普通列車の自由席に座るときのアドバイス。タイは日差しがきついので、太陽の方角に注意が必要。バンコクからアユタヤに午前中に向かうなら、進行方向左側の席が日陰となる。それでも窓側に座っていると日焼けするので対策は万全に。冷房のついていない普通列車の車内も、走りだせば心地よい風が入り涼しく感じられる。LCC用のドンムアン空港を右手に見てしばらくすると、次第に家も少なくなりのどかな風景が広がる。離宮のための王室専用の建物が残っているバンパイン駅に到着すれば、アユタヤまであと10分程度、そろそろ降りる準備となる。王室専用の建物があるバンパイン駅(筆者撮影)アユタヤ駅に到着すれば、駅前に観光用のトゥクトゥクが待機していて声をかけてくる。値段は交渉制なので、事前に相場は知っておいた方がよい。バンコクへの帰りの列車は、始発駅ではないので大幅に遅れて到着することがあり予定がたてにくい。バスで帰ってもよいが、何もない駅で、ぼっーとしながら遅れている列車を待つのも、それはそれでアジアの鉄道の楽しみ方のひとつであろう。アユタヤではゾウに乗って観光(筆者撮影)(text & photo : 井上毅)
2015年07月27日