Bリーグ選手のカラダ作りの秘訣は?2月に行われた「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦 2024」で1位となった、千葉ジェッツの金近廉選手に注目します!代表に選ばれて、パリでプレーする姿を見てもらいたい。金近選手がバスケットボールを始めたのは小学校低学年の頃。「兄がバスケットボール部に入っていたので、そのチームの人たちと、家の前の公園で暗くなるまでバスケットボールをしていたんです。シュートを決めた瞬間が、何より楽しくて。プロになってからは、ファンの方たちが一緒に喜んでくれるので、その嬉しさを一層感じています」現在、21歳。ジェッツでは年下組。「30代、40代のベテラン選手も多いチームではありますが、上下を感じることはなく、風通しがいい。チームメイトからは“かねち”とか“廉”と呼ばれています。キャプテンの富樫勇樹選手は、“かねち”と呼んでくれていますが、試合中のピリッとした場面では“廉!”になることも。気が引き締まります(笑)」大学時代のポジションは、高身長の人が就くパワーフォワードやセンターだったが、プロに入ってからはスモールフォワードにスイッチ。「以前とは仕事が全く違うので、シーズン前半はうまくいかないことも。でも、中盤くらいからは慣れてきて、スモールフォワード特有のディフェンスの多様さが楽しくなってきました。今シーズンも残りわずか。昨季ジェッツは準優勝と、悔しい思いで終わった試合を僕もベンチで観ていたので、今季はリベンジできるように、チーム一丸となって優勝を目指しています」7月には、男子日本代表も出場するパリ五輪が開催。金近選手は、代表入りを期待される一人。「昨年のワールドカップでは、最終選考で外れてしまって…。やはりワールドカップやオリンピックという大舞台で世界の選手と対戦することは、バスケットボール人生において大きな経験になると思いますし、応援してくれている方たちのためにも、今度はしっかり選ばれて、パリでプレーする姿を見せたいです」2月のバレンタイン時期に開催された「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦 2024」では見事、1位を獲得。しかも、歴代最高得票数という快挙を成し遂げた。「みなさんが毎日投票してくれたり、SNSで応援メッセージをもらったりして、本当に嬉しかったですね。昨年1位の河村勇輝の得票数を上回ったことも(笑)。(“さん”づけでないのは)大学の先輩ですが、1個上は同級生みたいなものなので」イベントでは特技の3ポイントにかけて“恋する放物線”と甘いキャッチフレーズがついていたけれど。「せっかくなので…25歳くらいまでこれで頑張ろうと思います(笑)」かねちか・れん2003年3月11日生まれ、大阪府出身。身長196cm。’23年、東海大学を2年で中退し、練習生を経て千葉ジェッツに加入。ポジションはスモールフォワード。©CHIBAJETS FUNABASHI/PHOTO:Keisuke Aoyagiジャケット¥17,600パンツ¥15,400(共にリーバイス フォー ビオトープ/ビオトープ TEL:0120・298・133)インナーパンツ、タンクトップはスタイリスト私物靴は本人私物「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦 2024」結果発表!毎年、Bリーグが行っているバレンタイン企画で、昨年は横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝選手が1位となった「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦」。B2、B3を含む全56クラブから各1名がエントリーし、SNSなどでのファン投票で8代目モテ男No.1に輝いたのは千葉ジェッツの金近廉選手。優勝者はananに登場するのが恒例に。2位は宇都宮ブレックスの四家魁人選手、3位は琉球ゴールデンキングスのジャック・クーリー選手。投票の有効ポイント数が過去最高と、大盛り上がり!【1位】金近 廉(千葉ジェッツ)/96,024票3ポイントシュートを武器に、チームで存在感を発揮。関西出身でお笑い好き。好きな芸人は千鳥と、かまいたち。©CHIBAJETS FUNABASHI/PHOTO:Keisuke Aoyagi【2位】四家魁人(しけ・かいと)(宇都宮ブレックス)/62,578票アメリカの大学でのプレーを経て、昨年加入。チーム最年少で愛され弟キャラ。3ポイントシュートが得意。©B.LEAGUE【3位】ジャック・クーリー(琉球ゴールデンキングス)/55,151票試合後の手厚いファンサに定評あり。昨シーズンはリバウンド王に輝くなど、ゴールを守るチームの大黒柱。©B.LEAGUE※『anan』2024年4月17日号より。写真・魵澤和之(まきうらオフィス)スタイリスト・井田正明ヘア&メイク・坂西 透取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2024年04月13日2月に行われた「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦 2024」で1位となった千葉ジェッツの金近廉選手が本誌初登場。3ポイントシュートを武器に世界と戦うカラダはどう作られているのか。金近廉選手タンクトップの裾をたくし上げて腹筋を見せるポーズや、髪をかき上げる仕草など、どんなリクエストにも魅力的な表情で応えてくれた、千葉ジェッツの金近廉選手。グッと引き締まった腹筋はさすがプロスポーツ選手の貫禄だが、普段はどんなトレーニングをしているのだろう。「バスケットボールは相手とカラダの接触が多いスポーツなので、当たり負けしないよう体幹を鍛えることが不可欠です。全身のトレーニングをする時も、体幹に力が入っていないと腰を痛めてしまうことがあるので、腰まわりを固定して、重りを持って歩いたり、腕を上げたり、といったトレーニングをしています」“腹筋数十回”などではなく、実際のプレーにつながるような効率的な鍛え方。シーズン前はこうした負荷のかかる筋トレでカラダの土台を作り、シーズン中の今は疲労が残らないように、ハードなトレーニングはしないとのことだけど…。「ananさんで腹筋を見せる撮影があると聞いて、1週間くらい前からいつもより少し多めに、体幹のトレーニングを頑張ってきました(笑)。僕はウエストが細いほうなので、もう少し幅を大きくしてガッシリした体格になりたい。外国籍の選手が、理想に近いかも」昨年2月、バスケットボールの強豪・東海大学在学中に日本代表に選出。その後大学を中退し、Bリーグの千葉ジェッツの練習参加を経て、7月正式に加入。トレーニングを積んで10月にプロデビュー。もともと3ポイントシュートを得意としていたが、ジェッツに加入後、3ポイントを打つ時の武器となる上半身の筋肉を、より強化するようになったという。「全体的に筋肉量が少なかったので、体幹や肩まわり、腕の筋肉を多めに鍛えるようにして、入団から3か月で体重を7kgほど増やしました。脂肪ではなく、ほとんど筋肉だけで。プロになると、パワーの強い選手と競り合う場面も多くなったので、ケガのリスクを避けるためにも、同じレベルのカラダ作りが必要です」かねちか・れん2003年3月11日生まれ、大阪府出身。身長196cm。’23年、東海大学を2年で中退し、練習生を経て千葉ジェッツに加入。ポジションはスモールフォワード。©CHIBAJETS FUNABASHI/PHOTO:Keisuke Aoyagiジャケット¥17,600パンツ¥15,400(共にリーバイス フォー ビオトープ/ビオトープ TEL:0120・298・133)インナーパンツ、タンクトップはスタイリスト私物「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦 2024」結果発表!毎年、Bリーグが行っているバレンタイン企画で、昨年は横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝選手が1位となった「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦」。B2、B3を含む全56クラブから各1名がエントリーし、SNSなどでのファン投票で8代目モテ男No.1に輝いたのは千葉ジェッツの金近廉選手。優勝者はananに登場するのが恒例に。2位は宇都宮ブレックスの四家魁人選手、3位は琉球ゴールデンキングスのジャック・クーリー選手。投票の有効ポイント数が過去最高と、大盛り上がり!【1位】金近 廉(千葉ジェッツ)/96,024票3ポイントシュートを武器に、チームで存在感を発揮。関西出身でお笑い好き。好きな芸人は千鳥と、かまいたち。©CHIBAJETS FUNABASHI/PHOTO:Keisuke Aoyagi【2位】四家魁人(しけ・かいと)(宇都宮ブレックス)/62,578票アメリカの大学でのプレーを経て、昨年加入。チーム最年少で愛され弟キャラ。3ポイントシュートが得意。©B.LEAGUE【3位】ジャック・クーリー(琉球ゴールデンキングス)/55,151票試合後の手厚いファンサに定評あり。昨シーズンはリバウンド王に輝くなど、ゴールを守るチームの大黒柱。©B.LEAGUE※『anan』2024年4月17日号より。写真・魵澤和之(まきうらオフィス)スタイリスト・井田正明ヘア&メイク・坂西 透取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2024年04月13日世界の舞台で活躍するバレーボールプレーヤー、髙橋藍選手。ハイレベルなプレーだけでなく、試合後のインタビューでは“ひき肉ポーズ”で観客を楽しませるコミカルな一面も。彼が日本でもイタリアでも多くの人々を魅了する理由に迫る。「何かやってくれる」、そんな選手に近づきたい。「回復がかなり早くて、ドクターも驚いています。自分でもちょっとビックリですね」いつもの明るさで、髙橋藍選手は笑い飛ばした。イタリア・セリエAの1月24日の試合中に左足首を負傷し、復帰まで1か月程度と診断されていた。ところが驚異の回復力を発揮し2月14日の試合で復帰。世界中のファンが安堵したに違いない。日本だけでなく海外にも多くのファンを持ち、インスタグラムのフォロワー数は200万を超える。なぜ彼は人を惹きつけるのだろう?もちろんまずプレーヤーとしての魅力がある。188cmの身長は世界の中では小柄。にもかかわらず、日本代表や世界最高峰のセリエAでレギュラーを張り、2mを超える海外の選手と渡り合っている。サーブレシーブや守備は世界屈指で、攻撃でも、身体能力を活かした高い跳躍と美しいフォーム、巧みな技術で得点を量産する。何より、世界トップレベルの厳しい舞台で、楽しそうに躍動する姿が観る者を魅了する。スパイクを打つフリをしてトスを上げる“フェイクセット”など、観客がワクワクするようなトリッキーなプレーも得意。勝利への執念を燃やしながらも、観ている人を楽しませたいというサービス精神や、何かやってやろうといういたずら心を常に持っている。「試合中はそれがいちばんにくるわけではないですけど、スーパープレーでチームに勢いをつけたいとか、お客さんも観ていて面白いんじゃないかなという思いは持ちながらやっていますね」そんな髙橋選手が、同じアスリートとして魅力を感じているのは「いちばんは大谷翔平選手ですね。やっぱり『何かしてくれるんじゃないか』という期待感が常にあります。ここでホームランを打ってくれるんじゃないかって。そういう選手はすごく魅力的ですし、自分もそういう選手に近づければうれしい。バレーボール界では石川祐希選手かなと思います。日本代表の中でエース、キャプテンという立場で、やっぱり大事な場面では石川選手にトスが上がるし、そこで期待に応えて得点を決める。フェイクセットを日本で初めてやった選手でもありますしね」人としては、どんな人物に惹かれるか?と尋ねると……。「強い意志や自分の考えを持っている人に、惹かれたり興味を持つことが多いですね。自分にはない考えというのが僕は結構好きで、面白いなと感じます」自身と違う考え方を敬遠するのではなく、面白がる。そんなオープンマインドな性格だから、イタリアでの生活にもスムーズに馴染み、楽しめるのだろう。「海外の選手は基本的にポジティブで、気にしすぎない。国によって考え方って違うんだなと感じました。自分は最初、プレーがよくなかった時にすごく反省したり、『何がよくなかったのかな』と考え込んでましたが、昨シーズン、同じチームだったベルギー出身のマタイス・デスメット選手は『ま、こういう日もあるよね』みたいな感じですごく切り替えが早くて(笑)。自分はバレーボールに人生をかけて、バレーに意識をすべて向けながら私生活も送っているけど、海外の選手はそうじゃなくて、バレーはあくまで人生の中の一部。お酒を飲んだり友達とワイワイ過ごすことも人生の一つの楽しみ、という考えなんです。すべてをバレーに捧げるわけじゃなく本当に人生を楽しんでいる。そこが面白いなと思いました。今でも自分はやっぱり食事や睡眠などの私生活もバレーに繋げていますが、人生を楽しむというところは以前より柔軟になったと思います」誰に対しても変わらない親しみやすさ。おかげで、苦手だと感じていたことも楽しめるようになったとか。「海外では試合後みんなでごはんを食べに行ったり、パーティをするんですけど、最初は『え?試合後に行くの?』って感じで、僕はあまり好きじゃなかった。パーティをして夜中に家に帰ったら、週に1回しかない(翌日の)オフがつぶれちゃうので。でもみんなは、普段は練習があるんだから、試合後のそういう時間ぐらいバレーを忘れて楽しんで、息抜きしようよって。確かにリフレッシュも大事だなと思ったし、そういう場でいろんな人との繋がりができたり、コミュニケーションも深まる。それはバレーにも繋がるし、人生を楽しむことにもなるので、積極的に行くようになりましたね」そうすることでよりチームにうち解け、語学の習得も早まった。今季移籍したモンツァでも、ジョークを言って周囲を笑わせ、会話の中心にいる。チームメイトはみな、「ランはいつも笑顔でポジティブ!」と声を揃える。いま髙橋選手が気にかけているのが、インターンシップで韓国から来ているイ・ウジン選手のこと。ウジン選手は日本代表で戦う髙橋選手の姿を見て憧れ、モンツァをインターン先に選んだそう。まだ海外生活に慣れていない彼を車に乗せて練習に向かったり、積極的に話しかけて面倒を見ている。「ウジンなので僕は“ジン”って呼んでいるんですけど、ジンはまだ僕がイタリアに来た最初の頃と同じくらいの語学力で、気持ちはすごくわかるので、積極的にコミュニケーションをとるようにしています。本当にしょうもないジョークを言ったりして(笑)」19歳で東京五輪に出場し、今や世界ランキング4位に上昇した日本代表の中心選手。イタリアでも着々と実績を積み上げているが、親しみやすさと温かい人柄は変わらない。そこが、身近な仲間から遠く離れたファンまで、多くの人を惹きつける理由なのだろう。たかはし・らん2001年9月2日生まれ、京都府出身。188cm、83kg。アウトサイドヒッター。19歳で東京五輪に出場。日本体育大学に所属しながら21‐22シーズンからセリエAでプレー。パリ五輪でメダル獲得を目指す。ミント・ヴェロ・バレー・モンツァ所属。※『anan』2024年3月20日号より。写真協力・VeroVallyMonza髙橋 藍米虫紀子取材、文・米虫紀子(by anan編集部)
2024年03月17日歴史あるバスケットボール天皇杯、第99回大会のファイナルで対戦するのは琉球ゴールデンキングスと千葉ジェッツ。奇しくも昨年3月の天皇杯ファイナル、また昨年5月に行われた昨シーズンのBリーグファイナルと同じカードとなった。日本のバスケブームを牽引する両クラブが決勝で激突!昨年のワールドカップで日本代表が躍進を遂げたことで、日本にはバスケブームが到来している。そのクラブシーンを牽引するのが琉球と千葉の2チームといえる。昨年は天皇杯では千葉、Bリーグでは琉球とタイトルを分け合い、今シーズンはいずれも東アジアのクラブ王者を決める国際大会に出場しつつ、天皇杯には準決勝から参戦し、千葉は宇都宮ブレックス、琉球は川崎ブレイブサンダースと、強豪を撃破してファイナルへ駒を進めた。かつては琉球がディフェンスとリバウンドを軸にしたパワフルなバスケを前面に押し出し、その象徴が大型センターのジャック・クーリーだった。一方で、千葉はスピードと3ポイントシュートのスタイルで強豪へとのし上がり、富樫勇樹がそのバスケを引っ張っていた。それが今や、両者はスタイルを変化させつつ新たな成長を実現させている。千葉は2年前にジョン・パトリックをヘッドコーチに迎え入れてから内と外のバランスが改善され、安定した戦いを身につけた。富樫が華やかな攻撃の象徴であることは変わらないが、日本代表でも急成長中の金近廉など若手の台頭があり、それに刺激を受けた大ベテランの西村文男が絶好調の活躍を続けるなど、チーム内に好循環が生まれている。琉球はクーリーが健在なうえに帰化選手のアレックス・カークが加わって盤石のインサイドがさらに強化された。と同時に、戦い方のバリエーションを増やすことでインサイド偏重を是正。ゴール下の強みを押し出しながらも、トランジション(速攻)や3ポイントシュートもこれまで以上に有効に使えるように。富樫にも劣らない精度を誇る岸本隆一の3ポイントシュート、今村佳太のオールラウンドな能力がより効率よく発揮されるようになっている。バスケがブームになったことで過密日程はより厳しいものになっているが、両チームともファイナルにはすべてを懸けて臨む。さいたまスーパーアリーナのチケットは早々に完売。盛り上がることは間違いない。ココナッツスリーで違いを生み出すエース。岸本隆一(きしもと・りゅういち)選手地元出身、bjリーグ時代から琉球一筋でプレーし続ける“チームの顔”。重量級のインサイドが揃う琉球でプレーのテンポを上げ、“ココナッツスリー”の異名を取る3ポイントシュートでオフェンスに違いを生み出す。バスケ界を盛り上げる167cmの偉大な司令塔。富樫勇樹(とがし・ゆうき)選手Bリーグ1年目から千葉のエースとなり、167cmと小柄ながらスピードとスキルを駆使してオフェンスを引っ張り、チームをリーグ屈指の強豪へ引き上げた。日本代表でもリーダーシップを発揮して成長し続ける。第99回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会 ファイナル日時:3月16日(土)15:00~会場:さいたまスーパーアリーナNHK Eテレで生中継、バスケットLIVEにてライブ配信※『anan』2024年3月20日号より。写真・Sports Press JP/アフロ長田洋平/アフロスポーツ文・鈴木健一郎(by anan編集部)
2024年03月15日今まさに開催中の大相撲三月場所。いちばんの注目はなんといっても新大関・琴ノ若!琴ノ若といえば、父は元関脇・琴ノ若、祖父は元横綱・琴櫻のサラブレッド。生家が相撲部屋のため、2歳のときからまわしをつけ、下駄で小学校に通っていたそう。大関昇進を機に祖父の四股名「琴櫻」を襲名する予定だったけど、今場所だけ、父が成し得なかった「大関・琴ノ若」を叶えるために1場所名前を変えずに土俵に上がることに。優勝すれば、大関・琴ノ若の最初で最後の優勝ということになる。新大関誕生でさらに盛り上がる大阪場所。優勝の行方は!?琴ノ若の昇進によって、大関陣が霧島、豊昇龍、貴景勝、琴ノ若の4人になり、1横綱、4大関に。三役陣の注目は、再び関脇に上がった若元春。先場所は横綱、大関を破って10勝を挙げただけに、今場所も活躍が期待される。毎場所注目の小結・阿炎(あび)との親友対決も楽しみだ。さらに要チェックなのは、先場所、新入幕で11勝を挙げ敢闘賞を受賞した大の里。活躍のあまり、新入幕力士として10年ぶりに横綱との対戦が組まれたことでも話題になった。出世のスピードに髪が伸びるのが追いつかず、現在、幕内で唯一ザンバラ姿だ。番付を一気に上げ、西前頭五枚目でとる今場所は、三役以上との取組もかなり組まれる見込みなので、そこでどんな展開の相撲が見られるか注目される。また、今場所唯一の新入幕は、先場所十両で優勝した尊富士(たけるふじ)。横綱・照ノ富士と同じ伊勢ヶ濱部屋の24歳で、相撲の名門・鳥取城北高校、日本大学相撲部出身だ。初土俵から所要9場所での新入幕は、年6場所制になった1958年以降の初土俵としては幕下付け出しを除き、1位タイのスピード。部屋には関取が多く、稽古が充実していることもあり、今後さらに成長する姿が見られそう。ほかにも注目力士が勢揃いの今場所。大阪場所は椅子席でも土俵との距離が近く、熱気をすぐそばで感じられるのも魅力だ。TVやネット観戦の人もぜひ推し力士を見つけて!この力士たちに注目!大関 琴ノ若腰の重さと冷静な相撲で目指せ横綱!1997年11月19日生まれ。26歳。千葉県出身。佐渡ヶ嶽部屋。2歳で相撲を始め、祖父の元横綱・琴櫻に相撲の基礎を叩きこまれる。相撲大会で獲得した銀メダルを持ち帰った際、祖父に「最後誰かに負けたんだろ。金じゃなきゃダメだ」と言われたエピソードは有名。前頭 五枚目 大の里ザンバラ髪で上位を倒す!横綱を期待される23歳。2000年6月7日生まれ。23歳。石川県出身。二所ノ関部屋。大学時代に獲得した学生横綱、アマチュア横綱などの成績が評価され、昨年五月場所、幕下10 枚目格付け出しで初土俵。抜群の体格や素質から将来の横綱を期待される。目標は「誰からも愛される力士」。関脇 若元春左四つの相撲が光る大波三兄弟の次男。1993年10月5日生まれ。30歳。福島県出身。荒汐部屋。祖父も父も元力士で、兄は幕下・若隆元、弟は十両・若隆景という相撲一家。幼少期は稽古熱心ではなかったがセンスが良く、やれば結果が出る天才肌。「欲を出さない」をモットーに淡々と大関を狙う。大相撲三月場所日程:開催中~3月24日(日)会場:エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)※『anan』2024年3月20日号より。写真・日本相撲協会文・古屋美枝(by anan編集部)
2024年03月11日まさに最終関門。なでしこジャパンがパリ五輪の出場権を懸けて、ホーム&アウェイで行われる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とのアジア最終予選に臨む。ホーム&アウェイの決戦。初戦をうまく乗り切り国立での試合を迎えたい。悔しさを味わった昨夏のFIFA女子ワールドカップから約半年。池田太監督に率いられたチームが、再び世界の頂点を目指す。この2試合の合計スコアが日本のパリ行きを左右することになる。つまり「勝てば天国、負ければ……」というわけだ。まず今回の北朝鮮戦で注目されているのが、第1戦の開催地だ。当初は2月24日に平壌の金日成スタジアムで行われる予定だったが、2月に入っても詳細が決まらず。同8日のメンバー発表会見当日になって中立地開催の可能性が浮上するなど、思いがけず振り回される形となっている。だが、そんな状況にも池田監督は「いろいろと予想できないことが起こると思っていた。選手たちもさまざまな経験をしている。自分たちはやるべきことに注力するだけ」と泰然自若の姿勢を崩さない。チームは世界で勝つためのトライを続けている。女子W杯はパワーで押し切られる形でスウェーデンの前に準々決勝で涙を呑んだが、そこで見えた課題を克服するべく臨機応変なスタイルを模索。3バックと4バックの併用、キャプテン熊谷紗希のボランチ起用や4‐3‐3システムの採用など、相手の出方や試合の流れを読みながら戦えるチームへのレベルアップを図っている。昨年11月にはアジア最終予選を視野に入れてブラジル遠征を実施。過酷な移動を伴った上で、同じ相手と続けて2試合を戦う経験を積んだ。ブラジル代表との初戦は3‐4と敗れたが、その課題を改善して第2戦で2‐0と勝利した経験は必ず活きるはずだ。なお、北朝鮮とは国内組で臨んだ昨年のアジア大会決勝で対戦。巧みな試合運びと決定力の高さを見せつけて4‐1と大勝したが、内容で圧倒される場面もあった。世界ランクも8位の日本に対して、北朝鮮は9位。決して侮れる相手ではない。まずは未知数な戦いを強いられる初戦をしっかりと乗り切り、優位な状況で2月28日に東京・国立競技場で行われる第2戦を迎えたいところだ。まさに、世界一への挑戦権を得るための最終決戦。予選突破に全力を注ぐなでしこジャパンを、日本中を挙げて応援したい。熊谷紗希(くまがい・さき)選手(ASローマ)絶大な信頼を寄せられる主将。代表ではセンターバックを任されてきたが、昨秋から欧州で経験を積んだボランチで起用されている。山下杏也加(やました・あやか)選手(INAC神戸レオネッサ)なでしこジャパンの守護神。所属のINACでは1月に皇后杯を制覇。PK戦で見事なシュートストップを見せるなど優勝に貢献した。田中美南(たなか・みな)選手(INAC神戸レオネッサ)前線で攻撃の基点となり、抜群の得点感覚でゴールを陥れるストライカー。献身的な守備でチームを救うプレーも特筆すべき点だ。清水梨紗(しみず・りさ)選手(ウェストハム・ユナイテッド)イングランドで力強さを身につけた右サイドのスペシャリスト。1月にはリーグ戦初ゴールも記録。代表でも攻守のキーマンとなる。パリ五輪2024女子サッカーアジア最終予選2月24日(土)時間未定会場:未定2月28日(水)18:30~会場:東京・国立競技場DAZNでライブ配信。NHKで生中継の予定。※記事の情報は2月8日現在のもの。※『anan』2024年2月28日号より。写真/JFA文・青山知雄(by anan編集部)
2024年02月22日広島ホームテレビ(本社:広島市中区)は、2024年2月28日(水)深夜0時15分から「eスポーツ道」を放送します。【番組名】「eスポーツ道」【放送日時】2024年2月28日(水)深夜0時15分~45分※広島エリアのみ【内容】広島ホームテレビが放送する、広島発のeスポーツ教養バラエティ番組「eスポーツ道」。今回は国内で初開催された「日本eスポーツアワード」を、大人気eスポーツキャスターの平岩康佑さんに徹底解説していただきます!日本国内のeスポーツ界における功績と貢献を称えることを目的に、今年1月に開催された「日本eスポーツアワード」。国内外で活躍するeスポーツ選手や、人気ストリーマーなどeスポーツ業界の立役者が一堂に会した大規模イベントです。その「eスポーツアワード」で自身も審査やMCとして携わった平岩康佑さんが、注目の受賞者や今知っておきたいeスポーツ業界のトレンドを紹介!さらに貴重な裏話も…!?これを見れば、eスポーツの今が分かります!【出演者】番組MC:中島尚樹(ローカルタレント)、廣瀬隼也(HOMEアナウンサー)平岩康佑(eスポーツキャスター・株式会社ODYSSEY代表取締役)【配信】放送後、YouTube「eスポーツ道」公式チャンネルで配信予定!過去放送回やプロゲーマーへのインタビュー動画も配信中!【「eスポーツ道」とは…】プロゲーマーや、eスポーツの関係者が講師役として登場し、「eスポーツ」の魅力やその奥深さを教える教養バラエティ番組。(広島ホームテレビ第5水曜・深夜0時15分~放送)WEB版では、豪華ゲストとのゲーム対決やプロ選手へのインタビュー企画など、eスポーツの魅力を発信中!【番組公式YouTubeチャンネル】 : 【番組公式Ⅹアカウント】 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年02月22日2月2日から、カタールのドーハで水泳の世界選手権が開催される。まずは、飛込やアーティスティックスイミングから始まり、競泳は11日からとなっている。競泳の日本代表は、男女合わせて12人が個人種目での出場を予定している。五輪代表選考会の直前開催となった大会に、果敢に挑む選手にエールを!出場選手が少ないのは、3月17日~24日にパリ五輪日本代表選考会が控えているためだ。パリ五輪に出場できるかどうかは、選考会での一発勝負にかかっている。世界水連が定める参加標準記録よりさらに速いタイムが設定された、日本独自の派遣標準記録を決勝で突破し、2位までに入らないといけない。そのため、池江璃花子(横浜ゴム・ルネサンス)はじめ、大橋悠依、入江陵介(共にイトマン東進)ら主力選手の多くが、選考会と時期が近い今回の世界選手権の出場を見送ったのだ。もともと世界選手権は五輪の前年と翌年に開催されていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年開催予定だった前回の福岡大会が’23年の7月に延期となったため、今大会はそこから半年後(しかも五輪と同じ年!)というかなりイレギュラーな開催に。そんな変則的な条件のなか、自ら出場を希望し大会に挑む日本人選手の奮闘に期待したい。なかでも、現時点で最も世界と真っ向勝負ができそうなのは、男子の本多灯。世界選手権2大会連続で銅メダルに輝いた200mバタフライと、100mバタフライ、400m個人メドレーの計3種目にエントリーしている。400m個人メドレーには、福岡大会でもメダルを獲得している第一人者の瀬戸大也も出場。200m個人メドレーとの2種目での出場を予定している。また、自由形のエース・松元克央は200m自由形と、’23年秋の杭州アジア大会で金メダルの100mバタフライに登録。パリ五輪本番でのメダル獲得にも期待がかかる3人のほかでは、自己ベスト更新を続ける高校生の新星・阿部力樹(セントラル横浜・日大藤沢高校)や、女子では池江のライバルとなる飯塚千遥(NOK)にも注目。ここで好タイムを出し、そのままの勢いで代表選考会での派遣標準記録突破を狙いたいところだ。本多 灯(ほんだ・ともる)選手東京五輪200mバタフライ銀メダリスト。昨秋のアジア大会では男子の新キャプテンに。イトマン東京所属。松元克央(まつもと・かつひろ)選手100m自由形、200m自由形の日本記録保持者。東京五輪に出場。愛称はカツオ。ミツウロコ所属。瀬戸大也(せと・だいや)選手リオ五輪銅メダル、世界選手権金メダル4個をはじめ、これまで数々の大会でメダルを獲得。CHARIS&Co.所属。日本代表選手・男子塩浦慎理自由形松元克央自由形・バタフライ竹田渉瑚自由形加藤 理背泳ぎ本多 灯バタフライ・個人メドレー廣島偉来平泳ぎ幌村 尚バタフライ瀬戸大也個人メドレー阿部力樹個人メドレー日本代表選手・女子池本凪沙自由形梶本一花自由形飯塚千遥バタフライ世界水泳選手権大会2024期間:2/2(金)~2/18(日)競泳は2/11~会場:カタール・ドーハテレビ朝日系にて放送予定※『anan』2024年2月7日号より。写真・長田洋平YUTAKA/アフロスポーツ(by anan編集部)
2024年02月02日Amazon予約受付中大人気バレーボールアニメ『ハイキュー!!』を一冊まるごと大特集した「ハイキュー!!新聞」が、2024年2月16日に発売です。主人公・日向翔陽役の村瀬歩とライバル孤爪研磨役の梶裕貴による人気声優対談。男子バレーボール日本代表の石川祐希選手、髙橋藍選手らは、ソロインタビューで“ハイキュー!!愛”や今作の見どころを語ります。また、主題歌を歌うSPYAIRの座談会、舞台版の主演や演出をしてきた俳優・須賀健太のソロインタビュー。週刊少年ジャンプ編集部の歴代担当者によるマル秘エピソードなど、ここでしか読めないレアな記事が盛りだくさん。さらに、新聞紙面4ページ分の映画特大ポスター付き!!まるで、春高バレー3回戦、鳥野高校対音駒高校戦の当日朝のスポーツ新聞のような、世界でたった1つ、丸ごと全部ハイキュー!!尽くしの新聞になります。タブロイド判、オールカラー全32ページで定価660円(税込み)。全国上映映画館、東日本エリアファミリーマート(一部取り扱いのないエリアや店舗があります)、JUMP SHOP、アニメイト、首都圏JR売店、Amazon、HMV&BOOKS online(実店舗含む)などで販売します。Amazonでは、1月9日から予約販売を開始しました【商品概要】「ハイキュー!!新聞」●判型:タブロイド判●頁数:32ページ●価格:660円(本体価格600円)●発売日:2024年2月16日(金)●発行:株式会社スポーツニッポン新聞社●発売場所:全国上映映画館、東日本エリアファミリーマート(一部取り扱いのないエリアや店舗があります)、JUMP SHOP、アニメイト、首都圏JR売店、Amazon、HMV&BOOKS online(実店舗含む)など。【URL】Amazon HMV&BOOKS 【お問い合わせ】株式会社スポーツニッポン新聞社販売局Tel: 0120-4612-10Mail: customer@sponichi.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年01月29日1月22日から28日にかけて、卓球の全日本選手権が東京体育館で行われる。例年、日本一を懸けて選手たちの熱い戦いが繰り広げられるが、今回はいつにも増して熱のこもった舞台となりそう。なぜならパリ五輪代表選考の最終大会でもあるからだ。2024年全日本卓球選手権大会個人戦は2022年以降の各選考大会で得た合計ポイントの上位2名が代表に選ばれる。男子はポイントランキング1位の張本智和、2位の戸上隼輔が代表選出を確実にしている一方で、激しい競争となっているのが女子だ。現在790.5点の早田ひなの1位はすでに確定している。だが2位の平野美宇は486点、3位の伊藤美誠は451.5点と34.5点差。全日本選手権で得られるポイントは、優勝者が120点、2位100点、3~4位80点、5~8位50点……と定められているから、結果によって両者の順位は十分入れ替わる範囲にある。たとえ個人戦で代表に入れなかったとしても、団体戦用のメンバー(1名)に選ばれる可能性はある。ただその選考は総合的な判断によるとされていて、ランキング3位であってもそのまま選ばれるとは限らない。なによりも、平野も伊藤も、個人戦での代表入りを目指して戦ってきただけに、自力で五輪切符を手にしたいところだ。さらに女子は他にも実力者が目白押しであることも、両者の争いを予断を許さないものにしている。例えば張本智和の妹である15歳の美和。ポイントランキングは5位ではあるものの、今季、シーズンが進むにつれて国際大会で好成績を残してきた。しかも今秋以降の大会で早田、平野、伊藤それぞれから勝利をあげるなど、まさに伸び盛り。「3人目の代表は張本美和を」という待望論も起こるほどだ。さらにはランキング4位の木原美悠、6位の長﨑美柚なども侮れない存在。平野と伊藤は決勝まで顔を合わせない組み合わせだが、容易ではない対戦相手が少なくないだけに、トーナメントのどこかで足をすくわれる可能性もある。初戦から一戦一戦、息の抜けない試合が続いていくことになる。東京五輪では銀メダルを獲得した団体戦でチームメイトだった平野と伊藤。日本を牽引してきた2人が1枠を懸けて臨む全日本選手権は、若い世代の戦いぶりもあわせ、目を離すことができない。伊藤美誠(いとう・みま)選手(スターツ)リオデジャネイロ五輪は団体戦メンバーとして、東京五輪では個人戦で銅メダル、団体戦銀メダル、混合ダブルスは金メダル。日本女子を牽引してきたエース格。同学年の平野美宇を追いかけ、今大会で逆転を目指す。平野美宇(ひらの・みう)選手(木下グループ)中学時代は“みうみま”の愛称で、伊藤美誠とのダブルスで数々の好成績をあげ卓球界を席巻。東京五輪は団体戦の代表として出場し、銀メダルを獲得した。東京では僅差で叶わなかった悲願の個人戦代表を狙う。パリ五輪代表選考ポイント(女子)1位早田ひな=790.5点2位平野美宇=486点3位伊藤美誠=451.5点2024年全日本卓球選手権大会日程:1月22日(月)~28日(日)会場:東京体育館NHK総合、NHK BSで放送予定。卓球TVで全試合ライブ配信※『anan』2024年1月24日号より。写真・T.LEAGUE/アフロ文・松原孝臣(by anan編集部)
2024年01月19日「HiGH&LOW」シリーズを上映する企画「ハイロー祭り!」が、2月3日(土)より109シネマズプレミアム新宿にて開催されることが決定した。「ハイロー祭り!」は、THEATER MILANO-Zaにて上演予定の舞台「HiGH&LOW THE 戦国」の東急歌舞伎町タワー全館コラボ企画のひとつ。『HiGH&LOW THE MOVIE』(’16)、『HiGH&LOW THE RED RAIN』(’16)、『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』(’17)、『HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION』(’17)、『HiGH&LOW THE WORST』(’19)、『HiGH&LOW THE WORST X』(’22)といった映画7作品に加え、『HiGH&LOW THE MOVIE』の世界観がリンクした壮大なスケールのライヴ・エンタテインメントとして、4大ドーム18公演でライブビューイングも含め100万人を動員した「HiGH&LOW THE LIVE」を上映する。109シネマズプレミアム新宿「ハイロー祭り!」概要■上映日時・作品2月3日(土)17:00「HiGH&LOW THE LIVE」2月4日(日)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE』2月9日(金)24:00「HiGH&LOW THE LIVE」2月10日(土)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』2月11日(日)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION』2月12日(月・祝)17:00『HiGH&LOW THE RED RAIN』2月17日(土)17:00『HiGH&LOW THE WORST』2月18日(日)17:00『HiGH&LOW THE WORST X』2月23日(金・祝)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE』2月24日(土)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』2月25日(日)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION』■鑑賞料金通常料金でのご案内<CLASS S>一般6,500円、シネマポイント会員6,000円<CLASS A>一般4,500円、シネマポイント会員4,000円2月9日(金)「HiGH&LOW THE LIVE」のみ以下料金<CLASS S>一般5,600円、シネマポイント会員5,100円※ただし、OVERTUREサービス対象外<CLASS A>一般4,500円、シネマポイント会員3,500円■販売スケジュール各上映日の3日前0:00より109シネマズプレミアム新宿公式HPより販売開始戦国時代活劇「HiGH&LOW THE 戦国」は1月29日(月)~2月25日(日)THEATER MILANO-Zaにて上演。(シネマカフェ編集部)■関連作品:HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY 2017年8月19日より全国にて公開©; 「HiGH&LOW」製作委員会HiGH&LOW THE WORST 2019年10月4日より全国にて公開Ⓒ2019「HiGH&LOW」製作委員会HiGH&LOW THE WORST X 2022年9月9日より公開©2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 ©髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
2024年01月19日月経ディスク「MOLARA(モララ)」を企画、製造販売するMONA companyは、インターネット調査「MOLARA調べ生理のストレスと仕事のパフォーマンス」を実施しました。■働く女性の75%が「生理のストレスが無くなると仕事のパフォーマンスが上がる」既婚、未婚を含む一都三県で働く女性N=600(20代から40代)に対して、「仕事中に、生理のストレスが無くなれば、あなたの仕事のパフォーマンスは向上すると思いますか?」と質問したところ、「はい、とても向上すると思います」と回答した人が29.8%(179人)、「少し向上すると思います」が45.0%(270人)、「あまり変わらないと思います」が25.2%(151人)という結果となりました。「とても向上する」「少し向上する」と回答した人を合わせると75%の女性が生理のストレスが無くなることで、仕事に貢献できると回答をしています。■45%の働く女性が、「110%以上のパフォーマンスを出せる」と回答続けて「生理のストレスが無くなると、通常時に比べて仕事のパフォーマンスはどの程度(%)になると思いますか?」と聞いたところ、「100%(変わらない)」と回答した人が55.2%(331人)、「110%」が17.7%(106人)、「120%」が15.8%(95人)、「130%」が7.2%(43人)、「140%」が0.8%(5人)、「150%以上」が3.3%(20人)という結果となりました。55%は「通常時と変わらない」と回答しているものの、45%の女性が通常時よりもアップすると回答し、「110%以上のパフォーマンスを出せる」ことがわかりました。モナカンパニー代表・向井桃子さんは「企業で人材不足が叫ばれる中で、女性の社会活躍の機会創出も重要な要素です。しかし女性に対して生理が及ぼす影響は大きく、特に仕事の環境に対するストレスは相当の負担だと思います。すべての女性が生理のストレスから解放されることが、企業のパフォーマンス向上にも貢献できるのではと考えています」と語ります。■生理でストレスを感じている女性は74%、ストレスで効率低下は64%同じ600人に対して「仕事中に生理でストレスを感じたことはありますか?」と質問したところ、「はい、あります」と回答した人が74.3%(446人)、「いいえ、ありません」が17.5%(105人)、「どちらでもない」が8.2%(49人)という結果となりました。続けて「生理になると仕事のパフォーマンスは低下しますか?」と聞いたところ、「はい、低下します」と回答した人が63.5%(381人)、「いいえ、低下しません」が18.2%(109人)、「どちらでもない」が18.3%(110人)という結果となりました。冒頭のアンケートでもあった通り、7割の女性は仕事中に、生理による何らかのストレスを感じており、そのストレスが原因で6割の女性が、仕事のパフォーマンスにも影響していると実感しているようです。向井さんは「6割を超える女性が、生理のストレスで仕事のパフォーマンスが上がらないといった事実は、私たちも重く受け止めないといけません。ストレスには再現性があるようです。今後は、そのストレスを軽減するような企業の取り組みやサービスがこれから重要視されていくと考えています」とコメント。■生理のストレスが原因で、仕事のパフォーマンスは平均49.4%に低下続けて、仕事のパフォーマンスが低下すると回答したN=381人に対して、「生理になると、通常時に比べて仕事のパフォーマンスはどの程度(%)になりますか?」と確認したところ、いちばん多いのが「70%」で19.2%(73人)、2番目が「60%」で16.0%(61人)、3番目が「30%」で15.2%(58人)、4番目が「50%」で14.2%(54人)という結果となりました。グラフで見ると、「70%」の山と「30%」の山、2つの山(グループ)があるように感じられ、それぞれの割合を合算して全体の人数で割った平均値を見ると49.4%と、半数を下回る結果となりました。向井さんは「生理のストレスが仕事に及ぼす影響はとても大きく、全体でみると通常時に比べてパフォーマンスは半分になり、企業の経済損失にもつながりかねません」と語りました。■生理のストレスの傾向について先述した「仕事中にストレスを感じている」と回答した446人に対して、「仕事中に、生理が理由でどんなストレスを感じているか」について自由回答を依頼したところ、大きく6つに分類されました。「ナプキンから横漏れしてないか?」という経血の漏れに対するストレスが3割と多く、それに関連して「仕事中に交換できない」「トイレに行けない」という物理的なストレスも2割を超えました。「意味もなくイライラする」「少しのことでイライラする」といった内容のコメントも非常に多く、生理痛が酷く、結果として、倦怠感や眠気、怠さを生じたり、仕事に集中できないという声がありました。これに対して、向井さんは「生理の血の匂いが苦手という声も。MOLARAを利用すると、経血を膣の奥で受け止めるため、空気に触れることもなく、いやな臭いがしません。また、ナプキンは3時間おきに交換が必要ですが、MOLARAは12時間交換が不要です。働く女性が抱える生理のストレスが改善できると考えています」とコメントしました。■調査概要調査対象:一都三県に在住、20代から40代の働く女性(会社員、会社経営者、派遣社員、専門職、公務員、自営業を含む)調査人数:合計600人(世代均等割)インターネット調査:クロスマーケティング社のQiqumoを利用(エボル)
2024年01月14日世界を驚かせた2023年から、アジア最強を証明する’24年へ。サッカー日本代表が新たな旅に出る。森保ジャパン、アジア最強を証明する戦いへ。森保ジャパンの進化が止まらない。昨年はカタールW杯に続いて強豪ドイツに勝利。しかも大量4ゴールを奪って攻守に圧倒したことで、日本代表の世界的評価は完全に変わった。チーム力は海外組の増加と選手のレベルアップで充実の一途をたどり、コンディションや戦術に応じて選手を使い分け。パリ五輪世代メンバーにもフル代表経験を積ませるなど、未来を見据えた強化も進める。森保一監督も「誰を起用しても(実力が)変わらない戦いを目指してきた。選手層は確実に厚くなっている」と手応えを感じている。’23年の戦いを通じて日本代表がアジアで頭一つ抜けた存在になったのは間違いない。’24年、森保ジャパンはアジアの公式戦にシフトする。まずはアジア最強を決めるAFCアジアカップが開幕。’26年の北中米W杯に向けたアジア予選も本格化していく。新年のビッグトーナメントとなるアジアカップ。’19年の前回大会は決勝でカタールに内容でも圧倒されて1‐3で完敗。今大会は前回のリベンジを果たすためにも、内容の伴った勝利で“アジア最強”を証明すべき大会となる。代表チーム強化の観点からすれば、しばらく世界の列強国と対戦できない点は痛い。だが、アジア相手にどれだけチーム力を高めながら結果を出せるかが、森保ジャパンの未来を左右するともいえる。かつては対アジア、対世界とフェーズを分けて強化した時期もあったが、森保監督はそこをシームレスに考え、臨機応変に戦う力を求めることで、一貫したチームづくりとレベルアップを図ってきた。アジア各国は日本代表に対して守りを固めてくるケースが多いが、カタールW杯のコスタリカ戦のように本大会でも同様の展開は起こりうる。昨年のドイツ戦で見せたような、攻守に主導権を握って相手の自由を奪うスタイルをアジアの舞台でも発揮できるのか。誰を起用し、どんな内容で勝ち進むのかに注目だ。今年はフル代表以外のカテゴリーでもアジアから世界を目指す戦いが続く。2月になでしこジャパン、4月にはU‐23日本代表が、7月開幕のパリ五輪出場権を懸けたアジア最終予選に臨む。アジアにおいてワンランク上のステージに到達しつつある日本サッカー。世界の大舞台で結果を出すために、アジア最強を証明する一年がスタートする。鈴木彩艶(すずき・ざいおん)選手(シント=トロイデンVV)圧倒的なパワーと高さを兼備したパリ五輪世代の若き守護神。昨年11月には21歳92日でシリア戦に出場し、日本代表GK史上最年少でW杯予選デビュー。飛び級でA代表のレギュラー奪取を狙う彼の進化に注目だ。細谷真大(ほそや・まお)選手(柏レイソル)重戦車のような力強い突破で相手ゴールに襲いかかるU‐23世代のストライカー。昨年11月にはW杯アジア2次予選で代表初ゴールをマーク。今年はパリ五輪を目指しながら、A代表のエースに名乗りを上げる一年となるか。久保建英(くぼ・たけふさ)選手(レアル・ソシエダ)スペインで輝きを放ち続けるアタッカー。日本代表では右サイドとトップ下を主戦場に、攻撃面で“違い”を生み出し続けている。昨年9月には世界的名手が居並ぶスペインのラ・リーガで月間MVPを受賞した。三笘 薫(みとま・かおる)選手(ブライトン&ホーヴ・アルビオンFC)日本代表が誇る左サイドの翼。分かっていても止められないドリブルは、世界最高峰のイングランド・プレミアリーグでも抜群の存在感を見せている。ワールドクラスの選手へ成長を続ける彼の活躍は絶対に見逃せない。2024年スケジュールSAMURAI BLUE(日本代表)AFC アジアカップ カタール20231/14(日)vs ベトナム1/19(金)vs イラク1/24(水)vs インドネシアFIFAワールドカップ26アジア2次予選3/21(木)vs 北朝鮮3/26(火)vs 北朝鮮6/6(木)vs ミャンマー6/11(火)vs シリアU‐23日本代表3/22(金)、3/25(月)国際親善試合AFC U23アジアカップ カタール20244/16(火)vs 中国4/20(土)vs アラブ首長国連邦4/22(月)vs 韓国AFC アジアカップはDAZNで全試合ライブ配信、テレビ朝日が一部放送。AFC U23アジアカップはDAZNのみ。※『anan』2024年1月17日号より。写真・森田直樹/アフロスポーツなかしまだいすけ/アフロ文・青山知雄(by anan編集部)
2024年01月12日年末年始はこたつでスポーツ観戦。テレビ担の編集2人が注目のスポーツ番組をセレクトしました。【12/29~1/3】年末年始注目スポーツ番組編集S:2023年はWBCに始まり野球の話題が多い一年でした。編集N:侍ジャパンの戦いは映画も観たけれど、『WBC2023 ザ・ファイナル』は初出し映像や選手インタビューもあるそうだから、あの感動を追体験したいな。12/31『WBC2023 ザ・ファイナル』TBS系17:00~23:45(※17:00~18:00は一部地域を除く)侍ジャパンの熱狂と感動をもう一度!2023年、日本が熱狂したWBCを侍ジャパン公認サポートキャプテンを務めた中居正広と共に振り返る。スタジオには侍ジャパンの選手も登場、未公開シーンとともに試合の裏側を掘り下げる。編集S:『出川哲朗のプロ野球順位予想2023 答え合わせ 大反省会』は春に放送した予想番組の振り返り。各球団のファン代表は出川さん自ら出演交渉したという豪華なラインナップです。12/29『出川哲朗のプロ野球順位予想2023 答え合わせ 大反省会』テレビ東京系14:40~16:00プロ野球愛にあふれたシーズン反省会。3月放送の今季セパ順位予想番組の反省会。MC出川哲朗(ヤクルトファン)とロッチ中岡(阪神ファン)をはじめ、各球団ファンの芸人たちが参戦。丁々発止のやりとりを楽しめそう。編集N:ヤクルトファンとして出川さんと一緒に反省しなきゃ…。編集S:駅伝は冬の朝の風物詩。実は年末にもあるんですよ。『富士山女子駅伝』の注目は拓殖大学の不破聖衣来選手。パリ五輪1万メートル代表入りを狙う存在が、実戦復帰するそう。12/30『SUZUKI スポーツスペシャル 2023 富士山女子駅伝』フジテレビ系9:55~12:4011回目を迎える富士の麓を舞台にした女子駅伝。大学女子駅伝の日本一を決める大会。富士山本宮浅間大社と富士市を結ぶ7区間・43.4kmで全24チームがタスキをつなぐ。霊峰富士の眺めとともに、女王・名城大学の6連覇がなるか、注目だ。編集N:選手たちの後ろにそびえる富士山も見どころ。大掃除しないで景色に見とれてしまいそう。編集S:男子の実業団は3連覇を目指すHondaが優勝候補ですが、駒澤大学OBの田澤廉選手が加入したトヨタ自動車も注目です。箱根は昨季大学駅伝三冠の駒澤が今季もすでに二冠と勢いづいていますね。あと、25年目になるという『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』も野球好きの私たちには欠かせない恒例行事です!1/1『ヤマザキ新春スポーツスペシャル ニューイヤー駅伝2024 第68回全日本実業団駅伝』TBS系8:30~14:30長距離界のエースが上州路を走り抜ける。群馬県内7区間・100kmで争われる実業団の駅伝日本一決定戦は41チームが参加。パリ五輪マラソン代表の小山直城選手が所属し3連覇を目指すHonda、前回2位の富士通の争いになるか。1/2・3『SAPPORO 新春スポーツスペシャル 第100回東京箱根間往復大学駅伝競走』日本テレビ系2日7:00~14:05/3日7:00~14:18駒澤一強に歯止めをかけるチームは?東京・大手町~箱根・芦ノ湖を往復。100回目となる記念大会の注目は2年連続学生三大駅伝三冠を狙う駒澤大学。長距離に強い選手が集まる青山学院大学は2年ぶりの総合優勝奪回を狙う。編集N:だね。W杯で沸いた男子バスケの富樫勇樹選手&河村勇輝選手も登場。Wユウキの活躍も楽しみ1/2『夢対決2024 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!5時間スペシャル』テレビ朝日系17:00~23:00注目のトップアスリートが続々参戦。石橋貴明&木梨憲武が日本が誇るトップアスリートと真剣勝負。バスケ対決ではAKATSUKI JAPANがスーパープレーを連発する。サッカー、野球、ゴルフなども’23年活躍した選手たちが登場。1/2『第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会』NHK総合12:15~16:40国立競技場で行われる準決勝2試合を中継。大学ラグビー日本一を決める大会は三が日に準決勝が。3連覇に向けパワー、技術などで他チームを上回る帝京大学の仕上がり具合に注目。編集S福岡県出身、生粋のソフトバンク推し。正月は大学ラグビーも毎年観戦。「今回も帝京が盤石でしょう」編集N年末のスポーツ中継では全日本バドミントンと高校バスケのウインターカップも押さえたいところです。※『anan』2023年1月3日‐10日合併号より。取材協力・松原孝臣(by anan編集部)
2023年12月28日Y-3(ワイスリー)の2023-24年秋冬コレクションが発表された。アヴァンギャルドなスポーツスタイルアディダスがスポーツウェアで培ったイノベーションのレガシーと、山本耀司が誇るエレガントにしてアヴァンギャルドな美意識を融合させたウェアを展開するY-3。今季も、ブランドを象徴するブラックカラーを基調にしたモダンなスポーツスタイルを提案する。ボリューミー&アシンメトリーなフォルム特徴的なのは、ふっくらと身体を包み込むダイナミックなシルエットだ。たとえば、キルティング加工を施した中綿入りのスカートは、タイコードで形を調整することで、Aラインをアシンメトリーなルックスに変化させることが可能に。トラックジャケットは袖部分をパフスリーブに仕立て、スポーティーな中にエレガントな要素を溶け込ませた。“ブラシストローク”プリントで躍動感をブラシの筆跡をモチーフにしたグラフィックも特徴的。パファージャケットやベスト、ショルダーバッグなどにあしらわれたこの白黒プリントが、コレクションに躍動的なリズムをもたらしている。カレッジスタイルをアレンジ先シーズンに引き続き、カレッジスタイルのアイテムも多数お目見えした。Vネックのニットベストやバーシティジャケットには、ブラシで荒々しく描いたような「Y3」ロゴをオン。またボトムスにはスリーストライプス入りのバルーンパンツやカーゴパンツを合わせ、カレッジスタイルを、よりカジュアルかつスポーティーにアレンジした。遊び心あふれる新作シューズコレクションに遊び心を加える、斬新なフットウェアにも注目したい。新作「Y-3 GENDO」は、アディダスの人気モデル「スーパースター」をベースとしながら、ソールのTPU プレートを空洞化することでそのアイコニックなルックスにひねりを加えた1足。「Y-3 KYASU」は、プレミアムレザーのアッパーに、コンクリートのようなソールを組み合わせた無骨なモデルだ。
2023年12月26日これまで時代を彩る幾多の日本人ボクサーがいた。そんな中、井上尚弥(大橋ジム)は「日本ボクシング史上最高傑作」との呼び声が高い。世界タイトルマッチ20連勝中。そのうち18戦がKO勝ち。バンタム級で世界4団体の王座統一。今年7月、スーパーバンタム級初戦でWBC、WBOの2団体王座を獲得し、世界4階級を制覇。圧倒的な数字と記録がその称号を物語っている。最強王者が、2階級目の4団体王座統一に挑む!12月26日、井上が新たな歴史を刻もうとしている。東京・有明アリーナで、もう一人のスーパーバンタム級2団体王者マーロン・タパレス(フィリピン)との4団体王座統一戦に臨む。もし勝利を収めれば、バンタム級に続く2階級での4団体王座統一となり、世界で2人目の偉業だ。井上はビッグマッチを前に「圧倒的な強さを見せて勝ちたい。KO決着を見せたい」と自信たっぷりに語る。ボクシングには世界チャンピオンを認定する団体が4つあり、1階級に複数のチャンピオンが存在する。そのため、誰が一番強いのかわかりにくい。そんな疑問に答えるかのように、近年は互いのベルトを賭け、チャンピオン同士の対決が頻繁に行われるようになってきた。井上は2018年5月から昨年末まで約4年7か月をかけて、バンタム級の各団体の世界王者を倒していき、4本のベルトを独占した。4団体統一は世界9人目、すべてKOで王座を奪ったのは初の快挙だった。リング上の井上は「モンスター」のニックネームにふさわしい。桁外れのパワーとスピードで対戦相手をなぎ倒し、観る者の心を震わせる。パフォーマンスや舌戦はせず、デビュー以来、2つの拳のみで強さを表現してきた正統派。いまや世界中から注目されるボクサーだ。相手のタパレスもWBA、IBFのベルトを持つ実力者。好戦的なファイタータイプでパワーがある。スーパーバンタム級に階級を上げてからは、さらに力強さが増している。井上に勝てば世界的な評価が上がるため、タパレスにとっては一世一代の大舞台。過去最高のモチベーションでリングに上がるに違いない。試合は映像配信サービス「Lemino」で無料生配信される。井上が宣言通りのKO勝ちで4本のベルトを手にするのか、それとも……。世界スーパーバンタム級王座統一戦井上尚弥 vs マーロン・タパレス日程:12月26日(火)会場:東京・有明アリーナNTTドコモ 映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信いのうえ・なおや(右)1993年4月10日生まれ、神奈川県出身。現WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者。元バンタム級史上初4団体統一王者。これまでに世界4階級を制覇。25戦25勝(22KO)。大橋ボクシングジム所属。マーロン・タパレス(左)現WBA・IBF世界スーパーバンタム級統一王者。40戦37勝3敗。もりあい・まさのり1972年生まれ、神奈川県出身。東京新聞運動部記者。ボクシングやオリンピック競技を取材。井上尚弥の対戦相手を取材した著書『怪物に出会った日井上尚弥と闘うということ』(講談社)が好評発売中。※『anan』2023年12月27日号より。写真・山口フィニート裕朗/アフロ文・森合正範(by anan編集部)
2023年12月22日株式会社ネクストベース(本社:東京都品川区、代表取締役:中尾 信一)は、自社で運営するアスリートのパフォーマンス向上のためのスポーツポータルサイト「Spo+(スポプラ)」における新サービスとして、「Spo+Seminar(スポプラセミナー)」を2023年12月20日より開始します。本サービスは、スポーツ科学に基づいたパフォーマンス向上につながる最新情報を定期的なリアルタイムセミナーで提供するサービスです。スポーツの学術的研究に基づき、各分野の専門家が現場での実践方法にまで落とし込んで解説します。また、著名な指導者や現役のトップアスリートの登壇など、多くの方の気付きとなるようなイベントも開催予定です。スポプラ セミナー■サービス開始の背景当社はメジャーリーガーやプロ野球選手など多くのアスリートに対し、スポーツ科学を活用したパフォーマンスアップのコンサルティングやデータ講義などの支援を行って参りました。その中で、安易に「こうすれば良い」というHow toではなく、スポーツ科学に裏付けされた理論を併せて理解することで、パフォーマンスアップのみならず、様々な成長につながる事例をいくつも見てきました。スポーツに関わる多くの人に上達する喜びと成長する喜びを感じてもらいたい。そういった願いを込めて本サービスを立ちあげました。■Spo+Seminarの特徴(1) 競技パフォーマンス向上につながる幅広いテーマおよび専門パネリスト元国立スポーツ科学センター研究員で、当社の上級主席研究員 神事 努 監修のもと幅広いテーマを提供します。競技パフォーマンス向上につながる身体の動かし方や、チームの勝利のためのデータの活用方法、足が速くなるためのトレーニング、ケガの予防、栄養・食事、メンタルトレーニングにいたるまで、幅広い領域をカバーします。セミナーのパネリストも、プロスポーツチームでの活動経験が豊富なスポーツ科学者や有名指導者を招聘し、理論と実践の両方で講義を実施いたします。(2) 最先端のスポーツ科学・理論の社会実装(現場レベルでの落とし込み)当社がネクストベース・アスリートラボや指導現場において、プロ野球の球団および選手に対するデータコンサルティングや動作解析で積み重ねてきた実績を踏まえ、最先端の学術的な理論に基づきながら、現場で自ら実践できる方法を具体的な事例を交えながら解説します。また、体系的なカリキュラムで理論を深く理解し、自ら取り組める環境を目指します。(3) Spo+有料会員は無料でセミナー参加可能競技パフォーマンスを向上させたい思いを持つSpo+の有料会員様をサポートすべく、Spo+の有料会員様は原則無料でセミナーにご参加いただけます。また、選手ご本人はもとより、選手の保護者や指導者の方にも、最先端のスポーツ科学に基づいた有益な内容を提供してまいります。■Spo+Seminarについて対象者 : 野球・スポーツに係る全ての方(選手、指導者、保護者)開催日時 : 原則、毎月第2、第4水曜日 19:00~20:00開催形式 : Zoomによるオンライン開催参加費 : 2,200円(税込)/回(価格はセミナーによって変動する可能性がございます。)公式サイト: ※ネクストベースが提供する以下サービスの有料会員の方は、原則無料で参加いただけます。但し、有料会員様におきましても一部有料セミナーもございますので、セミナー公式サイトでご確認ください。■Spo+Seminarに無料参加可能な対象サービスおよび会員<Spo+Training(スポプラ トレーニング)>無料参加可能な会員: 導入チームの選手(保護者)、指導者URL : サービス概要・選手個々の身体の成長に合わせたトレーニングプログラムを提供するウェブサービス。・専門家監修のトレーニング動画500種類以上。・コーチは選手の成長やトレーニング状況を確認可能。スポプラ トレーニング<Spo+Shot(スポプラ ショット)>無料参加可能な会員: 有料会員URL : サービス概要・スマートフォンやタブレットで投球・打球の速度、打球角度・飛距離が計測できるiOSアプリサービス。・打球や投球動作のフォームチェックも可能。スポプラ ショット<Baseball Geeks(ベースボールギークス)>無料参加可能な会員: プレミアム会員URL : サービス概要スポーツ科学やデータ分析による野球に関する情報を発信ベースボールギークス■セミナーテーマ・第1回セミナー 2023年12月27日(水)「運動の法則」で理解する野球の「自分の感覚」と「実際の動き」・第2回セミナー 2024年1月10日(水)ピッチングを理解するキーポイントと実践方法・第3回セミナー 2024年1月24日(水)年齢に応じたフィジカルトレーニング・第4回セミナー 2024年2月14日(水)目的に応じたデータの測定方法と活用方法※第1回セミナーのパネリストは当社上級主席研究員の神事 努を予定。※3月以降、栄養や有名指導者の指導論などのテーマも準備しております。神事 努■会社概要会社名 : 株式会社ネクストベース所在地 : 【本社】東京都品川区西品川1-1-1 住友不動産大崎ガーデンタワー9F【ネクストベース・アスリートラボ】千葉県市川市国分6-7-11コーポレートサイト: YouTube チャンネル: ネクストベース・アスリートラボch 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月20日東京オリンピックで日本の選手たちのメダルラッシュに沸き、試合が終われば選手同士が称え合うカルチャーもあって人気を博したスケートボード。その国際大会が日本にやってくる。12月10日~17日、東京・有明コロシアムで開催される「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京」だ。その名の通り、スケートボードのうち、階段や手すり、スロープなどを再現したコースで行われる「ストリート」が実施される。トップ200人が集結!日本初上陸の世界大会。世界各国を代表する男女約200名が一堂に会する点でも、ハイレベルな勝負が楽しみになるところだが、大会の注目点はもう一つある。この大会がパリオリンピック出場権獲得につながっていることだ。出場権獲得への道のりは実に2年にわたる。2022年6月から2024年1月までの計6大会を「フェーズ1」とし、その成績をポイント化。ランキング上位の男女各44名が来年2月以降の「フェーズ2」に進出する。そしてフェーズ1とフェーズ2の大会での成績によるランキング上位男女各20名がオリンピック出場権を得る(その他開催国枠等あり)。今大会はそのフェーズ1の5大会目にあたる。日本勢にとっては、特に重要な意味を持つ大会だ。フェーズ2に進めるのは各国男女各6名まで、オリンピックは1国あたり各3名までだが、女子は1位の西矢椛を筆頭にベスト10に5名、ベスト20まで数えると8名と上位にひしめいている。いくら上位にいても日本勢で6位以内でなければフェーズ2に進めない=パリへの道が断たれてしまうことになる。一方の男子は5位の白井空良をはじめ20位以内に7名。人数もさることながら、東京オリンピック金メダルの堀米雄斗が現在12位で日本勢4番手に位置している。堀米より上位の選手たちは少しでもポイントを稼いでフェーズ2での争いを有利にしたいところだし、堀米は五輪の「3枠」へ向けてここでランキングを上昇させたいだろう。つまり男女ともに、パリへ向けて確実に成績を残しておきたい大会なのだ。有力選手が数多くいるからこその、激しい国内の代表争いも絡んだ選手たちのパフォーマンスは見逃せない。白井空良(そら)選手東京オリンピックでは予選9位で決勝進出を逃した。その悔しさをばねに成長。今大会で目標とする優勝を達成して手ごたえをつかみ、オリンピックでのリベンジを誓う。堀米雄斗選手東京オリンピックで金メダルを獲得するなど世界の中心に君臨してきた。オリンピック代表争いでは出遅れたが、ここで巻き返し2度目の大舞台への足がかりをつかみたい。西矢 椛(もみじ)選手東京オリンピックでは日本史上最年少となる13歳で金メダル。その後も海外勢としのぎを削りつつ活躍。身長が伸びてもフォームを変えるなど工夫して多彩な技を繰り出す。「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京」日程:12月10日(日)~17日(日)会場:東京・有明コロシアム準決勝(16日)、決勝(17日)はテレビ朝日系列で放送予定。※『anan』2023年12月13日号より。写真・アフロ文・松原孝臣(by anan編集部)
2023年12月08日eスポーツの普及と関連産業の振興を目的として、eスポーツの競技大会と関連産業展示会等で構成するイベント「東京eスポーツフェスタ2024」(主催:東京都及び東京eスポーツフェスタ2024実行委員会)の公式アンバサダーに、人気バーチャルライバーグループ「にじさんじ」の「ラトナ・プティ」さんが就任しましたので、お知らせいたします。公式アンバサダーは、今後、様々な媒体によるPRに登場するとともに、1月26日(金)から28日(日)までの会期中も東京ビッグサイトの会場でイベントを盛り上げます。ラトナ・プティ■就任コメントゲームにあまり興味ない方でもeスポーツの大会を見て楽しんで頂けるように私も活動を通してeスポーツ業界を盛り上げていくのでみんなも拡散よろしくおねがいします!そして1月26日から3日間東京eスポーツフェスタ2024を皆さんと一緒に楽しみます!よろしくおねがいしまーす!※アンバサダー就任スペシャル動画を公式WEBサイトで公開予定 ■ラトナ・プティ プロフィールまだ見ぬ大地を求めて、各地をさまよう冒険家。冒険の途中、ひょんなことからこちらの世界に飛ばされてしまう。見たことないもので溢れているこの世界を気に入っている。一応、言葉は通じる。にじさんじ■「にじさんじ」について「にじさんじプロジェクト」は多種多様なインフルエンサーが所属するVTuber/バーチャルライバープロジェクトであり、各種イベントやグッズ・デジタルコンテンツの販売、楽曲制作などを通じて次世代のエンタメを加速させていくことを目的としています。現在、約150名の所属ライバーが個性を存分に活かし、YouTube等の動画配信プラットフォームにて活動しています。■開催概要【名称】東京eスポーツフェスタ2024【日程】令和6(2024)年1月26日(金曜日)から28日(日曜日)まで【会場】東京ビッグサイト南1・2ホール(江東区有明3-11-1)公式WEBサイト( )動画配信サイト(YouTube、ニコニコ生放送、OPENREC.tv、Twitch) 等【主催】東京eスポーツフェスタ2024実行委員会[東京都/一般社団法人日本eスポーツ連合/一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会/一般社団法人日本オンラインゲーム協会/株式会社東京ビッグサイト]【コンセプト】○ 子どもから高齢者まで誰もが参加でき、楽しめるeスポーツイベントとして裾野を拡○ eスポーツ関連企業の優れた製品やサービスをPRし、都内中小企業を活性化○ eスポーツをキーワードとして、様々なつながりを創出【企画構成】○ eスポーツの活性化を図る「eスポーツ競技大会」○ eスポーツ関連産業の振興を図る「eスポーツ関連産業展示会」○ eスポーツや関連技術などについて学べる「eスポーツのセミナー・学習企画」 他<競技大会>「WBSC eBASEBALL(TM)パワフルプロ野球」、「グランツーリスモ7」、「太鼓の達人 ドンダフルフェスティバル」、「パズドラ」、「ぷよぷよeスポーツ」、「モンスト」の6種目で実施し、優勝者には東京都知事杯を贈呈します。<関連産業展示会>都内のeスポーツ関連中小企業、大企業、団体、学校等の団体による展示会。リアル会場でのブース出展やステージでのプレゼンテーション、企業PR動画の上映、オンライン会場での出展、動画配信チャンネルでの企業PR動画等の配信、ピッチイベントや出展企業対抗のeスポーツ企業交流戦など、様々なメニューでeスポーツ関連産業の活性化を図ります。<体験・学習企画>初心者が気軽に楽しくeスポーツに親しみ、体験できる企画やビジネス向けセミナーなど、様々な企画の実施を予定しています。その他、セミナーや体験企画等の情報も随時公式WEBサイトやSNSに更新していきます! 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月30日11月24日、フィギュアスケートのNHK杯が始まる。最大の注目は世界のトップを競ってきた宇野昌磨と鍵山優真が出場する男子シングル。本来ならトップスケーターは大会ごとに振り分けられるため、この2人の実力者が同じ大会に出ることはないが、鍵山が怪我の影響で全日本選手権を除き昨シーズンを欠場したことから実現した。選手それぞれの目標へ向けてトップスケーターが競演!宇野は世界選手権連覇をはじめ昨シーズンを全勝で駆け抜け充実の一途にある。今シーズンはより高みを目指し表現に力を注いできた。再起を期す鍵山にとっては本来の滑りをどこまで取り戻せたか試される舞台。両者の演技が楽しみなところだ。さらにシニアに転向し2シーズン目の壷井達也も飛躍が期待される。女子シングルの中心となる存在は三原舞依。体調不良で全休後、’20‐’21シーズンから復帰し徐々に復調。昨シーズンはグランプリファイナル初優勝、世界選手権に6年ぶり出場などたしかな足跡を残した。中国大会は欠場となり、怪我の回復具合が気がかり。日本選手は2シーズンぶりに戻ってきた北京オリンピック代表の樋口新葉、初出場の青木祐奈も出場する。他に、昨シーズンの世界選手権で銀メダルを獲得したイ・ヘインをはじめ韓国の選手も3人出場。近年、選手層に厚みを増す韓国の選手たちの成長の度合いも今後の女子の勢力図を占う上で気になるところ。ペアの三浦璃来/木原龍一は、木原の怪我の回復具合の状況から、シリーズ初戦に続き残念ながら欠場となった。その分、今シーズンから結成された長岡柚奈/森口澄士の活躍に注目したい。アイスダンスには小松原美里/コレト・ティムが出場。近年注目の高まっていたアイスダンスの流れをつないでいく演技が期待される。それぞれの立ち位置から未来を見据える選手たちがどのような姿を氷上に見せるのか。大会はまもなく始まろうとしている。演技の幅を広げ、さらなる高みへ。宇野昌磨選手今夏には開催前から話題となっていたアイスショー「ワンピース・オン・アイス」に出演、主役のルフィを演じ好評を博した。新たな経験は今シーズンこだわってきた表現面の強化にもきっと活かされるはず。怪我から復帰し、新コーチと挑む。鍵山優真選手シーズン開幕を前に、世界でも屈指のスケーティング技術などで活躍したカロリーナ・コストナー(イタリア)をコーチに迎えた。スケーティングをはじめ滑りにいっそうの磨きをかけ、NHK杯に臨む。GPファイナル連覇を目指す!三原舞依選手コロナ禍で変則的な開催となった’20年を除き、実質的には5年ぶりの舞台となるNHK杯。昨年、初出場初優勝を果たしたグランプリファイナル出場は難しくなったが元気な姿を見たい。NHK杯 国際フィギュアスケート 競技大会日程:11月24日(金)~26日(日)会場:東和薬品RACTABドームNHK総合、BS1で放送予定。※『anan』2023年11月29日号より。写真・アフロ文・松原孝臣(by anan編集部)
2023年11月23日アメリカ文学界のアウトサイダー、パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔を紐解くドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』の日本公開を記念し、新宿シネマカリテにて杉田協士(映画監督)と月永理絵(ライター/編集者)によるトークイベントが行われ、作品の見どころを掘り下げた。杉田監督は、『春原さんのうた』が国内外で注目を集め、最新作『彼方のうた』が第80回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門、第36回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門にて上映されたばかり。映画ライター、編集者として数多くの映画作品の映画評、解説を手掛ける月永氏とともに、『太陽がいっぱい』『キャロル』『見知らぬ乗客』『アメリカの友人』など映画史に残る名作の原作の数々を生み出した、パトリシア・ハイスミスの素顔を掘り下げた本作の魅力を語った。『春原さんのうた』杉田協士監督「嘘がない、誠実な作り」まず、本作の感想を聞かれると月永氏は「ハイスミスを知るための入門書のような映画だと思いました。ハイスミスという人の世界に入っていくための扉を開けてもらったような印象を受けました」とコメント。杉田監督は「自分がとても好きな映画の原作の人ということで多少知っている程度だったのですが、今日スクリーンで本作を改めて観てとても感動しました」と語り、「走っている車の中から撮られた(ハイスミスが実際に暮らした)ペンシルバニアの道や家々などの風景が心に残りました。それはエヴァ(・ヴィティヤ)監督がもう会うことのできないハイスミスのことを本当に思って、あの場所に行ってカメラを置いたんじゃないか。部屋の中で時計の針の音だけ聞こえたり…今はもう会えない人を思うことしかできないということに嘘がない、誠実な作りだなと感じました」と監督の視点から本作の魅力を掘り下げた。また月永氏は、本作に出演する証言者について「ハイスミスと恋に落ちた女性たちを中心に、良い笑顔で、親密さを込めてハイスミスとの思い出を語るかつての恋人の女性たちという映し方をしているドキュメンタリーで感動しました」と話すと、杉田監督も「隠さずに話しているのが良いですよね」と共感。さらに月永氏が「ハイスミスの作風は殺人を扱っていたりとか、常に暗いムードが漂っていて、後年は閉じこもって暮らしていたり、そういう話を聞いていたので、彼女のドキュメンタリーを作るとなるともしかしたらもっと暗い部分を暴いていくような映画にもなり得たかもしれないなと思うのですが、この作品は彼女を愛した人たちの言葉によって、彼女の光の部分を見つめようとする映画だと捉えました」とコメント。すると、杉田監督も「ハイスミスが晩年にスイスに移り住んだ家は要塞のようだったと紹介されていますが、そのあとに彼女が書斎で執筆しているモノクロ写真が出てくるんです。戸が開け放たれていて、陽が差している部屋で彼女は執筆していたというのもきちんと残しているんですよね」と続ける。本作に織り交ぜられるハイスミスが過ごした家や街の様子などを映したアーカイブ映像についても「名もなき良い作り手が撮った映像!」と絶賛した。杉田監督、月永氏のお気に入りのハイスミスの映画化作品とは――最後にハイスミスの映画化作品についての話題となると、杉田監督はハリウッドでヘイズ・コード(厳しい自主検閲)が施行されていた時代にどのように同性愛が描かれてきたかを紐解く『セルロイド・クローゼット』(95)というドキュメンタリーの中で『見知らぬ乗客』(51)が登場しない点に言及し、「ハイスミスがレズビアンであることは暗黙の了解だったと語られることがありますが、当時どこまで、もしくはどの界隈の人まで認知されていたのかは未知かもしれないと思いました」とコメント。月永氏も「確かに同性愛的な関係性はハイスミスの小説にはしばしば描かれていて、映画化する監督たちはどこまで意識していたのか改めて観直してみたくなりました」と同意する。また、一番観たくなった映画化作品に月永氏は『見知らぬ乗客』と、ラストシーンが衝撃的だったというクロード・シャブロル監督の『ふくろうの叫び』(87)を挙げると、杉田監督は「実はヴィム・ヴェンダース監督が一番最初に映画化したくて打診した作品が『ふくろうの叫び』だったらしいんですよ」と逸話を披露。しかし、すでに権利が売られていたために落ち込んでいたところ、それを聞きつけたハイスミスが直接ヴェンダース監督を呼び寄せ、出版前の「リプリーズ・ゲーム」を渡したことで『アメリカの友人』(77)が制作された、という知られざるエピソードも語り注目を集めた。来年1月5日より公開の杉田監督の最新作『彼方のうた』にも『アメリカの友人』に影響を受けたシーンが登場するという。好きな作品に『キャロル』(15)を挙げた監督は、「『キャロル』のスタッフ全員がハイスミスのことを思っているのかなっていうくらい、凄いんですよ」と語る。さらに『セルロイド・クローゼット』と同様、カーター・バーウェルが手掛けた『キャロル』の音楽や、映画史に残る名シーンであるキャロルとテレーズの出会いのシーンを細かく分析し、月永氏も「この映画を観て『キャロル』がハッピーエンドで終わるということがどれくらい大事で、革命的だったのかということがよくわかって感動しました」と語り、トークを締めくくった。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
2023年11月09日『太陽がいっぱい』『キャロル』などを生んだ作家の知られざる素顔に迫る映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』。パトリシア・ハイスミスはアルフレッド・ヒッチコックからルネ・クレマン、クロード・シャブロル、アンソニー・ミンゲラ、トッド・ヘインズといった映画監督たちが原作の映画化を切望してきた作家。文章を読んで広がる映像のイメージの魅力もさることながら、時には同時代の社会的モラルについて考えさせる物語がファンを魅了する。名匠ヴィム・ヴェンダース監督もその1人であり、彼の最新作となる『PERFECT DAYS』と『パトリシア・ハイスミスに恋して』から、両者をつなぐ2つの本編映像が解禁となった。まず、『パトリシア・ハイスミスに恋して』からは、本編中に引用されるヴィム・ヴェンダース監督による『アメリカの友人』(77)のワンシーンが解禁。『太陽がいっぱい』の原作である「トム・リプリー」シリーズの第3弾として発表された「アメリカの友人」の映画化では、主人公リプリーを『イージー・ライダー』のデニス・ホッパー、額縁職人ヨナタンを『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・ガンツが演じている。デニス・ホッパーはテンガロンハットをかぶったリプリーを演じ、その意外性と共に話題となった。20作品以上の小説のほとんど全てが映画化されているハイスミス原作映画のなかでもファンの多い作品であり、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(60)や、ケイト・ブランシェット主演の『キャロル』(15)を凌いでベストに挙げる評者もいるという。そして、もう1つは、第36回東京国際映画祭のオープニングで上映された『PERFECT DAYS』のワンシーン。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞(役所広司)とエキュメニカル審査員賞を受賞し、第96回米国アカデミー賞国際長編部門の日本代表にも選ばれた本作にも、実はパトリシア・ハイスミスの小説が登場している。解禁された本編映像では、役所さん演じるトイレ清掃員の平山が休日に古書店を訪れ、ハイスミスの短編集「11の物語」を手に取る場面が切り取られている。古書店主の女性が「パトリシア・ハイスミスは不安を描く天才だと思うわ。恐怖と不安が別のものだって彼女から教わったの」と平山に語るシーンも、ハイスミス作品の熱心な読者には味わい深いセリフ。『PERFECT DAYS』ではまた、平山の日常に「ある思いがけない出来事」が起こると、観客が平山に抱く謎を代弁するかのように、平山の周りの登場人物が彼に様々な問いを投げかける。『パトリシア・ハイスミスに恋して』を通じてハイスミスの人生に触れた後で観ると、ヴェンダースがここでハイスミスの小説を登場させた意図に気づくことができるかもしれない。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。『PERFECT DAYS』は12月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick FilmPERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
2023年11月08日レズビアンであることを隠しながら活動を続けたアメリカの作家パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』が、ついに公開。本作を手掛けた、スイスの映画監督エヴァ・ヴィティヤ監督が、犯罪小説の裏に隠されたハイスミスの素顔について語る特別インタビューが到着した。日本でも近年、トッド・ヘインズ監督による映画『キャロル』(15)が大ヒットした一方、原作者のパトリシア・ハイスミスその人についてはあまり知られていない。ハイスミスの世界的な評価について監督は、「ヨーロッパでは有名ではあるのですが、あくまでも犯罪小説の作家として有名です。彼女はフランスで長い間暮らしていたので、彼女の作品が最も読まれているのはフランスです」と話す。「それは出版社との関係も作用していると思います」と明かし、「例えばドイツやフランスでは彼女と長年の付き合いのある出版社がいくつかあったのですが、アメリカでは頻繁に出版社が変わっていて、彼女を理解して長期的にサポートしようとした会社はありませんでした」と、アメリカ文学界のアウトサイダーとしてのハイスミスの作家人生を解説。もともとハイスミスのファンだったという監督だが、本作のリサーチを重ねるなかでハイスミス作品に対する印象も変化したと語る。「ハイスミスの人生を深く知ることで、より小説への理解が深まりました。彼女の小説は『罪』がテーマになっていますが、それは実は彼女のセクシュアリティからくる罪の意識というものが大きく影響していると私は思っています。メディアは彼女の人格と彼女の作品を直接結びつけて、彼女を残酷な人間とみなすことが多かったのですが、実際は人格ではなく彼女の抱える問題が背景となって、それが極端で残酷な行動となって表れているのです」と、作家として大きな成功を収めながらも、レズビアンであることを隠すしかないまま活動を続けたハイスミスの苦悩を考察する。さらに、監督はお気に入りのハイスミス作品に「愛しすぎた男」を挙げ、「これは彼女の日記にも通じますが、書くことと愛の関係性がよく表れていると思います。本作で彼女の小説ではなく日記を中心に取り上げたのは、日記には彼女の生活の断片的な感覚や感情というようなものが何の制限もなく自由に書かれているからなのです」と語った。本作から浮かび上がるのは、クールな仮面の下に隠された、惚れっぽく、傷つきやすく、どうしようもなく愛を求め続けた女性の姿。「日本ではまだ知られていないハイスミスの一面を新しく知ることができると思います。私自身もこの映画を撮るまで知らなかった姿を知ることができました。また本作を機にハイスミスの作品も改めて読んでみてほしいです」と、ヴィティヤ監督は日本の観客にメッセージを送った。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
2023年11月04日ベスト8で悔し涙を流したFIFA女子ワールドカップ(W杯)から2か月半。なでしこジャパンが世界の頂点を目指して早くも再出航する。パリ五輪金メダルへ、なでしこジャパンが早くも再出航。狙うはパリ五輪での金メダル。その第一関門となるのが、今回のアジア2次予選だ。インド、ウズベキスタン、ベトナムとのリーグ戦を1位突破すると、本大会出場権を懸けた来年2月のアジア最終予選に進むことができる。ここをしっかり通過して未来への扉を開きたい。近年は男子同様に海外でプレーする選手が急増。世界標準を日常とする意識が高まっている。チームは9月の国際親善試合でアルゼンチンに8‐0と圧勝し、10月には若手中心のメンバーでアジア競技大会連覇を達成するなど期待は高まるばかりだ。だが、決して楽観視はできない。これまで引いて守りを固めるアジア勢には苦戦するケースも多く、選手たちは「アジアは2次予選から難しい戦いになる」と気を引き締める。世界で味わった悔しさは世界でしか晴らせない…。パリで最も輝くメダルを手にするために、なでしこジャパンが新たな一歩を踏み出す。アジアの激しさに対して球際では絶対に負けたくない。長野風花(リヴァプールFCウィメン)女子W杯で悔しい気持ちを味わって、もっともっと上にいきたいという気持ちが強くなったので、すぐに五輪を目指して戦える機会があるのは、個人的にはすごくうれしいです。今のチームはバランスがすごく整っていますし、女子W杯では得点パターンも多くて、本当にいい戦いができたと思っています。ただ、スウェーデンに分析されたことで中盤で優位に立てなかったり、一対一の強さで課題が残ったのも事実。どれだけいいサッカーをしても、結果的に勝てなければ意味がないということを思い知らされました。正直、アジアは世界で戦うより難しいと感じるところもあります。日本に対して守ってくる国が多いですし、球際もすごくガツガツくる。でも、そこで絶対に負けたくない。アジアの厳しい予選で勝負強さを得ることができたら、自分たちはもっと強くなれる可能性を持っていると思います。パリで最高の結果を残すためにも、今回の2次予選を絶対に勝ち抜いてきます。ながの・ふうか1999年3月9日生まれ、東京都出身。160cm、53kg。ピッチの中央で輝く攻守の要。韓国やなでしこ2部など、自らを厳しい環境に置くことで成長してきた向上心も魅力。チームを勝たせるために“怖い選手”であり続けたい。宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッドWFC)女子W杯は本当に悔しかった。一丸となって戦えるいいチームでしたけど、優勝したスペインにグループステージで勝ちながら、準々決勝でスウェーデンに負けてしまった。でも、そこで勝ちきれないのが、今の実力だと思うんです。すぐにパリ五輪のアジア2次予選がスタートしますが、あの悔しさが鮮明に残っているからこそ、もう一度世界の頂点に思いを馳せるところは大きいです。そのためには自分が成長しなきゃいけない。何が正解なのかは分からないですが、自分はもっと厳しい環境で戦いたいと考えて、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を決めました。アジア予選は決して簡単ではないです。体格や戦い方の似たチームが多い中での崩し方、勝つための最善策を試合中に見つけていく必要があります。個人的にはチームを勝たせるために“怖い選手”であり続けたい。しっかり自分自身と向き合って、成長して、パリ行きの第一関門を突破したいと思っています。みやざわ・ひなた1999年11月28日生まれ、神奈川県出身。160cm、48kg。抜群のスピードと鋭いドリブル突破でゴールを陥れるアタッカー。FIFA女子W杯では5ゴールで得点王に。サッカー日本女子代表 パリ五輪アジア2次予選10/2619:00 vs インド10/2921:00 vs ウズベキスタン11/119:00 vs ベトナム開催場所:全試合、ウズベキスタン・タシケント。※時間は日本時間※『anan』2023年11月1日号より。写真・JFA取材、文・青山知雄(by anan編集部)
2023年10月30日得点を決めて駆けてくる選手を、ベンチ前でサブメンバー全員が待ち構える。勝った喜びも負けた悔しさも、試合中もトレーニング中も、全員の想いは同じ。はじける笑顔と選手たちの距離感からわかるのは、チームが一つだったこと。オフショットも交えて、なでしこジャパンのW杯を振り返る。7~8月に開催された「FIFA女子ワールドカップ2023」で、ベスト8という結果を残したサッカー日本女子代表。左から反時計まわりに、猶本 光(三菱重工浦和レッズレディース)、高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)、田中桃子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース)、藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース)。分かち合ったものの数だけ、チームは一つに。決勝トーナメント初戦、ラウンド16のノルウェー代表戦で後半、勝ち越しゴールを決めた清水梨紗(ウェストハム・ユナイテッドFCウィメン)を囲んで喜びを爆発させる選手たち。グループリーグ第2戦、コスタリカ代表との試合でW杯初ゴールを決めた藤野あおばを、ベンチから飛び出して待ち構える仲間たち。キックオフ直前、先発の11人はピッチで、サブのメンバーはベンチ前で円陣を組む。“全員で戦う”を象徴するシーン。グループステージ第2戦、コスタリカ代表に快勝、2連勝でグループステージ突破を決めた。試合後、メンバー全員で。今回、“GKチーム”の団結、絆も話題に。レギュラーGKは試合に出られない控えの2人の想いも背負って。控えの2人はいつ来るかわからない出番に備えて黙々とトレーニングを積む。左から、山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)、西入俊浩GKコーチ、田中桃子、平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)。ラウンド16までの4試合で14得点1失点、素晴らしいサッカーで世界を驚かせた快進撃も、準々決勝でスウェーデン代表に敗れ、夢は道半ばで終わる…。試合後、涙が止まらない植木理子(ウェストハム・ユナイテッドFCウィメン)と藤野あおばを支える、田中桃子と田中美南(INAC神戸レオネッサ)。猶本光は、試合後、自身のInstagramで「私たちのW杯が終わりました。もっとみんなと上に行きたかった。でも素晴らしい時間をくれたみんなに感謝しています」と投稿。チームの一体感はオフショットにも。手前から、浜野まいか(チェルシーFCウィメン)、高橋はな、石川璃音、田中桃子とトレーニングパートナーの2人。ハートマークをカメラに向ける、長野風花(リバプールFCウィメン)と高橋はな。大会期間中に誕生日を迎えた清家貴子を囲んで。©JFA※『anan』2023年10月18日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)ヘア&メイク・yumi美樹(共にThreePEACE)取材、文・青山知雄松原 彩(by anan編集部)
2023年10月15日7~8月に開催された「FIFA女子ワールドカップ2023」で、ベスト8という結果を残したサッカー日本女子代表。快進撃とともに彼女たちが見せたのは、世界一という目標に向けて、チームが一つになった一体感だった。その絆は、なぜ生まれたのか?大会を通じて、“なでしこジャパン”が全員で共有し、分かち合ったものとは…。醸成された一体感がチームの大きな武器に。あこがれていた夢の舞台、みんなで狙うは12年ぶりの世界一。今夏に行われた「FIFA女子ワールドカップ2023」。開幕前に苦戦を予想する声もあったなでしこジャパンだが、彼女たちはその下馬評を大きく覆していった。初戦でザンビアに5‐0で大勝し、続くコスタリカ戦も2‐0で勝利。第3戦でスペインに4‐0で圧勝を収めると、ハイレベルな組織力と連動性で一気に優勝候補へと世界的に評価を変えていく。目を見張ったのは、大会期間中に醸成された一体感だ。ピッチに立った選手はチームメイトを助けるべく走り、ベンチメンバーは出ている選手をサポート。コーチ陣やチームスタッフも一丸となり、全員がピッチ内外でチームのためにできることを考えて献身的な姿勢を見せ続けた。同じ目標を持った仲間と想いを共有できたことが大きな力を生み出した形だ。だが、チームは決勝トーナメント1回戦でノルウェーを下しながら、続くベスト8でスウェーデンに敗戦。そして大会はグループステージで日本が圧倒したスペインが制した。だからこそ夢破れた準々決勝の結果に悔しさが募る。「みんなで一つになって戦えた。本当にいいチームだった。このメンバーで優勝したかった」大会後、選手は口をそろえてこう語っていた。なでしこジャパンの世界一を目指す旅路は、パリ五輪へと続いていく。チーム一丸となって夢をシェアしながら頂点を目指した日々は、チームにとって必ずや未来への糧となるはずだ。猶本 光(三菱重工浦和レッズレディース)お互いを尊重することで一つのチームになれました。グループステージ第2戦のコスタリカ戦で先発、W杯初ゴールを決める。若手選手も多かったなか、豊富な経験を活かし、チームのまとめ役としても存在感を発揮した。「代表ではクラブとは違い、短期間でチームを作り上げる必要があるので、まずは一体感を持つことにフォーカスして挑んだ大会でした。そのためには、お互いの良さや特長を理解し、尊重することが重要だと感じていて。今回のチームでは、選手ミーティングなどを通じて、初戦の前からそれを実現できていたので、喜びも悔しさも、常に全員が同じ感情をシェアできて、一つになれていたと思います。出場時間によっては、モチベーションを保つのが難しい時もあるので、ベンチでも積極的に声をかけるよう意識していました。そこは今までの経験が役立ったと思います。大会後、多くの方から一体感のある良いチームだった、と言ってもらえたことは素直に嬉しかったですが、結果には満足していません。さらにレベルアップしていきたいです」なおもと・ひかる1994年3月3日生まれ、福岡県出身。ミッドフィルダー。2010年のFIFA U‐17女子W杯で準優勝に貢献するなど、ユース年代から活躍を続け、29歳にして悲願のW杯初出場を果たす。オフの日も動画でプレーを分析したり、筋トレやボディケアに勤しむ、まさに努力の天才。石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース)常にポジティブな声かけで、一体感を持って戦えた。グループステージ初戦のザンビア戦でスタメンに抜擢され、クリーンシートでの勝利に貢献。以降、出場機会はなかったものの、常に笑顔でチームメイトを鼓舞し続けた。「いつもは緊張するタイプなのですが、初戦のピッチに立った時、自分でも驚くほど落ち着いていて。あえて緊張感を高めたほどです。こんなにも大きな舞台で、変な緊張をせず、大きなミスもなくプレーできたのは、先輩やチームメイトが、常にポジティブな声かけと的確なアドバイスをしてくれたからだと思います。だから私も、どんな状況でも常に明るくポジティブな言葉で盛り上げていこうと心がけていました。試合前、スタメンがピッチで円陣を組むタイミングで、ベンチでも自然に円陣ができていたり、ゴール後は全員で喜び合ったり、一体感を持って戦えていたと思います。出場は1試合でしたが、自分の課題が明確になったので、そこに向き合い、より一層努力して、なでしこジャパンの名に恥じない選手になっていきたいです」いしかわ・りおん2003年7月4日生まれ、秋田県出身。ディフェンダー。姉の影響で10歳からサッカーを始め、中・高時代をJFAアカデミー福島で過ごす。対人の強さに定評があり、’22年のFIFA U‐20女子W杯では、チームの主力として準優勝を経験。明るくポジティブなチームの元気印。高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)みんなに恩返しをしたくて。シェアしたのはチーム愛。右膝の大怪我を乗り越え、大会直前に代表復帰。ブランクを感じさせないプレーで、グループステージ第3戦のスペイン戦以降、センターバックの一角として奮闘する。「今回のW杯は、本当に多くの愛をシェアした大会だったと思います。昨年、大きな怪我をしてしまったのですが、リハビリ中も常に多くの仲間が気にかけてくれてとても心強かったですし、絶対に復帰してプレー+αの部分で恩返しをしたいと思っていました。大会前からすでに、仲間からの愛を感じていたし、私からもみんなに愛や元気を伝えたくて、自然と朝の挨拶からハッピー感が出ていたかなと思います。全員が出場できるわけではないなか、本当に一人ひとりがチームのために行動していて、日ごとに愛情や絆が深まるのを感じていましたし、それは応援してくださった方にも伝わっていたら嬉しいです。もちろん課題はありますが、全部が通用しなかったわけではないので、もっと上手く、強く、たくましくなっていきたいです」たかはし・はな2000年2月19日生まれ、埼玉県出身。ディフェンダー。’12年に浦和レッズレディースジュニアユースに加入。昨年11月、日本代表のスペイン遠征中に負傷し、全治8か月の診断を受けるも懸命のリハビリを経て復帰。最近は、音楽ユニット「Play.Goose」にハマり中。藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)伸び伸びやらせてもらえた。だからこそ結果で応えたかった。19歳の若さで全5試合に出場。W杯日本人最年少ゴールに加えて、ベスト16のノルウェー戦で宮澤ひなたのゴールをアシストをするなど、攻撃陣の中軸として活躍した。「チーム最年少ということもあって、『どんどん積極的に仕掛けていいよ!』って伸び伸びプレーさせてもらいました。最初は自分の結果にこだわって、積極的な突破からゴールを決めることもできた。でも、一つになっていくチームを見て、もっとみんなのためにプレーしたいと思うようになっていったんです。ノルウェー戦でのスルーパスは、そういう想いが表れたのかもしれません。負けてしまったスウェーデン戦、試合終盤のチャンスで直接FKをバーに当ててしまって…。重要な場面で蹴らせてもらえたのに決められなくて本当に悔しいし、みんなに引っ張ってもらったからこそ結果で応えたかった。試合後は涙が止まりませんでした。この悔しさを糧に絶対に強くなりたい。チームを勝たせられる選手になりたい。そう心に誓いました」ふじの・あおば2004年1月27日生まれ、東京都出身。フォワード。十文字高から日テレ・東京ヴェルディベレーザへ。果敢な仕掛けを武器に、’22年のFIFA U‐20女子W杯準優勝に貢献。本大会前にはFIFA公式サイトで“超新星”として紹介され、コスタリカ戦では19歳180日で初ゴールも記録。清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース)それぞれの想いを胸に、どんどん結束力が高まって。グループステージ初戦のザンビア戦、続くコスタリカ戦、準々決勝のスウェーデン戦の3試合に後半途中から出場。スピードを活かし、常にチームの勝利のために走り続けた。「短い出場時間でも100%の力をチームに還元できるよう、ピッチに立った時、どんなプレーができるかを常にイメージしながら準備していました。今回、出場時間にかかわらず、メンバー全員が同じ感覚で挑めた大会だったのでは、と感じています。その理由の一つが、試合前日の選手ミーティング。毎回、熊谷(紗希)キャプテンが指名した何人かの選手がひと言話す場があって。そこでみんなの想いや考えを共有できたことで、よりチームとしての結束力が高まったと思います。回を重ねるごとに、自発的に話す選手も増えてきて、それぞれの想いを聞いて感極まって涙を流す選手もいたほどです。ミーティングが、苦しい時の自分の大きな支えになりました。次にチャンスをもらった時のために、もっともっとできることを増やしていきたいです」せいけ・きこ1996年8月8日生まれ、東京都出身。ミッドフィルダー。浦和レッズレディースユース出身。抜群のスピードを活かしたドリブル突破が持ち味で、複数のポジションで高い能力を発揮。大好きなコーヒーを飲みながら、YouTubeで東海オンエアを見ることが最近の癒し。田中桃子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)ピッチ外でチームのためにできることを考え続けました。本大会での出場機会はなかったものの、ピッチ外でのモチベーションビデオ制作などでもチームを盛り上げた。「試合には出られませんでしたが、GKチームは3人でゴールを守るという気持ちで戦えたと思います。それに、試合前日のミーティングでみんなの言葉を聞いて、本当に同じ気持ちで世界一を目指しているんだと共感しました。初戦前日にヤマさん(山下杏也加)が『みんなで円陣を組もう!』って提案したんです。それが定番になって、お互いを信じて全員で前へ進んでいる感覚がありました。その中で自分に何ができるかを考えて、決勝トーナメントに向けて同じGKの(平尾)知佳さんと二人で『モチベーションビデオを作ろう』って話になったんです。私は写真を集め、知佳さんが編集を担当しました。一緒に戦おうという気持ちをみんなに伝えることができたのは大きかった。自分も日本の女子サッカーもここからが勝負。今度はピッチで貢献できるように進化していきたいと思っています」たなか・ももこ2000年3月17日生まれ、長野県出身。ゴールキーパー。育成時代から日テレ・東京ヴェルディベレーザで育ち、大和シルフィードへの2年間の武者修行で成長。的確な指示とセービングを武器に守護神として活躍する。’16年のFIFA U‐17女子W杯準優勝。趣味はベーグル作り。※『anan』2023年10月18日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)ヘア&メイク・yumi美樹(共にThreePEACE)取材、文・青山知雄松原 彩(by anan編集部)
2023年10月15日10月9日は「スポーツの日」。スポーツは体の健康だけでなく、心の健康のためにも素晴らしい効果をもたらしてくれるでしょう。今回は、スポーツの日に運動するなら何がいいかで、あなたが持つ「対人スキル」がわかる心理テストをご紹介します。Q.「スポーツの日」に運動するなら、次のうち何をしますか?A:ランニングB:水泳C:サイクリングD:ヨガあなたはどれを選びましたか?さっそく結果を見てみましょう。この心理テストでわかるのは?「あなたが持つ対人スキル」深層心理において“スポーツ”は、あなた自身の自己表現能力と密接で、コミュニケーションの豊かさを意味すると言えます。そして、どんなスポーツに挑戦したいかは、人間関係における好奇心を暗示。そのため、やってみたいスポーツが何であるかにより、あなたが持つ対人スキルが分かるのです。A:「ランニング」を選んだあなた……明るく周囲を元気づける「励ましスキル」あなたはちょっとしたことでは動じない懐の広いタイプだと言えます。朗らかで明るい性格のため、周囲の人たちからも人気が集まりやすいはず。リーダーシップの才能もあり、人を元気づける能力を持っている人でしょう。だからこそ、頼られると断りきれない場面も多いかもしれません。その結果、たくさんの頼みごとを引き受けてしまい、いっぱいいっぱいになってしまうことも。ときには思い切って断るほうが相手のためになる場合もあるので、よく見極めるようにしましょう。B:「水泳」を選んだあなた……懐の深さで包みこむ「世話好きスキル」あなたは感受性豊かで人の面倒をよく見る、みんなのお姉さんのような存在でしょう。同情心が深く、困った人をほうっておけないので、悩みを相談されることも多いはず。特に、後輩や目下の子のピンチには積極的に力を貸したくなるかもしれません。その分、仲間意識が強すぎて身内以外に対して厳しくなりがちな一面も。もう少し分け隔てなくあなたの優しさを表現することができれば、さらに人気がアップするはずです。C:「サイクリング」を選んだあなた……センスやこだわりを活かす「感覚スキル」あなたはバランス感覚に優れ、何でも自分でこなしていける器用なタイプだと言えそう。そのため、周囲の人達から憧れられることも多いはず。ただ、人に頼るのが苦手な一面があり、少し近寄りがたい印象を与えているかもしれません。自分の力で頑張るのは良いことですが、ときには人に甘えることも大切。自分なりのセンスやこだわりを積極的に発信することで会話が弾み、周囲の人たちと親しくなれる機会も得られるでしょう。D:「ヨガ」を選んだあなた……相手を理解し心を掴む「共感スキル」あなたはインスピレーションで相手の思っていることを見抜き、人の心を掴むのに優れているタイプと言えるでしょう。一瞬で本質を見抜けるだけの鋭い洞察力を持っているあなたに、密かに憧れている人も多いはず。もともと共感能力の高いあなたなので、今よりもう一歩だけ、相手との距離感を縮めてみて。きっと心の底から湧き起こってくる感動や想像を超えた素晴らしい体験を得られるはずです。おわりにスポーツに取り組むことで、心身の健康だけでなく、他者とのコミュニケーションが生まれるきっかけにもなるかもしれませんね。脇田尚揮/占い・心理テストクリエーター株式会社ヒューマン・ライフ出版代表取締役社長、企業占術鑑定士、大学講師、秀心寺住職。©R-DESIGN/PIXTA(ピクスタ)©おおしま/PIXTA(ピクスタ)©とよとよ/PIXTA(ピクスタ)©Yuki/PIXTA(ピクスタ)文・脇田尚揮
2023年10月08日パリへの切符をつかみ取れ。いざ、決戦のとき!五輪切符を得られるのは8か国中わずか2か国のみという熾烈な戦い。「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」に、今まさに挑んでいる、バレーボール男子日本代表(龍神NIPPON)ダブルエースの思いとは?石川祐希選手と髙橋 藍選手にお聞きしました。高さを技術でねじ伏せる、日本代表の爽快感。「高さは正義」。それぞれ別のタイミングで行った個別インタビューで、石川祐希選手と髙橋藍選手、二人の口から同じこの言葉が出てきたから驚いた。二人でそういう会話をしているのかと髙橋選手に聞くと、笑って言った。「しますします。『高さって、ずるいよね』って(笑)。海外では身長2mの選手が僕らと同じアウトサイドのポジションをやっているので、多少サーブレシーブが乱れても、高いトスを上げて、上から打てば決まるという現実がある。技術がなくても高さがあれば何とかなってしまう部分って、バレーボールの中にあるのは事実です。僕らは高さで補えない分、クオリティがすごく重要。プレー一つ一つの精度が乱れると勝つことは難しくなるので」石川選手も、今夏のネーションズリーグで銅メダルを獲得したあと、こう話していた。「海外の選手には『日本だったらいける』と思われていると思う。たとえ僕らが金メダルを取ろうが、それは変わらないと思います。日本に2m級の選手がバンバン出てこない限り。やっぱりフィジカル、高さが正義のスポーツだから、小さい僕たちには不利。ただ、どう思われようと、僕たちは精度が高いから、どこと戦っても負ける気はしない。相手も、日本とやってみたら『嫌だな』とわかると思います」2m43cmのネットを挟んで戦うバレーボールにおいて高さがあるほど有利なのは間違いない。日本は長年その世界の高さに苦しんできた。だが今の日本には、イタリアで経験を積み、高さに対する戦い方を熟知した二人を筆頭に、技術やスピード、アイデアで打開できる選手が揃った。世界一の守備力も備えている。“高さは正義”の競技を日本が制する爽快感を、五輪切符がかかるワールドカップでも、日本中に味わわせてくれるに違いない。FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023(日本ラウンド)10/4(水)日本 vs トルコ10/6(金)日本 vs セルビア10/7(土)日本 vs スロベニア10/8(日)日本 vs アメリカ開催国フランスを除く世界ランキング上位24か国のうち、8か国が参加し、9/30から開催中。総当たり戦を行い、上位2か国がパリ五輪への出場権を獲得する。Yuki Ishikawa1995年12月11日生まれ、愛知県出身。192cm、84kg。アウトサイドヒッター。中央大学時代からイタリア・セリエAでプレーし、昨季はミラノを初のベスト4に導いた。日本代表では2021年から主将。コート¥665,500スウェット 参考価格¥82,500パンツ 参考価格¥495,000シューズ¥165,000(以上ジバンシィ/ジバンシィ ジャパン TEL:0120・218・025)Ran Takahashi2001年9月2日生まれ、京都府出身。188cm、83kg。アウトサイドヒッター。19歳で東京五輪に出場。日本体育大学に所属しながら’21‐’22シーズンからセリエAへ。今季はモンツァでプレーする。コート¥792,000ニット 参考商品ブレスレット¥330,000シューズ 参考価格¥352,000(以上ボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタジャパン TEL:0120・60・1966)※『anan』2023年10月11日号より。写真・森山将人(TRIVAL)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・TOYO(BELLO)インタビュー 、文・米虫紀子(by anan編集部)
2023年10月08日8月~9月に行われたバスケットボールワールドカップで3勝を飾り、見事パリ・オリンピックへの出場権を得た男子日本代表。チームを率いるトム・ホーバスHC(ヘッドコーチ)は、論理的でありながら熱く魂のこもった言葉でチームをまとめあげた。これまでの発言を振り返り、ホーバスHCの言葉の力を解き明かす。ホーバスHCの考え方がわかる7つのキーワード。信じています選手の可能性を誰よりも信じているのがホーバスHC。男子の前に率いた女子日本代表選手たちは「トムさんは選手本人よりも選手の可能性を信じている」と言っていたほど。指揮官と選手が信頼関係を築くことで、自信を持てなかった選手たちが前向きに挑戦するようになり、上達していった。スーパースターはいないけどスーパーチーム女子日本代表が大躍進をして東京オリンピックで銀メダルを獲得した直後の会見で、報道陣に「五輪での日本はどんなチームでしたか?」と聞かれ、ホーバスHCが表現した名言。ホーバスHCは特別なエースは作らず「全員がファーストオプション」という考えでチーム作りをする。この目標にコミットしますか?男子はW杯で「アジア1位になってオリンピック出場」を目指し、女子は東京五輪で「金メダル」の目標を掲げて強化合宿をスタート。ホーバスHCは集合した初日に選手全員と目標を共有し、一人一人に「この目標にコミットしますか?」と確認する儀式を行う。練習で甘いところが出た場合、「あなたは目標にコミットすると言ったのに、なぜそれをしないのですか」と、原点を思い出させ、奮い立たせている。目標達成のためには「毎日ステップアップすることが大切」とホーバスHC。気持ちで絶対に負けたらダメサイズの小さい日本が気持ちで負けたらそこで試合が終わってしまう。サイズやフィジカルのハンデがあろうとも、戦う気持ちだけは負けてはならないと選手を奮い立たせ、原点を思い出させる言葉。「気持ちで負けない」を象徴する日本のプレーは、常に足を動かし続けること。ヘッドダウンしないで試合中、劣勢で弱気になっているとき、または、試合中でなくても立ち向かう気力がないときに「あきらめるな(頭を下げないで)」と選手を叱咤激励するときの言葉。小さいからできないは好きじゃないバスケットボールは身長の高い選手が有利なスポーツ。日本は男子も女子も世界の中では平均身長が低いが、それでも勝つ方法はあるはずだと、小さい日本人選手に合った戦術を考え、勝つためのマインドセットを作ってチャレンジするのが闘将トム・ホーバス。もっと熱く女子日本代表が「チームで一番熱いのはトムさん」と語るほど熱血漢なホーバスHC。試合ではハングリーに熱い気持ちを出して戦ってほしいと願うホーバスHCが、選手に要求するときにかける言葉。W杯で大逆転勝利を収めたベネズエラ戦、4Qにチーム最年長の比江島慎が大爆発したときは「マコが熱くなってくれた」と表現。「もっとできる、もっと熱く」と発言することも多い。「信じている」と伝えることが、成長への一歩になる。この夏、沖縄で開催されたワールドカップにてアジア内1位の成績を収め、パリ・オリンピックの切符を獲得したバスケットボール男子日本代表。48年ぶりとなる自力出場をつかんだ背景には、アメリカ人指揮官の卓越したリーダーシップがあった。その名はトム・ホーバス。一昨年の東京オリンピックで女子日本代表を銀メダルに導いたことでも知られる闘将だ。現役時代は日本をはじめ10数年にわたって選手として活動し、その当時に日本人女性と結婚したことから、日本語が堪能。Wリーグの強豪JXサンフラワーズ(現ENEOSサンフラワーズ)のHCや女子代表のAC(アシスタントコーチ)を経て、’17年から女子代表のHCとして采配をふるってきた。もともと、世界大会では存在感を示していた女子バスケだが、最後は欧米諸国の高さの前に敗れてきた歴史がある。その壁を一気に破って銀メダルに到達したのは、3ポイントシュートと機動力という、日本人特有の良さを前面に押し出す戦略を徹底したからだった。女子バスケで結果を残した後は、手腕を見込まれて男子代表のHCに就任。ホーバスHCは男子にも3ポイントシュートとスピーディさを生かした走るバスケを導入。ただ、男子は女子以上に世界とフィジカルの差があるため、今までよりも攻撃回数を増やし、ディフェンスをアグレッシブにすることを徹底させた。その結果、男子代表も先日のワールドカップで史上初となる3勝をもぎ取り、アジア1位の座へと躍進したのだ。男子でも、女子でも結果を残すホーバスHCが、日本のバスケを指導するうえで何より変えたかったのが「自信のなさ」。日本人選手の場合はどうしても体格差で尻込みしてしまう傾向があったからだ。そこで着手した改革が目標を共有すること。女子でいえば「五輪で金メダル」であり、男子では「アジアで1位になること」である。練習中に選手が弱気な姿勢を見せれば「あなたはこの目標にコミットしたのに、なぜ向上心を持ってやらないのですか?」と問いかけて原点を見つめさせた。この場合のコミットとは「責任を持って約束する」を意味する。目標達成のために突き進む組織には、一人一人の責任と役割があるもので、ホーバスHCはその意識を植えつけたのである。それでも、世界の強敵に立ち向かうには、時には弱気になることだってある。そんなとき、選手を奮い立たせる言葉となったのが「信じています」というフレーズだ。ホーバスHCは「信じる」の神髄をこのように語る。「『信じている』という言葉はとても深いです。チームを成長させられない場合はコーチにも問題があります。『信頼関係が大事』と口だけで言っても選手はついてきません。僕の仕事は、選手一人一人の良さを引き出してステップアップさせること。そうすることで選手は僕を信じてくれて、自分の可能性を信じることができ、自信がついていくことで強くなるのです。でも、自分の可能性を信じていなければ何も始まりません。だから簡単な言葉だけど、とても深いです」指揮官の言葉を一番近くで聞き、その思いを選手にストレートに伝えているのが、男子代表の通訳を兼任する勝久ジェフリーAC。彼もまた、ホーバスHCが持つ言葉の力に魅了され、チームの成長を支えてきた一人だ。「トムさんは選手にとって必要なことをストレートに指摘します。選手たちができると信じているからこそ厳しく目標を追求するのです。日本にはスーパースターはいないので、トムさんは全員を平等に競争させて成長させます。そこに一切のブレがないので選手は信頼するのでしょう。厳しく追求したその先に待っていた、目標にたどりついたときの選手たちのうれしそうな表情を僕は忘れません」ホーバスHCの言葉に宿る力の源は、選手一人一人の可能性を信じる愛からきているのだ。小永吉陽子スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランス。日本代表、Bリーグ、Wリーグ、学生バスケなど幅広く原稿を執筆。『anan』2023年10月11日号より。写真・©JBA文・小永吉陽子(by anan編集部)
2023年10月07日五輪切符を得られるのは8か国中わずか2か国のみという熾烈な戦い。「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」に、今まさに挑んでいる、バレーボール男子日本代表(龍神NIPPON)のエース・髙橋 藍選手のインタビューをお届けします。髙橋藍選手五輪予選は、髙橋藍選手にとって初めて経験する舞台。「まだ経験したことのない大会なので、なかなかイメージはしにくいんですけど……。もちろんネーションズリーグとは雰囲気は違うと思いますし、どこの国も本気で五輪の切符を取りにくるので、相手の気持ちの強さを肌で感じて、すごい緊張感があると思います。でも自分たちがやることは変わらない。もちろん五輪切符を取りにいくんですけど、それだけをイメージするんじゃなく、自分たちのリズムで、自分たちのバレーを信じてやること。それができればどの相手にも勝てるということを、(銅メダルを獲得した)ネーションズリーグで証明できたので」どんなときも前向き。そのプラス思考は2年間のイタリア経験でさらに強固なものになったそう。「僕ももともとポジティブですけど、海外の選手のほうが僕よりポジティブ。試合でうまくいかなかった選手が、『明日はまた違う日になる』と言っていて、『あ、そういう考え方なんだな』と。『もうできへんときはできへんし』みたいな感じ(笑)。なんか、人生を楽しんでいるなと感じました」海外で刺激を受けた22歳が、五輪予選でも日本のコートにポジティブなエネルギーを注入する。FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023(日本ラウンド)10/4(水)日本 vs トルコ10/6(金)日本 vs セルビア10/7(土)日本 vs スロベニア10/8(日)日本 vs アメリカ開催国フランスを除く世界ランキング上位24か国のうち、8か国が参加し、9/30から開催中。総当たり戦を行い、上位2か国がパリ五輪への出場権を獲得する。Ran Takahashi2001年9月2日生まれ、京都府出身。188cm、83kg。アウトサイドヒッター。19歳で東京五輪に出場。日本体育大学に所属しながら’21‐’22シーズンからセリエAへ。今季はモンツァでプレーする。ニット¥88,000(エンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03・6274・7070)※『anan』2023年10月11日号より。写真・森山将人(TRIVAL)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・TOYO(BELLO)インタビュー 、文・米虫紀子(by anan編集部)
2023年10月07日