『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのアンドリュー・ガーフィールド主演、『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督最新作『アンダー・ザ・シルバーレイク』の日本公開が決定した。セレブの街、L.A.のシルバーレイク。夢を抱いてこの街にやって来たトムは、隣人のサラにひと目惚れする。しかし、忽然と姿を消してしまうサラ。トムは誰もいなくなった彼女の部屋に忍びこみ、壁に書かれた謎の暗号を見つけたことをきっかけに、次々と起こる不可解な事件に巻き込まれていく。主人公のトムを演じるのは、アンドリュー・ガーフィールド。主演を務めたメル・ギブソン監督作品『ハクソー・リッジ』ではアカデミー賞にノミネートされ、今年6月には「エンジェルス・イン・アメリカ」でトニー賞演劇主演男優賞を受賞した。今回彼が演じるのは、都市伝説や陰謀論をこよなく愛する“オタク”の青年。自身の“オタク”っぷりを活かし、L.A.の謎の深みにハマっていくという役だ。トムが追う失踪した美女サラは、エルヴィス・プレスリーの孫娘でもあるライリー・キーオが演じる。『マッド・マックス 怒りのデスロード』で5人の妻の1人として出演、昨年公開されたスティーブン・ソダーバーグ監督作品『ローガン・ラッキー』では、主人公である兄弟(チャニング・テイタム&アダム・ドライバー)の妹役を演じた。本作では、主人公を翻弄する謎の隣人美女を演じる。今回公開された海外版ポスタービジュアルには、“WHAT ARE THEY HIDING?(彼らは何を隠しているの?)”の文字とともに、水中に浮かぶ女性の姿が神秘的に描かれている。下の方に目をやると、ヤシの木の間から浮かび上がるトムの顔。ミッチェル監督が隠した暗号が散りばめられた、意味深なポスターとなっている。また、場面写真からも多くの謎がうかがえる。水着姿の美女と並んで歩くトム、プールサイドから顔を覗かせるサラ、色とりどりのカツラを被った女性たち……。『イット・フォローズ』で世界を魅了したミッチェル監督が、L.A.を舞台に仕掛ける妖しい「ネオノワール・サスペンス」に、早くも期待が高まる。『アンダー・ザ・シルバーレイク』は10月13日(土)より新宿バルト9ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2018年07月26日2015年に破局したアンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーンが、ニューヨークのレストランで仲良くディナーを食べている姿が目撃された。居合わせた人によれば「どう見ても付き合っているカップルのようだった」とのことで、「おしゃべりしながら笑いが絶えず、ニコニコしていた。どちらも幸せそうだった」という。「Page Six」が報じた。現在、アンドリューはニューヨークのブロードウェイで「エンジェルス・イン・アメリカ」に出演中で、エマも同じくニューヨークで「Netflix」のドラマ『Maniac』(原題)を撮影中。どちらもニューヨークに滞在しており、タイミングよくディナーデートが実現したというわけだ。別れるまで3年以上も交際していた2人。別れてからのこの3年間も、授賞式などで顔を合わせても気軽に話せる間柄をキープしてきた。昨年の夏には、エマが「エンジェルス・イン・アメリカ」のロンドン公演を鑑賞し、アンドリューに会いに楽屋も訪れている。2016年、2017年と、1年に1回はメディアがアンドリューにエマのことを尋ね、アンドリューは「今も愛してる」、「僕とエマの間には愛と尊敬が存在する」というように「LOVE(愛)」を使って語るのがお約束になっていた。昨年10月にエマは「サタデー・ナイト・ライブ」の脚本家デイヴ・マッカリーとの交際が伝えられたが、2人が最後に公の場に姿を現したのは今年2月。すでに破局しアンドリューと復縁したのか、いまだにアンドリューとはただのよい友だちなのか。エマのパブリシストは「ノーコメント」としている。(Hiromi Kaku)
2018年05月25日サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)から、ウィメンズ クリエイティブ ディレクターのポール・アンドリュー(Paul Andrew)が手掛ける初のハンドバッグ「STUDIO BAG」が登場する。「STUDIO BAG」(27万5,000円)Middle Size:H30xW35xD18cmブランドの創業者であるサルヴァトーレ・フェラガモが持つ、パワフルな創造性にインスパイアされた「STUDIO BAG」。現代を生きる女性のニーズに応えた作りになっているこのバッグは、ガンチーニの留め具が輝き、エレガントなツールとしてきめ細かくデザイン。同ブランドの最先端の専門技術を生かして作られ、しなやかな姿と丈夫さを兼ね備えている。「STUDIO BAG」(25万円)Small Size:H25xW29xD14.5cm最高級のイタリア製天然レザーを使い、イタリア人の熟練した職人が手作業で作り上げ、バックの底にはメタル製のスタッズが打たれている。金具にはブランドのアイコンであるガンチーニを開閉のしやすい新しいクロージャーの型で採用し、機能性とデザイン性を見事に融合させた。カラー展開はクラシックなファンゴ、ネロ、ネイビーに加え、リップスティックやアンティークローズをラインアップ。「Hollywood Boot Shop スペシャルエディション」(29万円)Middle Size:H30xW35xD18cmさらに、創業者サルヴァトーレが95年前にハリウッド・ブルバードにオープンさせた最初のスタジオ、Hollywood Boot Shopを讃えるスペシャルエディションも2型登場。メタリックシルバーと特徴的なカラーブロックのスペシャルエディションは、世界で各95個限定でそれぞれにナンバリングが施されている。日本では、銀座本店、大阪梅田本店、伊勢丹新宿店ハンドバッグコーナー、阪急うめだ本店バッグコーナーにて限定展開される。
2018年05月25日主人公・ラッキーを演じるのは名優ハリー・ディーン・スタントン 今回ご紹介するのは、2017年に9月に亡くなった名優ハリー・ディーン・スタントン最後の主演作『ラッキー』です。映画が好きな人なら、『パリ、テキサス』の主人公を演じた、あの俳優。赤いキャップとジャケット姿のトラヴィス役といえば、ピンとくるのではないでしょうか。すべての者に訪れる「死」をテーマにした本作は、ハリー・ディーン・スタントンを知らないという人にもおすすめです。 年の割にはすこぶる健康なラッキー 物語の主人公は、90歳の気難しい現実主義者・ラッキー。毎朝、彼はひとり暮らしの部屋で目を覚まし、コーヒーを淹れ、タバコをふかし、ヨガを5ポ―ズこなすという、長年のルーティンを欠かさない。そして、行きつけのダイナーに出掛け、馴染みの店員と言葉を交わし、新聞のクロスワード・パズルを解く。こうして独自の日課を繰り返す日々の中、ラッキーはある朝突然、倒れてしまう。しかし、病院で検査を受けるも、特に異常は見つからない。年の割にはすこぶる健康で、身回りのことも自分でこなせるラッキーだったが、これをきっかけに自らの人生の終わりを感じ始め……。 何といっても印象的なのは、ちょっと偏屈な90歳の主人公・ラッキーの佇まい。ハリー・ディーン・スタントン本人と重なる部分の多い役柄で、老いを体現する年相応の肉体を隠すことなくさらしています。彼の佇まいが、物語の中に生きるラッキーの人生を表現しているのはもちろんのこと、長年にわたって映画界で活躍してきた偉大な俳優自身の生きざまを見ているような気がしてくるのです。 ルーティンをこなし、馴染みの仲間たちと過ごす日々 小さな街の中で、ラッキーが毎朝同じ日課をこなして、同じ場所を行き来し、いつもの仲間と言葉を交わすシーンが続いていく本作は、途中でとんでもない出来事が起こるわけではありません。それでも、ラッキーと、彼の日常に存在する仲間たちがとても魅力的。バーの常連客仲間・ハワード(演じているのは、ハリー・ディーン・スタントンの友人である映画監督デヴィッド・リンチ!)は、愛するペットであるリクガメ“ルーズベルト”の失踪に心を痛めている。ダイナーのウエイトレス・ロレッタは、ラッキーを心配して家までやって来て、リビングで一緒にテレビを見る。行きつけのドラッグストアの店員・ビビはラッキーのことが大好きで、彼を息子の誕生日パーティーに招待するほど。一匹狼な性格ながらも、チャーミングなラッキーが仲間たちと交わすやり取りはどこかおかしく、そして愛にあふれています。 映画監督デヴィッド・リンチが友人役で出演 名バイプレイヤーとして知られるジョン・キャロル・リンチが初監督を務め、ハリー・ディーン・スタントンの実人生になぞらえて描かれたという本作。生きること(=やがて死に向かうこと)を、独特のタッチとユーモアで見事に表現しています。死に近づきつつあるラッキーと、彼を演じるハリー・ディーン・スタントンの気高さと存在感、そして、彼とともに映画を作ってきた仲間からの敬意に、静かに心が熱くなる作品です。 (c) 2016 FILM TROOPE, LLC All Rights Reserved ■『ラッキー』2018年3月17日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開中監督:ジョン・キャロル・リンチ出演:ハリー・ディーン・スタントン、デヴィッド・リンチ、ロン・リビングストン ほか
2018年04月11日アンドリュー・ガーフィールドがHIV患者を熱演し、イギリスでも絶賛を受けたナショナル・シアター・ライブ2018(NTLive)の日本公開第1弾「エンジェルス・イン・アメリカ第一部至福千年紀が近づく」から予告編が到着した。身近な映画館で極上の英国舞台を堪能できる機会として人気を博し、今年5年目を迎えるナショナル・シアター・ライブ。2018年度の新作ラインナップには、トニー・クシュナー作「エンジェルス・イン・アメリカ」の第一部・第二部、ダニエル・ラドクリフとジョシュア・マグワイア出演の「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」、ベン・ウィショー出演の「ジュリアス・シーザー」など8作が決定している。今回予告編が到着した「エンジェルス・イン・アメリカ第一部至福千年紀が近づく」は、80年代のNYを舞台に同性愛者を取り巻く人間模様を描いた物語。「エンジェルス・イン・アメリカ」は2003年にはアル・パチーノ、メリル・ストリープ、エマ・トンプソンらが出演し、アメリカでTVドラマ化もされた。演出は、「戦火の馬」や「夜中に犬に起こった奇妙な事件」など素晴らしい作品を手がけてきたマリアン・エリオット。アンドリューほか、ネイサン・レイン、デニース・ゴフ、スーザン・ブラウンらが出演し、上演時にイギリス業界紙で絶賛の嵐を巻き起こした。まずはアンドリューの新境地ともいえる熱演を、ここからチェックしてみて。<2018新作ラインナップ>■「エンジェルス・イン・アメリカ第一部 至福千年紀が近づく」2月2日(金)~2月8日(木)■「エンジェルス・イン・アメリカ第二部 ペレストロイカ」3月16日(金)~3月22日(木)■「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」5月25日(金)~5月31日(木)作:トム・ストッパード演出:デヴィッド・ルヴォー出演:ダニエル・ラドクリフ、ジョシュア・マグワイアほか■「アマデウス」7月6日(金)~7月12日(木)作:ピーター・シェーファー演出:マイケル・ロングハースト出演:ルシアン・ムサマティ、アダム・ギレン■「イェルマ」9月28日(金)~10月4日(木)作:フェデリコ・ガルシア・ロルカ演出:サイモン・ストーン出演:ビリー・パイパー(2017年オリヴィエ賞最優秀主演女優賞)■「フォーリーズ」10月19日(金)~10月25日(木)脚本:ジェームズ・ゴールドマン音楽:スティーヴン・ソンドハイム演出: ドミニク・クック出演:イメルダ・スタウントン、トレイシー・ベネット、ジェイニー・ディー■「ヤング・マルクス」11月23日(金・祝)~11月29日(木)作:リチャード・ビーン、クライヴ・コールマン演出:ニコラス・ハイトナー出演:ロリー・キニア、オリヴァー・クリス■『ジュリアス・シーザー』11月30日(金)~12月6日(木)作:ウィリアム・シェイクスピア演出:ニコラス・ハイトナー出演:ベン・ウィショー、ミシェル・フェアリー、デヴィッド・モリッシー、デヴィッド・カルダーナショナル・シアター・ライブ2018はTOHOシネマズ 日本橋、TOHOシネマズ 川崎ほかにて上映。(text:cinemacafe.net)
2018年01月23日ディズニー/ピクサー映画「トイ・ストーリー」シリーズの最新作『トイ・ストーリー4』が、2019年7月12日(金)に全国で公開される。ウッディとバズの冒険が再びはじまる第1作目から時が経ち、17歳になったおもちゃの持ち主アンディ・デイビスは、大学の寮へ引っ越すことに。ウッディやバス・ライトイヤーらは、アンディと別れを告げ、4歳の女の子ボニーという持ち主のもとで心機一転、新たな道を歩むこととなった。こうして完全に終わりを告げたと思われていた『トイ・ストーリー3』を経て、ついに公開となるシリーズ4作目。ストーリーはまだベールに包まれたままだが、ウッディらとともにスポットライトを浴びるのは、羊飼いの人形ボー・ピープのようだ。シリーズ1、2作目に登場し、3作目では回想シーンのみの出演で、なぜか仲間の輪にいなかった彼女との再会が描かれるのではないかと予想される。新キャラクターが登場する映像公開ヒロイン、ボー・ピープが帰ってくる!「トイ・ストーリー」のヒロインとして、いつもウッディのことを気にかけ勇気づけていた、優しい羊飼い人形のボー・ピープが帰ってくる。スクリーンで彼女が姿を見せるのは、2作目以来、実に19年ぶりだ。公開されたポスター画像では、ブロンドにピンクの水玉というお馴染みの可憐なドレスではなく、勇敢でクールなパンツルックに身を包んでいる。物語のキーマン!?フォークのような見た目の「フォーキー」予告編映像には、ウッディ、バズ、ジェシー、ハム、レックスなど、おなじみのおもちゃたちが生き生きと円陣を組む様子が映し出されている。また、その中には新キャラクター「フォーキー」が初登場。物語のキーマンになるということ以外詳細は公開されていないが、「僕はオモチャじゃない!」と話す、フォークのような見た目のフォーキーは一体何者なのか。“ふわふわモフモフ”なダッキー&バニーさらに、公開された特別映像では、新たにダッキー&バニーが姿を現している。ダッキーは、ふわふわの毛並みのアヒルのぬりぐるみ。そして、モフモフの毛が特徴のぬいぐるみがバニーだ。愛らしい見た目の2匹は、そのビジュアルに反して辛口マシンガントークを炸裂している。お馴染み声優陣も続投シリーズ1作目から変わらず、原語版のウッディ役にはトム・ハンクス、バズ・ライトイヤー役にはティム・アレンが続投となる。また、羊飼の人形ボー・ピープは、1、2作目と同じくアニー・ポッツが務める。監督はインサイド・ヘッドで脚本を手掛けてたジョシュ・クーリー監督はジョシュ・クーリー。「カーズ」シリーズ、『レミーのおいしいレストラン』、『カールじいさんの空飛ぶ家』などにこれまで関わってきた彼。近年では、『インサイド・ヘッド』でストーリー監修・脚本を手がけている。そのほか、『トイ・ストーリー4』では、アンドリュー・スタントン、ピート・ドクター、リー・アンクリッチといったシリーズ全作品に深く関わっているピクサーのストーリー・テラー達がアイデアを持ち込んだという。第83回アカデミー賞 長編アニメーション映画賞含む2部門を受賞するなど名実ともに映画史を塗り替えた前作以上の物語になるのではないか、と期待が膨らむ。日本語吹き替えに、唐沢寿明&所ジョージが続投以前のシリーズより引き続き、日本語吹き替え版声優は、唐沢寿明と所ジョージが続投する。ウッディ役の声を演じる唐沢寿明は、「この作品を好きで居てくれる人が本当にたくさんいて、“顔も似てきてる”っていう人もたまにいる。今でも子供たちに“ウッディ”ってよく呼ばれるくらい(笑)。『トイ・ストーリー』はシンプルでいて、でも決して子供向けということだけでなく、大人を納得させてしっかり感動できる作品。楽しみにして下さっている方がたくさんいるので、その期待を裏切らないように、繊細にやらなければいけないと感じています。」とトイ・ストーリーへの想いと新作への意気込みを語っている。一方、バズ・ライトイヤー役の声を演じる所ジョージは、「バズ・ライトイヤーは僕にとって相棒みたいな存在。20年以上声をやらせてもらって、こんなに嬉しいことはないですよね。バズ・ライトイヤーは未来永劫続きます!」とバズ・ライトイヤーへの深い愛を感じさせるコメントを寄せている。また、本作で19年ぶりにスクリーン復帰するボー・ピープは、1、2作目でも声優を務めた戸田恵子が続投。そのほか、ジェシー役に日下由美、ミスター・ポテトヘッド役に辻萬長、ミセス・ポテトヘッド役には松金よね子、レックス役には三ツ矢雄二と、人気キャラクターに声を当てる声優陣もまたお馴染みの顔触れで登場。また、ハム役の咲野俊介とスリンキー役の辻親八は、今作から声を当てることとなる。【詳細】トイ・ストーリー(Toy Story 4)日本公開日:2019年7月12日(金)全国ロードショー全米公開:2019年6月21日(金)監督:ジョシュ・クーリープロデューサー:ジョナス・リベラ原語版声優:トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョディ・ベンソン、アニー・ポッツ
2017年12月30日2017年9月にこの世を去った名優、ハリー・ディーン・スタントン最後の主演映画『ラッキー』が、2018年3月17日(土)に公開される。90歳の無神論者が向き合う「死」本作は、名バイプレイヤー(脇役)として知られるジョン・キャロル・リンチが、全ての者に訪れる人生の終わりについて描いた初監督作品。全ての者に平等に訪れる「死」をテーマに、90歳の気難しい現実主義者の主人公・ラッキーが過ごす最後の時を描く。あらすじ神など信じずに生きてきた90歳のラッキーは、今日もひとりで住むアパートで目を覚まし、コーヒーを飲みタバコをふかす。いつものバーでブラッディ・マリアを飲み、馴染み客たちと過ごす。そんな毎日の中でふと、人生の終わりが近づいていることを思い知らされた彼は「死」について考え始める。子供の頃怖かった暗闇、去っていったペットの亀、あるいは戦禍で微笑んだ日本人の少女――小さな街の人々との交流の中で、ラッキーは「それ」を悟っていく。ハリー・ディーン・スタントンの体験に基づいたエピソード『パリ、テキサス』『レポマン』『ツイン・ピークス』などで知られる俳優・ハリー・ディーン・スタントン。本作で演じた、現実主義で一匹狼、そして偏屈なラッキーというキャラクターは、ハリー・ディーン・スタントンの人生になぞらえて当て書きされたもので、劇中に登場するエピソードもスタントン自身の体験に基づくものである。友人役としてデヴィッド・リンチが出演また、ラッキーの友人役として、映画監督のデヴィッド・リンチが出演している。『ツインピークス』でタッグを組んでいるほか、実際に長きにわたる友人である彼らの”素”を思わせるやりとりも、見どころの一つだろう。ヴィム・ヴェンダース『パリ、テキサス』にオマージュをポスタービジュアルに採用されたのは、青い空と荒野をバックに、憂いを含んだ目で遠くを見るスタントンの表情が印象的な1枚。これは、スタントンの代表的な出演作である、ヴィム・ヴェンダース監督『パリ、テキサス』にオマージュを捧げたものだ。作品情報映画『ラッキー』公開日:2018年3月17日(土)監督:ジョン・キャロル・リンチ出演:ハリー・ディーン・スタントン、デヴィッド・リンチ、ロン・リビングストン、エド・ベグリー・ジュニア、トム・スケリット、べス・グラント、ジェイムズ・ダレン、バリー・シャバカ・ヘンリー(c) 2016 FILM TROOPE, LLC All Rights Reserved
2017年12月25日ディズニー/ピクサー最新作『カーズ/クロスロード』が公開中だ。シリーズ第3弾となる本作で、連戦連勝の天才レーサーだったマックィーンは引退のピンチに立たされる。次世代マシンの台頭によって、レース界全体に世代交代の波が押し寄せるのだ。同スタジオが世界初のフルCG長編アニメーションとして、『トイ・ストーリー』を世に送り出してから、20年以上の歳月が立ち、メガホンをとったジョン・ラセターはいまや、「ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ」と「ピクサー・アニメーション・スタジオ」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして、辣腕を振るっている。ラセターをはじめ、ピート・ドクター(『モンスターズ・インク』)、アンドリュー・スタントン(『ファインディング・ニモ』)、ブラッド・バード(『Mr.インクレディブル』)といったピクサーの“黄金期”を支えた名監督がいまも活躍する一方で、新たな才能にメガホンを託す姿勢が、常にチャレンジを恐れないピクサーらしい。『トイ・ストーリー3』で単独監督を務めたリー・アンクリッチ、『メリダとおそろしの森』のマーク・アンドリュース、画『アーロと少年』のピーター・ソーンらは、ピクサーの世代交代を担う存在だ。そして『カーズ/クロスロード』を手がけたブライアン・フィーは、作品づくりで重要な役割を果たすストーリーボード・アーティストとしての豊かな経験を活かし、本作で長編デビューを飾る期待の人材だ。人生の岐路に立たされたマックィーンの葛藤を主軸にしながら、クライマックスに訪れるサプライズ、それを導く絶妙な伏線というピクサーらしさが、本作を一歩踏み込んだ大人向けの感動ドラマに仕上げた。すでに全米では、マックィーンの境遇に共感した中高年の支持を得て、大ヒットを記録している。もちろん、世代を問わず楽しめる作品で、若い世代なら、初登場する新キャラクターのラミレスに感情移入できるはずだ。マックィーンとラミレスの関係性がそうであるように、ベテランと次世代が刺激し合いながら、確かな相乗効果や思わぬ化学反応を生む。これぞ、ピクサーが目指す世代交代だ。来年3月に日本公開されるリー・アンクリッチ監督の『リメンバー・ミー』には、共同監督として、こちらもストーリーボード・アーティストとして数々の作品に携わった、現在31歳のエイドリアン・モリーナが名を連ねている。(text:Ryo Uchida)■関連作品:カーズ/クロスロード 2017年7月15日より全国にて公開(C) 2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2017年07月18日ディズニー/ピクサー最新作は、真っ赤なボディがトレードマークの天才レーサー、マックィーンが主人公のシリーズ第3弾、『カーズ/クロスロード』(7月15日公開)だ。今作のマックィーンは、最新技術を限界まで追求したレーサー、ストームをはじめとする新たな世代の台頭に追い込まれ“人生の岐路”に!新たな相棒クルーズとともに、現況を打ち破る旅へと出て行く物語で、本作で監督デビューを果たしたブライアン・フィー監督も「人生の過渡期の物語」と説明する。深みを増した「カーズ」について、来日した監督に話を聞いた。――クルーズがアメリカのディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークに登場して話題になりましたが、この新しいキャラクターについて教えてください。この映画中の彼女はとても重要な役割を担っていて、彼女は次世代のキャラクターです。ストームはレースという目的のために作られた車ですが、クルーズはストリートカーで、見た目的には無理そうですよね。それなのに夢が実現できそうな車というところが、この作品の中でテーマ的にとても重要なんです。自信をもって夢を見れば、実現できるということを表しています。マックィーンにとっても、彼女を見ることで満たされます。彼女が成功に導くわけですね。彼女が成功することで自分も満たされるという。言ってみれば、親の子どもに対する誇りのようなものです。自分ではなく、自分の子どもが成功することで満たされることほど、素晴らしいことはない、そういう影響を彼女が与えるわけですね。――そのストーリーの開発については、どの程度かかわっていたのでしょうか?かかわっていたというよりも、メインの仕事でした。本当に初期の開発段階から参加して、ほぼそれが仕事でした。そのほかの仕事もストーリーを支える補完みたいなもので、ストーリーの開発に最大限の時間を費やしました。とてもパーソナルな要素を反映しています。――パーソナルな要素とは、具体的には何でしょうか?自分自身で実際に関係したことを描いています。たとえば両親との関係、わたしと娘たちとの関係、世代というもの、教える側、教えられる側というということなどです。わたしは母を失くしていて、父も歳をとっています。大人になっても、両親がいることの安心感はあったわけで、それがなくなりつつあることを自覚することは、とても怖いものでした。――それをマックィーンに投影しているわけですね。マックィーンは人生の過渡期に遭遇しているので、そういう意味で投影しています。わたしもまた娘たちの親になり、かつて自分が体験したようなサポートをしてあげる立場になっている。そういう想いを、脚本を開発する段階では、いつも思い出していた気がします。――以前ピクサーへ取材に行った際に、アンドリュー・スタントン監督も実体験をニモの物語に投影していたと言っていましたが、ピクサーの社内では、自分の家族を扱うというトレンドが確実にありますよね。それはもう絶対に必要なことなんです。この作品で言うと6年くらい費やしているわけで、自分が呼吸している間はずっとこの作品に携わっているので、多くの情熱を持って向かわないと、やり遂げること自体が難しいものになります。したがって個人的に想い入れがある題材であれば周りの人間、クルー全員にとってもモチベーションが上がるものなんです。――ジョン・ラセター氏は、どういうリアクションでしたか?最終的にすべてのピクサー作品はジョン・ラセターがGOを出さないと作れないわけで、彼の承認を得ないものは手がけられないんです。ジョン自身もすべてを注げるような題材である必要があって、過去作品も共感しうる人生経験を元にして生まれたものだと思います。――ところでマックィーンがジョンで、クルーズがあなた自身という関係性で描いているということはありますか?それは一個の見解であって、真実ではないですね(笑)。ただ、ジョンからバトンを受け取って、この作品を手がけているわけ、似たような縁は見出せるかなとは思います。でも、僕たちは、そのことを追い求めていたわけではなかったわけで、あくまでも偶然の結果として、そう見えることはあったということです。もちろん、ジョンもこの作品を誇りに思ってくれればうれしいです。クルーズのマックィーンへの想いは、共通しているかな(笑)。――そういう深読みも楽しめるほど、普遍的なテーマで描いていることですよね!確かに、制作中にクルーズの気分になったことはありました。なぜなら、監督という経験がなかったから、どうしてもジョンのサポートが必要でした。経験のないなか大変な仕事をするということで、学びながら監督業をやってたので、そういうところで、ジョンに頼ったというところは確かにありました。なのでそういう指摘や解釈は間違いではなく、映画と通じるところもあったかもしれないけれど、あくまでもいい意味での偶然ですね(笑)。(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.■プロフィールブライアン・フィーケンタッキー州アレクサンドリア出身。少年時代、両親と地元のドライブインシアターで『ジャングル・ブック』(67)と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)を観て以来、映画が好きに。コロンバス・カレッジ・オブ・アート&デザインを卒業後、手描きアニメーションやキャラクター・デザインの仕事に携わり、2003年ピクサー・アニメーション・スタジオに。ストーリーボード・アーティストとして『カーズ』(06)、『レミーのおいしいレストラン』(07)、『ウォーリー』(08)、『カーズ2』(11)を手掛け、『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)ではストーリー・アーティストを担当。本作で監督デビュー。
2017年07月17日前スパイダーマンのアンドリュー・ガーフィールドがドラァグクイーンにも負けない女っぷりを披露して観客を喜ばせた。現在、ヨーロッパツアーを開催中のドラァグクイーンたちによる「Werq the World Tour」のロンドン公演にやってきたアンドリュー。ショーの中では観客の中から4人選び、ウィッグを着用してホイットニー・ヒューストン、シェール、ドリー・パートン、ケイティ・ペリーになりきり、それぞれの音楽に合わせて口パクするというゲームがあったという。その1人に選ばれたアンドリューは、ホイットニーになりきることになった。「I’m Every Woman」の曲に合わせて口パクしながらノリの良いダンスを踊るアンドリューに観客は黄色い歓声を上げた。元スパイダーマンとだけあり、バック転まで披露し、観客席の盛り上がりは最高潮に。しかし、残念ながら優勝ならず。ドリー・パートンに扮した観客が勝者となった。SO ANDREW GARFIELD JUST CAME ON STAGE AND LIPSYNCED TO WHITNEY I AM NOT OKAY!!!!! #andrewgarfield #werqtheworld @vosseventsEmily Meow さん(@emilymeowwww)がシェアした投稿 - 2017 5月 30 2:21午後 PDT今月初め、現スパイダーマンのトム・ホランドがリアーナになりきり、アクロバティックなダンスと口パクでファンを魅了したことがアンドリューの耳にも入っていたのだろうか。「ETonline」によると、アンドリューは主演舞台「Angels in America」の公演でロンドンに滞在しており、共演仲間とこのショーを見に来ていたということだ。(Hiromi Kaku)
2017年06月01日本年度アカデミー賞に作品賞ほかアンドリュー・ガーフィールドの主演男優賞、メル・ギブソンの監督賞など6部門にノミネートされ、2部門を受賞した『ハクソー・リッジ』。このほど、アンドリューが演じた主人公の信念と決死の救出に思わず胸が熱くなる、日本版オリジナルのポスターと予告編が解禁となった。舞台は、第2世界大戦末期の沖縄、難攻不落の「ハクソー・リッジ」(のこぎり崖)。その150mの断崖を駆けまわり、たった1人で75人もの命を救った男、デズモンド・ドス。銃も手榴弾もナイフも、何ひとつ武器を持たない彼が手にしていたのは、モルヒネと包帯だけだった…。なぜ、ドスは武器を持つことを拒んだのか?何のために、命を救い続けたのか?そしてどうやって、奇跡を成し遂げたのか? 想像を絶する至近戦が繰り広げられた戦場で、そのとき何が起こっていたのか――。本作は、メル・ギブソンの10年ぶりの監督作。完全復活を果たした圧巻の映像は、まるで戦場にいるかのような臨場感を見せつける。主人公デズモンド・ドスを演じるのは、マーティン・スコセッシ監督作『沈黙-サイレンス-』で演技を進化させ、本作でアカデミー賞に初ノミネートされたアンドリュー。2人の強力タッグによって、戦争映画史を塗り変える衝撃作を誕生させた。解禁された予告編では、激戦地「ハクソー・リッジ」の150mを超える崖をよじ登る、アメリカの兵士たちの姿を映し出す。続いて、訓練時のデズモンド・ドスの姿をとらえるが、「僕は銃に触れません」と、若き兵士は武器は手にしないと固く心に誓っていた。だが、「殺すのが戦争だ」という上官グローヴァー大尉(サム・ワーシントン)から問題視され、仲間の兵士たちからは嫌がらせを受ける。それでも頑として銃をとらない彼は、軍法会議にかけられる。恋人のドロシー(テリーサ・パーマー)は、このままだと「刑務所行きになる」と涙を見せる。ドスの胸には激しい葛藤が沸き上がり、行き場のない思いは独房のドアにぶつけるしかない。だが、やがて彼の主張が認められ、武器を持たずに衛生兵として戦場に出ることが許可される。「皆は殺すが、僕は助けたい」と誓い、激戦地「ハクソー・リッジ」に赴任したドスは、たった1人で命を救う戦いを始める…。アンドリューは、穏やかではあるが時に激しい感情を爆発させ、主人公ドスの心の葛藤を繊細に表現。そして、難攻不落の戦場「ハクソー・リッジ」に赴任するや一転、手榴弾を手で払いのけたり、爆発寸前に足で蹴散らしたりと、壮絶なアクションを見せる。戦場で“命を救う”ことだけを全うしようとした、その信念に思わず胸が熱くなる。また、日本オリジナル本ポスターでは、そんな主人公ドスを演じたアンドリューの表情を大きく映し出している。“世界一の臆病者が、英雄になった理由とは――”のキャッチコピーに、“武器を持たない”という信念を貫き、壮絶な戦場で負傷兵たちを救い続けた男の真摯なまなざしをとらえ、強烈なインパクトで迫ってくるものだ。「もう1人助ける」と願う、その視点の先には、まだまだ目の前に助けるべき命があることを予感させている。『ハクソー・リッジ』は6月24日(土)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハクソー・リッジ 2017年6月24日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開(C) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016
2017年04月27日アンドリュー・ガーフィールドを主演に迎え、メル・ギブソンが10年ぶりに監督を務める映画『ハクソー・リッジ』。本年度アカデミー賞2部門(編集賞・録音賞)を受賞し話題となっている本作から、この度、息をのむ戦闘シーンを収めた日本版オリジナルティザー予告編が到着した。緑豊かなヴァージニア州の田舎町で育ったデズモンド・ドスは、第2次世界大戦が激化する中、陸軍への志願を決める。先の大戦で心に深い傷を負った父からは反対され、恋人のドロシーは別れを悲しむが、デズモンドの決意は固かった。だが、訓練初日から彼のある“主張”が部隊を揺るがす。衛生兵として人を救いたいと願うデズモンドは、「生涯、武器には触らない」と固く心に誓っていたのだ。上官と仲間の兵士たちから責められても、デズモンドは頑として銃をとらない。ついに軍法会議にかけられるが、思いがけない助けを得て、主張を認められたデズモンドは激戦地の「ハクソー・リッジ」へ赴く。そこは、アメリカ軍が史上最大の苦戦を強いられている戦場だった。1歩足を踏み入れるなり、目の前で次々と兵士が倒れて行く中、デズモンドの“命を救う戦い”が始まる──。本作は、第2次世界大戦下の激戦地「ハクソー・リッジ」で武器を持たずに、たった1人で75人の命を救った、戦場の常識を覆した男の実話から生まれた衝撃作。主演は、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズや『沈黙-サイレンス-』で注目を集め、本作の演技が高く評価されてアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされたアンドリューが務める。到着した予告編では、「『プライベート・ライアン』を超える戦闘シーン」と高く評価する米「ローリング・ストーン」誌のレビューが紹介され、凄まじい臨場感で描かれる戦闘シーンの迫力には、思わず圧倒されてしまう。銃も手榴弾もナイフさえも、何ひとつ武器を持たずに第2次世界大戦最大の激戦場を駆けまわり、1人で75人もの命を救ったデズモンド。映像では、デズモンドが敵からの手榴弾を手で払うかと思えば、爆発寸前のもう一発をキックして蹴散らすアメージングなアクションが炸裂。そして最後には、「もう一人助ける」と心の中で叫びながら、熾烈な戦場を駆けるデズモンドの姿で終了する。なぜ、彼は武器を持つことを拒んだのか?何のために命を救い続けたのか?歴戦の兵士さえ、ひと目見て言葉を失ったという「ハクソー・リッジ」の真に迫る戦闘シーンを、まずはこちらからチェックしてみて。『ハクソー・リッジ』は6月24日(土)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ハクソー・リッジ 2017年6月24日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開(C) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016
2017年03月30日メル・ギブソン監督のもとアンドリュー・ガーフィールドが主演を務め、本年度アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞ほか6部門にノミネート、編集賞と録音賞を獲得した『ハクソー・リッジ』。6月の日本公開に先駆け、激戦の地から傷ついた兵士を救出しようとする、アンドリュー演じる主人公の姿をとらえたディザーポスターが到着した。緑豊かなヴァージニア州の田舎町で育ったデズモンド・ドスは、戦争が激化する中、陸軍への志願を決める。先の大戦で心に深い傷を負った父からは反対され、恋人のドロシーは別れを悲しむが、デズモンドの決意は固かった。だが、訓練初日から、彼のある“主張”が部隊を揺るがす。衛生兵として人を救いたいと願うデズモンドは、「生涯、武器には触らない」と固く心に誓っていた。上官と仲間の兵士たちから責められても、デズモンドは頑として銃をとらない。ついに軍法会議にかけられるが、思いがけない助けを得て主張を認められたデズモンドは、激戦地の沖縄、“ハクソー・リッジ”へと赴く。そこは、アメリカ軍が史上最大の苦戦を強いられている戦場だった。1歩、足を踏み入れるなり、目の前で次々と兵士が倒れて行く中、デズモンドの“命を救う戦い”が始まる――。戦争映画史を塗り変える、衝撃の実話を基にした本作。俳優としての活躍だけでなく、監督としても『ブレイブハート』で作品賞を含むオスカー5部門を獲得したメル・ギブソンが、10年ぶりに監督を務めたことでも話題。主演は、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズやマーティン・スコセッシ監督作『沈黙‐サイレンス‐』で知られ、本作の演技が高く評価されてアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされたアンドリュー・ガーフィールド。このたび解禁となったティザーポスターのビジュアルは、太平洋戦争末期の激戦地、“ハクソー・リッジ”(ノコギリ崖、沖縄・前田高地にあった絶壁のこと)を舞台に、武器をいっさい持たず、“戦場の常識を覆し続けた男”デズモンド・ドスの姿をとらえている。炎と煙に包まれた戦場から、傷ついた兵士を必死で救出しようとする彼の姿は、その壮絶さを伝えている。銃も手榴弾も、ナイフさえも、何ひとつ武器を持たずにハクソー・リッジを駆けまわり、たった1人で75人もの命を救った男。時には、重傷を負って倒れている日本兵にも手当てを施したことがある。終戦後、良心的兵役拒否者としてはアメリカ史上初めての名誉勲章が、彼に授与された。歴戦の兵士さえ、ひと目見て言葉を失ったという“ハクソー・リッジ”の真に迫る戦闘シーンが、“命を奪う戦場で、命を救おう”という1人の男の葛藤と強い信念を浮き彫りにさせていく本作。その衝撃の物語に注目だ。『ハクソー・リッジ』は6月24日(土)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハクソー・リッジ 2017年6月24日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開(C) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016
2017年03月17日『沈黙-サイレンス-』のアンドリュー・ガーフィールドが、俳優でオスカー監督でもあるメル・ギブソンのもと主演を務めた衝撃の実話『ハクソー・リッジ』(原題:Hacksaw Ridge)。その日本公開日が6月24日(土)に決定した。信仰にのっとり、“人を殺めてはいけない”と強く心に決めていたデズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、軍隊でもその意志を貫こうとしていた。上官(サム・ワーシントン、ヴィンス・ヴォーン)や同僚(ルーク・ブレイシー)に疎まれながらも、妻(テリーサ・パーマー)や父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の助けを借りて、銃を持たずに戦場に行くことを許可される。やがて、デズモンドは沖縄戦の中でも難攻不落の最終戦地“ハクソー・リッジ”での戦闘に参加することに。アメリカ軍が幾度となくハクソーの崖を登り制圧するも、日本軍のすさまじい攻撃に遭い、その度に撤退を余儀なくされる。負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、武器も持たずたった1人で戦場へ留まるというあり得ない決意をするが…。本作は、俳優としての活躍はもちろん、監督としても『ブレイブハート』(’95)でオスカー5部門を獲得したメル・ギブソンが、10年ぶりに監督を務めた衝撃作。2月26日(現地時間)に授賞式を迎えるアカデミー賞にて、作品賞、監督賞を含む主要6部門にノミネート、英国アカデミー賞では編集賞の栄誉を受けている。主演を務めるのは、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズや、マーティン・スコセッシ監督作『沈黙-サイレンス-』など幅広い作品で活躍し、本作の演技でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた若手実力派のアンドリュー・ガーフィールド。この2人のタッグによって生み出されたのは、第2次世界大戦下で“武器を持たない兵士”として、アメリカ史上初となる名誉勲章を受けたデズモンド・ドスの実話。銃を持たずに、沖縄の激戦地“ハクソー・リッジ”に赴き、衛生兵として一晩に75人もの日米の負傷兵を救ったデズモンド。彼の行動がいかに勇気のあるものだったのか…?臨場感あふれる激闘シーンを緊迫の映像で再現することで、1人の兵士の強い信念と心の葛藤を浮き彫りにさせていく。世界の映画賞では、すでに30の受賞、72ものノミネートを果たしている本作。アカデミー賞の行方にも注目していて。『ハクソー・リッジ』は6月24日(土)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月16日元恋人同士のエマ・ストーンとアンドリュー・ガーフィールドが11日(現地時間)、英国アカデミー(BAFTA)賞のプレパーティで再会、ハグしているのを目撃された。交際は『アメイジング・スパイダーマン』(’12)の共演をきっかけに始まったが、アンドリューが『沈黙 ーサイレンスー』の撮影で台湾に長期滞在中に一度破局。その後、再びよりを戻したものの、結局交際4年で2015年に完全破局していた。今年はエマが『ラ・ラ・ランド』で、アンドリューが『Hacksaw Ridge』(原題)で各映画賞で主演賞候補になっていて、2人とも授賞式に出席する機会が度々あった。12日の授賞式前日、BAFTA会長のウィリアム王子の住まいであるケンジントン宮殿で開かれたプレパーティに候補者たちが招待され、エマとアンドリューも出席。イギリスの大衆紙「The Sun」によると、アンドリューはパーティでの食事が終わるや、エマの元に駆けつけてハグした。そのまま2人は30分ほど談笑していたという。アンドリューは昨年11月、「The Hollywood Reporter」誌のインタビューで、無人島で一緒に過ごすなら誰かと聞かれて「エマ・ストーン。彼女のことが大好きなんだ」と答えている。一方、エマもアンドリューについて「彼はいまでも、とても大好きな人」と破局1年後のインタビューで話していた。BAFTA授賞式で手をつないでいたという目撃情報もあり、関係復活のうわさが流れ始めている。(text:Yuki Tominaga)
2017年02月15日ディズニー/ピクサーの待望の最新作『ファインディング・ドリー』のMovieNEXが、11月22日(火)よりついに発売中。今回は、そんな本作の監督を務めたアンドリュー・スタントンからコメントが到着している。舞台は『ファインディング・ニモ』の旅から1年後。忘れんぼうのドリーが突然思い出した家族の記憶――。ニモやマーリンたちに支えられて、ドリーがたどり着いたのは海の生き物たちにとって禁断の「人間の世界」…。そこで、ドリーは7本足のタコのハンクや泳ぎが苦手なジンベエザメのデスティニー、自分に自信がないシロイルカのベイリーなど、個性豊かな新しい仲間たちと出会う。“忘れんぼうのドリー”が、大切な家族と再会するための旅で出会う、仲間たちとの奇跡の冒険を描いた感動の冒険ファンタジーだ。日本では7月16日(土)に公開され、この夏興行収入68億円突破の大ヒットを記録し、10月9日(米現地時間)には世界興行収入が10億ドルの大台を突破した『ファインディング・ドリー』。日本語吹き替え版には、室井滋と木梨憲武を始め、上川隆也、中村アン、さかなクンらが出演。また、声優と日本版エンドソングの歌唱には八代亜紀が起用されていることでも話題にとなった。現在発売中の本作のMovieNEXには、MovieNEXだけに収録されたボーナス・コンテンツが収録!このコンテンツについてスタントン監督は、「最終的にお蔵入りとなったシーンがとても多いので、カットしなければならなかったシーンがたくさん見られますよ」と未公開シーンがオススメだと語る。また中でも、「ドリーの寝言」は一部が実際の予告編に使われながら、最後の最後で本編からカットされたというめったにないシーンで、「予告編を見ていた皆さんは『あれ、このシーンは本編になかった』と思うかもしれません」と冗談交じりに当時をふり返る。実際このほかにも、泣く泣くカットしたシーンが多数あると言い、これらの未公開シーンで作品の違う側面を楽しむのも面白いだろう。さらにピクサー作品は、本編内に別の作品のキャラクターが隠されていることでも有名。“隠れキャラクター”について監督は、「すぐには思い浮かびませんね。カンニングペーパーが必要です(笑)」とその数の多さを示唆し、「数字が出てきたときは、何か意味があります。隔離区域の壁の近くに、ピザ・プラネットのトラックも“A113”も出てきます。“A113”は少なくとも2回は登場しています」と一例を明かす。ピザ・プラネットは『トイ・ストーリー』に出てくるピザ屋で、“A113”はピクサーのクリエイターたちが卒業したカリフォルニア芸術大学の教室の部屋番号。どちらも彼らが手掛けた作品内でほぼ毎回出てくるお馴染みのものだ。最後に、海の底に沈んでいた古いビートルと「カーズ」の関連性を聞いてみると、「カーズ」からのネタだった可能性は否定せず、「本編に『カーズ3』をネタにしたものがあります。ただ、見つけるのはかなり難しいと思います。車ではありませんし…。とても小さい何かに車のイメージが付いているんです」となんと、今後劇場公開が予定されている『カーズ3』(原題)に関する隠れキャラクターも登場しているという。さて、あなたは“隠れキャラクター”を見つけることはできるのか?ぜひストーリーだけでなく、こちらもチェックしてみて欲しい。『ファインディング・ドリー』MovieNEXは発売&デジタル配信中。※Blu-ray&DVDレンタルも開始(cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年11月27日ディズニー/ピクサーの映画『ファインディング・ドリー』のブルーレイやDVDなどがおさめられたMovieNEXが本日発売されたのを記念して、監督が実現しなかった“幻のシーン”について語る特別映像が公開になった。公開された特別映像本作は、ニモの親友で、忘れんぼうのドリーが、幼い頃にはなればなれになってしまった家族に出会うため大冒険を繰り広げる物語。前作に引き続き、マーリンとニモの親子や、海亀のクラッシュなど、おなじみのキャラクターが再登場するが、アンドリュー・スタントン監督は“タンク・ギャング”も新作で活躍させる予定でいたという。“タンク・ギャング”とは、前作『ファインディング・ニモ』で、歯科医の水槽に閉じ込められてしまったニモが友達になる魚たちで、ニモが逃げ出すのをサポートするだけでなく、最終的には自分たちも水槽から脱出して自由を手に入れていた。このほど公開になる映像でスタントン監督は、脚本づくりの過程で存在した“幻のシーン”について解説している。それは、ドリー、ニモとマーリンが冒険に旅立つも、ドリーが人間に捕まってしまい、カリフォルニアの海洋生物研究所につれていかれた後の場面。当初、監督はあの“タンク・ギャング”を登場させ、彼らとマーリン親子を助けるシーンを考えていたという。映像では、幻のシーンが、簡単なイラストに音声をあわせた“ストーリーリール”で再現される。個性豊かなギャングたちが、それぞれのワザをいかしてドリーの居場所を突き止めようとする場面は必見だ。最終的に、監督たちは検討を重ねて、このシーンを削除し、別の展開を描くことになったが、その完成度は高く、スタントン監督はカットしたことを少しだけ後悔しているようだ。ピクサーの制作者たちは、脚本を何度も書き直しを繰り返す過程で、通常の映画であれば本編に採用されてもおかしくないクオリティのシーンを容赦なく削除することで知られており、MovieNEXには映画館では観られなかった“幻のシーン”や未公開映像がたっぷりと収録されている。『ファインディング・ドリー』MovieNEX 発売デジタルも配信中
2016年11月22日ディズニー/ピクサーの映画『ファインディング・ドリー』のデジタル配信とブルーレイやDVDなどが収録されたMovieNEXのリリースを前に、MovieNEXに収録されているメイキング映像の一部が公開になった。『ファインディング・ドリー』/特別映像『ファインディング・ドリー』は、ニモの親友で、忘れんぼうのドリーが幼い頃にはなればなれになってしまった家族に出会うために旅立ち、人間の世界を舞台に冒険しながら、家族と自身の謎に迫る姿を描いた作品。日本でも今夏に公開され、大ヒットを記録。ドリー、ニモ、マーリン、クラッシュなどおなじみのキャラクターだけでなく、新たに登場したタコのハンク、ジンベエザメのデスティニーなども人気を博した。前作『ファインディング・ニモ』に登場したドリーは、ニモを探す父親マーリンと行動を共にする“脇役”で、アンドリュー・スタントン監督は「金魚は5秒で忘れることをどこかで読んだ」ことから、ドリーが“忘れんぼう”の設定を思いつき、物語に活かしたという。しかし、本作でドリーは物語を引っ張る“主役”のため、監督はドリーについてさらに深く考え、「ドリーに自分自身を好きになって欲しい」という想いを込めて新たに語るべきキャラクター描写とストーリーを生み出した。その結果、人気キャラクターだったドリーは、さらに人気を獲得。間もなく発売になるMovieNEXでも、彼女の魅力に迫る様々なボーナス映像が用意されており、さらにファンが増えることになりそうだ。『ファインディング・ドリー』11月15日(火) 先行デジタル配信開始11月22日(火) MovieNEX 発売
2016年11月10日グッチ(GUCCI)が、グッチゴースト(GucciGhost)の名で知られるグラフィティアーティストのトラブル・アンドリューとのコラボレーションコレクション「グッチゴースト」を発売した。これまで、グッチの“GGロゴ”をカスタマイズしたアート作品を創作してきたトラブル・アンドリュー。そのGGロゴを使ったトラブル・アンドリューのアイデアと、レディトゥウェアやアクセサリーをカスタマイズする手法に、グッチのクリエイティブディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレが感銘を受けたことから、16-17AWコレクションでのコラボレーションが実現した。同コレクションでは、トートバッグ(35万1,000円)、バックパック(19万4,000円)、ショルダーバッグ(21万円)、ポーチ(9万5,000円)などのアイテムが展開される。Courtesy of Splash News
2016年09月07日『ファインディング・ニモ』の13年ぶりの新作『ファインディング・ドリー』の興行収入が60億円突破を記録。併せてディズニー映画初のバリアフリー上映が8月23日から上映開始することが分かった。『ファインディング・ニモ』の奇跡の冒険から1年。カクレクマノミのニモの親友で、何でもすぐに忘れてしまう、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかったのは“家族の思い出”。「今度は僕がドリーを助けてあげる」――ニモと父マーリン、そしてカメのクラッシュや個性豊かな新しい仲間たちも加わり、ドリーの家族を探す感動の冒険が始まる。その秘密を解く鍵は、海の生き物にとっての禁断の場所=“人間の世界”に隠されていた…。アニメーションのみならず実写作品も含む2016年公開の洋画オープニングNo.1の記録を樹立した本作。公開6週目となった現在もその勢いは止まらず、興行収入は60億円を突破し、まもなく動員500万人を超える勢いを示している(8月21日時点で動員4,961,653人、興行収入60億4,405万2,900円)。このほど決定した、ディズニー映画では初の試みとなるバリアフリー上映は、「耳や、目が不自由な方にも映画を楽しんでほしい」という本作で監督を務めたアンドリュー・スタントンの想いから実現。アメリカなど数か国では既に実施されていたが、日本においてもTOHOシネマズとの相互協力のもと、晴れて実現される運びとなった。バリアフリー上映では、目が不自由な方向けにはラジオを手持ちもしくは貸与し、FM局から音声ガイドを拾って聴くことができ、耳が不自由な方向けには吹き替え版日本語字幕付き(通常の字幕に、さらに情報量を増やしたキャプチャーが付加されているもの)での鑑賞が可能となる。ディズニーは、今後も他作品でのバリアフリー上映を視野に入れており、将来的には通常上映の中で一緒に鑑賞できる形に発展させていくことを目指しているとのこと。大人から子どもまで幅広いファンを持つ同スタジオの新たな展開として、大きな注目が集まりそうだ。『ファインディング・ドリー』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年08月22日「くじけそうな時もありましたけど、アニメーターにならないっていう選択肢はなかったので。なれるだろうと思ってたし、根拠のない自信みたいなものを持つのは大事だと思うんですよね」。ピクサー・アニメーション・スタジオで働く原島朋幸さんは、ピクサーに入社するまでに、サラリーマンやデジタルハリウッドやアメリカでの大学生活、そして「ドリームワークス・アニメーション」にて『ヒックとドラゴン』に関わるなど、様々な経歴を持つアニメーターだ。「自分が本当にやりたいのは、キャラクターアニメーションだ」という確信と共にアメリカに渡ったという原島さんは、まさに夢を叶えた日本人クリエイターである。シネマカフェが実施したピクサー現地取材レポート最終回の今回は、前回の小西園子さんに引き続き、『ファインディング・ドリー』で活躍している日本人スタッフの原島朋幸さんのインタビューをお届けする。1993年、『ジュラシック・パーク』を観たことをきっかけにハリウッド映画とVFXに興味をもち、エンジニアとして勤めていた会社を退職した原島さん。その後デジタルハリウッド東京本校に入学し、2001年にアメリカへ語学留学、2003年には「Academy of Art University」(サンフランシスコ)の大学院に進学し、通称“ピクサークラス”でピクサー・アニメーション・スタジオのアニメーターからキャラクターアニメーションを学ぶ。2006年より「DreamWorks Animation」にて『ヒックとドラゴン』などの制作に参加し、2015年3月に晴れてピクサー・アニメーション・スタジオへ移籍している。『ファインディング・ドリー』では、キャラクター・アニメーターとして様々なキャラクターの制作に関わったという原島さんは、ピクサーならではの入念なリサーチ活動を経て、ニモやマーリン、ドリーをはじめとする様々なキャラクターたちが水中で動き回る姿を、リアリティと共にキャラクターとして生き生きと表現する過程に大きく寄与している。「『ファインディング・ニモ』の時と同じく、今回も水槽で魚を飼って観察したり、実際に魚が泳いでいる映像を撮ってきて、海の中の物理や魚の動きをキャラクターの動きとして表現するためのアサインメントを実施しました。魚がヒレを動かしているタイミングをはじめ、魚は実は左右のヒレをバラバラに動かしているということや、前に進む時も後ろ向きにヒレを動かしていることなど、実際にちゃんと見てみないとわからないんです。ほかにも、ドリーとマーリンでは魚の動きの質が違うので、アニメーターたちはそういうことにも気をつけて作っています」。制作過程の話を伺う中で印象的だったのは、魚がターンする動きを制作する際に使われたという“ある言葉”に関するエピソードだ。「よく“it looks like fish on a stick(これは魚と棒の動きみたいだね)”という言い方をされることがあるんです。魚がターンする動きを表現するときに、魚がスティック(棒)の上に乗って動いているように見えてしまうことがある。実際の魚は、ヒレを動かして棒の周りを回るようにターンしてるんです。経験のあるアニメーターでも、気にしていないとそういう表現をしてしまいがちなんですよね。実際に魚の動きを見てからじゃないと、何か足りない、違う動きになってしまうんです」。ほかにも、ヒレを動かしていない時に魚たち自らの重みで沈む動きや、生き物たちの大きさや重さの違いを表現することが、全編に渡って海の中の世界が舞台である本作のリアリティへと大きく影響しているのだとういう。「重さっていうのはすごくキーになるので、アニメーターにとってはチャレンジですね。ウミガメのクラッシュとスクワートでも重さが違いますし、デスティニーや、ニモ、ドリーではスケールが全然違うんですね。例えば、デスティニーがヒレを動かすときに起こる対流を受けて、ドリーやニモが動く表現をしなくちゃいけない。だって、波が来たのに魚が流されたり横揺れする表現がないとおかしいじゃないですか。そういった微妙なこだわりが、すごくリアリティに貢献していると思います」。前作『ファインディング・ニモ』に引き続き、アンドリュー・スタントンが監督を務める本作。傑作として知られる『ウォーリー』なども手掛けるアンドリュー監督の仕事ぶりは、アニメーターとして参加した原島さんの目線からはどう映ったのだろうか。「アンドリューがよく言ってたのは、“ナショナルジオグラフィックのようにリアルに”ということでした。演技は当然大事なんですが、キャラクターが演技をした上で、動きはきちんとリアルな魚じゃないとダメだということです。キャラクターが演技しているのはほかのアニメーションでもあると思うんですけど、本作ではキャラクターたちが魚だっていうことが、観客が観ていて疑いのないレベルで説得力がないといけない。そこにすごくこだわりがありましたね」。さらに、『アーロと少年』にて監督を務めたピーター・ソーンとアンドリューの監督としての違いについて、興味深い比較を原島さんは語る。「アンドリューはあるシーケンスを制作する前に、監督の中でキーとなる部分だけ説明して、細かい説明はあんまりしないんですよ。すごく“loose(ゆるい)”な状態で、アニメーターはいろいろ考えながら、ラフなアニメーションを監督に見せるんですね。監督はそれを見てから個別に細かく作り込んでいく。ピーターの時は最初からすごく細かったですね。でも彼はオープンだったので、アニメーターの方から監督に意見を提案すると、受け入れてくれる部分もあるし、『そのアイデアはすごくいいけど採用できない』っていう時もある。アンドリューもそうですね。彼は彼のアイデアがあるので、曲げないときは曲げない」。「諦めたら終わりじゃないですか。壁に当たっても、とにかく好きなことがあるんだったら、それに向かって続けることですね」。そう語る原島さんは、昨年の入社に至る前にも、一度ピクサーの面接を受けたことがあるそう。その時は採用に至らなかったが、「ドリームワークス・アニメーション」のサンフランシスコ郊外のオフィスで7年半の間働いた後、『アーロと少年』の制作スタッフとしてピクサーへの入社が実現。晴れて念願のスタジオでのキャリアをスタートさせた。「“努力すればば報われる”っていう言葉と同じくらい、“努力しても全てが報われるわけではない”っていう言葉を聞くんですけど、どっちも正しいと思うんですよね。でも努力は裏切らない。もし目標にたどり着けなくても、努力したことは自分の血と肉になるし、何をやっても人生損はないんですよね」。脱サラを経て、世界一のアニメーション・スタジオで働く原島さんの言葉には、ずしんとくるものを感じた。観客である私たちにとって、『ファインディング・ドリー』のキャラクターたちの生き生きとした姿の裏に、原島さんをはじめとする夢を叶えたクリエイターたちの表現する喜びがあると思うと、鑑賞後にはまた異なる感動が生まれてくる。これまでも、シネマカフェが実施した現地取材レポートを通して、本作に関わった様々なクリエイターたちの思いを紹介してきたが、本特集を通して、『ファインディング・ドリー』があなたにとって忘れられない作品になってくれることを切に願う。『ファインディング・ドリー』は全国にて公開中。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年08月21日ディズニー/ピクサーの映画を観た後に飛び出す「おもしろかった!」という言葉。公開作が続々と大ヒットを飛ばしている同スタジオにとっては、もはや「おもしろい」のが当たり前といった前提すら感じさせるが、そのクオリティは年々勢いを増すばかりであり、その“おもしろさ”が並大抵のものじゃないことは、夏休みの公開を毎年楽しみにしている子どもたちだけでなく、大人の映画ファンの間でも広く認識されている。日本でも興行的に大成功を収めた『ファインディング・ニモ』。魚たちをめぐる愉快なストーリーが、子どもたちをはじめ多くの観客を魅了したのはもちろんだが、そこには主人公のニモの成長や、父親であるマーリンの“親ごころ”が描かれており、楽しいだけではなく、人々の心を揺さぶる感動的なテーマがそこにはあった。そして、待望の続編として公開中の『ファインディング・ドリー』においても、観客を魅了するストーリーと感動的なテーマは健在。その“おもしろさ”は、2016年度洋画オープニングNo.1という記録を打ち出し、現在もなおより多くの観客の心を掴んでいる。シネマカフェのディズニー/ピクサー現地取材第3弾では、そんな並大抵じゃない“おもしろさ”の秘密、ディズニー/ピクサー流のストーリーの作り方を、『ファインディング・ドリー』でアンドリュー・スタントンとともに共同監督を務めたアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイスのインタビューを通してご紹介する。本作で晴れて長編アニメーション作品の監督デビューを果たすアンガスは、ピクサー・アニメーション・スタジオに1997年アニメーターとして入社後、『トイ・ストーリー2』をはじめ、『モンスターズ・インク』『Mr.インクレディブル』『ウォーリー』『トイ・ストーリー3』など多くの作品に参加。ピクサーにとって初のTV特番アニメーションとなった「トイ・ストーリー・オブ・テラー!」の監督として、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)ハリウッド支部からアニー賞優秀監督賞を受賞している。一方、マックス・ブレイスは、大学卒業直後の1996年7月にピクサー・アニメーション・スタジオに入社し、ストーリー・アーティストとして最初に『バグズ・ライフ』に参加。その後、『トイ・ストーリー2』『モンスターズ・インク』『カーズ』『ファインディング・ニモ』『Mr. インクレディブル』『ウォーリー』『メリダとおそろしの森』などにおいても才能を発揮し、ストーリー作成にあたって、監督とアーティストたちとのビジョンの共有に一役買う存在だ。『ファインディング・ドリー』への参加は、『メリダとおそろしの森』の完成パーティーのときにアンドリューから誘われ、「もちろん!ぜひ!」と答えたことから実現したとのこと。ディズニー/ピクサーのストーリー作りでは、監督や脚本家をはじめとする複数人のスタッフたちが意見を出しながらストーリーを構築していく“ブレイントラスト”と呼ばれる方法がとられている。一人の脚本家が書き上げる脚本を基に、監督をはじめとするスタッフが映画として仕上げていく、そういった一般的な映画作りのイメージとは異なり、ディズニー/ピクサーでは、民主的な空気の中で発揮されるチームワークによって物語が作られていくのだ。今回アンガスとマックスが解説してくれたのは、物語も後半に近づき、両親を探すために水族館の中を巡るドリーとハンクが、「タッチプール」と呼ばれる、子どもたちが海の生きものに触れることができるコーナーで、“恐ろしい目に”遭ってしまうというシーン。実際にどのような制作過程を経てストーリーが構築されていくのか、デモストレーションとともに披露された。「僕が息子を連れて水族館に行ったときに、息子とタッチプールに行ったんだ。そこで僕は、『魚の身になってみたらどうだろう?もしドリーがタッチプールの中に閉じ込められたら?』と考えたんだよ」。まずはマックスが、タッチプールのアイデアの発端を話し始めた。「僕たちは、何事に取りかかるときもまずはリサーチから始めるので、いくつかの水族館に行って、タッチプールの中にどういう生き物がいるのか、子どもたちがどうやってその生き物たちと触れ合っているのかなど、たくさんの写真を撮ってきたんだ。それをストーリー・チームのメンバーに見せ、そこで生まれるギャグや、中にいるキャラクターたちがどういった状況に置かれているのかなど、ブレインストーミングを通してアイデアをどんどん出し合ったんだ」。そして、そこで飛び出したギャグの1つが、「ヒトデの腕がちぎれる」というものだったと語るマックス。さらに、「ほかのキャラクターについてもいろいろとアイデアを出し合ったよ。人間に触られるのが大好きで、『気持ちいい~!』って叫ぶバットレイとかね(笑)」とマックスは続ける。ところどころで大人が笑えるギャグを挟んでいくのも、ディズニー/ピクサー流だ。「最終的に、ヒトデの腕がちぎれるのはちょっとこの作品にはブラック過ぎると思って、採用しなかったよ(笑)」と、ユーモラスにアンガスが合いの手を入れる。「それから、ドリーたちがどうやってここに巻き込まれるのかということを考えていったんだ。ハンクはドリーのパートナーになっているけれど、2匹がここから出られなくなったとしたらどうするか?彼らはどうやってここから出るのか?ハンクは自分の体の色を変えてカモフラージュ出来るので、お客さんの背中にくっついて運ばれていくというのはどうか?」と、マックスは当初のアイデアを次々と明かしていく。これらの様々なアイデアは脚本家に渡され、実際にストーリーとして形作られることになる。次に、書き上げられた脚本を基に、監督と絵コンテを作成するアーティストたちが各シーンの読み合わせを行い、そのシーンでは何を感じ取りたいのかが話し合われる。そして、アーティストたちは脚本に記された様々なアイデアを基に、構図や演技、照明、セット、編集など、あらゆる要素をビジュアル化した“サムネール・テンプレート”を作成する。ここで、最初に仕上がったタッチプール・シーンのサムネール・テンプレートが、マックスによって披露された。「それでは、シーンをプレゼンしてみましょう。この前のシーンでは、ドリーは隔離部屋に自分の家族がいるのではないかと思っていて、ハンクはドリーを隔離部屋に連れて行くことを渋々承諾しました。ハンクは『わかった、じゃあ行こう』と言って出発します。さて、ここからこのシーンに入っていきます」。「ハンクがパイプを通っていきます。ハンク『いいか。先に言っておく。いまから経験することは忘れられない思い出になるさ。たとえお前でもな』、ドリー『え?なんで?』、ハンク『ここが隔離部屋への近道だが、ここを通るのは簡単ではない。離れるなよ』。そしてハンクは上によじ登る。排水溝からハンクの頭が出るのが見える。そこはタッチプールの中。子どもたちの手が生き物の方にあちこちから“ぶしゅー”っと伸びてきている。画面はタッチプールの外に切り替わり、子どもたちがたくさん並んでいる。横にある看板には“タッチプール生き物には優しく”と書かれている。でも子どもたちは優しくなんかない。ヒトデの腕が子どもに引っ張られる。『ああ~!!腕が~!腕が~!』。ハンクはドリーを引っ張り上げて『どんなことがあっても上を見るな』と告げる。子どもたちの手が次々と伸びてくる。バットレイが叫ぶ。『もっと愛して~』(笑)。ハンクは後ろの壁まで来てプールの向こう側を見上げ、『あれが目的地の隔離部屋だ』と言う。プールの中ではドリーが子どもに触られて『あはは~!くすぐったい~』。『おい、彼女に触るな!お嬢ちゃん、しっかり水を吸い込めよー』。そしてハンクが子どもの手を掴むと子どもは『うわ、うわ~~~~~!!』と怖がって、ハンクを放り投げる。ハンクは空中を飛んで、ある男性客の背中に着地。ハンクが男性のシャツの柄と同じ模様にカモフラージュする。男性は気がつかずそのまま歩いて行く。ドリーはハンクに掴まっているが、水の中にいないので息が苦しくなる。そこでハンクは側にいた子どもが持っているジュースのカップを横取りし、ドリーを中に入れる。『あぁ~!冷たい~!』ハンクはドリーを隠して周囲を確認する。『もう少しだぞ~』。ハンクが隔離部屋の方へ飛び降りるが、そこにあった掃除バケツの中に落ちてしまった。ハンク『やったぞ!』、ドリー『なんだか隔離部屋じゃないみたいだけど』、ハンク『こうやって隔離部屋に入るのさ』。これでこのシーンは終わりです」。(取材陣、拍手。)マックスのプレゼンを経て、監督であるアンガスがフィードバックを加えていく。アンガスはここでもユーモラスに、当時の様子を再現してみせる。「とても良かったね。少し気になるところがあるんだけど、絵コンテの中で、ハンクが『たとえお前でもな』と言うセリフがあるね。ここは最後まで上を向いていたままで、下を見ない方がいいな。そしてヒトデが引っ張られているところはもっと暴力的でもいいね(笑)。あと、バットレイが『もっと愛して~』と言ったときにみんな笑ったけれど、ここまでずっと、“危険!”と来ていて、こいつだけが、“良いよ~”と言っていると、面白いかもしれないがペースを遅くしてしまうかもしれない。編集後にもう一度見てみて、残したいか考えてみよう。もうひとつは、ハンクは自分がやろうとしていることにとても慎重になっているのに、ドリーが『くすぐったい』と言っていると、彼女は自分の身の危険を心配していないように聞こえる。彼女は危険な状況を忘れてしまっているとも考えられるけど、もしかしたら身の安全について心配していなさすぎかもしれない」。このように、サムネール・テンプレートのプレゼンに対する監督からのフィードバックを経て、アーティストたちは再びそれぞれ自分の机に戻り、さらなる描き直しを加える。そしてまた、新たなサムネール・テンプレートが作成されるのだ。「我々のチームは10万3,000枚以上の絵コンテを編集チームに渡したよ。こういった絵コンテのアニメーションを3、4か月毎に上映し、ジョン・ラセターをはじめとする重役たちからのフィードバックを得る。この過程を3年半かけて進め、各シーケンスを作り上げ、作品のブループリントを作っていくんだ。だから、かなり長い間、映画はこの絵コンテの中で生きているんだよ」。そうマックスは語るように、先ほど取材陣に披露されたサンプルには、日付が2013年7月19日と記されていた。プレゼンを経てアンガスは、「いまふり返ると、これも作品のひとつのバージョン。後で『なぜこれを削除したんだろう?』と思うセリフやアイデアもあるけど、我々は常に主人公のための物語を追求しているので、物語がきちんと語られることを考えているんだ。だから、面白いギャグやジョークで脱線するのは避けて、それらは物語を引き立たせるものでなければいけない。良いアイデアはたくさんあるけれど、採用されないこともしばしばだよ。残念だけど、DVDに入れられるといいね」とふり返る。こうしてフィードバックが反映された各シーンのサンプルに、音声や音楽、効果音が加えられ、シーケンスが作成される。その後、編集スタッフによってそれらが繋げられ、監督をはじめとするスタッフがチェックし、随時変更を加えていく。また、その場で思いついたセリフやアイデアのスケッチはすぐに絵コンテとして新たに加えられ、再び仕上がりがチェックされる。このように、いかなる行程においても浮かんだアイデアはすぐに試され、実際にそれができる制作環境が整えられているのだ。当初のストーリー案にから劇的とも思えるほどの変化が加えられていく“ブレイントラスト”のプロセスだが、披露された第一稿も、さすがのディズニー/ピクサーだけあって、“おもしろい”ものではあった。しかし、その“おもしろい”をさらにブラッシュアップしていくのが、同スタジオのクリエイティブをさらなる上の次元に推し進めている。「ドリーのストーリーを語るということに注意を払い続けることが、何が必要で、何が必要ないかを教えてくれるんだ」。ストーリーを仕上げていく中で次々と加えられていく変更点について、アンガスは解説する。「どんなアートフォームでもそうだけど、足し算であると同じぐらい引き算が大切で、観客とエモーショナルなコネクションを作ることが、常にゴールなんだ。それを達成するまでは、僕らは何かを捨てることにオープンでいるよ」。「それに、どうしていいかわからなくなったとき、『ヘイ、カモン、これを一緒に解決しよう』と言ってくれる多くの人たちがいるのはナイスだよ」とマックスが続ける。「グループは、ひとりよりもうまくいく。自分の周りに人々がいることは、どんな問題を解決する上でも、常に役立つよ」。このチームワークが、ディズニー/ピクサー作品の並大抵じゃない“おもしろさ”を生み出しているのだ。最後に、タッチプール・シーンの第一稿として披露されたバージョンに対して加えられた、大きな変更点についておさらいしてみよう。■ハンクではなくドリーが主導権を握ること→ハンクが強調されていて、ドリーが脇役になっている。物語の主人公は常にドリーにしなければならない。■バットレイのジョークは削除→ジョークをウリにすることは出来たが、それにはもっとシーンを作り込む必要があり、それによってシーンのペースを遅くしてしまう。■タッチプールをもっと怖いところとして描く→危険な状況を加え、タッチプールが戦場であるかのように描く。これらの変更点を経て、実際にタッチプール・シーンはどのように仕上がったのか?それは是非、劇場で実際に見比べて見て欲しい。きっとピクサーの“おもしろさ”の秘密を覗くことができるだろう。『ファインディング・ドリー』は、全国にて公開中。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年07月30日大ヒット中のディズニー/ピクサー最新作『ファインディング・ドリー』は、忘れんぼうのドリーが自身の過去を探して大冒険を繰り広げる作品だが、ドリーたちが暮らす“海”ではなく“人間の世界”が物語の中で重要な役割を果たしている。『ファインディング・ドリー』/その他の画像アンドリュー・スタントン監督は『…ドリー』を構想する際に、まずは前作の調査で訪れたけど、映画には使用しなかった場所について想いをめぐらせることからはじめ、やがて“ある場所”に目を留めた。「最初はちょっとズルをした気分だった。というのは、近くだし、この場所のことをよく知っているから」そこは、ピクサーのあるサンフランシコから南へ250キロ行ったところにある“モントレーベイ”だ。以前から「モントレーの水族館のことをよく知っているし、(アメリカ)北西部の海のこともよくわかっていた」というスタントン監督は、自然な流れで『…ドリー』の舞台のモデルをこのエリアに決定。劇中に登場する架空の施設“海洋生物研究所(Marine Life Institute)”を描くため、ピクサーのメンバーは準備段階で何度も何度もモントレーベイ水族館に足を運んだ。この施設の名前は“水族館=Monterey Bay Aquarium”だが、映画に登場する海洋生物研究所と同じく、海の生き物たちを助けて、治して、海に帰す活動も行っており、この考えは、本作のストーリーにも大きな影響を与えることになった。本作でドリーやニモたちが直接、人間と関わったり、会話をすることはないが、ドリーは長い海を旅してアメリカ北西部の海にたどり着き、アクシデントで人間たちに“助けられ”て、海洋生物研究所を訪れ、過去を発見し、自分自身を“回復”して、海へと再び“戻る”ことになる。ピクサー・アニメーション・スタジオの壁に“Story is Research(物語とは調査・研究である)”というフレーズが書かれている通り、彼らは徹底的に調査し、キャラクターの気持ちになってその光景を見て、想像力をふくらませていく。その結果、モントレーベイ水族館は、『ファインディング・ドリー』にとって、単なる“舞台のモデル”にとどまらない役割を果たしたようだ。『ファインディング・ドリー』公開中
2016年07月25日『ファインディング・ニモ』のその奇跡の冒険から1年後の世界を描く、全世界待望の続編『ファインディング・ドリー』が、ついに今月16日(土)より日本全国511の劇場で公開された。公開3日間で動員92万1,766人、興行収入は11億7,418万4,200円で週末興収、初登場 No.1の大ヒットスタートを切ったことが分かった。なお、この成績は2016年洋画オープニングNo.1に輝いており、ディズニー/ピクサーの日本歴代の新記録樹立も期待できる爆発的な記録となった。舞台はカクレクマノミのマーリンがナンヨウハギのドリーと共に、愛する息子・ニモを、人間の世界から救出した冒険の旅から1年後の世界。「今度は、僕がドリーを助けてあげる」。ドリーとニモ、そして、心配性のマーリンも渋々ながら、再び大海原へと旅立つ。この夏、世界一有名な魚たちの奇跡の大冒険が幕を開ける――。すでに全米の興行収入は、アニメーションのみならず実写を含む今年公開全ての作品においてのNo.1記録を達成。さらに、先週末にはついに4億4,574万5,629ドルまで到達し、2004年から1位をキープしていた『シュレック2』の記録を塗り替え、全米アニメーション歴代No.1の歴史的快挙を成し遂げた。待望の公開初日には、劇場にドリーやニモをイメージしたコーディネイトの若者女性や、キャラクターのぬいぐるみを持った子どもたちが押しかけ、客層はティーンや20代の友人同士、社会人カップル、中高年層と幅広く、さらには家族連れも多く来場していた。公開直後、SNS上では「開始5分で号泣!!」「ピクサーの最高傑作だと思う!!」など作品についてのコメントはもちろん、新登場のキャラクターのタコのハンクについて「イケメンならぬイケタコ」や、「ハンクやばい!!結婚して!!」など、大人の女性がハンクに熱狂し盛り上がっているコメントが溢れた。また、公開前から大きな話題だったドリーの赤ちゃん時代のキャラクター“ベビー・ドリー”についても、「可愛すぎた! 飼いたい!」「かわいすぎて変な声出た!」など、その可愛さに悶絶する声が飛び交っている。そして、この大人気を受けた日本公開時のみの限定特典、とってもキュートな「激レア“ベビー・ドリー”キラキラ★ステッカー」が公開初日より全国の劇場での数量限定先着で配布され、そのステッカーの写真がSNSに次々に投稿され、その人気にさらに拍車をかけたようだ。来日記者会見の際に「欠点はあるけど、その“ありのままの自分”を受け入れた時、心の平穏や自信を持つことができると感じてもらえたら」ということをドリーを通して伝えたいと語っていたアンドリュー・スタントン監督。その想いが通じてか、「ドリーの言葉が深い」「欠点があってもそれが個性なんだとわかった」との声も挙げられていた。この夏一番のエンターテインメント映画でありながら、ドリーを始め登場するキャラクターたちのように、欠点を持っていても常に前に進み続ける気持ちが人々を前向きにさせてくれるという、奥深いメッセージが、幅広い客層の心に響いた要因のひとつともいえるだろう。そして、まだ観ていない方に注目していただきたいのが、エンドロール後のおまけ映像。本作では個性豊かな新キャラクターたちがたくさん登場しているが、『ファインディング・ニモ』でのあのお馴染みのキャラクターたちが再び登場! こちらもぜひお見逃しなく。『ファインディング・ドリー』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年07月19日2016年7月16日、17日の全国映画動員ランキングは、ディズニー/ピクサーの新作映画『ファインディング・ドリー』(全国362館)が初登場で首位に立った。その他の画像本作は『ファインディング・ニモ』のアンドリュー・スタントンが監督を務めた、忘れんぼうのドリーを主人公にした物語。ドリーの家族を探すため、マーリン&ニモ親子らのおなじみの仲間が再結集する。『HiGH&LOW THE MOVIE』(全国312館)は初登場2位。『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』(全国360館)は初登場3位に入った。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ファインディング・ドリー』2位『HiGH&LOW THE MOVIE』3位『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』4位『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』5位『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』6位『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』7位『それいけ!アンパンマンおもちゃの星のナンダとルンダ』8位『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』9位『貞子vs伽椰子』10位『64-ロクヨン- 後編』
2016年07月19日エレン・デジェネレスは、映画『ファインディング・ニモ』でドリーの声を担当したことで、人生が救われたという。2003年の大人気映画『ファインディング・ニモ』の続編にあたる新作映画『ファインディング・ドリー』のプロモーションで英国に訪れたエレンは、11日に行われたロンドンの記者会見で「当時仕事のオファーがなくて、3年も仕事をしていなかったの。仕事の依頼がないことが怖かったわ。オリーブ園で働こうとしていたくらいよ! オファーをもらえたことが信じられなくて、しかもピクサーの映画の仕事で、最高だったわ」と話した。2003年に始まり2011年にはデイタイム・エミー賞を受賞した自身のトーク番組『エレンの部屋』の開始時にも有利に働いてくれたようで、「ニモの仕事が3年かかって、偶然にもトーク番組が開始するときに公開になったの。明らかに最高のタイミングだったわ。たくさんの意味で間違いなく私の人生を助けてくれたの」と続けた。アンドリュー・スタントン監督はドリーの役はエリーのために書いたといい、「彼女の声が頭から離れなかったんだ。がむしゃらに書いたさ、特定の俳優を思い浮かべて書いたのは初めてだったよ。それでエレンに電話して『やあ、アンドリューだよ、君のためにこの役を書いたんだ、もし君がやってくれないなら参っちゃうよ』って言ったんだ」と明らかにした。また、エレンはアンドリューが自身の仕事の苦境に気づいていなかったことが有り難いようで、「アンドリューがしたことも偶然という感じなの。私の状況に彼が気づいていたかわからないわ。彼は自分の世界に没頭するから、私に仕事がないことや求められていなかったことに気づかなかったのかも。みんなは『なんでエレンなんだ?』って言ったかもね」と語った。続編映画『ファインディング・ドリー』のアメリカでの興行成績は『ライオン・キング』の記録を超えそうだとフォーブスは報じている。(C)BANG Media International
2016年07月18日作品を重ねるごとにそのクオリティを更新し続けているディズニー/ピクサーによる映画作品。毎年のように公開される最新長編に、全世界からの注目が集まるのはもちろんだが、忘れてはいけないのが同時上映される短編アニメーションだ。10分も満たない僅かな時間で、長編にも負けずと劣らない奥行きと世界観を表現するディズニー/ピクサーの短編作品。『トイ・ストーリー』などお馴染みのシリーズ番外編といった位置付けのものもあれば、完全オリジナルのキャラクターとストーリーで描かれる作品など、その表現の幅は多岐にわたるが、どれもが一瞬にして観客の心を掴む魅力に溢れた作品ばかりであり、そこにはディズニー/ピクサーの底知れぬクリエイティビティが感じられる。世界屈指の才能あるクリエイターたちを擁する同スタジオ、もちろんそこにはジョン・ラセターといった“天才”が強烈な存在感を発揮しているが、若手クリエイターたちも日々研鑽を重ね、作品の中で様々なかたちでその才能を開花させている。短編アニメーションは、そんな今後の活躍が期待される逸材たちにとって、監督としてデビューを果たす貴重な機会でもあるのだ。シネマカフェが実施したピクサー現地取材第2弾では、『ファインディング・ドリー』の同時上映作品『ひな鳥の冒険』で監督デビューを飾ったアラン・バリラーロと、プロデューサーのマーク・ソンドハイマーのインタビューをお届けする。まばゆい光に照らされた海岸線で、餌を探すシギの親子の姿が描かれる本作。主人公は、まだ親鳥に甘えている一羽の小さなひな鳥だ。そんなひな鳥に、なんとか自分で餌を探すように背中を押す親鳥と、突然やってくる波におびえながらも、自分で餌を探すことを覚え始めるひな鳥の成長が、美しい映像で描かれている。本作で初めて監督を手掛けるのは、『ファインディング・ニモ』を始め、『バグズ・ライフ』『トイ・ストーリー2』『モンスターズ・インク』『Mr.インクレディブル』『ウォーリー』『メリダとおそろしの森』と、ほぼ全てのピクサー映画にアニメーターとして参加しているアラン・バリラーロだ。なんと宮崎駿のファンだという彼だが、初めての監督インタビューということもあってか、熱い情熱をほとばしらせてインタビューに答えてくれた。濡れた砂浜がシギによって掘り起こされる質感に至るまで、とにかくリアルに表現された映像への感動をまず伝えると、「ありがとう。とても難しかったんだよ(笑)」とアランは頬を緩ませる。なんと本作は取材陣が訪れるつい数日前に完成したばかりであり、スタジオのスタッフですらほとんど観ていない状態だったという。「RIZ」と呼ばれる、新しいテクノロジーが用いられたという本作だが、ディズニー/ピクサーは近作『アーロと少年』においても“フォトリアル”と呼ばれるような、実写と見紛うほどのリアルな映像表現を実現させている。表現の中でのテクノロジーの重要性についての質問をすると、「まずはストーリーが最初にあるんだ」とアランは説明する。「もちろん、新しいテクノロジーはエキサイティングだよ。いまでは、アーティストがどんなフォームでも、自分たち自身を表現できるようになってきているからね。でも、僕にとって表現は、キャラクターやデザインにかなり基づいている。だから、この作品での波なんかは、ただ水をフィジカル・シミュレーションしたものじゃない。アニメーターたちの手によってかたち作られたものなんだ。だから、本物の水よりももっと水らしく感じるんだ」と、テクノロジーだけでなく、アーティスティックな感性が生かされたピクサー流の表現について語る。若手クリエイターの育成を積極的に行うピクサーだが、今回晴れて監督に抜擢されたアランにその経緯を尋ねると、「アンドリュー・スタントン(『ファインディング・ドリー』監督)が僕の机のところにやってきて、僕がやっていたテストを見たんだ。そして、僕のことを励ましてくれた。ジョン・ラセターもね」と興奮気味に話す。「あまり知られていないピクサーの大きな特徴は、こういったアーティストとのメンターシップなんだ。監督たちやアーティストたちからアートフォームとビジネスの関係について学ぶことで、とても鼓舞されたよ。ここでのメンターシップを通して、アーティストとして成長していると感じられるのは素晴らしいことだよ」。さらに、アランに続きプロデューサーのマークも、「短編を作るにはコストもかかるが、それでもピクサーとジョン・ラセターは、短編を作ることを推奨している。なぜなら、それはアランのような人々に、ストーリーを語り、学ぶ機会を与えるからだ。短編を制作することは、普段彼らがやっていることとは違うことをトライしてみる新しい機会を与えられる。そしてそれは、まさしくピクサーそのもののためなんだ」と熱く語る。アーティストにとって、才能を伸ばす上でここまで恵まれた環境はないだろう。これまでのアニメーターの仕事と、今回の監督との違いについて尋ねると、本作で表現したかったことについてアランは語った。「間違いなく、監督することはチャレンジだったよ。僕がアンドリューからストーリーについて最も学んだことは、表現しようとしていることに正直に、自分をさらすべきだということなんだ。僕はこの作品で、正直なことを表現したかった。それは、子どものときに感じた“恐れ”と、僕には3人子どもがいるんだけど、親として、どのように子どもたちがそういう状況を乗り越える手助けができるだろうか?と言うことだった」。アランが語るように、『ひな鳥の冒険』で描かれるのは『ファインディング・ドリー』においても表現される“家族”であり、“成長”の物語だ。アンドリュー・スタントンとのメンターシップを通して生まれた本作は、まさしく同時上映される作品としてはぴったりの作品だと言えるだろう。そのクオリティの高さと魅力は、本作を目当てに劇場に足を運んでもいいと言っても過言ではないほど。ピクサースタジオが送り出す新たな才能を、ぜひ目撃して欲しい。『ファインディング・ドリー』と同時上映短編『ひな鳥の冒険』は、7月16日(土)より全国にて公開。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年07月17日日本でのディズニー/ピクサー歴代興収1位を記録した『ファインディング・ニモ』の続編、『ファインディング・ドリー』が16日、公開を迎える。物語の舞台は、前作の冒険から1年後。忘れんぼうのナンヨウハギのドリーが、ただひとつ忘れなかった家族の記憶を手掛かりに、カクレクマノミのニモ&マーリン親子と共に家族を見つける冒険を繰り広げる。タコのハンクやジンベエザメのデスティニーなど、個性あふれる新しい仲間が加わり、壮大な冒険が描かれる本作では、何でも忘れてしまう…そんなドリーだからこそ通らざるを得なかったつらい過去が明らかに。そして、ドリーを通して「欠点も個性なんだ」という大切なメッセージを届けてくれる。前作から13年という年月とともに進化したピクサーの最新技術を用いた、キャラクターやリアルな自然も本作の魅力だ。指揮をとったのは、『ファインディング・ニモ』で監督を、『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』では脚本を担当したアンドリュー・スタントン。そして、テレビ作品『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』でアニー賞監督賞に輝いたアンガス・マクレーンが共同監督を務めた。先日来日した2人に、本作に込めた思いや制作秘話を聞いた。――まず、前作からの映像の進化に圧倒されました。来日会見でも、「驚きを与えられる映像になった」と語られていましたが、特に自信を持っているのはどんなところでしょうか?アンドリュー:いっぱいあるけど、一番は"海草の森"かな。作るのが難しかったというのもあるけど、ロマンチックだしユニークだし、そして、『ファインディング・ニモ』と『ファインディング・ドリー』の最も違う世界観をよく表現しているところでもあるから。前作で大海原を渡らなければいけなかったニモは、まるで砂漠を縦断するような感じだったと思う。それに対して、今回の海草の森は、森林のようにおとぎ話のようにいろいろなものが隠れていて、秘密があって、そこで迷子になったりして…というそれぞれの作品の性格をよく表していると思うんだ。マクレーン:その通りだと思う! 付け加えるとしたら、キャラクターとしてのハンク。これは、技術面でも芸術面でも、われわれがどれだけ進歩を遂げているか、見て楽しんでもらえると思う。――ピクサーの方はいつも徹底的にリサーチをされていますが、制作にあたって海に潜ったりしたんですか?アンドリュー:今回は潜ってはないんだ。前作では潜ったけど、今回はむしろ水族館を重点的にリサーチした。特に、その中にいる魚たちから見た水族館はどんなものだろうということで、遊びに来た人が見ないバックヤードの部分…家具や排水管、スタッフが作業しているところなどを研究した。それによって、魚からの視点の水族館を作り上げることができた。マクレーン:いわゆる水族館の舞台裏を正確に描写できていると思うよ!――そのリサーチで気付き、実際に映画に取り入れたという何か具体的なエピソードを教えてください。マクレーン:タコを展示している水槽は、人工芝で囲っているんだ。なぜかというと、タコの足がそれだとくっつかず、逃げられないから。タコは脱出を試みるという習性があり、それを防ぐためにそういった工夫が施されている。何度もタコが脱走してタコを見つけるという話は実際に物語に取り入れたし、擬態化という点もリサーチから学んだものなんだ。――ドリーの赤ちゃん時代"ベビー・ドリー"がとてもかわいかったです! そのベビー・ドリーから、何段階かドリーの成長が描かれていましたが、ドリーの成長を描くにあたって意識した点は?アンドリュー:どのくらい長いこと海を彼女がさまよっていたのか…悲劇だと思う。それを表現するために、ドリーが本当にずっと1人だったんだということを見せる必要があった。そして、前作であんなにポジティブだった彼女は実は痛みを抱えていて、だれかに置いて行かれることをこんなにも恐れているということを感じさせなければいけないと考えた。ドリーに痛みを与えるのは、僕らにとってもつらかったね。――ビジュアル面で意識したことは?アンドリュー:ベビー・ドリーについては、全部、目だよ(笑)マクレーン:確かに目がほとんど(笑)。とにかく最大限かわいく、もうこれ以上は無理っていうくらいのかわいさを出したかったんだ。壊れるくらいかわいすぎるキャラクターをという思いで作り上げたのが、あのベビー・ドリーだ。アンドリュー:基本的に、目とヒレだけ! そこにちっちゃい口がついている(笑)――目がポイントなわけですね! 映画を通して笑えるシーンがちりばめられていましたが、そこは意識的にそうしたんですか?アンドリュー:マーリンに比べてドリーはよりユーモラスでおかしみがあるから自然と笑いが増えたんだ!マクレーン:ドリーがおもしろいからっていうことだね!――本作では、「欠点は個性」「ありのままの自分を受け入れられたら幸せだ」という大切なテーマが根底にありますが、このテーマに込めた思いをお聞かせください。アンドリュー:それが、ドリーがしなければならないことだと僕は最初から思っていたからなんだ。ドリーのことが心配になり、ドリーの物語は未完だと思って続編を作ろうと決めた段階から、彼女を海で1人さまよう最悪な状態に追い込まなければいけないけれど、彼女の内なる自信が「大丈夫だ」と言ってくれるという状態をつくろうと考えた。「自分を信じればいいんだ」というのは、どんな親も自分の子供に願うことだと思う。そこがゴールだというのは最初から見えていたんだ。――今回登場したキャラクターで、心配なキャラはいませんか?アンドリュー:なるほど、そうきたか(笑)マクレーン:劇中に出てくるおもちゃのロボットの魚はどう?(笑)マクレーン:いいね! みんな『ファインディング・ハント』を作ればって言うんだけど、僕自身8年間、水、魚とつきあってきてちょっとお休みがほしいので、まずは『ファインディング・アンドリュー』かな(笑)■プロフィールアンドリュー・スタントン1965年、米マサチューセッツ州出身。カルアーツ(カリフォルニア芸術大学)でキャラクター・アニメーションを学び、90年にジョン・ラセターに次ぐ2人目のアニメーター、および9人目の社員としてピクサーに入社。現在、クリエイティブ部門のヴァイス・プレジデントとしてすべてのピクサー作品を監修している。監督を務めた『ファインディング・ニモ』(03)と『ウォーリー』(08)でアカデミー賞長編アニメーション賞を獲得した。アンガス・マクレーン1975年、米オレゴン州出身。ロードアイランド・スクール・オブ・デザインで学び、97年にピクサーに入社。アニメーターとして、『バグズ・ライフ』(98)から『トイ・ストーリー3』(10)まで、ピクサーの長編作品すべてに携わってきた。テレビ作品『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』でアニー賞監督賞を獲得。本作で、アンドリュー・スタントンと共同で初の長編監督デビューを果たした。(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2016年07月15日ピクサー・アニメーション・スタジオの新作映画『ファインディング・ドリー』が16日(土)から公開になる。本作は前作『ファインディング・ニモ』のキャラクターたちの新たな物語で、忘れんぼうのドリーが主人公だ。前作に続いて監督を務めたアンドリュー・スタントンは、長い時間をかけて、ドリーのための新たなドラマを紡ぎ、ピクサーが長年に渡って描き続けてきた“家族”のドラマにたどりついた。その他の写真前作は父親マーリンが愛する息子ニモを探す冒険が描かれた。だからタイトルは『ファインディング・ニモ(ニモを探して)』だった。そして新作ではドリーが家族を探す冒険が描かれる。しかしタイトルは『ファインディング・ドリーの両親』……ではなく『ファインディング・ドリー』だ。なぜ? ここに本作の最大のポイントがある。前作の公開後、ピクサーのフィルムメイカーの多くが『…ニモ』に続編があるとは考えていなかった。しかし、スタントン監督は『…ニモ』3D版の作業をする過程でドリーのことを再発見し、何でもすぐに忘れてしまい、周囲に謝ってばかりいるドリーに「自分自身のことを好きになってほしかった」と振り返る。「最終的に僕が見つけたテーマは“他のみんなとは違っても、世界は君を受け入れてくれるよ”というものだ。短所は実は長所なんだ」さらに本作は、これまでピクサーが描いてきた“家族”に関するドラマでもある。彼らは様々な舞台やキャラクターを扱いながら、様々な角度で繰り返し“家族”の物語を描き続けている。スタントン監督はその理由を「僕らはみんな家族を持っている。そして、僕らはみんな、お互い家族のように生きている」からだと説明する。「僕らはみんな、人々が結婚し、子供が出来て、子供たちが成長するのを見て来た。僕の子供たちはもう出て行った。他の人たちの子供が去って行ったり、成長するのを見てきた。それは、ここでの生活の一部だよ。だから、たとえそういうことをしないでおこうと思っている時でも、家族のことが、ストーリーの中に入り込んでくるんだ」ピクサー作品は、人間が暮らしていく上で、自然に存在する“家族”の関係を描くことで、幅広い年齢の観客を魅了し、観客が年齢を重ね、経験を積むことで同じ作品の違うポイントに共感できるようなストーリーを描いてきた。それは『ファインディング・ドリー』も同様で、この夏、多くの観客の共感を集めるだろう。ちなみに、新作ではドリーが“血のつながった家族”を探して冒険する中で、もうひとつの家族を見つけるドラマも描かれている。『ファインディング・ドリー』7月16日(土) 全国ロードショー
2016年07月14日木梨憲武や室井滋を始め、中村アンや上川隆也などが日本語版吹き替えを担当する『ファインディング・ドリー』。先日、八代亜紀が同じく声優として本人役で登場する映像が解禁されたが、この度、新たに八代さんがエンドソングを歌う予告映像が到着した。舞台はカクレクマノミのマーリンがナンヨウハギのドリーと共に、愛する息子・ニモを、人間の世界から救出した冒険の旅から1年後の世界。「今度は、僕がドリーを助けてあげる」。ドリーとニモ、そして、心配性のマーリンも渋々ながら、再び大海原へと旅立つ。この夏、世界一有名な魚たちの奇跡の大冒険が幕を開ける――。全米では公開18日間で前作の最終興行収入を超え、歴史的大ヒットを記録。その後も快進撃はさらに勢いを増し、世界的大ヒット作の『アナと雪の女王』『トイ・ストーリー3』を超え、公開4週目ではアニメーション作品の歴代興行収入の第2位までその数字を伸ばした。さらにはアニメーションのみならず実写作品も含む2016年の全米公開作品の中で興行収入No.1の座に輝くなど注目を集めている。そんな本作からこのほど到着したのは、八代さんが歌う日本版エンドソング「アンフォゲッタブル」の音楽予告。本楽曲は、グラミー賞の常連・世界的な歌姫シーアが歌う同曲とは違うアレンジが施された、日本だけの特別バージョン。英語で歌い上げる八代さんの声に日本語字幕が付く映像は、歌詞と大切な人を想うドリーの想いが重ね合わされ、感動のストーリーを予感させる。特に「忘れないわ 愛しいあなた。忘れられないの どこにいても」という歌詞には注目。これは、忘れんぼうのドリーが唯一忘れなかった“家族に対する想い”を表しており、大人が自分にその歌詞を重ね合わせ、心にも染みいる内容となっている。ドリーはマーリンと出会う前、自分がどこから来たのか、家族はいるのか、自分は何者なのか忘れてしまい孤独だった。だが、マーリンとニモの生活の中で、あることをきっかけに、自分にも「アンフォゲッタブル=忘れられない」大切な家族がいたことを思い出す。離れ離れになってしまったかけがえのない両親にたまらなく会いたいと願うドリー。そんな切なく誰もが共感できる思いを、八代さんのしっとりとした歌声に乗せて日本中に感動を届ける。また、音楽予告の最後には、赤ちゃん時代のドリー“ベビー・ドリー”が「私を忘れないで」と言うシーンも。忘れんぼうだけど楽天家で、一見するとユーモラスなキャラクターにも見えるドリー。しかし、世界中から愛されるドリーの過去に秘められた切ない思いを、観客に伝えたかったと語るアンドリュー・スタントン監督。そして「ドリーは人生のほとんどを海の中をさまよって生きてきたけど、何でもすぐに忘れてしまうため、海の中で出会った者たちのことを思い出すことはできない。でも、“感情の記憶”は残っていて、大切な人との別れの記憶は覚えているんだ」と明かしていた。そんなドリーの過去に隠された秘密と、大切な家族に会うための壮大な冒険が描かれる本作。観客にも本当に大切なものは何なのかと問いかけ、大人にこそより心に響くラストが待っている。映画をいち早く鑑賞した人たちからは、楽曲が本作の感動が増すとの声も挙がっている本作。字幕版ではシーアの声が、日本語吹き替え版では、シーアのエンドソングと八代さんが歌う日本版エンドソング、2つのバージョンの「アンフォゲッタブル」を楽しめるようだ。『ファインディング・ドリー』は7月16日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年07月13日