ポール・マッカートニーがエンディング曲を書き下ろした話題作『エセルとアーネストふたりの物語』。この度、原作者レイモンド・ブリッグズのスケッチ風の手描きアニメを新技術で実現したメイキング映像が公開された。この度公開されたメイキング映像では、ロジャー・メインウッド監督をはじめ、アニメーション監督のピーター・ドッド、アートディレクターのロビン・ショウら現場で実際に手を動かしていたスタッフたちが、レイモンド・ブリッグズのスケッチ風の線を、いかにそのままアニメーションの動きに取り込むか、その大いなる挑戦の過程を語っている。メインウッド監督曰く、「最大の挑戦は“ルック”(見え方)」。当初は原作同様に紙に描くことも考えたというが、仕事の量、時間、予算を考えるとそれは不可能。そこで“TVペイント”と呼ばれるプログラムに着目。多くの専門技術者に協力を得て、本作用に新たなブラシを開発するに至ったそう。それにより、紙に鉛筆で描くのと変わらない絵を実現できたという。さらに、PCスクリーンに直接描き、見えたものがそのまま光を通してスクリーンに映るという、紙では不可能なことが可能となったという。また、キャラクターや服を“着色”するための技術はさらに骨が折れる作業だったよう。原作にある手描きの質感などの独自性を大事にするために、たくさんの水彩画の見本を作ったり、時に紙を足で踏んづけてざらざら感を出そうとするなど、多くの実験がおこなわれたことが語られている。ブリッグズは本を描き上げるのに3年を要したが、アニメーションの制作期間は9か月間という制約があった。数々の課題を乗り越えて再現された、その唯一無二の世界観を堪能してほしい。『エセルとアーネストふたりの物語』は岩波ホールほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エセルとアーネストふたりの物語 2019年9月28日より岩波ホールほか全国にて順次公開© Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A., The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016
2019年10月01日「スノーマン」「風が吹くとき」など、イギリスで知らない人はいない国民的絵本作家レイモンド・ブリッグズが両親の人生について描いた原作を元にした『エセルとアーネストふたりの物語』。この度、本作のためにエンディング曲を書き下ろし、自ら歌っているポール・マッカートニーとの秘話が、昨年亡くなったロジャー・メインウッド監督の製作日記から初公開された。本作は、映画にオリジナル曲を書き下ろすことは珍しいポール・マッカートニーがエンディング曲を書き下ろしたことでも話題。映画への書き下ろしは、キャメロン・クロウ監督のたっての頼みに応えた2001年の『バニラ・スカイ』(主演トム・クルーズ)以来のこと。しかもポールのアルバムにも入っていない、映画のサントラ盤のみで聞くことができる貴重な楽曲となっている。なぜポールはオリジナル曲を提供してくれたのか。昨年惜しくも亡くなった本作の監督、ロジャー・メインウッドの製作日記から紐解いた。ポールが母への想いを歌詞に込める2012年、ポールが原作者ブリッグズの大ファンであり、彼の絵本「いたずらボギーのファンガスくん」に着想を得た楽曲があることを知っていたメインウッド監督は、ブリッグズ本人を通じて「映画のための曲を書いてくれないだろうか」とポールへの手紙を書いてもらったという。しばらくしてポールからブリッグズに返事が届いた。答えは「イエス!」。さらには「いくつか曲のアイデアがあるので、私たちがミーティングをする時にはきっとお聞かせできるでしょう」と書いてあった。とはいえ、ポールは当時ツアーなどで忙しく、その日が実現したのは2年後の2014年のこと。メインウッド監督、原作者ブリッグズ、プロデューサーのカミーラ・ディーキンがソーホーにあるポールの事務所をついに訪問した。その部屋は「ワーリッツァー」のジュークボックスが占拠し、片隅には1本のギターが置かれたオフィスで、ポールが聞かせてくれた曲の仮タイトルは「Mum and Dad(ママとパパ)」だった。もちろん曲は申し分なく、ポールが16歳の時に亡くなった母への想いを書いた歌詞がつき、それは「In the Blink of an Eye」というタイトルに改められ、エンディング曲となった。ポールの提案から実現した親子楽曲共演も!さらに映画には、74年にポールがシングルとして発売した、ポールの父、ジェームズ・マッカートニーの曲「Walking In The Park With Eloise」も新録で使われている。アマチュアのミュージシャンだったジェームズの曲を起用することになったのは、ポール自らのアイディアだった。ブリッグズの父アーネストも、ポールの父ジェームズも、戦時下に補助消防士として働いていたと昔話で盛り上がっていたとき、メインウッド監督が「お父上はチェット・アトキンスともレコーディングしてますよね」と言ったところ、「きみ、その曲が好きかい?」とポールが応じた会話がきっかけで、同曲が劇中で使われることになった。レイモンド・ブリッグズが両親を描いた物語の中で、ポールもまた父と楽曲共演していることになる本作。エンディングは、ポールの曲が流れた後、続けてもう一度父ジェームズの曲が流れるという粋な構成となっている。『エセルとアーネストふたりの物語』は9月28日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エセルとアーネストふたりの物語 2019年9月28日より岩波ホールほか全国にて順次公開© Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A., The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016
2019年09月24日ポール・マッカートニーがエンディング曲を書き下ろした、戦争を描くアニメーション映画『エセルとアーネストふたりの物語』(原題:Ethel & Ernest)から、初解禁の場面写真がシネマカフェに到着した。本作は、「スノーマン」や「風が吹くとき」の絵本作家レイモンド・ブリッグズが両親の人生を見つめ、英国ブックアワードを受賞した「エセルとアーネスト」のアニメーション化。1928年のエセルとアーネストの出会いから、結婚、息子レイモンドの誕生、第二次世界大戦、そして戦後の発展と時代の変化、さらに老い…と、“普通”を懸命に生きたふたりの姿を描いている。そんなエセルとアーネスト、ブリッグズ本人が経験した戦争体験を知ることができる作品となっている本作は、幼い息子を疎開に送り出す駅のプラットホーム、空爆に襲われたのどかな畑、手作りの防空壕が設置された自宅の庭など、日常の風景が瞬く間に戦争に飲み込まれてしまう様子が映し出され、観る者に恐怖を植え付ける。今回到着した場面写真では、そんな戦中シーンの場面写真が到着。ヒトラーの演説シーンやウィンストン・チャーチル、空爆で破壊された自宅、庭に設置した手作りの防空壕が描写されている。また、日本を舞台に同じ時代を描き、12月に新作『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開も控える『この世界の片隅に』の片渕須直監督から、「『この世界の片隅に』のすずさんたちと同じ頃、別の国に住んでいた夫婦のお話です。戦時中に布が足らなければ、『だからスカートは短くしましょう』と反対のことをやっていたり。違うところも、でも、同じところも。世界のもうひとつの片隅が見えました」と本作に関してコメントが到着している。『エセルとアーネストふたりの物語』は9月28日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:エセルとアーネストふたりの物語 2019年9月28日より岩波ホールほか全国にて順次公開© Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A., The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016
2019年08月15日アニメーション映画『エセルとアーネスト ふたりの物語』が、2019年9月28日(土)より東京・神保町の岩波ホールほかにて全国順次公開される。レイモンド・ブリッグズの『エセルとアーネスト』をアニメ映画化原作は、『スノーマン』『風が吹くとき』などの名作で知られるイギリスの絵本作家、レイモンド・ブリッグズが自身の両親について描いた絵本『エセルとアーネスト』。激動の20世紀を生きた一組の平凡な夫婦の40年にわたる人生を描いた、心暖まる本当の物語だ。あらすじ1928年ロンドン。牛乳配達のアーネストとメイドだったエセルは恋に落ち、結婚し、ウィンブルドンに小さな家を構える。最愛の息子レイモンドの誕生と成長、第2次世界大戦中の苦難の日々にも、二人は寄り添い、笑いあうことを忘れない。戦後の経済発展が進む中、静かに忍び寄る老い・・・しかしいつもエセルの横にはアーネストがいた。激動の20世紀を生きた庶民の歴史を、暖かなまなざしで描いた感動の物語。『スノーマンとスノードック』のロジャー・メインウッドが監督監督を務めたのは、癌のため2018年9月20日に65歳で惜しまれながらこの世を去ったロジャー・メインウッド。アニメーターとして映画『風が吹くとき』に参加したほか、『スノーマンとスノードック』を監督するなど、レイモンド・ブリッグズとの関係は深く『エセルとアーネスト』の映画化についても長年望んでいたという。ブレンダ・ブレッシン&ジム・ブロードベントがキャラクターに命を吹き込むブリッグズの温かみのある絵がそのまま動き出したかのようなアニメーションは、9年という歳月を費やし手描きで制作されたもので、エセルとアーネストの声は、『秘密と嘘』『つぐない』のブレンダ・ブレッシンと『アイリス』『パディントン』ジム・ブロードベントが担当。原作者のブリッグズが「彼らの声が聞こえてくると、母と父が部屋にいるようでした」と語るように、イギリスを代表する2人の名優が、アニメーションのキャラクターに暖かみのある命を吹き込んだ。成長した息子レイモンドは、『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』のルーク・トレッダウェイが演じている。エンディング曲はポール・マッカートニーまた、本作のエンディング曲「Blink of An Eye」を提供したのは、来日公演でも話題のレジェンド、ポール・マッカートニーだ。ポールはもともとブリッグズの大ファンであり、アルバム『McCartneyII』に収録された「Bogey Music」は、ブリッグズの『いたずらボギーのファンガスくん』に影響された楽曲である。このエピソードを知ったメインウッドが、ブリッグズの許可を得て、ポールに「曲を書くことに興味がないか?」という手紙を出し、ポールがこれを快諾。こうして、貴重なオリジナル曲が映画に使用されることとなった。2019年3月「東京アニメアワードフェスティバル2019」に、プロデューサーカミーラ・ディーキンが本作を引っ提げ来日。日本初上映会にて、いち早く作品を見た観客からは「まさにイギリス版『この世界の片隅に』!」「戦争の時代を乗り越えて老夫婦になるまで添い遂げたふたりの愛情に感動」という声が上がった。作品情報アニメーション映画『エセルとアーネスト ふたりの物語』公開日:2019年9月28日(土) 岩波ホールほか全国順次公開監督:ロジャー・メインウッド原作:レイモンド・ブリッグズ声の出演:ブレンダ・ブレッシン、ジム・ブロードベント、ルーク・トレッダウェイ
2018年11月04日ブルース・ウィリス主演最新作『RED/レッド』が29日(土)から日本公開されるのを前に、本作に出演している名優アーネスト・ボーグナインのインタビュー動画が公開された。映画は、静かな引退生活を送る元CIAのフランク(ウィリス)が何者か襲撃され、かつてCIAから“RED”(Retired Extremely Dangerous=引退した超危険人物)と呼ばれ恐れられていた仲間たちとともに、巨大な陰謀に立ち向かう物語。ウィリスを始め、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレン、ジョン・マルコヴィッチと映画ファンから“演技派”“重鎮”と称される俳優たちは多く出演している『RED/レッド』だが、ボーグナインには彼らが“愛らしい若造たち”に見えるのではないだろうか?ボーグナインは1917年生まれで現在、94歳になる米映画界を代表する伝説的名優。オスカーはもちろん、全米俳優組合の名誉賞に輝くボーグナインがこれまで出演した200本を超える出演作リストには『マーティ』『特攻大作戦』『ワイルドバンチ』『北国の帝王』『西部戦線異常なし』など映画史にその名を刻む傑作がズラリと並んでいる。本作で、ボーグナインが演じたのはCIA本部にある秘密の金庫の番人。物語のカギとなる“ある書類”を保管する金庫を守る彼は、主人公フランクとも旧知の仲で、劇中の随所に登場する。このほど公開されたインタビュー動画ではボーグナインが自身が演じた役柄について語るほか、共演者たちを「プロに徹した俳優はいいね」と絶賛し、俳優は撮影現場でいかに振舞うべきか? についてコメントしている。『RED/レッド』2011年1月29日(土)ロードショー(C)2010 Summit Entertainment LLC. All Right Reserved.
2011年01月26日