14日(現地時間)、イギリス王室から今年のクリスマスカードに使われる写真が公開された。今年はヘンリー王子(サセックス公爵)がメーガン妃と結婚、兄のウィリアム王子(ケンブリッジ公爵)とキャサリン妃夫妻には第3子のルイ王子が誕生、兄弟の父・チャールズ皇太子は70歳の誕生日を迎え、とおめでた続き。カードの写真から、明るいニュースが続いた王室の2018年をふり返る。ケンブリッジ公ご一家の1枚は、ノーフォークにある別邸アンマー・ホールの屋外で撮った家族写真。夫妻はデニム、3人の子どもたちもカジュアルな装いで自然な笑顔。5歳になる長男ジョージ王子はパパの両肩に手を置き、左足をあげたわんぱくなポーズ、3歳の長女シャーロット王女はお澄まし顔で、4月23日(現地時間)に誕生した次男のルイ王子はママに抱かれて、しっかりカメラ目線。7月9日(現地時間)にロンドンのセント・ジェームズ宮殿で行われた洗礼式の時から目覚ましい成長だ。ちなみにキャサリン妃はルイ王子を4月23日午前11時1分(現地時間)に出産し、7時間後の午後6時に退院。王子を抱いて、ワンピースにハイヒール姿で笑顔を見せ、世間を驚かせた。5月19日に結婚したヘンリー王子とメーガン妃夫妻がカード用に選んだのは、フロッグモア・ハウスで開かれた披露宴の夜、花火を並んで見ている後ろ姿をとらえたモノクロ写真。背後でつながれた2人の手がロマンティックな1枚だ。メーガン妃に離婚歴があることや母親がアフリカ系であることへの中傷を乗り越えてのゴールインは世界中で大きく報じられ、祝福された。もともと人気女優で注目を浴びることに慣れていた妃は、婚約時代からヘンリー王子の公務に同行していたが、結婚後は早速6月にエリザベス女王に誘われ、ロイヤル・トレインで一泊する公務も行った。フレンドリーなキャラクターで、一般の人々とふれ合う場で見せる親しみやすさで、ますます人気が高まっている。10月には待望の第1子の妊娠が発表、誕生は来春の予定。2019年はさらに幸せな年になりそうだ。チャールズ皇太子はカミラ夫人(コーンウォール公爵夫人)と公邸のクラレンス・ハウスの庭で撮った1枚。夏の緑に囲まれ、ベンチに座って互いを見つめ合う夫妻の仲むつまじい様子が伝わってくる。11月14日(現地時間)に70歳の誕生日を迎えられたが、その記念にBBCが制作したドキュメンタリー番組では、9月にクラレンス・ハウスで孫のルイ王子をあやす姿が収められた。またケンジントン宮殿も、インスタグラムで皇太子の誕生日を祝って、2人の息子夫妻と3人の孫たちとの記念写真を公開。こちらでも皇太子は優しいおじいちゃんの表情を見せている。10月には、ウィリアム王子やヘンリー王子の従妹にあたるユージェニー王女(ヨーク公爵夫妻の娘)が実業家のジャック・ブルックスバンク氏と結婚した。ウエディングドレスは背中が大きく開いたデザインで、王女は12歳のときに受けた脊柱側弯症の手術痕を隠さずに見せた。自分を助けてくれた医療関係者たちへの敬意と同じ病を患っている人たちに希望を示したいという気持ちからの、あえての行動には称賛の声が寄せられた。ジョージ王子とシャーロット王女が通う学校やナースリー・スクールは冬休み。ロイヤル・ファミリーは今年も例年通り、92歳になるエリザベス女王とフィリップ殿下夫妻とノーフォークの別邸サンドリンガム・ハウスでクリスマスを過ごしたようだ。(text:Yuki Tominaga)
2018年12月30日ジブリの映画には、イギリスがよく登場します。『ハウルの動く城』や『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』はイギリスの児童文学をベースにしていますし、『天空の城ラピュタ』の舞台はウェールズをモデルにした架空の国です。日本の子どもたちになじみのあるジブリ映画は、ある意味では、より大きな英文学の世界、イギリス史の世界へと子どもたちを誘うさまざまな糸口を隠し持っています。今日は、身近なジブリ作品から、親子で少し知識の幅を広げてみましょう。『天空の城ラピュタ』製作のきっかけは宮崎駿のウェールズ訪問『天空の城ラピュタ』をご覧になったことはありますか?炭鉱で働く少年、パズーの元に、ある日空から少女、シータが降ってくることから始まる冒険活劇です。海賊ならぬ空賊や、失われた古代文明の技術など、ロマンチックなモチーフが多く、人気があります。宮崎駿作詞、久石譲作曲の主題歌『君をのせて』も有名ですね。架空の世界を舞台にした物語ですが、実はこの映画は、宮崎駿がイギリス、ウェールズの炭鉱街を訪れたことに大きな影響を受けています。宮崎駿がウェールズを訪ねたのは、ちょうど1984年から1985年にかけてのこと。サッチャー政権のもと、国営の炭鉱が次々と閉鎖され、炭鉱でのストライキが起きていた時期でした。そのような背景もあり、『ラピュタ』は、イギリス労働者の団結や、19世紀からのイギリス労働者階級の文化をある程度知っていると、非常に面白い映画でもあります。ウェールズってどこ?4つの地域で構成されているイギリスとはいえ、イギリス、という国名がイングリッシュ(English)から来ていることを考えると、イギリスのウェールズ、という言い方はちょっと語弊があるかもしれません。ウェールズはUK、すなわち「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」(イギリスの正式国名)の中の一つの国、になります。連合王国、の名の通り、イングランド、スコットランド、そしてウェールズの王国が集まってできているのがUKです。イギリスの次期国王はプリンス・オブ・ウェールズと呼ばれますね。北アイルランドは、1922年、アイルランドが独立するにあたり、UKの内部にとどまりました。今回はふれませんが、複雑な政治的背景を持っています。ウェールズにはすでに王はいませんが、独自の言語と文化を保っています。お子さんと一緒に地図を確認してみてください。こちらの地図の黄色い部分にあたります。『天空の城ラピュタ』にみる、イギリスの階級と文化「空から女の子が降ってきた」——印象的なシーンで始まる『ラピュタ』の冒頭で、少年パズーは鳩に餌をあげ、トランペットを吹いています。朝日が差し込み、炭鉱を照らす美しい場面です。『天空の城ラピュタ』には、イギリスの労働者階級の文化を象徴するものがたくさん登場します。冒頭の短いシーンをはじめとして、映画の中から、その鍵となるモチーフを一緒に読み取っていきましょう。1. 炭鉱主人公パズーは、鉱山で働く見習い機械工です。パズーの親方、ダッフィーも、鉱山の地下道にあるエレベーターやエンジンなどの大型機械を扱うベテラン機械工です。石炭は産業革命を可能にした、ある意味イギリスの繁栄の基礎となる燃料でもあります。2. トランペット工場や炭鉱の騒音にも負けずに美しい音色を奏でるブラスバンドは、労働者に広く愛された楽器です。現在でもイギリスでは、かつての工業地帯にブラスバンドの伝統が根付いていることが多いのです。産業革命以降の労働者と金管楽器の強い結びつきがわかります。3. ハトパズーは鳩を飼っていますね。レース鳩の飼育は、そもそもは教育をうけた、どちらかといえば上のほうの階級の趣味として始まりました。チャールズ・ダーウィンも飼っていたのです。しかし19世紀の終わり頃には、多くの労働者階級の、特に男性の間で人気を集めるようになります。レースにつきもののギャンブルも行われ、それこそ炭鉱で稼いだ日銭を鳩のレースに費やす人々も現れました。もちろん純粋に鳩の世話とレースを楽しむ人々もいました。空を飛びたい、というパズーの純粋な夢を表しながら、同時にパズーが労働者階級の子供であることを端的に表現するシンボルとして、鳩はうまく機能しています。4. ストライキのポスター空賊から逃げ出すパズーを質問もせずに助けようとする親方の家には、ストライキのポスターが貼ってあります。イギリスの労働者階級は、自分たちを「労働者階級」と認識し、団結することで、その権利を広げていこうとした側面を持っています。例えば、賃金の引き上げや労働時間の短縮を求めるために、労働組合を作ってストライキをすることもありました。同時に、集まって勉強会をするなど、お互いの教育レベルを上げるための試みも行われました。産業革命の引き起こした急激な工業化の歪みを、労働者自身が団結することで、是正しようとしたのです。ジョン・レノンが1970年に Working Class Hero「労働者階級の英雄」という歌を発表したことを、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。労働者階級には、労働者階級独自の文化やものの考え方があり、そこに誇りを持つべきだ、という考え方は、今でもイギリス社会に根強く残っています。アニメ映画をきっかけに親子で学びを深めようさて、ウェールズ、階級といったテーマに着目して、皆さんに親しみのあるアニメ映画のモチーフをいくつか解読してみました。子どもを持つ親としては、そういった知識を背景に、家庭での語り合いを広げたいですし、また、これをきっかけにより広い作品群へと手を伸ばしていきたいところです。では、ウェールズの作家、あるいは労働者階級を扱った物語で、日本語で入手しやすい作品には、どのようなものがあるでしょうか。人気作家「ロアルド・ダール」の児童書から階級問題を学ぶウェールズ出身の児童小説家でどうしても忘れることができないのは、ロアルド・ダールです。『チョコレート工場の秘密』『マチルダはちいさな大天才』などの作品を目にしたことがある方も多いでしょう。『チョコレート工場の秘密』はティム・バートン監督により映画化され、ジョニー・デップも出演して話題を集めました。『マチルダはちいさな大天才』は『ハリー・ポッターと賢者の石』が出る以前、イギリスで児童書部門の売り上げ1位を独走していた作品です。独特のブラックユーモアで知られる作者ですが、彼の作品群から階級間の対立を描いた『ダニーは世界チャンピオン』をご紹介しましょう。労働者階級の父と子の愛情を軸に、犯罪物語を「子ども向けに」書いてしまうダールならではの作品です。我が家の読み聞かせは6歳ぐらいから始まりましたが、自分で読むのであれば小学校中学年以上でしょうか。日本語訳は少々分厚い本になりますが、子どもをぐいぐいと引き込むお話です。映画やテレビ、そしてゲームでも、身近に知っている作品の中には、しばしばより広い世界へと結びついているものがあります。以前ポケモンとシェイクスピア、今回は『天空の城ラピュタ』とイギリスの労働者階級についてお話ししましたが、それだけではありません。実にさまざまな子ども向けエンターテインメントの中に、新たな学びのきっかけとなる要素が散らばっているのです。誰もが一度は見たことのある映画。隣に座って鑑賞し、そこから親子の対話へとつなげてみませんか?こうしたちょっとした知識をきっかけに、お子さんと一緒に調べてみるのも面白いはずです。日常の中に、学びの種を探してみる。受け身ではなく、自ら主体的に学ぶことを楽しむ。親御さんのそんな姿が、お子さんの学びに対する姿勢を形作るのかもしれません。(参考)Martin Jones, “Pigeon Fancying and Working Class Culture in Britain, c.1870-1950” in Cultural and Social History, Volume 4, Issue 3, pp. 361–383.ロアルド ダール, 田村 隆一 訳(1972), 『チョコレート工場の秘密』,評論社.ロアルド ダール, 宮下 嶺夫 訳(1991),『マチルダはちいさな大天才』,評論社.ロアルド ダール, 柳瀬 尚紀 訳(2006), 『ダニーは世界チャンピオン』,評論社,
2018年11月15日青山のオシャレセレクトショップ『BLOOM&BRANCH』がイギリスのニットブランド『Corgi』とコラボ!『Corgi (コーギ)』はサウスウェールズで1892年に創業したロイヤル・ワラントを持つ英国を代表する老舗ニットブランド。元々は良質なソックスの製造・販売をし、1960年からハンドフレーム製法のニットウェアを展開。コンピューターに制御されたマシンではなく、熟練の職人による昔ながらの製法は、1点1点目の詰まり方やサイズ感など職人の感覚により個々の仕上がりが異なり、その独特で温かみのある風合いは正解中のファンを魅了!AOYOMA ・TOKYO・WEB SHOPの3店舗にて発売中です! 『PUNK YARN KNIT』(Womens) 価格 / 40,000円 (税別) カラー / Purple、Prange、Bronze、Brown サイズ / Free ふんわりとした風合いと軽量さが魅力の毛足が長いウール生地、パンクヤーン。メンズのライン入りパンクヤーンニットをベースに、ショルダーポイントはそのままに着丈・袖丈・リブの長さなどパターン調整を加え、別注制作をリクエストしました。丸みを持ちながらも、メンズのニットを着ているような雰囲気に仕上げている自信作。カラー展開は、女性らしい明るさと温かみをもつパープル、オレンジ、ブロンズ、ベージュの4色展開。暗くなりがちな秋冬のワードローブに存在感のあるニットとして大活躍。シンプルなのにさらっと着るだけで今っぽい着こなしになるから、きれいなスラックス、スカートスタイルに遊びを添えてくれます。 『MOHAIR SOCKS』(Womens) 価格 / 4,800円 (税別) カラー / Burnt Orange、Brown、Port、Cream、Silver サイズ / Free 元々靴下製造からスタートした『Corgi (コーギ)』。今回のコラボ商品は毛足の長さによるフワフワ感がたまらないMOHAIR SOCKS。オシャレは足元からといいますが、最近は靴だけではなくソックスにも注目が。カラーはコーディネートしやすい展開になっていて、女性バイヤーならではの優しい心遣いが感じられます。冬の足もとの演出として、靴からチラッとモヘアの柔らかな毛足、その日のコーディネートがばっちり決まります。 《BLOOM&BRANCH SHOP INFORMATION》AOYAMA〒107-0062 東京都港区南青山5-10-5 第1九曜ビル101 / TEL:03-6892-2014 / 営業時間:11時〜20時TOKYO〒160-0022 東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan新宿 4F / TEL:03-5379-2016 / 営業時間:11時〜21時30分BLOOM&BRANCH WEB SHOP
2018年11月12日名優マイケル・ケインがプレゼンターを務める、彼が生きた激動の1960年代イギリスを舞台にしたドキュメンタリー映画『マイ・ジェネレーションロンドンをぶっとばせ!』から、ポスタービジュアルと予告編が到着した。『ハンナとその姉妹』『サイダーハウス・ルール』で2度のアカデミー賞を受賞、『グランド・イリュージョン』シリーズ、『インターステラー』『キングスマン』など数多くの人気作品に出演、85歳となったいまでも第一線で活躍し続ける英国の大スターマイケル・ケイン。マイケルがプロデューサーとプレゼンターを担い、デイヴィッド・バッティが監督を務めた本作。バッティ監督は、1600時間を超える映像素材を集め、ケインと時代のキーパーソンたちに6年がかりで50以上のインタビュー撮影を敢行。それらの映像をコラージュし、若き日の姿に現在の声をかぶせるという大胆な手法をとった。今回到着した予告編では、「以前のロンドンは退屈」と、マイケルが語り始めスタート。「ザ・フー」の楽曲「マイ・ジェネレーション」と共に、当時のロンドンの様子、カルチャーアイコンとなったモデルのツィギー、ミニスカートの発案者メアリ―・クヮント、「ローリング・ストーンズ」、「ビートルズ」といった時代を突き破った才能たちの秘蔵映像が盛り込まれ、目まぐるしく場面が変わる。そして、「僕らの時代サイコーですよ」「案内しましょう」という言葉で映像が締めくくられる。また併せて、「VOGUE」誌で活躍したカリスマ写真家のデイヴィッド・ベイリーが撮ったマイケルの写真を使用したポスタービジュアルも到着した。『マイ・ジェネレーションロンドンをぶっとばせ!』は2019年1月5日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2018年11月07日bell&foxは2015年、デザイナー兼ブランド創設者のサラ・エドワーズにより誕生しました。サラは大学にてアクセサリーデザインを学び、その後25年に渡ってTOPSHOP、Reiss、RADLEY LONDON、Whistlesなど英国ブランドのデザインに携わってきました。長年にわたる有名ブランドでのデザインの経験と実績を活かし、bell&foxを立ち上げました。bell&foxはレザーバッグを中心に、ポーチやカードケース、キーリング等のアクセサリーも取り扱っており、現在、Anthropologie・Aida Londonといったブティックや、ジョン・ルイスといったデパート等、イギリスを中心にアイルランド・アメリカの世界35店舗で販売しています。bell&foxのデザインは、英国文化、ヴィンテージのシルエットとディテールからアイディアを得て、現代女性のため、かっちりしすぎない、スタイリッシュかつ実用的なバッグを提案しています。商品は高い品質・機能性を兼ね備え、手に届くラクジュアリーアイテムを目指して商品作りに取り組んでいます。代表作であるキツネをモチーフとしたフォックスバッグは、ショルダーバッグとしてはもちろん、斜め掛けバッグとしても使えます。バッグに付属のストラップは取り外し可能となっており、クラッチバッグとしても使用可能です。機能性+ヴィンテージの現代的な解釈を掛け合わせ生み出されたコレクションは、ブランド創業時から高い評価を得ています。商品は顧客に末長く愛用していただけるよう、1点1点手作業で丹念に製造されています。ワンシーズンのみ使用できる商品ではなく、少しのお手入れで何年も使い続けられるよう、丁寧な商品づくりに取り組み、さらには過酷な状況でも使用できるくらい耐久性に優れた商品となっています。価格を超える価値を全ての顧客に提供し、消費者目線の誠実なブランドでいられるよう努めています。2019SSコレクションでは、2018AWコレクションから継続して使用している、柔らかく触り心地がよいぺブルレザーを使用した商品を中心に展開予定です。ぺブルレザーにメタリックを装飾したメタリックレザー、星柄をプリントしたメタリックレザー、ストライプ柄のメタリックレザー、そしてデニム素材、柔らかなタッチのナイロン素材を使用した商品等、カラフルかつ多彩な商品ラインナップとなっています。(お問い合わせ先)Senna株式会社info@senna-inc.co.jp
2018年07月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「政治家と官僚」です。間接的には国民も官僚の人事に関わっています。森友学園をめぐる文書改ざん、自衛隊の日報隠蔽、加計学園の獣医学部新設など、政治家と官僚にまつわる問題が度々起きています。ここで政治家と官僚の違いについて改めて整理すると、政治家は、国民が選挙によって選んだ、「私たちの代表」です。これに対し官僚は、各省庁ごとに採用された公務員で、国民の代表ではありません。基本的には、政治家が官僚に対して指示を出し、官僚はそれを実行する立場にあります。なにか不祥事を起こした場合、政治家ならば、次の選挙で当選させない、ということができますが、官僚については国民が人事に関わることはできませんでした。しかし、官僚機構のなかだけで人事を決めることで、官僚と民間の癒着構造ができ、天下り問題が取りざたされるようになりました。省庁のトップに上がれなかった人たちの受け皿として、機能していない公益法人を作り、無駄な税金が使われた。そこで、第1次安倍政権は「官民人材交流センター」を内閣府に設置。国家公務員の再就職先を民間企業と相談しながら支援するというもの。その後、民主党政権になり、官僚の勝手にはさせないと、政治主導にしようとしたのですが、うまくいきませんでした。第2次安倍政権になり、平成26年に国家公務員法の一部を改正。「内閣人事局」を作って、国家公務員の幹部の人事を政府が行うことになりました。主に官房長官に一任されており、最大の人事権を持つのは内閣総理大臣です。こうして、間接的ではありますが、国民は官僚の人事に関われるようになったんです。ところがそこで起きたのが、出世したい官僚が、人事権を持つ政治家に擦り寄り、忖度するようになったということ。その結果、冒頭のような問題を引き起こました。官僚の指揮命令系統は大変整っているため、あってはならない文書改ざんまで、上司の命令が通ってしまいました。裏を返せば、よいこともスムーズに処理されているということですが…。原因は内閣人事局の設置ではないと、僕は思います。問題再発を防ぐには、各省庁に適切な人材を配置できる政治家を、私たちが選ぶということなのではないでしょうか。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。新刊『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)が好評発売中。※『anan』2018年7月11日号より。写真・樽木優美子(TRON)スタイリスト・有咲ヘア&メイク・尾口佳奈(KOHL)インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年07月08日メーガン妃がヘンリー王子と結婚してからまもなく2週間を迎える。結婚前からイギリスに移り住み、ヘンリー王子とともに公務に勤しんできたメーガン妃。アメリカ育ちのメーガン妃がイギリス、それも王室という特異な環境に嫁ぐということで心細くもあっただろう。しかし、メーガン妃にはヘンリー王子のほかに頼りになる意外な相談相手がいるという。「People」誌によれば、メーガン妃はイギリスへ移住直後に共通の友人を通してアマル・クルーニーと出会い、意気投合。関係者は「アマルはメーガンがイギリスでの生活に慣れるためにサポートしているんです。出会ったその日からとても自然に友だち関係を育んでいます」、「共通の趣味もたくさんあるそうですよ」と語っている。もちろん、アマルはメーガン妃の結婚式に招かれ、夫ジョージ・クルーニーとともに出席。ファッショニスタとしても名高いアマルは、マスタードカラーの「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」のミディドレスとベール付きハットで注目を浴びていた。夫ジョージはハリウッド俳優で監督、自身は人権派弁護士で世界中を飛び回っている2人だが、拠点としているのはロンドン郊外の自宅やイタリアのコモ湖近くの別荘だそう。メーガン妃とアマルの新しい友情に今後も要注目!(Hiromi Kaku)
2018年05月31日気まぐれなことこの上ない、イギリスのお天気事情。 イギリスの人はいつもお天気の話をする。知っている人とも知らないと同士でも「いいお天気ね」 とか「雨が多くっていやになるね」とか。昨日会っていても、久しぶりに会っても、初めて会っても、お天気の話をする。それはきっと、お天気はどんなに褒めても、悪口を言っても、差し障りのない対象だからということと、特にイギリスのお天気は変わりすぎて、話のネタにはちょうどいいのだろう。 先週一週間、ほぼ毎日雨だと思ったら、今週はころっと寝返って青空がきれいで、今日はなんと25度にもなり、明日はなんと27度になるらしい。 そんな夏日になると、みんな注目しだすのがドリンク。ここ数年、ロンドンでも地ビールなる物が楽しめるようになった。グリニッジにも、結構有名な ローカルのブリューワリーがあって、友だちと、テイスティングツアーにでかけて、すっかり酔っぱらっちゃったこともあったりする。 最近は、スーパーマーケットにも、いたるところの地ビールが並び、それぞれハンサムなデザインをほどこされて、ちょっとしたウイークエンドのディナーなんかで話のネタになってしまったりする。(実は私はこの地ビールなるものよりも、日本のおじさんたちが「じゃ、まずビールからね」って飲むタイプの方がすきだ) そして最近ローカルブリューワリー戦争は、ジュースにまで及んできている。 このあいだご近所のスーパーマーケットに行ったら、知らないうちに可愛らしいボトルがジュースコーナーに林立していたのでびっくり。ボトルのデザインもけっこうおしゃれで、冷蔵庫の中に並んでいてもかわいいかも、と冷蔵庫の中は見た目重視がちになる私は数本をカートの中に入れた。 ひとつ2ポンド前後で、ボトルのデザインもジュースの味も楽しめるのだし、最近ご近所さんたちが力を入れている地産地消にも貢献できるし、話のネタにもなるので、一石四鳥ではないか!といったところ。 味の方も、ちょっと風変わりでおもしろい。ルバーブとカルダモンの組み合わせ(右)がけっこう気に入ってしまった。 これはここ数年お気に入りのジンジャーエール。 ということで、今年の夏は「地ビール」好きなふりはやめにして「地ジュース」にはまってみようと思う、そんな今日この頃。 yukari sweeney
2018年04月30日ヘンリー王子とメーガン・マークルの結婚式が迫る中、招待客に関する意外な情報が明らかになった。政治指導者である英首相のテリーザ・メイ氏、米大統領のドナルド・トランプ氏は招かれないという。ケンジントン宮殿のスポークスマンが「英政府が検討し、王室が決定したことである」と「Digital Spy」などのメディアに語った。ヘンリー王子が昨年カナダで「インヴィクタス・ゲーム」を一緒に観戦したり、ラジオで対談したりと、いままで交流を深めてきた前大統領のオバマ氏とミシェル夫人も招かれないとのことだ。王室リポーターのリチャード・パーマーは、2人の結婚式にこうした要人が招かれない理由として、式場となるウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂のスペースが広くないため2人と本当に親しい人たちだけが招待されていると指摘。また、ヘンリー王子が王位を継承する可能性は低いため、政治関係者を呼ぶ必要性がないとも語っている。本日ケンジントン宮殿のツイッターアカウントは、以前から伝えられていた通りヘンリー王子とメーガンが2,640人の一般市民を式に招待したことを発表。メンタルヘルスの向上に貢献している女性など、特別な背景を持つ招待客を数名紹介している。一般市民の招待客は、ウィンザー城の敷地内で新郎新婦や王室メンバーの到着や、パレードへ出発する2人などを間近で見ることができるという。(Hiromi Kaku)
2018年04月11日英国のストーリーあるライフスタイルを届けるショップ・ブリティッシュ メイド(BRITISH MADE)銀座店では、バレンタインギフトにもおすすめのチョコレートを使った本場イギリスのホームメイドのベイキングスイーツを2月10日より発売する。販売するのは、甘党のウィリアム英王子のアイディアで英国史上初めてロイヤルウェディングにて振舞われた「グルームズケーキ」のレシピをもとにした「Chocolate Tiffin」。グルームズケーキの発祥は19世紀のイギリス(ヴィクトリア朝時代)。ウェディングケーキとは違うフレーバーで花婿(グルーム)のゲストのために用意されるケーキのことで、ロイヤルファミリーはじめイギリスの家庭で愛されるホームメイド・スイーツ。ブリティッシュメイド 銀座店では、イギリス人オーナーのステイシーによる東麻布の人気英国菓子教室&時々ベーカリー、Mornington Crescentの焼き菓子を販売および、スイーツと紅茶のテイスティングサービスが楽しめるイベント「Endearing British Chocolate」を2月10日の11時より開催。さらに1月27日から2月14日の間、同店で商品を購入した女性の方には、ささやかなイギリスのお土産をプレゼント(なくなり次第終了)。店内にはイギリスのレザーグッズブランド、グレンロイヤル(GLENROYAL)などのギフトアイテムもラインアップ。バレンタインギフト探しもかねて、訪れてみては。【イベント情報】Endearing British Chocolate会期:2月10日会場:BRITISH MADE GINZA(ブリティッシュメイド 銀座店)住所:東京都中央区銀座6丁目10番1号 GINZA SIX 5F時間:11:00~完売次第終了
2018年01月30日Stories of British Lifeをコンセプトに「英国のストーリーあるライフスタイル」をお届けしている、BRITISH MADE。その旗艦店となる「BRITISH MADE 銀座店」にて2月10日、「Endearing British Chocolate」を開催します。■BRITISH MADE 銀座店で「Endearing British Chocolate」を開催バレンタインギフトにもおすすめの、チョコレートを使った本場イギリスのホームメイドのベイキングスイーツを数量限定でBRITISH MADE 銀座店にて2月10日、販売します。当日は、イギリス人オーナーのステイシーによる東麻布の人気英国菓子教室&時々ベーカリー、Mornington Crescentの焼き菓子を販売します。販売するのは、甘党のウィリアム英王子のアイディアで英国史上初めてロイヤルウェディングにて振舞われた「グルームズケーキ」のレシピをもとにした「Chocolate Tiffin」。グルームズケーキとは、発祥は19世紀のイギリス(ヴィクトリア朝時代)で、ウェディングケーキとは違うフレーバーで花婿(グルーム)のゲストのために用意されるケーキ。ロイヤルファミリーはじめイギリスの家庭で愛されるホームメイド・スイーツを、是非ご賞味ください。また、当日はご来店いただいたお客様はスイーツと紅茶の無料テイスティングサービスもお楽しみいただけます。さらに、1月27日~2月14日の間、BRITISH MADE 銀座店にて商品をお買い上げいただいた女性のお客様には、ささやかなイギリスのお土産をお渡しさせていただきます(なくなり次第終了となります)。BRITISH MADE 銀座店では、イギリスのレザーグッズブランドのGLENROYAL(グレンロイヤル)などのギフトアイテムがラインナップ。バレンタインギフト探しも兼ねて、どうぞお越しくださいませ。開催日時:2018年2月10日 11:00~完売次第終了■開催店舗BRITISH MADE GINZA(ブリティッシュメイド 銀座店) *日本最大店舗住所:東京都中央区銀座6丁目10番1号GINZA SIX 5F電話:03-6263-9955営業時間:10:30~20:30(お問い合わせ先)BRITISH MADE GINZA(ブリティッシュメイド 銀座店) TEL 03-6263-9955
2018年01月28日友達と政治の話をしようとすると空気が悪くなる。社会に関心がある人はすぐ“意識高い系”というレッテルを貼られる。ただ、目の前に広がる社会のことを知りたくて、周りとああでもないこうでもないと話したり意見を交換したりしたいだけなのに、すぐそばにあるはずの「生きていること」と「社会や政治」が遠く感じる。そんな風に思っている若者はきっと多いはず。そんな世代のためのイベント「Youth Conference (ユース・カンファレンス)」が12月17日(日)に上智大学で開催される。若者たちが集って政治や社会のことをじっくり考え、語る場だ。主催するのは「市民のためのシンクタンク ReDEMOS」。これまで政策解説ムービーを制作したり、女性の権利やLGBTQなどのテーマでイベントを開いてきた、元SEALDsメンバーが設立した団体である。未来の社会は若者がつくっていくもの今回なぜ若者向けのイベントを企画したのか、ReDEMOS代表の奥田愛基(おくだあき)さんに聞いた。発端は、高校生や大学生から同世代が集まる場をつくってほしいと言われたことです。社会や政治のことって学校ではなかなか話しにくい話題だけど、みんなどこかで考えなきゃいけないと思っている。考えなきゃいけないっていうか、いまの若い世代だったら考えちゃうめっちゃ大事なこと。これまで色々なシンポジウムを企画してきたけど、実は来る人の年齢層は高め。でも、未来の社会は若者がつくっていくもの。みんなが日々どんなこと考えているか、どんな社会を作りたいかを自由に語ったり、学べる場を作りたいと思って企画しました。だから、今回のイベントの対象は中学、高校、大学生にしたという。ReDEMOSメンバーの高野千春(たかのちはる)さんは「テーマは社会や政治だけど、身構えないでふつうの感覚で来てほしい」と語る。生きづらさは誰しもが感じているもの。社会を変えたいとかそこまで強く思わなくても、何かしたいけどどうやって関わっていいかわからない人とか、関心があるけど誰と話していいかわからない人とか、そんな若い世代が集う場になればいいなと思います。ふつうの感覚でふらっと来てくれたらいいな。申し込みフォームはこちら
2017年12月15日11月5日(日)今夜放送される加藤浩次と若手議員との“徹底トーク”政治バラエティ「加藤浩次vs政治家~政治のオモシロイところ集めました~」に、「仮面ライダーゴースト」で主演を務めた俳優の西銘駿が出演。初コメンテーターに緊張しながらもハードな収録をこなした。本番組は今年3月にフジテレビの深夜帯で放送された特別番組がゴールデン初進出したもので、ワイドショーなどの司会も担当する加藤さんが“若手”アラフォー議員たちと徹底トークすることで、政治を難しいものではなく身近なものとして感じられるようにすると同時に、政治ニュースの裏に“こんなことがあったんだ”、彼らの毎日は“こんな生活なんだ”、実は笑顔の裏で“こんな本音を抱えているんだ”など、「へぇ!」と思うことが連続の内容。今回は波乱の衆院選からわずか1週間後の収録という日程にも関わらず、ニュースな議員からキャラが立った議員まで総勢17人が出演。6時間に及ぶ収録では「議員の恋愛事情」から「憲法改正」まで白熱の議論が繰り広げられたそう。そんな収録現場にひとり“若者代表”として参加した19歳の西銘さん。「仮面ライダーゴースト」では主人公・天空寺タケル(仮面ライダーゴースト)役を熱演、ヒーローとして人類を救った彼だが、政治バラエティへの参加は初。もちろんコメンテーターも初体験。少々緊張した面持ちで収録に臨んだ西銘さんだが収録の感想については「政治に対するイメージががらっと変わりました!いままで持っていたのは堅いイメージでしたが、実際議員の皆さんの仕事の内容そのものや、寝る間も惜しんで取り組んでいる姿をみて感動すらしました」とのこと。同時に「憲法改正など難しい話も多かったのでそこについていけない自分に対しては“どうして、国の大切な話をしているのに…”と、悔しかったです」と語り、「仮面ライダーは、空想の世界。今回の議題はすべてリアルなもの。もっと自分の意見も言いたかったですし、もっと勉強もしたいと思いました」と今後への課題とでもいうべき点を挙げた。一方で不倫や恋愛スキャンダルが話題になることについて「政治家って芸能人に近いな、と思いました」と“共通点”を感じたことを明かし「僕もファンがいるからこそ、変な写真を撮られてはいけないと思っています」と、芸能人としての“心構え”を新たにしているようだった。ファンや同世代の若い視聴者へ「政治への興味を持つきっかけになれば」とメッセージをくれた西銘さん。素朴な疑問を持って政治トークに参加した彼の新鮮なリアクションにも注目だ。「加藤浩次vs政治家~政治のオモシロイところ集めました~」は11月5日(日)19時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2017年11月05日イギリスの趣たっぷりのメルヘン空間で優雅に過ごす東京・浜田山にある「ベリーズティールーム」は、白い外壁にゴールドの英字表記された看板が目印の紅茶専門店です。内観はイギリス風のティールームをイメージ。大柄の花柄をモチーフとした壁紙や、展示されたティーポットやカップなど、華やかでメルヘンな空間が広がります。まるでイギリスにいるかのような趣ある優雅な空間でおいしい紅茶とお菓子を楽しむことができるお店です。イギリスのティールームでいただく本格紅茶お店は2013年の1月にオープン。馴染みやすく覚えてもらいやすいように「ベリーズティールーム」と名付けられました。本場の紅茶の味を存分に味わうことができる点が大きな魅力。紅茶の専門店なので、「カフェ」ではなくあえて「ティールーム」と明記しています。取り扱っているドリンクは紅茶とハーブティーのみで、コーヒーやジュース(キッズメニューは除く)はありません。もちもちの食感がたまらない! 「クランペット」人気メニューである「クランペット」は、もちもちの食感にハマる人続出のお店の看板メニューです。生地は毎朝お店で仕込み、発酵させたものを使用。一枚ずつ丁寧に焼き上げています。クランペットの上にたっぷりとかけられているのは、艶やかに輝くイギリス製のゴールデンシロップ。濃厚なバターとともに絡めて食べるのがおすすめです。さまざまなトッピングでバリエーションを楽しむプレーンなクランペットはちょっぴり塩味で甘みがありません。そのため、さまざまな味をトッピングして楽しむことができます。中でも、温かいクランペットに冷たいアイスを添えて食べるスイーツもおすすめ。一口大にスライスされたバナナとたっぷりのチョコレートソースの組み合わせは鉄板のおいしさで、ボリュームも満点です。ほかにもチーズやハムをサンドしてランチとして楽しむこともできます。素朴なイギリス菓子の魅力を多くの人に広めたいイギリスではポピュラーなお菓子であるクランペットなど、素朴で素材ほんらいの味が楽しめるイギリスの伝統菓子。お店のオーナーにはイギリス菓子の魅力をより多くの人に伝えたいという思いがあります。ティーカップやケーキ皿にも本場イギリス製を使用するというこだわり。紅茶との相性抜群なイギリス菓子の数々を、イギリスのティールームに来ているような雰囲気のなかで贅沢に味わうことができます。店舗は京王井の頭線「浜田山駅」から徒歩3分とアクセスのしやすさも魅力的です。おいしい紅茶とクランペットなどのイギリス伝統菓子を味わいながら優雅に過ごすひとときをぜひお楽しみください。スポット情報スポット名:ベリーズティールーム住所:東京都杉並区浜田山2-24-1電話番号:03-5930-9395
2017年10月26日皆さんはイギリス、と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?まず頭に浮かぶのは紅茶、王室、不味い料理、ハリーポッターなどでしょうか。私にとってのイギリスは「分断」という言葉が一番よく表してくれる気がします。年間数百万円もの学費がかかるパブリックスクール(私立学校)に通うことができるのは、豊かな社会経済的背景を持つ、いわゆるアッパークラス(上流階級)からアッパーミドルクラス(中流上位)の子供たちです。 「21世紀にもなって階級社会がどうのこうのなんて何を言ってるの?」と思われるかもしれませんが、私はボーディングスクールで、10代のイギリス人の子供達が当たり前のように「 But he/she is from middle class.(でも彼/彼女はミドルクラス出身だから)」と言い放つ姿を何度も見てきました。 たとえ同じ白人系イギリス人であっても階級という差別から逃れられないボーディングスクールという狭い社会の中で、日本人として生きるというのはとても難しいことでした。リッチなイギリス人の子供達に囲まれて日本人として生きること第二次世界大戦中、日本とイギリスが敵国同士であったというのは、日本ではアメリカと比べ、あまり意識されていないような気がします。 ブリジットジョーンズの日記というイギリスを舞台にした有名なラブコメ映画で、主人公のブリジットが恋に落ちるマークは過去に妻に浮気され離婚に至った、というエピソードがあります。 高齢のマークの母は、 ブリジットにそんな話を耳打ちしつつ、「奥さんは日本人だったの、とても残酷な人種だわ」と言い捨てるのです。 CCFの訓練中、もし日本とイギリスがまた戦争をすることになったら、今横に並んで共に行進をしている友人たちは日本と戦うのだろうか、もし今銃で撃っている的がただの木製の的ではなくて日本人になったら、彼らは同じように日本人は残酷な人種だから、と言い捨て戸惑いなく引き金を引くのだろうか 、幾度もそんなことを考えました。生まれてから一度も疑うことのなかった、自分の日本人というアイデンティティーを捨てさせられ、イギリス人というアイデンティティを強制させられるということがとても辛く、幾度も自分のアイデンティティが分からなくなりました。 今思い返せば、こういった訓練がエリート育成機関であるパブリックスクールで必修であるという事実こそが、イギリス社会の根深い分断を表しているように思えます。 イギリスの正式名称はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)、本来、イングランド、スコットランド、ウェールズそして北アイルランドという4つの異なる国によって構成される連合国なのです。 互いに何度も侵攻を繰り返してきた4つの国が、UKという一つの国として成り立つためには、CCFやOTCといった軍事訓練で愛国心を鼓舞させることが欠かせないのでしょう。多様的なロンドンでイギリスのもう一つの顔を知ったCafé OtoやBrilliant Corners、Pacific Social ClubにMamachari Clubなどの日系の店々で日本の文化がハックニーの人々に愛されている姿を見て、日本と日本人としての自分のアイデンティティがやっと受け入れられた気がして、ボーディングスクールでは知ることのなかったイギリスの新たな一面を知り、やっとイギリスという国が好きになってきた矢先のことでした。この投票で、週末気軽にパリに遊びに行くことや、東地中海上に位置するキプロス島でホリデーを過ごすこと、ベルリンにアーティストとして移住することや、クロアチアのフェスティバルに行くことなど、ロンドンの友人たちが当たり前のように行使していたそれらの権利を享受することができるのは、イギリスの極一部の地理的にも経済的にも恵まれた人間だけであったことを知りました。 過去、被支配者階級を分断し互いを争わせる分断統治と呼ばれる政治手法を用いて植民地支配を繰り広げてきたイギリス自体が、未だ根深い分断社会である事実が露呈したのは、皮肉としか言いようがありません。差別されて気づいた「自分の差別」私がそんなボーディングスクールへの留学を通して得た一番の経験は、きらびやかなイギリス白人上流階級の生活を垣間見たことでも、流暢な英語が喋れるようになったことでもなく、社会の権力構造を階層の頂点に近い場所から見渡し、かつ自分とそこにいる人々との違いを見せつけられ、差別される側になり、初めて差別と不平等が存在することと、それらの不合理さが分かるようになったことだと考えています。日本で日本人として暮らしていても感じることはなかったであろう人種差別の残酷さ、そして日本では語られることの少ない階級社会の不公平さ、初めてそれらに疑いを抱き、異議を唱えられるようになりました。一方ロンドンでは、ボーディングスクールとは正反対の多様性に溢れたイギリスを見ることができ、人種、階級、ジェンダー、セクシュアリティなどにかかわらず様々な人にとって、これほど住みやすい場所があるのだと驚きの連続でした。二つの異なるイギリスの顔は、私に差別の様々な側面を教えてくれました。私の経験を通して少しでも日本社会にも潜む様々な差別について考えてもらえれば幸いです。Blog::@lisatanizAll photos by Kisshomaru ShimamuraText by Lisa TanimuraーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「日本に行けば誰とでもヤレる」。迷信を信じる外国人の“差別的なフェチ”に激怒し、声を上げた一人の女性 「イエローフィーバー」という言葉を聞いたことがあるだろうか。欧米文化でアジア人を差別的に指す「イエロー(黄色い肌の人種)」と、病気を示唆する“熱”という意味を持つ「フィー...
2017年10月26日「音楽に政治を持ち込むな?だったら恋愛も持ち込むな」。インタビューの冒頭からそんな言葉が飛び出した。牛田悦正(うしだ よしまさ)aka UCD、25歳。UCDは大学で哲学を学びながら、2015年夏に解散した学生団体SEALDsの中心メンバーとして、路上でマイクを持ち続けた。そして今年の10月18日、初のヒップホップアルバム『BULLSXXT』をリリース。今回Be inspired!は、マルチな才能を持つUCDに政治や哲学、音楽に対する思いを聞いた。本も読まず、考えずに主張するのはダサい。でも世界にいるのに俯瞰するのもダサい。僕は、原発が賛成なのか反対なのかどっちかだという議論にしたくなかった。一方的に主張することに対して違和感があったし、本も読まずに、道端で主張をする意味なんてない。体験談の共有も意味なんてない。賛成にせよ反対にせよ、どちらもメリットがあるはずでそれを考えてから主張すべきだと思った。だから最初僕はデモすることも反対だったんだ。日本社会に欠けているのは「哲学的に思考すること」。だからUCDは当時通った大学の図書館に原発の関連本を100冊購入してもらい、かたっぱしから読んで、考えた。しかし、ジレンマが待っていた。「どっちかに“決断”しなきゃいけない。それが政治だった」。結局意見を主張しないといけないんですよ。考えるだけじゃだめだった。100冊読むと、結局「なにを信じるか」ということしか残らない。そこには原発大丈夫だっていう煽りとダメだっていう煽りしかないから。哲学って思考をすることそのものだから、決断を留保するしかない。思考の限界だと思った。思考に留まるのは、いまの日本社会の「病」とまで言い切るUCD。社会の中で生きているのに、その社会を上空から俯瞰しつづける思考は、社会に何もなさない。「考えているからいいじゃん」という言い訳として消費されるだけだ。「でも重要なのは」、とUCDは続ける。「ちゃんと思考しないと決断できない。だからどっちも必要なんです。僕が言いたいのは、本当に考えたら決断できると思うし、すべき責任があるということ」。でも人間は、考え抜いても決断できない時もある。だから最終的に政治は、どちらを信じるかの “賭け”だと思う。人間はそうやって生きている。だからこそ危うい。どっちを選んでも決断は間違いうる。でも、「だから決断しない」んじゃなくて、データを集めて、しっかり考えて、ちゃんと指標をもつ。その上で、「未知のもの」に乗り出してみる。誠実に未来のためにギャンブルすることは、時に負けるし、時に惨めかもしれないけど、誇り高いことだ。音楽と政治が関係ないなら、音楽と恋愛も関係ない日本の音楽シーンは、海外に比べて政治的発言がタブーとされている。「音楽に政治を持ち込むな」。「音楽は純粋であるべき」。こんな言説をよく聞く。「音楽だって政治じゃん」と言い切るUCDは、この現状に対してどう考えているのだろうか。一言で言えば「じゃあ音楽、聞くなよ」ですよね。音楽と政治関係ないなら、音楽と恋愛も関係なくなる。詞がある時点でそこには必ず何らかの意味があるし、詞がない音楽だってなんらかのテーマがある。表現ってそういうことでしょ。政治がないところ、言葉がないところに行きたいなら、行けばいい。でも、そこは戦場ですよ。音楽が政治的な意味を持つのは、歌詞が政治的である時だけではない。音楽そのものが政治的になる瞬間があって、それがどういう時かって、例えばヒップホップのアーティストが「世の中がどうなろうと構わん」「民主主義が壊されようと、国家が壊されようと、それでも俺たちは歌うぜ!踊るぜ!」って言っている時だと思う。ヒップホップは、黒人の貧困層から生まれた音楽。抵抗の音楽なのだ。生きづらい閉塞的な時代、極貧の中で、ピストルで撃ち合っていた少年たちが、「撃ち合うんじゃなくて、一緒に踊ろうよ、歌おうよ」と言い続けてきたのだ。その音楽がいま世界中に届いている。ヒップホップがどれだけの人を救っているか、計り知れない。人間の生のクオリティをあげ、よりよく共に生きること。これが政治だとすると、「踊ろうよ」という呼びかけが、政治的じゃないはずがない。高学歴であるとかそんなんはどうでもいい。2017年10月18日にPvineから1st Album『BULLSXXT』を発売。「Stakes」を含む全11曲収録のバラエティに富んだ作品なので、お聴き逃しなく。月23日(木)にはアルバムリリース記念インストア・ミニライブ&サイン会を開催。日時:2017年11月23日(木・祝)21:00スタート場所:タワーレコード渋谷店4Fイベントスペース内容:ミニライブ&サイン会UCD: photos by memeText by Reina Tashiro ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!どこで生まれても“ハーフ”はつらい。24歳の混血児ラッパーが「社会への怒り」を前向きに発信する理由。 日本で人種や国籍の異なる親から生まれた子ども(“ハーフ”と呼ばれることが多い)の数は年々増えている。2016年には日本人と外国人の間に生まれた子どもの割合は、日本人の出生数の...
2017年10月21日日本の政治についてあなたはどれくらい知っているだろうか。「親しみが感じられない」「なにから知識を身に付けていいかわからない」と思う人は少なくないだろう。なんせ日本の若者の投票率は32.6%。この投票率の低さから日本の若者の政治への関心の低さや一人の投票で何かが変わるわけではないという諦めの姿勢がうかがえる。政治が身近じゃない。2014年に行われた第47回衆議院議員総選挙では、60代の投票率68.3%だったのに対し、20代の投票率は32.6%であった(参照元:総務省)。若者が政治について積極的でないという事実が一目瞭然だ。最近では若者の投票率をあげるため、人気のアイドルやタレントを啓蒙イメージキャラクターに起用し、選挙を身近に感じてもらおういう動きも見られている。しかし、それらに本当の効果があるのだろうか。それをきっかけに自分にとっての政治に対する意見や民主主義を考える人がいるとは率直に言って考えづらい。自分なりの意見をしっかり持たずして投票し、その時の投票率が上がったところで意味がない。政治への関心や意見を持つ時というのは、身近で共感のあるスピーチを聞いた時、他者と社会の問題について語り合うことができた時などであろう。#BUD09で呼びかけられたある集いPhoto by WOODDY政治を遠く感じていた若者たちにとって、SNS上で呼びかけられたり集められた集いはちょっとした好奇心をそそり気軽に参加できる身近なものとして捉えられるだろう。今回のようにSNSから発信されるものが政治への関心や参加の高まりをつくり、国民の政治への態度を変えていくかもしれない。そしてそれは現在の日本の民主主義を変える大きな一歩となり、一人ひとりが社会の問題を自分に関係のある問題として考えるきっかけとなるだろう。
2017年10月17日J.K.ローリングが“ロバート・ガルブレイス”のペンネームで執筆している「私立探偵コーモラン・ストライク」シリーズが、ハリウッドからのオファーを蹴り、イギリスのBBCでテレビドラマ化された。現在までに3作品が出版されている同シリーズが、「Strike」(原題)のタイトルでドラマ化が実現。製作総指揮のルース・ケンリー=レッツは「ローリングのエージェントに、ハリウッドのスタジオから相当な回数の電話がかかってきたんだって。本当に多くの人からね」と「Digital Spy」にドラマ化への経緯を明かした。「でも、彼女は今後もこのシリーズを書き続けるつもりだし、何作品になるかもわからない。だから、(ハリウッドで映画化するより)ドラマ化する方が自然でふさわしいように思えたんだ。それに、BBCが製作にすごく乗り気だったこともあって、ぼくらはその道を進むことにしたよ」。ローリングはドラマ製作のすべてのプロセスに積極的に関わっており、原作を映像化するにあたって内容を少し変えなければならない部分にも寛大な心で対応しているという。8月27日(現地時間)から放送されるシーズン1は、全3話。シリーズ1作目「カッコウの呼び声」をベースにしているとのことだ。(Hiromi Kaku)
2017年08月24日”私おしゃれでモデルやってて、政治も考えてる頭いい子なんです”って自分をアピールするために活動してる訳じゃないそう言い放ったのは中川えりな、弱冠20歳。現在彼女は上智大学で神学・哲学を学びながら、フリーモデルとして雑誌、ミュージックビデオで活躍している。また、SEALDs(日本の自由で民主的な社会を守るための緊急アクションの学生団体)の元メンバーであり、ポリティカルな顔を持つことでも有名だ。“ハタチ”という若さを感じさせない政治観を持つ彼女に今回Be inspired!はインタビュー。SEALDsが解散した今、彼女の類稀なファッションセンスと知性で、どうやって政治と若者の距離を近づけていくのかを聞いた。 あなたにとって「政治を考えること」とはなにか?そんなシンプルな難題に彼女はおもむろにこう答えた。数年前まで、政治を考えることは『義務(DUTY)』だと思っていた。政治に興味を持つ派とか持たない派とかなくて、みんなが選挙にいくべきだって。でも今は、『責任(レスポンシビリティ)』だと思ってる。『責任(レスポンシビリティ)』は『応答する能力(レスポンスできるアビリティ)』のこと。政治や社会のあり方について自分の頭で考え、応答する能力を自覚し活用することによって果たすことができる。私たちには社会をよりよくする能力があって、その能力に気づけたほうが、我慢するよりもずっと楽だと思った意思表示は、公の場で行われる非暴力の抗議活動「デモ活動」や「座り込み」だけではない。ツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどSNSを使えば誰もが政治に参加できる時代で、彼女のこの発言は、同世代へ向けたエールのように聞こえた。 日本は、若い人が政治のことをツイッターでつぶやくと『なにもわかってないくせに言うな』みたいに叩く風潮があるけど、そんなの全部無視すればいいし、間違っても別にいい1月に成人式を終えたばかりのえりな。彼女はなぜそんなにも政治を考え、社会に意思表示をするようになったのだろうか。 新聞もロクに読めなかった18歳。高3の12月に上智大学の神学部に受かって、大学入学後の知識のために(キリスト教)カトリックの勉強をしようと地元の教会に通うことにした。赤ちゃんの時にカトリックの洗礼を受けてたけど、教会には通い始めたのは高校生になってから。そこの神父さんがとても社会派な人で、彼から安保や原発についての説教をたくさんされた18歳になり教会に通うようになるまで、政治に関する知識もなく、新聞も深く考えて読むことはなかったと語る彼女。神父との出会いが政治へ関心を持った大きなきっかけだという。また、これまで震災の被災地でボランティアをしたこともなかったえりな。政治的・社会的な出来事がある度に、現地へ足を運ぶ神父やSEALDsメンバーから、現場へ行き「自分の目で見て体験すること」の大切さを学んだそうだ。実際に2016年の夏、えりなは彼女自身の目で沖縄の米軍基地問題を目撃するために沖縄へ足を運んでいる(2016年の夏に沖縄に行った時の写真 ) 初めての座り込みで「セルフィー」した19歳。2015年5月3日(憲法記念日)に創設され、2016年8月15日(終戦の日)に解散したSEALDs。えりなは何がきっかけで、SEALDsに参加したのだろうか。通ってる大学の教授が神学の勉強会をやってて、そこに参加してた年配の女性に、国会前でやってる安保法案に反対する座り込みのビラを渡された。新聞とかを読んでて自分も前から反対の気持ちがあったけど、自分は行かないって思ってた。デモとか座り込みってなんか怖いと思ってたし。だけど、その時ちょうど誕生日が近くて、誕生日のパワー(笑)を借りてその日だけなら行けるかもって。それに、誕生日に一人で座り込みに行って自撮りしたらおもしろくね?(笑)って思っちゃって、6月24日(19歳の誕生日)に初めて国会前に行って座り込みしたんだ。学校のめっちゃ近くだったから授業の合間に行ったんだけど、当日も行くかどうかすごく迷ったのを覚えてる(SNSに投稿した「座り込み」に参加した時のセルフィー) 初めて座り込みに参加した当時、SEALDsの存在さえ知らなかったえりな。誕生日の時に撮ったセルフィーのツイートが拡散され、SEALDsに彼女の存在が知れ渡り、メンバーと連絡を取るようになったという。そして彼女はSEALDsのデモに参加した経緯についてこう語る。政治の話なんてしたことがなかった友達のハル(HIGH(er) magazine編集長、ブロガー)が、実は前からSEALDsと関わりがあって、私が座り込みに参加した投稿を見て、SEALDsのデモに一緒に行こうって誘ってくれたの。その数日後、待ち合わせして一緒に国会前に行ったのが、私が初めてSEALDsのデモに参加したきっかけ。何回か参加していたらライングループに入らない?ってメンバーの人に誘われて、気づいたらメンバーになってた。その時はラインに190人くらいいて、最年長が28歳の大学院生の人だったと思う 「私にしかできないこと」に気付いた20歳。神父と出会い、信仰を通して政治に関心を抱くようになった18歳。そしてSEALDsに入り、「デモ」「座り込み」「SNS」など、政治への意思表示の方法を知った19歳。現在、インスタグラムのフォロワーは5000人を越え、次々と国内外のファッション・カルチャー誌のモデルとして活躍する20歳の彼女は、自分の存在をどのように同世代へ向けて発信しようとしているのか。ファッションやカルチャーが好きな日本の若者と政治への距離感をこう考察する。今の日本の若い人たちは、政治に関心がない分、政治的な言動に対して変な偏見もないように感じる。今はインスタグラムとかで海外の情報が手に入りやすくて、ケンダル・ジェナーが選挙キャンペーンに参加してるのを見てたりとか、政治参加に対するハードルが下がっているみたい。あと、カルチャーが好きな人でコアな人は、自分が着ている服の意味や歴史を知ってたりするけど、それは、自分で自分の行動を選び取る能力があるのを自覚して、自分の行動に責任を持とうとしているように感じるし、選挙やデモとかの政治参加もそれと同じじゃないかなって思う 彼女が思い描く「民主的政治空間」とは「私は政治の専門家ではない」。そう語る彼女は、政治と若者を繋ぐためイベント『Making-Love Club』を3月2日(木)に渋谷で開催する。イベント全体のテーマは「民主的政治空間を作ること」。そして、今回のトークセッションで取り上げるイシューは「アメリカ大統領選後の国際情勢と日本の政治」だ。彼女のファッションセンスと政治に対するスタンスをどう織り交ぜてイベントに落とし込んでいくのか。今回は、市民のためのシンクタンク『ReDEMOS(リデモス)』の研究員を招いて開催する。それは、内輪受けみたいなイベントにしたくないこともあるし、広い見方ができる専門家のような立場の人が必要だと感じたから。政治の話をする時によく起きるのが、自分たちだけが正義で、自分たちと考えが違う人はおかしい人だって決めつけること。大統領選も、自分たちがトランプを批判してれば勝たないんだと思い込んでた人たちがアメリカの中にある分断に向き合おうとしていれば結果は違ったんじゃないかなって感じる。今の日本の若い人達でこれから政治の話をしていくという時、そういった『偏見』が一番怖いんだってことを忘れないようにしたいという思いがある政治に興味がない若者が多く存在する現代の日本で、イベント『Making-Love Club』の必要性はなんなのだろうか。イギリスではEUの離脱が決まり、アメリカではトランプ大統領が誕生した。本当の民主主義ってなんだろうと考えさせられた出来事だったと思うし、『Post-truth』って言葉が流行るくらい、ニュースを見てても何が本当か分からないと感じる人はたくさんいると思う。これは日本でも同じで、大切なニュースを表面的にしか取り上げない報道ばかりで、根本にある問題が見えてこなかったりする。去年の夏議論に上がった憲法改正についても、『今と昔は時代が違うのに、憲法だけ70年間1度も変わってないのはおかしいよね、だから変えるべきだ』って声があった。言葉だけ見たら『そうかも』って納得しちゃう。だけど、そんな時に必要だったことは『憲法ってなんであるの?』『憲法って何?』って改めて問い直すことだったと思う。今回は大統領選について取り上げる。『こんなひどいことを言うトランプさんが大統領になってしまって大変ですね』って共感しあうだけじゃなんの解決にもならない。『トランプがやばいっていうけど何がやばいの?』、『ヤバいってどういうこと?』ってところから、『民主主義ってなんなの?』ってところまで、一からざっくばらんにみんなで話せる空間を作りたい。そして、『アメリカって政治やばいらしいねー』って言いながら、自分の国の政治のこと何にも知らないでいることもめっちゃヤバいことなんだってことにも気づける場にしたい。『ぶっちゃけ、どうなの?』って問い直すことを『Making-Love Club』ではやりたい。政治だけじゃなくてセックスについても!政治への関心が皆無な日本の若者に、政治を考えるきっかけを作り、政治に対しての「責任感」を芽生えさせるのは彼女なのかもしれない。直向きな政治への強い思いと、独創的なファッションセンスを持ち合わせた中川えりなが、日本の若者と政治との距離をグッと近づけてくれると信じている。 Erina Nakagawa『Making-Love Club』モデル中川えりなと、3つのインディペンデントマガジンによるカルチャーイベント。カルチャーが交錯する時代を捉え、トークイベントでは、セックスや政治など、ターゲット層が潜在的な興味を寄せるテーマを取り上げる。音楽ライブではBig Love Recordsから、今メディアから注目を集めるAya Gloomyを向かえ、新世代アイコンとして話題沸騰中の小山田米呂がDJとして参戦。バイリンガルカルチャーマガジンWooly、モデルでブロガーのHaruが編集長を務めるHigh(er) Magazine、元出版社にて編集の経験を積み、独立した綿貫大介率いるEmotional Loveの三媒体のキュレーションにより、感度の高いユース層に向けたコンテンツを用意している。日時:2016 年3月2日(木) 19:45-23:00 ※イベント開始は20:00を想定場所:ロフト9〒150-0044 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 1F TEL:03-5784-1239ウェブサイト:入場料: 1500円+1ドリンク<Time Schedule>19:45-20:00 DOOR OPEN / DJ20:00-20:40 Talk Session 1部20:40-21:05 DJ by 小山田米呂 21:05-21:20 Short Film by UMMMI.21:20-22:00 Talk Session 2部22:05-22:35 Live by Aya Gloomy Photos by Miri Matsufuji Text by Jun Hirayama ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!【ギャラリー】写真家 Miri Matsufuji 撮り下ろし:モデルErina Nakagawa photos by Miri...
2017年02月24日イギリス出身のアーティスト、イアン・ベリー(Ian Berry)が画期的な方法で作品を創り出している。彼の作品は、一見すると青いトーンに加工された写真か、インディゴ色に塗られた油彩画と見間違えられるが、実は全てデニム生地を材料として描かれたものだ。制作方法はシンプルで、デニムを切り糊で貼っていくだけで完成させていく。イアンが語るには、写真やパソコンのスクリーン越しでは作品の良さは伝わらないのだそうだ。実際に作品を目の前にして近くで見ることで、その深さやテクスチャーの雰囲気を感じ取れるという。いかに細かく、また考え抜かれジーンズのウォッシュの具合や濃淡を駆使し、写真のようなトーンを表現しているかも見ることが出来る。デニムがアーバンな素材であるため、アーバンな生活の場面を表現するために最適なのだそうだ。様々な濃さのジーンズが積まれている所を見て、そのブルーの濃淡のコントラストに気付き思いついたというこの技法。その技法を使いイアンは多数の作品を作り上げてきた。ロックバンドブロンディ(Blondie)のデボラ・ハリー(Debbie Harry)やファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)、F1レーサーのアイルトン・セナ(Ayrton Senna)など著名人のポートレート作品から、日常の風景の一場面を切り取った作品集などを制作し、各方面から賞賛されている。16年11月にエキシビション、「Behind Closed Doors」をロンドンで開催した。イアンは日本でもエキシビションを開催したいと願っているので、実物が見られるチャンスが来るのは、そう遠くないかもしれない。※本記事は (引用元: に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
2016年12月20日「政治のことよく分からない!」とはっきりいうのは恥ずかしい。そんな人のための連載「ママは政治一年生」を執筆する政治ジャーナリストの細川珠生さんに、これだけは知っておきたい! 2016年の重要な政治ニュースランキングをインタビュー! 第5位~3位を発表した 前編 に続き、いよいよ後編の第2~1位発表です。第2位 世界の女性リーダーたち細川珠生――第2位は女性リーダーです。小池百合子東京都知事の誕生は今年の政治トピックとして忘れてはならないですね。初の女性都知事ということでも注目されましたが、それ以上に、これまでの政治の文化を変えるリーダーの誕生に、日本中が沸きました。その後、蓮舫氏が民進党の新代表に就任し、野党第一党の党首が女性というのも、旧社会党の土井たか子氏以来、30年ぶりのことでした。世界的にも、女性リーダーの躍進は目覚ましいものがあります。イギリスのテリーザ・メイ首相、台湾の蔡英文総統、動向が不安定ながらも、韓国の朴槿恵氏大統領など、日本と関係の深い国は次々に女性リーダーが誕生しています。アメリカも、ヒラリークリントン氏に女性初の大統領という期待がありましたが、残念ながら、それは実現されませんでした。――日本も女性が政治を動かす時代が来たってことですね!細川珠生――いえいえ、世界と比べるとまだまだ! 日本は、政治、経済、教育、健康分野を総合した男女平等度としては、144カ国中111位。女性首相を二人も誕生させているイギリスは20位、女性大統領の誕生はかなわなかったアメリカは45位ですが、この2カ国と比較しても、日本はかなりの低さ。漸く都知事に女性が誕生しましたが、女性初の総理大臣、あるいは企業における女性管理職の増加は、まだまだ難しそうな気がします。とはいえ、小池都知事には、これまでの男性政治家にはできなかったような都政を期待したいですね!第1位 参議院選挙細川珠生――第1位は参議院選挙です! 今年の政治のトピックとして最も重要なのは、参議院の通常選挙。選挙の結果により、日本国憲法の改正の発議が可能となる、改憲勢力が初めて3分の2を超えたということも、戦後の政治にはなかったこととして、特筆すべきことですね。また、この参議院選挙から、選挙権が「18歳以上」に引き下げら、初めて高校生が有権者となりました。主に高校で、「主権者教育」も始まって、新たに有権者となった10代は、本当に一生懸命政治を考え、将来を考え、選挙に参加したことが、投票率にも表れました。10代の投票率は45.45%と、20代、30代より高かったのです。これからは、親子で政治をしっかりと考えていく習慣がつけば、10代の投票の意義もより高いものになるでしょう。来年には、衆議院選挙が行われると言われています。来年もまた、若い世代の一票を期待したいと思います!第3~5位の 前編 はこちら! (イラスト・インタビュー ちゃず)
2016年12月02日アメリカ次期大統領のトランプ氏へのさまざまな注目が集まる中、2016年は残りわずか。この一年、政治の世界ではめまぐるしい出来事が起こったけど、「政治のことがよく分からない!」とはっきりいうのは恥ずかしい。そんな人のための連載「ママは政治一年生」を執筆する政治ジャーナリストの細川珠生さんに、2016年のこれだけは知っておきたい! 重要な政治ニュースをランキング形式で教えてもらいました。 第5位 アメリカ大統領選細川珠生――第5位はアメリカ大統領選です! 11月9日未明、オバマ大統領の次、第45代アメリカ大統領に、ドナルド・トランプ氏が選ばれましたよね。元ファーストレディで、上院議員、国務長官を務めた政治のプロ、ヒラリー・クリントン氏を僅差で破っての勝利に、アメリカのみならず、世界中が仰天したのは、世界のニュースで今年一番のトピックとも言えるでしょう。実業家としての手腕はあっても、政治経験ゼロ。トランプ氏に会ったことがある日本の政治家も、選挙の時にはゼロという、異例中の異例の、アメリカ新大統領の誕生です。――トランプ氏が大統領になって、日本は大丈夫なんでしょうか…。細川珠生――日本は、唯一の同盟国(日米安保条約を結んでいる国)として、アメリカは世界の国々の中でもっとも重要な国です。その日米安保条約によって駐留している日本国内の米軍の費用を、全額日本が持つべきだというのが、選挙中のトランプ氏の発言でした。でも、日本に米軍が駐留しているのは、日本を守るためだけではなく、アメリカの世界戦略の一環でもあるのです。このあたりは、トランプ氏も、もう少し勉強してほしいというのが、日本側の本音。 また「アメリカ第一主義」を唱えるトランプ氏は、移民によって雇用が奪われること、質の良い日本製品によってアメリカの製造業が脅かされていると訴えていました。市場開放を目指すTPPには反対し、あくまでもアメリカの国益と、アメリカ人が損をしない、そういう政策をとることを選挙では訴えてきましたが、どこまで本気でやろうとしているのかが、世界の国々にとっては脅威なのです。またオバマ政権で優先してきた、黒人やヒスパニック系、移民などへの政策は、軒並みくつがえされるとも言われています。アメリカ国内のみならず、世界が注視するトランプ次期アメリカ大統領。日米関係は世界の安定の上においても最重要でもあるだけに、来年も、トランプ氏から目が離せませんね。第4位 子育て支援の政策細川珠生――第4位は子育て支援の政策が進んだことです。安倍政権は、4年前のスタート時から、「女性の活躍」を、日本が変わるための重要な要素として、進めてきました。そのための「待機児童ゼロ」「介護離職ゼロ」は、最優先で取り組む政策と考えられています。待機児童解消のために、これまでの施設保育(保育園の増設)だけでなく、ベビーシッターの費用を公費で補助することも検討中。また長時間労働を改善し、育児中の時短勤務の拡大やテレワークの活用、また男性の育児休業の取得増加など、今年になって矢継ぎ早に、多様な働き方を国の方針として進めていくようになりました。ただ、長い年月の中で作られた日本社会の象徴とも言える「働き方」は、なかなかその文化を変えられず、すぐに成果が表れることを期待するのは難しいかもしれません。 ――細川さんが子育てをされている中で変化したなと思うことはありますか?細川珠生――私は子どもを出産してから、全てベビーシッターを利用しながら仕事との両立をしてきましたが、これまで、シッターへの補助がなかったことを考えると、ようやく一歩でも前進、と思います。すぐに日本の社会は変わらない、変えられなくとも、女性が結婚しても、出産しても、社会で自分の役割を得られるという社会を目指すのなら、どうすればよいか、根気よく訴えていくことが必要ですね。子供の教育費を支援する「給付型奨学金」(返済の必要のない奨学金)や返済猶予の期間を設ける(働き初めてからすぐは、給与も少なく返済が困難であることに対応)も、来年度から実現の方向です。所得制限が設けられたりと、利用できる家庭は限定されていますが、第一歩ではありますね。第3位 消費税細川珠生――第3位は消費税です。2014年4月に、消費税が17年ぶりに増税し、8%となりました。法律により、一度延期はしたものの、2017年4月に2回目の引き上げを行って、最終的に10%になることが決まっていました。今年6月に、安倍総理は2度目の延期を決め、2019年10月に行うと表明。その理由を、日本経済が本格的に改善していないことを挙げています。 消費税の増税は「社会保障と税の一体改革」の中で、決められました。その狙いは、今の社会保障制度を維持すること、そのための安定的な財源を確保するということです。しかしながら、10%まで引き上げを行っても、子育て支援を含む社会保障制度の充実のためには、増税5%のうちの1%しか充てられません。残る4%は、社会保障制度の安定、特に国の借金である赤字国債の返済に約3%、7兆円が充てられることになっています。子育て支援のためには7000億円しか充てられないことを考えると、ケタが一つ違ってびっくりしますね。そもそも、日本の社会保障制度は、人口が増えていくことを前提に作られています。すでに人口減少社会となった日本では実態にあっていないことはあきらか。老後の安心が少子化対策にもつながることからも、増税の延期を繰り返すより、制度の根本的な改善が必要です。第1~2位の発表は 後編 へと続きます! 後編はこちら→ (イラスト・インタビュー ちゃず)
2016年12月01日『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』が、イギリスでこれまでに4627万ポンドを売り上げ、今年最大のヒット作となった。これまでの1位は『ジャングル・ブック』だった。その他の画像『ブリジット~』3作目は、すでに1作目を抜いて、ロマンチックコメディのジャンルで、イギリス史上最高のヒット作となっている。オーストラリア、フランス、オランダなどでも好調で、世界興収は現在までに1億9300万ドル。製作予算は3500万ドル程度で、大きな利益を上げた形だ。しかし北米ではなぜか不調。批評家受けは良かったのだが、北米興収はわずか2400万ドルだった。イギリスの記録的ヒットとアメリカでの大コケという結果は、さらなる続編ができるかどうかの決定に、どんな影響を与えるのだろうか。『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』公開中文:猿渡由紀
2016年11月02日【ママからのご相談】35歳の主婦です。6月にイギリスがEUを離脱しましたが、日本、特に私たちの家庭にはどのような影響が考えられますか?●A. Brexit(イギリスのEU離脱)で、日本では円高になるといわれています。こんにちは、ライターの渦マキです。ご相談ありがとうございます。今年、2016年6月23日に国民投票が行われ、イギリスがEU離脱する結果になりました。「Brexit(Britain+exit) 」という造語も生まれ、本国イギリスだけでなく世界中で話題になりました。さて、日本にはどのような影響が考えられるでしょうか?外国為替市場では、イギリス通貨(ポンド)やユーロが売られ、安全な通貨として扱われている日本円が買われる……つまり、「円高がすすむ 」と考えられています。円高になると、私たちの家庭にはどのような影響を及ぼすのでしょうか。●円高のメリット円高・円安……時々どっちがどっち?って感じになってしまいませんか?筆者は、「円高ということは円が高いんだから、日本にとってはよい流れじゃない!?」なんてお気楽に考えてしまいます。昔、高校で習った社会の授業の内容を思い出してみましょう。円高=円の価値が高くなる 、ということです。相談者さまのような主婦の視点で考えると、メリットとしては下記のようなものがあります。・輸入商品が安く買える・海外旅行の費用が安くなる主婦にとってはいいことばかり……と思われるかもしれませんね。●円高のデメリット先ほどは主婦目線で考えてみましたが、今度は旦那さま目線です。旦那さまが、製品を輸出する企業で働いているとします。輸出中心の企業におけるデメリットは、下記になります。・日本製品の価値が上がる(値段が高くなる)→値段が安い海外製品が売れる・製品の売上げが落ち込み、企業の給料やボーナスがカットされる円高が長期にわたれば企業側も工場を海外に移転する動きになるかもしれません。その場合は、国内の工場閉鎖で失業者も増える ことになります。もしも、旦那さまの会社がそのような事態になれば、家計にも響いてしまいます。「お安く海外に行ける!」と喜んではいられないですよね。また、昨年までは多くの外国人観光客が日本を訪れていましたが、その足が鈍ってしまうことも考えられます。総合してみると、日本全体としてはデメリットの方が大きくなってしまう気がします。【参考リンク】・「円高暮らしへの影響は?」(くらし☆解説) | NHK 解説委員室()●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年09月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イギリスのEU離脱」です。***6月にイギリスは、EU離脱の是非を問う国民投票を行い、離脱派が勝利。残留派のリーダーだったキャメロン首相は辞任し、テリーザ・メイが首相になりました。投票結果は残留派48%、離脱派52%の僅差。EU離脱の選択は、世界に衝撃を与えましたが、実はイギリス国内でも「まさか本当に離脱になるとは!」と驚きの結果だったのです。離脱に傾いた大きな理由は、難民問題。離脱派の元ロンドン市長ボリス・ジョンソンは、「難民が流れ込んだせいで国内の失業率が上がり、テロの脅威にさらされている。EUを離脱し、イギリスは主権を取り戻すべきだ」と主張しました。EU(欧州連合)とは一つの大きな国のようなものです。第一次、第二次世界大戦で大きな犠牲を払ったヨーロッパは、資源争いによる敵対をやめ、まとまる必要に迫られました。EUを立ち上げ、資源を分かち合い、関税を取り払って、人・もの・お金が自由に行き来できるようにしました。ヨーロッパ全体で協力し合うことで、安全保障と大きな経済成長を得たのです。しかし、EU加盟の恩恵は国ごとに差があります。イギリスやフランスは借金の多い国々を助ける役回りになり、経済的負担は少なくありません。また、EU内には法律があるので、国内で勝手に物事を決められない不自由さも出てきました。ジョンソンが「主権を取り戻す」と言ったのはそういう理由です。ジョンソンは有力な次期首相候補でしたが、離脱が決まると立候補を取り下げてしまいました。他にも、国民投票後に現場を退いた離脱派の政治家もいました。つまり、覇権争いのために、離脱の主張をしていた議員が少なからずいたということ。それだけ、国民の不満は募っており、支持を得るには格好のテーマだったのです。首相のなり手はなかなか見つからず、残留派だったメイが名乗りをあげます。メイ首相は22人の閣僚のうち7人に、ジョンソンを含む離脱派の閣僚を据えました。離脱のニュースの後、ポンドは下落、円高ドル高の流れに。世界経済にも影響を及ぼしています。イギリスがEUを離れ、どんな政策で問題解決していくのか世界が注目しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月31日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月30日きょうは、『イギリス人の、割り切ってシンプルな働き方 “短く働く”のに、“なぜか成果を出せる”人たち』(山嵜一也著、KADOKAWA)という書籍をご紹介したいと思います。著者は、日本の大学院で建築設計を学んだのち、2001年に渡英したという一級建築士。以来10数年にわたり、ロンドンの住宅の改修や、橋、音楽堂などさまざまな建築の設計に携わってきたのだそうです。そんな経験を積み重ねてきた結果として得たのは、「成熟国の先輩」であるイギリスならではの生き方・働き方があるという実感。そして、そこには日本人が学ぶべき(取り入れることのできる)多くの学びがあると感じたのだといいます。それは、「成熟国に暮らす人たちの知恵」。■無理な成長を目指していない一般的にイギリス人は、“肩の力を抜いている”といわれます。それは「無理な成長を目指していない」ということでもあり、そこに私たち日本人にはないポイントがあるということ。ひとつひとつのことを割り切り、できないことを無理してやらない。だからこそ、持続的に、効率よく、淡々と生活できるということなのでしょう。実際のところ、イギリスにおける「総労働時間」は日本より低いにもかかわらず、「労働生産性」は日本より高いというデータもあるのだといいます。■他人のボロい服を気にしないところで著者によれば、イギリスにはボロい服を着ている人が多くいたのだそうです。穴が空いていたり、ほつれていたりしていても、気にすることなく平気で着ているというのです。地下鉄やバスでそういう人をよく見かけただけではなく、会社の同僚たちも、普段着はあまり気にしていない様子。周囲がそんな感じなので、やがて著者もその感覚を身につけてしまったというのは、なかなかおもしろいエピソードではないでしょうか。では、イギリス人はケチだから服を買わないのかといえば、そういうわけではないというのです。つまり彼らはファッションにではなく、たとえばアートなど、自分にとって価値のあるものにお金をかけるということ。事実、「どうしてこんなところにお金をかけるんだろう?」と不思議に思うこともあったといいます。その例として紹介されているのが、世界中から作品を募る公募展「ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ・サマー・エキシビション」での体験。18世紀から240年以上続く歴史ある展覧会だそうですが、そこに「部屋を掃除したら出てきた、ちょっと日に焼けた建築模型」を応募してみたら、入選して展示され、買う人がいたというのです。アートの展覧会に建築模型が出品されること自体が不思議な話ですが、イギリスではアートと建築の距離が非常に近く、絵画、彫刻、写真などの部門と同様に“建築部門”もあるとか。それにしても、「どうせ誰も買わないだろうから」と、かなり高めの金額をつけておいた建築模型が売れたことは、著者にとっても新鮮な出来事だったようです。■アートを所有することに喜ぶたしかに昨今では、アートが投資の対象として見られている側面もあるでしょう。それも事実ではありますが、他方には、純粋にアートを所有することに喜びを感じている人も、イギリスには多くいたといいます。その証拠に、友人たちの家を訪れると、絵画や写真などが額に入れられて壁にかかっていたりするそうで、なんとも素敵な話ではあります。そういう価値観の持ち主に囲まれていたことも影響してか、著者自身も、小さな彫刻を買ったことがあるのだそうです。もちろん投資になるようなものではなく、そもそも投資目的ではなかったわけですが、「世界にひとつしかないもの」を買ってみると、アートを見る目が少し変わったように思えたのだというのです。そんな経験があるからこそ、おしゃれな服を着飾ることで日常に潤いが得られるのと同じように、1枚のアートを部屋の壁に飾ることは気持ちに潤いを与えてくれると著者は述べています。もちろん重要なのは、高い金額の絵画や彫刻を買うことではないでしょう。ただ、自分へのご褒美として手に入れる服やバッグの代わりに、アートを買うという行為も、きっと日常を楽しくしてくれるということ。著者はロンドンでの生活のなかで、日本人の価値観とは異なる新鮮な思いを身につけたということなのかもしれません。*他にも、日本人にとっては新鮮なエピソード満載。視野を広げてみるという意味でも、読んでみて損はない一冊だといえます。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※山嵜一也(2016)『イギリス人の、割り切ってシンプルな働き方 “短く働く”のに、“なぜか成果を出せる”人たち』KADOKAWA
2016年06月19日女医でタレントの西川史子(45)が19日、TBS系バラエティ番組『サンデー・ジャポン』(毎週日曜9:54~11:30)に生出演。不祥事続きの政治家について、「政治家という職業が下品になっている」と苦言を呈した。番組では、舛添要一都知事の辞職決定のニュースを紹介。次期都知事の候補について意見を言い合った。西川は「舛添さんだけではなくて、その前の猪瀬さんも、石原さんも同じようにファーストクラスを使ったり、いろいろしてきた」と指摘し、「政治資金規制法を見直さなきゃいけない。この人だけの問題じゃない」と根本的な見直しが必要だと主張。「政治家という職業があまりに下品になっているのがよくないなと思いますね」と話した。タレントのテリー伊藤は、次期都知事について「想像力のできる知事」が必要だと意見。「『(東京)オリンピックを成功させる』って言うけど、オリンピックはほとんど成功しますよ。大事なのは、そのあとの"オリンピックロス"」と持論を展開し、「特に団塊の世代はとりあえず2020年まで頑張ろうとか、もっと上の人はあそこまで生きようかとか…。2020年以降、都民をどう導いていくか」と語った。
2016年06月19日「金継ぎ」とは破損してしまった陶器の破片を、接着しなおし継ぎ目に金をあしらって修復する技法で、古くから行われてきた。イギリスのアーティスト、シャーロット・ベイリー(Charlotte Bailey)はその技法にインスパイアを受け、自身のアレンジを施した作品を完成させた。刺繍アーティストとして活動する彼女が制作した「金継ぎ」の作品は、自身のウィローパターン(柳が細かく描かれた模様)の陶器を誤って割ってしまったことがきっかけだった。西洋は「使い捨て」の文化とされ、作品に用いられた技術や、それらが持っている社会や文化における重大で価値のある役割を評価することはほぼないのだそうだ。彼女は破損してしまった陶器を修復し、新たな美しさを与え生まれ変わらせる金継ぎの技術と、西洋の考え方との違いに大きく感銘を受けたという。彼女の作品は、破片を布で包みそれぞれを金の糸で縫い合わせて元の形に修復するというもの。ボンドなどは一切使用しておらず、縫う事だけで完成させた。制作の行程には多大な忍耐が必要で、金継ぎ師の技術とそのクラフトマンシップについて深く考える時間を与えてくれた、と彼女は語ってくれた。“HANGING BY A THREAD EMBROIDERY”という名義で活動するシャーロットは、複雑で細かい刺繍を得意としているそうだ。彼女のFacebookページでは、刺繍を立体物にした作品やお菓子のパッケージのパロディ、ビール瓶のラベルなど様々なものを刺繍として表現している様子が日々アップされている。※本記事は (引用元: , に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
2016年05月27日俳優の坂上忍(48)が13日、フジテレビ系情報番組『バイキング』(毎週月~金11:55~13:45)で、高額海外出張費や公用車での別荘通いに加え、政治資金規正法違反の疑いがあると報じられた舛添要一都知事について言及した。会議費として記載されている支出が家族旅行の費用だった可能性があると指摘されている舛添都知事。12日にBSフジの報道番組に出演するも、「精査したうえでお話ししたい」などと話すにとどまった。本日13日の定例会見で説明すると見られている。坂上は「テレビで名を挙げて政界に進出した方。テレビの怖さや視聴者の目の怖さを知っている人だと思っていた。会見の前日のテレビ出演で、手ごまいくつか持っているのかと思ったら、まさかの手ぶらだった」と批判。「精査」という言葉を連発していたことに「がっかりした」とコメントした。そして、「無駄遣いの範疇だったらちゃんと謝って任期まで務めてほしい」と言うも、政治資金規正法違反の疑いも出てきたことから、「これが事実だとすると、論調としては辞任の方に流れていく」と懸念。「そうすると選挙で金がかかるし、抱えている案件も途中で止まるか1からやり直さないといけない。選挙で2億、3億? たまったもんじゃないよ!」と怒りを示した。
2016年05月13日東京・青山のブリティッシュメイド(BRITISH MADE)青山本店、及び隣接ショールームでは5月14日、15日に、イギリスの食を楽しむイベント「ブリティッシュマーケット キッチン(British Market Kitchen)」が開催される。会期中は、様々なシェフや講師が集結し、イギリス料理やお菓子の料理教室を開催。モダンブリティッシュ料理から駐日英国大使公邸シェフによるイギリス伝統料理まで個性溢れる料理を学ぶことができる。5月14日は、11時30分から「ファッジづくりワークショップ」を、13時30分から「ロンドン本店で人気のモダンブリティッシュサラダ」を、17時30分から「イギリスのプラウマンズランチを開催。5月15日には、12時からフードジャーナリストの斉藤理子によるトークイベント「イギリスの食~80年代から現代まで」が行われる他、14時30分からイギリスの伝統料理である「サルタナスコーン」、16時30分から同じく伝統料理の「コロネーションチキンサラダ」の料理教室が開催される。料理教室の各回着席定員は25名を予定。参加費は14日が1,000円、15日が2,000円で、5月15日のトークイベントのみ1ドリンク付きで1,000円。イベント当日の立ち見での参加は無料となっている。予約はブリティッシュメイドオンラインショップ()で受け付ける。また、テイクアウトメニューやキッチン雑貨、書籍なども販売。湘南 蔦屋書店による書籍や、CASALAGOによるストライプのデザインが特徴的なT.Gグリーンのコーニッシュウェアをはじめとしたキッチンウェアやテーブルウェア、北イングランド・ヨークシャーの英国王室御用達のデイリーティー、THE OLD ROCKによるイギリスのビールを始めとしたドリンクなどが展開される。【イベント情報】「ブリティッシュマーケット キッチン」会場:BRITISH MADE 青山本店及び隣接ショールーム住所:東京都港区南青山5-14-2 Kizunaビル1・2階会期:5月14日、15日時間:5月14日は11:00~20:00、15日は11:00~18:00
2016年05月05日