国立感染症研究所が11月24日に発表した感染症発生動向調査によると、直近の11月9~15日の期間中のインフルエンザ患者は全国で707人だった。まだ少数だが、昨シーズンは12月上旬で流行期入りが確認されており、今シーズンもこれから流行期にむかっていくことになる。頭痛や関節痛、倦怠(けんたい)感など複数の症状が出るインフルエンザだが、実際にはどの症状がどの程度現れるのだろうか。今回は、インフルエンザ感染を経験したことがあるマイナビニュース会員300名に「経験したことがあるインフルエンザの症状とその程度」について聞いたので、詳しく紹介しよう。Q. 経験したことがあるインフルエンザの症状を教えてください(複数回答可)1位: 悪寒(80.0%)2位: 発熱を伴う頭痛(58.3%)3位: 関節痛(51.3%)4位: 鼻水(43.3%)5位: 倦怠感(42.7%)6位: せき(35.0%)■悪寒・「とにかく毛布を何枚かぶっても寒かった」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「背筋がゾクゾクする感じ」(50歳以上男性/金融・証券/専門職)・「関節が痛くて動くのがつらいのと、震えが止まらず熱を測ると40度を超える熱が出ていた」(25歳女性/食品・飲料/専門職)・「ふとんにくるまっているのに寒くて仕方がない。ぶるぶるふるえながら寝、寒くなくなったと思ったら今度は暑くて汗。せきが出始めるとおなかと横隔膜あたりが痛いし、夜もとぎれとぎれしか寝られなくて大変だった」(34歳女性/自動車関連/秘書・アシスタント職)■発熱を伴う頭痛・「頭痛薬がないと眠れないくらい」(30歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)・「喉の痛みから始まり悪寒や頭痛。病院でインフルに伴うぜんそくから肺炎になりかけていると言われた。点滴やレントゲンで治療費支払時に一万を超えてしまい、お金がたりなくてビックリした」(42歳女性/その他/その他)・「天井が回っているようでずっと酔っているようだった」(23歳男性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「朝起きたときから異様な頭痛でふらつきがひどい。病院にいざ行こうとしても寒気がひどく、歩くのも足が痛んで正直行くのも辛い」(32歳女性/医療・福祉/専門職)■関節痛・「関節が痛くなって、全く動けなくなって寝込んだことがあります」(44歳男性/情報・IT/技術職)・「最初は『筋肉痛かな? だるいし』と思っていたら、のどから始まりいろんなところが一気に来た」(29歳女性/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)・「身体の骨が痛くてだるすぎて動けなかったです」(37歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「非常に体が重くなって、節々が痛くなりました。寝ても寝ても治らない上に、痛くて寝転ぶのも起き上がるのもつらかったです」(25歳女性/情報・IT/技術職)■鼻水・「寒気がして、節々が痛くなると高熱が出たと感じる。そのあと、咳や鼻水、喉の痛みが止まらなくなり、黄色い痰が出ると熱っぽい感じがする」(26歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「まず、とにかく透明の鼻水が大量に出て、翌朝からドンドン熱が上がり頭痛と関節が痛くなりました」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「最高で39.3度の熱が出て、1日に50枚くらいティッシュを使うほど鼻水が出た」(33歳男性/医薬品・化粧品/技術職)・「いきができない」(33歳女性/自動車関連/事務系専門職)■倦怠感・「倦怠感がひどく何もする気になれなかった」(26歳男性/電機/技術職)・「気分が悪くて立ち上がれないほどしんどかったです」(31歳男性/食品・飲料/販売職・サービス系)・「最悪の二日酔いが3日くらい続いているような気だるさと吐き気、悪寒で死にそうだった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)■せき・「震えが止まらないほど寒い。せきが止まらず呼吸ができないほど」(47歳男性/電力・ガス・石油/技術職)・「勤務中に体調が悪くなりました。朝はいつも通りだったのですが、お昼ごろからのどが痛くなり、退社する頃には声が出なくなってしまいました。家に帰ってから熱を測ったら38.5度くらいあり、関節が痛かったです」(50歳以上女性/その他/その他)・「高熱が出て意識がもうろうとした。せきが止まらなかった」(34歳女性/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)■総評1位は80.0%の人が回答した「悪寒」だった。回答者の多くは「震え・寒さが止まらない」「体をどれだけ温めても寒い」「布団を何枚重ねても寒い」などの意見を寄せており、相当耐え難い寒さに苦しめられたことがうかがえる。58.3%で2位になったのは「発熱を伴う頭痛」。38度以上の高熱にうなされ、眠れないほどの激しい痛みや、頭をグルグルと回されているかのように感じる頭痛を経験した人が見られた。3位は51.3%の人が支持した「関節痛」だった。回答者の意見を総合すると、「最初は筋肉痛かとも思ったが、体の節々が異様に痛み出して動けないほどになり、痛みで眠れないときもあった」となる。そのほかでは「痰(たん)」(20.7%)、「吐き気」(20.3%)、「下痢」(14.0%)などの症状にさいなまれた人も見られ、まさに「脅威」の一言がふさわしいインフルエンザ。ワクチン接種が効果的な予防策だが、有効期間は接種から2週間~5カ月ほど。昨年の接種分による効果は期待できないため、気をつけよう。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年10月29日~10月31日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月25日「教えて!『かくれ脱水』委員会」はこのほど、ノロウイルスとインフルエンザに関するセミナーを東京都内で開催。感染症の有識者が登壇し、2015-2016シーズンの傾向や感染した際の対処法などについて講演した。○医療機関あたりの患者数はノロの方が多い首都大学東京の矢野一好客員教授は「ノロウイルス感染症とインフルエンザに関する今シーズンの特徴」との題で講演した。ノロウイルスは冬季の感染性胃腸炎や食中毒の原因となるウイルスで、感染すると下痢やおう吐、吐き気などの症状を引き起こす。冬に流行するウイルスといえばインフルエンザを真っ先に思い浮かべる人も少なくないだろうが、ノロウイルスの感染力も相当な驚異だ。矢野客員教授はその証拠として、全国に数千カ所ある定点医療機関からの患者報告数を挙げる。2000年から2011年までの12年間においては、1つの医療機関から感染性胃腸炎の患者が年間平均で321.17人報告された。一方で、インフルエンザの患者は255.52人と、感染性胃腸炎の約8割にとどまっている。○今冬は「新型ノロウイルス」が流行か多くの患者をうみだすノロウイルスだが、今シーズンはウイルスの遺伝子型がこれまでと微妙に異なる「新型ノロウイルス」が流行しそうだと矢野客員教授は懸念している。「2006年、2012年、昨年に主に流行していた遺伝子型は『GII.4』です。今年は今まで流行していなかったウイルスの『GII.17』が、少し変異して流行しそうということで注意喚起をしているところです」。「新型ノロウイルス」の症状や感染経路は従来と変わりはない。ただ、これまで日本で流行したことがない遺伝子型がやや変異しているため、私たちの体に免疫がなく、今冬に一気に感染が広まる恐れがある。例年以上に予防や感染防止対策に努めたほうがよいだろう。矢野客員教授はインフルエンザに関しても言及。今年は11月初旬の時点において、AH3亜型やB型など複数のウイルスが検出されており、どれが流行するか予測しづらいという。ただ、検出されているすべてのウイルスは今年のワクチン株に含まれているとのことなので、予防接種の効果は見込めそうだ。○ウイルスに感染した際は脱水に注意だが、どれだけ予防をしていたとしても、ノロとインフルエンザという2つの強力なウイルスから体を100%守りきることは不可能だ。そのため、有事に備えて発病してしまった際のケア方法について、済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科の十河剛医師が解説してくれた。十河医師はウイルスに感染した際、「自分の免疫で体からウイルスを排除するまでの期間をどのように過ごすかが重要」としたうえで、特に大事な取り組みとして「脱水予防」を挙げた。脱水は、体に入ってくる水分より出て行く水分が多くなるために起きる。ノロウイルスやロタウイルスなどの消化管感染症は下痢やおう吐、食事摂取量低下などが、インフルエンザやRSウイルスなどの気道感染症では、食事摂取量低下や発汗などが脱水の主な原因となる。○経口補水療法の効果特に感染性胃腸炎に由来する下痢・おう吐では、体内の水分と共にナトリウムやカリウムなどといった電解質も失われてしまう。電解質は筋肉細胞や神経細胞の働きなどに関わっているため、これらの症状に悩まされた際は水分と一緒に電解質も摂取することが重要だ。市販されているスポーツドリンクにもナトリウムやカリウムが含まれているが、含有量が十分ではない。そこで、十河医師は手軽に失われた電解質を補うためには、電解質と糖質の配合バランスが考慮されている「経口補水液」が有効だと話す。実際、患者に経口補水液を摂取させる「経口補水療法」は、点滴と同等の効果が得られるそうで、「ほとんどの人が経口補水療法だけで大丈夫だと示唆するデータも出ています」。経口補水療法で重要なのは「1回5ccを、1~5分ごとに飲ませる」ことだ。5ccはティースプーン1杯分に相当し、「おう吐があっても少しずつ飲ませましょう」と十河医師は力を込める。感染性胃腸炎のおう吐のピークは半日から1日程度のため、吐き気が止まれば少しずつ一度に飲ませる量を増やしていくとよい。○水分と一緒に電解質の補給をノロウイルスもインフルエンザウイルスも、感染拡大を防ぐためには「手洗い」や「マスク」が基本となるのは共通している。そして、原因は違えど脱水症状につながる恐れがある点も共通している。今冬はできる限りの予防をしたうえで万一、感染してしまった場合は水分と一緒に電解質もしっかりと補給するようにしよう。
2015年11月21日ライトエアはこのほど、同社が開発した空気清浄の技術「イオンフロー」の機能として、空気中のウイルスの感染力を低下させる効果があることが証明されたと発表した。同社は11月17日、東京都港区のスウェーデン大使館にて記者会見を開催。その研究成果について説明した。○イオンの力でインフルエンザウイルスなどを除去同社が開発した「イオンフロー」は、毎秒数十億ものマイナスイオンを放出することで、空気をきれいにする空気清浄の技術。同技術の特徴は、空気中に浮遊している粉じんやカビなどの粒子にマイナスの電荷を与えて「イオン化」することだ。"プラス"の電荷を帯びた清浄機の収集板に、"マイナス"の電荷を帯び「イオン化」された微粒子が吸い寄せられる仕組みになっていて、結果的として有害な微粒子を取り除くことができる。同社代表取締役社長のロジャー・ソヤ氏は、「花粉やバクテリアに限らず、PM2.5やインフルエンザウイルス、ノロウイルスなどのナノ粒子(大きさが0.1マイクロメートル以下の微粒子)も除去できる」とアピール。0.007~0.1マイクロメートルのナノ粒子は99.93%以上取り除くことができるという。○「除去」するだけでなく「感染力」も低下させるインフルエンザをはじめとしたウイルスを取り除くことができるという同技術。さらに今回、「ウイルスの感染力を低下させる効果がある」ことが証明されたという。スウェーデンのカロリンスカ研究所などが行った研究では、同技術を使って「イオン化」させたウイルスの感染力を調査。研究の結果、空気中に浮遊するウイルスの感染力が97%以上低下することがわかった。加えて、インフルエンザウイルスに感染したモルモット4匹を入れたゲージAと、感染していないモルモット4匹を入れたゲージBを24時間横に並べて置き、ウイルスの感染力を確かめる研究も実施。2つのゲージの間に「イオンフロー」の技術を搭載した空気清浄機(作動中)を置かなかった場合では、Bゲージのモルモット3匹が感染した一方で、同空気清浄機(作動中)を置いた場合ではBゲージのモルモットが1匹も感染しなかった。これらの成果は、世界的に権威があるとされているオンライン科学誌「Nature Scientific Reports」にて発表されたとのこと。説明にあたった同社のジュリアン・リー氏は、「ウイルスの感染力を低下させる効果があるということを実証データで示せる空気清浄の技術は、世界でも『イオンフロー』のみだ」と強調した。同技術を搭載した空気清浄機「ライトエア イオンフロー50」は、商品のサイズによって価格が異なり、3万7,000円(税込)から購入が可能。有害な微粒子を集める収集版には水洗いが可能な金属製の部品を使っているため、フィルター交換の必要がない商品となっている。インフルエンザの流行期が近づくこの季節、予防対策の1つとして取り入れてみてもいいかもしれない。
2015年11月18日朝や夜の冷え込みが厳しい時期となり、いよいよインフルエンザの季節が近づいてきた。激しい寒気や頭痛、関節痛などに悩まされないようにするための予防策としては、ワクチン接種がある。ただ、ワクチン接種は1回につき数千円の費用がかかり、決して安くはない。また、症状の重症化リスクの低減などの効果はあるが、接種すれば100%発病を防げるというものでもない。そのため、ワクチンを接種するか否かは個人で意見が分かれるところだろう。そこでこのほど、インフルエンザに感染した経験があるマイナビニュース会員300名に「インフルエンザワクチン接種の有無」とその理由を聞いてみたので、今回は接種経験がある人の意見を紹介しよう。Q. これまでにインフルエンザのワクチンを接種した経験はありますかはい: 68.0%いいえ: 32.0%Q.「はい」と回答した人にお聞きします。ワクチン接種を受けるにいたった具体的な理由を教えてください■仕事編・「会社が接種費用を負担してくれるから」(30歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)・「冬場忙しい会社なのでみんなで受けることになった」(33歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)・「会社の福利厚生で周りの人が受けていたから」(26歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「会社から補助金がでるのと、販売職で不特定多数の人と会うので」(33歳女性/小売店/販売職・サービス系)・「薬局勤務でインフルエンザ患者も来る機会があるので、対応策として実施している」(32歳女性/医療・福祉/専門職)・「接客業で人に移すといけないから」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/団体・公益法人・官公庁)■家族編・「父親が病気なので、父親に移さないよう自分も受けている」(26歳女性/団体・公益法人・官公庁/営業職)・「妊娠したから」(30歳女性/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)・「子供の入試の年に受けるようになって、習慣化している」(50歳以上男性/電機/技術職)・「結婚前は空港勤務だったため、半強制接種だった。子供ができてからは、親子共々、なるべくかからないように、かかっても軽くすむようにと接種している」(31歳女性/その他/その他)・「子どもに移さないために予防接種を受けようと夫婦で話し合いました」(47歳男性/その他/クリエイティブ職)■学業編・「就職試験の年だったから」(33歳男性/電機/技術職)・「実習をする上で必要だったから」(23歳女性/医療・福祉/事務系専門職)・「小学生の頃に勧められて受けたことが何度かあったと思う。それ以後は受けていない」(50歳以上男性/学校・教育関連/事務系専門職)・「大学受験を控えていたため、少しでもリスクを減らそうと思って」(27歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「小学校、中学校でシーズンごとに注射を受けた」(48歳男性/食品・飲料/事務系専門職)■過去の恐怖編・「一度インフルエンザによる高熱でけいれんした経験があり、インフルエンザになるのが怖いから」(29歳女性/学校・教育関連/専門職)・「もう二度と嘔吐で苦しみたくないからです」(31歳女性/その他/その他)・「ワクチン接種をしなくても大丈夫と思っていたが、意に反して感染し、ひどい目に遭った経験から接種が必要と思った」(50歳以上男性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「その年にインフルエンザにかかるかどうかはわからないけど、苦しい思いをする可能性が限りなく減らせるなら、ワクチン代も惜しくないと思ったから」(32歳男性/小売店/事務系専門職)■その他・「はやるって言われたのと、医者のすすめ」(28歳男性/小売店/販売職・サービス系)・「新型ウイルスがはやったので」(33歳男性/機械・精密機器/技術職)・「海外に長く旅に出る予定だったので」(32歳男性/食品・飲料/技術職)・「テレビで感染者が増えてると聞いて不安になったので」(32歳男性/商社・卸/営業職)・「メディア等で啓発CMを見たので」(24歳女性/その他/事務系専門職)■総評回答者の約3分の2にあたる204人が過去にワクチン接種をした経験があるという結果となった。その理由の内訳は「学校・受験関連」(約25%)、「仕事・会社関連」(約22%)、「家族関連」(9%)の3つに大別できた。各理由を細かく見ていくと、「学校・受験関連」では「小中学校で必ず接種された」と「受験を控えていたから」という回答が圧倒的多数だった。「仕事・会社関連」では、会社から補助金が出たり、職場の決まりで全員接種が義務付けられていたりするというケースが目立った。「家族関連」では、特に子どもがいる家庭において接種する傾向が高かった。厚生労働省によると、ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種してから2週後から5カ月程度まで(13歳未満の場合は2回接種してからの期間となる)だ。なお、2014-2015シーズンは、12月5日の時点でインフルエンザ流行期に突入したことが確認されており、これは直近10年間で2番目の早さだった。2015-2016シーズンも昨シーズンと似た時期に流行期入りするとしたら、そろそろワクチンを接種しないといけないタイミングと言える。今シーズンの接種を考えている人は、早めに医療機関などを訪れるようにしよう。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年10月29日~10月31日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月16日QLifeはこのほど、インフルエンザワクチン接種価格の調査結果を明らかにした。同調査は、ホームページ等で同ワクチン接種価格を公開している全国1,470施設ならびに開業医対象にインターネット調査で収集した150施設の金額を集計したもの。全国平均は3,204円で、昨年(2014~2015年シーズン)と比較すると、265円の大幅アップだった。東京都は3,440円(前年比440円アップ)、大阪府は3,165円(前年比282円アップ)となっている。分布を見ると、3,000円ないし3,080円が最も多く、全体の62%を占めている。それ以外では3,500円、4,000円が多く、昨年は多かった3,000円未満のクリニックは、ほとんど見られなくなった。同社では、値上げが患者の実質負担にどの程度の影響があるのか計算した結果も公表している。東京都の440円アップを例に検証すると、小学生の子ども2人がいる4人家族の家庭では、440円が6回(小学生は2回接種が必要)で、合計2,640円の実質負担増となることがわかった。ただし小学生の接種には公的補助がある自治体も多いため、千代田区や台東区など比較的助成額が厚いところでは、昨年比30%近い支払額アップとなる見込みだという。大幅に価格がアップした理由について、同社では「2015年度からインフルエンザワクチンが3価から4価に変更されたこと」を挙げている。変更により、ワクチン納入(仕入れ)価格が上昇したことが値上げの主な原因ではないかと分析している。また、インフルエンザ予防接種を行う開業医150人に対してワクチン接種に関するアンケート調査も行ったところ、95%がワクチン納入価格(仕入れ額)が「昨年より値上がりした」と回答した。接種料金からワクチン原価を引いた損益について尋ねたところ、46.8%が「減らした(利益をマイナス方向にした)」と回答した。その理由として「価格を上げると接種人口が減る可能性がある」「むしろ集客のチャンスとしたい」「ワクチンでもうけようとは思っていない」などの回答が挙がった。今期のインフルエンザワクチン接種の傾向について聞いたところ、20.7%が「あえて接種しない人が増えている」、21.3%が「接種したくてもできない人が増えている」と回答した。「4価になったことを喜ぶ人が多い」と感じている医師は6.7%と1割に満たなかった。
2015年11月11日ドリテックはこのほど、「デジタル温湿度計」(品番: O-269)を発売した。同商品は、熱中症・インフルエンザの危険度の目安が顔の表示でわかるデジタル温湿度計。液晶画面では、表情、温度、湿度の順に繰り返し表示。遠くからでも表示がはっきりと見える大画面で、表情パターンも、笑顔、注意を促す顔、マスクをしている顔(インフルエンザ)、汗をかいている顔(熱中症)など危険度にあわせて変わる。便利なスタンド付きのため、立てて使用するほか、フック穴を利用すれば壁に掛けても使用できる。参考価格は1,780円(税別)。カラーはホワイト、ピンク。測定間隔は約10秒。表示温度範囲は-9~50.0度、表示湿度範囲は10~99%。
2015年11月06日ファイザーはこのほど、「長寿社会ニッポンにおける感染症の潜在リスクと最新対策」と題したセミナーを東京都内で開催。慶応義塾大学医学部 感染症学教室の岩田敏教授が登壇し、ワクチンによる感染症対策などについて講演した。○2025年の医療費は50兆円以上?医学雑誌「Lancet」にて最近発表された研究によると、日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間)は73.4歳(2013年時点)で世界でもトップだという。定年後の人生を積極的に楽しむアクティブシニアが増えてきていることが伺える一方で、超高齢社会に伴う医療費も問題になっている。厚生労働省の試算などによると、2008年時点で34.8兆円だった国民医療費は2025年には52.3兆円まで膨らむと見込まれており、そのうち老人医療費は24.1兆円を占めるとされている。そのため、岩田教授は「超高齢社会における医療費の問題や健康寿命を鑑みると、感染症予防と予防接種の果たす役割が大きいのではないか」と提唱する。感染症を予防する手段の代表例としては、ワクチン接種があげられる。VPD(Vaccine Preventable Diseases: ワクチンで予防できる疾患)は、成人では「インフルエンザ」「肺炎球菌による感染症」「破傷風」などが、小児ではこれらに加え、「結核」「ポリオ」「水痘」「ロタウイルス」などがある。岩田教授は「ワクチンというと『子供が中心』と考えがち。もちろん子供に対してワクチンを打つのはとても大事ですが、大人にも必要なワクチンがあるんです」と力を込めるが、実際は成人の予防接種への意識は高くない現状が伺える。○成人のワクチン接種率は4割同社が7月28日から8月7日にかけて、各都道府県に住む60歳以上の男女150人(合計7,050人)を対象に行った調査によると、成人してからワクチンを接種した経験がある人は2,998人と全体の4割ほどにとどまっていた。そのうち、最も多かったのはインフルエンザワクチン(2,302人)で、その次に多かったのが肺炎球菌感染症(肺炎)ワクチン(1,501人)だった。最多となるインフルエンザワクチンですら、全体の32%ほどしか接種していないこととなり、予防接種への関心率の低さが浮き彫りとなっている。ワクチン接種率の低さの原因として「感染を100%防げない」をあげる人も少なくないだろう。ただ、重症化を防いだり、死亡リスクを低減させたりするなど、一定の臨床効果は示されている。例えば、インフルエンザワクチン接種率と学級閉鎖日数の相関を見ると、ワクチン接種率が高いほど学級閉鎖日数が少ないなどの結果も得られており、「一定の接種率を確保すると、学校などでの集団生活の中でインフルエンザが流行するというのは、ある程度抑えられます」。ただ、今年は従来よりも対応ウイルスの種類を増やしたワクチンに切り替えられている。これまではA型2種とB型1種だったが、新たにB型をもう1種増やして4種類に対応するように変更。そのため、ワクチン接種費用が高くなる傾向が見られている。岩田教授はワクチン接種に係る料金値上がりに伴う接種率の低下も懸念しつつも、「接種が重要」との見解を示した。○インフル流行時は肺炎球菌のワクチンもインフルエンザ以上に接種率が低い肺炎球菌に関しても、岩田教授はその重要性を指摘している。免疫機能が未発達の5歳未満や機能が低下してくる高齢者(65歳以上)が肺炎球菌による感染症になりやすい。日常生活で発症する肺炎である「市中肺炎」に罹患(りかん)すると死亡リスクが上昇するなど、日常生活に多大な影響を及ぼすことがわかっている。市中肺炎の入院患者の原因微生物を見ると、肺炎球菌が全体の4分の1を占めたという報告があるほか、インフルエンザ流行時に検出された肺炎の原因となった細菌は肺炎球菌が多いというデータもある。「インフルエンザが流行したときは肺炎球菌を起こしやすくなるので、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを一緒に受けておいたほうが予防としてはいいということになります」。肺炎球菌ワクチンの定期接種は2014年10月から開始されており、2018年度までは該当する年度に65歳、70歳、75歳などのように「5歳の倍数となる高齢者」などが対象となっている。また、乳幼児や高齢者だけではなく、喫煙者や糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などを患っている人も肺炎球菌感染症のリスクが高くなる。来る11月12日は「世界肺炎デー」。これを機に、肺炎球菌について詳しく知ろうとしてみるのもいいだろう。○医療従事者と患者間で予防接種の会話増を最後に岩田教授はワクチンが導入・普及されて日本では確実に病気の数が減ってきているとしたうえで、その接種率を高く保ち続けることが大切になってくると指摘。そのために、「医療関係者と患者さんの間で予防接種に関する会話が多くなることが重要」だとした。これからインフルエンザが本格的に流行する時期になる。岩田教授によると、健康な成人におけるインフルエンザワクチンの有効性は約7割だという。1回あたりの接種金額が500円~1,000円ほど値上がりしている病院もあるようだが、ワクチンを接種して自分の体を賢く守るよう、努めるに越したことはないと言えそうだ。
2015年11月02日朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日朝晩の寒暖差や空気の乾燥で、風邪を引く人が増える秋。例年12月頃から流行するインフルエンザも、今年はすでに学級閉鎖が出ています。どちらもウィルスによる感染が原因ですが、疲れていたり、睡眠不足だったりすると、かかりやすくなってしまいます。年末に向けて忙しくなるのに、風邪なんて引いたら大変ですよね。今から予防策をしっかり摂って、普段から免疫力を高めるものを摂りいれることで防いでいきましょう。■免疫力を高める食材6つ(1) ヨーグルト乳酸菌は免疫力を高めて、インフルエンザや風邪に負けない体を作ってくれます。ただし、乳酸菌は腸に定着しないため、毎日取り続けることが大切です。(2) かぼちゃ抗酸化作用があるβカロチンは、粘膜などの細胞を強化することで免疫力を高めます。空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。(3) バナナバナナには腸内の善玉菌の栄養源になるオリゴ糖や、抗酸化作用があるポリフェノールが含まれ、白血球の数を増やし体の免疫機能を高める効果があります。(4) にんにくにんにくに含まれるアリシンには強い抗菌作用があり、免疫強化につながります。(5) 大根おろし生の大根には酵素が豊富に含まれるので、生食がおススメです。特に、大根はおろすことで生まれる辛み成分「イソチオシアネート」に解毒作用、抗菌作用、抗炎症作用などがあります。イソチオシアネートは時間が経つと分解されるので、早めに食べましょう。(6) 納豆納豆菌は胃酸に強く、生きたまま腸にとどいて腸内環境を整え、免疫力をアップしてくれます。ビタミンやミネラルも豊富に含まれるので、偏食しがちな人には特におススメです。予防には、手洗いのほか、適度な湿度(50~60%)、十分な休養やバランスのとれた栄養摂取なども日ごろから心がけた上で、免疫力を高める食材をプラスαで加えてくださいね。
2015年10月24日今年は早くも9月の初めに、神奈川県茅ケ崎市でインフルエンザによる学級閉鎖がありました。インフルエンザが猛威を振るうのは12月から2月くらいの寒さが最も厳しい時期とされてきましたが、実は、数年前に新型インフルエンザが流行して以降、10月や11月に流行することも珍しくなくなってきています。今年も、早めの対策を考えておいたほうがいいかもしれません。しかも、今年からインフルエンザの予防接種が変わるのだとか。そこで、静岡県浜松市にある北原内科医院院長で医学博士の北原亮先生に、インフルエンザの基礎知識と今年の予防接種について教えていただきました。■インフルエンザは「A型」「B型」の2つが危険人間に感染するインフルエンザウイルスには、「A型」「B型」「C型」の3つがありますが、特に症状がひどくなるのは、「A型」と「B型」です。「A型」のうち、「A香港型」や「Aソ連型」などは耳なじみがあるかもしれませんね。話題になった新型インフルエンザも「A型」の仲間です。「A型」は毒性が強く、感染力も強いため、流行すると世界的に広がってしまう恐れがあります。一方の「B型」には、ヴィクトリア系統と山形系統があり、それぞれ遺伝子が違います。■ワクチンは「流行の予測」でつくられていた!?北原先生によれば、「インフルエンザは予防接種だけで完全に感染を防げるわけではありませんが、予防接種を受けておけば、インフルエンザウイルスに感染しても重症化を防ぎ、日常の社会生活の妨げになる入院や長期休養などの状態を避けることが期待できる」とのこと。ところでインフルエンザのワクチンは、実は毎年同じものではありません。大まかにいって「A型」から2つ、「B型」から1つ、どのタイプが流行るか、その年ごとに専門機関が予測して、流行しそうな型に対応したワクチンがつくられているのです。だから、見事予測に的中したときにはいいのですが、予測しきれずに外れてしまった年も残念ながらあったようです。■2015年から3価から4価のワクチンへ変更に特に「B型」は、近年、2種類のうちのどちらかの系統だけが流行るのではなく、混合した流行が続いていました。そのため、ワクチンをAB合わせて3タイプに対応した「3価」から、4タイプに対応した「4価」にしようという動きが世界的に起きてきました。日本でも今シーズンから、この「4価」ワクチンが導入されています。これにより、B型のどちらが流行しても、また、混合した流行になっても対応できると期待されています。ワクチンの効果が現われるのはおよそ2週間後からで、その後、約5カ月間持続するといわれています。流行してから慌てて予防接種を受けるのではなく、早めの接種が勧められるのはそういう理由なんですね。■予防接種の料金は病院が独自に設定しているインフルエンザの予防接種は、病院によって値段が違っています。今年は特に、「3価」から「4価」になったことで値上げをしている病院がほとんどのようです。ただし料金が違っても、使われているワクチンはほとんど同じもの。料金の違いは、仕入れるメーカーや人件費などが病院によって事情が様々に違うことから生じているようですが、効果はほぼ同じだということです。接種を受けた人でも、受けたことで安心しきって不健康な生活をしていては意味がありません。「手洗いや咳エチケットなどを普段から行っていただくようお勧めします」と、北原先生。なお、現在妊娠中または妊娠している可能性がある方は、予防接種を希望される場合にはまず産婦人科医師に相談してくださいね。(文/宮本ゆみ子)【監修/取材協力】※北原亮・・・医学博士。『北原内科医院』院長(静岡県浜松市西区西山町)。日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医、日本内分泌学会 内分泌代謝科(内科)専門医・評議員、日本甲状腺学会 甲状腺専門医、日本糖尿病学会 糖尿病専門医・研修指導医、日本糖尿病協会 療養指導医、『富士宮市立病院』内科(内分泌外来)非常勤医師、浜松ジャズ協会 会員、新潟清酒達人 金の達人。
2015年10月23日空気が乾燥し始め、そろそろ風邪やインフルエンザなどの感染症が流行りだす頃。手洗いうがい、マスクなどで予防を心がけている方は多いかもしれません。基本的な感染症対策に加えて、もうひとつご提案したいのが「お口の中を潤す」こと。じつは、唾液には雑菌の繁殖を抑えウイルスなどを付着しにくくさせる、いわばお口のガードマン的な役割があるんです。今回は歯科医に教えていただいた「唾液を分泌させて、お口の中をウルウルにする方法」をご紹介します。そういえば最近お口の中が渇きやすい…と感じている女性は必見です!■ストレス、マウスウォッシュの使いすぎも注意! 唾液が減少する原因緊張したとき、口内や喉がカラカラになった経験はありませんか? それもそのはず、唾液とメンタルは密接に関わっているからです。私たちの体は、緊張や高揚、ストレスを感じているとき、交感神経が優位な状態になっています。すると唾液の分泌が抑制され、乾きやすくなります。逆に副交感神経が優位なリラックスモードのときは、唾液が分泌されやすい状態になります。また、歯科医によると「マウスウォッシュ」の使いすぎも、唾液減少のひとつの原因になることがあるそう。マウスウォッシュには揮発性の高いアルコールが含まれているのがその理由。アルコールが少ない低刺激性のマウスウォッシュもあるので、気になる方は成分をチェックしてみてください。 ■今日からできる、お口が潤う2つの習慣では、唾液を正常に分泌させるには? 日常生活に簡単に取り入れられる2つの方法がこちら。1.よく噛むすっぱいものをイメージすると、唾液が出てきませんか? これは脳から「唾液を分泌しなさい」とのサインが出るためです。日頃からよく噛むくせをつけておき、脳からのサインを鈍らせないようにすることが大切です。ちなみに、よく噛むことは脳の活性化やストレスの軽減にもつながるといわれています。ものを食べるときは、しっかりゆっくり噛むことを意識してみてください。2.マッサージで唾液腺を刺激口の中が渇いてきたけど飲み物がなくてすぐに潤せない、そんなときには唾液腺を刺激して口内を潤しましょう。3つある大きな唾液腺のなかで、オフィスでもこっそりマッサージしやすいのが耳の手前横にある「耳下腺」と、両あごのえらの下にある「顎下腺」。方法は簡単。耳を人差し指と中指ではさみ、手のひらであごを包みます。両手でほおづえをつくようなイメージです。そのまま、指や手のひらを軽く動かしてやさしくマッサージ。これだけで唾液がじわじわと出てくるのを実感できるはず。ぜひお試しください。普段はあまり意識していなくても、実は体の健康を保つのに欠かせない唾液。お口の中もお肌と同様、ウルウルに保って冬の感染症にも負けない体をつくりましょう。
2015年09月21日風邪の予防や対策のために、マスクをして寝るという方は少なくありません。しかし「マスクをしたまま寝るのって本当に大丈夫なのかな?」と体への負担が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。寝るときのマスクって睡眠にはOK?風邪の主な感染経路は、鼻や口を通してウイルスが体内に入リ込むことです。そのため、それらの部分をガードしてくれるマスクは、風邪予防に効果的な方法として考えられています。そして、問題の「寝るときにマスクをしていてもよいか」という点ですが、結論からいうと、就寝時は鼻やのどが乾燥しやすいので、それを防ぐうえでとても効果的だそうです。鼻やのどが乾燥してしまうと、免疫力が低下し、ウイルスの繁殖が増長されてしまうからです。ただし、息苦しさを感じるのであれば、睡眠が妨げられてしまうので、注意が必要です。もし、寝ている最中にマスクが原因で目が覚めるようでしたら、マスクのサイズを変えるか使用をやめるようにしてください。夏風邪と冬の風邪は違うので要注意!風邪の予防にマスクは効果的ですが、「夏風邪」については注意が必要です。夏風邪とは、単に夏にひく風邪ではなく、夏風邪特有のエンテロ(腸)ウイルスや、アデノ(のど)ウイルスによる感染症のことを指します。これら夏風邪の原因となるウイルスは、湿気が多く、不潔な環境を好むと言われており、就寝時のマスクがかえって逆効果になってしまうケースもあるのです。だからといってマスクをはずしなさいというわけではありません。大事なのは、定期的にマスクを交換し、きちんと清潔な状態に保つこと。ウイルスが好む環境を作らないことです。夏風邪にかかっているときは普段よりもマスクの管理をきちんと行うようにしましょう。より予防効果を上げるには?寝るときにマスクをして、保湿効果を高めることは風邪予防の第一歩です。さらに効果を高めるためにマスクと並行した風邪対策もご紹介します。風邪予防で大切なのは、乾燥をさせないこと。そのためにも加湿器の使用は有効です。もし、加湿器がない場合は水を入れたコップなどを枕元に置くだけでも違うと言われています。加湿による結露が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は結露が起きるくらいのほうが風邪の予防には適しているのだそうです。このように、適切なマスクの使用は風邪予防に有効であり、他の対処法と組み合わせることでさらなる効果が期待できます。自身の症状に合わせた方法で取り入れてみてはいかがでしょうか。photo by pixabay
2015年06月15日ファイザーはこのほど、タレントの加山雄三さんを起用した「健康寿命を、のばそう。65歳からのおとなの予防接種」啓発キャンペーンを開始した。同キャンペーンは、65歳以上の人を対象に「健康寿命の延伸とおとなの予防接種」の重要性を広く知ってもらうことを目的に実施するもの。世界でも有数の超高齢社会を迎えた日本では、できるだけ健康に介護などを必要とせず自立した生活を送ることができる「健康寿命」の延伸が大きな課題となっている。そこで重要となってくるのが、さまざまな感染症を予防するワクチン接種。ワクチンは「乳幼児を感染症から守るもの」というイメージが強いかもしれないが、高齢者にとってもワクチン接種による感染症予防が大切となってくる。中でも重要なのが、肺炎球菌による感染症を防ぐ肺炎球菌ワクチンだという。免疫機能が未熟な乳幼児にも免疫が付くように開発され、日本では発売以来5年間で500万人以上の子どもたちに接種されている「肺炎球菌結合型ワクチン」が、2014年6月から65歳以上の高齢者にも接種できるようになっている。肺炎の主要原因である肺炎球菌による感染症は、健康であっても、加齢による免疫力や嚥下(えんげ)機能の低下により感染のリスクが高くなる。肺炎球菌ワクチンの接種は、シーズンに関係なくどの時期でも受けることができる。同キャンペーンでは、加山雄三さんを起用した啓発キャンペーンポスターや啓発用リーフレットを全国の医療機関に設置するほか、新聞・ウェブ、雑誌などへの広告の掲載を予定している。また、「おとなの肺炎球菌感染症.jp」でも健康寿命や肺炎球菌感染症に関する情報提供を行っていく。
2015年05月18日サンワサプライは9日、部屋の温度と湿度に加えて熱中症やインフルエンザの危険度を表示するデジタル温湿度計「CHE-TPHU2W」を発売した。価格はオープン。本体の画面に温度や湿度、時刻などを表示するデジタル温湿度計。温度と湿度は前日と当日の最低・最高の数値を記録して表示可能なほか、暑さ指数(WBGT値)や絶対湿度も表示できる。また、時計にはアラーム機能を備える。室内の温度と湿度の条件から、熱中症の注意や警戒度を5段階で、季節性インフルエンザ流行については3段階で表示する。あらかじめ設定した暑さ指数になると警告ブザーで通知することもできる。本体にはスタンドのほか、裏面にはロッカーや冷蔵庫に貼り付けられるマグネットや、壁掛けに使えるフック穴を設ける。電源は単4形乾電池2本で、寿命は約1年。本体サイズはW100×D17×H120mm、重量は電池を含んだ状態で約143g。
2015年03月10日二月に入り、寒さもインフルエンザの流行もピークに達しようとしていますね。今回は、知っているようで知らない、インフルエンザの対処法・予防法について、お話ししましょう。■1.ネギを首に巻く!◯orX?答えはXです。首に巻かずに食べましょう。ネギの匂いの成分であるアリシンと言う物質には殺菌作用があり、喉や口腔内のウイルスの増殖を抑えてくれます。予防の為にも食事から摂取したい成分です。首に巻くだけでは勿体ない!きちんと食べましょう。また、最近ではネギのアリシン以外にも、やまいもや納豆に多く含まれるムチンという物質も注目されています。ムチンには粘膜を保護する作用や、抗ウイルス作用もあり、細胞を活性化してくれます。インフルエンザに限らず、様々な病気の予防にもつながります。■2.外出先で、うがい無しでも飲みものを飲む!◯orX?答えは◯です。喉や鼻の粘膜にはウイルスの進入や感染を防ぐ機能がありますが、乾燥すると粘膜が弱まり、これらの防御機能も低下すると言われています。ですから、粘膜の乾燥を防ぐ為にも、こまめな水分補給が大事なのです。うがいする事だけにとらわれず、喉を常に潤すことも意識しましょう。お茶には殺菌作用もあるカテキンが多く含まれていますので、この時期の水分補給にオススメですよ。■3.見た目も可愛い、モコモコ手袋は◯orX?答えはXです。インフルエンザの感染経路として最も多いのが、「手から口」。手にウイルスを付着させない為にも手袋は大事ですが、モコモコと肌触りの良い手袋の繊維の中にはウイルスがいっぱい!インフルエンザウイルスは繊維に付いてもしばらくは活性化しています。「フワモコで気持ち良い♪」と、知らずに顔周りや口元をスリスリしていませんか?せっかくガードする為の手袋が感染原因になりかねません!手袋をした手で顔を触るのは控えましょう。また、手袋を清潔にすることを心掛けてください。■4.マスクは必須!◯orX答えは△。インフルエンザの感染経路として、空気感染は、ほぼ無いそうです。ほとんどが飛沫感染か接触感染。ウイルスに触れない為にもマスクは有効な一面もありますが、過大評価は禁物。中には汚れていないからと言って何日も同じマスクを使用している人もいるようです。そうなると雑菌も繁殖し、返って、身体に良くありません。毎日清潔なものを使用して、喉や粘膜の乾燥を防ぎ、感染をしっかり防ぎましょう。■終わりにインフルエンザ対策の○Xについてご紹介してきました、いかがでしたか?良いと思ってしていたことが実は予防の妨げになっている事もあります。この4つのポイントをしっかりおさえて、風邪やインフルエンザ予防をしてみてくださいね。そして、何より身体を温め、十分な休養と睡眠をとること!免疫力を高めることが肝心です。日頃からバランスのとれた食事、疲労やストレスを溜めない!など、心掛けましょう。(豊田愛魅/ハウコレ)
2015年02月14日厳しい寒さが続き、風邪やインフルエンザが流行っていますね。対策のために、何か心がけていることはありますか? 手洗いやうがい、マスクをするなどの対策以外に大切なことは、日頃から食生活に注意することです。ただ、毎日忙しいとついつい食生活は乱れがち。栄養豊富で体にいいものを積極的に摂りましょう。簡単に安価で手に入って、手軽に食べられるものなら、なおいいですね。そこでオススメなのが、バナナ。バナナには、体にとても良い成分が豊富に含まれています。例えば、肌荒れに効果的なビタミンB6、腸内の善玉菌(ビフィズス菌など)の栄養源となるオリゴ糖、抗酸化作用のあるポリフェノール、ストレスを緩和するビタミンCなどです。 バナナは、「酵素の消化作用」「整腸作用」「抗酸化作用」「脂肪燃焼作用」「代謝促進作用」といった5つもの免疫力を備えていると言われています。具体的には、以下のような作用です。■酵素の消化作用バナナには、加齢と共に減っていく消化酵素「アミラーゼ」が含まれています。「アミラーゼ」は、消化吸収の効率を高める働きがあります。■整腸作用バナナは、小腸や大腸などの消化管の健康維持に大切な水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく含んでいます。また、バナナには、比較的消化されにくい「フラクトオリゴ糖」が含まれています。「フラクトオリゴ糖」はそのまま腸へ届くので、腸内環境を改善するのに役立ちます。■抗酸化作用バナナにはさまざまな抗酸化成分が含まれます。抗酸化成分には、体内で活性酸素が過剰につくられ、正常な細胞まで攻撃するのを抑える働きがあります。バナナは身近にある食品の中でも、特に抗酸化力が高い食品であることがわかっています。■脂肪燃焼作用バナナにはビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、B6、葉酸など、脂肪の燃焼を促進すると言われているビタミンB類がバランス良く含まれています。ビタミンB類は、食事で摂った糖質や脂質がエネルギーとして消費されないまま体脂肪として蓄積されるのを防ぎます。■代謝促進作用バナナには、カリウムが豊富に含まれます。カリウムは体が必要とする必須ミネラルのひとつで、高血圧の原因となるナトリウムや老廃物を尿と一緒に体外へ排出させる作用があります。そもそも免疫力とは人が生まれ持つ抵抗力のことで、体の外から侵入しようとするウイルスや細菌、また体の中で発生するガンなどを異物として識別し、無害化しようとする力のこと。これらの免疫システムをしっかり働かせるために、十分な睡眠やストレスの解消、そして栄養バランスのとれた食事など、生活習慣の改善が重要なのです。栄養豊富で、免疫力高める成分を多く備えているバナナなら、スーパーやコンビニなどで簡単に手に入ります。また、皮をむくだけで簡単に食べられるので、時間のない朝に朝食代わりに食べることもできますね。そうすることで栄養バランスのとれた食事に一役買い、免疫システムをしっかり働かせることにつながるでしょう。毎日の食生活に積極的にバナナを取り入れて、健康な毎日を過ごしませんか。今日からすぐ始めて、免疫力アップを心がけては?・日本バナナ輸入組合 公式サイト
2015年01月20日広島銀行は、山口県、岡山県での鳥インフルエンザの発生を受け、経営に直接、間接的に影響を受ける顧客のなかで、経営の安定化のための資金を必要とする顧客に対し、特別融資の取扱いを開始すると発表した。対象者は、高病原性鳥インフルエンザの発生により経営に影響を受ける法人、及び個人事業主。取扱期間は2015年1月19日~2015年7月31日。全店で取り扱う。商品概要は以下の通り。同行は昨今の円安、原材料高等の外部環境変化による経営影響に対し、2014年10月に「〈ひろぎん〉外部環境変化対応融資制度」を創設するなど地域の事業者への経営安定化に向けた支援を実施しており、引き続き地域経済の成長・発展に貢献していくとしている。
2015年01月19日今年も猛威をふるうインフルエンザの季節が到来した。アミノアップ化学では、今年7月に札幌市で開催された「第22回統合医療機能性食品国際会議(ICNIM)」において、ミシガン州立大学の研究チームから『マウスモデルにおける免疫機能に関する AHCC投与の効果』と題したレポートを発表している。AHCC(Active Hexose Correlated Compound:活性化糖類関連化合物)とは、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出された α-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物。 医薬品ではなく、いわゆる健康食品として、開発国の日本のみならずヨーロッパや、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売され、現在では統合医療の一手段としても取り入れられているものだ。実験では、AHCCを摂取したマウスモデルと摂取していないマウスモデルに分け、インフルエンザ感染の初期の細胞数の変化を検証。AHCCを摂取したマウスでは、NK細胞数が改善する可能性があるデータを得ることに成功した。この結果は、AHCCにはNK細胞数を増やし、ヒトの免疫を高める効果がある可能性があることを示唆してると報告されている。一方、 2009年から2010年にかけて行われたのが、AHCC投与によるインフルエンザワクチンへの免疫応答の変化を、健常人30人でランダムに比較した試験だ。予防接種前と予防接種3週後に採血を行い、予防接種直後から AHCCを1日あたり3gを投与したところ、AHCC投与により、投与していない非投与群と比較して、NKT細胞とCD8T細胞が増加した傾向がみられたという。さらに、予防接種3週後の抗体産生の分析では、AHCC投与群ではB型インフルエンザに対する感染抗体価が有意に向上したものの、AHCC非投与群では有意差はみられなかったとのこと。以上の結果から、AHCC非投与群と比較して、ある種のリンパ球の比率とB型インフルエンザに対する感染抗体価がAHCC摂取により向上することが判明している。このような実験結果を踏まえ、アミノアップ化学では、AHCC非投与群と比較して、ある種のリンパ球の比率とB型インフルエンザに対する感染抗体価がAHCC摂取により向上することがわかったと結論づけている。感染症であるインフルエンザは、ウイルスに感染することによりウイルス疾患が発症するのがパターンだ。感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染が主要因とされているが、非常に感染しやすいことと、免疫力の低下などにより重症化する危険性があることから、強い警戒が求められる。また現在、インフルエンザ対策の主流はワクチン接種だが、ワクチンは重症化を予防する効果は期待できるものの、感染そのものを完全に防ぐ効果はないとされており、当該試験でも有害事象(副作用)が確認されなかったAHCCは、インフルエンザが流行する冬季の免疫力向上やインフルエンザの重症化の予防などに今後役立つことが期待される。
2014年12月26日●インフルエンザは数千万人の死者を出すこともある!国立感染症研究所は12月5日、2014-2015年シーズンのインフルエンザの定点当たり報告数が、流行開始の指標となる数値「1.00」を上回ったことを明らかにした。昨シーズンに比べて3週間早い流行期入りとなり、同研究所によると過去10年で2番目の早さだという。日本でのインフルエンザの流行期は3月までが一般的とされており、今年は流行期がやや長くなる可能性がある。年末年始に感染してしまうと、クリスマスや忘年会、初詣でなど予定していた楽しいイベントがご破算になってしまうこともありうる。ただ、インフルエンザはしっかりと対策を講じれば感染リスクを低減できる。そのためにはまず、"敵"のことを詳しく知っておかなければならない。「どうやって感染するのか」「予防策は何なのか」「どんなインフルエンザ対策グッズがあるのか」「治療薬はあるのか」……。これらを学んでおくことで、インフルエンザへの恐怖もだいぶやわらぐはず。ぜひ、今冬はインフルエンザに悩まされないで過ごしてもらいたい。○インフルエンザの症状と感染経路まず、そもそもインフルエンザを正しく理解できているだろうか。「風邪の延長みたいなものでしょ? 」などと考えている人もいるかもしれないが、風邪とインフルエンザはまったくの別物だ。風邪さまざまなウイルスが原因となって引き起こされる。主な症状として「のどの痛み」「鼻水」「咳」「くしゃみ」などがある。熱もそこまで高くはならない。インフルエンザインフルエンザウイルスが原因となって引き起こされる。主な症状として「38度以上の発熱」「頭痛」「全身のだるさ」「関節の痛み」などがある。免疫力が低下している人や高齢者が感染すると、肺炎を併発するケースも見られる。インフルエンザの主な感染経路はくしゃみや咳、会話などによる飛沫感染のため、密集した地域では集団感染が見られる。一度流行が始まると、短期間に多くの人へと感染する点もインフルエンザの特徴。冬になると、「インフルエンザによる学級閉鎖」などのニュースを目にしたことがある人も多いことだろう。それだけ、感染力が強いのだ。○インフルエンザウイルスには「型」があるインフルエンザを引き起こすインフルエンザウイルスには、さまざまな「型」がある。そのタイプは「A型」「B型」「C型」と大別できるが、大きな流行の原因となるのは「A型」と「B型」だ。国立感染症研究所によると、現在日本で流行しているインフルエンザウイルスは、「A(H1N1)亜型」と「A(H3N2)亜型(いわゆる香港型)」および「B型」の3種類だという。この型を見て、「新型インフルエンザはどこに入るのか」と感じた人もいるかもしれないが、新型インフルエンザはこれらの型とは異なる位置づけだ。私たちの体は、ウイルスの「抗原」(抗体が異物を認識して破壊するための標的)を目印にして「こいつは体にいてはいけない異物だ! 」という判断をし、ウイルスを撃退しようとしている。風邪をひいたときなどに熱が出るのは、ウイルスを撃退しようと体が防御反応を起こしているためだ。「A型」のインフルエンザは、その抗原性が少しずつ変化する「連続抗原変異」が頻繁に起こる。毎年世界中で流行していることから、「季節性インフルエンザ」とも呼ばれている。この抗原が大きく変化すると、体がウイルスへの急激な変化に対応できず、通常のインフルエンザシーズン(日本では例年12月~3月)以外に感染が拡大することがある。これが新型インフルエンザだ。○過去には数千万人の死者を出したことも厚生労働省が「国民の健康と生命、生活に、場合によっては医療体制を含めた社会機能や経済活動にまで影響を及ぼす可能性があるもの」と定義しているように、新型インフルエンザは時として多数の死者を出す。過去の事例で言えば、1918年の「スペインインフルエンザ」(スペインかぜ)や、1957年の「アジアインフルエンザ」などが新型インフルエンザに該当。特に「スペインインフルエンザ」は、全世界で4,000万人以上の死者を出したといわれているほどの猛威をふるった。日本では2009年に、「(H1N1)2009ウイルス」による新型インフルエンザが流行。免疫がなかったため、秋ごろを中心に感染者が拡大した。翌2010年には目立った流行が確認されておらず、「(H1N1)2009ウイルス」は「A(H1N1)亜型」として季節性インフルエンザとして取り扱われるようになった。ワクチンや免疫がなく「パンデミック」(世界的大流行)につながる可能性もある新型インフルエンザは、突如として出現して場合によっては死に至る。「たかがインフルエンザ」などと軽視する姿勢は間違い。今後もし「新型インフルエンザ」という言葉が流行しだしたら、細心の注意を払う必要があることを覚えておこう。写真と本文は関係ありません●感染リスクを低減させる術を学ぶ風邪とは異なり全身に症状がおよび、最悪の場合は死に至るケースもあるインフルエンザ。だが、ワクチンが効かないような新型インフルエンザは別として、毎年発生する季節性のインフルエンザにはさまざまな予防策がある。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんにインフルエンザ対策について伺ったので、まずは今日から実践できる簡単なものから紹介しよう。○予防策の基本は手洗い、うがいにあり対策1 手洗い、うがいをしっかり行う手洗いは石けんを使って、爪の間などまで丁寧に洗うように心がけよう。洗い終えたら流水でしっかり洗い流し、清潔なタオルで水をふき取ることもポイントだ。うがいには、口の中やのどについた微生物を洗い流す効果が期待できる。帰宅時に行うよう習慣づけるなど、自分なりのルールを決めて実践するとよいだろう。対策2 50~60%の湿度を保つウイルスは一般的に低温で乾燥した空気を好む上、乾燥はのどの防御性能を弱めてしまうため、インフルエンザに感染しやすくなってしまう。加湿器などを有効活用して、常に50%~60%の湿度を保つように心がけよう。対策3 人ごみを避けるインフルエンザの流行期は、繁華街や混雑している駅などの人ごみをできるだけ避けることも大切。インフルエンザウイルスは、くしゃみ1回で3~5メートルも飛散するからだ。飛散のことを考えれば、なるべくたくさんの人がいる場所は避けたほうがよい。どうしても人の多い場所に行かなければならない場合は、使い捨ての不織布マスクを着用するなどの工夫をした方がよい。この他にも、「栄養のある食事を摂(と)る」「しっかりと休む」なども予防策につながる。このように、ちょっとした心がけで罹患(りかん)リスクは低減できる。インフルエンザ予防には、毎日の積み重ねが大切という認識を持とう。○ワクチンはインフルエンザ予防の万能薬ではないインフルエンザを防ぐには、ワクチンによる予防接種も有効策の一つだ。予防接種は保険適用外となり、病院によって料金も異なる。自治体や健康保険組合によっては補助が出る場合があるが、1回の接種は5,000円以内の支払いとなるケースが多いようだ。ただ、接種すれば100%罹患しないというわけではない。山岸さんは「感染しても『発症したり、重症化しにくくなったりする』のが、予防接種の効果なのです」と警鐘を鳴らす。また、予防効果が期待できるのは接種後の2週間から5カ月ほどのため、毎年こまめに接種する必要がある。「ワクチン接種をしても感染してしまうなら意味が無い」と思う人もいるかもしれない。だが、インフルエンザは高熱や関節の痛み、だるさなどの全身症状がひどくなることもあり、体力の無い子どもや高齢者においては重篤な症状が出てしまう危険性も考えられる。それを鑑みると、発症が抑えられたり、症状が軽く済んだりすることが期待できるワクチンは、接種しておくにこしたことはないと言えよう。写真と本文は関係ありません○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。●さまざまなインフルエンザ対策グッズで、賢く体を守る世間には、実にさまざまなインフルエンザから身を守るためのグッズが販売されている。冬になると「マスク」「ハンドソープ」「うがい薬」「加湿器」「除菌製品」などの製品が、スーパーなどで「インフルエンザ対策グッズ」として陳列さている光景を目にする人も多いだろう。最近はそれらに加え、食品摂取によってインフルエンザに負けない体作りを目指すという動きも見られている。ここでは、"家計にも優しい値段"で購入できる手軽なインフルエンザ対策グッズをいくつか紹介する。○認知度が高まっている乳酸菌■ヨーグルト・飲料近年は、"食べて予防する"という観点から、「乳酸菌」がインフルエンザ対策のキーワードとなっている。ライフスタイル総研がこのほど明らかにした「ママのインフルエンザ対策における乳酸菌への意識・実態調査」によると、子どもを持つ500人の母親の73%が「乳酸菌によるインフルエンザ対策の注目度が、ここ数年間であがっている」と感じているという。数百種類もあると言われている乳酸菌だが、その一部にはインフルエンザ予防への有効性を示唆するエビデンスデータも得られている。例えば、佐賀県有田町で実施された健康増進活動において、明治の「1073R-1乳酸菌」を配合したヨーグルトを連日継続摂取したところ、インフルエンザ患者の発症率が有意に低下したとの報告がされている。「プラズマ乳酸菌」配合の飲料を販売しているキリンは、東海大学医学部との共同研究によって、プラズマ乳酸菌を摂取すると「のどの痛み」や「せき」が軽減することを確認。「第73回日本公衆衛生学会総会」にて研究成果を発表している。実際、ライフスタイル総研が「Googleトレンド」を用いて2012年11月~2014年10月の期間における検索ボリュームの推移を調べたところ、2013-2014シーズンのインフルエンザの流行期には多くの人が「プラズマ乳酸菌」を検索したことが明らかになっている。また、同期間中には「R-1乳酸菌」や「フェカリス菌」の検索ボリュームも大きく数字を伸ばしており、消費者に「乳酸菌の力」が浸透していることがうかがえる。■マスクマスクでは、ユニ・チャームが「超立体シリーズ」より「ウイルスガード」を販売している。銀イオンの効果で抗菌をしつつ、肌にぴったりとフィットする立体的な構造が隙間を作らないようにし、ウイルスの侵入をガードするという。同シリーズは「風邪・花粉用」もあり、用途によって使い分けることも可能になっている。■ハンドソープ・うがい薬毎日使う機会があるであろう「ハンドソープ」では、ライオンが「キレイキレイシリーズ」を展開している。「キレイキレイ 薬用泡ハンドソープ」は「シトラス」「オレンジ」「フローラル」の3種をラインアップし、「キレイキレイ 薬用液体ハンドソープ」もそろえる。また、殺菌成分「CPC」を配合した「キレイキレイ うがい薬」も販売しており、「手洗い・うがい」の必要性をトータルで訴求している。○感染してしまったらどうしたらよいのかワクチンや対策グッズで予防をしていても、残念ながらインフルエンザに感染してしまうことは起こりうる。その際は、迅速に「タミフル」や「リレンザ」などの抗ウイルス薬を投与することで、多少は症状が緩和される。ただ、抗ウイルス薬は発症から48時間以内に投与しないと、その効果が低減すると言われている。さらに、その効果は発症からの経過時間や病状により異なるため、使用には医師の診断が必要となってくる。「突然高熱が出て、体の節々が痛みだしてきた……」などの自覚症状が出てきたら、すぐに医療機関を受診するようにしたい。無事に症状が治まっても安心はできない。一般的に、インフルエンザは発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出すると言われており、周囲に感染させてしまう危険性があるからだ。ウイルスの排出期間には個人差があるため、学校や職場への復帰時期は医師に相談してから決めるようにしよう。○まずは自分にできる予防策からトライただ漠然とインフルエンザ流行期を過ごすのか、しっかりとした予備知識を持って予防対策をした上で過ごすのかでは、大きな違いがある。インフルエンザに苦しむことなく長い流行期を乗り越えるため、まずはできる対策から実践してみてほしい。
2014年12月24日インフルエンザと闘うには睡眠が必須よい睡眠は心身の疲労回復ができるだけでなく、インフルエンザと闘うための免疫力をつけられると考えられています。でも、どうして睡眠が必要なのでしょうか。それは、病気になったときに発熱する理由を考えると分かります。白血球やリンパ球は、感染症にかかったときに数を増やして病原菌やウィルスに対抗しようとします。これらは身体の免疫システムのひとつで、菌の増殖を食い止めるためです。一方、睡眠不足になると病気と闘う免疫システムそのものが低下します。そのため、インフルエンザと睡眠が関係しているのです。インフルエンザ予防に効果的なグッズ免疫がもっとも活発化するのはノンレム睡眠のタイミングで、インターロイキン1βなどの免疫物質が増えるからだと考えられています。では、インフルエンザを予防しながらぐっすり眠りたいとき、どんなものを使えばいいでしょうか。免疫力アップにおすすめの睡眠グッズはインスタントカイロ。実は、体温が1度下がると免疫力が30%下がるという説があります。夜寝る前の身体の冷えは、インフルエンザが侵入しやすい状況かもしれません。特に冷えやすい手足や首元を中心に身体を暖めれば、スムーズな眠りが期待できそうです。免疫力をアップさせる上にぐっすり眠れる一石二鳥のアイテムと言えるでしょう。睡眠の質を良くしてインフルエンザを予防しよう昔から、「風邪を引いたら温かくして寝ること」と言いますよね。実は、睡眠や身体を暖める行為には、医学的な根拠があったんです。インフルエンザになってしまうと身体の自由が利かなくなるし、外出も禁止されてしまいます。当然、職場や学校に出勤・登校するのもNG!大事な仕事やテストがあったとしても休まなければなりません。かかってしまう前に予防をするのが一番です。毎年、冬になると大流行するインフルエンザ。インスタントカイロでの予防対策なら、睡眠の質も良くなって相乗効果が期待できるはずです。手軽にできる方法なのでぜひとも試してみましょう!Photo by Eneas De Troya
2014年12月22日冬は風邪や感染症が気になるシーズン。皆さん、どんな対策をしていますか?実は、普段からやっている「あること」を見直すだけでも予防効果が期待できるとか。ウィルス性の病気にかかってしまう理由が分かると、予防もしやすくなると思います。ウィルスが活発な冬は感染対策が必要冬は乾燥する季節。さらに、空気は温めると乾燥するので、暖房をつけている部屋のなかは特に湿度が低くなっています。また、冬はインフルエンザやノロウィルス、ロタウィルスなど、感染症が流行しやすいです。これは、ウィルスが飛散しやすいことや、乾燥していることからノドが炎症を起こしやすく、ウィルスに対する抵抗力がなくなってしまうからです。感染症はマスクや予防接種で対策するのもひとつの手です。でも、人間が持っている免疫力を高めて対策する方法もあります。そのためには、どんなことをすればいいのでしょうか?免疫力を強化するのは睡眠!睡眠は免疫機能を高めて、ウィルスから身体を守るために役立つと言われています。また、ストレスを軽減する作用もあるのだとか。「病は気から」という言葉がありますが、ストレスや不安を抱えていると免疫力が低下してしまうと考えられています。そのため、睡眠を取ればインフルエンザやノロウィルス等の病気にかかりにくくなると言えるでしょう。ただし、睡眠の質が悪いと効果が薄くなってしまいます。J-STAGE(科学技術振興機構)によると、深いノンレム睡眠は免疫力の強化に役立つと言われています。ぐっすり眠ることが感染症対策の予防につながるでしょう。ぐっすり眠って元気な身体をキープしよう誰しもインフルエンザやノロウィルスにはなりたくないもの。乾燥する冬場は感染症の予防が欠かせません。でも、どんな対策をすればいいのかと考えていた方もいると思います。人間の免疫力はさまざまなウィルスをやっつけることができます。その力を最大限に発揮するには睡眠がポイント。免疫力の強化とストレス解消ができるからです。ウィルスに感染しないためには、万全の対策を立てる必要があります。そのなかでも、よい睡眠は効果的な予防のひとつになるはず。できるだけぐっすり眠れるサイクルを作って元気な身体をキープしましょう。Photo by Drew Leavy
2014年12月19日Yahoo! JAPAN ビッグデータレポートチームは12月9日、ビッグデータ分析による12月1日から12月7日週のインフルエンザ状況を発表した。12月1日~12月7日週のデータによると、某治療薬の検索数から推測される定点あたりの患者報告数は3.2(人/定点)となり、先週から倍に増え急激な流行感染拡大の段階に入ったことが予測値に表れた。例年の傾向から、これより1カ月間ほどはウイルスの感染が拡大・蔓延に向かう時期となるため、十分な注意と予防対策が必要だ。今冬のインフルエンザは厚生労働省の発表どおり、昨年よりも3週間早い流行入りをしている。また、「各都道府県別のインフルエンザ状況マップ」も発表。これは、各都道府県における、インフルエンザ患者数の伸びと多さを表す図で、縦軸の増加率は前週と比べてインフルエンザ患者数がどれだけ伸びているか、横軸の検索割合スコアはその都道府県における定点患者数が増えているかについて表している。今週は岩手県が増加率、検索割合スコアともに多く、もっとも流行が早い地域といえる。また徳島県や宮崎県などは上昇率が非常に高く、急激な蔓延に気をつける必要がある。さらに、「インフルエンザの各都道府県別検索分布」においては、全国における各都道府県の「インフルエンザ」の検索割合を表している。濃い赤の都道府県ほどインフルエンザへの関心が高く、患者数が多いと見られる地域となっており、今の時点でもっとも定点あたりの患者報告数が多いのは岩手県だという。関東を中心とした東日本全体は西日本と比べると高い数値となっており、注意が必要だ。一方西日本では、奈良県や宮崎県といった地域で検索数の上昇が見られる。厚生労働省による定点あたりの患者報告数とインフルエンザマップとの一致度を見るために、2014年第48週(11月24日~11月30日)の数値と比較。厚生労働省のデータを表す地図は、定点あたりの患者報告数を元に都道府県別検索分布の色分けと同じロジックを用いて配色をしている。同社では、昨冬に公開した「ビッグデータ分析でみるインフルエンザ感染状況」で、厚生労働省より毎週発表されているインフルエンザの発生状況(定点あたりの報告数)を事前に予測し、リアルタイムでの感染状況の把握を行った。2014年も、ビッグデータレポートでは、インフルエンザの感染状況の把握に毎週取り組んでいく。
2014年12月10日ライフスタイル総研はこのほど、「ママのインフルエンザ対策における乳酸菌への意識・実態調査」の結果を発表した。同調査は、楽天リサーチが3歳~12歳の長子を持つ女性500名(長子の年代・性別により均等割り付け)を対象に、11月11日~28日にかけてインターネットを通じて実施したもの。「今シーズン、あなたのご家庭でインフルエンザ対策を行う予定はあるか」を聞いたところ、「ある」と答えた人は97%だった。「今シーズンに行う予定のインフルエンザ対策」を聞いたところ、あまりお金をかけずに行える「手洗い」(86%)「うがい」(82%)と、高い予防効果が期待される「予防接種」(57%)がTOP3に。さらに、こだわりのポイントを自由回答形式で尋ねると、「室内の湿度を60%以上に保つようにしている(兵庫県・41歳)」「ビタミンDを多く含むサケなどを食べるようにする(神奈川県・35歳)」などさまざまな回答が得られた。「乳酸菌によるインフルエンザ対策の注目度」を聞いたところ、「ここ数年間で上がっていると感じる」と回答した人は、73%にものぼった。このことから、「乳酸菌がインフルエンザ予防に期待できる」というのは、母親たちにとって共通の認識となりつつあることがうかがえるという。一言で乳酸菌といってもその種類は数百にも及ぶとのこと。インフルエンザ予防に有効とされているものはその一部だが、それでもいくつもの種類があるという。今回は、インフルエンザ対策として期待されている5つの乳酸菌(「プラズマ乳酸菌」「1073R-1乳酸菌」「L-92乳酸菌」「フェカリス菌」「ラブレ菌」)をピックアップし、その注目度を比較するために、「Googleトレンド」によりそれぞれの検索ボリュームを比較した(2012年11月~2014年10月における検索ボリュームの推移を調査)。調査から、2013年冬のインフルエンザ流行時期に多くの人が検索したのは「プラズマ乳酸菌」であることがわかった。その前シーズンにおける「フェカリス菌」のピークと比較しても検索ボリュームは大きく、昨シーズンにおける「プラズマ乳酸菌」の注目度の高まりが明らかになった。また、この期間での検索ボリュームの積算値を比較したところ、「プラズマ乳酸菌」以下は、「1073R-1乳酸菌」「L-92乳酸菌」と続いた。これを踏まえてアンケート調査では、各乳酸菌についても質問した。まず調査対象者には「プラズマ乳酸菌」に関する正しい情報を知ってもらうために、「プラズマ乳酸菌」を紹介するキリンの特設Webページを見てもらい、その上でいくつかの質問に回答してもらった。「インフルエンザ対策としてのプラズマ乳酸菌」について聞いたところ、「期待が持てると思う」と回答した人は77%にものぼった。さらに、このうち55%が「インフルエンザ対策としてプラズマ乳酸菌を活用したい」と回答。実際に自由回答形式で同調査の感想を尋ねたところ、「プラズマ乳酸菌のことは初めて知ったが、今度スーパーなどで探してみたい(香川県・35歳)」といった意見も見られた。その一方で、Googleトレンドで検索ボリュームが1位だった「プラズマ乳酸菌」は、同調査の実施前における母親たちの認知率は24%。7割以上の人が「乳酸菌によるインフルエンザ対策への注目度の高まりを感じている」中では、意外と低い認知率にとどまった。このことから、乳酸菌には「プラズマ乳酸菌」のほかにも「1073R-1乳酸菌」「L-92乳酸菌」「フェカリス菌」「ラブレ菌」などさまざまなものがあり、一つ一つの乳酸菌の名前に注目する機会は少ないことがうかがえるという。調査結果を受け、「現在の認知度という課題を乗り越えた時、プラズマ乳酸菌は生活者の支持を飛躍的に伸ばす可能を秘めていると言えるでしょう」と同社。
2014年12月08日強い感染力のあるインフルエンザ。もし、かかってしまったらどのように対応すればよいのだろうか。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに、インフルエンザにかかってしまった後の治療法や過ごし方について聞いてみた。○抗インフルエンザ薬は48時間以内が効果的インフルエンザの治療は"スタートダッシュ"が肝心。早め早めの対処をすることで、薬の効果が変わってくると山岸さんは話す。「インフルエンザの薬の効果は、症状が出始めてからの時間や病状によって異なり、医師の判断によっては必ずしも処方されるとは限りません。抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に服用することが効果的で、それ以降に服用しても十分な効果が期待できません。症状が出始めたら、なるべく早く病院を受診するようにしましょう」。主な処方薬としては「タミフル」「リレンザ」「イナビル」などがあるが、どの薬も処方箋(せん)が必要なので医師の指示に従って服用することが大切だ。ただ、医薬品を服用した後に未成年者や幼児が部屋から急に飛び出すなどの異常行動を起こした例がある、との報告がある。因果関係の有無は解明されていないが、万一の場合に備えて、インフルエンザの処方薬を子どもが服用した場合、親や周囲はしっかりと気をつけるようにしよう。○体力を温存し、安静にするインフルエンザは、高熱や関節痛などの全身症状がひどくなるため、なるべく安静にして体力を温存するように心がけるようにするとよい。「しっかりと睡眠をとって、休養するようにしましょう。お茶やスープなど、飲めるもので水分補給することも大切です。食事が思うように取れない場合は、栄養ドリンクなどで補給することも有効なので、体調をみて活用しましょう」。せきやくしゃみが出る場合は、周りの人に感染させないためにもマスクなどを着用して、ウイルスを拡散しないよう努めよう。○「発症後5日、かつ解熱後2日」は自宅待機が正解?熱が下がって症状が治まったからといって、油断はできない。ウイルスをまだ体から排出している可能性があるからだ。職場や学校へはいつ頃に復帰したらよいのだろうか。「インフルエンザウイルスは発症後、最大で7日ほどウイルスを排出し続けるので、症状が治まってからもマスクを着用して、周囲の人に配慮しましょう。ウイルスの排出期間には個人差があるので、学校や職場への復帰時期は医師に相談してください」。ちなみに、学校における児童生徒や職員の健康の保持増進などを目的とした「学校保健安全法」では、「発症後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)」を経過するまでをインフルエンザによる出席停止期間としている。ただし、あくまで目安であるため、医師によって感染の恐れがないと認められれば出席できるので、まずは相談しよう。もしインフルエンザになってしまったら、早めの対処で症状は軽くなる場合が多い。正しい知識を持ってしっかりと休養して、つらい症状を乗り切ってほしい。○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。
2014年12月08日国立感染症研究所は12月5日、2014-2015年シーズンのインフルエンザの定点当たり報告数が、流行開始の指標となる数値「1.00」を上回ったことを明らかにした。同研究所によると、インフルエンザの定点当たり報告数は今年の42週目以降になって増加が続いており、第48週(11月24~30日)の定点当たり報告数は「1.90」(患者報告数は9,396)を記録。この48週目の数字をもって、全国的なインフルエンザ流行開始の指標である「1.00」を今シーズンで初めて上回ったという。都道府県別では、岩手県(10.52)が最も高い数値になっている。以下、福島県(6.41)、埼玉県(5.05)、神奈川県(4.04)、東京都(3.62)、千葉県(2.90)などが続き、比較的関東圏で高い数値が見られている。同研究所によると、12月3日の時点で全国の保健所地域において「大きな流行の発生・継続が疑われることを示す」という「警報」レベルを超えているのは、1県のみとのこと。また、「流行の発生前であれば今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを、流行発生後であればその流行がまだ終わっていない可能性がある」という「注意報」レベルを超えている地域は、東京都を含む1道1都1府4県だったという。なお、詳細は国立感染症研究所のホームページでも確認できる。写真と本文は関係ありません
2014年12月05日日本能率協会総合研究所はこのほど、子育て中の母親を対象に実施した「家族の体調管理・予防方法」についての調査結果を明らかにした。調査は10月10日~15日にかけて行い、1,000名から有効回答を得た。同調査は、核家族世帯(3人~4人)で、3歳~小学生の子どもを持つ母親を対象に行った。昨年の冬、自身や家族の体調の維持・管理のために何らかの予防法を実践をした人に、実践してよかったことはあるか尋ねたところ、97.2%が「ある」と回答した。具体的には「うがい・手洗い等でウイルス対策をした」が73.3%と最も高く、次いで「食事の栄養バランスに気を配った」(56.6%)、「予防ワクチンを接種した」(42.6%)と続いている。上記について、具体的によかったことを自由記述形式で答えてもらったところ、「殺菌効果のある石けんで手洗い」「帰宅後のうがい」「マスクの使用」などの回答が寄せられた。インフルエンザに感染したが、予防接種を受けていたため軽く済んだというエピソードや、野菜やヨーグルト、ショウガなどを積極的に食生活に取り入れたという意見も見られた。次に、昨年の冬の体調の維持・管理で失敗したことを尋ねた。「ウィルス性胃腸炎にかかった子どもの世話をしながら調理をして、家族全員に感染」「インフルエンザ予防摂取を受けなかった自分自身が感染した」と、予防に失敗し感染した例や、入浴して温まる・運動を行うなどを行った結果、逆効果になってしまったエピソードも寄せられた。
2014年12月05日インフルエンザ対策として有効な方法のひとつに、ワクチンによる予防接種がある。そのワクチンにはどのようなものがあり、いつごろ接種するのが効果的なのか。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに、ワクチンの有効性や効果について伺った。○誤解されがちなインフルエンザワクチンインフルエンザの予防に有効とされるワクチンの予防接種。だが、その効果について誤解している人も多いという。「予防接種をすることで、インフルエンザに『感染しなくなる』わけではありません。感染しても『発症したり、重症化しにくくなったりする』のが、予防接種の効果なのです」。ワクチン接種をしても、インフルエンザウイルスが体に入ってしまうと感染してしまう。だが、発症が抑えられたり、症状が軽く済んだりすることがあるので、あたかも「感染していない」かのような印象を持っている人が多いという。「予防接種を受けた人の場合、軽い風邪の症状と本人は思い込んでいても実はインフルエンザだった、ということも考えられます。マスクや手洗い、うがいなどはしっかりとして、周りに移さないようにすることが大切です」。「結局、感染してしまうなら意味が無い」と思ってしまうかもしれないが、それは間違い。インフルエンザは高熱や関節の痛み、だるさなどの全身症状がひどくなることもあり、体力の無い子どもや高齢者においては重篤な症状が出てしまう危険性も考えられる。症状が軽ければ回復も早く、危険な状態にもなりにくくなるため、メリットは大きいのだ。○効果はどれくらい続く?また、インフルエンザには流行しやすいタイプがあるのはご存じだろうか。インフルエンザには「A型」「B型」「C型」の3種類があり、A型とB型が流行しやすいとされている。ワクチンはそれぞれの型に適合するもののほか、混合ワクチンもある。その年の流行なども考慮して、どのワクチンを接種するのかを医師と相談するとよい。「ワクチンの効果は接種した2週間後から5カ月程度までなので、毎年接種したほうが予防には効果的です。流行の始まる前に接種するとよいでしょう」。インフルエンザは毎年12月から3月にかけて流行が見られる。今冬分のワクチンをまだ接種していない人は、早めに医療機関を訪れた方がよいだろう。○持病持ちや投薬中の場合は必ず医師に確認インフルエンザの予防接種は保険適用外となるため、病院によって料金も異なる。自治体や健康保険組合によっては、補助が出る場合があるので事前に問い合わせておくのがベターだ。「妊婦や持病で投薬中の方などは、ワクチンが適さない場合もあります。また、13歳未満のお子さまは2回に分けたほうがよいとされていますので、必ず医師の判断を仰いで受けるようにしましょう」。重い症状が出やすいインフルエンザ。もし患っても軽い症状で済ませられるよう、ぜひ予防接種を受けておきたい。写真と本文は関係ありません○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。
2014年12月05日内閣府政府広報室はこのほど、インフルエンザ対策についての情報を政府広報オンラインにて発表した。インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身の症状が突然現れる。あわせて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、せきなどの症状もみられ、このような症状が現れたら、医療機関の受診が必要とのこと。また、高齢者、幼児、妊娠中の女性、持病のある人、ぜんそくのある人、慢性呼吸器疾患(COPD)および慢性心疾患のある人、糖尿病など代謝性疾患のある人などは重症化しやすいため、注意が必要だという。インフルエンザにかかってしまった場合は、早めに医療機関を受診する必要がある。家では、部屋を暖かくして睡眠を十分にとることと、温かいお茶やスープなどで水分を十分にとることを心がけ、家の中でもマスクをして家族にウイルスをうつさないこともポイントだそう。また、熱が下がった後でも2~3日間は外出を控え、自宅で安静にする必要があるという。医療機関で医師が必要と認めた場合には、抗インフルエンザウイルス薬が処方される。それを発症から48時間以内に服用を開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮されるが、48時間が経過してしまうと、服用しても十分な効果は期待できないそう。服用の際は、用法や用量、服用する日数など医師の指示を守ることも大切だという。くしゃみやせきが出る時は、飛まつにウイルスが含まれている可能性があり、「周囲の人にインフルエンザをうつさないために、"せきエチケット"を心がけましょう」と同広報室。具体的には、まずはマスクを確実に着用し(鼻と口の両方を確実に覆う)、使用後のマスクは放置せず破棄することがポイントだそう。そのほか、周囲の人からなるべく離れること、外出先から帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手洗いをすること(ウイルスは石けんに弱いため、石けんを使って正しい方法で洗う)などがあげられるという。
2014年12月04日電車の中でマスクをしている人が増え、そろそろインフルエンザの流行が気になり出す時期になってきた。特に今年は、夏の終わりにデング熱が発生し、今なお世界的な問題となっているエボラ出血熱が流行するなど、感染症が話題になった。そんな1年の年の瀬にインフルエンザに泣かされないよう、早めに予防と対策を考えるようにしよう。○インフルエンザの予報のメカニズムは、天気予報と酷似?テレビニュースなどで、「今年は、●●型のインフルエンザが流行の兆し」というトピックスを目にしたことはないだろうか。実はこの予報、天気予報と同じように地球規模で予測しているのをご存じだろうか。インフルエンザは、空気が乾燥する冬場に流行しやすい特性がある。この特性から、日本が夏の時期に冬を迎えている南半球において、「どのようなインフルエンザが流行したのか」という傾向をみて、その後の感染傾向などを鑑みて予測を立てていくわけだ。予測によって、ワクチンの生産などを考え、早めに予防することも可能になった。今年は、5年前に新型インフルエンザとして流行した「H1N1型」が流行するのではという予測がされている。他に、「A香港型」という名前で有名な「H3N2型」も徐々に増えてきていると言われている。昨年よりも流行時期が早まるとの予測もあり、注意が必要だ。厚生労働省なども、ホームページでインフルエンザの流行情報などを随時提供している。そういった行政のサイトをこまめにチェックすることも大切になってくる。○今冬は流行する可能性がインフルエンザの症状の一つに高熱があるが、「たかが熱でしょ」と甘く考えていると深刻な合併症を招くこともある。インフルエンザをこじらせると、脳炎や肺炎といった症状を引き起こすこともある。特に高齢者や、他の病気などで免疫力が低下している人は、合併症には注意を払う必要がある。インフルエンザは感染症なので、しっかり予防するにはワクチン接種は欠かせない。「自分は体力があるから大丈夫」と思っていても、感染する可能性が100%ないとは言い切れない。10月より「この冬に流行する」という予測に基づき、インフルエンザワクチンの接種が始まっているので、まずは予防接種を受けるようにしよう。そして、予防の観点から大事なのは、ウイルスが住みにくい環境作りと体力作りだ。簡単にできるポイントを6つピックアップしたので、実践してみよう。対策1 ウイルスが嫌う湿度環境を整える湿度が苦手なインフルエンザウイルスは、空気が乾燥する冬に流行する。そのため、室内環境を乾燥させないことが大事。ただ最近、加湿器で過剰に湿度を上げている人も少なくない。過剰な湿度はカビを増殖さる。結露するほどの加湿はNGだと覚えておこう。わかりやすいのは、洗濯物の部屋干し程度の湿度。睡眠時にバスタオルや数枚の洗濯物を部屋に干しておくようにしよう。対策2 予防マスクで「のど湿度」をアップさせる風邪やインフルエンザになってないにも関わらず、予防のためにマスクをする人がいる。ただ正直な話、よほどマスクに習熟した人が高性能なマスクを装着しない限り、ウイルスは防御できない。よく見ると、通常のマスクは隙間だらけでほとんど意味がないのだ。だからといって、予防マスクに何の効果もないわけではない。マスクをすることでのどの乾燥を防ぎ、うるおいを保つ効果がある。インフルエンザウイルスは乾燥を嫌うため、乾燥予防の意味でマスク着用は意味があるのだ。対策3 ヨーグルトで腸内環境アップ最近、腸内環境が体に与える影響が話題になっており、免疫力も腸内環境が深く影響することがわかってきている。ヨーグルトに含まれるプロバイオテクスは、腸内環境を整えて腸内の悪玉菌を抑え、善玉菌を増やす働きがあると言われている。オリゴ糖も腸内環境にいい働きをするので、ヨーグルト+オリゴ糖を朝食にとりいれてみるといいだろう。対策4 免疫力維持のため、たっぷりの睡眠を睡眠時間が低下すると、免疫力も同じように低下しやすくなる。ウイルスに負けない環境を作るなら、7時間は睡眠を確保できるようにしよう。また、寝ても疲れが取れないという人も少なくない。睡眠環境を整えて、熟睡できるように工夫してみよう。対策5 水溶性ビタミンをしっかり摂取免疫力が低下しないように、ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンを意識して摂取するようにしよう。これらのビタミンは、インフルエンザ予防にもつながるが、実際に発熱した後の回復にも重要なビタミンなのだ。対策6 熱が出たら病院へ「熱を出し切ったほうがいい」とお風呂に入れて発汗させたり、「汗をかけば治る」などと、布団をいくつもかけて大量の汗をかかせたりして、風邪を治そうとする人が散見される。だが、水分補給が不十分な状況では、これらの方法は逆に脱水を助長させる。そして、これらは医学的にはあまり根拠がない治療法だ。特に発熱は、インフルエンザウイルスが体内に入ったことに身体が抵抗するための症状。民間療法ではよくならない。解熱薬も一時的に熱を下げるだけだ。急な高熱が続くなど、インフルエンザ特有の症状が見られた場合、しっかりとした診断と治療をお勧めする。からだエイジング
2014年12月04日明治、1073R-1のインフルエンザワクチン効果増強を発表2014年11月20日、明治は1073R-1乳酸菌で発酵したドリンクヨーグルトをインフルエンザワクチン接種3週間前から摂取すると、インフルエンザワクチンの抗体値(インフルエンザワクチンに対する防御力)の増え方が、未発酵の酸性乳飲料を飲用した場合に有意に多かったことを明らかにした。研究成果は日本食品免疫学会第10回学術大会(東京:10月16日~17日)において発表。インフルエンザワクチンインフルエンザワクチンは体の中の免疫を高めて、インフルエンザウイルスが体の中で増殖するのを抑え、肺炎などのインフルエンザの重症化を防ぐために用いられている。ワクチンの効果を強めるために用いられるのが、アジュバントという免疫活性化剤。今回の研究では、1073R-1で発酵したヨーグルトをインフルエンザワクチン摂取前に連用すると、抗体価が上がったことから、アジュバントと同じような効果があると想定される。アジュバントには水溶性と油性のものがあり、油性のものはアジュバントとしての効果が高いが、注射部位の副作用が出やすいことから、副作用が高くなる。副作用を増加させない、アジュバントが求められている。(画像はプレスリリースより)【参考】・明治プレスリリース
2014年11月23日