アルバックは9月3日、使用中のドライ真空ポンプに接続することで消費電力の削減を可能としたドライポンプ省電力化アタッチメント「ECO-SHOCK ES4A」を開発、販売を開始したと発表した。同製品は、生産ラインの中でも消費電力が大きいドライ真空ポンプの消費電力削減を目的に開発されたもの。主に、仕込取出し室の頻繁な繰り返し排気を行うドライ真空ポンプや、N2のようなシールガスの使用量が多いドライ真空ポンプなどに適用が可能だという。同社のドライ真空ポンプの原理は簡単に説明すると、ロータが収まった部屋(ケーシング)を多段構成させ、各ケーシングにてロータを回転させることで空気を圧縮し、次段のロータがある部屋にそれを送ることで、真空度を引き上げていくといったもの(多段ルーツ型)。同製品は、その最終部分である逆止弁部分に取り付けることで、吸気口と排出口の圧力差をなくし、多段ロータ部分をより真空に近づけることにより、ポンプに搭載されているモータの電力消費量を減らすことを可能とし、それにより電力削減を可能としたもの。ポンプの能力を変えずに消費電力を削減できるため、既設の設備にも取り付けることも可能だとするほか、すでにアジア各国での特許も取得済みだという。具体的な削減量については、例えば通常使用で3.2kW程度の消費電力であったものを1kW未満へと落とすことが可能とのことで、300Lのチャンバを60秒のタクトで繰り返し排気をした場合、何もつけない場合と比べて34%の電力削減になるという。また、シールガスが10L/minといった環境でも電力消費量を50%程度削減することが可能であり、第8.5世代の液晶工場1ラインあたりで200台程度取り付ける箇所があるとのことで、すべて取り付けた場合、年間で電力料金が9811万2000円の削減が見込めるとする。なお同製品は、すでに販売を開始しており、価格は59万円(税別)から。初年度300台の販売を目指すとしている。
2015年09月03日オーストラリア発のオーガニックコスメブランド「グロウン・アルケミスト(GROWN ALCHEMIST)」が日本初上陸。フェイスケア、ボディケアを始めとした計30アイテムをセレクトショップ「ザ・コンランショップ」の全店、及び全国のセレクトショップで展開中だ。「グロウン・アルケミスト」は、08年にオーストラリアのメルボルンで設立されたオーガニックコスメブランド。オーストラリア、パリ、ロンドンに皮膚科学の研究拠点を持っており、その最先端の研究実績を用いたオーガニックコスメを製作している。スキンケアではシリーズを代表する美容液「エイジ サイエンス セラム」(30ml:1万2,500円)が登場。先進のエイジングケアを考えたペプチドと天然アミノ酸が配合されており、みずみずしい潤いがある肌へと導いてくれる。その他、汚れを取り除くアロエベラを豊富に含んだ洗顔ジェル「ジェントル ジェル フェイシャルクレンザー」(200ml:4,500円)や、植物オイルを配合したスイカとバニラの香りのリップバーム(12ml:1,900円)などをラインナップしている。一方、ボディケアではザクロ、アサイー、シーバックソーンをブレンドした「インテンシブ ボディクリーム」(120ml:3,000円、500ml:9,900円)や、植物オイルを用いたジェル状のハンドソープ「ハンドウォッシュ」(300ml:3,000円、500ml:4,000円)などが登場。リコピンとビタミンCを豊富に含んだブッシュトマトの食物繊維を配合したシャンプー(300ml:2,500円、50ml:3,500円)も展開している。
2015年05月02日アルバックとRobert Boschは4月8日、MEMS用PZT圧電素子デバイスの共同開発を行っていくことで基本合意に達したと発表した。同合意に基づき、Boschは今後アルバックのスパッタリングシステム「SME-200」を用いて先端MEMSの開発を行っていくこととなる。なおアルバックでは、MEMS技術の発展にともないPZTを圧電素子として用いたセンサやアクチュエータが開発、実用化されてきたが、薄膜形成やドライエッチングなどの半導体製造技術は今後、より高品質な圧電素子を作製するためにさらに重要な技術になると考えているとコメントしている。
2015年04月08日アルバックは3月25日、次世代MEMSデバイスとして期待されるCMOS搭載MEMSデバイス向け量産対応低温PZTスパッタリング技術を開発したと発表した。インクジェットプリンタのヘッドやカメラのオートフォーカス用アクチュエータなどの圧電MEMSには、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸塩、Pb(Zr,Ti)O3)の薄膜が用いられているが、次世代技術として、そうした圧電MEMSとCMOS技術を融合することで、デバイスの高性能化・多機能化・小型化を図ろうという動きが活発化してきている。しかし、PZT薄膜の結晶化温度はスパッタリング法で600℃程度、Sol-Gel法では700℃程度と高温のプロセスが必要なため、500℃以下の低温プロセスが必要となるCMOSへの搭載が困難であった。同技術は、「多種応用の異なった要求を同時満足する高性能の達成」、「LSI搭載可能の温度範囲でのプロセスの開発」、「高信頼性量産スパッタモジュールの実現」の3つを目標にして開発されたもの。独自技術の採用により、成膜温度はCMOSにも適用可能な485℃ながら、実用に耐えうるスループットとPZT薄膜の品質を実現したという。具体的には、通常のスパッタリングプロセスでは下部電極層の形成の後、圧電層の形成という順であったが、新たにその間にバッファ層を形成するプロセスを入れることで、低温化を実現したという。この結果、PZT薄膜の膜厚2.0μmにおける電気特性は圧電定数(e31):-17C/m2、絶縁耐圧:±100V、サイクル特性:<1011回を達成しており、PZT薄膜において世界最高レベルの性能を量産条件で確認したとする。なお、同社の既存スパッタリング装置「SME-200」に組み合わせることが可能な同技術を採用した専用チャンバもすでに開発済みで、2015年末には出荷を開始する計画としている。
2015年03月26日Aldecの日本法人であるアルデック・ジャパンは、業界最大容量クラスのSoC/ASICデザイン向けにXilinxのFPGA「Virtex-7」ベースの汎用プロトタイピングシステム「HES-7(HES7XV12000BP)」を発表した。同製品は、FLG1925パッケージのFPGA「Virtex-7 2000T」を6個搭載し、ボード1枚当たりの最大ゲート数は7200万ASICゲートである。さらに、このボードを同社のバックプレーン「HES7-BPx4」に4枚接続することで、FPGAプロトタイピングシステムは最大2億8800万ASICゲートまで拡張できる。また、「HES-7」FPGAボードはFMCコネクタを9本持ち、合計648本の差動ペアがFMC対応ドーターカード(レガシーまたは新ハードウェア)の外部接続に使える。そして、内部のFPGA間接続には1ボードごとに合計977本の差動ペアがあり、デバッグ用途の共通バスも別に用意されている。加えて、制御用FPGAの「Virtex-7 690T」はEthernet 1GBおよび40GB(QSFP+)、USB3.0、PCIe x16/x8などの高速インタフェースと接続し、最先端のデザインをほぼカバーできる。この他、「HES-7」はFPGAプログラミングおよびボード設定用制御ユーティリティを持つ従来型の高速プロトタイピングソリューションの用途に利用可能となっている。また、「HES-7」のメリットとして、同社のシミュレーションアクセラレーション、エミュレーションソリューションであるHES-DVMの高機能検証モード用ハードウェアプラットフォームになるという。
2015年02月17日アルケアは2月16日、オリンパステルモバイオマテリアル(OTB)より、OTBが製造販売している人工皮膚「テルダーミス真皮欠損用グラフト(テルダーミス)」の国内における医科向けの独占販売権を取得し、3月より販売すると発表した。テルダーミスはコラーゲンを原料とする生体材料(人工皮膚)で、やけどや手術による傷など重度に皮膚や粘膜が欠損した場所に貼り付けることで、皮膚の再生をサポートする。2007年よりOTBが製造販売し、形成外科や整形外科などに供給してきた。今回、アルケアが国内における医科向け独占販売権を取得することで、同社の販売網を活用した幅広い提供が可能となり、「テルダーミス」を商品ラインアップに加えることで、創傷治療の発展に貢献していくとしている。
2015年02月16日Aldecの日本法人であるアルデック・ジャパンは、ハードウェアエミュレーションソリューションのソフトウェアの最新版「HES-DVM 2014.12」を発表した。同ソフトウェアは社内開発のボードにも、同社の「HES-7」のような商用のSoC/ASICプロトタイピングボードにも適用できるユニークなエミュレーションソリューションで、エミュレーションを高速化し、SystemVerilog DPIをインタフェースとした使いやすいシステムとなっている。高度なSoCプロジェクトなどで検証プロセスの拡張性を高め、さらなる時間短縮につなげることができる。また、SCE-MIのファンクションベースエミュレーションフローを大きく進歩させており、ユーザーは自前のOVM/UVMシミュレーションフローにハードウェアエミュレーションを導入できる。さらに、DPI-Cのエクスポートタスクがサポートされ、信号値の強制やplusargsのコンパイルなどの新機能も使えるようになった。そして、同社のHESエミュレータインザループでも、OVM/UVMのテストベンチを再利用できるだけでなく、エミュレータでデザインのシミュレーションを高速化できる。加えて、DPI-C関数の定数引数を最適化し、SCE-MI Clocks Turbo Modeと呼ばれる自動クロックリスケールを導入することで、OVM/UVMシミュレーションアクセラレーションインタフェースも大幅に高速化した。こうした改善点によって、SCE-MIトランザクタをFPGAにインプリメントする際に使うチップリソースも小さくなり、エミュレーション実行全体の所要時間も大幅に短縮された。この他、デザイン設定ツールのDesign Verification Manager (DVM) に数多くの新機能が追加され、性能も強化されている。
2015年01月23日レアル・マドリードCFとマイクロソフトは11月18日、テクノロジを通じてクラブのデジタル変革を推進する合意を行った。この合意では、マイクロソフトがレアル・マドリードの戦略的テクノロジパートナーとなり、PCやタブレット、スマートフォン、ウェアラブル端末といった多様なデバイスからアクセスできるデジタルサービスを提供する。両者の連携では、初めに「マドリディスタ」がチームの情報をフォローし、クラブに対する情熱を友人とシェアできる方法を備えたデジタルプラットフォームを構築する。レアル・マドリードのサポーターは、どこにいても、コンテンツ、限定デジタルサービスなどにアクセスできるようになる。さらに、オンラインサービスでは充実した試合観戦のエクスペリエンスを提供。たとえば、クラブのサポーターは各ゲームの前後、あるいは、試合中にスタジアムにバーチャルにアクセスし、見たいコンテンツを選択できる。ほかにも、チームの成績向上や効率性強化を目指して、選手やコーチ向けの主要ツールとしてマイクロソフトのサービスとSurface Pro 3などのデバイスが提供される。
2014年11月20日アルバック理工は11月17日、SiCなど高融点材料の小片試料を加熱できるハイパワースポット型⾚外線ゴールドイメージ炉を搭載した超⾼温ランプアニール装置「HT-RTA59HD」を発表した。SiC(GaN)などのパワーデバイス材料は、高価なため、小片試料でのプロセスデバイスの研究・開発が行われている。SiC(GaN)のプロセスでは、酸化膜形成は1400℃以上、活性化アニールは1600℃以上と超高温領域の温度帯が必要となる。そこで今回、卓上型で手軽に超高温が達成できる同製品を開発したという。最高加熱速度は、ノンコントロールフルパワー加熱で1800℃まで約10秒となっている。試料サイズは15mm×15mm×1mmまで対応する。なお、価格は650万円から。11月から販売を開始する。同社では、初年度で20台の販売を目指している。
2014年11月18日長野県のゆるキャラ「アルクマ」をご存じだろうか。今年行われた「ゆるキャラグランプリ」では1,580キャラ中28位となった長野県観光PRキャラクターだ。地方の名産・名物をゴテゴテと身にまとったいかにもなデザインではなく、かわいらしい外見にかぶりもので名産・名物をアピールしている。クオリティは高く、県外にも熱狂的なファンがいるほどなのだが、全国区での知名度は今ひとつ。そこで長野県観光部観光振興課に、アルクマが誕生した経緯から現在の活動までいろいろと聞いてみた。アルクマは、2010年秋に行われた信州の魅力を全国に紹介する観光キャンペーン「信州デスティネーションキャンペーン」のイメージキャラクターとして2009年8月に誕生。キャンペーンキャッチフレーズである「未知を歩こう。信州」を、かわいらしいキャラクターが楽しそうに歩く姿で表現するために生み出された。また、信州の名産品である「りんご」のかぶりものを身につけることで、信州らしさを表現しているとのこと。プロフィールは「信州だけに出没する、大変珍しいクマ。クマなのに寒がりで、いつも頭にかぶりもの。クマなのに旅行好きで、いつも背中にリュックサック。信州をクマなく歩きまくり、信州の魅力を世の中にクマなく広めるのが生きがい」。信州・日本アルプスのどこかが出身であり、性別と年齢は不明。身長はリンゴの木の半分くらい、体重はリンゴ70個くらい。長所は行動的なことで、短所は寒がり。趣味は信州旅行とかぶりもの収集で、特技は信州のお国自慢。好きなものは山、そば、リンゴ、苦手なものは海ともずく。そして、座右の銘は「未知を歩こう。信州」だ。……いやぁ、しっかり作り込まれている。やはりかなりのクオリティである。かぶりもの収集が趣味とのことで、リンゴ以外にも、栗、松茸、ワイン、そばといった名産品から、日本アルプスや真田幸村(兜)などの信州らしいかぶりものを身に付けたバージョンも存在している。現在は、長野県内外で実施されている「信州アルクマキャラバン」という観光キャラバン等にて活動中であり、冬期はスキー場などでも活躍しているとのこと。キャラクター商品は多岐にわたり、ぬいぐるみや携帯ストラップ、リンゴ飴やキャラメル、そばなども販売されている。取り扱いは、長野県内JR東日本主要駅のコンビニエンスストア「NEWDAYS」、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア、観光土産店、長野県東京観光情報センターなどだ。冬の長野県は、都道府県別では北海道に次いで多いというスキー場をはじめ、諏訪湖などでのワカサギ釣り、ハウス農園でのいちご狩り、滝が凍り付く氷瀑・氷柱などなど、見所や楽しめる観光スポットも多い。そして、長野県内各地を歩き回るアルクマと一緒に写った写真を撮影し、信州アルクマキャラバンのWebサイトに投稿すると、抽選でアルクマのオリジナルグッズをプレゼントする企画も開催中だ。なお、アルクマの訪問予定も同サイトにて確認できる。この冬は、ぜひ長野を訪れてアルクマに出会って欲しい。
2014年01月10日“白い巨人”、“銀河系軍団”と呼ばれ、世界中から愛されているサッカー・クラブチーム「レアル・マドリード」。その公式ミネラルウォーターが日本に初上陸し、現在ナチュラルローソン(一部店舗を除く)などで販売がスタートしている。その名も、「SOLAN DE CABRAS(ソラン・デ・カブラス)」。美しいピュアなブルーとデザイン性に優れた個性的なフォルムで目を引くオシャレなボトルに、思わず手が伸びてしまう人も多いはず。スペイン国内では、ファッション・ブランドや映画、コンサートなどでコラボレートされる人気のあるミネラルウォーター・ブランドだ。ソラン・デ・カブラスは、スペインのベテタ(クエンカ)にある源泉から採水され、純粋で口当たりもやわらかで上品なのが特徴のナチュラル・ミネラルウォーター。中硬水でカルシウムとマグネシウムのバランスが非常に良く、程よいミネラル分が水分補給に優れている。ボトルの青色もただオシャレなだけでなく、水を紫外線から守る働きがある。ちなみにソラン・デ・カブラスとは、この地に湧きあがる泉の名で、地表に降った雨水が遥か400年の時を経て、限りなくピュアな湧水となる。水温は常に21度に保たれており、水量も一定。遥か昔、ローマ時代からこの水の治癒力を求め、数多くの王族が訪れたと伝えられている由緒正しい名水なのだ。美味しくて健康にもよい水として、日々の生活に欠かせなくなっているミネラルウォーター。ミネラルの摂取はもちろん、便秘解消やダイエットなどにも効果がある。ランニングの後などスポーツ時だけでなく、料理の際には出汁とりや鍋ものにも最適。しかも、ハイセンスなボトルのソラン・デ・カブラスなら、来客時のおもてなし向きのテーブルセッティングにもスタイリッシュに映えること間違いなしのおすすめアイテムだ。ミネラルウォーター「ソラン・デ・カブラス」330mL/価格:126円(税込)500mL/価格:147円(税込)公式サイト:(text:cinemacafe.net)
2013年01月15日アル・パチーノが国民芸術勲章(National Medal of Arts)を受章、13日にホワイトハウスでオバマ大統領から勲章を贈られた。国民芸術勲章は、アメリカ文化に素晴らしい功績を残した芸術家や学者、団体に対して政府から贈られる最高の栄誉と見なされている。『ゴッドファーザー』シリーズや『セルピコ』(’73)、『狼たちの午後』(’75)など数々の傑作に主演し、『セント・オブ・ウーマン夢の香り』(’92)でアカデミー賞主演男優賞に輝いたパチーノの「銀幕での強烈な存在感」が評価されたという。ホワイトハウスのイーストルームで行われた授与式では、パチーノを始めカントリー歌手のメル・ティリスや詩人のリタ・ドーヴら15人と2団体に勲章が贈られた。様々な背景を持つ人々を「結びつける力が芸術にはある」とスピーチした大統領は、受章者たちに「平穏なとき、危機のとき、勝利のとき、そして悲劇のときも、あなたたちは我々が人として成長するよう、導いてくれました」と語りかけた。会場にはサラ・ジェシカ・パーカーやジョン・リスゴーの姿もあり、受章者たちと大統領のスピーチに惜しみない拍手を送っていた。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO
2012年02月15日名優アル・パチーノの80年代の代表作のひとつ『スカーフェイス』のブルーレイ化に合わせて8月23日(現地時間)、ハリウッドでプレミアイベントが開催。アル・パチーノをはじめ、スティーブン・バウアー、ロバート・ロッジア、F.マーレイ・エイブラハム、そしてプロデューサーのマーティン・ブレグマンが再集結したほか、伝説的バンド「KISS」のジーン・シモンズらハリウッドセレブも来場。その後、登壇陣は日本のメディアの取材に応じた。ブライアン・デ・パルマがメガホンを握り、オリヴァー・ストーンが脚本を担当した本作。キューバからボートピープルとしてアメリカに上陸し、そこから成り上がっていこうとするギャング、トニー・モンタナの壮絶な人生を描く。アル・パチーノは実はこれまで映画のプロモーションで1度も来日した経験がない。その理由を尋ねると「行く理由がなかっただけだよ。何かあったら行ってたと思う。それじゃ、数年以内に必ず日本に行くようにするから、呼んでね。約束だよ」と語り笑顔を見せた。さらに本作の撮影をふり返り「銃を使うシーンで、一度、手に大けがをしたんだ。そのとき、近くの病院に運び込まれたんだけど、ギャング(トニー・モンタナ役)の衣装そのままで運び込まれたら、看護婦さんが『まさかアル・パチーノじゃないですよね?』と聞いてきたので『そうだよ。そのまさかだよ』と答えると『よかったわ。ホームレスかアル・パチーノかどっちかしらと思ってたのよ』なんて言われたことがあったんだ」と驚きのエピソードを明かしてくれた。1983年の全米での公開当時、本作についてのマスコミの評価は辛辣で、その暴力の描写に対してはバッシングもあった。スティーヴン・バウアーは「映画を観るお客さんからは大好評だったんだけど、マスコミには叩かれましたね。当時は、ギャング映画でここまでバイオレントな作品はなかったし、そういう意味ではギャング映画の歴史を築いたとは思うけど、マスコミの書いた記事を読むのは辛かったね」と述懐。アル・パチーノは「胃が痛くなるほど辛かったね。あまりにも酷くて、みんなに『そういう記事を読むな』って言ってたし、とにかくお客さんの反応だけを信じようと関係者全員に言ったよ」と28年前をふり返る。辛辣だったのはマスコミだけではなく出演者の身内も?F.マーリー・エイブラハムは「公開後すぐに母親から『何なのあの酷い言葉使いは!』と大興奮で電話がかかってきた。母親は(アル・パチーノ同様)イタリア人なんだけど『イタリア人は、あんな言葉使いはしません。アル・パチーノに、ちゃんと言っておきなさい。あんな映画は、二度と出ちゃだめよ!』って言われたよ。とにかく、『F●CK』という言葉の連発に、母親は嘆いていたね。まぁ、その時代にかなりの衝撃を与えた映画だってことには間違いないよね」と懐かしそうに思い出を明かしてくれた。「僕たちがまさに“ギャング映画”の歴史を変えたと言っても過言じゃないと思う」と誇らしげに語るアル・パチーノ。40代の彼が、ギラギラと欲望をみなぎらせ、新天地でのし上がっていこうとする男の“狂気”を体現!『スカーフェイス』ブルーレイは10月5日(水)発売。■関連作品:スカーフェイス 1984年4月、公開© 1983 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED
2011年08月25日