2月2日(金) から公開される映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』より、クレイグ・ギレスピー監督のコメントが到着した。本作は、ベン・メズリックのノンフィクションを基に映画化した作品で、コロナ禍の2021年、SNSに集まった個人投資家たちが起こした全米を巻きこむ社会現象“ゲームストップ株騒動”を、ユーモアを交え描く。監督のギレスピーはパンデミックの最中、ゲームストップ株の成り行きに一喜一憂する息子とともにこの騒動をリアルタイムで体験したという。当時のことを「人々のフラストレーションと歓喜、取引の激しさ、そして投資アプリ『ロビンフッド』がシャットダウンしたときの衝撃と怒り、それに続く破滅的状況と失望。人々を夢中にさせ、感情を疲弊させ、時に陶酔感を与える、ジェットコースターのような出来事」と振り返る。そして「息子は3分おきに携帯電話をチェックしていた。ロビンフッドとヘッジファンドの間で何が起きたのか、起きていることすべてをリアルタイムで理解しようとしたんだ」と、映画でも描かれた狂騒ぶりを伝えてくれた。クレイグ・ギレスピー監督「今作のテーマには全員が何かしら関わりを持っていたと思います」とプロデューサーが話す、物語の中心となる平凡な会社員キース・ギルを演じるのは、近年『THE BATMAN -ザ・バットマン-』『フェイブルマンズ』(22) に出演したポール・ダノ。監督は彼のキャスティングにあたり、『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフが死体役を演じた異色のサバイバル劇『スイス・アーミー・マン』(16) を観返したそう。「私はポールが大好きで、彼の幅広い役柄には驚くばかりです。実際、僕が見返した映画は『スイス・アーミー・マン』で、あの無邪気さや演技の中には『ダム・マネー』での“ローリング・キティ”役と似ているところがたくさんあると感じたからなんだ」と明かしている。そしてキースら市民の敵とも言えるヘッジファンドの億万長者“ゲイブ”を演じるのは、コメディ俳優の枠を超え、声優業から製作業まで幅広くこなすセス・ローゲン。プロデューサー曰く、「演じる役に対するセスの分析力こそ、監督が求めていたものです。彼はユーモアも交えますが、その下には本質と誠実さがあります。セスにできないことはありませんが、彼が特に素晴らしいのは、激しい怒り、傲慢さ、野望など見応えのある表現力です」と賛辞を送っており、平面的なキャラクターにはしたくないという製作陣の意向に合致したキャスティングとなった。ゲイブ・プロトキン役 セス・ローゲン<作品情報>『ダム・マネー ウォール街を狙え!』2月2日(金) 全国公開『ダム・マネー ウォール街を狙え!』ビジュアル公式サイト: BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
2024年01月23日ポール・ダノ主演『ダム・マネー ウォール街を狙え!』より、本編映像が解禁された。未曾有のパンデミックの渦中だった2021年初頭にアメリカの金融マーケットで発生した前代未聞の大事件を映画化した本作。この度解禁されたのは、全米を揺るがした“ゲームストップ株騒動”をユーモアたっぷりにとらえた本編映像。過熱していく“ゲームストップ劇場”をリアルタイムでとらえたようなニュース映像は臨場感満点だ。また、当時のミームが盛りだくさんのSNS動画が次々と画面に流れ、ゲームストップ株が高騰し、市民の声が熱を増していく様子が切り取られている。映像の中には、映画『猿の惑星』シリーズのワンシーンや、価値が変動しても絶対に株を手放さないという意味で使用されるダイアモンドの絵文字など、小ネタが随所に盛り込まれており、遊び心満載。さらに、BGMとして挿入されているのは、2000年代に人気を博した有名ロック・バンド「ザ・ホワイト・ストライプス」がグラミー賞を受賞した代表曲「セヴン・ネイション・アーミー」。「七カ国連合軍でも俺を抑えることはできない」という歌詞が、個人投資家の戦意を鼓舞し、大バズリ中のゲームストップ株ミームに拍車をかけるような音楽にも注目だ。『ダム・マネー ウォール街を狙え!』は2月2日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ダム・マネーウォール街を狙え! 2024年2月2日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
2024年01月21日コロナ禍の最中に巻き起こった実際の騒動を描いた『ダム・マネー ウォール街を狙え!』よりポール・ダノのインタビュー映像が解禁された。本作は2021年初頭にアメリカでネット掲示板に集った個人投資家たちが、倒産間近と囁かれていたゲームストップ社の株を買いまくり、同社を空売りしていたヘッジファンドに大損害を与えた痛快な反乱劇を描いた実録エンターテインメント。ポール・ダノが演じたキース・ギルは普段は妻子あるごく普通の男性だが、動画のライブ配信ではトレードマークの赤いハチマキに猫のTシャツをまとった“ローリング・キティ”に変身。ゲームストップ株に深い愛着を抱くキースは、見た目の珍妙さとは裏腹に同社の見逃されている価値を真摯に訴え続け、それはやがて全米を揺るがす大騒動となった。この度解禁されたインタビュー動画で、ダノはまず本作の物語に惹かれた理由について「ローリング・キティのキャラクターだね」と答えると、「キティが動画配信を始めたのは社会現象を起こすためなんかじゃない。コロナ禍で沈み込んだ自分に光を与えるためだった。実際に彼の動画は喜びに満ちてる」と語り、「だから多くの人が彼に反応した」と分析。実際にダノも「時間をかけてローリング・キティの動画を研究した。あの動画で彼に一目惚れしたんだ。この人物をもっと知りたいと思った」と当時をふり返った。そのキース・ギルについては「キースは勇敢だったし公聴会でも誠実だった。他の人たちとの違いは一目瞭然だ。隠し事をしない彼だから人々から支持を得たんだ。他の人たちは公聴会で答えをはぐらかしてばかりだった。彼は証言台の前でも常に誠実だった」と後に大騒動を重く見たアメリカ議会の下院金融委員会に召喚されたオンライン公聴会のキースの姿に思いを巡らせた。ディズニー実写映画『クルエラ』など手掛けたクレイグ・ギレスピー監督とは本作で初タッグとなったダノ。「クレイグとは接点が少ないから、連絡が来た時はうれしかった。主演を任されたのも光栄だった」と話し、「監督と脚本家たちのすばらしい仕事によって短時間でここまでの仕上がりになった。どの登場人物もすばらしく最高の映画だ」と監督の手腕を絶賛。最後にダノはファンに向けて「劇場で見るべき作品だ。すごく楽しい時間が過ごせるし笑えるから。誰かと分かち合えばもっと楽しい。それにこれは誰が観ても楽しめる映画だと思う。映画館に足を運んだら後悔させない自信があるよ」とメッセージを寄せた。『ダム・マネー ウォール街を狙え!』は2月2日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ダム・マネーウォール街を狙え! 2024年2月2日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
2024年01月12日ポール・ダノ主演『ダム・マネー ウォール街を狙え!』より予告映像とポスタービジュアルが解禁された。本作は、コロナ禍に米金融マーケットで起こった前代未聞の大事件“ゲームストップ株騒動”を基に映画化した実録エンターテインメント。赤いハチマキに猫のTシャツ姿がトレードマークの“ローリング・キティ”ことキース・ギル(ポール・ダノ)。親しみやすいキャラクターのキースがウォール街の資産家たちが過小評価していたゲームストップ株に目を付けたことから、この大騒動は幕を開ける。解禁されたのは、SNSを中心に広がり始めた無力な個人投資家たちによる世紀の大逆襲の様子を捉えた予告映像。株を持ち続ける意思を示す「ダイヤモンド」や株価の大暴騰を表した「月を目指すロケット」といった、実際に使用されているネットスラングをリズミカルに挟みながら、映像がジェットコースターのように目まぐるしく映し出される。ウォール街のエリートと庶民の途方もない経済格差、投資環境が激変したSNS時代のマネーをめぐる狂騒など、まさしく世界の“今”をパワフルに射抜いた本作の軽妙な展開が伝わってくる。併せて解禁となったポスタービジュアルの注目ポイントは、なんといっても中央に堂々とそびえ立つ<札束ミドルフィンガー>!己の生活を掛けた弱者(SNSに集った庶民)が立ち上がり、巨人(金融界の大富豪)へ向けた挑戦的な姿を直球的に表現したシンボルともいえる。下段には、事件当時にSNSなどで多用された騒動を盛り立てる言葉を手に集う群衆をバックに本作の主要キャラクターたちの姿がお目見え。一番手前には、ハンドルネーム「ローリング・キティ」を象徴する子猫を頭に、騒動の台風の目となったキース・ギルがひょっこり顔を出している。さらに、彼のサングラスには愛するGME(ゲームストップ)株の値動きが映り込むなど、遊び心が随所に散りばめられたビジュアルとなっている。『ダム・マネー ウォール街を狙え!』は2024年2月2日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ダム・マネーウォール街を狙え! 2024年2月2日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
2023年11月21日映画『ダム・マネーウォール街を狙え!』が2024年2月2日(金)に公開される。“ゲームストップ株騒動”とは?パンデミックによって社会全体が疲弊し、誰もが孤独と将来への不安に苛まれていた2021年初頭。アメリカの金融マーケットが激震する前代未聞の大事件が発生した。ネット掲示板に集った無力な個人投資家たちが、時代遅れで倒産間近と囁かれていた、実店舗でゲームソフトを販売する企業「ゲームストップ社」の株をこぞって買いまくり、同社を空売りしていたヘッジファンドに大損害を与えたのだ。アメリカ各地に点在する無力な一般市民がSNSを通じて団結し、強欲なウォール街の大富豪たちに巨額の損失を与えたこの反乱劇は、全米を揺るがす社会現象にまで発展。“ゲームストップ株騒動”と称され、日本でも大きな反響を呼んだ。前代未聞の事件の内幕を描くそんな前代未聞の事件の内幕をユーモア満載で描いたのが映画『ダム・マネーウォール街を狙え!』だ。「Facebook」の設立とそれに伴う訴訟を描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』の原作者、ベン・メズリックのノンフィクション作品をベースに、ゲームストップ株に全財産を投じたごく平凡な会社員キース・ギルに焦点を当て、パワフルな実録エンターテインメントを描き出す。監督は『クルエラ』のクレイグ・ギレスピー監督を務めるのは、『クルエラ』、『アイ、トーニャ史上最大のスキャンダル』のクレイグ・ギレスピー。クレイグは“ゲームストップ株騒動”が起こった当時、早い段階でゲームストップ株へ投資をしていた24歳の息子と同居していたという。「息子を通して、ゲームストップの物語のスリルや興奮、恐怖を味わった」ことから「“ゲームストップ株騒動”は単なる株取引の話ではない」ことを感じ取り、映画『ダム・マネーウォール街を狙え!』を描くに至ったと明かしている。主人公キース・ギルは『フェイブルマンズ』のポール・ダノそして“ローリング・キティ”という別名義で動画配信し、人々を夢中にさせ、感情を疲弊させ、ときに陶酔感を与えた主人公キース・ギルは、『フェイブルマンズ』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のポール・ダノが演じる。キース・ギル…ポール・ダノアメリカ・マサチューセッツ州で暮らすごく平凡な会社員。全財産の5万ドルを倒産間近と囁かれていたゲームストップ社につぎ込む。映画『ダム・マネーウォール街を狙え!』あらすじ世界的なパンデミックにより孤立感や社会的不安が深刻な問題になっていた2020年。米マサチューセッツ州の会社員キース・ギルは、全財産の5万ドルを倒産間近のボロ株と見なされていたゲームストップ株につぎ込んでいた。赤いハチマキを巻き、ネコのTシャツ姿の“ローリング・キティ”という別名義で動画を配信しはじめたキースは、ゲームストップ株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴える。すると、彼の主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。同社を空売りしてひと儲けをもくろんでいた金融業界の大富豪たちは巨額の損失を被った。やがてSNSに集結した無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻したこのニュースは、連日メディアをにぎわせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースの行く手には、想像を絶する事態が待ち受けていた……!【作品詳細】映画『ダム・マネーウォール街を狙え!』公開日:2024年2月2日(金)監督:クレイグ・ギレスピー原作:ベン・メズリック脚本:ローレン・シューカー・ブラム、レベッカ・アンジェロ出演:ポール・ダノ、ピート・デヴィッドソン、ヴィンセント・ドノフリオ、アメリカ・フェレ―ラ、ニック・オファーマン、アンソニー・ラモス、セバスチャン・スタン、シャイリーン・ウッドリー、セス・ローゲン原題:DUMB MONEY配給:キノフィルムズ© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
2023年11月03日2021年の“ゲームストップ株騒動”を基にした映画『DUMB MONEY(原題)』が邦題『ダム・マネー ウォール街を狙え!』として2024年2月2日(金)より公開されることが決定。場面写真が解禁された。コロナ禍まっただ中の2020年。米マサチューセッツ州の平凡な会社員キース・ギル(ポール・ダノ)は、全財産の5万ドルをゲームストップ株につぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売するゲームストップ社は業績が低迷し、倒産間近のボロ株と見なされていたが、キースは赤いハチマキを巻き、ネコのTシャツ姿の“ローリング・キティ”という別名義で動画を配信し、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴える。すると、キースの主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。同社を空売りしてひと儲けをもくろんでいた金融業界の大富豪たちは巨額の損失を被った。やがてSNSに集った無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻したこのニュースは、連日メディアをにぎわせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースの行く手には、想像を絶する事態が待ち受けていた…!『ソーシャル・ネットワーク』(2010)の原作者でもあるベン・メズリックのノンフィクションに基づく本作は、ゲームストップ株に全財産を投じたごく平凡な会社員キース・ギル(ポール・ダノ)に焦点を当て、事件の驚くべき内幕を描き出す。アメリカ各地に点在する無力な一般市民がSNSを通じて団結し、強欲なウォール街の大富豪にギャフンと言わせたこの反乱劇は、全米を揺るがす社会現象となり、日本でも大きな反響を呼んだ。監督は『クルエラ』、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』のクレイグ・ギレスピー。当時、24歳の息子と同居しており、「息子は早い段階でゲームストップ株へ投資をしていたので、一連の出来事を逐一体験していた」ことを明かす。「当時のアメリカは、新型コロナウイルスにより与えられた孤立感や社会的不安が深刻な問題になっていた。そこに現れた“ローリング・キティ”。ゲームストップ社の株がただ好きな、誠実で謙虚な平凡な男。このヒーローらしからぬヒーローが、世間の人々を夢中にさせ、感情を疲弊させ、ときに陶酔感を与えた。私は息子を通して、ゲームストップの物語のスリルや興奮、恐怖を味わった」ことから「“ゲームストップ株騒動”は単なる株取引の話ではない」ことを感じ取り、本作を描くに至ったという。さらに監督がこの物語に惹かれた理由の一つに「すべての出発点はキャラクター」と答えるほど、登場人物のキャラクターは個性的。演じたのは、『フェイブルマンズ』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のポール・ダノをはじめ、ピート・デヴィッドソン、ヴィンセント・ドノフリオ、アメリカ・フェレーラ、ニック・オファーマン、アンソニー・ラモス、セバスチャン・スタン、シャイリーン・ウッドリー、セス・ローゲンと豪華でユニークなキャストが集結。特に主人公のキース・ギルこと“ローリング・キティ”を演じたポール・ダノは、「初めて脚本を読んだときすごい物語だと思いました。彼には独特のスピリットがあり、彼の動画が一番の決め手でした。初めて見た瞬間『この人と一緒に時間を過ごしたいな』と思い、キャラクターに共感し続けました」と語った。また、併せて解禁となった場面写真では、ローリング・キティの動画を徹底的に研究したポール・ダノのほか、各々がモデルとなった実在の人物へ寄せた役作りの成果も垣間見ることができる。ウォール街のエリートと庶民の途方もない経済格差、投資環境が激変したSNS時代のマネーをめぐる狂騒…。世界の“今”をパワフルに射抜いた実録エンターテインメントに期待が高まる。『ダム・マネー ウォール街を狙え!』は2024年2月2日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて全国公開。(シネマカフェ編集部)
2023年10月31日成功、挫折が渦巻くニューヨークのウォール街を舞台、いや“主人公”に、人間の欲望をえぐり出した映画『ウォール街』。発表から20年以上経ても物語が鋭さを失うことはなく、特にマイケル・ダグラスが演じたゴードン・ゲッコーという強烈なキャラクターは、いまなお金融関連のニュースや論評にしばしば引用されるほどである。この栄光と挫折を背負ったカリスマが再びスクリーンに帰ってきた。8年におよぶ服役を経て彼は何を学び、ウォール街で何をしようとしているのか?メガホンを握るのはもちろん、前作に続いてオリヴァー・ストーン。続編『ウォール・ストリート』公開を前に来日を果たした監督に話を聞いた。映画の中の時代設定は2008年。現実の世界ではリーマンショックが起こり、その後、世界的規模での景気の悪化が誘発されることになったが、監督自身、こうした現実の世界の経済状況をどのように見ているのか?そう尋ねると「I don’t know...」という、にべもない答えが…。「例えば日本の状況を見ても、私が見た限りで以前来たときよりも新しい建物が増えてるように見える。私が思っているのは、経済ってものは経済学者やエコノミストたちが考えているものではないってこと。生活のレベル、という点で広い視野で歴史を見れば、人々の暮らしが向上しているのは事実だろう?エコノミストたちが見ているのは、切り取ったほんの一部の状況に過ぎないわけで、そういう混乱を呼ぶだけの言説は注目するに値しないよ。私自身、経済について学んだことはいくらでも話せるけど…本当のところは分かんないっていうのが正直なところだよ」。さらに「ただし、ひとつ確かなことがある…」と切り出し、アメリカ経済、そしてウォール街の在り方について辛辣にこう続ける。「ウォール街は巨大化し、中にはとてつもない金額を稼ぎ出す人間が出現した。でもそこで生み出されたお金が社会に還元されることはない。その大きな利益が社会に貢献することはなく、自分たちの中だけで投資され、その中であらゆる活動が完結してしまってるんだ。銀行は、新しい企業に融資し、経済を活発化させるのが本来の仕事のはずだが、言ってみればそうした機能をすでに失ってしまっているんだ。ウォール街はアメリカの経済の中で意味のない存在となってしまった…それが私の考えだよ」。マイケル・ダグラスにアカデミー賞主演男優賞をもたらすことになった強烈なキャラクター、ゴードン・ゲッコー。前作の公開後には、彼に憧れて投資銀行への就職を希望するアメリカの若者たちが増えたとも言われている。こうした現象には、監督としては複雑な思いもあるのでは?「映画というものは作り物だけど、成功すれば本物に見えるという前提がある。80年代の頃は、ゲッコーという男は反道徳的であったけど、成功を敬う拝金主義的な社会の風潮を背景に、『自分もああなれるかもしれない』という英雄的な一面を持った存在だった。翻って今回の話では、彼は何もないところから、絶対に返り咲いてやるという意志を持ち、嫉妬に狂いながら天才的な力を発揮して大儲けする。こうなると、誰にでもできるようなことではなくて、前作と比べてかなりの(観客との)距離感があるんだ。ただ、私に言えるのは、あの役はすでにクリエイターの手を離れているということ。映画の中でゲッコーが見せる表情に、何を見るかはあなたたち次第ともいえる。実際、この物語、あの男の人生をどう終わらせるべきなのか…自分でも分からないよ。最後の場面で風船が出てくるけど、『ウォール街の新しいバブルは何なのか?』ということを象徴的に表していると言えるかもしれない。さっき、ウォール街の機能が実質的に終わったと言ったけど、それでも街がなくなることはないんだろうとも思っているよ。同様に人間もどうあっても死なずに生き続けるってことだね」。そして今回、マイケル・ダグラスに加えて、その娘役でキャリー・マリガン、さらに若き投資家としてシャイア・ラブーフという新世代のスターがキャスティングされている。オリヴァー・ストーン作品といえば、先ほどのゲッコーの例を挙げるまでもなく、緊迫感の溢れるストーリーの中での魅力的なキャラクターたちの躍動が特徴と言える。彼らの魅力を引き出す秘訣とは?「まず何より、キャスティングが大切だね、それが全てと言ってもいいほどに。だから、私はできるだけ多くの人に会うようにしているよ。自分で紙に書いたキャラクターが、俳優の登場によって変化し、膨らんでいくことも多々ある。だからこそ、自分のイメージを超える俳優をキャスティングするために多くの人に会うんだ。それから、リハーサルは時間ギリギリまで徹底的に、緊迫感を持ってやっているよ」。さらに、シャイアとキャリーが演じたキャラクターについてはこんな“見解”を…。「実は、ウォール街で彼らのような若者にたくさん会ったよ。お金はほしいし、社会に変革をもたらしたい。何より、理想に燃えている若い投資家にね。劇中の2人は、理想を求めてクリーンエネルギーの開発に投資するわけだけど、言うなればいまの若い世代は、小さな頃から温暖化やら、たばこの害やら、マイナスの要因ばかりを聞いて育っていて『何とかしないと』という理想を持って生きざるを得ないのかもしれない。そういうことも含めて、2人にはとにかく理想に生きる人物を演じてもらった。映画を観た人から『いい人過ぎてありえない』とも言われたけど、それもいいんじゃないか…“いい人”で結構だと私は思ってるよ」。ズバリ、監督にとって金はどういう存在?友人だろうか?それとも…。「危険な麻薬だね(笑)。中毒になりかねないし、お金に溺れるなんて簡単なことだよ。でも、お金があるからこそ社会への貢献もできるんだ」。この映画はニューヨークのあの一角に生きる者だけを描いた映画ではない。いまを生き、そして未来に何かを遺すことを使命として帯びる我々の映画なのだ。■関連作品:ウォール・ストリート 2011年2月4日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:夏川純「子どもは2人」と“願望”語る、ホリエモンは“強欲”が原動力と力説キャリー・マリガンら実力派俳優陣が紡ぐ哀しい運命『わたしを離さないで』予告編到着J・ギレンホールは新恋人同伴?M・ダグラスは完全復活。G・グローブ賞こぼれ話シャイア・ラブーフがバイクで魅せる!『ウォール・ストリート』本編映像が到着マイケル・ダグラス、がん克服を宣言。愛妻キャサリン・ゼタ・ジョーンズは歓喜の涙
2011年02月03日最新作『ブッシュ』が現在日本公開中のオリヴァー・ストーン監督が、87年の監督作『ウォール街』の続編『Wall Street 2』(原題)を撮ることが決まり、前作でカリスマ投資家のゴードン・ゲッコーを演じてアカデミー主演男優賞に輝いたマイケル・ダグラスを再び主演に迎え、共演にシャイア・ラブーフ、ハビエル・バルデムが登場することが明らかになった。物語は、前作から20年後の現代が舞台。インサイダー取引と詐欺行為の罪による服役を終え、作家となったゲッコーと若き投資家・ジェイコブを中心に進められる。ゲッコーの娘の婚約者でもあり、前作でチャーリー・シーンが演じた青年・バドにも似た役どころのジェイコブに扮するのは、『トランスフォーマー/リベンジ』のプロモーションで間もなく来日予定のシャイア・ラブーフ。ハビエル・バルデムはゲッコーと行動を共にする投資ファンド会社のオーナーを演じる。代表作の続編製作決定にマイケル・ダグラスは大乗り気。先日行われた出演作『Ghosts of Girlfriends Past』(原題)のプレミア会場でも、「いまこそ経済について、過去数年間で何が間違っていたのかを見直すべきときだと思う」と意気込みを語った。撮影は今夏を予定していて、公開は2010年冬になる見込み。(text:Yuki Tominaga)© Splash/AFLO■関連作品:トランスフォーマー/リベンジ 2009年6月20日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開ブッシュ 2009年5月16日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2008 Prescott Productions, LLC All Rights Reserved■関連記事:シャイア・ラブーフらも来場『トランスフォーマー』続編プレミア試写会に10組20名様ご招待汚名を背負った、あの大統領の真の敵とは?その人間像を丸出しにする『ブッシュ』【ハリウッドより愛をこめて】ハリウッドでは続編製作が流行?M・ダグラス主演作も【ハリウッドより愛をこめて】『トランスフォーマー』第3弾の公開日が早くも決定!?シャイア・ラブーフがまたトラブル、酒気帯び運転で逮捕
2009年06月04日