ケイト・ウィンスレットが主演する、『ミッドナイト・イン・パリ』『カフェ・ソサエティ』のウディ・アレン監督最新作『Wonder Wheel』(原題)が、『女と男の観覧車』の邦題で6月23日(土)に日本公開されることが決定した。時は1950年代、主人公のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、元女優で、いまはコニーアイランドの遊園地にあるレストランでウェイトレスとして働いている。再婚同士で結ばれた、回転木馬の操縦係を務める夫のハンプティ(ジム・ベルーシ)、そして自身の連れ子と観覧車の見える部屋で暮らしている。実は彼女は夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをしているミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と付き合っていた。平凡な毎日に失望していたジニーは、脚本家を目指すミッキーとの未来に夢を見ていた。だが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)が現れたことから、すべてが狂い始める──。『ミッドナイト・イン・パリ』では1920年代黄金時代のパリへ、『カフェ・ソサエティ』では1930年代のハリウッドへと観客をタイムトリップさせたアレン監督。本作は、女と男の恋と欲望、うそと裏切りを乗せて、まわり続ける観覧車。そこから見える景色は、うっとりするほど美しいけれど、同じ場所を回転するだけで、どこにもたどり着けない。夢のように美しい映像で人生の切なさを描ききった、アレン監督の恐るべき野心作だ。安定を願いながら刺激を求め、真実の愛に憧れながら刹那の恋に溺れ、ここではないどこかにもっと素敵な人生が待っているはずだ、という切ない夢にその身を投げ出す主人公ジニーを演じたのは、『タイタニック』『エターナル・サンシャイン』『愛を読むひと』のケイト。今回、アレン監督の「最高峰の演技力を誇る女優でないと成立しない」という要望に見事に応えたケイトだが、「最初はどうすればいいのわからなかった」と告白。だが各方面では「ケイト・ウィンスレットが輝いている。ヴィットリオ・ストラーロにより、美しく照らし出される」(Screen Daily)、「ケイトの大胆で自由な演技から目が離せない」(David Rooney, The Hollywood Reporte)などと圧倒的な演技が絶賛されている。また共演には、女心を無邪気に翻弄するジニーの恋人ミッキーに、『ソーシャル・ネットワーク』への出演も話題となったジャスティン・ティンバーレイク。ジニーにふり回される夫のハンプティを、『K-9/友情に輝く星』『ゴーストライター』のジム・ベルーシ。ハンプティの娘キャロライナを、アレン監督に大抜擢された新鋭、『マレフィセント』のジュノー・テンプルが演じる。なお、遊園地のシンボル的存在の観覧車“ワンダーホイール”を背景に、詩情豊かな映像を捉えた撮影監督は、『地獄の黙示録』などで3度アカデミー賞を受賞した映画界の至宝ヴィットリオ・ストラーロが手掛ける。『女と男の観覧車』は6月23日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年03月07日ユーモアがスキルだとみなされ、社会的な評価を左右するというアメリカ。米CEOの98%がユーモアのセンスがある人を採用したいという調査結果があったり、大統領候補だって選挙戦での支持率を上げようと深夜のバラエティ番組でウィットに富んだ素顔を見せるほどです。心理学研究によればユーモアは4種類に分類できますが、日本とは違いアメリカでは少し気をつけなければいけないものも。こちらの人気トークショウや心理学の研究結果、実体験に基づくエピソードを紐解きながらお伝えします。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 6898%の米CEOがユーモアのある人を採用したい。短期インターン先でお世話になった社長に「勤勉でユーモアがあるから」という理由で就職を打診してもらった際に、ユーモアのセンスが重大な採用基準になるというのも「ジョークじゃないか」と思いましたが、どうやらアメリカではそうではないようです。バークレーの講義でも、人気教授の授業では10分間に1回の割合で生徒を笑わすポイントがありました。英語がよくわからない私にとっては「何がおもしろいの?」と隣の席の人に教えてもらったりして、むしろナーバスになってしまうひとときでしたが……。ユーモアがスキルとみなされ、社会的な評価も左右するというアメリカ。人材会社のHodge-Cronin and Associatesの調査結果によると、737名のCEOのうち98%がユーモアのある人を採用したいといいます。さらには84%が、ユーモアのある人のほうがいい仕事もするとも考えているのだとか。長年ユーモアについて研究してきたカリフォルニア州立大学ロングビーチ校のディビッド・アブラミス博士によれば、仕事に笑いを見いだせる人のほうがよりクリエイティブで生産的な仕事が出来、意思決定力があり同僚とうまくやっていけるとか。遅刻や病欠もユーモアのセンスが無い人よりも少ないとのことです。ところでユーモア研究の権威であるロード・マーチン博士は、ユーモアには以下の4タイプがあると分類しています。4つのユーモア スタイル1. Affliative humor (親和的ユーモア)冗談を聞いた人誰もが傷つかず、「おもしろい」と思えるたぐいのもの。目的は相手を笑わせたり、冗談を言い合うことで、他者との結びつきや仲間意識、幸せを深めること。妙な声色を使ったり、顔芸やダジャレもこのたぐいです。例えば短期インターン中に、社長のワークスペースがデスクから床に至るまで資料がダイナミックに散乱していたので、思わず唖然とした様子で見ていたら、睨みを利かした社長に「なんだね?」と言われてちょっと気まずい雰囲気に。機転をきかせて「……なんというか、美術家ジャクソン・ポロック的ですね」と返事したらお互いニヤリ。衝突を避けられたということがありました。ちなみにジャクソン・ポロックの絵の具缶から直接絵の具を滴らせて描くアクション・ペインティングとはこんな様子です。彼のワーキングスペースがどんな様子だったか、想像がつきましたか?(笑)。2. Self-enhancing humor (自己高揚的ユーモア)不都合なことが起こったり、ストレスフルな状況下で自分を寛大な態度で笑うというジョーク。映画『ライフ・イズ・ビューティフル』の主人公の態度はこれの極地ですね。3. Aggressive humor(攻撃的ユーモア)からかいや嘲笑など他者への批判を含んだユーモア。暴力的な冗談です。下の動画は、「レイト・ショー」というアメリカの人気バラエティトーク番組のひとこま。たくさんのアメリカ人が見ている深夜番組ということもあって、大統領候補なども出演し、笑いをとって国民の好感度を高めることで選挙戦での支持率を増やそうとしたりします。日本の首相候補がそんなことをするなんて、ちょっと想像もつきませんよね。さて、このなかでホストのステファン・コルバートが大統領就任後のトランプ氏を「あなたは、POTUS(The President of The United Statesの略。アメリカ大統領の意)ではなく、BLOTUS(Biggest Liar of The United Statesの略。アメリカ最大のペテンの意)だ!」となじったうえで、「あたまをひっぱたかれたゴリラが手話をしているみたいに話しますよね」と言って視聴者から笑いをとっています。これは代表的な攻撃的ユーモアの例です。4. Self-defeating humor(自己卑下的ユーモア)自分のことを ”かわいそうな私“ と攻撃的な形で貶めて笑いをとるもの。いわゆる自虐ネタです。ウディ・アレンは、この手のジョークの神だと私は崇拝しています。北米文化圏のアメリカ人やカナダ人を治験者とした心理学の研究結果では、1と2は好意的に受け取られるいっぽうで、3と4はひんしゅくを買ってしまう恐れがあるとか。当然ユーモアがどれに分類されるかは、冗談を言った場面、発言者の状況、相手の受け取り方などによって変化します。ということは文化の影響もたぶんに受けるわけで、確かにアメリカで暮らすうちに ”笑ってもらえる“ ジョークと ”笑えない” ジョークが日本とアメリカで違うなぁと実感するのです。特に自虐ギャグは、要注意です。例えば瞑想合宿に行ったときに自己紹介をし合う機会があり、社長のときと同じくアメリカ人アーティストを用いて「言うならば ”宙ぶらりんの女” というところでしょうか。アメリカ人ノーベル文学賞受賞作家ソール・ベローの『宙ぶらりんの男』になぞらえまして」と答えると、ドン引きされてしまいました。「あなた、大丈夫……?」という感じで(笑)。謙虚さが美徳とされる日本では「私は傲慢な人間ではありませんよ」という意思表示にもなる自虐ネタですが、アメリカでは ”かなり自己価値の低い、無能な人“ とみなされてしまう恐れがある様子。使い方を十分に気をつけたいところです。北米文化圏の人が高めたがる、”self-esteem”って?というのもこちらでよく使われるself-esteem(セルフ・エスティーム)という言葉あるのですが、それは自分のことをポジティブ・ネガティブの両面からどう捉えているのかという自己評価のこと。アメリカでは ”高いself-esteemを持つ(=自己評価が高い)” 人のほうが優れているという共通認識があります。このself-esteem信仰が加速したきっかけはというと、カリフォルニアでは1987年に州知事のジョージ・デュークメジアンがself-esteemが児童に及ぼす影響を研究するため245,000ドルもの年間予算を割いたのですが。その結果、高い自己評価を持つことこそが、よりストレス耐久力がある子どもを育み、社会問題を癒やすと強調し、「self-esteemを高めよ!高めよ!」と子育てや教育の現場でも取り入れられてきたのでした。「その弊害なのでは?」と日本人の私は感じるのですが、大学の授業中でも課題図書を読んでいないのがバレバレな状態で、堂々と挙手して的はずれな意見を自信満々な様子で言いながら切り抜けるという学生たちを見かけました。しかも教授はそれに対して決して否定的なコメントをせず、「ナイス!」とむしろ授業への積極的な態度を評価するのです。SOUCE: Adapted from Hene&Hehman, 2003. From Gilvin, Keltner, Chen &Nisbett’s『Social Psychology 4th Edition』(W.W.Norton&Company).これは文化間によるself-esteemスコアの違いを表したグラフです。一番左から、●日本で暮らす日本人●海外に行って北米文化に触れたことのある日本人●カナダに暮らして7年未満のアジア人(日本人以外のアジア人も含む)●少なくとも7年以上カナダで暮らすアジア人(日本人以外のアジア人も含む)●アジア系カナダ人二世(親がアジアからの移民)●アジア系カナダ人三世(祖父母がアジアからの移民)●ヨーロッパ系カナダ人の順番になります。後半アジア人全てをひとくくりにしているところがいささか乱暴だなとも感じますが、右にいくほど、つまり北米文化の影響を受けるほどにself-esteemの値が高くなり、アジア系三世とヨーロッパ系カナダ人のスコアはほとんど変わらないことがわかります。アメリカではなく隣国カナダの研究結果ですが、北米文化に触れるだけでself-esteemの高さが変わるというのです。ほかにもカナダ人は一度目の業務を成功したほうが二度目の業務に長時間取り組むけれど、日本人は一度目の業務を失敗したほうが二度目の業務に長時間取り組むという研究結果も。その理由はカナダ人(self-esteemの高さと個が重んじられる北米文化圏の人)は失敗したことを再認識すること(=self-esteemが下がること)を避けるけれど、self-esteemの高さよりも自己批判を重んじる(謙虚さと集団の和が重視される文化圏の)日本人は失敗(=self-esteemが下がること)を改善のための機会として活かすからだと結論付けられていました。個人差はもちろんあると思いますが、帰国子女だった親友が「生きづらい……」と言っていたのは、何がアリでナシかというものの見方の尺度が文化によって違うからだったのだなぁと今さら彼女がかつて抱えていた苦悩が理解できたり。オバマ元大統領は、自虐ネタを言ってもOK。とはいえ先日アメリカの大御所コメディアン(長らく前述のトーク深夜番組『レイト・ショー』のホストでもあった)ディヴィッド・レターマンのトークショーをNetFlixで見ていると、ゲストの元オバマ大統領が自虐ネタで会場を沸かしていました。愛娘から預かった簡単な組み立てキットを何時間たっても完成させられない自分の無能ぶりについて話し、観客を笑わせていたのです。これは彼の今までの功績を受けて ”オバマ大統領が無能なはずがない“、”キットを組み立てるスキルは彼の分野外であり、彼の価値とは関係ない“、よって ”彼のself-esteemは低くない” という共通認識を視聴者が持つこととなり、アメリカ人が安心して笑える自虐ネタとなるわけです。またジョークを言うときの彼の姿勢を注意深く観察すると、胸を張って深々と椅子に腰掛けて堂々とした様子で発言し、どう見ても劣等感を持った人には見えません。しかもこの眼力!(笑)。ウディ・アレンのジョークもこちらアメリカでは好みがわかれるのが事実。よくよく考えてみると、映画のなかでウディとやりあっている人は誰も笑っていませんね。”ウディ・アレンはすごい映画監督だ” という共通認識のもと、観客として映画を観ているから笑えるのです。つまりユーモアのなかでも自虐ネタで笑いが取れるのは、こちらではある程度社会的に認められた人だという表れなのかもしれません。あとは、間違ってもウディ映画の主人公のように姿勢を丸めたりせず、自虐ネタはあえて “堂々と悠然とした” 様子で言い切ってしまう、というところでしょうか。聞いているアメリカ人が笑えるように安心させる必要があるのです。肩をすくめながら「宙ぶらりんな女」を満喫中の私はまだまだ、アメリカと日本、2つのユーモアチャンネルを使いわけるほうが無難なようです。SEE YOU!バークレーは、もうすっかり春の陽気!
2018年02月18日浦井健治と城田優がW主演を務めるミュージカル『ブロードウェイと銃弾』が2月7日、東京・日生劇場で開幕した。ウディ・アレンによる同名映画を原作に、ウディ自身が2014年にブロードウェイでミュージカル化した作品の、日本初上陸。演出は映像に舞台にと引っ張りだこの福田雄一が手がける。1920年代のNYを舞台に、自分の作品がやっとブロードウェイで上演されることになった売れない劇作家デビッドが、出資者であるギャングの親玉ニックやその部下チーチ、主演の大女優ヘレンや、ニックの愛人である大根女優オリーブらクセのキャラクターたちに振り回されていく物語。振付は『クレイジー・フォー・ユー』『コンタクト』などで知られる巨匠スーザン・ストローマンが手掛けたブロードウェイ版を、日本版でも踏襲。さらにNYのキラキラしたネオンや夜の街角を彷彿とさせる舞台セット、全編を彩る20~30年代に生まれたジャズ・ソング……どこを切り取ってもゴージャス! ソング&ダンス満載で、旧き良きブロードウェイ・ミュージカルといったテイストだ。そしてここに、現代的なセンスの笑いが鋭く細かく、差し込まれていく。何と言ってもキャストのハマり具合が素晴らしい。“ミュージカル界のプリンス”と呼ばれながらも、最近ではその天然キャラが愛されている浦井は、勃発する事件に翻弄され振り回されていくデビッドを豊かな表情で熱演。気が弱いようでいて、自分の意見は曲げない頑固さなども、どうしようもなくチャーミングでピッタリだ。一方で城田演じるチーチは表情も変えずに銃を人に突きつけるような、コワモテの男。長身にピシッと決めたスーツがよく似合う迫力のギャングっぷりだが、こちらも不条理な状況にイラつきが噴出してしまうシーンなどが、普段が無表情なだけに爆笑モノ。ちなみに城田には圧巻のタップダンスシーンもあるので必見。“キンキン声の大根女優”をさすがのアニメ声で演じた上にお色気も振りまき笑いをさらう平野綾や、大女優感たっぷりの前田美波里など、それぞれが“アテ書き”ではないかと思わせるほどのハマりっぷり。福田はメインキャストのみならず、舞台の隅まで、その人が持つ個性を増幅させ、笑いに変換していく。今回、翻訳台本のセリフには一切アレンジは加えていないとのことで、いわゆる“福田流”の笑いは控えめだが、ちょっとした間合いや、時折挟みこまれる戯画的な周囲の反応などはまぎれもなく福田テイスト。ブロードウェイ×福田流コメディの結婚は、大成功をおさめた。開幕前日には、メインキャストと福田が囲み取材に出席。「自分のキャリアの中でもとても刺激になった。僕の“初・日生劇場”に相応しい作品になった」(福田)、「オシャレでセクシーでムーディ。こういった小粋なミュージカルはなかなか日本では観られないんじゃないかな」(浦井)、「ブロードウェイに来ちゃったような感覚になると思います」(城田)と口々に自信を語った。東京公演は2月28日(水)まで。3月5日(月)から20日(火)には、大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演される。その後福岡公演もあり
2018年02月09日ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』の初日前会見が6日、東京・日生劇場で行われ、浦井健治、城田優、平野綾、前田美波里、演出の福田雄一が登場した。同作はウディ・アレンによって1994年公開の映画を2014年にミュージカル化。劇作家のデビッド(浦井)だが、プロデューサーが見つけてきた出演者がマフィアの親玉だったためにハチャメチャな状況に。実は舞台を愛するマフィアの部下・チーチ(城田優)とともに作品を成功させるために苦労する。初日を控えた浦井が、W主演の城田について「ものすごい朝練、居残り練、1人でもやってましたから」と努力の様子を明かすと、城田は「僕一切朝練とかしてないですよ! タップの振付をもらって、オッケー! って本番やるタイプです」と照れ隠し。浦井から「汗ビッショビショだったよ!」、福田から「Tシャツ、ジャバジャバだったよ」と突っ込まれていたが、「苦労とかしてない。見たら分かる通りタップをするために生まれてきた」と"天才キャラ"を通していた。しかし、福田から「真ん中に城田優がいるからこそのタップシーンなんですよ。日本で城田優以外の人間がいるかといったら……」と絶賛されると、「どんどんプレッシャーが上がっていって、心拍数がばくばく」と苦笑し、「最初の8カウントの振りを覚えるのに、2時間くらいかかりましたもん」と、苦労のあとを伺わせた。また、前田は同作の見どころについて「男性のみなさんが大喜びするような、女性ダンサーのかわいいお尻が」と明かす。頭からセクシーな衣装があるという平野も「私史上、一番布が少ないと思うんです」と照れながら、「日生(劇場)史上でもあると思うんですよね。なかなかこんなに露出度の高い、セクシーな舞台は見られないんじゃないかな」と期待を煽った。最後に浦井が「お尻とかあると思うんですけど、一番推したいのは、城田優のタップ! めちゃくちゃかっこいいです」とダメ押しすると、城田は「言わんでええわ!!」とツッコミ。逆に城田が「一番の見どころは、浦井健治さんと前田美波里さんの濃厚なベロチュッチュ」と紹介すると、浦井は爆笑し、前田は「はしたない……」と照れた様子を見せていた。東京公演は日生劇場にて2018年2月7日から28日。また、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて3月5日~20日、福岡公演は博多座にて3月24日~4月1日。
2018年02月06日1997年、自分の子どもとして育てた養女のスン=イーと結婚して世間を仰天させたウディ・アレン。ともにスン=イーを育てた元パートナーのミア・ファローの発言などにより、長きに渡ってウディは「小児性愛者である」とささやかれてきたが、監督としてのキャリアにさほどの影響は出なかった。しかし、「Time’s Up」運動が盛んになり「自分もセクハラや性的暴力を受けた」と声を上げる被害者が増えた現在、すでに2014年に「父から性的虐待を受けていた」と告白したウディのもう1人の養女ディラン・ファローが再びウディを告発。これを受けて最新作でアマゾン・スタジオが配給の『A Rainy Day in New York』(原題)に出演したティモシー・シャラメやレベッカ・ホールらがウディ監督作に出演したことを「後悔」したといい、出演料を「Time’s Up」に寄付することを約束。過去にウディ監督作に出演したミラ・ソルヴィーノやコリン・ファースも「選択を誤った」と悔やんだ。「The Playlist」によると、アマゾンは今回の騒動を深刻なものとして捉え、『A Rainy Day in New York』は劇場公開も配信もされずにお蔵入りになってしまう可能性もあるという。ウディは『A Rainy Day in New York』の撮影を終え、次回作に向けてすでに動いているとのことだが、今回の件で今後ウディの作品に出たいと考える俳優が激減するのは必至。しかし、ウディの妹でいままでウディ作品のプロデュースを行ってきたレッティ・アロンソンは「間違いなく、彼は新しい才能の持ち主たちを見つけ出すでしょう」と自信を見せている。(Hiromi Kaku)
2018年01月30日待望のシリーズ再開で『スター・ウォーズ』シリーズにレイア・オーガナ役で復帰し、ファンを喜ばせながらも『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』撮影後に急逝したキャリー・フィッシャー。映画が全世界で大ヒット中のいま、12月27日に命日を迎えた彼女の生涯をふり返ってみよう。両親は大スター!『スター・ウォーズ』で一躍有名に1956年10月21日、カリフォルニア州に生まれた彼女の父親は歌手のエディ・フィッシャー、母親は『雨に唄えば』で知られるデビー・レイノルズ。両親とも大スターというセレブ2世として育ち、1973年に15歳でブロードウェイのミュージカル「アイリーン」で母と共演してデビュー。その後に渡英してロンドンの名門演劇学校「セントラルスクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ」で1年半学び、帰国後はこちらも名門のサラ・ローレンス大学で美術を学んだが、中退している。映画デビューは1975年の『シャンプー』。その次に出演した『スター・ウォーズエピソード4/新たな希望』(’77)で銀河宇宙のプリンセス、レイア・オーガナを演じて、共演のハリソン・フォード、マーク・ハミルとともに一躍スターとなった。アルコールにドラックに大恋愛…波乱の時期も親の七光りではない、自らつかみ取った成功と人気だったが、映画公開当時はまだ19歳。大きなプレッシャーに耐え切れず、アルコールやドラッグに手を出してしまう。2010年の「Daily Mail」紙のインタビューでは『スター・ウォーズエピソード5/帝国の逆襲』(’80)撮影時にはひどいコカイン中毒だったと告白。アルコール依存症や双極性障害に苦しんだという。『スター・ウォーズエピソード4/新たな希望』の撮影中から、元サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンと交際し、1983年に結婚。彼のミュージックビデオにも出演したが、翌年離婚した。1980年に『ブルース・ブラザース』で共演したダン・エイクロイドと短期間婚約したこともあったが、このときはすぐポールの元に戻ったという。2016年に発表した回顧録「The Princess Diarist」では、『スター・ウォーズエピソード4/新たな希望』撮影時にハリソン・フォードと不倫関係だったことを告白して騒動になった。再婚はしなかったが、大手エージェンシー「クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー」(CAA)のエージェント、ブライアン・ラードとの間に娘のビリーをもうけた。現在25歳のビリーは大学卒業後に母と同じ道に進み、『スター・ウォーズ』シリーズにコニックス中尉役で出演、母娘共演している。再び“レイア姫”を熱演! 文才にも恵まれる気の強いレイアとは聡明さという共通点のあるキャリー自身は辛口でウィットに富むユーモア・センスの持ち主。ウディ・アレン監督の『ハンナとその姉妹』やメグ・ライアン&ビリー・クリスタル主演のロマンティック・コメディの傑作『恋人たちの予感』などに出演し、文才にも恵まれ、1987年に母との確執も含めて綴った自伝的小説「崖っぷちからのはがき」を発表。メリル・ストリープとシャーリー・マクレーン共演で映画化され、キャリーは脚色を手がけ、英国アカデミー賞脚本賞候補になった。その後もロマンス小説「Surrender the Pink」や「Delusions of Grandma」「The Best Awful There is」など自伝的小説、薬物依存や精神障害に苦しんだ経験を綴った「Wishful Drinking」などを発表。「Wishful Drinking」は舞台化され、キャリーが主演を務めた。「キャリー・フィッシャー=レイア姫」というイメージはあまりにも強かったが、それを逆手にとって『スクリーム3』では、キャリーにそっくりの元女優という役でカメオ出演したこともあった。そんな彼女が満を持してシリーズにカムバック、厳しいダイエットとエクササイズで肉体をシェイプし、歳を重ねて頼もしい将軍となった勇姿はファンを喜ばせた。突然の別れ…『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が遺作にだが、新たな一章が始まり出した途端に悲劇が訪れた。2017年12月23日(現地時間)、仕事先のロンドンからロサンゼルスへ戻る機内でキャリーは心臓発作を起こし、到着後に搬送された病院で27日(現地時間)に息を引き取った。享年60という早すぎる娘の急逝にショックを受けながらも、ファンから寄せられたお悔やみにSNS上で気丈に感謝の言葉を綴った母のデビー・レイノルズは翌28日に、脳梗塞を起こして後を追うようにこの世を去った。84歳だった。母親とは疎遠だった時期もあるが、母娘の絆は強く、互いにサポートし合う関係は晩年まで続いた。半年後に発表された検視結果で、キャリーの体内からは大量のアルコールのほかにコカイン、メタドン(ヘロイン中毒の治療薬)、MDMA、アヘンが検出され、発作を起こすまでの3日間にコカインを摂取していたことも明らかになった。自身が抱える負の要素を隠さず、自分の生きたいように生きたキャリーは、若き日の自身と同じように、新たなシリーズのヒロイン、レイ役で一躍注目のスターとなったデイジー・リドリーを可愛がっていた。デイジーは「Glamour」誌でキャリーと過ごした日々をふり返り、「彼女と私は、同じような経験を違う時代にしてきたの」と話している。図らずも遺作となった『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、前作よりもさらにレイアの役割は重要になっている。波乱の生涯を送った彼女が遺した作品を見て、追悼したい。(text:Yuki Tominaga)
2017年12月27日いよいよ第90回アカデミー賞に向けた映画賞レースがスタートした。前回の作品賞『ムーンライト』と同じく、前哨戦の1つ「ゴッサム賞」を獲得し、「ゴールデン・グローブ賞」では主要3部門にノミネートされるなど、いま賞レースでひと際注目を集めているのが、80年代の北イタリアを舞台に、思春期の少年とアメリカ人青年とのひと夏のラブロマンスを描いた『Call Me by Your Name』(原題)だ。そして同作で主演を務め、すでにいくつもの主演男優賞や新進俳優に与えられる賞を手にしているのが、現在21歳のティモシー・シャラメ。「ヴァラエティ」誌が選ぶ「2017年の観るべき10人の俳優たち」の1人にも選ばれ、今後、日本でも大きな関心を集めるに違いない若手俳優にいち早く注目した。■若きクリスチャン・ベイル×ダニエル・デイ・ルイス+ディカプリオ!?1995年、ニューヨークのマンハッタン生まれのティモシー。父親はフランス人でUNICEFの職員、母親はダンサーでもあったニコール・フレンダー、姉ポーリーンも女優で、おじはホラー・コメディ『アイドル・ハンズ』(’99)などの監督ロッドマン・フレンダー、義理のおばは「マスターズ・オブ・セックス」などのクリエイター、エイミー・リップマン。母方の祖父は『パリの旅愁』(’61)の原作者として知られる作家ハロルド・フレンダーという超がつくサラブレッドだ。ニューヨークの名門芸術専門学校ラガーディア高校を卒業し、フランス語も堪能だとか。また、最終的にはトム・ホランドに決まったが、新生スパイダーマン候補の1人でもあったという。現在は髪を伸ばしていることもあってか、まもなく22歳というのに、すでにこの色気!日本人俳優でいえば、どことなく高杉真宙や山田涼介にも似た物憂げな雰囲気を醸し出しており、若いころのアラン・ドロンやジュード・ロウにも似ているような…。『Call Me by Your Name』とともに賞レースで高い評価を受けている『Lady Bird』(原題)にも出演しており、同作で初監督を務めた女優グレタ・カーウィグが「GQ」誌に語ったところによれば、「若き日のクリスチャン・ベイルとダニエル・デイ・ルイスに、レオナルド・ディカプリオをまぶした感じ」という絶賛ぶり!そんな彼は短編映画で俳優デビューし、人気TVシリーズ「LAW&ORDER」にゲスト出演した後、2012年、かつてエズラ・ミラーが注目されるきっかけの1つとなった高視聴率ドラマ「ロイヤル・ペインズ 救命医ハンク」に、主要キャラクターの女医ジルの甥っ子ルーク役でゲスト出演、ちょっと気弱なチェスの達人を演じた。続いて、エミー賞&ゴールデン・グローブ賞などを総なめにした「HOMELAND/ホームランド」シーズン2では、ウォルデン副大統領の息子フィン役で準レギュラーに。実生活さながらの(?)セレブの若者らしい葛藤を繊細に演じ、2013年俳優組合賞(SAG)アンサンブル賞にノミネート。ちなみにこの頃、同じ高校に通うマドンナの娘ローデス・レオンとの交際報道でゴシップ欄を騒がせたこともあった。■ケイシー・アフレックやジェームズ・フランコの少年時代も好演スクリーンデビューは、クリストファー・ノーラン監督の2014年の大ヒット作『インターステラー』。日本公開時は、人気子役マッケンジー・フォイ&ジェシカ・チャステインが演じた娘とマシュー・マコノヒーが演じた主人公との絆が話題を呼んだが、その兄で農場を継いだケイシー・アフレック演じるトムの少年時代を演じていたのがティモシー。その一方、『マイレージ、マイライフ』『JUNO』のジェイソン・ライトマン監督が彼らしい視点でSNS社会に斬り込んだ『ステイ・コネクテッドつながりたい僕らの世界』(劇場未公開)にも出演。2017年『ベイビー・ドライバー』でブレイクしたアンセル・エルゴートとひと悶着あるアメフト部員を演じていたが、アーティストタイプかと思いきや、意外にもアメフトのユニフォーム姿もお似合いだった。意外といえば、日本で2016年に公開されたクリスマス・ムービー『クーパー家の晩餐会』での彼も、いま思い返せば、かなり衝撃的だ。演じたのは、ダイアン・キートン&ジョン・グッドマン夫妻の孫息子で、絶賛反抗期中のチャーリー。口下手で、いまにも繋がりそうなゲジ眉に、脇汗…と、まるでイケてない高校生となって不器用な恋を展開しており、彼の見るに堪えない(?)初々しいキスシーンは笑いを誘う。そんな彼が、すっかり大人びて、『Call Me by Your Name』ではアーミー・ハマー演じる年上の青年に思いを募らせ、危うい少年ぽさと儚げな色気を感じさせるほどになったとは…。ちなみに、劇場未公開だが、ジェームズ・フランコが共同製作も兼ねて主演を務め、アンバー・ハード、クリスチャン・スレイターらが共演した『サスペクツ・ダイアリーすり替えられた記憶』(’15)では、ドラッグに溺れ、父(エド・ハリス)から虐待されていた主人公の壮絶な少年時代を熱演しており、ここでも若きカメレオン俳優ぶりを見せつけている。■セレーナ・ゴメスとキスも!今後の待機作がスゴすぎ!!そして『Call Me By Your Name』だ。1983年夏、陽光輝く北イタリアの避暑地で夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会い、ともに時間を過ごすうちに、激しい恋に落ちていく。ティモシーはイタリア語をマスターし、ピアノやギターも披露、かつてないセクシャルなシーンにも挑んだという。サンダンス映画祭で絶賛を浴び、ゴッサム賞ブレイクスルー俳優賞ほか、LA、NYと2大都市の映画批評家協会賞で主演男優賞を獲得。主演男優枠は、早くから『ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男』(原題:Darkest Hour)でのゲイリー・オールドマンが話題となっていたが、英国のベテランの初オスカーを阻むのはティモシーだったりするのかも。また、『フランシス・ハ』のグレタ・カーヴィグが初監督した自伝的作品『Lady Bird』は、『ブルックリン』のシアーシャ・ローナンが主演、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の新鋭ルーカス・ヘッジズも共演する。本作では一転、チャラいミュージシャンを演じているようで、シアーシャ演じる主人公のヴァージンを奪う(!?)相手だとか!おそらく両作品とも、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞にノミネートされるはずなので、詳細を楽しみにしておきたい。さらには、クリスチャン・ベイル主演『Hostiles』、スティーブ・カレルの息子役を演じる『Beautiful Boy』、ウディ・アレン監督最新作『A Rainy Day in New York』(いずれも原題)など、話題作が続くティモシー。特にウディ・アレン作品ではセレーナ・ゴメスとのキスシーンもあり、エル・ファニング、スキ・ウォーターハウス、ジュード・ロウら共演者がとにかく豪華。まさに、名優・名監督に恵まれ続けている若き実力派。彼が映画界に巻き起こす新風を、見逃さないで。(text:Reiko Uehara)
2017年12月12日エル・ファニングがトランスジェンダーの少年役に挑み、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンと共演を果たす『アバウト・レイ16歳の決断』。エルは現在、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督の『パーティで女の子に話しかけるには』が世界に先駆けて公開中、年が明けたら、本作とソフィア・コッポラ監督のカンヌ受賞作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』と話題作の公開が続く。人気、実力ともに若手No1.女優エルの怒涛の出演作に注目した。『I am Sam アイ・アム・サム』で姉ダコタの幼児時代を演じてスクリーンデビューしたエル。『ベンジャミン・バトン数奇な人生』ではケイト・ブランシェットの少女時代を演じ、さらにスティーブン・スピルバーグ製作×J・J・エイブラムス監督の『SUPER 8』でも注目を集めた。ディズニー映画『マレフィセント』のオーロラ姫で、現在の人気を確立。2017年はニコラス・W・レフン監督の『ネオン・デモーン』、ベン・アフレック主演・監督の『夜に生きる』、マイク・ミルズ監督の『20センチュリー・ウーマン』、声優を務めた『フェリシーと夢のトウシューズ』が公開に。いまや、巨匠から鬼才まで、さまざまな映画人に愛される若手実力派の1人だ。『アバウト・レイ16歳の決断』2018年2月3日(土)公開Story16歳になり、身体も本当の自分になることを決断したトランスジェンダーの少年レイ。恋多きシングルマザー・マギー(ナオミ・ワッツ)、破天荒なレズビアンのおばあちゃん・ドリー(スーザン・サランドン)は“レイの決断”に戸惑うが、レイは髪を短く切り、身体を鍛え、少しずつ“本当の自分”に近づいていくことで生き生きとしてくる。そんな姿を見たマギーは意を決して、ホルモン治療の同意書のために別れた夫に会いにいくが…。ココをチェック!エルの新たな一面が見られる意欲昨。心のみならず、身体も男性として生きていく決意をするも、周りに理解されず、苦悩し、葛藤するトランスジェンダーの主人公・レイの繊細な心の動きを見事に演じている。髪も大胆にカットし、体当たりで挑んだエルの迫真の演技に注目!『パーティで女の子に話しかけるには』公開中Storyパンクなのに内気な少年エン(アレックス・シャープ)は、偶然もぐりこんだパーティで、反抗的な瞳が美しい少女ザンと出会う。大好きな「セックス・ピストルズ」やパンク・ファッションの話に共感してくれるザンと、たちまち恋におちるエン。だが、2人に許された自由時間は48時間。彼女は遠い惑星へと帰らなければならないのだ。大人たちが決めたルールに反発した2人は、危険で大胆な逃避行に出るのだが…。ココをチェック!エルが演じたのは、不思議な魅力を持つ、遠い惑星からやってきた美少女ザン。パンク少年エンに心惹かれていき、初恋を経験する。劇中では、“地球人”とはまた違った愛情表現にも要注目。表情豊かな、最高にキュートなエルを堪能できる。『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』2018年2月23日(金)公開Story南北戦争期、負傷した北軍兵士(コリン・ファレル)を治療するため、男子禁制の女子寄宿学園では彼を招き入れるが、女性に対し紳士的でかつ美しい男性と触れ合う中で、誰もが彼に心を奪われていく。やがて、情欲と危険な嫉妬に支配されてしまう彼女たち。秩序を守るか、欲望を取るか、彼女たちが最後に下した決断とは――。ココをチェック!ソフィア・コッポラ監督との待望のタッグ2作目は、可愛らしさとダークな一面を併せ持つ小悪魔な10代女子生徒に!学園長役のニコール・キッドマンや、キルスティン・ダンストとの共演にも注目。『Mary Shelley』(原題) 日本公開未定小説「フランケンシュタイン」の原作者である女性作家、メアリー・シェリーの半生と恋愛模様をエルが演じる。トロント国際映画祭で初お披露目された。共演にはダグラス・ブース、ベル・パウリー、メイジー・ウィリアムズら。そのほか、セレーナ・ゴメス、ティモシー・シャラメ、ジュード・ロウらと共演するウディ・アレンの『A Rainy Day in New York』、「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジと世界にたった2人だけ生き残った男女を演じるSFドラマ『I Think We’re Alone Now』(いずれも原題)などが控えており、エルの時代はまだまだ続きそうだ。『アバウト・レイ 16歳の決断』は2018年2月3日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月09日浦井健治と城田優が、来年2月から上演される『ブロードウェイと銃弾』で6年ぶりの共演を果たす。ふたりが口を揃えて「すごく楽しみ」という作品の魅力、久々の共演への喜びを語った。チケット情報はこちら作品の舞台は1920年代のNY。売れない劇作家のデビッド(浦井)が、ギャングの親玉という出資者を得てやっとの思いでこぎつけた自作のブロードウェイ上演。ギャングの子分であるチーチ(城田)の監視のもと、クセのある俳優たちに翻弄されながら作品を作っていくも、さらにチーチまでも作品に口出しをしてきて……。アカデミー賞7部門にノミネートされたウディ・アレンによる同名映画を原作にブロードウェイでミュージカル化されたコメディの、日本初上演だ。浦井は「エンタテインメントを作り上げる素晴らしさを体感し、男同士の絆が生まれていく。デビッドとチーチの友情物語でもあるので、優とだったら自然体で出来るんじゃないかな」と城田との久々の共演への期待を語る。演じるデビッドについては「完全に巻き込まれ系ですね」と話し、「突飛なキャラクターたちに、いかに僕が振り回されるか。「どうしよー!」って、オドオドしていればいいかな(笑)」。対する城田は「僕は逆に周りで遊びを入れていく側。だから健ちゃんの方が大変だよね、(観客の)共感軸だからブレずにいないといけないから。でも、健ちゃんとは前回共演した2011年の『ロミオ&ジュリエット』の時に“目で芝居が出来る”関係性が築けた。今回は浦井健治を信頼して、後ろについて行こうと思っています(笑)」と浦井への絶大なる信頼を明かしつつ、「脚本がめちゃめちゃ面白いんです。「こんなんで舞台が作れるの!?」というほどクセの強いキャラクターが揃っている。最終的にそれまでの伏線が全部繋がっていくところとかもエンタメ要素が強い」と作品の魅力を熱弁する。ブロードウェイのバックステージを描いている物語ゆえ、華やかさもみどころ。全編を彩るのは20~30年代の軽快なジャズやポップスだ。「2014年に作られた割にはオールドテイストで、日本で言う昭和の匂いがします。“旧き良き”、ですね。“ジャズミュージカル”といった雰囲気のものも、僕も健ちゃんもあまりやっていませんので、僕らの新しい一面もお見せできると思いますよ」(城田)。演出はコメディを作り上げる手腕に定評のある福田雄一が手がける。映画『銀魂』やドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田は映像作品の印象が強いが、演劇からキャリアをスタートさせ、ミュージカル好きを公言していることでも有名だ。「脚本家でもあり演出家でもある福田さんは、デビッドと重なるところもある。そんな福田さんだから、舞台芸術の持つ力や、舞台作りへのオマージュも込めていかれるんじゃないかなと思います」(浦井)。共演は平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里ら。公演は2月7日(水)から28日(水)まで、東京・日生劇場にて。チケットは11月25日(土)に一般発売開始。その後大阪・梅田芸術劇場 メインホール、福岡・博多座でも上演される。
2017年11月24日綾瀬はるかと坂口健太郎が初共演となるラブストーリー『今夜、ロマンス劇場で』。彼らがラブストーリーで共演というだけで期待大!というのもこの2人、過去に『海街diary』や『高台家の人々』で同じ作品に出演しているものの共演シーンはなく、今回が初共演となる。しかも完全オリジナル。最近の恋愛映画というと漫画原作ものが目立っていたが、『今夜、ロマンス劇場で』は映画のために作られたストーリー!という点でも期待はさらに膨らむ。どんな映画なのか──。映画監督を夢見る青年・健司(坂口健太郎)とモノクロ映画のなかのお姫様・美雪(綾瀬はるか)が出会って恋をするファンタジックなラブストーリー。撮影は今年の5月に行われ、その1日、美雪と健司が出会う記念すべきシーンの撮影現場取材を敢行。訪れた場所は、栃木県足利市にある旧足利東映プラザ。そこにこの映画のメインセットのひとつ、タイトルにもなっている“ロマンス劇場”が作られていた。その日は、スクリーンの中から現実世界へ美雪が飛び出し、健司と出会う運命的なシーンを撮影。突然の落雷によって停電し真っ暗になった映画館のなか、健司の前に美雪が現れるが、その現れ方にまず驚きがあった。ロマンチックな出会い方だと思っていたら、何とホラー的!? 「うぅ、ううぅー」という声を漏らしながら床を這う綾瀬さんに、武内監督が「もう少し手の動きをホラーっぽく」という演出。面白い映画になりそうな予感が漂っていた。忘れ去られた古い映画の中からヒロインが現実世界へ出てくるという設定は、『キートンの探偵学入門』をヒントにウディ・アレンが『カイロの紫のバラ』を作ったように、過去の名作をアレンジしているそう。ほかにも、古い映画館を舞台にした『ニュー・シネマ・パラダイス』、王女と恋に落ちる物語『ローマの休日』、気の強い女性キャラクターは『猟奇的な彼女』など、さまざまな映画のエッセンスが取り入れられているのも見どころだ。綾瀬さんのお姫様感にも驚かされた。顔はすすだらけで髪はボサボサだが、それでも美しい!健司が惚れるのも無理はないと、そのワンシーンだけでも綾瀬さんの演じる美雪の魅力が伝わってくる。監督も「お姫様感も、現実の世界にやって来た驚きや歓びの感情も表現されている絶妙な演技だった」と絶賛。そして、憧れ続けた映画のなかの美雪が目の前に現れて驚く健司を演じる坂口さんの驚きもまたよく、突然、目の前に現れた美雪に「うわぁあー!」と驚きながらも「えっ、白黒?」というコミカルなリアクションを含めた繊細な演技に引き込まれる。坂口さんがコメディというのも新鮮だ。何より2人の呼吸がぴったりで、何時間でも見ていたいと思う芝居だった。この前半のコミカルなやりとりが、後半には切ないロマンスに変わっていくそう。そんなオリジナルストーリーについて綾瀬さんは「美雪と健司の真っ直ぐで一途な想いは、美しくもあり切なくもあり、夢のような世界でもある。それを感じてほしいですね」とコメント。後半のラブストーリーがどんな展開になるのか期待したい。モノクロの世界から飛び出した美雪が初めて目にする現実世界を一番カラフルにしたいということで、ロマンス劇場のロビーはとびきりカラフルな配色で作られている。そのロケセットについて坂口さんは「ロマンス劇場は健司が何度も来ている馴染みの映画館。初めてこのロケセットを見たとき、いろんな色を使っているのにまとまっていて格好いいなって思いました。ロマンス劇場という看板のツタの感じとかも素敵なんです」とお気に入りの様子。この日はロケセットの映画館での撮影だったが、物語の途中には健司が脚本を書くために美雪をシナリオハンティングという名のデートに誘うシーンがあり、そのデートシーンもカラフルな場所が選ばれているそうだ。そして、美雪が現実世界にやってきた理由、隠していたある秘密、健司との恋の行方…どんなオリジナルストーリーなのか、公開を楽しみに待ちたい。協力:ワーナー・ブラザース映画(text:Rie Shintani)
2017年11月24日浦井健治と城田優がW主演するミュージカル『ブロードウェイと銃弾』の製作発表会見が11月10日に行われた。ウディ・アレンによる同名映画を原作に、ウディ自身がブロードウェイでミュージカル化した作品の、日本初上演。演出は映画『銀魂』やドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田雄一が手がける。ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』チケット情報映画版はアカデミー賞7部門にノミネートされた、傑作との呼び声の高い作品。1920年代のNYを舞台に、自分の作品がやっとブロードウェイで上演されることになった売れない劇作家が、出資者であるギャングの親玉や、監視役のその部下、ギャングの愛人である大根女優、クセのある俳優たちに振り回されながらも舞台を作り上げていく様を描くコメディだ。「日生劇場(という大きな劇場)でやるということで身の引き締まる思いなのですが、真ん中のふたりがふざける気満々のようで、ちゃんと言うこときいてくれるか……」という福田のボヤきから始まったこの日の会見は、終始爆笑に包まれたものとなった。劇作家のデビッド役である浦井は「僕は福田さんの作品が大好き。福田作品の、みんなで楽しみながら楽しいものを作っていく現場も大好きです。城田優とコメディを一緒に作るのも初めてなので、そこも楽しみたい」と意気込みを真面目に語るも、会見終盤には城田に煽られ、なぜか美輪明宏氏のモノマネを披露する展開に。会場の爆笑を誘っていたが、「僕、この個性豊かな面々のなかで今も右往左往していますが、それがそのままデビッドというキャラクターになっていくんじゃないかな」。城田はギャングのボスから現場に監視役として送り込まれてきた部下、チーチ役。「みなさんに笑顔や勇気や元気を届けらるような、ハッピーなものを作りたい。チーチはクールで怖い感じなのですが、芝居作りにものすごくのめり込んでいく。そのギャップが面白いです。僕も演出家に(意見を)言ったりする面倒臭いタイプなのでそのあたりはチーチと似ているかな」と、自分と役柄の接点を語った。浦井と城田は6年ぶりの共演だが「友だちでもあり親友でもあり同志でもあり戦友でもある」(浦井)とのことで、掛け合いのようなやり取りが続いたが、コメディセンスについては「優の方がある」(浦井)、「狙って笑わせるのは僕だよね。でも天然で面白いのは健ちゃん」(城田)。ふたりがどんなコンビを生み出していくのかにも注目だ。ほかに平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里といった顔ぶれが脇を固める。“キンキン声で才能がないにも関らず芝居の主演を狙う”という役柄の平野が甲高いアニメ声で挨拶をしたり、“プライドの高い主演女優”役の前田が「浦井さんとキスシーンがあります!」と高らかに宣言したりと、それぞれの個性が噴出した楽しい会見に、本番の舞台への期待度が高まった。公演は2月7日(水)から28日(水)まで、東京・日生劇場にて。チケットは11月25日(土)に一般発売開始。その後大阪・梅田芸術劇場 メインホール、福岡・博多座でも上演される。
2017年11月14日映画『パーティで女の子に話しかけるには』が、2017年12月1日(金)、日本で公開される。名作『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェルが監督を担当。製作されたイギリスとアメリカでは2018年の公開が予定されており、日本が世界初公開となる。舞台はセックス・ピストルズが活躍した70年代ロンドン舞台はセックス・ピストルズ、ストラングラーズ、クラッシュなどが活躍し、パンクが爆発的な盛り上がりを見せていた77年のロンドン郊外。音楽、そしてファッションと”セディショナリーズ”と呼ばれる伝説的なショップを中心に、ヴィヴィアン・ウエストウッドやマルコム・マクラーレンが活躍していた時代だ。そんな中、パンクだが内気なエンは、遠い惑星からやってきた美しい少女ザンと出会う。エンはパンクやそのファッションに共感してくれるザンに魅かれていく。リミット48時間の恋を音楽やこだわりぬいたファッションなどとともに描いていく。『パーティで女の子に話しかけるには』キャスト少女ザンをエル・ファニング少女ザンを演じるのはエル・ファニング。最近では『20センチュリー・ウーマン』や『ネオン・デーモン』に出演。またソフィア・コッポラやウディ・アレンの新作も控える若手人気女優だ。少女ザンにとって初めて見る地球、初めて聞くパンクやそのファッション。エルは、パンクの知識がなく今のヴィヴィアン・ウエストウッドのファッションが当時のパンクだと思っていたそうだが、その勘違いが演技に役立ったと語っている。なぜならザンはパンクを全く知らないのだから…パンクにハマるエンをアレックス・シャープパンク高校生エンは、舞台「夜中に犬に起こった奇妙な事件」で2015年に史上最年少でトニー賞主演男優賞を受賞した実力派俳優アレックス・シャープが演じる。『パーティで女の子に話しかけるには』では、傷つきやすくも時に生意気な少年を美しく演じた。以前ヴィヴィヴァンの服を売っていたボディシーア役にニコール・キッドマンニコール・キッドマンが演じるボディシーアは、元ヴィヴィアン・ウエストウッドの元で働いていたという地元のパンク・クラブの風変わりなオーナー。若きパンクロッカーたちを仕切るボス的存在だ。衣装デザインはサンディ・パウエルもちろんファッションも注目ポイント。過去3作品で、アカデミー衣裳デザイン賞を受賞、最近では『シンデレラ』 、『キャロル』を手掛けたサンディ・パウエルが担当している。サンディは、意外にも当時ロンドン・パンク界に身を置いていたそうで、当時を再現するようにリアルな衣装を心掛けたという。コラボレーションアイテムが登場映画の公開に併せたコラボレーション企画がアパレルショップを中心に行われる。セレクトショップアメリカンラグシー(AMERICAN RAG CIE)では、映画とのコラボレーションアイテムを発売。映画オリジナルのTシャツ、トートバック、ジャケットなどが店頭へ並ぶ。いずれも劇中でエンが描くキャラクターやアニメーションをプリントしたポップなデザインだ。さらに、映画の世界観をイメージして、トータルビューティーサロンukaではオリジナルネイルが登場、カフェ&クリエイティブ「サナギ」新宿店では、オリジナルドリンクが発売される。劇中に衣装を提供したヴィヴィアン・ウエストウッドは、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督の来日PR時にもトータルコーディネートを行った。『パーティで女の子に話しかけるには』あらすじパンクなのに内気な少年エンは、偶然もぐりこんだパーティで、反抗的な瞳が美しい少女ザンと出会う。大好きなセックス・ピストルズやパンク・ファッションの話に共感してくれるザンと、たちまち恋におちるエン。だが、ふたりに許された自由時間は48時間。彼女は遠い惑星へと帰らなければならないのだ。大人たちが決めたルールに反発したふたりは、危険で大胆な逃避行に出るのだが…。作品情報『パーティで女の子に話しかけるには』監督・脚本:ジョン・キャメロン・ミッチェル原作:ニール・ゲイマン「パーティで女の子に話しかけるには」衣装:サンディ・パウエル『キャロル』、『ベルベット・ゴールドマイン』出演:エル・ファニング、アレックス・シャープ、ニコール・キッドマン公開日:12月1日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー(c)COLONY FILMS LIMITED 2016■コラボレーション商品情報・アメリカンラグ シー オリジナルグッズ販売販売店舗:アメリカンラグ シー店舗(新宿、ルクア大阪、名古屋、京都BAL、札幌ステラプレイス、オフィシャルオンライショップ)販売日:2017年12月1日(金)Tシャツ 3,500円+税 (色:ブラック、ホワイト/サイズ:S、M、L )※ユニセックストートバッグ 3,500円+税 (色:ホワイト、レオパード、ピンク)ヴィンテージリメイクMA-1ジャケット 80,000円 (色:カーキ/サイズ:M、L)※新宿フラッグス店では、映画をイメージしたディスプレイ展開。大阪、名古屋、京都、札幌店でも商品をコーナー展開。・トータルビューティーサロン「Cu by uka」映画をイメージしたオリジナルネイルデザイン2種類を展開。抽選で劇場鑑賞券を5組10名にプレゼント(施術した人または商品を購入した人限定)映画の半券提示で、先着15名に映画オリジナルグッズ&ukaシャンプー&ヘアートリートメントのサンプルをセットでプレゼント実施期間:2017年11月18日(土)~12月17日(日)実施店舗:Cu by uka二子玉川店Cu、 by uka梅田店、S.COEURCu×枚方T-SITE店・「サナギ」新宿店映画をイメージしたオリジナルドリンクを作成。販売期間:2017年12月1日(金)~12月29日(金)※販売期間は予告なく変更になる場合あり※11月25日(土)より、店内にて予告映像も上映。
2017年11月13日ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』の制作発表が10日、都内で行われ、浦井健治、城田優、平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里、演出の福田雄一が登場した。同作はウディ・アレンによって1994年公開の映画を2014年にミュージカル化。劇作家のデビッド(浦井)だが、プロデューサーが見つけてきた出演者がマフィアの親玉だったためにハチャメチャな状況に。実は舞台を愛するマフィアの部下・チーチ(城田優)とともに作品を成功させるために苦労する。ジョークを飛ばすことの多いメンバーに、福田が「2人がちゃんとやってくれるかなという不安が……」と心境を明かすと、城田は「日本語ガワカリマセン……」と返し、波乱を感じさせるスタートに。それぞれが意気込みを語る中、前田が「どうも浦井さんとキス・シーンがございます! どうぞよろしくお願いします」と主張すると会場からは拍手が起こったが、前田は「言ったら赤くなっちゃった」と照れた様子を見せた。キンキン声のマフィアの愛人を演じる平野は福田から「『レディ・ベス』は大変だけどこれはそのまま出来るね」と言われたことを暴露すると、福田は「あんまりそういうこと言わないで!! ダメ!!」と大慌て。また、デビッドの恋人を演じる愛加は「前回『王家の紋章』で(浦井と)共演させて頂いた時に片思いして全く報われず、お姉さんに燃やされてしまう役で」と恋人役となったことに喜ぶと、福田が「ずっと黒焦げでしたよね!?」つっこみ、会場も笑いに包まれていた。作中のナンバーから、浦井による「I’m Sitting on Top oh the World」、城田による「Up a Lazy River」の披露も行われ、大盛況の制作発表だったが、最後に浦井が一発芸をやる流れに。『もののけ姫』に声で出演していた美輪明宏のモノマネを披露すると、共演者陣も「すごい似てるね!!」と驚いていた。製作発表終了後の取材では、互いの歌声を褒めあった浦井と城田。浦井は城田について「喉が違う。高音の最後シのフラットまで出て」と専門的に語り、城田は「安定している。健ちゃんは必ず決めてくる」と称賛した。さらにコメディセンスがある方は? と聞かれると、浦井は「優です」と即答。城田が「狙って笑わせるのは僕です。でも天然で面白いのはこっちです」と浦井を指すと、浦井は「意図的にできません」と苦笑した。しかし、先ほどのモノマネを褒められた浦井は「もう一つやります」とやる気に。『ハウルの動く城』の美輪明宏の「その呪いは解けないよ」というセリフを披露し、城田は「これは本編に入れましょう」と絶賛した。取材終わりには、城田がレポーターに「大丈夫ですか? もっとやばい質問とか。最近恋愛はどうですか? とか」と尋ね、周囲が慌てる一幕もあったが、浦井が強引に「ありがとうございました!」と頭を下げ、場を終わらせた。東京公演は日生劇場にて2018年2月7日から28にち。また、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて3月5日~20日、福岡公演は博多座にて3月24日~4月1日。
2017年11月10日米アカデミー賞7部門にノミネートされたウディ・アレンの名作映画を監督自ら脚本化、2014年にブロードウェイで初演されたミュージカル『ブロードウェイと銃弾』が、福田雄一演出で来春上演される。1920年代のNYを舞台に、マフィアとショウビズ界のアンタッチャブルな関係をコミカルに描いた物語だ。出資者であるマフィアの親玉ニック(ブラザートム)から「愛人のオリーブ(平野綾)を主役に!」との絶対条件付きで、ブロードウェイデビューの夢を掴んだ劇作家のデビッド(浦井健治)。早速稽古に入るが、主人公が大根役者な上、突然オリーブの監視役でマフィアのチーチ(城田優)が脚本にダメ出しを始めて…。混迷を極めていくデビッド役について、浦井健治はこう語る。ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」チケット情報「演出の福田さんがある現場で言っていたのは、『真ん中にいる人はなるべく余計なことはしないで』と。主役のデビッドまでいろんなことを仕掛けると作品の軸がブレてしまうので、僕は周囲に揉みくちゃにされながらも耐える役です。でも、先日のビジュアル撮影では、役になりきる僕を見てスタッフさんたちが爆笑していました。『一番個性のない役のはずなのに…』って(笑)」。無個性な彼でさえこの反応とは、個性際立つ共演者らの爆笑度合いは推して知るべし。とりわけ、城田優が演じるチーチとの“迷コンビ”ぶりは、物語を躍動させる鍵となる。「デビッドはチーチのダメ出しによって気づくんですよね、『こいつ、俺より才能あるな』と(笑)。彼としては劣等感を抱きつつも互いに認めあうことで、それぞれの道が拓けていく。人生何が起こるか分からない。この作品はデビッドの成長の物語でもあるのかな」。チーチとの「友情にも似た関係」を演じる上で相手役には、城田優がぴったりだとも。共演した『ロミオ&ジュリエット』では目で対話ができるまでに信頼感を深め、キスシーンも盛り込まれた『エリザベート』ではデュエット曲『闇が広がる』で万雷の拍手を獲得した。「『芝居を止めてまで拍手が止むのを待ったのは、後にも先にもあの瞬間だけだ』と後に優が言ってくれました。板の上で様々な経験を共有してきた彼とだからこそ、描ける関係がある。ただ、今回は福田組なので、逆に優とふたりで『ここで、拍手ください!』とか言っちゃってるかもしれないですね(笑)」ドラマ『勇者ヨシヒコシリーズ』や『ニーチェ先生』、映画『銀魂』など、映像でも活躍する福田雄一が手掛ける舞台は、普段演劇を観ない人や男性にも「絶対に後悔させない」と太鼓判を押す。「福田さんは現代に通じる笑いを日々追求されていると思うので、初観劇にもお勧め。逆に会社や学校で、観たことを自慢できるような舞台になると思います。きっと華やかなセットになるだろうしダンスシーンも満載で、演劇界の裏側を覗き見するような趣向にゲラゲラ笑って、すっきり爽やかにエナジーチャージができる。素敵な作品になります!」2018年2月7日(水)から28日(水)までの東京・日生劇場公演を経て、大阪・梅田芸術劇場メインホール、福岡・博多座でも上演。取材・文:石橋法子
2017年11月06日アダム・サンドラー、ベン・スティラー、ダスティン・ホフマンが、めんどくさい親子を演じるホームコメディ『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』。Netflixで全世界同時配信が始まったが、米映画レビューサイトRotten Tomatoesでは93%の高評価で、早くも賞レースで有力視されている。気難しい父に振り回される一家をユーモアたっぷりに描くのは『ヤング・アダルト・ニューヨーク』、『フランシス・ハ』の才人ノア・バームバック。現代人の抱える悩みを軽妙に描き、次世代のウディ・アレンとの呼び声も高い。5月のカンヌ映画祭では、Netflix作品として初めてコンペ入りしたことで「配信作品は映画なのか?」という議論を呼んだ話題作だ。舞台はニューヨーク。彫刻家の父ハロルド(ダスティン・ホフマン)が家を売ると言い出し、3兄妹が久しぶりに集合する。長男ダニー(アダム・サンドラー)と長女ジーン(エリザベス・マーヴェル)が冴えない毎日を送る中、異母兄弟の弟マット(ベン・スティラー)だけは会計士として成功しており、会ってもぎくしゃくするばかり。一方、ハロルドも芸術家として過小評価されていることに不満で、イライラしてばかり。家の売却と共に、家族はバラバラになってしまうかに見えたが…。自分勝手な父親に振り回されつつ、実は似たもの同士の息子たち。特に、弟にコンプレックスを持つ専業主夫のダニーを演じるアダムの演技が絶妙で、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるのは決まったも同然だろう。ジーン役のエリザベス・マーヴェルも「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の国務長官と同じ人とは思えぬ、名演技を見せている。一流になれなかった人間は、どう気持ちの折り合いをつけるのか。愛情をうまく示せない家族は、どうやり直すのか。脚本も手がけるバームバックは、このテーマについてこう語る。「成功の定義、というものに興味があった。彫刻家として成功するなんて、100万人に1人しかいない。長男のダニーは夢は諦めたけど、娘にとっては素晴らしい父親で、その意味では十分成功しているに気づいていない。僕だって主流の監督じゃないけれど、自分の好きなように映画を作ることが出来ている。そんなことを投影しているんだ」。また、劇場ではなくNetflixでの配信を選んだことに対しては「元々、インディーズ映画として16ミリ・フィルムで低予算で撮っていたところ、Netflixが編集段階で資金を出してくれたんだ。だからあくまで映画として作っているし、機会があれば大きなスクリーンで観てほしいとは思う」と心情を明かした。ダニーを演じるアダムは、バームバック作品は初めて。「前からノアの映画に出たくて、ようやく実現したんだ。そしたら170ページもの脚本が届いて驚いた。でも素晴らしい脚本だから、撮影前に全部頭に叩き込んだんだ。僕が演じるダニーの娘は大学で遠くへ行ってしまうが、うちの子もいつか巣立つと思うと、淋しくてしょうがないよ」。一方、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』などバームバック作品の常連ベンは「僕はアダムと正反対で、セリフは直前に覚えるけどね(笑)。でも、この映画には共感する部分が多い。僕もアダムも子どもがいて、親を看取る経験をしてきたし、すごく共感できたんだ。それに父親がダスティンだなんて、超クールだよ」と語った。名優ダスティンが、せこくて傲慢だが愛嬌のある父ハロルドを演じて、大いに笑わせてくれる。「ハロルドという人物について、ノアと話し合ううち、『おや、これはまるでうちの父親じゃないか』と気づいたんだ。最初は全然そう思わなかったけれど、似た部分がとても多かった」。ほかにもハロルドの現在の妻を演じるエマ・トンプソン、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』にも出演したアダム・ドライバーが、登場シーンは少ないものの印象的な芝居を見せる。なぜ、題名に<改訂版>(英語ではNew and Selected)がつくのかは観てのお楽しみ。家族の物語は、そう簡単には終らないのだ。(text:Ayako Ishizu)
2017年10月25日ギレルモ・デル・トロ最新作『シェイプ・オブ・ウォーター』が、2018年3月1日(木)より全国公開される。2017年度のヴェネツィア国際映画祭では、最高賞にあたる金獅子賞を受賞した作品だ。孤独な女性と不思議な生物の“愛”を描くファンタジー・ロマンス『シェイプ・オブ・ウォーター』は、過去のトラウマで声を出すことができない一人の孤独な女性と、水の中で生きる、それはまるで半魚人のような不思議な生物との言葉を超えた“愛”を描いたファンタジー・ロマンス作品だ。監督はギレルモ・デル・トロギレルモ・デル・トロはメキシコ出身の映画監督。特殊メイクから映画の世界に入った監督で、独特な世界観の作りこみに定評がある。代表作はスペイン内戦後を舞台に、悲しげな少女を描くダーク・ファンタジー『パンズ・ラビリンス』。菊地凛子が主演を務めた大作『パシフィック・リム』、アメコミ系の『ブレイド2』『ヘルボーイ』を手掛けていたり、最近の作品では、心霊屋敷が舞台にしたダークミステリー『クリムゾン・ピーク』を送り出した。『ホビット』シリーズでは脚本を担当している。彼が生み出してきた映像は美しくも独特であり、拘り抜いたもの。キャラクターはどこか憎めなく、そして魅力的。モンスターをはじめとする奇妙な物品を愛し、“荒涼館”と呼ばれる自宅に収集していることでも知られているギレルモ・デル・トロだが、『シェイプ・オブ・ウォーター』ではモンスター×人間のラブストーリーが題材。過去の多くの作品と同じで今とは違う時代、冷戦時代が舞台の世界が舞台だ。ギレルモ・デル・トロの作品の中でも珍しく今回はラブストーリーなのだ。さらに『パンズ・ラビリンス』を超えた?あるいは最高傑作ではないか?と言われている。主人公をサリー・ホーキンス極秘研究所に勤める主人公のイライザ。たまたま目撃した不思議な生物“彼”の魅惑的な姿に心を奪われていく。周囲の目を盗んで会いに行くようになる。子供の頃のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は必要なかった…。そうして不思議な生き物と心を通わせていく。演じたのはサリー・ホーキンス。言葉を使わずに溢れんばかりの感情を表現する、渾身の演技を見せた。本作ではその演技が認められアカデミー主演女優賞にノミネートされている。2008年の『ハッピー・ゴー・ラッキー』で、ベルリン国際映画祭女優賞にあたる銀熊賞、ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ主演女優賞を受賞。ウディ・アレン監督による『ブルージャスミン』でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、近年ますます注目が集まる女優だ。ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』でも主要キャラを演じている。水の中で生きる謎の生物アメリカ政府の極秘研究所へ秘かに運び込まれた不思議な生きもの…。それはアマゾンで神のように崇められていたという。水の中で生きる半魚人のようおな謎の生き物“彼”は間もなく実験の犠牲になるという状況だが…隣人役に名優リチャード・ジェンキンス優しい隣人役ににリチャード・ジェンキンス。70歳を超えて未だ現役・名脇役と呼ばれる俳優だ。2001年にはじまったテレビドラマ「シックス・フィート・アンダー」で知られ、2009年には『扉をたたく人』ではアカデミー主演男優賞にノミネート。そして『シェイプ・オブ・ウォーター』でも助演男優賞にノミネートを果たした。同僚ゼルダをオクタヴィア・スペンサーイライザを暖かく支える同僚ゼルダを『ドリーム』のオクタヴィア・スペンサー。裁判映画『評決のとき』ではじめて映画に出演し、その後は地道に出演を続け、2011年、『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』でブレイク。アカデミー助演女優賞を受賞した。最近は『ドリーム』『gifted/ギフテッド』への出演や『ズートピア』では声優として活躍している。その他、イライザと恋に落ちる生き物の声は『パンズ・ラビリンス』をはじめデル・トロ監督作の常連ダグ・ジョーンズ、冷徹な政府調査官は『マン・オブ・スティール』のマイケル・シャノンが担当する。ヴェネツィアに留まらずアカデミー賞では13部門ノミネートヴェネツィア国際映画祭の金獅子だけではなく、『シェイプ・オブ・ウォーター』は、賞レース前哨戦でも既に16受賞、80ノミネートを果たし、特にアカデミー賞との親和性も高い放送映画批評家協会賞では、ぶっちきり史上最多となる14部門でのノミネートを果たしている。第75回ゴールデン・グローブ賞は、作品賞(ドラマ)、監督&脚本賞(ギレルモ・デル・トロ)、ドラマ部門主演女優賞(サリー・ホーキンス)、助演男優賞(リチャード・ジェンキンス) 、助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー)、作曲賞(アレクサンドル・デスプラ)とノミネートされ、監督賞と作曲賞を受賞した。そしてアカデミー賞では、作品賞、監督賞(ギレルモ・デル・トロ)、主演女優賞(サリー・ホーキンス)、助演男優賞(リチャード・ジェンキンス)、助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー)、脚本賞(ギレルモ・デル・トロ)、作曲賞、編集賞、衣裳デザイン賞、美術賞、撮影賞、音響編集賞、録音賞と、最多13部門のノミネートを果たした。『シェイプ・オブ・ウォーター』あらすじ舞台はアメリカとソビエトの冷戦時代の1962年。清掃員として政府の極秘研究所に勤務するイライザ(サリー・ホーキンス)は孤独な生活を送っていた。そんな彼女の生活だったが、ある出来事を機に永遠に変わってしまう。同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と一緒に極秘の実験を見てしまったのだ。人間ではない不思議な生き物との言葉を超えた愛。それを支える優しい隣人らの助けを借りてイライザと“彼”の愛はどこへ向かうのか…。【作品詳細 】『シェイプ・オブ・ウォーター』原題:The Shape of Water公開日:2018年3月1日(木)より全国ロードショー監督・脚本・プロデューサー:ギレルモ・デル・トロ音楽:アレクサンドル・デスプラ衣装 : ルイス・セケイラ美術 : ポール・オースタベリー撮影:ダン・ローストセン出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、オクタヴィア・スペンサー、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スツールバーグ、ローレン・リー・スミス、ニック・サーシー、デヴィッド・ヒューレット配給:20世紀フォックス映画(C)2017 Twentieth Century Foxシェイプ・オブ・ウォーターのアートブックも発売なお、映画の公開前、2018年2月9日に、キャラクターや小道具のデザインから撮影に至るまでフィルムメイキングの過程を網羅するアートブックも発売される。『ギレルモ・デル・トロのシェイプ・オブ・ウォーター混沌の時代に贈るおとぎ話ジーナ・マクインタイア[著]阿部清美[訳]発売:2018年2月9日A4変型(予定)/並製/ 168 頁オールカラー予価:本体3,800円+税発行元:DU BOOKS内容:・登場人物はこんな過去を抱えていた。デル・トロ監督による人物設定詳細資料・セットの一部には葛飾北斎の神奈川沖浪裏が隠れている。・クリーチャー制作のヒントとなった日本画。・特殊メイクへのとてつもないこだわり。・主要俳優陣やアレクサンドル・デスプラ(音楽)をはじめとする制作スタッフの貴重なコメント大公開。・超貴重、デル・トロの創作ノートより、一部公開。
2017年09月16日ダスティン・ホフマン、ベン・スティラー、アダム・サンドラー、エマ・トンプソンらが豪華共演し、今年のカンヌ国際映画祭でも話題を呼んだNetflixオリジナル映画『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』(原題『The Meyerowitz Stories(New and Selected)』)が10月13日(金)より配信決定。さらに、この愛すべき家族が登場する特別映像が公開された。本作は、年老いた芸術家の父親ハロルド(ホフマン)のお祝いのために家に帰ってきた3人の兄妹ダニー、マシュー、ジェーンが、彼との関係に折り合いをつけようと悪戦苦闘。彼らが大人になっても大きな影響力を持つ父親との葛藤、そして家族の絆を描いたホームコメディ。監督は、『イカとクジラ』で2005年のサンダンス映画祭で監督賞と脚本賞を受賞し、アカデミー賞脚本賞にもノミネートされ、『フランシス・ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』などを手がけてきたノア・バームバック。主演は、ダニー役にサンドラー、マシュー役にスティラーというハリウッドのキング・オブ・コメディアンといっても過言ではない2人。この夢の競演は、まさに映画ファン必見。そのほか、舞台作品で活躍するエリザベス・マーヴェル、『美女と野獣』も記憶に新しい名女優エマ・トンプソン、そして父親ハロルド役を演じるのは、映画史に残る名優ダスティン・ホフマンという豪華な顔ぶれ。ハリウッドの大御所キャスト陣と“次世代のウディ・アレン”とも称されるバームバック監督が贈る愛すべき家族の物語は、ポン・ジュノ監督『オクジャ/okja』と共に、今年の第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にNetflixオリジナル作品として初めて正式出品され、世界を賑わせたばかり。誰もが共感できる世代間ギャップが笑いを誘い、家族の愛と厄介さに心温まる、秋にぴったりの物語となりそうだ。『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』は10月13日(金)よりNetflixにて全世界同時配信。(text:cinemacafe.net)
2017年08月30日主演作が相次ぐ若手随一の人気女優エル・ファニングが、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督と組んだ『How to Talk to Girls at Parties』が、邦題『パーティで女の子に話しかけるには』に決定。12月1日(金)より本国に先駆けて世界初公開されることになり、予告編とポスタービジュアルがお披露目された。本作は、いまもなお「生涯のベスト1」に挙げる人も数多い名作『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の原作・監督・脚本・主演を務め、数々の賞で讃えられたジョン・キャメロン・ミッチェルの待望の最新作。今回解禁された予告編では、1977年ロンドン郊外を舞台に、何者かになりたくても、それが何なのか分からず、音楽だけを救いにさえない毎日を送っていた内気な少年エン(アレックス・シャープ)が、偶然もぐりこんだ不可思議なパーティで、美しい少女ザン(エル・ファニング)と出会うところから幕を開ける。大好きな「セックス・ピストルズ」やパンク・ファッションの話に共感してくれるザンと、たちまち恋におちるエン。だが、2人に許された自由時間は48時間。彼女は“遠い惑星”へと帰らなければならない。大人たちが決めたルールに反発した2人は、一緒にいたいと奮闘するが――。やっと出会えた運命の相手と別れなくてはならない、切ない恋のゆくえが疾走感ある映像と音楽で描かれる予告編。また、ポスターにも、レコードショップで2人が仲良くヘッドフォンに耳を傾ける印象的なビジュアルに、「あの日、恋に落ちたのは遠い惑星の女の子でした」というコピーが乗り、2人の甘酸っぱい青春音楽ラブストーリーを予感させている。遠い惑星から来た美少女ザンを演じるのは、『マレフィセント』のオーロラ姫役でスター女優の仲間入りを果たし、ニコラス・ウィンディング・レフンやマイク・ミルズ、ベン・アフレックらに起用されてきた若手人気NO.1女優エル。カンヌ監督賞受賞のソフィア・コッポラ『The Beguiled』(原題)、セレーナ・ゴメス共演のウディ・アレン監督の新作も控えるなど、出演オファーがやまない彼女が、本作でも自由を求める少女を魅力たっぷりに演じ切る。内気なパンク少年エンには、ブロードウェイの舞台「夜中に犬に起こった奇妙な事件」の主人公を務め、2015年に史上最年少でトニー賞主演男優賞を受賞した実力派アレックス・シャープ。さらに、ミッチェル監督とは『ラビット・ホール』でも組んだオスカー女優ニコール・キッドマンが、かつて「ヴィヴィアン・ウエストウッド」で働いていたという、若きパンクロッカーたちを仕切るボス的存在を強烈なインパクトで演じている。音楽とファッションに彩られた、斬新なのに懐かしい、刺激的だけど切ない“ボーイ・ミーツ・ガール”の傑作が誕生。なお、今年10月には、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の舞台がオリジナルキャストで日本に上陸。合わせて、ミッチェル監督の本作の来日プロモーションも決定している。『パーティで女の子に話しかけるには』は12月1日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年08月18日エイドリアン・ブロディが8月4日(現地時間)にスイス南部のロカルノで開催されるロカルノ国際映画祭で生涯功労賞「名誉豹賞」を受賞することになった。歴代の受賞者には作曲家のエンリオ・モリコーネ、テリー・ギリアム監督、高畑勲さんらが名を連ねている。エイドリアンは1989年、16歳のときにマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、ウディ・アレンの3大巨匠がメガホンを取ったオムニバス映画『ニューヨーク・ストーリー』でデビュー。2002年の『戦場のピアニスト』で実在のユダヤ系ポーランド人のピアニストを演じ、史上最年少(当時29歳)でアカデミー主演男優賞を獲得したことで話題に。フランス版アカデミー賞と呼ばれるセザール賞の主演男優賞、ボストン映画批評家協会賞の主演男優賞にも輝いた。その後も華々しい活躍を続けている。エイドリアンの「名誉豹賞」受賞の決め手は『戦場のピアニスト』の功績と、多才な俳優として手本になっていること、ハリウッドやその他の国々のフィルムメーカーからの圧倒的な支持されていることだと公式サイトが発表。彼の肩書は「俳優」よりも「アーティスト」の方がしっくりくると絶賛している。来月に行われるロカルノ国際映画祭では、『戦場のピアニスト』を上映し、エイドリアンと会える機会も設けられるとのことだ。(Hiromi Kaku)
2017年07月05日花の都、恋の街、モードの発信地でもあるパリ。あなたが、もしそんなイメージを持っているなら、それを印象づけたのはいったい何だったのでしょう。古くは、ジャック・タチやジャック・リヴェット、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールらの映画や、ココ・シャネル、クリスチャン・ディオール、イヴ・サンローランといったファッション、フランス・ギャルやシルヴィ・バルタンらのフレンチ・ポップス。それらの影響を受け、自由な発想を持つフランスの現代カルチャーも、自国の粋な伝統を受け継ぎ、世界中の人々を惹きつけています。そんなフランスの小粋なエスプリを世界に印象づけたもののひとつが、有名な写真「パリ市庁舎前のキス」でしょう。撮影したのは写真家ロベール・ドアノー。彼の素顔と作品群の魅力をとらえたドキュメンタリーが『パリが愛した写真家ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』です。「パリ市庁舎前のキス」は、1950年に米国「LIFE」誌からの依頼で“パリの愛”をテーマに撮影された連作のうちの1点でした。あまりに有名な写真で、20世紀を象徴する写真とも言われているので、ドアノーやタイトルを知らずとも、観たことがある方も多いでしょう。ある時はポストカードで、ある時はチラリとメディアに映ったウディ・アレンの部屋で、ある時はポスター店で。実は、私も大好きでかつて自室に飾っていました。通りすがりの恋人たちの親密な瞬間を偶然に切り取ったと思われていたこの写真ですが、実は、当時は公共の場でキスをすることがそれほど多くなかった時代。モデルを雇い、様々な場所でキスをしてもらうことで実現した企画だったようです。演出があったとしても、真のきらめきを感じるからこそ、人々はパリの持つロマンティックな表情をそこに重ねたのでしょう。それは、モデルたちが本物の恋人同士だったということもあったのでしょうが、孫娘によるドキュメンタリーを観ると、この作品が単にファッショナブルな写真として消費されていくのではなく、20世紀を象徴する1枚として永遠に色褪せないのは、ドアノーのエスプリによるものだと確信できます。「パリ市庁舎前のキス」を、ずっと一般の人を偶然にとらえた写真だと思っていた私ですが、モデルを配していたと知っても、「なーんだ」とは思いませんでした。その理由も、このドキュメンタリーの中にあります。ドアノーは、スクープよりも日常の風景を愛する人でした。そして、自らの分を知り、芸術家ではなくあくまでも職人であることを貫いた人。ありきたりのものや人の中にある輝きを見出すことを愛し、その瞬間が訪れるまで歩き、探し、待つ、努力の人だったのです。そして、その努力や苦労は決して作品ににじませない。でも、その裏側こそが、彼の作品の魅力の土台となっていたのです。むしろ、あの瞬間が計算によって実現していたこと、そしてそれでもなお、あの瞬間が真実となり、ロマンティックなパリという世界観を映し出す確かな細部となっていたことに驚いたのです。私たちは、これまでになく写真と密接な関係を持つ時代に生きています。常にカメラが内蔵されたスマートフォンを持ち歩き、思いつくまま撮影し、それをSNSなどにアップロードし、人と感情を共有しています。だれもがカメラマンだと言える時代かもしれません。でも、職人になれる人はひと握り。技術や写真の出来以上に、ドアノーを写真家たらしめたのは、1秒への執念だったのかもしれません。ドアノーが生きたフィルムカメラの時代には、大きなメモリを内蔵するデジタルカメラが主流のいまでよりも、1枚の重みが違っていたことでしょう。皆、どれほどの緊張感を持ってシャッターを押していたことか。だから、その瞬間が来るのを、準備を十分に重ねてひたすら待つ。そして、その瞬間が来たことを知る嗅覚も研ぎ澄まされていく。ドアノーは、写真家は釣り人のようだと言っていたそうです。以前、通信社の写真部門で働いていた私は、ある同僚のカメラマンにこう教えてもらったことがあります。「シャッターを押す、最も大切と思われるその瞬間に、写真家は像を観ることができない」と。写真というものが持つ不条理さと、ロマンチシズムを感じた瞬間でした。でも、だからこそ努力し、準備し、待ち続け、1秒先を予測する心の目を養う。ドアノーは、まさにその権化ともいえる人。彼の、そして作品の魅力をたっぷり味わってみてください。(text:June Makiguchi)
2017年05月10日劇場で最新作を楽しむのも良いけど、外に出るのはどこも混んでて嫌だな…という人に、今回は「おうちで楽しめる」オススメ恋愛映画をご紹介。恋人と「おうちデート」で観るもよし、お一人様でもこれから恋愛がしたくなるような作品をピックアップ。お酒を片手に、様々な恋愛事情をゆったりと楽しんでみてはいかが?■『アニー・ホール』(1977、アメリカ)N.Y.でコメディアンとして活躍する主人公・アルビーの、映画のタイトルでもあるヒロイン“アニー・ホール”との出会いから別れ、それまでとそれからを描いた、ウディ・アレン監督&主演のヒューマンドラマ。自分の物差しでしか物事を量れず、“私を会員にするようなクラブには入りたくない”という考えが、恋愛において「来るものを拒み、去るものを追う」スタンスになってしまう、なんともパセティックな主人公(或いはアレン自身?)。2度目の離婚後に出会ったのは、主人公とはまるで正反対の性格を持つダイアン・キートン演じるアニー。楽観的で、快活で、やや危なっかしい彼女は、考えを行動に移すのが凄まじく早い。“自分のスペース”が欲しいアルビーは時に困惑を隠しきれず、さらに人間的に成長し、だんだん自分の手から離れていくアニーがなぜだか気に食わない。アニーもそんな関係に窮屈感を覚えずにはいられなくなり、やがて2人の関係には溝が…。複雑で、時には痛みを伴うけれども、なぜ人を愛さずにはいられないのか?そんなテーマが描かれた本作。脱構築されたストーリー(アレンが直接‘こちら側’に語りかけたり、バラバラになった時間軸を使って都合の良いように説明したり、関係の無い街の人に突然話しかけ、インタビューを取るなど)が、主人公のシニカルな人生観や性格などが、幸せな記憶や細かく散りばめられたジョークと程よく混ざり合い、ふくらむことで、本来ニューヨークチーズケーキのように胸焼けしそうなへヴィーなテーマも、サンドウィッチをつまむような感覚で観ることができる。また、ファッションや音楽も楽しめる本作。60年代N.Y.のトラディショナルなアイビールックからテニスファッション、さらには西海岸のヒッピーファッションまで登場するD・キートンの着こなしは要チェック!中でもべストやタイ、ツイードのブレザーなどメンズの服をさらりと着こなしたアニーのファッションは、当時「アニー・ホール・ルック」と呼ばれるほどアイコニック的な人気を誇り、独立したジェンダーを感じさせるアニーのリベラルさが体現された“シティガール”なスタイルは、いまでもマネしたい着こなし。そして、ビリー・ホリディの名曲をD・キートンがカバーするシーンなど、長年映画でN.Y.とジャズを根付かせ続けたアレン監督作品ならではの音楽づかいにもぜひ注目してみて。■『ONCEダブリンの街角で』(2006、アイルランド)掃除機修理屋(ストリート・ミュージシャン)の男と、街で花を売り歩くチェコ移民の若い女がアイルランド・ダブリンの街角で出会い、楽器屋での彼女のピアノに心動かされた男は、一緒にセッションしてみないかと持ちかける。やがて一緒に演奏することで喜びを実感し、音楽を通して心を通わせていくも、徐々にそれぞれの抱える問題が明らかになり…。本作で監督を務めたジョン・カーニーと言えば、最新作『シング・ストリート未来へのうた』や『はじまりのうた』等、非常に優れた音楽映画を世に送り出している監督の1人だが、音楽映画といっても、単にサントラが良いとか、「音楽ファン」のみに向けた専門的で囲われたそれではない。登場人物のストーリーやドラマとともに、日常に寄り添った音楽が映画に、そして私たちにまであたたかい希望を与え、普段音楽をあまり聴かない人に対しても、「音楽の持つ素晴らしさ」をシンプルに、かつダイレクトに届けてくれる非常に豊かな音楽性を持っている。中でも本作は、上の2作に比べると、かなりシンプルでオーガニックな作品であり、その分自然な形で挿入される歌はメッセージ性が濃く、父親のバイクを借りて出かけるドライブデートのシーンや、ダブリンの街角を散歩するなどの、2人のささやかな「幸せ」もあたたかく響いてくる。カーニー監督の作品の背景には、自身の生い立ちや、アラン・パーカー監督作『ザ・コミットメンツ』に深く影響を受けていることもあり、ダブリンを舞台した労働階級の人々や、移民などの社会的マイノリティの人々を描いたものが多い。しかし、恵まれた社会環境では決してないものの、あえてその背景を美化したり、またはよりデフォルメして描いているわけではなく、それぞれの置かれた状況や抱える問題を“ありのまま”に受け止めた上で、そこで奏でられる音楽がそれぞれの人物を「癒し」ていく。よって、作品内の楽曲たちには悲しみも喜びもそこに含まれており、そしてそれらはあまりにも清々しく、素晴らしいものとなっている。本作で登場する2人はカップルではない。現実的に言うと、2人はカップルにはなれないのだ。なぜなら、女は祖国・チェコに夫がおり、現在はダブリンのアパートで1人の幼い娘と自身の母親を暮らしているから。男は、愛していた女に裏切られ、別の男と暮らすその女がいまも忘れられずにいる。ここで描かれるのは、音楽によって紡がれていく“一度限りの恋”。絶妙な距離感のある2人の恋、そしてそれぞれが選んだ「結末」を見逃さないで。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ONCEダブリンの街角で 2007年11月3日より渋谷シネ・アミューズほか全国にて順次公開
2017年05月05日新緑まぶしい5月に、タイプの異なる3つの“愛”が燃え上がる3作のカップル映画が相次いで公開される。うっとりとして、胸躍り、キュンとなる、それぞれの恋愛スタイルを、初お披露目となる場面写真とともにご紹介!●全力投球で恋したい!『カフェ・ソサエティ』5月5日(金・祝)公開2012年『ミッドナイト・イン・パリ』で、観る者を1920年代ゴールデンエイジのパリへとタイムトリップさせたウディ・アレン監督が、“もうひとつの黄金時代”へと誘うロマンティック・コメディ。こちらに登場するのは、「もっと刺激的で胸がときめく人生を送りたい」漠然とそんな願望を抱くニューヨークの平凡な青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ:33)と、大物エージェントの美人秘書ヴェロニカ、愛称“ヴォニ―”(クリステン・スチュワート:27)が1930年代のハリウッドで出会うアラサー同士のカップル。美しくて、お洒落で頭の回転が速いヴォニーは、飾り気のない性格で、ボビーはたちまち心奪われる。彼女には恋人がいるというが、構わず積極的にアタック!!ついに努力が実って海辺や映画館でのデートを重ねた2人は、仲睦まじい恋人同士に。しかし、事態は急変し、ボビーは失意のどん底まで落ちてしまう。その後、故郷に戻ったボビーの運命やいかに!?目の前の恋に全力投球したい方にオススメ。●スリリングな恋を楽しみたい!『バッド・バディ!私とカレの暗殺デート』5月13日(土)公開アナ・ケンドリック(31)とサム・ロックウェル(48)という、17歳の年の差のカップルが出演する“覚醒ラブ・アクション”。ダメ男に恋してばかりのマーサは、また失恋。そんなときに立ち寄ったコンビニで、偶然、フランシスと出会い頭に衝突!腕利きの殺し屋であるフランシスは、その千里眼でマーサの“素質”に興味を持ち、一方のマーサは今度こそ運命の出会いに違いない! と心ときめく。急速に惹かれ合った2人はそのままデートに繰り出し、濃密な時間を過ごすことに。マーサは、フランシスが殺し屋と知って驚くも、好きになったら止まらない!一緒にスリリングな時間を過ごしながら、いっそう絆を深めていくマーサとフランシス。2人とも、“この人だ!”とひらめく野性の直感力はさすが。運命的な出会いを信じる方、スリリングな恋をしたい方にオススメ。●穏やかな恋を育みたい!『光をくれた人』5月26日(金)公開マイケル・ファスベンダー(40)とアリシア・ヴィキャンデル(28)の12歳差カップルで贈る世界的ベストセラーの映画化。1918年、トム・シェアボーンは戦争の英雄として帰国したが、心に深い傷を負い、人生の全てを拒むかのように、インド洋と南極海がぶつかる大海に浮かぶ、住民もいない孤島で灯台守の仕事を始める。3か月後、灯台守に正式採用となったトムは、契約を結ぶために町に戻る。そこでトムは、カモメに餌をやる若い女性イザベルに目をとめる。トムの心にさざなみが立った。町と孤島、離れて暮らす2人は、手紙でやりとりを続け、愛を育んでいく。劇中には、愛する人に向けて手紙をしたためるシーンも何度か登場する。実はこの2人、本作の撮影を通してホンモノのカップルになってしまったという。劇中に登場する髭剃りのシーンでは、アリシアがマイケルの髭を実際に剃っている。本来ならば俳優の顔に刃物をあてることは許されないことだが、プライベートでもパートナーとなった2人は、このシーンを自ら提案。愛の証ともいえる、名シーンの1つとなっている。穏やかに愛を育みたい、誠実な方にはこちらがオススメ。カップルの数だけ、恋愛の形がある。5月はあなたらしい恋のスタイルを見つけてみては?(text:cinemacafe.net)■関連作品:バッド・バディ!私とカレの暗殺デート 2017年5月13日より新宿シネマカリテほか全国にて公開(C) 2016 Right Productions, LLC光をくれた人 2017年5より全国にて公開(C) 2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLCカフェ・ソサエティ 2017年5月5日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
2017年04月30日昨年のカンヌ国際映画祭を沸かせた、ウディ・アレン監督最新作『カフェ・ソサエティ』。この度、衣装のスージー・ベンジンガーのインタビューが到着し、スージーのイラストと下着姿も美しいクリステン・スチュワートの写真が公開された。もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたい。漠然とそんな願望を抱いたニューヨークの平凡な青年ボビーが、ハリウッドを訪れる。時は1930年代、この華やかなりし映画の都には全米から明日の成功を目指す人々が集まり、熱気に満ちていた。映画業界の大物エージェントとして財を築いた叔父フィルのもとで働き始めたボビーは、彼の秘書ヴォニーの美しさに心を奪われる。ひょんな幸運にも恵まれてヴォニーと親密になったボビーは、彼女との結婚を思い描くが、うかつにも彼はまったく気づいていなかった。ヴォニーには密かに交際中の別の男性がいることに…。本作は、アレン監督が『ミッドナイト・イン・パリ』のような陶酔と郷愁を再び紡ぐ、ビター&スウィートでゴージャスなロマンティック・コメディ。主演は以前にもアレン監督とタッグを組んだジェシー・アイゼンバーグ。共演にはブレイク・ライヴリーやクリステンなど豪華俳優陣が集結している。衣装を担当したスージーは、デザイナーのセオニ・V・アルドリッジと9年にわたって共に仕事をし、『ゴーストバスターズ』や『クラブ・パラダイス』『月の輝く夜に』『アイリスへの手紙』といった映画作品に携わった。アレン作品への参加は、『トラブル・ボックス/恋とスパイと大作戦』『地球は女で回ってる』『セレブリティ』『人生万歳!』『ブルージャスミン』『教授のおかしな妄想殺人』に続き本作で7度目。また、舞台の衣裳デザイナーとしても名をはせており、「ドリームガールズ」「ジプシー」「ミス・サイゴン」「サタデー・ナイト・フィーバー」「コーラスライン」などにも参加している。そんな数多くの作品で一緒に仕事をしてきたアレン監督についてスージーは、「素晴らしい人よ。彼は脚本を書くのがとっても早くて私が知る誰よりも働き者ね。一日中働き、脚本を書くか編集作業をするか、そうでないときはクラリネットを吹いている」と絶賛し、また「みんなウディの早いスピードについていくので精一杯!スケジュールを見たキャストが『1日5シーンもやるなんて無茶よ!』とよく言うけど、ウディは大丈夫なの。彼の頭は一時も休まないし長年の経験で撮るものが明確になっているの。でも女優たちには同情するわ。ブレイク・ライヴリーは台本を手に持ってトレーラーやヘアメイク室まで走って移動していたのよ!」と明かす。そして、本作のお気に入りのシーンについて、クリステンとジェシーの海辺のシーンを挙げたスージーは、「ウディもスタッフも砂の上にいて、みんな波を被ってびしょ濡れ。ジェシーに着せていた本物の1930年代のパンツも濡れてしまって、スタッフは大笑いよ!」と撮影をふり返り、「この映画で一番の喜びは、クリステンとジェシーと一緒に仕事ができたこと。ウディはわかってないけど、ほとんどの俳優にとってウディとの仕事はとても緊張するもの。でも、2人はお互い仲が良くて、周りを楽しませる、本物のプロだった。一番初めにセットに現れて、最後にセットを出るような人なのよ。どんな監督でも2人と仕事をするのは最高だと思うわ!」とクリステンとジェシーについて語っている。『カフェ・ソサエティ』は5月5日(金・祝)よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:カフェ・ソサエティ 2017年5月5日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
2017年04月28日ダニエル・ブリュールとヴォルフガング・ベッカー監督の『グッバイ、レーニン!』コンビが贈る最新作『僕とカミンスキーの旅』。本作で描かれるのは、盲目の美術家として、60年代ポップアート界でアンディ・ウォーホルらと並び時代の寵児となった伝説の画家マヌエル・カミンスキー。このほど、20世紀の美術史において、数多くの偉人たちと交流を持ったカミンスキーの人生をドキュメンタリータッチで振り返る、華やかな本編冒頭の映像と、“20 世紀の偉人”たちとの交流写真がシネマカフェに到着した。金と名声ほしさに芸術家の伝記を書こうと思い立った無名の美術評論家ゼバスティアン(ダニエル・ブリュール)は、スイスの山奥で隠遁生活を送る画家カミンスキーを訪ねる。ゼバスティアンは知られざる新事実を暴くため、年老いたカミンスキーを言葉巧みに自宅から誘い出し、若き日に愛した女性のもとへ連れて行こうとするが、トラブル続きの旅はいつしか奇妙な方角にねじれ、思いがけない終着点に向かっていく――。『グッバイ、レーニン!』監督&主演コンビが12年ぶりの再タッグで、盲目の天才画家と青年の奇想天外なロードムービーを描く本作。そのリアルな世界観や現代美術への痛烈な皮肉は、美術界の第一線で世界的に活躍する奈良美智氏、会田誠氏、森村泰昌氏などからも絶賛の声を受けている。そんな本作から今回到着したのは、巨匠カミンスキーの訃報を伝える各国のニュースの声から始まる、およそ5分もの冒頭映像。1920年代にポーランド人の母親とともにパリへ渡り、アンリ・マティスの弟子となり、パブロ・ピカソにも一目置かれたマヌエル・カミンスキー。1960年代にポップアート花盛りのニューヨークを訪れるや、“盲目の画家”としてメディアに祭り上げられ、時代の寵児に。ところが突然、表舞台から姿を眩まし、スイスでの隠遁生活に入ってしまう。“伝説の盲目の画家”カミンスキーとは、いったい何者なのか?映像では、カミンスキーと親交があった“20世紀の偉人”たちが数多く登場する。「ゲルニカ」など20世紀絵画に革命をもたらせたパブロ・ピカソ、フォービズムのリーダー的存在でありカミンスキーの師匠とされるアンリ・マティス、彫刻家で画家のアルベルト・ジャコメッティ、芸術家・詩人のジャン・コクトーなど、名だたる偉人たちを魅了した若き日のカミンスキーが前半では映し出される。60年代に入り、NYへ進出したカミンスキーは“盲目の画家”として脚光を浴び、ついにアメリカンポップアートで最も有名な巨匠アンディー・ウォーホルと並び評されるまでに。その交友は美術界を超え、「ザ・ビートルズ」やサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック、モハメド・アリも。さらにウディ・アレンが出演するクイズショーに登場するカミンスキーの様子まで、ドキュメンタリータッチに、華やかに映し出していく。アート界の裏側や皮肉までをも描いた虚実入り交じる作品にふさわしい、巧妙で遊び心満載のオープニングは、公開に先駆けて行われたマスコミ試写会でも絶賛されたという。奇しくも、本作の公開近くには、「キリンラガービール アンディ・ウォーホルデザインパッケージ」が発売されるなど、ポップアートが熱いこの春。60年代、一世を風靡した伝説の画家マヌエル・カミンスキーに、この映像から迫ってみては?『僕とカミンスキーの旅』は4月29日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:僕とカミンスキーの旅 2017年4月29日よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開(C) 2015 X Filme Creative Pool GmbH / ED Productions Sprl / WDR / Arte / Potemkino / ARRI MEDIA
2017年04月28日2017年は、色とりどりの衣装がキュートな『ラ・ラ・ランド』にはじまり、ナタリー・ポートマンが伝説のファーストレディを演じた『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』、可憐なプリンセス・ドレスで魅せたエマ・ワトソン主演『美女と野獣』など、ファッションも見逃せない注目作が目白押し。そこで、憧れのブランドも数々登場する、ファッショニスタがチェックすべき最新作3作品をご紹介!■クリステン・スチュワート×シャネル全面協力『パーソナル・ショッパー』(5月12日公開)セレブの買い物を代行するパーソナル・ショッパーとして働く女性のアイデンティティの危機を描いた心理サスペンス。双子の兄の死のショックから立ち直れない主人公モウリーン(クリステン・スチュワート)の元に、ある日謎のメールが送られてくる。そのメールをきっかけに、“別人になってしまいたい”という秘めた欲望の扉を開けてしまったモウリーンは…。クリステンは「シャネル(CHANEL)」が衣装協力したドレスを颯爽と着こなす一方、ストリート・カジュアル風のジェンダーレスな普段着姿もさりげなく披露し、等身大のファッション・アイコンとしての存在感を放つ。本編の撮影は、「シャネル」が本店を構える最先端ストリート、パリ・カンボン通りでも敢行され、「カルティエ(Cartier)」「クリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)」などのハイブランドショップが続々登場し、ショッピング気分も味わえる。オリヴィエ・アサイヤス監督は本作で、2016年カンヌ国際映画祭・監督賞を受賞している。■“プラダを着た悪魔”×トップブランド『メットガラ ドレスをまとった美術館』(公開中)NYメトロポリタン美術館が毎年開催するファッションの祭典「メットガラ」の裏側を描いたドキュメンタリー。1946年にスタートし、一流メゾンによるオートクチュールの数々、豪華セレブリティたちが集うガラパーティは、ファッション界のアカデミー賞と称されている。本作では、映画『プラダを着た悪魔』のモデルとして知られる米「VOGUE」誌編集長アナ・ウィンターと企画展示を担当したキュレーターのアンドリュー・ボルトンの2人を中心に、2015年の「メットガラ」開催に向けた8か月にわたる準備、そしてガラ当日の模様に迫っていく。さらにジョン・ガリアーノ、ジャン・ポール・ゴルチエ、カール・ラガーフェルドなどトップデザイナーたちのインタビューも見逃せない。■2人のファッショニスタ×ウディ・アレン『カフェ・ソサエティ』(5月5日公開)ウディ・アレン監督が1930年代のハリウッド黄金時代を舞台に描いたロマンティックコメディ。映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、大物エージェントの叔父フィルの秘書であるヴォニーに恋してしまう。そんな主人公をめぐる2人の美女を演じるのは、クリステンと「ゴシップガール」のブレイク・ライヴリーというゴージャスさ!クリステンの着こなす秘書らしい清楚スタイルや、クリステン&ブレイクのパーティー・シーンの華麗な30’sドレス・スタイル、スターを彩る豪華ジュエリーなど、必見ポイントは多数。あなたは、どの映画に酔いしれる?(text:cinemacafe.net)■関連作品:カフェ・ソサエティ 2017年5月5日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.パーソナル・ショッパー 2017年5月12日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDRメットガラドレスをまとった美術館 2017年4月15日よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開(C) 2016 MB Productions,LLC
2017年04月27日昨年のカンヌ国際映画祭を沸かせたウディ・アレン監督最新作『カフェ・ソサエティ』。このほど、ジェシー・アイゼンバーグ演じる主人公ボビーのみならず、観客たちをも魅了する2人のヒロイン、クリステン・スチュワートとブレイク・ライヴリーの場面写真が解禁となった。大ヒットを記録した『ミッドナイト・イン・パリ』で真夜中のパリに魔法をかけたウディ・アレン監督の最新作は、観る者を黄金時代のハリウッドへと誘うロマンティック・コメディ。時は1930年代、ニューヨークからやってきた世間知らずのボビーと、彼からの求愛に迷うヴェロニカ“愛称ヴォニー”、そしてボビーの前に現れるもうひとりの美女ヴェロニカの3人が織りなすもつれた恋を通して、誰しもが共感できる“人生の選択”というテーマを探求していく。運や偶然にふわふわと流される人間の理想は、儚い夢のごとし。ふた手に分かれた道は“選んだほうが過ち”だったと、後で悔やむのが常。そんな思わず目からウロコが落ちるアレン流の人生観を、ハリウッド、そしてニューヨークを舞台にゴージャスな映像美とともに描き出す。本作では、人柄もルックスもチャーミングな、ボビーの叔父フィル(スティーヴ・カレル)の秘書ヴェロニカこと“ヴォニー”を演じたクリステン。「ヴォニーには私が持ち合わせていない軽薄な部分がある」と語る。そのため、アレン監督からは「陽気さと軽やかな雰囲気を出すように」と注文があったことを明かし、「この映画には、“もしかして”があふれていて、それが私を愛おしくさせる。なぜなら、それが人生だから」とビター&スウィートな本作のラブ・ストーリーに迫る。一方、ボビーの前に現れる、美しきもうひとりのヴェロニカを演じたブレイクは、本作で描かれる“愛”について「この脚本で好きなのは、それぞれの登場人物に深く愛されるだけの理由があるところ。愛され方が異なっている。ある人は少し愛され、ある人はとても愛される。特に理由はなくて、気持ちや相性の問題に尽きるわ。愛というのは、誰かがほかの人より優れていることを意味するのではなく、誰があなたの心をよりときめかせるか、ということなのよ」と、意味深に語っている。愛とは?人生の選択とは?というテーマについて、それぞれ語るクリステンとブレイク。ボビーにとっての本命は果たしてどちらなのか、気になる2つの恋をキュートな場面写真からもチェックしてみて。『カフェ・ソサエティ』は5月5日(金・祝)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カフェ・ソサエティ 2017年5月5日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
2017年04月09日クリステン・スチュワートが、セレブの買い物代行の女性を演じる『パーソナル・ショッパー』。このほど、心がかき乱される衝撃シーン満載の予告編が解禁、また日本公開日が5月12日(金)に決定した。忙しいセレブに代わり、服やアクセサリーを買い付ける“パーソナル・ショッパー”としてパリで働くモウリーン。数か月前に最愛の双子の兄を亡くし、悲しみから立ち直れずにいた。なんとか前を向こうとするモウリーンの携帯に、ある日から奇妙なメッセージが届き始め、さらにある殺人事件へと発展する――。ファッションの街・パリで、セレブに代わってファッションやアクセサリーを買い付ける“パーソナル・ショッパー”として働く主人公モウリーンを演じるのは、『トワイライト』シリーズ以降も意欲作に次々と挑み、ウディ・アレン監督作『カフェ・ソサエティ』の公開も控え、新作映画『Underwater』(原題)の役作りのために坊主頭も披露したクリステン・スチュワート。現在、「シャネル(CHANEL)」の広告にも登場しているクリステンが、セレブのプライベートを覗くうちに、“いまの自分よりも恵まれた別人になってみたい”という欲望に飲みこまれ、不可思議な出来事や事件を招いてしまう主人公を繊細かつミステリアスに演じている。また、本作でメガホンをとったフランスの鬼才オリヴィエ・アサイヤス監督とは、クリステンがセザール賞を受賞した『アクトレス ~女たちの舞台~』に続いてのタッグ。アサイヤスは本年度カンヌ国際映画祭で監督賞に輝いている。このたび解禁された予告編映像では、「シャネル(CHANEL)」や「クリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)」などのセレブ御用達ブランドショップで買い物をこなしていくモウリーンの姿を捉える。モウリーンは、雇用主であるキーラの衣装を選ぶだけの仕事にうんざりしながらも、一方でハイブランドファッションに魅了される複雑な心理状態を抱えていた。やがて、「高価なドレスを着て別人になりたい」という秘めた欲望についに火が付き、禁を破って買ったばかりの商品に次々と手を出し、着飾るモウリーン。さらに、曲調もガラリと変わった映像後半では、何者かに怯えるモウリーンの姿、血まみれになったキーラの自宅、こちらを監視するかのように届く謎の人物からのメッセージなど、意味深なカットが次々と現れ、緊張感が一気に増す。モウリーンの身に降りかかる不可解な現象、起こってしまった殺人事件の真相、モウリーンが行きつく先に見た光景とは…?まさに“禁断の扉”を開けてしまった彼女の運命に心がかき乱される、スリリングな予告編となっている。『パーソナル・ショッパー』は5月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パーソナル・ショッパー 2017年5月12日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR
2017年03月29日アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など、華々しい受賞歴を持つウディ・アレンが初めて手掛けるドラマシリーズ「ウディ・アレンの6つの危ない物語」(原題:Crisis in Six Scenes)が、3月24日(金)よりAmazonプライム・ビデオにて独占配信されることになった。本シリーズは、全6話で構成されるミニシリーズ。舞台となるのは、1960年代末の騒乱期のアメリカ。ある中産階級の家庭が、1人の訪問者によって大混乱に陥るコメディだ。かつて広告会社の重役だった主人公シドニー(ウディ・アレン)は、夫婦カウンセラーである妻ケイ(エレイン・メイ)とともに、ニューヨーク郊外で隠居生活を送っていた。すべてが順調に見える夫婦だったが、脱獄してきた若き政治活動家レニー(マイリー・サイラス)の訪問により、自身のリベラルな理想を再考せざるを得なくなる。キューバへの逃亡を目論むレニーを手助けして彼女の政治目標をサポートするのか、それとも、レニーを警察に突きだし、自分たちにとって居心地のいい大量消費主義の生活を守るのか…。さらに厄介なことに、婚約者のいるニューヨーク大学の大学院生アレン(ジョン・マガロ)もシドニーの家に滞在することになり、たちまちレニーに恋をしてしまう。そして、彼もまた、いままで確信していた自身のエリートとしての進路が正しいのかと、疑問を持ち始めてしまう。レニーから瞬く間に影響を受ける彼らは、果たしてどう変化していくのか――。本作の監督・脚本・主演を務めるのは、俳優、監督、脚本家として数々の映画賞にノミネートされ、アカデミー賞を4度、ゴールデン・グローブ賞を2度受賞するなどの華々しい経歴を持ちながら、本人は授賞式嫌いで知られるウディ・アレン。近作では、エマ・ストーンを『マジック・イン・ムーンライト』『教授のおかしな妄想殺人』に相次いで起用し、クリステン・スチュワート&ブレイク・ライヴリー&ジェシー・アイゼンバーグと組んだ『カフェ・ソサエティ』の公開も控えている。そんな彼が初めて、そのシニカルなユーモアをドラマシリーズで発揮する。共演には、アレン監督とは『おいしい生活』でも組んだ大ベテランのエレイン・メイ、そして「シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ」で一躍人気となり、女優・歌手として活躍する現在、何かと話題には事欠かないマイリー・サイラスが久々に演技を披露。さらに『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『キャロル』のジョン・マガロ、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のレイチェル・ブロズナハンなど、注目の豪華キャストが参加。60年代の急進的政治運動を背景に、アレン監督独特の気の利いたコメディを、1話あたり約25分×全6話、約2時間30分で完結するミニシリーズに仕上げている。「ウディ・アレンの6つの危ない物語」は3月24日(金)よりAmazonプライム・ビデオにて見放題独占配信開始。(text:cinemacafe.net)
2017年03月24日今年のはじめ、"占いって信じる?" という話題になったROBE編集部。懐疑的な回答をするメンズをよそに、信じるか否かを棚に上げても誰かの予感に敏感になってしまうのが、レディの性。そんな今回は、ウディ・アレンがおくる、断固迷信を信じなかった捻くれたマジシャンと、よもや全知全能かと疑いたくなるほど有能でチャーミングな占い師との、とびきり軽妙な恋愛賛歌!の映画をピックアップ。巧妙にしかけられた "魔法 vs トリック" ?物語は、東洋人の格好に扮し人気を誇る捻くれ者のマジシャン、スタンリー(コリン・ファース)がはるばるやってきた南仏で繰り広げられる。というのも、幼馴染から、「資産家の婚約者をたぶらかす占い師ソフィ(エマ・ストーン)の嘘を暴いてほしい」という依頼に応えるため。しかしソフィは、見た目も美しく、婚約者や双方の家族にも愛され、ちょっと不思議ちゃんではあるもののその天真爛漫さに誰もが好いてしまうような魅力的な女性だったのだ。スタンリーはソフィを疑ってかかるも、逆にソフィは、スタンリーがふだんは中国人奇術師に扮し世界を股にかける “東洋の魔術師” であることもいとも簡単に見破ってしまうのだった。"魔法VSトリック" 勃発?と思いきや、なんと捻くれ者のスタンリーですら、あれよあれよという間にソフィに惹かれてしまう!だけれどそこで “はい、ハッピーエンディング!” といかせないのはウディ・アレンだからこそ。二転三転しながら、どこまでも小粋なエンディングへと誘われる過程をまえに、声を大にして言いたいです。見届けてください、と。どこを切り取っても美しい南仏を切り取るスタッフワークもうひとつの見所は、なんといってもその "美しさ" に尽きる。美しい演者はもちろん、彩り豊かな映像美が終始物語を引き込み続けてくれるのだ。調べてみたらそれもそのはず、〈マリー・アントワネット(’06)〉や〈プラダを着た悪魔(‘06)〉のアン・ヘイベルを美術に迎え、衣装は同監督の〈それでも恋するバルセロナ(‘08)〉や〈ミッドナイト・イン・パリ(‘11)〉でおなじみのソニア・グランデ! 殊に衣装については、20sの本物のセカンドメイドを世界中で探し回ったという徹底ぶり。エマ・ストーン演じるソフィーのコケティッシュな魅力に十二分に貢献している。また、前作〈ミッドナイト・イン・パリ〉に次ぎ南仏が舞台の今作、物語の設定も図ってか同じ1920年代である。20年代の時点ですでにバカンス地だった南仏は、当時フィッツ・ジェラルドが別荘で−––近年レオナルド・ディカプリオ主演で映像化されたことも記憶に新しい−––〈華麗なるギャッツビー〉を執筆していたことも特筆しておきたい。ウディ・アレンのことだから、1から10まで計算の上だとしても驚くことはありません。だって、わたしたちは仕組まれているかもしれないこれらのマリアージュに “魔法とトリック” の狭間へと身を委ねるだけでよいのですから。あいにく、恋愛は往々にして予定調和とは無縁なもの。目の敵にされていたはずなのに、憎まれ口ばかりたたいていたはずなのに、そんな相手にある日突然惹かれているなんてことも日常茶飯事。幾らそんなはずじゃないと自問自答してみたところで、恋には落ちていってしまうのは世の常そして、人の常。Magic in the moonlight−––月下のマジックにて、ウディ・アレンの分身かの如き諧謔もてあそぶ登場人物たちと、スタッフの織りなす “美しさ” に、肩の力をぬいて委ねてみては?たとえいまこの瞬間に恋をしてなくても、もしかしたらある日突然憎き “あの人” へ「落ちる」魔法にかかるためかもしれないんだから。って、なんだか恋占いのような締めみたい?『 Magic In The Moonlight / マジックインムーンライト 』監督・脚本:ウディ・アレンキャスト:コリン・ファース、エマ・ストーンほかこんな時に観たい:目の保養がほしい時過去のコラムを覗いてみよう【洒脱なレディ論】とは、映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。Text. Midori Tokiokaillustration. Hitomi Ito
2017年03月01日ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライヴリーら豪華共演で、黄金時代と呼ばれたハリウッドとニューヨークを舞台に贈るウディ・アレン監督の最新作『カフェ・ソサエティ』。このほど、夢のひとときのような陶酔の映像とともに、恋がもつれる男女3人を映し出す予告編と場面写真が解禁となった。もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたい。そんな願望を抱いたニューヨークの平凡な青年ボビーがハリウッドを訪れる。時は1930年代、この華やかなりし映画の都には、全米から明日の成功を目指す人々が集まり、熱気に満ちていた。映画業界の大物エージェントとして財を築いた叔父フィルのもとで働き始めたボビーは、彼の秘書ヴォニーことヴェロニカの美しさに心を奪われる。ヴォニーと親密になったボビーは、彼女との結婚を思い描くが、実は彼女には密かな交際相手が…。やがて、ボビーはもうひとりの美しきヴェロニカと出会う――。本作は、ウディ・アレン監督が『ミッドナイト・イン・パリ』のような陶酔と郷愁を再び紡ぐ、ビター&スウィートでゴージャスなロマンティック・コメディ。今回公開された予告編は、ゴールデン・エイジと呼ばれたハリウッドの煌びやかなパーティーシーンから幕を開ける。軽快なジャズに乗せ、ニューヨークから叔父(スティーヴ・カレル)のコネを頼りにハリウッドへやってきたボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)。たちまち、彼の秘書のヴェロニカこと愛称“ヴォニー”(クリステン・スチュワート)に夢中になり、失恋。そして、もうひとりの美女ヴェロニカ(ブレイク・ライヴリー)に出会うシーンが描かれる。そして、“ヴォニー”と思いがけなく再会するボビー。ひとりの男とふたりのヴェロニカのもつれた恋の行方は…?クリステンが纏うエレガントな「シャネル(CHANEL)」のドレスもまた、よりゴージャスな彩りを添えている。見るも楽しい当時のハリウッドとニューヨークの華やかな雰囲気に、大人のおとぎ話を期待させるロマンティックな予告編。最後にボビーがつぶやく、「人生は喜劇だよ」というセリフも気になるばかりだが…。さらに、併せて到着した場面写真からも、男女3人のもつれた恋とともに、夜ごと集う夢の住人たちを現代に甦らせたゴージャスな映像美を感じ取ることができそうだ。『カフェ・ソサエティ』は5月5日(金・祝)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月24日