塗装壁はオシャレだけど、傷がつきやすいですよね。ついてしまった傷を自分で補修すると、逆に悪目立ちしそう……と見て見ぬふりをしてみたり。これも味わい?と納得したふりをしてみたり。東京・恵比寿にオフィスを構える人気リノベーション会社・EcoDeco(エコデコ)さんの顧客アンケートでは約半数の方が、塗装壁の傷に悩んでいたそう。そんな背景もあって開催された「職人から学べる塗装壁の直し方」というワークショップに参加してきました。講師は工務店ファインアーツ代表の渡辺力也さん。そこで学んできた補修方法は前回の「簡単4ステップ!塗装壁の補修をDIYする方法」でご紹介しています。今回は、正しい塗料の選び方や、汚れやクラック(ひび割れ)、壁の角(コーナー)の補修方法をご紹介します。■ 水性?油性?色はどれ?正しい塗料の選び方ホームセンターに行くと、たくさんの塗料が並んでいます。その中から、自分がやりたい作業にピッタリの塗料がどれか、探し出すのは難しいですよね。そもそも、塗料には水性と油性があるそうです。水性塗料の特徴水性塗料は油性塗料より粘度が低く、さらっとしているので、塗りやすいのが特徴です。壁のペイントや補修などは、水性塗料が向いています。ただし、傷や汚れが付きやすいので、耐久性を求められる箇所の塗装には向いていません。金属にも水性塗料で塗装することはできますが、耐久性が求められる箇所の場合は、油性塗料が向いています。乾くのに1時間~2時間かかるので、重ね塗りするときは時間がかかります。作業後は水で洗い流すことができて扱いやすいのも特徴です。臭いも少ないので、お子さんと一緒に作業もしやすいですね。油性塗料の特徴油性塗料は水性塗料より粘度が高くドロッとしているので、少し塗りにくいです。油性マジックによく似た刺激臭があるので、作業は換気をしながらおこなう必要があります。傷や汚れが付きにくく耐久性に優れているので、金属部分や扉、窓枠などのペイントに向いています。塗った後は数分で表面が乾いて、触れるようになりますが、しばらく臭いは残るので、換気は長時間したほうがいいようです。作業後の刷毛などは、水洗いでは汚れが落ちないので、塗料用シンナーを用意する必要があります。塗装壁補修用の塗料の選び方塗装壁を補修する場合は、元の壁の色と同じ色を選びたいですよね。塗料のメーカーはいくつもありますが、日本では「日本塗料工業会規格」で塗料用標準色が決められ、それぞれ色票番号が付いているそう。どこのメーカーの塗料を選んでも、色票番号が同じなら、同じ色になります。自宅の壁の色票番号がわからない場合は、設計図面を見てみると書いてあるそうです。同じ色を塗っても、経年変化でツヤがなくなっていくので、新たに塗った部分だけツヤっぽく目立つことがあります。それも味わいと思えればいいですが、気になる場合は、“梁の下の壁の一面だけ“など面を区切って塗りなおせば、塗りなおしていない面との違いはわからなくなるそう。■ こんな部分の補修はどうしたらいい?壁の補修の基本は、前回の記事で紹介しましたが、ほかにもこんな場合はどうすればいいの?という汚れや傷がありますよね。そんな部分についても補修壁初心者のトノエルが職人さんから聞いてきました。壁の汚れは消しゴムで消すモノが擦れたときにできる黒ずみなどの汚れに使うのはこれ。いつも使っている消しゴムで擦るときれいになります。メラミンスポンジでも汚れは落ちるそう。ビニールクロスの壁でも、消しゴムやメラミンスポンジは汚れ落としに使えるそうですよ。クラック(ひび割れ)はコーキング材でふさぐ経年劣化で亀裂ができたり、角の部分の塗料が割れたりすると気になりますよね。そこには、壁用コーキング材でスーッと線を引くようにするときれいになります。コーキング材は粘度の高い塗料でできているとのこと。コーキング材が乾いた後は、紙やすりで軽く擦ってならし、壁と同じ色の塗料で塗装すればきれいになります。コーナーの擦れ傷はパテで成形する壁の角まで塗装壁だととってもオシャレですが、傷つきやすい箇所でもありますよね。角の擦れ傷も、基本の補修方法と同じく、パテを塗って傷を埋めるようにしたあと、角の形に合わせて、ヘラで成形します。パテが乾いた後は、紙やすりで軽く擦ってならし、壁と同じ色の塗料で塗装すればきれいになります。いかがでしたか?はじめての塗装壁の補修体験でしたが、思っていたより簡単で、手軽に取り組むことができました。オシャレな塗装壁もきれいな状態を保つのは難しいもの。あきらめていた傷や汚れが、簡単DIYで短時間にきれいになるかもしれません。参考にしてもらえるとうれしいです。丁寧っぽい暮らしをめざす、トノエルでした。※取材協力EcoDeco
2018年07月20日住まいのメンテナンスって、業者さんにお願いすると時間もお金もかかりますよね。ちょっとした補修ならDIYでしたい!という方も多いのではないでしょうか。東京・恵比寿にオフィスを構える人気リノベーション会社・EcoDeco(エコデコ)さん主催の「職人から学べる塗装壁の直し方」のワークショップに参加してきました。講師は工務店ファインアーツ代表の渡辺力也さん。壁の下地づくりからペイントの仕方まで、塗装壁の補修未経験のトノエルが学んできたことをご紹介します。■ 材料や道具はホームセンターで購入できる塗装壁の補修は、職人さん専用の材料や道具がないと難しいと思われる方も多いかもしれませんね。ところが、材料はすべてホームセンターで購入できるようです。材料・道具養生テープ、養生シート室内壁補修用のパテ小さめの板、ヘラ紙やすり(180番)ペンキ(元の壁の色と同じ品番)使い捨てコップ、細めの刷毛、軍手■ 作業工程は簡単4ステップ補修する範囲にもよりますが、この壁の傷や汚れの補修は20分ほどできれいになりました。作業工程をご紹介します。ステップ1. 床やコンセントを養生する作業中、パテや塗料が床を汚すことがあるので、養生シートで保護します。養生テープとシートが一体になったものだと簡単にできます。コンセントなどは左のようにテープで保護してもいいですが、右のように立体的にテープを貼るとラクです。ステップ2. パテで下地づくりこの壁の傷を補修します。室内壁補修用のパテを開封すると、ベトベトとした素材のパテが出てきます。これを板に出して、ヘラで塗りつけていきます。パテをヘラで押し付けてのばし、平らにならすようにしていきます。傷が深いモノは一度にたくさん塗ろうとせずに、何回かに分けて穴を埋めるのがコツ。3〜5ミリ程度の傷は、パテできれいになります。パテは固まると削るのが大変なので、できるだけ薄く塗るほうがいいそうです。今回はコンクリート壁の補修でしたが、石膏ボードの壁なら、素材が一緒なので質感が変わらないとのこと。補修する壁に油分が付着している場合は、あらかじめ中性洗剤か紙やすりで、油分を除去してから作業します。開封したパテは、空気に触れて乾燥すると固くなって使えなくなりますが、空気に触れないように密閉しておけば長期保管もできるそうです。パテは水性で臭いもあまりないので、お子さんと一緒に作業するのも楽しいかもしれません。ワークショップには5歳の男の子も参加していて、お父さん、お母さんと一緒に上手にヘラを扱っていました。作業後の板やヘラは水洗いで汚れを落とせます。ステップ3. 紙やすりで下地をならすパテは薄く塗りつけていれば、1、2分で表面が乾きます。そこを紙やすりで軽くこすって、補修していない部分と高さが同じになるようにならします。紙やすりは180番がちょうどよいそうです。触ってみて、元の壁との段差が感じられなければOKです。ステップ4. 壁の色と同じペンキを塗るペンキを少量、使い捨てコップに出します。刷毛で補修部分にペンキを塗っていきます。べとっと塗ってのばし、まわりとなじませるのがコツ。何度も刷毛で往復しても、変な跡は付きませんでした。これは、マニキュアを塗るより簡単!広い範囲を塗るわけではないので、ペイント用のローラーは不向き。ローラーだと却ってぼかしにくくて、ローラーの線も残ってしまうそう。刷毛は細めのモノのほうが扱いやすいとのことでした。これで補修は完了。補修前はこんなに傷があった壁が……、補修後はこんなふうになりました。いかがでしたか?塗装壁の補修は初めての体験でしたが、パテも塗料も予想より早く乾くので、すいすいと作業することができました。壁の補修は、やり始めると楽しくて、このために塗装壁にしたい!と思ってしまったほど。次回は、正しい塗料の選び方や、汚れやクラック、壁の角の補修方法をご紹介します。※取材協力EcoDeco
2018年07月17日