年に1回、自治体や勤め先の保健事業で受けられる「子宮がん検診」。子宮がんとはどんなものなのか、よくわからず受けている人が多いのではないでしょうか。実は子宮がんは2種類あり、そのうち1つは50代以降に患者が急増する特徴があるそうです。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に40代~50代女性が知っておきたい子宮がんについて聞きました。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。子宮がんにはどんな種類がある?できる場所によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分かれる子宮がんは、できる場所と原因によって2種類あると言います。「子宮の奥には、妊娠すると胎児が宿る体部があります。この体部にできるのが子宮体がんです。主な原因は女性ホルモンのバランスの乱れで、閉経後の50代が発症年代のピークです。一方、子宮の入り口付近の細くなった部分の頸部にできるのが子宮頸がんです。性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)感染で起こり、現在は20~30代が発症年代のピークになっています」(駒形先生)。それでは、40代・50代女性が特に注意しないといけないのは子宮体がんということになりますか。「子宮体がんは早期発見が重要なので、どんな症状があるかは知っておいてほしいですね。女性ホルモンの影響を強く受けるので閉経している月経不順妊娠・出産の経験がない肥満ホルモン補充療法を経験しているといった方は注意が必要です。未産と肥満が高リスクの理由妊娠・出産経験がないことがなぜ高リスクになるのでしょうか。「子宮内膜は、エストロゲンにさらされればさらされるほど炎症を起こしやすくなります。妊娠・出産・授乳中は生理がなく、生理があるときに比べて子宮内膜がエストロゲンにさらされる機会が減ります。一方、妊娠・出産経験のない女性はそれだけ子宮内膜がエストロゲンにさらされる機会が増えるので、リスクが高いと言われるのです」(駒形先生)。肥満はどのように関係しているのでしょうか。「エストロゲンはエストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類で構成されていますが、このうちエストロンは脂肪細胞から分泌されることがわかっています。つまり、脂肪細胞の面積が大きければ大きいほど、つまり太っていれば太っているほどエストロンが分泌されやすくなります。閉経後、エストロゲンに敏感に反応しやすくなった子宮内膜にこのエストロンが反応して炎症を起こし、がんに変化する可能性が考えられます」(駒形先生)。また、40代、50代でも子宮頸がんを発症する女性はもちろんいるので安心はできません。子宮頸がんは性交渉で感染してから、およそ10~20年かけて発症することが多いので、30代や40代に感染して、40代、50代で発症することは十分あり得ます」(駒形先生)。「子宮がん検診」では「子宮体がん」は検査しない!?多くの集団検診で検査するのは「子宮頸がん」のみ子宮体がんは50代以降から急増するということですが、「年に1回の子宮がん検診では陰性だから大丈夫」と思っている人も多いでしょう。しかし、なんと子宮がん検診では、子宮体がんは検査していないことがほとんどなのだそうです。「一般的に、子宮がん検診では頸部の検査しかしません。つまり、子宮体部の検査はしないのです。理由としては生理には子宮体がんの予防効果があり、閉経後はリスクが高まるが、その時期は個人差があるから子宮体部の検査は頸部よりも痛みが強く気軽にできないから子宮体がんは閉経後にかかる人が多く、初期症状である不正出血で異変に気付きやすいから子宮頸がんの発症年齢は幅広いから子宮頸がんは生理がある人も多くかかり、初期症状が不正出血でわかりにくいので検査する必要があるからなどが挙げられます。一部の自治体では不正出血のある50代以降の女性に限って子宮体がん検診をオプションで受けられるところもあるようですが、多くは、子宮がん検診といえば頸部のみの検査です」(駒形先生)。「子宮体がん」にはどんな症状がある?不正出血があったら早めに受診を「子宮体がんの初期症状は不正出血です。子宮体部からの出血は茶褐色や黒っぽいのが特徴です。また、おりものに血が混じる場合もありますが、これも不正出血です。おりものの変化は軽視されやすいのですが、出るべきでないときに出る血液は不正出血、と心得て欲しいですね。閉経後、時間がたっている場合は受診する人が多いのですが、まだ生理がある場合や月経不順の方は様子を見てしまうこともあるようです。ほかにも、性交時に下腹部が痛む、常に下腹部が張っている感じがする、といった症状にも注意です。子宮体がんは初期で発見できれば予後が良いがんとされています。早期発見がとても大切です。不正出血が1度でもあれば、婦人科を受診することをおすすめします」(駒形先生)。まとめ子宮頸がんは年に1回の検診でチェックができますが、子宮体がんは自分で気を付けておかないと早期発見ができません。いつもと違う出血やおりものが出る場合は、がんではなくてもほかの病気が潜んでいることもあります。早めに受診するようにしましょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。イラスト/村澤綾香著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年11月13日ホルモンとひと口に言ってもその種類は多種多様。閉経を考えるときに知っておきたいホルモンにはどんなものがあり、更年期にはどのように変化するのでしょうか。産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。女性の体に関わるホルモンは主に4つ!女性の体内では脳下垂体ホルモン2つと女性ホルモン2つが連携しています。加齢で卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌が減っても脳下垂体ホルモンは分泌され続けるアンバランスにより、さまざまな体調不良を引き起こします。【脳下垂体ホルモン】1)卵胞刺激ホルモン(FSH)脳下垂体から分泌され、卵巣に指令を送る性腺刺激ホルモン。卵巣内の卵胞を成熟させ、エストロゲンの分泌を促します。2)黄体形成ホルモン(LH)脳下垂体から分泌され、卵巣に指令を送る性腺刺激ホルモン。卵胞が十分に成熟して排卵期間になると、排卵分泌を促します。排卵後は、卵子を排出した卵胞を黄体に変化させ、卵巣からプロゲステロンを分泌させる働きがあります。【女性ホルモン】1)エストロゲン(卵胞ホルモン)女性らしい体形をつくるホルモンとして知られ、妊娠を促すさまざまな働きをしています。骨や血管、脳の働きのほか、自律神経や感情も整える働きがあります。2)プロゲステロン(黄体ホルモン)妊娠が成立しやすいよう子宮環境を整える働きがあります。妊娠しなかったときには、不要になった子宮内膜を剥がして血液とともに体外に排出できるよう、生理を起こす働きをしています。閉経前後に減るのは女性ホルモンの2つ閉経前後のそれぞれ5年、計10年間を更年期といいますが、この時期に減るのがエストロゲンとプロゲステロン、2つのホルモンです。これらが減ることでホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)、イライラ、うつ、肌の乾燥、コレステロール値が上がり代謝が落ちて太りやすい、頭痛、めまいといった症状が出ます。すべて出るというわけではなく、人によって症状はさまざまです。ただ、これらの症状が更年期症状とわかるには、閉経後のこと。閉経を迎えて「あの体調不良は更年期症状だったのね」とモヤモヤしていた気持ちがなくなり精神的にラクになったという人は多いです。閉経後も女性ホルモンがまったく出ないわけではない閉経は女性ホルモンがなくなることで起こるのではなく、原始卵胞がなくなることで起こります。女性ホルモンは閉経後も減り続けますが、まったく出ないというわけではなく、個人差がありますが60歳前後になくなるといわれています。女性ホルモンが減ると聞くと、女性としては少し寂しい気もしますが「体にとって必要がなくなってくるので減っていくもの」として前向きに受け入れるほうが良いですね。まとめいかがでしたか? 閉経前後に、女性ホルモンの分泌が劇的に変わることがわかりました。加齢とともに減っていくことは寂しいですが、すてきな50代、60代の女性はたくさんいます。自然の流れとして受け止める気持ちも必要なようです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年11月03日女性なら誰しもが「いつまでも美しく若々しい肌を保ちたい」という願いを抱いているのではないでしょうか。『医者が教えるすごい美肌循環』の著者で、肌年齢26歳のアラフィフアンチエイジングドクターの日比野佐和子先生に肌の老化の原因と美肌の実現に大切なことについてうかがいました。更年期には“美肌ホルモン”の分泌量が低下――更年期になると女性の肌にはどんな変化が生じるのでしょうか?日比野先生肌をはじめ女性の身体の変化を考える上で、避けて通れないのが女性ホルモンの存在です。女性の身体にはエストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが関与しています。このうち、エストロゲンはハリや弾力のある肌のもとになるもので、「美肌ホルモン」とも呼ばれています。エストロゲンは初潮を迎えたあたりから作られるようになり、20代から40代にかけて分泌量がピークとなり、45歳から55歳にかけての更年期から少しずつ減っていきます。ホルモンバランスが崩れることで、更年期障害といわれる症状が起こりやすくなり、肌トラブルも生じるようになります。――更年期の肌トラブルにはどのようなものがあるのでしょうか?日比野先生更年期は、月経不順や体調不良、ホルモンバランスの乱れなどによって、肌の衰えを実感しやすくなる年代です。具体的には表情筋が衰えて、ハリやたるみ、くすみが気になるようになります。また、保湿力が低下し、ターンオーバーの機能も低下します。――こうした肌トラブルを解消するには、どのような対策をすれば良いのでしょうか?日比野先生1つの対応策としては、ビタミンやミネラル、コラーゲンなど肌に必要な栄養分を食事で十分にとり、足りない栄養素はサプリメントなどで補うことが挙げられます。即効性のある美容法をおすすめできない理由――肌に必要な栄養をしっかりとっていればそれで良い、ということでしょうか?日比野先生いえ、そういうわけでもないんです。私は長年、再生医療をはじめとする美容皮膚治療や美容内科治療などで多くの患者さんの診療に携わっています。これまでの経験からいえるのは、「美肌は一日にしてならず」ということです。――ということは、即効性のある美容治療や美容アイテムには、あまり意味がないということでしょうか?日比野先生すぐに効果が表れる美容治療や美容アイテムがあったとしても、手放しでおすすめすることはできません。なぜかというと、それなりの金額を費やして一度だけ肌の外側からケアをしても、身体の内側が整っていなければその効果は薄く、しばらくすると元の状態に戻ってしまうからです。毎日のルーティンを意識することが美肌への近道――先生がおすすめする「美肌は一日にしてならず」のための美容法を教えてください。日比野先生洗顔や保湿、食事や睡眠といった、誰もがなんとなくおこなっている毎日のルーティンを意識して変えていくことです。それが年齢を感じさせない、美しい肌を手に入れるために一番おすすめの美容法です。――具体的にはどのようなことでしょうか?日比野先生私は「浄」「潤」「育」「断」のゴールデンサイクルを推奨しています。まずは「浄」で、クレンジングや洗顔の正しい方法を身につけて、肌にたまった老廃物をしっかりと排出してプレーンな状態に戻してあげることが大切です。次は「潤」で、肌をたっぷりの水分と栄養で常に満たしておくことは美肌ケアの必須条件です。3つ目の「育」は、多少のダメージでは揺らがないよう、内側から細胞を元気にするインナーケア、つまり「何をどう食べるか」を意識しておこなっていくという意味です。4つ目の「断」は、乾燥した生活や年齢肌に合わないスキンケアなど、肌に良くないことをどれだけやめられるかということ。「浄」「潤」「育」の3つの循環を回していくと、肌はみるみるうちに美しく変わっていきます。この基本サイクルに「断」を加えることで、美肌ケアはより一層の効果が期待できます。<著書>『医者が教えるすごい美肌循環』日比野佐和子/著アンノーンブックス1300円+税※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/熊谷あづさ(50歳)ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。著者/日比野 佐和子先生医療法人康梓会Y‘sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。プラセンタ療法を含む再生医療においてのパイオニアでもある。『オトナ女子の「美肌」づくり百科』、『つまり、結局何したら免疫力って上がるの?』など著書多数。
2023年10月01日若いときはなかったのに40代、50代となると顎の肉がたるんで二重顎になりやすくなった……?と思ったことはありませんか。体形が大きく変わったわけではないのに二重顎になるのは、やはり加齢や老化が大きな原因なのでしょうか。二重顎と加齢の関係について、美容専門医の黒田愛美先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。★関連記事:同じ年でも「ほうれい線が目立つ人」と「目立たない人」の違いって? 薄くするには?【美容専門医監修】二重顎と老化の関係は?骨密度の低下も関係40代を過ぎてから、あまり体形は変わっていないのに顎の肉がたるたるになって二重顎になりやすくなったような気がします。「女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に際して骨吸収を緩やかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。しかし、女性は閉経に向かうにしたがって女性ホルモンの分泌が低下します。女性ホルモンの分泌が低下すると、急激に骨密度が減ってしまいます。骨密度の低下は顔にも及びます。顔の骨の骨密度が減って顔の骨が委縮すると同時に、顔のハリを保つコラーゲンや皮下脂肪も減少するため、肌がたるんで二重顎を成形してしまうのです。また、更年期は代謝が落ちて太りやすくなる時期でもあります。太れば当然顎にも肉がついて二重顎になりやすくなります」(黒田先生)。二重顎が目立つ人と目立たない人との違いは?もともとの骨格の他に姿勢も関係ただ、同じような年齢、同じような体形でも二重顎が目立つ人と目立たない人がいるような気がします。「二重顎は老化ももちろん原因になりますが、もともとの要因もあります。あまり知られていないかもしれないのですが、顎が小さい場合です。顎が小さいと首から顎の先端までの距離が短いため、うつむいたとき二重顎になりやすくなります。また、猫背やスマホを見過ぎてうつむくいわゆる「ストレートネック」または「スマホ首」になると顎下の皮下脂肪が押し出されて二重顎になりやすくなります。さらに、コロナ禍ではマスクを長時間つける生活をしていましたが、他人に顔を見せることが減ったことで表情筋が衰えて、二重顎の原因になったという指摘もあります」(黒田先生)。二重顎をスッキリさせることはできる?毎日使う枕を見直してみて自分でできる二重顎対策はありますか。「やっぱりまずは痩せることが先決です。あとは、高すぎる枕は首や肩の筋肉を引っぱり緊張させてしまうので枕なし、または低い枕を使うのも一案です。柔らかい枕も首が安定せず、体がゆがんで血流が悪くなるといわれているので控えたほうが良いでしょう」(黒田先生)。美容外科でケアはどんなものがあるのでしょうか。「最近注目されているのは、ウルトラフォーマーMPT(最新ハイフ)による脂肪溶解です。超音波を当てるだけで脂肪が溶解し、余分な脂肪細胞は徐々に消化されて体外に排出されていきます。少ないダウンタイムで複数回の施術、痛みを感じにくいのが特徴です。また、ヒアルロン酸注入でも二重顎は解消できます。特に、顎が小さい場合は、顎が足りない部分をヒアルロン酸で調整してあげると美しい顎のラインを作ることができます」(黒田先生)。まとめ枕が二重顎と関係しているということに驚き。枕なしは最初はハードルが高いかもしれませんが、まずは低いものに変えてみてはいかがでしょうか。スマホの見過ぎや姿勢の見直しも大切です。私もできることから始めてみたいと思います!※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(51歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/黒田 愛美 先生美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。Zetith Beauty Clinic副院長(東京都中央区銀座4丁⽬2-17銀座111レジャービル13階)。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著書に『アスリート医師が教える最強のアンチエイジング』(文藝春秋)。
2023年08月08日小鼻の端から口元の端を結ぶラインにできる、ほうれい線。年を重ねるごとに深くなっていくほうれい線ですが、目立つ人と目立たない人がいる……?と思ったことはありませんか。同じ年齢でもほうれい線の深さに差があるのではなぜなのでしょうか。美容専門医の黒田愛美先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。★関連記事:「ほうれい線ができる一番の原因に驚き!」できてしまったほうれい線のケアはどうする?【美容専門医】ほうれい線ができる原因は?加齢による骨の委縮と皮下脂肪の減少が大きな原因若いころにはなかったほうれい線。なぜ加齢とともにできてしまうのでしょうか。「閉経が近づく更年期の女性は女性ホルモンの分泌が低下します。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に際して骨吸収を緩やかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあるため、女性ホルモンの分泌が低下すると、急激に骨密度が減るのです。それは体だけでなく顔も同じ。顔の骨の骨密度が減って顔の骨が委縮すると同時に、顔のハリを保つコラーゲンや皮下脂肪も減少するため、肌がたるんでほうれい線を成形してしまうのです。もちろん、他にも表情筋が衰えたり、肌が乾燥していたり、紫外線によるダメージが蓄積していたりとさまざまな要因があります」(黒田先生)。ほうれい線が目立つ人と目立たない人の違いは?もともとの骨格が目立ち方と関係同じ年を重ねていても、ほうれい線が目立つ人と目立たない人がいます。その違いはやっぱりスキンケアなんでしょうか?「スキンケアはもちろん大切なんですが、ほうれい線の深さにはもともとの骨格が大きく関係しています。顔の中央に上顎骨(じょうがくこつ)という骨があるのですが、ここが出ている人は溝ができて影が出やすくなり、ほうれい線が深く見えてしまいます。一般的には歯ぐきが出ている、出っ歯などといわれたりします」(黒田先生)。先天的な骨格による場合もあるのですね。後天的な理由はありますか?「ほうれい線は老化も原因なので、老化を早めるような生活習慣をしていると目立ちやすいと思います。老化が早い人は老化の原因物質の一つである活性酸素を体内で処理できてにいないことが多いです。活性酸素はミトコンドリア機能という体の働きで本来は処理されます。しかし、体内に炎症があるとミトコンドリア機能は正常に働きません。ほとんどの人にあると言われている体内の炎症、それは腸内環境の乱れです。腸内環境が乱れている人ほど、ほうれい線をはじめする老化現象が早く出てしまう可能性が高くなると言えます」(黒田先生)。ほうれい線を薄くすることはできる?まず始めたいのは食生活の見直しほとんどの人が持つ体内の炎症は腸内環境の乱れということですが、どのようにすれば乱れを改善できるのでしょうか。「まず見直したいのは食習慣です。一番簡単なのは、白砂糖を控えることです。白砂糖を使った食品をやめるだけでもだいぶ改善できると思います。あとは、加工食品をできるだけ控えるということです。加工食品に含まれる添加物や人工物は腸内環境を乱してしまいます。他にもいろいろあるのですが、まずはこの2点を気を付けてみるといいでしょう」(黒田先生)。顔のトレーニングはシワの原因になることもよく、ほうれい線には表情筋のトレーニングが効果的とよく見ますが、いかがなのでしょうか。「顔の筋肉には、鍛えたほうがいい筋肉と鍛えないほうがいい筋肉があります。例えば上側に鍛えたほうがいい筋肉は笑筋(しょうきん)、大頬骨筋(だいきょうこつきん)、小頬骨筋(しょうきょうこつきん)などがあります。逆に口角下制筋(こうかくかせいきん)という、鍛えないほうがいい筋肉もあります。また、おでこや目周りの筋肉は鍛えると強くなってシワができやすくなってしまいます。顔の筋トレは場所に気を付けておこなわないといけないため、もしおこなう場合は専門家に相談したほうがベターです」(黒田先生)。本気で消したいなら美容外科のケアをエイジングケアの化粧品でほうれい線を目立たなくすることは可能なのでしょうか。「ほうれい線ができる原因の一つにコラーゲンの減少があります。コラーゲンを補う化粧品やサプリメントを取り入れることは効果的だと思います。ただ、確実にしっかり消したい、ということであればやはり美容外科や美容皮膚科でのケアが最適でしょう。美容外科や美容皮膚科でのほうれい線ケアには超音波ハイフヒアルロン酸注入糸リフトがあります。ハイフは超音波を肌に放射することで引き締めてほうれい線を薄くします。ヒアルロン酸は、製剤を注入して肌になじませて溝をなくします。糸リフトは肌に、体内で溶ける糸を入れてリフティングする施術です」(黒田先生)。効果を求めるなら糸リフト、まず手軽に始めるならハイフという気がしますが……。「そうですね。でも、その中間のヒアルロン酸注入も効果があり、手軽にできる方法ですよ。どの美容外科でもヒアルロン酸治療を取り扱っていますが、クリニックを選ぶポイントはまずは医師の技量、あとは製剤の質などだと思います。製剤は、厚生労働省で認められているアラガン社かガルデルマ社のものを使っているなら信頼がおけるでしょう。公表していない場合もあるので、クリニックを選ぶとき聞いてみるといいですよ」(黒田先生)まとめほうれい線は諦めたらどんどん深くなってしまう肌の老化。まず自分でできることは、生活習慣を整えて老化のスピードを少しでも遅らせること。そして、年齢とともに減っていくコラーゲンも意識してとっていきましょう!※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(51歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/黒田 愛美 先生美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。Zetith Beauty Clinic副院長(東京都中央区銀座4丁⽬2-17銀座111レジャービル13階)。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著書に『アスリート医師が教える最強のアンチエイジング』(文藝春秋)。
2023年08月04日乳がんのがん細胞は女性ホルモンであるエストロゲンの影響によって増殖するといわれています。閉経するとエストロゲンは減少するはずですが、乳がんの好発年齢はなぜか閉経が近い更年期世代なのです! なぜこのような矛盾が生まれているのでしょうか。乳がん啓発の「ピンクリボン運動」にも勤しむ新見正則先生にお伺いしました。教えてくれたのは……新見正則先生(新見正則医院院長)新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年、英国オックスフォード大学にて移植免疫学における医学博士号を取得。2002年より帝京大学医学部博士課程の指導教授を勤める。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。外科医、免疫学者、漢方医として活躍し、現在は世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」の啓蒙普及のためにがん、難病・難症の治療をおこなっている。最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』★関連記事:乳がんの発見が遅れる可能性が!? 40代女性の約6割の胸に潜んでいる「デンスブレスト」の正体とは閉経するとリスク増加?男性ホルモンが変化する更年期世代になると、エストロゲンの生成が少なくなることでさまざまな更年期症状が現れます。乳がんのがん細胞に影響するエストロゲンが減るにもかかわらず、乳がんの第1ピークは40代後半から50代前半とされています。一体なぜ閉経後も乳がんのリスクは低下しないのでしょうか?「閉経すると卵巣からエストロゲンは生成されなくなるものの、脂肪細胞によって男性ホルモンがエストロゲンに変換されるようになります。そのため、エストロゲンが減らず乳がんリスクが生まれてしまうのです。乳がんは二層性のピークがありますが、なぜピークが2回あるのか原因はわかっていません。しかし、乳がんの第1ピークが閉経前後の40〜50代なのに対し、第2ピークが閉経後の60代以降になるのは男性ホルモンが女性ホルモンに変化することが影響しているかもしれないと言えるでしょう。閉経後に肥満体形になった人は、閉経前から肥満体形の人に比べてはるかに乳がんのリスクが高まりますので、閉経後の体形には気を付けたほうが良いでしょう」(新見先生)乳がんになりやすい人とは生理の回数が多い!新見先生いわく、肥満傾向にある人は乳がんを発症しやすいそうです。他にはどんな人が乳がんになりやすいのでしょうか?「生理の回数が多い人は乳がんになりやすいです。例としては初潮が12歳未満、閉経年齢が55歳以上の方ですね。ただ、なぜ生理の回数が多ければ乳がんのリスクが高くなってしまうのか、原因は解明されていません。また、早期閉経や月経過多と乳がんの因果関係も見つかっていません。しかし、生理の回数と乳がんの発症率は大きく関係しているといわれています。子どもがいる人はその分生理の回数が少なくなりますので、乳がんのリスクは多少低くなります」(新見先生)生理の回数以外では何かありますか?「これも原因不明ではありますが、40歳以上の人は乳がんのリスクが高くなっています。そして、飲酒量や喫煙量の多い人も乳がんのリスクは高いです。喫煙はがんの大敵で乳がん以外の病気にも影響してきます」(新見先生)セルフチェックで乳がん予防おすすめはお風呂場!乳がん検診はマンモグラフィー検査と超音波(エコー)検査を1年ずつ交互に受けることが良いのだそう。病院での検査以外にも、月に1回のセルフチェックで乳がんを発見できる可能性があります。おすすめの方法を2つ紹介します。★お風呂場でのセルフチェック・鏡の前に立って、両手を真っすぐ上に伸ばして胸を観察します。・正面、側面、斜めの3方向から、乳房や乳頭の変形や左右差、へこみ、ただれなどがないかを確認し、乳頭を軽くつまんで血清分泌液(血のような分泌液)の有無を確認します。・ボディーソープを胸や脇の下につけて触ることで、なめらかに指が滑ってしこりが確認しやすくなります。親指以外の4本指で乳房表面を「の」の字を描くようにゆっくりと動かしましょう。★ベッドでのセルフチェック・肩甲骨の下に枕やバスタオルなどを置き、あお向けで胸を張るようなポーズを取ります。すると、乳房が平たく引き伸ばされて小さなしこりなどにも気付きやすくなります。・寝たまま片方の腕を真っすぐ頭上に伸ばし、反対側の親指以外の4本指で乳房を軽く圧迫してしこりなどがないか調べましょう。「セルフチェックはお風呂の中で鏡を見ておこなうことをおすすめします。触り方については『の』の字を描くようにしてもらっても良いですし、十字を切るように触ってもらっても大丈夫です。要はまんべんなく全体を強弱を付けて触るということが大切です。それから、乳がんは大きくなると皮膚にくっ付いてきます。するとその部分がたわむようになります。なので両手を上に挙げて、胸に左右差があれば乳がんからのサインです。セルフチェックは生理後の胸が張っていない時期が良いでしょう。毎日でも構いませんが、月に1回、自分の胸が柔らかいときがベストタイミングです。しこりだけではなく、胸を押したときに乳頭から血液のような血清分泌物が出たときも受診が必要です」(新見先生)まとめ現在、日本人女性の10万人は乳がんだとされています。月1回のセルフチェックや年1回の検診で乳がんを予防・早期発見・早期治療できるようにしたいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。イラスト/山口がたこ著者/監修/ 新見 正則先生新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年、英国オックスフォード大学にて移植免疫学における医学博士号を取得。2002年より帝京大学医学部博士課程の指導教授を勤める。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。外科医、免疫学者、漢方医として活躍し、現在は世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」の啓蒙普及のためにがん、難病・難症の治療をおこなっている。最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』
2023年05月28日大量出血の生理から解放されて、ホッとした閉経ライフ!?がスタートしました。良いことがあった半面、デリケートゾーンに悩むようになりました。どんな悩みが待っていたのか、赤裸々にご紹介します。★関連記事:更年期に起こるデリケートゾーンの痛み。市販薬は使ってOK? 受診の目安は?【医師監修】3カ月に1度、茶色のおりものが出現夜用ナプキンを当てて、完全武装で乗り切っていた大量出血の生理から解放されたのは50歳9カ月のとき。明るい色のズボンがはけるようになり、ほぼ毎日つけていたナプキンを卒業してショーツを直ばきできるスッキリ感。そして、いつ生理が来るのかビクビクしていた呪縛からも解き放たれて、本当に本当にハッピー。「ビバ!(←例えが古いですよね。イタリア語やスペイン語で万歳の意味。かつては結構、はやった言葉なんですよ)閉経!」で、ルンルン(これも古いな~)でした。とはいえ、敵はいつまた襲ってくるかわかりません。閉経後も3カ月くらいは、いつ復活するかもしれない生理という幻影におびえて夜用ナプキン2枚と普通サイズのナプキン4枚をバッグに忍ばせていましたが、半年もするとそれもなしに。バッグもちょっぴり軽くなって、良いことずくめでした。ただ3カ月に1度くらい、茶色のおりものが3~5日程度出現。トイレの後に拭いたトイレットペーパーを見ると、生理の名残なのか若干血が混じっているようなんですよね。そのうちの最初の1~2日は結構ショーツを全面汚すくらいに量が多くて……。余った生理用ナプキンを敷いて対処するようになりました。おりもの前のネガティブ思想にほんろうもともと規則正しく生理があったとき、生理の前に結構攻撃的になったり逆に落ち込んだりして、かなりメンタル的に不安定になる傾向がありました。その名残なのか、がっつり更年期の症状なのかはわかりませんが、茶色のおりものが始まる前にものすごくネガティブ思考になることが判明。現在、椎間板ヘルニア発症中で、右足や右の臀部にしびれを感じる私。ネガティブ真っただ中のときは、もうこんな足はいらない。切ってしまったほうが痛みから解放されてラクになるんじゃないかとか、詰め込み過ぎの予定ができなくなるのは日常茶飯事なのに、「あ~あ。午前中何もせずに終わっちゃった。もう本当にダメだなあ……」など自分を全否定するような言葉や気持ちが次々襲ってきます。余計なことを考えられる休みの日に鬱々(うつうつ)となることが多いのですが、平日の朝にそんな症状が襲って、会社を休むことも。そうすると絶賛ダメ人間発動で、1日グチグチ、ウダウダして終了。次の日に持ち越さないでスッキリ元に戻ることもありますが、ダメで2日間まんじりもせずというときも。そうすると、茶色いおりもの出現で、なんらかの因果関係があるのではと思っています。おりものが減り、デリケートゾーンに痛みがそして、目下最大の悩みがデリケートゾーンが乾燥して痛みが時々襲うことです。最初に気が付いたのは、自転車に乗るとおまたが痛くなったこと。ケースワーカーをしていて、平日2~3時間自転車に乗ることがある私。自転車に乗り過ぎているのが原因と思っていましたが、さにあらず。だって、茶色のおりもの発生の1~2日目には同じように自転車に乗りまくっているのに、そういうことがないんですもの。すっごく恥ずかしいのですが、女性器の周りとおしりのあたりの陰毛は定期的に処理しているのですが、処理した日に自転車乗りまくると本当に痛~い! なので、おりものが少なくなっていて、それが原因ではと疑っているのです。早速ネットで「閉経おりもの少ない」で調べましたよ! 閉経後はエストロゲンという女性ホルモンがほとんど分泌されなくなるため、おりものが少なくなるようです。まとめ閉経してうれしいこともあったけれど、さらなる悩みが襲ってきました。う~ん。恐るべき更年期。とはいえ、大量出血でデリケートゾーンがゴワゴワしていたときに比べてマシかなと思うことがある一方で、気持ちがめっちゃ落ち込む日は、「どうしちゃったの私。ダメダメだ~」となってしまい、なかなか一筋縄ではいきません。そして、おまたが痛くなる問題。ネット検索すると、そんな症状をサポートするグッズもあるようなのですが……。茶色のおりものも気になるので併せて産婦人科に行って相談したいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。【天神先生からのアドバイス】3カ月に1度、茶色のおりものが出ていますが、茶色のおりものは出血している状態なので、まだ完全に閉経していないのではないかと思います。また、この不正出血前のみにしか症状が出ていないのであればPMS(月経前症候群)の可能性があります。婦人科で女性ホルモン検査をおこないE2(エストロゲン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)を測定してもらえば卵巣の状態がわかり、閉経しているかどうかがわかります。不正出血が子宮体がんの可能性もあるので、婦人科で診てもらうことをおすすめします。著者/杉田リエ(51歳)大学生と高校生の母。第二子出産を機にフリーライターに。46歳のとき社会福祉士の資格を取り、ケースワーカーとして社会復帰。現在の悩みは教育資金と心&体の健康。愛猫の姿に癒やされます。
2023年05月18日私はインドア派運動不足でじっとしているのが大好き。しかし、50歳を目前にしてさまざまな体調不良や体形の崩れなどに見舞われる中、締まりのない体を見るにつれ「これって運動不足が原因?」という思いに至りました。そこで産婦人科医の駒形依子先生に、更年期における運動不足の弊害と、筋力不足により引き起こされるさまざまな体のトラブルについて聞いてみました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:自宅で自分のペースでできる!ジム通いを断念した私でも続いた有酸素運動とは更年期の急激な筋力不足=運動不足が大前提更年期に入ると筋力が低下しやすくなりますが、みんながみんな急激に筋力が低下するわけではないと駒形先生は言います。「女性ホルモンのエストロゲンには筋肉の再生機能もあるのですが、エストロゲンが減ることで筋肉の再生が鈍く、遅くなります。 例えば、今までと同じ生活をしていて筋力が“1”衰えていたのが、更年期になると“5”衰えるイメージ ですね。しかし、筋力低下の根本原因は筋肉を使わないこと、つまり運動不足にあります。 20代、30代のころから継続的に運動している人は、更年期になって急に筋力が落ちるということは少ないですが、危険なのは、運動習慣がない人。それまで筋力アップを心がけた生活をしていない人は更年期に入ると急激に筋力が低下してしまいます。 つまり、これまでと同じ生活をしていればどんどん筋力は低下していく一方になります」(駒形先生)。筋力不足は疲れ、肥満、肩凝りの原因に筋力不足というと、歩くのがおっくう、階段を上ると息があがるなどのイメージがありますが、それだけではないそうです。筋力不足が引き起こす症状について駒形先生に教えていただきました。疲れや不眠、落ち込み「更年期になると子宮の機能が落ちることで下半身への血流が滞りがちになります。それに加えて下半身の筋力がもともとないと、上半身に血流が集中してしまいます。頭に血が上ってしまうと頭が休まらず、疲れが取れない、眠れないといった症状を引き起こすことがあります。疲れや不安が取れないと、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンも脳から分泌されず、常にストレスを抱えた状態に陥ることもあります」(駒形先生)。肥満やむくみ「筋肉は体を動かし、安定させる働きだけでなく、熱をつくり、代謝を上げるという大事な役割もあります。 筋肉が多いと、熱の発生量(いわゆる基礎代謝)が増えるため、代謝が上がって肥満予防につながります。 逆に言うと、冷えているところは筋肉が活動していないため脂肪がつきやすいのです。また、脚のむくみは下半身の筋肉が衰えてリンパの流れが滞り、老廃物が下半身にたまりやすくなっているため起こります」(駒形先生)。肩凝り・腰痛「骨を支えているのは筋肉です。肩や首、腰の筋肉が衰えて支えることができなくなってくると負担が増えて、痛みにつながっていきます。痛みが気になって運動をしないでいると、さらに筋肉が落ちていき、痛みが悪化することになってしまいます」(駒形先生)とにかく筋肉を動かして!運動不足は万病のもと……と言いたくなるような状況です。これはすぐに運動しないと、と焦りますが、気負う必要はないと駒形先生は言います。「運動不足を解消しようと張り切って、急に激しい運動をおこなうと筋肉痛になって動けなくなってしまいます。まずは使っていない筋肉を動かすことを意識してみてほしいですね。特に、更年期に衰えやすい下半身はしっかり動かしてほしいですね。下半身の筋力をアップすることで血流の配分バランスが整えられ、頭がスッキリする効果があります。肩凝りや腰痛がある人は、痛みがないときに無理のない範囲で動かす意識をしてみてください」(駒形先生)。駒形先生おすすめのエクササイズは、“プランク”。うつ伏せになった状態で前腕と肘、そしてつま先を地面につき、その姿勢をキープするシンプルなエクササイズです。1. 両肘を床につけ、うつ伏せになる2. 腰を浮かせ、背筋を真っすぐに伸ばす3. 頭、背中、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする1日1回30秒くらいからスタートして、少しずつ増やすと体幹や下半身を鍛える効果があるそうです。姿勢はイラストを参考にしてみてください!まとめおすすめのエクササイズを紹介しましたが、まずは筋肉を動かすことから始めると良いそうです。そして、毎日続けること。運動が嫌いなんて言ってられません。毎日こつこつ、筋肉を動かしてあげましょう!取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年04月17日更年期になると肩凝りや疲れ、めまい、イライラやのぼせなど心身ともにいろいろなところが調子が悪い……という人も。老化といえばそれまでですが、原因は老化だけでなく、女性ホルモンが大きく関係しているそうです。更年期における女性ホルモンの変化と影響について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:私の症状は更年期? すぐできるセルフチェックで更年期指数を確認しよう!【医師監修】女性の体を守り続ける女性ホルモン駒形先生によれば、女性ホルモンは妊娠・出産・育児と体への負担が大きい仕事から女性の体を守るホルモンだと言います。「子宮や卵巣、乳房など妊娠・出産に関わる臓器だけではなく、脳や心臓、血管、骨、皮膚など、あらゆる臓器が女性ホルモンに守られています。女性ホルモンが十分に分泌されている間は、男性よりも心臓発作や脳卒中を起こす危険が少ないのはこのためです。女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの種類があります。このエストロゲンとプロゲステロンが生涯ずっと順調に分泌されれば、更年期症状が起こる心配もないのですが、だいたい40歳前後になると、この2つの女性ホルモンの分泌が徐々に減少します。まずプロゲステロンの分泌が悪くなり、次にエストロゲンが減少します。更年期の症状には、エストロゲンの減少が深く影響しています」(駒形先生)。エストロゲンが減ることで起こる症状は数百!エストロゲンが減るというと、まず髪や肌など美容面への影響を心配する人も多いでしょう。しかし、その影響は美容面だけでなく全身に及ぶと駒形先生は言います。「エストロゲンは生殖機能以外にも脳・中枢神経機能、循環器(心臓血管系)、脂質代謝(コレステロールや中性脂肪)、乳房、皮膚、骨代謝など女性の体のさまざまな機能を調整する作用を持っています。 エストロゲンが欠乏するとこれらの作用がなくなり機能に変調が起こるため、さまざまな症状・障害や病気が発症することがあります。更年期に現れる症状は非常に多様で、数百種類以上あるとも言われます」(駒形先生)。【エストロゲンが欠乏することで起こる主な症状】★物忘れ★うつ★薄毛、抜け毛★皮膚の委縮、色素沈着★心・血管疾患のリスク増加★コレステロール・中性脂肪の増加★乳房の委縮★骨量の減少★性器の委縮★排尿障害(尿漏れ、頻尿)★筋力低下による肩凝り、腰痛など整形外科症状★血管の収縮や拡張をコントロールする自律神経の乱れによる不調(ホットフラッシュなど多数)気になる体調不良があるならまず受診女性ホルモンの分泌が少なくなることによる更年期症状は全身に及びますが、人によって症状が違うのはどうしてなのでしょうか。「影響は全身に及んでいても、自分が一番気になるところが更年期症状として感じられるのです。そして、大切なのは気になる不調があったらまずは病気を疑って受診すること。更年期症状と自己判断と決めつけているうちに、病気が進行してしまうこともあります。まずは病気を否定してから、更年期症状を疑うようにしましょう」(駒形先生)。まとめいかがでしたか? いかに女性ホルモンが私たちの体を守ってくれていたか、失ってみてわかりましたね。これからは女性ホルモンに頼らず、自分で自分の体をしっかり守る必要がありそうです!取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年04月14日閉経前後5年間の10年間は更年期とされ、のぼせやほてり、イライラや落ち込みなどさまざまな症状が表れるといいます。女性ホルモンが減少することが一番の要因ですが、それに伴う血流の変化も体調不良と関係することがあるそうです。産婦人科医の駒形依子先生にそのメカニズムと対策方法を聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:「陰部がヒリヒリ、不快感がある」更年期のせい? 対処法や悪化させるNG行為は?【医師監修】閉経後は子宮に血液が流れにくくなる!?閉経前後に表れやすい、のぼせ、ほてり、イライラ、落ち込みなどの症状。駒形先生によれば、これらは女性ホルモンのエストロゲンの減少はもちろん、子宮の冷えも影響していると言います。子宮が冷えていると、更年期症状の他に子宮筋腫をはじめ生理痛や過多月経、おりものトラブルなど子宮関連の症状にも悩まされてしまいがちです。「血液は、よく使う臓器に流れるようになっています。そのため閉経後は子宮と卵巣の機能が停止するので血液が運ばれにくくなり、冷えやすくなります。ではどこに血流が行くかというと、上半身に血流が集中して上半身と下半身の血流のバランスが悪くなるため、のぼせやほてりといった症状が起きやすくなるのです。下半身への血流が減ったままにしておくと子宮の冷えは悪化するので、足先や足首は常に温かくして冷やさないようにすることが大切です」(駒形先生)。全身の血流バランスが悪いと心も不安定にそして、上半身と下半身の血流のバランスは心にも影響を与えると言います。「東洋医学では、気持ちや感情は血液にのって運ばれるという考え方があります。閉経して上半身ばかりに血流が上がると、いわゆる“頭に血がのぼる”状態になりがちです。生理があったときは、ドロドロした気持ちを経血とともに出せるという面もありましたが、生理がないと口から出すしかなくなり、頭に血がのぼってイライラが爆発ということが起こってしまうのです」(駒形先生)。さらに、40代は家事や育児、仕事などストレスが多いことも冷えの原因になるそうです。「日常生活にストレスが多いと筋肉が緊張してかたくなり、体が冷えることがあります。常に体に余計な力が入るため筋肉の緊張状態が続き、血管がいつも収縮した状態になります。温かい血液が流れるためには筋肉が収縮と弛緩を繰り返す必要があり、筋肉を弛緩させるには力を抜いてリラックスする時間が必要です」(駒形先生)。気持ちはため込まず、緩めて出す!では、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。「まずはひとりで休む時間をつくりましょう。毎日5分でも良いので、何にも考えずに緩める時間をつくってほしいですね。お風呂にゆっくり入る、お昼寝をするなども良いですよ。また、つらい気持ちがあるなら、こまめに出すことが大切です。自分はどんなときに、どんなことでイライラしたり、悲しくなったり、嫌な気持ちになるのかを知って、それをちょっとずつ日常生活から減らしていきましょう。出す、といっても話さなくてもいいんです。例えば、夫に気持ちをうまく伝えられなくて、かえってパートナーシップが壊れたということも少なくありません。思ったこと、感じたことを日記に書き出すだけも良いですよ」(駒形先生)まとめ足は氷のように冷え、頭はカッカと熱く、心はガチガチに固まっている……閉経前後に陥りやすい心と体の状態は、多くの女性が感じたことがあるのではないでしょうか。5分でも、10分でも、自分を大切にする時間を意識的につくっていきたいと思います。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年03月01日40代半ばごろから、生理周期の乱れや経血の多さ、生理痛の強さに悩まされたり、不定愁訴に苦しんだり……という日々を送っています。ですが、46歳で受けた血液検査の結果は、まだエストロゲン(卵胞ホルモン)は出ているということ。本格的な更年期治療はせず、対症療法で様子見の毎日です。そんな中、周囲の同世代以上の男性から更年期障害の治療中だという話を聞くことが増えてきました。私の周囲の男性についてお伝えしたいと思います。★関連記事:40~50代は男性も更年期!?夫婦危機の原因ともなる「妻のやりがちNG対応」は?治療はどうする?最初に聞いたのは、アラフィフ男性の友人から「男性にも更年期障害はある」という話をよく耳にするようになりました。ただ、シングルマザーの私は夫がいないこともあり、そこまで身近なテーマとしては捉えていませんでした。ですがある日、最近様子がおかしいなと思っていたアラフィフ男性の友人から、実は更年期障害の治療を受けているという話を聞きました。その友人は、私と同じひとり親でシングルファーザー。知り合った当時は穏やかでやさしい人だなと思っていたのですが、ある時期から盛んにイライラしているようになり、LINEや電話をしていてもいらだって一方的に話題を終えてしまうことがしばしば。私は友人の変化に戸惑い、「この人はもともとこういう性格だったの?」と疑ったりもしました。また、その友人から睡眠が安定しないという話ややる気が起きないという話も聞きましたが、私は「よほどストレスがたまっているのだろう」というくらいにしか思っていませんでした。テレビで知った男性更年期、そして本人の口からも…あるとき、テレビで男性の更年期障害が紹介されており、寝込んでしまって仕事にならないくらいつらいという例なども紹介されていました。「男性もこんなに更年期障害がひどいんだ……」と初めて痛感した私。そんなときたまたま、その友人から連絡がありました。友人は「実は更年期障害ということがわかって、治療を始めたんだ」と切り出したのです。私は偶然に驚いて、「ちょうどさっきテレビでそれ見たよ! いろいろ大変だったんだね……」と伝えることができました。友人は漢方薬とホルモン治療をしているとのこと。それで睡眠も安定してやる気も復活しているそうで、それは電話やLINEの文面からも感じ取れました。私は、その友人が「更年期の症状なのかもしれない」と自分で気付いて病院を受診したことがすごいと思いましたし、治療が功を奏していると聞いてとてもうれしく、また安心しました。自分の恋人も症状に悩まされていると知るそんなタイミングで、私と同じ40代半ばで1歳上の恋人からも、実はホットフラッシュに悩んで病院に行ったと聞きました。たしかに彼は少し前から、とにかく首から上が暑い、熱がこもっているようでつらい……とよく言っていて、デートのときも寒いくらいエアコンの効いた場所を好むのでかなり苦しそうだなとは感じていました。私は彼が北国出身のせいだからかなというくらいにしか思っていなかったのですが、彼は自分で更年期のホットフラッシュではないかと思い至り、受診を決めたそうです。ホルモン注射をしてもらうようになってからはホットフラッシュが改善したと言っており、実際に前ほど常に苦しそうにしていることはなくなりました。ホルモン注射と同時にプラセンタ注射も受けているそうです。こうした話を聞くにつけ、更年期障害は女性だけの苦しみではないんだ……と私も実感するようになりました。まとめ自分自身はまだ本格的な更年期障害に悩まされてはいないものの、友人や恋人から見聞きした男性の更年期障害もだいぶつらそうだ……と理解をした私。更年期の症状に悩むのは女性のみだとつい思い込みがちですが、私の友人や恋人のように、男性でも更年期であることを自覚し、通院を始める男性が増えるのは良いことだと感じています。もし同世代の男性で自分の不快な症状の原因がわからずに苦しんでいる人が他にもいたら、「もしかしたら更年期じゃない?」と、声をかけてあげたいと思っています。男性も女性も、更年期であることを受け入れて早めに治療をスタートすることで、人生の後半戦を少しでもラクに乗り切っていけたらと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。イラスト/村澤綾香著者/まっちゃ (45歳)40歳で再び独身に戻った、バツ2シングルマザー。30代まではボディラインにも肌にも自信あり。40代初期はプロポーションを褒められたり、そこそこモテたりでいい気になっていたが、40代半ばになり加齢の現実を徐々に目の当たりにしている最中。
2022年09月24日女性のココロとカラダや、ライフスタイルにまで大きく影響する”女性ホルモン”。しかし、その働きや整える方法をよく知らない人も多いでしょう。今回は女性ホルモンの不調やバイオリズム、心との関係、暮らしの中でできるセルフケアについてご紹介します。1.女性ホルモンってなに?そもそも女性ホルモンがどんなものなのか、働きや整え方をちゃんと理解している人は少ないかもしれません。女性ホルモンの基礎知識やバランス、それによって引き起こされる女性特有の様々な不調について解説します。女性ホルモンに関する正しい知識を身につけて、日常の当たり前を見直しましょう。ホルモンバランスの乱れは心身の不調に大きく関わる。女性ホルモンとは、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンの一般的な呼び名のこと。「生理や妊娠だけでなく、心身の不調にも深く関わっている女性ホルモン。後々、不妊で悩んだりしないように、女性ホルモンに関心を持ってほしいですね」そう話すのは、産婦人科専門医の角ゆかり先生です。「女性ホルモンの分泌は、脳の視床下部が司令塔となり、調整されています。視床下部は、神経系統のコントロールタワーのすぐ隣にあるので、強いストレスを受けると視床下部から指令を受ける女性ホルモンの分泌も乱れてしまうのです。ストレスには、過剰なダイエットによる身体的ストレスも含まれます。過剰なダイエットをすると、脳が『身体的危機の今は新しい生命を育てられない』と判断し、血液を体外に排出する生理を止めてしまいます。無月経は不妊になることもあるので注意を」生理の約1週間前から、イライラしたり、いつも以上に甘いものを食べたくなったり、PMS症状が表れるのも女性ホルモンの影響。「PMS症状対策で重要なのは、それがPMS症状なのだと自覚することです。あらかじめどんな症状が自分に出るのか知っておけば、周囲に『この時期は機嫌が悪くなるかもしれない』と伝えておくことで大きなトラブルを防げますし、食欲が増すケースも、脂肪分の多いスイーツを食べる前にカロリーが低く栄養価の高い野菜のスープなどでお腹を満たしておくといった対策がとれます」では、根本的に女性ホルモンを整えるには、どうしたらいいのでしょうか。「基本的なことですが、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ることが、女性ホルモンにとっては大切です。もちろん、生理に少しでも異常があったり、PMS症状が辛かったり、ホルモンの乱れを感じたらなるべく早く、婦人科を受診してください。その際、月経周期がわかっているとスムーズです。自覚症状がない方も、いつかの時のために、月経周期のチェックを」エストロゲン肌にハリが出て、髪もツルツルに自律神経や脳の働きをよくする内臓脂肪がつきにくくなる卵胞ホルモンとも呼ばれ、いわゆる女性らしい丸みを帯びた体型を作るホルモン。肌や髪の潤いを守る、代謝をアップするなど、女性にとってうれしい作用も。40歳を過ぎると分泌量が減ってホルモンバランスが急激に崩れ、更年期を過ぎるとほとんど分泌されなくなります。プロゲステロン体に水分を溜め込み、むくみやすくなる食欲が旺盛になり、代謝が鈍くなる疲れやすくなる排卵直後から分泌量が増え、子宮内膜を柔らかくして妊娠に備えるホルモンで、黄体ホルモンとも呼ばれます。プロゲステロンが優位な黄体期は、妊娠のために体が水分や栄養を溜め込もうとするため、むくみが出やすく、食欲が促進される場合も。精神的にも不安定になりやすい傾向があります。ホルモンバランスの入れ替わりで心身に変化が!女性の心と体は、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンの影響を受け、約1か月周期で変動。たとえば、エストロゲンが優位になる生理直後は、肌がきれいになりますが、プロゲステロンが優位になると、肌が脂っぽくなってニキビが増加。精神的に不安定になりやすくなることもあります。教えてくれたのは…角ゆかり先生産婦人科専門医、虎ノ門ウィメンズクリニック院長。東京女子医科大学卒業。2013年、メルボルン大学ウィメンズヘルスマスター取得。症状以外にも、患者の話に耳を傾ける診療方針で信頼されている。※ 取材、文・小泉咲子※ 2022年1月13日配信2.女性ホルモンとココロの関係生理前のイライラ&体調不良と女性ホルモン、自律神経…。何となくつながっていると知ってはいるものの、うやむやになりがちなこの関係を専門家が解説。心身を健やかに保つための基本のセルフケアもチェック!自律神経の不調も、女性ホルモン&心と密接な関係に。もうひとつ知っておきたいのが、ストレスと自律神経の関係。産婦人科医の宗田聡先生いわく、「自律神経には緊張した時に優位になる交感神経と、リラックス時に働く副交感神経の2種がある。相反する2つの働きで、意志に関係なく、心拍や呼吸などの体のさまざまな機能を、絶えず自動制御しています」2つがバランスよく働くことが理想的ですが、この自律神経も、ストレスによって乱れやすいシステムだといいます。「ストレスがかかって交感神経が活発な状態が続き、体が休まらないままだと、むくみや肩こり、慢性疲労など体の不調が現れてきます。体が辛ければ当然、メンタルにも悪影響です」(宗田先生)さらに、自律神経は女性ホルモンの変動とも密接な関係が。心療内科医の田中奏多先生は「それぞれの司令塔が脳の近い場所にあり、どちらかが不調になると片方も呼応しやすいという特徴があります。逆に言えば、体に働きかけることで、心にも良い影響を与えられる可能性があるということ。体からのサインも見逃さずに、メンタルマネジメントに役立てましょう」とのこと。下記の、自律神経が乱れた時に起きがちな症状例を参考にしてみましょう。自律神経バランスがピンチかも?寝足りない感じが続くマッサージをしても肩こりが良くならない下痢や便秘が続く手や足が冷える、下半身がむくむ原因の分からない頭痛がするめまいや耳鳴りがするようになった息苦しくなったり、急に動悸がしたりする顔や手足など、体の一部だけに汗をかく教えてくれたのは…宗田 聡先生産婦人科医、広尾レディース院長。長年の経験をもとに、女性たちの悩みに心と体の両面からアプローチ。著書に『31歳からの子宮の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。田中奏多(かなた)先生心療内科医、産業医。東京TMSクリニック勤務。ハーバード大学TMSコース修了。著書に『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』(アチーブメント出版)がある。※ 構成、文・新田草子※ 2021年12月22日配信3.女性ホルモンを整える暮らしとは?仕事で責任が重くなったり、ライフステージが変わったりと、体調を崩しがちなアンアン世代。まさにその一人だった女性ホルモンバランスプランナーの原由記さんは、健康を取り戻した実体験と知識から、日常的にできるホルモンバランスの整え方を伝授!起きたらカーテンを開けて、必ず朝日を浴びる。睡眠不足は女性ホルモンを乱すといわれています。そこで、良質な睡眠のためにやるべきは、朝一番に、カーテンを開けること。「体内の生体リズムを整えてくれる太陽の光は、睡眠と覚醒をうまく切り替えるカギ!朝起きたらすぐに1〜2分、深呼吸をしながら太陽の光を浴びると約16時間後にメラトニンという眠気を誘う脳内の神経伝達物質が分泌され、寝つきがよくなります。曇りや雨の日でも十分な明るさがあるので、毎日の習慣にするといいでしょう」スマホは、できるだけ遠い場所に置いてからベッドの中へ。生活のリズムを整えることが、すなわち女性ホルモンを整えること。そのベースになる睡眠にとって、脳を活性化させるパソコンやスマホのブルーライトは完全にNG。「寝ると決めたタイミングで、仕事のメールやSNSチェック、動画観賞もおしまい!寝室とは違う部屋に持っていき充電を。ワンルームの場合は、視覚に入らない、できるだけ自分から遠い場所へ。夜はマッサージなど、セルフケアの時間にして“スマホに囚われない自分”でいたいものです」寝る時には”五感”に心地よいものを意識して選ぶ。女性ホルモンの影響を強く受けるのが、心の状態。「肌に触れて心地よい、ふわふわして癒されるなど、気持ちをポジティブな方向に導いてくれるアイテムを選びたいもの。特に寝具やパジャマは、睡眠の質も左右します。肌触りがよく、五感が喜ぶ素材を選びましょう。チクチクする、毛玉でゴワゴワするといった小さなストレスも、蓄積されると眠りを妨げます。ピローミストやルームフレグランスの香りにもこだわって。生理不順には、セージやレモンバームを」4.女性ホルモンを整えるセルフケア術とは?朝ごはんには、植物性タンパク質を摂る。女性ホルモンにいい食生活は、栄養バランスのとれた食事。「不足しがちなのが、タンパク質。不足すると、体内に水分を溜め込むようになりますが、生理前はその傾向がより強くなります。生理前のむくみが辛い人は、朝にお味噌汁を飲み、タンパク質摂取を意識してみて」。大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た作用があり、生理周期の乱れを整える働きや美肌にも期待大。「食事を改善することは、次の生理周期を整える準備になります」リモートワークでも、始業前に家の周りを歩く。リモートワークだと、通勤で駅まで歩いたり階段を上り下りすることさえもなくなり、意識しないとすぐ運動不足に陥ってしまいます。「体を動かして、血行をよくすることは、女性ホルモンにいい働きがあります。始業前に、できれば一駅分、難しければ家の周りだけでも歩くと。また、1時間に1回はストレッチをして、座りっぱなしで滞った血流を改善してあげましょう。冷たい椅子は腰まわりやお腹を冷やします。クッションやブランケットで冷え対策を」【CHECK!】生理中は内くるぶしマッサージで、卵巣をケア。床に座って、内側のくるぶしの上部を流れる血管の横をなでて、ゴリゴリしていたら、卵巣が疲れているサイン。「石みたいに硬い部分に老廃物が溜まっているので、そこをぐっと押して、しっかりと流してあげるといいでしょう」※『anan』2021年12月8日号より。教えてくれたのは…原 由記さん女性ホルモンバランスプランナー。大学を卒業後、化粧品会社に入社。会社員時代に体調を崩した経験から、資格を取得。デリケートゾーンケアアイテムを扱う「メリア」を立ち上げ、代表を務める。※ 取材、文・小泉咲子※ 2022年1月14日配信5.心と体を整えて、女性ホルモンのバランスをとろう忙しい日々の中で、ストレスなどによる女性ホルモンバランスの崩れに悩んでいる方も多いのでは?自律神経のセルフケアチェックなど、あなたのライフスタイルにあったものを取り入れてみましょう。心と体を整えて不調を緩和し、心地よく過ごせるように役立ててみてくださいね。©Atipati Netiniyom / EyeEm /Getty Images文・小泉咲子、新田草子 再編集・Nana — 2022.06.21
2022年07月04日閉経前後5年間の更年期は体調を崩しがちですが、少しでも快適に過ごす方法はないのでしょうか。レディースクリニックで受けられる女性ホルモン対策、低用量ピルとホルモン補充療法について、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。★関連記事:「知っておきたい!」女性ホルモン検査で何がわかる?閉経の時期はわかるの?【医師が回答】低用量ピルは初回の場合40歳以降には処方されない低用量ピルとは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが含まれる薬で、●生理痛の緩和●経血量の減少●生理前の不調(PMS・PMDD)の改善●貧血の改善などの効果があります。卵巣機能の働きを抑える効果があるため、生理の緩和のほか避妊薬として活用する人もいます。低用量ピルは初めて使う場合、40歳を過ぎている女性には、基本的には処方ができません。血栓症などのリスクが高まるためです。そのため、40歳以降で更年期症状を緩和したいという場合はホルモン補充療法や漢方薬が適しています。どんな状態ならホルモン補充療法を受けられる?ホルモン補充療法は、●ホットフラッシュ●頭痛●動悸●冷え●腰痛●うつ気分●不眠症状●皮膚のかさつき、くすみなどの症状に効果があります。補充するホルモンは人によって異なりますが、エストロゲンとプロゲステロン両方が含まれたものが主流です。「どれも私に当てはまる!」「今スグしてほしい!」という方もいますが、毎月生理が来ている場合、基本的にホルモン補充療法はおこないません。毎月生理が来ているということは、女性ホルモンが出ているということ。多少、量が減ってバランスを崩しているかもしれませんが補充するほどではないという判断になります。というのも、ホルモン補充療法は不正出血のほか、子宮体がんや乳がんの発症リスクを抑えながら慎重におこなう必要があるためです。子宮体がん、乳がんを経験している方や血液をサラサラにする薬を内服している人には原則禁止となります。また、家族や親族に体がん、乳がんを経験した方がいる場合は禁忌、または慎重投与となります。ホルモン補充療法を始めるには、●生理が不定期であること●卵巣機能の低下が検査で認められること●更年期症状が強いことといった条件が必要です。更年期の症状があれば健康保険が適用されます。薬は内服薬、貼り薬、塗り薬、腟剤と種類があり、種類と量によって違いますが、薬代は月に2,000~3,000円ほどになります。ホルモン補充療法を始めるにはどうすればいい?更年期症状をメインに診察しているクリニックに相談してみると良いでしょう。ホームページなどで、ホルモン補充療法の良い面、リスク面もしっかりと説明しているか、チェックしてみてください。また、ホルモン補充療法は子宮体がんと乳がんの検査を定期的に受けながらおこなうのが望ましいので、がん検査のフォローが手厚いところが良いですね。また、ホルモン補充療法は何歳からどのような症状で治療を始めたかで投与できる期間が変わってくるので、私のクリニックでは1~2年ほど様子を見て基本的には量を減らしていきます。肌や髪が若々しくなるなどの美容効果もあるため、閉経後5年たってもやめたがらない人が多いのですが、年齢を重ねれば重ねるほど他の病気の治療、発症の可能性も考慮しないといけません。ホルモン補充療法を始めるなら、必要以上に依存しない、という自立した姿勢が求められると思います。その点、漢方薬はそういったリスクはありません。漢方薬も1つの選択肢に入れると良いでしょう。まとめいかがでしたか? 「毎月生理は来ているけれどなんとなく不調があるという人には、ホルモン補充療法は向かない」という先生のお話にびっくりしました。自分の体調、症状を見ながら、一番適した方法で閉経前後の時期を乗り切りたいものです。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2022年06月21日この先も続く長い人生を、誰もがいつまでも元気に若々しく過ごしたいと願っています。老化に負けずに健康な体と心を保つにはどうすれば良いのでしょうか。近著の『「一生老けない」にいいこと超大全』が話題となっている、テレビ番組などでもおなじみの白澤卓二先生に老化のメカニズムについてうかがいました。教えてくれたのは…白澤卓二先生(お茶の水健康長寿クリニック院長)1958年神奈川県生まれ。医学博士。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝子学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。『100歳までボケない101の方法』、『老いに克つ百寿の生き方』など著書は200冊以上。テレビ番組にも多数出演し、わかりやすい医学解説が好評を博している。加齢による代謝の低下で老化が進む――白髪や薄毛といった目に見える部分のものから、関節痛や動悸といった体の内部のことまで、年齢とともにさまざまな変化が生じます。こうした老化現象はなぜ起こるのでしょうか?白澤先生老化現象の主な原因として考えられるのが代謝の低下です。代謝とは体内でおこなわれる化学反応のことで、例えば食事で摂取した栄養素を消化・吸収する、その栄養素をもとに体を動かすためのエネルギーを産生して消費する、血液、筋肉、ホルモンを作るといった作用が挙げられます。代謝のうち、体温を保つ、内臓や心臓を動かす、呼吸をするなど、生命を維持するために必要な最低限のエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝は、男性は約18歳、女性は約15歳がピークで年齢とともに低下するため、加齢によって老化が進行してしまうんです。――基礎代謝量が落ちると、体の中ではどのような変化が生じて老けてしまうのでしょうか?白澤先生基礎代謝量が減って熱の産生や消費能力が衰えると血流が滞ってしまいます。栄養や酸素などは血液によって全身に運ばれるので、血流の流れが悪くなると体のすみずみまで届かなくなってしまいます。その結果、細胞の機能低下を招き、体の衰えとなって表れてくるんです。更年期症状の原因は卵巣刺激ホルモンの過剰分泌――女性は40代半ばごろから更年期の症状に悩まされる人も多いのですが、これも老化の一つなのでしょうか?白澤先生卵巣から分泌されるエストロゲンというホルモンの量が減少すると、「もっとエストロゲンを出しなさい」という指令が脳下垂体から発せられ、FSHという卵巣刺激ホルモンが分泌されます。更年期の症状は、この卵巣刺激ホルモンが増えることによって生じます。加齢によってエストロゲンの量が減ると脳下垂体から卵巣刺激ホルモンがたくさん分泌されるため、ホットフラッシュやイライラといった更年期症状が表れるんですね。また、うつも更年期症状の一つに挙げられます。――更年期にうつ症状で悩んでいる女性は少なくないと聞きます。白澤先生実は、医学で使われる生理学の教科書には、エストロゲンや男性ホルモンのアンドロゲンは外から供給されるものだと書かれているんです。しかし、私が携わっている共同研究では、エストロゲンもアンドロゲンも、起床後の15分以内に自らの脳内で作られていることがわかっています。――女性の体内ではエストロゲンだけではなく、男性ホルモンのアンドロゲンも作られるのでしょうか?白澤先生そうです。女性の体内でもアンドロゲンが産生されます。アンドロゲンはステロイド・ホルモンで、やる気や好奇心といった精神的な部分にも深く関わっていることがわかっています。アンドロゲンの分泌量が少ないと、朝から気分が重くやる気が起きなくなります。これはうつの症状に当てはまります。うつの状態が長期間続くと前頭葉が萎縮してしまい、意欲や注意力の低下、思考力が鈍くなるといった症状が表れることもあるんです。更年期のうつ症状を改善する方法――エストロゲンとアンドロゲンの低下によるうつ症状を改善するにはどのような方法があるのでしょうか?白澤先生エストロゲンとアンドロゲンの合剤である「プリモジアン」というホルモン剤があります。ホルモン補充療法については賛否両論がありますが、私のクリニックにいらっしゃる患者さんの中で明らかにうつ症状が出ている方場合、血液検査でFSHの数値が高く、かつ乳がんの既往歴などのリスクがない患者さんには100%、プリモジアンの注射を打ちます。そうすると、それまでの症状がうそのように元気になるんですね。――ウーマンカレンダー世代で更年期のうつ症状に悩んでいる場合は、どのような病院を受診すれば良いのでしょうか?白澤先生一般的には婦人科です。更年期の期間は10年近くありますし、つらい症状は我慢して乗り切れるというものでもありませんから。私はうつ症状をはじめ、つらい症状がある場合は婦人科を受診してなんらかの治療を受けることが望ましいと考えます。<著書>『「一生老けない」にいいこと超大全』白澤卓二/監修宝島社1000円+税取材・文/熊谷あづさ(50歳)ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。著者/白澤 卓二先生1958年神奈川県生まれ。お茶の水健康長寿クリニック院長。医学博士。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝子学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。『100歳までボケない101の方法』、『老いに克つ百寿の生き方』など著書は200冊以上。テレビ番組にも多数出演し、わかりやすい医学解説が好評を博している。
2022年04月29日コレステロールと聞くと、メタボ、肥満、動脈硬化といったネガティブなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。アンチエイジング専門医の黒田愛美先生によれば、コレステロールは美と健康に欠かせない成分であり、少ないことで問題も起きると言います。具体的にどういうことなのか聞いてみました。コレステロールは多くても少なくても問題コレステロール値が高いといろいろな病気の原因になるらしい……ことは多くの人が知っていますが、低いことも問題だそうです。「コレステロールは女性ホルモンのエストロゲンを含むホルモン、細胞膜、コエンザイムQ10、ビタミンDなど、女性の美容に必要な成分を作る原料です。コレステロールは多いことばかりが問題視されますが、総コレステロールが不足すると虚血性心疾患、脳内出血、精神障害の誘因となることもわかっています。コレステロールは美容と健康に必要な成分であることを知った上で、必要以上に増えた分を減らす意識を持つことが大切です」(黒田先生)。コレステロールは「使えていない」ことが問題コレステロール値が増えると、食生活の乱れや運動不足ばかりが指摘されますが、「体の変化」の影響が大きいと言います。「コレステロールは、体に必要な成分を合成するときに使い切れば増えることはありません。コレステロール値が高いということは、原料として使われていなくて余っているということです。余った分は悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールとなり、過剰に血液中にあることでさまざまな病気の原因になってしまいます。コレステロールを使えていない原因にはさまざまなものがありますが、更年期女性の場合は女性ホルモンのエストロゲンの分泌が少なくなることも一因です。健康診断や検査でコレステロール値が上がっていたら、体がコレステロールを使えていない可能性があることに気付いてほしいですね」(黒田先生)。次の章では、コレステロールを消費するために必要なことをお伝えします。「筋トレ+有酸素運動」で中性脂肪を消費それでは、コレステロールを余らせないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。「コレステロールを消費するには、中性脂肪を減らすことが大切です。そのためには、大きな筋肉を鍛えて、代謝を上げる必要があります。大きな筋肉とは、大腿四頭筋や大殿筋といった太ももやおしり周りの筋肉です。いろいろな運動で鍛えられますが、わかりやすいのはスクワットでしょう。さらに、それに有酸素運動をプラスすることで脂肪燃焼効果を高めることができます。スクワットを10回×3セット以上をしたあと、有酸素運動を30分以上おこなえるとベストです。普段運動をしていない人はできる範囲で始めて、少しずつペースを上げると良いでしょう」(黒田先生)。まとめエストロゲン分泌が減る更年期こそ、筋トレが必要であるということです。黒田先生によれば、運動は毎日おこなわなくても良く、週に2~3回でも効果があるということ。スクワット+ウォーキングは一例です。自分が楽しめる運動を組み合わせてはいかがでしょうか。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。★関連記事:「もう少し早く知っておけばと後悔ばかり…」更年期とLDLコレステロールの関係【体験談】★関連記事:1年で悪玉コレステロール値が改善!飲み続けてよかったもの【体験談】★関連記事:体が芯から温まる!冷え性対策・免疫力アップ・腸内環境・疲労回復に良い「鍋レシピ」4選【ビタミン外来医師監修】著者/監修/黒田愛美先生美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。Zetith Beauty Clinic副院長。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著書に『アスリート医師が教える最強のアンチエイジング』(文藝春秋)。
2022年01月18日私は、更年期とLDLコレステロールが関係あることを知りませんでした。もう少し早く知っていたら、何か対策があったのにと後悔するばかりです。今回は、更年期が終わったあとに起こった私の体の変化について書きたいと思います。LDLコレステロール? 何のこと?更年期もあまり気にならなくなった50歳を過ぎたころ、会社の健康診断の結果が届きました。結果を見るとLDLコレステロール値が基準値120mg/dlに対して約220mg/dlもあり、「要再検査」と書いてありました。え? 何のこと? 今までコレステロールで引っかかったことはないし、自分には関係のないことと勝手に思っていました。何かの間違いと思い、あまり気にしませんでした。その後、健康診断の結果をよく見ると、以前と比べて体重が増えているし血圧も高くなっています。若いころはいくら食べても太らなかったし体重が増えてもすぐ戻ったのに、最近は増えても戻らなくなり、「代謝が悪くなっている!」 と感じました。血圧も以前は低め安定だったのが、高血圧とまではいきませんがジワジワと高くなっています。このころ私は毎日残業で帰りが遅く、夕飯を作る気力もなくコンビニ弁当やスーパーのお総菜を食べていました。食事内容も野菜が少なくてお肉が多かったと思います。夫は私の仕事に理解があり、残業のときの晩ごはんは各自というのがわが家のルールでした。でも、そんな生活を続けて体に良い訳がありません。更年期とLDLコレステロールの関係医師からはLDLコレステロールの説明しか受けませんでしたが、もしかしてこれも更年期と関係あるのでは?と思った私は、更年期とLDLコレステロールの関係をネットで調べてみました。すると脂質代謝が閉経後に大きく変化することや、LDLコレステロールは女性が50歳を超えると急速に上昇するとありました。ほかにも脂肪燃焼の働きがある女性ホルモンのエストロゲンが減少することで脂肪が燃焼しにくい体になること、エストロゲンが減少すると皮下脂肪だけでなく内臓脂肪もつきやすくなることなどの情報もありました。さらに狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化に伴う疾患と関係があるのがLDLコレステロールのようでした。一番ショックだったのは、これは健康診断後に受診した病院の医師から説明を受けたときに言われたのですが「LDLコレステロールは夜作られる傾向があるので、夜の食事は遅くても夜8時までにとったほうが良い」ということでした。知らなかったとはいえ、私が残業したあと、夜遅くなってから食事をしていたことはLDLコレステロールを作っていたことになります。これじゃあ、健康診断の結果も悪くて当然です。更年期症状がなくなって思うこと結局、会社勤めの間は栄養バランスの良い食事をとることに気を付けることぐらいしかできませんでした。その後、夫の希望で私の生まれ故郷で暮らすことになり、55歳で会社を辞めました。現在、私は岩手で夫と猫2匹とのんびり暮らしています。規則正しい生活をして、健康のために近所のスポーツ財団が主催するノルディックウォーキングとコンディショニングの教室に通って、時々散歩もしています。市の健康診断でもやはりLDLコレステロール値が同じように高かったので、病院に行くと、まずは食事指導を受けてという指示でした。食事指導では毎食野菜をとることと、毎日少しずつでも散歩などの運動をするようにと言われ、1カ月様子を見ることになりました。そして、1カ月後のLDLコレステロール値が200mg/dlとまだ高かったため、最終的にLDLコレステロール値を下げる薬を飲むことになりました。今は薬を飲んでいるので基準値まで下がりましたが、いつか薬を飲まなくてもLDLコレステロール値が基準値になるようにするのが今の目標です。まとめいつの間にか私の更年期の症状はなくなりましたが、更年期についてもう少し詳しく調べておけばよかったなというのが今の気持ちです。あまり症状がひどくなかったので病院に行くこともなく、普通に過ごせたのはよかったのですが、その分、更年期を甘く見ていました。そして、更年期が終わればまた元に戻るような気さえしていました。更年期が女性の体に及ぼす影響の大きさや、更年期とLDLコレステロールが関係しているということをもっと早く知っていれば、その時点で何か対処法があったのでは?と思うと後悔ばかりですが、まだまだこれからです。これからは自分の体と向き合って、無理せずうまくLDLコレステロールと付き合っていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)★関連記事:「健康に自信があった私が記憶障害!?」更年期の不調を甘く見てはいけなかった!【体験談】★関連記事:「不安が押し寄せてきて止まらない!」これも更年期の症状なの!?【体験談】★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む著者/akebeko1(58歳)神奈川から生まれ育った岩手に引っ越して、現在は夫と猫2匹と楽しく田舎暮らしをしている。
2021年11月14日更年期になると肩凝りや疲れ、めまい、イライラやのぼせなど心身ともにいろいろなところが調子が悪い……という人も。老化といえばそれまでですが、原因は老化だけでなく、女性ホルモンが大きく関係しているそうです。更年期における女性ホルモンの変化と影響について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。女性の体を守り続ける女性ホルモン駒形先生によれば、女性ホルモンは妊娠・出産・育児と体への負担が大きい仕事から女性の体を守るホルモンだと言います。「女性ホルモンに守られているのは、子宮や卵巣、乳房など妊娠・出産に関わる臓器だけではなく、脳や心臓、血管、骨、皮膚など、あらゆる臓器が女性ホルモンに守られています。女性ホルモンが十分に分泌されている間は、男性よりも心臓発作や脳卒中を起こす危険が少ないのはこのためです。女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの種類があります。このエストロゲンとプロゲステロンが生涯ずっと順調に分泌されれば、更年期症状が起こる心配もないのですが、だいたい40歳前後になると、この2つの女性ホルモンの分泌が徐々に減少します。まずプロゲステロンの分泌が悪くなり、次にエストロゲンが減少します。更年期の症状には、エストロゲンの減少が深く影響しています」(駒形先生)。エストロゲンが減ることで起こる症状は数百!エストロゲンが減るというと、まず髪や肌など美容面への影響を心配する人も多いでしょう。しかし、その影響は美容面だけでなく全身に及ぶと駒形先生は言います。「エストロゲンは生殖機能以外にも脳・中枢神経機能、循環器(心臓血管系)、脂質代謝(コレステロールや中性脂肪)、乳房、皮膚、骨代謝など女性の体のさまざまな機能を調整する作用を持っています。 エストロゲンが欠乏するとこれらの作用がなくなり機能に変調が起こるため、さまざまな症状・障害や病気が発症することがあります。更年期に現れる症状は非常に多様で、数百種類以上あるとも言われます」(駒形先生)。【エストロゲンが欠乏することで起こる主な症状】★物忘れ★うつ★薄毛、抜け毛★皮膚の委縮、色素沈着★心・血管疾患のリスク増加★コレステロール・中性脂肪の増加★乳房の委縮★骨量の減少★性器の委縮★排尿障害(尿漏れ、頻尿)★筋力低下による肩凝り、腰痛など整形外科症状★血管の収縮や拡張をコントロールする自律神経の乱れによる不調(ホットフラッシュなど多数)気になる体調不良があるならまず受診女性ホルモンの分泌が少なくなることによる更年期症状は全身に及びますが、人によって症状が違うのはどうしてなのでしょうか。「影響は全身に及んでいても、自分が一番気になるところが更年期症状として感じられるのです。そして、大切なのは気になる不調があったらまずは病気を疑って受診すること。更年期症状と自己判断と決めつけているうちに、病気が進行してしまうこともあります。まずは病気を否定してから、更年期症状を疑うようにしましょう」(駒形先生)。まとめいかがでしたか? いかに女性ホルモンが私たちの体を守ってくれていたか、失ってみてわかりましたね。これからは女性ホルモンに頼らず、自分で自分の体をしっかり守る必要がありそうです!取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事★関連記事:どうしてこんなにイライラする?原因は更年期だけではなかった【医師監修】★関連記事:更年期の運動不足はマジやばい!不調の原因は筋力低下だった【医師監修】著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年09月17日何かスポーツの趣味はありますか? 運動は好きですか? 当の私はインドア派運動不足でじっとしているのが大好きです。しかし、50歳を目前にしてさまざまな体調不良や体型の崩れなどに見舞われる中、たぷたぷと締まりのない体を見るにつれ「これって運動不足が原因?」という思いに至りました。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に、更年期における運動不足の弊害と、筋力不足により引き起こされるさまざまな体のトラブルについて聞いてみました。更年期の急激な筋力不足=運動不足が大前提更年期に入ると筋力が低下しやすくなりますが、みんながみんな急激に筋力が低下するわけではないと駒形先生は言います。「女性ホルモンのエストロゲンには筋肉の再生機能もあるのですが、エストロゲンが減ることで筋肉の再生が鈍く、遅くなります。 例えば、今までと同じ生活をしていて筋力が“1”衰えていたのが、更年期になると“5”衰えるイメージ ですね。しかし、筋力低下の根本原因は筋肉を使わないこと、つまり運動不足にあります。 20代、30代のころから継続的に運動している人は、更年期になって急に筋力が落ちるということは少ないですが、危険なのは、運動習慣がない人。それまで筋力アップを心がけた生活をしていない人は更年期に入ると急激に筋力が低下してしまいます。つまり、これまでと同じ生活をしていればどんどん筋力は低下していく一方になります」(駒形先生)。筋力不足は疲れ、肥満、肩凝りの原因に筋力不足というと、歩くのがおっくう、階段を上ると息があがるなどのイメージがありますが、それだけではないそうです。筋力不足が引き起こす症状について駒形先生に教えていただきました。疲れや不眠、落ち込み「更年期になると子宮の機能が落ちることで下半身への血流が滞りがちになります。それに加えて下半身の筋力がもともとないと、上半身に血流が集中してしまいます。頭に血が上ってしまうと頭が休まらず、疲れが取れない、眠れないといった症状を引き起こすことがあります。疲れや不安が取れないと、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンも脳から分泌されず、常にストレスを抱えた状態に陥ることもあります」(駒形先生)。肥満やむくみ「筋肉は体を動かし、安定させる働きだけでなく、熱をつくり、代謝を上げるという大事な役割もあります。 筋肉が多いと、熱の発生量(いわゆる基礎代謝)が増えるため、代謝が上がって肥満予防につながります。 逆に言うと、冷えているところは筋肉が活動していないため脂肪がつきやすいのです。また、脚のむくみは下半身の筋肉が衰えてリンパの流れが滞り、老廃物が下半身にたまりやすくなっているため起こります」(駒形先生)。肩凝り・腰痛「骨を支えているのは筋肉です。肩や首、腰の筋肉が衰えて支えることができなくなってくると負担が増えて、痛みにつながっていきます。痛みが気になって運動をしないでいると、さらに筋肉が落ちていき、痛みが悪化することになってしまいます」(駒形先生)とにかく筋肉を動かして!運動不足は万病のもと……と言いたくなるような状況です。これはすぐに運動しないと、と焦りますが、気負う必要はないと駒形先生は言います。「運動不足を解消しようと張り切って、急に激しい運動をおこなうと筋肉痛になって動けなくなってしまいます。まずは使っていない筋肉を動かすことを意識してみてほしいですね。特に、更年期に衰えやすい下半身はしっかり動かしてほしいですね。下半身の筋力をアップすることで血流の配分バランスが整えられ、頭がスッキリする効果があります。肩凝りや腰痛がある人は、痛みがないときに無理のない範囲で動かす意識をしてみてください」(駒形先生)。駒形先生おすすめのエクササイズは、“プランク”。うつ伏せになった状態で前腕と肘、そしてつま先を地面につき、その姿勢をキープするシンプルなエクササイズです。1. 両肘を床につけ、うつ伏せになる2. 腰を浮かせ、背筋を真っすぐに伸ばす3. 頭、背中、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする1日1回30秒くらいからスタートして、少しずつ増やすと体幹や下半身を鍛える効果があるそうです。姿勢はイラストを参考にしてみてください!まとめおすすめのエクササイズを紹介しましたが、まずは筋肉を動かすことから始めると良いそうです。そして、毎日続けること。運動が嫌いなんて言ってられません。毎日こつこつ、筋肉を動かしてあげましょう!取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事★ウーマンカレンダー体型のお悩み記事★関連記事:「突然、体に力が入らないように」内科を受診して生活を見直し【体験談】著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年09月07日閉経前後5年間の更年期は体調を崩しがちですが、少しでも快適に過ごす方法はないのでしょうか。レディースクリニックで受けられる女性ホルモン対策、低用量ピルとホルモン補充療法について、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。低用量ピルは初回の場合40歳以降には処方されない低用量ピルとは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが含まれる薬で、●生理痛の緩和●経血量の減少●生理前の不調(PMS・PMDD)の改善●貧血の改善などの効果があります。卵巣機能の働きを抑える効果があるため、生理の緩和のほか避妊薬として活用する人もいます。低用量ピルは初めて使う場合、40歳を過ぎている女性には、基本的には処方ができません。血栓症などのリスクが高まるためです。そのため、40歳以降で更年期症状を緩和したいという場合はホルモン補充療法や漢方薬が適しています。どんな状態ならホルモン補充療法を受けられる?ホルモン補充療法は、●ホットフラッシュ●頭痛●動悸●冷え●腰痛●うつ気分●不眠症状●皮膚のかさつき、くすみなどの症状に効果があります。補充するホルモンは人によって異なりますが、エストロゲンとプロゲステロン両方が含まれたものが主流です。「どれも私に当てはまる!」「今スグしてほしい!」という方もいますが、毎月生理が来ている場合、基本的にホルモン補充療法はおこないません。毎月生理が来ているということは、女性ホルモンが出ているということ。多少、量が減ってバランスを崩しているかもしれませんが補充するほどではないという判断になります。というのも、ホルモン補充療法は不正出血のほか、子宮体がんや乳がんの発症リスクを抑えながら慎重におこなう必要があるためです。子宮体がん、乳がんを経験している方や血液をサラサラにする薬を内服している人には原則禁止となります。また、家族や親族に体がん、乳がんを経験した方がいる場合は禁忌、または慎重投与となります。ホルモン補充療法を始めるには、●生理が不定期であること●卵巣機能の低下が検査で認められること●更年期症状が強いことといった条件が必要です。更年期の症状があれば健康保険が適用されます。薬は内服薬、貼り薬、塗り薬、腟剤と種類があり、種類と量によって違いますが、薬代は月に2,000~3,000円ほどになります。ホルモン補充療法を始めるにはどうすればいい?更年期症状をメインに診察しているクリニックに相談してみると良いでしょう。ホームページなどで、ホルモン補充療法の良い面、リスク面もしっかりと説明しているか、チェックしてみてください。また、ホルモン補充療法は子宮体がんと乳がんの検査を定期的に受けながらおこなうのが望ましいので、がん検査のフォローが手厚いところが良いですね。また、ホルモン補充療法は何歳からどのような症状で治療を始めたかで投与できる期間が変わってくるので、私のクリニックでは1~2年ほど様子を見て基本的には量を減らしていきます。肌や髪が若々しくなるなどの美容効果もあるため、閉経後5年たってもやめたがらない人が多いのですが、年齢を重ねれば重ねるほど他の病気の治療、発症の可能性も考慮しないといけません。ホルモン補充療法を始めるなら、必要以上に依存しない、という自立した姿勢が求められると思います。その点、漢方薬はそういったリスクはありません。漢方薬も1つの選択肢に入れると良いでしょう。まとめいかがでしたか? 「毎月生理は来ているけれどなんとなく不調があるという人には、ホルモン補充療法は向かない」という先生のお話にびっくりしました。自分の体調、症状を見ながら、一番適した方法で閉経前後の時期を乗り切りたいものです。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月28日更年期に現れる全身症状として体が冷えることもあります。もともと女性に多い冷えですが、更年期になるとさらに症状がひどくなることがあるようです。さらに心配なのは、冷えにはさまざまな病気が隠れていることも。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に受診の目安や治療、セルフケア法を聞いてみました。体の「冷え」はなぜ更年期に悪化する?更年期による体の冷えの原因は、卵巣ホルモン(エストロゲン)の急激な分泌低下によって自律神経が乱れ血行不良を招くことです。そのほかにも血液がドロドロ、動脈硬化、糖尿病などによるもの、摂取カロリー不足、運動不足、ストレス、心臓が弱っていることが原因として挙げられます。症状としては、夏でも手足は冷たいまま、カーッとのぼせてもエアコンはつらい、お風呂で湯船につかっても体がなかなか温まらない、厚手の靴下をはいても足が冷たくてなかなか眠れないなどがあります。体の「冷え」がつらいとき、受診は必要?以前よりも体が冷えてなかなか眠れない、体が冷えて体を動かすのもしんどい、家事ができないなど日常生活に支障が出るようなら婦人科への受診を考えましょう。更年期の時期はさまざまな症状が現れるので、どれも更年期が原因と考えがちですが、ほかの病気だったというケースもあります。更年期の症状から来るものかを確認することも大切です。婦人科では生活改善指導と漢方治療から婦人科では、生活改善の指導に加え、エストロゲンを体に補充するホルモン補充療法(HRT)も検討されますが、まずは生活改善の指導と漢方治療を試みることが多いです。東洋医学的に冷えとは瘀血(おけつ/血の流れが悪い・ドロドロ)血虚(けっきょ/貧血・血の質と量が足りない)水毒(水分の巡りが悪い)陽気不足(エネルギー不足で元気がない、ストレス過多)などが原因で、気逆(頭はのぼせ、手足が冷える状態)になるといわれます。漢方症例としては「温経湯(うんけいとう)」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などが処方されます。生活習慣病が疑われたら内科を受診健康診断でコレステロール、血糖値が高かった場合、高脂血症、糖尿病、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病が疑われますので、内科を受診しましょう。まず検査をしてそれらが原因であるのなら、それを治療することで冷えも改善していく可能性があります。冷え改善にはセルフケアも有効冷えは普段からのセルフケアでもかなり改善できるといわれています。基本は血液をサラサラにし、体を温めるような食事を心がけ、運動を定期的におこなうことです。おすすめの食材は根菜類、しょうが、唐辛子、にんにく、ねぎ、味噌、梅干し、酢など。毎日の食事で意識して摂るようにしましょう。また、筋肉量アップのための魚や肉、豆類などのたんぱく質もしっかり摂るように。運動は無理なく毎日続けられるものならなんでも大丈夫。ウォーキングなどがおすすめです。あえて運動の時間が取れないようなら通勤や買い物のときに、少し長めに歩くなどの工夫を。服装は首、手首、足首やおなかや腰などを冷やさないものを身に着けます。血管を収縮させ、血圧上昇につながり心臓に負担をかけるたばこはやめましょう。放っておくとさまざまな不調を引き起こすことも冷えを放っておくと肩凝り、腰痛、胃腸の不調や不眠、生活習慣病などさまざまな体の不調を引き起こすことがあります。通常、体は37度ぐらいの体温で免疫力や代謝機能が一番力を発揮することができます。体が冷えるとその力が落ちてしまうため、不調が出やすくなってしまうのです。冷えを感じたら、まずはセルフケアを実践し、改善が見られないようなら婦人科や内科を受診し、原因を確認し治療を受けましょう。まとめ更年期はさまざまな症状が出るため、受診するタイミングに悩むこともあると思います。まずは自分の症状を把握し、生活習慣なども見直して、それでも改善せず支障が出るようなら我慢せずに受診しましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年12月02日更年期症状の1つといわれている首や肩の凝り。ただ、女性ホルモン(エストロゲン)減少だけが原因ではない可能性もありますし、凝りがひどくなると頭痛を引き起こすこともあります。そこでセルフケア法を含め、改善策を産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。更年期の首や肩の凝りの主な原因と症状更年期はエストロゲンの分泌量が低下することで自律神経が乱れ、血液循環が悪くなります。そのため筋肉に酸素や栄養が行き届かず、老廃物や疲労物質の回収などもスムーズにいかず首や肩に凝りが出るといわれています。ただ、それだけではなく加齢による筋肉の衰えも原因の1つです。首や肩の凝りを放っておくと、悪化して頭痛などにつながることもあります。症状緩和のためにまずセルフケア肩や首の後ろがかたくなり頭痛などが起こっているようなら薬物療法が必要になることがありますが、まずはセルフケアや鍼灸、マッサージなどを試してみましょう。首や肩の凝りを緩和するためには血行を良くして筋肉をほぐすことが大切で、手軽に始められるのは毎日のストレッチです。そのほかにも寝具のフィット感を確認したり、運動の習慣をつけることもおすすめです。首・肩甲骨をほぐすストレッチが効果的セルフケアとして、首や肩甲骨をほぐすストレッチが効果的です。以下のものを試してみてください。*肩のストレッチ…肩の高さに腕を横に上げ、片方は手のひらを上に、反対は下に向け、ぞうきんを絞るような要領で両方の手のひらが逆向きになるようにねじります。ゆっくり10回繰り返して。*首のストレッチ…肩の力を抜いて首を回します。同じ姿勢を続けたときなど、右回り、左回りに2~3回ずつ回してみましょう。また、鍼灸やマッサージ、整体やアロマトリートメントなども効果があります。自分が試してみたい、気持ちが良いと感じるものを受けてみましょう。医療機関受診の目安は?セルフケアをおこなっても改善しない、頭痛で毎日の生活に支障を来すような場合には、整形外科や内科、婦人科を受診してみましょう。整形外科では鎮痛剤、筋弛緩剤のほか、赤外線、ホットパックなどの温熱療法、脊椎を伸ばす牽引法などで治療していきます。婦人科や内科では首や肩の凝りの症状に合わせた漢方薬が処方されます。葛根湯は風邪薬のイメージがあると思いますが、肩凝りにも効くとされます。また、肩凝り・頭痛は漢方学的に瘀血・水毒の所見とされ桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)も効果的です。さらに凝りがひどい場合は、麻酔科(ペインクリニック)での治療もあります。痛みを起こす部分(トリガーポイント)に神経ブロック注射をおこない痛みをなくします。ブロック注射は局所麻酔と同様なので、本当に激しい症状のときにおこなう治療法です。起こりやすい病気と注意したいことこの時期に肩凝りと勘違いしやすい症状に、五十肩(肩関節周囲炎)があります。棚の上の物を取ろうとして手を上げたときなどに痛みが出るもので、肩の関節が炎症を起こしている状態です。この場合はもんだりしないで、整形外科を受診して安静にしながら消炎鎮痛剤で痛みを抑えます。その後、再発しないようリハビリ指導などを受け経過を見ます。放っておくと、関節が固まってしまうこともありますので注意しましょう。まとめ首や肩の凝りは更年期でなくても、ずっと抱えてきた人もいるでしょう。ただこの時期は、ホルモンバランスの乱れからさらにひどくなりがちです。以前より意識しながらセルフケアや代替医療などを取り入れると良いようです。放っておいても良いことは1つもありません。ぜひすぐにできることから試してみましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月30日更年期症状といえば、まずよく聞く症状はのぼせ、ほてり、発汗ではないでしょうか。これは女性ホルモン(エストロゲン)欠乏で起こる代表的な症状です。ただ、どの程度の症状で受診を考えるのかは悩ましいところですね。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。のぼせ、ほてり、発汗の主な原因は?閉経前後の更年期に入ると、卵巣機能の低下、つまりエストロゲンの分泌が低下します。脳は一生懸命に刺激を出すのですが、卵巣からのエストロゲンの分泌量には波があり、うまく調整されません。いわゆる“ゆらぎ期”という、ホルモンバランスが乱れた状態になります。のぼせ、ほてり、発汗はエストロゲン減少により、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで起こります。更年期の女性の6割程度が経験するといわれ、そのうち日常生活に支障を来すほど重症になるのは1割程度といわれています。医療機関への受診の目安は?症状としては突然2~4分間持続する熱感と発汗を自覚し、脈拍も早くなります。ほてりや発汗は顔をはじめ、頭部、首から胸に広がります。また、突然体がカッーと熱くなったり、急に顔が紅潮したり、涼しいのに汗が止まらないなどの症状なども見られます。はじめは戸惑う症状ですが、許容できる範囲内なら様子を見ても構いません。ただ、それらの症状が日常生活に支障を来すようなら気軽に婦人科で相談をしましょう。不快さやつらさは本人の感覚ですし、仕事や環境によっても感じ方は変わります。我慢せずに自分の気持ちを最優先して受診を決めましょう。婦人科以外の受診をすすめられるケースものぼせ、ほてり、発汗といえば更年期症状の代表ともいうべき症状ですが、甲状腺疾患のサインであることもあります。甲状腺機能異常は更年期世代の女性に多い疾患です。甲状腺の機能が亢進するとバセドウ病、低下すると橋本病といわれます。どちらも疲れやすい、だるいといった症状になりますが、バセドウ病は特に熱感、発汗を伴います。通常、婦人科では女性ホルモンの採血ともに甲状腺ホルモンの検査もおこないます。もし異常があれば内科の受診がすすめられます。診断・治療の流れとセルフケアは?治療法は、ホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方薬や安定剤などさまざまです。医師はそれぞれの症状に合わせて治療をおこないます。HRTはエストロゲンを体に補充する治療法で、内服薬・貼り薬・ジェル状の塗り薬があります。更年期症状のなかでも、のぼせ、ほてり、発汗といった症状には特に有効です。開始してから2週間ほどで効果が出始めます。5年以上使用する場合は乳がんのリスクが上がるといわれているため、通常2~5年くらい使用しますが、5年で必ずやめなければならないということではありません。そのリスクと治療効果を考慮しながら検討します。いきなりやめるとまた症状が出てしまうこともあるので、生活環境を整えたり、セルフケアなども取り入れながら、だんだんと減量し、ゆっくりやめる方向へ持っていきます。また、症状によっては漢方療法も有効です。代表的な漢方は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などがあります。漢方は2週間から1カ月使用して効果を確認し、ラクになった感じがなければ処方内容を変更して、本人に合った漢方薬を見つけていきます。セルフケアの1つとして、自立訓練法があります。薬物治療ほどの効果は期待できませんが、これをおこなうことで自己コントロール力が身につき、症状緩和につながることもあります。【自立訓練法】●静かに落ち着ける場所で椅子に座るか、あお向けで横になり目を閉じます。下の7項目を唱えながら、その状態になるように気持ちを向けます。①気持ちがとても落ち着いている。②手足が重い。③手足が温かい。④心臓が静かに打っている。⑤呼吸がラクになっている。⑥おなかが温かい。⑦額が涼しい。●終了のための消去動作をおこないます。①手足が軽い。②手足の温かさが引いてくる。③おなかの温かさが引いてくる。④額の涼しさが引いてくる。⑤気持ちがとても落ち着いている。●1回5分以内で、1日2~3回おこないます。起こりやすい病気と注意したいことホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるのではと、不安に思われる方も多いと思います。しかし、ホルモン補充療法による発がんリスクは、肥満や飲酒による発がんリスクと同程度か、それより低いことが最近の研究で明らかになっています。ホルモン補充療法は、ほてりや多汗、めまいやイライラなどに対し有効な治療法であることは間違いありません。過度に恐れる必要はありませんが、治療の際には必ず乳がん検診を受けましょう。まとめのぼせ、ほてり、発汗がひどいと、ずっと不快感を抱えて生活しなくてはならず、人前に出るような仕事や機会が多い場合はかなり気になりますよね。この程度で受診してもいいの?と考えてしまうかもしれませんが、我慢せずに受診して快適な生活を手に入れるほうが精神的にもラクになれます。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月29日若いころは、コスパ重視のシャンプーでもツヤツヤ、サラサラだったのに、最近髪質がすっかり変わってしまいました。何をしてもパサついている髪にすっかり自信をなくし、試しに結んでみてもトップにボリュームは出ないし、頬肉が落ちて年々長くなる顔が強調されてどうにも似合いません。ここ数年髪型で満足したことがない、髪型迷子。そんな更年期の私の切実な悩みに向き合ってみました。どんな髪型もしっくりこない髪型迷子私は、ここ数年ずっと髪型や髪質について悩んでいます。更年期を自覚したあたりから髪質がだんだんと変わってしまい、オイルや流さないトリートメントを付けてもパサつきが直らずツヤもないので、思い切ってロングからミディアムにしました。それでも改善されず、今度はミディアムからショートボブにして、傷んでいる髪をカットしたのにやっぱり髪質の改善は見られません。どんな髪型にしても、しっくりこないのです。若かりしころは、それこそ美容院で「パーマがかかりにくい」と言われるほど健康でツヤもあって自慢の黒髪でした。それが今ではすっかり髪に自信が持てなくなりました。初対面の印象を大きく左右する髪に自信が持てなくなったことで、すべてにおいて自信がなくなってしまったのです。街を歩いていても、ショーウィンドウに映る自分を見ないようにする日々。ですが、このまま女性としてどんどん自信をなくしていくのも嫌なのです。これではいけないと一念発起。まずは髪質が変わってしまった原因と対策について調べてみることにしました。髪質の変化と更年期の関係調べてみてわかったことは、更年期と髪質は大いに関係しているということでした。あるサイトによると、女性ホルモンの1つのエストロゲンには髪を成長させ、保持する力があり、20代のころはこのエストロゲンの分泌が盛んなので、健康な髪が保たれていたようです。かつての美髪がホルモンのおかげだったとは! 女性ホルモンに感謝の気持ちが湧いてきました。ところが一転、40代を過ぎるとこのホルモン分泌が減少。当然、髪質にも少しずつ変化が生じるらしいのです。さらに更年期にさしかかるとホルモンは急激に減少し、それに伴い髪のハリやコシの減少、パサつき、うねり、縮毛などに悩むようになるというのです。更年期の髪の悩みの主な症状がバッチリ当てはまり、なんだか清々しいくらい。真っすぐでツヤもコシもあった、かつての美髪が見る影もない髪質の変化は、更年期の影響の1つだったのだとはっきり自覚しました。さらに、恐ろしいことに別のサイトの記事によると、閉経を機に女性も男性のように「抜け毛・薄毛問題」に悩む人が増えてくるというのです。テストステロンというホルモンが毛根を包む組織に影響を与え、髪の毛の成長を遅らせてしまうそうです。これにはがく然としました。パサついて、うねって、さらに薄毛……。そうなったらと考えるだけで、絶望的な気持ちになります。これは、ますます今のうちになんとかしなければ! でも、どうしたらよいのでしょう。更年期からの髪質改善に必要な3つのことそんなとき、女性ホルモン分泌の減少は日々の生活を変えることで速度をゆっくりにすることができるという記事を発見しました。具体的には、「ゆっくり眠ること」「ストレスをためないこと」「女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが豊富に含まれているピーナッツや大豆を意識して摂ること」などです。夜12時には寝て、最低7時間は睡眠時間を確保して、自律神経を整える。運動をしたり買い物や旅行をしたりして、じょうずにストレス発散をする。大豆を中心に、タンパク質や食物繊維も意識して摂る……。どれも日々の生活のなかで少し意識すればできそうなことばかりです。かつての美髪を取り戻すために、1つずつおこなってみようと決心しました。当たり前のことですが、髪は体の一部。髪質の改善だけにこだわってシャンプーやリンスをちょっと奮発して良い物にしようかとか、縮毛矯正をかけようとか考えていましたが、すべてはホルモンにつながっていたようです。ホルモンを意識して、ちょっとずつ努力して規則正しい生活に変えることが、何より必要なのだと思いました。私が今実際に取り入れているのは、睡眠と運動です。そのほかにもストレスを感じたら、頭皮マッサージをしたり、ヨガをしたりしてリラックスするように努めています。また、朝には大豆を豊富に使った味噌汁を飲むようにもしています。まとめここ数年ずっと迷っていた髪型は、結局パサつきが目立ちやすくなるレイヤーカットはやめ、前髪のある重めのストレートにしました。肩に付くか付かないかぐらいの結べる長さで落ち着いています。手入れがしやすく、ツヤが出やすい髪型にフォーカスして取捨選択をしたおかげで、今のヘアスタイルにおおよそ満足しています。髪質改善はまだ始めたばかりなので効果をそれほど実感できていません。でも「努力は裏切らない」という言葉はあらゆる世代に通じるはずだと信じ、かつての美髪復活を目指して、もうひと頑張りしてみようと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年08月13日私は学生のころからコンタクトを使用していましたが、1年ほど前から使用中の違和感やトラブルが度々起こるようになりました。その原因には、更年期や老化が深くかかわっていると眼科で診断されました。今はさまざまな面から、この状況をうまく乗り越えています。そんな私なりの乗り越え方を紹介します。度重なる目の違和感や痛み私は中学生のときから視力が0.1以下だったこともあり、ハードコンタクトをずっと使用していました。コンタクトを外さずにうっかり寝てしまったときなどは眼球に傷がつき、激痛で病院に飛び込んだことも。また、風の強い日などは細かい砂ぼこりが目に入り、やはり眼球を傷つけてしまうこともありました。しかし、それは多くても年に1回程度で常時起こることではありません。ところが1年ほど前からコンタクトを使用するとゴロゴロしたり違和感があったり、眼球が傷ついたときのような痛みを感じたりするようになったのです。痛みがひどくなって眼科に行くと眼球に傷がついていると言われ、症状が軽いときは処方してもらった抗生剤が入った目薬を差し、痛みが取れるまで数日コンタクトをお休みしていました。しかし、痛みがなくなってコンタクトを使用すると、すぐにまたチクチクと痛くなってしまうということの繰り返し。揚げ句の果てには裸眼のときでも同じような症状が起きるようになったため、何が起こっているのだろうと不安に思い眼科医に相談をしました。医師から出た言葉は更年期と老化!眼科医に相談したところ、カルテに書かれた私の年齢を確認して出た言葉は更年期でした。そして、このような連続的なトラブルの原因はドライアイだろうと診断され、更年期や老化が深くかかわっていると言われたのです。エストロゲンの分泌が低下すると目の粘膜細胞が減少し潤い不足が起こり、それが原因でドライアイになるという説明を医師から受けました。更年期が目にまで影響があるなんて、自分としては初めて聞いたことだったのでとても驚いてしまいました。また、このような医師の話から、更年期であっても老化であっても、40代後半の私がドライアイを発症することはまったく不思議ではないことがわかったのです。そしてこのとき、しっかりと自分の年齢と向き合うことが更年期をうまく乗り越え、年齢を受け入れるために必要なことなのだと考えました。生活習慣の改善と眼鏡にチャレンジ眼科で今の私の状況を診断してもらったことで、これからはできるだけ目をいたわり、この状況をうまく乗り越えようと決心しました。このままコンタクトを続けてもトラブルが起こりやすいため、まずコンタクトをやめて眼鏡にしたのです。今まで人前で眼鏡姿を見せなかった私は、眼鏡をかけることに強い抵抗がありました。しかし、おしゃれなものをいくつか購入し服に合わせて眼鏡を楽しむようにしました。一方で、エストロゲンの分泌を増やす方法の1つであるホルモン治療に関しては、以前子宮筋腫の治療をしたときの副作用がつらかったため積極的になれませんでした。そこで、少しでもエストロゲンを増やすために食生活を見直したりサプリを取り入れるようにしました。ほかにも眼科で注意されたパソコンや携帯の見過ぎにも注意し、もちろん眼科で処方された涙と同様の成分の目薬もきちんと差すようにしています。また、夜は私にとって一番の自由時間なので、つい遅くまで本を読んだりテレビを見たりしていましたが、目の健康のために早めに寝ることも心がけています。このようにできるだけ努力をしたこともあってか、今は以前のような痛みが起こることはなくなりました。時々ゴロゴロした違和感やべたつきを感じたときには、洗眼用洗浄液でパチパチと目を洗っていますが、とてもすっきりして良い気持ちです。まとめ更年期が目にまで影響してドライアイを引き起こすとは思ってもいなかったので、医師から診断されたときはとても驚きました。今回のことで自分の気付かないところで、老化が進んでいることも自覚しました。そこで元気な老後を送るためにも更年期の症状としっかり向き合い、ケアしていこうと決心したことが今の安定した状態につながったのではないかと思っています。今はあれほど嫌いだった眼鏡姿にもだいぶ慣れ、自分なりの眼鏡ファッションを楽しんでいます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年08月10日更年期あるあるの一つに“更年期太り”があります。プレ更年期、更年期になると女性は太りやすく、いわゆる中年太りのおばさん体型になりやすくなります。なぜ、この時期になると太りやすいの? その体のメカニズムとは? 産婦人科医の善方裕美先生にうかがいました。女性ホルモンのエストロゲンは体型を守る強い味方!プレ更年期、更年期に大きく変化するホルモンの一つに、女性ホルモンのエストロゲンがあります。エストロゲンは卵巣で分泌され、8~9歳ごろから急激に分泌量が増え、20代で高い分泌量を維持、30代後半から減り始め、更年期に急激に減少します。このエストロゲンは妊娠・出産を可能にするための乳房や子宮の発達、女性らしい丸みを帯びた体つきにする作用のほかに、骨や血管を丈夫にし、血糖値を調整するインスリンの過剰分泌を抑制、脂肪の燃焼をサポート。スリムな体型維持を切望するオトナ女子にとって、実にありがたいホルモンなのです。更年期にはエストロゲン量が急降下!美ボディをサポートするエストロゲンを分泌する卵巣にも、悲しいかな寿命があります。その寿命は約50年。40代から卵巣の老化によりホルモンの分泌量が徐々に減り、平均50歳で卵巣の寿命である「閉経」を迎えます。エストロゲンが減少することで脳の視床下部から「エストロゲンをもっと出しなさい!」と指令が出て、卵巣に頑張って分泌させようとします。でも、寿命に向かう卵巣はもうたくさん分泌できません(泣)。頑張って分泌させようとする→分泌できない→脳の視床下部から「もっと出せ!」と指令→頑張って分泌させようとする→分泌できない……、この繰り返しをしているうちに自律神経が混乱し、のぼせ、イライラなどの更年期症状が出てくるのです。ホルモンバランスの崩れから来る更年期太りプレ更年期、更年期を迎えると、なぜ太りやすくなるのでしょう。その考えられる主な理由は以下の3つがあります。・エストロゲンの分泌の低下により自律神経が乱れ、イライラしてついつい食べてしまう・エストロゲンの分泌が低下してくると基礎代謝も低下し、体に脂肪をため込みやすくなる・加齢によって筋肉が衰え、筋肉量が減少。ホルモン補充療法(HRT)が筋肉の衰弱を押さえるという報告があり、エストロゲンの分泌の低下で、筋肉量が低下すると考えられるカロリー消費を上回って食べれば太るのは当然ですが、詰まるところホルモンの崩れが太りやすい体を作ってしまうのです。美ボディをキープ&目指すには運動と健康的なダイエットが大切ですが、ホルモンのケアも大きな鍵と言えるのです。まとめホルモンの崩れが落ち着けば更年期太りも解消されそうですが、更年期太りが終わったからといって、太り続けた体型を元に戻すのはこれまた大変! 更年期だからとあきらめないで、今から更年期に適したダイエット方法で体重増をストップしておく必要はありそうです。取材・文/井上裕紀子(54歳)読モを経て、ファッション誌、情報誌などのフリーライターへ。しわ、肝斑、たるみ、更年期太りと苦しい戦いを続けつつも、その先にいったい何があるのか見えない迷える五十路女子。
2020年07月22日ライフステージの変化が多い女性の一生。家族の生活段階においては新婚期、育児期、教育期、子独立期などにわかれますが、どのステージでも女性の美と健康に欠かせない存在は女性ホルモンです。ですが、「女性ホルモンとは体にどのような影響を及ぼすのか」と聞かれると、答えられる女性は少ないかもしれません。何歳になっても女性らしい美しさとボディをキープするために、まずは「女性ホルモンとは何か」という基本を押さえておきましょう。【監修】女性医療クリニックLUNAグループ産婦人科医 小野寺真奈美先生久留米大学医学部卒業。日本産科婦人科学会専門医。日本医師会認定産業医。■女性ホルモンとは?女性ホルモンは主に2種類で構成されています。1.エストロゲン:卵胞刺激ホルモン(FSH)▼主な働き●乳房への働き・思春期……乳管の発達・妊娠時……乳管上皮の増殖、乳汁分泌抑制●子宮への働き・非妊娠時……子宮内膜の増殖・肥厚、頸管粘膜の<分泌を上げる・粘稠度(粘り気の密度)を下げる・牽糸性(伸びやすさ)を上げる>・妊娠時……子宮筋の発育・増大、頸管熱化(子宮の出口をやわらかくする)●膣への働き・膣粘膜の角化・肥厚●その他・LDLコレステロールの低下・基礎体温の低下・骨量の維持 など2.プロゲステロン:黄体形成ホルモン(LH)▼主な働き●乳房への働き・非妊娠時……乳腺の発育・妊娠時……乳腺腺房の増殖、乳汁分泌抑制●子宮への働き非妊娠時……子宮内膜の分泌期待変化、頸管粘液の<分泌を下げる・粘稠度を上げる・牽糸性を下げる>妊娠時……子宮内膜の脱落模様変化、子宮筋の収縮抑制、子宮筋層内の毛細血管の繁生●卵巣への働き・排卵抑制●膣への働き・膣粘膜の菲薄化(弾力性のある肌を支えてきた真皮層のコラーゲンやエラスチンの量が減少し、膣内の肌が薄くなる)●その他・基礎体温の上昇エストロゲンとプロゲステロンが月経と連動この2つのホルモンが、月経と連動しています。女性の体内は「卵胞期」、「排卵期」、「黄体期」というサイクルを繰り返しています。生理の初日を月経周期の第1日目と数え、次の生理の前日までの日数が、1つの月経周期となります。基本的な月経周期は25日〜38日でその変動は6日以内とされ、これを正常周期と呼びます。月経が開始すると、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の一種である卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)が卵巣に作用し、卵胞が発育し始めて、エストロゲンを分泌します。エストロゲンにより子宮内膜が増殖・肥厚し、受精卵を迎える準備が始まります。(卵胞期)卵胞が十分に発育したと体が判断するとLHの放出が高まり(=LHサージ)、卵子は成熟し排卵が起こります。プロゲステロンは厚くなった子宮内膜を、さらに受精卵が着床しやすい状態にします。(黄体期)受精しないと生理が起こり、低温期に妊娠しなかった場合、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少していき、生理(子宮内膜が剥がれ落ちる)が起きます。月経後再びエストロゲンが上昇し子宮内膜が増殖していきます。妊娠していない場合、月経から排卵までが低温期、その後、排卵の後に高温期になり、次の生理とともに再び低温期が始まるというサイクルです。妊娠が成立すると高温期が続く妊娠が成立すると、プロゲステロンが「妊娠黄体」となり、排卵後も高温期が続きます。連動して、エストロゲン値も上昇していきます。妊娠12~16週頃から基礎体温は低下しますが、妊娠中も高温期は続きます。そして、妊娠4カ月頃には、体のほてりやだるさがなくなり始めると言われています。これは、妊娠7~8週頃からはプロゲステロンを出す役割を胎盤が引き継ぐのですが、胎盤由来の黄体ホルモンには体温を上昇させる作用はないためです。女性ホルモンをバランスよく分泌させるためには、基本ではありますが生活習慣が大切です。「バランスのよい食事」、「良質な睡眠」、「体を積極的に動かす」を、生活の中にて取り入れてみてください。次回は、出産と女性ホルモンの関係です。具体的な対応策をお伝えします。
2020年03月10日「どんなに気を付けていても、生理前には体重が増えてしまう…」そんな悩みを抱える女性は多いのではないでしょうか。そんなに食べていないはずなのに、生理前は体重がグッと増加…ため息が出てしまいますよね。そこで今回は、生理前に太る原因と、生理後にやせるための方法をご紹介したいと思います。【監修】成城松村クリニック院長 松村圭子先生婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。■生理前に太る原因は◯◯▼生理前に太る原因生理前に太る原因は大きく分けて3つあると考えられます。1つは「むくみ」です。生理前の女性の体は、赤ちゃんを育てる準備として、水分を蓄える働きがあるのです。排卵後から増加する女性ホルモンのプロゲステロンは、体内に水分を貯めやすくします。黄体期(排卵後から次の生理までの期間)では、通常の体重より2kg以上増加することも珍しくないことです。2つ目は「食欲の増加」です。これも女性ホルモンのプロゲステロンが関わっています。プロゲステロンは、食欲を増進させる作用があるため、つい食べ過ぎて体重の増加につながってしまうのです。また、プロゲステロンは血糖値をコントロールするホルモン・インスリンの効果も下げてしまうため、ごはんを食べると血糖値が急上昇しやすくなります。その後は、体内でインスリンが大量に作られ、血糖値は急降下。低血糖の状態になるため、甘いものを欲しやすく、おなかがすきやすくなるのです。3つ目は「便秘」です。女性ホルモンのプロゲステロンは排卵後から生理直前まで出ていて、腸のぜん動運動を抑える働きがあるため、便秘を引き起こす原因になります。また、この時期は体が水分を蓄えるために、便の水分も吸収するため、お通じが硬くなりやすいのです。参考サイト:ヘルスケアラボ 「基礎体温」 e-ヘルスネット 「セロトニン」 ▼エストロゲンとプロゲステロンとは?女性の体はホルモンバランスによって大きく左右されます。その女性特有のリズムを作り出しているのが2つの女性ホルモンで、卵胞ホルモンのエストロゲンと、先に紹介した黄体ホルモンのプロゲステロンです。それぞれの分泌量は約1カ月のなかで変動し、生理や排卵を起こしたり、基礎体温を上下させたりしています。エストロゲンは生理や生殖に関わるホルモンで、女性らしい体をつくり、肌をつやつやにし、骨粗しょう症や高血圧などの生活習慣病から守ってくれます。○エストロゲンの作用・排卵前に、精子が通りやすくなるように子宮頸管の分泌液を増やす。・妊娠時におっぱいが出るのを抑える。・コラーゲン生成を助けて肌をつやつやにする。・女性らしい丸みのある体を作る。・血管をしなやかにする。・髪にツヤを与える。・骨密度をキープ。・善玉コレステロールを増やし、悪玉を減らす。プロゲステロンは子宮内膜を整えてくれるホルモンで、妊娠には欠かせないものです。しかし、このプロゲステロンがたくさん出てしまうと、体がむくみやすくなったり、甘いものが食べたくなったり、便秘を起こしたりすることがあります。○プロゲステロンの作用・体内の水分量をキープ。・食欲を増進。・基礎体温を上昇させる。・眠くなりやすい。・イライラしやすい。・憂鬱(ゆううつ)な気持ちになる。・子宮内膜や子宮筋の作用を整える。・乳腺を大きくさせる。生理の周期は約4週間で1サイクルと考え、生理後の約1週間は「卵胞が育ち、排卵するまでの期間」でエストロゲンの分泌が増えます。その後の2週間は排卵後から次の生理までの期間で、プロゲステロンの分泌が増えるのです。参考サイト: e-ヘルスネット 「女性の睡眠障害」 ■生理周期によって太る時期、やせる時期がある?約1カ月の生理周期のうちで、太りやすい時期とやせやすい時期があります。▼排卵後〜生理前実は生理周期によって、太る時期とやせる時期があるということを知っていますか? 生理前は、特に「太りやすい時期」といえます。なぜなら、この時期は黄体ホルモンのプロゲステロンの分泌が増加するため、体は自然と「水分や栄養分を蓄えやすく」なっているからです。プロゲステロンは排卵後から増加しはじめ、生理前まで分泌されます。このホルモンが増加しているときは、食欲が増したり、甘いものを食べたくなったりする時期でもあります。▼生理中生理中は、運動がなかなかできず、やせにくい時期といえます。これから卵胞が育ち始める時期でもあるので、ダイエットなどで過度なストレスをかけるのは禁物。のんびり過ごすことが大切でしょう。▼生理後〜排卵まで生理後から排卵までの時期は、一番やせやすい時期です。この期間は卵胞ホルモンのエストロゲンが多く分泌されます。エストロゲンは、脳の満腹中枢を刺激して満腹感を得やすくする「レプチン」というホルモンの分泌をうながすため、少量食べただけで満足できます。この時期は、まさにやせやすい時期といえます。この期間を逃さずにダイエットをはじめると成功しやすいでしょう。▼排卵日前後排卵日前後の妊娠のしやすい時期は、最も多くのエストロゲンが分泌されます。ということは、先にもお伝えしたように、食べても満腹感を得やすい時期になります。この時期は代謝が増えて、体内の水分貯蓄も減るので体重も落としやすいでしょう。■生理前に太った分、生理後にやせるための方法▼生理前はどのくらい太ってもOK?「生理前は太りやすい」とはいいますが、体重増加はどのくらいまでが許容範囲なのでしょうか。実は体質によっても異なりますが、ホルモンによる水分貯蓄のむくみや便秘による体重の増加は、1kgから3kgまでが一般的です。これ以上になると、体重を戻しにくくなってしまうかもしれません。なかなか体重が元に戻らない場合は、塩分の取りすぎによってむくみを解消できていない、食べすぎによって体脂肪が増えてしまった、などが考えられます。食生活を見直してみる必要があるでしょう。▼太りやすい時期にやるべき「食事、運動、食欲抑制法」太りやすい時期に体重増加を抑えたいなら、まず「よくかんで食べる」こと。この時期はどうしても食欲が出てしまうので、つい食べすぎてしまいがちです。よくかんで食べると満腹中枢を刺激でき、自然と満腹感が出て食べすぎを防止してくれます。咀嚼(そしゃく)回数は30回以上を目安にするといいでしょう。次に、間食するなら「満足感が出やすい」食品を選ぶこと。ここでいう満足感とは、かみごたえがあるものや食べごたえがあるものをさします。例えば、かみごたえのあるナッツ類をはじめ、リンゴやナシ、ドライフルーツ、するめ、煮干しなど。特に煮干しは、生理前のイライラを軽減してくれるカルシウムがとれておすすめです。そのほかも栄養がしっかりあるおやつなので、健康的におなかを満たしてくれます。また、例えばこんにゃくを使ったようなダイエット食品を一時的に利用するのも一つの手でしょう。さらに「暴飲暴食に走りそう!」と心配な人は、香りの効果を利用するのもいいでしょう。例えば、グレープフルーツの香りにはヌートカトンやリモネンという成分が含まれていて、ヌートカトンには交感神経を活発にし、食欲抑制効果が期待できます。また、リモネンにはリラックス作用があると言われており、オレンジの香りにも多く含まれています。食べすぎ防止に関しては「食事の回数」を多くすることも効果的です。食事の回数が少ないほど、一度に一気に食べてしまうため、ドカ食いしやすくなる傾向があります。特に生理前のような、イライラして一気食いをしやすい時期は、普段1日3回食事をする人なら、1日5回から6回に小分けして食べることをおすすめします。運動に関しては、有酸素運動がおすすめです。早朝のジョギングなどは朝日を浴びることでストレスに効くセロトニン分泌が増えるため、一番適した運動かもしれません。▼やせやすい時期にやるべき「食事、運動」生理後〜排卵までのやせやすい時期は、食事の量を普段の8割に抑えるのがいいでしょう。この時期に増加するホルモン・エストロゲンの作用で満腹感も感じやすくなっているため、通常より食事量は減らしやすいです。ただし、カロリー制限のし過ぎはいけません。過度なダイエットは体にとって負担になり、ホルモンバランスが乱れ、逆にやせにくい体質になる可能性があります。激しい運動を特別しなくても、この時期は構いません。食べすぎないように味付けに変化を加えるなどの工夫をし、食事の量を普段の8割にすれば、効果も実感しやすいでしょう。また、やせやすい時期に限らず、例えば「耳つぼを刺激して食欲を落ち着つかせる」など工夫してみるのもおすすめです。自分で「飢点(きてん)」というツボを押すだけで、食欲を抑えられる効果が期待できます。場所は「耳穴の前の、顔寄りにある小さな軟骨突起のつけ根」の部分。指か綿棒、もしくは爪よう枝の後ろで押すのもいいでしょう。■まとめ「生理前に太ってしまうのが長年の悩み」という女性は少なくないでしょう。しかし、女性にはホルモンの影響で、心も体も多少は変化するもの。「体重が増えた、減った」で大きく一喜一憂するのではなく、自分の体のリズムを知り、健康かつ快適に過ごすことが大切です。もし、生理前に太ってしまったら、生理後に元に戻すように微調整するのがいいですね。そのためには、ホルモンの影響で「太りやすい時期」と「やせやすい時期」があることを理解し、日ごろから自分に合った工夫をしていきましょう。参考資料:・ ヘルスケアラボ ・ e-ヘルスネット
2020年01月30日ある日娘にこんなこと言われましたよ、身内はシビアです…。40代後半から50代前半までは更年期と言われ、女性ホルモンの分泌が激減してバランスが乱れることで不調が出やすい時期のようです。(症状には個人差があります)詳しくはこちらの記事でどうぞ↓ちょうどいろいろ気になっていた今、上記リンクにもある「エクオール」を作れているかの検査キット 「ソイチェック」 をお試ししてみない?とお声がけいただいたので!とっても簡単そうなのでさっそく試してみることにしました。結果は…なんと…!なんでもホルモンバランスのせいにしてはダメですね(笑)子どもたちよく見てます!私は今回の検査で良い結果が出ましたが、ちょうどここ2年くらい太りやすくなった気がして、以下のような生活を心がけていました。なんと女性ホルモンにも良い生活を送れていたようです。もし検査結果が悪かったとしても、生活習慣を見直すきっかけに…と思って受けた検査でした。そして本当に更年期症状がツラくなったら、病院で女性ホルモンの検査を受けてみようと思いますが、そうならないように、これからも大豆食品を積極的に食べていきたいと思います! 実際結果が良かったのは嬉しく、私にとって大豆はとてもいい食材だというのがわかったのも良かったです。誰しも老いていくのは避けられないですが、元気で若々しくありたいですよね。まずは今の自分の体の状態を把握し、自分に合った方法で良い状態をキープしていきたいと思います!※こちらのエクオール検査、ウーマンエキサイト編集部さんのメンバーもやってみたそうです
2018年04月03日健康で美しいママでいるためには 女性ホルモンが重要な役割を担っていること 、そして女性ホルモンは自分で増やせないので、減らさないようにすることが大切だと 前回の取材 でわかりました。取材にご協力くださった高尾美穂先生から教わったことを実行して、できるだけキレイに年齢を重ねていきたいものです。大豆製品は女性ホルモンと似た働きをする成分を作り出す女性の心と体の健康のために必要な「女性ホルモンをコントロールすること」については、ホルモン補充療法や漢方など専門家が必要なものとは別に“大豆食品を積極的に食べる” という手軽な方法も教えていただいたので、取材後、毎日食べているのですが…。この大豆イソフラボン、効果を得やすい人と得にくい人がいるんだそうです! 大豆イソフラボンを腸内細菌によって「エクオール」にすることができる人は、より高いエストロゲン活性があるのです…が、なんと日本人の半分は「エクオール」を作れないとのこと。自分は「エクオール」を作れているんでしょうか…?高尾先生から「簡単に調べるキットが市販されている」と教えてもらったので、さっそく編集部6人でチェックしてみることに。編集部が受け取った結果は……検査に使用したのは、エクオール検査 「ソイチェック」 検査方法は、専用キットで採尿し、付属の封筒で送るだけ。2週間前後で結果が届きます。エクオールは作られた後、数日中に尿と一緒に体外へ排出されるため、採尿でエクオール濃度を調べることができるそうです。検査した6人1.編集M(30代前半) 2. 編集K (30代前半) 3. 編集Y (30代中ば) 4. 編集N (40代前半) 5. 編集S (40代後半) 6. ライターR(40代後半)検査した6人中4人は、大豆製品が好きで積極的に摂っていました。「もしかしたら作れていないかも」という気持ちと、「いや私は大丈夫」という気持ちが交差しながら受け取った結果は……『エクオール』を作れていたのは、6人中なんとたったの1人だけ! しかもその1人、編集Nも、5段階レベルのうちレベル3で、「エクオールは作れていますが、数値は高くありません」という結果に!■編集N (40代前半) 検査結果 4.2μM レベル3「作れているという結果は嬉しいですが、最近は疲れやすくPMS症状がツラかったり、痩せなくなったりと、年齢を感じるような症状が気になってます…(泣)。今後はよりいっそう女性ホルモンを大切にしないと! と思ったので、検査後は、納豆を食べる頻度を増やし、オーガニック豆乳に甘酒入れて飲んだりしています」他の5人は0.4 ~ 0.9 μMで、レベル2の作れてません判定。大豆製品を積極的に摂っている人もいただけに、みんなショックを隠せません。■編集Y (30代中ば) 検査結果 0.7μM レベル2「何もしなくとも潤っていた20代とは違って、手を加えなければいけない30代を実感中。しばらくなかった生理痛も復活し、1日目は頭痛が酷くて、鎮痛剤を飲まなければいられないようになってしまいました…。とはいえ、子どもが納豆、豆腐、豆乳、ソイミートと大豆食品が大好きで自分も食べている気でいたので、この結果にショック! でも振り返ってみると、納豆と豆乳は息子に自分の分も取られてしまい、自分はみそ汁の豆腐以外食べていないことに気づきました」■編集K (30代前半) 検査結果 0.9μM レベル2「大豆製品は好きでよく食べているつもりだったので、作れてないという結果にショックでした。健康診断でコレステロール値が高いという指摘も受けてしまったので、豆乳の豆腐煮込みを夕食に食べています。大豆に意識を向けることで、料理のレパートリーが増えたり、身体について考えたりと、家族にも自分にも良い結果となりました」■編集M (30代前半)検査結果 0.4μM レベル2「納豆もお豆腐も好きで食べていたので『作れていない』という結果が出てショックでした。ジムにも通いはじめて適度な運動(といっても週1回のウォーキングマシーン30分)をしているので、体の調子は悪くないんですが…。検査結果の翌日から、積極的に納豆・豆腐・味噌汁(インスタント)・豆乳を食べるように。でも続けられず、2日坊主…無理せず取り続けられる方法を考えます」■編集S (40代後半)検査結果 0.4μM レベル2「『わたしはエクオールを作れていないかも…』と想像はしていたものの、数値で明確に出るとやはりショックではありました…(笑)。30代の頃から不規則な生活を送り、ホルモンバランスが崩れがちで何度か体調も崩し、その都度ケアをしてきましたが、今回の検査で【さらなるケアが必要な状態】であるということがわかりました。やるべきことも以前よりも明確になったので、検査を受けてよかったなと思っています。同年代の友達にも早速おすすめしました」今回検査を受けた6人全員に共通しているのが、女性ホルモンについて考えるようになったことと、検査後すぐに大豆製品を摂るのをはじめたこと。まずは「自分の体を知る」ことの大切さを、検査によって実感することができました。エクオール検査は簡易検査で、採尿した日前後の体調や食事にも左右されるため、1回の結果が全てではないとのこと。食事や生活習慣を改善してから再検査すると、違った結果になる可能性もあるんだそうで、半年後ぐらいを目安に再検査してみたいと思います。まずは、大豆生活を頑張ってみようと、6人は気持ちをあらためたのでした。エクオール検査「ソイチェック」大豆イソフラボンをもとに体内で「エクオール」をつくれているかどうかを、尿検査で簡単に調べることができます。自宅からできる郵送型の尿検査キットです。産婦人科医が受けたことのある検査「第2位」に選ばれました! 自分に合った方法で健康&キレイになるために! 検査キットはこちら
2018年03月28日3月1日~8日は女性の健康週間です。働きながら、家事と子育ても頑張る現代のママは、つい自分のことは後回しにしがちですが、ママが無理をして倒れたら家族も職場も大変…! 自分の健康管理をすることは、自分のためだけではなく、家族や一緒に働く人のためでもあります。この機会に自分の体と健康管理についてちょっと考えてみてくださいね!健康でキレイなママでいるためには、女性ホルモンのバランスを崩さないことが大切! という話を、産婦人科医であり、ヨガの指導者でもあるイーク表参道の副院長、高尾美穂先生に 前回 お聞きしました。今回は、女性ホルモンのいい状態を長引かせるためにできることを、引き続き高尾先生に教えていただきます。高尾 美穂/MIHO TAKAO・産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター・女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道 副院長・株式会社ドーム(アンダーアーマー) アドバイザーリードクター・文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバーイーク表参道では、内科・婦人科・乳腺の診療を通して女性の健康をサポートし、 婦人科部門責任者として女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポート。またその環境を活かし、マターナル(周産期)ヨガも提供。 ■まずは、女性ホルモンを減らさないことが大切「年齢と共に減っていく女性ホルモンを自分で増やすことはできません。なのでまずはいかに減らさないようにするか、が大切です。タバコは吸わない、バランスの良い食生活をこころがける、良質な睡眠をとること、そして適度に運動することです。昔から体にいいと言われていることばかりで目新しさはないですが(笑)、これらのことが女性ホルモンのためにも大事なことなのです」(高尾先生)■自分に合った方法で、女性ホルモンをコントロール!「食事や睡眠などに気を付けていても…不調がでることはあります。そんなときは我慢せず、外部から補充する方法を含め、女性ホルモンをコントロールしていく方法を上手に取り入れるべきです。研究も進んでいろいろな手段があるので、生活の質を高めるために、賢くラクする方法を選択して欲しいです。1.ホルモン補充療法からだに足りなくなったエストロゲンを補って、更年期から閉経後に起きる心身のさまざまな症状を改善する方法です。お肌の状態を良くする、骨密度を上げるなどにも効果があることがわかってます。2.漢方漢方は複数の症状に対応するいいものがたくさんありますが、体質によって得られる効果が変わるので、自分に合う漢方を見つけるまでに時間がかかることも。また、変化を感じるまでに1~2ヵ月程度かかります。3.大豆食品を食べる/サプリメント摂取エストロゲンそのものを増やすのではなく、エストロゲンと“似た働き”をする成分を食品やサプリでとる方法です。有名なところだと、大豆食品に含まれる『大豆イソフラボン』があります。最近の研究で『大豆イソフラボン』が体内の腸内細菌によって代謝されて作られる『エクオール』という成分が、より女性ホルモンに似た働きをするということがわかっています。『エクオール』に関してはサプリメントなどが発売されていて、摂取した人の約8割が変化を感じたという結果も出ています」(高尾先生)女性ホルモンをコントロールする方法はひとつではないので自分の状態を把握して、自分に合う続けられるものを選べばいいそうです。また、ホルモン補充療法には、エストロゲンを経皮吸収できる貼り薬もあるのだとか。皮膚から血管のなかの血液を伝って各部に作用したあとに肝臓へ行くため、副作用である血栓症をおこしにくくなるそうです。こういったことを、知っていると知らないとでは、だいぶ違う未来になる…と実感しました。■エクオールを作れる人と作れない人がいる!「誰でも手軽に始められるのは大豆食品を食べることだと思いますが、『大豆イソフラボン』から『エクオール』を作れる人は2人に1人と言われています。自分が『エクオール』を作れているかどうか自宅で検査できるキットもあるんですよ」(高尾先生)検査できるのはありがたいですが、もしも「あなたはエクオールを作れる体ではありません」と判定されたらショックな気もします…。「簡易検査ですので、1回検査しただけでエクオールを作れていないと判断されても、それが全てではありません。体調や食事によっても結果は変わることもありますよ」(高尾先生)なるほど! 自分の体の今の状態を知ってみたいです。…というわけで、編集部で検査してみることにしました。編集部でエクオールを作れている人はどれぐらいいたのか…?! 結果は後日、お知らせします。 エクオール検査「ソイチェック」 大豆イソフラボンをもとに体内で「エクオール」をつくれているかどうかを、尿検査で簡単に調べることができます。自宅からできる郵送型の尿検査キットです。産婦人科医が受けたことのある検査「第2位」!
2018年03月07日