こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。横綱白鵬 引退大相撲で歴代最多の45回の優勝を記録した横綱白鵬が、右ひざの状態が思わしくなく、引退することを表明しました。来年あたりは? と思っていましたが、右ひざの回復が遅く、引退を決意したようです。新横綱、照ノ富士との横綱対決を期待していただけに、誠に残念であります。11月場所まで土俵に上って欲しかったです。横綱白鵬は、横綱として84場所、優勝45回、並みの横綱ではありませんでした。ほっそりとした15才の少年がモンゴルから来日して、言葉も判らず、生活がガラリと変った相撲部屋でのケイコの毎日、友人鶴竜はいたものの、よくぞ頑張り通し関取となり、日本の国技、大相撲の看板として相撲ファンを魅了しました。そして日本国籍も取得。土俵上で見せた厳しい表情とは違い、東日本大震災の被災地や病院を訪問したり、カップメン1万食を贈ったことなどもよく覚えております。でも近年、その横綱の振る舞いの一部が、批判の的になった事も事実です。勝負の結果に不満を示す態度や言葉遣い、優勝インタビューで観客に促した万歳三唱や三本締めなど、伝統を重んじる相撲協会とすれば、出すぎた言動(パフォーマンス)に映ったと思います。外国出身横綱の草分けである曙や武蔵丸の時代には、貴乃花や若乃花の兄弟横綱がいて、優勝する他の横綱がいましたが、白鵬時代には、残念ながら、強い怖いライバルがいなかったのです。君臨14年、一部評価が割れる所はありますが、横綱84場所、優勝45回は、今後当分は、敗られそうにない立派な金字塔です。横綱白鵬は、歴史ある大相撲を支えてくれた立派な貢献者だったと思います。さらば、横綱白鵬! ありがとう!!<2021年10月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年10月12日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。言葉が自分を守るということ「はずかしいという心は自分を守る」数学者の岡潔氏のこの言葉に出会ったとき、思わず膝を叩きたくなるようなインパクトを覚えました。消えてしまいたくなるほどの『はずかしさ』。はずかしくて、一歩踏み出せないことも、踏み止まることもあります。この場合の『はずかしいという心』とは、発表会ではずかしくて舞台に上がれない、というのとは少し違います。生き方、行動、態度、言葉、身嗜みなどにおいて、自分のはずかしい点に気づくことが大切であると、岡潔氏は主張します。はずかしいことをしてしまっても、はずかしいと自覚できたなら改善できる。はずかしいと思ったら、やらない。はずかしいという心は、ストッパーになる。このような意味で、「身を守る」ということになります。はずかしいという自覚がないと、自分自身を卑しめていくことになる、というわけです。自分にとって何がはずかしいことなのか。自分自身の基準をしっかりと持つことが大切なのです。この感性は、美意識とよく似ています。何を美しいと思い、何を美しくないと思うか。例えば、ある人にとっては『人と比べるのは美しくないこと』であっても、人によっては無自覚のまま人と比べて優越感や劣等感を思えているかもしれません。それを美しいと思わなければ、はずかしさを感じることなく優越感や劣等感に自分を明け渡してしまうのです。電車の中でお化粧をするのも、自慢話ばかりをするのも根は同じ。そのような行動が美しいか美しくないか。自分の中の基準、価値観によって、行動も言動も変わるのです。私は小さい頃、両親から「はしたないことはしない」という言葉をよく聞きました。お行儀悪くしていると、「はしたない格好はやめなさい」と注意されたものです。ところが、最近「はしたない」という言葉を聞きません。若い人たちに「はしたない」という言葉を知っているか尋ねてみると、ひとりも知らなかったのです。美しい日本語が失われていきます。すると、言葉に宿っていたその精神も失われ、はしたないことが増えるのです。これは由々しきことではないでしょうか。「はずかしいという心は自分を守る」そして、岡潔氏は次のように続けます。「思いやりは慈悲の心を育てる」わかっていたつもりでも、できていないことがたくさんありますね。言葉で自分を守る。この機会に、自分の言葉を改めて振り返ってみようと思います。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年10月10日食や酒にまつわる文章を多数執筆している、フリーライターの山田真由美さん。2017年に発売した酒場に集う男性に関するエッセイ『おじさん酒場』に続き、再び酒場をテーマに本『女将さん酒場』を執筆した。今回のテーマは、魅力的な酒場を切り盛りする女性たち、つまり“女将さん”。「女性も自己実現しやすい世の中になりましたが、それでもまだ、やりたいことを実現し、それで生きていくことのハードルは高いと感じます。以前から、頑張っている女性を応援したい、そういう女性について書いてみたい、という気持ちがあり、そんな話を編集の方としていたところ、“ならば女将さんについて書いてみては?”とアドバイスをもらい、今回の本を書くことになりました」登場するのは、女性のオーナーシェフはごく少数という飲食の世界に飛び込み、自分の城を構え、日々頑張っている“女将さん”13人。彼女たちに仕事、人生、食への思いなどを取材。描き出された生き方は13人13様ですが、全員揃ってかっこいい。「私にとって飲食店は総合芸術。料理、空間、シェフ、お客さん、流れる音楽…。そういう要素が絶妙なバランスで絡み合い、食べ物やお酒がより美味しくなる。素晴らしい総合芸術が生まれるところには名監督がいて、今回取材をさせていただいた13人はまさにそれ。料理人としての求道に加え、後輩のために一肌脱いだり、家族に対して労力を惜しまないなど、努力の方向が一方向ではないのも共通点。味はもちろんですが、バイタリティ溢れる女将さんたちに会えることも、“女将さん酒場”に足を運ぶ大きな理由だと思います」女将さんの言葉やちょっとした動作、お客さんの言葉、そして食にまつわる描写のすべてがみずみずしく、お酒好きの人ならば、行間からにじみ出る山田さんの食や酒場への愛に共感せざるを得ない。「しばらくはこの本で居酒屋への思いを温め、コロナ禍が一段落したら、ぜひ気になるお店の女将さんに会いに行ってみてほしいです」登場した女将さん酒場の中で、anan読者におすすめを厳選。清澄白河『酒と肴 ぼたん』の金岡由美さんは、いつも和服でカウンターに。林佐和さんは荒木町『やくみや』の店主。凛々しい佇まいが素敵。長野県諏訪市の『あゆみ食堂』の大塩あゆ美さん。「料理をする手すら美味しそう!」(山田さん)。西小山のワイン酒場『fujimi do 243』の渡邊マリコさん。山田さん曰く「イタリアのマンマそのもの」。『女将さん酒場』自らの店を構え、料理をし、お客さんをもてなす女性たちこそ、女の将軍=女将さんである!飲食に生きる人生を選んだ13人の女将さんたちの姿に感動しながら、酒場の楽しさも味わえる1冊。ちくま文庫990円やまだ・まゆみフリーライター、編集者。食や酒、酒場に関する著述が多数。著書に『おじさん酒場』(ちくま文庫)が。読売新聞夕刊にて「ぶらり食記」という連載も。また地元・下田で居酒屋も営む。※『anan』2021年10月6日号より。インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2021年10月03日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。梅干しひとつ〜26歳の小さな船出「嫁入り前の娘が一人暮らしなんて許さん」作詞の仕事を始めて2年、26歳のときのこと。何でも『反対』する父に、一人暮らしをしたいと話すと、予想通りすごい剣幕で否定されました。これまでも自転車を買ってほしい、と頼んでも否。免許を取りたいと言っても否。最終的には自転車も免許も許してもらえたのですが、とにかく一度は否定するのです。生活のリズムが家族とずれること。集中する環境に身を置きたいこと。一人暮らしをする必要性を訴えて、ようやく許しが出たのです。考えてみれば、自由に……というか、勝手に出ていけばいい話なのですが、その頃の私は親の反対を押し切る勇気がありませんでした。1980年代の半ば、時代はバブル経済で湧いていました。不動産の価格はどんどん上がり、都心のマンションの家賃もずいぶん高いという印象がありました。まだ駆け出しの作詞家で、果たしてその先やっていけるのかどうか。2年間の広告代理店勤めで蓄えた少しばかりの貯金で小さなワンルームの部屋を借り、夢とやる気だけを抱えた船出となったのでした。今頃、なぜ30数年前のことを思い出したのかと言うと、ちょうどその頃に撮った、なくしたと思っていたアーティスト写真が書類の中から出てきたのです。少し上目遣いでカメラを見据えている26歳。ひとり暮らしを始めた頃の自信のなさと、怖さを知らない強さのようなものが同時に感じられて、ずいぶん遠くまで来てしまったなあと思ったのでした。怖さを知らない強さを過ぎ、怖さを知らない怖さを味わい、そして少々の怖さを何とも思わなくなり……今は、本当の怖さをまだ味わっていないのではないかと思うこともあるのです。年を重ねるというのは、会ったことのない自分に出会っていくこと。体の変化も心の変化も、どんなことにチャレンジするのかもまだわかりません。確実に言えるのは、これまで体験してきたこととは違うフェーズに入っていくということ。それも嘆くのではなく、面白がるしかありません。本当に、ずいぶん遠いところまで来てしまいました。1枚の写真はタイムマシンのように、時空を超えていきます。一人暮らしを反対していた父は、引っ越しを率先して仕切り、手伝ってくれました。そしてみんなが帰り、夕方、ひとりになった時のこと。そうだ、ごはんを炊こう。冷蔵庫の中に、実家から持ってきた南高梅がありました。炊きたてのごはんに梅干しひとつ。淋しさとわくわくと、やっていけるのかなあという不安も味わいながらの夕餉。26歳の船出でした。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年10月03日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。虫すだく秋爽やかな秋の空、心地好い大気… じとじとした夏と違い、すがすがしい季節。半袖から長袖、薄地の蒲団が丁度気持ちの良い季節となりました。味覚の秋、スポーツの秋、読書の秋、行楽の秋、芸術の秋… 皆さんはどの秋が一番身近なのでしょうか…。当方、若かりし頃は、電車の中では、片手に必ず一冊の本を持って、座ればその本を読んだものですが、今はそんな風景も少なくなりましたねぇ。座れば全員『スマホタイム』ですから…。扨(さて)、秋の夜長は、やはり『読書の秋』の表現が一番相応しいと思い、〇〇の秋の中のトップに据(す)えております。今、読んでいるものは、後輩のアナウンサーが新著を出したので、それに目を通しております。ところで、虫の音(ね)すだく秋、といいますが、皆さんは秋の夜、虫の鳴く声に耳を傾けることって、おありでしょうか…。今、拙宅の庭には、夕暮れになると その虫の音(ね)すだく秋を迎えております。今はマンション住いが多い世の中ですから、虫の音すだくという現象は先ず無いのでしょうね。古い拙宅の和室の庭には、一番手がコロコロ、リーリーのコオロギ、二番手がリーンリーンのスズムシ、三番手がチンチンチンのカネタタキ、四番手がチンチロリンのマツムシらが盛んに鳴いております。正に虫すだく秋であります。地表の温度が24度ぐらいになると、虫達が一斉に鳴き始めると物の本で読んだ記憶がありますが、正に虫達の季節、真っ只中のようです。でもこの爽やかな秋風が やや冷ややかになると、虫達の合唱は、早々とピアニシモに変ります。虫達の競演が少しでも長く続いて欲しいと願っているこの秋であります。<2021年9月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年09月28日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『言葉』の心を生きる言葉にはそれを現実にする霊力、『言霊』が宿っていると言われます。日本はいにしえの時代から、『言霊』によって幸せになる国であると考えられてきました。万葉集に収められた柿本人麿呂の歌があります。「しきしまの大和の国は言霊の幸(さき)わう国ぞま幸(さき)くありこそ」また山上憶良は、「神代より 言ひ伝て来らく そらみつ 倭の国は 皇神の 厳しき国 言霊の 幸はふ国と 語り継ぎ 言ひ継がひけり」と詠んでいます。言葉の霊力とは何でしょうか。ポジティブな言葉にはポジティブなエネルギー。ネガティブな言葉にはネガティブなエネルギーがあります。「お前はダメだ」と言われてうれしくなる人はいないでしょう。「あなたは大丈夫」と言われたら、また頑張れるような気持ちが湧いてくるものです。言葉は単なるコミュニケーションのツールではない。そこには『心』があり、言葉を交わすというのは心を通わせていることでもあるのです。言葉に言霊があるということは、その言葉が使われなくなったらその『心』も失われるということです。新しい言葉、造語ばかりを追っていると、長い歴史の中で日本人が大切に貫いてきた精神性を失いかねません。例えば「はしたない」という言葉を、若い世代の人たちはどれだけ知っているでしょうか。私は子供の頃、親からよく「そんなはしたないことはやめなさい」と言われました。「はしたない」とは、慎みがなく、見苦しいという意味です。決して古典の言葉ではありません。「はしたない」という言葉が聞かれなくなったと共に、はしたないことが多くなった気がしています。見苦しさ、みっともないこと。何事も『個人の自由』、見苦しさを選択するのも自由です。でも、それは大きくいうと日本、日本人を劣化させていることにもつながるのではないか……大袈裟ですが、そんな風にも考えてしまいます。女性は女性らしく……などと、まったく考えていませんが、「たおやか」「しなやか」という言葉が、実はこれからの時代をサバイバルするキーワードではないかと思います。声を荒げて女性の権利を守る時代は終わりました。どんなに雪が降っても、風が吹いても、柳の枝は折れることはありません。柳に雪折れ無し。それが「しなやか」ということと、私は考えます。どんな逆風が吹こうとも、たおやかでしなやかである。そう在るためには、自分の中心に凛として立っていること。それが、本当の強さだと思います。女性の時代と言われています。たおやかに、しなやかに。その言霊がもたらすエネルギーこそ、これからの時代を「まろやかに」していくと思います。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年09月19日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。最後に何を……母は最後に何を食べたのだろう。お線香をあげながら、ふと思う。5年前のクリスマスイブの朝、介護ホームの部屋で脳梗塞を起こして倒れ、病院へ。翌日に意識が戻ったとき、母は言葉と右半身の自由を失っていました。話しかけてもきょとんとした顔をして、(この子はいったい誰だろう)と探るように私を見る。そんな母の姿を目の前にし、母の人生はまったく違う次元へ行ってしまったのだと思いました。倒れる前日、母はどんな夕食を取ったのだろう。それを妹は確認していました。ホームで出されたのは鯖の味噌煮だったそうです。母は鯖の味噌煮が好きでした。でも、ふと何だかかわいそうな気がしました。おそらく、そんなに話し相手もいなく、ひとりで食べていたのではないか。おいしく食べられたのだろうか。亡くなって5年も経ってからそんなことを思い出してもどうにもならないことはわかっていますが、それが人生最後のちゃんとした食事だったのかと思うと、胸の奥からやりきれなさが湧き起こるのです。きょとんとした顔をして私を見ているとき、何を思っていたのか。何も、ものを言わない母に責められているような気になり、後悔ばかりが次々と波のように心に打ち寄せたのでした。最後に……誰もが、いつかはこの言葉に出会います。そして、いつが最後になるのか誰もわからない。だからこそ、「いま、ここ」にしっかりと立ち、味わう。母も、その人生のシナリオを味わって生ききったのだと。若くして逝った友人たちも、神様と約束してきた時間を味わい尽くしていたのだと。そう思うことで、私は大好きな人たちの死を受け入れることができたのです。やれることを、やる。精一杯、やる。ただこれだけです。そして、命をつなぐ食事を、美味しくいただく。白いご飯とお味噌汁と梅干しだけでも、おいしく、ありがたく。そんなささやかなことも、人生という物語のひとつの支えになるような気がしてなりません。脳梗塞の治療を終え、母は療養型の病院に転院しました。しかし2ヶ月後、その病院でもできることはなくなり、老人病院へ移りました。そのときは、もう何も受け付けない状態になっていました。「でも……最後の最後に口にしたのは、千疋屋のマスクメロンのジュースだった」母は、妹が持っていったメロンのジュースを少し飲んだのでした。このことを聞き、ほっとしたのです。母はメロンが好きでした。おいしく、少しだけでも味わっていたのではないかと。最後に何を……思いをめぐらせながら、母に会いたくてたまらなくなりました。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年09月12日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。テレビニュースの字幕の間違い当方、テレビで一番よく視るのは『ニュース番組』です。そのニュースの字幕(スーパー)に間違いが多いのに気づきます。日本語は同音義語が多いので、そんなミスが気になるのです。「警報機が介助(正→解除)されて鳴らなかったもようです」「エレベーター数機(正→数基)が停止したもようです」…など、そのニュースの後でアナウンサーが訂正してはいますが、ニュースコメントの担当者は、もう少し日本語を勉強して欲しいと思っています。※写真はイメージ当方がアナウンサーの養成時代、尊敬する先輩から「アナウンサーは活字を食え!」と教わりました。活字はオモシロイですが、難しいです。いまだに食べ続けていますが 完食は出来ないと思いますね…。ところでニュース原稿担当者は原稿をパソコンで打っている訳ですが 打つのではなく「書く」という感覚を持てば、同音異義語の多いニュースの原稿ミスを、少なくできるのではないか、と思ったりしています。かつて こんな変換ミスがありました。「5季振りの優勝→ゴキブリの優勝」「道路規制で渋滞中→道路寄生で重体中」「イブは空いています→イブは相手います」この程度なら笑い話で済ませることもできますが、ミスを犯したのが、テレビのニュース番組となると話は別です。特に最近は、テレビニュースの字幕(スーパー)に間違いが多いように思いますので、ニュース担当者は心して、間違いの無い正しいスーパーの報道をお願いして置きたいと思います。「放送」は「送りっ放し」と書きますが、絶対に、そうしてはならない重要な仕事なのですから…。<2021年9月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年09月08日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。人生を変えたい…そんなときには八ヶ岳へ、軽井沢へ、友人たちが相次いで移住しました。また海の近くに部屋を借り、週の半分はそちらで過ごすことにした友人もいます。今の社会状況の中で、東京にいることが息苦しくなったこと。リモートでも仕事ができ、東京への日帰りも楽なこと。自然の中でゆったり暮らすこと。その理由はさまざまですが、都会でのライフスタイルと、自分の年齢と『思い』の間に溝が出来たのだと思います。その溝を解消するために迷いなく行動できたのは、素晴らしいです。人生を変えたい。もっと違う人生があるのではないかと可能性を考えること。30代の初めの頃、仕事も順調で人から見えれば何の不足もないように見えたであろう頃、私の中では(このままの生き方でいいのだろうか)という思いがつのりました。今のこの生き方、やり方が、果たして自分の心の成長につながるのか。そこにどうしても確証を持てなくなっていたのです。何かが違う。そんな違和感の『何か』がわからなかった。その『何か』がわからない限り、先に進めない気がしたのです。本を読み、講演会を聴きに行き、セミナーを受け、アートセラピー、ドリームセラピーを学びました。その答えは自分の外にあるのではなく、自分の中にある。すでに自分はその答えを知っている、と信じていたので、ひたすら自分を掘り下げる日々。そして、あるきっかけではっと気づいたのは、「自分に必要な学びは誰かに委ねられるようになること」ということでした。それは、誰にも頼ってはいけない、すべて自分でしなければならない、という無意識で決めて生きてきた私にとっては、大きなチャレンジです。そしてそんな人生を変え、人として成長するために結婚しようと決めたのでした。誰かに頼る、委ねるためには、結婚することだと思ったのです。結婚して25年が過ぎました。二人とも60歳を過ぎ、それぞれの仕事を忙しくこなしています。そろそろ、変化を求めたい気が湧き始めました。元気なうちに……というのも正直なところです。暮らし方を変えたときに、自分の中にどんな変化があり、世界をどんなふうに感じるのか。どんな作品を書くのか。見たことのないものを見たい、という好奇心がある限り、人生を変えるチャンスはいくらでもあるはずです。移住だけでない、意識を変える、ものの見方を変えるだけでも、新しい扉を開けることができると信じて。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年09月05日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。たまには何もしない1日を…?現代人は忙しく、分刻みでスケジュールをこなす毎日ですよね。「あ~忙しい!」「時間がたりない!」など、ついつい口をついて出ているのではないでしょうか?ネット上では『時短』の2文字が踊り、忙しい人向けに、簡単にできる様々なアイディアが紹介されています。『見なくても判る話題のドラマ』では、簡単にあらすじが紹介され、『10分でわかる本の内容』ではその小説が簡単に要約される…。こうした忙しい人向けのユニークなサイトもあるようです。※写真はイメージさてさて、そんな忙しい皆さんに、今回は真逆な提案をしてみたいと思います。それは『思い切って何もしない日』を作ってみる!!という事です。1日の予定を立てず、タイマーを切って、起きたいときに起き、ゆっくり朝食を摂る。それだけでもずい分ゆったりとした気持ちになると思いますが…。スマホもパソコンも開かず、ただただ、ぽぅ~と1日を過ごす!できれば新聞もテレビのニュースも視ない。本も読まず、音楽も聴かない…。実はそんな事を考えて実践した友人が居ますが、午前中は何とかボ~っとして何もしないことに務めたそうですがむしろ、そのことに疲れて午後からは元に戻して、気持ちも楽になったと言っていました。むしろ、のんべんだらりは疲れると思いますね。毎日の忙しさに慣れた方は、体内時計を止めるという事は、むしろ無理のような気がします。※写真はイメージ「何もしない1日を」の気分で、自分なりの動きで気楽に過ごす1日を持ちたいものですね。秋空の雲の動きを眺めるだけ、寄せては返す海の波の音を聴くだけ…気持ちの向くままのんびりと…そんな1日を過してみたいと思うのですが…。<2021年8月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年08月30日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。90歳、父の覚悟90歳でひとり暮らしをしている父の部屋の大掃除をしました。水回りはプロの業者にお任せし、いるもの、いらないもの、父がシンプルに暮らしやすくするための大掃除です。これまでできていたことが、できなくなってくる。それが年を重ねることだと、私も時折実感します。もうヒールの高い靴は履けないとか、もう絶叫マシンには乗れないとか、そんなことも加齢を感じたことでした。それが90歳ともなると、さらに実感することでしょう。怖さを感じながら、その怖さを諦めていくのだと思います。2年前は1日1万歩歩くことを課していたのが、7000歩になり、今では5000歩になりました。ところが先日、散歩のときに後ろから車に追突されるという交通事故に遭ってしまいました。幸い右膝の打撲(かなりのものですが)と、左肘の擦過傷ですんだのですが、数週間のリハビリをすることになり、しばらく5000歩の散歩はできず。父は焦ります。毎日歩かなければ、歩けなくなってしまうのではないか。杖をつきたくない、自分の足でしっかりと歩きたい。今の自分をキープする。その強い気持ちが、まさに父の生きる力につながっているのだと思います。片付けをし、もう使わないだろうと思われる台所用品をどんどん捨てました。すると、「それは使う」「捨てないでそこに置いてくれ」「ここにあった〇〇はどうした?」と、古くなっている上に、もう使わないだろうと思うピーラーや泡立て器などをとっておけと言うのです。特別に思い入れがあるものではないでしょう。(使うかもしれない)ということでもなさそうです。何か、自分が積み重ねてきたこと、母が倒れてから8年近く一人で暮らしてきた自負のようなものを無下にされているような……そんな気持ちからなのかもしれません。そんな父の姿に、自分を重ねてみます。まだ高齢という年齢でないから、思いきりものを捨てることができるのかもしれない。また、好きなものを買い、ものを増やすことができるのかもしれない。毎日歩かなくては……と思ってはいても、それを切実なものにできない。体の所々に不調が出てくる。生え際に白髪が出てくる。代謝が悪くなってくる。加齢によるさまざまな変化を「新しい自分と出会う」と捉えているのですが、まだまだ悠長なものです。父がデイサービスを受けるにあたり、何かあった場合の延命について質問がありました。きっぱりと、晴れやかに、こう答えたそうです。「延命の必要はありません。そうなったら1週間くらいで死にますから」※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年08月29日ウェブメディア『grape』では、メディアコンセプトである『心に響く』をテーマにエッセイを募集します。2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award(グレイプ アワード)』。第5回目となる2021年は、例年通り『心に響く』というテーマを軸に、コロナ禍によりこれまでと変わった生活スタイルが続く中、自分の周りであった心温まるエピソードや、心が癒されるような体験談を募集します。2020年は、『心に響くエッセイ』のほか『心に響いた接客』を加えた2つのテーマで、一般公募を開始。約3か月間で、13歳から85歳までの幅広い年齢層から、888本もの作品が寄せられました。また、リアルイベントでの授賞式ではなく、初めての試みとして受賞作品を、豪華声優陣による朗読でご紹介。受賞作品発表の特別番組をYouTubeで配信しました。なお、今回は作品を音声コンテンツ化し配信を予定しています。今回も、みなさんにとって「誰かに伝えたい」と思う素敵なエピソードをお待ちしております。特別協賛企業のご紹介株式会社タカラレーベン株式会社タカラレーベンは全国で新築分譲マンションを中心に展開する不動産総合デベロッパーです。「幸せを考える。幸せをつくる。」を企業ビジョンとして掲げ、幸せをかたちにする住まいづくり、街づくりを実現しています。本コンテストでは、全応募作品の中から、特に「幸せ」が感じられる作品に、『タカラレーベン賞』が贈られます。応募規定テーマコロナ禍によりこれまでと変わった生活スタイルが続く中、『自分の周りであった心温まるエピソード』や、『心が癒されるような体験談』のエッセイを募集します。また、エッセイの内容に関連する画像がございましたら、応募フォームでアップロードしていただき、合わせての応募も可能です。文字数・形式1000文字以上~1500文字以下※タイトル全角36文字以内※自作未発表の作品に限ります。※商業利用について無契約の作品に限ります。※複数ご応募いただけますが、入賞の対象となるのは1人1作品です。※18歳未満のご応募は、保護者の同意を得てください。※応募作品内に特定の人物がいる場合、個人が特定されないように配慮してください。登場人物のプライバシーおよび個人情報に関して、弊社は一切の責任を負いません。※画像については必須ではございません。ご本人以外の特定の人物が写っている場合は、写っている方の了承を得てからご応募いただくようお願いいたします。応募方法ご応募はエントリーフォームよりお願いいたします。詳細は『grape Award 2021』募集ページでご確認ください。応募資格不問(プロ・アマ問わず)応募締切2021年10月31日(日) 23時59分まで選考方法grapeおよび外部審査員で、厳正な選考を行います。賞最優秀賞1名副賞(賞金20万円、記念品等)タカラレーベン賞1名副賞(賞金10万円、記念品等)優秀賞各テーマより若干名副賞(賞金3万円、記念品等)結果発表2021年12月中旬受賞作品決定、作者様へご連絡2022年1月下旬~2月上旬最優秀賞ほか受賞作品を発表、『grape Award 2021』公式ページにて掲載注意事項応募作品の取り扱いについて応募作品の著作権は、応募とともに主催者(株式会社グレイプ)に移転いたします。ご理解の上、ご応募いただきますようお願いいたします。また、応募作品の著作者人格権は作品の応募者に帰属しますが、主催者(株式会社グレイプ)および協賛企業に対し、コンテストの報告などでの使用、ウェブサイトなどでの応募作品の公開、校正、2次利用を許諾いただくことを前提にご応募ください。結果に関わらず、ご応募いただいた作品は『grape』サイトにて掲載させていただく場合がございます。掲載時に、誤字・脱字の修正や文章の調整を行う場合がございますのでご了承ください。また、掲載時に本名の公開を希望しない場合には、ペンネームをご記入ください。応募者には、作品内において第三者の権利を侵害していないことを保証していただきます。作品に対し、第三者からの権利侵害の訴えや損害賠償請求等があった場合、弊社は一切の責任を負いません。受賞作品に権利侵害等が発覚した場合は、受賞を取り下げさせていただきます。個人情報の取り扱いについて応募に際してご提供いただいた個人情報は、コンテストの審査、入賞者及び入賞作品の公表及びそれに係るご連絡のためにのみ使用いたします。個人情報は、応募者ご本人、または応募者ご本人が18歳未満の場合は、その保護者の許可なく、第三者に開示いたしません。その他の個人情報の取扱いについては、株式会社グレイプの「プライバシーポリシー」をご参照ください。皆さんのご応募をお待ちしています。『grape Award 2021』募集ページ[文・構成/grape編集部]
2021年08月27日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『自然(じねん)』を生きるということ日本は、実に災害の多い国です。地震、台風、火山の噴火。それに加え近年ではゲリラ豪雨、線状降雨帯がもたらす災害に見舞われるようになりました。地球温暖化、気候変動が原因なのでしょうか。自然が激しくなっている……のでしょうか。大雨による河川の氾濫や土砂崩れなどは、治水や植林なども原因の一つになっているのではないかと推測します。自然が本来あるべき姿を、人間の都合の良いように作り替える。もちろん、それが功を成していることもあるのですが、必ずしもそれだけではないように思えます。自然とどのように共に生きていけばよいのか。日本人は、環境問題以前に自然と共に、自然と調和をはかりながら生きてきました。自然に生かされている。森羅万象の中に神を見出し、感謝と祈りを捧げました。四季の移ろいの中の美しさも儚さも味わい、花鳥風月を愛で、それを伝統文化として昇華させてきました。西洋の絵画には宗教画が多いのに比べて、日本の絵画には自然を描いた作品が多いことにも現れています。日本にはもともと自然(じねん)という考え方がありました。これは「あるがままの状態」「自ずから然(しか)らむ」という仏教的な思想から来ています。私たちは森羅万象の一部であると考えられてきました。『自然(しぜん)』という言葉は、19世紀末に入ってきた英語『Nature』の訳語です。西洋では、キリスト教的な世界観の中での『自然(しぜん)』は、人間がコントロールするべき野生であると考えられています。天地創造したのは唯一神であるからです。ここが日本の自然に対する捉え方と西洋の捉え方の違いです。現代の日本人はどうでしょうか。本来持ち続けてきた『じねん』の感性を意識する時ではないかと思えてなりません。森羅万象とどうつながっていくか。すべては『与えられたもの』。私たちはその恵みによって生かされている。こう考えると、思わず頭を垂れたくなります。日本は、天災による破壊と復興を繰り返してきました。それが日本人の忍耐強さにつながっているとも言われています。その根底には、自然(じねん)という意識が深く根差していたからなのかもしれません。それは、私たちの遠い記憶や遺伝子に受け継がれてきた優しさであり、謙虚さであり、愛なのだと思います。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年08月22日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。猛暑を好むカンナ咲く夏の花 と言えば、皆さん、何を思い浮かべますか? ひまわり、朝顔、ユリ、ノウゼンカズラ、グラジオラス、などでしょうか…。そしてカンナ! です。強い夏の日差しの下で、鮮やかに華やかに、そして逞しく咲くカンナに、毎朝元気を貰っています。このカンナは、コロンブスがアメリカ大陸に上陸した時に発見したと言われていますが、日本には江戸時代前期に渡来して来ました。名前は『カンナインディカ』、和名は『ダンドク』というそうです。『ダンドク』は、仏教では最高位の花とされています。その昔、仏陀の強力な霊力を妬(ねた)んだ悪霊が、大岩を仏陀めがけて投げつけました。するとその岩の破片が仏陀の足に当り、その時流した血が大地にしみ込んで、そこにカンナが咲いたという言い伝えがあります。カンナ今では河原などで、半野生化しているものもありますが、色は鮮やかな赤や黄色、オレンジ、稀(まれ)に白など、バリエーションも豊富です。その種は、長時間の貯蔵に耐えて、550年間も発芽力を失われなかったといいますから、驚くべき強靭さですね。炎天下の中でも枯れることなく手の平ひら大の花を咲かせる、何とも逞しいカンナです。強い雨風に当たっても花はしっかりとついています。550年は伊達(だて)ではないのですねぇ…。ノウゼンカズラ花枯れといわれる夏ですが、拙宅では、この時季、天空には橙(だいだい)色のノウゼンカズラ、地上には、黄色のカンナが咲き、花ウンサーにエールを送ってくれております。夏を楽しく元気にしてくれるカンナです。<2021年8月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年08月20日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。大好きなことを選ぶということ私は、何が好きなのだろう。これまでの人生に彩りを与えてくれたもの、こと。そしてこれからの人生に楽しみを与えてくれるもの、こと。好きなものは生活の中に溶け込んでいます。気づかないほど自然に。改めて思いをめぐらせてみると、「花と料理と歌と詩と」という言葉が浮かびました。花と料理と歌と詩と。大好きなものであるとともに、それらは生活に溶け込んだ、人生の創造物でもありました。26歳、都心の小さな部屋で一人暮らしを始めたとき、一輪でも、いつも花を飾ろうと決めました。黒のお膳の上に花器を置き、花を飾るコーナーを作りました。カサブランカ、カラー、バラ、チューリップ、芍薬……そんな花たちをワッと投げ入れに。花を飾っただけで、小さな部屋は特別な空間になりました。この10年近く、花の教室に通いながら花と対話することを学びました。仕上がりのイメージをしながら、花と対話する。どんなふうに生けてほしい?一輪一輪の花の個性と向き合っていると、(こっちを向けて)、(この向きはどう?)と、そんな花たちの声が聞こえるようです。花と対話。落ち込んでいるときには、花たちが寄り添ってくれているような……。妄想かもしれませんが、花と向き合っているときは、心の中の静けさに身を投じることができるのです。食は、命を支える柱です。凝ったものは作れませんが、料理をするのは十代の頃から好きでした。一人暮らしをしているときも、自分のためにせっせと作り、ときどき友人たちを招いては食事会をしたものです。コロナ禍となり、自己免疫力を高めることがより大切になりました。家から出ることも少なくなり、毎日、食事を作っているうちに、器、しつらえに凝りはじめ、料理は日々のクリエイションになっていきました。この一年で購入した器は20枚近く。ものを減らす流れに逆行です。野菜を刻みながら、煮込みながら、盛り付けをしながら、『よりよくすること』に集中して。また、それは瞑想をしているような時間でもあるのです。歌を書くこと。これは私にとって人生の柱です。歌を書くことは、その歌の主人公たちの人生に出会うことでもありました。そして詩を書くこと。自分は最終的にどうありたいか。こんなことを考えたとき、なぜかふっと、詩を書こうと思いました。湧き上がる思いを言葉にしていこうと。花と料理と歌と詩と。一人ひとりが幸せの価値を見出していく時代。それぞれが大好きなこと、ささやかでも楽しいことを選択し自分らしくあることが、新しい時代を楽しくすることだと思うのです。厳しいときだからこそ、ささやかでも。何よりも、自分が心地よくあるために。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年08月15日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。天然か現実か、それが問題『天然もの』は珍重されます。魚介類であれば、ありがたく。人もまた、『天然』のキャラクターは愛されるものです。しかし、年齢と共に緩んでいくネジ……記憶力……発想力……は、天然だと喜んでいられないものがある。年齢に比例した『天然』かもしれませんが、それまで知らなかった自分との出会いに、戸惑うこともしばしばです。ふとした瞬間に、自分の変化を目の当たりにして唖然。お昼に何食べたっけ……、あれ、あの人なんていう名前だっけ……。このような『ど忘れ』のときは、必ず思い出すこと。途切れた回路を修復するように。あ……い……う……というように、一文字一文字辿るように思い出していきます。天然と言われる人は、思い込みも強いかもしれません。大学の先輩の「高校は“しんがっこう”だったんだよね」という話に、「え!神様の学校だったんですか?」とボケた上に胸で手を組んだ私に、その場にいた友人たちは一瞬固まっていたのを思い出します。数日前、レストランでのこと。一人ひとりにメニューのカードが配られました。前菜からデザートまで書いてあるいちばん下に「珈琲または紅茶」とありました。どんなコースメニューにも書いてあるように。小さな字だったからと言い訳したいのですが、私はこう思ってしまったんですね。(くれない茶ってなんだろう。紅花のお茶かなあ)一通りコースをいただき、ウェイターが飲み物のオーダーをとりにきました。「コーヒーになさいますか?紅茶になさいますか?」(あ、そっか。紅茶か)そのとき気づいたんですね、やっと。それも、その日に紅茶を飲んでいるにもかかわらず。気づいたときに大笑いしてしまったのですが、一緒にいた夫の顔が少し引きつっていたのを見逃しませんでした。そうですよね。ちょっと笑えない。脳の中の連携がどうなっているのだろうと自分が心配になります。ひとつ、言い訳をするなら、最近ある楽曲のプロジェクトで、日本をテーマにした歌詞を手がけたことがあったと思います。日の丸の赤は、正式には何色だろうと調べると、それは『赤色』ではなく『紅色』『くれない色』というそうです。この『紅』という文字に『くれない』という言葉、イメージが頭の中にあったからに強く残っていた……と思っているのですが無理があるでしょうか。ありますね。天然と現実の間で揺れる年頃。その揺れも人生の一部として楽しんで。くれぐれも揺れに酔ってしまわないように。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年08月08日おばさんという言葉が背負う悪印象を、解体し、再構築するカルチャーエッセイ。岡田育さんによる『我は、おばさん』をご紹介します。「おばさん」は女性にとって悩ましい呼称だ。ニュートラルには、中年女性を意味する言葉でしかないはずなのに、そう呼びかけられるといい気持ちはしない。女性にとって、なることに怯える「おばさん」とは何なのか。おばさんを侮蔑語のままにしておいてよいのか。シスターフッドのために、どうしたらよりよきおばさんになれるのだろう。そんな難題を噛み砕いて考察してくれたのが、岡田育さんの『我は、おばさん』である。岡田さんがその単語を意識したのは29~30歳頃だそう。「ちょうど“オトナ女子”という表現が出てきた2000年代の終わり頃で、『私たちはもしや、このままずっと女子でいられるんじゃないの』という錯覚も抱いたのですが、個人的には妹に子どもが生まれたタイミングでもありました、私は自動的に、アラサーで、伯母さん(笑)。いったいどっちなの、という気持ちに決着がつかないまま40、50に突入するのかとモヤモヤしました」おばさんという言葉の印象を女性自身がどこか内在化していることも問題ではないかと思った岡田さん。「ならば、マイナスからプラスへ視座を変えられないかなと思って。私自身、10代のときから母親とは異なる価値観を見せてくれる大人の女性に憧れていましたし、すでに多くの小説や映画などには、見習いたい魅力的なおばさんがいたんです」『若草物語』のマーチ伯母、『更級日記』の菅原孝標女、ヤマシタトモコ著『違国日記』の高代槙生、黒柳徹子や後藤久美子など。輝いているおばさんや、ときに反面教師にしたいおばさんも拾い上げながら、古典やエンタメをひもとく。「これからの女性たちは、自分の母や祖母とも違う生き方をするのだと思います。職場や周囲に真似したいような人がいない、あるいは生き方がすごすぎてお手本にならない、と思わないでください。ファッションを真似するのと同じ感覚で、なんとなくステキだなと思った人を参考に、少しずつ自分の独自性を見つけていけばいいのではないかなと」岡田さんは語る。女性たち自身が選び取れば〈あなたが待ち望んだ、私がなりたかった、「おばさん」になることができる〉のだと。本書には、そのヒントが詰まっている。岡田 育『我は、おばさん』引用した多数の作品は巻末にリスト化。著者と同世代なら懐かしさに胸躍るはず。妹世代にとっては新しいカルチャーとの出合いになるかも。集英社1760円おかだ・いく1980年生まれ、東京都出身。編集者を経て、2012年より本格的にエッセイの執筆を始める。著書に『ハジの多い人生』(文春文庫)ほか。‘15年よりニューヨーク在住。©Omi Tanaka※『anan』2021年8月4日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2021年08月03日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「称えあう」と世界は丸くなる「敬愛する」という言葉が好きです。敬愛とは、『尊敬と親しみの気持ちを持つこと』。尊敬というと優れた人に対する気持ちのように思われるかもしれませんが、その人の『素敵さ』に対して心から、心を寄せることができたら、年齢も立場も関係ありません。言葉には、それを現実にする力、言霊があると信じられてきました。「ありがとう」という言葉を大切にしていると、不思議に満たされるような感があります。「おかげさまで」と言葉にしてみると、ありがたい気持ちが湧き上がります。敬愛する……素敵だと思う人、大好きな人がいてくれるだけでうれしい。心からそう思えると、なぜか穏やかな気持ちになります。批判を口にするのは、わざわざ体に悪いものを食べるようなものです。よい点よりも、好ましくない点が目についてしまう。人にはそのような習性があるのかもしれません。しかし、批判を口にしてみると、心にざらっとした感触が残らないでしょうか。時々、TwitterなどSNSで批判の応酬になっていることがあります。読んでいる方にも後味の悪さがあります。反対に、相手の素敵なところを褒める、称える。すると、なんとも爽快です。あたたかい気持ちになります。批判が体に悪い食べ物だとしたら、褒める、称えることは、体に良い食べ物を取り入れることなのですね。「称える」というのはあまり馴染みがないかもしれません。でも、この一言ですべてを語ることができます。「すばらしい!」こう言われた人はうれしいし、言ったこちらもうれしくなる。いい循環が生まれるのです。これは、日常の中でも心がけることができます。不快なことより、よいことに焦点をあてる。例えば、スケジュール帳によかったこと、嬉しかったことをメモすることもお勧めします。メモに残すことによって、心に刻まれる。よかったことに焦点をあてることが身についていくのです。すると、少々のことでは凹まなくなります。気持ちの切り替えがうまくなるのです。お互いのいいところを見いだして、称えあう。ポジティブな思いが循環し広がっていくと、世界は丸くなるのではないか。そんな世界をイメージしながら、まずは今、ここから始めていきましょう。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年08月01日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。サラリーマン川柳で笑う!マスクマスクの日常生活で、笑うことが、大きな声で笑ったりすることが、何となく抑えられ、笑顔のある生活が少なくなっているように思われます。会議でも、友人達やご近所さんとの立話でも…。早くマスクのない、笑いのある生活を取り戻したいものですね。そこで今回は、例年第一生命が主宰している今年のサラリーマン川柳コンクールの入賞作品を列記させていただきますので、ニンマリ笑って頂けると幸いでございます。【1位】「会社へは 来るなと上司 行けと妻」(なかじ)【2位】「十万円 見る事もなく 妻のもの」(はかなき夢)【3位】「リモートで 便利な言葉 “聞こえません!”」(リモートの達人)【4位】「嫁の呼吸 五感で感じろ! 全集中!!!」(鬼嫁一家)【5位】「じいちゃんに JY.Parkの 場所聞かれ」(けぇぽっぷ)【6位】「我が部署は 次世代おらず 5爺(ファイブジイ)」(松庵)【7位】「お父さん マスクも会話も よくずれる」(さごじょう)【8位】「YOASOBIが 大好きと言い 父あせる」(テンビ)【9位】「お若いと 言われマスクを 外せない」(エチケット)【10位】「抱き上げた 孫が一言 密ですよ」(白いカラス)コロナ禍でも、ユーモアやウィットに富んだ川柳の魅力。正に笑いの妙薬ですね。クスリと笑っていただけると、幸せでございます。※掲載句は第一生命株式会社様より許諾を頂いています。<2021年7月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年07月28日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。心がざわざわするときは……心がざわざわすることが起こります。ニュースを観ても、時には自分の身にも、ざわざわすることがあります。私の場合、作品などの評判や批評もあります。厳しい意見にもきちんと向き合えたらよいのですが、私はできるだけ見ないようにしています。これでよいのかどうか、未だもってわからないのですが、打たれ弱い自分がいるのです。心がざわざわするときは、そのざわざわを一旦自分の外に取り出すようイメージします。そして、自分の中心に入れない、と決めます。つまり、世の中で起こっていること、他人のこと、他人から何か言われたことが、自分の人生に直接影響があるかどうか。そこを冷静に考えてみます。すると大抵の場合、よほどのことがない限り自分の人生を侵食するようなことではないのです。自分の中心にある大切な場所に入れない、というイメージを持ってみましょう。やるべきことを黙々とする。仕事でも家事でも、やるべきことに集中する。言ってみれば、仕事瞑想、家事瞑想でしょうか。雲が流れるように途中でモヤモヤとしてきたら、それを手で払います。またモヤモヤしてきたら、払います。その繰り返しを。何かを作ることに集中することも効果的です。それも自分のためにではなく、誰かのために。私は料理をすることで、モヤモヤとした何ものかを外します。「誰かのために」という気持ちが、気持ちの浄化を助けてくれるのです。「気にしない」「どうでもいい」と、実際に言葉に出して言ってみるのも一つの方法です。モヤモヤ……「気にしない!」ざわざわ……「どうでもいい」、このように。「気にしない」「どうでもいい」という言葉の言霊が働くのです。言ってみれば、これは『言葉の結界』です。結界とは聖なる場所と俗なる場所の境界。悪いものが入ってこないよう、浄不浄の線引きをするのです。見なくてもいいものが目に入り、聞かなくてもいいことが耳に入り、読まなくてもいいものが、ふと目に飛び込んでくる。そんな時代にあって、自分の心を保つこと、ストレスを受けないことは、一つの危機管理になるのかもしれません。自分の中に寛げるような、そんな日常でありたいものです。心がざわざわするときは……誰かのために何かを作り、言葉の結界を張る。今すぐにできる浄化法を試して、自分自身に寛いで、穏やかな毎日を送りましょう。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年07月25日血縁や社会的役割を超えた関係性“シン家族もの”。ライターの小川知子さんがナビゲートします。従来の家族制度に縛られない、“ゆるやかな結合”近年、家族という概念を揺るがす関係性を描いたエンタメ作品が増えていると、小川知子さんは語る。「安らげる関係であるはずだった家族が、夫婦だから、親だからといった固定観念によって息苦しさが生まれ、関係が行き詰まってしまった事例が、現実に多く存在します。しかし、与えられた社会的役割を一度解放してみたら、うまくいく場合も。また、戸籍上他人であっても血縁でなくても、支え合う自立した個々同士が、ゆるやかな形で集まった共同体を家族として捉えるという流れもあります。そんな既存の制約にとらわれず、多様な家族のあり方を描いた作品に、長い人生を自分らしく生きていくためのヒントがあるはず」元夫たちとの距離感が絶妙。バツ3女性の日常を描く。ドラマ:『大豆田とわ子と三人の元夫』3度の離婚歴があるヒロインを中心に、さまざまな結びつきを示した、今年の傑作。「結婚も離婚もハッピーエンドに関与していない。自分で選んだからこそ、その先に見えてくる景色もある。常識や契約に縛られない関係性のあり方が描かれています」。DVD‐BOX 2万5740円 11/5発売発売元:カンテレ販売元:TCエンタテインメント©2021カンテレ支え合って生きていく、女性ふたりの共同生活。エッセイ:『女ふたり、暮らしています。』シングルでも結婚でもない、女性ふたりと猫4匹の暮らしを描いた韓国のエッセイ。「性格は違っても、自立していて、気も合うから、一緒に暮らすことで自由と心強さを手にできた。まさに理想の生活と関係性」。キム・ハナ、ファン・ソヌ著CCCメディアハウス1650円ワンオペ女性が大黒柱妻に。社会のあり方を問い直す。漫画:『大黒柱妻の日常 共働きワンオペ妻が、夫と役割交替してみたら?』夫と役割交替をし、妻が大黒柱として働いてみたら、昭和のお父さんに!?「社会構造が役割を作っていて、我々もそれに結構とらわれている気がします。双方の立場を知る上で、役割を交替することの重要性を感じた」。田房永子著エムディエヌコーポレーション1320円実父が出演し、話題に!実体験を基にした家族の話。舞台:ゆうめい『姿』脚本・演出を手掛ける池田亮さんの体験と、親族への取材に基づいて描かれた2019年の舞台で、今年5月に再演。「壊れかけた家族でも、足りなかったものを後から埋めていくことで、また新たな家族のカタチを作ることができると思える作品」。次回作『娘』は12月に公演予定。小川知子さん映画宣伝・配給会社、『ecocolo』編集部を経て、フリーに。現在は『GINZA』『花椿』などで執筆。※『anan』2021年7月21日号より。(by anan編集部)
2021年07月18日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。永遠の17歳を心に「私は14歳の自分を飼っている」2年前、松任谷由実さんがインタビューで語っていた言葉です。この感じ、とてもよくわかる。私の中には、永遠の17歳と永遠の28歳がいます。こう話すと多くの人が眉をひそめるのですが、決して若者ぶっているわけではありません。17歳のときに価値観を変えるような光景に出会ったこと、その頃の感受性を今も大切にしていること。28歳の私はとても冴えていて、生き生きとしていた。そのエネルギーを今持つことは難しいですが、28歳の自分は私を励まします。松任谷由実さんの「14歳を飼っている」というのも、何かインパクトのある忘れられない年だったのではないかと推測します。私は大学の授業でも、また講座の中でも、心、感受性をオープンにして、素直に感動することの大切さと伝えています。忘れられない光景、感動は単に想い出になるだけではなく、感性の発露になり、励ましになり、何かあればその場面を追体験することもできます。体験を前向きに捉えることで、いつでもフレッシュな気持ちを保つことができるのです。17歳、高校3年生の5月のある日。朝起きたらとても天気がよくて、海を見たいなあと思いました。そして友達と午後からの授業をさぼって、海を見に行ったのです。たったそれだけのこと。でも、思ったことをすぐに行動できたこの体験は、とても大切なことを教えてくれたし、行動できたことがとてもうれしかった。そしてこの5月の海は、これまで見たどんな美しい海よりも輝いているのです。船の上で満天の星空を見たのも17歳でした。自分もこの果てしない宇宙の一部なのだと思ったら、うれしさがこみ上げてきました。私たちが生きる時間は、宇宙の時間の中で塵にも満たないような時間です。でも、その人生の中で味わう悲しみは深く、喜びは胸を震わせる。ずいぶんと大人になってから、あの満天の星空は、生きることの尊さを教えてくれました。私の歌詞の中には星空が多く登場しますが、胸の奥のスクリーンにこの時の星空を再現しながら書いています。いつでも、どこでも、『大好きなあの頃』に戻ることができる。過ぎていった時間を行ったり来たりできるように。そう考えていくと、これから私たちが刻んでいく時間を豊かに過ごしたいものです。振り返ったとき、忘れられない時間にできるように。心をオープンに、楽しい!素敵!と思える素直さを。ささやかなことに感動できる感受性は、幸せな気持ちの源なのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年07月18日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。栄光の金メダル東洋の魔女東京五輪パラ開幕が目前です。私は64年の東京オリンピックでは、民放代表アナウンサーとして女子バレーボール金メダルのあの東洋の魔女の実況を担当いたしました。昭和39年(1964年)10月23日、東京オリンピック、女子バレー決勝の日ソ戦は(当時はロシアではなくソビエトとかソ連と呼ぶ)、東京駒沢屋内競技場で行われました。日本が第1セットを15対11で先取し、チェンジコートの時、正面観客席の中に、大松監督夫人の美智代さんの上品なお顔が目に留まりました。人目をはばかるように一人静かに、でも精一杯の応援を送っている… そんなお姿でした。写真提供:押阪忍日本は15対8で第2セットも奪取、第3セットも果敢な攻撃で、愈々(いよいよ)14対13の、マッチポイントを迎えました。会場は割れんばかりの大声援、大喚声、NHKの鈴木文弥アナの『金メダルポイント』が名言となったあのシーンです。そして遂に日本は、マッチポイントを制し、世界最強といわれたソビエト、ソ連を破ったのです。手脚、猛練習で傷だらけの6人の魔女達は、我先きに大松監督の元へ駆け寄り、大感激の胴上げが始まりました。主将の河西、宮本、半田、松村、谷田、磯辺、6人の高く掲げた手の上で、鬼と言われた大松監督が両手を拡げて空を舞う… しかしその顔には、鬼の眼に大粒の涙です。6人の魔女も声を挙げて泣いています。写真提供:押阪忍そして観客席で白いハンカチを握りしめて声援を送っていた美智代夫人は、観客総立ちの中で同じく立ち上がり両手で拍手… そして白いハンカチは流れ落ちる涙を拭くことになりました。東洋の魔女金メダル獲得、大感激、大感涙のシーンでありました。<2021年7月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年07月13日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。夢のメッセージに背中を押されて「夢は超意識からのメッセージである」これは、眠れる預言者と呼ばれたエドガー・ケイシーの言葉です。奇妙キテレツなストーリー、何の意味もないような夢が、私たちの意識、無意識、さらにその奥にある超意識と言われている領域からのメッセージである……。にわかに信じがたいことですが、どんな夢も登場したシンボルとストーリーを紐解いていくと、自分の現状を示し、適切なアドバイスを見いだすことができます。時にはトラウマの夢もありますし、ごくまれに予知的な夢もあります。大学一年の時です。高校の同級生の男子から電話があり、映画に誘われるという夢を見ました。そして映画の後、彼女とうまくいっていない、と相談を受ける……という夢です。とても具体的な夢でした。なんでこんな夢を見たのかなあ、と不思議な気持ちだったのを今でも覚えています。翌日、その彼から電話がありました。そして『宇宙戦艦ヤマト』を観に行かないか誘われたのです。彼は模型作りが趣味だったので、そういう映画の選択だったのでしょう。そして映画を見た後、飲茶を食べに行きました。私は次にどんな展開になるかもうわかっていました。彼女とうまくいっていないことを、相談されたのです。このように夢と現実がリアルに合致することはまれです。なぜ、私の超意識はこれほどリアルな夢を見せたのかわかりませんが、ただひとつ思うのは『夢』への信任を促すためではないかということです。実際、夢によって決断できたこと、気持ちの切替えができたことが何度もありました。夢は、私たちの意識、無意識にも働きかけているのです。さて、数日前に見た夢です。「建て売り住宅に引っ越しをする。玄関を入るととても狭い。(これではお客様を呼べない)と思っている。そして部屋に入ると、間取りが奇妙である。お風呂を見ると、ビジネルホテルにあるようなユニットバス。(こんなお風呂嫌だ)と思っている。もっと頑張って、新しい家を買おう、と思っている」さて、引っ越しというのは、環境を変えたい気持ちがあることを表します。ところが、玄関は狭い。さて、どういう意味でしょうか。お客様を呼べないと思っていますから、人との接触、つきあいを表すのではないかと推測します。コロナ禍にあり、外出すること、社交とは少し縁遠くなってしまいました。家にいることが心地よく……という日々。これは、もっと多くの人と会いなさい、というメッセージです。そしてユニットバスは、既製品ではだめ、オリジナルのものを選びなさい、創っていきなさい、というメッセージと捉えました。とてもポジティブな示唆に富んだメッセージです。解釈をしたら、内側からやる気が出てきました。このように、夢が背中を押してくれることもあるのです。私たちは自分の内に、夢という宝を持っています。どんな夢でも、反芻して味わうだけでも意識、無意識に働きかけると言われています。ぜひ、朝、目覚めたときの5分間だけでも、夢を味わって、受け取ってみてください。何か、感じることがあると思います。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年07月11日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。言葉と行動は『心の現れ』先日、ロサンゼルス・エンジェルズの大谷翔平選手が会見後に席を立ち、椅子をきちんと元に戻している動画をツイッターで見ました。大谷選手のこの行動について、アメリカ人が感心した、とのツイートが多く寄せられているそうです。何ということのない、ただ椅子を元の向きに戻したということ。でもここには『精神』『心』があります。それは相手(椅子を片付ける人)への心遣いであり、立つ鳥跡を濁さず、の精神です。ゴルフの松山英樹選手がマスターズで優勝した時、キャディの早藤さんがグリーンに向かって一礼した写真も話題になりました。サッカー選手も選手交代などのとき、ピッチに一礼します。誰に教えられることもなく、多くの日本人はこのようなことを無意識のうちにします。日本らしさ、日本人らしさとは?日本のいいところは?こんな質問を時々受けます。食べ物がおいしいとか、インフラが整っている、電車の時間が正確、女性が夜にひとり歩きしても比較的安全、落とし物は返ってくる……とよく言われます。でもそれだけでは表現しきれない何か……それは、『精神』『心』なのだと思います。目に見えない何ものかに対する敬意、それが私たちの中に無意識のうちにあるのだと思います。友人がゴルフ場の化粧室で石川遼選手と一緒になったときのこと。石川選手は手を洗った後、洗面台をペーパータオルで丁寧に拭いて出たそうです。これは、なかなかできることではないですね。次に使う人への心遣いが、自然にこのような行動になるのです。教えられなくても、強制されなくても、自然に行う、そこに美しさがあります。目に見えないものを大切にする。日本語にある敬語、謙譲語、丁寧語は、相手に対する敬意の表れです。相手を大切に思うからこそ、自然に出る言葉です。過剰な敬語や謙譲語は聞き苦しいですが、日常の会話の中に自然と溶け込んでいると素敵です。言葉だけでなく、その心が身についている、ということですから。例えば、「誰々さんが来た」を「誰々さんがいらした」と言うだけで、そこに小さな美しさが現れます。「何々をもらった」と「何々をいただいた」と言うと、感謝の気持ちが現れます。言葉も行動も『現れ』です。日頃の何気ない言葉や行動の中に精神、心が現れる。大谷選手の椅子を丁寧に直す姿は、失ってはならない日本の精神を改めて教えてくれました。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年07月04日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。街のざわめきが消えた?コロナ感染予防のため、外出や移動の自粛の『御触れ』が浸透しているので、街中の人出は、コロナがいなかった頃に比べると、かなり少なくなりましたね。当然のことではありますが、街の活気や賑わいが、今ひとつ元気がありません。先日 繁華街の横断歩道を、友人と肩を並べて歩きながら話をしましたが、お互いにマスク、マスクでよく聴きとれません。街中でハッキリ大きく聴こえるのは、パトカーと救急車のサイレンぐらいでしょうか。何か今まで感じていた生き生きとした街の息遣いが、騒音の魅力が、かなり少なくなったように思えます。拙宅の近くの児童公園には、いつも子供達が遊びに集って来ます。当然お母さん方も一緒ですが、勿論全員マスク姿です。その子供達の遊ぶ姿を見ていると、いつもの大声でハシャギ廻るという子供達の動きではないように思われます。「お子さんの動きが、大きいマスクでオトナシメですねぇ…」と顔見知りのお母さんに声を掛けましたら「幼稚園でも、余り大きな声は出さないように言われているようですよ…」という答えが返って来ました。※写真はイメージ私の友人にコーラスの指導者がいますが、練習の人達は『フェイスシールド』で声を出しているので、やはり発声に歯止めが懸かり透明感も失われ、篭り勝ちになるので、まとまりにくいと こぼしていました。放歌放吟とまでは申しませんが、マスクなしで思い切って大声で歌ったり、笑ったり、話したりできる普段の日常生活に 早く戻って欲しいと一日千秋の思いで願っています。<2021年6月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年06月24日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ひとり旅のすすめ3〜警戒心という鎧〜仕事に一区切りをつけて、飛行機に乗り、シートベルトを締めた瞬間に、あー、解放された!と全身から力が抜けます。自由だー!大袈裟に聞こえるかもしれませんが、これが目の前に人参をぶら下げて仕事をしている自分の情けなさもあるのですが。目的地へ着くまでの自由。ところが目的の空港に着き、タクシーに乗るときから『警戒心』という鎧を纏います。いまでは改善されたかもしれませんが、早朝にロンドンやパリに到着すると、白タクの運転手がまとわりついてきたものでした。ローマではスカーフから生々しい首の傷痕が見える運転手に遭遇したり。乗って行け、という言葉にガンとして打ち合わず、無視するに限ります。地下鉄はスリの仕事場です。バッグをしっかりと前に抱える。そして怖い顔で。全身、セキュリティー万全に。それでも相手の方が百戦錬磨ですから、一瞬の隙を狙ってきます。大好きなアンティーク市も油断なりません。冬の旅であれば、バッグの上にコートを羽織る。人混みを歩くときも要注意です。あるとき、マドリッドの銀座通りのような道を歩いていたとき、ショルダーバッグをツンツンと突いているような感じがあって、見てみると若い女の子がスカーフで手元を隠してバッグのファスナーを開けようとしていました。思いきり肘鉄と睨みです。常に警戒心、緊張感を拭うことはできないのです。パリではいつも小さなホテルに泊まります。外出から戻り、部屋でくつろいでいると、コンコン、コンコンとノックの音が。レセプションの男性でした。「何?」と聞くと「開けてくれ、花を持ってきた」というのです。かなりしつこくて、怖くなりました。相手は合鍵を使えます。夜中に襲われたらどうしよう。途端にいろいろなことを想像してしまい、怖くなりました。すぐに違うホテルを予約し、その日のうちにホテルを移りました。もしかしたら過剰な反応だったかもしれませんが、自分が感じた怖さに正直に行動することが大切なのです。見知らぬ場所、ひとりで行動するときは特に、動物的な直感を澄ましておくことです。警戒心が強すぎて、恥ずかしい思いをしたこともありました。ニューヨークでタクシーに乗ったときのこと。遠回りをしている感じがしたので、「道、違っていませんか?」と聞きました。すると白人の初老の運転手さん、「君は何年ニューヨークに住んでるの?」と。「3日」と答えると、「僕は30年以上この街に住んでる」と言いました。一方通行の多いニューヨークでは、回って回って、反対方向から目的地に向かうこともあるのです。忘れられない、運転手さんの言葉でした。警戒心という鎧、纏うべきところで纏う。命と財産を守り、旅を楽しむのは、訪問先の国に対するマナーでもあるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年06月20日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ひとり旅のすすめ2〜旅日記で本音と出会う〜家庭内仕事部屋の引っ越しをしました。本、CD、資料、原稿、写真……紙類の山の中に、30年近く前に書いた旅日記が出てきました。A5ほどの大きさで、表紙には天使たちがバイオリンを弾いている絵。確か、パリの書店で見つけたノートです。旅日記を書くノート、日頃の雑記帳でも、紙とペンの相性が大切です。書きやすさはもちろんなのですが、書き手を超えたところでペンと紙のコラボレーションが文章に現れるのです。もうひとつ大切なことは、「自分を制限しない」ということ。うまく書こうとか、こんなことは書けない、などと思わないこと。思うまま、自分の中から思いが淀みなく流れ出るように。旅という非日常の時間と空間の中で自由になることが、ひとり旅の大きなギフトです。自分を制限しないで書き始める。それをさらに滑らかにするのが相性のいいペンと紙なのです。私の好みは、インクを瞬間で吸い取り、そして吸い取った余韻のある紙。ほんのりざらつき感がある紙が好きです。そして当時愛用していたのはシェーファーのカリグラフィー用の万年筆。1000円か2000円くらいだったか。インクはblue-black。ペン先から、思ってもみなかった言葉や思いが流れるように綴られるのでした。ひとり旅は、『自分自身』というバディと一緒に旅をすることです。それがひとり旅の醍醐味です。旅の間に感じる淋しささえも味わうことで、どんなにか自分の感性を育み、自分を成長させることか。気づかなかった自分の思いを知るのは、少々勇気がいることもありますが、それも必要な出会いだったのだと思うのです。好きな場所に好きなだけいる、というのも、自分の無意識が求めていること。それに素直に寄り添えるのが、ひとり旅なのです。さて、1995年、ハワイに滞在したときの日記から一節を。「Pali Hwyで車の事故を見てしまう。結構、暗い気持ちになる。KQMQ(オアフのFM局)からジャネット・ジャクソンの『Any Time, Any Place』が流れてくる。いろいろなエピソード、気づき、そういうものがどっと溢れてくる。ちょっと待って。覚えきれない。マイクロカセットテープの準備をしておけばよかった。でもこの瞬間が作家にとっては快感であり、これが待ち望む一瞬なのである」ひとり旅に、出なくては。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年06月13日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ひとり旅のすすめ1〜憧れに出会う〜20代、30代、ひとりでヨーロッパを旅したものでした。それは私にとって『馬ニンジン』。旅を目標にすると、仕事も充実させることができたのです。ひとり旅をすると言うと、多くの人が「淋しくない?」と聞きます。それが少しも淋しくない。食事をするときには誰かとお喋りしたいと思いますが、慣れてしまうと何でもなくなります。それよりも、好きな場所で、好きなだけ時間を過ごしたい。わがままが許される、それがひとり旅の醍醐味です。ミラノからパリへ発つ朝。ホテルでチェックアウトするときに日本人の素敵なご夫婦と一緒になりました。「おはようございます」と、ご挨拶を。お二人とも洗練されていて、奥様は可愛らしさとゴージャス感をお持ちでした。そんなお二人と空港の搭乗口で、また出会います。「一緒の飛行機だったのですね」と、そんな言葉を交わしました。パリに到着し、バゲージクレームで荷物が出てくるのを待っているとき、「空港に車を置いてあるので、一緒に市内まで行きませんか?」とお二人から声をかけていただき、ご一緒することになりました。ご主人はヨーロッパのブランドと日本を繋ぐ仕事をされているとのこと。旅に出ると、ホテルでは別々の部屋に泊まり、それぞれの時間を独立して過ごすのだそうです。ご主人は昼間は仕事、奥様は買い物をしたり美術館へ行ったり。そして夕食のときに、その日あったことをお互いにシェアする。そして、素敵なところがあれば、後日一緒に訪れる。この旅のスタイルはいい距離感を保つことができ、それぞれの過ごし方を楽しめるのだそうです。まさに大人の旅です。ふたり旅の中で、それぞれが思うように過ごす。そしてその時間で感じたことを分かち合う。この頃、私はまだ20代の後半でしたが、こんなパートナーシップに憧れ、素敵な大人になりたいと思ったことをよく覚えています。旅で出会うもの。それは見たこともない自然、文化、もの、人々、ライフスタイル、そして憧れにも出会います。憧れは、成長するエネルギー。生活を豊かに彩り、審美眼を高めます。今でもときどき、無性にひとり旅をしたくなります。それも海外へ。解放感と孤独感は、創造の源になり、憧れは日常の生活の中に息づくのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年06月06日こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。6月は傘の月6月11日は暦の上では『入梅』、そして『傘の日』でもあります。日本人が雨傘を持つ平均日数は、1年に90日だそうです。平均4日に一度の勘定になりますが、梅雨時はほぼ毎日ですね。ところであなたはその雨傘を、何本お持ちでしょうか? アンケート調査では1人当たり1~3本が52%、4~6本が40%、7~10本が8%だったそうです。当方は4本、自宅に2本、車に1本、会社に1本の4本でしたが、また増えて5本になりました。当方が若かりしは、傘は当然1本でした。1人1本の時代がウソのようですね。昔は、傘といえば、蝙蝠(こうもり)傘(がさ)と言っていました。開いた形が鳥のコウモリに似ているから…。その語源もご存知の方はもう少ないかもと…。その頃の洋傘は、みんな黒色でしたから、雨の歩道を歩く人の傘の列は黒一色でした。それが今は、色とりどりの傘の列です。透明なビニール傘が男性には多いものの、女性の傘は華やかな赤や黄色、緑やクリーム色など、それにカラフルなデザインものもあり、暗めの雨の街が、パッと明るくなったような感じがします。雨の日は、お気に入りのカラフルな傘を差されるレディにとって、むしろ弾む1日なのかも知れませんね。日本伝統の和傘「あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかえ うれしいな」という有名な童謡がありますが、蛇の目というのは和傘のことです。もしご存知でない方は、和食の料理店か旅館に行けば置いてあると思いますので、一度は差してみて下さい。蛇の目の魅力、和傘の感触が日本人なら忘れられなくなるかも知れませんよ。<2021年6月>フリーアナウンサー押阪 忍1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
2021年06月04日