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これまで新型コロナは、無症状者や軽症者にも入院の勧告をする感染症と分類されていた。しかし、厚労省は“誤った”方向でその分類を見直す予定だというーー。「感染状況は7月末がピークになっているように見え、新規感染者数は緩やかに減少を始めていると考えられる」厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合にて、新型コロウイルスについて冒頭のような見解が発表されたのは9月2日のこと。同組織は「感染症法における入院勧告等の権限の運用の見直し」を盛り込むことも発表している。これについて、政治部記者が解説する。「現行の感染症法では、新型コロナの感染者について、家庭内感染や重症化を防ぐため“入院の勧告や措置”を取ることができます。しかし厚労省は、重症者以外の感染者について“入院勧告をしない”という方向で見直しを図るというのです」あらゆる感染症は同法に基づいて、おもに「一〜五類感染症」に分類される。新型コロナは、その実態についてまだまだわからないことがあるため正確な分類はなされておらず、厚労省は「指定感染症」としている。ただし入院の勧告や措置などを行っていることから、新型コロナは“二類相当”に分類されているのが現状だ。■感染症法に基づくおもな措置の概要(参考:厚生労働省健康局結核感染症課「感染症の範囲及び累計について[平成26年3月]」【一類感染症】例:エボラ出血熱、ペスト等分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの(病原性の強さは一類→二類→三類の順)入院勧告・措置:○就業の制限:○【二類感染症】例:結核、SARS、一部の鳥インフルエンザ等分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの入院勧告・措置:○(感染症法に基づく措置の場合、検査費・入院費は公費で負担する)就業の制限:○【三類感染症】例:コレラ、細菌性赤痢、腸チフス等分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの入院勧告・措置:−就業の制限:○【四類感染症】例:黄熱、狂犬病、一部の鳥インフルエンザ等分類の考え方:おもに動物などを介してヒトに感染するもの入院勧告・措置:−就業の制限:−【五類感染症】例:インフルエンザ、性器クラミジア感染症等分類の考え方:国民や医療機関への情報提供が必要とされているもの入院勧告・措置:−(入院費や宿泊費は自己負担の可能性がある)就業の制限:−今回厚労省は、新型コロナをこの“二類相当”から除外する方向だというのだ。それは「医療現場の混乱を防ぐため」と厚労省の担当者が本誌記者に答える。「現在の感染症法の扱いでは、新型コロナの患者となれば軽症でも入院勧告、強制入院などの措置を取ることができます。しかし『入院勧告などがどこまで必要なのか?』を改めて検討しましょう、という運びとなりました。インフルエンザの流行が予測される秋冬を前に、医療機関の負担増大や病床不足を招かないよう、軽症者や無症状者には宿泊療養、自宅療養での対応を徹底していく方向です」だが、この“二類外し”の措置が招く事態を大いに不安視するのは、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんだ。「無症状や軽症の人に入院勧告がされなければ、宿泊療養さえしないケースが増えるでしょう。そこで危惧されるのは、このところ顕在化してきた『家庭内感染』が増え、死者が激増してしまうことなんです」(上さん・以下同)二類外しが行われた場合、新型コロナに対してはどのような措置が取られていくのだろうか。「入院や就業制限などの対人措置をなくすという目的から、そういった拘束力を持たない『五類感染症』相当に分類せざるをえないでしょう。これは、季節性インフルエンザなどと同じ分類です。しかし、インフルエンザの致死率は0.01〜0.1%なのに対し、9月1日現在の新型コロナの致死率は1.9%。少なく見ても新型コロナのほうが20倍ほどの致死率ですから、“二類外し”がいかに乱暴な措置であるかがわかるはずです」もし「五類」相当となった場合、感染の疑いが生じたら、インフルエンザと同じようにいきなり病院を受診することになる。ここにも二類外しが招く“悲惨な事態”があると上さんは警鐘を鳴らす。「二類外しは、感染者への法的な拘束力をなくすことを意味します。ですから、そもそも感染者を入院・宿泊療養させるために行っていたPCR検査も、その意味を失ってしまうのです。すると“不安なら即、病院へ”という風潮になる。感染を疑った人たちが病院に殺到すれば、全国の病院がかえってひっ迫しますし、今度は『院内感染』も激増するでしょう」感染者が野放しになる可能性がある以上、これからは感染のリスクにより注意深く向き合っていく必要がある。「徹底した手洗い、消毒やマスク着用などの基本的対策はもちろんのこと、自分の『かかりつけ医』を持って、密に相談できるようにしておくことです。そして、大事なのがインフルエンザワクチンの接種。これは、新型コロナ感染を予防する可能性も報告されています。感染リスクの高い病院に通う回数を減らすためにも接種しましょう」二類外しによって「家庭内感染死」を招かないためにも、よりいっそう強い対策意識を持って生活していこう。「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月11日「感染状況は7月末がピークになっているように見え、新規感染者数は緩やかに減少を始めていると考えられる」厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合にて、新型コロウイルスについて冒頭のような見解が発表されたのは9月2日のこと。同組織は「感染症法における入院勧告等の権限の運用の見直し」を盛り込むことも発表している。これについて、政治部記者が解説する。「現行の感染症法では、新型コロナの感染者について、家庭内感染や重症化を防ぐため“入院の勧告や措置”を取ることができます。しかし厚労省は、重症者以外の感染者について“入院勧告をしない”という方向で見直しを図るというのです」あらゆる感染症は同法に基づいて、おもに「一〜五類感染症」に分類される。新型コロナは、その実態についてまだまだわからないことがあるため正確な分類はなされておらず、厚労省は「指定感染症」としている。ただし入院の勧告や措置などを行っていることから、新型コロナは“二類相当”に分類されているのが現状だ。■感染症法に基づくおもな措置の概要(参考:厚生労働省健康局結核感染症課「感染症の範囲及び累計について[平成26年3月]」【一類感染症】例:エボラ出血熱、ペスト等分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの(病原性の強さは一類→二類→三類の順)入院勧告・措置:○就業の制限:○【二類感染症】例:結核、SARS、一部の鳥インフルエンザ等分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの入院勧告・措置:○(感染症法に基づく措置の場合、検査費・入院費は公費で負担する)就業の制限:○【三類感染症】例:コレラ、細菌性赤痢、腸チフス等分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの入院勧告・措置:−就業の制限:○【四類感染症】例:黄熱、狂犬病、一部の鳥インフルエンザ等分類の考え方:おもに動物などを介してヒトに感染するもの入院勧告・措置:−就業の制限:−【五類感染症】例:インフルエンザ、性器クラミジア感染症等分類の考え方:国民や医療機関への情報提供が必要とされているもの入院勧告・措置:−(入院費や宿泊費は自己負担の可能性がある)就業の制限:−今回厚労省は、新型コロナをこの“二類相当”から除外する方向だというのだ。それは「医療現場の混乱を防ぐため」と厚労省の担当者が本誌記者に答える。「現在の感染症法の扱いでは、新型コロナの患者となれば軽症でも入院勧告、強制入院などの措置を取ることができます。しかし『入院勧告などがどこまで必要なのか?』を改めて検討しましょう、という運びとなりました。インフルエンザの流行が予測される秋冬を前に、医療機関の負担増大や病床不足を招かないよう、軽症者や無症状者には宿泊療養、自宅療養での対応を徹底していく方向です」だが、この“二類外し”の措置が招く事態を大いに不安視するのは、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんだ。「無症状や軽症の人に入院勧告がされなければ、宿泊療養さえしないケースが増えるでしょう。そこで危惧されるのは、このところ顕在化してきた『家庭内感染』が増え、死者が激増してしまうことなんです」(上さん・以下同)東京都で報告された9月1日の新規陽性者170人のうち、家庭内感染は20人と、“感染経路別で最多”の数字だ。「家族と同居している人は『自分からうつしてしまうこと』を恐れるでしょう。そのため、たとえ無症状でも、“自主隔離”という形で入院する方もいます。高齢者の方と同居している人はなおさらです」新型コロナが二類相当である限り、入院や宿泊施設での療養を公費で受ける権利は、感染症法上で保障されている。経済的な負担なく、入院・療養できるようになっているのだ。「しかし“二類外し”されてしまうと、無症状患者や軽症者は『自主隔離するなら自己負担で』と言われているも同然となる。経済的な負担を考えると、結局自宅で療養するしかなく、家庭内感染のリスクは高まるいっぽうなのです」重症者以外は“入院不可”となることで、軽症者や無症状の感染者を隔離する強制力を失うため、彼らが街に“野放し”になることも考えられる。「すると新規感染者が増え、自宅で療養する人も多くなる……それがさらなる家庭内感染を呼ぶ。同居する高齢者の感染リスクは現状よりも格段に上昇し、亡くなる人も増加して、全体の致死率が“倍加”する恐れもあると考えています」「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月11日「5月7日、『レムデシビル』が新型コロナウイルスの治療薬として厚生労働省から承認されました。同薬は、日本国内で初めての承認治療薬になります」こう話すのは、環境ジャーナリストの村田佳壽子さん。安倍晋三首相は4日、かねてより治療薬の候補として注目されていた抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」について、「今月(5月)中の承認を目指す」と言及した。それに先んじて、レムデシビルが承認されることとなった。「アビガンは日本の富士フイルム富山化学が、レムデシビルはアメリカのギリアド・サイエンシズ社が開発したもの。アメリカ発のレムデシビルが先に日本で承認されたのは、アメリカが急ピッチで治験を進め、5月1日には同国で治療薬として承認された影響が大きいと思われます」(村田さん)ゆくゆくアビガンが承認されたとしても、薬としての違いや効果、副作用などわからないことも多い。そこで、感染抑制の専門的知識を有する高知大学名誉教授で高知総合リハビリテーション病院院長の小川恭弘さんに、アビガンとレムデシビルについて解説してもらった。【アビガン】「もともとは『新型または再興型インフルエンザウイルス感染症』の治療薬です。日本で開発されたうえに、臨床研究で使用した患者さんの『8割が改善した』とされています」(小川さん・以下同)同薬については、開発者である富山大学名誉教授・白木公康さんが本誌(5月5日号)に『中国で行われた臨床試験では、“発症6日目まで”に使用することで重症化を阻止できた』と強く解説した。つまり、この薬は感染の初期症状への投薬によって効果を発揮するものだという。小川さんは同薬の治験の現状についてこう続ける。「薬の安全性を判定する『フェーズ1』に続いて、アビガンを使う患者さんのグループを無作為に分けて治療薬効果を比べる『フェーズ2』の治験が始まったばかり。データはまだまだ集めるべきです」【レムデシビル】今回承認されたレムデシビルは、もともと「エボラ出血熱」の特効薬として研究されていたが、アメリカを含め各国で新型コロナウイルスの症状にも有効性を示すとするデータが多く出ている。「しかし、この薬は腎不全などの副作用を起こす頻度が高いため、まだまだ発症初期の患者さんに処方される薬とはならないでしょう。国内ではあくまで『人工呼吸器の装着が必要な重症患者』などに限って使用されるはずです」前出の村田さんは、これらの“期待の治療薬”について、次のように話す。「いずれも、コロナへの治療薬として服用するには、PCR検査を経て感染が判明していることが大前提です。“あ、コロナに感染したかも”と思っても、検査を受けなければ容易に手に入るものではありません。まずはPCR検査の拡充が求められますが、いまの時点で私たちにできることは、落ち着いて電話相談できる“かかりつけ医”を持つことです」「女性自身」2020年5月26日号 掲載
2020年05月14日「なんとしても8割の接触機会の低減を実現するべく、感染拡大防止に向けた取り組みを徹底したい」ゴールデンウイークを前にした4月23日の会見で、安倍晋三首相(65)は国民にさらなる外出自粛の徹底を求めた。しかし「外出8割減では不十分な地域がある」と警鐘を鳴らすのは、横浜市立大学教授の佐藤彰洋氏。エボラ出血熱の感染シミュレーションなどの研究実績も持つ、データサイエンスの専門家だ。佐藤教授は自身のウェブページ「COVID-19情報共有」で、都道府県別の感染拡大シミュレーションを公開している。「地域や時期によって、人と人が接触する頻度をどれだけ減らせばよいかは異なります。感染拡大の深刻さは、地域や時期、人口密度の違いにより、異なるためです」佐藤教授はシミュレーションに基づき、都道府県ごとの「1週間あたりの外出可能時間見積もり」を算出している。「外出可能時間」が短い地域ほど、感染急増を警戒する必要があるということになる。【図解】都道府県別1週間あたりの外出可能時間マップ「たとえば大阪府であれば、1週間あたりの外出時間を92%減の443.5分まで減少させれば、感染の連鎖を止められると試算されます。注意していただきたいのは、この時間内であれば好きに外出していいわけではないということです。人と直接接触することがなくても、不特定多数の人が使うモノや場所にはウイルスが付着している可能性があります。ご自身とご家族が感染を避けられるよう、目安の時間の範囲内で外出時間はできるだけ少なくなるように心がけてください」ちなみに平常時の8割減ならば、1週間あたりの外出可能時間は1,108分(総務省の統計より、平常時における1日の平均外出時間を13.2時間として算出)。1日あたり150分あまりだが、佐藤教授の試算では、東京都や千葉県、大阪府、兵庫県など、いくつかの県では8割減よりさらに厳しい目標をクリアする必要があるという。「警戒すべき地域は首都圏や京阪神だけではありません。北海道や富山県、石川県、愛知県、奈良県、沖縄県なども、対策が必要です」1週間あたりの「外出可能時間」は富山県は443分、奈良県は55分、沖縄県は554分、北海道にいたっては27.7分となっている(4月24日時点での試算)。なぜ、地方でもこれほどまでに感染が拡大しているのか――。北海道は2月28日、全国に先駆けて独自の「緊急事態宣言」を宣言し、新規感染者数は急減していた。しかし、4月に入り再び感染が拡大。感染者数は累計で600人を超えている。北海道の“第2波”は、帰省や“コロナ疎開”が引き金になったという見方もある。同じく沖縄県でも、4月上旬から感染者が急増している。地域保健課の新型コロナ対策担当者もこう語る。「3月後半の春休みに、県外からの帰省や、都会からの“避難”で沖縄に来た方から感染が広がっています。沖縄でもクラスターが発生してしまいました。もはや、沖縄は“避難場所”になりません。どうか来県はお控えください」富山県では医療機関や介護施設などで次々とクラスターが発生。さらに富山市の小学校では児童4人、教諭1人が感染。4月上旬に登校を再開するなど、警戒に緩みがあったとの見方もある。奈良県は、大阪府から1~2週間ほど遅れて感染者数が増加し始めた。奈良県医師会の安東範明副会長は、奈良県が大阪のベッドタウンであったことが一因だったと語る。「大阪の職場で感染した人が奈良県に持ち込んだ事例が多くありました。奈良県では、まだクラスターは発生していません。感染経路がわからない市中感染が大半です。患者さんが無自覚に感染を広げることを防ぐためにも、もっと検査数を増やさなければなりません。そのため奈良県ではドライブスルーのPCR検査も開始しました」厳しい試算を発表している佐藤教授だが、対策を徹底すれば収束への希望はあるという。「たとえば福岡県や京都府、岐阜県、福井県などは、一時期よりも改善傾向がみられています。『3密を避ける』では不十分です。とにかく外出せず『人と会わない』。これを2週間、徹底的に実践すれば5月中旬にはかなり収束に近づくでしょう」GWをコロナ収束への第一歩にできるか否かは、一人ひとりの行動に懸かっている――。「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年04月28日「爆発的感染拡大が始まれば止める方法はほとんどありません。だから私たちが今すぐに行動を変えなければ、社会が崩壊してしまうかもしれない」そう警鐘を鳴らすのは、横浜市立大学教授の佐藤彰洋氏。エボラ出血熱の感染シミュレーションなどの研究実績を持つ、データサイエンスの専門家だ。webページ「COVID-19情報共有」を立ち上げ、最新の研究結果とシミュレーションを発表、情報発信を続けている。その佐藤教授が公表した、衝撃的な分析結果とは――。「爆発的感染拡大を防ぐための最終ラインは、3月26日でした。それまでに極めて厳しい都市封鎖と移動制限が必要だったのです。すでに感染拡大が制御できない段階に入りつつあると考えるべきです。全国の感染者数が3,000~5,000人に達した時点で、医療の容量を超え、感染者の隔離が困難になってきます。すると感染率が急上昇し、爆発的感染拡大が始まります。その後もまだ極めて厳しい都市封鎖をしないとする“最悪の試算”では、国内の感染者が1万人を超えてから1週間で10万人となり、その2週間後には100万人、さらに3週間後には1千万人に達すると試算されるのです」4月5日には日本国内の感染者確認数が3,858人(クルーズ船除く)となった。すでに医療崩壊に陥る危険水域といえる。さらに佐藤教授は、感染拡大が社会インフラに及ぼす影響を危惧する。「感染者が100万人を超えると、社会のあらゆる場所に感染者が確認されることになります。発電所の運転員や保守員が多数発症する事態ともなれば、発電量が著しく減少し、さらに水道やガス、通信、公共交通などの社会インフラも停止する事態となります」電力供給が止まってしまう“最悪の事態”は起こりうるのか――。東京電力の広報室に聞いた。「電力供給に必要な業務については交代要員の確保など準備しています。安定供給の根幹に関わる中央給電所の要員に対しては『専用エレベーターの使用』『専用の動線による接触回避』『大人数での食事制限』など対策を行なっています。出社前には検温を全社員が行い、37.5度以上の熱がある場合は、外出を控えるよう対策を徹底しています。仮に非常事態宣言が出ても、引き続き、電力の安定供給に影響が及ばないよう取り組みます」たしかに東京電力が’19年4月に公表している防災業務計画を見ると、交代要員の確保といった対策が書かれている。しかし、水害や地震は想定されているものの「ウイルス」「感染症」といった文言はない。佐藤教授はこう指摘する。「今回の新型コロナは、過去100年間に人類が経験したことのない規模の疫病です。今後、過酷な局面でも電力供給を担保できるかは、かなり不確実だと考えるべきです」感染爆発を避けることはできないのか?佐藤教授はこう訴える。「これ以上の感染の連鎖を止めるには、少なくとも2週間、全員が他人と直接的な接触を、これまでの50分の1以下まで極端に少なくする必要があります。とくに感染者が急増している都市部では、他人との直接的な接触を伴う行為を徹底的に避けてください。買い物に行くことも危険と考え、1週間あたり1時間以内ですませてください。地方の人は都市部に出かけないでください。まず自分の身を守ることです。それによって、社会も守られるのです」「女性自身」2020年4月21日号 掲載
2020年04月08日東芝と長崎大学(長崎大)は4月8日、長崎大学熱帯医学研究所の安田二朗教授らが開発したエボラ出血熱検査試薬の実用性評価を実施し、既存の検査法と同等の精度を持ちながら判定時間を約6分の1に短縮できることを確認したと発表した。ギニア共和国の首都・コナクリ市で実施された同実用性評価では、市内および郊外エボラ治療センターなどから集められた100検体について現地で実施されているRT-PCR法との比較を実施した。その結果、安田教授らの新試薬を用いた新検査法は、高い精度を持つRT-PCR法の検査結果と100%一致した。また、陽性の判定に要する時間はRT-PCR法が約1時間だったのに対し、新検査法は平均で11.2分だった。同検査法は高精度でありながら所要時間が短いというだけでなく、小型で持ち運びも便利で、検査に不慣れな人でも使いやすいなどの点も現地で高い評価を得たとのこと。ギニアでは現在でもエボラ出血熱の新規患者数は毎週50-100例で推移している。東芝と長崎大は「同検査法が現地で導入されれば、ギニアをはじめとする西アフリカでのエボラ出血熱の収束に貢献できると確信している」としている。
2015年04月09日富士フイルムは2月24日、抗インフルエンザ薬「アビガン錠200mg(一般名:ファビピラビル)」がギニアで実施されていたエボラ出血熱に対する臨床試験において、その有効性が示唆される中間解析結果が得られたと発表した。フランス国立保健衛生研究機構は2014年12月17日よりギニアの4カ所でアビガン錠の臨床試験を実施しており、今回、最初の80例の中間解析結果を公表した。臨床試験では、治療開始時のエボラウイルス量が中程度から高い患者群(血液1ml中のウイルスコピー数が108以下)で、試験開始3カ月間の同レベルの基礎療法(栄養分や水分を補給する治療法)と比べて死亡率が30%から15%へと半減した。一方、エボラウイルスが非常に高い患者群(血液1ml中のウイルスコピー数が108以上)ではアビガン錠投与による死亡率減少は見られなかった。また、同試験ではインフルエンザ治療に比べて高容量で10日間投薬したが、有害な事象は確認されなかったという。今回、一部のエボラ出血熱患者に対してアビガン錠が有効性を示したことを踏まえ、富士フイルムグループは「引き続きエボラ出血熱の感染終息に貢献するとともに、治療法確立に向けて、フランス政府やギニア政府、日本の関連当局に全面協力していく」とコメントしている。
2015年02月25日富士フイルムは2月3日、フランスの公的研究機関であるBIOASTERと、エボラ出血熱の迅速診断システムに関する共同研究契約を締結したと発表した。今回の共同研究では、富士フイルムのウイルス高感度検出技術と、BIOASTERが作製、評価するエボラウイルスの抗体を用いることで、遺伝子検査と同等の診断能力を有し、簡便、迅速、小型で運びやすい診断システムの技術を確立することを目指す。エボラ出血熱を封じ込めるには、治療薬やワクチンの実用化だけでなく、感染者を初期段階で発見し、感染経路を遮断する初動の対策が重要となる。そのため、感染の疑いが報告された場所で、簡便かつ迅速に診断を行うための技術や製品が求められている。
2015年02月03日10月27日にANA278便(ロンドン-羽田)に搭乗していた乗客のうちひとりが、羽田空港検疫所での検疫検査においてエボラ出血熱の疑いがあるという連絡を受けていたANAは、10月28日午前5時30分頃、検疫当局より陰性であった旨の連絡を受けたことを発表した。ANAは引き続き、検疫当局をはじめ関係当局からの指示および協力要請に適切に対応していくとしており、同社のホームページでは、該当便に搭乗した乗客の問い合わせ先を明示している。また、同社は10月28日2時時点で、10月28日も通常通り運航を行うとしていている。
2014年10月28日厚生労働省は10月28日、エボラ出血熱がまん延している西アフリカのリベリアに滞在した後に27日に帰国した男性からは、エボラウイルスが検出されなかったことを明らかにした。男性は27日の帰国時、エボラ出血熱の症状の一つである発熱が確認されており、エボラ出血熱の感染が疑われていた。WHOは、10月25日にエボラ出血熱の感染者は全世界で1万人を超え、そのうちの半数近い4,922人が死亡したと発表した。日本国内ではこれまで感染者は確認されていないが、万が一に備え、致死率が非常に高いエボラ出血熱の症状と感染経路をまとめた。エボラ出血熱は、エボラウイルスによる急性熱疾患。致死率が高い点が特徴で、国立感染研究所によると、2014年の西アフリカでは、8月11日の時点でエボラウイルス感染者の致死率は54%にものぼる。集団発生では90%にも達することがあるという。今年3月の西アフリカ・ギニアでの集団発生を発端として、近隣のリベリアやシエラレオネなどで流行が拡大。感染者の治療に当たっていた医療従事者が2次感染するなどのケースが、アメリカやスペインで起きるなどし、アフリカ以外の地に飛び火する形になった。エボラウイルスに感染すると、2日から21日の潜伏期間を経た後、・頭痛・倦怠(けんたい)感・筋肉痛などの症状が出るとされている。さらにその後、・嘔吐(おうと)・下痢・胸部痛・出血などの症状が現れる。ただ、感染者が出血をする可能性はそこまで高くないとされている。厚生労働省は「現在、エボラ出血熱に対するワクチンや特異的な治療法はない」としており、患者の症状に応じた対症療法を行うことが最善策との見解を示している。エボラウイルスは、感染者の体液が口に入ったり、傷口から入ったりすることで別のヒトに感染する。具体的には・血液・吐しゃ物・排せつ物・分泌物などを介して感染し、空気感染はしない。厚生労働省は、エボラ出血熱がせきやくしゃみを介してヒトからヒトに感染するインフルエンザなどとは異なると指摘。その上で、「簡単にヒトからヒトに伝播(でんぱ)する病気ではありません」と、感染率は高くないことを強調し、冷静な対応を求めている。その他にも、「流行が確認されている地域には行かないこと」や、アフリカではチンパンジーやサルなどの感染も確認されていることから、「野生動物の肉を生で食べないこと」などが、感染リスクを上げないための有効対策とされている。そのため、外務省はギニアやシエラレオネやリベリアなどへの不要不急の渡航は延期するよう、注意を呼びかけている(10月28日時点)。なお、エボラ出血熱に関する情報は厚生労働省のホームページでも確認できる。写真と本文は関係ありません
2014年10月28日楽天銀行は27日、2014年3月以降、西アフリカで流行しているエボラ出血熱の治療活動支援のための募金受付口座を、楽天グループのインターネット募金「楽天クラッチ募金」として開設したと発表した。楽天銀行口座を保有する顧客は、楽天銀行口座を利用して、24時間いつでも募金を振り込むことが可能。また、楽天銀行口座を持っていない人も、指定口座へ直接募金を振込みできる。○募金受付口座集まった募金は、特定非営利活動法人国境なき医師団日本の「エボラ出血熱緊急援助」 に寄付し、現地での治療活動に使われるという。必要な資金を上回る協力があった場合は、 他の緊急援助活動にあてられる場合がある。なお、募金の受付期間は27日より2014年11月30日までを予定。また、エボラ出血熱緊急援助に関する募金は、楽天銀行の募金口座への振り込みによる受付のほか、「楽天スーパーポイント」、クレジットカード「楽天カード」および電子マネー「楽天Edy」による受付も実施する予定としている。
2014年10月27日英ケンブリッジ大学は10月21日(現地時間)、富士フイルムのグループ会社が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」として知られ、エボラ出血熱の治療薬になる可能性があるとして注目を集める、「ファビピラビル」がノロウイルスに対して効果を示す可能性があると発表した。同研究成果は同大学のIan Goodfellow教授が率いる研究グループによるもので、英オンライン科学誌「eLife」に掲載された。今回の研究では、ノロウイルスを保持するマウスに「ファビピラビル」を投与したところ、ウイルスが減少したほか、中には検出されなくなったマウスもいた。これは同薬がウイルスの増加を抑制し、自滅させる効果を発揮した結果だという。「ファビピラビル」はエボラ出血熱のほかにも、西ナイルウイルス、黄熱ウイルスにも効果があると考えられており、同研究チームは「治療だけでなく感染予防にも効果的である可能性がある」とコメントしている。
2014年10月22日富士フイルムは10月20日、エボラ出血熱患者への投与拡大に備え、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」(一般名:ファビピラビル)をエボラ出血熱対策として海外での使用を目的とした追加生産を決定したと発表した。「アビガン錠」は、同社グループの富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬で、エボラウイルスに対して抗ウイルス効果を有するというマウス実験の結果が公表されている。これまで、緊急搬送先の政府機関および医療機関の要請を受け、フランス人女性看護師、ドイツのフランクフルト大学病院に搬送されたウガンダ人のエボラ出血熱患者に投与されている。フランス政府とギニア政府が11月中旬より開始予定のギニアでエボラ出血熱に対する「アビガン錠」の臨床試験に対し、同社は「アビガン錠」と薬剤情報提供の要請を受け、フランス、ギニア、日本の関連当局と連携し協力するという。同社は現時点で、2万人分の錠剤を有し、原薬としてさらに30万人分程度の在庫を保有しているが、今後、さらなる臨床使用が進む場合に備え、エボラ出血熱向けとしての「アビガン錠」の生産を11月中旬より行う。
2014年10月21日富士フイルムは10月20日、エボラ出血熱患者への投与拡大に備え、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg(一般名:ファビピラビル)」をエボラ出血熱対策として海外での使用を目的に追加で生産することを決定したと発表した。同薬品は同社グループの富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬で、エボラウイルスに対して抗ウイルス効果を有するとのマウス実験の結果が公表されており、これまでに、西アフリカから欧州に緊急搬送されたエボラ出血熱患者複数人に対し、緊急対応として投与が行われていた。これらは、緊急搬送先の政府機関および医療機関から「アビガン錠」提供の要請があり、日本政府と協議の上、対応を行ったものだが、11月中旬よりフランス政府とギニア政府が、ギニアでエボラ出血熱に対する「アビガン錠」の臨床試験を始める予定で、同社では、フランス、ギニア、日本の関連当局と連携し協力していくとしており、同臨床試験で「アビガン錠」のエボラ出血熱に対する効果ならびに安全性が認められた場合、より大規模な臨床使用のための薬剤の提供要請が見込まれることから、さらなる生産拡大を決定したとする。なお、日本政府は、感染が広がるエボラ出血熱に対して、日本の企業が開発した治療に効果の見込める薬を提供する準備があることを表明しており、同社では日本政府と協議しながら、感染者のいる各国からの要請に応えていくとしている。
2014年10月20日富士フイルムは9月26日、同社グループ会社の富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg(一般名:ファビピラビル」)」が、エボラ出血熱に罹患した患者の治療のため、フランスの病院で投与されたと発表した。今回、フランスの政府機関より同社に、エボラ出血熱ウイルスに感染したフランス人女性看護師の治療用として、「アビガン錠」の提供依頼があり、日本政府と協議の上、緊急対応としてこれに応えたとのこと。投与された女性は、リベリアで医療活動に従事している中、エボラ出血熱に感染したことが判明し、治療のためフランスへ移送され、9月19日に「アビガン錠」による治療を開始。9月25日の時点で引き続き服用中だという。同社は「引き続き、関係国際機関やウイルス感染症専門医などと連携し『アビガン錠』をエボラ出血熱患者の治療に活用する可能性について検討していく」とコメントしている。
2014年09月26日