1月8日、シブリング(Sibling)がロンドンで2017-18年秋冬コレクションを発表した。遊び心たっぷりに、独自の世界観を創る同ブランドは今季、カタルーニャ出身の建築家アントニオ・ガウディの作品、特にバルセロナに位置するグエル公園にインスパイアされた。小さなタイルを敷き詰めたようなセーターやラッフルのフリルを何重にも重ね合わせたニットなど、曲線と曲面による斬新なデザインはガウディの建築物を彷彿とする。前半はオーバーサイズ気味のトップスに、ラメ糸を使用したタイトなサイクリングハーフパンツが大半を占めたが、中盤以降はボンバージャケットやジョガーパンツといった多彩なアイテムが登場。なかでも目を惹いたのは、地層をモチーフとしたイタリアのジャガード生地で仕上げたテーラードジャケット。イギリスが誇る高いテーラードの技術を引用したのは、シブリングがブリティッシュブランドを強調しているようだった。さらにウィメンズのルックでは、エリザベス二世やダイアナ元妃を想起させる、ファーマルなスーツや帽子がルックを飾った。それらは華やかなグラフィックプリントを施したシルク素材が多様されたが、奇抜すぎることはなく、シックな印象を与える。コスチューム的なアイテムの多いシブリングのこれまでのコレクションに比べると派手さには欠けるが、その分洗練されブラッシュアップされているようだった。新人デザイナーが多く輩出されるロンドンだが、シブリングをはじめとする中堅デザイナーも、確かに成長を続けていることが見てとれた。
2017年01月26日アメリカ演劇界で最高の栄誉、第69回「トニー賞」授賞式が6月7日(現地時間)、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで行われ、渡辺謙が主演を務めた『王様と私』がミュージカル部門リバイバル作品賞、ミュージカル部門主演女優賞を受賞した。ブロードウェイ初舞台で主演、さらに主演男優賞候補にもなった渡辺謙は残念ながら受賞こそ逃したが、主演女優賞に輝いたケリー・オハラ(Kelli O’Hara)は受賞スピーチで「私の王様」と彼を讃えた。こうした晴れの舞台で楽しみなのは、レッド・カーペットを彩る出席者たちのドレス。アカデミー賞やMETガラなどと較べると、トニー賞では少し抑えめの装いが基本だが、女優たちはシックな着こなしを競った。『Skylight』(原題)で演劇主演女優賞候補のキャリー・マリガン(Carey Mulligan)は「バレンシアガ(Balenciaga)」のストラップレスのドレス。マルーン・カラーでミニマルなデザインとダウンスタイルの髪で、ミニマルな美しさが光った。『星ノ数ホド』で演劇主演女優賞候補のルース・ウィルソン(Ruth Wilson)は「ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)」のロングドレス。トップはフィットサイズのTシャツのようなシンプルなデザインでスカート部分はシルク。フューシャピンクが鮮やかだ。現在、ブロードウェイでミュージカル『ジジ』に出演中のヴァネッサ・ハジェンズ(Vanessa Hudgens)は「ナイーム カーン(Naeem Khan)」のホルター・ドレス。花柄のプリントと背中の大きく開いたデザインが華やかだ。「オスカー・デ・ラレンタ(Oscar De La Renta)」の花柄を織り込んだジャカード・ミニドレスで出席したのはアマンダ・セイフライド(Amanda Seyfried)。実は彼女もオフ・ブロードウェイで舞台『The Way We Get By』(原題)に出演中。首のラインがキレイに出るデザインのオフショルダーが印象的だった。ミニドレスは、なぜか授賞式に来ていたケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)も着用。「カルヴァン・クライン(Calvin Klein)」のサーモンピンクで前面はシンプルだが、背中が開いたデザインだった。ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)は「ヴァレンティノ(Valentino)」のミッドナイトブルーのドレス。レッド・カーペットではヌードカラーのセクシーなドレス姿の多い彼女には珍しい、王道の女優スタイルが新鮮。そして、大胆なプランジネックで目を引いたのは演劇部門主演女優賞に輝いたヘレン・ミレン(Helen Mirren)、「バッジリー・ミシュカ(Badgley Mischka)」の白のロングドレスは大きく開いた胸元にレースのスリーブ。主演映画『クィーン』に続き、舞台『The Audience』(原題)でもイギリス女王・エリザベス二世を演じて米演劇界最高の栄誉に輝いたヘレン。セクシーなドレスを69歳の気品で着こなした。
2015年06月08日