コンラッド大阪は、「シェイプ・オブ・エリザベート」オータムアフタヌーンティーを2023年10月2日(月)から11月30日(木)まで開催する。エリザベートの生涯を表現したアフタヌーンティーハロウィンシーズンから深まる秋を彩る「シェイプ・オブ・エリザベート」オータムアフタヌーンティーは、悲劇と美貌の皇后として伝わるエリザベート・フォン・エスターライヒ オーストラリア皇后に着想を得たアフタヌーンティー。当時のヨーロッパ宮廷一の美貌といわれたエリザベートの輝かしい光の側面と、その一方で晩年を喪服で過ごし続けた影の側面を白と黒のスイーツで表現している。エリザベートの装飾品やドレスをイメージしたスイーツコンラッド大阪の、空に浮かぶ白いリボンのような螺旋階段を模したティースタンドにはスイーツ6種類とセイボリー5種がラインナップ。コーヒークリームをメレンゲで包み、アラザンをチョコレートに配した「コーヒービジュー」はエリザベートが生きた当時の装飾品をイメージ。ミルクチョコレートとアプリコットガナッシュを挟んだ「レースカカオサンド」は、ドレスを思わせるレースの華やかな装飾が目を引く。また、エリザベートがコンプレックスを隠すために持ち歩いていたという扇子は、濃厚なチョコレートムースやスミレの香る洋梨のスイーツで表現している。赤いアクセントを配した「トラジックチョコレート」は、マジパンバニラクリームにヘーゼルナッツクリームの香ばしさ、ビターチョコレートのほろ苦さが絶妙なハーモニーを織りなす1品。エリザベートの人生の、悲劇の最後を表している。秋の味覚を使ったセイボリーこの他、セイボリーは栗や干し柿、サツマイモといった秋の味覚やキャビア、トリュフを用いた軽食を用意。ティーセレクションには、「コンラッド大阪オリジナルブレンド」をはじめとするTWGティーの紅茶8種類を含む、全10種類の紅茶と3種類のコーヒーを揃える。ボックス入りテイクアウトアフタヌーンティーも尚、「シェイプ・オブ・エリザベート」オータムアフタヌーンティーはテイクアウト販売も実施。ファッションバッグのようなボックスに、スイーツやセイボリーを入れて販売する。【詳細】「シェイプ・オブ・エリザベート」オータムアフタヌーンティー開催期間:2023年10月2日(月)~11月30日(木)場所:コンラッド大阪 40スカイバー&ラウンジ(40階)住所:大阪府大阪市北区中之島3-2-4時間:11:00~20:00(L.O. 18:00) ※2時間制。※予約可能な時間帯は4部制。〈1部〉11:00~/11:30~/12:00~〈2部〉13:00~/13:30~/14:00~/14:30~〈3部〉15:30~/16:00~/16:30~/17:00~〈4部〉17:30~/18:00~料金:7,000円/コンラッドベア付き9,900円 ※サービス料込。※テイクアウトアフタヌーンティーは9,000円(2名セット)、コンラッドベア付きは11,000円。■メニュー・スイーツ:コーヒービジュー、レースカカオサンド、扇、トラジックチョコレート、ブラックフェザー、ブラックカカオスコーン・セイボリー:黒ゴマのパンナコッタ、コンラッドティーサーモン、チキンバロティーヌ、トリュフ ストゥリューデル、ケークサレとセラーノハム【予約・問い合わせ先】TEL:06-6222-0111(代表)※予約はホームページでも受付。
2023年09月30日映画『エリザベート 1878』の本編映像が公開された。『エリザベート 1878』は、2022年の第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞受賞、第95回(2023年)アカデミー賞で国際長編映画賞ショートリスト(オーストリア代表)に選出されるなど、高い評価を得た注目作。ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われ、“シシィ”の愛称で広く知られるオーストリアの伝説的皇妃エリザベートを『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープスが演じている。公開された映像は、聖フロリアン少年合唱団が演奏するオーストリア帝国の国歌「神よ、皇帝フランツを守り給え」が流れる中、夫のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとともに式典に到着したエリザベートが、彼女を迎える市長や大臣たちの皮肉とも取れる美辞麗句にうんざりし、気を失ったフリをして倒れるシーン。エリザベートの晩年は公の場に出ることを避け、顔をベールで隠していたと史実では伝承されるが、本作でエリザベートを演じたヴィッキーは「私は女優として、次第にエリザベートが受ける制約に共感するようになり、彼女を自由にさせたいという想いで演技をすることが多くなりました。エリザベートが当時できなかったことすべてを実現するチャンスを彼女に与えたのです」とコメント。もともとエリザベートに興味を寄せていた彼女が本作の企画の発端となったというだけに、エリザベートへの思い入れの強さを見せた。また、小池修一郎(宝塚歌劇団演出家)、一路真輝(女優)、井上芳雄(俳優)、コシノジュンコ(デザイナー)、津田健次郎(声優)、中田クルミ(俳優)、宇垣美里(フリーアナウンサー・女優)ほか各界の著名人からのコメントが到着した。■小池修一郎(宝塚歌劇団演出家)コメント今まで「謎めいた」と形容されて来たオーストリー皇后エリザベート。その人生の真実を、1878年1年間の彼女の生活を追うセミ・ドキュメンタリー的なタッチで描く異色作。女性監督ならではの視点が、彼女の生き方に新たな光を当てている。■一路真輝(女優)コメント今までのエリザベート皇后の伝記を塗り替えてしまうような革命的な映画。真実と嘘の境目は誰にもわからない。でもこの映画を観た後はエリザベートが自由になれて良かったと心から思う、そこに真実があるのだとも。■井上芳雄(俳優)コメントエリザベートは、なぜか僕たちの心をとらえて離さない。でも、その真実は決して誰にも明かされない。常に虚ろな眼差しの彼女が、遂に解き放たれる新たなエンディングに、その真実の欠片を見た気がした。■米津れいみ(俳優/元宝塚歌劇団)コメント真っ白な鳥のように、どこまでいっても自由。誰もが感じる葛藤をあっさり捨て去るシシィの姿に心がスっと軽やかになりました。固定概念なんて捨ててしまえ!私の身も心も私だけの物だ!彼女の信念を感じる作品です。■コシノジュンコ(デザイナー)コメントコルセットで縛られた人生。ゆっくり流れる時の中で燃え上がりたい希望を閉ざす自分自身。■津田健次郎(声優)コメントこうあらねばならない、そんな世界に中指を立てるエリザベート。浴槽に沈む孤独な魂は、窒息し、もがき、やがて史実さえも逸脱し大海原へと飛ぶ。静かな反逆が地続きの今へと響く。■中田クルミ(俳優)コメント細い針が心の中にゆっくり刺さっていくように淡々と流れる時間。私の知っている"エリザベート"の世界ではなく、とても朧げで虚ろ、そして孤独だ。私たち自身が縛られている美貌や年齢といった女性の価値観に対して、静かに問い掛けを与えてくれる作品。■宇垣美里(フリーアナウンサー・女優)コメント若さと美しさばかりに目を向けられる女の人生の苦しさよ。自我と孤独と矜恃を持ち合わせ、立場をわきまえず自由を愛し、人間として生きることを諦めなかったこの王妃、完全にロックスター。お人形さんなんかでいられるものか。■シトウレイ(ストリートスタイルフォトグラファー/ジャーナリスト)コメント砂糖菓子のように淡くて甘い映像世界で寝タバコをして、中指たてて、舌を出したりするエリザベートは『女の惚れる女』そのもの。■児玉美月(映画文筆家)コメントただただ自由に生きたいだけの女が、時代、文化、置かれた境遇によって後ろ指を指される女になってしまう。現代に生きるわたしたちも、この映画のエリザベートのように、見えないコルセットで締め上げてくる世界に対して中指を突き立てろ。■長谷川祐子(キュレーター)コメント「象徴」としての美しさの呪縛から逃れるための奔放な行為。コルセットの拘束が「飛翔(逃走)」の合間に挿入される。「混沌とした博物館」のようなエリザベートの1年間のリアリテイを鮮烈なヴィジュアルで描いた傑作。精神病院の女性患者たちの間に紫の炎のように立つ場面は内的な狂気を周りと静かにシンクロさせ、圧巻。■清水晶子(フェミニスト/クィア理論研究者)コメント若さと美貌を期待され続けて40歳を迎えたオーストリア皇妃の苦悩と逃亡。あまりに恵まれ過ぎて共感しづらいこの伝説的な女性をまったく伝記的ではない形で取り上げることで、マリー・クロイツァー監督は、フェミニスト的な共感を生み出そうとしているのではなく、各国の王族や皇族といった特権階級の女性たちに対して現代社会がいまだに抱き続けるロマンチックな幻想を苛立ちと共に破壊しようとしているように見える。鼻につく高慢さと偽りない苦悩とを併せ持つ、好感を抱かせない、しかし強靭な個性を持つ中年女性としてエリザベートを描き切ったヴィッキー・クリープスの演技が素晴らしい。映画『エリザベート 1878』本編映像<作品情報>映画『エリザベート 1878』8月25日(金) 公開公式サイト: FILM AG - SAMSA FILM - KOMPLIZEN FILM - KAZAK PRODUCTIONS - ORF FILM/FERNSEH-ABKOMMEN - ZDF/ARTE - ARTE FRANCE CINEMA
2023年08月24日『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープスが主演する『エリザベート 1878』より本編映像が解禁された。ヴィッキー・クリープスがカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞を受賞した本作。伝説のオーストリア皇妃エリザベートの40歳の1年間を、大胆かつ自由奔放な表現で捉えた話題作だ。この度解禁されたのは、式典に参加したエリザベートの反抗的な一面を覗かせる本編シーン。聖フロリアン少年合唱団がオーストリア帝国の国家「神よ、皇帝フランツを守り給え」を歌い上げる中、夫のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとともに式典に到着したエリザベート。だが、彼女を迎える市長や大臣たちの容姿にまつわる皮肉とも取れる美辞麗句にうんざりしたエリザベートは、気を失ったフリをして倒れるのだった…。エリザベートの晩年は公の場に出ることを避け、顔をベールで隠していたと史実では伝承されるが、本作でエリザベートを演じたヴィッキー・クリープスは「私は女優として、次第にエリザベートが受ける制約に共感するようになり、彼女を自由にさせたいという想いで演技をすることが多くなりました。エリザベートが当時できなかったことすべてを実現するチャンスを彼女に与えたのです」とコメント。もともとエリザベートに興味を寄せていた彼女が本作の企画の発端となったというだけに、発言からもエリザベートへの思い入れの強さを感じさせる。さらに各界の著名人からコメントも到着。井上芳雄(俳優)は「常に虚ろな眼差しの彼女が、遂に解き放たれる新たなエンディングに、その真実の欠片を見た気がした」、宇垣美里(フリーアナウンサー・女優)は「人間として生きることを諦めなかったこの王妃、完全にロックスター」と、本作のエリザベート像を絶賛。一路真輝(女優)は「今までのエリザベート皇后の伝記を塗り替えてしまうような革命的な映画」と本作を評した。老いに向き合い、皇妃を縛り付ける「コルセット(仏語:Corsage)」や皇室の厳格な伝統、そして世間の理想像から自由になることを心に決めた時、彼女が選び取ったものは何だったのか…。周囲の期待に応えながらも、自分らしい生き方を見つけようともがくエリザベートの姿を通して、なぜ伝説の皇妃がいまも私たちの心をとらえて離さないのか、その理由が見えてくるはずだ。『エリザベート 1878』は8月25日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ、 Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年08月23日伝説のオーストリア皇妃40歳の1年を大胆に描いた『エリザベート1878』の日本公開を記念し、8月17日ユーロライブ(東京渋谷区)にて特別試写会上映後に、軍地彩弓(ファッション・クリエイティブ・ディレクター/編集者/株式会社gumi-gumi代表)と長谷川ナオ(エディター/ディレクター/GLITTER編集長)によるトークイベントが行われ、作品の見どころについて語った。イベントは、ファッション・出版業界で活躍し、またエリザベートの長年の大ファンでもあるという軍地さんと長谷川さんの2人の視点から、ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われ、ファッションアイコンとしても知られるオーストリア皇妃エリザベートを大胆で現代的な解釈で蘇らせた本作の魅力を掘り下げた。まず映画の感想を聞かれると、軍地さんは「映画『バービー』にも共通する女性の苦悩や心の解放を描いた、これまでにない現代のエリザベート」とコメント。日本でも大人気演目である宝塚歌劇団のミュージカル「エリザベート」を初演時から観劇しているほど、エリザベートファンであるという長谷川さんは「これまで描かれてなかった40歳頃を題材にしていて、新鮮な視点で観ることができた」と語り、主演のヴィッキー・クリープスとマリー・クロイツァー監督も40代前後であることに触れ、「40代特有の生々しさが良い意味で出ている」と指摘した。さらに2023年のオーストリア映画賞や、ノースダコタ映画批評家協会賞、第35回シカゴ映画批評家協会賞で衣装デザイン賞にノミネートされるなど、高く評価された本作の衣装について軍地さんは、肖像画にも描かれているエリザベートのドレスなどの再現度の高さや、彼女が「ファッションの祖」といわれる所以について解説し、「相当なリサーチを重ねた、ディテールにこだわっている作品」と絶賛。そして、エリザベートの魅力について軍地さんは、「ファッション、美容、旅行、占い好き…ファッション雑誌にあるコンテンツが、すべてエリザベートに詰まっている!」と語り、会場が笑いに包まれるひと幕も。さらに「エリザベートは女性のすべてを持っていた。そのために苦しんだ。女性の苦悩と煌びやかなものの両面を持っていたからこそ、現代でも私たちを惹きつけるのはないか」とコメント。また、長谷川さんは「自由と死が彼女のテーマ。自由との戦いをずっとしていた人」と話し、現代でも絶えることのないエリザベートの人気の理由を紐解いた。『エリザベート1878』は8月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年08月19日第75回(2022年)カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞を受賞するなど、世界中から絶賛されたヴィッキー・クリープス主演の注目作『エリザベート 1878』から新たなビジュアルが解禁された。本作は、ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われ、「シシィ」の愛称で広く知られるオーストリアの伝説的皇妃エリザベートを『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープスが演じ、これまでにない大胆かつ自由奔放な表現で映画化。この度解禁された新ビジュアルは、エリザベートが格式高い装いに身を包みながらも、リラックスした表情でタバコをくゆらせる姿が切り取られたもの。19世紀末、貴族女性にとって禁じられていた習慣にも関わらず、実際に好んでタバコを吸っていたといわれるエリザベートの型破りな一面を覗かせた鮮烈なビジュアルに仕上がっている。絶世の美貌で名高い皇妃エリザベートには数々の逸話が残されており、身長172cmにして45kg~50kgの体重、ウエスト50cmほどの体型を維持していたといわれる。そのスタイルを保つため、ミルクやオレンジなどの果物だけを食べるといった極端な食事制限に加え、乗馬やフェンシングなどの激しいスポーツを実践していたという。さらに、自慢の豊かな髪のために毎日の身繕いで特別手間をかけ、月に一度か二度、侍女全員がつきっきりとなり、特製のシャンプーで髪を洗う“洗髪の儀”を行ったなど驚くべき逸話が語り継がれている。本作では、そんなエリザベートの史実を参考にしながらも、大胆な解釈で新たなエリザベート像を現代に蘇らせ、タバコを吸う、中指を突き立てるなどの反抗的な仕草を通して、彼女の置かれた立場や孤独との戦いを現代的に表現。監督・脚本のマリー・クロイツァーはその演出について、「私にとって重要だったのは、これまで通りルールを知ったうえでそれを破ることでした。エリザベートの生涯をかなり深く研究しましたが、映画の物語に落とし込む際には、内容も形式もかなり自由なものにしました。私たちが語り描くことのすべては、芸術的な判断によるものなのです」と語っている。また、本作をいち早く鑑賞した東宝版「エリザベート」の初演でエリザベート役を演じた、女優の一路真輝からもコメントが到着。本作を「革命的な映画」と評し、「真実と嘘の境目は誰にもわからない。でもこの映画を観た後はエリザベートが自由になれて良かったと心から思う、そこに真実があるのだとも」との言葉を寄せている。『エリザベート 1878』は8月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年07月27日ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われ、「シシィ」の愛称で知られるオーストリア皇妃を、これまでにない大胆かつ自由奔放な表現で描く『エリザベート 1878』。この度、予告編と場面写真が解禁された。2022年・第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で主演のヴィッキー・クリープスが最優秀演技賞受賞、本年度第95回アカデミー賞で国際長編映画賞オーストリア代表作品としてショートリストに選出されるなど、高い評価を得た本作。この度解禁となった予告編では、40歳を迎えたエリザベートが抱える「美」の象徴として世間からの期待に応えることへの葛藤や、夫であるオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフからの圧力に反抗していく姿が切り取られる。その背後には、『レミーのおいしいレストラン』の主題歌でも知られ、映画音楽も手掛けるフランスの人気シンガー、カミーユの楽曲「She Was」が流れている。「若さ」「美しさ」という基準によってのみ存在価値を図られてきたエリザベートのイメージを大きく覆し、大胆で現代的な「シシィ」像を打ち立てたヴィッキーの圧巻のパフォーマンスも垣間見え、何度も繰り返されるコルセットをきつく締める姿からエリザベートの素顔に迫っていく。場面写真では、ハプスブルク帝国が最後の輝きを放っていた19世紀末を、史実に捉われない斬新な演出や美術で再現。またファッションアイコンとしても知られるエリザベートの煌びやかなドレスをはじめとする、衣装を手掛けたのはモニカ・バッティンガー。本作で2023年のオーストリア映画賞や、ノースダコタ映画批評家協会賞、第35回シカゴ映画批評家協会賞で衣装デザイン賞にノミネートされており、本作の見どころの1つとなっている。さらに今回、宝塚歌劇団、東宝ミュージカルの人気演目「エリザベート」の演出を手掛けてきた日本ミュージカル界を代表する演出家・小池修一郎からコメントが到着。「今まで『謎めいた』と形容されて来たオーストリー皇后エリザベート。その人生の真実を、1878年1年間の彼女の生活を追うセミ・ドキュメンタリー的なタッチで描く異色作」と紹介し、その生き方に「新たな光を当てている」と絶賛している。『エリザベート 1878』は8月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年06月16日映画『エリザベート 1878』 が、2023年8月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、 Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか、全国順次公開される。オーストラリア皇妃エリザベートの“40歳”の1年間に着目映画『エリザベート 1878』は、 ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベートの“40歳”の1年間に焦点を当てる作品。エリザベートといえば、映画界ではロミー・シュナイダーが若き日のエリザベートに扮した1950年代の3部作がヒットを記録し、日本でも宝塚歌劇団、東宝ミュージカルの人気演目の主人公として、「シシィ」の愛称で広く知られる伝説的皇妃。ドイツ発のNetflixドラマ『皇妃エリザベート』が好評を博し、シーズン2の制作も発表されるなど、エリザベートの人間像や生き様は、様々な作品において描写されてきた。映画『エリザベート 1878』では、これまでに描かれることのなかったエリザベートの1年間に着目。史実に捉われない大胆かつ斬新な美術と音楽、自由奔放な表現で、従来のシシィ像を打ち破り、「若さ」「美しさ」という基準によってのみ存在価値を見定められてきた、エリザベートの素顔に迫る。主演ヴィッキー・クリープスがエリザベートに主人公・エリザベート…ヴィッキー・クリープスヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃。1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎える。エリザベートを演じるのは、ポール・トーマス・アンダーソンの『ファントム・スレッド』をはじめ、数々の映画作品に出演するヴィッキー・クリープス。映画『エリザベート 1878』 で圧巻の演技を見せ、2022年の第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の最優秀演技賞、ヨーロッパ映画賞の女優賞、シカゴ国際映画祭の最優秀演技賞に輝いた。監督は、オーストリア映画界の気鋭マリー・クロイツァー。自身の映画『We Used to be Cool(英題)』で主役を演じたヴィッキー・クリープスからのラブコールを受け、監督自らが脚本を執筆。『エリザベート 1878』で再タッグを果たした。エリザベートを描く意義について、マリー・クロイツァーは「エリザベートが苦しまなければならなかった世間からの期待の多くは、今日も女性に課され続けています。美しいということは、未だに最も重要で価値のある女性の特質とみなされているのです」と語っている。映画『エリザベート 1878』あらすじ40歳の誕生日を迎えたオーストリア皇妃エリザベートは、コルセットをきつく締め、世間のイメージを維持するために奮闘するも、厳格で形式的な公務にますます窮屈さを覚えていく。人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドや バイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗し、 プライドを取り戻すためにある計画を思いつく。【作品詳細】映画『エリザベート 1878』公開日:2023年8月25日(金)監督・脚本:マリー・クロイツァー出演:ヴィッキー・クリープス 、フロリアン・タイヒトマイスター、カタリーナ・ローレンツ 、 マヌエル・ルバイ、フィネガン・オールドフィールド、コリン・モーガン配給:トランスフォーマー、ミモザフィルムズ原題:Corsage
2023年05月18日第75回(2022年)カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞を受賞するなど、世界中から絶賛された『Corsage』が邦題『エリザベート 1878』として8月25日(金)より公開決定、日本版ポスタービジュアルが解禁された。ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えた彼女は、コルセットをきつく締め、世間のイメージを維持するために奮闘するも、厳格で形式的な公務にますます窮屈さを覚えていく。人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗し、プライドを取り戻すために、ある計画を思いつく…。映画界ではロミー・シュナイダーが若き日のエリザベートに扮した50年代制作の3部作が大ヒットを記録し、日本でも宝塚歌劇団、東宝ミュージカルの大人気演目の主人公として、「シシィ」の愛称で広く知られる伝説的皇妃、エリザベート。ドイツ発のNetflixドラマシリーズ「皇妃エリザベート」(22)も好評を博し、シーズン2の制作も発表されるなど、いま改めて注目が高まる中、本作『エリザベート 1878』は、そんな皇妃のこれまで描かれることのなかった40歳の1年間にフォーカス、史実に捉われない大胆かつ斬新な美術と音楽、自由奔放な表現で、それまでの「シシィ」像を打ち破り、「若さ」「美しさ」という基準によってのみ存在価値を測られてきたエリザベートの素顔を浮き彫りにする。主演のエリザベート役を務めるのは、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ファントム・スレッド』(17)の演技が絶賛されて以来、欧米を股にかけて活躍する実力派のヴィッキー・クリープス。本作の圧巻のパフォーマンスで2022年の第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の最優秀演技賞ほか、ヨーロッパ映画賞の女優賞、シカゴ国際映画祭の最優秀演技賞に輝いた。監督を務めたのは、オーストリア映画界の気鋭マリー・クロイツァー。2016年の自身の『We Used to be Cool』(英題)で主役を演じたヴィッキーからのラブコールに応える形で、監督自ら脚本を執筆し、再タッグを果たした。エリザベートをリサーチする過程で彼女に心を掴まれた監督は、「エリザベートが苦しまなければならなかった世間からの期待の多くは、今日も女性に課され続けています。美しいということは、未だに最も重要で価値のある女性の特質とみなされているのです」といま、彼女を描くことの意義を語っている。本作は、撮影監督の『クロッシング・ウォー決断の瞬間(とき)』や『ヒトラー暗殺、13分の誤算』のジュディス・カウフマンを筆頭に、女性スタッフを中心に女性の視点から「シシィ」像を再構築。第95回(2023年)アカデミー賞国際長編映画賞ショートリスト(オーストリア代表)に選出され、ロンドン映画祭の最優秀作品賞を受賞するなど、各国の映画祭で高い評価を得た。また、『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワートやエドガー・ライト監督、パティ・スミスらも本作を絶賛。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のシアーシャ・ローナンも「完全に気に入った!」とコメントするなど、各界著名人から称賛の声が多数寄せられている。日本版ポスタービジュアルでは、エリザベートのテーマカラーであるスミレ色に彩られたエレガントな壁紙を背景に、豪華なドレスに身を包んだエリザベートが挑発的なポーズと共にこちらを真っすぐに見据える印象的な姿が切り取られる。「お飾りなんかじゃない」というキャッチコピーが添えられ、皇妃を縛り付ける「コルセット(仏語:Corsage)」や、皇室での厳格な儀式、そして世間の理想像から自由になる旅立ちの時を予感させるビジュアルとなっている。『エリザベート 1878』は8月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年05月15日俳優の井上芳雄、古川雄大らが出演するミュージカル『エリザベート』が、30日(17:00~)と31日(12:00~)に配信サービス・uP!!!で生配信される。今回、生配信が決定したのは、福岡・博多座の大千穐楽公演。30日(17:00~)公演には、エリザベート役で愛希れいか、トート役で井上、31日(12:00~)公演には、エリザベート役で花總まり、トート役で古川が出演する。また、アーカイブ配信は生配信終了後に準備でき次第開始し、30日公演は2月6日まで、31日公演は2月7日まで配信される。同公演はイベント割の対象となっており、視聴チケットは、一般4,400円(通常5,500円)、auスマートパスプレミアム会員は4,000円(通常5,000円)で販売。30日公演は2月6日(20:00)まで、31日公演は2月7日(20:00)まで購入することができる。
2023年01月12日ミュージカル『エリザベート』より、福岡・博多座で上演される1月30日(月) 17時公演と1月31日(火) 12時公演の模様がuP!!!で生配信されることが決定した。1996年に宝塚歌劇団により日本初演、2000年の東宝版初演から観る者を魅了し続けてきた本作。オーストリア皇后エリザベート役は、2019年に引き続き、日本初演の『エリザベート』でタイトルロールを世界最年少で演じた花總まりと、『マタ・ハリ』『泥人魚』などに加え、NHK大河ドラマ『青天を衝け』など多方面でも活躍する愛希れいかが演じる。またエリザベートを愛する死の帝王トート役は、井上芳雄(1月30日)、古川雄大(1月31日)がそれぞれ務める。視聴チケットは現在発売中。なお生配信終了後、アーカイブ配信も予定されている。<配信情報>ミュージカル『エリザベート』博多座公演 生配信■1月30日(月) 17:00公演配信サイトオープン:16:30/配信公演スタート:17:00アーカイブ配信:ライブ配信終了後準備整い次第開始~2月6日(月) 23:59【キャスト】エリザベート役:愛希れいかトート役:井上芳雄フランツ・ヨーゼフ役:佐藤隆紀ルドルフ役:立石俊樹ゾフィー役:涼風真世ルキーニ役:上山竜治■1月31日(火) 12:00公演配信サイトオープン:11:30/配信公演スタート:12:00アーカイブ配信:ライブ配信終了後準備整い次第開始~2月7日(火) 23:59【キャスト】エリザベート役:花總まりトート役:古川雄大フランツ・ヨーゼフ役:田代万里生ルドルフ役:甲斐翔真ゾフィー役:剣幸ルキーニ役:黒羽麻璃央【チケット情報】・一般:イベント割適用価格4,400円(税込)(通常価格5,500円(税込))・auスマートパスプレミアム会員:イベント割適用価格4,000円(税込)(通常価格5,000円(税込))※別途システム手数料200円(税込/1公演分)が必要です。【販売期間】・1月30日(月) 17:00公演:2月6日(月) 20:00まで・1月31日(火) 12:00公演:2月7日(火) 20:00まで販売ページ:イベント割の詳細はこちら:
2023年01月12日ミュージカル『エリザベート』より、2023年1月30日(月)・31日(火) に上演される福岡・博多座公演の模様がライブ配信されることが決定。併せて2022年の東京・帝国劇場公演の模様を収録したBlu-rayおよびDVDが2023年秋に発売されることが発表された。1996年に宝塚歌劇団により日本初演、2000年の東宝版初演から観る者を魅了し続けてきた本作。オーストリア皇后エリザベート役は、2019年に引き続き、日本初演の『エリザベート』でタイトルロールを世界最年少で演じた花總まりと、『マタ・ハリ』『泥人魚』などに加え、NHK大河ドラマ『青天を衝け』など多方面でも活躍する愛希れいかが演じる。愛希れいかまたエリザベートを愛する死の帝王トート役は、井上芳雄(福岡公演のみ)、山崎育三郎(東京公演のみ)、古川雄大の3人が担当。愛希・古川はライブ配信とBlu-ray、DVDで楽しめるほか、花總および井上はライブ配信、山崎はBlu-ray、DVDにそれぞれ登場する。<配信情報>ミュージカル『エリザベート』博多座公演 ライブ配信①2023年1月30日(月) 17:00開演エリザベート役:愛希れいかトート役:井上芳雄フランツ・ヨーゼフ役:佐藤隆紀ルドルフ役:立石俊樹ゾフィー役:涼風真世ルキーニ役:上山竜治②2023年1月31日(火) 12:00開演エリザベート役:花總まりトート役:古川雄大フランツ・ヨーゼフ役:田代万里生ルドルフ役:甲斐翔真ゾフィー役:剣幸ルキーニ役:黒羽麻璃央※販売詳細などは後日ホームページ等で発表いたします。<リリース情報>ミュージカル『エリザベート』帝国劇場公演 Blu-ray / DVD2023年秋発売予定予約開始日:11月22日(火) 12:00~価格:15,000円(税込)【販売方法】帝国劇場・シアタークリエ売店にて販売TOHO MUSICAL STORE(日比谷シャンテ 3F)にて販売東宝モールにて通信販売【収録内容】①【エリザベート:愛希れいか/トート:山崎育三郎バージョン】エリザベート役:愛希れいかトート役:山崎育三郎フランツ・ヨーゼフ役:田代万里生ルドルフ役:甲斐翔真ゾフィー役:剣幸ルキーニ役:上山竜治②【エリザベート:愛希れいか/トート:古川雄大バージョン】エリザベート役:愛希れいかトート役:古川雄大フランツ・ヨーゼフ役:佐藤隆紀ルドルフ役:立石俊樹ゾフィー役:涼風真世ルキーニ役:黒羽麻璃央ミュージカル『エリザベート』2022年プロモーション映像公演公式サイト:
2022年11月21日ミュージカル『エリザベート』が10月9日、東京・帝国劇場で開幕した。ウィーンで生まれ、日本では1996年に小池修一郎演出で宝塚歌劇団が初演。2000年には同じく小池が演出した“東宝版”と呼ばれる東宝製作版も誕生、両バージョンとも幾度も上演を重ねる日本ミュージカル界屈指の人気作だ。2022年版は、2020年4月に東宝版20周年記念として上演が予定されていたものの、新型コロナウイルスの影響を受け全中止となった公演の主要キャストがほぼ再集結。ファンにとっても、おそらく出演者たちにとっても待望の開幕となった。初日前に行われたゲネプロの模様を、主にそれぞれの役作りに注目しレポートする。物語は19世紀末のウィーン、皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ美貌の皇后エリザベートが主人公。窮屈な宮廷の中でも自由を求めるエリザベートと、彼女に惹かれる“死”=トートの愛憎を主軸に、崩壊に向かっていくハプスブルク帝国の姿を美しい音楽に乗せ描いていくミュージカルだ。今回はエリザベート役に花總まり、愛希れいか、トート役に山崎育三郎(東京公演のみ)、古川雄大、井上芳雄(福岡公演のみ)、フランツ・ヨーゼフ役に田代万里生、佐藤隆紀、皇太子ルドルフ役に甲斐翔真、立石俊樹、皇后暗殺者ルキーニ役に黒羽麻璃央、上山竜治がキャスティング。注目は、1996年の日本初演(宝塚雪組公演)で世界最年少でエリザベートを演じ、2015年以降は東宝版でも同役を演じている花總まりが、自身“集大成”と位置づけていること。加えて、近年ではドラマにバラエティにと八面六臂の活躍を見せている山崎育三郎が、これまで演じていたルキーニから役を替え初めてトートとして登場するはずだった2020年公演の中止を経て、改めて挑むトート役にも注目が集まっている。花總まりやはり秀抜なのは花總のエリザベートだ。彼女の持ち味である可憐さ、品の良さは美貌の、しかも孤独な皇后という役柄にこれ以上ないほど似合う。佇むだけで“日本のエリザベート”と呼びたくなる説得力。加えて細部に至るまで深みが増し、そこにエリザベート皇后が生きていると観る者に思わせる、まさに“集大成”の演技を見せた。少女時代から晩年期へ、劇中で齢を重ねていくにつれどんどんその美しさが鋭くなっていくのもこの人のエリザベートの凄み。また今期は振付が新しくなった箇所もあり、特にエリザベートには体幹を必要としそうな動き、姿勢が増えていたが、ちょっとした瞬間を切り取っても惚れ惚れする美しさ。それはこの人のたゆまぬ努力のなせるわざなのだろう。愛希れいか一方、宝塚時代にも一度同役を演じ、東宝版では2019年に続けての登場となる愛希のエリザベートは生命力にあふれている。二幕、エリザベートの人生最盛期に歌うナンバー「私が踊る時」の力強くも高らかな歌声も心地良く印象に残る。だが周囲の助けをはねつけてまで自分らしく生きることを諦めない信念の強さは、孤立を呼び、あっという間に脆さに転じてしまう。強さと弱さのバランスがこの人ならではのエリザベート像になっていると感じた。山崎育三郎(手前)、愛希れいか(奥)注目の新トート・山崎は、ビジュアルからするとロックテイストで来るか!? と想像を巡らせていたが、いい意味でその予想は裏切られた。幕開けの「我ら息絶えし者ども」や名曲「最後のダンス」などでは素晴らしいフェイクも聴かせてくれたが、歌唱においてはかなりクラシック寄り。きちんとした声楽の基礎を持つ山崎がその武器を存分に活かし客席を魅了、あぁこの人はやはりミュージカルの舞台が一番似合う、としみじみと思ってしまった。役作りも面白く、登場から陰鬱な雰囲気を漂わせ、少しゆったりと感じる動きは、“肉体を持たないモノが、仮の身体を得て人間の前に姿を現した”感。不吉でありながらもどこか甘美な匂いで物語を染め上げるトートだった。古川雄大2019年に続き二度目のトートとなる古川もまた、前回とは異なる印象のトート像を造形して挑んでいる。前回は“俺様”感のあるクールな作りだったと記憶しているが、今期の古川トートは鋭さのある肉食系。エリザベートに狙いを定め、力で押すようなパッションが感じられて面白い。一方で幕切れのむなしさの伝わるなんとも言えない表情も心に残り、物語に余韻をもたせた。フランツ役は、日本ミュージカル界が誇る美声の持ち主、田代万里生と佐藤隆紀。ふたりは共に歌唱の面で作品に重厚感を与えながらも、“皇帝”フランツ、“人間”フランツとでも呼べるような好対照の役作りだ。田代万里生(左)、剣幸(右)田代はどこまでも“皇帝”であり、気高さと、すべてにおいて自分を律している理性が勝っているフランツ。一個人の幸せを求めるエリザベートとは最初からすれ違うことが予見されてしまう悲しみがある。これは花總のエリザベートにも感じたことだが、これだけ上演を重ねている作品だと、どうしても俳優としては「自分なりの解釈」を役に持ち込みたくなるもの。だが田代のフランツ(あるいは花總のエリザベート)からはそういった欲よりも「基本に立ち返る」ことを重要視しているように感じられ、観る側としても目が覚める思いがした。佐藤隆紀そして佐藤は皇帝としての苦悩や葛藤、戸惑いなどもストレートに表わす共感性の高いフランツだ。エリザベートとの出会いで見せる無邪気な笑顔なども可愛らしく、皇帝と言えども人間だなぁと切なくなってしまった。左から)甲斐翔真、山崎育三郎皇太子ルドルフ役は甲斐翔真、立石俊樹。ともに初キャスティング。すでに大作での主演も数々経験している甲斐は、ミュージカル界の登竜門的なこの役には少々もったいなさも感じるものの、その経験値も活き、初登板とは思えないクオリティの高い演技を見せた。ルドルフという人気のキャラクターに真正面から挑む、ある意味“正統派”な役作りだが、理想を高く掲げ、その理想に破れ破滅していく孤独な皇太子を、熱く生き抜いた。対する立石は、儚さが全面に出たルドルフで、“夢に生きた王子様”といった印象が残る。甲斐の力強さとは異なるものの、こちらもまたルドルフの一面であろうと思わせる役作りだった。立石俊樹(中央)皇后暗殺犯にして、作品の狂言回しを担うルキーニ役は黒羽麻璃央と上山竜治。ともに2020年の中止を経て、2年越しの初登場。近年『ロミオ&ジュリエット』『るろうに剣心』と大役を務めている黒羽だが、彼のキャリアからするとルキーニは抜擢と言ってもいいだろう。しかし熱に浮かされたような狂気をはらみながらも、明瞭な発声で狂言回しとしてしっかり作品を引っ張った。上山はニヒルさが際立つルキーニ。シニカルにエリザベートの人生を斜めから見つめているような冷静さを見せていた彼が、終盤一気に爆発するのが面白かった。黒羽麻璃央上山竜治ほか、皇太后ゾフィ役は涼風真世が素晴らしき存在感と艶のある歌声で影の権力者ぶりを発揮すれば、剣幸は他を圧する厳しさを持って作品を締め(同役は香寿たつき含めトリプルキャストだが筆者未見)、エリザベートの母ルドヴィカと娼館の女主人マダム・ヴォルフの二役を務める未来優希は、この人らしい豊かな声量で真逆の女性をそれぞれチャーミングに演じる。トートに付きそう“トートダンサー”には個だけでなくフォーメーションを駆使した動きも増え、物語の非現実感を色濃くしていた(振付は小尻健太と桜木涼介)。20年以上上演されている定番ミュージカルだが、やはり『エリザベート』は面白い、と改めて思うのである。公演は11月27日(日) まで帝国劇場にて。その後愛知・御園座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、福岡・博多座でも上演される。取材・文:平野祥恵
2022年10月12日ミュージカル『エリザベート』が、2022年10月9日(日)から11月27日(日)まで東京・帝国劇場で上演され、その後、愛知公演、大阪公演、福岡公演を実施する。エリザベート役は花總まりと愛希れいかが、トート役は山崎育三郎(東京公演のみ)、古川雄大、井上芳雄(福岡公演のみ)が務める。ミュージカル『エリザベート』とは?ミュージカル『エリザベート』は、ハプスブルク帝国最後の皇后エリザベートと、彼女を愛した黄泉の帝王“トート=死”が織りなす物語。1996年に宝塚歌劇団により日本初演、2000年に東宝版『エリザベート』が初演され、その後も再演の度に観る者を魅了し続けてきた。2022年10月開幕そんな人気ミュージカル『エリザベート』が、脚本・歌詞にミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲にシルヴェスター・リーヴァイ、演出・訳詞に小池修一郎を迎え、2022年10月より再び上演されることに。タイトルロールのエリザベートは、日本初演の『エリザベート』でも同役を演じた花總まりと、ミュージカル『マタ・ハリ』や舞台『泥人魚』、NHK大河ドラマ「青天を衝け」など多方面で活躍する愛希れいかがWキャストで担当。花總まりは、四半世紀以上を共に歩んだエリザベート役の集大成となる。また、トート役は、山崎育三郎、古川雄大、井上芳雄のミュージカル界のトップを走り続ける三俳優が演じる。<キャスト>エリザベート(オーストリア皇后)…花總まり/愛希れいか※Wキャストトート(黄泉の帝王)…山崎育三郎(東京公演のみ)/古川雄大/井上芳雄(福岡公演のみ)※トリプルキャストフランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝)…田代万里生/佐藤隆紀※Wキャストルドルフ(オーストリア皇太子)…甲斐翔真/立石俊樹※Wキャストルドヴィカ/マダム・ヴォルフ…未来優希ゾフィー(オーストリア皇太后)…剣幸/涼風真世/香寿たつき※トリプルキャストルイジ・ルキーニ(皇后暗殺者)…黒羽麻璃央/上山竜治※Wキャスト公演概要ミュージカル『エリザベート』脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ演出・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)出演:花總まり、愛希れいか、山崎育三郎、古川雄大、井上芳雄、田代万里生、佐藤隆紀、甲斐翔真、立石俊樹、未来優希、剣幸、涼風真世、香寿たつき、黒羽麻璃央、上山竜治※山崎育三郎は東京公演のみ。井上芳雄は福岡公演のみ。■東京公演上演期間:2022年10月9日(日)~11月27日(日)会場:帝国劇場住所:東京都千代田区丸の内3-1-1■愛知公演上演期間:2022年12月5日(月)~21日(水)会場:御園座住所:愛知県名古屋市中区栄 1-6-14■大阪公演上演期間:2022年12月29日(木)~2023年1月3日(火)会場:梅田芸術劇場 メインホール住所:大阪府大阪市北区茶屋町19-1■福岡公演上演期間:2023年1月11日(水)~31日(火)会場:博多座住所:福岡県福岡市博多区下川端町2-1【公演に関する問い合わせ先】<東京公演>東宝ナビザーブTEL:03-3201-7777<大阪公演>梅田芸術劇場TEL:06-6377-3800<愛知公演>御園座TEL:052-222-8222<福岡公演>博多座TEL:092-263-5858
2022年01月30日ミュージカル『エリザベート』が2022年〜2023年に上演されることが27日、明らかになった。同作は1992年にウィーンで初演をむかえて以来、世界中で上演されているミュージカル。日本では1996年から宝塚歌劇団、2002年からは東宝版の上演が行われている。オーストリア=ハンガリー帝国の皇后・エリザベート(花總まり/愛希れいか)の生涯を描き、ハプスブルク家の崩壊の物語に、"死"の概念である黄泉の帝王・トート(山崎育三郎 ※東京公演のみ/古川雄大/井上芳雄 ※福岡公演のみ)を絡めた。2020年4月〜7月に上演を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響で全公演中止に。新たに2022年〜2023年に4都市での上演が決定した。日本初演の『エリザベート』でタイトルロールを世界最年少で演じ、本場ウィーンの製作陣からも高い評価を得て2019年にはオーストリア共和国有功栄誉金章受章、国内でも読売演劇大賞優秀女優賞、菊田一夫演劇賞大賞を受賞した花總まりは、本公演が四半世紀以上を共に歩んだエリザベート役の集大成となる。2019年より花總とともに同役を演じた愛希れいかは、ミュージカル『マタ・ハリ』『泥人魚』などに加え、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、ドラマ『潜水艦カッペリーニ号の冒険』など多方面での活躍を経て、本公演も花總とWキャストでエリザベートを演じる。トート役には、人気・実力ともにミュージカル界のトップを走り続ける山崎育三郎(東京公演のみ)、古川雄大、井上芳雄(福岡公演のみ)の三俳優が集結。2020年、新型コロナウイルスの影響で幻となった“山崎トート”が、2022年遂に帝国劇場に現れる。さらに新キャストとして、オーストリア皇太子・ルドルフ役を甲斐翔真と立石俊樹がWキャストで務めることが決定した。東京公演は帝国劇場にて10月9日〜11月27日、愛知公演は御園座にて12月5日〜21日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて12月29日〜2023年1月3日、福岡公演は博多座にて2023年1月11日〜31日。○キャストエリザベート(オーストリア皇后):花總まり/愛希れいかトート(黄泉の帝王):山崎育三郎(東京公演のみ)/古川雄大/井上芳雄(福岡公演のみ)フランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝):田代万里生/佐藤隆紀ルドルフ(オーストリア皇太子):甲斐翔真/立石俊樹ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ:未来優希ゾフィー(オーストリア皇太后):剣幸/涼風真世/香寿たつきルイジ・ルキーニ(皇后暗殺者):黒羽麻璃央/上山竜治
2022年01月27日ミュージカル『エリザベート』が10月9日、東京・帝国劇場を皮切りに全国で上演されることが決定した。本作は1996年に宝塚歌劇団により日本初演、2000年の東宝版初演から観る者を魅了し続けてきた大ヒット ミュージカル。ミヒャエル・クンツェ(脚本 / 歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽 / 編曲)、小池修一郎(演出 / 訳詞)というクリエイター陣と出演者が再び集結し、観客を美と退廃の世界へと誘う。自由を愛し、類なき美貌を誇ったハプスブルク帝国最後の皇后エリザベートと、彼女を愛した黄泉の帝王“トート=死”。トートはエリザベートが少女の頃から彼女の愛を求め続け、彼女もいつしかトートの愛を意識するようになる。しかし、その禁じられた愛を受け入れることは、自らの死を意味した。滅亡の帳がおりる帝国と共にエリザベートに“運命の日“が訪れる。日本初演の『エリザベート』でタイトルロールを世界最年少で演じた花總まりは、本場ウィーンの製作陣からも高い評価を得て、2019年にはオーストリア共和国有功栄誉金章受章、国内でも読売演劇大賞優秀女優賞、菊田一夫演劇賞大賞を受賞し、『マリー・アントワネット』や『レディ・ベス』主演など大役を次々と演じ常に進化し続け圧倒的な存在感を放ち続けている。本公演が4半世紀以上を共に歩んだエリザベート役の集大成となるだろう。そして2019年より花總とともに同役を演じた愛希れいかは、ミュージカル『マタ・ハリ』、『泥人魚』などに加え、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、CX『潜水艦カッペリーニ号の冒険』など多方面での活躍を経て、本公演も花總とWキャストでエリザベートを演じる。さらにトートには、人気・実力ともにミュージカル界のトップを走り続ける山崎育三郎(東京公演のみ)、古川雄大、井上芳雄(福岡公演のみ)の3俳優が集結。2020年、新型コロナウイルスの影響で幻となった“山崎トート”が、2022年遂に帝国劇場に登場する。■公演情報ミュージカル『エリザベート』エリザベート(オーストリア皇后)-Wキャスト- 花總まり / 愛希れいかトート(黄泉の帝王)-トリプルキャスト- 山崎育三郎(東京公演のみ) / 古川雄大 / 井上芳雄(福岡公演のみ)フランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝)-Wキャスト- 田代万里生 / 佐藤隆紀ルドルフ(オーストリア皇太子)-Wキャスト- 甲斐翔真☆ / 立石俊樹☆ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ 未来優希ゾフィー(オーストリア皇太后)-トリプルキャスト- 剣幸 / 涼風真世 / 香寿たつきルイジ・ルキーニ(皇后暗殺者)-Wキャスト- 黒羽麻璃央 / 上山竜治※☆は新キャスト脚本 / 歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽 / 編曲:シルヴェスター・リーヴァイ演出 / 訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)製作:東宝<東京公演>2022年10月9日(日)~2022年11月27日(日)会場:帝国劇場<愛知公演>2022年12月5日(月)~2022年12月21日(水)会場:御園座<大阪公演>2022年12月29日(木)~2023年1月3日(火)会場:梅田芸術劇場メインホール<福岡公演>2023年1月11日(水)~2023年1月31日(火)会場:博多座
2022年01月27日2021年5月末に開催された難関「エリザベート王妃国際ピアノ・コンクール2021」において、第4位入賞を果たした阪田知樹のリサイタルが急遽開催される事となった(7月17日:ミューザ川崎シンフォニーホール)。「エリザベート王妃国際音楽コンクール」は、「チャイコフスキー国際コンクール」、「ショパン国際ピアノ・コンクール」と共に「世界三大コンクール」と呼ばれる世界屈指の名門コンクールだ。前身の「ウジェーヌ・イザイ・コンクール」時代を含めれば、ピアノ部門の優勝者には、エミール・ギレリス(1938)、レオン・フライシャー (1952)、ウラディーミル・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、フランク・ブラレイ(1991)、アンナ・ヴィニツカヤ (2007)、デニス・コジューヒン(2010)、ボリス・ギルトブルク(2013)など、錚々たる顔ぶれかが並ぶ。2021年のピアノ部門は、当初予定されていたの2020年が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって1年延期され、バンデミック後に開催される最初のメジャー・コンクールとして大きな注目を集めていたものだ。この難関での栄えある第4位入賞は、まさに日本のピアノ界の歴史に刻まれる快挙と言えそうだ。さて、そのコンクールの興奮も冷めやらぬ中で開催される特別演奏会の熱気や如何に。プログラムには、ベートーヴェンのピアノソナタ第15番『田園』&リスト編曲によるベートーヴェンの歌曲『アデライーデ』が用意され、後半はリストの大作「ピアノ・ソナタ ロ短調」が披露されるという聴き応え十分な内容だ。俊英の今を聴く絶好のチャンス到来!●公演概要7月17日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール阪田知樹ピアノ・リサイタル特別公演●阪田知樹(ピアノ)2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール4位。2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)第1位、6つの特別賞。コンクール史上、アジア人男性ピアニスト初優勝の快挙。「天使が弾いているかのようだ!」-Leslie Howard-と審査員満場一致、圧倒的優勝を飾る。第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞。「清澄なタッチ、優美な語り口の完全無欠な演奏」-Cincinnati Enquirer-と注目を集める。チェコの巨匠イヴァン・モラヴェッツ氏より高く評価されイヴァン・モラヴェッツ賞、ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞等5つの特別賞、クリーヴランド国際ピアノコンクールにてモーツァルト演奏における特別賞、キッシンジャー国際ピアノオリンピックでは日本人初となる第1位及び聴衆賞。アレクサンドル・ラザレフ、ヴラディーミル・ヴァ―レック、レナード・スラットキン、アンドレア・バッティストーニ、ヤーノシュ・コヴァーチュ諸氏の下、シュターツカペレ・ハレ、チェコ国立交響楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、フォートワース交響楽団、NHK交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団他と共演。東京クヮルテットメンバーとの共演など室内楽奏者としても活躍。国内はもとより、世界各地20カ国で演奏を重ね、国際音楽祭への出演多数。クレムリン音楽祭では、オール・リスト・プログラムによるリサイタルを名ピアニスト、ニコライ・ペトロフ氏が「世界一のリスト」と絶賛。クライバーン・ショパン・フェスティバルでのオール・ショパン・プログラムによるリサイタルは、「ヴィルトゥオージティ、天性の叙情性、ピアノに対峙する真摯な姿が聴衆を感動の渦に巻き込んだ!」―Fort Worth Star-Telegram―と高評を得た。2018年には、ドイツの名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウスにてリサイタルデビューを果たす。幼少期より作編曲にも傾注、近年は委嘱を受け、初演の機会に恵まれている。2015年CDデビュー、2020年3月、世界初録音を含む意欲的な編曲作品によるアルバムをリリース。内外でのテレビ・ラジオ等メディア出演も多い。東京藝大附属高、東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学にて学士、修士首席修了、現在同大学院ソリスト課程に在籍。世界的ピアニストを輩出し続ける「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められて以来、イタリアでも研鑽を積む。ウィーンの三羽烏パウル・バドゥラ=スコダ氏に10年に亘り師事。音楽理論・作曲を高橋千佳子、永冨正之、松本日之春の各氏に師事。2017年横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞。
2021年07月13日“務川慧悟(3位)と阪田知樹(4位)のダブル入賞”という嬉しい結果となった「エリザベート王妃国際コンクール(ピアノ部門2021」。去る5月29日(日本時間5月30日)に閉幕したばかりのコンクールの熱演の模様を収めたライブ・アルバム(4枚組)が早くも登場する(7月9日発売予定/ナクソス・ジャパン株式会社)。「エリザベート王妃国際音楽コンクール」は、「チャイコフスキー国際コンクール」、「ショパン国際ピアノ・コンクール」と共に「世界三大コンクール」と呼ばれる世界屈指の名門コンクールだ。前身の「ウジェーヌ・イザイ・コンクール」時代を含めれば、ピアノ部門の優勝者には、エミール・ギレリス(1938)、レオン・フライシャー (1952)、ウラディーミル・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、フランク・ブラレイ(1991)、アンナ・ヴィニツカヤ (2007)、デニス・コジューヒン(2010)、ボリス・ギルトブルク(2013)など、錚々たる顔ぶれかが並ぶ。 2021年のピアノ部門は、当初予定されていたの2020年が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって1年延期され、バンデミック後に開催される最初のメジャー・コンクールとして大きな注目を集めていた。今回発売されるライブ・アルバムには、セミ・ファイナルとファイナルの中から、入賞者6人の選りすぐりの演奏が収録されているだけに期待が高まる。コンクール自体は無観客で行われたため、演奏終了を待ちきれずに聴衆の拍手が沸き起こるといったコンクールならではの場面はみられないが、緊張感に満ち溢れたハイレベルな闘いは長く語り継がれるに違いない。●「エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)2021」結果第1位及び聴衆賞:ジョナタン・フルネル(フランス)第2位:セルゲイ・レドキン(ロシア)第3位 務川慧悟(日本)第4位 阪田知樹(日本)第5位 ヴィタリ・スタリコフ(ロシア)第6位 ドミトリ・シン (ロシア)●アルバム収録内容【CD1】1-4.ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op. 83/ジョナタン・フルネル5.ブルーノ・マントヴァーニ:妖精の庭から/セルゲイ・レドキン6.ピエール・ジョドロフスキ:夜想曲/ジョナタン・フルネル【CD 2】1-3. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op. 30/セルゲイ・レドキン4-7. シューマン:ピアノ・ソナタ第3番へ短調(管弦楽のない協奏曲)Op. 14/ドミトリ・シン8. ショスタコーヴィチ:プレリュードとフーガ 変ニ長調 Op. 87-15/務川慧悟【CD 3】1-3. モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488/ヴィタリ・スタリコフ4-6. モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595/務川慧悟7. ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル/務川慧悟【CD 4】1. リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調/阪田知樹2. ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op. 24/ジョナタン・フルネル3. ショパン:夜想曲第17番 ロ長調 Op. 62-1/ジョナタン・フルネル4. ドビュッシー:レントより遅く/セルゲイ・レドキンヒュー・ウルフ指揮、ベルギー国立管弦楽団(CD1: 1-5/CD2: 1-3)フランク・ブラレイ指揮、ワロニー王立室内管弦楽団(CD3: 1-6)
2021年06月08日2021年5月30日、ブリュッセルにて「エリザベート王妃国際音楽コンクール 」ピアノ部門の結果が発表され、務川慧悟(むかわけいご)が第3位、阪田知樹 (さかたともき)が 第4位入賞を果たした。「エリザベート王妃国際音楽コンクール」は、ベルギーの元王妃エリザベートの名前を冠して1951年に創設され、「ショパン国際ピアノコンクール」「チャイコフスキー国際コンクール」と共に“世界3大コンクール”の一つに数えられる名門だ(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽の4部門を対象に毎年1部門ずつ開催)。過去には、エミール・ギレリス(1938年優勝)やウラディーミル・アシュケナージ(1956年優勝)、ワレリー・アファナシエフ(1972年優勝)などの優れたピアニストたちを排出している。今回のピアノ部門は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって1年延期され、決勝進出者を例年の12人から6人に絞り込み、無観客等の対応がとられて実施された(5月3日~29日)。栄えある入賞を果たした2人は、アントワープにおいて6月7日(月)の入賞者コンサートに出演する予定だ。●2021年度「エリザベート王妃国際音楽コンクール 」ピアノ部門の結果第1位:Jonathan Fournel,27,France第2位:Sergei Redkin,29,Russie第3位:Keigo Mukawa,28,Japon第4位:Tomoki Sakata,27,Japon第5位:italy Starikov,26,Russie第6位:Dmitry Sin,26,Russie●務川慧悟コメントとても嬉しい結果です。応援いただきました皆様に感謝しております。一度はコンクールを受けることに迷いもありましたが、この1ヶ月、とても学ぶことが多く、今後のピアニストとしてある意味転機なりました。今はもっと学びたい、経験を重ねたいと思っています。●務川慧悟(ピアノ)東京藝術大学1年在学中の2012年、第81回日本音楽コンクール第1位受賞を機に本格的な演奏活動を始める。これまでに2019年ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールにて第2位入賞するなど世界的なコンクールで入賞を果たしている。2014年パリ国立高等音楽院に審査員満場一致の首席で合格し渡仏。パリ国立高等音楽院、第2課程ピアノ科、室内楽科を修了し、第3課程ピアノ科、同音楽院フォルテピアノ科に在籍。現在はフランスを拠点に日本各地はもちろん、ヨーロッパを中心に演奏活度を続けており、演奏以外にも、テレビやラジオへの出演、コラムを連載するなど多方面で活動している。これまでに共演した主なオーケストラは、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、フランスにてロレーヌ国立管弦楽団、フランス国立管弦楽団他フランク・ブラレイ、上田晴子、ジャン・シュレム、パトリック・コーエン、横山幸雄、青柳晋の各氏に師事。●阪田知樹のコメントこれまで世界的に優れたピアニストを輩出してきた「エリザベート王妃国際コンクール」に、デビューから10年を経て挑んだことはこの先のピアニスト人生での大きな糧となります。これからも芸術家として、より一層研鑽を積んでまいります。このたびはたくさんの方々に応援していただき、ありがとうございました●阪田知樹(ピアノ)2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)第1位、6つの特別賞。東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学大学院ソリスト課程に在籍。第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞。ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞等5つの特別賞、クリーヴランド国際ピアノコンクールにてモーツァルト演奏における特別賞、キッシンジャー国際ピアノオリンピックでは日本人初となる第1位及び聴衆賞。国内はもとより、世界各地20カ国で演奏を重ね、国際音楽祭への出演多数。2015年CDデビュー、2020年3月、世界初録音を含む意欲的な編曲作品によるアルバムをリリース。内外でのテレビ・ラジオ等メディア出演も多い。2017年横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞。
2021年06月01日撮影:Studio Elenish1992年のウィーン初演以来、世界各国で上演が続けられているミュージカル『エリザベート』。日本では小池修一郎の潤色・演出により1996年に宝塚歌劇で初演、各組でこれまでに10バージョンが上演され、宝塚歌劇の代表作のひとつとして上演のたびに注目を集めてきた。そして日本初演から25周年となる今年、宝塚歌劇版の歴代キャストが集結し、『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』が開催されている。大阪公演を経て、現在は東京・東急シアターオーブにて5月5日(水)まで上演中。オンラインでのライブ配信も行われている。【動画配信】エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート チケット情報メインキャストが役をイメージした衣裳をまとい、コンサート形式で本編を上演する「アニヴァーサリーバージョン」では、歴代出演者が共演する“25周年バージョン”、上演当時のメンバーを中心にお届けする“花・月・雪・星・宙組バージョン”、夢の競演が叶う“スペシャルバージョン”の3パターンでお届け。さらに、出演者全員が各役の扮装をし、コンサート形式で本編を上演する「フルコスチュームバージョン」といった、さまざまな組み合わせで楽しめるのが今回の見どころのひとつだ。大阪公演では、トート役・朝夏まなと、エリザベート役・実咲凛音を中心とした「フルコスチューム’16宙組ver.」と、トート役・明日海りお、エリザベート役・蘭乃はなを中心とした「フルコスチューム’14花組ver.」がライブ配信された。19世紀末に実在したオーストリー=ハンガリー帝国皇后エリザベートの生涯を、黄泉の帝王トート(死)との愛憎を軸に描いた本作。舞台美術や装置はシンプルで、ステージ上にオーケストラを配置。最初に衣裳をまとった暗殺者ルイジ・ルキーニが登場するやいなや、客席は一気に『エリザベート』の世界へといざなわれる。コンサートといえど、ストーリーに沿って役を演じながらシーンが展開するため、ミュージカルの凝縮版として楽しめる。本公演で改めて感じたのは、楽曲の素晴らしさだ。美しい旋律で彩られたナンバーは、どの曲も耳に残るものばかりで、胸に心地よく響く。妖しいオーラを放ち、冷たく、それでいて情熱的にエリザベートへの愛を表現する朝夏トート、美しくも冷酷な表情や視線にゾクッとさせられる明日海トートをはじめ、『エリザベート』の世界を体現する役者たちは、宝塚を卒業後もそれぞれに研鑽を積んできているだけに、より表現に深みが増している。それぞれのパフォーマンスの違いを楽しむことができ、細かな表情や衣裳の細部など、劇場では気付かなかった部分まで堪能できるのはライブ配信ならではだ。東京公演では、4月24日(土)の「フルコスチューム’14花組ver.」、5月1日(土)の「フルコスチューム’16宙組ver.」、5月3日(月・祝)の「アニヴァーサリースペシャルver.」、5月5日(水・祝)「アニヴァーサリースペシャルver.」をライブ配信。ライブ配信のチケットは発売中。
2021年04月23日4月5日(月)、大阪の梅田芸術劇場メインホールで、『エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』が開幕する。今や、日本で上演されるミュージカルの中でも、有数の大ヒット作となった『エリザベート』。このウィーン発のミュージカルが日本で初演されたのは、1996年のことで、宝塚歌劇団雪組の当時のトップスター、一路真輝のサヨナラ公演だった。宝塚で上演されるに当たっては、潤色・演出を手がけた小池修一郎によって、主役が、ウィーン版のオーストリア皇后エリザベートから、男役が演じる黄泉の帝王トートに変わり、新たに付けられたサブタイトルと同名の、トートが歌う新ナンバー「愛と死の輪舞(ロンド)」も追加され、この“死”と人間の異色のラブストーリーは大評判をとる。以来25年間、宝塚版だけでも、現在までに10バージョンを数え、宝塚を代表する人気ミュージカルとなった。2000年からは、男女のキャストによる東宝版も繰り返し上演されている。この間、宝塚OGによるスペシャル・ガラ・コンサートも、ウィーン初演から20周年の2012年、宝塚初演から20周年の2016年に開催され、3度目の今回は、宝塚初演25周年の節目を記念して開かれるものだ。演出は、小池修一郎と、2016年の宙組バージョンで演出に加わった小柳奈穂子が共同で手がける。これまでも、配役を変えて何通りものバージョンが披露されてきたが、今回は、主要キャストが役をイメージした衣裳を着け、コンサート形式で上演する“アニヴァーサリーバージョン”と、出演者全員が扮装する“フルコスチュームバージョン”があり、さらに前者は、歴代出演者が競演する“ 25 周年バージョン”、上演当時のメンバーが出演する“花組・月組・雪組・星組・宙組の各組バージョン”、そして“スペシャルバージョン”に分かれ、多彩な組み合わせを楽しめるようになっている。東京公演のみの“スペシャルバージョン”では、現在は雪組トップスターとしてサヨナラ公演中の望海風斗が、退団後の初仕事として、現役時代にはやっていないトートを初役で演じ、1幕のエリザベートは、新人公演で演じた夢咲ねね、2幕のエリザベートは、やはり初役となる明日海りおが演じるという、89期による夢の競演が実現する。大阪公演は4月11日(日)まで。その後、4月17日(土)から5月5日(水・祝)までは、東京の東急シアターオーブで上演される。なお、4月24日(土)、5月1日(土)・5日(水・祝)には映画館でのライブ中継、4月7日(水)・10日(土)・24日(土)、5月1日(土)・3日(月・祝)・5日(水・祝)にはライブ配信も予定されている。文:原田順子公演情報『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽 :シルヴェスター・リーヴァイオリジナル・プロダクション:ウィーン劇場協会構成・演出・訳詞:小池修一郎演出:小柳奈穂子【大阪公演】2021年4月5日(月) ~2021年4月11日(日)会場:梅田芸術劇場メインホール【東京公演】2021年4月17日(土)~2021年5月5日(水・祝)会場:東急シアターオーブライブ配信&ライブ・ビューイング詳細・チケット情報
2021年04月05日2021年4月から5月にかけて大阪・東京で上演される『エリザベート TAKARAZUKA25 周年スペシャル・ガラ・コンサート』にて、ライブ配信とライブ・ビューイングを実施。さらに、DVDを発売することが決定した。『エリザベート スペシャル ガラ・コンサート』は、過去には作品のメモリアルイヤーとなる2012年と2016年に上演。宝塚歌劇『エリザベート』のトート役やエリザベート役ほか、歴代出演者が集い特別な舞台を届けてきた。今回、ライブ配信とライブ・ビューイングは本コンサートに初出演となる朝夏まなと、望海風斗、明日海りおがトート役をつとめる公演回。2016年上演の宙組公演、そして2014年上演の花組公演でそれぞれトートを演じた朝夏と明日海は当時の衣装をまとった【フルコスチュームバージョン】で、そして望海は、ガラ・コンサートならではの夢のような競演が実現する【アニヴァーサリースペシャルバージョン】で、『エリザベート』の美しい楽曲の数々を披露する。また、公演DVDは25周年の特別な舞台を存分に楽しめる内容に。1996年の宝塚歌劇団初演以来、各時代各組で『エリザベート』を作り上げたキャストが一堂に会し、壮大なスケールでお贈りする【アニヴァーサリー25周年バージョン】の全編を収録、そして朝夏、望海、明日がトート役をつとめる【フルコスチュームバージョン】と【アニヴァーサリースペシャルバージョン】はロングダイジェストで、さらに上演当時のメンバーを中心に届ける【アニヴァーサリー組バージョン】の全5公演をダイジェストで収録する。心に残るあの舞台、あの楽曲が鮮やかに蘇る、そして新たに誕生する感動のステージを自宅や映画館で堪能してほしい。【ライブ配信 / ライブ・ビューイング / DVD概要】■ライブ配信対象公演:全6公演・4月7日(水) 17:00「フルコスチューム’16宙組 ver. 」(トート:朝夏まなと、エリザベート:実咲凜音)・4月10日(土) 12:00「フルコスチューム’14花組 ver. 」(トート:明日海りお、エリザベート:蘭乃はな)・4月24日(土) 17:00「フルコスチューム’14花組 ver. 」(トート:明日海りお、エリザベート:花乃まりあ)・5月1日(土) 12:00「フルコスチューム’16宙組 ver. 」(トート:朝夏まなと、エリザベート:実咲凜音)・5月3日(月・祝) 17:00「アニヴァーサリースペシャル ver. 」(トート:望海風斗、エリザベート:〈ACT1〉夢咲ねね・〈ACT2〉明日海りお)・5月5 日(水・祝) 13:00「アニヴァーサリースペシャル ver. 」(トート:望海風斗、エリザベート:〈ACT1〉夢咲ねね・〈ACT2〉明日海りお)<視聴方法>4つのライブ配信メディアで一斉配信・PIA LIVE STREAM(ぴあ)・Streaming+(イープラス)・Rakuten TV・U-NEXT料金:各回 4,000円(税込)※<GoTo イベント>適用で各回 3,200 円(税込)公演プログラム郵送サービス付チケット 各回 6,000 円(税込)も数量限定で販売※<GoTo イベント>適用で各回 4,800 円(税込)※公演プログラム郵送サービス付チケットの展開は各配信メディアサイトでご確認くださいチケット販売:3月29日(月) 10:00~各配信メディアにて一斉発売開始※いずれのサービスでもアーカイブ配信はございません。詳細ご案内: ■ライブ・ビューイング(映画館でのライブ中継)対象公演:全3公演・4月24日(土) 17:00「フルコスチューム’14 花組 ver.」(トート:明日海りお、エリザベート:花乃まりあ)・5月1日(土) 12:00「フルコスチューム’16 宙組 ver.」(トート:朝夏まなと、エリザベート:実咲凜音)・5月5日(水・祝) 13:00「アニヴァーサリースペシャル ver.」(トート:望海風斗、エリザベート:〈ACT1〉夢咲ねね・〈ACT2〉明日海りお)料金:各回 5,000円(税込)会場:全国各地の映画館チケット販売:チケットぴあ先行抽選販売:3月29日(月) 10:00~4月5日(月) 12:00詳細ご案内: ■公演DVD収録内容:全バージョンを収録!豪華 DVD3枚組・Disc1「アニヴァーサリー25周年 ver.」を全編収録収録公演:4月5日(月) 12:00(麻路さき、姿月あさと、彩輝なお、春野寿美礼、瀬奈じゅん、水夏希、朝夏まなと 他)・Disc2「フルコスチューム ver.&アニヴァーサリースペシャル ver.」の各ロングダイジェストフルコスチューム’14 花組 ver. (明日海りお 他・〈ACT1〉4月24日(土) 17:00 公演&〈ACT2〉4月10日(土) 12:00公演)フルコスチューム’16 宙組 ver. (朝夏まなと 他・5月1日(土) 12:00 公演)アニヴァーサリースペシャル ver. (望海風斗 他・〈ACT1〉5月3日(月・祝) 17:00公演&〈ACT2〉5月5日(水・祝) 13:00公演)・Disc3アニヴァーサリー組 Ver.(全5公演)のダイジェスト集’96 星組 ver.(麻路さき 他)’98 宙組 ver.(姿月あさと 他)’02 花組 ver.(春野寿美礼 他)’07 雪組 ver.(水夏希 他)’09 月組 ver.(瀬奈じゅん 他)料金:13,200円(税込)発売日:2021年9月24日予定販売方法:WEB 予約受付中( )※5月10日までにお申込の方には、先行予約特典【非売品クリアファイル】をお届け
2021年03月29日『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』が、2021年4月5日(月)~4月11日(日)まで、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて、2021年4月17日(土)~5月5日(水・祝)まで、東京・東急シアターオーブにて上演される。この度、本公演の出演者が発表された。1992年のウィーン初演以来、世界各国で上演が続けられているミュージカル『エリザベート』。日本では、各国での上演に先駆け、鬼才小池修一郎の潤色・演出で、1996年宝塚歌劇団雪組にて初演。死を象徴する黄泉の帝王トートとヨーロッパ宮廷随一の美貌を謳われた皇后エリザベートとの愛の物語が、美しい旋律で彩られた楽曲で綴られ、各組でこれまでに計10バージョンが上演され宝塚歌劇を代表する大ヒットミュージカルとなった。梅田芸術劇場では、ウィーン初演から、20周年のメモリアルイヤーとなる2012年に、『エリザベート スペシャル・ガラ・コンサート』を、その後、2016年は宝塚初演20周年を記念した『エリザベート TAKARAZUKA20 周年スペシャル・ガラ・コンサート』を上演。そして、宝塚歌劇団による日本初演から25周年となる今年、小池修一郎と小柳奈穂子の共同演出により宝塚歌劇版の歴代キャストを中心とした、『エリザベート TAKARAZUKA25 周年スペシャル・ガラ・コンサート』を上演する。メインキャストが役をイメージした衣裳でコンサート形式にて本編を上演する【アニヴァーサリーバージョン】では、歴代出演者が競演する“25 周年バージョン”、上演当時のメンバーを中心に届ける“花組・月組・雪組・星組・宙組の各組バージョン”、夢の競演として新しい組合せでお届けする“スペシャルバージョン”、そして出演者全員が扮装しコンサート形式で本編を上演する【フルコスチュームバージョン】と、多彩なバリエーションにて実施される。出演者には、麻路さき、稔幸、えまおゆう、姿月あさと、和央ようか、白城あやか、湖月わたる、月影瞳、彩輝なお、安蘭けい、春野寿美礼、朝海ひかる、大空ゆうひ、瀬奈じゅん、水夏希、大鳥れい、霧矢大夢、紫城るい、北翔海莉、白羽ゆり、凰稀かなめ、朝夏まなと、夢咲ねね、望海風斗(※)、明日海りお、蘭乃はな、愛希れいか、実咲凜音、花乃まりあ他、歴代エリザベート出演メンバーが集結した。※望海風斗は、本公演東京公演(4 月 22 日以降)からの出演を予定。●出演者麻路さき、稔幸、えまおゆう、姿月あさと、和央ようか、白城あやか、湖月わたる、月影瞳、彩輝なお、安蘭けい、春野寿美礼、朝海ひかる、大空ゆうひ、瀬奈じゅん、水夏希、大鳥れい、霧矢大夢、紫城るい、北翔海莉、白羽ゆり、凰稀かなめ、朝夏まなと、夢咲ねね、望海風斗、明日海りお、蘭乃はな、愛希れいか、実咲凜音、花乃まりあ、初風緑、彩吹真央/出雲綾、嘉月絵理、越乃リュウ(宝塚歌劇団)、悠真倫※特別出演初嶺麿代、望月理世、綾月せり、麻尋えりか、扇けい、愛純もえり、純矢ちとせ、大月さゆ、美翔かずき、七海ひろき、芽吹幸奈、如月蓮、宇月颯、琴音和葉、玲実くれあ、鳳真由、咲希あかね、澄輝さやと、天真みちる、貴澄隼人、菜那くらら、花陽みく、蒼羽りく、煌海ルイセ、桜舞しおん、蒼矢朋季、矢吹世奈■『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽:シルヴェスター・リーヴァイオリジナル・プロダクション:ウィーン劇場協会構成・演出・訳詞:小池修一郎演出:小柳奈穂子【大阪公演】2021年4月5日(月)~4月11日(日)梅田芸術劇場メインホール【東京公演】2021年4月17日(土)~5月5日(水・祝)東急シアターオーブ一般発売:【大阪公演】3月30日(土)10:00~【東京公演】3月27日(土)10:00~料金:S席:13,500円A席:9,500円B席:6,000円(全席指定・税込)公式サイト:
2021年02月16日今から40年前の1980年、堀米ゆず子はエリザベート国際コンクールで優勝した。“日本人で初の快挙”、“堀米さん 日本人で初栄冠”などの見出しが新聞各紙に並び、“欧州各地から演奏依頼続々”と期待を寄せる見出しから、“無名から世界へ”とズバリ書き放つ紙面まで、当時の新聞を見返すだけでも面白い。まだメールもインターネットも無かった時代、ヨーロッパははるか遠い国だった。西洋伝統音楽であるクラシックを、しかもその本場で東洋人が奏でることは、2020年の今風に言えば、はるかに“ハードルの高い”ことだった。その高いハードルを乗り越え、時にはおそらくなぎ倒し、優勝を果たした堀米は、以後、世界へと大きく飛翔する。真に音楽を欲する堀米は、オーケストラとの共演でソリストとして活躍するという華やかな舞台に固執せず、地味と揶揄されることも多い室内楽への探求心を持ち続けてきた。ルドルフ・ゼルキン、マルタ・アルゲリッチ、ギドン・クレーメル、ミッシャ・マイスキーなど、文句無しに超一流のトップアーティストと共演してきた日本人演奏家はどれくらいいるだろうか。その原点には、J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン曲があり、「バッハは私の背骨、音楽の核」と語ってきた堀米が楽壇生活40年の節目に挑む“勝負曲”は、やはりバッハ。サントリーホールの大きな舞台にたった一人で立ち、バッハに向き合う道を選んだ。ブリュッセルに拠点を置く堀米は教授として世界各地の生徒を教えてきた。今では日本のオーケストラに客演すると弟子がいて、「堀米先生」という声が聞こえてくることも。演奏活動のみならず、教育活動にも傾けるその熱量は、すごい。「弟子はいつまでも弟子だからね」と面倒見の良さも評判だ。当時のコンクールのレセプションは豪華で期間も長く、現地在住の日本人の方に着物を着せてもらって出席していた。二十歳そこそこの日本人女性には非日常の世界だった。ある日、レセプションが終わり着替えようと思ったら自分の洋服がない。いくら探しても見つからず、仕方なくそのまま帰りいざ着物を脱ぎ始めたら、「下から洋服が出てきた!」と豪快に笑う。あれから40年。にっぽんの“肝っ玉母ちゃん”の底力を、何もかも想定外の2020年、今こそ味わってほしい。楽壇生活40周年 無伴奏ヴァイオリン・リサイタルを11月11日(水)、19時より東京・サントリーホールにて開催。チケットぴあにて好評発売中。
2020年10月22日ミュージカル『エリザベート』の製作発表が12日に都内で行われ、小池修一郎(演出/訳詞)、花總まり、愛希れいか、井上芳雄、山崎育三郎、古川雄大、池田篤郎(東宝 取締役演劇担当)が登場した。同作は1992年にウィーンで初演をむかえて以来、世界中で上演されているミュージカル。日本では1996年から宝塚歌劇団、2002年からは東宝版の上演が行われている。オーストリア=ハンガリー帝国の皇后・エリザベート(花總、愛希)の生涯を描き、ハプスブルク家の崩壊の物語に、"死"の概念である黄泉の帝王・トート(井上、山崎、古川)を絡めた。製作発表にはオーディエンス招待200名に1万人の応募があったというが、小池は「何かの縁ですから、これからも死ぬまでエリザベートを見続けてください」とアピール。また「エリザベートを一文字で表すと?」という難質問には井上が「断ることもできるんですか?」と戸惑いつつも、「僕、愛だ思います。言ったもん勝ちだと思うので!」と手を挙げる。そんな井上の様子を見た出演者陣はどんどん挙手し、古川は「僕も愛……」、花總は「エリザベート的には、"生"きるです。どんな時も生きる!」、山崎は「熱。お客様の熱」と回答。愛希は「欲! 人間の欲の部分が人間らしくて良いかと思います」と新たな視点で、周囲を驚かせていた。「それぞれにとってエリザベートとは?」という質問には、花總が「自分の人生を変えるほどの大切な節目となった作品です。初演の時はまだ22歳。その時に初めて演じさせていただいた役を今こうしてまだ演じる機会をいただけていることが奇跡だと思いますし、なくてはならない作品であり、役になっております」としみじみ。愛希は「ずっと憧れだったので、演じている今でも『夢なんじゃないか』という瞬間もありました。なかなか乗り越えられない壁というか、登れたと思ったらまたさらに高い壁が待っているという感じで、ずっと憧れの作品ですし、役です」と心境を吐露した。井上は「作品としては奇跡のようなバランスで生まれたミュージカルだと思って、何十年に1本だと思います」と見解を披露。「だからこそ、僕たちにチャンスをくれる。熱狂させるのは保証されているので、その分いろんなチャレンジができる。僕もそのチャレンジの一環で生まれたと思うんですけど、ミュージカル観客を増やすことができるし、たくさんの人にチャンスを与え続けてる、全部ひっくるめて奇跡の作品だと思います」と語った。2015年からルキーニ役として出演し、今回トート役に初挑戦する山崎は「毎回ルキーニとして舞台に立つ時には自分のセリフから始まるんですけど、何公演やっても緊張するという舞台は初めて」と振り返る。これまでルドルフ役として出演し、2019年よりトート役を演じている古川が「ともにミュージカル人生を歩いた作品。オーディションのときとか考えると失礼な態度をとったり、稽古中も先生に対してちょっと反抗的な態度をとったり。でも先生が愛をもって接してくださったおかげで、今では言われたら『はい』と答えるようになった」と成長を表すと、井上がすかさず「飼い慣らされて行ったってことですか?」とつっこんだ。製作発表後の取材で「反抗的な態度」を深掘りされてしまった古川は「成長ということを表すために、誇張した部分はあります。言われたことを自分ができないということに対しての苛立ちから、少しムスっとしたり……」と説明する。弁解する古川の様子を、山崎は「よくしてた」、花總は「してたよね。私たち見てた」と笑顔で見守り、古川は「誇張してないのかもしれません」と苦笑していた。東京公演は帝国劇場にて2020年4月9日~5月4日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月11日~6月2日、名古屋公演は御園座にて6月10日~28日、福岡公演は博多座にて7月6日~8月3日。○キャストエリザベート(Wキャスト):花總まり、愛希れいかトート(トリプルキャスト):井上芳雄(大阪、名古屋、福岡公演)、山崎育三郎(東京公演)、古川雄大フランツ・ヨーゼフ(Wキャスト):田代万里生、佐藤隆起ルドルフ:三浦涼介ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ:未来優希ゾフィー(トリプルキャスト):剣幸、涼風真世、香寿たつき(東京、大阪公演)ルイジ・ルキーニ(トリプルキャスト):尾上松也(東京、大阪公演)、上山竜治、黒羽麻璃央
2019年11月12日ミュージカル『エリザベート』の制作発表が12日に都内で行われ、小池修一郎(演出/訳詞)、花總まり、愛希れいか、井上芳雄、山崎育三郎、古川雄大、池田篤郎(東宝 取締役演劇担当)が登場した。同作は1992年にウィーンで初演をむかえて以来、世界中で上演されているミュージカル。日本では1996年から宝塚歌劇団、2002年からは東宝版の上演が行われている。オーストリア=ハンガリー帝国の皇后・エリザベート(花總、愛希)の生涯を描き、ハプスブルク家の崩壊の物語に、"死"の概念である黄泉の帝王・トート(井上、山崎、古川)を絡めた。2015年よりルキーニ役として何度も同舞台に立ってきた山崎が、今回初のトート役に挑戦。山崎は「ルキーニという役に出会ったことで役者としての新しい扉が開いたと思っており、本当に感謝しています。そんな中で来年、20周年という大きな節目の年にトートという役で帝国劇場に立てることを嬉しく思いますし、誰よりも近くでトートを見てきましたので、ルキーニを演じた自分を演じた自分だからこそできるトートができるんじゃないかなと思っております。トートとルキーニの関係性が大事だと思って演じてきたので、ルキーニ役とも相談しながら演じていきたい」と意気込んだ。山崎は「恐怖心を与える、氷のように冷たく触ったら火傷しそうなというイメージ」とトートを表しつつ、「今回小池先生のこだわりで、"真ん中分け"のトートなんですね。東宝版でも宝塚版でも、今までのトートにいないということで、視覚的にも注目していただきたい」と意外な観点からアピール。小池が「70年代のロックのイメージ」と説明すると、山崎は「ちょっとどういうことか……」と戸惑い、井上は「僕たちも真ん中分けでいこうねって話をしてる。オールバックかもしれないし」と古川と顔を見合わせた。制作発表後の囲み取材でも、センター分けは話題に。山崎は「トートが決まって、今年の公演のルキーニも真ん中分けにしたんですよ。6:4くらいだったのが、5:5に」と明かす。2019年の公演開始よりも前にトート役が決まっていたために「トートの動きとか動線をずっと見てました」と言うと、井上も「見られてるというのは、僕たちも感じてました」とニヤリとした。真ん中分けのこだわりについては「完全に小池先生です。いくつかあったカツラの中で、初めから先生は『育はセンター分けだ』って。真ん中分けで紫、という先生のこだわりが最初から最後までありました」と振り返った山崎。「ルキーニの前に帝国劇場で扮装をやったんですけど、すっぴんの状態で紫の真ん中分けのカツラをかぶったので『これはまずいことになる』と思ったんです。全然似合ってなくて。でも先生はそのときからメイクしたところまで見えていた」と苦笑する。出演者陣も山崎のトート就任について「なんとなく知っていた」という状態で、井上は「この前のS帝劇のの千秋楽時に、カーテンコールで『次やるんだってね』って、初めて言った」と振り返る。「なんかアドバイスください」という山崎に、井上は「企業秘密なんで……」と交わしつつ、「『ちょっと歌い方変えました?』と聞きにきてくれたりとか。『自分だったらどうしよう』と考えてるんだろうなと、感じてはいました」と明かす。井上は「僕が真ん中分けにしてるかもしれないですね」と再度真ん中分けに触れつつ、「でも、全然違うトートになると思うんですよ。やればやるほど形が捉えられないので」と心境を語った。東京公演は帝国劇場にて2020年4月9日〜5月4日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月11日〜6月2日、名古屋公演は御園座にて6月10日〜28日、福岡公演は博多座にて7月6日〜8月3日。○キャストエリザベート(Wキャスト):花總まり、愛希れいかトート(トリプルキャスト):井上芳雄(大阪、名古屋、福岡公演)、山崎育三郎(東京公演)、古川雄大フランツ・ヨーゼフ(Wキャスト):田代万里生、佐藤隆起ルドルフ:三浦涼介ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ:未来優希ゾフィー(トリプルキャスト):剣幸、涼風真世、香寿たつき(東京、大阪公演)ルイジ・ルキーニ(トリプルキャスト):尾上松也(東京、大阪公演)、上山竜治、黒羽麻璃央
2019年11月12日2020年に四大都市連続公演を予定していたミュージカル・東宝版「エリザベート」が、全公演中止。チケットの払い戻し詳細は、東宝公式ホームページにて告知。「エリザベート」は、ウィーン・ ハプスブルク帝国最後の皇后エリザベートと、 彼女を愛した黄泉の帝王・トートの物語。トートは、自由を愛し類なき美貌を誇ったエリザベートが少女の頃から彼女の愛を求め続け、彼女もいつしかその愛を意識するようになる。 しかし、その禁じられた愛を受け入れることは、エリザベート自らの死を意味した。ハプスブルク帝国滅亡と、エリザベートの“運命”を描いた人気ミュージカルは、2000年に東宝版で初演、2015年に内容をリニューアル。2019年には、3か月連続で公演が行われた。2020年公演は、2000年の初演から20周年を迎える記念公演となる。脚本/歌詞をミヒャエル・クンツェが手がけ、音楽/編曲はシルヴェスター・リーヴァイ、演出/訳詞は小池修一郎。2020年版キャストとして、主人公・エリザベートは2019年に引き続き、花總まり、愛希れいかがWキャストを務める。また、トート役は井上芳雄、古川雄大が2019年から続投する他、新たに山崎育三郎も加わりトリプルキャストに。山崎育三郎は東京公演のみ、井上芳雄は地方公演のみの出演となる。その他、ルイジ・ルキーニ役に尾上松也、上山竜治、黒羽麻璃央のトリプルキャストが決定した他、田代万里生、佐藤隆紀、三浦涼介、未来優希、剣幸、涼風真世、香寿たつきといったキャストが出演する。また、2019年10月からは、国立西洋美術館においてエリザベートが生きたハプスブルク家の美術コレクションを紹介する「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」を開催。2020年公演でもエリザベート役を演じる花總まりが音声ガイドを務める。併せてチェックするとより世界観を楽しめそうだ。【詳細】東宝版「エリザベート」<全公演中止>※全公演の開催を中止。チケット払い戻し詳細は、東宝公式ホームページに記載。公演時期/場所:・2020年4月9日(木)~5月4日(月) 東京・帝国劇場(東京都千代田区丸の内3-1-1)・2020年5月11日(月)~6月2日(木) 大阪・梅田芸術劇場メインホール(大阪府大阪市北区茶屋町19-1)・2020年6月10日(水)~6月28日(日) 名古屋・御園座(愛知県名古屋市中区栄1-6-14)・2020年7月6日(月)~8月3日(月) 福岡・博多座(福岡県福岡市博多区下川端町2-1)脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイ演出/訳詞:小池修一郎■出演エリザベート:花總まり / 愛希れいかトート:(東京) 山崎育三郎 / 古川雄大、(地方) 井上芳雄 / 古川雄大フランツ:田代万里生 / 佐藤隆紀ルドルフ:三浦涼介マダム・ヴォルフ / ルドヴィカ:未来優希ゾフィー:(東京/大阪) 剣幸 / 涼風真世 / 香寿たつき、(名古屋/福岡) 剣幸 / 涼風真世ルイジ・ルキーニ:(東京/大阪) 尾上松也 / 上山竜治 / 黒羽麻璃央、(名古屋/福岡) 上山竜治 / 黒羽麻璃央Copyright Toho Co., Ltd. All rights reserved.
2019年08月29日日本ミュージカル界屈指の人気作『エリザベート』の2019年シーズンが、いよいよ6月7日(金)に開幕する。初日に先駆け6日、出演する花總まり、愛希れいか、井上芳雄、古川雄大、山崎育三郎、成河が意気込みを語った。チケット情報はこちら19世紀末のウィーン、皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ美貌の皇后エリザベートを主人公にした物語。実在した皇后の波乱万丈な人生を、エリザベートに惹かれていく黄泉の帝王トート(死)という架空の存在を絡め、美しい音楽に乗せ描いていくミュージカルだ。日本では宝塚歌劇団版と、“東宝版”と呼ばれる東宝製作版プロダクションの2バージョンが繰り返し上演されている。今回の東宝版は2016年以来、約3年ぶりの上演。メインキャストも新しい顔ぶれが加わった。タイトルロールであるエリザベートを演じるのは、東宝版には3期連続出演となるだけでなく、1996年の宝塚版初演で同役を演じたオリジナルキャストである花總と、昨年宝塚歌劇団を卒業し、今回東宝版『エリザベート』には初出演となる愛希。ただ愛希も2018年の宝塚月組公演で同役を演じた経験がある。花總は「日本初演以来、ものすごく長くお客さまに愛されている作品。それを受け継ぎつつ、やるキャストによって色々な色に作品を変えることができたらいいなと思って毎回みんなで頑張っています。今回もたくさん愛していただけたら」と心境を。愛希は花總と「同じ時に同じ役をさせてもらうということに感動」と語り、「新しく作品に入らせていただきますが、もっと(作品を)深めて、先に先にいけたら」と意気込んだ。エリザベートと愛憎を繰り広げるトート役は、こちらも東宝版には3期連続出演の井上と、前回公演までは皇太子ルドルフを演じ、今回トート役初挑戦となる古川。ミュージカル界のプリンスと呼ばれる井上は、2000年の東宝版初演のルドルフ役でデビューをしているが、奇しくもこの日がデビュー記念日。「たまたま19年前の今日が初日だった。この仕事を19年も続けられて嬉しい(笑)。『エリザベート』は当時も人気作品でしたが、どんどん大きな作品になったんだなとひしひしと感じます」と話す。古川は「2012年にルドルフ役を演じ、今回で作品には4度目の出演ですが、いま2012年以上に緊張しています。ただ当時は感じられなかった“楽しみ”という気持ちも今はある。トートのことだけを考え、色々なことに挑戦していく機会にしていきたい」と語った。エリザベート暗殺犯・ルキーニは山崎、成河のダブルキャスト。「音楽面でも色々と変更が加えられている。作品を見慣れたお客さまたちも新しい重厚な世界を楽しんでいただけると思う」(成河)、「『エリザベート』は時代ごとに変化していくところも魅力」(山崎)とそれぞれアピールした。公演は6月7日(金)から8月26日(月)まで、東京・帝国劇場にて。
2019年06月07日ミュージカル『エリザベート』の合同取材会が1日に東京で行われ、花總まり、愛希れいか、井上芳雄、古川雄大が登場した。同作は1992年にウィーンで初演をむかえて以来、世界中で上演されているミュージカル。日本では1996年から宝塚歌劇団、2000年からは東宝版の上演が行われている。オーストリア=ハンガリー帝国の皇后・エリザベート(花總、愛希)の生涯を描き、ハプスブルク家の崩壊の物語に、"死"の概念である黄泉の帝王・トート(井上、古川)を絡めた。井上は「ミュージカルブームと言われて久しく、追い風が吹いてる気はしてるんですけど、日本のミュージカル界にとっては独自の進化を遂げている演目だと思う」と同作について表し、「『レ・ミゼラブル』には負けてられない」と意気込む。作品の中で好きな楽曲として「最後のダンス」を挙げ、エリザベートを振り回す同曲に「こんなに自分の中にSっ気があったのか」と周囲を笑わせていた。2018年11月に宝塚版の同作で同役を務めて退団した愛希は「作品の大ファンでしたので、出演できることがすごく嬉しかったのと、宝塚歌劇団でも演じまして、もう一度挑戦できるんだという気持ち。すごく愛されてる作品ですので、責任があるな、頑張らなきゃなと思いました」とオファー時を振り返る。また同作にはこれまでルドルフ役で出演していた古川は「前回(2016年)の最後のカーテンコールで、『ルドルフは卒業します』と宣言したんです。しばらく『エリザベート』は出れないのかなと思ってたんですけど、早くチャンスをいただけたなという気持ちで、すごくびっくりしている。プレッシャーとか不安の方が大きいです」と気持ちを表した。1996年に日本で初めてエリザベートを演じ、井上から「レジェンド」と呼ばれている花總は、今回Wキャストとなった愛希について「『マリー・アントワネット』公演を観にきてくださって、挨拶をしてくださったんですけど、宝塚やめたてほやほやで、湯気が出てました」と語る。湯気の内容についてきかれると、「熱気でしょうか」と説明し、愛希は「すごく緊張していたので」と恥ずかしがった。逆に愛希は花總に対し「ずっと拝見してて、お姫様というイメージが強かったんですけど、お会いしてすごく気さくに優しく話してくださった」と感謝していた。取材会はさらに、同作の演出を務める小池修一郎の話題に。宝塚歌劇団の演出家である小池について、花總が「宝塚の演出のとき、生徒の私たちに対するときと、(宝塚以外では)微妙に違う印象かもしれない」と考えを述べると、井上も「OGの方には、厳しいかもしれない」と同意。花總は「私たちには何を言ってもいいみたいな。このお稽古中にあれ? と思うかもしれない」と苦笑し、愛希は「覚悟して……」と息を飲んだ。井上が「古川くんだっていろんな目にあってるよね?」と話を振ると、古川は「小池先生の演出の作品じゃなくても楽屋にきて、胸からダメ出しノートを取り出して……」と明かし、「正しいことおっしゃってるなというのを感じるので、悔しいんです。どこまでも愛が深い」と感謝。また古川と同じく、ルドルフ役を経てトートを演じている井上は、「『闇が広がる』のデュエットで、ルドルフのとこ歌いそうになる。わけがわからなくなるから気をつけて」とアドバイスしていた。
2019年04月01日トップスター・珠城(たまき)りょう率いる宝塚歌劇月組公演『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』が8月24日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。宝塚歌劇月組 三井住友VISAカード ミュージカル『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』チケット情報1992年にウィーンで誕生した本作は、オーストリア=ハンガリー帝国皇妃エリザベートの数奇な生涯を、彼女を愛する黄泉の帝王トート(死)との愛憎を軸に描いたミュージカル。観劇後も耳に残る楽曲の数々も魅力で、1996年に宝塚歌劇団雪組が日本初演し、宝塚歌劇では今回が10回目の上演となる人気作だ。“死”を擬人化した黄泉の帝王トートは、常にエリザベートの近くに存在する。父の自由な生き方に憧れを抱き、活発だった少女時代。綱渡りに挑戦しようとしたエリザベートは足を滑らせて落下し、意識不明の重体に陥る。その生と死の狭間で出会ったのが、黄泉の帝王トートだ。トートは死の口づけをしようとするが、エリザベートの生命力あふれる瞳に心を奪われ、愛されたいと願う。そして彼女がトート=“死”を求めるまで、どこまでも追い続けようと、元の世界へと帰すのだった…。歴代のトップが演じてきたトートは、それぞれで印象がまったく異なる。今回演じる珠城も、自身の持ち味を活かしながら表現。妖しく冷ややかなオーラを漂わせながら、時には不敵な笑みを浮かべ、時には内包する熱を激しくあらわにしてエリザベートの愛を求めるなど、繊細に作り上げている。作品世界を包み込むような存在感を感じられるのも、珠城トートならではだろう。エリザベートを演じるのはトップ娘役・愛希(まなき)れいか。無邪気な少女時代から、皇妃となった後の苦悩、孤独、もろさ、強さ、気品など、年老いていくまでを丁寧に表現している。1幕ラストから2幕前半にかけての、生きる意味を見出したエリザベートの自信に満ちた表情、凛とした美しさにも目を奪われる。トップ娘役就任から約6年半。集大成らしい円熟した演技、歌唱で魅せている。皇帝フランツ・ヨーゼフを演じるのは美弥(みや)るりか。終始感情を抑えた役ではあるが、エリザベートを真っ直ぐに愛する思い、見守る優しさ、皇帝としての葛藤などを滲ませながら演じている。エリザベート暗殺犯ルイジ・ルキーニ役の月城(つきしろ)かなとは、表情や眼差し、声色でルキーニの狂気を表しながら、狂言回しとして物語をリズムよく展開していく。皇太子ルドルフは暁千星(あかつき・ちせい)と風間柚乃(かざま・ゆの)の役替わり。この日演じた暁は儚げな雰囲気をまとい、ルドルフを好演。歌唱力も高く、『闇が広がる』でのトートとのハーモニーも美しく響いている。兵庫・宝塚大劇場公演は10月1日(月)まで。チケットぴあでは9月14日(金)13時公演のプレリザーブを9月3日(月)11:00まで受付中。東京宝塚劇場公演は10月19日(金)から11月18日(日)まで。9月16日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2018年08月31日宝塚歌劇月組公演『エリザベート』の制作発表会が5月8日に都内にて開催された。実在したオーストリー=ハンガリー帝国皇后の人生をモデルに、皇后エリザベートと黄泉の帝王トート(死)との愛憎をドラマチックに描くミュージカル。宝塚では1996年の初演から各組での上演を重ね、10回目の上演となる今回の月組公演では、月組トップスター・珠城りょうがトートを、トップ娘役・愛希れいかがエリザベートを演じる。チケット情報はこちら歌劇団の小川友次理事長が「宝塚にはふたつの宝がある。ひとつは『ベルサイユのばら』、もうひとつがこの『エリザベート』。『ベルサイユのばら』は昭和に生まれましたが、この『エリザベート』は平成の宝」と語る名作に、いま勢いのある月組が挑む。演出を手掛ける小池修一郎は「いまの月組はたいへんユニーク。それぞれの個性があり、それが固まっていないところが魅力。その月組が『エリザベート』という定番の作品に出合い、どのように新しい命を吹き込むかを楽しみにしています」と話す。さらに小池は主演の珠城について「珠城は“健康的”なスター。ただトートというのは、本人が死んでいるのではなく、死のエネルギーを表現している役。死のエネルギーというものは時に世界を滅ぼすほどの力がある。珠城は“エネルギッシュな死”を演じてくれるのでは」と、新しいトート像に期待を寄せる。また、エリザベートを演じる愛希はこの公演での退団を発表しているが、彼女についても「本当にこの役が彼女の集大成になる。エリザベートという女性は、初代の花總まりさん(1996年・98年)が演じた“儚げ”な美貌の王妃という作り方と、大鳥れいさん(2002年)や、瀬奈じゅんさん(2005年)が演じた“力強い”女性像という作り方がある。愛希はその両方の接点を表現していくことができるんじゃないか」と話した。珠城自身も「このお話を伺った時には驚きました。前回(小池が演出した)『All for One ~ダルタニアンと太陽王~』では“太陽と土の匂いがする”と言われる生命力溢れる青年を演じたので…」と、その配役が意外だったことを告白。ただ「自分にないものに挑戦させていただけるのは役者冥利につきる。諸先輩方が繋いできたこの『エリザベート』という作品の息吹を感じつつ、今の月組にしかできない『エリザベート』をお届けしていけたら」と意欲を燃やす。愛希も「エリザベート役をさせて頂くことが本当に幸せですし、身が引き締まる思い。まだ稽古前で漠然としていますが、彼女の少女らしさを大切に演じたい」と意気込みを話していた。公演は8月24日(金)から10月1日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、10月19日(金)から11月18日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。兵庫公演は7月21日(土)、東京公演は9月16日(日)にそれぞれ一般発売開始。
2018年05月09日