映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 長井好弘のおススメ】東西を股にかける浪曲界の重鎮、天中軒雲月が若手中堅の有望株を率いて催す演芸バラエティ公演だ。メインの浪曲は、美声と貫禄の国本はる乃、三代目を襲名して話題の広沢菊春、芸大出身の実力派・天中軒すみれらの進境著しい若手を中心に、雲月門下の個性派新入生、天中軒かおりも加わっての芸の火花を散らす。さらに、本芸そこのけ、ミュージシャンとしての実力を見せてくれるのが、天中軒月子(民謡)と東家孝太郎(倍音歌謡ショー)。そして御大・雲月は河内音頭に挑戦する。上方では、浪曲師が夏祭りの櫓で河内音頭を歌うのが風物詩となっている。雲月も若き日に鍛えた喉で歌いまくり、ダイナミックな太鼓打ちも披露してくれるという。初春にふさわしい「浪曲のお年玉」ではないか。<公演情報>『雲月プロデュース 新春バラエティーショー』1月21日(日) 東京・浅草木馬亭
2024年01月04日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】私は50年ほど前、早稲田の学生の時から落語を丁寧に聴き始めたが、桂文楽、三遊亭圓生、柳家小さんの大看板ばかりでなく、若手二つ目、真打も何人か追っかけをしていた。その一人が、柳家小満んである。八代目桂文楽の最後の弟子で桂小勇と名のっていたころは、師匠の十八番を丁寧になぞっていたが、文楽亡き後、柳家小さんの弟子になり、小満んを襲名してからは、どの高座も力みのない、水墨画のような「和の美」を持った名人タイプの噺家となった。かたや柳家喬太郎は、古典新作の二刀流のどちらも天下一品。噺のまくらは諧謔精神に溢れ、噺の本題に入れば、現代語感が冴えた高座となる、いまや現代を代表する人気実力ともに落語界を背負って立つ噺家のひとりと言える。この対照的二人による二人会、どんな高座の展開になるのか楽しみが尽きない。<公演情報>『柳家小満ん・柳家喬太郎 ザ・よこはま至宝の会~よこはま落語会~』1月20日(土) 神奈川・横浜市吉野町市民プラザ■出演柳家小満ん柳家喬太郎■チケット料金前売:4,500円当日:4,700円チケットはこちら:()
2024年01月03日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】シルベスター・スタローンによる懐かしのアクションスター救済映画『エクスペンダブルズ』シリーズ第4弾。テロリストから核兵器を奪還するためバーニー・ロス率いるエクスペンダブルズ軍団が乗り込むが……。雑なストーリーに熱い男気アクションが定番スタイルだが、今作は新しい血として女性メンバーの活躍が目立つ。リアルアメコミレディ顔のミーガン・フォックスは、ハゲダンディのジェイソン・ステイサムとのどつきカップルは濃すぎて笑える。また、傍もラッシュ役のレヴィ・トランもカンフーとミステリアスな雰囲気で存在感を放っている。戦車や戦闘ヘリも登場し派手なドンパチはお約束。今回、さすがに老けが目立つスタローンはあんまり映らないが、その分、脂の乗り切ったステイサムが頑張っている姿は映画の出来を超えたスタローンとの絆を感じ、やっぱり熱くなる!これがエクスペンダブルズ魂だね。<作品情報>『エクスペンダブルズ ニューブラッド』1月5日(金) 公開監督:スコット・ ウォー出演:ジェイソン・ステイサムシルベスター・スタローン50セントミーガン・フォックスドルフ・ラングレントニー・ジャーイコ・ウワイスランディ・クートゥアアンディ・ガルシア公式サイト: Ex4 Productions, Inc.
2024年01月01日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 橘蓮二のおススメ】2024年の年始めは大きな飛躍が期待される気鋭の若手落語家・笑福亭茶光さんが三遊亭白鳥作『富Q』を含む渾身の三席に挑む注目の会を大プッシュ!茶光さん自身も「この会を新年の基準にさらなる高い水準に成長してゆく姿を見せたい」と今後の落語家人生の重要なターニングポイントと位置づける。人気漫才師「ヒカリゴケ」としての活動を経て2015年に落語家に転身、2019年二ツ目昇進後も人気ユニット√9のメンバーに名を連ねるなどメキメキ頭角を表す。古典、新作、改作の全てに於いて緻密な構成力とリズミカルな語り口で展開する高座は逸材揃いの若手二ツ目の中でも屈指の表現力を兼ね備えている。1月13日(土) 赤坂RED/THEATER 開場 18:00/開演 19:00 笑福亭茶光独演会『ゴールデンドロップ』。未来の落語界を担うスター候補の新たなる扉が開かれる。<公演情報>笑福亭茶光独演会『ゴールデンドロップ』2024年1月13日(土) 東京・赤坂RED / THEATER笑福亭茶光三遊亭白鳥作『富Q』ほか2席※ゲストありチケット情報:()
2023年12月30日’24年は、東京と大阪でエンタメ施設の開業ラッシュ!エキスパートが注目するトレンドスポットは?「最近の大規模再開発では、緑を配したパブリックスペースやアート空間を作るのがトレンドで、幅広い年齢層の集客が見込めるメリットがあります。さらにアート空間のトレンドといえば“イマーシブ=没入感”。最新デジタル技術とアートを融合する場が増えていくでしょう」(川又英紀さん)ライブシーンでは近年、ぴあアリーナMMやKアリーナ横浜など音響設備にこだわる施設が誕生。「従来、アリーナはスポーツ観戦を前提に作られてきました。しかし、生のエンタメ需要が急速に高まり、音にこだわったアリーナ規模の会場が作られるようになったのです」(笹井裕子さん)一方で、スポーツチームの拠点となる施設も日本各地で増加中。「新アリーナやスタジアムで、新たな観戦方法として広がりつつあるのが“ホスピタリティプログラム”。チケットにラグジュアリーな空間や選手に会えるといった特別な体験をつけた付加価値の高いサービスを提供する施設は、今後増えていくはず」(笹井さん)“イマーシブ=没入感”がたっぷり味わえるアート&エンタメ施設が続々!TOKYO NODE駅直結の新ビルに巨大なアート空間が出現!虎ノ門ヒルズ ステーションタワー最上部にある情報発信施設。「従来のアートスペースの閉ざされたホワイトキューブとは異なる超高層ガラス張り空間で、どんな新しい展示が提示されるのか楽しみ。8階にはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)コンテンツが作れるラボも」(川又さん)。『蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠』が2024年2月25日まで開催。イマーシブ・フォート東京世界初のイマーシブテーマパークが誕生。’24年春、お台場のヴィーナスフォート跡地に完成。「客席に座るのではなく、その物語の世界を自らが巡って楽しむ、まさに“イマーシブ”なテーマパーク」(川又さん)森ビル デジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレスお台場から麻布台ヒルズに移転!境界のないアートを彷徨って。’24年2月上旬オープン。「以前より街の雰囲気と合う大人向けに。インバウンドで、外国人も多数訪れるはず」(川又さん)。豊洲の「チームラボプラネッツ」は会期延長。©チームラボ新しいビルや文化施設のキーワードは“アート”と“グリーン”。Shibuya Sakura Stage“働・遊・住”を繋ぐ渋谷の新ランドマーク。’24年夏完成予定の複合施設。「共有スペースにはグリーンを配し、デジタルで遊べる拠点もたくさん登場予定。渋谷駅直結となり利便性も高いです」(川又さん)グラングリーン大阪大阪駅前に公園も文化施設もホテルも!’24年9月に先行まちびらき予定。“みどり”と“イノベーション”の融合を目指す街の中には、建築家・安藤忠雄氏設計・監修の文化装置「VS.」も誕生。(写真上)©VS. PROJECT(写真下)提供:グラングリーン大阪開発事業者スポーツ観戦にプラスワンの楽しみ方。ホスピタリティサービス。沖縄アリーナ特別な時が流れるラウンジ&スイート。バスケットボールのW杯、あいみょんや乃木坂46などのライブを開催。八角形の造りでどこからでも見やすい会場ながら、より快適でプライベート感のある空間も完備!提供:沖縄アリーナエスコンフィールド HOKKAIDO収容人数約3万5000人!夢のようなVIP体験を。北海道日本ハムファイターズの新球場。ラウンジでの飲食がオールインクルーシブのプレミアムエリア、球場内ホテルのスイートルームと、プログラムが充実している。©H.N.F.川又英紀さん建築分野におけるデジタル活用が専門の記者。日経BPのWeb媒体「日経クロステック」で、「デジカツ最前線」を連載中。建築雑誌『日経アーキテクチュア』の編集・執筆にも関わる。笹井裕子さんぴあ総研取締役所長。2002年の同研究所設立以来、集客エンタメ産業に関する、定量・定性両面からの研究・分析業務に携わる。『ライブ・エンタテインメント白書』の執筆・編集を担当。※12月14日現在の情報です。※『anan』2024年1月3日‐10日合併号より。取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年12月28日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】感謝祭は11月の第四木曜日の祝日に行われるアメリカの歳時記だ。ノーマン・ロックウェルが描いた食卓に七面鳥を家族で囲むイラストは典型的な風景である。本作は「感謝祭」の発祥地マサチューセッツ州プリマスを舞台にした連続殺人サスペンス作。元々、2007年公開『グラインドハウス』の架空予告編に製作され、長編作品として蘇った。感謝祭翌日のブラックフライデーセールでのスーパーマーケットの暴動から1年後に謎の殺人事件が起こる。オープニングから脳みそが飛び散り、内蔵をぶちまけるグロい描写が満載。しかし、あっけらかんと撮られているので思わず笑ってしまう。これはイーライ・ロス監督の意図的な狙いであろう。被害者も調子に乗った高校生なので同情心もそんなに湧かないのも巧妙。殺人鬼がお面を被っているのは昔のジャンル映画の定石通りで懐かしくも楽しい。ラストまで80年代テイストの血まみれ料理でお腹いっぱいになる。新たなる祝日系殺人映画の誕生だ!<作品情報>『サンクスギビング』12月29日(金) 公開監督:イーライ・ロス原案:イーライ・ロス、ジェフ・レンデル脚本:ジェフ・レンデル製作:イーライ・ロス、ロジャー・バーンボーム、ジェフ・レンデル出演:パトリック・デンプシー、アディソン・レイ、マイロ・マンハイム、ジェイレン・トーマス・ブルックス、ネル・ヴェルラーク、リック・ホフマン、ジーナ・ガーション公式サイト:
2023年12月19日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】『チャーリーとチョコレート工場』でおなじみのウィリー・ウォンカの若き日を描く。ウォンカは、かつてジーン・ワイルダー、ジョニー・デップが演じ、今作のティモシー・シャラメで三代目となる。オープニングからシャラメの美声と踊りに目を奪われる。長い手足にキュートな顔立ちはデップ版よりクセが無くファンタジーの主人公にぴったりハマっている。共演者も充実し、業突く張りの宿屋のオリビア・コールマンは、嬉々として悪役を演じ、ディケンズの『オリバー・ツイスト』に登場する悪役フェイギンみたいで英国文学の伝統にも通じる。また、Mr.ビーンのローワン・アトキンソンが顔を出し、まさかのヒュー・グラントのウンパルンパなどキャストも遊び心たっぷり。魔法のチョコを食べると体が浮き上がったり、アンブレラのダンスシーンなど60年代のミュージカルの再現で理屈抜きに楽しめる。久しぶりに英国ファンタジーが満喫できた。<作品情報>『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』公開中原案:ロアルド・ダール監督・脚本:ポール・キング出演:ティモシー・シャラメヒュー・グラントオリビア・コールマンサリー・ホーキンスローワン・アトキンソン公式サイト:
2023年12月10日巨大エンタメ産業のお金の流れが まるっとわかる株式会社カンゼンは、イラストと図解で“競馬のお金の流れ”を解説する『競馬の経済学』を12月5日に刊行いたします。『競馬の経済学』書影巨大エンタメ産業のお金の流れが まるっとわかる日本が誇る巨大エンタメ産業・競馬の経済は、主催者、関係者(騎手、調教師、馬主)、生産者、ファンなど、たくさんの人たちによって動いている。本書を読めば、イラストと図解で“競馬のお金の流れ”がまるっとわかる。サンプルページ日本競馬と日本経済の歴史ファンと馬主の支出で競馬は成立している大都市圏の競馬場の売上は数千億円ピーク時は年間1万頭以上が誕生!落札価格の100倍近く稼ぐ馬も!?万馬券を狙うなら馬単か3連複!?目次『競馬の経済学』目次①『競馬の経済学』目次②日本競馬と日本経済の歴史Part.1 競馬場の経済ファンと馬主の支出で競馬は成立している、3兆円を超える収益を上げる巨大組織、月の預託料は平均で70万円以上!、専門職の年収は1000万円超え、冠競走なのに賞金は主催者が全負担!?、トラブル発生で数百億円が水の泡!?、馬主に重くのしかかる遠征費、賞金は関係者で配分、短期免許で効率的に稼ぐ外国人騎手、エージェントの報酬は騎手の取り分からPart.2 牧場の経済競走馬の生産で利益を出すのは大変!?、108億超えの落札も飛び交うセリ市、人気馬の種付け料は1000万円超え、数十億円が集まる競馬のシンジケート、引退馬を預かるには覚悟と資金が必要Part.3 ファン・馬主の経済売上3兆円超えの85%がネット投票、たとえ1億円でも現金で手渡し、利益50万円以上で確定申告が必要!、馬券ごとの控除率は主催者の取り分、馬券購入時に控除されたお金の使途、資産7500万円以上が馬主の条件、一口馬主でプラス収支は10%余り!?、オグリ効果で売上1兆円アップ!?、累計販売本数は900万本超え!……etcプロフィール渡辺隆裕(わたなべ・たかひろ)巨大エンタメ産業のお金の流れがまるっとわかる1964年生まれ、北海道出身。東京工業大学工学部経営工学科卒業、同大学理工学研究科経営工学専攻修士課程修了。博士(工学)。現在、東京都立大学経済経営学部教授。専門はゲーム理論。著書に『ゼミナール ゲーム理論入門』『日経文庫ビジュアル「ゲーム理論」』(日本経済新聞出版社)、『図解雑学ゲーム理論』(ナツメ社)、『一歩ずつ学ぶ ゲーム理論』(裳華房)。趣味は競馬とスキー。書誌情報書名:『競馬の経済学』ISBN:978-4-86255-707-0監修: 渡辺隆裕ページ数:192P判型:四六判定価:1,870円(本体1,700円+税)発売日:2023年12月5日出版社:カンゼンAmazon : Rakutenブックス : 商品ページ : 【この件に関する問い合わせ先】株式会社カンゼン宣伝プロモーション部担当:伊藤真TEL:03-5295-7723MAIL: ito@kanzen.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年12月05日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 広瀬和生のおススメ】今年7月、三遊亭白鳥は柳家三三との二人会で『船徳』をネタ出しした。『船徳』は初代古今亭志ん生作の長編人情噺『お初徳兵衛浮名桟橋』のごく一部を初代三遊亭圓遊が滑稽噺に仕立てたもの。それとは別に五代目志ん生が発端を一席ものにした『お初徳兵衛』という人情噺もある。だが白鳥が実際に演じたのはどちらでもなく、お初と徳兵衛を主役にした完全オリジナルストーリー。これが圧倒的に面白く、ぜひ「代官山落語夜咄」で再演してほしいと直訴、白鳥が快諾してくれて今回の再演となった。この機会を逃したら勿体ない!<配信情報>第41回代官山落語夜咄 三遊亭白鳥 無観客高座『白鳥版 船徳お初徳兵衛』Produced by 広瀬和生12月14日(木) 配信スタート※アーカイブは12月24日(日) まで視聴可能■出演三遊亭白鳥広瀬和生(MC /トーク)■視聴料金価格:2,200円※ご祝儀システムあり視聴はこちら:
2023年11月30日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】北野武が戦国時代の本能寺の変を独自解釈で描く。まず織田信長を演ずる加瀬亮のぶっとんだ演技にびっくりさせられる。従来のTVや映画のイメージとまるで違うからだ。尾張訛で田舎のチンピラのごとく暴れまくる。信長に翻弄される武将達もクセ物揃いで、どんな人物像になっているのかワクワクさせられる。そんな中でも黒幕の羽柴秀吉を演じる俳優ビートたけしの存在は圧倒的で、時々芸人の顔が出たりして画面をかっさらってしまう。黒田勘兵衛(浅野忠信)と秀長のやりとりはコント化し、秀長役の大森南朋との掛け合いはツービートみたいで笑ってしまう。世の中を斜に見る元忍者の新左衛門(木村祐一)が、お笑い芸人の原点となるのは監督の思い?血まみれでドロだらけだが、黒澤和子の衣装の渋い色合いが、リアルな美意識を感じさせる。かつて北野武を評価していた黒澤明のDNAとのコラボが感動的である。また合戦も見事なスペクタクルシーンに仕上り黒澤映画を連想させる。歴史大作は上っ面だけになりがちだが、これだけ人物像が面白く、作家性も損なわれないのは北野武監督のなせる技であろう。同時に大河ドラマへのアンチテーゼも感じた。<作品情報>『首』11月23日(木・祝) 全国公開原作:北野武『首』(角川文庫/KADOKAWA 刊)監督・脚本・編集:北野武■出演ビートたけし西島秀俊、加瀬亮、中村獅童木村祐一、遠藤憲一、勝村政信、寺島進、桐谷健太浅野忠信、大森南朋六平直政、大竹まこと、津田寛治、荒川良々、寛一郎、副島淳小林薫、岸部一徳公式サイト: (C)T.N GON Co.,Ltd
2023年11月23日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】病院から脱走した超能力を持つモナ・リザは、ニューオーリンズでポールダンサーのボニー・ベルと出会うが……。モナ・リザを演じるチョン・ジョンソの不思議な存在感が本作の原動力である。オープニングで彼女が拘束衣を付けたまま街をふらつく姿にギョッとするが、むしゃぶる様に食べたり、凶暴だけど無垢な感覚が妙に可愛かったりして目が離せない。最初は陰惨なサイキック物かと思いきやボニー(すっかり貫禄のついたケイト・ハドソン)と超能力を使った詐欺はコミカルで彼女を追いかける警官との関係はミステリアスな刑事物、ボニーの息子とモナ・リザの関係はホッコリして思わぬ余韻を残す。次々と映画の様相が変化して先が読めないが、サイケデリックな色調で本作を彩り独特の世界を造り上げている。また“モナ・リザ”の歌曲が効果的に挟み込まれ、見終わっても耳に残る。<作品情報>『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』11月17日(金) 公開監督・脚本:アナ・リリ・アミリプール出演:ケイト・ハドソン、チョン・ジョンソ、クレイグ・ロビンソン、エド・スクライン、エヴァン・ウィッテン公式サイト: of Production, LLC
2023年11月16日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】スーツはサヴィル・ロウ、シャツはターンブル&アッサー、時計はロレックスのサブマリーナー。007『Dr.ノオ』のスタイルだ。ジェームズ・ボンドを造り上げた記念すべき作品である。無名のショーン・コネリーを007に仕立てたのがテレンス・ヤング監督。スーツ(コンジット通りアンソニー・シンクレア)も彼の馴染みの店で、エレガントな仕草などを教え込んだ。007の銃と言えばワルサーPPKだが、実際に使用されたのはワルサーPP。でもスチールやポスターには銃身の長いワルサーLP53である。おそらく見栄えの問題?面白いのはシリーズポスターのロバート・マッギニスによるイラストには登場し続ける。最初の射殺シーンもPPKでなくブローニングだったりする。この時、「六発撃ったぞ」と言うと撃ち殺した後にサイレンサーの煙をフッと吹くのが超クール!そして、ボンドガール第1号がウルスラ・アンドレス。役名がハニー・ライダーと妙にエロい名前も第一作から。おなじみの銃口からのオープニングタイトルはモーリス・ビンダーのもので現在も踏襲されている。Dr.ノオは『燃えよドラゴン』のハンの元、ストーリーも似ている。コネリー=ボンドの全身007誕生を4Kで目撃しろ!<作品情報>『007/ドクター・ノオ』〈4Kレストア版〉11月17日(金) 公開原作:イアン・フレミング監督:テレンス・ヤング出演:ショーン・コネリー、ウルスラ・アンドレス、ジョセフ・ワイズマン公式サイト:
2023年11月08日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 橘蓮二のおススメ】注目の若手が次々と現れここ最近肌で感じている浪曲人気(当コラムでも今年三度目、先月に続き)の広がりの中、昨年の東家三可子さんに続き五代目 東家三楽門下期待の新鋭東家千春さんと東家志乃ぶさんが二人揃っての年季明け披露浪曲会を開催する。千春さんはコント、志乃ぶさんはミュージシャンとしての活動歴があり、共に明快な語り口と抜群のリズム感で作り上げた空間は愉しさ満点である。当日はゲストに大看板・天中軒雲月先生を迎え師匠・東家三楽先生はじめ一門の先輩がお二人の門出を祝う。11月26日(日) 浅草・木馬亭13時開演「東家千春・東家志乃ぶ 年季明け披露興行」へ是非とも足を運んでいただきたい!<公演情報>東家三楽一門会 イン 木馬亭 No.72「東家千春 東家志乃ぶ年季明け披露興行」11月26日(日) 東京・木馬亭開場 12:30 / 開演 13:00出演:東家三楽、天中軒雲月、富士実子、富士綾那、東家三可子、東家千春、東家志乃ぶ曲師:伊丹秀敏、伊丹けい子、旭ちぐさ■チケット料金前売:3,500円当日:4,000円
2023年11月07日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】フィンランドは第二次大戦時、冬戦争でソ連と戦い、継続戦争ではナチスと共にソ連と戦って、その後のラップランド戦争にはナチスと戦った複雑な経緯を辿った。1944年、ソ連兵を300人殺した伝説のフィンランド兵士アアタミは戦場に背を向け、金鉱掘りとなり金脈を掘り当てた。そこへ焦土作戦中のナチス武装親衛隊に出くわすが……。ラップランドの凍てつく寒さと美しい荒野を舞台に主人公アアタミの超絶な強さが独特の雰囲気を漂わせる。撃たれても縛り首になっても死なずツルハシ1本でナチスをブチかますのが痛快!チャプターごとにマカロニウエスタン風のタイトルが現れ、B級アクション感を盛り上げる。荒唐無稽だが急降下爆撃機ストゥーカやレアなドイツ軍ツエンダップバイクがシレっと登場し目を引く。ただし、戦車はドイツ軍マークをつけたソ連軍のT-55というデタラメさは往年の戦争映画みたいでご愛嬌か。6人の女捕虜もからみ、戦時には虐げられる老人と女性が活躍する異色の北欧娯楽戦争映画である。<作品情報>『SISU/シス 不死身の男』10月27日(金) 公開公式サイト:
2023年10月25日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】近未来、人類とAIとの戦争が始まった。米軍特殊部隊のジョシュアはAIが造った最終兵器の破壊を命令されるが……。本作は従来のSF映画とはひと味違う。舞台がアジア方面(ニューアジアと呼ばれている)で田園風景に未来ドーム型建造物が登場しリアルとフィクションの融合に新しさを感じる。それは細部にも反映され、AIゲリラが持つAK47を改造した未来銃や『ブレードランナー』のようなデザインの車など現実的な進化が興味を惹く。特にAIロボットは耳が空洞になっているが意思があるので人間と機械の境界線が曖昧で本作のテーマとも重なる。そしてAI少女アルフィーの存在は物語を深く考えさせる原動力になっている。また、チャプターのタイトルに日本語が並記されてたりと日本文化へのリスペクトを感じる。AI掃討の米軍に対しニューアジア側はAIとの共存世界との対立も何だか手塚治虫の漫画っぽい。<作品情報>映画『ザ・クリエイター/創造者』10月20日(金) 公開公式サイト: 20th Century Studios
2023年10月17日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 広瀬和生のおススメ】落語立川流において、家元の立川談志亡き今、昇進はそれぞれの師匠が決めることになっており、吉笑は師匠の立川談笑が2004年7月から11月まで5カ月連続の「真打トライアル」を行なって談志のお墨付きを得た前例に倣い、今年の7月から5カ月連続の「真打トライアル」を行なっている。「代官山落語夜咄」に出演する11月13日(月) は、その「真打トライアル」のファイナルから5日後。そこで今回は吉笑に「真打トライアル」を振り返ってもらい、改めて「カッコいい真打」への道を大いに語ってもらう。演目は当日のお楽しみ!<公演情報>第40回 代官山落語夜咄 「真打トライアル」完走直後の歴史的高座! 立川吉笑『お楽しみ』11月13日(月) 晴れたら空に豆まいて※配信は11月26日(日) までアーカイブ配信あり【チケット料金】観覧:3,300円 ※別途入場時1ドリンク600円配信:2,200円チケットはこちら:
2023年10月15日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 広瀬和生のおススメ】林家つる子は女性の登場人物にスポットを当てて古典の大ネタを作り変える画期的な試みを行なっている。代表的な演目が『芝浜』だ。2021年12月に初めて「おかみさん目線の『芝浜』」に挑戦したドキュメンタリーは、NHK総合テレビの「目撃!にっぽん わたしの芝浜~落語家・林家つる子の挑戦~」という番組にもなった。つる子の『芝浜』は魚屋の勝五郎と女房おみつの物語を、一貫しておみつの側から描いている。僕とのトークでは、こうした「女性にスポットを当てた演出」について語ってもらうと共に、来年3月に11人抜きの抜擢で真打昇進が決まっている現在の心境なども聞いてみたいと思っている。<公演情報>第39回 代官山落語夜咄 林家つる子『芝浜』11月6日(月) 晴れたら空に豆まいて※配信は11月19日(日) までアーカイブ配信あり【チケット料金】観覧:3,300円 ※別途入場時1ドリンク600円配信:2,200円チケットはこちら:
2023年10月10日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】シチリアの邸宅に主が戻ると、いたるところに死体がころがっている。部屋には銃を突きつけられている男が座り「9秒やる。生きるか死ぬか決めろ」と言うとあっという間に勝負がつく。デンゼル・ワシントン扮するロバート・マッコールの『イコライザー』シリーズ最終章。舞台をイタリアの風光明媚なアマルフィになり、いつもの都会でないのがひと味違う。今回は街にはびこるマフィアが相手。相変わらずマッコールの強さは半端無く、特にレストランで暴れるチンピラに手の甲の痛点を押し、数値で痛さを警告するのは痛快。アクションはさらに過激で喉にナイフを突き刺し、ワインの瓶でメッタ刺しにしたりと情け容赦ない。それでもマッコールは、いつもの席に座ってナプキン綺麗に敷き紅茶をたのむ、几帳面で静かな佇まいとのギャップが魅力。また新米CIA役のダコタ・ファニングは、子役時代の『マイ・ボディガード』以来のデンゼル・ワシントンとの共演でホロリとさせられる。チャオ!マッコール。<作品情報>『イコライザー THE FINAL』公開中公式サイト:
2023年10月08日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 橘蓮二のおススメ】気鋭の若手から大御所まで個性溢れる浪花節の魅力で人気が高まる浪曲界。数多の才能の中でも圧巻の語りと節回しで存在感をみせる最年少浪曲師・国本はる乃さんが毎回多彩なゲストを迎えておくる『国本はる乃 10周年記念公演 はる乃祭り』が10月21日(金) から29日(日) まで東京と横浜で開催される。7公演の全てがオススメなのは勿論だが22日(日) 亀戸カメリアホールで行われる「国本武春トリビュート公演」は特に注目だ。浪曲のみに留まらず様々なメディアで大活躍し“うなるカリスマ”と称されながら55歳の若さで夭逝した天才浪曲師・国本武春先生を偲びリスペクトする浪曲ファン必見の会。当日は春風亭昇太師匠はじめ武春先生と縁の深かった芸人さんが集まり華を添える。武春スピリットを継承し浪曲の未来を担う国本はる乃さんの勇姿を目に焼きつけたい。春風亭昇太<公演情報>国本はる乃 10周年記念公演 「はる乃祭り」10月21日(土) 東京・お江戸日本橋亭10月22日(日) 東京・亀戸カメリアホール(国本武春トリビュート公演)10月24日(火)・25日(水) 東京・新宿道楽亭10月27日(金)・28日(木) 東京・浅草木馬亭10月29日(日) 神奈川・横浜にぎわい座(第11回「国本はる乃勉強会」)■ゲスト春風亭昇太、入船亭扇橋、田辺いちか(講談)、天中軒雲月(浪曲)、玉川奈々福(浪曲)、玉川太福(浪曲)、三増紋之助(曲独楽)、林家二楽(紙切り)チケットはこちら:
2023年09月30日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】初めて監督の名前を覚えたのがヒッチコックだ。子供の頃のTVで『ヒッチコック劇場』が放映されていたからだ。シャルル・グノーの『操り人形の葬送曲』の音楽と共に特徴的な横顔イラストから本人が登場、絶対忘れないインパクトがあった。その後、自作にちょいちょい登場するサスペンスの巨匠と知り、映画も観るようになった。今年で監督デビュー100年。本作はヒッチコックが自作を語るドキュメンタリーである。無論、亡くなっているので語りはアリステア・マクゴーワンの声である。ただし、言っていることは文献やインタビューを元にしている。オープニングから、ドアを開ける意味、カメラや役者を回すのが好き、『フレンジー』では殺人を見せないでカメラが離れて通りまで引いていく。スローテンポで独特なユーモラス語り口のヒッチコック節が楽しい。デジタルの無い時代、あらゆる工夫をして映像効果を高める天才だったと改めて認識させられた。ちなみに書籍の『定本 映画術』(ヒッチコック、トリュフォー)とは別物。<作品情報>『ヒッチコックの映画術』9月29日(金) 公開監督:マーク・カズンズ声優:アリステア・マクゴーワン公式サイト:
2023年09月28日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】いま、軽妙洒脱な話芸で高座を楽しませてくれる落語家と言えば、第一に名前を挙げたいのが、三遊亭兼好ではなかろうか?昨日、新聞テレビをにぎわせた話題をすぐさま取り上げ、落語家ならではの諧謔的な切り口で笑いをとって見せる。最も今日的な落語家と言える。それでいて、本題に入れば、骨格のしっかりした、そして、メリハリの利いた噺の運びで、「古典」を今日の出来事のように聴かせてくれる。その兼好が「芸歴二十五周年記念公演」と銘打った独演会を10月25日(水) 品川・きゅりあん大ホールのほか、10月29日(日) には、福島・御蔵入交流館文化ホールで、11月27日(月) には銀座ブロッサム中央会館ホールで開く。25日きゅりあん大ホールは、お得意の『三枚起請』のネタ出し。昨年秋、故安倍首相の武道館での葬儀がおこなわれた直後の三越落語会では、噺の中で喜瀬川花魁が起請文を書いた三人に追いつめられた揚げ句、逆上し、拳を振り上げている江戸っ子に言い返す。「なんだい、その握り拳なんか振り上げて」。すると、一瞬間をおいて、男が声を挙げる「国葬反対!」。この見事なギャグが忘れられない。今度は、どんなギャグが飛び出すだろう。ゲストは柳家喬太郎。福島でのゲストは春風亭昇太、銀座でのゲストは立川志らく。三人これまた一癖も二癖もある噺の巧者である。<公演情報>三遊亭兼好 芸歴25周年記念公演「まるっと兼好」10月25日(水) 東京・きゅりあん大ホールゲスト:柳家喬太郎10月29日(日) 福島・御蔵入交流館 / 文化ホールゲスト:春風亭昇太11月27日(月) 東京・銀座ブロッサム 中央会館・ホールゲスト:立川志らく■チケット料金全席指定:4,000円(税込)当日:4,500円(税込)※未就学児童入場不可チケットはこちら:
2023年09月28日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】先日、五街道雲助師匠が「人間国宝」に認定された。同世代で、芸歴、品格など雲助師匠にひけをとらない落語家といえば、柳家さん喬師匠と柳家権太楼師匠である。人情噺なら、さん喬の『柳田格之進』、権太楼の『唐茄子屋政談』は他の追随を許さない、両師匠の十八番である。私は両師匠の忘れ難い名高座をいくつも聴いてきて、いまや往年の、三遊亭圓生、柳家小さん、金原亭馬生などの「名人」に少しもひけをとらないと思っている。人情噺のような長講ばかりか、さん喬の『短命』、権太楼の『代書屋』など長屋噺、爆笑落語も忘れてはならない得意ネタである。ご両人、普段は別に仲良しと言うわけではないと、お互いが言う。だが、「二人会」ともなると、互いに静かな火花を散らしながら、相手への敬意を忘れずに、高座を全うする姿が清々しい。今、聴くべき落語家はいっぱいいるが、飛ぶ鳥を落とす勢いのある若手、中堅の落語家もいいが、さん喬、権太楼両師匠の高座こそ、機会があるときは、聞き逃してはならない落語家だと思う。<公演情報>第八十一回 大手町落語会スペシャル「柳家さん喬・柳家権太楼 二人会」10月7日(土) 東京・日経ホール開場 12:20 / 開演 13:00※PIA LIVE STREAMにて配信あり■出演柳家さん喬『うどん屋』ほか一席柳家権太楼『鰍沢』ほか一席■チケット料金観覧:4,500円(税込・全席指定)配信:1,500円(税込)※アーカイブ配信:公演終了後~10月21日(土) 13:00チケットはこちら:配信はこちら:
2023年09月24日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】Now is the winter・・・。シェークスピア『リチャード三世』のセリフである。『グッバイガール』でリチャード・ドレイファスが何度も言うので覚えてしまった。リチャード三世は演劇の影響で冷酷で醜い王として知られている。それに疑問を思ったのが普通のシングルマザー、フィリッパ・ラングレー。実話である。彼女もリチャード三世と同じ病気を持っていたのでシンパシーを感じていた。最初は軽い気持ちで歴史を調べるが、どんどんとのめり込み、長年謎だったリチャード三世の墓を発掘するまでになる。そして彼女の功績で王としての名誉は回復されるが、大学側の権威に黙殺されてしまう。ところどころでリチャード三世本人が現れ、彼女に言葉少なめに訴え、時を超えたロマンス作にもなっている。オープニングタイトルがヒッチコックの『北北西に進路をとれ』のソール・バス風デザインにはニヤリとさせられた。歴女の想いは歴史を変える。好きって素晴らしい!<作品情報>『ロスト・キング 500年越しの運命』9月22日(金) 公開監督:スティーブン・フリアーズ脚本:スティーブ・クーガン、ジェフ・ポープ出演:サリー・ホーキンス、スティーヴ・クーガン、ハリー・ロイド、マーク・アディ公式サイト:
2023年09月10日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 橘蓮二のおススメ】紙と鋏でお客様のご注文を当意即妙に表象させる寄席演芸には欠かすことができない紙切り芸人が重鎮から新鋭まで一同に集まる「紙切り 初めての一門全員集合の会」が9月22日(金) 浅草・東洋館にて開催される。きっかけはエイプリルフールに林家八楽さんがSNSで発した「今度、みんなで一門会やります」の一言が拡がっていったこと。“嘘から出た真(まこと)”の会は演芸ファンの夢という“ご注文”で実現した会でもある。出演は落語協会所属の林家正楽師匠、林家二楽師匠、林家楽一さん、林家八楽さん。四者四様、鋏の音色と話芸で描く“紙切りのマルチバース”を心ゆくまで堪能したい。<公演情報>「紙切り 初めての一門全員集合の会」9月22日(金) 東京・浅草フランス座演芸場東洋館■出演林家正楽林家二楽林家楽一林家八楽詳細はこちら:
2023年09月09日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 長井好弘のおススメ】落語芸術協会(芸協)の二ツ目が日頃の研鑽ぶりを披露する、文字通りの若手勉強会。落語協会にも同じタイトルの会があるが、芸協主催の当会は「ゲストの真打が観客の目の前で各自の高座を講評する」が特徴だ。観客にとってはゲスト真打の「芸の見方」を知る貴重な機会であり、講評を聴く若手にとっては自らの芸の現時点での到達点を知る怖くて嬉しい会でもある。今回の出演者は、三遊亭遊七、講談の神田鯉花、立川幸朝、瀧川鯉三郎の4人。いずれ劣らぬ勢いのある芸の持ち主だが、中でも注目すべきはトリを務める鯉三郎だろう。知る人ぞ知る実力派で、鯉昇一門らしい飄々とした軽さも併せ持つ。彼ら若手を見守る85歳の大ベテラン、三遊亭遊三の「プロの眼」にも注目したい。<公演情報>「二ツ目勉強会~第十四回 真打に講評してもらう会~」9月27日(水) 東京・お江戸日本橋亭■出演三遊亭遊七神田鯉花(講談)立川幸朝瀧川鯉三郎ゲスト:三遊亭遊三
2023年09月04日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 広瀬和生のおススメ】「もっと!新ニッポンの話芸 スピンオフ」は立川こしら・鈴々舎馬るこの2名をレギュラーとし、ゲストを1名迎えて行なう三人会。前回は柳亭信楽が参加したが、今回のゲストはナツノカモ。かつて立川春吾という落語家だった彼は落語作家に転身、独創的な新作落語を次々と生み出し続けている。そうした作品は立川志の春や立川吉笑ほか多くの落語家に演じられているが、彼自身もまた自作を表現するパフォーマーで、「立体モノガタリ」という表現形式を採る場合もあるが、着物を着て落語形式で演じることもあり、今回は落語形式での参加。「ナツノカモ作品を演じるナツノカモ」が立川こしら・鈴々舎馬ること競演することでどんなケミストリーが生まれるのか?落語ファン必見の一大イベントだ。<公演情報>『もっと! 新ニッポンの話芸 スピンオフ』11月19日(日) 内幸町ホール出演:立川こしら、鈴々舎馬るこ、広瀬和生(トーク)ゲスト:ナツノカモチケットはこちら:詳細はこちら:
2023年08月31日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】第一次世界大戦後、元敏腕刑事のペルク中尉はロシア捕虜収容所から解放され祖国オーストリアに戻った。その頃、街では異常な連続殺人事件が発生し警察はペルクに協力を求めるが……。監督は『ヒトラーの贋札』でオスカーを受賞したステファン・ルツォヴィツキー。とにかくダークで奇妙な映像に圧倒される。建物は歪み、窓も平行垂直でなく、まるで悪夢のような感覚に陥る。監督自身が語っているが、当時画期的だったサイレント映画の名作『カリガリ博士』を再現している。ドイツ表現主義と呼ばれ、歪んだセットが特徴的で本作ではCG処理でさらにリアルに強調されている。そのため撮影はほとんどブルーバックで撮られている。また、終戦直後の混沌とした社会情勢も描かれる。特に戦争のおかげで社会進出できた女性ケルナー博士の存在は、印象に残る。彼女のセリフ「私は今日を楽しむ。明日は明日よ」は象徴的。歪んだ世界が生んだ迷宮事件に迷い込め!<作品情報>『ヒンターラント』9月8日(金) 公開監督:ステファン・ルツォヴィツキーキャスト:ムラタン・ムスル、リヴ・リサ・フリース、マックス・フォン・デア・グレーベン、マーク・リンパッハ、マルガレーテ・ティーゼル、アーロン・フリエス公式サイト:
2023年08月30日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 山本益博のおススメ】9月に2回、11月に1回と3回にわたって、三遊亭圓朝の『牡丹灯籠』を立川談春と柳家三三が「お露と新三郎」から「関口屋のゆすり」まで、交互に口演するビッグイベント。談春、三三の二人の口調はどこまでも滑らかで、噺の運びは淀みなく、かつての三遊亭圓生、古今亭志ん朝につながる「名人」タイプの落語家と言ってよい。この二人が『牡丹灯籠』を「通し」でコラボする。今年、最高にわくわくする落語会だ。各回、「ごあいさつ」と称して、二人のトークがあり、必ず、仕掛けや謎かけがあるに違いない。第1回の「カランコロン」で有名な「お露と新三郎」を口演する談春も聞き逃がせないが、第2回の「お札はがし」(三三)ともに、第3回の「お峰殺し」(三三)と「関口屋のゆすり」(談春)は極めて魅力的である。おそらく、現代にふさわしい『牡丹灯籠』が誕生するに違いない。<公演情報>『牡丹灯籠』-俺たちの圓朝を聴け!-9月2日(土)・3日(日)・17日(日)・18日(月・祝)、11月11日(土)・12日(日)各回 15:00 開演会場:東京・有楽町朝日ホールチケットはこちら:
2023年08月21日映画や本など、最近あなたは何かに感動しましたか?心揺さぶられる作品に触れることは、それだけであなたの人生を豊かにしてくれるはず。時間に余裕があれば、エンタメ作品を見て感性を呼び起こしてみてはいかがでしょうか。今回は12星座別に「今観るべきエンタメ作品」をご紹介します。おひつじ座(3/21~4/19)エネルギッシュなあなたにおすすめのエンタメ作品は、スポーツものや挑戦心をくすぐる映画。まるで自分が体験しているかのような臨場感を味わえる作品との出会いが、あなたの人生を変えてくれそうです。登場人物の活躍に刺激を受けて、モチベーションも高まっていくでしょう。おうし座(4/20~5/20)慎重派で生真面目なところがあるあなた。音楽や絵画などが題材のカルチャー色が強い作品を観ると、感性が刺激されそうです。特に、あなた自身が心から興味を持てるテーマの映画作品に触れることで、クリエイティブな能力が開花するかもしれません。ふたご座(5/21~6/21)フットワークが軽く楽しいものに目が無いあなたには、ニッチなテーマや珍しい世界の文化などを扱った作品がおすすめです。少し飽きっぽいところがあるため、一つのことを深掘りするよりも、たくさんのテーマが盛り込まれた作品のほうが楽しめるでしょう。かに座(6/22~7/22)穏やかさと激しさをあわせ持つあなたには、恋愛ものの作品がピッタリ。甘い恋を追体験できる内容であればなお良いでしょう。あなたは優しさから無意識に他人を優先し、自分を抑えてしまうところがあるようです。ときには恋愛作品の力を借りて登場人物に感情移入して、自分の思いを吐き出してみてください。しし座(7/23~8/22)人一倍頑張り屋なところがあるあなたには、競争心が高まる映画やサクセスストーリーがおすすめです。ライバルと切磋琢磨する話や、過去の栄光を取り戻すために奮闘するような作品を観ると、元気を分けてもらえるはず。主人公が発する深い一言に胸を震わせるなど、心に残る体験ができるかもしれません。おとめ座(8/23~9/22)クールなように見えて、実は涙もろいところもあるあなたには、ロマンティックな作品が向いているでしょう。特に、家族愛を描いた作品やヒューマンドラマとの相性が良いようです。タイトルやあらすじを見て、自分がピンとくるものを選んでみてください。てんびん座(9/23~10/23)合理的で器用な一面をもつあなたには、観るだけで学びを得られるような社会派の作品がイチオシ。映像作品だけでなく、教養を高めてくれる本や小説なども良いでしょう。とはいえ、肩ひじを張って向き合うと疲れてしまうので、あくまで自然体で楽しむのがポイントだといえます。さそり座(10/24~11/22)掴みどころがなく、どこかミステリアスな雰囲気をまとっているあなた。明るくてハッピーな内容よりも、本質的なテーマを扱うヒューマンドラマがピタリとはまりそうです。医療の最前線が舞台の作品や、徹底してこだわり抜く職人を扱った作品があなたの人生を変えてくれるかもしれません。重厚感のある長編もおすすめです。いて座(11/23~12/21)みんなを喜ばせることを好む傾向があるあなたには、とにかく派手でにぎやかな作品がおすすめ。たとえば、ハラハラドキドキするようなアクション映画に元気を分けてもらえそうです。誰かと一緒に観ればいつもよりおしゃべりが弾み、打ち解けるきっかけにもなるでしょう。やぎ座(12/22~1/19)淡々とした雰囲気の中に思慮深い一面を持つあなた。仕事の流儀やビジネスチャンスにまつわる作品を観ると、成長のヒントを得られるはずです。自分のペースでじっくりと視聴できる環境で、集中して観ると良いでしょう。作品から学んだことをメモしたり、親しい人に共有したりするのもおすすめです。みずがめ座(1/20~2/18)快活さと落ち着いた雰囲気をあわせ持つあなたの場合、近未来が舞台の作品やSF映画などから良い刺激を受けられそうです。あなたの中に眠る未知への欲求に火がつき、その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性も。あれこれシミュレーションしながら視聴すれば、より価値ある時間になるでしょう。うお座(2/19~3/20)心優しく思いやり深いあなたには、地球環境や自然の中で生きる動物・植物を扱った作品が向いているでしょう。優しくも厳しい偉大な自然界に接することで、普段の生活ではなかなか経験しないような深い感情の波が押し寄せるかもしれません。心休まる場所で視聴すると、あなたの強い感受性がより磨かれるでしょう。脇田尚揮/占い・心理テストクリエーター株式会社ヒューマン・ライフ出版代表取締役社長、企業占術鑑定士、大学講師、秀心寺住職。©Yuganov Konstantin/shutterstock ©Anton27/shutterstock文・脇田尚揮
2023年08月19日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 高松啓二のおススメ】『ロッキー』でロッキーの部屋に貼ってあったのがヘビー級ボクサー、ロッキー・マルシアノだ。本作はマルシアノと試合をしたハリー・ハフトの実録映画である。1949年アメリカ、ハフトはプロボクサーとして暮らしていた。リングネームは“ポーランドの誇りにしてアウシュヴィッツの生還者”。彼は元々ボクサーではなくナチスの強制収容所で無理矢理にボクシングをやらされ覚えたのだ。映画はフラッシュバックで戦時中の収容所はモノクロ、戦後はカラーで描かれる。強烈なのは娯楽のためにユダヤ人同士を戦わせ、負けるとその場で射殺。相手が互角だと30ラウンド以上続け、勝負がつくまで試合をさせられる。ハフトは試合に勝ち続け生き抜く。収容所に入る前に生き別れになった恋人をみつけるため戦後もボクサーを続ける。不利にもかかわらずマルシアノとの試合もそれが動機だ。ボクシング映画に見えるが、スポーツとかけ離れたテーマなのが異色である。原題のThe Survivorとは強制収容所を生き抜いた人のこと。彼の腕の番号の刺青がその証である。<作品情報>『アウシュヴィッツの生還者』8月11日(金・祝) 公開原作:アラン・スコット・ハフト監督:バリー・レヴィンソン脚本:ジャスティン・ジュエル・ギルマー■出演ベン・フォスター、ヴィッキー・クリープス、ビリー・マグヌッセン、ピーター・サースガード、ダル・ズーゾフスキー、ジョン・レグイザモ、ダニー・デヴィート公式サイト:
2023年08月09日