『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督と先日亡くなった映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがタッグを組んだ『海の上のピアニスト』が日本劇場公開から20年の時を経て、8月21日(金)より色鮮やかな4Kデジタル修復版でスクリーンに蘇る。また、9月4日(金)からは当時日本では公開されなかった、170分にも及ぶイタリア完全版(HDリマスター)も待望の日本初公開に。現在、新型コロナウイルスの影響で、『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』といったジブリ作品、ブルース・リーの『死亡遊戯』、そして『ニュー・シネマ・パラダイス』までも、通常なら劇場では観られない名作中の名作が続々とスクリーンに戻ってきている。その中から、この夏見逃せない名監督の3作品をピックアップした。愛くるしい少女のつぶらな瞳とさみしげな顔が目に浮かぶ『ポネット』誰もが味わう、大切な人を亡くすことの悲しみ。痛ましい出来事に向きあう4歳の少女の純粋な姿を通し、「死」という人間の本質的で普遍的なテーマに迫る本作は、初公開から20年以上の時が過ぎたいまも決して古びることはない。主演したヴィクトワール・ティヴィソルが、1996年のヴェネチア映画祭で女優賞を史上最年少で受賞。監督は名匠ジャック・ドワイヨン。日本での劇場初公開は23年前の1997年で、東京の公開館では33週間のロングランを記録する異例の大ヒットとなった。映画史に輝く美しき傑作が、4Kレストアの高精細デジタルリマスター版で蘇る。―――ユーロスペースにて公開中。実在の人物の半生を描くデヴィッド・リンチ監督作『エレファント・マン4K修復版』19世紀のイギリス・ロンドンを舞台に、特異な容姿から「エレファント・マン」として見世物小屋に立つジョゼフ・メリック(ジョン・ハート)の生涯と、彼を研究対象として病院で預かるトリーヴズ医師(アンソニー・ホプキンス)や彼を取り巻く人々の交流を、実話をもとにモノクロ映像で描いた作品。日本では1981年に公開され、同年の公開作品の中で1位の配給収入(当時)を記録し、第53回アカデミー賞にて作品賞を含む8部門にノミネート。いまなお、私たちの心に突き刺さるデヴィッド・リンチ流の詩的な問題作。―――新宿ピカデリーほか7月10日(金)より公開。海の上で生まれ、生涯一度も船を下りなかったピアニストの伝説『海の上のピアニスト』『ニュー・シネマ・パラダイス』のトルナトーレ監督とモリコーネがタッグを組んだ不朽の感動作。煌びやかな豪華客船の内部や、青く透き通るような海など、これまで表現しきれなかった細部まで4Kデジタル修復版で色彩豊かに蘇る。また、トルナトーレ監督が本当にやりたかった全てを描き切った170分にも及ぶイタリア完全版(HDリマスター)も待望の日本初公開。インターナショナル版としてカットされた40分以上のシーンが復活、タイトルやクレジットロールもイタリア語で演出されるなど、本作のファンが長く待ち望んでいた内容が盛り込まれている。―――8月21日(金)~4Kデジタル修復版はYEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町ほか、9月4日(金)~イタリア完全版順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月12日イタリア現地時間7月6日に91歳で亡くなった映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネを偲び、「BS10スターチャンネル」にて追悼放送が決定した。『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)や『アンタッチャブル』(1987)、『夕陽のガンマン』(1965)など数々の名作映画の音楽を手掛け、2006年にはアカデミー賞名誉賞、2015年にはクエンティン・タランティーノ監督作『ヘイトフル・エイト』でついに作曲賞を受賞したモリコーネ氏。今回放送される『アンタッチャブル』は、ブライアン・デ・パルマ監督がケヴィン・コスナーやショーン・コネリー、アンディ・ガルシアら豪華キャストを迎えて、伝説のギャングであるアル・カポネ(演ロバート・デ・ニーロ)逮捕に挑んだ男たちを描くサスペンス。俳優陣の好演とデ・パルマ監督の演出、モリコーネ氏の壮大な音楽が一体となり、一級のサスペンスとダンディズムに彩られたエンターテイメント作品。また、『サッドヒルを掘り返せ』(2017)はクリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督の名作西部劇『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』のラストシーンが撮影されたスペインのサッドヒル墓地を復元しようとする、熱狂的映画ファンたちの姿を追ったドキュメンタリー。モリコーネ氏も出演し、自身の思い出を語っている。(text:cinemacafe.net)
2020年07月08日『ニュー・シネマ・パラダイス』、『海の上のピアニスト』などで知られる映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ(91)がローマの病院で亡くなった。「Variety」誌などが伝えた。転倒が原因で股関節を骨折し、入院していたという。モリコーネは1960年代から50年以上に渡り、500作品以上の映画・テレビの音楽を手掛けてきた。キャリア初期にはセルジオ・レオーネ監督と組み、マカロニ・ウエスタン作品で活躍。レオーネ監督とモリコーネは8歳の頃小学校で出会い、その後20年以上を経て再会した。スタンリー・キューブリック監督作『時計じかけのオレンジ』の音楽制作をオファーされたこともあったが、レオーネ監督が「彼は私の作品の音楽制作で忙しい」と主張したことでチャンスを逃したという逸話が残っている。なお、その当時、実際は忙しくなかったため、後に大変後悔したようだ。『天国の日々』、『ミッション』、『アンタッチャブル』、『バグジー』、『マレーナ』でアカデミー賞の作曲賞にノミネート。2007年に開催された第79回アカデミー賞で長年の功績を認められ名誉賞を受賞し、2015年のクエンティン・タランティーノ監督作『ヘイトフル・エイト』でついに作曲賞を獲得した。ほかにもゴールデングローブ賞、グラミー賞など数々の賞を受賞している。タランティーノ監督はモリコーネの大ファンで、『キル・ビル』、『ジャンゴ 繋がれざる者』、『イングロリアス・バスターズ』でも楽曲を使用。モリコーネは『ヘイトフル・エイト』の音楽制作にあたり、「クエンティンは私が(『ヘイトフル・エイト』の)どんな音楽を作っているかを知ることもなく、プラハにやってきた。録音したものを渡したらすごく喜んでいたよ。彼とのコラボは信頼の上に成り立っていた。すごく自由にやらせてくれたんだ」と当時語っていた。(Hiromi Kaku)
2020年07月06日『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督と映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがタッグを組んだ不朽の感動作『海の上のピアニスト』が、4Kデジタル修復版&イタリア完全版で公開。この度、イタリア完全版より場面写真がいち早くシネマカフェに到着した。大西洋を巡る豪華客船の中で、生後間もない赤ん坊が見つかった。彼の名は1900=ナインティーン・ハンドレッド。世紀の変わり目を告げる1900年に因んで名付けられた。彼は船内のダンスホールでピアノを演奏し、類稀な即興曲を次々と作り出していった。そんなある日、彼は船内で出会った美しい少女に心を奪われてしまう。彼女が船を去った後、断ち切れない彼女への想いから、人生で初めて船を下りることを決心する…。1999年に日本で公開された『海の上のピアニスト』が、約20年の時を経て、4Kデジタル修復版、イタリア完全版として再び劇場公開。4Kデジタル修復版では、トルナトーレ監督本人の監修のもと、『ライフ・イズ・ビューティフル』なども手掛けたカラースーパーバイザーのパスクアーレ・クズポリと共に、イタリア ルーチェ・ チネチッタ・ラボにおいて完全修復。オリジナル35mmネガを4Kスキャンし、これまで表現しきれなかった細部まで色彩豊かに蘇る。一方、イタリア完全版(HDリマスター)は日本初公開。インターナショナル版としてカットされた40分以上のシーンが復活し、タイトルやクレジットロールもイタリア語で演出されるなど、トルナトーレ監督が本当にやりたかった全てを描き切っている。この完全版では、主人公1900の幼少期のパートも長く、伝説のピアニストとして成長していく彼の音楽的なバックボーンが丁重に描かれている。到着した場面写真では、船医に生意気なことを言ってみたり、船長に盾突いたり、幼い1900の可愛い姿などが切り取られている。今回の公開を実現させた配給会社シンカは、本国イタリア版のディレクターズカットの存在を知ってから、イタリア版の権利の行方をずっと追いかけてきたそうで「ようやく20年の時を経て、トルナトーレ監督が描きたかった想いの全てが詰まったディレクターズカットとも言える170分のイタリア完全版を、日本でも配給できることになりました」と今回の上映は念願だったと明かす。また「本作のハイライトとなる有名な“ピアノ対決”のシーンでは、なぜ船を降りたことが無い1900がジャズを生み出したと称する有名ジャズピアニストに勝つことができたのか?インターナショナル版では知り得なかった1900のバックボーンが明らかになるイタリア完全版をご覧いただくと、その勝利の“謎”もわかるかもしれません」と語っている。『海の上のピアニスト』4Kデジタル修復版は8月21日(金)より、イタリア完全版は9月4日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。※9月4日(金)以降は両作品を併映する可能性あり。(cinemacafe.net)
2020年06月28日映画『海の上のピアニスト』の4K デジタル修復版が、2020年8月21日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町、アップリンク吉祥寺にて上映。また9月4日(金)からは、170分に及ぶイタリア完全版が公開される。『ニュー・シネマ・パラダイス』の監督が贈る、“海の上”の感動作『海の上のピアニスト』は、『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督と映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがタッグを組んだ不朽の感動作。豪華客船の上で生まれ、生涯一度も船を下りることなく“ピアニスト”としての運命を貫いた男の物語は、1999年日本公開された当時、多くの映画ファンを魅了した。4K デジタル修復版で、あの感動をもう一度あれから20年―。今回4K デジタル修復版として再上映されることになった『海の上のピアニスト』は、トルナトーレ監督本人の監修のもと、映画『ライフ・イズ・ビューティ フル』を手掛けたカラースーパーバイザーのパスクアーレ・クズポリと共に、完全修復作業が行われた。スクリーンに蘇るのは、当時の技術では表現しきれなかった、豪華客船の煌びやかな内部や、青く透き通るような海…。映画の醍醐味である美しいピアノの旋律に、うっとりとするような映像美が重なることで、これまでとは一味違う感動の映像体験を楽しむことができそうだ。“全て”詰め込んだイタリア完全版も一方「イタリア完全版」(HD リマスター)では、インターナショナル版としてカットされた40分以上のシーンが復活するほか、タイトルやクレジットロールもイタリア語で演出されるなど、ファン待望の内容が盛り沢山。映画ファンの人は是非双方の仕上がりを、シアターで楽しんでみてはいかがだろう。作品詳細映画『海の上のピアニスト』公開日:<4K デジタル修復版>2020年8月21日(金)YEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町、アップリンク吉祥寺<イタリア完全版>9月4日(金)※9/4以降は「4K デジタル修復版」と「イタリア完全版」との両作品を併映する可能性有り。詳細は各劇場のHPを確認。監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ音楽:エンニオ・モリコーネ原作:アレッサンドロ・バリッコ出演:ティム・ロス/プルイット・テイラー・ヴィンス/メラニー・ティエリー/ビル・ナン/ピーター・ ヴォーン/クラレンス・ウィリアムズ三世配給:シンカ■ムビチケ情報発売日:2020年7月3日(金)<ストーリー>一枚のレコードに秘められた、たった一度の恋。大西洋を巡る豪華客船の中で、生後間もない赤ん坊が見つかった。彼の名は1900=ナインティーン・ハンドレッド。世紀の変わり目を告げる1900年に因んで名付けられた。彼は船内のダンスホールでピアノを演奏し、類稀な即興曲を次々と作り出していった。そんなある日、彼は船内で出会った美しい少女に心を奪われてしまう。彼女が船を去った後、断ち切れない彼女への想いから人生で初めて船を下りることを決心する…。
2020年06月21日4月6日(月)深夜の日本テレビ「映画天国」枠では『海の上のピアニスト』『ニュー・シネマ・パラダイス』などのジュゼッペ・トルナトーレ監督作『ある天文学者の恋文』を放送する。著名な天文学者エドと彼の教え子エイミーは、皆には秘密の恋を謳歌していた。しかし、突然エイミーの元に届いたエドの訃報。現実を受け入れられないエイミーだが、彼女の元にはその後もエドからの優しさとユーモアにあふれた手紙やメールや贈り物が届き続ける。エドの遺した謎を解き明かそうと、エイミーは彼が暮らしていたスコットランド・エジンバラや、かつて2人で時間を過ごしたイタリア・サンジュリオ島を訪ね、そこで彼女が誰にも言えずに封印してきた過去を、エドが密かに調べていたことを知る――。急逝したある天文学者が恋人に遺した謎にまつわるミステリアスなラブ・ストーリーとなる本作。エドには『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』や『ジャスティス・リーグ』でバットマン=ブルース・ウェインの執事、アルフレッド・ペニーワースを演じているジェレミー・アイアンズ。エイミーには『007 慰めの報酬』やトム・クルーズ主演『オブリビオン』、先日公開された『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』などのオルガ・キュリレンコ。またいくつものジュゼッペ監督作の劇伴を手掛けたほか『ヘイトフル・エイト』では第88回アカデミー賞作曲賞を受賞。大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」のサントラでも知られるエンニオ・モリコーネが音楽を担当。亡くなったエドから届くメッセージに込められた想い。そこから明かされていくエイミーの秘密とは!?映画天国『ある天文学者の恋文』は4月6日(月)深夜25時59分~日本テレビで放送。(笠緒)
2020年04月06日日本オリンピック委員会(JOC)が、オリンピック・ムーブメントの推進を目的に1997年より毎年開催しているオリンピックコンサート。スポーツと文化の融合をかたちにした、オリンピック映像とフルオーケストラが競演するという唯一無二のコンサートだ。毎年、東京などで開催し好評を博してきたが、2020年は1月~4月にかけ「プレミアムサウンドシリーズ」として、東京、名古屋、広島、大阪、仙台、札幌の全国6都市、その各地を代表する計7つのコンサートホールでの開催が決定した。【チケット情報はこちら】いよいよ開催まで1年を切った東京2020大会。オリンピックはいつの時代も、アスリートはもちろん、世界中の人々の心を揺さぶり続けてきた。今回のコンサートは“輝く夢に向かって”をテーマに、オリンピックをめぐる数々のドラマを、映像とフルオーケストラの響きでお届けする。コンサートのナビゲーターは、自身も競泳選手として、過去2回のオリンピックへ出場したオリンピアンであり、現在は俳優として活躍する藤本隆宏。2012年から9年連続で、今回のシリーズでもナビゲーターをつとめる。公演にはオリンピックという夢に挑み続けたオリンピアンも参加予定。また、公演各地の合唱団が、このコンサートでは恒例となった「オリンピック讃歌」にこめられたオリンピック精神を高らかに歌い上げる。<公演プログラム>第一部・オリンピック東京大会ファンファーレ(今井光也)・オリンピック・マーチ(古関裕而)・歌劇「運命の力」序曲(ヴェルディ)・映画「E.T.」から”地上の冒険”(ジョン・ウィリアムズ)・歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(グリンカ)第二部・喜歌劇「天国と地獄」序曲(オッフェンバック)※札幌以外の6公演・交響曲第2番第3楽章(ラフマニノフ)※札幌公演のみ・オリンピアン等によるトークコーナー~輝く夢に向かって※参加者は後日発表。・幻想序曲「ロメオとジュリエット」から(チャイコフスキー)・映画「ミッション」からメインテーマ(エンニオ・モリコーネ)・オリンピック讃歌(スピロ・サマラ)ほか公演は2020年1月11日(土)~4月4日(土)にかけて札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島の6都市・7会場で上演される。
2019年10月11日アジア初のドキュメンタリー映画祭としてスタートした<山形国際ドキュメンタリー映画祭2019>(以後ヤマガタ)が10日開幕した。1989年から2年に1度の隔年で開催され、いまでは世界の映画人と人とが集うドキュメンタリー映画の祭典に。昨年8月には、米国アカデミー賞の公認映画祭に認定された。16回目となる今回は記念すべき30周年となる。この日の開会式は、世界から集まった来日ゲストや映画関係者、観客を合わせ、400人を超える人々が集まり会場は大盛況。まず、山形交響楽団金管8重奏の演奏とともに、これまでヤマガタに来場した監督たちの映像をスライドショーで上映。レナード・バーンスタインの『ウエストサイド物語』やエンニオ・モリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス』などの演奏にのせながら、フレデリック・ワイズマン、ペドロ・コスタ、原一男ら名だたる映画作家たちの姿が次々と映し出され、映画祭30年の歩みを振り返った。そして迎えたオープニング上映は、今年1月に死去した詩人で伝説の映画監督であるジョナス・メカスの作品『富士山への道すがら、わたしが見たものは…』の16ミリフィルムを追悼上映。本作には、1991年にメカス監督が山形を訪れた際の映像が収められている。上映前に、メカス監督が山形を訪れた際、案内役を務めた農業詩人の木村迪夫さんが登壇。当時、行われたシンポジウムでのメカス監督とのエピソードを語った。木村さんはメカス監督との対話で印象に残っていることが3点あるとのこと。1つ目は故郷についてのことで、「メカスさんはリトアニアの小さな村で暮らしていたが、悪いことがひとつもなかったという。愉しいこと、美しいことでいっぱいだったと言っていた。対して、自分は戦争で父と叔父をなくし、貧困の中で育った。周囲からは貧しいということで蔑まれたりと、悲しい思い出しかない。いつか村の人たちを見返してやると反逆の精神があった。だから、故郷をそう思えるメカスさんがうらやましかった」と明かした。2つ目は、自身の出身地ということだったそう。「メカスさんは、『地方性』ということを強調されていた。メカスさんはリトアニアからニューヨークへ移ってからも、リトアニア語で詩を書き、それをリトアニアの言葉で朗読していた。ルーツを大切にしていた。対して、私はさきほどの反骨心もあって、山形弁はぜったいに使わないと決めていた」とこちらも正反対であったことを明かした。最後の3つ目は創作について。メカス監督は「詞は内側から発する言葉で、映像は外側から発する言葉。したがって、とても近い存在ではないか」と語っていたという。木村さんはこれらが原点にあり「メカスさんの牧歌的で、美しく叙情的でロマンチックな作品の魅力は、これらの点が原点にあるのではないか」とメカス作品の魅力を紐解き、「今日、久々に映像を見れることを楽しみにしている」とメカス監督に思いを寄せた。こうして開会式は終了。本日11日から本格的に映画祭はスタートする。今回の応募作は130の国と地域から過去最多の2371作品。目玉となる「インターナショナル・コンペティション部門」には15作品が選ばれている。ドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督の新作『インディアナ州モンロヴィア』や『鉄西区』『苦い銭』のワン・ビン監督の8時間を超える長編『死霊魂』といった話題作から、若い新鋭監督の作品まで、世界で起きているさまざまな事象や問題をとらえたドキュメンタリー映画が並ぶ。アジアの新鋭作家に開かれた「アジア千波万波部門」では、長編第1作『鉱ARAGANE』が本映画祭で特別賞を受賞した小田香監督の『セノーテ』、巨匠、アッバス・キアロスタミ監督を父に持つバフマン・キアロスタミ監督の『エクソダス』など、注目の新鋭監督たちの顔が揃う。また、いろいろな意味で、いまはアジアをめぐる状況が変化しているとき。隣国でいまなにが起きているのかを知る機会にもなるに違いない。世界中を魅了する映画と映画作家を生み出し続けるイラン映画の魅力の根源に迫る「リアリティとリアリズム:イラン60s-80s」といった映画ファンとしては見逃せない特集や、日本のいまがみえる「日本プログラム」など、多種多様な企画や特別上映も組まれている。会期は17日(木)まで。映画と出合い、人と出会い、うまいものと出会えるのが本映画祭。興味をもったらぜひ足を運んでほしい。取材・文・写真:水上賢治
2019年10月11日「マリエン薬局」の新製品”メディカルハーブ薬”を専門に取り扱う、ドイツ発の「マリエン薬局」より、100%天然由来成分のエナジーサポートドロップ「バイタリティ用メディカルハーブドロップ」が、2019年10月1日(火)に発売されました。ハーブの力で心身をリラックス「バイタリティ用メディカルハーブドロップ」は、メディカルハーブの働きで心身をリラックスさせ、集中力や活力を高めるドロップです。ハイビスカスフラワー、マージョラム、ラベンダーフラワー、レモンアロマなど、高ぶる神経を静めストレスを緩和する効果のあるハーブを濃縮したエキスが、ドロップに閉じ込められています。リラックスしたい時に1日数回、ゆっくりなめ溶かすだけで、手軽にエナジーサポート効果を得ることができます。砂糖不使用、天然由来成分のみのドロップドロップは天然由来成分100%。人工甘味料や添加物、砂糖は使用せず、自然な甘みを感じられます。仕事や家事、育児など、日々を忙しく過ごす女性のエナジーサポートに、「メディカルハーブドロップ」を取り入れてみてはいかがでしょうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※マリエン薬局のプレスリリース※マリエン薬局公式サイト
2019年10月04日おとな向け映画ガイドオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/9/23(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は22本。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『任侠学園』。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が多くて21本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン…』を使ったタイトルはこれが元祖。1968年に『ウエスタン』という邦題で公開されたイタリア製西部劇の傑作です。クエンティン・タランティーノはこの映画を見て映画監督になろうと思ったそうで、新作の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、まさにこの映画タイトルの引用です。今回、50年の時を経て、オリジナル版が日本初上映されます。どこをとってもカッコいいんです。荒野の駅に到着する汽車、待ち受けるロングコートの男三人、どこからともなく現れた謎のガンマンとの銃撃戦……。冒頭からひきこまれます。小さなハーモニカを持つガンマンはチャールズ・ブロンソン。なんと、アメリカの良心のようなヘンリー・フォンダが悪役で出演しています。ほかに、ジェイソン・ロバーズ、ジャック・イーラムと渋い役者が並び、イタリアン・ビューティ、クラウディア・カルディナーレが花を添えます。流れる哀愁のメロディーはエンニオ・モリコーネ。アメリカの西部劇が下火となり、それを受け継いだ形で、イタリアの「マカロニ・ウエスタン(英米伊での呼称はスパゲッティ・ウエスタン)」が世界的にブームとなりました。その代表的な監督、セルジオ・レオーネが、これまでの用心棒ものから西部開拓物語といえる大叙事詩に作風を変えた野心作です。アメリカの西部劇役者を多く起用しただけでなく、撮影も行われ、『駅馬車』でおなじみのモニュメントバレーも登場します。68年といえば、サム・ペキンパーの『ワイルドバンチ』が発表されたのもこの年。『明日に向って撃て!』が翌69年。消えゆく西部劇を惜しむかのような作品が続きます。そういう流れの中で作られた映画。大いなる西部への挽歌をイタリア人監督が作り、さらに50年後、アメリカ人であるタランティーノがこの作品にオマージュを捧げているということも面白いです。『エセルとアーネスト ふたりの物語』『さむがりやのサンタ』『スノーマン』『風が吹くとき』といった名作絵本の作者、レイモンド・ブリッグズが自身の父母について描いた物語をアニメ映画にしています。あの絵本同様、なんともあったかくて、イギリス人ならずとも懐かしく感じる、ささやかな家族のお話です。1928年のロンドン、お金持ちの家のメイドをしていたエセルと、牛乳配達を仕事にするアーネストの出会い、結婚、出産、そして戦争、戦後の混乱や子供の成長……。その暮らしぶりが、手描きのアニメーションで丹念に表現されています。息子のブリッグズは1934年生まれ。ジョン・レノンやポール・マッカートニー(エンディング曲を担当)よりは少し年上ですが、50〜60年代、髪を長くし、世の中に反抗したイギリス「怒れる若者たち」の世代です。両親が希望する通りの人生を歩む訳ではありません。親子の世代間ギャップはありますし、この時代、電化や通信の変化も劇的です。でも変わらないのは日々の暮らしと家族への思いやりの気持ちです。イギリス公開時のキャッチフレーズは「40年、1つの愛、数えきれない紅茶」だったそうです。紅茶は変わらない日常の象徴。そういう普通の人たちの20世紀の歴史です。『パリに見出されたピアニスト』パリ、北駅。乗降客が自由に弾けるよう設置されたピアノで、バッハを無心に弾く若者の姿から物語が始まります。クラシックには縁のなさそうな格好の彼の演奏に足を止めたのが、パリ音楽学院のディレクター。天才を発見した、と思ったのです……。若者の名はマチュー。郊外の貧しい家庭に育ち、友達もワルばかり。そんな彼がピアノを弾けるのには、ある理由があったのです。最近はこういうの、たいてい「実話に基づく」なのですが、この作品はオリジナル脚本。貧困な家庭に育った若者が、ピアノコンクールの優勝を目指す、という、王道ではありますが、実によくできたサクセスストーリーです。セーヌ川、サン・マルタン運河、ノートルダム大聖堂など、パリ各地でロケをした映像。演奏される曲は、リスト、ショパン、そしてラフマニノフの作品。クラシックファンならずとも楽しめます。マチューを演じるジュール・ベンシェトリが、名優ジャン=ルイ・トランティニャンの孫だというのはフランス映画ファンにとっては、へーっの話題では。『春画と日本人』文化記録映画として作られた作品ですが、劇場公開されます。2015年に開催された、日本で初めての大規模な春画の展覧会、「春画展」の内幕を描いています。もともとは2013年に大英博物館で大成功を収めた企画、その日本巡回展として考えられていたのですが、東京国立博物館をはじめ、20以上の美術館、博物館に断られ、細川家18代当主の細川護煕さんが館長をつとめる永青文庫が引き受けたいきさつなどが関係者の証言で明らかになります。なかには、さる高名な博物館関係者のように、イギリスの展覧会のことを褒め称え、自腹でも行きたいというのですが、「では日本展をお宅の館で」ともちかけると、モニャモニャと腰砕けになる、といった風に、本音と建前がちがう日本の現実が浮き彫りになります。無修正の浮世絵「春画」が、地道な出版活動の積み重ねをへて、いまや堂々と書店で売られるようになったことや、普通のアートとは微妙に異なる図書館での春画の扱いなど、興味深い内容ばかりです。展覧会は18歳未満は入場禁止でした。展示を振り返っての関係者のコメント「ひとりの逮捕者もださずによかった」というのが、まさに本音でしょうね。あ、この映画も無修正の春画がでますので、18歳未満は入場禁止です。文京区の小さな博物館、永青文庫には異例の21万もの人が訪れました。私もこの展覧会に行き、感動した一人です。その時手に入れた600ページ以上におよぶ貴重な図録は家宝と思っています。文:ぴあ編集部 坂口英明
2019年09月23日6月14日(金)に東京国際フォーラム ホールAで開催される「オリンピックコンサート2019」。同公演に出演する藤巻亮太(レミオロメン)の歌唱曲が発表された。【チケット情報はこちら】東京2020大会まで、あと1年あまりと迫った6月14日(金)に、“輝く夢に向かって”をテーマに開催する今年のオリンピックコンサート。ゲストアーティスト藤巻亮太(レミオロメン)のスペシャルステージでは、大ヒット曲『粉雪』、民放テレビ局の北京オリンピック中継テーマソングとしてリリースされた『もっと遠くへ』、そして卒業ソングとして長く愛され歌い継がれている名曲『3月9日』の3曲を、80名を超えるフルオーケストラとの共演で披露する。また、今年はクラシック音楽の名曲のみならず、世界中から愛され続ける珠玉の映画音楽をはじめ、幅広い世代の方々にお楽しみいただけるバラエティに富んだ曲がラインナップ。大スクリーンに鮮やかに蘇る迫力のオリンピック映像と、名曲を壮大な響きで奏でるオーケストラとのコラボレーションで、オリンピックの理想と真の姿を表現するとともに、来るべき東京2020大会の輝きを展望する。チケットは、現在先行発売中。一般発売は3月30日(土)午前10時より。■オリンピックコンサート2019日時:6月14日(金) 開場 17:30 / 開演 18:30会場:東京国際フォーラム ホールA(東京都)《演奏曲目》オリンピック東京大会ファンファーレ(今井光也)オリンピック・マーチ(古関裕而)歌劇「運命の力」序曲(ヴェルディ)映画「E.T.」から“地上の冒険”(ジョン・ウィリアムズ)幻想序曲「ロメオとジュリエット」から(チャイコフスキー)映画「ミッション」からメインテーマ(エンニオ・モリコーネ)オリンピック讃歌(スピロ・サマラ)ほかキービジュアル「写真:ロイター/アフロ」※ステージ写真は過去の公演
2019年03月25日エンポリオ アルマーニ カフェ(Emporio Armani Caffè)の人気メニュー「季節のパフェ」に新作が到着。8作目となる10月のパフェは、秋の代表的な食材ともいえる栗をたっぷり使った「マロンづくしのパフェ」。10月1日から31日までエンポリオ アルマーニ カフェ青山に登場する。マロンづくしのパフェ(税込1,800円 / カフェセット 税込2,300円)パフェのトップ部分を華々しく飾るのは、薄くぱりぱりとした食感が特徴の栗のメレンゲとパータフィロのカラメリゼ。その下には濃厚な味わいのマロンクリーム、さらにはマロンのジェラート、渋皮煮が登場。まさにマロンづくしのパフェに仕上がっている。下層では、甘さを控えた軽やかなシャンティと、さくさくとした食感を楽しめるメープルシュガーとくるみのクランブルクッキーが現れる。そしてボトム部分に敷かれているのは果実味あふれるランブルスコワインのソース。ソースはベリー類を合わせて煮込むことで果実味あふれるテイストに仕上がり、パフェ全体の味を引き立てている。秋の味覚“栗”を存分に楽しめる「マロンたっぷりカフェ」は、エンポリオ アルマーニ カフェ青山まで。【店舗情報】エンポリオ アルマーニ カフェ住所:東京都港区北青山3-6-1オーク表参道1F営業時間:11:00〜20:00定休日:不定休
2018年10月05日映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のイタリア公開30周年を記念したシネマ・コンサートが、2018年9月15日(土)・16日(日)に東京・有楽町の東京国際フォーラムで、17日(月・祝)に大阪・オリックス劇場で開催される。映画のセリフや効果音はそのままに、オーケストラが音楽パートを本編上映に合わせて生演奏するシネマ・コンサート。今回はジュゼッペ・トルナトーレ監督が1988年にイタリアで公開した『ニュー・シネマ・パラダイス』を題材に、映画本編の上映とオーケストラ生演奏の贅沢なコラボレーションが楽しめる。シチリアの小さな映画館“新パラダイス座”を舞台に、トト少年と老映写技師・アルフレードの交流を描く物語を彩るのは、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネによる、美しく感動的な音楽。そんなモリコーネの名曲の数々を、国内屈指の名門オーケストラである東京フィルハーモニー交響楽団が演奏する。【開催概要】『ニュー・シネマ・パラダイス』シネマ・コンサート開催日:■東京公演開催日時:2018年9月15日(土) 開場16:00/開演17:009月16日(日) 開場12:00/開演13:00会場:東京国際フォーラム ホールA■大阪公演開催日時:9月17日(月/祝) 開場16:00/開演17:00会場:オリックス劇場チケット価格(全席指定):S席 9,800円(税込) / A席 7,800円(税込) ※3歳未満入場不可指揮:ティアゴ・ティべリオ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団©1989 CristaldiFilm
2018年09月07日往年の名作『ニュー・シネマ・パラダイス』のイタリア公開30周年を記念して、この度、9月に東京と大阪でシネマ・コンサートが開催されることが決定。『ニュー・シネマ・パラダイス』のシネマ・コンサートは、全世界に先がけて日本で初上演となる。シネマ・コンサートとは、映画のセリフや効果音はそのままに、音楽パートをオーケストラが本編上映に合わせて生演奏するもので、映画をライブ感覚で楽しめるエンターテインメントだ。イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、若干29歳のときにメガホンを取った感動作『ニュー・シネマ・パラダイス』は、1988年にイタリアで公開、日本では翌1989年12月に東京・シネスイッチ銀座で単館ロードショーがスタート。シチリアの小さな映画館“新パラダイス座”を舞台に、トト少年(サルヴァトーレ・カシオ)と老映写技師・アルフレード(フィリップ・ノワレ)の温かい交流に感動の声が続出し、同館で40週に及ぶ異例のロングラン上映となる大ヒットを記録。また、日本国内における単一映画館での興行成績では、未だ破られていない最大動員数を誇っている。そんな本作が絶大な支持を集める理由として、ひとつに数々の映画音楽を手がけた巨匠エンニオ・モリコーネの作った美しい劇中音楽が挙げられる。今回、日本で世界初演されるこのシネマ・コンサートでは、昨年末に日本で開催された「ラブ・アクチュアリー in コンサート」でもタクトを振ったティアゴ・ティべリオが指揮を、演奏は国内屈指の名門オーケストラ「東京フィルハーモニー交響楽団」が担当。さらなる感動がコンサートで甦る。本公演のチケットは、7月21日(土)の一般発売に先駆け、すでに先着受付が開始されている。『ニュー・シネマ・パラダイス』シネマ・コンサート東京公演は9月15日(土)、16日(日)東京国際フォーラム ホールAにて、大阪公演は17日(月・祝)オリックス劇場にて上演。(cinemacafe.net)■関連作品:ニュー・シネマ・パラダイス© 1989 CristaldiFilm
2018年07月01日東京・表参道のエンポリオ アルマーニ カフェで人気メニューとなっている季節のパフェに、 7月は「パステルカラーの乙女パフェ!」が登場する。「パステルカラーの乙女パフェ! 」(税込1,800円 / カフェセット 税込2,300円)季節のパフェの5作目となる、7月のパフェは、パステルカラーのラブリーなビジュアルが特徴の「乙女パフェ! 」は、これまでとはまったくことなる愛らしい雰囲気が特徴。夏に向けて旬を迎えるフレッシュな桃をたっぷりと使用し、食べ進めていくと中からは夏の暑さを忘れさせてくれるミルクかき氷と桃のシャーベット、そしてイタリアンジェラートの人気&定番フレーバーであるピスタチオジェラートが現れる。パフェのトップにドットのようにちりばめられているのは「おいり」という米菓。ビジュアルだけでなく食感も味も楽しめるよう工夫されている。フォトジェニックな「乙女パフェ」は7月1日~7月末までの期間限定で展開される。【店舗情報】エンポリオ アルマーニ カフェ住所:東京都港区北青山3-6-1オーク表参道1F営業時間:11:00〜20:00定休日: 不定休
2018年06月29日エンドルフィンを作り出すと幸せな感覚になり、身体がどんどん健康的になってきます。エンドルフィンは、痛みなどを和らげる効果があります。ストレスがある状況の中でもエンドルフィンが出てくるとその状況に耐えれるようになります。このエンドルフィンを自分で作り出す方法をご紹介します。エンドルフィンを作り出すと幸せな感覚になり、身体がどんどん健康的になってきます。エンドルフィンは、痛みなどを和らげる効果があります。ストレスがある状況の中でもエンドルフィンが出てくるとその状況に耐えれるようになります。でもエンドルフィンって何でしょうか?エンドルフィンは脳から作り出される成分で鎮痛剤のような役割をします。エンドルフィンを放出される動機はいろいろあります。このエンドルフィンを自分で作り出す方法を覚えて、毎日をいつもよりもストレスレスに、幸せに過ごせるように工夫してみましょう。1.スポーツをする体を動かすとエンドルフィンを放出するのを助けることができます。体を動かすことは身体をほぐす役割をし、科学的見解で見るとエンドルフィンが出るので、疲れを感じさせなくなってくるのです。少なくとも30分は体を動かすようにしましょう。ランナーズハイロいう言葉を聞いたことがあると思います。まさにこの状態がエンドルフィンの効果なのです。マラソンランナーや自転車を長距離乗る人たちは、長時間におよびスポーツをするのでどんどん気分が良くなってくるのです。スポーツを毎日の中に入れると心の中がすっきりとしてくることを自然と感じると思います。2.好きな料理を味わう好きな料理をじっくり味わいながら食べることは、幸せと健康につながり、エンドルフィンを作り出します。エンドルフィンを作り出す食材としてよく知られているのは「チョコレート」です。でもどんな料理でも「好物を選んで食べること自体がエンドルフィンを放出させる」と研究でもわかっています。確かにおいしい物や好きなものを口の中に入れた時に幸せな気分になりますよね。それがエンドルフィンの放出によるものだったのです。3.音楽を聴く音楽は心に効くとよく言われますが、幸せになりたい人にとって科学的にもとても注目されている方法です。悲しいときも、ストレスが溜まっているときも好きな音楽を聞くと少しずつ気分をよくしてくれます。シンプルなことなのに効果的です。音楽を聴いていると無意識なうちにエンドルフィンンが作られていきます。音楽を集中して聞かなくても、BGM程度に流すだけでいいので本当にお手軽。ちょっと気分が乗らないときは音楽を流すように今日から習慣づけてみましょう。4.キス・ハグをするキス、ハグ、ナデナデしたりすると気分が良くなってきます。これもエンドルフィンの効果だと知っていましたか?確かに痛い部分があると無意識のうちに、その箇所をナデナデとさすったりした経験があると思います。一人でもなでなでするのも効果がありますが、もっと効果を上げるためには「大切な人」となでなでしあうのが一番効果的です。大切な人とハグをするとストレスを減少させる幸せな気分になる不安を取り除く記憶力をよくするハグした相手との信頼関係を築くという効果を得ることができます。これは恋人だけでなく子供としたりいろいろな大切な人と試してみてください。5.ペットを撫でるペットをなでなですることは健康・幸せをもたらします。この効果があるので、最近では病院や老人ホームでペットを導入したり、会社にペットと出勤を許可しているなんてところもあるほどです。それは人間だけではなく、ネコちゃんも足元に体を擦りつけたり、ワンちゃんが撫でてほしいとおなかを見せたりするのも同じです。ペットを撫でるとストレスを軽減させて幸せな気分になります。また、ペットのかわいいしぐさを見ていると気づいたら笑顔になりますよね。6.笑う笑うことを忘れずにいると、どんどん健康に幸せになっていきます。エンドルフィンを放出させてくれて、幸せを簡単に手に入れることができる方法です。笑顔のうれしい効果はあまりにもたくさんあります。ストレス軽減自分への自信が出てくる周りの人にも安心感・信頼を感じさせる7.辛い物を食べるトウガラシなどスパイシーが好きな人は、落ち込んだ日はスパイシー料理を食べる方法を使ってみましょう。ピリピリとした独特な感覚が幸せにつながるなんて思ってもいなかったですよね。辛い物によるピリピリとした感覚、熱くなる感覚がよってエンドルフィンが放出されて心がスカッとしますよ!8.踊るダンスをすることはただ楽しいだけではなく運動をするきっかけとなります。健康法としてもダンスを使うこともあります。ダンスをすると音楽の効果とスポーツの効果を同時に得ることができます。お仕事でストレスが溜まった時はダンスに行ってみるといいかもしれませんよ!カラオケで友達を体を動かしながら歌うのもいいですよね。9.落ち着いて瞑想をする瞑想をするとエンドルフィンが出ると研究で言われています。ゆっくりと瞑想すると健康と幸せな気持ちを感じることができ、心と体を健康にしていきます。心の中に目を向ける時間を持つことで、幸せを感じる気持ちを養う効果もあります。体を動かすことと、瞑想を静かにすること、それぞれ全く違う行動ですが、同じくらいの効果を得れるとわかっています。
2017年07月08日第59回グラミー賞授賞式が12日(現地時間)、ロサンゼルスで開催され、ピアニストの内田光子が最優秀クラシック・ヴォーカル・アルバム(ソロ)賞を受賞した。対象作はドイツのソプラノ歌手、ドロテア・レシュマンの伴奏を務めたライブアルバム「シューマン:リーダークライス、女の愛と生涯/ベルク:初期の7つの歌」。内田さんは2011年に最優秀器楽ソリスト演奏賞を受賞していて、これが2度目のグラミー賞受賞となる。『レヴェナント:蘇りし者』で、アルヴァ・ノトと共に候補になっていた坂本龍一は惜しくも受賞を逃した。『ラスト・エンペラー』(デヴィッド・バーン、コン・スーと共作)に続く2度目の受賞はならなかった。『レヴェナント:蘇りし者』は昨年のアカデミー賞で作曲賞候補にもなっていた。このときも受賞は『ヘイトフル・エイト』のエンニオ・モリコーネに譲ったが、今回グラミー賞に輝いたのは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジョン・ウィリアムズだ。(text:Yuki Tominaga)
2017年02月13日来年2月12日(現地時間)に開催される、第59回グラミー賞のノミネーションが発表された。ビヨンセが年間最優秀レコード賞など最多9部門、続いてドレイク、リアーナ、カニエ・ウェストが8部門、チャンス・ザ・ラッパーが7部門でノミネートされている。ビヨンセは今年4月にアルバム「レモネード」をリリース。「レモネード」からの1曲で、2月にスーパーボウルで多くの女性ダンサーを従え、衝撃的なお披露目を果たした「フォーメーション」は年間最優秀楽曲賞にノミネート。同曲は人種差別問題をテーマにしており、発表されるや否や議論が巻き起こる騒動に。また、夫・ジェイ・Zの不倫疑惑を彷彿させた「ソーリー」は、ファンたちが歌詞やMVから不倫相手の女性を特定しようとする動きも見られ、「レモネード」は何かと世間を騒がせた1枚であった。日本からも坂本龍一さんがアルヴァ・ノトと音楽を手掛けた『レヴェナント:蘇えりし者』のサウンドトラックが最優秀スコア・サウンドトラック・アルバム賞にノミネート。同部門はほかに『ブリッジ・オブ・スパイ』(トーマス・ニューマン)、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(ジョン・ウィリアムズ)、『ヘイトフル・エイト』(エンニオ・モリコーネ)、「ストレンジャー・シングス」のボリューム1と2(カイル・ディクソン&マイケル・スタイン)がノミネートを受けている。(Hiromi Kaku)
2016年12月07日今年43回目を迎えたベルギーのゲント映画祭の、映画音楽をたたえるワールド・サウンドトラック・アワード部門において、坂本龍一が栄誉賞(ライフタイム・アチーブメント)を受賞し、話題を呼んでいる。現地を訪れた彼に、映画音楽の現場について訊いた。その他の画像「僕は人生全部を映画音楽に捧げてきたわけでもないし、たとえば80代のエンニオ・モリコーネさんみたいな方に比べたら若輩者ですし、こんな賞をもらっていいのかなという気が先に立ちます。それとライフタイム・アチーブメントというとなんだか終わりみたいなので、それは嫌だなあ(笑)」と、冗談まじりに語る坂本。素人にはなかなか窺い知れない映画音楽の制作現場について、こう解説してくれた。「通常作曲家に頼むときに、ここにはこんな感じの音楽、と見本を貼付けてくるんです。その代用品のリズムや雰囲気に沿って監督たちは毎日編集をやっているので、作曲家がいざできましたと持っていってもどこか合わない(笑)。それを新品に替えさせるのはハードルが高いんです。監督にもよりますが、ハリウッドの場合はだいたいべったりと貼付けてきますよ。『レヴェナント:蘇えりし者』の(アレハンドロ・G・)イニャリトゥは、彼自身とても音楽好きで詳しいから、すごくきめ細かくテンポラリーな音楽を貼付けてきた。それを超えるものを2カ月ぐらいで何十曲も作るのは本当に大変でした」そんななかで、後にも先にも例外だったのは故大島渚だったという。「『戦場のメリークリスマス』でまず俳優として役をオファーされたので、ぜひ映画音楽もやりたいと自分からお願いしたんです。最初に持っていった曲が気に入られてから100パーセント自由でしたし、どこに何を入れるかもそのとおりに使ってくれた。あんなことは他に一度もないです。近かったのは『リトル・ブッダ』で、あのときは(ベルナルド・)ベルトルッチと相当揉めましたけれど、結果的に(リピートも含めて)120パーセントぐらい使ってくれました」今はできるだけ映像を観てから、仕事を受けるか否か決めるようにしているという。では、“世界の坂本”をそこまで苦労の多い映画音楽の創作に駆り立てるものとは何なのか。「やっている最中は本当に大変で二度とやりたくないと思うんですけど、終わると楽しい思い出が残る。ひとりでこつこつとやっているのとは違う面白さがあります。素晴らしい才能のある人たちとやるのはチャレンジングだけど、終わったときの喜びは特別なんです」取材・文・写真:佐藤久理子
2016年10月31日『ニュー・シネマ・パラダイス』『鑑定士と顔のない依頼人』などで知られるジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作で、英国“渋メン”代表ジェレミー・アイアンズと『オブリビオン』のオルガ・キュリレンコが共演する感動ミステリー『ある天文学者の恋文』。このほど、トルナトーレ監督に絶賛されたオルガの、さまざまな表情を集めた場面写真が一挙にシネマカフェに到着した。天文学者エド(ジェレミー・アイアンズ)の突然の訃報に愕然とする、彼の教え子で恋人のエイミー(オルガ・キュリレンコ)。しかし彼女の元には、彼からの手紙や贈り物が届き続けた――。本作は、1人の天文学者が恋人に遺した“謎”をめぐる物語。アカデミー賞作曲家のエンニオ・モリコーネの心のひだに触れる優美な旋律にのせて描かれるのは、次第に明かされていくエドの本当の想いと、エイミーの過去の秘密。天文学者が仕掛けた“謎”がすべて解き明かされるとき、極上のミステリーは美しくも切ない“永遠の愛”の物語へとなっていく。今回、最愛の恋人の突然の訃報に戸惑いつつも、彼からの手紙やビデオメッセージに導かれ、彼との思い出の地を旅しながら、彼が残した本当の想いを解き明かしていくヒロイン、エイミーを演じたウクライナ出身のオルガ。2008年、『007/慰めの報酬』でボンドガールに大抜擢され、世界中にその名を知られて以来、奇才テレンス・マリック監督の『トゥ・ザ・ワンダー』ではメディアからも高く評価された。そのエキゾチックな美貌と演技力、そして6か国語を操る才媛ぶりで、映画出演が後を絶たず常に注目される存在に。今後も、テリー・ギリアム監督、アダム・ドライバー共演の『The Man Who Killed Don Quixote』(’17)の公開も控え、まさに映画界の名匠に愛される女優の1人だ。そんなオルガに対し、トルナトーレ監督も、「本作でのエイミーは難しい役柄。すべてが彼女の目線で語られ、常にスクリーンに映っているからね。キャスティングも時間をかけた。そしてオルガに出会って、まさに探していた人を見つけたと分かった」と明かし、「オルガは驚くべき魅惑的な女性だ。15歳のときにデビューして以来、ずっと内に秘めたエネルギーを持ち続けている。しかも彼女はとても賢い女性なんだよ」と賛辞を惜しまない。また、本作でオルガ演じるエイミーは、天文物理学を学ぶ学生である一方、ある理由から危険なスタントマンの仕事も引き受けるという役どころ。愛する者を失った悲しみを憂いを帯びた表情で表現する一方、カースタントや炎につつまれるシーンも演じ切っており、今回解禁となった場面写真からもその “強さ”の一端を垣間見ることができる。『ある天文学者の恋文』は9月22日(木・祝)はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月09日トム・ヒドルストン主演『ハイ・ライズ』を皮切りに、この夏秋は、英国が生んだアカデミー賞受賞の名優ジェレミー・アイアンズの出演作が目白押し。DCコミックの映画『バットマン vs スーパーマンジャスティスの誕生』では、バットマンことブルース・ウェイン(ベン・アフレック)の執事アルフレッドを演じ、映画ファンに強烈なインパクトを与えたばかり。2016年、怒涛の公開ラッシュを迎える“ジェレミー・アイアンズ祭り”に迫った。「SHERLOCK/シャーロック」で世界的スーパースターに躍り出たベネディクト・カンバーバッチをはじめ、いまだ英国俳優ブームは真っ盛り。日に日に新たな新星も登場する中、長年、世代を越えて支持を集めるアイアンズ。1984年に「リアル・シング」でトニ―賞、1990年に『運命の逆転』でアカデミー賞、2005年に「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~」でエミー賞を受賞し、難関といわれる舞台、映画、TVの3冠を果たした名優中の名優。さらに、科学的に“最も理想的で心地よい声”と証明されたイギリスの研究結果もあるという、独特なバリトンの声も大きな魅力となっている。そんなジェレミーは、8月から10月にかけ、出演作がなんと一挙4本も連続で公開される。まず、巨匠J・G・バラードの名作SF小説をトム・ヒドルストン主演で完全映画化した『ハイ・ライズ』(公開中)で演じるのは、物語の舞台であるセレブ向け高層マンション“ハイ・ライズ”を設計し、最上階で庭園や動物たちに囲まれて優雅に暮らす高名な建築家ロイヤル。この仕事を通じて、さまざまな人が集い暮らす、“変化のるつぼ”を作りたいという壮大なビジョンを持つ図らずも支配者となる男を、ミステリアスかつ威厳たっぷりに演じている。また、ヒトラー政権下のベルリンオリンピックに挑んだ実在の4冠メダリストとコーチの知られざる絆を描く『栄光のランナー/1936ベルリン』(8月11日公開)では、政治的状況を理由にボイコットの声が挙がる中、スポーツマンシップに重きを置き、アメリカのベルリンオリンピック出場を訴える人物、ブランデージを演じる。後にIOC(国際オリンピック委員会)会長となる彼は、政治とスポーツの分離を唱える一方で、ナチス側とドイツ大使館建設の裏取引にからむなど、どこかきな臭いところもある男。リオオリンピック開催中のいま、実にタイムリーな1本だ。さらに、イタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督作『ある天文学者の恋文』(9月22日公開)で演じるのは、著名な天文学者エド。彼は突然命を落とすが、教え子であった恋人の元には、その後もエドからの優しさとユーモアにあふれた手紙やメールや贈り物が届き続けるという愛にあふれたミステリーとなっている。アカデミー賞作曲家のエンニオ・モリコーネの心の琴線に触れる優美な旋律にのせ、究極の愛が描かれていく。そして、英国、米国でミニシアター規模ながらスマッシュヒットを記録、その後もヨーロッパ、アジアと世界中で涙と喝采の輪を広げ続けている『奇蹟がくれた数式』(10月22日公開)も控えている。ケンブリッジ大学の英国人数学者と、インドの名もなき事務員、生まれも境遇も全く違う2人の天才が出会い、世界を変える奇蹟を起こした実話を描く本作。インドの事務員ラマヌジャンから届いた手紙でその天賦の素質を見抜き、遠く英国まで呼び寄せる著名な数学者G・H・ハーディを演じている。ハーディは、アインシュタインと並ぶ無限の天才といわれるラマヌジャンを見出し、共同研究に人生を懸けながら、彼との交流を通じてその心の氷を溶かしていく英国紳士で、エレガントさと優しさを持ち合わせた人物だ。4作ともジャンルや時代背景、役柄はそれぞれだが、どのキャラクターも説得力をもって演じ分けているジェレミー。これらの作品で、彼の渋い魅力に触れてみては!『奇蹟がくれた数式』は10月22日(土)より角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月09日2012年に鮮烈なデビューを飾って以来、ジャズ・シーンの若き担い手として注目されている桑原あい。彼女の4枚目のアルバム『ラブ・テーマ』は、桑原(ピアノ)と森田悠介(エレクトリックベース)、須川崇志(アコースティックベース)、石若駿(ドラムス)による、桑原あいトリオ・プロジェクトのカバーアルバムだ。冒頭から映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)の名曲『デボラのテーマ』に挑むなど、彼女の内的世界が映像となって浮かび上がるような全10曲。本作に込めた想いを、桑原に聞いた。【チケット情報はこちら】「実は私、自分のことをあまり"ジャズピアニスト"だとは思っていなくて(笑)。クラシックは今でもよく弾いているし、ミュージカルも映画も大好き。ジャンルを気にせず観たり聴いたりしてきた結果、今回は"好きなもの"ばかりが詰まったアルバムになったと思います」という桑原。その言葉通り、爽やかな『Here There and Everywhere』(レノン&マッカートニー)、美しく力強い『Finale(Tango Apasionado)』(ピアソラ)、プレーヤー全員が参加した『A Journey To Reedham』(スクエアプッシャー)、さらにマイルス・デイビスの名演で有名な『In Your Own Sweet Way』を桑原がゆったりとしたソロで聴かせるなど、次々と登場する曲はどれも鮮やかに異なる色彩を放つ。さらに注目したいのは、全曲を一発録りした点。桑原は「ずっとエンニオ・モリコーネ(『ニュー・シネマ・パラダイス』などの音楽も担当した巨匠)の大ファン。だから彼の『デボラのテーマ』は特に緊張しました」と語る。「でもリハーサルをやってから録るのは、音の道すじが見えてしまうようでイヤだったんです。個人的なエゴイズムなどを越えて、大きな意味での"愛"を表すこの曲を、心を研ぎ澄ませて出てきたものだけで奏でたかった」と桑原は言う。「5分くらいで録り終えたかと思った(笑)」という同曲は、実に11分。静謐かつライブ感あふれる1曲だ。一方、キューブリック監督の映画『バリー・リンドン』(1975年)からインスパイアされて桑原がアレンジした「ラブ・テーマ」は、映画が描く18世紀アイルランドの空気感をドラマチックに醸し出す。ちなみにアルバムタイトルも同じだが、こちらは「音楽そのものへの愛と、音楽家たちが刻んできた歴史へのリスペクトを込めました」と桑原は言う。「カバーだからといって、自分たちのものにするなんて気持ちは一切ない。全ての原曲の美しさをどこまで残せるかだよねって、皆で話しながらレコーディングしたんです」と、先人たちへの熱い想いを語ってくれた。それでもこぼれ落ちるものが個性というのなら、ここにそれがあるのは明白だ。瑞々しいアプローチの軌跡を、本作でぜひ味わってほしい。桑原あいは7月12日(火)に東京・東京オペラシティリサイタルホール、12月7日(水)に東京・サントリーホールブルーローズ(小ホール)で公演を開催。チケット一般発売は5月21(土)午前10時より。取材・文:佐藤さくら
2016年05月20日エンゲル係数が、最近また注目されはじめています。エンゲル係数とは、食費にかかるお金が家計(消費支出)の何%を占めるかを表したもの。2015年末に発表された家計調査の結果、2015年11月のエンゲル係数は25.7%。7ヶ月連続で25%を超えたのです。■エンゲル係数が高いとどうなる?エンゲル係数(%)=食料費÷消費支出×100エンゲル係数が高くなるほど、食費以外にお金がまわせない状態で、生活は苦しくなるとされています。総務省の家計調査によると終戦直後、昭和22年の全世帯のエンゲル係数は63%と高く、昭和28年は48.5%、昭和37年は39%、昭和54年は29.2%と、生活が豊かになるにつれ下がっています。なお、2013年の全世帯のエンゲル係数の平均は22.1%でした(全国2人以上の世帯のうち勤労者世帯)。逆にエンゲル係数が低いということは、食費以外の衣服やレジャーなどにお金が回せる状態。つまり生活が豊かである証しだったわけです。■エンゲル係数が上昇している原因そのエンゲル係数が、ここに来て上昇しはじめました。なぜでしょうか?大きな原因のひとつは、間違いなく「消費増税」です。そしてもうひとつが「円安」です。円安によって輸入品の値段が上昇したということで、事実、ここ最近はニュースを見れば値上がりのニュースばかりです。しかし、それ以外のもうひとつの大きな原因は、「共働き世帯」ではないかと考えられているのです。共働き世帯が増えたことが、エンゲル係数を増加させているということ。通常であれば、共働きして収入が増えるわけですから、食費が上がっても相対的なエンゲル係数は下がるはずです。たとえば、次のようになります。[一般世帯]1ヶ月総支出20万円 → 食費5万円 → エンゲル係数25%[共働き世帯]1ヶ月総支出30万円 → 食費7万円 → エンゲル係数23%たしかに、お客様の家計相談にのっていると、ここ数年は正社員での共働きが増えてきた印象を受けます。育児休業制度の拡充や時間短縮勤務の義務化により、待機児童問題等はあるものの、子育てしながら働きやすい環境が整いつつあるのでしょう。■ご褒美が多くなりすぎている現状子育てしながらの正社員勤務は本当に大変です。ぎりぎりまで働き、子どもを保育園まで迎えに行き、帰ればすぐに家事。毎日壮絶な日々です。だからこそ、「お惣菜ですませよう」「たまの休みぐらいゆっくり外食でも」と考えても不思議はないでしょう。時短のための食材や外食を利用する機会が重なれば、エンゲル係数は増えていきます。時間の余裕を買うための手段としては、もちろん間違ってはいません。しかし、ここに落とし穴が存在するのも事実。自分や我慢してくれている子どもへのご褒美(外食・レジャー)が多くなりすぎ、お金が貯まらない傾向があるのです。つまり共働きで収入が多くても、貯蓄が増えていかないのです。ご褒美がだめだとはいいませんが、コントロールしていく必要はあるということです。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝) 【参考】※岡崎充輝(2014)『知らないとヤバイシングルのためのお金の話』彩図社
2016年04月05日クエンティン・タランティーノ監督が自身初の本格密室ミステリーを完成させ、音楽を担当した御年87歳の巨匠エンニオ・モリコーネに初のアカデミー賞「作曲賞」をもたらした『ヘイトフル・エイト』。このほど、雪山のロッジに足止めされたワケあり&クセ者8人の中で、紅一点ながらナショナル・ボード・オブ・レビュー「助演女優賞」を受賞、またゴールデン・グローブ賞に続きアカデミー賞「助演女優賞」にもノミネートされたジェニファー・ジェイソン・リーの特別映像が解禁。サミュエル・L・ジャクソンらタランティーノ常連組も大絶賛を贈る、ヘイトフル(憎しみに満ちた)な怪演ぶりに迫った。サミュエル・L・ジャクソンをはじめ、カート・ラッセル、ウォルトン・ゴギンス、ジェームス・パークスなど、タランティーノ作品には欠かせない常連スターたちが勢揃いした本作。ジェニファーが演じるデイジー・ドメルグは、1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の女で、賞金稼ぎのジョン・ルース(ラッセル)に絞首刑にされるべく捕らわれの身。鎖につながれていながら、余計な言葉を発したり横柄な態度をとるため、その度ルースに殴られて顔は痣だらけだ。にも関わらず、常に不敵な笑みを浮かべているデイジーを演じたジェニファーに対し、百戦錬磨のタランティーノ組は「間近で名演を見られるのはうれしいね。彼女はデイジーそのものだ」(ラッセル)、「目を疑うほどの演技で人を圧倒する。彼女の芝居を見ると、全員が“今のを観たか?”と言い合うほどだ」(ゴギンス)、「荒っぽい役だが、喜劇的でもある。間の取り方も最高だ」(ティム・ロス)と大絶賛。「デイジーを演じる姿を見たら驚くよ。“強烈”の一言だ」と、キーパーソンを演じたチャニング・テイタムも語っている。そんなデイジーのキャラクターについて、ジェニファーは「デイジーは怖いもの知らずよ。ある意味、動物的な面もある」と説明。また、ジャクソンも「ゆがんだ性格の人物だ。頭のイカれたサイコパスだと思うかもしれないが、マリリン・マンソン的な人格を内に秘めているんだ」と分析する。ジェニファーは、今回タランティーノの作品に初参加することについて「私にとって、ものすごく興奮する出来事だったわ。だって私はクエンティンの映画がとても好きだし、彼のような人は他にいないもの。彼の作ったセリフを話せて、彼に監督してもらえるなんて信じられないわ」とその熱い想いを吐露。さらに、「彼は本当に俳優を理解している監督で、そばで見ているとよく分かるけど、本当にすばらしいの。1人の俳優から見て、言葉で表現できないわ。つまり彼にはそう、情熱がある。彼は心から俳優を愛していて、信じがたいほど熱心よ。自分はとても自由で守られているという気持ちにさせてくれるわ」と、その人柄や仕事に対する姿勢を称える。さらに、「この映画には実は高価だということをまったく感じさせない。これは70mmフィルムの映画で、ものすごく予算がかかっている作品なの。それだけ大きな作品なんだけど、彼が監督をしていると、そういったプレッシャーをまったく感じなくて済むのよ」と思いを込めてふり返った。そんな強烈なキャラを怪演するジェイソン・リーの姿を、こちらから確かめてみて。『ヘイトフル・エイト』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年03月05日クエンティン・タランティーノ監督初の本格密室ミステリーとなる長編第8作『ヘイトフル・エイト』。このほど、愛あふれる“映画オタク”として知られるタランティーノ監督が、全米公開時にも話題を呼んだ70ミリフィルムでの撮影について、その思いを明かしてくれた。舞台は、南北戦争直後のある山の上のロッジ。登場人物は吹雪で足止めを食らい、一夜をともにすることになったワケありの7人の男と1人の女。そこで起こる殺人事件。ぶつかり合う“嘘”と“嘘”、やがて浮かび上がる予想外の“真相”。雪の密室に閉じ込められたクセ者8人のうち、生き残るのはいったい誰!?オープニングからすべての会話と視線、何気ない身振りに巧妙かつ緻密な伏線が仕掛けられ、タランティーノ印のブラックな笑いと過剰なアクションがかつてない密室ミステリーを彩る本作。先日の第73回ゴールデン・グローブ賞では、巨匠エンニオ・モリコーネが「作曲賞」を受賞。第88回アカデミー賞では、怪演を見せるタランティーノ作品初参加のジェニファー・ジェイソン・リーの「助演女優賞」ほか「作曲賞」「撮影賞」(ロバート・リチャードソン)にノミネートされている。現在の映画界は、デジタルの台頭で伝統的なフィルムでの映画撮影は廃れつつある。その状況を憂いたタランティーノは、2014年、映画会社やクリストファー・ノーラン、J・J・エイブラムスらと協力して、老舗フィルムメーカー、コダックがフィルムを製造し続けられるよう救済に乗り出した。そのコダックの全面協力によって実現を果たしたのが、本作なのだ。全米公開時にも、昔ながらのワイドスクリーンで投射する70ミリフィルムでの限定公開は話題となった。なぜ、70ミリにこだわるのか?タランティーノは、「寒々とした雪の風景や、ロケーションの美しさを表現するには70ミリが最適だ」と語る。「僕は処女作『レザボア・ドッグス』のときから分かっていた。あの映画は終始、倉庫の中で展開するにも関わらずシネマスコープだったので、みんなに言われたものだ。『倉庫の中で撮影するのに、君は処女作をシネマスコープで撮影しているのか?』とね。こういう大きなフォーマットは、さらなる親密さをもたらしてくれると、僕は信じている。クローズアップで大きく映し出されると、その映画のキャラクターの内面に侵入できる感じがするんだよ」と持論を熱弁。続けて、「映画では、『アクション!』の掛け声で、撮影現場に特別な魔法が訪れる。『カット!』と叫んでテープが止まるまでね。それは聖なる時間、特別な時間だ。人々は手を止めて撮影を見守る。そこにお金と時間がつぎこまれる。フィルムがカメラを通過して映像を刻み込む。誰もそれが当然だとは思っていない。特別な経験だよ」とその思いを明かしている。そんな特別な想いを抱いているのは俳優陣も同じだったようで、本作で、元騎兵隊の少佐で賞金稼ぎのマーキス・ウォーレンを演じるサミュエル・L・ジャクソンは、70ミリフィルムでの撮影は「観客を映画の美しさやそのスケールの虜にするためのとても効果的な要素への力強いオマージュだ。それはハリウッドをかつての巨大なステージへと戻すものだ。ある意味ではこの映画自体に壮大な景色という要素があるわけだし、ここで細かく描かれているディテールにはすっかり心を奪われるよ」と語り、その出来に太鼓判を押している。日本では残念ながら70ミリ上映は“物理的な理由”から実現される予定はないものの、スクリーンではタランティーノがこだわりぬいた映像を、70ミリフィルムと同じワイドな画角で堪能できるという。『ヘイトフル・エイト』は2月27日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月09日ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)が1月16日、16-17AWメンズコレクションを発表した。「シチリアンウェスタン」と題された今シーズン。ショーには、60年代のマカロニウェスタン映画からインスピレーションを得たステージセットを舞台に、作曲家のエンニオ・モリコーネによる映画のサウンドトラックに合わせて全79体のルックが登場した。フィナーレでは、それぞれディテールの異なる「パジャマ」ルックが披露された。動画引用元: (ドルチェ&ガッバーナオフィシャルYouTube:
2016年01月20日先日、12月21日(現地時間)にハリウッド殿堂入りを果たしたことでも話題を集める、クエンティン・タランティーノ監督の長編8作目となる『ヘイトフル・エイト』。タランティーノ監督も自ら「自身最高傑作」と語る本作から、待望の本予告編映像が解禁となった。雪嵐のなか、山の上のロッジに閉じ込められた、ヘイトフル(憎しみに満ちた)なクセ者8人。やがて、そこで起こる密室殺人。いったい誰が、何の目的で?吹雪が作り出す密室に漂う張り詰めた緊張をほぐすため、またお互いを探り合うため、他愛のない会話をかわす面々。やがて、それぞれの素性がすこしずつ明らかになり、偶然集まったように見えた彼らの過去が繋がり始める――。先日発表された本年度ゴールデン・グローブ賞では「脚本賞」「助演女優賞」「作曲賞」の3部門にノミネート。すでに同賞「脚本賞」を2度手にしているタランティーノ監督が、史上2人目となる3度目の栄冠を手にするのか…。またナショナル・ボード・オブ・レビューで「助演女優賞」を受賞するなど、タランティーノ作品には初参加ながらも、その怪演ぶりで強烈な存在感を放つジェニファー・ジェイソン・リーの受賞にも注目が集まっている。音楽を手がけるのは、『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』などで知られ、タランティーノ監督が敬愛する巨匠エンニオ・モリコーネだ。タランティーノ組常連のサミュエル・L・ジャクソンをはじめ、カート・ラッセル、ティム・ロスら、8人のクセ者たちが順に登場していく今回の予告編。ロッキー山脈の雄大な自然が広がるコロラド州テルユライドに、舞台となるロッジを実際に建て、まさに手つかずの雪山の中で撮影は行われたという。さらに、ロサンゼルスでのセット撮影でも、テルユライドの空気感をそのまま再現するため、スタジオ内の温度をなんとマイナス2度に設定。これはタランティーノ監督の意向だったといい、予告映像に映るキャストたちの白い息や寒さにこわばった動き方はまさに本物。そんなタランティーノ監督のこだわりが詰まった、密室の会話劇&ミステリーに、ますます期待が膨らむ映像となっている。『ヘイトフル・エイト』は2016年2月27日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月25日来年1月に決定する第73回ゴールデン・グローブ賞のノミネート発表が10日午前(現地時間)、ロサンゼルスのビヴァリー・ヒルトン・ホテルで発表になり、坂本龍一が『レヴェナント:蘇りし者』で作曲賞にノミネートされた。坂本さんは1987年の『ラスト・エンペラー』、1990年の『シェルタリング・スカイ』で同賞を受賞している。映画部門の候補は以下の通り。最優秀作品賞ドラマ部門『キャロル』『マッドマックス怒りのデス・ロード』『レヴェナント:蘇りし者』『Room』(原題)『スポットライト』(原題)ミュージカル・コメディ部門『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『Joy』(原題)『オデッセイ』『Spy』(原題)『Trainwerck』(原題)最優秀男優賞ドラマ部門ブライアン・クランストン(Trumbo/原題)レオナルド・ディカプリオ(レヴェナント:蘇りし者)マイケル・ファスベンダー(スティーブ・ジョブズ)エディ・レッドメイン(リリーのすべて)ウィル・スミス(Concussion/原題)ミュージカル/コメディ部門クリスチャン・ベイル(マネー・ショート 華麗なる大逆転)スティーヴ・カレル(マネー・ショート 華麗なる大逆転)マット・デイモン(オデッセイ)アル・パチーノ(Dear ダニー 君へのうた)マーク・ラファロ(Infinitely Polar Bear/原題)最優秀女優賞ドラマ部門ケイト・ブランシェット(キャロル)ブリー・ラーソン(Room/原題)ルーニー・マーラ(キャロル)シアーシャ・ローナン(Brooklyn/原題)アリシア・ヴィカンダー(リリーのすべて)ミュージカル/コメディ部門ジェニファー・ローレンス(Joy/原題)メリッサ・マッカーシー(Spy/原題)エイミー・シュマー(Trainwreck/原題)マギー・スミス(The Lady in the Van/原題)リリー・トムリン(GRANDMA/原題)最優秀助演男優賞ポール・ダノ(ラブ&マーシー終わらないメロディー)イドリス・エルバ(ビースト・オブ・ノー・ネイション)マーク・ライランス(ブリッジ・オブ・スパイ)マイケル・シャノン(ドリーム ホーム99%を操る男たち)シルヴェスター・スタローン(クリード)最優秀助演女優賞ジェーン・フォンダ(Youth/原題)ジェニファー・ジェイソン・リー(ヘイトフル・エイト)ヘレン・ミレン(Trumbo/原題)アリシア・ヴィカンダー(Ex Machina)ケイト・ウィンスレット(スティーブ・ジョブズ)最優秀監督賞トッド・ヘインズ(キャロル)アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(レヴェナント:蘇りし者)トム・マッカーシー(スポットライト(原題))ジョージ・ミラー(マッドマックス 怒りのデス・ロード)リドリー・スコット(オデッセイ)最優秀脚本賞エマ・ドノヒュー(Room/原題)トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー(Spotlight/原題)チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ(マネー・ショート 華麗なる大逆転)アーロン・ソーキン(スティーブ・ジョブズ)クエンティン・タランティーノ(ヘイトフル・エイト)最優秀アニメーション映画賞『Anomalisa』(原題)『アーロと少年』『インサイド・ヘッド』『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』最優秀外国語映画賞『The Brand New Testament』(フランス、ベルギー、リュクセンブルグ)『The Club』(チリ)『The Fence』(ドイツ、エストニア、フィンランド)『Mustang』(フランス)『サウルの息子』(ハンガリー)最優秀作曲賞カーター・バーウェル(キャロル)アレクサンダー・デスプラ(リリーのすべて)エンニオ・モリコーネ(ヘイトフル・エイト/原題)ダニエル・ペンバートン(スティーブ・ジョブズ)坂本龍一、アルヴァ・ノト(レヴェナント:蘇りし者)最優秀歌曲賞Love Me Like You Do(フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ)One Kind of Love(ラブ&マーシー終わらないメロディー)See You Again(ワイルド・スピード SKY MISSION)Simple Song #3(Youth/原題)Writing’s on the Wall(007 スペクター)ゴールデン・グローブ賞の結果発表は来年1月10日(現地時間)になる。(text:Yuki Tominaga)
2015年12月11日シネマカフェがおすすめするサウンドトラック入門。7回目の今回は、毎度洒落た音楽使いに定評があるイギリス監督の新作と、普及の名作を最新アニメーションで描いた話題の作品の映画音楽をご紹介。■『コードネームU.N.C.L.E』60年代に放送されたTVシリーズ「ナポレオン・ソロ」を、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』や『スナッチ』で知られるガイ・リッチーがリメイクした『コードネームU.N.C.L.E.』。いかにもなスパイルックのヘンリー・カヴィルのスーツ姿といい、ヒロインのアリシア・ヴィキャンデルや敵役のエリザベス・デビッキたちが装う60’s感溢れるファッションなど、作品全体に洒落た印象を受ける本作においても、ガイ・リッチー的なアクセントの効いた音楽がちりばめられている。これまでロンドンのならず者たちのサウンドトラックとしてさまざまな楽曲を使用してきたガイ・リッチーだが、前作、前々作にあたる『シャーロック・ホームズ』『シャーロック・ホームズ/シャドウ・ゲーム』においてはサントラ界の重鎮ハンス・ジマーを起用し、ガイ・リッチー的な遊びも盛り込みつつ、大作然としたかなり気合の入った作りではあった。本作においては、リドリー・スコット『悪の法則』や『カムバック!』などを手がけるダニエル・ペンバートンを抜擢。彼は来年1月公開のアカデミー賞有力作『スティーブ・ジョブズ』の音楽も手掛けており、今後さらなる注目を集めるであろう作曲家のひとりだ。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に『キングスマン』、さらには『007スペクター』の公開を控え、スパイ映画隆盛を極める今年。スパイ映画といえば印象的なテーマ曲は不可欠だが、本作における「His Name Is Napoleon Solo」や「Escape from the Berlin」は、耳に残る楽曲として作品全体の統一感のあるデザイン性に大きく寄与している。ほかにも、“カウボーイ”とイリヤから茶化されるナポレオンをネタ化したような楽曲や、イタリアを舞台に繰り広げられるシーンのバックグラウンドには、巨匠エンニオ・モリコーネへのオマージュが感じられる楽曲が使用されており、かなり映画音楽的な満腹感がある。ほかにも、映画冒頭から流れる「やさしく歌って(Killing Me Softly with his Song)」で知られるロバータ・フラックの「Compared to What」や、パジャマ姿で踊るアリシアが最高にキュートなシーンでかかるソロモン・バークの「Cry to Me」、エンディングのニーナ・シモン「Take Care of Buisiness」、さらには芸人ヒロシのネタBGMとして知られるカンツォーネの楽曲「Che Vuole Questa Musica Stasera」なども色を添え、60年代感とガイ・リッチーによるモダンな解釈が感じられる粋な一枚としておすすめだ。■『リトルプリンス星の王子さまと私』大ヒットも報じられたサン・テグジュペリの不朽の名作「星の王子さま」のその後の世界を描く『リトルプリンス星の王子さまと私』。監督を務めるマーク・オズボーンの前作『カンフーパンダ』に引き続き、音楽はハンス・ジマーが担当している。本コラムにおいては、以前ニール・ブロムカンプ監督作『チャッピー』のサントラにおいてハンス・ジマーの作品に触れたが、本年度はこれらの以外にも公開中の『黄金のアデーレ名画の帰還』や『サン・オブ・ゴッド』、『ターミネーター:新起動ジェニシス』で音楽総指揮を務め、来年も既に『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を手がけることも決定しており、相変わらず引っ張りだこの状態のようだ。本作においては、アカデミー賞ノミネートの『インターステラー』にて指揮を担当したリチャード・ハーヴェイと連名でクレジットされおり、安定のクオリティを感じることができる充実の一枚。作品ごとに見事にサウンドを変化させるハンス・ジマーだが、本作においては王道的なオーケストラサウンドと繊細なピアノの旋律とヴァイオリンが美しい、感動的な内容に仕上がっている。3DCGとストップモーションというによるハイブリッドアニメーションという体裁をとる本作において、さまざまな感情の機微を情感豊かな楽曲でドラマチックに彩っている。そして何より本作の大きな特徴は、映画冒頭から心地よく響くフランス人歌手のカミーユとのコラボレーション楽曲が随所に使用されているところだろう。彼女のハミングがオーケストラに溶け込む楽曲や、彼女の歌が中心となった楽曲に豊かなアレンジが加えられたりと、インストゥルメンタルに馴染みがない人にとっても、とても耳馴染みがよく心地い良い一枚だ。フレンチポップ好きにもぜひおすすめしたい。(Text:Toshihiro Horiai)■関連作品:コードネーム U.N.C.L.E. 2015年11月14日より全国にて公開(C) 2015 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedリトルプリンス 星の王子さまと私 2015年11月21日より全国にて公開2015 LPPTV – LITTLE PRINCESS – ON ENT – ORANGE STUDIO - M6 FILMS – LUCKY RED
2015年11月30日花とアリスが帰ってきた。『花とアリス』の公開から11年を経て、ふたりが出会うまでの前日譚を描く『花とアリス殺人事件』。本作で岩井俊二監督は、初のアニメーション長編作品に挑んでいる。しかしながら、なぜいま花とアリスなのだろうか?そしてこのタイトルの意味は?さまざまな疑問符が浮かぶ中、稀代の映像作家である岩井監督がどんなアニメショーンを仕上げてくれるのかと、大きな期待が寄せられたはずだ。インタビューでは、前作をふり返りながらストーリーの発端となったエピソードをはじめ、新境地であるアニメ制作の裏側、さらに音楽家としての一面など多岐に渡り、稀代の才能である岩井監督の等身大の姿を垣間見ることができた。海外のキャストを迎え、全編英語で展開された『ヴァンパイア』以来、オリジナル作品としては3年ぶりとなる本作。岩井監督のフィルモグラフィーを見渡してみると、続編といったかたちで制作されたのは、『打ち上げ花火 横からみるか?下からみるか?』に続く作品として制作された『少年たちは花火を横から見たかった』があるが、こちらはドキュメンタリーという体裁をとっており、フィクション=物語としての続編作品は本作がはじめてとなる。今回の前日譚が生まれた経緯について訪ねると、「既に存在していた」と岩井監督は語る。「今回の企画自体は、前作『花とアリス』を作ったあとに、ある種続編的な位置づけで、脚本としてはその時点で存在していたんです。その時に、アニメ企画で立ち上げたんですけど、予算とかいろんな都合があって、実現のところまでいかなくて、途中で立ち消えになっちゃったんですよね。今回はたまたま、こんな企画あるんだけどって話したら興味をもっていただいて、じゃあやろうかという流れで実現しました」。実写として撮影された画をもとに、上から線でなぞるロトスコープというアニメーション手法で制作された本作。岩井監督は、昨年WEBで公開された『TOWN WORKERS』ですでにロトスコープを導入している。タウンワークとのコラボレーションとして制作されたショートストーリーの同作は、岩井監督初のアニメ作品として大きな注目を集めたが、長編アニメーションとしては今回が初となる。これまでに、その圧倒的なクオリティの美しい実写映像作品を数多く世に送り出している岩井監督だが、ロトスコープでは監督最大の武器とも言える実写映像があくまで素材として使用され、そこからロトスコープに変換されていく作業が始まる。「ふたつ分」の作業だったと語る制作過程について聞いてみた。「実写の場合は撮って編集で仕上げてしまえば終わりなんですが、今回はそこからアニメの制作が始まるので、ふたつ分の現場をやったような感じではありましたね。 まずはオーディションで役者さんを選んで、実際に撮影を行いました。ロトスコープの場合は、映像はあくまで素材になるので、ひとりで何役もやっていたりしますよ。20日間くらいかけて撮りましたね。それをベースに3D CGを作ったり、ロトスコープとして手描きでなぞって。さらに3D CGであがったものを手描きで修正したりとかいろんなことをやって、こういう仕上がりになった感じです」。今回の制作を振り返る中で、表現としての実写とアニメの違いについて、その“ダイナミズム”の差異について岩井監督は「実写だと普通に見えちゃうはずのものが、アニメだと妙な凄みを持つことが多々あるんです」と語る。「実写だとほぼ無理なんですけど、顔のアップをあまり使わないで済んだっていうのは意外でしたね。アニメ、とくにロトスコープっていうのは、人の全身が写っているサイズで動いてるときに一番存在感を発揮する気がしていて。その時の凄みっていうのは、なかなか実写だと出ないんです。同じサイズで人が動いててもあんまり印象に残らなかったり、なかなか間が持たなかったりするので、どうしてもアップに逃げたりしがちなんですけど。たぶんこれと同じことを実写でやったら、ややアート色の強い映画みたいな、観客が入っていけない作品に見えると思うんですよね。ところが、アニメだとそう見えなくて、全然普通に見える。そんな風に、ダイナミズム感が違うんです」。そして『花とアリス』の世界において、なによりもその魅力的なキャラクターである荒井花=“花”演じる鈴木杏と、有栖川徹子=“アリス”演じる蒼井優は本作においても出演。花とアリスとの再会は11年ぶりとなるが、岩井監督は自然と作品の世界に入っていったようだ。「蒼井優と鈴木杏に会って、久しぶりと言いつつも、不思議と前の撮影がこないだあったような感覚になるんですよね。『花とアリス』の撮影の仕上げの時期と感覚が直結してくるというか…。『花とアリス』は、映画の中で出てくるバレー教室でリハーサルをやるところからはじめたんですけど、そんな日を思い出したりしました」。そして、『花とアリス』の世界のもうひとつの大きな魅力は、美しい映像を彩るピアノとストリングスを基調とした瑞々しい音楽だ。『花とアリス』の代表的なシーンとも言える、オーディションでアリスがバレエを披露する場面の楽曲など、美しい旋律が全編で展開されるサウンドトラックは、岩井俊二自身が制作している。本作では、岩井監督自身が参加する音楽ユニット「ヘクとパスカル」が監督と同じく音楽担当としてクレジットされ、前作との制作過程の違いについて伺うと、音楽家としての顔も持つ岩井監督の妥協なきこだわりが明かされた。「前回はオールコンピュータで、ひとりでパソコンに向かい合いながらずっと音楽制作をやっていたんです。打ち込みでどこまでやれるかっていう、音を聞いてデジタルだって思われないところまでどうやってもっていくのかということに、ただひとりひたすらこだわっていました。繰り返し繰り返しエンニオ・モリコーネのサントラを一日中聞き込んで、それに近いバイオリン音源を数か月かけて探したんですけど、ほとんど駄目でしたね。その中でかろうじて使えるのが出てきたんですけど、それはもう感動でしたけどね。今回はそのスコアをベースに、『ヘクとパスカル』の桑原さんにアレンジをお願いしました。桑原さんはプロとして活動をしているので、アレンジしたらスタジオに入って演奏して終わり。基本的にはピアノは桑原さんが弾いて、弦とかは他のミュージシャンに頼んで演奏してもらいました」。『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』をはじめ、完成された世界観と語られるストーリーの力が強く印象を残す岩井作品の中では、自然なタッチが特徴の『花とアリス』は、他の作品とは少し趣が異なるように思える。岩井監督が明かしたように、自然発生的なエピソードの数々が描かれ、自然体の岩井俊二が堪能できる本作を、自身は“エッセーのようだ”と語っている。「『花とアリス』はあの仕上がりになりつつも、なんだか食い足りなくて、エピソードゼロとして続編を考えて書いたのが今回の作品ですね。そういう意味ではゆるく長い付き合いだったと思います。考えてみると、自分の日常的な人生観とか、そういうのが意外と出やすかったというか、ちょっとエッセーに近い作品だったと思うんですよね。主人公があるできごとに出会いながら、ストーリーを解決して終わるっていうのがスタンダードとしてあると思うんですけど、ほっとけばどこまでも行ってしまうような話って、意外にありそうで少なくて、今回が初めてだった気がしますね」。最後に、今後のアニメ制作への意欲について尋ねると、少し意外にも思えるアイデアを語ってくれた。「予定はまだありませんけど、またやりたい気持ちはありますね。やっている間中おもしろかったですね。だいぶ作り方がわかったので次はもうちょっと安定的に作れたらなあと思います(笑)。ロトスコープは実は時代劇に向いてるなって思ってるんです。3D CGでも着物の表現って難しいと思うんですよね。そのときに、ロトスコープならほぼ正確に表現できるんで、時代劇はあってるんだよなっていう。ぼくがいきなり時代劇やるのって違和感あると思いますが」。インタビューの中で何より印象的だったのは、さまざまなジャンルを越境する才人としての岩井俊二の姿ではなく、実直に、ひとつひとつの創作を妥協なく繰り返してきた時間の積み重ねが、岩井俊二という存在を確かに形作っているということだった。自身を“不器用”だと語る監督の、表現を探求するものとしての真摯な姿勢、さらには、作家性の高い作品を数多く残しながらも、常に表現としてのバランスへの目配りを忘れない姿から、等身大でありながら自身の才能を発揮している岩井俊二という存在を少し垣間見ることができたように思う。アニメという新たな表現に向かいながらも、自分自身であることを貫き続ける岩井俊二。新作も控えているとのことで、これからもどんな映画を見せてくれるのか、大いに期待したい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:花とアリス殺人事件 2015年2月20日より全国にて公開(C) 花とアリス殺人事件製作委員会
2015年08月11日