「エーペラ」とは「英語ペラペラ」のこと。息子さんが4年生になったある日、担任の先生から成績について「もう少しがんばりましょう」とコメントをもらってしまった、神奈川県在住の主婦なかやまさん。これはいかんと勉強の仕方を見直すことにしたのだそう。それまでほとんど英語教育をしてこなかった息子に集中的に英語学習をさせたところ、なんと10月の英検で5級にパス。1月の4級も難なくクリアし、驚くほどの速さで英語を習得しました。どうすればそんな短期間で英語力をUPできるのか? そのノウハウをなかやまさんに教えてもらいました。ABCを習い始めてから半年で英検4級に合格。9歳からでも遅くない!(写真:なかやまさん提供)公文で“毎日学習する”というクセをつけるこのままでは義務教育の中学まで進めても、それ以降が怪しい。先生からの注意を受け、それならば中学の内申書に有利な検定モノをとっておくのがいいのでは、となかやまさんは考えました。しかしながら、とにかくこれまで学習に関しては放置状態だった息子に、どうやって勉強させるか?まず始めたのは、公文。学習する習慣をつけたかったためで、お試しで算数、国語、英語の3教科で通塾したところ、もっとも彼が興味をもったのが英語だったそう。2016年6月の終わりのことです。海外旅行やプチ母子留学は経験があるものの、英語教育はほとんどしたことがかなったなかやまさん。ご本人も英語にはあまり自信がなく、息子にいたっては9歳にしてABCから学ぶ状態からのスタートです。だけど、予算が限られている中、やみくもにあれこれやっても仕方がない。英語には興味を持っているし、英検でも合格していれば、高校受験の際に有利になる。というわけで、学習教科を英語1本に絞り、とりあえず10月にある英検5級の合格を目指すことにしました。「フォニックス」で英語のシステムを知る英検に申し込むと、「スタディ ギア」という英検の公式スタディアプリを利用することができます。こちらは無料で利用できますが、アップグレードして有料のプレミアムコースに申し込むことも可能。まずは無料のギアに申し込み、基本的にはスタディギアと公文が学習の二本柱となりました。ほかに、ネットで見つけた英語圏の小学校でおなじみの学習法、「フォニックス」も家庭学習に取り入れました。これはアルファベットの母音と子音の発音から、その組み合わせでどのように単語を読む(発音する)のか、英語の読み書きのシステムを学びます。利用したのはLeap Frogという教材。英語圏では未就学児向けではありますが、息子くんもゲーム感覚で楽しく学べたようで、街を歩いていて、アルファベット表記のものを見つけるとそれを自分で発音してみるようになりました。無料で読める英語の教科書で多読にトライなんとなく英語が読めるようになってきたら、今度は多読に挑戦です。なかやま家が取り入れたのは、Oxford Reading Tree。英国の小学校の国語(つまり英語ですね)学習によく使われる教材で、ここでも未就学児のレベルからスタート。フォニックスによって英語のしくみを知った彼にとっては読んでみること自体が楽しいので、自ら進んで本を開くように。CD付きの本なので、それを聴かせることで耳も鍛えます。ただ、これらは洋書なので、日本で購入となるとけっこうな値段になります。そのため、なかやまさんはコンテンツを公開している出版社の、ライブラリを発見し、こちらを利用。もちろん音声までも再生可能な優れものです。無料で閲覧できるものが200冊以上もあるため、とても重宝したといいます。意味がわからなくても読む。単語をそれだけ覚えても使えるようにはならないので、ストーリーから入る、というネイティブが英語を学ぶのと同じ方法を取り入れました。1セット6冊、CDが付いて4500円。レベルが上がると値段も少々上がる。主人公の生活を追いながら、レベルに応じた英語で学ぶ(写真:なかやまさん提供)英語を学習する習慣でほかの教科も自然にアップこうして迎えた10月。英検5級にいよいよ挑戦です。公文でいえば英語の基本中の基本、アルファベットの学習がAで、Bは単語の勉強、Cはもう少し難しい単語、と続いていくのですが、この進み方でいえばGあたりから英検5級の合格圏に入るそう。このときまでに彼の進捗状況はFまででしたが、すでに英検には申し込んでいたので受けさせます。かくして結果は…合格!5級合格は未就学児も多いものの、英語知識がゼロからわずか3か月での合格ですから、よくがんばったといえるでしょう。同じように英語学習を続け、スタディギアをプレミアム(ベーシックを利用中の人は半額。3カ月チケットにしたので、4875円)にアップグレード、加えてオンライン英会話もはじめて2017年1月の4級にもトライ。こちらも見事、合格しています(ちなみにオンライン英会話は、スカイプを使って、講師とマン・ツー・マンで英会話をするもの。なかやまさんは「DMM英会話」を利用)。継続的に学習する習慣がついた息子くんは、算数や理科などほかの教科でも成績があがったのだそうで、算数のクラス分けではトップに、好きな科目は理科と、勉強に対して意欲的になりました。伸びそうなものをいち早く見つけ、そこに照準を絞ったことで勉強することの楽しさを見出すことができたのです。小学校卒業までに3級に合格していればいいかな、程度に考えていたなかやまさんですが、今では「子どもの脳は使わなければ損!」と言い切り、さらなる上を目指しています。ちょうど息子の誕生日に自宅に届いた5級合格証。よくがんばりました!(写真:なかやまさん提供)なかやまさんが使った教材をざっと整理してみると以下のとおり。・公文(勉強の習慣をつけるために)1教科6480円・英検の「スタディ ギア」ベーシックコース⇒ 無料・「スタディ ギア」プレミアムにアップグレード⇒3カ月で4875円※ベーシックコース利用者はアップグレード料金が半額になります・Leap Frog(フォニックスの勉強に)⇒3000円前後・Oxford Reading Tree(多読に)⇒6冊セットCD付き4500円~、ネットで公開されているものなら無料・DMM英会話(会話の練習に)⇒スタンダードプラン月5500円なかやまさんの親子学習ブログに細かく学習の様子が書かれています。おやこども英語~目指せエーペラ~<取材・文:フリーランス記者岩佐 史絵>
2017年03月28日