映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が、2020年10月9日(金)より、新宿シネマカリテ、シネクイント他全国ロードショー。新進気鋭の映画スタジオA24×プランBが、アカデミー賞作品賞受賞作『ムーンライト』以来のタッグを組む。変わりゆく街の中で、“大切な思い出”を守る若者のストーリー映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は、美しい街並みが魅力的なサンフランシスコが舞台。歴史深いこの街は、近年の急速な発展によって地価が高騰し、代々住んでいた者たちは行き場を失っていた。物語の主人公であるジミー・フェイルズもそのうちのひとり。かつてこの街の“最初の黒人”だったという祖父が建てた、美しいヴィクトリアン様式の家と家族との大切な思い出を守るため、奔走するジミーとその仲間の友情が描かれる。実体験をもとに映像化実は、本作でメガホンを握ったジョー・タルボットと、実名で主演を務めるジミー・フェイルズは幼馴染の仲。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は、フェイルズの実体験を映像に落とし込んだ、パーソナルな物語でもあり、タルボットにとって初の長編作品となる。映像美に映し出される、力強いメッセージ美しい街並みを捉えた映像、スローモーションを活用したカメラワーク、そして登場人物たちの優しくも力強い台詞。「多くの財産を持たなくとも、心の中に大切な居場所とかけがえのない友がいる。それだけで人生はそう悪くないはずだー。」というタルボット監督の言葉通り、映画を通して、“人生にとって、本当に必要なモノとは何か”を、今一度問いただしてくれる。世界の有名映画賞を複数受賞!なお本作は、サンダンス映画祭監督賞・審査員特別賞 ダブル受賞をはじめ、世界中の数々の有名賞を受賞。またオバマ前米大統領が選ぶベストムービー(2019)にも選ばれている。人気イラストレーターによるオリジナルアートポスターも映画公開を祝し、イラストレーターの長場雄、RUMINZ、Ryoga Okamoto がそれぞれ描き下ろしたオリジナルアートポスターが、新宿シネマカリテ・渋谷シネクイントほか全国の劇場に登場。三者三様のタッチで、スケートボードでサンフランシスコの街を走る主人公のジミーとその親友・モントの姿や、ジミーがかつて家族と暮らし、心の拠り所にしているヴィクトリアンハウスなどが描かれている。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』あらすじサンフランシスコで生まれ育ったジミーは、祖父が建て、かつて家族と暮らした記憶の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛していた。変わりゆく街の中にあって、観光名所になっていたその家は、ある日現在の家主が手放すことになり売りに出される。この家に再び住みたいと願い奔走するジミーの思いを、親友モントは、いつも静かに支えていた。今や”最もお金のかかる街”となったサンフランシスコで、彼は自分の心の在り処であるこの家を取り戻すことができるのだろうか。多くの財産をもたなくても、かけがえのない友がいて、心の中には小さいけれど守りたい大切なものをもっている。それだけで、人生はそう悪くないはずだ──。そんなジミーの生き方が、今の時代を生きる私たちに温かい抱擁 のような余韻を残す、忘れがたい物語。作品詳細映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』公開日:2020年10月9日(金) 新宿シネマカリテ、シネクイント他全国ロードショー監督・脚本:ジョー・タルボット脚本:ロブ・リチャート原案:ジョー・タルボット、ジミー・フェイルズ音楽:エミール・モセリ出演:ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メジャース、ロブ・モーガン、ダニー・グローヴァー配給:ファントム・フィルム
2020年06月13日『ムーンライト』を生み出した気鋭スタジオ「A24」と「プランB」が再タッグを組んだ『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(原題:THE LAST BLACK MAN IN SANFRANCISCO)が10月9日(金)より公開決定。ポスタービジュアルと予告編が解禁となった。舞台となるのは、ゴールデン・ゲート・ブリッジや坂道を走る路面電車、優雅に佇むヴィクトリアン様式の家が並ぶ情緒豊かなサンフランシスコ。歴史あるこの街は、急速な発展によって地価が高騰し、富裕層が多く住むようになったことで、代々住んでいた者たちは行き場所を失っていた。主人公を実名で演じる、サンフランシスコで生まれ育ったジミー・フェイルズもその1人。メガホンを執ったジョー・タルボット監督は、幼なじみであるフェイルズが体験してきた物語を自身初の長編映画として作り上げた。本作は、サンダンス映画祭で監督賞と審査員特別賞をW受賞したほか、世界各国の映画祭で高い評価を受け、オバマ前米大統領の2019年のベストムービーにも選出されている。生まれ育った場所が面影も残らないほど変化することで、大切な記憶が上書きされ、自分のアイデンティティまで否定されてしまうような感覚。それは一見パーソナルな物語でありながら、いまや世界中で起きつつある問題を描いている。多くの財産をもたず、大都市の片隅に追いやられても、家族の記憶が宿る美しい家や、かけがえのない親友を大切にするジミー。そんな彼の姿は、「人生にとって、本当に必要なものとは何か」を見つめ直し、寄り添う。解禁となった予告編では、ベイエリアを象徴する汽笛の音が鳴り響き、主人公のジミーと彼の親友・モントが2人でスケートボードに乗り、街をかけ抜けるシーンから始まる。歴史あるサンフランシスコに住んだ“最初の黒人”だったという祖父が建てた、1軒のヴィクトリアンハウス。都市開発によって変わっていく街で、家族との記憶が宿った大切なその家を取り戻そうと奔走するジミーと、それを支えるモントの友情が描かれる。美しい街並みを捉えた映像、スローモーションを活用したカメラワーク、そして登場人物たちの優しくも力強い台詞が印象的で、長編デビュー作であるにもかかわらず、世界各国で絶賛されたジョー・タルボット監督の作家性が垣間見える。予告編の最後は、「多くの財産を持たなくとも、心の中に大切な居場所とかけがえのない友がいる。それだけで人生はそう悪くないはずだー」というタルボット監督の言葉で締めくくられ、詩的な雰囲気を纏いながらも、そのメッセージはいまの時代を生きる私たちの胸に強く響くものとなっている。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は10月9日(金)より新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ 2020年10月9日 新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国公開©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
2020年06月10日黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を押さえつけられて亡くなった事件を発端に、アメリカのみならず世界中で広がりを見せる、黒人に対する暴力や構造的な人種差別への抗議運動「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大切だ)」。日本でも高い関心が寄せられている中、この度、2018年に日本公開されたドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』の緊急再上映が決定した。2017年初頭、オバマ大統領に代わりトランプ政権がスタートしたアメリカで、1本のドキュメンタリー映画が異例のヒットを記録した。アメリカ黒人文学を代表する作家、ジェームズ・ボールドウィン(1924-1987)の原作を映画化した『私はあなたのニグロではない』。本作は、黒人が奴隷として扱われていた20世紀初頭から、ボールドウィンの盟友だった公民権運動のリーダー、キング牧師やマルコムXらが登場する60年代、そして未だ差別が続く現代の「ブラック・ライブズ・マター」に至るまで、連綿と続くアメリカ人種差別と暗殺の歴史に迫ってゆく――。日本でも連日のように、世界各地で人種差別に反対する人々の姿が報道され、アメリカの音楽業界が実施したストライキ「#BlackoutTuesday(ブラックアウト・チューズデー)」に賛同したセレブたちがSNSに黒く塗られた画像を投稿するなど、いま強い関心が寄せられている中、今回の再上映が決定。差別はどうやって作られたのか。誰が差別を必要としたのか監督のラウル・ペックは、映画で語られる言葉のひとつひとつをジェームズ・ボールドウィンの本、エッセイ、インタビュー、講演など、彼が実際に発言した言葉を使って構成した。60年代と現在を交互に映し出す映像に、アメリカの現状を嘆き、鋭く批判するボールドウィンの言葉が重なり、キング牧師の暗殺から50年経ったいまでも人種差別を巡る状況が変わらないことが明るみにされる。テレビCMやハリウッド映画が大衆に刷り込む「正しく美しい」白人の姿と歪められた黒人のイメージ。証言や豊富な記録映像を交え、強制的に作られた黒人への偏見の歴史、無知や先入観が引き起こす"差別の正体"を解き明かす様は衝撃的だ。人々はどのように声を上げ、世界を変えていったのか?映画のラスト、「差別とは何か」を語るボールドウィンの、火のように熱く激しく、知性的で明瞭な名スピーチは、オバマ前大統領やマドンナらが演説で引用するなど、いまなお困難と闘う人々の心を揺るがせ、深い感銘を与えている。不寛容が広がり、分断が危険なまでに深まる時代。本作は、よりよい未来へと歩む道しるべを与えてくれる、こそ必見の映画だ。バラク・オバマ(前アメリカ合衆国大統領)ボールドウィンはこう言ったのです。「向き合っても変わらないこともある。だが向き合わずに変えることはできない」マドンナ(歌手)今すぐこの映画を観に行って!傑作。詩的。痛烈。そして刺激的!この映画に取り組んだ全ての人に感謝します。ボールドウィンに祝福を!「ニューヨーク・タイムズ」『私はあなたのニグロではない』このたった90分ほどの簡潔な映画は、10時間分のドキュメンタリーシリーズや分厚い本に匹敵するほどの知識量と衝撃を与えてくれる。『私はあなたのニグロではない』は6月12日(金)~25日(木)アップリンク吉祥寺、6月19日(金)~25(木)アップリンク京都、6月26日(金)~愛知・刈谷日劇にて再上映。(text:cinemacafe.net)
2020年06月05日17歳の黒人の高校生の知られざる内面に迫り、人間の本質とアメリカがいまも直面する現実をえぐるサスペンスフルなヒューマンドラマ『ルース・エドガー』。この度、主人公ルースを演じたケルヴィン・ハリソン・Jr.を捉えた新場面写真6点が解禁された。本作の最もユニークな特徴は、全編出ずっぱりの主人公ルースが真意不明のミステリアスな存在であること。成績優秀なスポーツマンで、誰とでも分け隔てなく接するオープンな人柄の持ち主。アフリカ系の移民であり、白人の養父母の愛に育まれてトラウマを克服したルースは、若きバラク・オバマの再来とも称され、まさに現代のアメリカン・ドリームそのものだ。だが、J・C・リーの戯曲「Luce」を映画化した本作は、観る者に強烈な問題提起を突きつけてくる。ルースの“完璧な優等生”というイメージは、彼に期待する両親や校長らが一方的に押しつけたものではないのか。それとは真逆の“恐ろしい怪物”という見方も、極端に偏った思い込みなのではないか。人種、容姿、性別、階級、学歴、思想、信仰…いったい人間の“価値”とは、何によって決定されるのか。アメリカという国の歴史や政治をも取り込み、その理想と現実をあぶり出した本作の奥深さに、誰もが感嘆せずにいられないだろう。注目の次世代スター、ケルヴィン・ハリソン・Jr.圧巻の演技力そんなルース役に抜擢されたのは、終末スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』における迫真の演技で注目されたケルヴィン・ハリソン・Jr.。同作品のトレイ・エドワード・シュルツ監督と再び組んだA24配給『WAVES/ウェイブス』でも主演を務めている。奇しくも『ルース・エドガー』と『WAVES/ウェイブス』ではどちらも成績優秀のスポーツマンという高校生を演じているケルヴィンだが、黒髪と金髪の違いもあり、別人のように演じ分けている。本作のルースは陸上部で活躍する一方、討論部の代表として全米大会に出場したこともある、いわゆる“文武両道”の高校生。戦火の国エリトリアで生まれ、7歳の時にアメリカへ渡ってきた彼は、養父母となったエイミー(ナオミ・ワッツ)、ピーター(ティム・ロス)のエドガー夫妻から現在の名前を授かり、幼少期に戦場へ駆り出された悲惨なトラウマを克服。聡明な若者に成長し、将来を嘱望されるルースは、人種のるつぼであるコミュニティの希望の星となっていた。そんなルースがある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソン(オクタヴィア・スペンサー)と対立し、彼の順風満帆の日常が大きく揺らぎ出す。優等生のルースが、実は危険な過激思想に染まっているのではないかというウィルソン教師の衝撃的な“告発”は、ルースの養父母である白人夫婦エイミーとピーターの胸にも疑念を生じさせていく。果たして、ルースは本当に“完璧な優等生”なのか、それとも世間を欺く“恐ろしい怪物”なのだろうか。いままさしくブレイク中の新星ケルヴィンが、まだアイデンティティが確立されていない少年の葛藤を生々しく体現する。『ルース・エドガー』は6月5日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ルース・エドガー 2020年6月5日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2018 DFG PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
2020年06月02日映画『神と共に』シリーズ、ドラマ「100日の郎君様」など、20代を代表する俳優としてもステータスを固めつつある「EXO」D.O.主演『スウィング・キッズ』が、8月5日(水)にリリースされることが決まった。『サニー 永遠の仲間たち』カン・ヒョンチョル監督待望の新作主演のD.O.は、本作では約5か月間に及ぶ猛特訓をこなし、ダンスに魅了された朝鮮人民軍ロ・ギス役を熱演。難易度の高いタップダンスを完璧にこなした迫力あるダンスシーンは必見だ。監督は、『サニー 永遠の仲間たち』のカン・ヒョンチョル。タップダンスと音楽を絶妙に融合させた感覚的な演出、才能とエネルギー溢れる若手俳優たちのシナジー、さらにはジャズの名曲にのせた圧巻のパフォーマンスで、本国では公開わずか9日で観客動員100万人を記録した。“スウィング・キッズ”に豪華キャストも集結!バラク・オバマ前アメリカ大統領のための公演でメインダンサーとして活躍した、元ブロードウェイダンサーで俳優のジャレッド・グライムスが捕虜収容所内で結成された“スウィング・キッズ”のリーダー、ジャクソンを演じて観客を魅了。ドラマ「恋のドキドキ・シェアハウス ~青春時代~」の初々しい魅力で視聴者に一目置かれた女優パク・ヘスは、パク・ボヨン、シム・ウンギョンなど、才能ある新鋭女優を発掘してきたカン・ヒョンチョル監督の新たなミューズとして合流!『エクストリーム・ジョブ』『操作された都市』オ・ジョンセと「七日の王妃」キム・ミンホも息の合ったダンスシーンで魅せる。『スウィング・キッズ』は8月5日(水)よりBlu-ray&DVD発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スウィング・キッズ(2019) 2020年2月21日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2018 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved.
2020年05月16日リーマンショックを超える経済損失があるとも言われている“コロナショック”。すでに日本各地でも、休業や破産を報告する企業や店舗も出始めている。そんな先行きの見えない時代、人々のセーフティネットとなるのが社会保険制度だ。その重要性について、経済ジャーナリストの荻原博子さんはこう語る。「公的医療保険制度がないアメリカでは病気になっても診てもらえない人がたくさんいますが、日本には国民皆保険があります。オバマ前大統領が国民皆保険制度の導入を目指しましたが、トランプ政権になったことで実現に至っていません。ですので、この制度はこれからも守っていかなければならないですし、コロナ禍によって重要性を再認識した人も多いでしょう」そんななか、老後の支えとなる社会保険制度に変化が訪れようとしている。年金制度改正法案が4月から衆議院で審議入りし、厚生年金などの適用条件が拡大される見通しなのだ。今回の改正案の内容についてはこちらが詳しいが、改正後の適用要件は以下の通りだ。・常時従業員101人以上※の企業に勤務していること・週の所定労働時間が20時間以上であること・月額の賃金が8.8万円以上(年収換算で106万円以上)であること・学生でないこと・雇用期間が2か月以上見込まれること※:2022年10月から。24年10月には51人以上の企業に条件が拡大される。この改正によって、24年10月には約70万人のパートなど短時間労働者が厚生年金や健康保険に新たに加入できることになると言われている(厚生労働省調べ)。社会保険加入のメリットについて社労士の石田周平さんはこう語る。「社会保険に加入するメリットを考えると、まず将来、老後にもらえる“年金額が増加”します。そのうえ、“会社が保険料を半分支払って”くれます。ですので、加入後に保険料が差し引かれて手取りが減る部分は、将来的に取り戻せる可能性があります。また社会保険加入の場合の手厚い給付としては、『障害厚生年金』や『遺族厚生年金』もあります。病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合、障害年金が給付されます。国民年金では障害等級が1、2級しかありませんが、厚生年金は1、2級と更に3級と障害手当金の厚生年金独自の障害給付があります。また、傷病手当金や出産手当金などの医療保障の給付も充実します。傷病手当金は健康保険加入者本人が新型コロナなど傷病で働けなくなった状態で、給与の支払いがないときなどに給付されます」しかし今回の改正で適用拡大が実現しても、125万人の労働者が適用されることになる“企業規模要件撤廃”(=適用従業員数に上限を設けないこと)には程遠い。また日本には社会保険が適用されていない労働者は1,000万人以上いると見られており、課題も依然多い。改正法案が抱える問題点を、石田さんはこう指摘する。「2024年10月の段階で、新たに『70万人が適用される見込み』だと聞くと、かなり多くの人が適用の対象となるという印象があります。しかし、“約1千万人もの労働者が適用されていない”という実態からすれば、これでも不十分なんです。厚生年金は企業と労働者が折半する形でほぼ確実に保険料を徴収することができるので、国としては要件を撤廃したいところでしょう。ですが、適用拡大の影響の大きさが業種によって違ってくるんです。パート従業員の比率が高い、小売業、サービス業などは、改正によって会社の負担が大きくなります。国としては、該当する各業界の経営側の声も『よく聞きながら、徐々に』というのが現状なんです」また、個人事業主のもとで働く労働者にとっても、今回の改正は他人事ではない。もともと個人事業所は、常時5人以上の従業員がいる場合、法律で定めた16業種のみが社会保険の強制適用とされてきたが、今回の改正で弁護士や税理士といった“士業”も新たにそこに加わることとなる。しかし、クリーニングや理美容、飲食サービスといった様々な業種の個人事業所には未だ適用されず、社会保険に加入することができない。ここも大きな課題の一つだ。「個人事業所(5人以上)の適用対象に10の士業だけが追加され、他の非適用業種が取り残されていることは、その従業員の側からすると『理不尽だ』という印象を持つことでしょう。従業員の2分の1以上が同意して、厚生労働大臣の認可を受ければ適用対象にすることもできます。事業主の社会保険料負担は大きいが、従業員の労働意欲を向上させる効果は絶大です。今後、社会保険の重要性への理解が拡大されていき、そうした形で適用が増えてくることを期待します」(石田さん)最後に、石田さんは今後の社会保険制度について希望を寄せた。「今後は、すべての世代が安心して働くことができ、老後により安定した生活をおくるために、『所得に応じて社会保険料を決める制度』にしていくべきだと思います。いまは国民年金だけの加入の個人事業主も含めて、『働く人すべてが加入できる社会保険制度』を設計すべきだと思います。つまり“1億総社会保険加入”になっていくのがいいでしょう」コロナ禍によって不安が高まる日本。すべての働く人が安心して暮らすことのできる社会保険制度になっていくことを期待したい。日本労働組合総連合会の年金への取り組みはこちらをチェック!Promoted Content
2020年05月12日もし、第二次世界大戦中に反ユダヤ主義で親ヒトラー派のアメリカ大統領が登場していたら…という設定で描かれたフィリップ・ロスの歴史改変小説を「ゲーム・オブ・スローンズ」のHBO(R)がドラマ化した「プロット・アゲンスト・アメリカ」が日本上陸。この度、Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」での独占配信とBS10 スターチャンネルでの独占日本初放送に先駆け、予告映像が到着した。本作は、第二次世界大戦中の1940年大統領選、反ユダヤ主義で親ヒトラー派の英雄的飛行士チャールズ・リンドバーグが現職のルーズベルトに勝利していたら…という設定のもと、あるユダヤ人家族の視点から急変するアメリカを描いた物語。代表作「さよならコロンバス」など、キリスト教国に暮らすユダヤ人の苦難や葛藤を真正面から扱ってきた現代アメリカを代表する作家、故フィリップ・ロスによる名著「プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが...」(2004年出版)を、良質TVシリーズを続々生み出すHBOがドラマ化した。ウィノナ・ライダー&ジョン・タトゥーロ&ゾーイ・カザンら熱演物語の主人公となるレヴィン家の夫婦を、『ルビー・スパークス』のゾーイ・カザンと「ザ・ミスト」のモーガン・スペクターが演じ、ゾーイ演じるベスの姉で、リンドバーグに傾倒し、レヴィン家にトラブルを巻き起こすエヴリン役をウィノナ・ライダー、ユダヤ教の聖職者でありながらリンドバーグを支持し、彼の政権の参謀となるラビを『バートン・フィンク』のジョン・タトゥーロが演じる。また、『マリッジ・ストーリー』の子役アジー・ロバートソンがレヴィン家の次男フィリップを演じている。「THE WIRE」「DEUCE」クリエイターが再集結オバマ前大統領もお気に入りと公言する傑作ドラマ「THE WIRE/ザ・ワイヤー」のほか、HBOドラマ「HERO 野望の代償」「DEUCE/ポルノストリート in NY」などを制作したデヴィッド・サイモン、エド・バーンズ、ニナ・コストロフ=ノーブルが再びタッグ。さらに、2018年に亡くなった原作著者フィリップ・ロスも生前にサイモンと会い、ドラマ化について賛同し共同製作総指揮としてプロジェクトに参加。1940年代設定のフィクションが、現代社会に強烈なメッセージを投げかける。3月16日に第1話が放送された米国では「Rotten Tomatoes」の批評家票で86%フレッシュを記録。過去に映像化されたフィリップ・ロス作品の中で最高傑作との評価も上がっている。この度解禁された予告映像では、反ユダヤ主義で親ヒトラー派のチャールズ・リンバーグが当選したことにより、国中でユダヤ人差別が激化するのではないかと、アメリカに住むユダヤ人たちが次第に不安に駆られる様子が映し出されている。ただでさえ窮屈な生活を強いられているユダヤ人たちに対して、国は新大統領の当選に湧き、希望に溢れた政権が始まるかのような国民の期待と、さらに辛い未来が見えたユダヤ人の対比が描かれる。さらに、それに反発しようとする主人公一家たち…。現実では、今年11月には大統領選が控えているアメリカ。人種間問題や分断、昨今のコロナの影響で結果が気になるいまこそ、チェックしておくべき海外ドラマとなっている。(text:cinemacafe.net)
2020年05月11日映画『ルース・エドガー』が、2020年6月5日(金)に公開される。少年は“優等生”か、それとも“テロリスト”なのか『ルース・エドガー』は、誰からも称賛される少年の“知られざる真実”を巡って展開するサスペンスフルなヒューマンドラマ。主人公でアフリカ系黒人のルース・エドガーは、成績優秀なスポーツマンで、誰とでも分け隔てなく接するオープンな性格の持ち主。幼少期に、戦場へ駆り出された過酷なトラウマを見事克服し、自由の国アメリカで希望を象徴する存在へと成長した。ある日、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンに危険な過激思想に染まっているのではという疑惑をかけられる。若きバラク・オバマの再来とも称されるルースは“完璧な優等生”か、それとも“恐ろしいテロリスト”なのか。謎めいたルースの内面に迫ることで、人間の謎めいた本質とアメリカの現実をリアルに描きだす。ナオミ・ワッツら豪華キャスト陣本作には、アカデミー賞にノミネート歴のある実力派が勢揃い。主人公のルースを演じるのは、映画『WAVES/ウェイブス』でも主演を務め、次世代スターとして注目を集めるケルヴィン・ハリソン・Jr.。また、ルースを育てた白人の養父母を、ナオミ・ワッツとティム・ロスが演じる。さらに、ルースに疑念を持つ女性教師ウィルソンに、『シェイプ・オブ・ウォーター』で好演したオクタヴィア・スペンサーが抜擢された。あらすじアフリカ、エリトリア出身のルース・エドガーは文武両道に秀でた17歳の高校生。彼は幼少期に戦場へ駆り出された過酷なトラウマを克服し、自由の国アメリカで希望を象徴する存在へと成長した。そんなルースは、ある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立し、順風満帆の日常が大きく揺らぎ出す。ルースが危険な過激思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母である白人夫婦エイミーとピーターの胸にも疑念を生じさせていく。そして、奇妙な事件がウィルソン教師の身に降りかかることに。はたしてルースは本当に“完璧な優等生”なのか、それとも世間を欺く“恐ろしいテロリスト”になり得るのだろうか…。【詳細】『ルース・エドガー』公開日:2020年6月5日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開監督・脚本:ジュリアス・オナー製作:ジュリアス・オナー出演: ナオミ・ワッツ、オクタヴィア・スペンサー、ケルヴィン・ハリソン・Jr、ティム・ロス配給:キノフィルムズ/東京テアトル
2020年03月14日サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)の2020年秋冬ウィメンズコレクションが、2020年2月22日(土)、イタリア・ミラノで発表された。テーマは「Metamodern Woman」。女性らしさの多様性を探求今シーズンのサルヴァトーレ フェラガモが探求しているのは、“女性らしさ”の多様性。“女性らしさ”の定義は流動的かつ自由なものであるとしたうえで、イギリスの小説家 ヴァージニア・ウルフや、アメリカ合衆国の元大統領バラク・オバマの妻 ミシェル・オバマなど、現代を象徴し活躍する女性たちからインスピレーションを得た、知性に溢れ、柔軟で、勇敢な女性像を創り上げている。センシュアリティを引き出すマスキュリン1つのアプローチとしては、マスキュリンなムードを打ち出しながら、女性のセンシュアリティを引き出す手法があげられる。ピークドラペルのジャケットとハイウエストパンツを組み合わせたマニッシュなスーツスタイルは、時には胸元を露にするブラトップを差し込んでセクシーに。時にはウエストにコルセットベルトを巻いてボディラインを強調している。ダイナミックなシルエットのレザーウェアサルヴァトーレ フェラガモが得意とするレザーウェアは、ダイナミックなシルエットやカッティングが印象的。しなやかなレザーで流れるようなドレープを生み出したアシンメトリーのドレスや、構築的にカットしたレザーをマントのようにあしらったアシンメトリーなロングコートなどがコレクション全体に躍動感をもたらす。ボタニカル柄やきらきらチェーンでアクセントカラーはキャメル、グレー、バーガンディ、ブラックなど落ち着きのあるパレットがメイン。そこに、サルヴァトーレ・フェラガモの娘 フルヴィア・フェラガモがインスピレーション源として集めていた植物の画集からヒントを得た躍動感のあるボタニカルパターンのワンピースや、モデルが歩くたびに揺れ動き眩いばかりの輝きを放つチェーン装飾のスカートなどが、華やかさやリズムをもたらしている。シグネチャーを飾ったバッグ&シューズシューズはレースアップのエンジニアブーツや、サルヴァトーレ フェラガモを象徴するヴァラ・リボンをあしらったヌーディーカラーのロングブーツなど、マスキュリンとフェミニンが同居。バッグは、クロージャーにブランドのアイコンであるガンチーニを採用した、ミニマルなスクエア型のハンドバッグなどが姿を見せた。
2020年02月25日アメリカの映画界の最前線に立つ気鋭スタジオ「A24」の最新作『WAVES/ウェイブス』が4月10日(金)より日本公開。いまの音楽シーンをリードする豪華アーティストたちが手掛ける31の名曲が、傷ついた若者たちの物語を全編彩ることでも話題となっている。そこで今回は、特に青春映画に定評のある「A24」がこれまでに手掛けた傑作5作品をピックアップ。いずれも必見の良作ばかりとなっている。豪華アーティスト陣の楽曲が彩る若者たちと家族の再生の物語『WAVES/ウェイブス』高校生タイラーはレスリング部のエリート選手で美しい恋人アレクシスもいる。厳格な父親との間に距離を感じながらも、恵まれた家庭に育ち、何不自由のない生活を送っていたが、ある日、肩の負傷が発覚、医師から選手生命の危機を告げられる。タイラーは周囲の期待を裏切るまいと無理に出場した大会で致命的な傷を負い、さらに恋人の妊娠が判明。徐々に狂い始めた人生の歯車に翻弄されていく――。トロント国際映画祭で『パラサイト 半地下の家族』『ジョジョ・ラビット』などアカデミー賞を争った注目作が上映される中、最長のスタンディングオベーションを浴び、世界各国の媒体が大絶賛。フランク・オーシャンをはじめとする豪華アーティストたちの31の名曲が全編を彩る。SNS世代の痛くて優しい青春ドラマ『エイス・グレード世界でいちばんクールな私へ』中学校生活の最後の1週間を迎えたケイラは、「学年で最も無口な子」に選ばれてしまう。不器用な自分を変えようと、SNSを駆使してクラスメイトと繋がろうとする彼女だったが、いくつもの壁が立ちはだかる。人気者の女子たちは冷たく、好きな男子にもどうやってアプローチして良いか分からない。おまけに、お節介な父親ともいつも衝突。待ち受ける高校生活が不安なケイラは、中学卒業を前に憧れの男子や、人気者の女子たちに近づこうと頑張るが…。SNSとともに生きる“ジェネレーションZ”の葛藤と成長をリアルに描き、全米で社会現象を巻き起こした本作。公開するとすぐに口コミで話題になり、たった3週間で4館から1,084館に上映館を増やし、オバマ前大統領が2018年の年間ベスト映画リストに選出したことでも話題に。ティモシー・シャラメ、危ういひと夏の物語『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』最愛の父の死の痛手から抜け出せないダニエルは、叔母の家で夏を過ごすため、マサチューセッツ州の東端にある海辺の小さな町にやってくる。美しい海浜でのバカンスを求めてやってくる富裕層とも、地元民とも馴染めないダニエルは、地元ではワルで有名なハンターとつるむように。複雑な家庭の事情を抱えているハンターだが、妹のマッケイラを守ることには命をかけていた。ダニエルはマッケイラと密かに逢瀬を重ねるようになるが、一方で危ういドラッグビジネスにも手を染め…。『君の名前で僕を呼んで』で大ブレイクする以前のティモシーほか、『イット・フォローズ』のマイカ・モンロー、『ザ・リングリバース』のアレックス・ローら若手俳優陣が顔をそろえる。グレタ・ガーウィグが描くみずみずしい青春『レディ・バード』閉塞感漂う町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティンは、高校生最後の年に看護師の母と進学先を決めるために大学見学へ行く。しかし、帰りの車中で地元のカリフォルニア州サクラメントから離れて都会の大学に進みたいと言ったことから大げんかに。それ以来、母と衝突を重ねる一方、親友のジュリーとも疎遠になってしまう。女優として『フランシス・ハ』『20センチュリー・ウーマン』などに出演し、監督として『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を手掛けたグレタ・ガーウィグが、自身の出身地でもあるサクラメントを舞台に自伝的要素を盛り込みながら描いた。第90回アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネート、ガーウィグも女性として史上5人目の監督賞候補になった。刺激を求める女子4人組の異色青春映画『スプリング・ブレイカーズ』退屈な大学に飽き飽きしている女の子4人組が、刺激を求めて春休みにフロリダ旅行を計画。資金調達のため強盗を計画すると予想外に成功し、存分にハメを外しつつ大いに楽しんでいた。そんな中、エイリアンと名乗る外見がいかつい男と出会ったことで、4人の運命が狂い始めていき…。『ガンモ』『KEN PARK ケン パーク』などティーンのリアルな日常を見つめてきた鬼才ハーモニー・コリン監督による異色青春ドラマ。ヴァネッサ・ハジェンズやセレーナ・ゴメス、アシュレイ・ベンソン、コリン監督の妻レイチェル・コリンが顔を揃えた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スプリング・ブレイカーズ 2013年6月15日よりシネマライズ、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、新宿バルト9、ワーナー・マイカル・シネマズ板橋、川崎チネチッタほか全国にて公開© Spring Breakers, LLCレディ・バード 2018年6月1日より全国にて公開© Universal PicturesHOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ 2019年8月16日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2017 IMPERATIVE DISTRIBUTION, LLC. All rights reserved. hot-summer-nights.jpエイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ 2019年9月20日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国にて順次公開© 2018 A24 DISTRIBUTION, LLCWAVES/ウェイブス 2020年4月よりTOHO シネマズ日比谷ほか全国にて公開©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
2020年02月16日成績優秀でスポーツマン、学校の人気者の高校生の知られざる内面に迫り、人間の謎めいた本質とアメリカの現実をえぐり出し、サンダンス映画祭などで絶賛された『ルース・エドガー』(原題:LUCE)が5月15日(金)より公開決定。場面写真2点が解禁となった。バージニア州アーリントンの高校生ルース・エドガーは文武両道、スピーチやユーモアのセンスにも長けた17歳の少年。アフリカの戦火の国で生まれた過酷なハンデを克服し、様々なルーツを持つ生徒たちの誰からも慕われている彼は、養父母のもと自由の国アメリカで希望を象徴する存在へと成長した。そんなルースがある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立、彼の順風満帆の日常が大きく揺らぎ出す。ルースが危険な過激思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母である白人夫婦エイミーとピーターの胸にも疑念を生じさせていく。はたしてルースは何者なのか。本当に“完璧な優等生”なのか、それとも世間を欺く“恐ろしい怪物”なのか…。2019年のサンダンス映画祭でプレミア上映されるや批評家の絶賛を博し、全米の賞レースで20を超える賞のノミネートを達成。その年の最も優れた独立系作品を選定するインディペンデント・スピリット賞でも監督賞、主演男優賞、助演女優賞の主要3部門に名を連ねた本作は、深刻な矛盾をはらんだアメリカ社会の現状をリアルにえぐり出し、謎のベールに覆われた人間の本質に鋭く切り込んだヒューマン・ドラマ。模範的な若者として学校や地域の誰からも愛され、称賛される少年の“知られざる真実”をめぐって展開するサスペンスフルなストーリーは、観る者の好奇心をかき立てるにとどまらず、私たちの内なる潜在意識を揺さぶり、先入観を根底から覆していく。『ルース・エドガー』の最もユニークな特徴は、全編出ずっぱりの主人公ルースが真意不明のミステリアスな存在であること。成績優秀なスポーツマンで、誰とでも分け隔てなく接するオープンな人柄の持ち主。アフリカ系の移民であり、白人の養父母の愛に育まれてトラウマを克服したルースは、若きバラク・オバマの再来とも称され、まさに現代のアメリカン・ドリームそのもの。しかし、J・C・リーの戯曲「Luce」の映画化である本作は、観る者に強烈な問題提起を突きつける。ルースの“完璧な優等生”というイメージは、彼に期待する両親や校長らが一方的に押しつけたものではないのか。そして、それとは真逆の過激思想を持った“恐ろしい怪物”という見方も、極端に偏った思い込みなのではないか。人種、容姿、性別、階級、学歴、思想、信仰……いったい人間の“価値”とは、何によって決定されるのか。本作では、アメリカという国の歴史や政治をも取り込み、その理想と現実をあぶり出していく。注目の次世代スター×実力派キャストの“真実”をめぐるアンサンブル主人公ルース役は、終末スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』における迫真の演技で注目されたケルヴィン・ハリソン・Jr.。同作品のトレイ・エドワード・シュルツ監督と再び組んだ「A24」配給『WAVES/ウェイブス』に主演、『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』ではクリステン・スチュワートの恋人役を務め、英国アカデミー賞EEライジング・スター賞の候補にも選ばれるなど、いまブレイク中の新星が、まだアイデンティティが確立されていない17歳の少年の葛藤を生々しく体現する。プライベートに問題を抱えながら、ルースと激しく敵対する教師ウィルソンを演じるのは、『ドリーム』『シェイプ・オブ・ウォーター』のオクタヴィア・スペンサー。また、ナオミ・ワッツとティム・ロスが愛する息子への思いがけない疑念に動揺するリベラルな夫婦に扮し、観客の視点を担う役どころに説得力を与えている。オバマ大統領の時代に上演された原作の戯曲に感銘を受け、監督・製作・共同脚本を務めたのは『クローバーフィールド・パラドックス』のジュリアス・オナー。自らもナイジェリア出身のアフリカ系移民であり、物語の舞台となったバージニア州アーリントンで育った。この新鋭監督は、洗練されたシャープな語り口と、キャラクターの繊細にして多面的な心理描写を披露。その絶え間なくスリリングで心揺さぶる映像世界は、観る者を白熱のクライマックス、深い余韻を残すエンディングへと誘い、私たちそれぞれの想像力によって変わる“真実”を浮かび上がらせる。『ルース・エドガー』は5月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年02月10日ヴィオラ・デイヴィスがドラマ「First Ladies」(原題)で、ミシェル・オバマ氏を演じるという。テレビ局「Showtime」が発表した。ヴィオラといえば、エミー賞で主演女優賞を獲得した「殺人を無罪にする方法」の主演として有名。同ドラマは今年の春にシーズン6で幕を閉じることが決定している。「First Ladies」は、カリスマ的で複雑で、生き生きとしたアメリカのファースト・レディたちに焦点を当てたドラマ。シーズン1では第32代大統領フランクリン・ルーズベルトの妻エレノア・ルーズベルト、第38代大統領ジェラルド・フォードの妻ベティ・フォード、そして第44代大統領バラク・オバマの妻ミシェル・オバマの政治人生や私生活について描く。同局の社長は、ミシェル氏を演じる女優としてヴィオラを迎えることに「夢が叶った。このシリーズを立ち上げるのに、彼女のような素晴らしい才能を持つ人が出演してくれるのは、本当に幸運なことだ」と語っている。ヴィオラは製作総指揮も務める。脚本は、ジョエル・シュマッカーのもとで十年以上に渡り企画構想を担当し、作家でもあるアーロン・クーリーが担当する。(Hiromi Kaku)
2020年02月06日NBAの元スター選手、コービー・ブライアントが突然の悲劇に見舞われ、亡くなった。享年41。娘のジャンナ(13)さんと一緒に乗っていたヘリコプターが墜落し、パイロット1名、コービーとジャンナさんを含む乗客8名全員の死亡が確認されたという。「TMZ.com」が伝えた。SNSで著名人たちが追悼メッセージを送っている。トランプ大統領は「コービー・ブライアント。きみは史上最高の素晴らしいバスケ選手の1人だった。新たに人生が始まったばかりだったのに。家族を愛し、将来に強い情熱を持っていた。彼の美しい娘のジャンナさんまでもが亡くなり、この辛いひとときが一層耐え難いものになっている。メラニアと私は、ヴァネッサさんとブライアント一家に心からお悔やみ申し上げます」とコービーの妻ヴァネッサさんや家族を労わるメッセージをツイート。ジャスティン・ビーバーはコービーとの2ショットをインスタグラムに掲載し、「ありえない。マンバ、あなたはいつも励ましてくれた。いまでも笑顔になれるような言葉をくれた。大好きだよ!」とコービーの愛称マンバと呼びかけ、追悼。マーク・ハミルは「彼の伝説は永遠に語り継がれる」とツイート。リース・ウィザースプーンは「コービー・ブライアントの訃報を聞いてとてもショックを受けている。桁外れの才能を持つアスリートで、本当にやさしくて素敵な人だった。彼のご家族に愛と祈りを送り、哀悼の意を表します。NBAのみなさんにも」とツイートした。そのほかにもテイラー・スウィフト、オバマ前大統領、ジミー・キンメル、デミ・ロヴァートなどから続々とメッセージが寄せられている。(Hiromi Kaku)
2020年01月27日王室離脱を宣言したハリー王子とメーガン妃に、Netflixが目をつけているようだ。Netflixのチーフ・コンテンツ・オフィサー、テッド・サランドスが、L.A.でのイベントで、記者から聞かれ、「もちろん興味がある。当然だろう」と答えたことから、メディアの想像を掻き立てたもの。Netflixは、オバマ前大統領夫妻とも製作契約を結んでおり、同じようなコラボレーションを提案する可能性は大きいと思われる。オバマ夫妻が関わった最初の作品は、オスカーのドキュメンタリー部門に候補入りした『アメリカン・ファクトリー』。メーガン妃は早くも、声の出演と引き換えにゾウのためのチャリティに寄付してもらうディールを、ディズニーと結んでおり、これからハリウッドでどのような活動をしていくのか注目される。文=猿渡由紀
2020年01月21日『ジョーカー』の最多11部門ノミネートに、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の快挙など、早くも大きな話題を振りまいている第92回アカデミー賞のノミネーション結果。とはいえ、前哨戦を席巻したルピタ・ニョンゴやジェニファー・ロペス、ゴールデン・グローブ賞受賞のタロン・エジャトンやオークワフィナなどの落選に、世界中の映画ファンからは“あの人が選ばれないなんて!”と残念がる声が噴出している。「なぜ?」…落胆するファンの声でTwitterのトレンド入り去る1月5日(現地時間)に行われた第77回ゴールデン・グローブ賞で、レオナルド・ディカプリオら強力な先輩俳優を抑え、見事ミュージカル/コメディ部門主演男優賞に輝いた『ロケットマン』のタロン。誰の脳裏にも、昨年同賞を受賞して大きく弾みを付け、ついにはアカデミー賞まで受賞した『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックの姿が蘇ったはず。しかも、タロンは自らエルトン・ジョンの楽曲を歌唱しているのだ。加えて、主演女優賞に『アス』のルピタ・ニョンゴ、『フェアウェル』のオークワフィナ、助演女優賞に『ハスラーズ』のジェニファー・ロペスなども選ばれなかった。いずれもファンに愛されているだけでなく、作品自体も大ヒットし、評価も高かったことから「なぜだ?」「ショック」「がっかり」と言及する人が続出、タロンやジェニファーらの名前が“ノミネートされていないのに”トレンド入りする事態となった。そんな中、『アンカット・ダイヤモンド』(1/31よりNetflix配信)で主演男優賞の有力候補といわれていたアダム・サンドラーは、自らTwitter上で「悪いニュース:アカデミーに愛されていない、いいニュース:スーツを着なくていい」と負け惜しみ(?)を言いつつ、「友人たち、特にママ(過去作で共演したキャシー・ベイツ)おめでとう」と祝福を贈っている。ノミネート発表のMCが指摘!今年も女性の監督賞候補なし『パラサイト』ポン・ジュノ監督の初ノミネートも注目を集めている監督賞は、『アイリッシュマン』マーティン・スコセッシや『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クエンティン・タランティーノなど、今年も前年に続き、候補者が全員男性に。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』グレタ・ガーウィグ監督(脚色賞でノミネート)をはじめ、『フェアウェル』ルル・ワン監督、『ハスラーズ』ローリーン・スカファリア監督などがかすりもせずだったことに抵抗を見せたのが、ノミネーション発表のプレゼンターを務めていた海外ドラマ「インセキュア」のクリエイターで女優のイッサ・レイだ。『search/サーチ』のジョン・チョーと時に談笑しながら和やかに発表していた彼女だったが、監督賞候補の名前を呼び上げた後、「Congratulations to those men」(男性のみなさん、おめでとうございます)と、カメラに向かって真顔で言い放つひと幕があった。ちなみに、長編ドキュメンタリー部門では『娘は戦場で生まれた』など女性監督(共同監督含む)の作品が4作品選ばれている。そのうちの『アメリカン・ファクトリー』はオバマ元大統領夫妻が立ち上げた製作会社によるものだ。俳優賞は「#OscarsSoWhite」再びか…さらに、「#OscarsSoWhite」(白すぎるオスカー)が問題になって以降、アカデミー賞では女性や幅広い人種・世代の新会員を増やしてきたはずだったが、今回の俳優部門では主演女優賞の『ハリエット』シンシア・エリヴォ以外オール白人という結果に。『ルディ・レイ・ムーア』のエディ・マーフィはもちろん、『フェアウェル』の“おばあちゃん”チャオ・シューチェン、『パラサイト』の“半地下住人”ソン・ガンホらに期待する声もあったのだが…。これに対し、日本の映画ファンからも「そーいうとこだろ、アカデミー!」「パラサイト(主要部門に)入れたからいいだろ、みたいに感じる」と言った辛辣な声が続々。その一方、計24ノミネートを獲得したNetflixがディズニーやソニーなどメジャースタジオを抜いて製作者別でトップに立ったことは新しい動き。特に長編アニメーション映画賞で、『アナと雪の女王2』を抑えて『失くした体』『クロース』の2作品がノミネートされたことは大きなサプライズ。また、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』からは期待の新鋭フローレンス・ピューが助演女優賞にノミネートされ、『ブラック・ウィドウ』で彼女と共演し、単独主役に挑むスカーレット・ヨハンソンは史上12人目となる主演/助演でのWノミネートと勢いに乗っている女優陣もいる。何はともあれ、日本時間2月10日に行われる授賞式では、現代社会の問題に斬り込んだ『パラサイト』がどこまで受賞数を伸ばすのかが見どころとなることは間違いないだろう。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ロケットマン 2019年8月23日より全国にて公開©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 2020年3月より全国にて公開ハリエット 2020年3月よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2019Universal Pictures International, Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc.
2020年01月14日ヘンリー王子とメーガン妃が、高位王族としてのポジションを退く意向を示した。インスタグラムの公式アカウントが、2017年11月に2人が婚約した際の写真とともに、長文メッセージを公開。「経済的に自立する」、「王室から離れても女王陛下を全面的に支える」、「現在は女王陛下、コモンウェルス、パトロンを務める団体に対して引き続き務めを果たしながら、生活の拠点をイギリスだけでなく北米にも置く計画を立てている」ことなどを明かした。「Daily Mail」紙は、「経済的に自立する」という2人の言葉に注目。現在の2人は同紙によると4500万ドル(約49億円)の資産を所有しているというが、オバマ前米大統領&ミシェル夫人のように、本を出版したりテレビ番組のプロデューサーを務めたりすることで、今後さらなる莫大な財産を築ける可能性があると指摘している。ファッショニスタとして注目を集めるメーガン妃については、ブランドとのコラボやパートナーシップの需要も高いだろうと予測している。ヘンリー王子&メーガン妃の決断に対し、多くの人は好意的な意見を持っているもよう。作家のロクサーヌ・ゲイは「人種差別に揺れるイギリスのタブロイドや、サポート力に欠ける王室から離れることは良いことだと思う。きっと2人は大丈夫」とツイート。「ヘンリー王子はタブロイドにダイアナ妃の人生が壊されたことから、自分の家族をしっかりと守っている」、「メーガン妃には女優を続けてほしい!」などの声が上がっている。なお、英王室は「この件に関しての議論はまだ初期段階である」と公式HPで発表。「複雑な問題があるため決定までに時間がかかる」として、本決まりではないことを強調した。(Hiromi Kaku)
2020年01月09日ハリウッド・スターや大物アーティスト、スポーツ選手、タレントなど、さまざまな有名人と“触れ合えるような”体験がでちゃう話題のスポットが、12月13日より一部リニューアル!さっそく体験してきました!大物セレブが目の前に…!【女子的アートナビ】vol. 168今回ご紹介するのは、東京・お台場にある『マダム・タッソー東京』。レディー・ガガやジョニー・デップ、羽生結弦など有名人の等身大フィギュアと腕を組んだり、一緒に写真を撮ったりすることもできる、とっても楽しい体験型アトラクション施設です!こちらは2013年にオープン。ananwebは初潜入ということで、見どころをたっぷりお届けします!さっそく中へ!入場して、まずエレベーターに乗ろうとすると、ど真ん中に先客の姿が……。あまりにリアルなので、一瞬、外国人観光客かと思ったのですが、よく見るとフィギュア。ハリウッド・スターのブルース・ウィリスでした。そして、エレベーターを降りると、目の前にはジョニー・デップ様が!たくさんのカメラマンに囲まれて、レッドカーペットを歩こうとしているところのようです。一気に夢の世界へと引き込まれていきます。遠くから見るだけでなく、おヒゲに触ったり、抱きついて一緒に写真を撮るのもOK。本当に精巧につくられていて、近くで見ても実にリアルです。ちなみに、フィギュアは一体につき2000万円ほどかけて制作されているとのこと。まさにアート作品ですね!なりきり体験&コスプレも!見るだけでなく、体験できるのもマダム・タッソーのおもしろいところ。例えば、英国王室のエリアでティアラをつけて撮影したり、ホワイトハウス執務室のエリアでオバマ前大統領と一緒に写真を撮ったりすることもできます。(写真モデルは、PR担当のトムリンソンさん)さらに、クリスマスムードいっぱいの空間で、レオナルド・ディカプリオやブラッド・ピットと腕を組んで恋人気分になることもできちゃいます!また、ミュージシャンのエリアでは、歌手のマドンナに変身できるコスプレグッズや、X JAPANと共演できるようなステージが用意されているので、流れる曲に合わせて気分ノリノリで楽しんでいるお客さんもいました。ガガさま、草間さん、羽生選手も…!そして、こちらが今回リニューアルされた“レディー・ガガ”のエリア。ヒット曲『テレフォン』からイメージしてつくられた新しい空間では、鮮やかな黄色に目を奪われます!肌の質感も肉体も生々しく、本物のガガさまがいるみたい。フィギュアと一緒に撮影してSNSにアップするのが王道の楽しみ方ですが、リアルに作り込まれた顔や指先など、細部をじっくりと鑑賞してみるのもおすすめです。また、私が個人的に好きだったのは、草間彌生さんの水玉エリア。以前、展覧会の取材でお顔を拝見したことがあるのですが、本当にそっくり。感激しました!ほかにも、羽生結弦選手などスポーツ選手やハリウッド女優、モデルのフィギュアもあり、テンションが上がりまくり。写真もどんどん撮れるので、本当に楽しいです!(ちなみに、羽生選手のスケートシューズやアクセサリーはご本人から提供されたものです!)ナポレオンとも会っていた!?ところで、マダム・タッソーには長い歴史があるのをご存じですか?創始者のマダム・マリー・タッソーは1761年にフランスで生まれ、フィギュア製作の技術を習得。フランス革命前にはマリー・アントワネットやルイ16世のフィギュアもつくっていました。1801年にはナポレオンにも直接会って、製作のため測定を行ったとのこと。その後イギリスに渡って各地でフィギュア作品のコレクションを展示し、1835年にロンドンで常設展示を開始。今では、世界24か所でマダム・タッソーの世界観を楽しむことができます。とにかく遊べます!マダム・タッソー東京、いかがでしたか?取材前は、フィギュア展示を見る場所、というイメージだったのですが、実際に行ってみると、体験できるアトラクションが多いのでびっくりしました。バーチャルゲームを楽しんだり、トリックアートのような写真を撮ったり、モデル気分でランウェイを歩いたりと、とにかく遊べるアトラクションがいっぱい。インスタ映え写真もたくさん撮れます。特に、今の時期はクリスマスの雰囲気を味わえる展示エリアもあるので、ぜひこの機会にセレブたちと楽しい体験を味わってみては?Information
2019年12月22日ウィーン・フィルとベルリン・フィルというオーケストラの世界における東西の横綱が来日公演を行った直後にやってくるのがロイヤル・コンセルトヘボウだなんて、この秋は財布の紐をいくら締めても締めきれないどころか、緩みっぱなしのクラシックファン続出ではないだろうか。まさにこの3つのオーケストラを称して「世界3大オーケストラ」というのがクラシック界の常套句。日本に居ながらにして世界の最高峰を体験できることは本当に凄いことだ。中でも「ビロードのよう」な弦楽器と、「黄金」のような金管楽器に、「際立った個性」を持つ木管楽器と優れた打楽器群の組み合わせは、ロイヤル・コンセルトヘボウの真骨頂。まさに、彼らが本拠地としているオランダはアムステルダムの名ホール「コンセルトヘボウ」の素晴らしい響きの中で育まれた絶品の音色と言えそうだ。過去にはマーラーやR.シュトラウスといった作曲家たちをも魅了した伝統の響きがいよいよ日本に上陸する。しかもこの素晴らしいオーケストラを指揮するのが、飛ぶ鳥を落とす勢いのマエストロ、パーヴォ・ヤルヴィなのだから楽しみだ。ソリストにはこれまた世界で最も多忙なピアニストの1人ラン・ランが随行(プログラムBに出演)し、ドイツ音楽の真髄が披露される。●公演概要・11月18日(月)、19日(火)サントリーホール 大ホール・11月20日(水)愛知県芸術劇場コンサートホール・11月22日(金)ミューザ川崎シンフォニーホール・11月23日(土)堺市民芸術文化ホール(フェニーチェ堺) 大ホール●パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)1962年エストニア生まれ。渡米してカーティス音楽院で学び、バーンスタインにも師事した。北欧の楽団やシンシナティ響、hr響、パリ管の音楽監督や首席指揮者を歴任し、現在はドイツ・カンマーフィルの芸術監督とN響の首席指揮者を務めている。2019/20年シーズンからはチューリヒ・トーンハレ管の首席指揮者に就任する。ベルリン・フィルやコンセルトヘボウ管、ドレスデン・シュターツカペレ、シカゴ響などに定期的に客演し、ソニーをはじめとするレーベルから注目の録音も多い。2010年には故国エストニアのペルヌで音楽祭を創設した。シャープで新鮮な指揮によりレパートリーも古典から現代音楽に及び、世界でも最も活躍している指揮者の一人である。●ラン・ラン(ピアノ)1982年、中国・瀋陽生まれ。ノーベル賞コンサート(07年)、オバマ大統領ノーベル平和賞受賞コンサート(09年)、北京五輪開会式(08年)などで演奏するほか、10年には上海万博公式国際親善大使を務め、同年世界経済フォーラムから“若手グローバルリーダー250人”に選出される。07年グラミー最優秀クラシック器楽部門賞に中国人初ノミネート、全米レコード芸術科学アカデミー会長功労賞も受賞している。音楽教育にも熱心で、08年グラミーとUNICEFの援助の下ニューヨークにラン・ラン国際音楽財団を設立。また、ベルリン・フィルのレジデント・ピアニストに最年少で選ばれた。10年ソニー・ミュージックエンタテインメントと専属契約を結び、『ライヴ・イン・ウィーン』を発売。最近では、映画「のだめカンタービレ最終楽章前・後編」のサウンドトラックの参加が大きな話題を集めた。最新盤はラトル指揮ベルリン・フィルとの共演による「プロコフィエフ3&バルトーク2」(2013年11月)。●ロイヤル・コンセルトヘボウロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)は、世界屈指のオーケストラである。その類い稀な響きを、批評家たちは昔から褒めたたえてきた。RCOの弦楽器セクションは「ビロードのよう」、金管楽器セクションは「黄金の響き」、木管楽器の音質は「際だって個性的」と賞され、打楽器セクションには国際的な定評がある。この名声には本拠地コンセルトヘボウの類例のない音響も大いに寄与するところだが、そのメインホールでRCOのように響くオーケストラは、他にはない。1888年以来、オーケストラに多大な影響を与えてきた6人の首席指揮者の存在もまた欠くことができない。マリス・ヤンソンスは、2004年9月に6代目首席指揮者として迎えられた。歴代の首席指揮者は、ウィレム・ケス(1888年~1895年)、ウィレム・メンゲルベルク(1895年~1945年)、エドゥアルト・ファン・ベイヌム(1945年~1959年)、ベルナルト・ハイティンク(1963年~1988年)、リッカルド・シャイー(1988年~2004年)である。2016年秋からダニエレ・ガッティが首席指揮者を務めている。
2019年11月13日米国シアトルのオーガニック・チョコレート専門店「フランズチョコレート(Fran’s Chocolates)」が関西初上陸。2019年12月6日(金)、京都 BAL、神戸 BALに同時オープンする。「フランズチョコレート」とは「フランズチョコレート」は、1982年に米国シアトルで創業したオーガニック・チョコレート専門店。代表のフラン・ビゲロー(Fran Bigelow)はアメリカでベストショコラティエの名誉も受けている、本格ショコラティエだ。オバマ前大統領がゲストへのお土産として愛好したこともあり、シアトルの定番ギフトとして人気を博している。素材にこだわったオーガニック・チョコレート全米では4店舗、日本では中部国際空港内にショップを構えている「フランズチョコレート」。その最大のこだわりは、素材にある。カカオは厳選されたマダガスカル、メキシコ、ベネズエラの良質素材のみを使用。その他の材料もオーガニックの高級ナッツや季節のフルーツなどナチュラルな素材にこだわり、上品な美味しさのオーガニック・チョコレートを手作りで生み出している。人気商品は、伝統的なフランスのソルトキャラメルからインスピレーションを得て考案された「ソルトキャラメル」。ダークチョコレートに包まれた「グレイソルトキャラメル」は、ブルターニュで採れた海塩で仕上げた風味豊かな一品。ミルクチョコレートに包まれた「スモークトソルトキャラメル」は、ウェールズの樫の木の上で燻された海塩を振りかけている。日本初上陸「トリュフシリーズ」や限定セットメニュー今回オープンする京都 BAL店、神戸 BAL店には、人気商品「トリュフシリーズ」が日本初上陸。また、京都 BAL、神戸 BAL限定で、オーガニックの宇治茶とチョコレートのマリアージュを楽しめるセットメニューも取り揃える。バリエーションは「グレイ ソルト キャラメル/ヘーゼルナッツクランチトリュフ 有機玄米茶 抹茶ブレンド」「スモークソルト キャラメル/ウーロンティートリュフ 有機ほうじ茶」「グレイ ソルト キャラメル/オレンジトリュフ 有機煎茶 抹茶ブレンド」の3種類。その他、2020年春に向けて、宇治茶を活用した日本限定オリジナルチョコレートの開発も進んでいるという。なお「フランズチョコレート」は今後、全国での販売展開を進めていく。【店舗詳細】・フランズチョコレート 京都 BAL(FRAN’S CHOCOLATES KYOTO BAL)オープン日:2019年12月6日(金)住所:京都市中京区河原町通三条下ル山崎町251・フランズチョコレート 神戸 BAL(FRAN’S CHOCOLATES KOBE BAL)オープン日:2019年12月6日(金)住所:神戸市中央区三宮町3-6-1■メニュー例:BAL オリジナルセットメニュー「オーガニックの宇治茶とのマリアージュ」各1,200円+税・グレイ ソルト キャラメル/ヘーゼルナッツクランチトリュフ 有機玄米茶 抹茶ブレンド・スモークソルト キャラメル/ウーロンティートリュフ 有機ほうじ茶・グレイ ソルト キャラメル/オレンジトリュフ 有機煎茶 抹茶ブレンド
2019年11月10日『グランド・フィナーレ』で芥川賞受賞した阿部和重さんに、三部作最終巻『オーガ(ニ)ズム』のお話を聞きました。父と子とCIAエージェントのミッション・インポッシブル。『シンセミア』を書いていた20年前から、三部作全体の構造は概ねできていたと語る阿部和重さん。「ただ、三部作が持つ既存のイメージ、つまり時系列に沿った大河小説というものは更新したかったんですよね。むしろ僕の出身地でもある山形県東根市神町を舞台にした“神町トリロジー”の3作それぞれがまったく違う作品のように見せたかった。『シンセミア』は、方言もバンバン出てくる犯罪まみれのノワール群像劇です。『ピストルズ』は、フェミニンな表現やファンタジーの世界観に徹しました。最終巻となる『オーガ(ニ)ズム』は、ストーリー的には政治や国際情勢を背景にしたスパイドラマです。エンタメ色を打ち出したバディものを意識しました」オバマ大統領来日が近づいていたある晩、作家の阿部和重の家にアメリカ人編集者として彼に取材を申し込んでいたラリー・タイテルバウムが血まみれでやってくる。もうすぐ3歳になるひとり息子・映記と長期の留守番を任されているというのに、阿部和重はどんどん抜き差しならない状況に……。果たして、作家の故郷であり、日本の新首都となった神町で何が起きようとしているのか。「子どもがいなければ阿部和重とラリーももっと自由が利き、うまくやれたはず(笑)。3歳児の世話や保護、社会や国家の安寧など、枷をはめられながらも困難を解決しようとする懸命さや滑稽さを楽しんでほしい」しかも物語は<阿部和重>の視点で進んでいくのがキモ。彼らが置かれた状況やラリーの本当の目的などは杳として知れず、反対に<阿部和重>の心中に広がる不安や愚痴はダダ漏れで、次々と飛び出してくるカルチャー造詣はハイレベル。そのドタバタ感が面白いのなんの。「本人のあずかり知らぬところで書かれたウィキペディアの阿部和重解説を、作中で<阿部和重>が繰り返しつぶやくというのもあります。そこでどんどん生まれてくるズレがまた何かを生むのではないかと」本作はもとより、これまでも現実の出来事や文献を積極的に取り込み、作品を組み立ててきた阿部ワールド。「想像の世界を現実とひも付けることで、リアリティや世界観の奥行きを出す。そういうやり方で書き続けてきた結果、それが自分の作風になってきました。今後も変わらず追求していくのが僕という作家の課題だろうと思います」2019年下半期のNo.1注目作だ。阿部和重『オーガ(ニ)ズム』三部作それぞれの標題はみな植物にまつわる言葉。『シンセミア』には種なし、『ピストルズ』にはめしべ、本作には生殖の意味を重ねた。文藝春秋2400円あべ・かずしげ1968年、山形県生まれ。作家。1994年、「アメリカの夜」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。2005年、『グランド・フィナーレ』で芥川賞受賞。『シンセミア』『ピストルズ』ほか著書多数。※『anan』2019年10月23日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)池田エライザさんのヘルシービューティのヒミツ
2019年10月18日新しい季節へと移り変わるなか、新たな気持ちで2019年の後半も走り抜きたいところ。にもかかわらず、どこにも自分の居場所を見つけられず、気持ちは一向に変わらないままという人はいませんか?そこで今回は、そんな思いを抱いたことのある人なら、誰もが共感してしまう注目作をご紹介します。それは……。『エイス・グレード世界でいちばんクールな私へ』【映画、ときどき私】 vol. 260中学校生活もいよいよ最後の1週間となった13歳のケイラ。「学年でもっとも無口な子」に選ばれてしまうものの、不器用な自分を変えようと、SNSを駆使してクラスメイトたちと繋がろうと努力としていた。しかし、人気者のケネディには冷たくされ、好きな男の子にもどうアプローチしていいのかわからず、いくつもの壁が立ちはだかる。中学校を卒業する前に、ケイラは新たな一歩を踏み出すことができるのか……。著名な監督や俳優たちがこぞって絶賛するだけでなく、オバマ前アメリカ大統領が年間ベスト映画に選出するなど、全米ではもはや社会現象ともなった話題作。今回は、現在アメリカで注目を集めているこちらの方にお話いただきました。監督・脚本を手掛けたボー・バーナムさん!バーナム監督は元ユーチューバーという異色の経歴を持ち、いまはコメディアン、ミュージシャン、俳優として幅広い分野で活躍中。本作は映画監督デビュー作でありながら、数々の賞に輝き、映画批評サイトの「ロッテントマト」でも満足度99%をたたき出したほど、高く評価されています。そこで、日本の観客に伝えたいメッセージや本作に込めた思いについて語っていただきました。―監督は16歳でユーチューバーデビューを果たしたのち、さまざまな分野で才能を発揮されているので、友達もいない孤独なケイラとは真逆のキラキラした学生生活を送られていたのではと想像していますが、いかがですか?監督いや、そんなことはなかったですよ。というのも、当時は僕が動画で発信していることなんて、クラスメイトも学校にいる誰もがまったく気にかけていませんでしたから。僕のなかにも内向的な部分と外交的な部分の両方があったからこそ、こういう作品になったんだと思います。―ユーチューバーとしてかなり注目を集めていたと思うので、それは意外です。監督僕たちが生きている現代では、外交的であることや自己表現することを求められていますが、同時にみんなすごく孤独を感じているんじゃないかなと思っています。だからこそ、この作品ではそういうことによって生まれる矛盾を描きたいという気持ちがありました。―ケイラを描くうえで、ご自身が13歳だったときを思い出すこともありましたか?監督僕がユーチューバーになったのは16歳でしたけど、もし13歳だったらああいう発信はできなかったんじゃないかなと思います。だから、ケイラは本当に勇気がある子なんですよ。僕なんて、劇中に出てくるプールパーティは大嫌いだったし、クジラを見に行く遠足のときには、友達にズボンを引きずり下ろされたりしたこともあるから、どちらかというと負け組と言えるんじゃないかな(笑)。ただ、13歳からの3年でずいぶん性格は変わったと思います。大人でもSNSと付き合うのが難しい―いじめとまではいかなくとも、からかわれやすいタイプだったところもありますか?監督そうですね。そのことはこの作品のなかでも触れていますが、いわゆるいじめという形ではなくても、人はつらく感じることがあり得るということ。たとえば、ボコボコにされたり、ロッカーに閉じ込められるようないじめは僕からすると、昔のいじめ方だけど、いまのいじめというのはもっとさりげないものだったりするんじゃないかなというのを描いたつもりです。―そこについてはSNSも大きく関わってきますが、もし監督がこれだけインターネットやSNSが発達したいまの時代に13歳だったら、どういう学生生活になっていたと思いますか?監督僕が学生だったころは、インターネットもかなり初期の時代だったから、想像もできないし、そこで生き残れたかすらわからないですね。大人になったいまでさえ、ちょっと過剰だなと思うし、うまく付き合っていくのが難しいと感じているくらいだから、いまの子どもたちは大変なんじゃないかな。「もし自分が子どもだったらどうなっていたんだろう」と考えてしまいます。―いまおっしゃっていたように、子どもはもちろん、大人でも大きな影響を受けていますが、監督が思うSNSやインターネットのメリットとデメリットを教えてください。監督僕は、良いところも悪いところもたくさんあると思っています。まず良いところは、いままで見えていなかった人たちに自分を見てもらえるし、自分を発信できる場を持てるということ。そして、世界中で自分ひとりかもしれないと悩んでいたことでも、自分と同じ思いを持っている人がこんなにたくさんいるんだと知ることができることも大きいと思います。そんなふうに自分を表現できるのは良いことだし、健康的なことですよね。あとは、いろいろなシステムのチェックもできるようになったこともメリットのひとつ。たとえば、アメリカでは警官による暴力が問題になっていますが、最近は警官が体につけたカメラの映像が公開されているので、それが戒めの効果を持つようにもなっています。いまは、いろいろなところでさまざまなことが起きていますが、前からあったこともインターネットによって視覚化されるようになったのは大きな変化といえますよね。良くも悪くも人が感情的になりやすくなっている―どれもインターネットがない時代には考えられなかったことですよね。監督逆に悪いところは、常に自分についてまわるところ。あとは、なかなかルールを作ることができないし、ビジネス的な考え方をする人たちによって多くのユーザーたちが動かされてしまうことも不健康なことだと感じています。子どものころ、「テレビばっかり見てると脳みそが溶けるよ!」みたいなことを親に言われたと思いますが、メタファーとしてはその通りなんじゃないかな。インターネットばかり見ているからこそ生まれてしまう不安もあるし、社会的なぎこちなさや居心地の悪さを感じている人も多いはずです。たとえば、普段はそんな人じゃないのに、インターネット上でひどいコメントを書いたり、アバターを通して冷酷なことができてしまう人がいるんですよね。良い意味でも悪い意味でもみんな感情的になりやすいところはあると思います。あと問題なのは、中間がなくて、すごく良いかすごく悪いかのどちらかしかないというところですね。―主人公のケイラは、自撮りした動画で自分の本心を打ち明けていますが、日本ではシャイな女の子がそういう行動を取るというのは、あまり多くはないと思います。アメリカではよくあることですか?監督どちらかというと、ケイラは日本の女の子に近いタイプなんだけど、インターネットの文化とアメリカの文化が自己表現しないといけないと、彼女の背中を押した結果、ああいう形で発信することになっているんです。というのも、アメリカでは「あなたは自分の人生のスターである」とか「自分の人生は自分の物語」といった考え方があり、これはすごくアメリカ的。でも、先進国の子どもたちにも同じような影響を与えているはずだから、いまの日本の子どもたちも、実はケイラと同じように発信しているかもしれないですよね。子ども特有の問題ではなく人間の本質を描いた―ちなみに、ケイラが日本人に近いと感じる理由は、どんなところですか?監督日本に来ていろいろな人と話をしながら、多くのことを学んでいるところなんですけど、日本のみなさんは不思議なくらい僕が意図していた部分をまっすぐに感じ取ってくれているからです。もしかしたらSNSには、アメリカの文化の一番悪い側面を助長させるようなところがあり、それによってケイラのような子の気持ちを考えることすらしなくなっているのかもしれません。だから、取材を受けていても、こういう話になるような質問は一切出ないんですよ。それは、おそらくアメリカでは取材する側の人間もちょっとしたセレブみたいな人たちばかりになっているから、そういう感覚がわからなくなっているんだと思います。それに比べると、日本のみなさんは僕が考えていることや表現したいことをすぐにわかってくれているので、本当に健康的だなと感じているし、これほどまでにみなさんにわかってもらえることが信じられないくらいです。―確かに、これまで描かれていた典型的なアメリカのティーンに比べると、内向的な性格を含め、日本人が共感しやすいキャラクターだと思います。日本の観客にどういう部分を感じて欲しいですか?監督僕自身もみなさんと同じように、苦しみや葛藤を味わってきたことがありますが、この映画で描いているのは、13歳の少女特有の問題ではなくて、何千年にもわたる人間の本質。子どもだけでなく、大人でもそういうつらさを感じているからこそ、人類史においてさまざまな詩やアートが生み出されてきたんじゃないかなと思っています。―実は、日本では夏休み明けの9月前半に若者の自殺が増加するというのが社会問題にもなっていますが、その裏には子どもでも大人でも人間関係に悩みを抱え、孤独を感じている人が多いのが現状です。それだけに、ケイラの姿に勇気づけられる人はたくさんいると思うので、最後に監督からメッセージをお願いします。監督僕が自分の経験を通して見つけた唯一の解決策というのは、葛藤や苦しみを言葉にして表現していくということ。僕自身も不安や心配をずっと抱えるなかで、「言葉にするのはダサい」とか「口にすべきじゃない」とか「どうせ誰も気にかけてくれないだろう」と思い続けていたタイプでした。でも、本当はケイラみたいに言葉にするのがよかったんだといまは思っています。別にケイラと同じように映像を作る必要はないですが、誰かに話してみるとか、セラピーに行ってみるとかでもいいから、まずは言葉にすることが大切。だからといって、すぐにつらい気持ちが変わるわけではないかもしれないけれど、僕はずっと戦い続けているなかで、言葉にした瞬間に肩の荷が下りるのを感じました。それは、自分の体のなかから言霊として外に出したことで気持ちが軽くなったからです。そういうときに自己表現をしたり、思いをシェアできたりするのは、ネットの特性でもあるので、「自分だけがこんなに苦しんでいて特別なんだ」と思うのではなく、すべてを解き放つことで、自分はひとりじゃないと知ることが解決につながると感じています。大人にこそ響く珠玉のストーリー!自分のなかに不安や葛藤を抱えていると、自分の分身のようなケイラを見るのはちょっぴり胸が痛いところもあるけれど、健気に立ち向かう姿は愛おしくてたまらないと感じるはず。変わりたいのに変われない自分と決別したいのなら、ケイラと一緒にそんな生活から卒業し、新たな自分と出会ってみては?クールな予告編はこちら!作品情報『エイス・グレード世界でいちばんクールな私へ』9月20日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国ロードショー配給:トランスフォーマー© 2018 A24 DISTRIBUTION, LLC
2019年09月19日森本正治が手掛けるレストラン「モリモト キョウト(Morimoto KYOTO)」が、2019年9月27日(金)、京都・先斗町にオープンする。料理界の巨匠・森本正治手掛ける日本初の直営レストラン森本正治は、2001年にフィラデルフィアに最初のレストランをオープンして以降、ニューヨーク、ナパ、ホノルル、ボカラトン、ムンバイなど世界に17の店舗を展開。特にアメリカでは、大統領食事会、メジャーリーガー、プロテニスプレイヤーなどへ食事提供を行うほか、元アメリカ大統領のバラク・オバマを常連客に持つなど、絶大な支持を得ている。森本はこれまで、コラボレーションという形式で六本木にレストランを出店しているが、直営のレストランは今回の「モリモト キョウト」が初。日本の伝統文化の趣を強く残す京都という地で新たなスタートを切る。日本と世界の食材と技術を集めた創作料理提供するのは、日本と世界の食材と料理技術を掛け合わせた、森本考案の特製創作メニュー。京都からインスピレーションを受けたユニークかつハイクオリティな一品を用意する。さらに、料理に合わせたドリンクは、カリフォルニアのワインから全国各地の日本酒やウイスキーなどを取り揃える。店舗は日本家屋を改装、夏場には納涼床もまた、昭和時代からある日本家屋を改装した店舗にも注目。1階はカウンター、2階はテーブル席となっており、元の建築物の雰囲気を活かしながらモダンな空間に仕上げた。なお、京都ならではの風情を楽しめる先斗町というロケーションも魅力の一つ。傍には観光スポットでもある鴨川が流れ、夏場は京都名物の納涼床を楽しむことが出来る。【詳細】モリモト キョウトオープン日:2019年9月27日(金)営業時間:17:00~23:00(L.O.22:00)住所:京都府京都市中京区先斗町通四条上る鍋屋町232番TEL:075-746-7718※電話は9月20日(金)開通予定。
2019年09月16日世界の様々なテレビ番組を紹介するバラエティ「世界まる見え!テレビ特捜部」の2時間SPが8月19日(月)今夜放送。「嵐」の松本潤が出演するほか、話題の青森ご当地アイドル・王林らバラエティに富んだゲストたちが集結する。所ジョージと日本テレビアナウンサーの岩田絵里奈がMCを務め、スペシャルパネリストとしてビートたけしを迎えるほか、松本さん、王林さんのほか「ナイツ」の塙宣之、土屋伸之と弁護士の森詩絵里、キャスターの森山るりもゲスト出演。今回は「世界のマヌケな奴らが大集合全員逮捕だSP」と題して放送。昨年世界を騒がせたオバマ前大統領がトランプ大統領をけなしているように見える動画が、実はフェイク動画だった。世界でフェイクニュースが問題となっているいま、そのフェイクニュースの裏側を取材、対策などを紹介する。また2015年に発生した被害額270億円に及ぶイギリス犯罪史上最大の強盗事件、犯人に対し様々な憶測が飛び交うなか、ロンドン警視庁の特別捜査班の捜査線上に浮かび上がったのはなんと平均年齢70代の老人集団だった。刑期を終えた犯人が逮捕に至るまでの経緯と大胆すぎる手口、その驚きの真相に迫るほか、番組お馴染み「ラスベガス警察」を今回もお届け。さらに大好評のアメリカのリアリティー番組「キャットフィッシュ」からは、セレブとの愛の真実を追う様子をお届け。テネシー州に住む男性がネットで出会い付き合って6年が経過するも音信不通になってしまった彼女は世界中で知らない人がいないほどの超有名人だというが、その真相は…!?また本番組お馴染みボーダーセキュリティのカナダ版もオンエアされる。今回のゲスト、松本さんは「嵐」として今年度の「24時間テレビ42 愛は地球を救う 人と人 ~ともに新たな時代へ~」でメインパーソナリティを務める。福祉の実績や支援の必要性を伝え推進するため、1978年から毎年放送されているチャリティー番組である「24時間テレビ」。今年はチャリティーパーソナリティーに浅田真央を迎え、毎年話題となるチャリティーランナーにはいとうあさこ、「ガンバレルーヤ」よしこ、「ハリセンボン」近藤春菜の3人が決定。さらに4人目のランナーが今後発表される。さらに女優・土屋太鳳が生中継でスイスのブライトホルン山頂への登山に挑戦するほか、24日(土)21時頃からはドラマスペシャル「絆のペダル」を放送。こちらは相葉雅紀が主演を務め、薬師丸ひろ子、波瑠、田中圭らが出演する。「24時間テレビ42 愛は地球を救う 人と人 ~ともに新たな時代へ~」は8月24日(土)~25日(日)、日本テレビ系で放送。「世界まる見え!テレビ特捜部」2時間スペシャルは8月19日(月)19時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2019年08月19日●演じた『トイ・ストーリー』キャラへの共感今やテレビで見ない日はないと言えるほどの売れっ子お笑いコンビ・チョコレートプラネットの長田庄平と松尾駿が、ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』(公開中)で、かわいいけれど毒舌なぬいぐるみコンビ“ダッキー&バニー”の日本語吹き替えを担当した。本作への出演を踏まえ「上半期で終わっていい」とジョークを飛ばすダッキー役の長田とバニー役の松尾に、ダッキー&バニーと似ているという芸人としての境遇、伸び悩んでいた時期の自分たちに対する思い、そして「和泉元彌」と「IKKO」のものまねが生まれた背景などについて語ってもらった。――お二人が吹き替えを務めたのは、ウッディたちが訪れる移動遊園地の景品で、子どもたちに持ち帰ってもらう機会に恵まれていないぬいぐるみコンビのダッキー&バニーです。英語版でもコメディアンのキーガン=マイケル・キー(ダッキー)、ジョーダン・ピール(バニー)が声優を務めている彼らの掛け合いは笑いどころが盛りだくさんでしたが、アフレコではどんな部分を楽しめましたか?長田:テンポの良さというか、やっぱり海外のコメディアンの方のテンポなので、僕らとは違うテンポ感があるんです。そこは最初、戸惑いました。でも、ダッキーとバニーの境遇と言うんですかね?僕らに似たような感じの境遇を抱えていたキャラクターだったので、自分たちの気持ちを込める上では、役に入りやすかったです。松尾:わーってまくし立てた後に、急にストンと落とすシーンがあるんですけど、そういうのは芸人だからできるのかなと思いました。ダッキーをやっているアメリカの声優の方もコメディアンで、オバマ元大統領の物まねをされているんですよね。結局、「あ、同じものまねの人がやっているんだ」って(笑)。日米ものまね芸人の融合というか、しっくりきました(笑)。――境遇というお話が出ましたが、チョコプラさんもこれまでに苦労を重ねてきたかと思います。ただ、コンビを結成してからかなり早い段階で、テレビに出る機会は得られていたんですよね?長田:同期の中ではテレビに出るのは早かったんですけど、大ブレイクするとなるとだいぶ時間がかかりました。最近やっと、という感じなので…。13年くらいは、けっこう苦しいというか、いろいろと実らなかった部分もあるので、そういう面ではダッキー&バニーも、ずっと景品として持ち帰ってくれる子どもに巡り合えなかったという境遇が、僕たちと似ているのかなと思いました。松尾:最初、台本をパって見たときに、ダッキー&バニーというより「あ、松尾と長田だ」と思ったくらい(笑)。シンクロしましたね。――周りが売れていくことに対する焦燥や不安。そういった思いもあったかと思いますが、今回のお仕事を通じて当時を思い出すことはありましたか?長田:そうですね。同期だけじゃなくて、後輩が売れていくのも真横で見ていたので、「悔しい!」という思いもありましたし「なんでなんだ!」と。「僕たち、こんなに愛嬌あるのに…。かわいいのに、なんでもらってもらえないんだ?」っていうダッキー&バニーの気持ちが、すごくわかる気がしましたね。松尾:芸人が遊園地の景品だとしたら、同期のエドはるみが『24時間テレビ』のマラソンを走っているのを見たり、芸能界でバーって上がって行くのを見て。まあ、エドさんは下がっていったんですけど…。長田:言うな、それは! いらない(笑)!松尾:そういうのを見ていたので(笑)、嫉妬だったりもあったんですけど、我慢して我慢して…。最近は、別に周りの人が売れても「良かったね」と思えるようになったんですけど、そういう嫉妬がなくなったから良かったのかなと思いますね。――今の活躍を踏まえたうえで、当時のご自身たちに声をかけられるとしたら、何と言ってあげたいですか?長田:耐えろ!松尾:「13年後、舞台挨拶に出られてるよ」と。長田:「間違ってないぞ」と言ってあげたいですね。当時は「これでいいのか?」「他のこと、もっとした方がいいのか?」とか、すごく悩んでいたので。それこそ「芸人、辞めた方がいいんじゃないか?」とも思っていました。「間違ってないぞ」というのは、言ってやりたいですね。松尾:過去に戻って、一言だけふわっと声かける(笑)。「大丈夫、ディズニー・ファミリーになれるよ」って。それだけでも言ってあげれば、気持ちが変わりますよね。――例えばウッディのボイスボックスのように、おもちゃにはそれぞれ魅力=武器がありますよね。お二人はコントだけじゃなく、ものまねをお笑い芸人さんとしての武器にされているかと思いますが、おなじみの和泉元彌さんとIKKOさんのネタは、どのようにして生まれたのでしょう?長田:偶発的なものというか…元彌さんは昔から、ちょっとずつやっていたんですけど「コント以外で何かあるか?」と言われて、軽くやっていたくらいなんです。あるときにものまね番組に呼んでいただいて、そこで僕が元彌さんや氷室京介をやっていて、相方も「何かないか?」ということで、昔ちょっとやっていたIKKOさんをやったら、バチン!とはまったという感じですね。松尾:そうですね。武器だと思っていないものが武器だったんです(笑)。――昔から持っていたものが、実は武器だった(笑)?長田:昔から持っていて、横に置いてあったんですけど、へんてこりんな形してるし、「こんなんで戦えるわけないだろ!」っていうのが効いたみたいな(笑)。そういう意外性はありますね。松尾:芸人もそうですけど、一般の方にも言えることじゃないかと思いますね。武器だと思っていないものが、実は武器だったりするということは。長田:もう一回、周りを見渡してみる。近くにあるものが武器になる可能性があるので。自信をもって、いろいろ出した方がいいってことですね。――そういった発見などを経て大ブレイクに至ったわけですが、明確に「ブレイクした」と自覚できたお仕事は?松尾:間違いなく、これ(『トイ・ストーリー4』)じゃないですか(笑)?長田:本当にそう思いますね。『キングオブコント』を経て、いろいろなゴールデン番組に出させていただくこともありましたけど、それでもやっぱり浮き沈みが激しい世界ですから。どこで「売れた」と言っていいのかわからないっていうのもありましたし、ここで「売れた!」と言ってもまた下がる可能性もあるんですけど、ディズニー/ピクサー作品の声をやらせていただけたっていうのは、これは本当に「売れた!」ということだと思います。松尾:そうですね。これが決まるまでは、「売れたねえ」と言われても「いやいやいや…」とか言っていたんですけど、いま「売れたねえ」って言われて、「いや、もう売れましたね!」と言うしかないくらいのお仕事なので(笑)。長田:僕らが売れたって認識していないと、逆に失礼になるというか。松尾:だから間違いなく、『トイ・ストーリー4』だと思います。●2人の子供時代と思い出のおもちゃ――『トイ・ストーリー』を語る上では、おもちゃだけでなく、子どもも不可欠ですよね。お二人は、おもちゃで遊ぶタイプの少年でしたか?長田:めちゃくちゃ遊んでいましたね。いろんなおもちゃを持っていました。僕はロボットが好きで、ロボットのおもちゃをどこにでも持って行って、お風呂場とかでも遊んでいたんです。そうしたらある日、ロボットの頭が取れて、お風呂場の排水溝に流れて行っちゃったんです…。すごく悲しくて。『トイ・ストーリー』の世界だったら、あの顔はどうなっていたんだという…。松尾:ほかの皆が助けに行ってくれる(笑)?長田:助けに行ってくれているのかなあ…そう思いたいですよね。本当に。――目が覚めたら、顔が元に戻っていたり…?松尾:「あったー!」って言ってね(笑)。長田:その時は、戻っていなかったんですけど、僕がそのおもちゃと離れてから、皆が戻してくれたのかもしれないですね(笑)。――では、松尾さんは少年の頃、どんな感じでしたか?松尾:僕は地元が箱根で山の中で育ったので、おもちゃよりは、自分の好きな木とかを持って遊んでいましたね(笑)。どちらかというと、今回新たに登場するフォーキーのノリに近いというか。フォーキー…僕はもう、木ーだったんですよ。長田:フォーキーのキー(笑)。――ウッディ役の唐沢寿明さんが、本作について「おもちゃはいつも、買い与えられて遊ぶものじゃなくて、自分で想像力を働かせて、近くにあるもので作ったりするんだよ」ということを教える映画だとおっしゃっていました。松尾:唐沢さんと全く同じことを考えていたんです。長田:いいとこだけを汲み取るな(笑)!松尾:唐沢さんの言う通りです(笑)。――ピクサー作品に携わった2019年は達成感のある年になるのかなと思うのですが、この作品に出演したことを踏まえて、2019年をどんな年にしていきたいか最後にお聞きしたいです。松尾:「いい年でした」で、もう終わっていいと思う(笑)。上半期で終わっていいです。長田:もう12月末な感じです。あとはもう、惰性で行きたいと思います(笑)。――またまた(笑)。松尾:これ以上大きい仕事って、今年はもうないですよ。長田:僕は本当に昔からピクサーの作品が好きで、その中でも『トイ・ストーリー』は一番思い入れが強くて。その作品の声優ができるっていうのは、本当に夢みたいな話でしたから。これ以上のことは、なかなかないと思いますね。2052年くらいちゃいますか? これを超える仕事があるのは(笑)。松尾:2052年にでかい仕事できてたらすごい。いいジジイで(笑)。それででかい仕事って、人間国宝になるしかないよ。長田:目指していきたいですね、人間国宝。『トイ・ストーリー4』を超えるのは、人間国宝しかない。松尾:今年に関しては、もう十分お仕事もいただいていましたし、この『トイ・ストーリー4』の声優をやらせてもらったので、もうお仕事的にはOKです(笑)。長田:でもやっぱり、ここから公開となって、もっと盛り上げていきたいなっていう思いはありますね。僕ら自身も「あ、あのチョコレートプラネットが吹き替えをやってたんだ!」と思われるような芸人になりたいです。■プロフィールチョコレートプラネット長田庄平(1980年1月28日生まれ。京都府出身)と松尾駿(1982年8月18日生まれ。神奈川県出身)によるお笑いコンビ。NSC在学中の2006年にコンビを結成。2008年に開催された『第1回キングオブコント』でいきなり決勝進出を果たす。2014年に開催された第7回大会では準優勝、2018年の第11回大会では3位の好成績を収める。2019年には『R-1ぐらんぷり』で長田が準決勝に、松尾が決勝に進出するなど各賞レースを席巻。作り込まれたコントのほか、両名ともものまねを得意とし、和泉元彌(長田)、IKKO(松尾)など多数のレパートリーがある。
2019年07月26日2018年サンダンス映画祭のオープニング作品として注目を浴び、バラク・オバマ元アメリカ大統領が『万引き家族』や『ROMA/ローマ』『ブラックパンサー』『ブラック・クランズマン』などと共に2018年のベストムービーに選出するなど話題を集めた『ブラインドスポッティング』。この度、日本版メインビジュアルと予告編が完成した。カリフォルニア・オークランド育ちの黒人のコリン(ダヴィード・ディグス)と幼なじみの白人マイルズ(ラファエル・カザル)、親友2人の間にある見えない壁を次第にさらけ出していく本作。サンダンス映画祭、SXSWほか世界の映画祭で絶賛され、オバマ元アメリカ大統領が2018年のベストムービーに選出し、ギレルモ・デル・トロ監督も大絶賛を贈るなど、話題を呼んだ作品がついに日本上陸。今回解禁された予告編では、オークランドの危険な街並みを背景に、真面目に“あと3日”を乗り切ろうとするコリンと、そんな心配をものともせず、自由奔放に過ごすマイルズとの姿がコミカルに描かれる前半から、黒人男性が白人警官に背後から発砲される現場を目撃してしまうシーンを境に一気に緊迫した映像へと転換。物語の真髄へと切り込んでいくスリリングな展開となっていく。コリンは地元オークランドで何の問題も起こさずに、指導監督期間残り3日間を無事に乗り切ることができるのか――。コリン役には、ブロードウェイミュージカル「ハミルトン」でトニー賞を受賞、『ワンダー 君は太陽』やNetflixオリジナル『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』などにも出演する黒人ラッパー兼俳優のダヴィード・ディグス。そしてマイルズ役にはヒスパニック系白人のスポークン・ワード・アーティスト、教育者、舞台脚本家であるラファエル・カザルと、実際にベイエリアの高校で出会い、共にフリースタイル・ラップをしながら育った2人が脚本・主演。監督は、長編映画初となるカルロス・ロペス・エストラーダがつとめている。人種の異なる者や貧富の差がある者同士が混在する、現在のアメリカを描いた物語。ポスタービジュアルの「俺たちには、同じものが見えていると思っていた―」が意味することとは?お互いを見つめたときに、いかに全体像が見えずに色々なものを見落としているかを、観る者に問いかける作品となっている。『ブラインドスポッティング』は8月30日(金)より新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年07月24日その勢いが、ますます加速中!過熱するユーチューバーの最前線。人気ユーチューバーが多く所属するUUUMの代表取締役社長CEO・鎌田和樹さんに伺いました。日本YouTube界のパイオニア・HIKAKINが、世界的アーティストとビートボックスで共演を果たした時、当時すでにHIKAKINと知り合いだった鎌田さんは、YouTubeの可能性を感じたという。その後わずか1年の間に、TVCMや人気テレビ番組に出演するまでになったHIKAKINによって、“ユーチューバー”は一気に世の中に広まった。「昔は、情報発信はテレビや新聞、ラジオからがすべて。でも、ネットの普及によりその環境が無限に増え、とくにYouTubeで個人が自由に発信できるようになったことで、それまでスポットが当たらなかったものがクローズアップされるようになりました。例えば、アラスカでナイフを研ぐだけの動画なんて誰が見るの、って思うけど、100万回も再生されている。これも、YouTubeだからできること。自分の好きなコンテンツを自由に世界に発信すれば、世界の誰かが見てくれているんです」ユーチューバーという職業がブームになっている理由について、鎌田さんはこう分析する。「ユーチューバーはプロというよりアマチュア寄りの存在。一般の人との距離が近いし、生み出されるコンテンツも親しみやすい。“いいね”をし合ったり、コメント欄で直接やりとりができるため、親近感を抱きやすいんです。人間は一番接点のある人に憧れますから。例えば、最近は玩具やお菓子のプロモーションにユーチューバーが起用されることが増えていますが、子どもたちがテレビよりYouTubeを見る環境では、そうなるのも当然。時代とともに企業のスタンスも変わり、15~30秒のTVCMよりも実際に商品を使って10分の動画で紹介してもらうほうが消費者もわかりやすい、という意識になっています」チャンネル登録者数が数百万人を超える人気ユーチューバーは、今や小・中学生のヒーローだ。そんな人気ユーチューバーに共通するのは「動画制作が好きなこと」と鎌田さん。「毎日動画を作って投稿するのはすごく大変な作業で、好きだと思える人じゃないと続かない。人気になるほど広告収入などがどんどん入ってお金には困らなくなるはずなのに、それでも毎日動画をアップするって、仕事とは別の次元の感覚ですよね」動画先進国アメリカではユーチューバーはどんな扱いなのか。「アメリカではユーチューバーよりもYouTubeスターと呼ばれることが多いですが、例えばオバマさんが若者の意見を聞きたいとか、ティム・クックが次のデバイスどうしようって悩んでいる時に話を聞くのがYouTubeスター。日本でも次第にそうなっています。ちなみに、世界と比べると、日本は人口の割にコンテンツ天国。漫画、アニメ、和食、オタク…世界に誇れる文化が多いので、YouTubeを通して世界に何かを発信するのに恵まれた環境なんです。ユーザーにとっても、自分が欲しいコンテンツを見つけやすいはずだと思います」はじめしゃちょーの動画が海外で爆発的人気に。おそらく日本初!?再生回数が1億1000万回を超えた伝説の動画が、海外から取り寄せた巨大なグミを1人でひたすら食べるだけのもの。本人もびっくりのこの快挙、今YouTube がブームになっているというインドを含めて、世界各国で動画が再生されたことが理由。YouTubeにとどまらず活躍を広げるクリエイターも!世界的なアーティストとビートボックスによる共演を果たしたHIKAKINや、ミュージックアルバムをリリースした“思い出系ネットパフォーマンス集団”のフィッシャーズなど、YouTube以外のフィールドに出て多ジャンルで活躍する姿も見逃せない。かまだ・かずきHIKAKINやはじめしゃちょーなど、人気ユーチューバーが多く所属するUUUMの代表取締役社長CEO。※『anan』2019年7月10日号より。取材、文・若山あや(by anan編集部)
2019年07月07日「リベラルアーツ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本ではまだ浸透しているとはいえませんが、アメリカの大学ではごく一般的な教育のことです。そのリベラルアーツのエッセンスを子どもに吸収させることが大切だと語るのは、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開し、全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集めました。ボーク重子さんが、これからの子育てにおいてリベラルアーツを重視する理由はどんなところにあるのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)リベラルアーツの本質は「どう生きるか」と考えること辞書を見れば、リベラルアーツは「一般教養」と訳されています。ですから、わたしも最初は「なんだ、難しい本を読んで知識を得る勉強のことか」と思いました。でも、実際はその真逆といっていいものです。「知識の集積」という側面の強い日本の一般的な勉強とはちがって、リベラルアーツが目指すものは「問いを立てる力」「考える力」を育むこと。その力を身につけるために哲学書などの本を使うのです。哲学書を読むのも、アリストテレスやプラトンなど過去の哲学者たちがどんなことを述べたのか、彼らの生涯がどんなものだったのかといった知識を得るためではありません。そうではなくて、そこからさらに進んで、「彼らはこう考えてこんな答えを出したが、自分はどうだろう」「自分にとっての正義とはなんだろう」というふうに、疑問を持つ、そして考えてみる――。それこそが、リベラルアーツです。具体的には、授業はほとんどがディスカッション形式で行われます。ですから、教官が教壇に立って学生に教えるというものではありません。教官は学生の考えを引き出す進行役です。学生たちは、授業までに教材本の指定箇所を読んできて、それに対する自分の考えを述べる。そして、さらにそれぞれの考えについて各自が意見を述べる。そうして、自分の考えを構築し、相手に伝えるすべを学んでいきます。以前、日本の一般的な勉強とリベラルアーツのちがいについて、娘が面白いことをいったことがあります。彼女いわく、「日本の大学は専攻を決めて専門知識を学ぶところだけど、アメリカの大学は『これから自分がどうやって生きていくか』『自分にとっての幸せとはなにか』と考える、その期間なんじゃないかな」と。「これはリベラルアーツを完璧に表現している言葉だな」とわたしは思いました。リベラルアーツでは、なにを読むのか、なにを知るのかということが重要なのではありません。なにかを読んだり知ったりしたことで自分はなにを感じたのか、そしてそれをどう応用して生きていこうと考えるのか、それこそが大切なのです。これからの社会で必要とされる、考える力と表現する力わたしがこのリベラルアーツを重要だと考える理由は、「考える力」「自分の意見を表現する力」を伸ばすということに尽きます。わたしたちは、すでに多様化したグローバル社会に生きています。にもかかわらず、日本人のなかには「僕は海外で働く予定はないから、グローバルな教養なんて必要ない」という人もいるのは少し残念なことです。グローバル社会というのは、外国だけにあるもの、外国の社会を指すものではありません。そうではなくて、国境を越えた文化や人、お金などの流動のなかにある社会のことなのです。つまり、日本はもう立派なグローバル社会なのです。日本で働き生きていく外国人は、今後ますます増えていきます。しかも、わざわざ日本を目指す外国人の多くは優秀な人材だと思ったほうがいいでしょう。リベラルアーツ教育を受け、しっかりと自分の考えを伝えることができる人たちなのです。そんな社会に能力的には彼らと互角という日本人がいたとしても、自分の意見を論理的に表現することができなければ、彼らと競い合う、あるいは協働することなんてできませんよね。しかも、これからの社会は変化のスピードも増していきます。よく指摘されることですが、AIの進化によって今日まではあった仕事が明日にはなくなるかもしれません。小さい頃に、「タクシードライバーになりたい」といっていた子どもが大人になったときには、自動運転車が普及してタクシードライバーという仕事がなくなっているかもしれないのです。そうなったとき、どうすればいいのかと考える力を持っていなければ、自分の人生を切り開くことはできないでしょう。また、人生にはいいときもあれば悪いときもあるものです。悪いときには置かれた状況を打開しなければなりません。そういう場合も、たとえ誰かがアドバイスをしてくれたとしてもその意見を鵜呑みにすることなく疑問視し、自分できちんと精査してどんな可能性や選択肢があってなにがベストなのかと、やはり考える力が求められるのです。まず親がリベラルアーツの基本姿勢を身につけるただ、日本では、リベラルアーツを行っている大学はいくつかあるものの、公教育の小学校や中学校で行っているところはないといっていいでしょう。それでも、リベラルアーツの考え方を家庭教育に生かすこともできます。学校ではディスカッション形式の授業で学ぶものですが、家庭教育でなら、それは「親子の対話」に置き換えられるでしょう。ただ、親子で対話をする、つまり自分の意見をいうにも、自分の考えがなければそうできません。子どもと対話し、子どもの考える力、意見を表現する力を伸ばすには、まずは親自身が自分の考えをしっかり持って伝えられる必要があります。そこで、パートナーがいる場合なら、お父さんとお母さんでいろいろな意見を交換し、しかもその様子を子どもに見せてあげてください。そのとき、「ディスカッションだから」と変に身構える必要もありません。ちょっと変な意見をいってしまってもいいのです。それを見れば、子どもは「どんな意見を伝えたっていいんだ」と思ってくれるはずです。アメリカで暮らしていてやはり気になるのは、自分の意見をいえない日本人がいかに多いかということ。もちろんわたしもかつてはそうでした。でも、どんなに素晴らしい考えを持っていても、それを表現できなければ意味を持ちません。意見の内容を問わず、まずはとにかく表現できる人間に子どもを育ててほしいと願っています。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月11日家族といってもそれぞれちがう人間同士の集まりですから、家庭にも「ルール」は必ず必要なものです。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことで注目を集め、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さんは、「家庭におけるルール」についてどんな考えを持っているのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)ルールは子ども主導で決めさせる家族というのはひとつのチームです。そして、チームには必ず目的があります。では、家族というチームが目指す目的というと、やっぱり「家族の幸せ」ですよね。だとしたら、その目的のためにそれぞれの家族はなにができるのか――。そういう視点でつくるべきものが家庭におけるルールなのだとわたしは思っています。親はもちろん、小さい子どもであっても、「宿題は自分ひとりでやる」「靴紐は自分で結ぶ」というふうに、やれることはいくらでもあるはずです。その際、親が子どもに押しつけるのではなく、家族全員で相談しながら「あなたは家族のためにどういうことができると思う?」と子どもに聞いて、子ども主導でルールを決めさせることが大切です。なぜならば、押しつけでは子どもの責任感が育たないからです。ただ、子ども自身が決めたルールであっても、問題が起きて守れないということも出てくるでしょう。そういうときに叱ってはいけません。ルールを守れなかった理由を聞けば、「もっともだ」ということも多いものです。大人だって、公私を問わず理由があって約束を守れないということもあるでしょう。家族のルールもそれと同じです。日本人は真面目ですから、「ルールは絶対に守るべきもの」と考えがちです。でも、例外のないルールというものはありません。家庭のルールというのは、あくまでも家族の幸せを目指すための「ガイド」だととらえましょう。子どもは遊びのなかでルールの重要性を学ぶ「ルールは守るべきもの」という考えを持っている人にとっては、ルールの対極にあるように思えるものが「遊び」かもしれません。そういう人からすれば、遊びは禁じたり制限したりするものというとらえ方をしてしまうはず。でも、じつは遊びには子どもの成長を促す大切な要素がたくさん詰まっています。そもそも、「ルールを守る」という姿勢だって、遊びが伸ばしてくれることのひとつです。女の子がお友だちとふたりでおままごとをしていたとしましょう。どちらもママ役をやりたいのに、ひとりだけがママ役をやっていれば、もうひとりは「楽しくないな……」なんて思いながらパパ役ばかりをさせられる。当然、喧嘩になりますよね。でも、そのうち、パパ役とママ役を交代しながらやるというふうに、子どもは自分たちでルールを決めるでしょう。これは、「ルールを守る」ということにとどまらず、問題解決能力を伸ばすということにもつながるものです。この例なら、喧嘩というその場で起きている問題を、ルールを決めることで子どもたちは見事に解決したわけです。それから、ルールというと多くの人がイメージするのがスポーツではないでしょうか。野球やサッカーなどのスポーツは幼い子どもにとっては遊びといっていいものでしょう。でも、それらのスポーツはルールを守らないと成立しません。子どもたちはスポーツという遊びを通じてルールを守ることの重要性を学ぶわけです。さらにいえば、スポーツは子どもの社会性を身につけるためにも大切です。スポーツに親しむ子どもからすれば、もちろん「上手になりたい」と思いながら練習に励むものでしょう。でも、年上のお兄さんやお姉さん、年下の子どもたちと同じスポーツを楽しむというコミュニティーのなかで、子どもは社会性も自然に学んでいるのです。しかも、その学びは大好きなスポーツを通じて楽しみながら得られるのですから、それこそ最高じゃないですか。親の重要な役割は機会を与えることただ、気をつけてほしいのは、子どもの成長に遊びが大切だからといって、「はい、これで遊びなさい!」と親が押しつけてしまってはなんの意味もないということ。この考えは、ルールを決めるときと同じですね。子どもは自分で「こうしよう」と思ったことでなければ、熱中するものではないのですから。ちょっと乱暴ないい方かもしれませんが、ほうっておけばいいのです。というのも、子どもは退屈すれば自分で楽しくしようとするからです。子どもはつねに動いていたいものですから、ぼーっとさせておくとなにかをはじめて自然に遊びだすのです。しかも、そういうときの子どもはものすごく考えています。つまらないからこそ、「なんとか楽しくしよう」と考えてなにかをはじめる。当然、これは考える力を育むことにもなりますよね。子どもにとっては、退屈な時間ってそれほど悪いものではないのです。ただ、ほうっておけばいいとはいいましたが、「機会を与える」ことは親の大事な役割です。本来なら外遊びが大好きになるはずの子どもや、あるお稽古事に強い興味を示すはずの子どもも、それらに触れる機会がなければ自分の好奇心に気づくことはないでしょう。子どもは自分で遊びを見つけますが、自由に出かけることはできません。ですから、なるべくさまざまなものに触れる機会を与えてあげることを心がけてください。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月10日ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。ボーク重子さんが子育ての軸としたのが「非認知能力」でした。非認知能力とは、回復力、やり抜く力、自信、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、数字では測れないさまざまな力のことですが、なかでもボーク重子さんは「自己肯定感」の重要性を強く説きます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)「べき」にとらわれる大人が子どもの自己肯定感を下げてしまう日本人の自己肯定感が低いということは耳にしたことがある人もいるかもしれません。その理由を考えると、多くの人が「『べき』にとらわれている」からだと思うのです。男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、親は……、子どもは……というふうについ考えていませんか?それを子どもにあてはめるということは、ひとつの決まったサイズの服をすべての子どもに着せようとするようなものだとわたしは思うのです。子どもの体の大きさは一人ひとりちがいますから、その服がぴったり合うとは限りませんよね?ブカブカだったり窮屈だったり丈が足りないという子もいるでしょう。そんなふうにして、「どうして僕はこの服が全然似合わないんだろう」なんて考えさせてしまっては、その子の自己肯定感が高まるはずもありません。そうではなくて、「合う服というものはみんなそれぞれにちがう」「それが個性なんだ」と思わせてあげなければいけないのです。そうすれば、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認めることになる。「これが自分だ!」といえるようになる。それが、自己肯定感を高めるためのスタート地点なのだと思います。どんな子どもも同じように育て、一丸となって国力を上げるといった時代は終わりました。これからは「個の力」が求められる時代です。そういう意味では、子どもを育てる親、大人が子どもの個性をいかに認めるかということを考えなければなりません。多民族国家で「一人ひとりがちがうことが普通」のアメリカとはちがって、日本の場合は基本的に単一民族国家ですから、個性を認める意識が育ちにくいのかもしれませんね。でも幸い、いまも現在進行形で進んでいることですが、日本に移住してくる外国人はさらに増えるでしょう。そうなると、個性があたりまえのように認められ、日本人の自己肯定感も上がってくるということも考えられますよね。自己肯定感を高める最善策は家庭でのお手伝いにありでは、自己肯定感が低い人間にはどんな特徴が見られるのでしょうか。「自己」肯定感という言葉から、自己肯定感の影響は個人のなかで完結しているものと考えてしまう人もいるでしょう。でも、そうではありません。自己肯定感が低い、つまり自分を認められない人間は、「他人も認められない」のです。すると、「僕はなんて駄目なんだ」「また失敗しちゃった」という思いが、「あなたは駄目だね」「あなた、それは失敗だよ」とまわりの人間に向かい、どうしても他人を攻撃したり批判したりしがちになります。そうなると、周囲から煙たがれてしまうことは明白ですよね。自分の個性を生かして他人と協働していくことが求められるといわれるこれからの時代を生きるには、それは致命的なことといっていいかもしれません。では、どうすれば子どもの自己肯定感を高められるのでしょうか?先にお伝えしたように、子どもが、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認める、「これが自分だ!」といえるようになることが、まずは大切なこと。そして、子どもにそうさせるためのベストの方法が、「誰かの役に立つ」という経験をさせることにあるとわたしは考えています。自分の行動によって、まわりの誰かが「ありがとう」といってくれてよろこぶ姿を見る。「自分は誰かの役に立てるんだ!」という思いが、自己肯定感を高めていくのです。そういう経験を得るには、社会貢献活動やボランティアなども考えられますが、小さい子どもの自己肯定感を高めるということを考えれば、わかりやすく周囲から肯定されることが大切です。そうなると、やはり最初は家庭でのお手伝いがベストの方法でしょう。子ども自身が自分の役割として決めたお手伝いをしたのなら、親御さんは「ありがとう」と伝えて、たくさん褒めてあげてください。子どもは親御さんに認められることで自分を認められる。そうやって、自己肯定感が高まるという好循環を生んでいくはずです。叱るときは必ず理由もきちんと伝える加えて、子どもの自己肯定感を高めるにあたってのNG行動もお伝えしておきます。それは「否定する」ということ。頭ごなしの否定は、認めることの対極の行動です。それを繰り返せば、子どもが自分を認められるようになるはずもありません。たとえば、親がつくった料理に対して子どもが「これはあまり美味しくない」といったとします。そこで「そんなこと、いわないの!」なんていってはいけません。意見というものには正解も間違いもないのですから、その意見、子どもの思いをしっかり受け止めてあげるべきです。否定するのではなく、「へえ、そうなんだ」と子どもの発言を認めて、「ほんとに?どんなふうに美味しくない?」と質問してみるのです。そのやり取りは子どもを肯定しているということですから、子どもの自己肯定感を高めていくことにきちんとつながります。とはいえ、危険な遊びをしようとしたときなど、どうしても叱らなければならない場面もあります。そういうときに大切なことが、「必ず理由も伝える」こと。大人だってそうでしょう?「やめなさい!」とだけいわれたら、「どうして?」と思うじゃないですか。小さい子どもにはまだ論理を理解する力がないと思っている人も多いかもしれませんが、そうではありません。丁寧に理由を伝えれば、子どもはその論理をきちんと理解するものです。イコールそれは、子どもと「同じ目線に立つ」ということでもあります。親と子どもではなく、人間対人間という関係性を意識することが大切です。子どもというのは、すべてを親が教えなければならない存在ではなくて、人間同士としてどうやって一緒に生きていくのかと考えるべき存在なのだと思います。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月09日「非認知能力」とは、テストの点数や偏差値など数字で測れる認知能力に対して、数字では測れない力のこと。そこには、回復力、やり抜く力、自信、自己肯定感、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、さまざまな力が含まれます。その非認知能力との出会いによって自身の人生を変えたのが、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。もちろん、ボーク重子さんの子育ての軸となったのも、子どもの非認知能力を伸ばすことでした。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)はじめての失敗で心が折れた子ども時代子どもの非認知能力の有無によってどんなちがいが生まれるのか――。親であればとても気になるところですよね。ここでは、わたし自身を例にしてお伝えしましょう。子どもの頃のわたしは、「いい高校、大学、会社に入って、いい結婚をすれば一生安泰だから、とにかく勉強をしなさい」といわれて育ちました。わたしの親は少し教育熱心だったかもしれませんが、当時の「幸せへ向かうレール」に子どもを乗せようとする、ごく普通の家庭だったと思います。わたしはいわれるままに勉強をしましたから、最初は学校の成績も優秀でした。ところが、中学生のある日、急に数学ができなくなったのです。いつも100点だったテストがいきなり70点になってしまった。そして心が折れた。いまならその理由がわかります。それは、わたしの非認知能力がまったく育っていなかったからです。当時のわたしは、「やりなさい」といわれたことになんの疑問も持たずに従っていました。いわゆる「いい子」です。だからこそ、自分で考えるということをまったくしたことがありませんでした。勉強も親や先生にいわれたことをやって、とにかく暗記を繰り返すだけ。学習内容の本質を理解していませんから、学習レベルが上がると一気に成績が落ちてしまったのです。そこでわたしがどうしたかというと……勉強をやめてしまいました。というのも、賢くないと思われるのがすごく嫌だったからです。「勉強をしなければ、『やればできるのに』と思ってもらえる……」。そう考えたわけです。そのときのわたしに回復力ややり抜く力といった力があれば、そこで立ち止まって「どうすればいいか」と考えられたでしょう。でも、当時のわたしにはそれらの力はなかった。要するに、わたしには勉強での失敗経験がなかったのです。なにかをして失敗するという経験は、非認知能力を育てるためにはとても大切なものです。あたりまえですが、失敗しないことには回復力なんて育つわけがありませんからね。そもそも、それ以前に主体性が育っていれば、親や先生のいうことにただ従うのではなく、自ら考えて勉強に励むこともできたかもしれません。さらに、そういった主体的な勉強で成績が上がったのなら、自信をつかむこともできたでしょう。でも、当時のわたしはそうではなかった。だから、たったひとつのテストの結果でポキッと心が折れてしまったわけです。教育法のちがいが子どもの人生を大きく変えるそれからはどんどん成績は下がる一方で、自分は「なんてダメなのだろう」という気持ちを拭うことができませんでした。そこからわたしが回復するには、15年ほどの時間がかかりました。20代はそれこそ暗黒時代。ずっと「どうして自分はこんなに駄目な人間なんだろう?」「どうせわたしなんて……」と思いながら過ごしていました。その後、回復するに至ったのは、30歳になる直前に、当時お付き合いしていた男性にフラれたことが大きなきっかけです。そのとき、真剣な顔をしている彼を見たわたしは「プロポーズかな?」と思った。でも、彼は「君は僕と結婚したらどう生きたい?」と聞くのです。当時のわたしは、「え?そんなの決まってる」と思いました。その答えは、「あなたのお世話をして、あなたの子どもを生んで、一緒に年を重ねたい」です。わたしの返事を聞いて、彼はこういいました。「僕、それだけの人はいらない」と。幼い頃から凝り固まった人生観を刷り込まれ、自分というものを持てていないわたしに彼は愛想を尽かしたというわけです。そうして「幸せへ向かうレール」から外れたことで、わたしは一念発起しました。ずっと心のどこかで「いつかやりたい」と考えていたアートの勉強をするため、イギリス、続いてアメリカに渡ったのです。そのうち結婚して娘が生まれると、また強い不安に駆られました。「わたしに育てられたら、いつも自信を持てなくて誰かの指示を待つわたしみたいな人間に娘が育つのではないか」と――。そして、娘のための学校を探しているうちに出会ったのが非認知能力でした。当時のアメリカにおけるいわゆるエリートコースにある幼稚園や小学校は非認知能力教育に重点を置くようになりつつありました。そして、ある研究によって、その潮流は決定的なものとなった。従来の教育を受けるか、非認知能力を高める教育を受けるかによって、その後の子どもたちに大きなちがいが生まれることがはっきりとわかったのです。非認知能力を高める教育を受けた子どもたちの学習は、機械的にやらされるようなものではありません。学習内容に興味を持ち、自ら能動的に学ぶ。勉強したくないときも、責任感があるから「やらなくちゃ」と勉強をする。もちろん、学習成績も上がります。さらには、自分がやったことを肯定してもらえるため、自信を持つようにもなる。子どもたち一人ひとりが認められるから、いじめも減る。やる気、主体性、パッションがあって、自分がやりたいことをやるためにそれ以外のことも自然にできるようになるし、やり抜く力も身についていく――。まさにいいことずくめなのです。親は子どものロールモデルという役割から逃れられないさて、肝心の非認知能力を高める教育ですが、特別な学校でしかできないというわけではありません。むしろ、家庭教育のほうが重要だともいえます。娘を通わせた学校の先生からは、「いちばん小さいけれど最強のコミュニティーである家庭での教育、親との対話が子どもにもっとも影響を与える」といわれました。親は子どものロールモデルという役割から逃れることはできません。親の姿を見て育つ子どもは、ふとしたときに出るしぐさや口癖などまで親に似るものです。子どもは必死に生きて親を愛して、いずれ親のようになる。それだけ親という存在は子どもにとって大事なものなのです。そう気づいたとき、わたしは思い至りました。「だとしたら、まずわたし自身が自分の非認知能力を高めなければいけない」と。それから、わたしはいろいろと行動をはじめました。アートギャラリーを立ち上げたこともそのひとつでしょう。とにかく行動することが大切で、ずっと家にこもっていても心は強くなりません。家でご飯を食べてテレビを観ているだけなら、誰かに共感したり、失敗して回復したりする必要もないし、主体性やリーダーシップを発揮する場面もありませんからね。そして、「ママ、いまはこういうことをしてるんだよ」というふうに、自分の行動を子どもとシェアするのです。子どもは親を見て育つといいますが、見えやすくするのも親の役目です。子どもには、いわれなければわからないこともたくさんあるのですから。親の行動をシェアする際には、「失敗こそシェアする」と心がけてください。当時のわたしはなにもわからないままビジネスをはじめましたから、当然、失敗の連続です。それらの経験を娘に伝え、ときには娘からアドバイスをしてもらうこともありました。それは、失敗か成功かという結果ではなく、なにがどうしてどうなったかというプロセスを娘に見せるということです。そうすることで、子どもは、失敗は通過点であってやり直しができるということ、方法はひとつじゃなくてもしひとつの方法が駄目でも他の選択肢や可能性を試せばいいといったことを学んでいくことができます。それは、回復力ややり抜く力といった非認知能力そのものですよね。そう考えていたわたしは、娘には成功より失敗を重点的に見せてきましたから、娘にとってはじつは格好悪いママなんです……。はじめて「子育ての本を書くんだ」といったときに、いちばん驚いていたのが娘でしたね(笑)。娘のスカイさんと。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動(※近日公開)第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月08日