スティーヴン・スピルバーグ、オプラ・ウィンフリー、クインシー・ジョーンズを製作に迎えたミュージカル映画『カラーパープル』。この度、ブロードウェイ版から愛され続ける名曲を主人公セリー役のファンテイジア・バリーノが歌い上げる本編映像が解禁された。新鋭ブリッツ・バザウーレ監督が、“希望”と“自己肯定感”を求める女性たちの姿をとらえ、キャストたちの圧巻の歌声が観る者の心を奮い立たせる力強いミュージカルとなっている本作。「パワフルな歌声と虐げられることに反発する女性たちの強い思いの乗った物語」「歌の力、愛の力、物語の力、映像の力、全部が重なって最高に濃厚な作品」「この映画から、生きるパワーをいただきました!」など、日本初上映となるプレミア試写会後、SNSに絶賛と感動の声があふれている。主人公セリーは、父や夫に虐げられて自由のない生活を送り、唯一の心の支えである最愛の妹とも引き離されてしまう。しかし、自立したパワフルな女性ソフィア(ダニエル・ブルックス)や、人々を魅了する自由奔放な歌姫シュグ(タラジ・P・ヘンソン)との出会いをきっかけに、少しずつ自分を愛し未来を変えていこうとする。今回解禁された本編映像は、映画のクライマックスとなる圧巻の歌唱シーン。セリーが全身を震わせながら魂の叫びを熱唱する場面だ。“私の中にはあると信じてる豊かな人生を送るためのすべてが私の中に愛が息づいてる限り最も高い木ほど高くそびえよう。日々与えられるすべてに感謝を、苦もあれば楽もあるけど、私は生きてる。でも何より感謝してるのは、ありのままの自分を愛せたこと。私は美しい。そうよ。私は美しい。そして私はこうして生きてる!そうよ 生きてる。”父や夫、社会の制約に縛られていたセリーが、未来を切り開く一歩を踏み出し、高らかに内なる思いを歌い上げる内容だ。この曲「I’m Here」は、自分が生まれ育った場所で、ありのままの自分を貫き、自由に表現する喜びを発見したひとりの女性が、全身に輝きを取り戻す奇跡の瞬間をとらえた心震わせる名場面となっている。グラミー賞受賞歴のあるファンテイジアが歌う「I’m Here」は、ブロードウェイミュージカル版でも愛された、まさに『カラーパープル』を象徴する1曲。2007年にブロードウェイで演じたセリーを再びスクリーンで体現することになったファンテイジアは本作の撮影時も生歌にこだわり、録音された演奏のプレイバックに合わせるのではなく、ピアニストの生の演奏をイヤホンで聴きながら圧巻のパフォーマンスを披露している。彼女のエモーショナルな演技をナチュラルに撮影することで、よりダイナミックで心に響くミュージカルシーンに仕上がった。『カラーパープル』は2月9日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:カラーパープル(2023) 2024年2月9日より全国にて公開© 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2024年02月04日1月7日(現地時間)に行われる第81回ゴールデングローブ賞授賞式に向けて、プレゼンターが発表された。オプラ・ウィンフリー、アメリカ・フェレーラ、フローレンス・ピュー、ダニエル・カルーヤ、イッサ・レイ、シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、シム・リウの8名。今回の発表は第2弾であり、8名は3日に発表されたアマンダ・サイフリッド、アンジェラ・バセット、ミシェル・ヨー、ウィル・フェレル、「SUITS/スーツ」のコンビのガブリエル・マクト&パトリック・J・アダムスらに加わる。ゴールデングローブ賞のSNSによると、今後さらなるプレゼンターが発表予定だという。第81回ゴールデングローブ賞授賞式は、ロサンゼルスのビバリーヒルズにあるホテル「ザ・ビバリー・ヒルトン」で開催される。司会はコメディアンで俳優のジョー・コイ。俳優としての最近の出演作には『ホーンテッドマンション』がある。今回の授賞式では、「ベスト・スタンダップコメディアン賞」と、興行的に大成功した映画から優秀な作品に贈られる「シネマティック&ボックスオフィス・アチーブメント賞」が新設されたことにも要注目。(賀来比呂美)
2024年01月05日インスタグラムのフォロワー数は2人合わせて4億人超えと、多大なる影響力を持つドウェイン・ジョンソンとオプラ・ウィンフリーが、ハワイ・マウイ島の山火事で被害を受けた人のために「People’s Fund of Maui(マウイ島民基金)」を立ち上げたことを発表した。おプラによると、きっかけは2016年に米テネシー州で山火事が起きた際に、大御所歌手のドリー・パートンが基金「My People Fund」を設立し、被災者に資金援助を行ったことにインスピレーションを受けたことだという。「山火事による影響を自分たちの目で見てきましたが、本当に壊滅的です。私たちはあなたからの寄付金がラハイナの住民の手に直接渡ることを100%保証します」と、寄付金が“必ず、直接、クリーン”に被災者に届けられることを強調した。具体的には、ラハイナとクラで発生した山火事の影響を受け、避難所で暮らす成人に月1200ドルの支援金を届けるという。2人は「家を失った方々への寄付をよろしくお願いします!」と呼び掛けている。また、2人で設立した基金に1000万ドルを寄付したことも明かしている。(賀来比呂美)
2023年09月01日オプラ・ウィンフリーとのインタビューで爆弾発言を連発して英国王室と世界中の王室ファンを震撼させたメーガン妃が、またしても大きな話題を提供している。夫のヘンリー王子と息子のアーチーくんが築いている特別な絆に感銘を受け、子ども向けの絵本を執筆したのだ。出版社の「ペンギン・ランダム・ハウス・チルドレンズUK」によると、タイトルは「The Bench(原題)」で、作画はクリスチャン・ロビンソンが手掛けた。イギリスでは6月8日に発売されるという。オーディオブックではメーガン妃がナレーターを務めている。表紙には木の下にタイトルが示す「ベンチ」と小鳥が描かれており、著者名は「Meghan, The Duchess of Sussex」(サセックス公爵夫人メーガン)となっている。王室から離脱したにも関わらず、「公爵夫人」というタイトル(称号)を使っていることに王室ファンが再び騒然。「The Express」紙は、エリザベス女王も反応し、弁護士を通して出版社に「公爵夫人」を取り除くよう要請していると伝えている。同紙は読者にメーガン妃が「公爵夫人」というタイトルを使い続けることが許されるべきかとアンケートを取ったところ、98パーセント(27228人)が「NO」と答えたという。「王室から解放されたかったんでしょう?だったらタイトルを取って。シンプルなこと」「もう本当にうんざり。早くヘンリーとメーガンからタイトルを剥奪して」などの辛らつなコメントが寄せられた。(Hiromi Kaku)
2021年05月06日エリオット・ペイジが、昨年12月にトランスジェンダーであることを公表してから初めて、テレビ番組でインタビューを受けた。Apple TV+のオプラ・ウィンフリーのトークショー「The Oprah Conversation」に出演したことをインスタグラムなどで報告している。実は12月に長文レターをインスタに投稿して公表する前から、周りの人にはトランスジェンダーであると伝えていたというエリオット。「自分自身が安心したかったし、はっきりと言うことができる機会を求めていました」という理由から公表に至ったというが、あのタイミングでそうしたわけには「義務感」もあったと話す。「私たちがいまいるこの時代、トランスジェンダーの人々――特に若いトランスジェンダーの人に対して強い反感が向けられているのを見て、(自分が公表することは)急を要すると感じたんです」。若いトランスジェンダーに必要な医療が限定されているアメリカの法律や、トランスジェンダーがスポーツに参戦する際の制限などの問題点も挙げた。「男性として生きていくことを決めて、うれしくなる瞬間は?」というポジティブな質問には「シャワーから出て、腰にタオルを巻いた自分の姿を鏡で見るとき。『ほら、自分だ』と思えるんです」と語った。エリオットは「TIME」誌で乳房切除術を受けたことを明かしている。「ただTシャツを着る。胸を触って、私の身体が心地よく感じる。多分初めての経験ですね。涙が出るほどうれしい」と喜びをかみしめた。エリオットが出演する「The Oprah Conversation」はアメリカで30日からApple TV+で配信開始。(Hiromi Kaku)
2021年04月30日ヘンリー王子とメーガン妃が有名司会者オプラ・ウィンフリーのインタビューを受けた2時間の特別番組が、アメリカやイギリスで放送された。2人はメーガン妃が妊娠中の第2子が女児で、夏に出産予定であるということなどポジティブな情報も明らかにしたが、注目が集まっているのは、第1子アーチーくんが生まれる前に、ある王室メンバーに「肌の色はどのくらい暗く(黒く)なるのか?」と懸念されたなど、王室で受けた人種差別的なネガティブな情報だ。思わずオプラが、その懸念を抱いていたのが「エリザベス女王でも、フィリップ殿下でもない」ことを2人に尋ねて念を押したほど。エリザベス女王でもフィリップ殿下でもないということは確かだが、メーガン妃はそれを言った張本人にとって「大打撃になりかねないので、名前は明かしません」と名前を出すことを避けた。メーガン妃に直接ではなく、ある人物がヘンリー王子に告げたことであるとも明らかに。ヘンリー王子はその時の“ある人物”との会話を「気まずく、ちょっとショックを受けてしまった」とふり返っている。また、メディアが「ヘンリー王子との結婚前、メーガン妃がキャサリン妃を泣かせた」と書いたことにも言及。実際は「メーガン妃がキャサリン妃に泣かされた」という完全に真逆のことが起きていたという。「キャサリン妃から後日謝罪があり、手紙や花束が送られてきた」というフォローもしていたが、「結婚式の7.8か月後に全く正反対のことをメディアに書き立てられたのがショックだった」という恨み節も。ほかにも、実父との不仲などについて2時間のインタビューで語りつくしたメーガン妃。セリーナ・ウィリアムズ、ガブリエル・ユニオンらセレブはこのインタビュー番組を見て、メーガン妃を支持することを表明している。(Hiromi Kaku)
2021年03月09日先月、第二子の懐妊を発表していたヘンリー王子(36)とメーガン妃(39)。7日に放送されたオプラ・ウィンフリー(67)によるインタビューで、お腹の赤ちゃんが女児であることを明らかにした。アメリカのCBS局で放送された特別番組『Oprah with Meghan and Harry: A Primetime Special』では、「男の子がいて、女の子が生まれようとしている。これ以上何を求めろと?感謝でいっぱいだ。子どもを持つことは、1人でも2人でももちろん素晴らしいけれど、男の子と女の子が家族に加わるなんて……」と、ヘンリー王子が感無量で語っている様子を放送。メーガン妃は昨年7月に流産し、「耐えがたい悲しみを経験した」とNew York Timesに寄稿したエッセイで綴っていた。’19年5月に誕生した長男・アーチ―に続く第二子の誕生を、夫婦は心待ちにしているようだ。2人はインタビューの中で、これ以上の子どもを望んでいないとも発言。第二子は今夏に誕生予定だという。
2021年03月08日有名司会者のオプラ・ウィンフリーがヘンリー王子&メーガン妃にインタビューした特別番組「Oprah With Meghan and Harry:A CBS Primetime Special」(原題)が、アメリカ・イギリスでまもなく放送を迎える。英王室としては、メンバーから離脱した2人が何を語るのか、戦々恐々だろう。しかし、英「デイリー・エクスプレス」紙によると、「女王の心にあるのは自分の務めとフィリップ殿下だけ」という。99歳のフィリップ殿下は先月中旬から体調を崩し、持病の心疾患の治療処置を受けて現在も入院中。英「タイムズ」紙は、エリザベス女王は番組を見ず、国の様々な問題に集中すると報じているが、王室のアドバイザーたちは万が一エリザベス女王が“口撃”にあったときのために備えているという。具体的には、ヘンリー王子&メーガン妃の素行に関する新しい情報を暴露し、報復する準備だそうだ。「タイムズ」紙といえば、先日「メーガン妃が王室のスタッフをいじめていた」という疑惑を報じたばかり。インタビュー番組の放送直前というタイミングであるため、メーガン妃は「計算された中傷キャンペーンだ」として批判。メーガン妃の弁護団は「タイムズ紙は、バッキンガム宮殿が(メーガン妃たちをけん制するために)まったく正しくない話を広げることに利用されている」と書面で主張している。番組が放送される日は、イギリスでは「コモンウェルスデー」(3月8日)でもあり、事前に録画された番組「A Celebration For Commonwealth Day」でエリザベス女王やフィリップ殿下ら王室メンバーがお祝いする。(Hiromi Kaku)
2021年03月08日オプラ・ウィンフリーが司会を務め、体系的な人種差別や米国の現状についてアカデミー賞ノミネート経験のある映画監督エヴァ・デュヴァネイや人権擁護活動家らと対話する「緊急討論 人種差別社会の行方」(原題OWN Spotlight:Where Do We Go From Here?)が、日本で配信、放送されることになった。本番組は、現在ますます高まりを見せる「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター/黒人の命は大切)」運動を受け、米国ディスカバリーのグループブランドであるOWN:Oprah Winfrey Network(以下OWN)が制作。OWNをはじめディスカバリーチャンネル、HGTV、Investigation Discovery(ID)、Food Network、TLCをはじめとする米国の全19ブランドにおいて、現地時間6月9日と10日の2夜にわたり同時放送を行った。名司会者として知られるオプラが黒人の人権擁護活動家やアーティスト、思想的リーダーらとのリモートでの対話を通して、いまのアメリカ社会で直面している人種差別や今後の課題、そして、この先自分たちがどう歩んでいくべきかという疑問を検証し、具体的な打開策を探る。登壇者は、ピューリッツァー賞受賞歴を持つジャーナリストのニコール・ハンナ-ジョーンズ、『13th-憲法修正第13条ー』『グローリー/明日への行進』「ボクらを見る目」監督のエヴァ・デュヴァネイ、『グローリー/明日への行進』でキング牧師を演じた俳優デヴィッド・オイェロウォ、ジョージア州の州議会議員を務めた経験を持つステイシー・エイブラムスら。オプラは番組について、「私は友人や思想的リーダーの方と今後の予定や方向性について、プライベートな会話をしています。彼らの発想や懸念、コメントに焦点をあてることは、全国民にとって興味深くかつ役立つものになると思いました」とコメント。また、OWNのプレジデントを務めるTina Perryは、「OWNは黒人の生活および地位向上に特化したネットワークとして、ジョージ・フロイドの殺害を悼み、有意義な変化をもたらすために私たちが共に何ができるかを自問しながら、この困難な時期にコミュニティにとって重要な対話と役立つリソースを提供することに全力を尽くします」とコメント。Discovery, Inc.のプレジデント兼CEOであるDavid Zaslavは、「歴史上この重大な時期に、私たち全員に洞察力や視点、行動力を与えてくれるオプラのような人は他にはいないでしょう。私たちはOWNと連携し、ディスカバリーならではのグローバルネットワークを通じ、200以上のマーケットに及ぶ10億人もの潜在的視聴者に対して、経済的および社会的正義と平等に関する問題について重要な議論を拡大することを光栄に思っています」と語っている。「緊急討論 人種差別社会の行方」は、動画配信サービス「Dplay」にて6月27日(土)12時より開始する「特集:差別なき世界を求めて」内にて無料配信。CS放送「ディスカバリーチャンネル」にて6月27日(土)19時~前編、6月28日(日)19時~後編と、2夜連続で放送。(text:cinemacafe.net)
2020年06月26日「トーク番組の名司会ぶり、慈善活動などが多くの人に知られ、オプラはアメリカ国内でカリスマ的な存在です」 アメリカの現地事情に詳しいデーブ・スペクターさんがこのように評する人物とは、オプラ・ウィンフリー(64)。1月12日、優れた映画やテレビドラマに贈られるゴールデン・グローブ賞の受賞スピーチで、オプラは力強くセクハラや差別問題に言及。国民や有権者から「彼女を次期大統領に!」という声が一気に高まり“時の人”となった。 現地メディアCNNが世論調査を実施したところ、現大統領トランプ氏の支持率42%に対し、オプラの支持率は51%と上回る結果に。国際ジャーナリストの小西克哉さんがこう語る。 「彼女自身、出馬は明言していませんし、否定しているという報道も。でも……もし現段階で選挙したら、オプラが勝つと思います。彼女はそれほど著名であり、熱狂的な女性ファンがいます。彼女がなぜそれだけ支持されるのか。その生い立ちが、大きく関係しているでしょう」 現在、“純資産30億ドル(およそ3,000億円)”ともいわれるオプラ。彼女はどのような人生を歩んできたのだろうか。 オプラが生まれたのは、’54年1月29日。黒人差別の激しかった、ミシシッピ州の貧しい農村に育った。出生時、母親のバーニタ・リー、父親のバーノン・ウィンフリーはともに10代。両親が未婚のまま、オプラは母に引き取られる。 「母親からの愛情は深くありませんでしたが、祖母からは“読み書き”を厳しく教えられたそうです。小1のときには、すでに小3の学力があったといわれるほどでした。人前で話す能力にもたけ、12歳のとき、教会で聖書の教えについて1回スピーチをするたびに500ドルを稼いだといわれています」(在米ジャーナリスト) そんな利発なオプラを苦しめたのは、劣悪な家庭環境だった。小西さんが語る。 「家には何人もの親戚の男性が出入りし、くりかえし彼女をレイプしました。残念ながら、当時の貧困層の黒人の家庭では、こうしたこともありえました」 オプラへの性的虐待は9歳から始まったが、母親は常に仕事をしており、娘に接する時間はなかった。 「誰も頼る大人がいないまま、性的虐待は繰り返され、14歳のときに妊娠。早産となってしまい、赤ちゃんは名前もつけられず、わずか生後2週間でこの世を去りました」(前出・ジャーナリスト) わが子を失ったトラウマに苦しめられたオプラを救ったのが、バーノンだった。押し付けられるようにして父に預けられたことが、彼女にとって“転機”となる。 「バーノンは教育熱心で、夕食前には新しい言葉を5つ覚えさせたり、読書をすすめ、毎週レポートを書かせたりしていたそうです」(前出・ジャーナリスト) その教育もあり、オプラは超優秀な学生に。高校時代に参加したスピーチコンテストの演説ぶりが認められ、全額奨学金を受け、テネシー州立大学に入学した。 「学生ながらローカルラジオでニュースを読む仕事をしていたオプラですが、大学2年生のとき、夕方のニュース番組に司会者として出演依頼を受けました。“最年少かつ最初のアフリカ系アメリカ人司会者”といわれています」(前出・ジャーナリスト) アメリカ国民がオプラを熱狂的に支持する理由を前出の小西さんはこう語る。 「オプラがこれほどまでアメリカ国民の心をつかんだのは、壮絶な過去があって、人々の悲しみや痛みに寄り添えたからです。その“共感力”が、今の政治に求められているのだと思います」
2018年02月09日「オプラはアメリカ国内でカリスマ的な存在です。日本でいえば黒柳徹子さん、上沼恵美子さん、さらにジャーナリストとしての素質もあるため安藤優子さんを足して3で割ったイメージでしょうか」 アメリカの現地事情に詳しいデーブ・スペクターさんがこのように評する人物とは、オプラ・ウィンフリー(64)。1月12日、優れた映画やテレビドラマに贈られるゴールデン・グローブ賞の受賞スピーチで、オプラは力強くセクハラや差別問題に言及。国民や有権者から「彼女を次期大統領に!」という声が一気に高まり“時の人”となった。 現地メディアCNNが世論調査を実施したところ、現大統領トランプ氏の支持率42%に対し、オプラの支持率は51%と上回る結果に。現在、“純資産30億ドル(およそ3,000億円)”ともいわれるオプラ。彼女はどのような人生を歩んできたのか。 オプラが生まれたのは、’54年1月29日。黒人差別の激しかった、ミシシッピ州の貧しい農村に育った。出生時、母親のバーニタ・リー、父親のバーノン・ウィンフリーはともに10代。両親が未婚のまま、オプラは母に引き取られる。 母親からの愛情は深くなかったが、祖母からは“読み書き”を厳しく教えられた。小1のときには、すでに小3の学力があったといわれるほどだった。そんなオプラを苦しめたのは、劣悪な家庭環境だった。家には何人もの親戚の男性が出入りし、くりかえし彼女をレイプした。 オプラへの性的虐待は繰り返され、14歳のときに妊娠。だが、わずか生後2週間でこの世を去った。トラウマに苦しめられたオプラを救ったのが、バーノンだった。押し付けられるようにして父に預けられたことが、彼女にとって“転機”となる。 「バーノンは教育熱心で、夕食前には新しい言葉を5つ覚えさせたり、読書をすすめ、毎週レポートを書かせたりしていたそうです」(在米ジャーナリスト) その教育もあり、オプラは超優秀な学生に。高校時代に参加したスピーチコンテストの演説ぶりが認められ、全額奨学金を受け、テネシー州立大学に入学した。 「学生ながらローカルラジオでニュースを読む仕事をしていたオプラですが、大学2年生のとき、夕方のニュース番組に司会者として出演依頼を受けました。“最年少かつ最初のアフリカ系アメリカ人司会者”といわれています」(前出・ジャーナリスト) 大学卒業後は、メリーランド州ボルチモアのローカルニュース番組の司会に。 アメリカは日本と違って、テレビ局がアナウンサーを新卒で雇ったりはしません。地方局で下積みをして、徐々に人口の多い都市の放送局へのし上がっていく。エモーショナルな語りをする彼女の番組テープは関係者に出回り、’84年、異例の早さでイリノイ州シカゴのトーク番組に抜擢されました」(デーブさん) 彼女が引き継いだそのトーク番組は、当時かなりの低視聴率。しかもライバル番組は、全国区の知名度があるタレントが司会を務めていた。 「オプラはニュースを伝える際、女性目線の考え方を投げかけ、怒りや喜びの感情をあらわにしました。コアな視聴者層は、昼間に家庭にいる女性。そこでニュースの話題も、それまでセレブのゴシップに重点をおいていたのを、家族や恋人との関係、体重の悩みなど多くの人が抱える問題を多く扱うように。時には自分自身がレイプされたことを告白するうそのない彼女に、多くの視聴者が感情移入したのです」(前出・ジャーナリスト) 放送わずか1カ月で、視聴者数はライバル番組に並び、数カ月後には10万人もの差をつけた。’85年には番組名を『オプラ・ウィンフリー・ショー』とし、1時間に拡大。同番組では、それまでタブー視されていた虐待や不倫、薬物依存、人種問題やLGBTに関しても積極的に切り込み、視聴者を増やし続けた。 「トーク番組は’11年に終了しました。約25年もの放送期間の間には、トランプ氏も出演しています。マイケル・ジャクソンが出演したときの視聴者数は6,000万人以上。名物の書評コーナーで紹介された本は、必ずベストセラーになるなど、数々の伝説を残しました」(前出・ジャーナリスト) 今回の世論調査の結果は、その影響力が衰えていないことの証しでもある。
2018年02月09日現地時間の1月7日、第75回ゴールデン・グローブ賞授賞式が開催されました。オプラ・ウィンフリーの感動的なスピーチ、『スリー・ビルボード』の4部門受賞など注目ポイントはたくさんありましたが、このコラムではもちろんTVドラマ部門に目を向けていきます。■「ビッグ・リトル・ライズ」「ハンドメイズ・テイル」2017年を象徴する海外ドラマは“女性”が筆頭!「ビッグ・リトル・ライズ」がリミテッドシリーズ&TV映画部門で作品賞と主演女優賞(ニコール・キッドマン)に輝いたほか、共通部門の助演男女優賞(アレクサンダー・スカルスガルド、ローラ・ダーン)も独占。そして、ドラマシリーズ部門では「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」が作品賞&主演女優賞(エリザベス・モス)を受賞と、今年のゴールデン・グローブ賞はエミー賞と同じ受賞結果が目立ちました。しかも、これらの作品は共に女性たちの物語。「2017年を象徴する海外ドラマには女性の存在あり」と言い切ってもいいのかもしれません。■いま注目したいのは、ウィットに富んだコメディドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」さらに、「2017年を象徴する海外ドラマには女性の存在あり」をより印象づけたのが、コメディシリーズ部門で作品賞と主演女優賞(レイチェル・ブロズナハン)を受賞した「マーベラス・ミセス・メイゼル」。とてつもなくチャーミングで、世の中の空気にも合った同作が2部門に輝いたのも嬉しい瞬間でした。Amazon配信の「マーベラス・ミセス・メイゼル」は、50年代のニューヨークに生きる主人公ミリアム・メイゼル、愛称ミッジの物語。完璧な夫と完璧な住居で誰もが羨む結婚生活を送る良き妻ミッジが、ある日を境に夫に去られ、幸せな暮らしの崩壊に見舞われるところから物語は始まります。しかし、ミッジの本当の幸せは崩壊の先に? 良き妻生活から解放されたミッジは、持ち前のパワフルさを武器に第2の人生を歩み出すことに…。「ギルモア・ガールズ」でも知られるクリエイター、エイミー・シャーマン=パラディーノ(作品賞受賞の際に喜びを爆発させていましたね!)の描く作品世界で、思いがけない事態に戸惑いながらも羽ばたき始めるヒロインがとにかくキュート。名門女子大学を出て、良き夫を見つけ、子どもも生んでゴール! という“常識”が、決して常識ではないと知ったミッジの再生物語が、「ギルモア・ガールズ」でも見られた軽快で小粋な会話の応酬、見悶えさせられるほど素敵な50年代ファッションが、たっぷりの笑い&ここぞの感動と共に味わえます。実はミッジが周りの人々と繰り広げるトークが面白いのは、天性のコメディセンスの持ち主でもあるから。あれよあれよという間にスタンドアップコメディアンの道を歩み始めるミッジのサクセスドラマとしても、物語を楽しむことができます。エミー賞も受賞の「ビッグ・リトル・ライズ」はもう見たし、「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」の配信(Hulu)は2月28日からだし…という人は、ぜひこの機会に「マーベラス・ミセス・メイゼル」を。ゴールデン・グローブ賞受賞も納得の面白さです!(text:Hikaru Watanabe)
2018年01月11日7日(現地時間)、ゴールデングローブ賞でオプラ・ウィンフリーが黒人女性として初めて長年の映画界への貢献を称えた「セシル・B・デミル賞」を受賞した。人種差別や性差別の終結を求める感動的なスピーチで3回のスタンディングオベーションを受けるほど聴衆の心を揺さぶった。アメリカで司会者や実業家として有名なオプラは、以前から2020年の大統領選に出馬するのではないかとささやかれていた。ゴールデングローブ賞授賞式での人々の胸を打つ力強いスピーチにより、「オプラを大統領に!」という国民の声もSNSなどで高まってきた。昨年、「セシル・B・デミル賞」を受賞した女優メリル・ストリープも、授賞式後に「彼女は今夜、ロケットを打ち上げたわね。ぜひ大統領選に立候補してほしいわ。いままで、“出る”という宣言はしたことがなかったと思うけど、これでもう“NO”の選択肢はないんじゃないかしら?」とオプラの背中を押した。「The Los Angeles Times」紙によれば、オプラの長年のパートナー、ステッドマン・グラハムがオプラの出馬は「国民次第だね」とコメントしていることがわかった。「彼女は絶対にやると思うよ」とも。前回の大統領選ではヒラリー・クリントン氏が期待されていた「アメリカ史上初の女性大統領」になることはできなかったが、果たしてオプラは…?(Hiromi Kaku)
2018年01月09日ケイティ・ペリーが表紙を飾る老舗ファッション誌の最新号「ハーパーズ バザー10月号」(8月20日発売)で、マライア・キャリーやオプラ・ウィンフリー、ジェシカ・チャステインら、現代を代表する8人の“アイコン”が、マリー・アントワネットを始めとする歴史上のレジェンドにファンタジックに大変身。さらに、グレース・ケリーの孫で歌手・女優としてのキャリアをスタートさせたジャズミン・グレースが、同誌で初のインタビューに応じていることが分かった。1867年にニューヨークで誕生した伝統のファッション誌「Harper’s BAZAAR」の日本版として、2013年に誕生した「ハーパーズ バザー」。「サンローラン(Saint-Laurent)」のドレスをシックに着こなしたケイティ・ペリーが表紙を飾る最新の10月号では、、現代を代表する女性たちが世界31ヶ国同時特集のスペシャル企画「ICONS by Carine Roitfeld & Jean-Paul Goude」に登場、秋冬のモードを提案する。同誌グローバル・ファッション・ディレクターのカリーヌ・ロワトフェルドに選ばれたエンターテイメントやファッションの世界で活躍する8人の女性が、自身にインスピレーションを与える歴史上や物語のレジェンドに大変身するこの企画。「シャネル(CHANEL)」の広告ビジュアルやグレース・ジョーンズのアルバム写真などを手がけてきたジャン=ポール・グード撮影のもと、世界の歌姫マライア・キャリーはマリー・アントワネットになりきり、ブランコから靴を飛ばし、オプラ・ウィンフリーは「オズの魔法使い」の北の魔女グリンダに、ジェシカ・チャスティンはフランスの国民的ヒロインのジャンヌ・ダルク、ダコタ・ジョンソンはギリシャ神話の女神アフロディーテに現代的に変身、さらにロージー・ハンティントン=ホワイトリーが「ハーパーズ バザー」にも縁の深い伝説のファッショニスタ、ダイアナ・ヴリーランドに扮している。また、本特集に連動し、8月24日(月)~30日(日)まで東京メトロの5つの駅構内にはアイコンたちの写真を使用したポストカードを設置、「ハーパーズ バザー・オンライン」にて人気投票も実施するという。さらに、グレース・ケリーの孫として注目を浴びたジャズミン・グレース・グリマルディが、どのメディアにも先駆けた初のインタビューに応じ、ファッション写真界のレジェンド、リチャード・アヴェドンの孫マイケル・アヴェドンとフォトシューティングでエレガンスの系譜を体現。祖母であるグレース・ケリーについても、「初めて祖母の存在を肌で感じたのは、グレースが出演した『上流社会』を見ていたときで、祖母との共通点に気づいた瞬間だった」と明かしている。「ハーパーズ バザー10月号」は8月20日(木)より発売。(text:cinemacafe.net)
2015年08月18日