2017年4月2日(日)、上野恩賜公園 野外ステージで和楽器オーケストラ「AUN J クラシック・オーケストラ」による和楽器&花見を合体させたコンサートが開催されます!AUN J クラシック・オーケストラのメンバーは、リーダーの井上良平(和太鼓)・公平(篠笛・三味線)は世界40カ国以上1300回を超える公演を行ってきた実績があるなど、各ジャンルでトップクラスの技術を持つ和楽器奏者が集まったグループ。演奏内容は、オリジナル楽曲からクラシック曲や唱歌、J-POPやジブリ作品の名曲のカバー曲まで幅広く、さまざまな世代のファンに支持されています。イベント当日は、昼から飲食ブースもオープンし、ファミリーもお一人でもカップルでも、ゆったりと春の休日を楽しめます。満開の桜の下で、お花見と音楽を楽しみましょう。■イベント概要名称:AUN J クラシック・オーケストラ 桜祭り 2017会場:上野恩賜公園 野外ステージ(東京都台東区上野公園・池之端3丁目)日時:2017年4月2日(日)open14:00 start15:00※飲食ブースは12:00オープンチケット料金:全席自由 大人¥3,800(税込)、中学生以下¥2,000(税込)※未就学児膝上に限り無料プレイガイド:イープラス 、ローソンチケット0570-084-003(Lコード:31788)、チケットぴあ0570-02-9999(Pコード:315-613)主催:株式会社ALIVE後援:ハートツリー株式会社問合せ:キョードー横浜045-671-9911(月~土10:00~18:00)
2017年03月27日和楽器オーケストラ「AUN J クラシック・オーケストラ」が出演する「AUN J クラシック・オーケストラ 桜祭り 2017」が4月2日(日)に東京・上野恩賜公園野外ステージで開催される。【チケット情報はこちら】AUN J クラシック・オーケストラは、トップクラスの技術を持つ和楽器奏者が集まったグループ。リーダーの井上良平(和太鼓)・公平(篠笛・三味線)は、これまで世界40か国1300回を超える公演を開催。また、モン・サン=ミッシェル、アンコール・ワットなど、数々の世界遺産での公演を成功におさめている。今年で3回目となる上野恩賜公園でのライブは、「花見体験型和楽器コンサート」と銘打ち、来場者がゆったりと花見をしながら演奏を楽しめる公演として毎年人気を博している。チケットは発売中。■AUN J クラシック・オーケストラ 桜祭り 2017日時:4月2日(日)開場14:00 / 開演15:00 ※飲食ブースは昼12時オープン会場:上野恩賜公園 野外ステージ(東京都)料金:全席自由 大人3,800円(税込)、中学生以下2,000円(税込)※未就学児膝上に限り無料
2017年03月24日毎年3月31日は〈オーケストラの日〉。「ミミにイチバン」だからだそうで、耳に一番のご馳走をお届けしよう!と、日本全国のプロ・オーケストラがこの日を中心にコンサートやイベントを展開するのが恒例になっている。オーケストラの面白さを広く気軽に体感してもらおうと、値段もおさえめで聴ける企画がほとんどなので、2007年以来好評のうちに続いている。オーケストラの日 チケット情報各地であれこれ趣向をこらした演奏会がおこわれるなか、東京では今年も、首都圏に12あるオーケストラからメンバーが集まって〈オーケストラの日祝祭管弦楽団〉が特別編成され、熱きベテラン・現田茂夫の指揮でコンサートがおこなわれる(3月31日(金)15時~・文京シビックホール 大ホール)。この企画、熱心なリスナーにとっては、ふだん共演することのないメンバーが豪華に集結する年に一度の華やかな楽しみになっている。しかしなんといっても、ふだんオーケストラにおなじみ薄い方にも、聴けば「あぁ!」と惹き込まれる曲を選んでいるだけに、初めての方にこそこのスペシャルな編成で味わってほしいコンサートだ。演目をご紹介しておくと……まず、心たかぶる迫力にオーケストラの凄味をみせつけられるシベリウスの交響詩《フィンランディア》から。続いて同じくシベリウスの〈ヴァイオリン協奏曲〉でも、ひんやりと冴えた北欧の幻想美がひろがり……その抒情豊かな歌にも、色あいが細やかで美しい。ヴァイオリン独奏とオーケストラの対話が情熱とともに昂揚してゆく、そのぞくぞくするような緊張感もまた魅力だ。独奏に迎えるのは、フランス国立放送フィルのコンサートマスターをつとめる俊英スヴェトリン・ルセフ。首都圏の凄腕たちが集う特別オーケストラとも心通じ合うに違いないゲストだ。そして最後はストラヴィンスキーのバレエ組曲《火の鳥》。ロシアの民話を題材につくられた魔法と冒険のバレエのために、カラフルな表現力を全開にする音楽だ。そこからコンサート用に美味しいところをぎゅっと編み直した組曲(1919年版)も、なにしろスケール感が凄い。震えるような繊細な弱音から魔王の凶暴なダンスに轟くインパクト、聴く者の心を解放するような壮大きわまるフィナーレまで…そのなかにも万華鏡のような色彩感を味わいつくせる、まさに傑作。オーケストラにはそれぞれ異なる個性的な音色を持った、さまざまな種類の楽器が集まっている。80人を越えるメンバーが集まる今回も「これぞオーケストラ」という魅力と迫力──呼吸を合わせて美しく歌を重ね、絶妙なブレンドで豊かなハーモニーを響かせる素晴らしい時間を、たっぷりと体験していただけるだろう。また、この日は同じ会場のあちこちで、朝の11時から15時のコンサート開演前まで、イベントも盛りだくさん。楽器体験やアンサンブルのミニコンサート、コンサート本番前の総練習(ゲネプロ)公開、《火の鳥》の秘密を探るスペシャル・ワークショップなど展開されているので、少しお早めに足をはこばれると楽しみも倍増かと。文:山野雄大
2017年03月23日世界的に見てもきわめて積極的にマーラーを取り上げ続けている東京都交響楽団。その彼らの今シーズン唯一のマーラーが聴けるのが、桂冠指揮者エリアフ・インバル指揮の《大地の歌》だ(7月16日(日)・17日(月・祝)、東京芸術劇場にて)。都響スペシャル のチケット情報《大地の歌》はマーラー(1860-1911)が48歳の夏に作曲した交響曲。9番目の交響曲だが、ベートーヴェンやブルックナーらが交響曲第9番を書いたあとに死んだジンクスを怖れたマーラーが、あえて番号をつけなかったというエピソードが知られている(結局マーラーも次の交響曲を「第9番」として作曲したあと、未完の第10番を残して世を去ったのはジンクスゆえか)。自作の交響曲の多くに声楽を取り入れ、第8番では壮大なカンタータのような大伽藍を築き上げたマーラーは、ここでも、連作歌曲と交響曲を一体化した異色の交響曲を生み出した。テノール独唱とアルト独唱が交互に歌う全6楽章構成。ドイツ語訳の中国詩集『中国の笛』から採られた歌詞はしばしば、生のはかなさや厭世観を歌った内容だと表現されるが、インバルは言う。「マーラーは自分の人生が終わりに近づいていることを察し、死を受け入れ、永遠に生き続ける来世を願い、この世での幸福、希望、苦労、愛、音楽、創造等、豊かで充実した人生を送れたことを神に感謝しているのです。ノスタルジア、悲しみ、人生との別れ、来世を意識していると考えます」インバルと都響はすでに1994~96年と2012~14年の2回にわたって交響曲全曲ツィクルスを完遂し、日本のマーラー演奏史の金字塔とも言える大きな成果を示している。「マーラーを演奏するに値し、彼の音楽が持つ宇宙をより深く理解するには、私たちは芸術家、人間として成長しなければなりません。都響と聴衆の皆さまは、2回のマーラー・ツィクルスをともに経験し、マーラーの芸術性の理解を高めました。私たちはマーラーのメッセージをより深く理解できると確信しています」(インバル)演奏の成否を大きく左右する声楽陣も強力。ダニエル・キルヒは抒情的で美しい持ち声をベースに、さらにドラマティックなレパートリーも獲得しつつあるテノールで、《大地の歌》にはまさにうってつけ。そして現代を代表するマーラー歌いと言ってもいいアルトのアンナ・ラーション。マーラーを知り尽くした彼女の深く澄んだ声は、作曲家が作品に込めたさまざまな感情を、適切な形で探り当ててくれるに違いない。文:宮本明
2017年03月15日1月29日(日)放送のテレビ朝日系列『題名のない音楽会』で日本におけるRPGの代名詞『ドラゴンクエスト』が特集される。同番組には大井剛史、東京佼成ウインドオーケストラが出演。さらにすぎやまこういちがVTRで出演する。【チケット情報はこちら】東京佼成ウインドオーケストラは、3月11日(土)よりドラゴンクエスト誕生30周年を記念した「ドラゴンクエスト」ウインドオーケストラコンサートを開催する。■題名のない音楽会「吹奏楽によるドラゴンクエストの音楽会」1月29日(日)午前9時よりテレビ朝日系列にて放送予定出演:すぎやまこういち(VTR出演) / 大井剛史 / 東京佼成ウインドオーケストラ■「ドラゴンクエスト」ウインドオーケストラコンサート吹奏楽による「ドラゴンクエストⅣ, Ⅴ, Ⅵ」/指揮:大井剛史3月11日(土)板橋区立文化会館 大ホール(東京都)吹奏楽による「ドラゴンクエストⅠ, Ⅱ, Ⅲ」/指揮:阿部未来3月12日(日)茨城県立県民文化センター 大ホール(茨城県)吹奏楽による「ドラゴンクエストⅠ, Ⅱ, Ⅲ」/指揮:大井剛史4月22日(土)川口リリア・メインホール(埼玉県)吹奏楽による「ドラゴンクエストⅦ, Ⅷ」/指揮:永峰大輔5月4日(木・祝)大田区民ホール・アプリコ 大ホール(東京都)吹奏楽による「ドラゴンクエストⅠ, Ⅱ, Ⅲ」/指揮:井田勝大5月20日(土)千葉県文化会館 大ホール(千葉県)吹奏楽による「ドラゴンクエストⅠ, Ⅱ, Ⅲ」/指揮:井田勝大5月21日(日)栃木県総合文化センター メインホール(栃木県)吹奏楽:東京佼成ウインドオーケストラチケット料金:S席4,500円、A席3,500円(税込) ※5月4日(木・祝)のみ全席指定4,500円注意事項:未就学児入場不可
2017年01月27日毎年著名なオーケストラや演奏家を招いて行われる「東芝グランドコンサート」。2017年は、パリに拠点を置き、国際舞台で活躍しているヴァイオリニストの庄司紗矢香が登場。クシシュトフ・ウルバンスキが指揮するNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)と共演する。同コンサートで今回彼女が演奏するのは、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲。代名詞的な曲といえるほど、得意としている曲だ。特にロシアの指揮者、ユーリ・テミルカーノフとは毎年のように共演してプロコフィエフの2曲の協奏曲を演奏、録音も行った。「私は、プロコフィエフの作品とともに育ってきたといっても過言ではありません。プロコフィエフが残した日記や短編集をよく読みますが、彼は若いころから自分は特別な存在だと自認し、世界を上から眺めているようなところがありました。優越感の強い人だったようですね。日記を読んでいると、自分が偉大な人間なんだと自覚している様子が見てとれます。短編集はプロコフィエフのお孫さんがフランスで出版したもので、日本語訳も出ています。とても奇妙な世界を描いていて、ふつうの想像力とは違い、やはりプロコフィエフの音楽に通じるところがある。彼は常に最後にひとこと皮肉をいうのですが、それがとても印象に残ります」ヴァイオリン協奏曲第1番に関しては、2004年にニューヨークでロリン・マゼールの指揮で初めて演奏した。「第1番は繊細さ、やさしさ、豊かな色彩がとても印象的。その奥に内なるエネルギーが潜んでいて、“風”のイメージを抱きます。ノスタルジックな風、背筋がゾクッとするような風、墓場の寂しい風など、いろんな風がどこかからやってきてどこかへ消えていくイメージ。キャラクターと色が変幻自在で、そのイメージがとても魅力的で、弾いていて楽しいですね」庄司紗矢香はテミルカーノフとプロコフィエフのユーモアについて語り合い、作曲家が音楽や文章に込めたのは一筋縄ではいかないユーモアだという話になったそうだ。「プロコフィエフのユーモアというのは、あからさまではなくクスリと笑う感じ。いわゆるブラックユーモアのような。音楽は感情的にならず、常に客観的に自分を見ている冷めた目が感じられます。苦しいとか辛いなどとはけっしていわない。その精神を理解することが演奏する上で重要なポイントになります」テミルカーノフは、彼女に「きみはプロコフィエフ・プレイヤーだ。作曲家の心理をとてもよく理解している」といってくれた。そのことばがとてもうれしくて、「なお一層深く勉強しようと思った」と語る。指揮のウルバンスキとは共演の経験があり、「ソリストを尊重してくれる」と感じたという。また新たな“風”が吹くプロコフィエフが誕生しそうだ。取材・文:伊熊よし子
2017年01月11日毎年著名なオーケストラや演奏家を招いて行われる「東芝グランドコンサート」。2017年は、ドイツと日本の血を引き、国際舞台で幅広く活躍しているピアニスト、アリス=紗良・オットが登場する。幼いころ、どうしてもピアノが習いたいと両親に直訴し、5歳のときに「ピアニストになる」と決意。それ以来、人気と実力を兼ね備えたアーティストに成長した今に至るまで、ひとときもピアノと離れることはない。そんな彼女は、モデルのような体型で、エキゾチックな容貌の持ち主。ステージには裸足で登場してくるような超個性派だ。3月に開催の「東芝グランドコンサート2017」では、いまもっとも勢いのある指揮者のひとりとして注目を集めているクシシュトフ・ウルバンスキが指揮するNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)と共演し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏する。「クシシュトフ(・ウルバンスキ)には6~7年前に初めて出会い、意気投合しました。指揮者ですから、もちろん見識があり、作品全体を俯瞰する能力に長けているわけですが、ソリストとしての私の意見にもしっかり耳を傾けてくれます」以来、食事をしたり、音楽談義をしたりをしたりするほどに。「いつも新鮮な視点をもって作品を探求する人で、ベートーヴェンのこのコンチェルトでも、私に新たな意見を提案してくれました」実は、アリスはこのコンチェルトの第1楽章と第2楽章は調性も内容も表現もまるで異なるため、どのように気持ちを切り替えて演奏するべきか悩んでいた。するとウルバンスキは、あまり楽章間の時間をおかず、続けて演奏するべきだといったのである。「目からウロコでした。本番でそれを実施したら、とてもうまくいったのです。短調から長調への移行がスムーズで、ごく自然につながりました。以後、間をおかずに弾いています」アリスは、子どものころから「自分のアイデンティティ」について悩んできた。ドイツ人なのか日本人なのか、自分は何者なのか、さまざまな悩みが彼女の内面にずっと居座り続けている。しかし、ピアノを弾くことで自己を表現する手段を得、心が解放された。「私は音楽によって救われたのです。ピアノは自己表現の大切な手段。ことばを話すよりも的確に自分を表現することができます」そんなアリスのピアノは情感豊かで雄弁、聴き手の心にストレートに語りかけてくる。これはベートーヴェンのピアノ協奏曲のなかで唯一短調で書かれた作品。アリスは「最初はダーク。それが徐々に光輝き、リズムも多様性を増し、幻想的になっていくところが魅力」と語る。オーケストラとの対話に注目したい。取材・文:伊熊よし子
2017年01月11日クラシックのコンサートやイベントなどの情報を初心者にも解りやすく紹介するフリーペーパー『ぴあクラシック』。最新号の巻頭特集では、現在公開中の映画『オケ老人』で主演をつとめる女優・杏のインタビューを紹介。映画『オケ老人』は、元々ヴァイオリンの演奏が好きだった数学教師・小山千鶴(杏)が、ちょっとした勘違いからお年寄りだらけのアマチュア・オーケストラに入団してしまうというドタバタ奮闘劇だ。「楽器に触れた経験もなく、クラシック音楽に詳しいわけでもなかった」という杏だが、無印良品の店内BGM(世界の音楽を巡るシリーズ)のケルト系の音楽がお気に入りで、モデルの仕事でフランスやイタリアを訪れた際に現地の音楽にも触れるなど、クラシック音楽への興味自体はあったという。本作ではヴァイオリンと指揮に初挑戦。クランクインの半年前からヴァイオリンと指揮の練習を開始して、演奏シーンもプロの演奏家の指導のもとで妥協せずこだわり抜いたという。最初はへたくそでも目標にたどりつくことの喜び、実際に指揮棒や楽器に触れたことで変わった音楽に対する接し方など、どのように本作と、そしてクラシック音楽と向き合っていったのか。「これからもヴァイオリンは続けていきたい」とまで語るに至った彼女の思いが詰まったインタビューだ。『ぴあクラシック』のもうひとつの特集は「今からでも間に合う! 年末年始のクラシック・セレクション!!」。冬の定番である第九、クリスマス、ジルヴェスター、ニューイヤーなど、毎年趣向をこらしたコンサートが盛りだくさんのこのシーズン。今年見逃せないコンサートをピックアップして紹介する。フリーペーパー『ぴあクラシック 2016/17 Winter Vol.41』は、全国のチケットぴあ店舗(一部を除く)、全国のコンサートホールやレコード店にて配布。また、チケットぴあのWEBサイトでWEB版(ebook)も公開中。
2016年12月03日有名楽団と間違われて屋久島にコンサートに来てしまったアマチュア楽団と、ミスで彼らを呼び寄せた島の女性職員が主人公のコメディ映画『東京ウィンドオーケストラ』の予告編映像が公開になった。『東京ウィンドオーケストラ』予告編映像物語の舞台は、美しい自然が広がる世界遺産の島・屋久島。ここで日本有数の吹奏楽団がコンサートを開くことになり、役場だけでなく島の人々も浮き足だっているが、訪れたのはどうみても観光に来たとしか思えないアマチュア楽団。実は、女性職員の樋口が、間違って似た名前のアマチュア楽団を呼んでしまったことがわかる。まともに演奏もできない楽団員に大舞台など務まるはずもなく、彼らは島からの逃走をはかるが、樋口は自分のミスを隠すため、彼らに“本物”として人々をダマし通すことを提案する。コンサートの開演時間は迫るが、彼らの演奏能力は、島の中学の吹奏楽部以下。映画は彼らが絶体絶命のピンチを乗り越えるドラマを描く。本作を手がけるのは、東京藝術大学大学院在学中に発表した『神奈川芸術大学映像学科研究室』がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013で、審査員特別賞を受賞するなど注目を集める坂下雄一郎。初の商業作品だが、オリジナル脚本を執筆。中西美帆、小市慢太郎、水野小論、近藤フクらが出演する。『東京ウィンドオーケストラ』2017年1月21日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
2016年11月11日昨年、映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』をオーケストラの生演奏で楽しむ『ディズニー・イン・コンサート』で美声を披露したジャック・スケリントン役のダニー・エルフマンが、再び帰ってくる。明日、10月22日(土)・23日(日)に『ティム・バートン&ダニー・エルフマンのハロウィーン・コンサート』が東京・東京国際フォーラム ホールAで開催。20日には都内某所でリハーサルが行われた。【チケット情報はこちら】今回のコンサートは、ティム・バートン監督とダニーがタッグを組んだ全15作品を総勢130人のオーケストラとコーラスで生演奏するコンサート。2014年に日本でも開催されたコンサートの再演で、前回同様にジョン・マウチェリが指揮を務め、東京フィルハーモニー交響楽団が演奏、洗足フレッシュマン・シンガーズ/NHK東京児童合唱団がコーラスを担当する。また、スペシャルゲストとして、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』でサリーの吹き替えをした土居裕子も出演し『サリーの歌』を披露する。この日が初のリハーサル。コンサートをリードするジョンは、「また来日できてうれしい」と久しぶりの再会に笑顔で挨拶。その表情からも、同じ顔合わせで開催できることを心待ちにしている様子がうかがえた。今年、スペインのバルセロナでも同内容のコンサートを行ったジョンは、楽譜を見ながら手早く且つ丁寧に各楽器に指示を与えていく。身振り手振りで演奏の盛り上がりを全身で表現し、メロディを口ずさみながら演奏に入るタイミングなどを指導するジョンは、実に楽しそう。『チャーリーとチョコレート工場』や『ピーウィーの大冒険』の演奏で自分の指示に適格に応えるオーケストラの面々に、ジョンは満足な表情で返す。演奏と手直しを繰り返し、次第に熱が帯びてくると、楽曲はカラフルに生き生きと生まれ変わっていった。コンサートと同様に、会場にはモニターが用意され、実際に流れる映像とともにリハーサルは行われた。映画の象徴的なシーンと、ティム・バートンが作品製作時に手描きしたスケッチなどをつなぎ合わせた特別編集映像は、『シザーハンズ』や『フランケンウィニー』などの作品を一層深く味わうことができるはずだ。2日間のリハーサルを終えると、東京国際フォーラム ホールAでのゲネプロを経て、本番を迎える。『ティム・バートン&ダニー・エルフマンのハロウィーン・コンサート』は、10月22日(土)・23日(日)開催。チケット発売中。取材・文:門 宏
2016年10月21日「私自身はずっとこの道を見てきました。この共演はとても大きなことなのです」11月に実現するエルサレム交響楽団との初舞台について、西本智実はその特別な思いを強調した。日本公演に先立つ11月12日には、エルサレム響の本拠地ヘンリー・クラウン・シンフォニーホールを訪れ初の共演を行う。西本智実(指揮)/エルサレム交響楽団 チケット情報「師匠をはじめ、多くのユダヤ系の名音楽家から、私は大きな影響を受けてきました。今まで約30か国で指揮しましたが、その音楽の旅の中でイスラエルは常に“道しるべ”のような存在でした。そして今回ついに、初めてこの国を訪れ、イスラエルを代表するオーケストラとの共演が叶います」会場の近くには有名な世界遺産「岩のドーム」がそびえ立つ。首都エルサレムは、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教全ての聖地としても知られている。「ここは宗教的にも独特の場所で、その多様な影響をしっかり体験してくるつもりです。現地で感じる空気とか、風とか、そういった言葉にできないものを持ち帰って、日本で聴く人にもイスラエルへの旅を想像していただけるような演奏にしたいです」記念すべき出会いに選ばれた作品は、マーラーの交響曲第5番。彼女が愛して止まない楽曲であると同時に、ユダヤ人マーラーはエルサレム響にとっても特別な存在である。「お互いにとって本当に大切な作品。彼らの持ってる演奏上の“語法”の中で、ある部分では共有したり、逆に化学反応を起こしたりなど、予想を超える体験になりそうでとても楽しみです」今回の日本ツアーも、西本の強い意向で、全10公演のメイン曲は本作のみという。それだけマーラーへの思いは強い。「マーラーの作品については、歌がない場面でも歌曲的というか、“無言歌”のようにも感じます。第5番の有名なアダージェット(第4楽章)は特に隠れたテキストを感じますね」「ただ、綺麗だけでは片付けられないのもマーラー。とにかく感情の振り幅がものすごい。演奏者も心して取り組まないと、精神的にも肉体的にも参ってしまうほどです」「音楽というものは、演奏家だけでは完成せず、聴く人の中に届いて最終完成します。ぜひご来場いただき、一緒に音楽を作り上げましょう」超名曲ドヴォルザークのチェロ協奏曲や、映画「ベニスに死す」のテーマ曲「アダージェット」でおなじみのマーラー第5交響曲など超豪華プログラムの今公演は11月29日(火)東京芸術劇場 コンサートホールにて開催。
2016年10月20日記者会見よりシルヴァン・カンブルラン(C)読響9月30日、読売日本交響楽団の2017~18年シーズンの公演プログラムの発表会見が行なわれ、来年4月からの充実のラインナップが明らかになった。最大の注目は、来年11月に予定されているメシアン(1908~92)のオペラ《アッシジの聖フランチェスコ》全曲上演(演奏会形式)。休憩を含めて6時間近くを要する大作だ。老境に入ったメシアンが8年をかけて完成した、彼の唯一のオペラで、1983年にパリ・オペラ座で小澤征爾の指揮で世界初演された。日本では1986年に小澤/新日本フィルが全8景のうち3景を抜粋で上演したが、全曲の上演は今回が日本初演。指揮は常任指揮者のカンブルラン。彼はこの作品を、1992年のパリ・オペラ座を皮切りに、4つのプロダクションで24回指揮しており、これは世界最多だ。会見に出席したカンブルランは、「曲が進むほどに聴き手が引き込まれるのがわかる。音の色にこだわった、感覚のごちそうと呼ぶべき作品。作品を分析しようとすれば難解かもしれないが、聴き手に対しては障壁がないと言い切れる。聴き手のための作品だ」と語った。18年1月定期の、クラリネット奏者で作曲家のイェルク・ヴィトマンの自作自演によるクラリネット協奏曲《エコー・フラグメンテ》(2006)も日本初演。バロックとモダン、ピッチの異なる2つのオーケストラを対置するという興味深い作品だ。指揮者陣では、巨匠スクロヴァチェフスキがブルックナーの5番とベートーヴェンの《英雄》を携えて登場。来年4月から首席客演指揮者に就任するコルネリウス・マイスターは9月(ベートーヴェン《田園》他)と12月(マーラー3番)の公演を指揮する。現ウィーン放送響の首席指揮者兼芸術監督のマイスターは2018年からカンブルランの後任としてシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督に就任することが決まっている。18年3月にはベルリン・コーミッシェ・オーパー音楽総監督のヘンリク・ナナシが初来日。ルノー・カプソンとブゾーニのヴァイオリン協奏曲を演奏する。他にも、ネルソン・フレイレのブラームスのピアノ協奏曲第2番(7月)やギドン・クレーメルが弾く20世紀作品(9月)といった王道プログラムから、フュージョン・グループのウェザー・リポートの活動などで知られるドラマー、ピーター・アースキンが登場するマーク=アンソニー・ターネジのドラムス協奏曲(12月)まで、興味深い公演ばかり。目と耳を離せない読響だ。取材・文:宮本 明
2016年10月03日今年で15年目を迎える「アジア オーケストラ ウィーク 2016」が10月4日(火)から7日(金)まで、宮城県多賀城市の多賀城市民会館(10月4日(火))と東京・初台の東京オペラシティ(5日(水)~7日(金))にて開催される。「アジア オーケストラ ウィーク 2016」チケット情報オーケストラの来日と聞くと欧米の交響楽団の印象が強いかもしれないが、このアジア オーケストラ ウィーク(AOW)をはじめ、近年ではアジア各国で人的な交流、国境を越えての公演が数多く行われ、著名な指揮者を招聘するなどもしてレベルアップが図られてきた。AOWは文化庁芸術祭の主催で2002年に始まり、アジア太平洋地域各国から毎年、プロフェッショナル・オーケストラを招いてきており、これまでに15の国から45ものオーケストラが参加してきた。15年目を迎える今年は、AOWがスタートした年に初めて来日を果たして以来、2度目の参加となるタイのバンコク交響楽団とこれまで参加回数1位を誇る韓国から、チャンウォン市立交響楽団が来日。ホスト・オーケストラを、初参加となるセントラル愛知交響楽団が務める。バンコク交響楽団は、2002年の第1回AOWへの参加をきっかけに日本をはじめ海外との積極的な交流をスタートさせてきた。10月4日(火)の初日は“復興支援コンサート”として、セントラル愛知交響楽団とバンコク交響楽団の一夜限りの競演が実現!ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」の合同演奏が行なわれる。チャンウォン市立交響楽団はこれまで韓国国内で音楽祭に数多く参加、多くの奏者を必要とするシェーンベルクの大曲「グレの歌」を韓国で初演するなどの実績を残してきた。今回来日するパク・テヨンを常任指揮者に据え、さらに海外からも世界的な指揮者を招聘し、精力的に活動。チャイコフスキーの悲愴、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と堂々の名曲プログラムを披露。アジアの俊英、キム・ボムソリにもぜひ注目してほしい。セントラル愛知交響楽団は首席客演指揮者・齋藤一郎の指揮で芥川也寸志交響三章「トリニタ・シンフォニカ」などを演奏する予定。タイ、韓国、そして日本、それぞれの伝統と文化を受け継いだオーケストラの調べに耳を傾けてみては?文:黒豆 直樹
2016年09月27日「キングダム ハーツ(KINGDOM HEARTS)」シリーズ初の公式オーケストラコンサート「キングダム ハーツ オーケストラ ワールドツアー」が全世界で開催決定。ディズニーの世界を冒険する人気RPG「キングダム ハーツ」シリーズの生誕15周年を記念して開催される本コンサートでは、オーケストラアレンジされた「キングダム ハーツ」の楽曲の数々を、大迫力の画面に投影されたゲーム映像ととも楽しめる。日本では、2017年3月10日(金)・11日(土)に東京国際フォーラム、7月8日(土)に大阪・オリックス劇場で公演が行われる予定だ。【開催概要】キングダム ハーツ オーケストラ ワールドツアー(KINGDOM HEARTS Orchestra –World Tour-)<東京公演>・2017年3月10日(金)東京国際フォーラム ホールA (東京)開場 18:00 / 開演 19:00・2017年3月11日(土) 東京国際フォーラム ホールA (東京)昼公演 開場 11:30 / 開演 12:30(予定)夜公演 開場 17:30 / 開演 18:30(予定)演奏:東京フィルハーモニー交響楽団チケット料金:全席指定 9,000円(税込)※未就学児の入場は不可。チケットは1人1枚必要。※チケット料金以外に、1公演ごとに配送料、チケット1枚ごとにチケット手数料が別途必要。■チケット受付受付期間:2016年10月29日(土)10:00〜先着先行(予定枚数に達し次第、受付終了)受付URL::0570-550-799 オペレータ受付時間(平日11:00〜18:00/土日祝10:00〜18:00)■スクウェア・エニックス e-STORE 先行抽選受付期間:2016年9月13日(火)13:00~2016年9月30日(金)23:59受付URL:※応募にはスクウェア・エニックス e-STOREへの登録が必要。【問い合わせ先】キョードー東京TEL:0570-550-799(平日11:00〜18:00/土日祝10:00〜18:00)<大阪公演>■2017年7月8日(土) オリックス劇場(大阪)演奏:大阪交響楽団※その他詳細未定©Disney
2016年09月16日「マジンガーZ」「デビルマン」などを世に送り出した永井豪の作品をオーケストラの演奏と映像でふり返る「世界に発信・劇場版アニソンワールド永井豪×オーケストラダイナミックコンサート~映像とオーケストラサウンドで蘇る永井豪の世界~」の開催がこのほど決定した。1967年に「目明しポリ吉」でデビュー以降、「ハレンチ学園」「デビルマン」「キューティーハニー」など数々のヒット作を世に送り出してきた永井氏。昨年、第2回日本映画アニメーション批評家大賞でダイヤモンド大賞を受賞し、今年10月には「キューティーハニー」実写化映画が公開されるなど、ますます注目を集める中、来年2017年にはデビュー50周年を迎える。このほど決定したコンサートでは、「マジンガーZ」「デビルマン」「キューティーハニー」「ドロロンえん魔くん」など、永井氏が手掛けた数々のヒット作品の音楽がオーケストラ版に特別改編し、懐かしのアニメ映像とともに演奏されるという。永井氏の世界観をフルオーケストラで心ゆくまで堪能することができるのだ。また、スペシャルゲストには、「マジンガーZ」「キャプテンハーロック」などのアニメソングや、「仮面ライダー」シリーズなどの特撮ソングを次々と歌い続ける“アニメソング界の帝王”水木一郎が登場。ファンにとってはお馴染みの楽曲が、貫禄の歌声で歌い上げられる。「世界に発信・劇場版アニソンワールド永井豪×オーケストラダイナミックコンサート~映像とオーケストラサウンドで蘇る永井豪の世界~」は、池袋「東京芸術劇場」にて9月18日(日)開催。(text:cinemacafe.net)
2016年08月21日10月7日(金)に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催される「オリンピックコンサート2016」のゲストアーティストが発表された。【チケット情報はこちら】オリンピックコンサートは、日本オリンピック委員会(JOC)が主催し、1997年からスタート。オリンピックの競技映像と壮大なシンフォニーオーケストラが共演し、毎年人気を博している。今年は4年に1度のオリンピックイヤーであり、「オリンピックコンサート2016」も明日8月5日(金)に開幕するリオデジャネイロ大会にフォーカス。最高に熱く輝く夏を、感動の映像と壮大なシンフォニーオーケストラの共演によってふり返る。今回、ゲストアーティストとして発表となったのは元・宝塚歌劇団花組トップスターで退団後も女優として活躍する蘭寿とむと、日本の演劇・ミュージカル界を第一線で牽引し続ける橋本さとし、石井一孝、岸祐二ら3人によるスペシャルユニットMon STARS。“Musical Dream!”と題して、世界の名作ミュージカルの中から、希望、勇気、絆、夢といったテーマに通じる名曲の数々を、100名近くの大編成オーケストラをバックに、アスリートへのエールとして披露する。公演にはリオデジャネイロオリンピック出場アスリートたちも来場し、オリンピックについてアスリート自身の言葉でそのあふれる想いを語るコーナーも予定。スポーツ、音楽、演劇やミュージカルといった、フィールドは違えども人々に夢と感動を与え続けてきたトップランナーたちが集結し、オリンピックの感動を共有する特別な一夜となる。チケットは発売中。
2016年08月04日「シネマオーケストラ」の新作『インディ・ジョーンズ』と『E.T.』が、東京国際フォーラムで、2016年8月5日(金)から7日(日)の3日間、大阪・フェスティバルホールで12日(金)に上映される。「シネマオーケストラ」は、映画館さながらのスクリーンを背景に、100名のフルオーケストラが舞台上で音楽を演奏するもの。セリフ以外の音楽がオーケストラで演奏されるため、映画館以上の臨場感を体感できるのが特徴だ。2016年2月には「ピクサー・イン・コンサート」が開催され、見る者皆を魅了した。2016年は『スター・ウォーズ』『ハリー・ポッター』など数えきれないほどの名画の音楽を手掛けた、映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムズの作品をピックアップ。第1弾は、2016年に公開35周年を迎える「インディ・ジョーンズ」シリーズ『レイダース/失われたアーク<聖櫃>』を、第2弾はジョン・ウィリアムズがアカデミー賞、グラミー賞で作曲賞を受賞した『E.T.』を届ける。また、これら2作品はスティーヴン・スピルバーグが監督を務めたことでも知られる。子どもから大人までを魅了する、彼が手掛ける作品の世界を、大迫力のスクリーンと音楽で楽しめるまたとない機会だ。なお、会場では“E.T.を乗せて自転車で空を飛ぶシーン”を再現し、主人公エリオット少年が乗っていたBMXを展示する。【詳細】シネマオーケストラコンサート『インディ・ジョーンズ』『E.T.』■東京公演・『インディ・ジョーンズ レイダース/失われたアーク<聖櫃』in コンサート2016年8月5日(金)開演19:00/開場18:00、6日(土)開演17:30/開場16:30・『E.T.』in コンサート2016年8月6日(土)開演12:30/開場11:30、7日(日)開演12:30/開場11:30開催場所:東京国際フォーラム・ホールA住所:東京都千代田区丸の内3-5-1問い合わせ先:キョードー東京 0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)■大阪公演・『インディ・ジョーンズ レイダース/失われたアーク<聖櫃』in コンサート2016年8月12日(金)開演19:00/開場18:00・『E.T.』in コンサート2016年8月12日(金)開演14:30/開場11:30開催場所:フェスティバルホール住所:大阪府大阪市 北区中之島2-3-18問い合わせ先:キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)■チケット概要S席 9,800円、A席 7,800円 B席 4,800円S席セット券(東京公演のみ) 18,000円※価格は全て税込。※3歳以下入場不可。※1人につき1枚チケット必要。※英語上映・日本語字幕あり。上映時間=約2時間30分予定(休憩20分含む)※出演者はやむを得ない事情により変更になる可能性有。
2016年07月30日今年1月に5年ぶりの客演を果たし、エネルギッシュなサウンドで聴衆に鮮烈な印象を与えたアラン・ギルバートが、早くもこの7月都響に再登場。1月のオール・ベートーヴェン・プロと、ギルバート自身の編曲のワーグナーを含む近現代プロは、サウンドのすみずみまで熟考された創意が組み込まれ、都響の生き生きとしたリアクションは、オーケストラと指揮者の格別の相性のよさを感じさせた。今回はモーツァルト『交響曲第25番 ト短調K.183』とマーラー『交響曲第5番嬰ハ短調』を演奏する。3回目の顔合わせで、都響がレパートリーとして誇るマーラーを取り上げたことには、大きな期待を抱かずにはいられない。ここで「何かが起こる」のは確実だ。「アラン・ギルバート指揮 東京都交響楽団」の公演情報はこちらギルバートと都響との初共演は2011年に遡る。そのときに演奏されたブラームスの『交響曲第1番』は今でも伝説だ。崇高でドラマ性に溢れ、あの有名な最初の一音からオーディエンスを痺れさせた。09年からニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務めるギルバートが都響から引き出した音は、アメリカ的なビッグ・オーケストラのイメージとは趣を異にする、重厚で繊細なハーモニーで、そこにはこの指揮者とオーケストラでしか生起しないユニークな「世界」が存在していた。あれから5年。都響とギルバートの関係はいよいよ本格的な成熟へと向かっている。都響とマーラーの関係はオーケストラの歴史を紐解いても非常に深く、鉄壁のレパートリーであるだけに、「新しい指揮者」がこれに挑むことには大きな注目が集まる。桂冠指揮者エリアフ・インバル氏が「マーラーの交響曲全曲は、長編小説のような世界です」と語り、2年の年月をかけて2度目のツィクルスを完遂させてからまだ間もない。「都響のマーラー」に大きな愛着を感じているオーディエンスもいるかも知れない。一方、アラン・ギルバートにとっても、マーラーは特別なレパートリーだ。マーラーはニューヨーク・フィルハーモニックの常任指揮者であり、オーケストラの質を向上させ礎を築き、その関係は死の年まで続いた。時折バーンスタインを思わせるギルバートの「熱い」マーラーは、彼が「御本家」のマーラー指揮者であることを実感させる。指揮者とオーケストラ、どちらにとっても王道の作曲家であるがゆえに、月並みならぬ化学反応が期待できるのだ。公演は、7月24日(日)・25日(月)、東京・サントリーホール 大ホールにて。文:小田島久恵(音楽ライター)
2016年07月15日ディズニーの名曲の数々を、フルオーケストラの演奏とニューヨークでも活躍するヴォーカリストたちの歌声で届ける、大人のための音楽会「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2016」が今年も上演される。「ディズニー・オン・クラシック」チケット情報今年のメイン演目は映画『アナと雪の女王』。エルサ役を演じるヴォーカリストは、『シスター・アクト(天使にラブ・ソングを)』や『キャッツ』(グリザベラ役)など、豊富なステージ経験を持つ、トリシア・タンガイ。指揮は、第1回(2002年)よりタクトをとるブラッド・ケリー。今回、来日したブラッドとトリシアに話を聞いた。『アナと雪の女王』についてブラッドは「世界中にインパクトを与え、ディズニー映画の新時代をつくった作品。楽曲も、ディズニー音楽でありながら、これまでとは違うサウンドやオーケストレーションのされ方が魅力」だと話す。演奏するのは、ブラッドも「このオーケストラが大好き」というオーケストラ・ジャパン。昨年創立されて以来、型にとらわれない活動と、照明や特殊効果を用いた新しいコンサートスタイルで楽曲を届ける。今回参加するトリシアについては「『レット・イット・ゴー』を本当の意味で歌える人は少ない。その1人が彼女なんじゃないかと思う」とブラッド。トリシアは「プレッシャーをかけるのはやめてください(笑)」と笑いながらも、「この日本という美しい国をまわりながら新しい経験ができるということ、とても楽しみにしています。真摯に向き合っていきたい」と話した。今回のテーマは「“真実の愛”は心をとかす。」「『アナと雪の女王』のユニークなところは、今までのディズニー映画の“愛=ロマンティック”というイメージを打ち破り、家族の愛に着目したところ。姉妹が過去を克服し、もう一度美しい愛を見出すというストーリーに、今回のテーマは触れていると思います」(トリシア)。また、今回は“アナ雪”以外にも、組曲「火の鳥(ストランヴィンスキー)」が初登場。映画『ファンタジア2000』の映像と共に音楽を奏でる楽しい演出になるという。「お客様の中には、家族や友達との時間を楽しみたい人もいるでしょうし、悲しいことが起きて元気が欲しい人もいると思います。この公演を観ることで、心を開いたり、テーマの“心をとかす”ような経験になることを願っています」(トリシア)「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2016」は、9月23日(金)から12月25日(日)まで、全国36会場54公演を開催。ディズニーヴィランズ(悪役)スペシャルや、クリスマス・スペシャルなど、公演日によって異なる特別プログラムなども用意されている。取材・文:中川實穗
2016年06月24日ディズニー・アニメーションや映画、テーマパークからセレクトされた名曲を楽しむことができる春のフェスティバルとして、昨年初めて開催された「ディズニー・オン・クラシック ~ 春の音楽祭」。その2年目が5月13日、神戸国際会館こくさいホールで開幕した。「ディズニー・オン・クラシック ~春の音楽祭2016」のチケット情報数ある名曲の中から聴きどころを集めたガラ・コンサート形式で行われるこの春の音楽祭。2年目の春を迎えた今年は、ディズニー作品のヒーローたちに焦点を当てた2種類のプログラムが用意され、この日は名作『ライオン・キング』が組み込まれたプログラムAが演奏された。幕開けは、東京ディズニーシー(R)15周年“ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ”テーマソングの『When Your Heart Makes a Wish』。華々しい楽曲に心を掴まれるのに時間はかからず、一気にディズニーの世界へと引き込まれていく。その後も名作『ピノキオ』や『トイ・ストーリー2』、『ヘラクレス』などから様々な楽曲が披露され、気がつけば瞬く間の約3時間。「日本は第2の故郷」と語っていたブラッド・ケリー指揮のもと、昨春に結成されたオーケストラ・ジャパンが奏でる情感豊かな音色、ニューヨークのブロードウェイを中心に活躍するヴォーカリスト8人から成るディズニー・オン・クラシック・スターズの歌声に魅了されたひと時となった。公演タイトルに“クラシック”とあり、さらにフルオーケストラの演奏ということで敷居の高いコンサートをイメージする人がいるかもしれないが、そこはファミリー・エンターテインメントを掲げるディズニー。フルオーケストラの演奏だけでなく、ヴォーカリスト8人を加えたステージは、幅広い世代が楽しめる内容、演出になっている。『ピノキオ』や『ヘラクレス』、プログラムA限定の『ライオン・キング』では、楽曲に合わせて巨大スクリーンに各アニメーションの場面や映像を上映。『パイレーツ・オブ・カリビアン』では“オーケストラと光の為のコンチェルト”と銘打たれているだけあり、照明で世界観を表現し、幻想的な空間を作り出していた。特殊効果を使った演出もあったほか、ヴォーカリストたちも素晴らしい歌声を響かせるだけではなく、ダンスやコミカルな演技を披露。観客に手拍子を促す楽曲もあるなど、観客参加型のコンサートになっている。東京公演は5月18日(水)~29日(日)にわたり東急シアターオーブで開催。秋には、全国各地で次回公演も開催予定。ライター:金子裕希
2016年05月18日世界最高峰のオーケストラを映画館で堪能できる「ベルリン・フィル・イン・シネマ」が日本初上陸。2016年7月13日(水)・14日(木)の2日間、東京のユナイテッド・シネマ豊洲、大阪・イオンシネマ茨木などで先行上映、その後7月23日(土)から31日(日)まで、東京・恵比寿ガーデンシネマで上映される。2015〜2016シーズンのうち、3つのコンサートのハイライトを映画館の素晴らしい音響と大きなスクリーンで上演。記念すべき第1弾は、現代屈指の指揮者として名高いサー・サイモン・ラトルが指揮するベートーヴェン交響曲第4番と交響曲第7番だ。また、東京・恵比寿ガーデンシネマでは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏の心理や背景に迫る密着ドキュメンタリー「リヴィング・ウィズ・ベートーヴェン」も特別に同時上映する。生粋のクラシックファンだけでなく、普段は「オーケストラコンサートは少し敷居が高い」と思う人も、この機会に世界レベルの素晴らしい演奏に浸ってみてはいかがだろう。【開催概要】■「ベルリン・フィル・イン・シネマ」第一弾演奏曲:ベートーヴェン交響曲第4番と交響曲第7番出演:サー・サイモン・ラトル(指揮)、ベルリン・フィル(演奏)原題:Beethoven Symphonies No. 4&7収録:2015年10月15日 ベルリン・フィルハーモニーにて上映時間:約85分〜90分(予定) 5.1ch サウンド■ドキュメンタリー「リヴィング・ウィズ・ベートーヴェン」※恵比寿ガーデンシネマのみ同時上映上映時間:約45分内容:サイモン・ラトルやオーケストラのメンバーに、ベートーヴェンの曲を演奏する時の心理、そしてどのように曲を解釈して表現しているのかをインタビューし、彼らが実際に演奏に臨むまでを捉えた、秘蔵ドキュメンタリー。【上映劇場及び上映日】■先行上映日程:2016年7月13日(水)・14日(木)上映劇場:・東京 ユナイテッド・シネマ豊洲、イオンシネマ多摩センター・神奈川 イオンシネマ海老名・千葉 シネプレックス幕張・埼玉 ユナイテッド・シネマ浦和・愛知 イオンシネマ名古屋茶屋・大阪 イオンシネマ茨木・京都 イオンシネマ京都桂川・福岡 ユナイテッド・シネマキャナルシティ13・札幌 ユナイテッド・シネマ札幌先行上映料金:一般2,000円(税込)、シニア・学生(高校生以下)1,200円(税込)※先行上映館ではドキュメンタリーの同時上映はない。■本上映日程:2016年7月23日(土)〜31日(日)料金:一般2,800円(税込)、シニア・学生(高校生以下)1,800円(税込)※上記料金にて同時上映のドキュメンタリーも併せて鑑賞可能。※各劇場の座席によっては特別料金が適用されるシートあり。※未就学児のご入場は不可。
2016年05月17日ウィーン・フィル(VPO)の首席奏者3人をソリストにモーツァルトの協奏曲を聴く、うれしいガラ・コンサート『ウィーン・スペシャル・ガラ』が開かれる。出演は、初の女性コンサートマスターであるアルベナ・ダナイローヴァ、首席ヴィオラ奏者のトバイアス(トビアス)・リー、フルートの若き首席カール=ハインツ・シュッツ。来日中のシュッツに会った。ウィーン・スペシャル・ガラ チケット情報「アルベナとトバイアスは、とても気の合う友人さ。この3人とチェロのタマーシュ・ヴァルガでモーツァルトのフルート四重奏曲を録音したぐらいだからね。アルベナがリーダーの時に、オーケストラは変わると思う。でもキュッヒルの時もホーネックもシュトイデも、みんなが違う。ものすごく違うよ。コンサートマスターの個性の違いだよね。その違いを性別で考えるのはナンセンスだと思うな」女性に門戸を開いただけでなく、「ウィーン音楽大学出身のオーストリア人」という入団条件も撤廃された。それでもなお「伝統の音」が継承されている秘密は何だろう。「それは極秘機密(笑)。どうなんだろう。毎晩ピットに入って歌手と一緒にオペラを弾くこと、メンバーの室内楽活動の成果、ホールの音響…。全部が関係あると思う。でも特に大事なのは一人一人の気持ちじゃないかな。たとえばフルートはほぼ全員が日本の楽器を使っているけど、メーカーはそれぞれ違う。それは各自がVPOの音色を出せると思う楽器を選んでいるからなんだ。他のパートも同じで、このオーケストラに入った途端、みんなが伝統のVPOの音を出そうとするのさ」今回のコンサートではモーツァルトのフルート協奏曲第1番を吹く。自身の公式webのトップページにも音源が貼ってあるほど、お気に入りの曲だ。「モーツァルトは僕にとって毎朝のパンみたいなもの。なくてはならない音楽だよ。オーレル・ニコレに教わっていた学生時代、よく『モーツァルトはオペラ歌手になったつもりで吹け』と言われたんだけど、正直、当時はその意味がよくわからなかった。若い頃は、オペラを観るために3時間も劇場に座っていたくないだろう?(笑)VPOでたびたびモーツァルトのオペラを演奏するようになって、ようやくわかった。歌の温かい響きなんだ。何度も吹いてきたこの協奏曲だけど、以前とはずいぶん解釈が変わったと思うよ」共演は飯森範親指揮の東京交響楽団。コンサート後半にはドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」も演奏される。公演は6月5日(日)に東京・オーチャードホールにて開催。一般チケットに加え、今月24日(火)までハプスブルク家の御用達ベーカリー「ホーフベッカライエーデッガー・タックス」のスイーツ付チケットも発売中。取材・文:宮本明
2016年05月16日才能をぎらりと光らせる期待の俊英がオーケストラを刺激する。──5月の東京都交響楽団定期演奏会に登場するクリスチャン・ヤルヴィは、クラシック音楽の常識に安住しない攻めの姿勢を貫く気鋭の指揮者だ。彼は、音楽家揃いのヤルヴィ家から、指揮界の重鎮である父のネーメ・ヤルヴィ、現代の指揮界を牽引する兄のパーヴォ・ヤルヴィに続いて世に出た才能。なかでもクリスチャンは現代音楽の優れた新作を積極的に紹介したり、オーケストラと民族音楽との共演など、領域を超えた挑戦に意欲をみせたりとアグレッシブな活躍をみせる。いま首席指揮者を務めているMDR響(旧・ライプツィヒ放送響)でも独創的なプロジェクトを展開するほか、世界各地のオーケストラへの客演では個性的な選曲で人気を博している。東京都交響楽団 チケット情報そのクリスチャンが指揮する都響定期Bシリーズでも、現代音楽でも特に人気の高いペルトとライヒの傑作が選ばれた。まずヤルヴィ家の故国エストニアが誇る作曲家、昨年80歳を迎えたアルヴォ・ペルトの作品から、《フラトレス》は静謐のなかに中世音楽のエコーが時空を越えて響くような神秘性が聴き手を包む人気作。そして、彼の代表作・交響曲第3番はヤルヴィ家の父ネーメが1971年に初演、彼に献呈された作品。〈ティンティナブリ様式〉(〈小さな鐘〉に由来する言葉で、シンプルな和声とリズム、テンポが生む静謐が美しいこのスタイルはペルトの名を一躍世界へ広めた)ばかりか、当時ソヴィエト政権の支配下にあったエストニアでは反動的とみなされていた現代的な語法を用いて、強靱な想像力が立ち上がるシンフォニーだ。そして、今秋80歳を迎えるアメリカの作曲家スティーヴ・ライヒ。音型の反復やずれを巧みに生かした〈ミニマル・ミュージック〉の先達として、リズムと音響の多彩と鮮烈をひらいてきた彼は、クラシック音楽の枠を越えて熱狂を呼ぶ存在だ。今回は2曲、まずグシュタード音楽祭(現在クリスチャンが音楽監督を務める)による委嘱作、2つのヴァイオリンと弦楽オーケストラのための《デュエット》は、クリスチャンも「輝き、陽光、愛、自信に満ちた、おそらく最も美しいメロディを持つ作品のひとつ」と激賞する作品。そして「4楽章からなる交響曲のよう」な《フォー・セクションズ》は、「真実を探究する旅」のようだとクリスチャンも語る。さまざまな変容の先にひらける「非常にパワフルで魅力的な」終楽章、オーケストラの巨大な昂揚に包まれる体験は生演奏でしか味わえないものだろう。まったく異なる個性をもつ作曲家ふたり、しかし「本質的には彼らの音楽は精神的に合致しています」とクリスチャン。人間性を問い、高い理想を追求する表現の道のり──その挑戦と喜びを、俊英指揮者とオーケストラとが興奮と共に分かち合うステージ、楽しみにしよう。5月18日(水)、東京・サントリーホール 大ホールにて。文:山野雄大(音楽・舞踊評論)
2016年05月13日1940年にウォルト・ディズニーが手がけたアニメーション映画『ファンタジア』と、それを基にリメイクされた『ファンタジア2000』を題材にしたクラシックコンサート「ディズニー・ファンタジア・コンサート2016」が4月29日(金・祝)、いよいよ開幕する。その本番に先駆けて、4月28日、都内某所にてリハーサルが行われた。ディズニー・ファンタジア・コンサート2016 チケット情報同公演は、前述の2作で使われたクラシックの名曲の数々を、舞台上の大スクリーンに映し出される映画のアニメーション映像と共に楽しむオーケトラコンサート。昨年4月、日本に初上陸して大好評を博し、今年の再演が決定した。映像には『魔法使いの弟子』で夜空の星たちを指揮するミッキーマウスや、組曲『くるみ割り人形』にのって繰り広げられるマッシュルームのダンスにカバのバレリーナとワニたちなど、夢とファンタジーいっぱいの内容になっている。アメリカで最も注目の若手指揮者として活躍するワード・ステアが指揮を執り、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団がフルオーケストラで『ファンタジア』の世界を作り上げる。リハーサルでは、プログラム通りに1曲目から演奏。指揮を務めるワード・ステアが気になる部分をピックアップして指示を与えていく。的確なアドバイスでテンポよく進み、ときには「パーフェクト!」と笑顔も見せ、意気揚々。絶妙にテンポを操り、スクリーンに映し出された映像と音楽を一寸のズレなくぴったりと合わせていくのは、まさに絶妙の技巧だ。そして今年の目玉は、ゲストピアニスト清塚信也が奏でる「ラプソディー・イン・ブルー」。ニューヨークを舞台に4人の主人公が生きる都会の喧噪を描いたユーモア溢れるアニメーションに清塚信也の軽快なピアノの音色が組み合わさる、必見・必聴の1曲だ。清塚は国内外のコンクールで数々の賞を受賞、人気ドラマ「のだめカンタービレ」にて玉木宏氏演じる「千秋真一」、映画「神童」では松山ケンイチが演じる「ワオ」の吹き替え演奏を担当し脚光を浴び、映画やバラエティーでも活躍する今注目のピアニスト。昨年に引き続きライブナビゲーターとして出演する、ヴァイオリニストの高嶋ちさ子とのトークにも期待が高まる。「ディズニー・ファンタジア・コンサート2016」は4月29日(金・祝)・30日(土)、東京国際フォーラム ホールAにて開催。愛知、大阪でも公演あり。チケット発売中。■「ディズニー・ファンタジア・コンサート2016」4月29日(金・祝)・30日(土)東京・東京国際フォーラム ホールA5月3日(火・祝)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール5月7日(土)大阪・大阪国際会議場 メインホール
2016年04月28日国内有数のアコースティックを有するミューザ川崎シンフォニーホールに首都圏のプロ管弦楽団10団体が集結するオーケストラの祭典「フェスタサマーミューザKAWASAKI」(主催:川崎市、ミューザ川崎シンフォニーホール)。12回目の今年は7月23日(土)~8月11日(木・祝)の20日間にわたって繰り広げられる。開催概要の発表会見が行なわれた(3月30日)。フェスタサマーミューザKAWASAKI チケット情報今年のテーマは「最響(さいきょう)の夏!」。一番のポイントとなるのは、指揮者陣の顔ぶれだろう。音楽監督就任3年目にしてサマーミューザ初登場となる東京交響楽団のジョナサン・ノットや、今年9月のシーズンから新音楽監督に就任しその手腕が注目されている新日本フィルの上岡敏之をはじめとして、チョン・ミョンフン(東京フィル桂冠名誉指揮者)、秋山和慶(東京交響楽団桂冠指揮者)、小泉和裕(東京都交響楽団終身名誉指揮者)、飯守泰次郎(東京シティ・フィル桂冠名誉指揮者)、曽我大介(東京ニューシティ管弦楽団正指揮者)、川瀬賢太郎(神奈川フィル常任指揮者)と、各楽団にポストを持つ主要指揮者が続々登場する。毎日が定期演奏会のようなもの。短期間に同じホールで他のオーケストラと聴き比べられることになるフェスティバルだけに、回を重ねるにつれ、各楽団ともライバルたちへの対抗心が高まってきていることの表れでもあるだろう。聴く側にとってはオケの本気度が増せば増すだけありがたい。また例年どおり、ホール・アドバイザーを務める3人、小川典子(ピアノ)、松居直美(オルガン)、佐山雅弘(ジャズ・ピアノ)の公演や、川崎市内にキャンパスを置く昭和音楽大学、洗足学園音楽大学の学生オーケストラの公演、新百合ヶ丘のテアトロ・ジーリオ・ショウワでの出張公演、子供向けの「こどもフェスタ」など、趣向を凝らした企画も用意されている。入場料は公演によって異なるが、概ね2,000円から6,000円と比較的安価に設定されているのに加え、さらに25歳以下の学生・生徒・児童はほぼすべての公演が半額というお得な割引もあり、若いファンや子供連れのファミリーにはうれしい限り。もちろん各種セット券の販売も。川崎は、品川からも横浜からも10分弱とアクセスも良好。この夏はミューザ川崎に通い詰めよう!取材・文:宮本明
2016年04月01日代名詞とも言える精緻きわまる丁寧な音楽づくりに、自由でエモーションナルな歌ごころも加わり、鬼に金棒の風格が漂ってきたエリアフ・インバル。3月は桂冠指揮者を務める東京都交響楽団のふたつの定期演奏会を振る。東京都交響楽団 チケット情報3月24日(木)はバーンスタインの交響曲第3番《カディッシュ》。徴兵されてイスラエルの軍のオーケストラでヴァイオリンを弾いていた 若きインバルを見い出し、アメリカ=イスラエル文化財団に推薦して 欧州留学のきっかけを作ったのがバーンスタインだった。「カディッシュ」は本来ユダヤ教の死者への祈り。エルサレム生まれのインバルにとっても身近な素材だ。ある時インバルは作曲者自身の《カディッシュ》のリハーサルに立ち会う機会があり、直接意見を交わすことができたという。「この作品には、彼の人間性、信仰、平和へのねがいが息づいています」(インバル)ヘブライ語による合唱とソプラノ独唱、そしてバーンスタイン自身が書き下ろした英語の語りを伴う大規模で劇的な作品だが、今回の語りの台本はオリジナルと異なる。ナチ収容所の生存者であるユダヤ系ポーランド人サミュエル・ピサールによるテキストで、バーンスタインの依頼により、しかし作曲家の死後、2003年に完成、初演された。「これは私のパーソナルなカディッシュである」と始まるこの新たな台本による上演を、バーンスタイン財団はピサール自身が朗読する場合のみ許可してきたという。しかし昨夏にピサールが逝去し、今回は急遽、彼の遺志を受け継いだ妻ジュディスと娘リアが朗読する、新たな形での上演となる。3月29日(火)は、ショスタコーヴィチの交響曲第15番。1990年代初めにウィーン交響楽団と録音した交響曲全集が現代のショスタコーヴィチ受容の金字塔であるように、インバルのショスタコーヴィチ解釈には定評がある。都響とも継続的に取り上げており、2012年にリリースされた交響曲第4番のライヴCDが同年のレコード・アカデミー賞を受賞するなど注目度も高い。第15番はショスタコーヴィチ最後の交響曲。《ウィリアム・テル》序曲などいくつかの他人の作品が引用されているが、その理由が明らかではない、いわば謎の交響曲だ。今年2月に満80歳になった。9月定期では都響デビュー25周年記念も兼ねた祝賀公演も予定されている。日本流に言えば傘寿を迎えた現代の巨匠に、さらに注目だ。取材・文:宮本明
2016年03月20日代名詞とも言える精緻きわまる丁寧な音楽づくりに、自由でエモーションナルな歌ごころも加わり、鬼に金棒の風格が漂ってきたエリアフ・インバル。3月は桂冠指揮者を務める東京都交響楽団のふたつの定期演奏会を振る。東京都交響楽団 チケット情報3月24日(木)はバーンスタインの交響曲第3番《カディッシュ》。徴兵されてイスラエルの軍のオーケストラでヴァイオリンを弾いていた 若きインバルを見い出し、アメリカ=イスラエル文化財団に推薦して 欧州留学のきっかけを作ったのがバーンスタインだった。「カディッシュ」は本来ユダヤ教の死者への祈り。エルサレム生まれのインバルにとっても身近な素材だ。ある時インバルは作曲者自身の《カディッシュ》のリハーサルに立ち会う機会があり、直接意見を交わすことができたという。「この作品には、彼の人間性、信仰、平和へのねがいが息づいています」(インバル)ヘブライ語による合唱とソプラノ独唱、そしてバーンスタイン自身が書き下ろした英語の語りを伴う大規模で劇的な作品だが、今回の語りの台本はオリジナルと異なる。ナチ収容所の生存者であるユダヤ系ポーランド人サミュエル・ピサールによるテキストで、バーンスタインの依頼により、しかし作曲家の死後、2003年に完成、初演された。「これは私のパーソナルなカディッシュである」と始まるこの新たな台本による上演を、バーンスタイン財団はピサール自身が朗読する場合のみ許可してきたという。しかし昨夏にピサールが逝去し、今回は急遽、彼の遺志を受け継いだ妻ジュディスと娘リアが朗読する、新たな形での上演となる。3月29日(火)は、ショスタコーヴィチの交響曲第15番。1990年代初めにウィーン交響楽団と録音した交響曲全集が現代のショスタコーヴィチ受容の金字塔であるように、インバルのショスタコーヴィチ解釈には定評がある。都響とも継続的に取り上げており、2012年にリリースされた交響曲第4番のライヴCDが同年のレコード・アカデミー賞を受賞するなど注目度も高い。第15番はショスタコーヴィチ最後の交響曲。《ウィリアム・テル》序曲などいくつかの他人の作品が引用されているが、その理由が明らかではない、いわば謎の交響曲だ。今年2月に満80歳になった。9月定期では都響デビュー25周年記念も兼ねた祝賀公演も予定されている。日本流に言えば傘寿を迎えた現代の巨匠に、さらに注目だ。取材・文:宮本明
2016年03月20日2015-2016年シーズンより108年の歴史をもつウィーンの名門、トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任した佐渡裕。昨年秋には就任コンサートを成功させ、現地の聴衆を涌かせた。トーンキュンストラーとの縁は、いわば向こうからの「ひと目惚れ」。2013年に客演指揮者として招かれ、団員のアンケートで大部分のメンバーから「また来てほしい」というリクエストがあり、たった一度の共演で次期音楽監督の白羽の矢が当たった。トーンキュンストラー管弦楽団 来日ツアー情報「客演のときは3日間練習があって、2曲とも複雑な曲だったんですが、オーケストラの反応がすごく早いなというのが第一印象でした。こちらが注文するとすぐに音が変わる。そして練習の雰囲気がとても健康的なんです。ですから、また客演に呼ばれたら来ようと正直なところ思っていました(笑)」この楽団が拠点とするウィーン楽友協会の大ホール(黄金のホール)で指揮することは、若き佐渡裕の夢でもあった。「1988年にウィーンに渡り、生まれて初めて海外生活をしたわけですが、当時は指揮をする場もなく、バーンスタインのアシスタントとして毎日リハーサルを見学していました。いい思い出もありますが、辛い悶々とした思いもあった。当時はウィーンという街を斜めから見ていたところもあったと思います」「因縁の街」ウィーンに戻ってくるまでに多くの時間を要したが、佐渡の直球勝負の音楽家人生がたどり着いた約束の地がここだった。「108年の歴史があるオーケストラが日本人の指揮者を選んだことにどう応えるのか、というのが最初の最大のミッションですよね。就任に決まってから2年間あったので、任期の3年間の筋の通ったストーリーを考えなくてはと思い、ウィーンで活躍した作曲家のレパートリーを大事にしていくことを僕の方針として決めました」5月の凱旋公演はハイドン、ベートーヴェン、ブラームス、R・シュトラウスというウィーンゆかりの大作曲家の曲が並ぶ。ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第1番」ではアリス=紗良・オットが、「ヴァイオリン協奏曲作品61」では、中国系オーストラリア人のレイ・チェンがゲストで参加。ふたりのソリストの起用には、佐渡の大きな想いが託されているという。「このツアーには僕が伝えたいキーワードがあって、「クロスオーバー」というか、音楽を通して108年の歴史をもった古いオーケストラが文化を越えていく面白さを経験してほしいんです。日本人の血を半分持つアリスと中国系のチェンという現代の若者は、時間を越えてベートーヴェンに真正面から向き合っている。オケがどんどん枠を超えていく面白さを知り、客席の感動と共振していく面白さを楽しんでほしい…それが今回の僕のツアーの一番の目的なんです」情熱的な言葉の奥に、これまでの経験から得た大きな自信を感じさせる。5月の来日ツアーでは、全国で14回の演奏会が行われる予定。取材・文:小田島久恵
2016年03月04日2015-2016年シーズンより108年の歴史をもつウィーンの名門、トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任した佐渡裕。昨年秋には就任コンサートを成功させ、現地の聴衆を涌かせた。トーンキュンストラーとの縁は、いわば向こうからの「ひと目惚れ」。2013年に客演指揮者として招かれ、団員のアンケートで大部分のメンバーから「また来てほしい」というリクエストがあり、たった一度の共演で次期音楽監督の白羽の矢が当たった。トーンキュンストラー管弦楽団 来日ツアー情報「客演のときは3日間練習があって、2曲とも複雑な曲だったんですが、オーケストラの反応がすごく早いなというのが第一印象でした。こちらが注文するとすぐに音が変わる。そして練習の雰囲気がとても健康的なんです。ですから、また客演に呼ばれたら来ようと正直なところ思っていました(笑)」この楽団が拠点とするウィーン楽友協会の大ホール(黄金のホール)で指揮することは、若き佐渡裕の夢でもあった。「1988年にウィーンに渡り、生まれて初めて海外生活をしたわけですが、当時は指揮をする場もなく、バーンスタインのアシスタントとして毎日リハーサルを見学していました。いい思い出もありますが、辛い悶々とした思いもあった。当時はウィーンという街を斜めから見ていたところもあったと思います」「因縁の街」ウィーンに戻ってくるまでに多くの時間を要したが、佐渡の直球勝負の音楽家人生がたどり着いた約束の地がここだった。「108年の歴史があるオーケストラが日本人の指揮者を選んだことにどう応えるのか、というのが最初の最大のミッションですよね。就任に決まってから2年間あったので、任期の3年間の筋の通ったストーリーを考えなくてはと思い、ウィーンで活躍した作曲家のレパートリーを大事にしていくことを僕の方針として決めました」5月の凱旋公演はハイドン、ベートーヴェン、ブラームス、R・シュトラウスというウィーンゆかりの大作曲家の曲が並ぶ。ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第1番」ではアリス=紗良・オットが、「ヴァイオリン協奏曲作品61」では、中国系オーストラリア人のレイ・チェンがゲストで参加。ふたりのソリストの起用には、佐渡の大きな想いが託されているという。「このツアーには僕が伝えたいキーワードがあって、「クロスオーバー」というか、音楽を通して108年の歴史をもった古いオーケストラが文化を越えていく面白さを経験してほしいんです。日本人の血を半分持つアリスと中国系のチェンという現代の若者は、時間を越えてベートーヴェンに真正面から向き合っている。オケがどんどん枠を超えていく面白さを知り、客席の感動と共振していく面白さを楽しんでほしい…それが今回の僕のツアーの一番の目的なんです」情熱的な言葉の奥に、これまでの経験から得た大きな自信を感じさせる。5月の来日ツアーでは、全国で14回の演奏会が行われる予定。取材・文:小田島久恵
2016年03月04日3月31日(木)に開催される「渡辺俊幸PRESENTS“THE SYMPHONICSOUL”」。さだまさしや平原綾香、映画『平成モスラシリーズ』『宇宙兄弟』、ドラマ『大地の子』など、誰しも一度は聞いたことのある曲を作ってきた作曲・編曲家の渡辺俊幸が全面プロデュースする本公演。オーケストラに「ディズニー・オン・クラシック」などで知られる“オーケストラ・ジャパン”、そしてスペシャルゲストにゴスペラーズとGILLEを迎える。渡辺俊幸PRESENTS“THE SYMPHONICSOUL” チケット情報本公演は、渡辺の“クラシックに興味のない方にもオーケストラサウンドの魅力を知ってもらいたい”というテーマから生まれたもの。オーケストラの演奏とゴスペラーズやGILLEという組み合わせは意外だが、「ゴスペラーズはオーケストラが必要ないところで勝負していくアーティストだけれども、例えば海外ではそれがゴージャスな形でアレンジされるようなケースもあって。そういう海外の本格的なアーティストのレベルを日本で実現するにはうってつけのアーティスト」と語る。GILLEが挑戦する『夢やぶれて』(『レ・ミゼラブル』より)は、「楽曲はすべて今回のために僕がアレンジしています。自分で言うのもなんですが『夢やぶれて』のいろんなオーケストラのアレンジも聞きましたが、どれよりもいい(笑)。大げさじゃなく、最高峰のものがきたという楽しみを持ちながら聴きに来てほしいなと思います」と太鼓判を押す。渡辺が本公演で体験してほしいこと、それは「オーケストラの演奏を“生で”聴く」ということだ。「40年ほど前にボストンで生まれて初めて生でフルオーケストラの演奏を聴いたんです。それでものすごく感動したんですね。こんな素晴らしいものをなんで今まで聴いていなかったのか、と。レコードでは聞いていたけど、生で聴くのは格別で。でもクラシックは敷居が高いので、なかなかチャンスがない。そのチャンスを作ることは自分の役目なんじゃないかって思ったんですよ。そうすることで自分と同じ体験をする人が増えるのではないかと。だから、(本公演は)ラスベガスのショーを観に来るような気持ちで来てもらいたいんです」楽曲も聴きやすいものを用意している。「映画『平成モスラ』から組曲『平成モスラ』という楽曲も今回まとめあげました。当時、映画のために書いた楽曲をオーケストラでよりゴージャスに」クラシックの殿堂・サントリーホールという場所にもこだわった。「歌とピアノにはPAを通しますが、あとはスピーカーを通してないオーケストラの音が聞こえてきます。こんなにきれいな音なんだねって意識してもらうとうれしいです」「渡辺俊幸PRESENTS“THE SYMPHONICSOUL”」は3月31日(木)、東京・サントリーホールにて。取材・文:中川實穗
2016年03月04日