新人俳優・三宅朱莉と水川あさみが共演した、若手クリエイター・村瀬大智監督の長編商業映画デビュー作『霧の淵』がブルガリア最大規模の映画祭、第28回ソフィア国際映画祭のメイン部門であるインターナショナルコンペティションにて上映され、first or second filmsシネマトグラフィ特別賞を受賞した。ソフィア国際映画祭は、27年の歴史を持つブルガリア最大規模かつ中央・東ヨーロッパ圏を代表する映画祭。今回本作が選ばれた部門は、世界の新進気鋭監督のデビュー作及び2作目の長編が13作品ノミネートされた部門。日本からは、招待作品として参加した『怪物』『PERFECT DAYS』と本作のみの3作品が上映。日本の映画に触れられる機会にブルガリア現地の観客からは強い関心と嬉しさの声が寄せられていた。さらに会場・Odeon Cinemaでの上映には老若男女問わず幅広い観客が来場し、上映後は拍手喝采、涙を見せる観客の姿も。本作が撮影された奈良県・川上村と同様に、遠く離れたブルガリアの地方都市でも若年層の流出が止められない現実があり、本作で描かれていることに共感し、多くの観客に深く響いている様子が見られた。そして、現地時間3月23日(土)21時(日本時間3月24日(日)午前2時)に開催された授賞式にて、本作がfirst or second filmsシネマトグラフィ特別賞を受賞。現地での上映、授賞式に立ち会った村瀬監督は「ブルガリアという一見、川上村とは繋がりがない土地でこの映画が流れ、映画が僕達の手から離れて観客へ届き、染み込んでいく時間。これ以上素敵な時間はないと思います」と語り、「言葉が通じなくても言葉の代わりになる映画の素晴らしさを実感した日々でもありました」と喜びをコメント。シネマトグラフィ特別賞を受賞した撮影監督・百々武からは「40歳で移住した川上村で出会い、支えてくださる村の皆様に、良いお知らせを届けることができて、大変嬉しく思っております。『霧の淵』が、これからたくさんの人々に届くことを願っております」と感謝の思いと、来月の日本公開に向けたコメントが到着。百々さんは本作の舞台である奈良県川上村で撮影した写真集をきっかけに村瀬監督と出会い、本作で初めて映画作品で撮影監督を務めた。また、受賞のニュースを受けた主演の三宅さんからは「初めての映画出演 初めての主演 思い入れの深い作品で、このような素晴らしい賞を頂けて、本当に喜びを感じています」と喜びの声が到着。水川さんからは「『霧の淵』の神秘的で美しい映像と静かなテーマ性が国を越えて伝わっていると思うと喜びで胸が熱くなります」とのコメントが届いている。さらに今回、海外映画祭で絶賛された三宅さんが演じる娘・イヒカと、水川さんが演じる母・咲の新しい場面写真が解禁。娘・イヒカが母・咲を見守り、母はこの先の人生に想いを巡らす、母と娘の複雑な想いが垣間見れるシーンを切り取った。本作が招待を受けた釜山国際映画祭では「2人は主に沈黙、視線などを通して自分の感情を表現している」と2人の演技にも注目が集まっていた。本作は公開前に次々と海外映画祭にて上映され、第72回サン・セバスチャン国際映画祭の新人監督部門に最年少で選出、「奥深い日本の暮らしを描いている」と賛され、アジア最大規模の映画祭、第28回釜山国際映画祭でもA Window on Asian Cinema部門招待作品としてアジアプレミアを果たしている。『霧の淵』は4月6日(土)よりユーロスペースにて先行上映、4月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:霧の淵 2024年4月6日よりユーロスペース先行上映、2024年4月19日より TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2023“霧の淵”Nara International Film Festiva
2024年03月25日今年で4回目となる『TBSドキュメンタリー映画祭』が3月15日(金) に開幕し、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて15日(金)・16日(土)・17日(日) に各作品の舞台挨拶が実施された。さまざまな作品の監督や出演者が登壇し、満席が続出した舞台挨拶の一部をレポートとしてお届けする。『私の家族』【登壇者】監督:久保田智子ゲスト:杉山文野(東京レインボープライド代表)2019年に特別養子縁組で新生児を家族に迎えた、元TBSアナウンサー久保田智子監督自身の家族に迫る『私の家族』。久保田監督は、「作り手としては取材対象に近づいて生の映像を撮りたいと思うけれど、一方で自分は取材される側でもあって……。そこには自分を守りたいという気持ちもありました。曝け出して大丈夫なのか?私の家族はどう思うのか?そんな葛藤がありました」と心境を吐露。不安な背中を押してくれたのは「せっかく作品として発表するのならば、社会に影響を与えられる方が良いのではないか?」という夫からの一言だったという。久保田監督は「この作品は家族が賛成してくれたからこそ出来た映画」と家族のサポートに感謝していた。久保田智子監督また久保田監督は、「特別養子縁組を選択する前は、家族とは子供を産んで育てることだと思っていました。それが自分に出来ないと思った時に、急にマイノリティーになる瞬間があると感じました。当たり前が出来ないと知った時に、どう生きたらいいのかわからない葛藤もありました。その意味でも選択肢があることは大切。一般的な当たり前から外れても選択肢さえあれば別の選択をすればいいと前向きに思えるから」と、特別養子縁組を経ての想いを口にしていた。舞台挨拶ゲストとして登場したのは、東京レインボープライドの代表で自身もトランスジェンダーの杉山文野。友人からの精子提供により、パートナーとふたりの子供を育てている杉山氏。本作を観て、「自分には子育ては出来ないと思っていたので、ゼロだと思っていた分、実際に子育てが出来るとそのふり幅分楽しんでいるところがあります。血の繋がりさえ気にしなければ、子育ては出来る」と実感したという。LGBTQ+当事者で実際に子育てをしている人もいるそうだが、「日本では法的なハードルがあり過ぎてその数は限られている。選択肢が増えることによって子育てへの様々な関わり方が生まれたら嬉しい」と時代の変化に期待していた。杉山文野舞台挨拶の最後に久保田監督は、「自分のありのままを受け入れるのは難しかったけれど、ありのままの自分を受け入れて生きるしかないと思うことが出来て、それを発信するところまで来たわけですから、作品が完成して上映に立ち会っていることが感慨深いです」と噛み締めるようにコメントした。『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空名古屋を拠点に活動するBOYS AND MENの弟分、カラフルダイヤモンドの奮闘を追った『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』。舞台挨拶には、津村有紀監督とカラフルダイヤモンドのメンバーから古川流唯、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空が登壇した。カラフルダイヤモンドチケット即完で迎えたこの日の舞台挨拶。古川は「凄く緊張していたけど、皆さんに笑顔で待っていただけて……。そして僕らカラフルダイヤモンドの歴史を見てもらえて嬉しいです!」と喜色満面。設楽も「場内に入った瞬間、皆さんの顔がいっぱいあって良かった。ドキュメンタリーということで堅苦しいイメージもあったかもしれないけれど、皆さんが笑顔で観てくれたのが嬉しいです。この作品を通して僕らの魅力が伝わったら!」と期待を寄せた。高垣は、「感動的なシーンもあったので、皆さんのお顔に涙の跡の線2本があったら嬉しい。ポップコーンを食べながらカラフルダイヤモンドを見ることはレア体験。2回目を見る人は、ポップコーンをマストで作品を見てほしいです!」とお勧め。岡は「上映初日という特別な空間を皆さんと一緒にいられるのが幸せです。ステージに立って良かった、ドキュメンタリー作品になって良かったと思えました!」と感激していた。グループにとって初の密着取材となった本作。これに小辻は「初の密着ということで緊張したけれど、メンバーそれぞれの顔がしっかりと映っていて、しかもメンバーの知らないところも知れたりして嬉しかった」と達成感を覚えたことを明かす。関は「真面目に語っているシーンは正直ド緊張しました。でも監督とどんどん打ち解けて、素の表情になっていきました。インドカレー屋さんのシーンでは、思わず素の姿になっています!」と見どころポイントも挙げていた。永遠は、「映画の経験もドキュメンタリーの撮影も初めてだったのでド緊張。それもあってか僕は素が出る前に撮影が終わりました。……この作品に映っている永遠は、永遠の中の永遠じゃないところが出ています。まさに永遠役の永遠でした」といまだ緊張しきり。加藤も「カメラや照明、そして何人もの大人に囲まれて、そんな中で椅子に座らされて質問されて……。緊張しないわけがない!カメラには映っていないけれど手はブルブルでした。ヤバかったです!」と大いに緊張していたことを明かしていた。劇中には、國村と内海が神妙な面持ちで本音を吐露するシーンも。内海は「お好み焼き屋さんで1時間語る予定が、大いに盛り上がって3時間くらいになった。お店の席に座った時は緊張していたけれど、本音をぶつけ合うことが出来ました」と回想。國村も「毎日会っているのに、最初は元彼に会ったみたいな気まずい雰囲気に(笑)。一緒に暮らしているのに、『最近元気?』とか聞いたりして。でも自分の中で思うところもあったので、今日はその話をするぞと挑んだ。あの瞬間に思いをぶつけることが出来て、本音トークが出来ました」と手応え。内海は「あの本音のぶつけ合いをきっかけに前に進めた気がする」と本作の撮影がグループとしてのターニングポイントだと実感していた。そんなメンバーたちの姿に、津村監督は「彼らはこちらが質問を投げかけなくても色々な話をしてくれて、それが自然とドキュメンタリーになった。グループとしてはもちろんの事、それぞれ個人としても考えが深くて、ご本人たちの哲学も滲み出しています。私は彼らよりも倍以上の年齢だけれど、彼らの考えや悩みが重なるところもあって勉強になりました」と影響を受けていた。津村有紀監督舞台挨拶の後には、カラフルダイヤモンドのメンバーたちが観客を見送る「ハイタッチ会」も実施。映画の感想や応援メッセージを伝えられたメンバーたちは、ますますまぶしい笑顔を見せていた。ハイタッチ会の模様第4回の開催となる今年の『TBSドキュメンタリー映画祭』では、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を上映。そのほかの上映作品は以下の通り。<上映作品>『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』『家さえあれば ~貧困と居住支援~』『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』『リリアンの揺りかご』『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』『映画 情熱大陸 土井善晴』『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承~』『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』『BORDER 戦場記者 × イスラム国』<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年03月18日北アルプスの麓、長野県大町市を舞台に2017年より開催されている「北アルプス国際芸術祭」。第3回目となる「北アルプス国際芸術祭2024」が2024年9月13日(金)から11月4日(月・祝)まで開催されることが決定。3月14日(水)に企画発表会が行われた。長野県の北西部に位置する大町市は、3000m級の山々が連なる北アルプスの麓にあり、清冽な雪解け水と澄んだ空気、四季折々の景観に恵まれた場所。そんな大町市の特色をいかし「水・木・土・空」をテーマに開催されるこの芸術祭には、国内外から約35組のアーティストが参加予定。「市街地エリア」「ダムエリア」「源流エリア」「仁科三湖エリア」「東山エリア」と大町の特色がみられる5つのエリアを舞台に、その土地の特徴をいかしたサイトスペシフィックな作品が展開される。千国街道の宿場町として栄えた歴史をもつ「市街地エリア」では、ドキュメンタリーとフィクションを合わせた「モキュメンタリー」という手法で作品を制作している小鷹拓郎が、山をモチーフに地元の専門家と協働しながら映像作品を制作。写真家の鈴木理策は大町の水資源をテーマに写真と映像作品を展示する。鈴木理策《水鏡》北アルプス国際芸術祭2024参考作品大町にとって重要な意味をもつ「ダムエリア」では、磯辺行久が前回に引き続き七倉ダムで大規模な作品を展開。鹿島川流域の「源流エリア」では、「土地と人との結びつき」をテーマに写真やインスタレーション作品を発表しているスクリプカリウ落合安奈が、猟師や山小屋を営んでいる人に話を聞くなどフィールドワークを重ね、フィルムで撮影した写真作品を発表する予定だ。ヨウ・ウェンフー(タイトル未定)北アルプス国際芸術祭2024作品プランかつて「塩の道」とよばれた道筋に位置する三つの湖を擁する「仁科三湖エリア」では、日本とロシアの建築家ユニット、アレクサンドラ・コヴァレヴァ&佐藤敬/KASAが、「生命の通り道としての水」を形にするような作品を制作。豊かな里山が広がる「東山エリア」では、台湾のヨウ・ウェンフーが地域の人たちと協働し竹を使って公民館を覆う大規模なインスタレーションを展開。南アフリカ出身のルデル・モーはトンネル内に巨大な石の彫刻を設置する。ルデル・モー[南アフリカ](タイトル未定)北アルプス国際芸術祭2024作品プランまた、淺井裕介や、川俣正、目[mé]、ジミー・リャオなどは第1回、2回で制作した既存作品で参加する。淺井裕介[日本]《土の泉》2017, 2021撮影:栗田萌瑛目[mé][日本]《信濃大町実景舎》2017撮影:本郷毅史展示以外にも、藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める「マームとジプシー」が、ミナ ペルホネンとの共同作品で参加した前回に続き新作の上演を予定。展覧会のメインビジュアルは前回から引き続き皆川明(ミナ ペルホネン)が担当し、さまざまなグッズなども展開される。「北アルプス国際芸術祭2024」メインビジュアル総合ディレクターの北川フラムは、「厳しい時代のなかで、芸術祭を通して生まれた新しいつながりや、観光で訪れた人たちが、地域や閉鎖的になっている人たちに対して新しい風をもたらしたりと、おもしろい動きが生まれています。大町でも自然と人との出会いというとことをやっているので、ぜひいらしてください」と語った。会期中には、大町の風土が育んだ食文化と旬の食材を提供する公式カフェ&レストラン「YAMANBA」もオープン。地元のガイドによる案内つきのオフィシャルツアーなども用意されている。【参加アーティスト】2024年3月14日現在淺井裕介(日本)/ダナ・アワルタニ(サウジアラビア/パレスチナ)/ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット(カナダ)/マリア・フェルナンダ・カルドーゾ(コロンビア/オーストラリア)/船川翔司(日本)/布施知子(日本)/平田五郎(日本)/磯辺行久(日本)/川俣正(日本/フランス)/イアン・ケア(イギリス)/木村崇人(日本)/小鷹拓郎(日本)/コタケマン(日本)/アレクサンドラ・コヴァレヴァ&佐藤敬/KASA(ロシア・日本)/ジミー・リャオ〈幾米〉(台湾)/松本秋則(日本)/目[mé](日本)/宮山香里(日本/イタリア)/ルデル・モー(南アフリカ)/ムルヤナ(インドネシア)/マームとジプシー(日本)/村上慧(日本)/エカテリーナ・ムロムツェワ(ロシア/アメリカ)/小内光(日本)/佐々木類(日本)/スクリプカリウ落合安奈(日本)/ソ・ミンジョン(韓国)/鈴木理策(日本)/大北林研グループ(日本)/Torus Vil.(トーラスヴィレッジ、日本)/ヨウ・ウェンフー〈游文富〉(台湾)<開催情報>「北アルプス国際芸術祭2024」2024年9月13日(金)~11月4日(月・祝)、長野県大町市(5つのエリア|市街地、ダム、源流、仁科三湖、東山)で開催公式HP:チケット情報:()
2024年03月16日映画『変な家』(公開中)の初日舞台挨拶が15日に都内で行われ、間宮祥太朗、佐藤二朗、川栄李奈、瀧本美織、斉藤由貴、石川淳一監督が登壇した。同作は、白い仮面をかぶった謎のクリエイター・雨穴による書籍の実写化作。売れないオカルト専門の動画クリエイターの雨宮(間宮祥太朗)は、マネージャーから購入予定の家の間取りについて不可解な点があると相談を受ける。雨宮は、自身のオカルトネタの提供者である、ミステリー愛好家の変人設計士・栗原(佐藤二朗)にこの間取りについて意見を聞いてみることに。すると、奇妙な“違和感”が次々と浮かび上がり、栗原はある恐ろしい仮説を導き出す。○■映画『変な家』、第44回ポルト国際映画祭で審査員特別賞を受賞先日、ポルトガルで開催されたポルト国際映画祭で審査員特別賞を受賞した今作。実際に映画祭にも参加した間宮は「試写もやってないですし、日本でお客さんに観てもらう前に、初めてこの映画を観客として観る方々がポルト映画祭に来てくださった方々。正直、最初不安というか……もちろん言語も違いますし、物語が進んでいく中でどういう反応をいただけるかというのが全く想像つかなかった」と振り返る。しかし、現地では笑いも起こる場面もあったそうで、これには佐藤も「笑いが起きる!?」と驚きの表情を見せていた。笑いが起こったのは佐藤のシーンだったそうで、「もちろんポルト映画祭に来てくれたお客さんなので佐藤二朗というだけで笑う人はいないです(笑)」と話す間宮に、佐藤は「日本でも別に……」と反論。しかし、間宮から「それはいます!」と返されてしまい、「確かにそれはいるな(笑)」と納得した表情を見せ、笑いを誘った。上映後半では声が上がることもあったそうで、このポルトガルでの反応を受け、間宮は「日本で上映する前にちょっと自信がついた。言語も違うポルトガルの方々があれだけ盛り上がってくれたんだから、日本で上映されたら一層盛り上がっていくんじゃないかなと思いました」と自信をのぞかせた。
2024年03月15日日本有数のアニメ都市・新潟にて、アジア最大規模の「第2回新潟国際アニメーション映画祭」が3月15日(金)より開幕する。本映画祭の長編コンペティション部門で審査員長を務めるのは、アカデミー賞ノミネートの『ブレンダンとケルズの秘密』(共同監督)や『ブレッドウィナー』、Netflix映画『エルマーのぼうけん』を手掛けた世界的アニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」のノラ・トゥーミー監督だ。昨年3月に初めて開催された新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)は、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として各国で大きな反響を呼んだ。今年はレトロスペクティブ部門にて長編映画全作品ラインアップの高畑勲特集ほか、イベント上映では世界を舞台に活躍する湯浅政明監督の貴重な短編の特集上映、『機動戦士ガンダム』シリーズの富野由悠季監督の来場などを予定。長編コンペティション部門には、『アリスとテレスのまぼろし工場』(監督:岡田麿里)、『クラユカバ』(監督:塚原重義)といった日本作品をはじめ、29の国と地域の49作品から選りすぐった12作品が集結する。ノラ・トゥーミー監督といえば、アイルランド・キルケニーにある「カートゥーン・サルーン」にて初期から受賞歴のある短編映画やコマーシャルの監督を務め、アカデミー賞にノミネートされた『ブレンダンとケルズの秘密』ではトム・ムーア監督と共同監督、同じくアカデミー賞ノミネートの『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』ではストーリーとボイスのディレクターを担当。タリバン政権下のアフガニスタンを舞台にした『ブレッドウィナー』ではアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネートされたほか、アヌシー国際映画祭で最優秀インディーズ長編映画賞、観客賞、審査員賞など数々の国際賞を受賞。最近では、ルース・スタイルズ・ガネットのベストセラー児童文学にインスパイアされたNetflixオリジナル長編アニメーション『エルマーのぼうけん』を監督した。今回の初来日では、時間が許せば、小泉八雲として知られるアイルランド系ギリシア人のラフカディオ・ハーンの記念館を訪れ「彼の人生や彼の見た日本に思いを馳せてみたい」というトゥーミー監督。自身や「カートゥーン・サルーン」のクリエイティブにおいて大切にしていることや、アニメーションの未来についてたっぷりと語ってくれた。高畑勲監督の『火垂るの墓』は「美しい傑作」ーー「カートゥーン・サルーン」のアニメーションは日本でも大変ファンが多いです。ご自身が作品を作るときに心がけていることは?ノラ・トゥーミー(以下、N・T)「カートゥーン・サルーン」では私たちも常に自問自答しています。何が「カートゥーン・サルーン」作品たらしめているのか? アニメーションにして語るだけの価値があるものとは何か?なぜなら、アニメーションはフィルムとしてつくるのに驚くほど手間がかかるので…手描きの2Dアニメーションは特にそうです。アイディア出しの段階から劇場で上映されるまで5年、10年かけて制作されるものもザラにあります。そのため、本当に語るだけのストーリーである必要があります。私たちは「勇気」を「美しい語り口」で、と自分たちによく言い聞かせています。この2つがとても大切なのです。まずは、私たちが語らなければ、おそらく決して語られることのない物語をやろう。そして、語るにしても私たちだからこその語り口でやっていこう、と。そしてこの「美しい語り口」ですが、決して砂糖をまぶしたような歯が浮く甘いお話、というわけではなく、アニメーションというメディア表現の可能性をさらに広げるようなものを指しています。高畑勲特集『かぐや姫の物語』©2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTKそれも必ずアニメーターの手によるものを見せる。業界でこれまで20年30年と経験を積んだ人たちと一緒にスタジオで働いているのですが、同時に業界入りしたばかりの新しい才能や学生たちとも一緒に仕事をしています。彼らが一丸となって、「最も優れた完璧なもの」を目指すわけですが、そこに人間味のあるというか、人間だからこそのミスや間違い、というのも当然混ざってくるわけです。そこがアニメーションの良さといいますか、どうしてそうなるかというと、アニメーターによるテーマやキャラクターへの思い入れが強いため、なんですね。まさに「カートゥーン・サルーン」が目指しているところはそこにあるのです。ちょっとした間違い、人間であるからこそ起こり得るミス…それこそがメディアの可能性をさらに高めるものなのです。高畑勲監督の傑作『火垂るの墓』は、2人の子どもが過酷な状況を生きのびようとする物語で、とても難しいテーマを扱っています。映画の中では、兄妹の互いの温かい思いやりの心が描写されており、それは決して他の手法では描けない。絶対にあのアニメーション表現でなくてはならなかったのです。高畑勲特集『火垂るの墓』©野坂昭如/新潮社, 1988監督や各アニメーターがキャラクターに心を寄り添わせながら(他人事ではなく自分のことのように愛情を込めて)描いているのがわかります。それがこの作品を唯一無二のものにしています。美しい傑作であり、監督から世界への贈り物だと感じています。人は誰しも困難に直面します。個人的であったり、より大きな国や世界規模ででも。いま、世界中がそのような状況となっていますよね。そんなとき、こうした作品は私たちを助けてくれる。これまでの歴史を振り返り、未来がどうなっていくのかを考えさせてくれると思うのです。「自分たちの声を見つけること」それがスタジオの真髄ーーご自身が作品を作られる場合、マーケットについてはどのように意識されていますか?N・Tマーケットについては必ず意識しています。アニメーションのビジネスマーケットにはサイクルがあって、活発に作品を求めている時期とそうでない時期があります。いまはちょうど活発でない時期。もともとアイルランドは500万人の小さな国なので、自分たちだけで映画をつくることはできません。国内の観客動員数の規模は小さく、上映できる映画の本数も少ないからです。そのため常に国外に目を向けているのですが、そうなると自分たちの声(語り口)を失くしてしまうリスクも生じます。アメリカやよその国でつくられるようなフィルムになってしまう可能性もある。何年もかけて学んだのは、人々が私たち「カートゥーン・サルーン」独自の「声」を求めていること。必ずしも主人公がアイルランド人でなければならない、ということはなく、ときにはアフガニスタン人やアメリカ人の男の子だったりするわけです。スタジオが独特な感性をしっかり持つことの意味を理解するようになりました。長編コンペティション部門『深海からの奇妙な魚』(ブラジル)「カートゥーン・サルーン」がつくった初めての映画『ブレンダンとケルズの秘密』のプロデューサーはフランス人のディディエ・ブリュネール氏だったのですが、彼から教わったことはディズニーや他のスタジオに倣うのではなく、「自分たちの声(語り口)を見つけること」でした。それがスタジオの真髄として、当初からずっと貫いてきたスタンスであり、これからもそれを目指していきます。そういった意味でも、マーケットは意識しており、どういう状況であろうとも、自分たちを失わずに突き進めるように頑張っています。正直、未来を見据えて正しい判断をいつも下すのは難しいです。そこでやはり重要になってくるのが、映画祭などでスタジオが専門知識や経験を持ち寄り人脈をつくることです。そうやってアニメーションビジネスがどんな状況であろうと、力を合わせてしのいでいけるのです。AIがアニメーションに与える影響、そして未来は…?ーー制作を取り巻く環境はご自身が始められた時からどのように変化していると感じていますか?一番変化が大きいと感じた点はどのようなことでしょうか?N・T25年前に「カートゥーン・サルーン」がスタートしたわけですが、それがもう少し前であったら、スタジオ設立にはお金がかかりすぎて無理だったでしょう。アイルランドやヨーロッパではそれまでアニメーションはすべて手描きでしたが、ちょうどその頃、徐々にデジタル処理を制作プロセスに導入しつつあったのです。そのため2Dアニメーションでも、スキャナーで手描きの絵を取り込んでいましたので、とても高価な撮影機材を設置しないですみました。デジタル革命の技術をうまく取り入れながら、私たちにとって一番大切なことにはとことんこだわりました。例えそれが紙の上であってもモニターの上であっても、いままでと変わらずに水彩絵の具などのブラシタッチで絵を描く、ということ。以降、様々な変化がありますが、やはり3Dアニメーションの進歩が大きいでしょう。ですが「カートゥーン・サルーン」としては、あくまで2Dにこだわることにしたのです。手描きが私たちの一番得意としているところですし、古くならないもの、私たちの紡ぐ物語が一番確実に伝わる方法だ、と信じているので。本当に多くの変化が起きました。仕事があったり、なかったり…そういった中、なんとかやりくりしてきて。長編コンペティション部門『クラユカバ』(日本)©塚原重義/クラガリ映畫協會将来的には様々な問題が起こりそうですよね。AI、機械学習などがそうです。頻繁に議論されてはいますが、それがどういった影響を業界に及ぼすのか、まだ誰にもわかりません。昨年末にはアメリカの脚本家と俳優が自分たちの知的財産の権利を守ろうとストライキを起こしましたが、様々な問題がある中、私自身もこの先どうなるのか、まったく読めません。それでもアニメーションにおいては、人間によるストーリーテリングが求められる、と信じています。「私はつらいこんな経験をしたが、あなたにも共感してもらえるだろうか?」と実際にあった経験を他者に語りかける。そして「この共有した経験を活かしながら、未来に向かって一緒に歩んでいけるだろうか? あなたはいつも心にとどめておいてくれるだろうか?」と問いかける。これが実体験に基づくのではなく、以前あったストーリーを断片的によせ集めるだけのAIができるとは思えません。実際にAIが経験したり、本当の喜びや苦しみを味わったりしたわけではないですから。そういったものに耳を傾ける人は世の中にいるのでしょうか?私はいないと思います。長編コンペティション部門『アリスとテレスのまぼろし工場』(日本)©新見伏製鐵保存会結局、人々が物語を欲するのは、単なる娯楽(エンターテインメント)だけでなく、そこから何かを学ぶためで、そこが私たちを人間たらしめている部分です。私個人はそのように考えていますが、この先どうなるかはわかりません。それでも私はこれからも人々の「勇気」ある「本当の声」に耳を傾けていきます。1人の観客としても。人類をそれくらいには信頼しています。ーーこれから5年後、10年後、20年後、アニメーションはどのように変化していくとお考えでしょうか?N・Tいまの時代、半年の間でも大きな変化はありえます。将来アニメーション業界に大きな影響を与えると思えるのは、やはりAI。AI技術が業界全体に与える影響が気になります。ただ、AIの専門家で今後の可能性について知っていようと、従来の手法で紙と鉛筆で仕事をするアニメーターであろうと、誰一人として未来がどうなるかは予測できないのではないでしょうか。AIが私たちの活動にどんな影響を与えるのか?これはアニメーション業界だけにとどまりません、創作活動を行う業界すべてに同じことが言えます。本当に目を見張るような状況が続いていて「もうすぐこんなことができるようになる!」といった将来性についてもよく耳にします。アニメーションスタジオを運営する事業主として、また監督としては、これからも人間の手によって生み出されるものへの尽力は惜しまないつもりです。決して量産されたものではなく、人間の体験を下地にした唯一無二の「声」の持つ力、それが人々が欲するものだと信じています。長編コンペティション部門『マントラ・ウォーリアー ~8つの月の伝説~』(タイ)一方で、ポジティブに作用するテクノロジーを見極めていって、自分たちも納得のいく方法で使っていくべきだとも思います。アーティストやストーリーテラーの生み出すものの価値を下げるのではなく、映画のストーリーテリングが伝わり、受け入れてもらえるような形で導入するのです。繰り返しますが、アニメーション業界には昔からよい時期もあればよくない時期もあります。どんな経済状態に晒されても、アニメーションスタジオは歯を食いしばって状況を乗り越えなければなりません。今後もかつてなかった問題に直面するでしょう。これから10年後、業界がどうなっているかは本当に予想がつかない。それでも人間とは太古の昔から常に表現したがっている生き物です。すべてのストーリーテラーが持つ「物語を語りたい」という欲求、それは未来永劫変わることはないと思います。長編コンペティション部門『アザー・シェイプ』(コロンビア)「第2回新潟国際アニメーション映画祭」は3月15日(金)~3月20日(水・祝)、新潟市民プラザ、新潟日報メディアシップ(日報ホール)、だいしほくえつホール、シネ・ウインドなどにて開催。(シネマカフェ編集部)■関連作品:アリスとテレスのまぼろし工場 2023年9月15日より全国にて公開(c)新見伏製鐵保存会クラユカバ 2024年4月12日より全国にて公開©塚原重義/クラガリ映畫協會
2024年03月14日3月15日(金) より東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌で順次開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2024』開祭宣言イベントが3月13日(水) に東京カルチャーカルチャーで開催。爆笑問題の太田光(『TBS DOCS』チェアマン)、ラッパーの紅桜(『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』出演)、嵯峨祥平(『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』監督)が参加した。第4回の開催となる今回は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障がいなど多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品が上演される。TBSテレビやTBS系列各局の記者、ディレクターたちが、歴史的事件や今起きている出来事を追い続け、ドキュメンタリー映画として世の中に発信し続けるブランド『TBS DOCS』に長きにわたり関わってきた太田は、「観ていて苦しくなるようなものもあれば、勇気づけられるものもある。見応えがありますよね」と本映画祭の特色について解説。「ドキュメンタリーということで事実を映しているから『VIVANT』とは違う。同じTBSながらも製作費は2桁くらい違うけれど」と笑わせつつ、「人間の心を動かすのがドキュメンタリーの魅力」と熱弁した。そんな太田が今回の上映作品で注目しているのが、『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』。ヒップホップシーンで脚光を浴びるも突如表舞台から姿を消し、“伝説のラッパー”と呼ばれた「紅桜」を取り上げ、彼が服役し出所した瞬間から復活ライブまでの軌跡を追う1作だ。R-指定やZeebraほかヒップホップ業界や芸能界にもファンが多い“熱い男”にして、一度大きな失敗を経験した“ダメな奴”でもある、紅桜という人物に密着した注目のドキュメンタリーとして話題を集めている。この日のために地元・岡山県津山から上京した紅桜は、「新幹線に揺られてやって来ました」と笑顔で太田とグータッチすると、すかさず太田が「このビルの入り口には警察が待機しているので……」と毒舌ジョークを飛ばす一幕も。ヒップホップ好きという嵯峨監督は、「彼は圧倒的に他のラッパーとは違ってポエティックなところがある」と紅桜に惚れ込み以前から注目するも、ドキュメンタリーのための取材を申し込んだ時、紅桜は刑務所の中にいたという。一方、嵯峨監督からオファーの手紙を受け取った紅桜は、「筆跡から監督の情熱を感じたので、自分もちゃんと返さないとカッコ悪いと思った。ドキュメンタリーに出演することは、悩むことなく即決でした」と出演経緯を振り返った。すでに本作を観た太田は、「紅桜君と僕は喧嘩ひとつでここまで来たようなところがあるので、通じるものがあると思った」とボケながらも共感を寄せ、「この作品を観ると、“ダメな奴”の割には、紅桜君のことをこんなにも好きな人たちがいるんだというのが徐々にわかってくる。彼の奥さんも、子どもたちも、仲間たちも、紅桜君のことが大好きだし、とても感動しましたね。この男には魅力があるんだというのが、観ていてひしひしと伝わってきました」と激賞していた。上映前にも関わらず、すでに反響も上々で、紅桜も「地元を歩いていると、小さい子からお年寄りまで“映画に出るらしいな!”と言ってくれる」と嬉しそうに語った。ただ、家族にはまだ作品を見せていないそうで「照れくさいから」と赤面していた。本作の撮影のために紅桜が暮らす岡山まで車で通い詰めたという嵯峨監督は、「すでに作品を観てくれた方が、“ラップを好きじゃなくても紅桜の曲は聴ける”と涙してくれているそうで、とても嬉しい」と手応えを感じ、「僕はダメな人の人間賛歌が好きなので、そのようなものが好きな人に観てほしい」と呼び掛けていた。最後に紅桜は、太田との本映画祭の開祭宣言を前に、即興で歌を生熱唱。これに太田は「演歌みたいでカッコいい!シンパシーを感じました」と感動しながら、紅桜と声を合わせて「TBSドキュメンタリー映画祭2024、開祭!」と力強く声を上げ、華やかに桜吹雪が舞い散る中、開祭宣言が行われた。<イベント情報>TBSドキュメンタリー映画祭2024『TBSドキュメンタリー映画祭2024』ポスタービジュアル東京会場:ヒューマントラストシネマ渋谷3月15日(金)~3月28日(木)大阪会場:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋会場:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都会場:アップリンク京都3月22日(金)~4月4日(木)福岡会場:キノシネマ天神3月29日(金)~4月11日(木)札幌会場:シアターキノ3月30日(土)~4月11日(木)公式サイト:公式X:
2024年03月13日2022年、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022国内コンペティション長編部門グランプリ、バーリ国際映画祭監督賞受賞を果たした、中国出身、余園園(ヨ・エンエン)監督による長編デビュー作『ダブル・ライフ』が2024年4月19日(金)よりアップリンク吉祥寺にて初の公開決定いたしました。本作品キービジュアル、本予告が解禁になりました。あわせて余園園監督、キャストからのコメントが到着しました。海外のタリン・ブラックナイト映画祭より届いた、興味深いコメントもご紹介いたします。▽公式サイト▽ ポスターレンタル夫との二重生活を送る中、他者の体に触れ相手の心を感じ取る身体的かつ心理的アプローチを通して、自身の新たな感情に気づいてゆく女性の姿を描いた、心の解放と蘇生の物語『ダブル・ライフ』。監督は、中国の名門・北京電影学院を卒業後、日本に留学し立教大学の大学院に進んだ余園園(ヨ・エンエン)。余は2019年に「人間レンタル業」を描いたヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『ファミリーロマンス社』に着想を得て、自身も中国人として外側から見た日本像を脚本にしたためた。結婚生活に不満を持つ主人公・詩織を『ざわめき』(宮崎大祐監督作品)の菊地敦子が演じる。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022にてワールドプレミア上映。見事、国内コンペティション部門で最優秀長編作品賞を受賞したほか、第35回東京国際映画祭での上映、タリン・ブラックナイト映画祭2022への正式出品。また昨年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭では監督賞を受賞するなど、巧みに切り取られた繊細な身体表現が国内外数多くの映画祭にて高い評価を受け、完成から2年越しで劇場公開が決定しました。監督写真■監督 余園園(ヨ・エンエン)からのメッセージ『ダブル・ライフ』は立教大学大学院の修了制作であると同時に、私自身にとって「悲願の長編デビュー作」でもあります。物語の基盤、テーマにおいて、本作はヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『ファミリーロマンス社』の影響を強く受けています。同作に、不気味さ、虚しさ、現実との乖離を感じ、不思議な共感を覚えたのです。「レンタル人間」「二重生活」「ふれあい」というテーマの掘り下げは、自分自身をもっとさらけ出したいという、私自身の潜在的欲求に基づいています。北京でも東京でも、心にぽっかり穴が空いたまま日々がいたずらに過ぎてしまい、人と人との間にいつも隔たりを感じています。愛されたい、心の穴を埋めてほしい、と願っているのは主人公の詩織だけではなく、私自身であり、あなた自身でもあるかもしれません。この度、2年越しに劇場公開が叶い、感無量です。この作品は私の映画作りの原点であり、今もエネルギーをもらっています。「埋まらない穴」を持っている映画の中の人物も私も、他者と触れ合い、そして互いに満たし合う。『ダブル・ライフ』を通じて、みなさんとのふれあいが生まれることを心から願っています。<余園園(ヨ・エンエン)>監督・脚本・編集2015年北京電影学院を卒業。仕事をしながら、独学で日本語を勉強し、2018年来日。早稲田大学で一年間の日本語プログラムを修了後、2019年東京ビジュアルアーツ映画学科(現映像学科)に通い、2020年立教大学大学院に入学。万田邦敏教授の元で演出を学ぶ。大学院修了制作として、初長編『ダブル・ライフ』を制作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022にてワールドプレミア上映され、国内コンペティション部門で最優秀長編作品賞を受賞。その他、第35回東京国際映画祭にて上映、タリン・ブラックナイト映画祭2022に正式出品、昨年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭では監督賞を受賞した。現在、映画宣伝の仕事を務めながら、自主映画を作り続けている。■主演 菊地敦子(小柳詩織役)のコメント誰もが幾重もの層を持って生きている。自分に語りかける自分、人に会うときの私、あなたの微笑みの裏側。そしてその層を抱えながら、ままならぬ人生を歩まなければならないとき、支えとなってくれるもののことを、この役が教えてくれた。<菊地敦子>俳優多摩美術大学芸術学科在学中より東京都現代美術館学芸員補やサイレント映画ピアニスト・柳下美恵氏のアシスタント、アフリカン×ポストロックのインストバンド・panoramaのパフォーマーなどを務める。卒業後、映画美学校アクターズコースにて万田邦敏監督、深田晃司監督、三宅唱監督等に師事。七里圭監督や宮崎大祐監督をはじめとする国内外の映画作家の作品にて主演多数。現代演劇や音楽家とのミュージック・ビデオ、写真モデルなど幅広い領域で活動している。■海外 Edvinas Pukstaのコメント(タリン・ブラックナイト映画祭より)繊細かつ率直で大胆なデビュー作で、中国の余園園監督は、誰かの人生の重要な出来事のために代理の人間をレンタルするという、日本では珍しい奇妙な習慣を繊細に探求している。巨匠ヴェルナー・ヘルツォークは2019年の映画『ファミリーロマンス社』で日本人特有の習慣や厄介なサービスを暴露したが、北京電影学院の卒業生であるヨはもっと勇敢で、偽物の人間関係の危険な課題に深く飛び込んでいる。聡明で自信に満ちたこの作家は、一見ロマンチックなミニマリスト・ドラマに、残酷で胸を締め付けるようなひねりを加えて私たちを驚かせる。※ タリン・ブラックナイト映画祭とは?エストニアの首都であり最大都市のタリンで1997年から開催されている国際映画祭。北ヨーロッパに位置するエストニアの首都であるタリンはバルト海に面する湾岸都市で、スカイプが開発された地として知られる。作家性やメッセージ性の強い作品を主に上映する北欧で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭。【あらすじ】二人の夫の間を彷徨い 暗闇を抜けたとき 一羽の蝶が蘇るーー一緒に行くはずだったワークショップを夫にキャンセルされた詩織(菊地敦子)は、同僚から紹介された代行業者の淳之介(松岡眞吾)に夫役を依頼。淳之介に満足した詩織は夫に内緒でアパートを借り、彼と疑似夫婦生活を始める。夫とレンタル夫との間を行き来する二重生活を送る中で、詩織は封印したかつての夢や、心の奥底に眠る新たな感情に次第に気づいてゆく……【キャスト】菊地敦子松岡眞吾 古川博巳 若狭ひろみ浅田麻衣 川口紗弥加【スタッフ】監督・脚本・編集:余園園撮影 :小濱匠照明 :村澤慎太郎録音 :西田壮汰助監督 :小林勁太制作 :小林徳行美術 :閻作宇 周暁トウ撮影助手 :永原大祐録音応援 :菅谷拓人日本語協力 :伊藤駿整音 :磯沼瑞希 上戸幸輝カラリスト :潘澤標音楽 :川島陽ピアノ :川島有希枝振付 :砂連尾理宣伝デザイン :千葉健太郎宣伝 :よしのまどか協力 :万田邦敏2022年/日本・中国/DCP/104分/アメリカンビスタ/ステレオ(C)2022 ENEN FILMS予告編 : (13日18時公開)公式X(旧:Twitter)アカウント: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月13日第37回東京国際映画祭の開催日が10月28日(月)~11月6日(水)の10日間に決定、また、併設マーケットのTIFFCOM2024は10月30日(水)~11月1日(金)の3日間、開催される。東京国際映画祭の開催会場は昨年同様、日比谷・有楽町・丸の内・銀座をメインに展開される。作品公募に関しては、4月25日(木)に開始予定で、詳細が決まり次第公式サイト等で掲載されるという。今年も「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する」というミッションに基づいた、多種多様な映画に出会える場として、注目が集まる。第37回東京国際映画祭は10月28日(月)~11月6日(水)、TIFFCOM2024は10月30日(水)~11月1日(金)にて開催。(シネマカフェ編集部)
2024年03月11日東京国際映画祭(TIFF)が香港国際映画祭、釜山国際映画祭とともに共催するアジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード(以下AFA)」の授賞式が3月10日夜、香港の戯曲センター(Xiqu Centre)Grand Theatreにて開催。日本作品の『悪は存在しない』(濱口竜介監督)が、最優秀作品賞と最優秀音楽賞(石橋英子さん)を受賞したほか、日本映画勢が多数受賞した。『悪は存在しない』の濱口監督と石橋さんは、昨年の『ドライブ・マイ・カー』に続いての最優秀作品賞獲得。また、是枝裕和監督も『怪物』で最優秀監督賞を受賞し、昨年の韓国作品『ベイビー・ブローカー』に続く2年連続の同賞受賞に輝いた。『怪物』是枝裕和監督このほか、第36回TIFFのオープニング作品で、日本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』にて役所広司が最優秀主演男優賞の栄冠を手に。第36回TIFFのクロージング作品で、日本アカデミー賞で最多8冠に輝き、米アカデミー賞の視覚効果賞をアジア初受賞した『ゴジラ-1.0』チームが、視覚効果賞(山崎貴監督、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司)、音響賞(井上奈津子)の2部門を受賞。併せて先の発表のとおり、『エゴイスト』などが話題を集めた俳優・鈴木亮平がアジア映画界・アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」に、韓国のイ・ヨンエととも授与された。イ・ヨンエ/鈴木亮平大規模で豪華なレッドカーペットの後に開催されたAFAの授賞式では、日本人として初めて審査委員長に就任した黒沢清監督が、世界中の映画人が務める審査員陣と投票メンバーを率いて決定された受賞者が登壇。“Youth Ambassador”の1人として様々なAFAイベントに参加した宮沢氷魚がプレゼンターを務めたほか、特別功労賞を受賞したチャン・イーモウ監督、主演男優賞にノミネートされたトニー・レオン、プレゼンターを務めたファン・ビンビンなど、アジア全域よりスターが集まる華やかな式典となった。第17回 アジア・フィルム・アワード 受賞結果一覧(敬称略)『悪は存在しない』最優秀作品賞『悪は存在しない』(日本)最優秀監督賞是枝裕和 『怪物』(日本)最優秀新人監督賞ニック・チェク 『年少日記』(香港)最優秀主演男優賞役所広司 『PERFECT DAYS』(日本)最優秀主演女優賞ジャン・チンチン 『西湖畔に生きる』(中国)最優秀助演男優賞パク・フン『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀助演女優賞レイチェル・リョン 『白日の下』(香港)最優秀新人俳優賞Tergel Bold-Erdene『City of Wind』(フランス、モンゴル、ポルトガル、オランダ、カタール、ドイツ)最優秀脚本賞ペマ・ツェテン 『雪豹』(中国)最優秀編集賞キム・サンボム『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀撮影賞マティアス・デルボー『雪豹』(中国)最優秀音楽賞石橋英子『悪は存在しない』(日本)最優秀衣装デザイン賞マン・リムチョン『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀美術賞Eric LAM『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀視覚効果賞山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司 『ゴジラ-1.0』(日本)最優秀音響賞井上奈津子『ゴジラ-1.0』(日本)Excellence in Asian Cinema Award鈴木亮平(日本)、イ・ヨンエ(韓国)特別功労賞 (Lifetime Achievement Award)チャン・イーモウAFA Next Generation Awardチャオ・リーイン(中国)AFA Rising Star Awardメータウィン・オーパッイアムカジョーン(タイ)2023 Highest-Grossing Asian Film Award『満江紅(マンジャンホン)』監督:チャン・イーモウ(中国)受賞者よりコメント<鈴木亮平Excellence in Asian Cinema Award 受賞>(英語で挨拶:和訳)大家好(中国語)。ここに来ることができて本当にうれしいです。とりわけ、著名なイ・ヨンエさんと一緒にここに立つことができて、とても光栄です。偉大な映画監督、偉大な映画プロデューサー、映画製作者、偉大な俳優、アジアの伝説の俳優たち、皆さんの前に立つことができて、本当に光栄に思っています。でも正直なところ、今年は何もノミネートされていないので、とてもリラックスしてここに立っています。もちろん、ノミネートされることは良いことですが、ノミネートされないのも良いことです。なぜなら、何も心配する必要がないからです。ちなみに、昨年は、トニー・レオンさんのせいで私は最優秀主演男優賞を逃しました。(笑)でも、今年再び彼に会えてうれしいです。もちろん、賞を受賞することは非常に重要でワクワクしますが、このイベント、この大きなイベント、AFAの素晴らしいところは、皆さんに出会い、新しい人たちに出会い、アジア各地の映画制作者と出会い、語り合い、学びあうことだと私は考えています。そして願わくは、今後一緒に新しいプロジェクトを始めたい。今日、あるいは今夜が、未来の新しいプロジェクトの始まりになるかもしれません。そして、いつか一緒に映画を作れることを本当に願っています。なぜなら、"私たちは一緒に物語を紡ぐ(※Together we tell story)"からです。ありがとうございました。※「Together We Tell Story」は今年のAFAのテーマ。<『悪は存在しない』最優秀作品賞受賞>※濱口竜介監督が欠席のため、監督に代わり高田聡プロデューサーと石橋英子がコメント。高田聡:私たちの映画にこのような非常に光栄な重みのある賞を頂きまして、代表してまずは感謝を申し上げます。同じくノミネートされた撮影の北川喜雄さん、共同編集の山崎梓さん、またこの映画に関わったすべての皆さん、おめでとうございます。そして、この場に残念ながら来ることができなかった濱口竜介監督、そして濱口監督に一番最初にこの企画の話を持ってきて、素晴らしい音楽で共同制作をされた石橋英子さん、おめでとうございます。石橋英子:本当に濱口監督が来ることができなかったのは残念です。でもこうやって、撮影の北川さんや編集の山崎さん、今もしかしたら日本で見ているかもしれない主演のおおみか(大美賀均)さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当に皆さんの力のおかげでできました。もちろん、ミュージシャンの皆さん、ミックスをしてくださったジム・オルークさん、本当に皆さんのおかげで、今こうやって、私たちはここに来られて、楽しい時間を過ごせていると思っています。ありがとうございました。<是枝裕和監督最優秀監督賞受賞>尊敬する黒沢清監督からこのようなトロフィーを頂くなんて、本当に光栄です。出会う才能ということで言えば、今回は坂元裕二さんという尊敬する脚本家の方の素晴らしい脚本があって、もう20年近く一緒に仕事をしている美術の三ツ松けいこさんが、今日一緒にスタッフを代表してここに来ていただきました。そんなスタッフとキャストと出会えたことが、この賞を頂けた一番大きな僕の才能ではないかと思います。昨年に続いてこの壇上に立たせていただくことができて、本当にうれしいです。来年は、作品はないのですが、ノミネートされていなくても、またこの場で映画を愛する皆さんとこの時間を共有できたらうれしいです。ありがとうございました。<石橋英子最優秀音楽賞>全く期待してなかったので、全然スピーチを考えていなかったです。まずアジア・フィルム・アワードの皆様、審査委員の皆様、本当にありがとうございます。まず濱口監督、長い道のりでしたが、何をつくるのかわからないまま一緒に歩んできた道のりが奇跡のようでした。撮影やその後の編集など、一緒に皆さんが作ってこられた努力にも感謝したいと思います。撮影の北川さん、編集の山崎さん、本当にありがとうございます。皆さんの仕事がなければ、私のこういう音楽もなかったと思います。スタッフとキャストの皆さんにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年03月11日第37回東京国際映画祭(TIFF)が、10月28日(月)~11月6日(水) の10日間にわたって開催されることが決定した。開催会場は昨年同様日比谷・有楽町・丸の内・銀座をメインに展開。TIFFの作品公募については、4月25日(木) に開始される。併せて、併設マーケットのTIFFCOM2024が、10月30日(水)~11月1日(金) の3日間で開催されることも発表された。<開催情報>『第37回東京国際映画祭/TIFFCOM2024』■第37回東京国際映画祭開催期間:10月28日(月)~11月6日(水)【10日間】■TIFFCOM2024開催期間:10月30日(水)~11月1日(金)【3日間】TIFF公式サイト:
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、国際長編映画賞にアウシュビッツ収容所の隣で“幸せに暮らす”家族を描いた『関心領域』が輝いた。今回、ヴィム・ヴェンダース監督×役所広司主演の『PERFECT DAYS』も日本代表作品としてノミネートされていたが惜しくも受賞を逃す結果となった。 .空は青く、誰もが笑顔で、子供たちの楽しげな声が聴こえてくる。そして、窓から見える壁の向こうでは大きな建物から黒い煙があがっている。時は 1945 年、アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスとその妻ヘドウィグら家族は、収容所の隣で幸せに暮らしていた。スクリーンに映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てたアウシュビッツ収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族の交わす何気ない会話や視線、そして気配から着実に伝わってくる…。タイトルの「The Zone of Interest」(関心領域)とは、第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉だ。イギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、スカーレット・ヨハンソン主演『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(13)のジョナサン・グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化した本作。昨年度のアカデミー賞で作品賞ほか最多7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』など多くの話題作を手掛け、近年の賞レースを席巻している映画スタジオ・A24が製作、第76回カンヌ国際映画祭ではグランプリを獲得している。第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の計5部門でノミネートされている。受賞コメントアカデミーに感謝します。映画製作会社などに感謝したいと思います、俳優・共同製作者に感謝します。私たちは「今」について伝えたいと思いました、今何ができるかということです。最悪なことが起きました。何の罪も犯していない人たちが犠牲になっています。イスラエルの犠牲者たち、そしてガザ地区の犠牲者たちどのような形で我々は抵抗ができるのでしょうか。映画の中でアレクサンドラは成長を遂げます。アレクサンドラ、私は彼女の抵抗に捧げたいと思います。(C) Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.(シネマカフェ編集部)■関連作品:関心領域 2024年5月24日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.
2024年03月11日国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」と連動したオンライン映画館、ブリリアショートショートシアターオンライン(BSSTO)が2月で6周年を迎え、また、SSFF & ASIAで展開中の短編小説公募プロジェクト「BOOK SHORTS」が10周年を迎えることから「短編映画と短編小説」をテーマにコラボレーションしたアニバーサリーパーティーが行われた。この日、MCをSSFF & ASIAおよびBSSTO代表の別所哲也がつとめ、第2回ブックショートアワードの大賞受賞者で、2023年には『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が長編映画化され大きな話題となった小説家・大前粟生と、短編小説やエッセーも書くお笑いコンビ「Aマッソ」の加納愛子をゲストに迎え、作家活動についてや原作の映像化など、多岐にわたるトークが繰り広げられるとともに、小説が原作となったショートフィルムの上映も行われた。まず小説を書き始めたきっかけについて、大前さんは「漫画はたくさん読んでましたが、小説を読むようになったのは大学からです。書き始めたのもたまたまで、就職活動のストレスで頭がいっぱいになって『会社員は絶対無理!』と思ったとき、とりあえず何か作ろうと考えたんですけど、小説なら紙とペンさえあれば1人でタダでできると思って書き始めてみました」と明かす。一方の加納さんは、以前からエッセイなどは執筆していたが「『次は小説にチャレンジしませんか?』というお話をいただいたので」と説明。加納さんは「見よう見まね」で書いていると言い、「又吉(直樹)さんや劇団ひとりさんといった先輩たちが、芸人が文学界に関わるという道筋は作っていただいたので」とコメントした。魂を救う小説そして、自身の創作の“核”についてに話が及ぶと、加納さんが「私は、女性同士の会話や人と人のミニマムな会話やコミュニケーションに関心があって、自分のオリジナリティが出せるのはそこなのかなと思っています」と説明すると、大前さんは「いまの世の中がメチャクチャだなということを昔から思っていて、ちょっとでも若い人が楽になれるものを書きたいと思っています」と語る。また、加納さんは「大前さんの小説は“こういう感情になる人を救う”という作品が多い」と評し、「(映画化された)『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』もそうですよね。ぬいぐるみにだけ本音をしゃべれる人たちを描いていますけど、そういう人の魂を救うのは大前さんしかできない」と大前さんの小説がもたらす“救い”を称賛。さらに、これまで影響を受けた作家について、大前さんはフランス人の作家で、女優・映画監督にミュージシャンなど多彩な活動をしているミランダ・ジュライの名を挙げ「奇妙キテレツな話というか、BOOK SHORTSのように民話やおとぎ話をアレンジした話が多いんですけど、そういう作品に影響を受けました」と語る。加納さんもミランダ・ジュライは「大好きです」と明かし、彼女の本の邦訳を担当している翻訳家でエッセイストの岸本佐知子についても言及。「エッセイに関しては、岸本さんとさくらももこさんに色濃く影響を受けています」と話しました。映画になって初めて「こういう人だったんだな」とわかる大前さんはすでにBOOK SHORTSで『ユキの異常な体質/または僕はどれほどお金がほしいか』が短編映画化され、さらに小説「ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい」も映画化されているが、「特に監督さん、俳優さんは、僕以上に登場人物のことを考えてくれていると思うので、映画になって初めて 『こういう人だったんだな』とわかる部分もあります」とポジティブに受け止めているという。「スタッフさんたちが造形してくれる方が、自分ひとりで考えるよりも、たくさんの人が登場人物のことを考えてくれているので、親心というか、キャラクターに対して『よかったね』と思いますね」と心情を告白。加納さんも昨年、NHKのドラマの脚本を担当した経験をふり返り「明らかにボケゼリフで、ここは面白く言ってほしいと思ってた部分で、こちらが思っていたのと全然違う言い方で言われた時に、『この言い方が面白いと思ってるんだ!』とかわいく感じました」と解釈の違いを楽しんだという。2人の話を聞いた別所さんは、BOOK SHORTSの企画趣旨を踏まえ「原作の良さと二次創作の良さ、どちらもあり、作品化することの意味を両方楽しめればいいなと思います」とコメント。イベント後半は、大前さん原作によるショートフィルム『ユキの異常な体質/または僕はどれほどお金がほしいか』と、先述のミランダ・ジュライの短編小説「The Swim Team/Le Grand Bain」にインスパイアされて制作された『Home Swim Home』の2本のショートフィルムの上映が行われた。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 2023年4⽉14⽇より全国にて公開©映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」
2024年03月10日合同会社マーケットテイラーは、日本映画「Rules of Living(邦題:ハジマメシテ!)」が第30回「セドナ国際映画祭」のディレクターズチョイス:最優秀長編コメディ賞を受賞したことをお知らせいたします。第30回「セドナ国際映画祭」のコンペティション部門にノミネートされ、2024年2月28日にワールドプレミアを上映。3月3日にディレクターズチョイス:最優秀長編コメディ賞を受賞しました。賞を授与したプログラミングディレクターは、「選考の段階から審査員達の評価が最も高く、映画祭開催中も最も話題になっていた作品の一つで、一貫してトップの座を貫いた素晴らしい作品。最もこの賞に値する作品。」とコメントしています。ワールドプレミア同映画祭はアメリカはアリゾナ州のセドナで毎年開催されており、三大映画祭に次ぐセカンドレベルの国際映画祭の一つで、近年評価が高まっている注目の映画祭です。日本映画で同部門の同賞を受賞するのは今回が初めてとなります。「Rules of Living」のプロデューサーはジェフリー・ロウ、監督はグレッグ・デール。どちらも日本在住歴が長く、彼ら独特の目線で、日本の美しさや文化、人情、習慣などをフレッシュに、そしてユーモラスに描いています。国籍・文化を超えた友情と、人生半ばの自己再発見がテーマで、日本語と英語の両方で展開され、笑いあり涙ありの心温まるラブコメディです。ワールドプレミア(プロデューサー:ジェフリー・ロウ、監督:グレッグ・デール)映画祭での上映では、チケットが売り切れるほど好評で、「泣いて笑って心温まるキュートな映画」「今まで20年間セドナで観てきた映画の中で最も感動した!」「言葉の壁を超えた深い友情がテーマの映画」「この映画は世界を癒すことができる」等、アメリカ人視聴者から大変ポジティブなレビューを頂きました。セドナの美しい景色と(女優&監督の妻:宮本弥生、監督、プロデューサー、プロデューサー妻&エグゼクティブプロデューサー:鈴木由布子)南果歩、グレッグ・デール、椎名桔平、河北麻友子、すみれ、ジェフリー・ロウ、ヴィナイ・マーシーらが出演しています。■Rules of Living概要・作品名 :Rules of Living (邦題「ハジマメシテ!」)・副題 :「人生のセカンドチャンス」・製作年 :2023年・監督 :グレッグ・デール・プロデューサー:ジェフリー・ロウ・作品尺 :113分・ジャンル :長編ドラマ/コメディ・あらすじ :主人公・美久子は、49歳のバツイチ女性。母親の介護、キャリア、子供の自立等さまざまな悩みを抱え、義務感に押し潰されそうになりながらも、何の情熱や楽しみもなく淡々と毎日を過ごしている。そんなどこにでもいる女性が、事情により外国人男性をルームメイトに迎え入れ、交流する中で考え方や文化の違いなどから様々な気づきを得、人生のあり方を見つめ直していく心温まるストーリー。異文化が交差する中のコミカルなシーンや、日本的な情感が溢れる美しい場面も多く、国籍や世代を問わず楽しんでいただける作品になっています。本作品は、様々な生きづらさを感じる人が多い現代において、美久子と同世代の女性のみならず、幅広い世代に「本当の幸せな生き方」を問い、流される人生を見つめ直すきっかけになることを願って制作しました。作品紹介ページ: 予告編動画 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月07日3月15日(金) より開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2024』にて、初の海外招待作品が上映されることが決定した。第4回の開催となる今年の『TBSドキュメンタリー映画祭』では、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品が上映予定。上映されるのは、実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリー『人体の構造について(原題)』。『リヴァイアサン』『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』といった話題作を共に手がけてきた、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルの人類学者コンビが贈る衝撃作だ。普段なかなか目にすることのできないオペの様子を通じて、我々人間の体を構成する様々な臓器の神秘や儚さを映し出すと同時に、強烈なインパクトを残す作品となっている。また、唯一無二の世界観で衝撃を与え続けるA24製作の『オキュパイド・シティ(原題)』も上映されることが決定、本作は、『それでも夜は明ける』『SHAME シェイム』のスティーヴ・マックイーンが贈る4時間を超えるドキュメンタリー。監督の妻であり歴史家のビアンカ・スティグターによる書籍「Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945) 」をベースに、オランダ・アムステルダムのナチス占領下の記憶と新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景が、驚くべき形で重なり合ってゆく。<作品情報>『人体の構造について(原題)』『人体の構造について(原題)』ビジュアル監督:ルーシァン・キャステーヌ=テイラー&ヴェレナ・パラヴェル『人体の構造について(原題)』予告(C)Norte Productions - CG Cin?ma - S.E.L - Rita Productions - 2022『オキュパイド・シティ(原題)』『オキュパイド・シティ(原題)』ビジュアル監督:スティーヴ・マックイーン『オキュパイド・ シティ (原題)』予告(C)2023 DE BEZETTE STAD BY AND OCCUPIED CITY LTD. ALL RIGHTS RESERVED.<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年03月05日「TBSドキュメンタリー映画祭」にて海外招待作品が上映されることが分かった。今回で第4回の開催となる「TBSドキュメンタリー映画祭」は、テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続けるドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年より開催されてきた。本年は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を一挙上映する。この度、過去カンヌでも上映され話題となった至極のドキュメンタリー映画2作を<海外招待作品>として上映することが決定。本映画祭で海外招待作品を上映するのは、これが初めての試みとなる。栄えある1作目を飾るのは、実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリー『人体の構造について(原題)』。『リヴァイアサン』、『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』といった話題作を共に手掛けてきた、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルの人類学者コンビが贈る衝撃作だ。『人体の構造について(原題)』パリ北部近郊の5つの病院のオペ室に密着し、脳や大腸、眼球、男性器など様々な外科手術や帝王切開の模様を医師の視点で見つめる本作。普段なかなか目にすることのできないオペの様子を通じて、我々人間の体を構成する様々な臓器の神秘や儚さを体験すると同時に、休みなく働き続ける医療従事者たちへの果てしない敬意を呼び起こす。2022年度のカンヌ国際映画祭でお披露目をされると、その目を覆うようなシーンに目を背ける観客がいた一方で、前代未聞の素晴らしいドキュメンタリーという称賛を受け、現在もメタクリティックのスコア92、ロッテントマト95%フレッシュという高評価を獲得している。医師以外見たことのない光景をダイナミックに切り取った驚愕の一作が、本映画祭でも観客たちに強いインパクトを残すことは必至だ。また、A24製作の『オキュパイド・シティ(原題)』も上映決定。『それでも夜は明ける』『SHAME シェイム』のアカデミー賞受賞監督、スティーヴ・マックイーンが贈る、4時間を超える圧巻のドキュメンタリー。『オキュパイド・シティ(原題)』監督の妻であり歴史家のビアンカ・スティグターによる書籍「Atlas of an Occupied City (A msterdam 1940-1945)」をベースに、オランダ・アムステルダムのナチス占領下の記憶と、新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景が、驚くべき形で重なり合っていく。現在の映画界を背負う監督と制作陣がタッグを組み、映画でしか味わうことのできない、奇跡の映像体験を実現させた。2023年度のカンヌ国際映画祭で特別上映されるや否や、その極めて映画的で深淵な作風が高い評価を集め、各国の映画ファンからも大きな注目を集めた。映画業界を激震させ続けるA24が本作を通じ、観客たちに新たな世界を見せてくれることだろう。「TBS ドキュメンタリー映画祭 2024」は3月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて順次開催。(シネマカフェ編集部)
2024年03月05日2024年3月に日本国際観光映像祭が北海道阿寒湖で開催され、その独自施策であるバーチャルツーリズム部門の第2回が5月に開催されます。この度、バーチャルツーリズム部門の映像作品募集を2024年3月4日(月)より開始いたしました。画像1■募集背景映像は人々の感性に直接語りかけ、メディアを通じ多くの人々に同時に届きます。だからこそ、地域が疲弊しながらも、そこに確かに残る“地域の魅力”を活用して観光客を誘致し蘇らせる「リジェネラティブ(再生)」には、映像の力が必要です。観光映像はこのような日本の再生のために活用すべきツールです。今も全国津々浦々で観光映像が制作され、私たちに地域の魅力を伝えてくれます。しかし、この映像の作り方、使い方にはまだまだ改善の余地があります。新型コロナウイルスの拡大が始まる前、全国で広がる観光の投資の中で、多くの観光映像が制作されましたが、一方で問題のある映像も多く生まれました。それは観光映像が、商業CMとも映画とも違う、一つの確立すべきジャンルであるにもかかわらず、観光映像を専門とする映像作家が少ないからです。事実、諸外国にはフランスやスペインといった、観光で生きることを選んできた国があり、それらの国では観光映像のあり方は数十年にわたって議論されてきました。日本が観光で生きていくことを決めた国となった今、観光先進国から観光映像のあり方を学び、同時に国内の映像作家を観光業界をあげて育成する必要があります。■世界から注目されているアジア唯一の国際観光映像祭2024年3月に6回目となる日本国際観光映像祭が北海道阿寒湖で開催されます。日本国際観光映像祭は、UNWTO(国連世界観光機関)が認定する国際観光映像祭ネットワークCIFFTに加盟するアジア唯一の国際観光映像祭です。CIFFTは11の国際観光映像祭で構成され、よりよい観光映像のあり方を議論し、毎年、観光映像の世界ランキングを発表しており、JWTFFは開幕戦となる映像祭のため、その受賞結果は世界から注目されています。■バーチャルツーリズム部門観光映像事業でのXR技術活用の高まりを受け、JWTFFの独自施策としてバーチャルツーリズム部門を2022年に設立しました。実行委員長に和歌山大学・副学長・尾久土 正己教授、理事には三井住友銀行・関西成長戦略室・林 俊武室長が就任しました。このバーチャルツーリズム部門では国内のバーチャル観光映像を一同に集めて優秀な作品を表彰する制度を設けています。表彰式に加え、有識者のセッションや機器製造、ソフト開発など各社のデモ展示などを通して、国内の「バーチャルツーリズム」産業創造の一助となるべく活動を開始しました。新しい産業発展のための議論を行う場として、2023年5月に第1回イベントを開催しました。2024年5月には第2回イベントをバンドー神戸青少年科学館( )で開催いたします。VRコンテンツが市民権を得た今、技術中心のコンテンツから楽しめる「作品」としてのコンテンツへとその評価軸は大きく変わろうとしています。第2回大会では観光VRコンテンツの「作品」としての在り方を大きなテーマとして開催いたします。1. 作品募集について募集期間:2024年3月4日(月)~2024年4月15日(月)応募方法:応募は、以下URLより 公式WEBページ 2. 表彰2024年5月16日(木)バンドー神戸青少年科学館にて開催されます日本国際観光映像祭*1 第2回バーチャルツーリズム部門イベントでノミネート作品の上映と表彰を行います。最優秀賞:1作品優秀賞 :1作品吉住千亜妃賞:1作品応募作品は、放送番組制作者やデジタルクリエイターをはじめ様々な分野で活躍されている方々で構成された審査委員会で厳正な審査を行います。3. 審査員● 審査委員長 藤田 貴久審査委員長 藤田 貴久氏朝日放送テレビ・テレメンタリー事務局長。社会保険庁の年金不正免除問題スクープ。社会問題の取材のほか、ドキュメンタリー制作では、太地町のクジラ・イルカ漁の漁師を描いた「勇鯨(ISANA)」で、ニューヨークフェスティバル銅メダル。「満州崩壊はここから始まった(The Fall of Manchuria Began Here)」でアメリカ国際フィルム・ビデオ祭のSilver Screen受賞。「戦争が生んだ子どもたち(Children Born of War)」が、ワールドメディアフェスティバルで銀賞など。北朝鮮取材にも取り組んでいる。● 足立 光審査員 足立 光氏株式会社電通ビジネス・ディベロップメント&アクティベーション局 バリューチェーン戦略室 新領域開発部 ディレクター。1990年入社。当初からDTP、CG、VR、AR技術を活用した表現を模索し、最新テクノロジーを駆使した海外向けデジタルクリエイティブ業務に従事。20年以上にわたりVRを活用したメソッドに携わり、2016年に電通VR事業を推進する社内タスクフォース「Dentsu VR Plus」の代表として、VR/ARのメディア化、大衆化を目指す。● 澤邊 芳明審査員 澤邊 芳明氏1973年東京生まれ。1992年京都工芸繊維大学入学後、18歳の時にバイク事故に遭い、手足が一切動かない状態となる。大学に復学後、24歳でワントゥーテンを創業。現在は、XRとAIに強みを持ち、総勢約120名からなる近未来クリエイティブカンパニー1→10(ワントゥーテン)を率いる。● 濱崎 加奈子審査員 濱崎 加奈子氏専修大学文学部准教授を経て、現在京都府立大学文学部准教授日本文化による人間育成の場として再興した京都の御所西にある学問所 有斐斎弘道館(公益財団法人有斐斎弘道館)の代表理事兼館長伝統文化に込められた知恵と美意識から学び・遊び・広める「伝統文化プロデュース連」を2003年に設立。これまで、日本の伝統文化の継承にかかわる、さまざまな問題解決に携わってきた。専修大学文学部准教授を経て、現在京都府立大学文学部准教授。また、北野天満宮和歌撰者の他、Living History 京都・二条城協議会会長として、2026年に400年の節目を迎える「二条城・寛永行幸四百年祭」を開催し、文化や文化財を未来へつなぐとともに、そのような事業を推進できる人材の育成に取り組んでいる。4. 注釈・参考データ*1:日本国際観光映像祭は、世界の15の国際観光映像祭から構成される観光映像祭ネットワークCIFFTに所属する東アジア唯一の映像祭です。また、観光映像だけを対象とした映像祭は国内唯一であり、地域の「持続的な発展に寄与する観光」を促進するため、世界的な観光プロモーションを行う場として運営されてきました。5. 実行委員会について実行委員会は、以下のメンバーで構成されています。理事 :SMBC関西成長戦略室 室長 林 俊武理事 :日本HP ワークスステーションビジネス部 部長 大橋 秀樹委員長 :和歌山大学 副学長 尾久土 正己副委員長:関西テレビ放送 小形 正嗣副委員長:日本HP ワークスステーションビジネス部 小俣 裕二 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月04日『TBSドキュメンタリー映画祭2024』が、3月15日(金) より全国6都市で順次開催される。このたび、TBSテレビ報道局の局次長であり、本映画祭の企画・エグゼクティブプロデューサーを務める大久保竜による特別講義が、2月26日(月) に映画学校「ニューシネマワークショップ」で行われた。第4回の開催となる本映画祭は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障がいなど多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し、新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品が一挙に上映される。特別講義では、映画業界を目指す学生や社会人約40名に向けて、大久保プロデューサーが「我々は普段膨大な人とお金をかけて様々な取材を行っていますが、取材映像はテレビだとニュースの中のたった数分の紹介で終わってしまうこともあるので、それをまとめる場所があればいいなと思っていました。こうした取材映像は当時の記録として大切に保管すべきですし、今ならまだ実際に事件や歴史を知る人が生きているので、ファクトチェックもできます。そうしたロードマップの作成にも意義があると思いますし、実際に賛同してくれる人々も多かったです」と、取材映像を形として残すことの重要性を説明。そうしたTBSのアーカイブ映像を整えて映画として上映したら面白いのではないか、それを望んでいる人がどこかにいるのではないか、という思いから『TBSドキュメンタリー映画祭』は始動したのだという。大きなきっかけとなったのは、2021年に開催された第1回でも上映された『三島由紀夫vs東大全共闘 〜50年目の真実〜』(豊島圭介監督)。TBSが所蔵する映像をもとに製作されたドキュメンタリー映画である本作は、報道部門と映画部門のコラボによって作られ、ドキュメンタリーでは異例の興行収入2億円以上を記録。知的財産である膨大な取材映像を使ったIP展開の可能性を高める1作となった。以来大久保プロデューサーは、過去の取材映像をアップデートして作品化し、映画館で上映することをミッションとしているそうだ。当初はアーカイブ映像の発表の場として生まれた本映画祭だったが、実際に社内で上映作品を募集すると、記者やディレクターたちから次々に手が上がり、アーカイブ映像に限らず、新作も含めて自分たちが伝えたいことを映画にして伝えたい人たちが多数いることが判明。そこでTBSのドキュメンタリー番組『解放区』で反響が大きかったものを中心に、作り手の熱量の高い作品を上映ラインナップとして選定していったのだという。上映作品に応募してくる監督は、記者やニュース編集やドラマのプロデューサーまで実に様々。大久保プロデューサーは、「普段の仕事という意味での本業は別にある人たちですが、自分のライフテーマ、気になったことをどうしても世間に伝えたいという思いや熱意にあふれています。本当にいろんなテーマのドキュメンタリー作品が出てくるので、テーマが絞れないこともこの映画祭の特徴のひとつ。だから毎年、どうしても撮りたいものがあって熱い気持ちが感じられる作品を選定しています。今年上映する15本も力作揃いです!」と自信を覗かせている。さらに、テレビとは違う映画ならではの強みとして、「表現の幅」について言及。「テレビで放送する時は、放送コードも意識しながら適宜映像を編集しますが、発信者にはジレンマがあります。たとえばストレートニュースだと事件や事実を紹介するだけでも、映画ならもっと掘り下げられる。表現の幅が広がるし、自分の伝えたいテーマを深く掘り下げられるのも、映画祭の重要なポイントです」と語った。大久保プロデューサーが重視しているのは、映画祭という興行を意識した作品選び。「ドキュメンタリーの場合、興行作品として重要なのは、ジャンルのコミュニティやソサエティの人々に興味を持ってもらえるかどうか。たとえば今年のラインナップでいうと、ボーイズグループ・カラフルダイヤモンドに密着した『カラフルダイヤモンド君と僕のドリーム』は、彼らのファンクラブの方々が観に来てくれるというイメージがつきやすい。坂本龍一さんの活動を追った『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』も、坂本さんのファンや影響を受けた世代の方々がたくさんいらっしゃるので、そういったコミュニティやソサエティに属する人たちを呼べる可能性が高い。お金を払って作品を観ていただくというのは、それだけ大変なことなんです」と、上映ラインナップの選定における戦略についてもコメントした。その上で、「もちろんそれだけでなく、イスラム国の今を追いかけた『BORDER 戦場記者 × イスラム国』のような、見る人に問いかけをする“問題提起作品”も扱っていきたい。まだあまりファンがついていないと思われる作品を広めることも本映画祭の使命だと思っているので」と語り、「いずれは海外の映画祭にも出品するなど、世界にも広げていきたいんです。もっと気軽にドキュメンタリーが観られる空気を作って、ドキュメンタリー文化も発展させていきたい。世界ではどんなドキュメンタリーが流行っているかとか、ソーシャルで話題になりやすいのはどんなものかとか、いろいろとしっかり勉強していかねばと思っています」と今後の展望についても明かした。講義の後半には、参加者たちから続々と質問が。「予告編でドローンの映像など本格的なシーンも見られたが、社内ではどんな体制でドキュメンタリーを撮っているのか?」という質問には、「希望する監督にはプロの編集ディレクターを用意して、適宜アドバイスしたり、監督の撮りたいイメージを具現化するサポートをしています」と、日々いろんな番組を手掛けているTBSならではの充実したサポート体制について言及。作品や映画祭に関する費用についての質問をされると、「たとえ報道番組のアーカイブ映像から作ったドキュメンタリー作品であっても、映画祭はイベント事業として別の予算になります。テレビ放送と興行は別なので、映画祭はすべて興行の予算になるんです」と、意外と知られていない予算事情について答える一幕もあった。最後に大久保プロデューサーは、「本気で頑張っている熱量が高い人々がいて、それに負けない熱量の監督たちがいる。その集合体がTBSドキュメンタリー映画祭です。監督たちは、自分の思いや人生を投影してドキュメンタリーを作っているので、どうかその熱量の高さを受け取ってほしいなと思います。もっともっと映画祭の認知度を上げていかに盛り上げるかが、私のミッションでもあります」と力強いメッセージを送った。<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』メインビジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年02月27日ロッテルダム国際映画祭、大阪アジアン映画祭などに正式出品された、性暴力やDV、ハラスメントの被害女性たちが寄り添う青春群像劇『ブルーイマジン』が3月16日(土)より公開決定。日本版予告編とともに、松林麗監督とキャストの山口まゆ、川床明日香、北村優衣、新谷ゆづみ、イアナ・ベルナルデスのコメントが到着した。俳優志望の斉藤乃愛(山口まゆ)は、かつて映画監督から受けた性暴力の被害者だったが、過去の自分のトラウマを誰にも話せずにいた。乃愛は、性暴力やDV、ハラスメント被害を受けた女性たちを救済するためのシェアハウス「ブルーイマジン」に入居する。巣鴨三千代(松林うらら)が相談役を務める「ブルーイマジン」は、住人たちの皆が心の傷みを知っている場所だった。乃愛は、親友の佳代(川床明日香)、俳優志望の凛(新谷ゆづみ)、兄で人権派弁護士の俊太(細田善彦)、フィリピンからやってきたジェシカ(イアナ・ベルナルデス)ら、「ブルーイマジン」に集う個性あふれる面々との交流を通じて、初めて自分自身の心の傷と向き合えるようになっていく。やがて乃愛は「ブルーイマジン」の人々との連帯を深め、様々な葛藤を積み重ねながら、勇気をふりしぼって“声をあげるための行動”を起こす決意をする――。一方そのころ、佳代と音楽ユニットを組んでいる「ブルーイマジン」の住人・友梨奈(北村優衣)はある晩、自らの葛藤を込めた自作の歌詞を、ひとり口ずさむのだった。彼女たちにかすかな希望の灯りがともる未来は、やってくるのだろうか――?本作は、性暴力やDV、ハラスメント被害者のトラウマに寄り添い、救済するためのシェアハウスを舞台に、心に深い傷を負った女性たちの信念と連帯と葛藤のドラマを描いた青春群像劇。到着した予告編では、様々な形の性暴力、DV、ハラスメントに悩まされる若き女性たちに寄り添い、トラウマを救済するためのシェアハウス「ブルーイマジン」で、共感しながらも、強い信念をもとに連帯していく姿が描かれている。シェアハウスで出会った仲間との生活を通して、自分自身に起こった過去と向き合い、いままで自分を責めるだけだった自分から、“黙ってちゃだめだ”と気づき、葛藤しながらも勇気をふりしぼり、前を向いていこうとする様が如実に表現されている。なお、映画公開初日の3月16日(土)には主演の山口さん、川床さん、北村さん、新谷さんらメインキャスト、松林監督の舞台挨拶も決定。舞台挨拶のチケットは3月13日(水)0時より新宿K's cinemaにて販売予定。『ブルーイマジン』キャスト&監督よりコメント到着山口まゆ仲間が寄り添ってくれて、みんなが背中をそっと押してくれたからこそ、乃愛は前を向くことができた。“自分の過去の傷と、どう向き合うか?”そのことを考えるきっかけにこの作品がなってくれていたらうれしいです。川床明日香この映画で描かれているような出来事が、現実にも起こり得ることを、まずは知ってほしい。そして、この作品が投げかけている問題について、考えるきっかけになってくれたらうれしいです。北村優衣“いま伝えたいこと”がたくさんつまっている、“いま作らなければならない作品”だな、と脚本を読んだときに強く感じました。完成した映画を観て、現実にも起こり得る出来事を描いた、フィクションだけどノンフィクションのような、“いま観るべき作品”だな、と改めて強く感じました。ぜひ、劇場で体験してください。新谷ゆづみ“連帯の輪”を未来につなぐ、“対話の映画”だと私は感じました。勇気をふりしぼってあげた声は、その言葉を受け取った別の人の“勇気”へと、広がってゆくのだと信じています。イアナ・ベルナルデスこの映画のなかで起こる出来事は、フィリピンでも実際に起こり得ると思います。全人類に共通する、普遍的なテーマを扱ったこの作品は、世界中すべての女性たちの“生きる力”になると信じています。松林麗監督“ブルーイマジン”は個別のマイノリティが連動し、自分たちの傷みを共有し合える場所。“今までの自分は間違いじゃない”と受け止めてくれる人たちとが連帯していく物語です。同じ立場に立って承認し合える場所があることは、きっと社会を変えてゆく力になると願っています。『ブルーイマジン』は3月16日(土)より新宿K's cinemaほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ブルーイマジン 2024年3月16日より新宿K’s cinemaほか全国にて順次公開© Blue Imagine Film Partners
2024年02月24日映画『夜明けのすべて』(公開中)が第74回ベルリン国際映画祭 フォーラム部門に正式招待され、インターナショナルプレミア上映を実施。松村北斗、上白石萌音、三宅唱監督が登場した。同作は瀬尾まいこ氏による同名小説の実写化作。月に1度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢美紗(上白石)と、パニック障害を患い、様々なことをあきらめて、生きがいも気力も失っている山添が、職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく姿を描いている。カンヌ国際映画祭・ヴェネツィア国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつとされ、現地時間2月15日~25日で開催中の第74回ベルリン国際映画祭。『夜明けのすべて』は新しい視点を含む大胆で革新的な作品を集め、強い個性や多様性のある物語に注目する【フォーラム部門】に選出され、21日夜にインターナショナルプレミア上映が行われ、オフィシャルレポートが届いた。○■第74回ベルリン国際映画祭『夜明けのすべて』オフィシャルレポートベルリン国際映画祭に初参加となる松村、上白石、自身の長編監督作品全てが同映画祭に招待されている三宅唱監督が舞台挨拶やQ&Aなどに登壇した。21日の昼間からそれぞれ現地でのメディア取材に応じた松村、上白石、三宅監督は、Zoo Palastにあるレッドカーペットを訪れた。シックで艶やかなジャケット衣裳を纏った松村はベルリンに到着した感想を聞かれ、「日本の東京の小さな街で撮影した映画なので、渡航してようやくこの(ベルリンの)街の風景を見て、やっと今世界に届いているんだと感動し始めています」とコメント。さらに、昨年声優として出演した『すずめの戸締まり』(22/新海誠監督)が第73回ベルリン国際映画祭に正式出品されており、今年で2年連続の招待となるのだが、昨年松村は参加できなかったため、「リベンジの気持ちもあります!」と意気込みを語った。エレガントな黒いドレス姿を披露した上白石は、「まさか、人生の中で参加できると思っていなかった場所に、自分が大好きで大切に思っている作品を通して来ることができたのは何より嬉しいです」と、世界三大映画祭の一つという大きな舞台に参加できる心境を嬉々として話した。そのまま、映画祭メイン会場のBerlinale Palastに移動した一同。煌びやかなネオンのロゴと映画祭のシンボルとなる熊のマーク、そしてミラーボールが照らす会場は多くの一般参加者たちで活気づいており、現地の空気感を肌で感じた様子だ。そしていよいよ迎えた、インターナショナルプレミア上映。会場は18世紀末に建造され、話題作のみが上映される劇場Delphi Filmpalastで、選出発表時のSNS反響を受けて、キャパの大きな劇場での上映実施が急遽決定した。上映会には、国籍・年齢・性別問わず多くの観客が足を運び、670席の会場が満席に。すでに熱気に満ちあふれる中行われた上映前舞台挨拶では、大きな拍手で迎えられながら順番に壇上に上がった三宅監督、松村、上白石。松村と上白石は冒頭、「Guten Abend(グーテン・アーベント)!=こんばんは」とドイツ語で会場に呼びかけ、続けて流ちょうな英語で挨拶。本編上映後には、会場中に大きな歓声と称賛の拍手が響き渡り、同席していた監督キャストらも拍手で讃えられた。熱気冷めやらぬ中、松村、上白石、三宅監督はそのままQ&Aに登壇し、時間が許す限り観客から寄せられた質問に回答した。PMSやパニック障害というそれぞれの“生きづらさ”抱えた男女を演じた松村と上白石。「これらのテーマに関心を持ったからこの映画に参加したのか」という質問に対して、「この映画を通して全てを知ることは不可能だけれど、一歩、半歩でもその症状に対して寄り添ってくれたらいいな、という思いは強く持ちながら演じていました」と松村、上白石は「まず初めにお聞きしたいんですが……」と切り出し、「日本では女性の生理の話を男性とはしづらいのですが、それはこちらも一緒ですか?」と問いかけた。会場から「そうでもない」という反応を受け、「日本もそうなるといいな、そういうきっかけにこの映画がなればいいな、と思っています」と満面の笑みで語るなどし、観客とのコミュニケ―ションを楽しみながら終始和やかな雰囲気でQ&Aが行われた。プレミア上映終了後の囲み取材では、映画を観た観客の反応について「想像以上だった」と振り返った3人。三宅監督は「上映後、お客さんから力強い拍手をいただき感激しましたし、2人のキャラクター(山添くんと藤沢さん)を友達みたいに愛して観てくれていたんだと感じました」と胸いっぱいの様子でコメント。松村は「この映画は、いろんな人の人生がそのまま映し出されている映画なのですが、人生のしんどいこともと笑えることも、お客さんが一緒になって感じてくれている空気が伝わってきました」と、上白石は「会場の反応が鮮やかで本当にびっくりしました」と振り返った。初めてベルリン国際映画祭に参加したと松村と上白石だが、「お客さんの観方がすごくプロだなと思い、大変心地よかったです」と松村、上白石は「国籍や人種が違う色々な方がいましたが、みんな同じところで笑ったり、張り詰めたりしていて、文化や言葉を超えた共通の何かがあるんだな、と感じました」と新鮮な体験をしみじみと噛み締めた。Q&Aの感想を聞かれると、「もっとこの映画のことを知りたいんだな、という質問ばかりで、さらにこの映画への自信が湧きました」と松村、上白石は「たくさん手が挙がっていて嬉しかったですし、本当にみんなに愛されている映画祭なんだと感じました」とコメントした。2019年の『きみの鳥はうたえる』(フォーラム部門)、一昨年の『ケイコ 目を澄ませて』(エンカウンターズ部門)に続き、監督作品が3回目のベルリン国際映画祭選出となる三宅監督だが、「過去2作より今作の方が、“日本”というものを客観的に見る経験になった気がします。この映画がPMSやパニック障害、あるいはそれ以外のいろんな苦しみを抱えながら生きている人たちの物語でありつつも、同時に登場人物たちは“日本”という目に見えない縛りの中で生きているな、ということを、海外の方の反応を見たからこそ感じた部分はありました」と新たな発見もあったという。また、本作でのベルリン国際映画祭参加だけでなく、第51回アニー賞で声優賞(映画部門)へのノミネートを果たすなど、世界中から評価されている松村だが「(国際的に評価されることを)まだ野望と掲げていい立場に自分はいない」と謙虚に今の心境を語った。
2024年02月22日ユニフランスが世界中で展開するオンライン映画祭「第14回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」(MyFFF)が2月19日をもって閉幕し、各賞の受賞作品が発表。長編作品は受賞作も含め、全てがAmazon Prime Video、U-NEXTほかパートナーサイトにおいて1年間、延長配信される。視聴者の評価で決まる観客賞には、アラン・ウゲット監督の長編アニメーション『イヌとイタリア人、お断り!』が選出。国際プレス審査員賞とW受賞となった。カテル・キレヴェレらからなる国際審査員団が選出する国際審査員賞には、今年度のセザール賞に7部門ノミネートされているジャン=バティスト・デュラン監督の『のら犬』、特別賞にアニナラ・ヴェラ監督のドキュメンタリー『北極星』が輝いた。『のら犬』@CamilleSONALLY短編作品が対象のコンテンツ・クリエイター審査員賞はゾエル・エシュバッハー監督『フェアプレー』、特別賞はフレデリック・ロセ監督の『カナダでの暮らし』へ贈られた。受賞作品■観客賞長編:『イヌとイタリア人、お断り!』アラン・ウゲット監督短編:『Charbon』*日本国内配信対象外観客賞は、観客のオンライン投票(5段階の評価式)により決定。■国際審査員賞『のら犬』ジャン=バティスト・デュラン監督審査員評 : フランスの田舎町を舞台に、愛と暴力に満ちた登場人物たちの本質的な関係が具体的に描かれた作品。多くの観客の心に訴えることのできる、型にはまらない普遍的な方法を見出しています。男性同士のコミュニケーションの難しさが優しく繊細に描かれており、シンプルかつ幾層もの深みを感じます。デビュー作にしてこの成熟ぶりは圧巻。■国際審査員特別賞『北極星』アニナラ・ヴェラ監督審査員評 : あらゆる制約や偏見を脱ぎ捨て、幾層にも複雑に重なり合う“女性らしさ”の本質を問う印象的な作品。人生に立ちはだかる自然の力に屈せず、日々の葛藤を乗り越えて運命に向き合おうとするヒロインの姿は神秘すら感じさせます。国際審査員 : ファウジ・ベンサイディ(モロッコ、監督・俳優)、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(イタリア、俳優)、リラ・ハラ(イタリア・ブラジル、監督)、マリー・クロイツァー(オーストリア、監督)、カテル・キレヴェレ(フランス、監督)■国際プレス審査員賞『イヌとイタリア人、お断り!』アラン・ウゲット監督審査員評 : ヨーロッパ移民の知られざる歴史が繊細に描かれ、感受性と誠実さ、形式的・技術的な仕上がりの美しさを評価しました。詩的で独創的、監督自身が映像の中に入り込み、家族の物語に出会うことで相互作用が生まれています。国際プレス審査員 : ガブリエラ・ブラボ・キアッペ(チリ)、キャシー・イメレン(ベルギー)、パブリナ・ジェレバ(ブルガリア)、エムラー・コルキサオグル(トルコ)、イアナ・マレー(イギリス)、カラシュ・ナンダ・クマール(マレーシア)、レティシア・シルバ・ケイロス(ブラジル)■コンテンツ・クリエイター審査員賞(短編作品)『フェアプレー』ゾエル・エシュバッハー監督審査員評 : エネルギー、息の詰まるようなテンポ、人間の行動の無益さを抗いがたいシニシズムで描いた風刺的な寓話に感銘を受けました。■コンテンツ・クリエイター審査員特別賞『カナダでの暮らし』フレデリック・ロセ監督審査員評 : 可笑しみと繊細さを併せ持つ家族映画で、俳優陣の精度の高い演技に感服させられました。コンテンツ・クリエイター審査員:セシリア・ジュルダン、アブデルラウフ・メラガ&ナヂブ・アダ、アレクサンドル・ネイロー「第14回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」長編9作品は2025年2月19日(水)まで配信中。延長配信作品:『のら犬』『北極星』『イヌとイタリア人、お断り!』『緑の香水』『スペアキー』『ジャヌスとサムの酔っ払い道中』『ふたりだけのロデオ』『ジャングルのけもの』『楽園』配信サイト:公式サイト、U-NEXT、Amazon Prime Video、MBS動画イズム、ぷれシネ、ビデオマーケット、ビデックスJP、DMM、music.jp、Dice+、ミレール、RakutenTVほか<料金は各配信サイトの規定によります。配信作品、配信期間はサイトにより異なることがあります。>(シネマカフェ編集部)
2024年02月21日ベルリン国際映画祭銀熊賞2冠(主演俳優賞/脚本賞)の話題作『ミセス・クルナスvs.ジョージ・W・ブッシュ』が5月3日(金・祝)より公開されることが決定。ポスタービジュアルと予告編が解禁された。2001年、アメリカ同時多発テロのひと月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民一家の母ラビエ・クルナスは、長男のムラートが旅先で“タリバン”の嫌疑をかけられ、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地の収容所に収監されてしまったことを知る。無実の息子を救うために奔走するラビエだったが、警察も行政も動いてくれない。藁にもすがる思いで、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケの元を訪れたラビエは、アドバイスを受けアメリカ合衆国最高裁判所でジョージ・W・ブッシュ大統領を相手に訴訟を起こすことになる…!監督を務めたのは、『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』(18)などで知られるドイツの俊英アンドレアス・ドレーゼン。収監中の5年間を綴ったムラート・クルナスの著書を読んだドレーゼン監督は、訴訟も裁判もないまま収容所に送り込まれ、5年も出られなかったという事実に憤りを感じ映画化を計画。しかし、あまりにも悲惨な内容に二の足を踏んでいた。そんな中で出会ったムラートの母ラビエ・クルナスの一癖も二癖もある天真爛漫なキャラクターに魅せられ、作品の方向性が決定。ドイツのコメディアン、メルテム・カプタンが主演を務めたことで、シリアスなテーマにもかかわらずコメディタッチで軽妙な快作が誕生することになった。ラビエ本人と同じくトルコ系ドイツ人であるカプタンは、アメリカでミュージカル俳優として活動したのち、ドイツに拠点を移し人気コメディアンにまで上り詰めた経歴を持つ。「エリン・ブロコビッチ風のずうずうしさを盛り込んだ好感の持てる主役」(DEADLINE)、「絶妙な間合いと 温かさを役にもたらした真の秘密兵器メルテム・カプタン」(The Hollywood Reporter)などと評された。またドイツ映画デビュー作にして初主演となった本作で、第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(主演俳優賞)受賞の快挙を成し遂げた。さらにベルリン国際映画祭では銀熊賞(脚本賞)のW受賞も果たし、また、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞では作品賞<銀賞>、主演女優賞、助演男優賞の3部門で受賞した。そして、ムラートを探すシーンから始まる予告編は、グアンタナモ収容所の場所すら知らなかったラビエが、弁護士のドッケと出会い、アメリカのワシントンを訪れる様子が描かれている。いつも元気で時に厚かましい母ラビエと冷静な弁護士ドッケのコンビが、立場を超えて理解し合い、協力していく姿が捉えらている。併せて解禁されたポスターは、まっすぐと前を見つめる主人公ラビエ・クルナスの姿を大きく捉えている。青空と赤を基調とした鮮やかな色も印象的なデザインとなっている。『ミセス・クルナスvs.ジョージ・W・ブッシュ』は5月3日(金・祝)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ 2024年5月3日より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2022 Pandora Film Produktion GmbH, Iskremas Filmproduktion GmbH, Cinéma Defacto, Norddeutscher Rundfunk, Arte France Cinéma
2024年02月21日現在開催中の第74回ベルリン国際映画祭にて、マーティン・スコセッシ監督が金熊名誉賞を受賞した。映画芸術に大きく貢献した映画人を表彰する賞で、これまでの受賞者にはアラン・ドロン、ヴィム・ヴェンダース監督、スティーヴン・スピルバーグ監督らがいる。スコセッシ監督はプレス会見で「映画は死へと向かっているか」と聞かれ、「死に向かっているとは思いません。全くね。変わっているとは感じています」と返答。「テクノロジーが急速に消耗的に変化していく中で、私たちが本当に手放さずにいられるのは“個々の声”です。それというのは、TikTokでも表現できるし、4時間の映画でも2時間のミニドラマでも表現できるのです」と語った。近年、映画を観る方法の一つとしてストリーミングサービスが主流となり、映画やドラマ業界にはAIの使用に関する脅威も迫ってきている。スコセッシ監督は「テクノロジーを恐れるべきではありません。テクノロジーに使われてはならない。こちらがテクノロジーをコントロールし、正しい方向へと導くのです。その正しい方向とは、ただ消費されて投げ捨てられるようなものではなく、個々の声から生まれるものです」と述べた。スコセッシ監督が金熊名誉賞を受賞した日、同映画祭では代表作『ディパーテッド』の記念上映が行われた。最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』はまもなく開催のアカデミー賞で、10部門にノミネートされている。(賀来比呂美)■関連作品:キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 2023年10月20日より世界同時劇場公開画像提供 Apple TV+
2024年02月21日濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』より、予告映像が解禁された。本作は、第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭のいわゆる3大映画祭のグランドスラムを果たし、アカデミー賞を入れると黒澤明以来の快挙を成し遂げた濱口竜介監督の最新作。『ドライブ・マイ・カー』以降の長編映画とあって公開前から大きな注目を集めている。主演には、当初はスタッフとして参加していた大美賀均を抜擢。新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割を果たす人物に小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固める。そんな本作よりこの度、予告映像が解禁。物語もいまだ多くのヴェールに包まれているが、初解禁となった映像では、ごく緩やかに発展してきた長野県・水挽町で自然に囲まれ慎ましく暮らす巧とその娘・花の穏やかな生活、そしてそこに舞い込むグランピング場建設計画の模様が描かれる。濱口監督とは『ハッピーアワー』以来のタッグとなる北川喜雄が捉える自然描写にも注目だ。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シモキターエキマエーシネマK2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年02月21日4月5日(金)より開催される「午前十時の映画祭14 デジタルで甦る永遠の名作」のラインアップが発表された。また見たい名作、ずっと気になっていた名作、知らなかった名作が、大スクリーンで観られる「午前十時の映画祭」。今年は、新たな上映作品19本、再上映作品8本の全27本を、全国65劇場で約1年にわたって上映。1作品2週間上映する(※1週間上映の作品もあり)。オープニングを飾るのは、昨年、シリーズ最新作が公開された『インディ・ジョーンズ』から3作品、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』。『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』TM & © Copyright Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.ほかにも外国映画の新規セレクト作品は、『マッドマックス』初期2作品、ヴィム・ヴェンダース監督の名作『べルリン・天使の詩』『パリ、テキサス』、ジョン・ウー監督作『男たちの挽歌』をはじめ15作品を上映。『マッドマックス2』©1981 Kennedy Miller Entertainment Pty., Ltd. ©1981 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.邦画では、特撮作品『妖星ゴラス』『海底軍艦』、小津安二郎監督作品『宗方姉妹』『小早川家の秋』の4本。『海底軍艦』©1963 東宝そのほか、『ティファニーで朝食を』や『ひまわり』などがアンコール上映される。「午前十時の映画祭14 デジタルで甦る永遠の名作」◆新規セレクト外国映画インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説インディ・ジョーンズ/最後の聖戦ベルリン・天使の詩パリ、テキサスシャインフェームマッドマックスマッドマックス2花様年華男たちの挽歌プライベート・ライアンスターリングラードカジノスカーフェイスネットワーク◆新規セレクト日本映画宗方姉妹小早川家の秋妖星ゴラス海底軍艦◆アンコール上映レイダース/失われたアーク《聖櫃》チャイナタウン戦場にかける橋アメリカン・グラフィティティファニーで朝食をひまわりドクトル・ジバゴ雨に唄えば「午前十時の映画祭14 デジタルで甦る永遠の名作」は4月5日(金)~2025年3月27日(木)TOHOシネマズ 日本橋ほか全国65劇場にて開催。(シネマカフェ編集部)■関連作品:雨に唄えば 1953年4月より公開© 1952 Loew’s Incorporated. All Rights Reserved.戦場にかける橋 1957年12月、公開© 1957 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES INC, ALL RIGHTS RESERVED.アメリカン・グラフィティ 1974年12月より公開ドクトル・ジバゴ 1966年6月より公開チャイナタウン
2024年02月20日TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」のもと、今回で4回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』のアンバサダーに、映画コメンテーターのLiLiCoが就任し、2月20日に都内で行われたラインナップ発表会見で抱負を語った。4回目の開催となる今回は、新たな取り組みとして、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を集めた「ライフ・セレクション」、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品をセレクトした「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選出された15作品を、全国6都市で上映する。昨年に引き続き、アンバサダーに就任し「良かったです。役に立てたということですね」と続投に喜びの声。「絶対に名前だけのアドバイザーにはなりたくないと思い、出演する番組で告知したり、(連載を)持っている媒体に取り上げたりしましたが、今年はもっともっと頑張りますし、来年もここに立てるように、努力と協力をしたい」と決意を新たにしていた。LiLiCo以前から、ドキュメンタリー映画に深い関心があったといい「伝えること、知ること、見て考える時間を持つことが、大切。どんなテーマであれ、自分と向き合う時間になりますし、人生観が変わります」と魅力を熱弁。「もしも自分や友だちがそういう立場だったら。それに、もしかすると今後自分がそうなるかもしれないと考えさせてくれる」と語り、「バチバチと生きている音がします、それが伝わります」と今年のラインナップに大いに期待を寄せていた。また、「もっと若いときに、ドキュメンタリーに触れていたら良かったのにと思うことも。今回は、大学生の皆さんも参加していると聞いて、希望を抱いています」と笑顔。昨年上映された『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』『ヤジと民主主義』は、その後に劇場公開もされ「改めて魅力を語りたくなる」と声を弾ませた。もしも、自分がドキュメンタリーを撮るとしたら「題材は私かな。実は『情熱大陸』に売り込んだこともあるが、いまだに(オファーが)来ません」と笑いを誘う場面も。「タレントは表に出ている部分が2割、裏で頑張っているのが8割だと思うので、そういった部分も伝えたい」と構想を明かしていた。取材・文・撮影=内田涼<上映ラインナップ>「ソーシャル・セレクション」●人種や戦争、社会問題など、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』監督:金富隆『サステナ・フォレスト~森の国の守り人たち~』監督:川上敬二郎『BORDER 戦場記者 × イスラム国』監督:須賀川拓『家さえあれば~貧困と居住支援~』【大阪・京都限定上映】監督:海老桂介『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』【北海道限定上映】監督:長沢祐『リリアンの揺りかご』【福岡限定上映】監督:神戸金史「ライフ・セレクション」●家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品『私の家族』監督:久保田智子『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』監督:佐井大紀『魚鱗癬と生きる−遼くんが歩んだ28年−』【福岡限定上映】監督:大村由紀子『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』【名古屋限定上映】監督:柳瀬晴貴「カルチャー・セレクション」●視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品『映画 情熱大陸 土井善晴』【東京・大阪・京都限定上映】監督:沖倫太朗『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承〜』監督:川西全『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』監督:嵯峨祥平『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』監督:渡辺匠、志子田勇『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』監督:津村有紀<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』3月15日(金)~3月28日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月22日(金)~4月4日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都:UPLINK京都3月29日(金)~4月11日(木)福岡:キノシネマ天神3月30日(土)~4月11日(木)札幌:札幌シアターキノ公式サイト:公式X:『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』本予告
2024年02月20日――Coltは16年間に渡りベルリン国際映画祭を支え、 映画祭のデジタル・インフラを支える幅広いサービスを提供――注:本リリースはドイツにおいて2024年2月13日(火)に発表されたリリースの和訳版です。(ドイツベルリン、2024年2月13日発)– デジタル・インフラストラクチャ企業であるColtテクノロジーサービス(本社:英国ロンドン、代表:ケリー・ギルダー(Keri Gilder), CEO、以下Colt)は本日、2024年2月15日から25日まで、第74回ベルリン国際映画祭のデジタル・シネマ・パートナーに再び就任し、揺るぎないサポートを拡大することを発表しました。世界最大の一般向け映画祭であるベルリン国際映画祭は、19の会場に30万人以上の観客を集め、10日間で2,000以上の映画上映が繰り広げられます。ほぼ全ての映画がデジタル上映されるようになった現在、Coltの堅牢なファイバー・ネットワークは、各上映に必要なデータをシームレスに配信します。このネットワークは、Coltの安全なネットワーク・ハブ、及び映画祭のサーバと相互接続され、ベルリン国際映画祭の鼓動するデジタル心臓部として機能し、全ての人にシームレスで魅惑的な映画体験を保証します。2009年以来、Coltはベルリン国際映画祭の揺るぎないパートナーとして、映画祭の技術インフラを支える包括的な一連のサービスを提供しています。放送品質のデータ伝送からシームレスなインターネット・アクセスまで、Coltの専門性は、全ての海外からの参加者に、シームレスで思い出に残る体験を保証するために役立っています。過去16年間に渡り、Coltはベルリン国際映画祭とデジタルの世界をつなぎ、映画データのシームレスな伝送と配信を保証する重要な役割を果たしています。デジタル・シネマの技術的進歩に加え、Coltはベルリン国際映画祭において、量子技術を用いた暗号化のような、独自のファイバー・ネットワークの革新も推進しています。ベルリン国際映画祭の「デジタル心臓部」に関する最も重要な事実とは以下のようなものです。本映画祭の為に、Coltは合計200ファイバーキロのネットワーク容量を提供しています。•ポツダム広場にあるベルリン国際映画祭事務局は、Coltのネットワーク・ノードに2本の10Gbit/秒回線で接続されている。•映画祭のメイン会場は、10Gビット/秒と1Gビット/秒の回線で構成される,星型ネットワークでネットワーク・ノードに接続されている。•このネットワークは、ベルリン国際映画祭の期間中、およそ1ペタバイトのデータを処理する。•また、このネットワークは、オープニング・ガラや名誉熊賞、金熊賞の授賞式を他の会場に生中継する為にも使用される。•ベルリン国際映画祭に出品された全ての作品は、標準化されたデジタル・フォーマットに変換され、ベルリン国際映画祭のストレージ・クラスタに保存される。•映画スタジオは、10ギガビットのインターネット接続を介して、ベルリン国際映画祭のサーバに直接作品をアップロードすることが出来、ハリウッドからベルリンまで映画データのパッケージが移動するのに20分ほどかかる為、貴重な時間を節約することが出来る。Coltは、映画祭のネットワークがシームレスに機能するよう、ベルリン国際映画祭と緊密に協力しています。この協力関係は企画段階から始まり、Coltは毎年の映画祭特有のニーズに合わせてインフラをカスタマイズし、イベント期間中も支援を継続します。「私達の技術は、世界中の映画製作者や映画ファンにベルリン国際映画祭での特別な体験を提供する上で重要な役割を果たしています。これは単にネットワーク接続を提供するだけではありません。それは、卓越した顧客体験の提供、積極的なサービス姿勢、パートナーの専門知識と経験に対する揺るぎない信頼という、共通のコミットメントを伴うものです。ベルリン国際映画祭の技術チームとの長年の協力関係を通じ、我々はこうした資質を培ってきました。ベルリン国際映画祭とのパートナーシップは、我々の顧客サービスとパートナーシップへのアプローチの礎である "特別なつながり "を育むことへの我々の献身を例証するものです。」と、Coltテクノロジーサービスの中欧・東欧地域セールス・ディレクター、ステファン・ワンケ氏(Mr. Stephan Wanke)は語っています。ベルリン国際映画祭のマネージング・ディレクターであるマリエット・リッセンベーク氏(Ms. Mariette Rissenbeek)は、「Coltの揺るぎないサポートと最先端のテクノロジーは、ベルリン国際映画祭をデジタルの驚異へと変貌させ、現代の映画祭の展望における革新の道標へと形成する上で大きな役割を果たしました。彼らの揺るぎないパートナーシップに深く感謝します。」と述べています。***Coltについて;Coltは、顧客企業のビジネスを成功に導く、「想像を超えたつながり(Extraordinary Connections)」を提供する、グローバルなデジタル・インフラ提供企業です。優秀な人材と同じ志を持つパートナーに支えられ、デジタル・ユニバースの力をどこでも、いつでも、そしてあらゆる方法でお客様に届けるという目的を持って行動しています。1992年にロンドンで創業、’City of London(Telecommunications)‘の伝統と共に成長し、今では世界40カ国、80オフィスに従業員6,000人を抱える企業となっています。Coltの顧客は、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、北米最大のビジネス拠点にまたがる230都市32,000の商用ビル、50以上のメトロポリタン・エリア・ネットワーク、230のPoPを接続する広範なデジタル・インフラストラクチャから恩恵を得ています。株式非公開企業であるColtは、最も財務健全性の高い企業の一社でもあります。Coltは業界を牽引する優れた顧客体験の提供に注力し、顧客企業の革新を、自身の価値観や顧客企業、パートナー、人類、及び地球への責任を以て支援します。詳細については、www.colt.net/ja/をご覧ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年02月16日TBS収蔵の貴重なドキュメンタリーフィルムをデジタル修復して劇場公開する『TBSレトロスペクティブ映画祭』が、4月26日(金) よりMorc阿佐ヶ谷にて開催されることが決定した。第1回目は昭和の鬼才・寺山修司の特集。TBSの社員であり映画監督としても活躍する佐井大紀によるセレクションで、寺山の軌跡を辿る5番組、そしてその影響を色濃く受けた佐井監督作のドキュメンタリー2作品も上映する。併せて、本特集の予告編とポスタービジュアル、場面写真も公開された。<上映作品ラインナップ(作品解説:佐井大紀)>『あなたは•••••』デジタル修復版(1966年11月20日放送)■メディア史に燦燦と輝くテレビドキュメンタリーの伝説的傑作「あなたにとって幸福とは何ですか?」ハンドマイク一つしか持たない素人の女子大生が、まるで機械のように、決められた17の質問を町ゆく人にぶつけていく。フランスの映画監督・人類学者ジャン・ルーシュの「シネマ・ヴェリテ」に影響されたディレクター萩元晴彦が、盟友・寺山と仕掛けた記念碑的作品。デモ隊の先頭、挙式中の花嫁、在日米兵など取材対象は様々。しかしなぜだろう、それらの問いは、観客である我々自身に向けられている気がしてならない。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦音楽:武満徹『日の丸』HDリマスター版(1967年2月9日放送)■“偏向番組だ”として政府がTBSを調査、タブー化された問題作建国記念の日が初めて施行される2日前、寺山と萩元は『あなたは•••••』と同じ手法を用いて「愛国心」をテーマに制作したのが本作。「日の丸といったらまず何を思い浮かべますか?」「家庭と祖国のどちらを愛していますか?」といった質問を矢継ぎ早に投げかけていく。放送後には“偏向番組だ”として郵政省がTBSに事情聴取を行った。入社して受けた新人研修で本作に衝撃を受けた私は、拙作『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』を監督するに至る。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦『中⻄太 背番号6』デジタル修復版(1964年7月14日放送)■詩的なナレーションが光るスポーツドキュメンタリーの先駆的作品若くして⻄鉄ライオンズの監督となった天才野球選手、中⻄太。1964年6月7日、福岡県平和台球場で行われた⻄鉄ライオンズ対東映フライヤーズ第15回戦の実況中継に、貧困から這い上がった中⻄の栄光と孤独に満ちた半生を絡ませていく。「プロ野球のスカウトというのは今様の人買いであり、プロ野球の球場は、買われた若者たちの人生を懸けた孤独な劇場なのである」この冒頭ナレーションだけでもう、寺山の仕事だとわかってしまう。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦『サラブレッドーわが愛―大障碍の記録―』HDリマスター版(1964年10月13日放送)■競馬を愛する寺山が手がけた躍動感あふれる意欲作1964年10月11日、千葉県中山競馬場で行われた大障碍レース。フジノオーとタカライジンの対決を軸に、騎手、調教師、厩務員、そしてサラブレッドの人生を描く。リマスターされた映像を観た私は、得も言われぬ感動に打ち震えた。馬の毛並みの美しさ、山本直純が手掛ける劇伴の艶やかさ、そして熾烈なレースを繰り広げるクライマックスの、一切ピントを狂わすことなく競走馬を捉え続けるカメラワークの超絶技巧に。これらのディテールこそが、本作の真価を謡いあげている。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦音楽:山本直純『勝敗 第一部・第二部』デジタル修復版(1965年10月5日・12日放送)■寺山の文学性とテレビメディア論がぶつかり合った隠れた傑作萩元がテレビの“中継性”を見出したという『第一部』。坂田栄寿名人と林海峯八段の第四期囲碁名人戦の模様を4台のカメラと同時録音で収録。最小限のナレーションと両者の表情・手つき・呟きなどから、緊張感漂う現場の時間そのものを伝える。しかし翌週放送された『第二部』は一変、物語は思いもよらない展開を見せ、THE寺山作品へと変貌していく。ヒッチコック『サイコ』のような巧みな構成に貴方も翻弄されるがいい。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦音楽:武満徹『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』(2023年2月24日公開 配給:KADOKAWA)■TBSドキュメンタリー史上最大の問題作が、半世紀の時を経て現代に甦る『日の丸』放送から50年後の2017年、 新人研修で本作に出会った私は、メディア論的な実験精神と社会に切り込む挑発性を持った作風に強い衝撃を受けた。「現代に同じ質問をしたら……?」二つの時代を対比させ「日本」や「日本人」の姿を浮かび上がらせようと、私は自ら街頭に立った。様々な実験がなされていた60年代をノスタルジックに振り返るのではなく、その普遍的な新しさを後継しテレビが成熟しきった現代に一石を投じる作品を目指した。監督・編集:佐井大紀出演:金子怜史、安藤紘平、シュミット村木眞寿美、今野勉語り:堀井美香、喜入友浩(TBSテレビ)イラスト制作:臼田ルリ『カリスマ〜国葬・拳銃・宗教〜』(2023年3月17日公開)■「あなたの人生の主役は誰ですか?」取材対象を追わない反ドキュメンタリーへの挑戦当初は『エキストラ』というタイトルだった本作だが、“エキストラ”の観察とは不在の“主役”の強調を意味していた。両者のイメージが観客の脳内で共存したとき、自ずと社会構造が立ち上がる。“国葬”をテーマに山上徹也と永山則夫、統一教会とイエスの方舟を比較。一見関係ないモチーフを追うことで本当に追いたい対象を想起させるこの手法こそ、“情報伝達”というジャーナリズムの呪縛から解放された新しいドキュメンタリーの文法であり、寺山的アプローチの後継でもあると信じたい。監督・編集:佐井大紀構成:寺坂直毅出演:千石まさ子、千石恵イラスト制作:臼田ルリ<TBSレトロスペクティブ映画祭の企画について>■映画監督 佐井大紀昨今「テレビはオワコンだ」とよく聞くが、かく言う貴方は本当の“テレビ”を知っているのか?TBSではテレビ黎明期から現在に至るまで、メディア論を根本から問う名作ドキュメンタリーが数多く制作されてきた。しかしそれらの多くは、放送後ほとんど視聴の機会に恵まれず、暗く冷たいテープ倉庫の中で今も静かに眠ったままなのだ。そこで私は独断と偏見でいくつかのフィルムを取り出し、デジタル修復して世に再発表する『TBSレトロスペクティブ映画祭』を企画した。第1回は、拙作『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』の原型である『日の丸』を手掛けた巨人・寺山修司特集。フィルムの保存状態によって修復に限界があった作品も少なくないが、作品そのものが持つ熱量と説得力は今でも我々の胸に迫ってくる。故きを温ね新しきを知る……そうこれこそが、自由で可能性に満ちた“テレビ”の本来の姿なのだ!第2回、第3回の作品選定の合間を縫い、私も大画面のスクリーンで堪能したいと思う。<上映情報>『TBSレトロスペクティブ映画祭』4月26日(金) Morc阿佐ヶ谷ほか全国順次ロードショー『TBSレトロスペクティブ映画祭』予告編公式HP:
2024年02月15日アニメ「マクロス」シリーズの劇場版作品とライブ映像作品を一挙上映する映画上映イベント「マクロス超時空フェスティバル プレミアム映画祭 at109シネマズプレミアム新宿」が、2024年2月23日(金・祝)から4月7日(日)までの期間で開催される。「マクロス超時空フェスティバル プレミアム映画祭」一般的なシネコンの最大約2.3倍の大きさのプレミアムシートや、故・坂本龍一が監修した音響システム「サイオン(SAION) -SR EDITION-」など、他にはない上質な設備を数多く導入したプレミアムシアター「109シネマズプレミアム新宿」。今回はアニメ「マクロス」シリーズの世界観を楽しめる体験型イベント「マクロス超時空フェスティバル」と連動する形で、同シリーズの映画・映像作品を映画館の大スクリーンで楽しめる。「マクロス」全シリーズの劇場作品を上映中でも特に注目したいのは、シリーズ初の劇場版作品である名作『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』と、OVAシリーズを再編集し新作カットを加えた劇場版『マクロスプラス MOVIE EDITION』。この2作品については、国内でも対応する劇場が数少ない35mmフィルムでの特別上映が行われる予定で、フィルム上映ならではの質感と公開当時の空気感にも注目してほしい。このほか、『劇場版マクロス 7 銀河がオレを呼んでいる!』や『劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜』、『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』、『劇場版マクロスΔ 絶対 LIVE!!!!!!/劇場短編マクロス F 〜時の迷宮〜』など、シリーズ全ての劇場作品が上映予定だ。開催概要「マクロス超時空フェスティバル プレミアム映画祭 at109シネマズプレミアム新宿」開催期間:2024年2月23日(金・祝)〜4月7日(日)場所:109シネマズプレミアム新宿料金:■劇場版作品CLASSS 6,500円(シネマポイント会員6,000円)CLASSA 4,500円(シネマポイント会員4,000円) ※通常料金での案内■ライブ映像作品CLASSS 7,500円(シネマポイント会員7,000円)CLASSA 5,500円(シネマポイント会員5,000円)販売スケジュール:各上映日の3日前0:00より、109シネマズプレミアム新宿公式WEBサイトにて販売開始<上映作品>■劇場版作品『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』(35mmフィルムでの上映も予定)『マクロスプラス-MOVIEEDITION-』(35mmフィルムでの上映も予定)『劇場版マクロス 7 銀河がオレを呼んでいる!』『マクロス FB7 オレノウタヲキケ!』『劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜』『劇場版マクロスF〜サヨナラノツバサ〜』『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』『劇場版マクロスΔ 絶対 LIVE!!!!!!/劇場短編マクロス F 〜時の迷宮〜』■ライブ映像作品「マクロス F ギャラクシーライブ 2021[リベンジ]〜まだまだふたりはこれから!私たちの歌を聴け!!〜」「ワルキューレ LIVE 2022 ~Walküre Reborn!~ at 幕張メッセ」「ワルキューレ FINAL LIVE TOUR 2023 ~Last Mission~ at 東京有明アリーナ(Day1)」「ワルキューレ FINAL LIVE TOUR 2023 ~Last Mission~ at 幕張メッセ国際展示場(Day6)」
2024年02月11日3月15日(金)より開催される、第2回新潟国際アニメーション映画祭のイベント上映のラインアップが決定。湯浅政明監督の短編特集が行われることが分かった。昨年3月の第1回映画祭は、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として、世界で大きな反響を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭。イベント上映として、先に発表された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に続き、新作公開のたびに話題を集め、『犬王』ではゴールデングローブ賞ノミネートも大きな話題となった湯浅政明監督の貴重な短編特集が決定。また湯浅監督の映画祭来場も決定した。<上映作品>【湯浅政明とアニメーションの動き 短編特集】『なんちゃってバンパイヤン』『なんちゃってバンパイヤン』英題:Vampirians - Just Kidding制作年:1999年作品時間:約20分© 1999 Production I.G小学校4年生の男の子・虹(コー)くんは霧に迷い不思議な洋館に辿り着く。館にはスーちゃんという女の子とそのパパが住んでおり、虹くんを豪華な料理でもてなしてくれたが、なんと2人はバンパイヤだった。「私たちはベジタリアンなので、肉は食べないのだ」というが、スーちゃんパパはすきをうかがい虹くんを襲おうとする。そこへバンパイヤハンターと名乗る男が乱入してきて…。『夢みるキカイ』『夢みるキカイ』英題:Happy machine制作年:2007年作品時間:15分©Genius Party温かいお家やママは、からくり仕立ての機械だった――。赤ん坊はひとり、殺伐とした荒野へとはき出される。4本足のバイクに乗って、旅の途中に出会うのは、火の子、小植物、空飛ぶ多羽根、巨大な自然現象の数々…。そして歳月を重ねた主人公がたどりついた、旅路の果てに見たものとは…。『キックハート』『キックハート』英題:Kick-Heart制作年:2012年作品時間:12分©2012 湯浅政明・Production I.G実はドMの売れない覆面レスラー「マスクマンM」は、もっと感じる相手を探していた!そこへ現われた、実はドSの売れっ子覆面レスラー「レディS」!SはMに出会ってドS心に火がつき、Mも自分のドM力のポテンシャルに目覚める!そしていま、究極の愛のゴングが鳴る!『「アドベンチャー・タイム」 フードチェーン』『「アドベンチャー・タイム」フードチェーン』英題:ADVENTURE TIME -FOOD CHAIN-制作年:2014年作品時間:11分映像提供:カートゥーン ネットワーク© 2024 Warner Bros. Discovery, Inc. or its subsidiaries and affiliates. All rights reserved.「アドベンチャー・タイム」はカートゥーン ネットワークのオリジナルのアニメシリーズで少年フィンと、相棒で犬のジェイクが主人公。特別エピソ ード「フードチェーン」は湯浅政明が監督・脚本・絵コンテを務め、フィンとジェイクの“食物連鎖”体験でストーリーが展開する。「フードチェーン」自然史博物館を訪れたフィンとジェイクは食物連鎖の展示物を見学し、バブルガムから説明を受けるが、フィンは自然の法則の素晴らしさがさっぱり理解できない。その様子を物陰から見ていたマジックマンはフィンに魔法をかける。気がつくとフィンは小鳥になっていた。小鳥のフィンはやがて大きな鳥→バクテリア→植物→イモムシに変わり…。※他作品調整中(上映スケジュール:3月16日(土)場所:日報ホール 湯浅政明監督によるトークあり)『犬王』また3月15日(金)には、スペシャル企画として、湯浅政明監督が登壇する『犬王』応援上映も決定。発声、鳴り物、光り物、紙吹雪もOKだという。湯浅政明監督コメント「新潟久しぶり!!特に街中は酷く久しぶりなので楽しみです!!ぷらぷらしたい!!これまで作った短編と、「犬王」を上映していただける事になりました。「犬王」は応援上映になるらしく、どうなるかまだ分かりませんが、自分も楽しんで見れればと思います。ぜひ遊びに来てください!!」第2回新潟国際アニメーション映画祭は3月15日(金)~20日(水)開催。(シネマカフェ編集部)■関連作品:犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners
2024年02月10日『TBSドキュメンタリー映画祭2024』が3月15日(金) より全国6都市で開催される。このたび映画祭の開催を記念して、映像業界を目指す学生限定の特別ワークショップが2月6日(火) に行われた。ドキュメンタリー映画コミュニティ「D会議室」が主催となって開催された本ワークショップ。東京・大阪・名古屋・福岡の4都市から集まった学生たちを前に、本映画祭で『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の上映が控える佐井大紀監督と、同じく本映画祭で『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』が上映される柳瀬晴貴監督、そして前回の映画祭で上映された『93歳のゲイ』の吉川元基監督が登壇し、自身の作品を通してドキュメンタリーの持つ魅力や影響力について熱弁を振るった。それぞれ入念な取材のもと完成した作品だが、監督陣が何よりも大切にしたのは、取材対象との向き合い方だったという。1980年代に謎のハーレム教団として世間を騒がせ、主催者亡き後も今なお女性たちが共同生活を送る「イエスの方舟」の実態に迫った『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の佐井監督は、「カメラを向けるというのは、暴力的なことでもあると思います。イエスの方舟というひとつのコミュニティを描いたので、取材対象となる女性たちとの信頼関係がとにかく大切で、どう距離を取っていくか重視しました」と自身の作品を振り返る。自分の意思に反して体が動いたり声が出たりするトゥレット症候群の人々の様々な日常を映し出した『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』の柳瀬監督は、「たまたまウーバーイーツを頼んだら配達員の方がトゥレット症で、彼を取材するために半年ほど家に通って信頼関係を築いていきました。カメラを回さず話すことを続け、取材させてもらうことが多くの患者さんのためになるかもしれないことに共感してもらい、最終的に承諾してもらいました」と、運命的な出会いから時間をかけ信頼を獲得していったのだという。孤独に生きてきた93歳の長谷さんの姿を通し、この国の同性愛の歴史を紐解きながら、本当の自分を隠し続けた彼の日々を見つめるドキュメンタリー『93歳のゲイ』の吉川監督は、「高齢者のLGBTQの存在を想像できない人が多い中で、日本の同性愛の歴史を掘り下げれば伝えられることがあると思い、長谷さんにアプローチしていきました。取材希望を伝えると、長谷さんは“僕には家族も身寄りもいないから、どう描いても大丈夫なので取材してほしい”と言ってくれたんです」と、作品にかける熱い思いが伝わったことで取材が実現したことを明かした。参加した学生からは、「この作品が公開されることで、社会にどんな影響が生まれたらいいと思いますか?」という質問も。佐井監督は「信じることとは何か、宗教はどんな影響をおよぼすのかということについて、この映画を観たらもう少しフラットに感じられるはず。ただ対象を追いかけるだけでは、きっと本質的な部分にはたどり着けないと思う。僕は記者ではないので、違う角度で、個人の宗教を切り取って世の中の人に受け取ってほしいと思っています」とコメント。柳瀬監督は、「この映画を通して、トゥレット症を広くみなさんに知ってほしい。病気について詳しく知ってもらった上で、しゃっくりやくしゃみのような生理現象と同じだよね、という扱いになればいいなと思います」と作品に込めた願いを明かした。前回の映画祭で作品が上映された吉川監督は、「今ではLGBTQというワードも広まり、同性婚を求める声が国会で取り上げられたりとしていますが、いきなり変わったのではなくて、ずっと戦ってきたり差別や偏見に晒されて来た人たちがいます。本作で長谷さんを通して、すぐ隣にそういう人たちがいることを知ってもらいたいという思いで作りました」と、改めて作品にかけた思いについてコメントした。さらに本ワークショップでは、『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の特別上映を実施。いち早く鑑賞した学生と佐井監督の質疑応答や、「イエスの方舟はカルトなのか?」「異常なのは報じたメディアの方ではないか?」などの議題をもとに学生たちとの討論会も行われた。最後は、学生たちが『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』のキャッチコピーを考えるグループワークを実施。事件のリアルタイム世代を狙う意図も込めた現在のキャッチコピー「鑑賞後もあなたは、ハーレム教団と呼びますか?」に対し、学生たちからは「罪とされた私の信条」「完璧で究極のアイドル・おっちゃん」などさまざまな角度のコピーが飛び出し、佐井監督が「自分でも気づかなかったアイデアに驚きました」「今から差し替えたいぐらい!」と絶賛する一幕も。ドキュメンタリーの持つ強さや面白さ、影響力について、そこに込めた思いはもちろん、映像効果や演出などテクニカルな話題にもおよぶなど、映像業界を志す学生たちにとって有益な話が多数飛びだす、大盛況のワークショップとなった。<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年02月07日