花壇や庭などで、樹木や花を育てる人たちが頭を悩ませる盗難。他人の敷地内から、勝手に物を持って行くことはご法度ですが、手を出してしまう人が一定数いるようです。持って行かれた物の大半は戻ってきません。しかし、まれに持ち主の呼びかけに応えるケースもあるようで、注目を集めています。立て看板で呼びかけたら?アーティストのEkusiad Daisukeさんは、室内で育てていた観葉植物の『ガジュマル』が弱ってきたことから、アトリエの敷地内に植え替えました。土が広くなり、日当たりもよくなったからか、『ガジュマル』は新芽が出るほど復活!安心したのもつかの間…『ガジュマル』が、誰かに持ち去られる事件が起こってしまいます。怒り以上に悲しみがこみあげていたDaisukeさんでしたが、ふと思ったことがありました。「もしかしたら、相手は『ガジュマル』を救おうとしてくれたんじゃないか」アトリエが、はた目には無人のようにも見える点から「人知れず、こんな場所に生えてかわいそうに」と思った人が、善意で持って行った可能性を考えたのです。持ち主側にも不備があったと感じたDaisukeさんは、「ここに植えてあった『ガジュマル』。お心あるならば、そっと戻してください」という立て看板を作り、地面に刺してみました。その結果をご覧ください!@ekusiaddaisuke 無くなってたガジュマルが戻ってきたよ!感動して泣きそうやった。ありがとうおかえり!#ガジュマル#おかえり#感動した #優しさに溢れた世界で ♬ 夜空 - 音田雅則『ガジュマル』は、鉢植えに入れた状態で戻されていました。立て看板を読んだ人は、『ガジュマル』がきちんと持ち主に愛されていたのだと理解してくれたのでしょう。無事に戻ってきたことに、多くの人が喜びの声を寄せています。・『ガジュマル』ちゃん、おかえりなさい!長旅でしたね!・戻ってくることがあるのですね!Daisukeさんの気持ちが届いてよかったです。・大切にしていた物を持ち去られても、相手の善意を信じられるお心が素敵。一時的に持ち去ってしまった人も、『ガジュマル』の成長を陰ながら見守ってほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年08月16日*様々な入居者がいる日の出ファクトリー。みんなが作業する『場』を提供したいとの思いから始まったプロジェクト。 *窓辺にも素敵な器やサボテンなどの植物が。気に入ったものは購入もできるそう。*エンジョイボタニカルライフ推進室プロジェクトマネージャーのビリさん。ビリさんもすごくオシャレな方!ビリさん:今日は僕の大好きなガジュマルを用意しました。ボタニカルライフをエンジョイするためのいろいろな器にあわせたお手入れ方法を是非覚えて帰ってください! お気に入りのガジュマルを探す”ガジュ活”!この日用意していただいたガジュマルの数、なんと50鉢!*決める時はインスピレーションで。でもやっぱり目移りしちゃう!*独特な形が魅力的。どっしり構えている子や足を組んでいる子も。何をしているように見えますか?*どの子にしようかな~!?どれも形が全然違う!ちょっとセクシーな子もいるし、巨神兵みたいな子もいる!ビリさん:ジブリに出て来そうな感、満載でしょ?写真集を出したいなんて方もいたし。以前”ガジュ活”っていう、世界にたった一つ、自分だけの一鉢と出会う婚活イベントを開いたくらい、ガジュマルって本当に形が魅力的なんだよね!迷ったけど、決めました!*お風呂に浸かっているような子も。それぞれのお気に入りが見つかったので、器と合わせてコーディネート。ビリさん:じゃあいよいよ植え替えのワーク開始だね!底に穴の空いたいわゆる”植木鉢”だけじゃなくて、例えばマルシェで見つけたオシャレな器とか、”これに植物を植えたら可愛いだろうな”と思っている器とか、植木鉢以外の物でも上手に植物を育てられる方法があるから、しっかり伝授していきます! 植物を楽しむために器を選ぶビリさん:まず植物を植える器について少しだけ説明します。本当は、植木鉢のように底に穴が空いていない器は植物にとってちょっと良くない環境。でも、そもそも植物って自然の中で成長していくのが本来の姿でしょ?人間の住環境に連れて来られている時点で、すでに成長するのにベストな状態ではなくなってるんだよね。だったら、いっそ好きな器で大切に育ててあげた方が植物と上手く付き合っていけるんじゃないかなって僕は思ってて。*日の出ファクトリーにあるビリさんが目利きした可愛い植木鉢たち。持ち込み器の穴開けもできます。ビリさん:ガジュマルは熱帯域の植物で本当は20mくらいになるでっかい木。けど、そもそも元の生息環境と都会の環境は温度も湿度も違いすぎてそんなに育たない。それでも元気に育てたいし今より少し大きく育てたいってなると大事なのは根っこ。いつまでも小さい器で育てていると、器の中が満員電車みたいなって根っこが呼吸できなくなってしまうから、大きい器に植え替えて根っこがのびのび成長できるスペースを作ってあげることが必要になってくる。なかなか大きくならないと思っていたあの植物も、植え替えをしないから成長できなかっただけなんだ…。植物について、知らなかったことばかり!合言葉は「バルス!」根っこで健康診断。ビリさん:今からその大事な根っこで、植物の健康をチェックしましょう。はじめに使うのはステンレスバットとピンセットです。*用意するのは、ステンレスバット・土入れ・ハサミ・ピンセット・お箸・水差し。ビリさん:植物の苗を買うと、よくビニールポットとかに植えられているでしょ。本当はポットを外してそのまま植え替えちゃうのがラクチンなんだけど、好きな器の形状に合うようにしたいし、共存していく上で虫さんや土にはご遠慮いただきたいので、根っこをほぐしながら古い土は落としちゃいます。元気そうに見える植物も土をほぐすと根っこが全然なかったり、ガジュマルなどの観葉植物は、ビニールハウスのような恵まれた環境で育ってきたお坊ちゃんの場合も少なくないから、これから一緒に暮らす植物の健康状態を知る上でも良い機会になるんですよ。根っこって、奥が深い…!ビリさん:じゃあ、古い土を落として根っこをみていこう!苗を外す時、ビニールポットから抜けない場合は無理をせず、土に近い所を持って揺すったり、ポットの底をゼリーのように”ぷにゅっ”と摘むと根っこを傷めずに抜けるから!ちなみに、プラ容器の場合は底穴から突いて押し出してあげるようにしてみてください。*この子の根っこは健康かな?ビニールポットを外して古い土を落とす作業へ。*根は水や養分を吸収するための大事な管だから、できるだけ傷つけないように優しくやさしく…ビリさんのお手本。*根鉢(土と根が固まった状態)を丁寧にほぐしていきます。根っこを切らないよう慎重に。あ!根っこが切れちゃった!ビリさん:根っこが切れちゃった時は、後で葉っぱの数を減らしてあげよう!水を飲める量が減ったら、汗をかく葉っぱを減らしてバランスをとってあげれば、樹にかかる負担も減るからね。くるくる回しながらピンセットを上手く使って土から剥離していく感じで。コツは……やりながら覚えていこ!少しずつ慣れてきました!土はどのくらい落とせばいいですか?ビリさん:ラピュタの『バルス!』の感じ!*バルス!(BGMはもちろん、『君をのせて』で!) 土だってインテリアになっちゃう!バルスの後は、宇宙へ…ではなく、新しい土を入れて器に植え替えします。ビリさん:植え替え用の土もアーバンライフ向けに虫が寄って来にくいものを使います。あと、土って一回買うと結構余っちゃうでしょ?だから、僕は置いててもインテリアとしてオシャレなパッケージのものを使ってます。*パッケージデザインも大事。こんなオシャレなパッケージの土もあるんですね!ビリさん:知らなかったでしょ?あ、あとさ、よく『私、植物枯らしちゃう女なんです』っていう人が結構多いんだけど、よくよく話を聞いてみると、簡単だって言われてる植物を枯らしちゃって『簡単な植物すら枯らしちゃうなんて、私向いてないんだ』って思い込んでることが多くて。でも、その植物が今までどんな環境で育っていて、迎え入れた時にどんな状態になってるかってこと、それにお世話がちょっと合ってないだけなんじゃないかなって思う。本当は”枯らしちゃう女”なんかじゃない人、いっぱいいるはずなんだよね。可愛い器に植え替える楽しみビリさん:今回は”穴のある植木鉢”と”穴のない器”の2種類があるからそれぞれの場合で使う土と普段の育て方を教えます!◯穴のある器・植木鉢の場合植木鉢に空いている穴は、余分な水や根から出る老廃物などをデトックスしてあげるための排水溝です。水が溜まっていると根っこが呼吸できなくなってしまうため、重力で流れ落ちる水は全て排水してあげしょう。鉢底の穴には土が流出してしまわないように”鉢底ネット”を敷きます。*丸型の植木鉢。オーソドックスだけどガジュマルに合う形。*鉢底の穴より少し大きめにネットを切ります。*小さい器の時は鉢底ネットを針金で固定するとズレなくて良い。◯穴のない器の場合今回は室内栽培用の”セラミスグラニュー”という人工土を使います。焼いた土なのでレンガを砕いたような物と考えてください。*光を通すガラスの器と陶器の卵ポット。お部屋に置いても可愛い!*奥がガラスの器用に使用するセラミス。手前が底穴のある鉢に使うバイオゴールドの土(培養土)。 ベストバランスを探す、鉢合わせ!器とガジュマルをどう合わせるか考えていきます。ビリさん:器の正面と植物の正面を合わせるのが基本なんだけど、ガジュマルは特に見た目の個性もあるから、どの向きに植えると収まりがいいか色々考えてみて!*根元は、元々植わってた所を少し出すとカッコ良い!ベストバランスを探します。ビリさん:ここだ!っていう位置が決まったら、決めた高さまで土を入れて土台を作ります。ちなみに、今使ってもらっている土入れはステンレスなんだけど、僕が愛用しているのは真鍮でできていてちょっといい音がするの。パッケージや道具も含めてとことんこだわるのがボタニカルライフを楽しむための一番の秘訣。楽しくないことは続かないからね。*真鍮製の土入れを使って。セラミックとは違って、土が滑ると少し高い音が出ます。ビリさん:土台ができたらガジュマルをスタンバイさせて、今度は土を上まで入れていきます。土が器の上まで入ったら、お箸で土と根の隙間を埋めていく。こうして隙間を埋めることで植物が固定される。穴のない器を使う場合は土がより詰まっている方が水切りする時に良いので、並々まで土を入れてOK!*箸のお尻か指で押してみて空気が残っている感じがしたら、まだ器内に隙間がある状態。ハンバーグを作る時と同じ要領で!*お箸で根っこを掻き出さないように土を詰めていきます。 いざ!はじめての水やりビリさん:植え替え後の水やりは、穴から出る水がほぼ透明になるまで。最初は掃除も兼ねて水を流すけど、普段は底穴から水が出て来るまででOK。水やりのタイミングは、表面が乾いて最初と同じ土の色に戻ったら。底穴のない器の場合は全体が湿るまで。水切りをしないと水が腐っちゃって良くないんだけど、器の中の水を更新してあげる感じで、水やりと水切りをしてあげればOK。*水が染み出してきても大丈夫な所で5分くらいおいてから、定位置に置いてあげよう。*水差しは狙った所にピンポイントで水をあげられるので、アーバンライフで植物を育てるにはぴったりのアイテム。 お手本は盆栽。剪定してカッコよく!最後に全体のバランスを見ながらハサミを入れて剪定します。ビリさん:剪定ってただ見た目をカッコよくするだけじゃなくて、根っことのバランスを調整したり、満遍なく光が当たるようにしたり、懐の風通しを良くして害虫を発生しにくくするために必要なお手入れの一つなんです。*残す葉の茎に対して水平にカットすると切り口が目立ちにくい。なかなか難しい!どこを切ったらいいんだろう?切り方のコツはありますか?ビリさん:ハサミを入れる際は、その後の展開をイメージすることが大事。あとは切っちゃう前に手で隠して見てみるとイメージしやすいよ。間近で見てわからない時は、少し離れたところから俯瞰して見たり、回してみたりするのもいいかな。回すなら回転台もあるし!あと、煮詰まったら翌日に繰り越す潔さも大事。*少し離れて眺めて見たり、回転台に乗せてみたり。 できあがったガジュマルたち!それぞれのガジュマルをお披露目! 鈴木 理美/ママサロン主宰/36歳「”枯らす女”の代表選手だった私ですが、ワイワイお喋りしながらの行程がとても楽しく、植物への親しみも湧き、晴れて”枯らす女”を卒業できそうな気がしています!」 山田 淳美/ママサロン主宰/33歳「なかなか踏み出せなかった観葉植物ですが、楽しみながら基本を学べたので、自信がつきました。小さくておしゃれだし、何よりも自分でやったので愛着も倍増です!」 遠藤 愛加/会社員/29歳 「本当はテーブルウエアで使う器がこんな素敵に変身してお手入れもしやすいなんて、植物の好きな私も新発見の一日でした!」==============ビリさん:選定はスタイリング。水やりは水分補給とデトックス。目的は単純。難しく考えないで!楽しいと持続するし、楽しいから枯らさないようになる。植物のある生活の楽しさを伝えるのがエンジョイボタニカル推進室です。相談があればいつでもどうぞ!小ネタを挟みながら植物について、時に熱くそしてわかりやすく教えてくださったビリさん。植木鉢でなければいけない、枯らしちゃうから育てられないという固定概念をとてもあっさりと拭い去ってくれました。インテリアとしても楽しめ、毎日の生活がもっとオシャレにちょっと豊かになるボタニカルライフ、皆さんも始めてみませんか?*ファッションもボタニカルライフの大事なエッセンス。好きな物に囲まれてまた少しわたしの暮らしが好きになる。――――――――――――――――――エンジョイ ボタニカル推進室プロジェクトマネージャー ビリさん(氏井 暁さん)公式ホームページ場所:日の出ファクトリー今回体験したワークショップ・ワークショップ参加費¥2,000(器等持ち込みの場合は¥2,500)・ガジュマル苗代 ¥540・器代(日の出ファクトリーにて展示販売)¥900~※器への穴開けも行なっています。ワークショップ参加の約一週間前にはご相談ください。
2018年06月27日