2010年、アカデミー賞授賞式のレッドカーペットでのガボレイ・シディベRichard Harbaugh / (C)A.M.P.A.S. 『プレシャス』(2009)でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、現在は人気ドラマシリーズ『Empire~成功の代償』で好演しているガボレイ・シディベ(33)。150kgの巨体を生かした役柄を得意としていたが、このほど上梓した回顧録の中で、昨年減量手術を受けていたことを明かした。 「自分自身に怒りを覚えることがあった。自分の体への怒り。この体は悲劇だと思うこともあった」──2型糖尿病を患っているシディベは、健康のために手術を受けることを決めたという。 「担当医に、胃を半分切除したと聞かされた。これによって、食欲と食べる量を制限できる。脳のメカニズムが変わって、もっと健康的に食べたいと思えるようになった。これまでの食べ物との付き合い方が変わった」 ガボレイ・シディベのInstagramよりInstagram/@gabby3shabby また彼女はメンタル面にも問題があり、抑うつ、不安障害、過食症と闘う日々だった。しかし、胃切除によって食生活に劇的な変化が起こったことで、精神状態も徐々に安定していったと述懐する。 栄養士やパーソナルトレーナーの指導の下、現在までに27kgの減量に成功しているシディベは、PEOPLE誌上で最新の姿を披露。2010年のアカデミー賞授賞式の頃と比べると別人のようだ。
2017年03月09日演技経験ゼロの新人が主演に抜擢され、さらにアカデミー賞にノミネート。無名だったガボレイ・シディベの名は瞬く間に世界へ広まった。受賞は逃したものの、サンドラ・ブロック(受賞)やメリル・ストリープ、ヘレン・ミレンといった大物女優たちと肩を並べ、同じステージに立ったことは事実だ。虐待、家族、絆、愛……様々なテーマが盛り込まれているこの『プレシャス』で、16歳の主人公クレアリース・“プレシャス”・ジョーンズを演じた27歳の新人女優ガボレイ・シディベとは一体どんな人物なのか──。彗星のごとく映画界に現れ、いま世界中から熱い視線を浴びているガボレイだが、『プレシャス』と巡り会わなければ女優という職業に就くことはなかった。「人生って面白いわ!」と笑い、自分の人生の岐路をふり返る。「私は女優を目指していたわけではないの。かといってこの映画に関わる前はこれといった具体的な夢があったわけではなくて…だからカオスに身を任せようって思った。でも、これからは女優業を続けていきたいと考えているわ。そう思えたのは、今回の映画の現場が楽しくて仕方なかったから。自分はこんなことができるの?って、想像もしなかった自分を見ることができて、今後、自分がどんなことができるのか楽しみで仕方ないのよ」。16歳で2度目の妊娠、しかもお腹の子の父親は自分の父。実の母からは毒づかれ、学校ではいじめられる日々。誰が見てもプレシャスの人生はどん底だ。けれど彼女はそんな過酷な環境の中、自分の手で幸せを見つけようとする。ガボレイも「流れに身を任せた」とはいえ、女優としての一歩は彼女自身の手でつかみ取ったチャンスにほかならない。だが、大学で心理学を学びながら電話オペレーターの仕事をしていた彼女は「この役のための演技指導は一切受けていないの」と意外な事実を口にする。それでは、あの感情揺さぶる演技はどうやって生み出されたのだろう。「大学の芝居にほんの少し出た経験はあるけれど、演技を学んだことはないの。だから、プレシャスを演じることがどれほど大ごとなのか正直、理解していなかった。もちろん、この作品への出演が決まったときは興奮したわ。演技経験はなくても、いい脚本だと思ったし、プレシャスという役にシンパシーを感じることもできた。むしろ演技経験ゼロだったからこそ、彼女が誰であって、自分が誰であるのかをしっかり考えることができ、キャラクターに埋没しなかったのかもしれないわね」。続けて、プレシャスが胸にためていた想いを涙とともに吐き出すシーンや、母メアリーと緊張に満ちた喧嘩シーン、高い演技力が必要とされるシーンについて聞いてみた。「ひとりの人間としてプレシャスにシンパシーを感じることで彼女を演じることができたわ。涙のシーンは彼女のため、彼女を想って泣いていたの。母親との喧嘩する演技は楽しかったのよ!怒りを強く出した方がいいシーンになると思ったし、何よりも母親役のモニークはコメディアンだから、すごくやりやすかった。カットがかかるたびに2人で笑い合ってハグし合っていたもの。ただ、ソファに押し倒されるシーンで肘掛けのところにお尻をぶつけるという、痛いパプニングはあったわ(笑)」。ベテランのコメディエンヌ相手に堂々たる演技、やはり本物の女優である証しだ。また、プレシャスを支えるキーマンとしてマライア・キャリー、レニー・クラヴィッツといった音楽界のヒットメイカーたちが名を連ねているが、「全然、緊張しなかったわ!」と、大胆発言。「だって、いまはアメリカでは私の方が人気があるのよ!彼らの方が緊張していたと思うわ(笑)。でも、友達からはとても羨ましがられたのは事実ね(笑)」。演技の才能だけではない、ユーモアも持ち合わせている才女だ。素人目にも彼女が今後スターダムを上っていく姿が目に浮かぶ。そして、この日のガボレイの衣裳はプレシャスのコーディネートと似ている?もしや衣裳やヘアメイクにも自分自身の意見が反映されている?「そうなの!衣裳合わせでスタッフの人たちが次々とプレシャスの衣裳を持ってくるんだけれど、監督はなかなかOKを出さなくて。いつまで経っても決まらないから、自分の服に着替えて帰ろうとしたの。そうしたら監督が私の私服を見て『それがいい!』って(笑)。だからプレシャスの衣裳はほとんど私服を使っているのよ。メイクも髪型も私のアイディア。オーディションを受けたときはポニーテールで前髪パッツンでヘアバンドもしていて、それが当時のマイルックだったの。それから、実はワンシーンだけ監督もしたのよ!赤ちゃんにお乳をあげているシーンがそう。アカデミー賞はどうして私に監督賞をくれなかったのかしら(笑)」。様々な才能を秘めた新人女優ガボレイ・シディベのこれからの活躍が何とも楽しみではあるが、まずは『プレシャス』で彼女の圧倒的存在感を確かめてほしい。(text:Rie Shintani)■関連作品:プレシャス 2010年4月24日よりシネマライズほか全国にて公開© PUSH PICTURES, LLC■関連記事:シンデレラガール“プレシャス”ガボレイ・シディベ来日!「コンビニ行ってみたい」主演ガボレイ・シディベ舞台挨拶付き『プレシャス』女性限定試写会に40組80名様ご招待アカデミー賞総括!時代を切り拓く女たちの美しき勝利【アカデミー賞】助演女優賞は『プレシャス』のモニーク!NAACP(全国有色人種向上協会)イメージ・アワードで『プレシャス』6冠!
2010年04月22日今年のアカデミーで助演女優賞と脚色賞の2部門に輝いた『プレシャス』に主演し、自らも主演女優賞にノミネートされたガボレイ・シディベが来日し、4月5日(月)に開催された本作の特別試写会の舞台挨拶に登壇した。本作は、80年代後半のニューヨーク・ハーレムを舞台に、幸福とは言えない境遇に育った少女・プレシャスがフリースクールへの通学をきっかけに学ぶことの幸せを知り、自分の人生を生きる一歩を踏み出していく姿を描いたドラマ。真っ赤なドレスに身を包み、大きな拍手で迎えられたギャビー(=ガボレイ)は、日本の印象を尋ねられ「まだ多くは見てないけど、コンビニに行ってみたいし自動販売機で何か買いたい。あと、原宿にも行きたいわ」と語った。演技経験がほとんどないところから、アカデミー賞ノミネートに至った彼女をめぐるシンデレラストーリーは、映画の内容ともあいまって注目を集めているが、本人は「この映画以前は大学生兼受付の仕事をしてたの。女優を目指していたわけでもなく、たまたま友人に教えられたオーディションに気まぐれで行ったんだけど、月曜日にオーディション受けて、水曜日には役をもらったのよ」とケロリとした表情。演技に関しても「ほとんど初めてのことだったけれど、難しいとは全く思わなかった」とこともなげに語ったが、オスカー授賞式への参加に関しては「この作品が一体どこに行きついたのか?という意味で、誇りに思える出来事だったしとっても幸せだったわ」と嬉しそうにふり返った。タイトルの“プレシャス(=貴重な、大切な)”に因んで、あなたにとってかけがえにないことは?という質問に「できるだけ、眠ることね」と愛嬌たっぷりに答えてくれたギャビー。今後も女優を続けるか?という問いには力強く頷き「コメディにもホラーにも出てみたいし、スーパーヒーローもやってみたいわね」と意欲を見せた。最後には用意された色紙に筆ペンで、練習してきたというカタカナで“プレシャス”と豪快に書き込んでくれたギャビー。贈呈された桜の花を手に観客と共に記念撮影に収まった。『プレシャス』は4月24日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。■関連作品:プレシャス 2010年4月24日よりシネマライズほか全国にて公開© PUSH PICTURES, LLC 第82回アカデミー賞 [アワード]© Omelette/AMPAS■関連記事:主演ガボレイ・シディベ舞台挨拶付き『プレシャス』女性限定試写会に40組80名様ご招待オスカー女優のジンクス?K・ウィンスレットに続き、サンドラ・ブロックも夫と別居アナ・ケンドリック インタビュー “上司”ジョージ・クルーニーをおじさん呼ばわり?【シネマモード】今年のアカデミー賞を騒がせた、女王の“ドレス”とは?【ハリウッドより愛をこめて】アカデミー賞の裏ドラマ!S・ペンは前妻めぐり退席?
2010年04月06日