私はヨガのインストラクターです。児童館で子どもたちを対象にキッズヨガのレッスンを行うと、子どもたちは声を上げて喜んで動いてくれます。4、5歳頃は想像力・創造力がぐんぐん伸びる時期。チャレンジ精神旺盛な子はできないことに挑戦することが楽しいようですし、運動に苦手意識のある子も楽しめるよう工夫して進めていきます。マット1枚のスペースで楽しめるのも、ヨガのよいところですね。今回は、動物になりきって、身体づくりはもちろん想像力をフル回転させる脳にもよいキッズヨガの動きを紹介します。ぜひ親子で楽しんでください!動物園にロケットでGO!「なぜロケットで?」と突っ込まないで下さいね(笑)。キッズヨガには視覚的・創造的な要素も組み込まれています。体勢を工夫して何かになりきったり、何かをイメージすることがポイント。■ロケットの呼吸声かけ:「プシュー」「ドーン」など、好きな発射音でジャンプしてね。1.しゃがんで手を合わせる2.「10、9、8、、、」とカウント3.「0」になったらロケットのように思いっきりジャンプ幼稚園児くらいの年齢だと、「息を吸う」「息を吐く」と言われても、ピンとこないことも。そんなときは、「花の香りをかいでみよう!」など想像しやすいたとえがあるとすんなり理解してくれます。ロケットの呼吸についても、ロケットの風圧を想像できれば、お子さんは思い思いに「プシュー」などの発射音を長く伸ばしてくれます。呼気に意識が向けにくくても、結果的に長く息が吐けるようになります。また、和式トイレに慣れない今の子どもたち。発射前の座り姿勢は意外に体力を使います。そこからのジャンプはよい運動でもありますし、このロケットの呼吸は、有り余ったエネルギーを発散させる効果がありますよ。動物園に到着!動物になりきろう■フラミンゴのポーズ声かけ:「あ、入り口にフラミンゴ!キレイなピンク色だね」1.片足立ちになり、後ろに出した足と同じ側の手で足先をつかむ2.バランスをとりやすくするため、軸足と同じ側の手と後ろの足を同じ高さに保つ3.左右反対もやってみる幼児は身体に対して頭が大きいです。また、すぐにぐらぐらして倒れることが楽しくて、何度も繰り返します。そのため、バランスポーズは5歳くらいからが望ましいです。バランスを崩しても危なくない場所で取り組んでください。■ゾウが水をかける動き声かけ:「ゾウが鼻に吸ったお水をかけてきたよ~!」1.足を腰幅に広げて立ち、両手を合わせる(写真は手を返しているが、手のひら同士でOK)2.「パオーン」など声を出しながら、肩や肩甲骨回りが動くよう大きく八の字を描くできる範囲で大きく水をかけるように腕を振ると、肩関節も柔らかくなります。スマホやタブレットに見入った大人の凝り固まった背中や腰にも効きます。ママもパパもぜひ。■キリンの動き声かけ:「キリンが長い首を伸ばして葉っぱを食べているね、かわいい!」1.足を前後に開き、前脚に前屈2.起き上がり、両手を合わせる3.左右反対もやってみるしゃがんだときは、前後の足幅は広くせずバランスのとりやすい広さに。上体を起こしたときは、ムシャムシャ葉っぱを食べる様子を想像しながら両手を動かしてみてください。下半身の脚力や柔軟性も養い、意外に体幹も使います。■大きなクマの動き声かけ:「元気なクマがいる!大きな声を出しているよ」1.足は腰幅に開き前屈2.小さくなった状態から、のびやかにジャンプ楽しく声を張り上げましょう!立位の前屈からジャンプ。キリンの動きで使った身体を、ここで一旦ほぐします。大人にとっては、キリンもクマもお尻、腿裏、ふくらはぎのストレッチ効果も。ラストスパートで仕上げと休憩■ベンチのポーズ声かけ:「たくさん見て回ったね、ベンチで休憩しちゃう?」1.寝転がったあと、両手を頭側に伸ばし耳の横につく2.膝の下にかかと、肩の下に両手をつく。頭はだらんとせず顔を起こす休憩したいと言いつつ、自らがベンチになるポーズです(笑)。このポーズは、子どもの体幹をつけることはもちろん、ママのお腹の引き締め・二の腕痩せ・肩こり緩和・顔痩せ・美脚・ヒップアップ効果も!ただし、子どもは大人と比べて手首などの関節が弱いので、長時間のキープは避けましょう。子どもは2、3秒で十分です。■仰向けで風船の呼吸声かけ:「楽しかったね。目をつむってお腹の風船で遊んで帰ろう」1.おなかに両手をのせます2.おなかの中にある風船を膨らませたりしぼませたりするイメージ。まずは息を吐きだします3.3~4秒かけて息を吸い、3~4秒かけて息を吐きましょう。これを30秒~1分ほど繰り返します深い呼吸は心と身体を調和させ、神経のバランスを整える効果が高いです。「落ち着き」「集中力」を取り戻したり、緊張や不安を取り除く効果もあります。年中さんくらいまでは3秒の呼気、吸気で十分だと思います。大人は4秒だと短いかもしれません。それぞれの呼吸の様子を見て、長さは変えてください。子どもの体幹は普段の遊びの中で作られます空き地で走り回っているとき、ジャングルジムやクライミングで左右アンバランスな中でバランスを取ろうとするときの子どもの様子を思い返してみてください。肩や股関節の動き、お腹の力の入り方など、ひねったり、伸ばしたり、縮めたり。子どもの体幹は、普段の遊びの中で身についていきます。身体を動かすのが気持ちのいい季節です。遊びの中にキッズヨガを取り入れて、親子で体も心も整えてみてくださいね。<文・写真:ライターみち>
2020年10月11日