デビュー25周年を迎えた、ピアニストの横山幸雄。節目の年でもそうでなくても、普通では考えられないような重量級プログラムの演奏会を涼しい顔でこなす彼だが、特別な年だからこそできる企画については、「いつも通り、強い意気込みとともに臨みます!」と話す。横山幸雄 コンサート情報サントリーホールで行われる記念リサイタルでは、長年のレパートリーから初披露の作品まで、横山のピアニスト人生にさまざまな形で関わる楽曲を取り上げる。「25年で一番変わったことは何かと考えました。学生として音楽を勉強していた頃は、昔から聴いてきた巨匠のレコードや先生の言葉が少なからず表現に影響を与えていましたが、歳を重ね、そこから自由になって自分の表現を追求できるようになった。それが最大の変化です」そこで今回は、自由な音楽性を最も生かすことができる幻想曲や即興曲を中心に前半のプログラムを組んだ。「昔の作曲家たちは即興演奏が得意で、これがもし採譜されていたら幻想曲や即興曲になっていたでしょう。そこで、モーツァルト、シューマン、シューベルト、ショパンの幻想曲や即興曲に関連する作品を集めました。なかでもシューマンの幻想曲は初めてステージで弾きます」加えて、ずっと自身の傍にあった楽曲も取り上げる。「幻想即興曲やノクターン≪遺作≫、アンダンテスピアナートと華麗なるポロネーズ、バラード第1番などショパン若き日の作品は、僕が長く弾き続けてきたレパートリー。一方リストからは、彼の即興性が投影されたラプソディのジャンルから、スペイン狂詩曲を。これは約15年ぶりに取り組む作品です」横山の輝かしい音で聴けば間違いなく魅力的なものになりそうな、名曲揃いのプログラム。聴衆がそれぞれ理想の表現を思い描いているかもしれない“名曲”を演奏するにあたって、気負いのようなものはないのだろうか。「それは特にありませんね。まず、名曲はそれ自体が語ってくれます。いずれにしても、どんな曲でも結局は自分の理想に従って弾くしかありませんから、誰かの考えに合わなくても仕方ないと思うしかありません。無理にでも自信を持つことができなくては、ステージに立つことなどできませんよ。どこか楽観的なところがある人間でないと、演奏家としてやっていくのは難しいでしょうね」常に確信に満ちた表現をする横山幸雄らしい、精神の強さがにじむ答え。25年間第一線を走り続ける彼が辿り着いた、自由と確信の境地を聴くリサイタルとなりそうだ。25周年記念公演は2017年1月21日(土)に東京・サントリーホール 大ホールで開催。チケット発売中。取材・文:高坂はる香(音楽ライター)
2016年12月27日2015年・16年にアニメ、映画それぞれの公開を記念して開催された「四月は君の嘘クラシックコンサート」が、2017年も開催決定。2月19日(日)の佐賀公演を皮切りに、京都・大阪・愛知・栃木で全国5都市での開催を予定している。「四月は君の嘘」は『月刊少年マガジン』にて2011年5月号から2015年3月号まで連載された、新川直司による漫画。中学生のピアニスト・有馬公生とヴァイオリニスト・宮園かをりが、互いの才能に共鳴し合いながら成長する姿を描いた人気作品だ。2014年10月から2クールで放送されたアニメ化は、SUGOI JAPAN Award 2016を受賞するなど高い評価を得たほか、2016年には広瀬すず&山﨑賢人の主演で実写映画化されたことも記憶に新しい。今回のコンサートでは、アニメと映画に登場したクラシック音楽「サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ」や、「クライスラー:愛の悲しみ」、「ショパン:バラード第1番」などを中心に、第一線で活躍するクラシックアーティストによる生演奏が楽しめる。各会場にはゲストの出演も予定されており、より深く“君嘘”の世界観を楽しめる内容となりそうだ。【開催概要】「四月は君の嘘 クラシックコンサート2017」開催日程:■2017年2月19日(日) 佐賀・ 佐賀市文化会館大ホール時間:開場 14:30 / 開演15:00価格:一般3,500円※当日500円増。全席指定。チケット:ローソンチケット(Lコード: 8 3 1 0 8)、チケットぴあ(Pコード: 313-605)などで発売中TEL:佐賀市文化会館 0952-32-3000■2017年4月8日(土) 京都・八幡市文化センター大ホール時間:開場 14:30 / 開演15:00価格:一般3,500円、学生(高校生以下)2,000円※当日500円増。全席指定。チケット販売開始:2017年1月20日(金) 9:00〜チケット販売:ローソンチケット 0570-084-005(Lコード:59505)、電話予約 0570-084-005TEL:八幡市文化センター 075-971-2111■2017年4月9日(日)大阪・岸和田市立浪切ホール大ホール 時間:開場 14:15/ 開演15:00価格:一般4,000円、学生(高校生以下)2,000円※当日500円増。全席指定。チケット販売開始:2017年1月29日(日) 10:00〜チケット販売:チケットぴあ 0570-02-9999(P コード/318-456)、ローソンチケット 0570-084-005(L コード/53878)、CN プレイガイド 0570-08-9999TEL:浪切ホールチケットカウンター 072-439-4915■2017年4月15日(土) 愛知・幸田町民会館さくらホール時間:開場 14:30/ 開演15:00価格:一般3,500円、学生2,000円※当日500円増。全席指定。チケット販売開始:2017年2月19日(日) 9:00〜チケット販売:チケットぴあ(Pコード:319-225)、富士プレイガイド 0564-23-3838、ローソンチケット 0570-084-004(Lコード:47433)、電話予約 0570-084-004TEL:幸田町民会館チケットセンター 0564-63-5181■2017年4月16日(日)栃木・ 栃木県総合文化センターメインホール時間:開場 14:30/ 開演15:00価格:一般3,000円、学生2,000円※全席指定。チケット販売開始:2017年1月15日(日) 10:00〜チケット販売:栃木県総合文化センタープレイガイド窓口 028-643-1013©新川直司/講談社
2016年12月24日2017年1月から2月にかけて全国4都市で5公演が上演される「全国共同制作プロジェクト」の歌劇《蝶々夫人》(プッチーニ作曲)の発表会見が行なわれ、指揮者・演出家・主要キャストが顔を揃えた(12月13日・東京芸術劇場)。同プロジェクトはコンサートホールでのセミステージ形式のオペラ上演ながら、昨年全国10都市で上演された野田秀樹演出のモーツァルト《フィガロの結婚》が大きな話題を呼んだように、従来の演奏会形式上演の枠を超えた新たな劇場空間の在り方を示すプロダクションとしても注目されている。今回は、俳優・演出家の笈田ヨシが日本で初めてオペラ演出を手がける。ヨーロッパを拠点に活動する笈田は、ピーター・ブルックの多くの舞台に出演してきた俳優であり、演出家として演劇、オペラなどを手がける、世界的な演劇人だ。今回の演出について次のように語った。「プッチーニが意図した重要な要素のひとつはエキゾティシズム。それを日本でやってもエキゾティックでもなんでもないので、プッチーニの望んだ異国情緒は表現できない。その代わり、日本人が観ても、絵空事ではなくて本当に起こったことであると信じられるお話にしたい。外面的な風俗ではなく、人間の真実を描くこと。日本人とアメリカ人の心持ち、その行き違いを表現したい」オペラの題材は豊かな国と貧しい国との間に今も存在する普遍的な問題だ。「豊かな国の男たちが貧しい国へ行って女を買う。そういうお金のことではなく、本当の人間関係とはなんだろう。お客さんが現代と照らし合わせて、人間関係、男女関係を考えていただける要素を提供できると思います」とはいえ、難渋な哲学的考察になるわけではないから安心してよさそうだ。「僕はオペラを観るといつも寝ちゃうんですよ(笑)。だから僕が演出する時はせめて、音楽にあまり関心のない人でも楽しめる、面白いものをお観せしたいと思っています」オペラの主役はもちろん蝶々さん。広い声域とドラマティックな表現が要求されるわりに、役柄の設定としては純真でいたいけな十代の少女という難しい役を演じるのは、中嶋彰子と小川里美。美しい容姿を併せ持つふたりのダブルキャストだ。アメリカ人女優サラ・マクドナルドがケイト役で「オペラ・デビュー」を果たすのも話題になりそう。公演は1月22日(日)金沢、1月26日(木)大阪、2月4日(土)高崎、2月18日(土)・19日(日)東京で。取材・文:宮本明
2016年12月15日クラシックのコンサートやイベントなどの情報を初心者にも解りやすく紹介するフリーペーパー『ぴあクラシック』。最新号の巻頭特集では、現在公開中の映画『オケ老人』で主演をつとめる女優・杏のインタビューを紹介。映画『オケ老人』は、元々ヴァイオリンの演奏が好きだった数学教師・小山千鶴(杏)が、ちょっとした勘違いからお年寄りだらけのアマチュア・オーケストラに入団してしまうというドタバタ奮闘劇だ。「楽器に触れた経験もなく、クラシック音楽に詳しいわけでもなかった」という杏だが、無印良品の店内BGM(世界の音楽を巡るシリーズ)のケルト系の音楽がお気に入りで、モデルの仕事でフランスやイタリアを訪れた際に現地の音楽にも触れるなど、クラシック音楽への興味自体はあったという。本作ではヴァイオリンと指揮に初挑戦。クランクインの半年前からヴァイオリンと指揮の練習を開始して、演奏シーンもプロの演奏家の指導のもとで妥協せずこだわり抜いたという。最初はへたくそでも目標にたどりつくことの喜び、実際に指揮棒や楽器に触れたことで変わった音楽に対する接し方など、どのように本作と、そしてクラシック音楽と向き合っていったのか。「これからもヴァイオリンは続けていきたい」とまで語るに至った彼女の思いが詰まったインタビューだ。『ぴあクラシック』のもうひとつの特集は「今からでも間に合う! 年末年始のクラシック・セレクション!!」。冬の定番である第九、クリスマス、ジルヴェスター、ニューイヤーなど、毎年趣向をこらしたコンサートが盛りだくさんのこのシーズン。今年見逃せないコンサートをピックアップして紹介する。フリーペーパー『ぴあクラシック 2016/17 Winter Vol.41』は、全国のチケットぴあ店舗(一部を除く)、全国のコンサートホールやレコード店にて配布。また、チケットぴあのWEBサイトでWEB版(ebook)も公開中。
2016年12月03日「難しそう」「ハードルが高そう」などと、なぜか一歩引いちゃうクラシックコンサート。でも食わず嫌いはもったいない! 最近は、子どもと楽しめるプログラムもたくさんあります。あなたも思いきって、我が子とホールに出かけてみませんか?■子連れの今こそ、クラシックコンサートデビューリラックスしたり、集中力を高めるのによいといわれるクラシック音楽。「胎教によい」と聞きつけて、妊娠中に聴いていたママも少なくないでしょう。たしかに、さまざまな楽器が織りなす美しいハーモニーは、心のすみずみまで染み渡るかのよう。子どもの情操教育にもよさそうです。ただ、クラシックコンサートに行くとなると、なんだか堅苦しくて息が詰まりそうなイメージも。実際、ちょっとした物音もタブー、自由に出入りはできないし、拍手のタイミングも難しい…という現実があります。そうした緊張感に怖気づき、どうしても足が向かないというママも少なくないのではないでしょうか。しかし、未就学児OK、子どものためのコンサートなら大丈夫。なじみのあるポピュラーな曲がメインだったり、指揮者体験や楽器紹介コーナーなどがあったりして、普段着のまま肩肘張らずに堪能できるはず。多少の物音にも寛容だし、短いプログラムには変化がいっぱい! 子どもも飽きたり騒いだりせずに過ごせるはずです。そうした催しは値段もお手頃だったり、無料ということも。あちこちで開催しているので、こまめにチェックしてみては?■子どもを成長させる非日常空間メロディーに感動したり、演奏者の動きにくぎづけになったり、楽器そのものに興味を抱いたり…。コンサートの楽しみ方は自由。五感をフル稼働させ、難しいことなど一切考えずに心のままに味わおうとする子どもと一緒なら、ママだって気負うことなく、純粋に音楽を楽しめるでしょう。中には、最初から最後まで寝たまま、グズッてしまって途中退出…なんていうケースも。しかしそれすらも母子コンサートの醍醐味。一緒に経験したすべてが、大事な思い出になります。また、コンサート会場の非日常感にもさまざまなメリットが! 実際に参加したママの声を紹介します。「私の趣味で、あちこちの演奏会へ子どもを同伴。そうした経験を重ねたからか、大人がたくさんいたり静かだったり、緊張を強いられるような場所に連れて行かれてもへっちゃらに。子どもながらに、空気を読むようになった気が…」(40代前半)どこへ行っても堂々としていられるよう、幼い頃からいろいろなシチュエーションに慣らしておくのは大事なこと。コンサートの空気は、子どもを成長させるきっかけにもなるようです。■隠れた才能が花開く可能性も子どもたちの可能性は無限大! 幼い頃からいろいろなことを経験させてあげれば、選択の幅はグンと広がるというもの。クラシックのコンサートもそのなかのひとつです。「演奏会で興味をもち、バイオリンを習うことに。いざ始めてみると、音感もよくて上達も速いほう。何より、本人が楽しそうにレッスンしていることにびっくり。私も夫も、クラシックとは無縁。コンサートに連れて行かなかったら、我が子の才能に気づけなかった」(30代前半)ママと一緒に出かけたコンサートがきっかけとなって、我が子の未来に道が開ける…なんてことも夢ではないかもしれません。
2016年11月30日ザ・ノース・フェイス パープルレーベル(THE NORTH FACE PURPLE LABEL)の2016-17年秋冬コレクションを紹介。今シーズンは「ニュークラシック(NEW CLASSIC)」が大きなテーマ。ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)がこれまで発表してきた過去の名品のアップデート、見た目のデザインはクラシックだが、素材や製法をテクニカルにしたもの、そしてその逆。革新と伝統を融合させたアイテムを提案する。特筆すべきは、ハリスツイード(HarrisTweed)を使用したロングセローだろう。ザ・ノース・フェイスがリリースした1970年代のセローをベースに、シルエットや機能性を刷新。ダウンには人体からの遠赤外線を熱に変えて保温する光電子ダウンを使用しており、保温性・防風性が高く、見た目に反する軽やかな着心地だ。クラシックなアウトドアを連想させるウインドパーカーに、へリンボーン柄をプリントした高密度タフタ素材を、古典的な千鳥格子を配したタートルネックシャツに、ポーラテック社の毛足の長い柔らかなハイロフトフリースを……。アウター、トップス、ボトムス、そしてバッグ、どれをとっても「ニュークラシック」が感じられる。また、ブランド創業50周年目となる今シーズン。その歴史に敬意を表した限定コレクションも展開している。クルーネックのダウンセーターは、薄く軽量ではあるが、ハリスツイードと同じく光電子ダウンを採用しているので温かい。小物では、水に強いクロームレザーを採用したデイパックも提案している。ショルダーベルト裏や背面の通気性を高めるためのダブルラッセルメッシュ仕様には、ザ・ノース・フェイス パープルレーベルらしい機能性への心遣いが現れている。
2016年11月22日ロッシーニで一番有名なオペラ『セビリアの理髪師』がまもなく新国立劇場で上演される。今回はオペラのフィナーレを飾るアルマヴィーヴァ伯爵の超絶技巧アリア「もう逆らうのをやめろ」が歌われると話題になっている。この曲に挑むテノール歌手のマキシム・ミロノフに話を聴いた。新国立劇場オペラ『セビリアの理髪師』チケット情報「このアリアは、例えて言えばレオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会に『モナリザ』が入っているようなものなんです。それがなくてもダ・ヴィンチの偉大さに変わりないけれど、やはり『モナリザ』を観られれば感動が違いますよね?」「『セビリアの理髪師』というオペラは今からちょうど200年前に生まれました。でも、そこに書かれている音楽は永遠に不滅です。長年上演されているうちに、時代の影響で音楽が重たくなったり、難しいアリアをカットしたりして本来の姿がゆがめられていましたが、近年のロッシーニ研究でこのオペラの真価を聴くことが出来るようになってきました」「もっとも重要なのがオペラを締めくくるアルマヴィーヴァ伯爵のアリアです。物語は僕が演じるアルマヴィーヴァ伯爵が、様々な困難を乗り越えて愛する人と結ばれるまでを描いています。このオペラは彼の成長物語でもあるのです。初演した歌手が優秀だったのでロッシーニは彼のためにオペラのフィナーレに「もう逆らうのをやめろ」という超絶技巧のアリアを書きました。ところがあまり難しいのでこのアリアはカットされることが多かったんです。最近はロッシーニ歌手の技術が進んで僕を含めてこのアリアを歌う場合が増えてきました。『セビリアの理髪師』という作品の価値をより輝かせる名曲です。日本のお客さんにもぜひ聴いていただきたいです」演出は人気の高いヨーゼフ・E.ケップリンガーだ。「規模が大きく仕掛けがたくさんある、とても良いプロダクションです。カラフルでモダンなのにオペラのストーリーをきちっと伝えているところが素晴らしいと思います」ミロノフはロシア出身だが、今やロッシーニ歌手として世界中で活躍している。「日本に来る前にはウィーン国立歌劇場で『ラ・チェネレントラ(シンデレラ)』を歌っていました。日本の次はイタリア、次はスイス、次はフランスと、来年も僕が歌うオペラはほとんど全てロッシーニです。自分で自分のことを『ロッシーニ大使』と呼んでいます(笑)。」ロッシーニを世界に広めるロッシーニ大使が歌う名アリア、お聴き逃しなく!11月27日(日)から12月10日(土)まで東京・新国立劇場 オペラパレスにて。チケット発売中。取材・文:井内美香
2016年11月21日開館30周年の記念公演が目白押しのサントリーホール。その掉尾を飾る大型企画「ザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPAN」がいよいよ始まる。1967年、大指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが自らの音楽的理想を実現すべく私財を投じて起ち上げた音楽祭だ。開幕前日の11月17日、音楽監督クリスティアン・ティーレマンらが出席して記者会見が行なわれた。「ザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPAN」チケット情報音楽祭の中心を担うのはティーレマンと音楽祭のレジデント・オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデン。サントリーホールの名物企画だった「ホール・オペラ」が復活するワーグナー『ラインの黄金』では、普段の彼らと違って舞台の上でオペラを弾く。劇場ではオーケストラ・ピットで演奏するのが常の彼らにとっては特別な形の上演だ。ティーレマンは言う。「歌手の声と音量のバランスをとりながら、美しい響きを作るチャレンジを楽しみたい。録音に近い、クリアな響きになるのではないか。最良の形をお聴かせできると確信している。このオーケストラが伝統的な響きを維持しているのは現代では貴重。丸みのある、暗くて、同時に明るい音。攻撃的に前に出すぎることがない音は、オペラでは特に重要だ」オーケストラ・コンサート2公演では、ベートーヴェンのピアノ協奏曲のソリストに予定されていたイェフィム・ブロンフマンが病気降板のため、キット・アームストロングが代演する。ティーレマンが「第二のブレンデルと呼べる才能」と認める新鋭ピアニストだ。プログラム全体に特別な彩りを添えるのが、創始者カラヤンの長女で女優のイザベル・カラヤンが出演する一人芝居『ショスタコーヴィチを見舞う死の乙女』だ。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番を中心に、音楽と、彼の同時代人たちのテキストを組み合わせた舞台作品(字幕付き)。生前のカラヤンはイザベルに、「もし自分が作曲できるとしたら、ショスタコーヴィチのように作曲したいんだ」と話していたそう。彼女は「こうして『イースター音楽祭』と書いたIDカードを下げてここにいるだけでうれしい。日本が大好きだった父もきっと誇りに思ったはず。父がホールのどこかにいるのを感じながら舞台に上がります」と感慨深げだった。互いに「相性ぴったり」と認め合うオケと指揮者の類いまれな呼吸が、カラヤンと故郷ザルツブルク、カラヤンと日本、父と娘、30周年と50周年。さまざまな思いと交差する。取材・文:宮本 明
2016年11月18日新国立劇場の2016/17シーズンのオペラ第2弾『ラ・ボエーム』(プッチーニ)が11月17日に初日を迎えた。2003年の新制作以来、これが5度目の上演となる粟國淳演出のプロダクションは、奇をてらわない、音楽に寄り添った正攻法のアプローチながら、第2幕の斬新でダイナミックな転換など、観客の視線を楽しませる要素も盛りだくさん。決定版の呼び声も高い定評の舞台だ。数あるオペラのなかでもトップクラスの人気を誇る作品の高水準の上演。やっぱりオペラはこれだ。新国立劇場オペラ『ラ・ボエーム』チケット情報悲劇のヒロイン、ミミを歌っているのはルーマニア出身の美しいソプラノ、アウレリア・フローリアン。これが初来日でミミも初役とのことだが、『椿姫』のヴィオレッタが当り役というだけあって、押し引き自在な高域のコントロールは見事だし、感情表現の振幅も大きい。ミミの薄幸を、どこか透明な存在感の声で演じてみせた。恋人ロドルフォも初顔のジャンルーカ・テッラノーヴァ。第1幕のアリア〈冷たい手〉では名刺代わりに高音もたっぷり聴かせてくれたが、そのスピントのカッコいい二枚目声もさることながら、ほとばしる感情のままに言葉を繰り出すような第3幕の説得力も圧巻だった。ふたりとも、ヨーロッパで大きく知られ始めてからまだ5年ほどという新鋭だ。高まる評価の理由が納得できるとともに、これからさらに大きな名前になることを予感させる充実の出来栄え。初お目見えをぜひ聴いておいたほうがいい。イタリアのオペラ指揮者パオロ・アリヴァベーニ率いるオーケストラも好演。ミミがこときれる最後、一瞬の総休止のあとの悲劇的な総奏で幕が下りると客席からすすり泣きも。『ラ・ボエーム』のいつもの光景だが、実際、結末がわかっているのに何度観てもじわっと来るのは、ストーリーはもちろんだけれど、きっと音楽の力だ。名作!劇場のエントランスにはツリーやリースも飾られていて、クリスマスの雰囲気も盛り上がる。ミュージカル『RENT』の下敷きにもなった永遠のラヴ・ストーリーはクリスマス・イヴから始まるお話。かねてから、ぜひ毎年12月に上演してくれればいいのにと切望していたのだけれど、やっとクリスマスに近い季節に観ることができた。オペラ通はもちろん、初めてオペラを観るという方にもぜひおすすめしたい作品。音楽史上屈指の極上の音楽とともに、ひと足早いロマンティックなクリスマスを!新国立劇場の『ラ・ボエーム』は11月30日(水)まで。取材・文:宮本 明
2016年11月18日UGG(アグ)の2016年秋冬コレクションより登場した、シープスキンブーツ「クラシック ショート II」「クラシック ミニ II」。ブランドのアイコニックなブーツに、機能性をプラスしアップデートした新モデルだ。シルエットはそのままに、ラグジュアリーなツインフェイスシープスキンとスエードのアッパーに撥水・防汚性をプラス。さらに、アウトソールには軽さと柔軟性・耐久性・クッション性、そしてグリップ感を高めた新構造を採用。さらに、かかとにはレザーのロゴラベルをアクセントに添え、より魅力的なブーツに進化させた。1.7cmのインソールが入っているので、スタイルアップ効果があるのも嬉しい点。カラーはそれぞれチェスナット・ブラック・ネイビー・チョコレート・グレーの5色展開なので、普段のコーディネートに合わせて選んで。阪急うめだ本店では2017年1月18日(水)から24日(火)まで、「ディズニー・クリスタル・カスタマイゼーション」を実施。期間中は購入した「クラシック ショート II」「クラシック ミニ II」に、スワロフスキーで型取った「ミッキーマウス」など3種類のモチーフを無料でデザインできる。寒い季節に、自分好みのブーツをデザインしてみてはいかが。【詳細】UGG クラシックブーツ店頭で展開中・「クラシック ショート II」29,160円(税込)サイズ:22.0〜26.0cmカラー:チェスナット・ブラック・ネイビー・チョコレート・グレー・「クラシック ミニ II」24,840円(税込)サイズ:22.0〜26.0cmカラー:チェスナット・ブラック・ネイビー・チョコレート・グレー■ディズニー・クリスタル・カスタマイゼーション期間:2017年1月18日(水)〜24日(火)時間:10:00〜20:00場所:阪急うめだ本店 4階 プロモーションスペース44住所:大阪府大阪市北区角田町8-7【問い合わせ先】UGG / Deckers JapanTEL:0120-710-844
2016年11月17日ホール・オペラ《ラインの黄金》で開幕するサントリーホールのザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPAN(11月18日(金)から26日(土)まで)。オペラの後も、芸術監督クリスティアン・ティーレマンが、音楽祭の「現在」を切り取ったようなプログラムを次々に用意して待っている。ザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPAN チケット情報まずは11月22日(火)と23日(水・祝)のオーケストラ公演。管弦楽はもちろん、音楽祭のレジデントであるシュターツカペレ・ドレスデン(SKD)。両日ともイェフィム・ブロンフマンがベートーヴェンのピアノ協奏曲を弾く(22日(火)=第2番、23日(水・祝)=第5番《皇帝》)。ブロンフマンは《皇帝》を2013年の同音楽祭で弾いているほか、昨シーズンからこのメンバーでベートーヴェンのピアノ協奏曲を携えてヨーロッパ各地で公演を繰り返している。共演を重ねて熟成された呼吸が期待できるという寸法だ。協奏曲以外のプログラムに目を向けると、22日(火)はチャイコフスキーの幻想序曲《ロメオとジュリエット》とリストの交響詩《前奏曲》。今年3月の同音楽祭のプログラムの再現。そして23日(水・祝)はR.シュトラウス《アルプス交響曲》。言うまでもなく、初演オーケストラでもあるSKDの十八番だ。昨年2月来日公演での《英雄の生涯》の凄演に続いて、ティーレマンとSKDがR.シュトラウスの新たな伝説を刻んでいってくれるに違いない。渋い輝きを放つ重厚なサウンドが今年も。26日(土)にはブロンフマンのリサイタルも。昨年日本での久しぶりのソロ・リサイタルはプロコフィエフ特集だったので、「やっぱり古典も聴きたい!」というファンは特に聴き逃せない。バルトーク《組曲》、シューマン《フモレスケ》、ドビュッシー《ベルガマスク組曲》、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番《熱情》という王道プログラムだ。19(土)の女優イザベル・カラヤンによる一人芝居『ショスタコーヴィチを見舞う死の乙女』(ドイツ語・日本語字幕)も目を引く。イザベルは当音楽祭の創始者である20世紀の巨匠カラヤンの長女。この音楽祭ならでは企画だ。ショスタコーヴィチの苦悩を描く音楽劇は、昨年の音楽祭で上演され、音楽と詩を結びつけた独自の舞台が絶賛されたというから楽しみ。演奏はピアノと、SKDメンバーによる弦楽四重奏。ザルツブルクでは来年春に50周年の節目を迎えるイースター音楽祭。そのエッセンスをぎゅっと詰め込んだ、興味をそそる9日間だ。取材・文:宮本明
2016年11月04日東京二期会オペラ劇場で11月に上演される《ナクソス島のアリアドネ》(R.シュトラウス)が現行の形で初演されてから今年でちょうど100年。指揮シモーネ・ヤング、演出カロリーネ・グルーバー。二期会の歴史で初めてという、女性コンビによる上演だ。来日したふたりが記者会見に臨んだ(10月27日)。「ナクソス島のアリアドネ」チケット情報ヨーロッパの主要歌劇場で華々しいキャリアを築いているヤングの来日は、2003年にNHK交響楽団を指揮して以来13年ぶり。個性的なキャラクターが次々に登場し、室内規模の36人編成のオーケストラとともに緊密な音楽の流れを紡ぎ出すこの作品を、「オーケストラと歌手とが互いに作り合う、宝石のような音楽。そして芸術の、シリアスなばかりではない、明るい面を提供できる楽しい作品」と評す。また、「一生懸命な若い人たちと楽譜に深く入り込んでゆくのは楽しい作業だ」と、2日前から始まっている歌手たちとのリハーサルの感触を語った。一方のグルーバーも、ドイツのオペラ専門誌で2度にわたって年間最優秀演出家にノミネートされている注目の存在だ。今回の舞台は2008年にライプツィヒ歌劇場で初演したプロダクション。物語はオペラの楽屋裏ばなしで、オペラ上演を巡って主催者の気まぐれに振り回される音楽家たちの困惑をコミカルに描いたプロローグと、劇中劇として演じられるそのオペラ《ナクソス島のアリアドネ》本編から成る。グルーバーは「実に多層的に多くのテーマが隠れている。それをバラバラにではなく、わかりやすくひとつにすることを心がけた」という。プロローグが見すぼらしい殺風景な地下のスペースで演じられるのは、芸術家がいかに粗末に扱われているかを象徴しているのだそう。会見後には立ち稽古の一部が報道陣に公開された。コロラトゥーラの高度な技術が要求される難曲として知られるツェルビネッタのアリア〈偉大なる王女様〉にも、ステージ上を広く使った、そして細かい表情の演技が次々と指示されてゆく。突っ立って歌うだけでも難しそうなのに…。しかし観る側にとっては楽しさ倍増。1か月後に完成する舞台の多彩さを大いに期待させた。折しも来日したウィーン国立歌劇場が同演目を上演したばかり。この作品の異なる演出による舞台を、ひと月と置かずに同じ都市で観られるのは、世界的にもかなりレアな出来事のはずだ。公演は11月23日(水・祝)・24日(木)・26日(土)・27日(日)の全4回(初日のみ17時、他は14時開演)。いずれも東京・有楽町の日生劇場で。(宮本明)
2016年10月28日ザルツブルク・イースター音楽祭(復活祭音楽祭)がサントリーホールにやってくる(11月18(金)~26日(土))。ザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPAN チケット情報ザルツブルクは巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989年)の生まれ故郷だ。彼が1967年に創設したイースター音楽祭は、毎年春に、オペラ上演とオーケストラ・コンサートを中心に約10日間にわたって開催されている。夏のザルツブルク音楽祭とは別組織。年によって暦が移動するキリスト教の「復活祭」に日程を合わせてはいるものの、音楽祭の中身には宗教的な色合いはほとんどなく、イエスの受難日である聖金曜日に「レクイエム」などの宗教曲が演奏されるのが定番になっている程度。もともとカラヤンが自身の芸術的理想を自由に発揮するために起ち上げた場だったのだ。たとえばカラヤン存命中のオペラのほとんどで、カラヤン自身が演出家も兼ねていたように!そんなカラヤンの庭のような音楽祭が開館30周年を祝うサントリーホールで開催されるのは、彼が設計段階からアドバイスを寄せて愛したこのホールにふさわしい。カラヤン亡きあと、現在の音楽祭を担う芸術監督のクリスティアン・ティーレマンと、彼が首席指揮者を務めるシュターツカペレ・ドレスデンが来日して、音楽祭のエッセンスが凝縮されたプログラムを繰り広げる9日間だ。開幕を飾るのは《ラインの黄金》(11月18(金)・20日(日))。ワーグナーはこの音楽祭を彩る重要なレパートリーで、特にカラヤン時代には、上演されたオペラの6割以上がワーグナーだった。その精神を継承した現代屈指のワーグナー指揮者ティーレマンが、ミヒャエル・フォッレ(ヴォータン)、藤村実穂子(フリッカ)ら世界の一線で活躍する歌手たちを率いてワーグナーの真髄を聴かせてくれるはず。そしてさらなる注目ポイントが、そう、サントリーホールでオペラといえばあれ!1993年から2010年まで続いた「ホール・オペラ」が、この《ラインの黄金》で復活するのだ。コンサートホールの音響や空間を最大限に活用した演出により、歌劇場での上演とは異なる感興の、未体験の舞台が毎回出現する好企画だった。今回は、2006年のホール・オペラで《トゥーランドット》を手がけた演出家デニー・クリエフにより、楽劇の理解を視覚的にもフォローする仕掛けが施されているという。歌手とオーケストラが同じ舞台上で演奏することで音楽の密度が高まるのも、特にワーグナーでは大歓迎。初日が待ち遠しい。取材・文:宮本明
2016年10月27日10月も下旬に入ってようやく秋の気配が感じられる東京だが、一足飛びに早くも春の話題を。東京・上野に、音楽で春の訪れを告げる風物詩「東京・春・音楽祭─東京のオペラの森─」。その来季、第13回の開催概要が決まり、発表会見が行なわれた(10月24日)。東京春祭ワーグナー・シリーズ チケット情報オペラ・ファンにとっての目玉は、なんと言っても、2010年から続く「ワーグナー・シリーズ」だ。名匠マレク・ヤノフスキが年1作ずつ進めてきた『ニーベルングの指環』4部作が《神々の黄昏》でいよいよ完結する(4/1、4)。会見には、ウィーン国立歌劇場とともに来日中のヤノフスキも出席、特に共演のNHK交響楽団の実力を賞賛しながら、過去3年を「芸術性の高い成功した公演」と振り返った。今夏のバイロイト音楽祭の『指環』で久しぶりにピットに復帰したヤノフスキだが、「春祭リング」の特色である映像による演出(田尾下哲)を高く評価。「演出が音楽を邪魔しない、とても良い解決策」と、音楽よりも演出重視の傾向が優勢なオペラ界の姿勢に、90年代から長く背を向けていた彼らしい視点で、演奏会形式上演の音楽的な利点に満足気な様子をうかがわせた。コンサートも、さまざまな角度から趣向を凝らした公演ばかり。4年目の「合唱の芸術シリーズ」は、シューベルトの《ミサ曲第6番》をウルフ・シルマー指揮東京都交響楽団と東京オペラシンガーズで(4/9)。大作合唱曲をプロ合唱団で聴ける機会は意外に少ない。音楽祭のレジデント・オーケストラである「東京春祭チェンバー・オーケストラ」は、6年目を迎えて若手精鋭中心の編成に衣替え。フレッシュなエネルギーが充溢しそうだ(3/20)。他にも、上述の『指環』の関連プログラムによる室内楽や、新たに始まる5年がかりのブリテン特集など、気になる公演が目白押しで困る。「春祭」らしいお楽しみが、上野の各博物館や美術館での「ミュージアム・コンサート」だ。コンサートホールとは異なる雰囲気の中で音楽を聴く体験は実に新鮮で、世界遺産に登録されたばかりの国立西洋美術館や、国の重要文化財の国立科学博物館日本館など、歴史的な建築物での公演も超貴重。さらには、上野駅や飲食店、オフィスビル、花見会場まで、人が集まるところならどこでも音楽の場にしてしまうのが「春祭」流。3月16日(木)から4月16日(日)まで1か月にわたって繰り広げられる有料・無料約150の公演を、桜とともに心待ちにしよう!取材・文:宮本明
2016年10月26日ウィーン国立歌劇場2016年日本公演最初の演目《ナクソス島のアリアドネ》(リヒャルト・シュトラウス)の初日を翌日に控えた10月24日。出演者らが顔を揃えた開幕会見が、公演会場の東京文化会館で行なわれた。ウィーン国立歌劇場 来日公演 チケット情報ドミニク・マイヤー劇場総裁が「現在あるオペラの中で最も美しいオペラ」と語る《ナクソス島のアリアドネ》だが、歌手には高度な実力が要求される作品だ。既報のように、出演予定だったヨハン・ボータ急逝(9月8日)の悲報を受け、急遽バッカス役に起用されたのはステファン・グールド。つい先日まで新国立劇場の《ワルキューレ》でジークムントを歌っていた彼は、その後10月22日に台湾でマーラーの《大地の歌》を歌ったあとにトンボ返り。23日早朝に羽田に到着したその足で総稽古に直行した。バッカス役は「十分に歌えるテノールは世界に数人だけ」(指揮者マレク・ヤノフスキ)という難役だが、心配は無用。2012年にウィーンで新制作された今回のプロダクションの初演キャストがグールドだったのだ。「悲しい理由で戻ってきた。偉大な友人に代わりはいない」と弔意を表したうえで、「オリジナルは自分。よく知っているプロダクションなのでいつものように歌いたい」と自信を語った。会見には他の主要キャストも出席。音域の広い題名役アリアドネを歌うグン=ブリット・バークミン。難易度の高いコロラトゥーラの技法とカンタービレが要求されるツェルビネッタ役のダニエラ・ファリー。ズボン役の作曲家は、初来日のステファニー・ハウツィール。ヤノフスキはリハーサルに大いに手応えを感じたようで、「みんな、明日の初日まで病気にならないでほしい」と会場を笑わせた。そのヤノフスキといえば、「演出ありきの傾向に嫌気がさした」と1990年代以降はオペラ劇場と決別し、今年のバイロイト音楽祭で実に久しぶりにピットに復帰した、一家言の持ち主。しかし登場人物の心理描写を大切にする今回のベヒトルフ演出は、「舞台で起こっていることに指揮者が責任を持てる」と、彼の厳しいお眼鏡にも適っている様子。盤石の歌手陣も得て、音楽を尊重した充実の上演が繰り広げられるはずだ。《ナクソス島のアリアドネ》は10月25(火)・28日(金)・30日(日)の3公演。日本公演はそのあと11月6(日)・9日(水)・12日(土)《ワルキューレ》(東京文化会館 大ホール)、10日(木)・13日(日)・15日(火)《フィガロの結婚》(神奈川県民ホール 大ホール)と続く。取材・文:宮本 明
2016年10月25日昨年、映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』をオーケストラの生演奏で楽しむ『ディズニー・イン・コンサート』で美声を披露したジャック・スケリントン役のダニー・エルフマンが、再び帰ってくる。明日、10月22日(土)・23日(日)に『ティム・バートン&ダニー・エルフマンのハロウィーン・コンサート』が東京・東京国際フォーラム ホールAで開催。20日には都内某所でリハーサルが行われた。【チケット情報はこちら】今回のコンサートは、ティム・バートン監督とダニーがタッグを組んだ全15作品を総勢130人のオーケストラとコーラスで生演奏するコンサート。2014年に日本でも開催されたコンサートの再演で、前回同様にジョン・マウチェリが指揮を務め、東京フィルハーモニー交響楽団が演奏、洗足フレッシュマン・シンガーズ/NHK東京児童合唱団がコーラスを担当する。また、スペシャルゲストとして、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』でサリーの吹き替えをした土居裕子も出演し『サリーの歌』を披露する。この日が初のリハーサル。コンサートをリードするジョンは、「また来日できてうれしい」と久しぶりの再会に笑顔で挨拶。その表情からも、同じ顔合わせで開催できることを心待ちにしている様子がうかがえた。今年、スペインのバルセロナでも同内容のコンサートを行ったジョンは、楽譜を見ながら手早く且つ丁寧に各楽器に指示を与えていく。身振り手振りで演奏の盛り上がりを全身で表現し、メロディを口ずさみながら演奏に入るタイミングなどを指導するジョンは、実に楽しそう。『チャーリーとチョコレート工場』や『ピーウィーの大冒険』の演奏で自分の指示に適格に応えるオーケストラの面々に、ジョンは満足な表情で返す。演奏と手直しを繰り返し、次第に熱が帯びてくると、楽曲はカラフルに生き生きと生まれ変わっていった。コンサートと同様に、会場にはモニターが用意され、実際に流れる映像とともにリハーサルは行われた。映画の象徴的なシーンと、ティム・バートンが作品製作時に手描きしたスケッチなどをつなぎ合わせた特別編集映像は、『シザーハンズ』や『フランケンウィニー』などの作品を一層深く味わうことができるはずだ。2日間のリハーサルを終えると、東京国際フォーラム ホールAでのゲネプロを経て、本番を迎える。『ティム・バートン&ダニー・エルフマンのハロウィーン・コンサート』は、10月22日(土)・23日(日)開催。チケット発売中。取材・文:門 宏
2016年10月21日「私自身はずっとこの道を見てきました。この共演はとても大きなことなのです」11月に実現するエルサレム交響楽団との初舞台について、西本智実はその特別な思いを強調した。日本公演に先立つ11月12日には、エルサレム響の本拠地ヘンリー・クラウン・シンフォニーホールを訪れ初の共演を行う。西本智実(指揮)/エルサレム交響楽団 チケット情報「師匠をはじめ、多くのユダヤ系の名音楽家から、私は大きな影響を受けてきました。今まで約30か国で指揮しましたが、その音楽の旅の中でイスラエルは常に“道しるべ”のような存在でした。そして今回ついに、初めてこの国を訪れ、イスラエルを代表するオーケストラとの共演が叶います」会場の近くには有名な世界遺産「岩のドーム」がそびえ立つ。首都エルサレムは、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教全ての聖地としても知られている。「ここは宗教的にも独特の場所で、その多様な影響をしっかり体験してくるつもりです。現地で感じる空気とか、風とか、そういった言葉にできないものを持ち帰って、日本で聴く人にもイスラエルへの旅を想像していただけるような演奏にしたいです」記念すべき出会いに選ばれた作品は、マーラーの交響曲第5番。彼女が愛して止まない楽曲であると同時に、ユダヤ人マーラーはエルサレム響にとっても特別な存在である。「お互いにとって本当に大切な作品。彼らの持ってる演奏上の“語法”の中で、ある部分では共有したり、逆に化学反応を起こしたりなど、予想を超える体験になりそうでとても楽しみです」今回の日本ツアーも、西本の強い意向で、全10公演のメイン曲は本作のみという。それだけマーラーへの思いは強い。「マーラーの作品については、歌がない場面でも歌曲的というか、“無言歌”のようにも感じます。第5番の有名なアダージェット(第4楽章)は特に隠れたテキストを感じますね」「ただ、綺麗だけでは片付けられないのもマーラー。とにかく感情の振り幅がものすごい。演奏者も心して取り組まないと、精神的にも肉体的にも参ってしまうほどです」「音楽というものは、演奏家だけでは完成せず、聴く人の中に届いて最終完成します。ぜひご来場いただき、一緒に音楽を作り上げましょう」超名曲ドヴォルザークのチェロ協奏曲や、映画「ベニスに死す」のテーマ曲「アダージェット」でおなじみのマーラー第5交響曲など超豪華プログラムの今公演は11月29日(火)東京芸術劇場 コンサートホールにて開催。
2016年10月20日ヴェルディ、プッチーニなどのイタリアオペラを始め、三島由紀夫の小説をオペラ化した『金閣寺』や、軽妙洒脱なオペレッタ『チャールダーシュの女王』、ミュージカル『三銃士』でも、シャープで洞察的な演出が大きな話題を呼んだ演出家・田尾下哲。数多ある演出の可能性から「原典」と「スコア」の分析を重要視し、入念なプランによって全体を構成していく手法は、多くのプロダクションで優れた演劇効果を上げている。モーツァルトの『後宮からの逃走』はテーマ的にもとても難しい、という田尾下さんのコメントからインタビューははじまった。オペラ『後宮からの逃走』全3幕 チケット情報「ドイツ語の翻訳をドラマトゥルクの庭山由佳さんと見ていって、原語をそのまま日本語のセリフに移し換えて上演するのは大変難しいことに気づきました。テーマが、宗教差別や人種差別を扱っているので、いわゆる今日的な状況では『不適切な表現』が数多く出てくるのです。ですから、ドイツ語で理解した上で原作にある偏見を洗い流した台本を編み直しました。演出プラス、上演台本を担当するという形になっています」通のオペラファン以外は、ストーリーを知らない観客も少なくない『後宮からの逃走』。物語の神髄を伝えるために重要な役として浮上してきたのが、黙役であるトルコ太守セリムだという。俳優の宍戸開さんが演じる。「オペラの序曲で、セリムが南アフリカ時代にどういう目にあい、どういう人間関係を経験して今に至るかを、パントマイムや合唱の方の芝居で表現する予定です。モーツァルトのオペラで、これほど黙役が大きい意味をもつものは存在しないんですよ。歌わない役の「赦し」がこのオペラの大きなテーマになっている…だからこそ婚約者への貞節を誓うコンスタンツェの信念の強さが意味をもつんです。セリムが許すことで、心の中で犠牲にしなければならなかったもの…たとえば復讐心といったものを表していかなければと思います。「赦す」って、生ぬるいことではないんですよ」指揮者の川瀬賢太郎さんは、長い間年上の指揮者としか仕事をしてこなかった田尾下さんにとって、一回りも年下世代のマエストロ。川瀬さんからの質問には、こんな答えが。「どこで演出のアイデアを考えるか? というと、場所は関係なく楽譜を見ているときに色々思いつきます。特にオーケストラのフルスコアを見ていると色々なイメージが湧くんですよ。モーツァルトで一番好きなオペラは、『フィガロの結婚』で、次に川瀬さんとやりたいのも『フィガロ』がいいですね。(田尾下さんは天然ですか?の質問には)どちらかというと計算ずくです。アシスタント時代が長かったので、人を言葉で傷つけないように意識的に振る舞うことを心がけています。いつも冷えピタシートを貼っているのは…片頭痛のせいです。脳がオーバーヒートすると頭痛が起こるので…でも、友人のすすめで先日MRIを撮影して、異常がないとわかってから、片頭痛も起こらなくなりました(笑)」11月11日(金) から11月13日(日)まで東京・日生劇場にて。取材・文:小田島久恵
2016年10月12日広汎性発達障がい、解離性障がいがありながらも、数々のコンクールに入賞し、5年ほど前からソロコンサートを開いている宮崎出身のピアニスト、野田あすか。彼女が初めて東京でのソロコンサートに挑む。野田あすか ソロコンサート今回のコンサートは二部構成。前半では、ショパン「幻想即興曲」、ドビュッシー「2つのアラベスク」第1番といったクラシックを予定しているが、なんといっても注目は、後半に彼女が演奏する自作曲の数々だ。「この1年間に作った曲から何曲か弾きます。『あしたに向かって』は、明日に向かってがんばるエネルギーを充電して、爆発させるイメージの曲です。いつもがんばれるわけではないから、エネルギーを貯めるためにひと休みしたり、心をゆったりさせたりするところもあります。そういう、私の中のエネルギーの動きを曲にしました。また、『しあわせのプレゼント』を作った時は、まわりのひとや、ステージでわたしを包む光や音などを、表現したいと思いました。前半は、私がメロディで、その周りを、人や光の伴奏に包んでもらっています。後半は、幸せのメロディーを音にしました」幼いころから、障がいが原因で、いじめや転校、退学、自傷、パニック、右下肢不自由、左耳感音難聴などでの入退院を繰り返してきた野田。今も腕にはリストカットの傷が残る。しかし、今の彼女にあるのは感謝の気持ち。その情感豊かな演奏にも、紆余曲折を経て辿り着いた、明るさや優しさがあふれている。「私は今まで周りのみんなに迷惑をかけたり困らせたりしてきました。でも、ステージで演奏させていただくようになって、自分だけが練習して自分だけが舞台に立っているのではなく、たくさんの方に支えられて励ましてもらっていたことに気づいたんです。また、舞台のお手伝いをしてくれるひとやCDを聴いてくれるひとがたくさんいるんだとわかりました」他の楽器を弾いた経験もあるそうだが、ピアノのどこに魅せられたのだろうか?「ヴァイオリンやトランペットならひとつの音を自分で伸ばしたり、音を大きくしたりすることができるけれど、ピアノの音は、一度鍵盤を叩いたらあとは消えていく。その一音一音が切ないの。大事に弾き過ぎて、先生に『ちょっと遅い』と言われてしまうこともあります」はにかむように笑う姿が印象的だが、その言葉や音には、常にしなやかな強さがある。「東京でソロで弾くのは初めてなので緊張もしているけれど、心を込めて、みなさんがほっこりにっこり帰ってくれるように弾きます。いつもの私のコンサートでは泣いている人もいるけど、最後はみんな笑顔なので、ぜひ自由に楽しんでほしいです」公演は10月19日(水)東京・王子ホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋彩子
2016年10月11日11月に日生劇場で上演されるモーツァルト作曲『後宮からの逃走』(ドイツ語歌唱・日本語台詞)を振る川瀬賢太郎。1984年生まれの若い世代に属する指揮者である川瀬は、早い時期から実力派のスター指揮者として人気を集めてきた。能舞台を使った日本のオペラを指揮した経験はあるが、ピットに入る本格的なオペラは本作が初挑戦となる。「まだ歌手たちとの関係が初々しい(本人談)」稽古の2日目に、インタビューを行った。オペラ『後宮からの逃走』全3幕 チケット情報「『後宮からの逃走』はモーツァルトが26歳のときに作曲したオペラで、歌手のパートにはすごく難解なものが求められます。器楽的で繰り返しも多く、ひとつのアリアがとても長い。そこにどういう価値を見出していくかがこれからの作業です。音楽家としてモーツァルトというのは避けて通れない作曲家ですし、このオペラを経てシンフォニーやコンチェルトの理解も深まっていくと思いますね。経験があって豊富なアイデアを出してくる歌手たちと、作品に対してほぼ白紙の歌手がいて、後者に関しては僕がしっかりリードしていくつもりです」10年以上前に、日生オペラで『後宮…』が上演されたときも、この作品を見ていたという。指揮は広上淳一氏だった。「広上先生にはリハーサルも何度か見せていただいて、桜新町の稽古場に通ったことを覚えています。当時は大学二年生で、そのときはまさか自分が振るとは思っていなかった。読響さんとは約1年ぶりの共演になりますが、色々ディスカッションしながら、いい緊張感で作っていきたいですね。編成を刈り込んでいって、ティンパニも小さめのものを使う予定なんですよ」ここ何年も多忙なスケジュールが続いていたが、このオペラの稽古に集中するため、一か月間全くオーケストラの本番を入れていないという。「僕が働いている名古屋フィルも神奈川フィルもシンフォニーがメインだから、オペラ指揮者として僕は全くの新参者です。最終的には家族となる歌手やスタッフも含め、皆さんと時間を重ねてひとつのものを作っていきたい。そういう作業が嫌いだったら、オペラの仕事は断わっていますよ。僕は10年単位で自分の将来を考えるので、40歳に向けてオペラを中心的にやっていきたいというプランがあるんです」鞄にはモーツァルト関連の書籍と、アーノンクールのテンポに関する本が入っている。高価なベーレンライター版の布カバーの楽譜も「高価だけど、一生ものだから」と迷わず手に入れた。日々楽譜と睨み合いながら、歌手たちとのクリエイティヴな稽古を続けている。若きマエストロに、期待は募るばかりだ。公演は11月11日(金) から11月13日(日)まで東京・日生劇場にて。なお、チケットぴあでは10月8日(土)午前10時より帝国ホテルラウンジでのドリンク付チケットを販売。また、10月12日(水)には演出の田尾下哲のインタビューを配信予定。取材・文:小田島久恵
2016年10月07日マリインスキー歌劇場の来日公演で『ドン・カルロ』のタイトル・ロールを歌うヨンフン・リー。初来日は2011年で、メトロポリタン・オペラの『ドン・カルロ』でヨナス・カウフマンの代役として見事大役を成功させ、日本の聴衆にその名を知らしめた。その後も破竹の勢いで世界中のトップクラスの歌劇場で活躍を続けている。マリインスキーとの共演は2回目。マリインスキー歌劇場『ドン・カルロ』チケット情報「バーデン・バーデンで『ドン・カルロ』を彼らと上演しました。とても急なオファーでしたが、全力で準備しましたよ。マエストロ・ゲルギエフは僕の声をとても気に入って、終演後『君のレパートリーを全部教えてくれ。これまでにやった役をすべて契約したい』と仰ったんです。マエストロに認めてもらえたと感じ、とても嬉しかったですね」歌手ヨンフン・リーをスターにしたオペラが『ドン・カルロ』だった。「2007年のフランクフルト歌劇場での新制作で、メディアもTVも注目しているプロダクションでしたが、本番の2週間前に主役のテノールが解雇され、急遽僕が歌うことになったんです。それが大成功し、翌年にはバレンシア歌劇場でロリン・マゼールに招かれて同じ役を歌いました。マエストロ・マゼールからのオファーを、僕は最初断っていたんです。カナダの教会で歌う予定を入れていたので…マネージャーから叱られましたが、やはり神様がいたのか、マゼールは最終的に僕との共演を実現してくださったのです」役には全力で取り組む。最近では『アンドレア・シェニエ』をサンフランシスコ歌劇場で成功させ、ドン・ホセ、カヴァラドッシ、イズマエーレも得意とするが、圧倒的に歌ってきた回数が多いのは『ドン・カルロ』。「歌いなれた役とはいえ、本番前には全力で準備します。カルロの役は、文化的な背景も含め色々な歴史文献をあたって解釈を深めてきました。そうすると、演じているときに色々なことを考えずに「役を生きる」ことが出来るんです。演じているというよりも、100%ドン・カルロになり切っている状態です。演技していたのでは説得力はないし、自然な振舞いも出来ません」性格はオープンマインド。指揮者にもオーケストラにも心を開かなければ本物の歌は歌えないと語る。楽屋では衣装やメイクのスタッフともフレンドリーに会話をしていた。努力家で優しく、舞台に立つと別人のような威厳も放つ。優雅で高貴な雰囲気も、彼ならではだ。日本で5年ぶりのドン・カルロに期待は集まる。マリインスキー・オペラ来日公演は東京文化会館にて10月10日(月・祝)・12日(水)は「ドン・カルロ」、15日(土)・16日(日)「エフゲニー・オネーギン」が上演される。ヨンフン・リーの出演は「ドン・カルロ」のみ。取材:小田島 久恵(音楽ライター)
2016年10月07日記者会見よりシルヴァン・カンブルラン(C)読響9月30日、読売日本交響楽団の2017~18年シーズンの公演プログラムの発表会見が行なわれ、来年4月からの充実のラインナップが明らかになった。最大の注目は、来年11月に予定されているメシアン(1908~92)のオペラ《アッシジの聖フランチェスコ》全曲上演(演奏会形式)。休憩を含めて6時間近くを要する大作だ。老境に入ったメシアンが8年をかけて完成した、彼の唯一のオペラで、1983年にパリ・オペラ座で小澤征爾の指揮で世界初演された。日本では1986年に小澤/新日本フィルが全8景のうち3景を抜粋で上演したが、全曲の上演は今回が日本初演。指揮は常任指揮者のカンブルラン。彼はこの作品を、1992年のパリ・オペラ座を皮切りに、4つのプロダクションで24回指揮しており、これは世界最多だ。会見に出席したカンブルランは、「曲が進むほどに聴き手が引き込まれるのがわかる。音の色にこだわった、感覚のごちそうと呼ぶべき作品。作品を分析しようとすれば難解かもしれないが、聴き手に対しては障壁がないと言い切れる。聴き手のための作品だ」と語った。18年1月定期の、クラリネット奏者で作曲家のイェルク・ヴィトマンの自作自演によるクラリネット協奏曲《エコー・フラグメンテ》(2006)も日本初演。バロックとモダン、ピッチの異なる2つのオーケストラを対置するという興味深い作品だ。指揮者陣では、巨匠スクロヴァチェフスキがブルックナーの5番とベートーヴェンの《英雄》を携えて登場。来年4月から首席客演指揮者に就任するコルネリウス・マイスターは9月(ベートーヴェン《田園》他)と12月(マーラー3番)の公演を指揮する。現ウィーン放送響の首席指揮者兼芸術監督のマイスターは2018年からカンブルランの後任としてシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督に就任することが決まっている。18年3月にはベルリン・コーミッシェ・オーパー音楽総監督のヘンリク・ナナシが初来日。ルノー・カプソンとブゾーニのヴァイオリン協奏曲を演奏する。他にも、ネルソン・フレイレのブラームスのピアノ協奏曲第2番(7月)やギドン・クレーメルが弾く20世紀作品(9月)といった王道プログラムから、フュージョン・グループのウェザー・リポートの活動などで知られるドラマー、ピーター・アースキンが登場するマーク=アンソニー・ターネジのドラムス協奏曲(12月)まで、興味深い公演ばかり。目と耳を離せない読響だ。取材・文:宮本 明
2016年10月03日今年で15年目を迎える「アジア オーケストラ ウィーク 2016」が10月4日(火)から7日(金)まで、宮城県多賀城市の多賀城市民会館(10月4日(火))と東京・初台の東京オペラシティ(5日(水)~7日(金))にて開催される。「アジア オーケストラ ウィーク 2016」チケット情報オーケストラの来日と聞くと欧米の交響楽団の印象が強いかもしれないが、このアジア オーケストラ ウィーク(AOW)をはじめ、近年ではアジア各国で人的な交流、国境を越えての公演が数多く行われ、著名な指揮者を招聘するなどもしてレベルアップが図られてきた。AOWは文化庁芸術祭の主催で2002年に始まり、アジア太平洋地域各国から毎年、プロフェッショナル・オーケストラを招いてきており、これまでに15の国から45ものオーケストラが参加してきた。15年目を迎える今年は、AOWがスタートした年に初めて来日を果たして以来、2度目の参加となるタイのバンコク交響楽団とこれまで参加回数1位を誇る韓国から、チャンウォン市立交響楽団が来日。ホスト・オーケストラを、初参加となるセントラル愛知交響楽団が務める。バンコク交響楽団は、2002年の第1回AOWへの参加をきっかけに日本をはじめ海外との積極的な交流をスタートさせてきた。10月4日(火)の初日は“復興支援コンサート”として、セントラル愛知交響楽団とバンコク交響楽団の一夜限りの競演が実現!ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」の合同演奏が行なわれる。チャンウォン市立交響楽団はこれまで韓国国内で音楽祭に数多く参加、多くの奏者を必要とするシェーンベルクの大曲「グレの歌」を韓国で初演するなどの実績を残してきた。今回来日するパク・テヨンを常任指揮者に据え、さらに海外からも世界的な指揮者を招聘し、精力的に活動。チャイコフスキーの悲愴、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と堂々の名曲プログラムを披露。アジアの俊英、キム・ボムソリにもぜひ注目してほしい。セントラル愛知交響楽団は首席客演指揮者・齋藤一郎の指揮で芥川也寸志交響三章「トリニタ・シンフォニカ」などを演奏する予定。タイ、韓国、そして日本、それぞれの伝統と文化を受け継いだオーケストラの調べに耳を傾けてみては?文:黒豆 直樹
2016年09月27日新国立劇場の2016-17シーズンは、10月2日(日)、昨年から始まった新しい『ニーベルングの指環』の第2弾『ワルキューレ』で幕を開ける。世界レベルの実力派ワーグナー歌手たちが揃った注目の舞台。9月下旬、稽古中の劇場を訪れた。【チケット情報はこちら】第1幕をほぼふたりだけで作るのはジークムントとジークリンデ、禁断の愛で結ばれる双子の兄妹だ。ジークムントのステファン・グールドは、『ラインの黄金』ではローゲを歌い、『ジークフリート』『神々の黄昏』ではジークフリートと、4作すべてに出演する。ジークムントを舞台で演じるのはこれが初めてという。豊かな強い声は、若々しさと甘さも併せ持ち、この悲劇的な役を迫真の歌唱で演じている。ジークリンデのジョゼフィーネ・ウェーバーも堂々と渡り合う。ジークムントの『冬の嵐は過ぎ去り』からの二重唱は聴きどころ。緊迫した歌い合いの中に、禁じられた間柄なのに出会ってしまったふたりの愛の喜びがあふれている。ジークリンデがこれだけ立派だと、もしかしてブリュンヒルデが霞んでしまうのではないかという心配が一瞬でも心をよぎった自分が馬鹿だった。すでに新国立劇場でも同役を歌っているイレーネ・テオリンのブリュンヒルデは、北欧の歌手(スウェーデン生まれ)特有の透明で豊かな声で見事な貫禄。ブリュンヒルデが愛に目覚め、父ヴォータンに背いてゆく葛藤も巧みに演じている。そのヴォータンのグリア・グリムスレイは、ひと声で「神」を感じさせる。第3幕の『告別の歌』が、深く、神々しい。この日のリハーサルは舞台装置も衣装も照明も付けて、音楽だけはピアノ伴奏による通し稽古だった。しかし、歌手たちがほぼフルヴォイスで歌っていたおかげもあって、音楽の密度の濃さは尋常ではなく、5時間超という長丁場を忘れてワーグナーの音楽に没頭した。ピアノ伴奏でオペラを観てこんなに熱中したのは初めてだ。これにあのスペクタキュラーなオーケストレーションが加わったらと思うとゾクゾクする。全幕を通して傾斜ステージが特徴的な舞台はゲッツ・フリードリヒが1996年から1999年にフィンランド国立歌劇場で制作したプロダクション。物語に別の要素を加えたりすることなく、ワーグナーの世界を正面から見せてくれるので音楽に集中できる。ラストで、横たわるブリュンヒルデを炎の結界が囲んでゆくシーンは圧巻だ。公演は10月2日(日)、5日(水)、8日(土)、12日(水)、15日(土)、18日(火)の全6回。上演時間は休憩を含めて約5時間20分。取材・文:宮本明
2016年09月26日ディズニー・オン・クラシック初の年末年越しイベント「ディズニー・オン・クラシック ~ジルベスター・コンサート 2016/2017」が2016年12月30日(金)、31日(土)の2日間、舞浜アンフィシアターで開催される。ディズニー・アニメーションや映画、テーマパークの名曲の数々を、スクリーンに映し出される映像やスペクタクルな演出とともに、フルオーケストラとニューヨークのミュージカルシーンで活躍するヴォーカリストたちによるライブ演奏で贈る「ディズニー・オン・クラシック」。2002年に、国内初のディズニーコンサートとして日本で誕生し、これまでに日本全国や韓国、台湾、シンガポールなどで通算500公演を記録している。「ジルベスター・コンサート」は、史上初開催となる、年末特別企画。指揮者のブラッド・ケリー率いるオーケストラ、ニューヨークのヴォーカリストたちの生演奏で、新年を迎えるカウントダウンをはじめ、会場全体が一体となり盛り上がる華やかな演出を楽しむことができる。エプコット(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)の楽曲や、『ライオン・キング』の名曲をフィーチャーしたコーナー、『アナと雪の女王』の人気曲をダイジェストで贈るコーナーなど、この公演のためだけに、バリエーション豊かなプログラムが組まれている。ディズニーの名曲とともに、新しい一年の幕開けを祝ってみては。【概要】ディズニー・オン・クラシック ~ジルベスター・コンサート 2016/2017公演日時:・ジルベスター・“イブ”2016年12月30日(金) 15:00開場/16:00開演/18:30終演予定・ジルベスター2016年12月31日(土) 22:00開場/23:00開演/25:30終演予定会場:舞浜アンフィシアター住所:千葉県浦安市舞浜2-50出演者:ブラッド・ケリー(指揮・編曲)、THE ORCHESTRA JAPAN(オーケストラ)、トリシア・タンガイ、トニー・ゴンザレス他6名(ヴォーカル)、ささきフランチェスコ(ナビゲーター)料金:S席 15,000円(スペシャル・グッズ付)、A席 7,000円※価格は全て税込み。全席指定。※未就学児童入場不可。チケット発売日:2016年10月9日(日) AM10:00〜発売場所:ローソンチケット、ぴあ、イープラスなど©Disney
2016年09月25日「ディズニー・オン・クラシック」初の年末年越しイベント「ディズニー・オン・クラシック ~ジルベスター・コンサート 2016/2017」が、12月30日(金)、31日(土)の2日間、舞浜アンフィシアターにて開催される。ディズニー・アニメーションや映画、テーマパークの名曲の数々を、スクリーンに映し出される映像やスペクタクルな演出とともに、フルオーケストラとニューヨークのミュージカルシーンで活躍するヴォーカリストたちによるライブ演奏が披露される「ディズニー・オン・クラシック」。2002年に、国内初のディズニーコンサートとして日本で誕生し、これまでに日本全国や韓国、台湾、シンガポールなどで通算500公演を開催、100万人以上を動員を記録している。このほど、毎年秋~冬にかけて日本全国を巡る「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会」に加えて、新たな年末特別企画として「ディズニー・オン・クラシック ~ジルベスター・コンサート 2016/2017」の開催が決定。舞浜アンフィシアターにて、指揮者のブラッド・ケリー率いるオーケストラ、ニューヨークのヴォーカリストたちの生演奏が披露される。当日は、新年を迎えるカウントダウンをはじめ、会場全体が一体となり盛り上がる華やかな演出が実施される。エプコット(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)の楽曲や、『ライオン・キング』の名曲、『アナと雪の女王』で人気の楽曲のダイジェストなど、本公演のためだけのバリエーション豊かにプログラムが展開される。本公演のチケットは、S席で15,000円(スペシャル・グッズ付)、A席で7,000円 (税込・全席指定)。10月9日(日)10時よりローソンチケット、ぴあ、イープラスなどで販売開始だ。「ディズニー・オン・クラシック ~ジルベスター・コンサート 2016/2017」は、舞浜アンフィシアターにて、12月30日(金)15時開場~、12月31日(土)22時開場~で上演。(text:cinemacafe.net)
2016年09月25日巨匠ネルソン・フレイレの代役としてフランスの名門トゥールーズ・キャピトル管定期公演デビューや、パリ・オペラ座バレエ団のエトワール、マチュー・ガニオとの共演、フィギュアスケーターとのコラボなど、この春夏も多彩な活動で次々話題を呼んだ、ピアニストの福間洸太朗。福間洸太朗 コンサート情報秋には、創意あふれるプログラムによるリサイタルに臨む。ショパンの命日の10月17日、サントリーホール、ブルーローズで昼夜別プロの公演を予定しているが、夜のオール・ショパンが即日完売したため、10月27日(木)紀尾井ホールで追加公演を行うことになった。「テーマは、“熱烈に、火をもって”という曲想を表す『コン・フォーコ』です。コン・フォーコが出てくるのは、例えばバラード1番と2番、「革命」のエチュードなど。『24のプレリュード』では16番でたった一度登場します。激しい部分でモルト・アジタートはよく使われますがコン・フォーコは数少ないので、特別な想いが込められているのではないかと。彼がポーランドを離れてから10年ほどの間に書いた作品の中でしばしば使われ、後期作品では出てこなくなくなるのも興味深いです」理性を失うほどの怒りが込められたコン・フォーコの部分は、「野性的に感情をぶつけるようなところがあって、歌う表現がしにくい」と福間は言う。「24のプレリュード」ではそんな16番をピークに、独自の解釈で物語を展開するつもりだ。「コン・フォーコに向かって音楽がどう進むのかに着目して聴くと、『雨だれ』や7番など有名曲の聴こえ方も変わってくると思います。作品の新たな魅力を見つけていただけたら」実はこの夏、ショパンが「24のプレリュード」を書いたことで知られるマヨルカ島を訪ねた。「ショパンは恋人のサンドや彼女の子供たちと一緒に、療養のためマヨルカ島に滞在しました。到着時の日記には、輝く太陽や、海、緑の生き生きとした美しさが書かれています。ここで回復して音楽を書こうという意欲を感じていたのでしょう。でも彼が滞在したのは雨季の冬で、その後体調を崩し結核と診断されてしまいます」村人から疎まれ、ショパンたちはひと気の少ないバルデモサの修道院を宿にした。「ショパンの部屋の前に立ってみると、夜だったこともあって少し恐怖を感じました。彼はここで、響く雨音と冷たい風の音を聴き、孤独や死への恐れも感じたのだろうと想像しましたね」こうして、作品への理解も深まったという。「『24のプレリュード』は、すべての基本であるハ長調で始まり、レクイエムなどでよく使われるニ短調で終わります。そこに、音楽の誕生と終わりやひとつの人生という、生から死への流れを見ることもできると感じました」マヨルカの風と空気を肌で感じたその成果を、余すところなく披露してくれることだろう。取材・文:高坂はる香
2016年09月21日男性でありながらソプラノの音域を持つ「ソプラニスタ」(男性ソプラノ歌手)の岡本知高が、10月16日(日)に東京オペラシティで行う“Concerto del Sopranista 2016-2017”に、オーストラリア出身の歌手、ヴァイオリニストのサラ・オレインがゲスト出演することが決まった。「岡本知高Concerto del Sopranista 2016-2017」の公演情報サラ・オレインは、「f分の1のゆらぎ」という聴くものをリラックスさせ、爽やかさと清涼感を与える天性の声の持ち主。また、澄んだ声と強い声を自在に使い分ける「声帯のアスリート」とも呼ばれている。テレビ番組出演、ラジオパーソナリティ、CMソング、フィギュアスケートやアイスショーでのコラボなど、多岐にわたって活躍。ウィーン少年合唱団との共演、名音楽プロデューサー、デイヴィッド・フォスターが手掛けたアルバム「We Love Disney」への参加、アンドレア・ボチェッリの最新アルバムでのデュエットなど、様々なジャンルの音楽家とも共演している。世界で数人しかいないと言われる「ソプラニスタ」の岡本知高は、国内・海外の主要オーケストラとの共演はもちろん、先日行われたブロードウェイミュージカル『シカゴ』宝塚歌劇OGバージョンでニューヨークブロードウェイの舞台を賑わかせ、その圧倒的な歌唱力で観客を虜にしたことも記憶に新しい。彼の歌声は華やかで、それでいて共演者の歌声を決して妨げることなく存在感を出せるのは流石としか言いようがない。老若男女、全てを引き付ける彼の魅力を、思う存分楽しめるコンサートとなるだろう。また、10月12日(水)にニューアルバム『春なのに~想歌(おもひうた)』を発売することも決定しており、新たなレパートリーに期待が高まる。聴くものすべての心を揺さぶる「奇跡の歌声」をもつ岡本知高と、サラ・オレインの癒しの波長が合わさり、骨抜きにされること間違いなしだ。■岡本知高Concerto del Sopranista 2016 - 20172016年10月16日(日) 13:30開場 14:00開演東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
2016年09月16日昨年、1996年のサントリーホール・デビューから20周年の節目を迎えたピアニストの及川浩治。新たな一歩となる21年目のシーズンの開幕を告げるリサイタル・ツアーが9月3日の静岡公演でスタートした。9月17日(土)にはサントリーホールでの東京公演を控える。ツアー曲目には、「ロマンティック・ヴィルトゥオーゾ・プログラム」と題する魅力的な名曲が並んでいる。及川浩治 コンサート情報「今回、思っていた以上に『いいプログラムだね』と言ってくださる方が多くて。クラシック音楽ファンの方じゃなくても、聴けばきっとご存知の曲ばかり。好きな作曲家の愛すべき作品たちです」「たとえば《ラ・ヴァルス》は20代の頃によく弾いていた曲。オーケストラ版を意識して、どれだけいっぱい音を入れられるかと弾き手がチャレンジしがちじゃないですか。でも、そういうのは20代の人に任せておけばいい(笑)。今は、付け加える音は最小限にしつつ、実際にオケで聴いた時のイメージで弾きたいと思います。《亡き王女のためのパヴァーヌ》も同じです。もちろんピアノ曲として素敵だけど、オーケストラ版の、少しスローなイメージで。若い頃、あのシンプルな美しさの中で色合いを作り出すのがすごく難しいと感じていたんです。たぶん人前で弾くのは初めてじゃないかな」と、「音色」について語る言葉には、彼の音楽観も象徴されているように感じる。「結局は音なんですよ。自分の音をいかに作るか。でもそれは1音で成り立つものではなくて、ひとつの音と次の音の間に何を感じるか。それが音楽になるんですよね。たぶん死ぬまでそれを追い求めていくんだと思います」プログラムには、ブゾーニ編の《シャコンヌ》や、ラフマニノフ編の《愛の喜び》などの編曲作品が、いわば隠しテーマのように散りばめられている。「好きなんですよ。いろんな楽器のいろんな音楽が弾きたいんです 。ピアノだけじゃなく、指揮者になりたい、テノール歌手になりたいと、とにかく音楽が好きで育ったので」21年目。支えてくれる周囲の人々、そしてなにより、聴衆への感謝の念が強くなっているという。「プロでも学生でも、音を出した瞬間から、誰かに聴かせるのが前提です。聴き手がいて初めて演奏という行為なのです。演奏家の役割は、音楽を皆さんに伝えて、その空気を共有、共感しあうこと。長い年月ステージに立てているということは、それだけ聴きに来てくださっている方がいるということです」取材・文:宮本明
2016年09月09日リーボッククラシック(Reebok CLASSIC)から、ランニングシューズ「クラシックレザー パーフェクト スプリット パック」が2016年8月より全国で発売される。本シューズは、トレンドに左右されない定番スニーカー「クラシック レザー」を、誰もが持ちうる“二面性”を表現するツートーンカラーのデザインで仕上げた新モデル。ブラックをベースに白のアクセントをきかせたカラーリングのものと、白を基調としてブラックで引き締めたもの、2種類が登場。さらに、ウィメンズモデルとして白とグレーの優しい色合いのシューズもラインナップする。高いフィッティングと優れたグリップ性能の機能性に加えて、合わせる服や流行を選ばないデザインのシューズ。一足は手に入れたいアイテムだ。【アイテム詳細】「クラシックレザー パーフェクト スプリット パック」発売日:2016年8月取扱店舗: リーボック クラシックストア 原宿 / ABC-MART / ACE Shoes / atmos 本店 / BILLY’S ENT CORNERS SPORTS AUTHORITY / Mexico / mita sneakers / OSHMAN’S / SPORTS AUTHORITY / SUPER SPORTS XEBIO(X’tyle) マルイ / 池袋西武 / 梅田大丸 / 梅田阪急 / 博多阪急 / Styles ※取り扱い商品は店舗によって異なる。サイズ:24.5cm~33.0cm、ウィメンズモデル 22.0cm~28.0cmカラー:2種類+ウィメンズモデル1種類価格:各11,990円+税【問い合わせ先】リーボック アディダスグループお客様窓口TEL:0570-033-033(電話受付 平日 9:30~18:00)
2016年08月28日