「さいたま国際芸術祭2023」が10月7日(土)より開催される。本芸術祭のテーマは「わたしたち」。気候変動、社会格差、分断など、様々な問題を抱える世界をあらたな目線でもう一度“みる”ことに繋がる芸術祭を目指す。現代アートチーム「目[mé]」のディレクションによる芸術祭メイン会場(旧市民会館おおみや)には、『わたしはロランス』や『たかが世界の終わり』などを監督したグザヴィエ・ドラン、『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督ほか、国内外から多様なアーティストが参加。メイン会場参加アーティスト大ホールでは、音楽コンサートや新作のパフォーミング・アーツ公演、映画作品の上映、市民文化団体による公演など、様々な演目を予定。それらの準備やリハーサルの風景も連日公開される。加えて、メイン会場の各展示室には、美術家や写真家、編集者や盆栽師などによる作品を展示。中には、日によって変化する作品もあるという。上映するのは、ジャンルを問わず芸術祭のテーマを象徴する映画作品6本と、短編アニメーション3本。映画作品上映時には、毎回、オープニングに短編作品『OUR CINEMAS』(小田香監督)を上映する。本日より、メイン会場の前売チケットの販売がスタート。メイン会場・旧市民会館おおみやへの入館には、チケットの購入が必要だ。なお、大ホールで開催される公演は、演目により別途予約が必要な場合も。詳細は、9月上旬に発表予定となる(公演予約開始日:9月7日)。またメイン会場のほか、市内の文化施設やまちなかでも、市民プロジェクトや連携プロジェクトといった芸術祭の関連プロジェクトが展開される。「さいたま国際芸術祭2023」は10月7日(土)~12月10日(日)メイン会場:旧市民会館おおみやにて開催。※メイン会場のほか、市内の文化施設やまちなかでも関連プロジェクトを展開(シネマカフェ編集部)
2023年07月12日昨年、カナダ紙「Le Journal de Montreal」に「もう本当にこの仕事はやりたくないんです」と語っていた『わたしはロランス』『Mommy/マミー』『たかが世界の終わり』のグザヴィエ・ドラン監督が、改めて引退の意向を示した。先日、スペイン紙「エル・パイス」や「エル・ムンド」に「ほとんど誰も見ない作品に2年もの年月を費やしたくないと感じます」「アートは役に立たない。映画に打ち込むのは時間の無駄です」と語ったと報じられ、映画ファンを動揺させたのだ。これを受け、ドラン監督はインスタグラムにて自らの言葉で説明。「心配して連絡をくれた人たちがいるけれど、私は大丈夫」と元気にしていることをアピールし、「映画を作るのをやめたいと言った件ですが、この決断によって私の心は穏やかだと感じています」と引退宣言が事実であることを認めた。とはいえ、「辞める」意向であるのはあくまで「映画監督業」だという。映画監督業については自身のギャラを投資したり、ギャラが安くても構わないという俳優を雇ったりして映画製作に費やしたこと、文字通りそのようにして「自由と時間を買った」ことで、「セットで喜びを感じられた」というドラン監督。いまは情熱が映画ではないものに向いているとのこと。「テレビドラマは監督するかもしれない。映画はもう監督したくないです。世界は良い状況であるとは言えません。なにか助けになることを、できるだけしたいのです。(実は)ひっそりとやっているのですが、もっと声に出して主張していきたい。私のプロジェクトはいま、(映画ではなく)どこか違うところにあると信じています」。なお、「アートは役に立たない。映画に打ち込むのは時間の無駄です」と語ったと報じられた件については、そんな風には思っていないということを「ここでクリアにする必要があります」と訂正。「アートはこの息苦しい現実世界で癒しになり、命をも救ってくれるものです」とつづっている。また、「俳優も辞めてしまうの?」と心配するファンのコメントに「私はいまも俳優です。演じることは絶対にやめませんよ」と返信し、安堵させた。(賀来比呂美)
2023年07月08日動画配信サービスの普及に伴い、いまや世界各国のさまざまなドラマが気軽に楽しめるようになっていますが、それだけにどの作品を観たらいいのか迷っている人も多いのでは?そんななかでオススメするのは、“映画界の美しき天才”がテレビドラマに初挑戦した話題のシリーズ 『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』です。現在、監督業から引退の噂もささやかれているこちらの方に、お話をうかがってきました。グザヴィエ・ドランさん(C) Shayne Laverdière【映画、ときどき私】 vol. 5822009年に19歳で映画監督デビューを果たし、映画界の新星として一躍脚光を浴びたドランさん。その後も『Mommy/マミー』や『たかが世界の終わり』など、作品を発表するたびに業界のみならず世界中の映画ファンたちから大きな注目を集めてきました。そんななか、念願のテレビシリーズでは、監督・脚本・製作だけでなく、ドラッグのリハビリ施設から出てきたばかりのエリオットという難しい役どころで出演もしています。今回は、自身が影響を受けたドラマや今後のこと、そして日本への思いについて語っていただきました。―最近、「実は映画よりもテレビのほうが好き」と明かしていますが、テレビドラマを好きになったきっかけについて教えてください。ドランさん僕はもともといろんなものに執着するタイプなので、テレビに対してものすごい執着心がありました。小さい頃は、『バフィー 〜恋する十字架〜』のサラ・ミシェル・ゲラーや『チャームド 魔女3姉妹』のホリー・マリー・コームズに手紙を書いていたこともあったくらい。しかも、エージェントに電話までして「僕の手紙は届きましたか?いつ本人の元に渡りますか?」と聞いていたほどです(笑)。たいていはすぐ切られましたが、なかには優しいアシスタントがいて、「グザヴィエ、元気?手紙は来週彼女が寄ったときに渡すから心配しないでね」と言ってくれたこともありました。そんなふうに、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、僕はテレビのアイドルたちの大ファンだったんです。テレビは、自分の子ども時代の一部だった―そのなかでも、ご自身に影響を与えているシリーズはありますか?ドランさんさっきも触れた『バフィー 〜恋する十字架〜』や『チャームド 魔女3姉妹』、あとは『ヤング・スーパーマン』、『ロズウェル/星の恋人たち』。このなかだと特に『ロズウェル/星の恋人たち』には完全にやられてしまい、とにかく夢中でした。それくらいテレビに対しては大きな愛を持っているし、自分の子ども時代の一部になっていたのです。少し大人になってからは、HBOの作品を観るようになりましたが、なかでも『シックス・フィート・アンダー』なんかは信じられないほどパワフルだったなと。「あれはオリジナルじゃない」と言う人もいますが、ほかにはない新しさがあり、現代的でもあったので本当に素晴らしい作品だと思います。決して忘れられない存在だし、僕の長年にわたる映画づくりにもインスピレーションを与えてくれている作品です。―テレビドラマがドランさんのクリエイティビティにここまで深く浸透しているとは思いませんでした。ドランさん映画がテレビに刺激を与えるように、僕はテレビも映画を触発できると感じています。あくまでもストーリーテリングはどちらも同じであって、映画とテレビでは方法やフォーマットが違うだけ。『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』はテレビということもあり、そこに付随するルールがあるのもわかっていたので、今回は映画的なアプローチは一切しませんでした。といっても、「監督をする」という意味では、映画なのかテレビなのかは特に関係ありません。そこにあるのは物語だけなので、それをとらえて相対するだけです。今回の自分の演技を誇りに思っている―ananwebでは、俳優として出演された『幻滅』で主演を務めたバンジャマン・ヴォワザンさんに取材を行っていますが、「ドランさんとの共演は最高だった」と。その理由は、監督と俳優を両方している方のなかには、自分の現場でなくても監督としての目線を捨てられない人がいるが、ドランさんは100%俳優としていてくれて助けられたからとのことでした。ご自身ではどのように感じていますか?ドランさん確かに僕はほかの監督の現場にいるときは、自分も監督であることや演出については、考えることは一切ありません。あくまでも、役者としているだけ。なぜなら、それは僕の仕事ではないし、そこに踏み入れるべきではないからです。もちろん、とんでもない撮られ方をしたくはないですよ!でも、だからといってそこに自意識を持ち込みたくはないので、まずはきちんと役者をケアしてくれる監督と現場であることは確認したいと思っています。―ちなみに、ご自身が俳優として心がけていることはありますか?ドランさん自分の頭やカラダのなかに入り込み、ほかの役者たちと演技することに集中したいといつも考えています。特に、ほかの監督と仕事をしているときは、自分が監督しているときとは違ってさらに先に行けることがありますから。そういう場面で役者としての成長を感じることができるのです。もちろんいつでもベストは尽くしていて、今回の自分の演技もとても誇りに思っています。でも、もしこの作品でほかの監督が僕を演出していたらまったく違う演技になっていたかもしれないですね。自分を嫌うことも、愛することも抵抗がない―では、今回のように監督と出演を兼ねている作品の場合、現場で意識していることはあるのでしょうか。ドランさん監督と役者の両方をしているときは、まず監督としてあちこちにいなければいけない大変さはありますね。そんななかで自分のシーンを演じている瞬間は、自分を見失ってしまうことも…。そういうときは、僕に対してつねに正直でいてくれる信頼できる仲間がそばにいて言葉をかけてくれるので、「自分は1人じゃない」と感じられています。あと、僕は自分の演技を見て「あそこの自分は嫌だな」とか「もっとシンプルでいいのにやりすぎてるな」と思うことにまったく抵抗がありません。なぜなら、僕は自分を嫌うことに何の問題もないんですよ(笑)。と同時に、僕は自分を肯定して愛することにも抵抗がない。ちゃんとできていれば、自分に対して「これでいいんだよ。まさに必要な演技だった」と言えるんです。―そういった葛藤がドランさんの演技に深みを与えているようにさえ感じます。ドランさん僕は自分の現場でも、ほかの監督の現場でも演じているときはつねにいろんなことを考えていて、それが止まることはありません。なぜなら、その場面に入り込みたいと思っても、そこには照明があり、多くの人がいて、床には自分の位置を示す印があることも全部わかっているので、完全に自分を忘れることは不可能だからです。しかもクリエイターとして、演者として、また一人の人間としてもさまざまな感情を持っていますからね。いまは仕事を離れてゆっくりしたい―つまり役に没頭しつつも、どこか客観的な視点がなくなることはないと。ドランさんだから瞬間的に何もかも忘れて完全に入り込むのは、僕にとっては自分に嘘をついているような気さえしてしまうのです。もちろん努力はしますし、できる限りのことはします。でも、つねにどこかで「やってはいけないこと」と「やらなければいけないこと」に対する意識が残っているのかなと。かといって、ただ実行すればいいわけでもなく、その瞬間を生きて、そこに存在しなければなりません。それが役者の仕事ですから。そのうえで僕が言えるのは、「演じることがとにかく好き」ということです。―今後はどのような作品を手掛けたいとお考えですか?ドランさん今回のドラマの準備や撮影は、人生でもっとも心躍る豊かな経験となりました。と同時に、この作品に全身全霊を捧げ、僕のすべてを語り尽くしてしまったことでむなしさを覚えているところも…。とはいえ、また作品は作りたいと考えていて、実現するかはわかりませんが、実はすでに2つの企画があります。ただ、いまのところその2つ以外は映画もドラマも撮るつもりはありません。それよりも、いまはこの仕事を離れてゆっくり休みたいなと。休息、睡眠、家族、遊び、建築、旅行、グルメ、そして心の健康とセラピーのための時間が必要だと感じています。ずっと休まずに走り続けてきましたから。日本に行ってすべてのことに触れたい―確かにそうですよね…。日本にはドランさんのファンが非常に多いですが、日本に対してはどのような印象をお持ちですか?ドランさん実は日本に行くのは前からの夢で、本作のプロモーションで行くはずだったんですが、直前にいろいろとあって来日する機会を逃してしまいました。これまでも、僕の過去作はほかの主要な国と比べると日本は1年半~2年遅れてリリースされていたこともあって、なかなか訪れることができなかったんです。というのも、場合によっては、日本での公開時期にその2つ先の作品に取り掛かっていたこともありましたから。なので、いまどこかに行けるなら、一番に駆け付けたい場所が日本です。日本の美しさや美学、建築、文化、風景などすべてに触れたいですね。東京はもちろん、電車に乗って京都や大阪にも行きたいなと思っています。僕はアジアに行ったことがないので、来年こそはパーソナルな形でもいいので行けたらいいなと考えているところです。―もし、日本人の監督や俳優、アーティストなどで一緒に仕事をしてみたい方がいたら教えてください。ドランさん日本の文化は僕の世界や生活に長年浸透していて、いろんな日本映画も観てきました。ただ、いますぐに具体的な例が思いつかなくて…準備しておけばよかったな(笑)。でも、是枝裕和監督の作品はほとんど全部観ているほど大ファンです。あと、アニメの場合、もし僕が声優を務めたら一緒に仕事ができるかもしれないですね!―ぜひ、日本とのコラボレーションも期待しています。最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。ドランさんこの作品は素晴らしいスタッフとキャストが心を込めて作ったシリーズで、大きな喜びとやる気を感じながら、精密さを大事に僕ら自身のすべてを捧げて完成させました。それくらい物語やキャラクター造形には、僕らの愛と情熱と興奮が詰まっているのです。僕にとってはいままでで一番誇らしく思っている作品でもあるので、みなさんにも響くことを心から願っています。ぜひ、楽しんで気に入ってもらえたらうれしいです。インタビューを終えてみて…。どんな質問にも一生懸命答えてくださる姿に感銘を受けましたが、ときおりお茶目な表情を覗かせていたのも印象的だったドランさん。今後については気になる発言もありましたが、作品づくりや演技の話をしているときの姿が何よりも楽しそうだったこともあり、クリエイティブに対する溢れる思いを内に秘めていることはひしひしと伝わってきました。いちファンとしては長い目で見守りつつ、これからの展開にも注目していきたいと思います。ドラン作品を語るうえで見逃せない意欲作!ホラーとスリラーの要素を織り交ぜたサスペンスでありながら、同時に人間ドラマの側面も見事に描いている究極のテレビシリーズ。細部にまでこだわり抜き、予想を超えたラストへと突き進んでいく本作は、観る者に新たな衝撃と刺激を与えてくれるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー1991年、ケベック州の郊外に暮らすラルーシュ家の長男ジュリアンと妹のミレイユは、向かいに住むゴドロー家のロリエと仲良し3人組だった。ところが、ある夜の事件を境に3人の人生は一変してしまい、ミレイユは秘密を抱えたまま町を離れて家族と距離を置くことに。それから約30年。母が危篤という連絡を受けて、ミレイユが故郷へと帰ってきた。ジュリアンとパートナー、次男のドゥニ、ドラッグのリハビリ施設から出てきたばかりの末っ子エリオットら家族が再び集結。しかし、母が残した予想外の遺言が引き金となり、葬り去られていた嘘と秘密が明かされるのだった。はたして、“あの夜”の真実とは…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』<字幕版>全話独占配信中配信:Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX」(C) Fred Gervais
2023年06月06日セザール賞7冠受賞の話題のフランス映画『幻滅』より本編映像が解禁された。オノレ・ド・バルザックの「幻滅ーメディア戦記」を映画化した本作。豪華キャストが集結し、200年も前の物語とは思えないほど現代と酷似したメディアの状況を鋭利に描く。この度解禁されたのは、監督としても活躍するグザヴィエ・ドランが登場する本編映像。社交界にデビューした田舎の純朴な青年リュシアン(バンジャマン・ヴォワザン)と、文豪の期待の新人と言われるナタン(グザヴィエ・ドラン)が出会うシーンが切り取られている。美しく着飾った貴婦人たちが集まる社交界。彼女たちが熱い視線を送るのは、文壇の期待の新星と言われる作家、ナタンだ。優雅な足取りでゆっくりと登場したナタンは、社交界の権威であるデスパール夫人から笑顔で迎えられ「舞台はいかがだった?」と問われる。すると、色気と知識、そして洗練されたスマートさを合わせもつナタンは、「あなたの美貌でかすんでしまいました」と、甘い言葉で婦人を喜ばせる。そして、田舎からパリに出てきたリュシアンと初対面するナタン。彼がリュシアンにどのような影響を与え、そして関係を結んでいくのか…。グザヴィエ・ジャノリ監督は、ナタンという役柄について「リュシアンやルストー(ヴァンサン・ラコスト)とは違い、喜劇的かつ『メディア的』な社会からいかに自分のインスピレーションを守るかを知っている、時代のアイコン的存在」だと説明する。志の非常に高い作家のナタンを演じるキャストを選ぶにあたり、アイコン的なアーティストが良いと考え「映画監督としても俳優としても尊敬している」というドランを抜擢したという。「とてもピュアなエネルギーと並外れた知性の持ち主」だと賞賛を惜しまない。撮影現場でのエピソードとして「グザヴィエ・ドランとドパルデューの息が合っているのを見られて心底嬉しかった」と回想する監督は、「ドランが幸せそうに演技と創作に打ち込んでいる姿を見ているだけで、とてつもない力が湧いてきた」とキャストとしてだけではなく、アーティストとして尊敬の念を抱いていることを明かしている。『幻滅』は4月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:幻滅 2023年4月14日より全国にて公開© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
2023年04月04日『Mommy/マミー』のグザヴィエ・ドラン監督が初挑戦したTVドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」よりインタビュー映像が解禁された。「スターチャンネルEX」ですでに第1話が配信され、そのクオリティの高さがSNSでも大きな反響を呼んでいる本作。そんな本作の第1話先行無料放送に先がけ、グザヴィエ・ドランの貴重な最新インタビュー映像が到着。初めてのドラマ製作への想いとあわせ、これまで影響を受けたドラマ作品など、知られざる「ドラマ愛」を語っている。インタビュー映像では、まず本作のテーマについて「このドラマはいわゆるサイコスリラーだけど、ある時点で意図的にラブロマンスへと転換していく。視点を変えるとまた違う予想外の物語が見えてくるはずだよ」と解説。初挑戦となるTVドラマは、「ずっとドラマを作りたかったんだ。初めて書いたのもドラマの脚本だった」と思い入れを話し、その魅力を「映画よりも時間をかけてテーマや登場人物を描ける。不安定で壊れやすい、彼らの内にある秘密や沈黙をね」と説明。「ドラマに挑戦したおかげで新しい物語の描き方を学ぶことができた。僕にとっては今までで最高の経験だったよ。自分に一切の妥協を許すことなく力を出し切ることができた」と本作で得た達成感を満足気に語る。「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」影響を受けたドラマについては「ドラマ好きな母の影響もあって、幼い頃からずっと身近にドラマやテレビがあった。ケベックのドラマやワーナー・ブラザーズ系のドラマ『バフィー ~恋する十字架~』、『チャームド ~魔女3姉妹~』、『ロズウェル/星の恋人たち』、『ヤング・スーパーマン』とか、超常現象の世界に思春期はずっとハマっていたんだ。あとはHBOのドラマとかずっとテレビばかり見ていた。『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』や『シックス・フィート・アンダー』にはいつも自分の作品を作る際に大きな影響を受けている」と当時の思い出とともに一挙に紹介。併せて、レオナルド・ディカプリオに憧れファンレターを書き続けた8歳の頃の実体験をヒントに製作した『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』や劇中のセリフで言及した『マイ・マザー』など、これまで様々なタイミングで『タイタニック』について語ってきたドランだが、ここでも「『タイタニック』は1997年かな。あれは衝撃だった。壮大な冒険物語や心を揺さぶる恋愛物語。スケールの大きい映画を作りたいと思った」と話し、名作『タイタニック』はいまでもドランの心をつかんで離さないようだ。「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」また「『バフィー』も同じくらいの時期だからどっちが先なのかは分からない。映画よりもドラマを見ていた...マズいな、敵を作りそうだ(笑)」といたずらな表情でおどけると、「『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』のマイク・ホワイト監督が大好きで、彼と一緒に仕事をすることを夢見ている。もし1つだけ願いが叶うなら『ホワイト・ロータス』の続編に出たい」と再度、ドラマ愛を感じさせるコメントを披露。終わりに「今回のドラマの撮影や準備は人生で最も心躍る豊かな経験だった。また作りたいと思うよ。実は既に2つの企画があるんだ。脚本は別の人が書くから実現するかは分からないけどね」と今後の展望を語るが、「でもそれ以外に手を出すつもりはない。この仕事を離れてゆっくり休みたいんだ。2つの企画以外は映画もドラマも撮らない。それよりも休息、睡眠、家族、遊び、建築、旅行、グルメ...それと心の健康、セラピーもね」と、人間味あふれる率直な気持ちを打ち明けた。「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」海外ドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」はAmazon Prime Video「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて配信中(毎週金曜1話ずつ更新、全5話)、BS10スターチャンネル<STAR1 字幕版>にて3月6日(月)より毎週月曜23時~ほか放送(3月5日(日)21時より第1話先行無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2023年03月04日「スターチャンネルEX」では、グザヴィエ・ドランが初めて手掛けるTVドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」を2月24日(金)より独占日本初配信。それに合わせて、ドランが製作秘話を語る貴重なディレクターズ・ノートが初公開、また、大島依提亜デザインによる日本版キーアートが解禁となった。キャストには、ドランと同じくケベック州出身の実力派俳優が集結し、ドラン作品では母親役で常連のカナダを代表する名優アンヌ・ドルヴァルが、本作でも4兄妹の母親役で出演。主要キャストの4人は、原作となった2019年の舞台劇のオリジナルキャストがそのまま同じ役を演じている点も見どころ。ほかにも『レ・ミゼラブル』(2019)でセザール賞の有望若手男優賞を受賞したジブリル・ゾンガが、ジュリアンの大学の教員役で出演するなど、脇を固める実力派俳優陣にも注目。今回初解禁のディレクターズ・ノートでは、これまで母と息子の親子関係や家族間の確執、疎外された人々といったテーマを中心に物語を描いてきたドランが10年の月日を経て心境に変化があったことを語る。子どもの頃からホラーやスリラーといったジャンル映画に夢中になりながらも、新人時代はなかなか踏み出せなかったというドランは、2011年、ミシェル・マルク・ブシャールの舞台「トム・アット・ザ・ファーム」を観てジャンル作品の映像化に踏み切り、再び導かれたように2019年に同じブシャールによる本作の原案になった同名舞台「La nuitoùLaurier Gaudreaults’est réveillé」(原題)に大きな衝撃を受け、本作の映像化を確信したという。「『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』はホラーとスリラーの要素が強く出ているように見えますが、ヒューマンドラマも描かれています。ラルーシュ家の幸せだった日々、憂鬱な日々、過去のいくつもの過ち、彼らの行く末を決めることになった数々の出来事が綴られています。登場人物たちがこれまで頑なに守ってきた秘密が暴かれることによって、闇に包まれていた悪夢も蘇ります。それは夜見る夢などではなく、彼らの心の傷をえぐり出し、たとえ明るい日差しの中にいても容赦なく付きまとう悪夢なのです」と物語の複雑性について語るドラン。「このドラマには、人間の暴力性のほかに、逆境、恥、憎しみなどに直面した時、それらに屈したことで受けた惨い扱いなどが描かれています。しかし大部分に描かれているのは、我々もかつては子供だったこと、そして、惨い扱いに直面しどんな大人になったのかということです。そこには真実から目を背けるために受け入れてしまった歪んだ依存心、嘘、誤った信念などが描かれているのです」と打ち明ける。さらにドランはフランスのメディアにて、「私は、映画よりもテレビの方が好きなんだと思います。TVシリーズを作る事の方が自分にとっては自然だと言ってもいいくらいです」と明かし、「時間をかけてシナリオを構築していくのは、とてもシンプルで気持ちのいいものでした。もしそうだとしたら、私は映画の監督というより、ショーランナーですね」(仏映画誌/Premiere)とTVシリーズとの親和性を率直に語っている。その一方で、「『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』は私にとって誇りです。ただ、今は同時に空虚さも感じています。この作品に全身全霊を捧げ、そしてついに私の全てを語り尽くしてしまったんです。だから今の私にとって必要なのは、長い休みと変化、それに静寂や休息、プライバシーだと思っています」(仏国営ラジオ/France Inter)と語り、「友人や家族との親密な時間を過ごしたいです」(Premiere)と話すなど、まるで休業や引退を示唆するかのような心情を吐露している。海外ドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」は2月24日(金)よりAmazon Prime Video「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて配信(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2023年02月23日日本初上陸の最新海外ドラマとスターチャンネルの厳選映画を配信する「スターチャンネルEX」から、2023年の春夏に“独占日本初配信”予定の新作ラインアップ動画が解禁となった。独占作品を中心に、映画スターが出演するドラマや、有名映画監督が手掛ける話題のドラマ、スターチャンネルの映画レーベル最新作など、映画ファンが楽しめる“ここでしか観られない”作品を定額(税込月額990円)で見放題配信する「スターチャンネルEX」。この度、解禁となった動画内で紹介されている作品は新作、配信中を含め下記のラインアップとなっている。「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」2月24日(金)より「スターチャンネルEX」で独占日本初配信“カンヌの申し子”の異名を持ち、話題作を発表し続けてきたグザヴィエ・ドランが今回、自身にとって初となるTVドラマに挑戦。本作では、ドラン自身が脚本・監督・製作・出演を務め、30年前に起きた事件とそれにかき乱される家族の姿を、過去と未来を行き来しながらサスペンスフルに描く。今年のサンダンス映画祭(1月開催)に英題「The Night Logan Woke Up」として出品され高い評価を受けた注目作。「I AM RUTH」(原題)2023年配信開始予定イギリスきっての名優ケイト・ウィンスレットと、彼女の実の娘であるミア・スレアプレトンの初の本格共演が実現。10代のソーシャルメディア依存やメンタルヘルス、思春期の娘と母親のデリケートな関係性について真正面から描いた意欲作。ドミニク・サヴェージ監督によるアンソロジー・シリーズ「I AM私の分岐点」の第3弾。主演女優自らが物語を作り上げるという点も前シーズンから踏襲。「DJANGO」(原題)2023年配信開始予定セルジオ・コルブッチ監督によるマカロニ・ウエスタンを代表する伝説の映画『続・荒野の用心棒』(原題:DJANGO)を、TVシリーズとして新たな解釈とともにリメイクした。当時フランコ・ネロが演じていたジャンゴ役を『闇を生きる男』や『君と歩く世界』で知られるマティアス・スーナールツが演じるなど、豪華キャスト陣にも注目。「THE LAZARUS PROJECT」(原題)2023年配信開始予定愛する人の命か、人類の未来か?人類滅亡を防ぐために時をリセットする役割を果たす最高機密組織「ラザロ・プロジェクト」に、ある日突然リクルートされた男の苦悩と葛藤を描くタイムリープアクション。主演はA24の映画『MEN 同じ顔の男たち』での好演が記憶に新しい実力派俳優パーパ・エッシードゥ。HBO&BBC合作のドラマ「I May Destroy You」ではエミー賞とBAFTAにノミネートされ、いま最も活躍が期待されている注目俳優。「STAGED3」(原題)2023年配信開始予定デヴィッド・テナントとマイケル・シーンが本人役で出演した「ステージド」第3弾。2021年、コロナ禍でロックダウンに見舞われたロンドンで、延期になった舞台劇の役者たちがインターネットでオンライン・リハーサルをやろうと奮闘したシーズン1。その模様の一部始終を番組にして放送し大ヒットしたことから、その「アメリカ版」を制作することになり、キャスティングをめぐって大騒動を繰り広げたシーズン2。そして2022年、コロナ禍が収束に向かいつつある中、さらなる続編の制作が順調に始動することになった、かに見えたが…。役者デヴィッド&マイケルvs脚本家サイモンのバトルが勃発。上記新作のほかにも、デヴィッド・テナント主演の衝撃のノンフィクションドラマ「リトビネンコ暗殺」や、ルカ・グァダニーノ監督初のTVシリーズ「僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE」をはじめ、「ニュー・ポープ 悩める新教皇」「チャペルウェイト 呪われた系譜」「ランドスケーパーズ 秘密の庭」「ハリー・パーマー 国際諜報局」「80日間世界一周」「IT'S A SIN 哀しみの天使たち」「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」「インベスティゲーション」も配信中となっている。(text:cinemacafe.net)
2023年02月07日“カンヌの申し子”の異名を持つグザヴィエ・ドラン監督がTVドラマに初挑戦した「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」から、初映像となる予告編が解禁。音楽はアカデミー賞作曲賞を受賞した『DUNE/デューン 砂の惑星』をはじめ、多くのヒット映画を手掛けるハンス・ジマーが担当している。本作はケベック州の郊外を舞台に、30年前に起きた事件に時を超えてかき乱される家族・ラルーシュ家の姿を、過去と現在を行き来しながら緊迫感たっぷりに描く。メインとなるのは、それぞれが問題を抱える4人の兄妹とその家族で、ラストの15分まで展開が全く読めない究極のサスペンスとなっている。その一方、ドランがこれまで描き続けてきた家族の物語でもあり、キャラクターたちが過去に起きた事件と、互い、そして自分自身に向き合う姿を、緻密な構成で映し出していく。彼は本作について、「自身の200%をかけた」と語り、ドランの作家性を凝縮したような濃密な5時間に仕上がった。これまでも語られてきたテーマはもちろん、空想と現実が突如として切り替わる独特の演出や、細部にまでこだわった美術や衣装など、ファンにとっては様々な過去作を彷彿とさせるたまらない要素が詰まっている。ハンス・ジマーは“同郷”ドゥニ・ヴィルヌーヴの紹介音楽を担当したハンス・ジマーは、『DUNE/デューン 砂の惑星』でタッグを組んだデヴィッド・フレミングと再び組み、美しいオリジナルスコアで物語にひりひりするような緊迫感を与えている。実は、当初予定していた音楽家が降板し困っていたところを、自身と同じくカナダ・ケベック州出身のドゥニ・ヴィルヌーヴの紹介でジマーの連絡先を教えてもらったというドラン。人気作曲家ゆえ無理だろうと「ダメ元」での電話をしたというが、なんとジマーは快諾。カナダ出身の天才監督同士の絆が新たな可能性を切り開くこととなった。また、ドランの作品らしく、印象的に様々なポピュラーソングが使われる演出も健在で、カナダ出身のセリーヌ・ディオンほか、「オアシス」やルーファス・ウェインライトなど人気ミュージシャンによる楽曲が登場するのもポイント。この度解禁となった予告編映像は、ラルーシュ家の末っ子エリオット(ドラン)のセラピーでの対話シーンから始まり、「今朝の気分は?」と聞かれ、すかさず顔を逸らし遠い目をするエリオットの様子から、不穏な空気が漂う。過去・現在もなお抱える家族のトラウマ、苦悩がまるでフラッシュバックのように次々と切り取られる。一家の受け入れがたい過去とは、ロリエ・ゴドローとは誰なのか、“あの夜”に一体なにがあったのか? ジマーによる音楽が物語の不穏さと緊迫感に拍車をかけ、サスペンスフルでありながら映像美が目に焼きつく、鮮烈な予告編となった。本作は、本年度サンダンス映画祭インディーエピソディック部門に見事選出され、1月21日に行われたインターナショナルプレミア上映でも好評を博し、本国カナダに次いで先日配信・放送がスタートしたフランスでも「グザヴィエ・ドランにノックアウトされた」(ル・パリジャン)、「グザヴィエ・ドランのこだわりを凝縮したドラマ」(テレラマ)など地元有力紙からも絶賛を受けている。海外ドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」は2月24日(金)よりAmazon Prime Video「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて配信(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2023年02月01日グザヴィエ・ドランが初めて手掛けたTVドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」(英題:The Night Logan Woke up)が、「スターチャンネルEX」にて2月24日(金)より独占日本初配信されることが決定した。カナダ・ケベック州出身のグザヴィエ・ドランは、19歳で発表した長編デビュー作『マイ・マザー』がカンヌ国際映画祭監督週間で上映されて以来、続く『胸騒ぎの恋人』や『わたしはロランス』も同映画祭で上映。2014年に『Mommy/マミー』で審査員賞、2016年には『たかが世界の終わり』でグランプリを受賞し、高い評価を受けていることから“カンヌの申し子”の異名を持つ監督として話題作を発表し続けてきた。グザヴィエ・ドラン © Shayne Laverdièreそんなドランが今回、自身にとって初挑戦となるTVドラマに挑戦。同名舞台が原作の本作では、ドラン自身が脚本・監督・製作・出演。30年前に起きた事件とそれにかき乱される家族の姿を、過去と未来を行き来しながらサスペンスフルに描いた。本年度サンダンス映画祭インディーエピソディック部門に選出され、来る1月21日にインターナショナルプレミア上映が控えている。ストーリー1991年、ケベック州の郊外。ラルーシュ家のジュリアン、妹のミレイユと、向かいに住むゴドロー家のロリエは仲良し3人組だった。しかし、ある夜の事件を境に3人の人生は一変。ミレイユは秘密を抱えたまま町を離れ、家族と距離を置く。ミレイユ(ミミ)/ジュリー・ルブレトンそれから約30年。母マディが危篤という連絡を受け、ミレイユが帰郷、ジュリアンとパートナーのシャンタル、次男のドゥニ、ドラッグのリハビリ施設から出たばかりの末っ子エリオットら家族が再び集まることに。そして、マディが残した予想外の遺言が引き金となり、葬り去られていた嘘と秘密に翻弄されることとなる。はたして“あの夜”いったい何が起きたのか――。エリオット/グザヴィエ・ドランさらに、本ドラマの配信を記念して、2月にグザヴィエ・ドラン監督コンプリート特集の配信が決定。彼の監督作全8本と出演作1本の合計9本を一挙に配信する。『Mommy/マミー』今回の特集では、“母と息子の衝突”というドラン監督の原点となる長編デビュー作『マイ・マザー』をはじめ、作中でアスペクト比を変えるという大胆な手法で、閉塞感と未来への期待感の対比を見事に映し出しカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した『Mommy/マミー』、会話劇を通して家族の衝突と対話を描き、同グランプリに輝いた『たかが世界の終わり』のほか、俳優として出演し、演技者としての魅力を発揮した『神のゆらぎ』など計9本となっている。海外ドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」はAmazon Prime Video「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて2月24日(金)より配信(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2023年01月16日フランソワ・オゾン監督『Summer of 85』で日本でも大きな注目を浴びたバンジャマン・ヴォワザンが主演を務め、共演にグザヴィエ・ドランやセシルド・フランスらを迎えた、セザール賞最多7冠の『幻滅』。その公開初日が2023年4月14日に決定し、予告編が解禁となった。本作は、フランスを代表する文豪オノレ・ド・バルザックが書き上げた「幻滅ーーメディア戦記」を映画化。フェイクニュースやステルスマーケティングなど、200年も前の物語とは思えないほど現代と酷似したメディアの状況を鋭利に描く、社会派人間ドラマで、先日フランス映画祭で上映された際には「セザール賞受賞納得の見ごたえ」「豪華なキャスト!」「2時間半あっという間で面白かった」と絶賛の声が溢れた。解禁となった予告編では、文学を愛し、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアン(バンジャマン・ヴォワザン)が、あこがれのパリで暮らす中で当初の目的を忘れ、欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていくさまが映し出される。時は1820年。フランスでは宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。そんな社交界に現れたのが、「都会に慣れていない子」と紹介されたリュシアン。詩人として成功を夢見る純朴な青年は、貴族の人妻、ルイーズ(セシルド・フランス)と駆け落ち同然で憧れのパリに上京する。リュシアンの先輩格となる、世渡りの旨いジャーナリスト(ヴァンサン・ラコスト)に「金のためなら魂を売らないと」と言われ、私欲に世界へ足を踏み入れていくリュシアンだったが、「嘘の記事や批評に価値なんてない。真実で戦え」と忠告する作家のナタン(グザヴィエ・ドラン)の登場により、ドラマがさらに動き出す。主演のバンジャマンは、自身の有望新人男優賞を含むセザール賞7部門を獲得したときの気持ちについて、「すべてのカテゴリーで受賞するといいなと思っていました。結果的に最優秀作品賞を含む7冠を獲得することになったわけですが、このチームが評価されたということでうれしかった」とコメント。現代的ともいえる要素を強調しながら、風刺に富んだ極上のエンターテインメントに自信を見せている。メイジャー「幻滅」オリジナルポストカード2枚セットなお、上映劇場窓口、メイジャーオンライン、ムビチケ販売サイトにて前売り券が発売中。「ムビチケ前売券(オンライン)」特典として、オリジナルポストカード2枚セット(メイジャー)やオリジナルスマホ壁紙がつく。『幻滅』は2023年4月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:幻滅 2023年4月14日より全国にて公開© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
2022年12月24日いま最も注目を集める指揮者のひとり、フランソワ=グザヴィエ・ロトが、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団と共に来日し、7月に東京公演を実施する。フランソワ=グザヴィエ・ロトはケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団のカペルマイスターを務める注目の指揮者で、日本でも人気を集めている。2018年には東京オペラシティで自ら創設したオリジナル楽器のオーケストラ、レ・シエクルと公演を行ったが、今夏はケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団と共に東京オペラシティに登場する。当日は、ドイツを拠点に活躍する河村尚子とモーツァルトのピアノ協奏曲第 20 番 ニ短調、ブルックナーの交響曲第4番 変ホ長調《ロマンティック》を演奏。《ロマンティック》は現在一般的に演奏されている第2稿ではなく、「1874 年第1稿」で演奏される。ロトとケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団はブルックナーの交響曲を集中的に取り上げており、今回の演奏も大きな注目を集めそうだ。フランソワ=グザヴィエ・ロト/ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団7月3日(日) 15時開演東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル【出演】フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)河村尚子(ピアノ)ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団【曲目】モーツァルト:ピアノ協奏曲第 20 番 ニ短調 K466ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調《ロマンティック》(1874 年第1稿)■チケット情報
2022年05月02日カナダ10州の中で最も広大な面積を誇り、フランス語を公用語とするケベック。グザヴィエ・ドランやドゥニ・ヴィルヌーヴら、世界的なフィルムメーカーを輩出してきたこの地から届いた映画『やすらぎの森』は、人里離れた深い森を舞台に人生の晩年をいかに生きるかを観る者に投げかける物語。ケベックを拠点にする女性作家ジョスリーヌ・ソシエの原作小説に感銘を受けた、同じくケベック出身のルイーズ・アルシャンボー監督が同郷の名優たちを迎えて映画化、自然の鼓動までも伝わってくるかのような世界観を見事に作りあげた。アルシャンボー監督は、本作の「アウトローなキャラクターたちに惹かれました」と語る。人は「尊厳を保ちたい生き物」「原作は人生や希望について書かれた小説です。どんなバックグラウンドでも、心をひらいて他者を理解することをこの映画は描いています。国籍や年齢、宗教や文化、性別などが違っても、その違いを恐れることなく、相手の話に耳を傾ければ、結局は皆、人を愛し、人に愛されたい、そして尊厳を保ちたい生き物であることが分かる。それが人間なのだと分かります。また、人がそれぞれどう生きるか、そしていつ死ぬのかという自由を書いた小説でもあります」と、原作について語る監督。「登場人物は皆、重い過去を背負ったアウトローですが、自分とは異なる境遇にいる人に心をひらいていきます。彼らは高齢者ですが、誰にでも当てはまる物語です。将来を悲観するようなことがあっても、心をひらけば状況が変わったり、人間関係を変えることができたりする。新しい光が差し込むこともあると語っています」と、自身の心をとらえた作品のテーマに触れる。「可能な限り小説の内容は崩したくなかった」と続け、「脚色を手掛ける前に原作者のジョスリーヌ・ソシエともたくさん会話したのです。原作は彼女のおばに捧げられたもので、過去におばが16歳から亡くなる87歳まで精神科施設に入れられていたことや、彼女自身がおばから受けた影響」を映画に盛り込んでいったという。「おかげで自分の人生を取り戻した」原作者ソシエのおばの“分身”ともいえるマリー・デネージュ/ジェルトルード役を演じたのは、本作が女優引退作であり、遺作ともなったアンドレ・ラシャペル。「素晴らしい女優ですし、非常に優雅です。青い瞳や肌の質感などがまるで天使のようで、容貌も人間的にもマリー・デネージュ役に最適でした」とふり返る監督。「現場でアンドレと話すのは、大変楽しかったです。とても寛大で、賢くて、人をジャッジするようなことはしない人」であり、「彼女自身いつもポジティブで、自らの人生をマリー役に投影してくれました」という。「脚本を書いている段階でオファーしたのですが、彼女はプロデューサーに『出演するのはいいけど、いつ?半年後には死んでるかもしれないわよ』と言ったそうです。それまでに約3年の演技のブランクもありました。映画監督だった旦那様が癌を患い、そのお世話をされていたそうで、疲れていた様子でした。でも、原作小説が好きだということで、私たちのオファーを受け、『これを最後の映画にする』と言ってくださった」と明かす監督。さらに、「撮影に入った当初は、なかなかセリフを覚えられず、歩くこともままならない時がありました。でも終盤になると、釣りを楽しむようになり、歩く速度も上がりました。『この映画に出してくれてありがとう。おかげで自分の人生を取り戻した』と言ってくれたことを覚えています」と嬉しいエピソードもあったそう。劇中では、このアンドレが演じたマリーとチャーリー(ジルベール・スィコット)の2人がまるでティーンネイジャーのようにぎこちなく、だが優しく体を重ねるシーンも印象的だ。「2人のラブシーンは原作でもとても大切なシーンとして描かれているので、アンドレもこの映画の核になると分かっていました。彼女はこれまで何本も映画やドラマに出演していますが、実はセクシャルなシーンに挑むのは初めてでした」と監督。撮影に際し、「あなたたちを2020年のセックスシンボルにしたい。ワオ!きれい!と言われるようにしたい」と2人に話したという。人生のしまい方をどう考える…ある選択に「鳥肌が立つほど驚いた」マリーとチャーリーのラブシーンが生の息吹を感じさせる一方、本作には実際にケベックの森で多大な被害を出した山火事が“死”を象徴するかのように登場する。「過去の山火事の森の映像は、実際の山火事のカラー映像から作りました。ストーリー性と芸術的な理由から、モノクロに転換し、スロー再生し、画像に粒子感を加えました。必要なのは火なのか、水なのか、地球の中心なのか、私たち人間よりも強力な何かなのか、それとも自然の力なのか。問いかけながら、山火事のイメージを変容させ、催眠的なものにしたいというアイデアがありました」と監督は打ち明ける。そして、「老いること」と「人生のしまい方」について問うと、「とてもデリケートで個人的な質問だと思います。ケースバイケースだと思いますが高齢の俳優たちとは、そういったテーマについて話し合いました」と慎重に答える監督。「鳥肌が立つほど驚いたのは、撮影の数か月後にアンドレに癌が見つかり、その1年後に尊厳死を選び、医療的幇助を受けて亡くなったことです(※カナダでは尊厳死は合法化されている)。癌で旦那様を亡くされていたので、同じように死ぬのは嫌だと思っていたそうです。人生最後の日は家族に囲まれ、歌を唄って、笑って亡くなったと聞いています」。「訃報を聞いた時はもっと彼女と話したかったと思って悲しく辛かったのですが、同時に、これは私のエゴなのだと思いました。この映画はフィクションですが、アンドレはマリー・デネージュという役を経験して学び、自分の選択ができたのだと思います」とアンドレを思いながら言葉を紡ぎ、「ただ『死が選択できるなら、それでいい』という話ではなく、もちろん、生きる希望を与えることも大事だと思います」と続ける。ちなみに、劇中ではマリーを森に連れてくる甥、スティーヴがアジアに憧れを抱いている様子が伺えるが、「日本は大変興味深い国のひとつで、私は日本の文化が好きです」と監督。「生活様式が非常に美しいと思います。食事や洋服、建築、デザイン、歴史、文化的な儀式など、すべてが美しい」と続ける。「自然を非常に大切にしている国だと思います。食べ物や建築、アートもそうであるように、ルーツには自然がある。個人的には、そういったところに日本と繋がりを感じています」と言う。自然に抱かれることで過去や現実と向き合い、生と死を目の当たりにすることは、確かに日本人の死生観とも通じるものがあるはずだ。『やすらぎの森』は5月21日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:やすらぎの森 2021年5月21日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2019 - les films insiders inc. - une filiale des films OUTSIDERS inc.
2021年05月24日『たかが世界の終わり』のグザヴィエ・ドラン監督が、BTSのVに「一緒に仕事をしたい」とラブコールを送った。ドラン監督は、韓国の雑誌「ARENA HOMME PLUS」とのインタビューで、韓国人アーティストの中からだれを監督作にキャスティングしたいかと尋ねられた。すると『パラサイト 半地下の家族』でギウ役を演じたチェ・ウシクとBTSのVを挙げ、「私は本当にウシクのことが大好き。Vはすごく魅力的だからいつか一緒に仕事をしてみたい」と語った。BTSのファンは喜び、「ぜひ実現してほしい。テヒョン(V)とウシクが一緒に演技することを」「テヒョンにまた俳優をやってほしい。魅力があるし、才能もあるから」「世界は俳優のテヒョンを必要としている」などとツイッターでコメントしている。現在31歳のドラン監督は、20代前半からヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭などで作品が上映され、高い評価を受けてきた。2016年のカンヌ国際映画祭では、『たかが世界の終わり』がコンペティション部門でグランプリとエキュメニカル審査員賞を受賞している。(パルム・ドールはケン・ローチ監督作『わたしは、ダニエル・ブレイク』が受賞)。アデルの「Hello」のMVの監督を務めたり、『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』などの作品には俳優として出演しているなど、多才なことで知られている。(Hiromi Kaku)
2021年02月19日グザヴィエ・ドラン監督が友情と恋の物語として描いた最新作『マティアス&マキシム』。この度、ドラン監督が昨年のカンヌ国際映画祭にて受けたインタビュー映像が解禁となった。幼い頃から共に育ってきた幼なじみの間に、突如芽生えた恋愛感情を繊細に描いた本作の根底にあるのは「友情」。なぜ男性同士の友情について描こうと考えたのか聞かれたドランは「子供の頃に見た映画が影響してると思う。そういう作品に敬意を払いたかったんだ。『アウトサイダー』とか男の友情がテーマの映画さ。でも直接ヒントを得たのは僕の友人たちから。彼らとの友情について語りたかった」と語り始める。今回は実際に自身の友人をメインにキャスティング。しかし、アドリブによる即興演技は一切入れなかったという。「僕は磨きのかかった脚本に沿って撮ることを好む役者と念入りにリハーサルをして完成度を高めていくんだ。話し方やイントネーションはもちろん、英語やフランス語のレベルも差をつける。本作もそのように準備して撮影に臨んだ。そうすることで、彼らの親密な関係を表現することができた」と語り、たとえ気心の知れた友人たちに囲まれた環境でも、自身のスタイルを貫くクリエイターとしての姿がうかがえる。また、セリフだけでなく、視線のやり取りやふとした仕草にも注目してほしいというドラン。監督がそう語るように、本編では戸惑いや嫉妬、心配や愛おしさが相手を見つめる視線1つで雄弁に語られている。「たった一度のキスを機に彼らは気付く」と語るドラン。「人は感情を揺さぶられてから魅力を感じるとね。“魅力”じゃないな、“欲望”の方が正しいね。2人は1回のキスに完全に翻弄されてしまうんだ。そのことが頭から離れなくなり、友情関係にも次第に影響が出てくる」と語り、「つまり、この映画のテーマは決して同性愛ではない。テーマは愛なんだ。その瞬間が突然やって来た時、どう反応すべきか」と語り、観客に問いかけたいテーマについて明かしている。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年09月24日グザヴィエ・ドランがナタリー・ポートマンやキット・ハリントンなどを迎えた、初めての英語作品となる前作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』を観たとき、これは彼の集大成であり、もしかしたら、もう映画を撮らないつもりなのかも…という思いが一瞬よぎってしまった。ドランの作品はいつでも自伝的で、左腕にタトゥーを入れるほど心酔する『ハリー・ポッター』のダンブルドアことマイケル・ガンボンが、“瞬く間に時代の寵児になった”主人公ジョンに示唆を与える役として特別出演していたからだ。だが、そうではなかった。同作の撮影1年前から準備していたという『マティアス&マキシム』で、彼は原点に帰ってきたのだ。成熟期のドランが“ホーム”に帰ってきたこの最新作でドランは、『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶりに役者として自身の監督作品に出演している。故郷であるカナダ・モントリオールを舞台にケベック訛りのフランス語を話しながら、実際の友人たちと生み出した『マティアス&マキシム』は恋と友情の青春ストーリー。もはや早熟の天才でも、“アンファン・テリブル”(恐るべき子ども)でもない成熟期に入ったドランが演じたのは、設定は異なれども『マイ・マザー』の少年から10年たったような姿だった。マティアス(マット)とマキシム(マック)、名前も似ている2人の青年の友情の揺らぎと、切なく、じれったいまでの恋心に焦点を当てつつも、彼が演じたマキシムは相変わらず母親に対して複雑な思いを抱えており、30代を前にようやく母親から離れようとしている。その母親役を演じているのが、『マイ・マザー』『Mommy/マミー』でも主人公の母親を演じていたアンヌ・ドルヴァルなのだから、まさに“ホーム”。そして、監督ドランは自分流の映像表現とその伝わり方を承知の上で、『たかが世界の終わり』や『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』のように家族や友人同士の会話によってキャラクターや関係性を紹介し、感情を代弁する音楽をかき鳴らす。ドキュメンタリー映画のようなたわいないやりとりに、恋を自覚した2人の視線の交わりを忍ばせていく。また、『君の名前で僕を呼んで』のエリオとオリヴァーを彷彿とさせる、マティアスとマキシムの青と赤の色彩の対比は衣装だけでなく、マティアスが一心不乱に泳ぎ続ける湖の色や、マキシムの血の涙の跡のようなアザなどにもうかがえる。ゲイのラブストーリーと母子の愛憎を描く…だけじゃないドランさらに注目してほしいのは、窓越しに撮られた景色や人物たちだ。特に、友人の妹であるエリカに自主短編映画への“出演”を約束させられ、皿洗いをしながら困惑するマティアスとマキシムをとらえた窓が切り取った画角にはハッとさせられた。それは『Mommy/マミー』で話題となった1:1=正方形のインスタサイズではなく、Tik Tokやインスタストーリーズの9:16の画角。エリカはデジタルネイティブのZ世代、「ドラゴンボール」の話をしても通じない新世代なのだ。その上、マティアスとマキシムを混乱させるきっかけを作った、この若き映像作家は「物事をラベルで判断したくない」と言ってのける。まるで、オープンリー・ゲイであるドランについて「常にゲイの恋愛と母子の愛憎を描く」といったラベル=レッテルを張りつけていた批評家や私たちファンの凝り固まった決めつけに、ドラン自身が自分はそんなに単純じゃないと新たな挑戦状を叩きつけているようにも思えてくる。いろんな形があっていい、お互いにとって唯一無二の形であればそれでいい、と。エリカに代表される、多様性のその先のインクルーシブ(包括性)をすでに受け入れている者たちのように、この映画を、グザヴィエ・ドランのありのままを観てほしいと投げかけられているような気がする。本作を準備しながら、『ある少年の告白』や『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』で抑圧、迫害されるゲイの青年を演じたことも大きいかも知れない。ドランは本編の冒頭で、影響を受けた『ある少年の告白』監督のジョエル・エジャトンや、『君の名前で僕を呼んで』監督のルカ・グァダニーノ、『ゴッズ・オウン・カントリー』監督のフランシス・リー、そしてマティアスの取引相手を演じたハリス・ディキンソンが眩しい『ブルックリンの片隅で』監督のエリザ・ヒットマンといった4人の先輩たちに本作を捧げている。今度は自分の作品が誰かにとってそうありたい、と言わんばかりに。これらの作品に匹敵するくらい、2人が交わした情熱的なキスは忘れられないほどの美しさだった。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:Reiko Uehara)
2020年09月23日グザヴィエ・ドラン自身が主人公のひとりを演じ、2人の青年の友情と揺れる恋心を描く監督最新作『マティアス&マキシム』。先日発表された菅田将暉が朗読する最果タヒの詩に続いて、杉咲花と千葉雄大が作品への想いを寄せた詩と、その言葉がデザインされたポスタービジュアルが到着した。これまで様々なクリエイターとコラボレーションを果たしてきた本作。本作の公式ビジュアルを担当したヒグチユウコは「もう一度観たくなる素晴らしい作品」と絶賛。また、本作に詩を寄稿した最果さんからは「こんなにも好きな映画に出会えてよかった」と熱く語り、その最果さんの詩を朗読した菅田さんは「人間には愛があると教えられた」と語っている。そして今回、以前からドラン作品にコメントを寄せてきた女優の杉咲さんからは、まるで情景が浮かぶような美しいポエムが到着。また、インタビューや個人のSNSで度々ドランについて話している千葉さんからは、本作に見る“友情”について個人の想いも交えたポエムが届いた。この2人の想い溢れる言葉が、本作のポスターを手掛けた大島依提亜氏によってビジュアル化されたポスターも制作された。杉咲花(女優)ポスター掲載ポエム苦しいことの方が多い人生だけれど、たった一瞬の喜びや幸せに私たちは生かされて、そしてそれを求めてまた生きていくのだと思う、とある人が言っていたことを思い出した。孤独の青、炎の赤、涙の青、情熱の赤、すれ違う2色の鼓動が初めて交わった時それはそれは美しく、儚い朝焼けのようだった。千葉雄大(俳優)ポスター掲載ポエムぼくの友達について考えてみた。彼、彼女らはかけがえのないものだ。集まれば、みんないろいろ抱えていたとしても、なんだかくだらないこと一つで笑い合えて。誰かが欠けても誰かが加わっても、友情は形を変えて人生を彩ってくれる。けれども、人との関わりは、煩わしくもある。ある分野においては衝突もするし、言葉を飲み込むこともある。時には尖った言葉で手を離してしまうこともあるかもしれない。そうやって歪な形を取りながらも、やっぱり手を繋いで気付いたら一緒にいる。でも、その手を繋げなくなるかもしれないとしたら。それはとても怖いことかもしれない。それでも、窓越しに浮かべる彼の素敵な笑顔を彼に教えてあげたい。この先どうなろうが、その瞬間だけは苦しくなるほど美しかった。そのほかにも幅広い著名人から、コメントが到着している。江國香織(作家)名づけ得ない感情が、名づけられないまま息づいた、繊細で情感豊かな映画。言葉の奔流も愉しい。泳いだり走ったり殴ったり殴られたり、若い人たちは大変(なのにうらやましくなった)。魚喃キリコ(漫画家)こんなに熱のあるキスシーンを見たことがない。山戸結希(映画監督)カットバックは義務、ツーショットは権利。登場人物たちは皆、距離を表現し続ける。ツーショットが許されるのは、この世界にただ二人だけ。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年09月18日今月9月、シネマカフェでは、カナダの若き才能グザヴィエ・ドランを特集。6歳で子役としてデビューし、監督・脚本・編集、ときには主演など、ほとんど全てをこなしてしまうドラン監督は、19歳で初監督作『マイ・マザー』を手掛け、新作を発表するたびに世界の映画祭を席巻している。今回は、そんなドラン監督がメガホンを取った作品や出演作品を一挙にご紹介。監督作品鮮烈なデビューを飾った『マイ・マザー』から、日本でもスマッシュヒットとなった『わたしはロランス』、そして今月公開の最新作『マティアス&マキシム』まで、順番にチェック。監督デビュー作!『マイ・マザー』(’09)【監督・脚本・出演】ストーリーカナダ・ケベック州の町で暮らす少年ユベール・ミネリは最近、母が疎ましく思えてしょうがない。その一方で、理由もなくいら立ってしまう自分にも嫌気がさしていた。昔は大好きだった母への憎しみが日に日に増す中、ユベールは川沿いで母を偶然見かけ、その光景が幼い頃に見た情景と重なり、安心感を覚える。そんな幼少期への郷愁と折り合いをつけるべく、とある行動にでるのだが…。★Pick up!cocoユーザーの声この作品を19歳で監督主演したグザヴィエ・ドランの才能に脱帽。ガラスの十代とは言い得て妙だが、監督の繊細な美意識が全体を貫いている。画の撮り方、音楽の挿入も絶妙。美しいナルシズムにほろ酔いになる良作だった『マイ・マザー』、早熟の天才グザヴィエ・ドラン自身の半伝記的な物語。監督・脚本・主演を務め、いわば<私小説>ならぬ<私映画>ということか。青年が親離れするための衝突なのだろうが、安息の地を求めてたどり着く先が“そこしかなかった”というのが切ない。色調の美しさが印象に残る。三角関係…『胸騒ぎの恋人』(’10)【監督・脚本・編集・出演】ストーリーフランシスは、親友マリーも思いを寄せる青年ニコラを好きになる。相手の心の内を探るため悪口を言ったり、ニコラの思わせぶりな態度に揺さぶられたり。複雑な三角関係が展開する。★Pick up!cocoユーザーの声3人三様、ベクトルの方向は常に一方通行。片思いはどんな形であれ辛く、1人で悶々とする。結末をしりたいけど知るのが怖い、失うのが怖い。そんなヒリヒリした感情が痛いほど伝わってきてしまう作品現れた美少年はかつてないほど心を掻き乱し、二人の男女の境界線のようにも思える。ビンテージ感溢れる見事な色彩の中から飛び出すおし潰されそうな感情にこちらまでも魅了されてしまった。愛おしく切ないこの作品に逢えて良かったずっと自分を偽っていた――『わたしはロランス』(’12)【監督・脚本・衣装・編集】ストーリーモントリオール在住の小説家で国語教師のロランスは、美しく情熱的な女性フレッドと恋をしていた。30歳の誕生日、ロランスはフレッドにある秘密を打ち明ける。「僕は女になりたい。この体は間違えて生まれてきてしまったんだ」。それを聞いたフレッドはロランスを激しく非難。しかし、ロランスを失うことを恐れたフレッドは、ロランスの最大の理解者・支持者として、一緒に生きていくことを決意する。メイクを教え、女性の服装で生活すべきだと促すも、田舎町で生活するのは困難がつきまとう…。★Pick up!cocoユーザーの声人を愛することを正面から描いた、重い、素敵な作品。大切で愛しているのは本当なのに、セクシャルな壁がどうしても立ちふさがる。越えようともがく。その葛藤と切なさ。美しい映像と音楽。168分、見応えあり。難しい恋愛だけど、二人にしかできない特別な恋愛を切なく駆け抜ける。美しく映像が多くて好き。音楽もよくて、おもしろかったです戯曲を愛のサイコサスペンス仕立てに『トム・アット・ザ・ファーム』(’13)【監督・脚本・衣装・編集・出演】ストーリーモントリオールの広告代理店で働くトムは、交通事故で死んだ恋人ギョームの葬儀に出席するため、実家の農場に向かう。そこには、ギョームの母アガットと兄フランシスが暮らしていた。トムは到着してすぐ、ギョームが生前、母親にはゲイの恋人である自分の存在を隠していたばかりか、ガールフレンドがいると嘘をついていたことを知りショックを受ける。さらにトムは、フランシスからギョームの単なる友人であると母親に嘘をつきつづけることを強要される。恋人を救えなかった罪悪感から、次第にトムは自らを農場に幽閉するかのように、フランシスの暴力と不寛容に服していく…。★Pick up!cocoユーザーの声秀逸の出来栄えのサイコスリラー。静寂の中で高まる緊張感に最後までゾクゾク感が止まらない。なまじなホラー映画よりずっと怖いフランシスの狂気とトムの恐怖。ドラン監督は天才だわ『トム・アット・ザ・ファーム』 嘘 暴力 抑圧 不穏な空気 不在の存在 そして息苦しいほどの官能 サスペンスドラマとしての定形や、あからさまな隠喩の陰にある、解ける事のないいくつかの謎 そのアンバランスな危うさに魅了されるカンヌ審査員賞!『Mommy/マミー』(’14)【監督・脚本・衣装デザイン・編集・出演】ストーリーとある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。2か月後、内閣はS18法案を可決。公共医療政策の改正が目的だ。中でも特に議論を呼んだのは、S-14法案。発達障がい児の親が、経済的困窮や身体的・精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律。ダイアン・デュプレの運命は、この法律により、大きく左右されることに――。★Pick up!cocoユーザーの声マイマザーを観た時に味わったこのテーマを撮ったのが弱冠18歳の男子だっていう驚愕。今度は15歳のADHD障害の息子と母の物語。1:1の正方形画面から溢れ出す躍動感とヒリヒリするエモーション。凄いめちゃくちゃで破壊的な場面が多いが見事に計算され尽くされた作品で、何から何までリアルな演出で五感を揺さぶる。特に色彩の美しさは秀逸だある家族の1日を切り取る『たかが世界の終わり』(’16)【監督・脚本・編集】ストーリー「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ。母マルティーヌは息子の好きだった料理を用意し、幼い頃に別れた兄を覚えていない妹シュザンヌは、慣れないオシャレをして待っていた。浮足立つ2人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ、彼の妻のカトリーヌはルイとは初対面。戸惑いながらも、デザートの頃には打ち明けようと決意するルイだが、過熱していく兄の激しい言葉が頂点に達したとき、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとばしる―――。★Pick up!cocoユーザーの声家族愛の話だが、なんか日本映画見たい。この手の話は日本映画がお得意とするものだと思っていたけど、アップの見せ方とか台詞回しとか微妙な間とか難解さとか秀逸限られた登場人物による室内劇は、俳優の演技力に依るところが大きく、誰が撮っても同じだと思っていたが・・・。フランスを代表する俳優たちの演技が素晴らしいのは当然、その演出、映像、カットが冴え渡るドラン作品豪華キャストとタッグ!『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』(’18)【監督・脚本・編集・プロデューサー】ストーリー2006年、ニューヨーク。人気俳優のジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さでこの世を去った。自殺か事故か、あるいは事件か。謎の真相の鍵を握るのは、一人の少年。それから10年の歳月が過ぎ、ドノヴァンと当時11歳の少年だったルパート・ターナーの“秘密の文通”が一冊の本として出版される。いまでは注目の新進俳優となったルパートが、100通以上の手紙の公開に踏み切ったのだ。さらにルパートは、著名なジャーナリストの取材を受け、全てを明かすと宣言するのだが──。★Pick up!cocoユーザーの声純粋な二つの魂が心無い者達に踏みにじられていく。才能ある若者が開花できずに終わるのは何ともやるせないがラストシーンに爽やかさと明るい希望が感じられる少年役のジェイコブ君が心に刺さる演技で泣かせる泣かせる。キット・ハリントンは、特徴的な含みのある笑みが複雑な感情を抱えるジョンにぴったりだった恋と友情の狭間で揺れる『マティアス&マキシム』(9月25日公開)【監督・脚本・編集・衣装・プロデューサー】ストーリー30歳のマティアスとマキシムは幼なじみ。その日も一緒に仲間のパーティへ向かうが、彼らを待ち受けていたのは、友達の妹からのあるお願い。彼女の撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった2人だが、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気付き始める。婚約者のいるマティアスは、芽生えた感情と衝動に戸惑い、一方のマキシムは、友情が壊れてしまうことを恐れオーストラリアへと旅立つ準備をする…。出演作品『マイ・マザー』や『トム・アット・ザ・ファーム』など、監督する作品で自ら出演することもあるドラン監督だが、ほかの監督作品で演技者として挑んだ作品にも注目。まず、「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2015」にて上映された短編『鏡』(’06)。本作の監督エチエンヌ・デロシアーズは、80人のオーディションの中でドランを発掘したという。15歳のドランが主人公のジュリアンを演じ、彼の思春期の多感な心の悩みや自身の性への目覚めを描いた作品だ。また、パスカル・ロジェ監督のトラウマ・ホラーの代名詞『マーターズ』(’07)。脚本に惚れこみ、出演を熱望したというサスペンス・ヒューマンドラマ『神のゆらぎ』(’14)。そして脚本を読み、「これは僕だ。僕に演じさせてほしい」と自ら出演を熱望したという『エレファント・ソング』(’14)も必見。精神科病棟を舞台にした本作は、ブルース・グリーンウッド、キャサリン・キーナーら実力派俳優が出演、たたみかけるような会話劇が繰り広げられる心理サスペンス。ドランは、他人を翻弄しつつも痛々しいまでに愛を渇望する青年マイケルを好演している。>見逃し注意!? 近年ではあの作品にも登場…また最近では、同性愛を“治す”という矯正セラピーについて描く衝撃の実話を基にした『ある少年の告白』(’18/ジョエル・エドガートン監督)。ワケありホテルを舞台にした『ホテル・エルロワイヤル』(’18・未/ドリュー・ゴダード監督)。スティーヴン・キング原作のホラー映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(’19)にも出演した。>グザヴィエ・ドランをもっと知りたい方におすすめのドキュメンタリー作品ドランの素顔に迫る奇跡のドキュメンタリー『グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル』。自身の映画作りへの思いやこだわり、数々の名シーン誕生秘話が語られるほか、ヴァンサン・カッセル、マリオン・コティヤール、ナタリー・バイなど、ドラン作品に出演した名優たちが、ドランの魅力の秘密を話す。(cinemacafe.net)■関連作品:わたしはロランス 2013年9月7日より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開トム・アット・ザ・ファーム 2014年10月25日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンク、テアトル梅田ほか全国にて公開© 2013 - 8290849 Canada INC. (une filiale de MIFILIFIMS Inc.) MK2 FILMS / ARTE France Cinema© Clara PalardyMommy/マミー 2015年4月25日よ新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開© 2014 une filiale de Metafilms inc.たかが世界の終わり 2017年2月11日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開© Shayne Laverdière, Sons of Manualグザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル 2017年11月11日よりYEBISU GARDEN CINEMAほかにて限定公開© 2016 Tangaro – Shoot again productions – MK2 – Sons of Manual – Metafilmsある少年の告白 2019年4月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開Ⓒ2018 UNERASED FILM, INC.IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 2019年11月1日より全国にて公開©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.ジョン・F・ドノヴァンの死と生 2020年3月13日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2018THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.
2020年09月16日麗しく、繊細で、才気あふれる映画監督。現在31歳のグザヴィエ・ドラン監督は早熟の天才であり、映画界の希望の星だ。最新監督作『マティアス&マキシム』の劇場公開(9月25日)を記念し、「ドランの名は知っているけれど、観たことはないかも」という方に改めて、彼の魅力をご紹介したい。「愛」を描き、秀逸な映像表現で魅せる幼少期から子役として活動を始めたドランは、若干19歳にして映画監督デビュー。初監督作『マイ・マザー』(09)では主演と脚本も務め、いきなりカンヌ国際映画祭の監督週間での上映を勝ち得た(これは新人監督にとって、極めて栄誉なことだ)。その後、現在に至るまで8本の長編映画を監督し、カンヌ国際映画祭の審査員賞も受賞している。日本では、『そして父になる』(13)が選ばれた賞だ。ドラン作品の特徴はいくつか挙げられるが、全てに共通するのは「愛」を描いていること。特に、母が子に向ける、清濁併せ持った強固な愛――そして、子が母に向ける複雑な愛憎が、異性・同棲を問わない恋愛感情と絡まり、ドラマティックに彩られていく。「言いすぎて、傷つける」家族の愛と、「言えなくて、遠ざかる」恋人や友人の恋の対比が、美しくももの悲しいムードをかき立てるのだ。感性を刺激するスタイリッシュな映像表現も秀逸で、キャラクターの目の動きをじっと見つめるショット、対象に一直線にズームするカメラ、セリフを排し、劇的な音楽と走馬灯のように駆け巡る映像だけに特化した見せ場のシーンの演出など、感情ベースの映像作りが特色だ。鮮やかな中にも“手触り”を残した色彩感覚と質感も、味わい深い。ドランの映画は、否応なしに観る者の感情を刺激し、激情を引きずり出す。批評家層はもちろん、多くの映画ファンに厚く支持されるゆえんだ。監督業だけではないマルチな才能また彼は、『マイ・マザー』から最新作の『マティアス&マキシム』まで、多くの監督作で出演も兼ねており、マルチな才能を持つ次世代型のクリエイター。端正な顔立ちに物憂げな眼差し、どこか舌足らずな発声など、役者としても観る者を引き付けるオーラにあふれている。監督作以外だと、恐怖のピエロ、ペニーワイズの餌食になる青年に扮した『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(19)や、若手実力派ルーカス・ヘッジズと共演した『ある少年の告白』(18)など、精力的に活動。ちなみに子役時代はレオナルド・ディカプリオに憧れていたそうで、彼に宛てたファンレターに着想を得た『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』(18)も製作している。余談だが、ドランは2015年に、世界的歌姫アデルのミュージックビデオも手掛けた。全編モノトーンで構成された本作では、ドランらしい「人物の表情のアップ」や「心情を表す風や煙の表現」が確認でき、エモーショナルな仕上がりになっている(ちなみに、監督作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』の冒頭でも、アデルの曲を使用)。“想い”を映像に綴じ込める詩人、グザヴィエ・ドラン。彼の豊饒な世界に触れるとき、私たちの感性も無限に開かれていくのだ。(SYO)
2020年09月09日グザヴィエ・ドランの最新作『マティアス&マキシム』に詩人・最果タヒが寄せた恋の痛みをうたった詩を、菅田将暉が朗読する特別映像が解禁された。今回の特別映像は、あるきっかけからキスをしたことで予想外の恋に落ちる主人公、マティアスとマキシムそれぞれの視点から紡がれたドラン監督による本編映像に、瑞々しくもリアルな作品で若者からの絶大な支持を得る最果タヒの詩を、「MIU404」も記憶に新しい時代の寵児・菅田将暉が読み上げるというスペシャルなコラボレーション。かねてからドラン監督のファンを公言してきた菅田さんは、以前雑誌のインタビューで「最近観て、これはすごいなと思ったのがグザヴィエ・ドラン。こんな感性の人がいるんだなって。10代で監督デビューして、自分で衣装も編集もやるし、主演の時もありますよね。衝撃でした」とドランとの出会いを語っていたことがある。そんな菅田さんが読み上げることにより、切なくも愛おしくてたまらない、触れてみたいけど近付けない、苦しみの中にも歓びがある愛の詩をよりドラマティックに感じられる映像となっている。『傷痕』作:最果タヒ―映画『マティアス&マキシム』に寄せてーすこしでも触れられたら裂けてしまいそうな傷口が、ぼくそのものだと気づいている?きみの前で、ぼくは、触れられたくてたまらなくなる。痛みが美しいだなんて言わない、ぼくはただ、きみを求めていた。血や、叫びが、ぼくから流れ出して、ぼくはそれでも、きみの掌に包まれたかった。傷口が、ひどくさみしい。誰よりもぼくを深く傷つけるひと、きみの手はあたたかいと、ぼくは早くきみに言いたい。菅田将暉、映画『マティアス&マキシム』へのコメント傷みに耐えられる心などある筈もなく果てしなく痛々しいでもその姿が最高に美しい人間には愛があるそう教えられた気がします『マティアス&マキシム』が9月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年09月09日グザヴィエ・ドラン監督最新作『マティアス&マキシム』の公開を記念し、『君の名前で僕を呼んで』『キャロル』『ムーンライト』『あと1センチの恋』の豪華4作品を「恋に落ちる名作」として特集上映することになった。本作は、幼なじみの青年の友情と揺れる恋心に焦点を当てた青春ラブストーリー。溢れ出る愛おしさ、触れたい衝動、相手を追いかける眼差しなど、スクリーンに映し出される全てが「恋」そのものを物語る新たな傑作。この公開を記念して、これまでファントム・フィルムが配給してきた愛の名作を集めた特集上映企画「4夜連続上映 恋に落ちる名作」を東京と大阪で同時に開催。ラインアップは本作を描くうえでドランがインスパイアされたと公言している『君の名前で僕を呼んで』をはじめ、『キャロル』『ムーンライト』『あと1センチの恋』の豪華4作品。本作『マティアス&マキシム』では幼なじみであるマティアスとマキシムが偶然のキスをきっかけに互いへの想いに気づきはじめる。ポスタービジュアルにもなっているこのキスが、2人にとってまさにその瞬間。『君の名前で僕を呼んで』では初めての身を焦がすような経験が、『キャロル』では惹かれ合っていても世間に許されない関係が、『ムーンライト』では消し去ることのできない秘めたる恋心が、『あと1センチの恋』では近すぎて言えない本当の想い…と、それぞれの形で“恋に落ちる瞬間”、そして誰かを好きになることの切なさと歓びが鮮烈に描かれている。様々な愛の形を描いた映画ファンの記憶に残る、いずれも忘れられない名作ラブストーリー4本となっている。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:あと1センチの恋 2014年12月13日より全国にて公開© 2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBHムーンライト 2017年3月31日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2016 A24 Distribution, LLC君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2020年09月07日第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたグザヴィエ・ドラン主演&監督作『マティアス&マキシム』。この度、ドランのカナダ・モントリオールの自宅から自撮りメッセージ映像が到着、本作を「こんな時だからこそ、見てほしい!」と、愛溢れるエールを贈っている。自身で撮影していることから若干手ブレが見られる本映像。これまで来日の叶わなかったドランから届いたこのスペシャルな映像では、本作の中で描きたかったこと、この作品を通して観る人へ問いかけたいことなどを語っている。また、本作のテーマは「友情」と明かすドラン監督。実際にキャスト陣は自身の友達で固め、「これまで彼らのような仲間には出会えなかった」ともインタビューで明かしていたが、本映像の中でも「友情の影響力がいかに大きいかを伝えたかった」とコメント。未だにコロナの影響を大きく受ける私たちに、ドランは「こんな時だからこそ、この作品から“大切な人と過ごす日常”がどれだけ素晴らしいことなのか感じて欲しい」と言う。顔は見ることはできても傍には行けない、ハグはできない、その恋しさや歯がゆさに「つらいよね」と思わず顔を歪め悲しそうに微笑む姿も。いまだからこそ、人が人の温もりを感じることの大切さを教えてくれたドランから届いた、愛に溢れたメッセージとなっている。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年09月01日圧倒的なカリスマ性と才能を携え、映画界の革命児として躍進を遂げてきたグザヴィエ・ドランの最新作『マティアス&マキシム』。本作には新世代英国俳優ハリス・ディキンソンが出演している。本作では、自由気ままな性格で、マキシム(グザヴィエ・ドラン)への恋心に困惑するマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)の胸の内をグラグラと揺さぶる役どころを演じているハリス。コリン・ファースやベネディクト・カンバーバッチなど世界を席巻する英国俳優の中でも注目の次世代俳優で、『マイティ・ソー』のトム・ヒドルストンや『キングスマン』のタロン・エジャトンの登場時を彷彿とさせるような、ネクストブレイク必至な逸材。2017年には、19歳の青年が自身のセクシャリティにもがく姿を描いた『ブルックリンの片隅で』で初長編作品にして初主演。ハリスの演技は高く評価され、ロンドン映画批評家協会賞ではヤング・ブリティッシュ/アイリッシュ・パフォーマー賞を、ゴッサム賞、インディペンデント・スピリット賞ではそれぞれブレイクスルー男優賞と主演男優賞にノミネートされた。ドラン監督は『マティアス&マキシム』を製作する上でインスパイアされた4本の映画のひとつとして『ブルックリンの片隅で』をあげており、主演のハリスを本作で起用したことからもドランの惚れ込みようが伺える。その後、ハリスは『マレフィセント2』にも出演しており、本作と同日公開の『キングスマン:ファースト・エージェント』にもコンラッド役で出演。まさにいま世界へと羽ばたく若き才能といえそうだ。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年08月24日グザヴィエ・ドランが原点回帰で描く、2人の青年の友情と恋心に焦点を当てた最新作『マティアス&マキシム』。ドランは本作でまっすぐなラブストーリーを初めて描くにあたり、『君の名前で僕を呼んで』に強い感銘を受けたことを明かしている。恋と友情の狭間で揺れる幼なじみの青年、マティアスとマキシムを描いたドラン。1980年代の北イタリアを舞台に2人の青年が恋に落ちる『君の名前で僕を呼んで』を観た後、「しばらく動けないほどに感動した。そして僕自身の20代の頃を思い返した」と語る。「ラブストーリーを描くことを強くインスパイアされた。過去に、ラブといっても自己愛や自己愛の喪失は描いたことがあったけど、二人の人間の、真っ向からの真のラブストーリーを描くのは今回が初めて。『君の名前で~』が僕にそうさせたんだ」と強く感銘を受けたことを明かしている。エリオを演じたティモシー・シャラメとも交流のあるドランは、「『君の名前で~』を見た時、僕は君のことを知ってるような気がした」と、キャラクターと演者と観客の境界を超えてくるシャラメの演技を高く評価。シャラメもドランの大ファンであることを公言しており、互いにリスペクトしあっている関係性がうかがえる。そして、ドランはこの名作に応えるように現代を生きるマティアスとマキシムの等身大の物語を誕生させた。自らマキシムを演じ、誰かを好きになることの喜びや切なさを体現している。同じく愛の物語を描いただけではなく、メインビジュアルにもなっているカメラ越しのキスシーンをはじめ、本作ではマティアスとマキシムの赤と青の衣装が印象的。それは『君の名前で僕を呼んで』のエリオとオリヴァーを彷彿とさせるもの。オリヴァーが旅立つ時に、自分が着ていた青いシャツをエリオに贈るという心打つエピソードがあったが、本作もそれぞれの想いや恋する視線など、2人の切なくも愛おしい関係性が服の色でも表現されているので注目してほしい。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2020年08月19日圧倒的なカリスマ性と才能で映画界の革命児として躍進を続けてきたグザヴィエ・ドランが、6年ぶりに自作に主演し、故郷でメガホンをとった『マティアス&マキシム』。これまでの作品にはない一面を持ち合わせている本作についてドランがコメント、メイキング写真が到着した。つかず離れずの絶妙な関係性や、一人一人のキャラクターがとても自然でリアル、“友情”の描き方にも繊細さが詰まっている本作。実は、ドラン演じるマキシムの友達役を演じているのはみな実生活における仲間たち。6年ぶりとなる役者として自作への出演、故郷モントリオールでの撮影と、本作に対する思い入れの強さを見せているドラン。なぜ本当の友達と作りたかったのか、そして彼らと共にどんなことを表現したかったのか、ドランにとって本作がどういった意味で特別なのかを語っている。「友達役の全員が本当の仲間なんです。僕はこれまで友達、仲間をメインにした映画を作ったことがなかったし、それなりに友達はいたけど、彼らのような仲間はいませんでした。20代後半になって仲間ができて、それは映画よりも仕事よりも何よりも大きな僕の目標となりました。そして彼らが僕の人生とライフスタイルを変えました」とドラン。「それと共に、僕は彼らにアイデンティティとセクシャリティに関して自問してほしいと思いました。自分自身を探って見つけようとするのが20代前半ならば、20代後半になれば自分自身のことをもっと理解できているはずだから。強く同性に惹かれたとき、どうするか、ということを」。また、友情を描くうえでインスパイアされた作品として『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』や『いまを生きる』『再会の時』などを挙げており、特に『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で描かれている友情については「非常に重要な意味を持っていると思います。みんな常に傷つけ合っているけど、同時にお互いを守ってもいるんです」と本作で参考にしたことを語っている。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年08月14日グザヴィエ・ドランの主演・監督最新作『マティアス&マキシム』から、たった一度のキスから友達以上の想いが溢れ出すポスタービジュアルと予告編が解禁された。本作は、ドランが1980年代のイタリアを舞台に2人の青年の恋を描いたルカ・グァダニーノ監督『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受け、描いた新たな愛の物語。『君の名前で僕を呼んで』を観た後、「しばらく動けないほどの衝撃だった。恋についての真実を審美的な映画で見ることはなんて感動的なんだろう。僕は自分が20代の頃のことを思い出した」と語ったドラン。この名作に応えるように、現代を生きるマティアスとマキシムの物語を誕生させた。実際に、この新たなラブストーリーを捧げたい監督の1人として、ルカ監督の名前が本編の冒頭に記されている。また、6年ぶりとなる自身の監督作品への出演を果たし、地元カナダ・ケベックでの撮影を行い、仲間役を実際の友人たちにお願いするなど、特別な思い入れを見せている本作。この度、解禁されたポスタービジュアルでは、劇中で短編映画の出演を頼まれたマティアスとマキシムが、カメラの前でキスを交わすまで連動した写真が並ぶ印象的なもの。そして、ビジュアルと同じシーンから始まる予告編では、突如芽生えた感情に戸惑い、葛藤する2人の様子が映し出されている。その映像では、ドランが本作のクライマックスであり、唯一美しさを追求したという息を呑むほどロマンティックで官能的なラブシーンも少しだけ公開。溢れ出る愛おしさ、触れたい衝動、追いかける眼差し…胸が苦しくなるようなエモーショナルなシーンがぎゅっと詰め込まれた予告編に仕上がっている。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月16日グザヴィエ・ドラン監督による映画『マティアス&マキシム』が、2020年9月25日(金)より公開される。グザヴィエ・ドラン監督が描く、2人の青年の青春ラブストーリーたった一度の偶然のキスーー。『マティアス&マキシム』は、これまで“母と子”というテーマを一貫して描き続けてきたドランが、“友情と恋”に揺れる2人の青年に焦点を当てた青春ラブストーリーだ。物語の着想源となったのは、1980年代のイタリアを舞台に、二人の青年の恋を描いた映画『君の名前で僕を呼んで』。「しばらく動けないほどの衝撃だった。恋についての真実を審美的な映画で見ることはなんて感動的なんだろう。僕は自分が20代の頃のことを思い出した」と語るドランは、現代を生きる2人の青年“マティアスとマキシム”の物語を誕生させた。溢れ出る愛おしさ、触れたい衝動、相手を追いかける眼差しといった、誰かを好きになることの切なさと喜びを美しい映像と共に映し出していく。<あらすじ>マティアスとマキシムは30歳で幼馴染。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしま ことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだがー。初期ドラン作品への原点回帰か?美しく繊細な心理描写また本作は、初期のドラン作品『わたしはロランス』『Mommy/マミー』の原点回帰ともいえる、繊細な心理描写や余韻を残す台詞が起用されているのも印象的。第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された際には、「帰ってきたドラン!キャリア史上最も官能的で美しい。」「心の底から共感」「とにかくストレートで心に響く。」「成熟したドランに魅了される」と各メディアから称賛の声が寄せられた。ドラン本人も出演さらに故郷モントリオールで親しい仲間たちと共に制作したという『マティアス&マキシム』には、ドラン自身、『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶりに役者としても自身作品に出演。映画内容に関しては、以下の通りコメントを残している。「30歳のマティアスとマキシムは、5歳の頃からの親友であり兄弟のような関係。でも、それまでの彼らの関係や強い絆が変わろうとしている、それこそがこの映画のテーマです。それまで互いに恋心は抱いていなかったものの、偶然のキスをきっかけに、相手を愛しているかもしれないという感情に襲われ、戸惑う。そんな友情と恋の狭間で揺れる二人の青年を描きたかった。それから、これはホモセクシャリティがテーマの映画ではありません。これは普遍的なラブストーリー。性別にかかわらず、恋と友情の狭間で揺れる感情っていうのは、誰もが一度は経験したことがある感情だと思う。」詳細映画『マティアス&マキシム』公開日:2020年9月25日(金)監督・脚本:グザヴィエ・ドラン出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドラン、ピア・リュック・ファンク、ハリス・ディキンソン、and アンヌ・ドルヴァル提供・配給:ファントム・フィルム
2020年06月25日グザヴィエ・ドランが6年ぶりに主演と監督を務めた最新作『マティアス&マキシム』(原題:Matthias&Maxime)が、9月25日(金)より劇場公開されることが決定。併せて、特報映像・場面写真が解禁された。本作は第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、各メディアから「帰ってきたドラン!キャリア史上最も官能的で美しい」(Variety)、「心の底から共感」(TELEGRAPH)、「とにかくストレートで心に響く」(Hollywood Reporter)、「成熟したドランに魅了される」(THE WRAP)など絶賛の声が溢れた、ドラン曰く「初めて手掛けた純粋なラブストーリー」。今作の特徴として、『わたしはロランス』『Mommy/マミー』などで見られる繊細な心理描写、余韻を残すセリフが印象的に使用され、その原点回帰も見どころの1つ。『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶりに役者として自身の作品に出演し、故郷モントリオールで親しい仲間と共に作り上げ、『Mommy/マミー』のアンヌ・ドルヴァルも出演。しかしながら、今作はこれまで一貫して描き続けてきた“母と子”というテーマから一新、2人の青年の友情と揺れる恋心に焦点を当てた青春ラブストーリー。溢れ出る愛おしさ、触れたい衝動、相手を追いかける眼差しなど、スクリーンに映し出される全てが“恋”そのものを物語り、「誰かを好きになること」の切なさと喜びが凝縮された新たな愛の傑作となっている。特報映像では、親友と交わした偶然のキスで、自分の中に芽生えた予期せぬ感情に戸惑う主人公たちの姿が収められている。また、中盤には大きく手を広げ、空を仰ぐドラン監督自ら演じるマキシムの姿もあり、それはまるで大ヒット作『Mommy/マミー』の1シーンを彷彿とさせる。美しい恋人もいる30歳を迎えたマティアスとマキシムが、友情と恋の間で悩み葛藤する様子が垣間見える30秒。ドランが魅せる、新たな愛の章の始まりが感じられる特報だ。グザヴィエ・ドラン「これは普遍的なラブストーリー」これまで描いたことのなかったラブストーリーを描きたかった。30歳のマティアスとマキシムは、5歳の頃からの親友であり兄弟のような関係。でも、ある時それまでの彼らの関係や強い絆が変わろうとしている、それこそがこの映画のテーマなんだ。それまで互いに恋心は抱いていなかったものの、偶然のキスをきっかけに相手を愛しているかもしれないという感情に襲われ、戸惑う。そんな友情と恋の狭間で揺れる二人の青年を描きたかったんだ。それともう一つ、これはホモセクシャリティがテーマの映画ではない。これは普遍的なラブストーリーなんだ。性別にかかわらず、恋と友情の狭間で揺れる感情っていうのは、誰もが一度は経験したことがある感情だと思うんだ。『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年06月19日19歳での鮮烈なデビューから、『Mommy/マミー』でカンヌ国際映画祭審査委員賞、フランスのスター俳優を招いた前作『たかが世界の終わり』で同グランプリに輝いたグザヴィエ・ドラン。本日3月20日、ドラン31回目の誕生日を記念し、ハリウッド俳優たちと撮影した初の英語作品となる最新作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』について、演出の醍醐味から映像へのこだわりまで制作秘話を語り尽くすインタビュー映像がシネマカフェに到着した。誕生日を記念して届いたのは、19歳のデビュー作『マイ・マザー』から6作、彼の映画作りの全てを詰めた本作の制作エピソードを明かす貴重なインタビュー映像。母と息子をはじめとする物語のテーマ、彼が子ども時代から見続けてきた90年代から00年代初めのアメリカのTVドラマや映画への愛、盟友ジェイコブ・ティアニーと組んだ脚本制作秘話を英語とフランス語を交えながら語るドラン。さらに、「映画作りにおいて僕が最も魅せられているのは役者の演出だ。衣装やセットデザイン、照明やカメラワークなど、他のクリエイティブな作業ももちろん大事だ。でも僕が何よりも大事にしてて、愛してるのは演技なんだ」と豪華キャストたちへの演出について語っている。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョン・F・ドノヴァンの死と生 2020年3月13日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2018THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.
2020年03月20日「ゲーム・オブ・スローンズ」のキット・ハリントンに、天才子役ジェイコブ・トレンブレイ、ナタリー・ポートマンらが出演するグザヴィエ・ドラン監督の最新作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』。この度、本編から惜しくもカットされてしまった、人気スターのジョンが自身のスキャンダルを目の当たりする未公開シーンが解禁された。ついに日本公開を迎えると、劇場には初めてドラン作品を鑑賞する若者や、映画ファンなど幅広い層が来場、「ラストシーンが最高で泣ける」「ラストの美しさに涙がボロボロ」「あのオマージュカットはずるい!」「ドランの選曲がエモすぎて、泣ける」といった絶賛の声が続々と上がっている。そんな中、今回解禁された映像は、当初4時間あった本編を短くするため惜しくもカットされてしまったシーンで、劇場版本編では見ることができない貴重なシーン。人気俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)がジョギング中に、街の売店で自らのスキャンダルを報じるゴシップ誌を手に取り、激しく動揺。唇を震わせる緊迫のシーンとなっている。「ゲーム・オブ・スローンズ」のジョン・スノウ役で一躍有名になった、ジョン・F・ドノヴァン役のキットは、「僕はドノヴァンという役を演じるにあたり他の誰かを参考にしたりはしなかった。あれはすべて自分の中から湧き出てきたものなんだ。映画の中で俳優役を演じるとき、自分自身からまったくかけ離れたものにすることなんてできなかった。自分の中にある一面で、どの部分をとってもそれは自分だということだと思う」と、自身とも重なる役柄について明かしている。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョン・F・ドノヴァンの死と生 2020年3月13日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2018THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.
2020年03月18日今月発売の雑誌「ユリイカ」4月号は、現在公開中の映画『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』の監督グザヴィエ・ドランの魅力に迫る特集号。この度、表紙とSPビジュアルが到着した。『Mommy/マミー』でカンヌ国際映画祭審査委員賞を受賞し、『たかが世界の終わり』でカンヌ国際映画祭グランプリに輝いたドラン監督。着想から10年の時を経て完成した本作は、デビューから一貫して描き続けてきた「母と息子」というテーマにおける集大成。幼き日のドラン少年が“憧れのスター”レオナルド・ディカプリオに宛てた手紙から生まれた物語が描かれている。キット・ハリントン、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツら豪華キャストが出演する本作の公開を記念して今回、雑誌「ユリイカ」でドラン監督特集が決定。『マイ・マザー』(’09)や『わたしはロランス』(’12)などを手掛けたドラン監督の、19歳でのデビューから最新作までの軌跡を有識者が徹底解剖する。この発売に先立ち、表紙ビジュアルと誌面限定SPビジュアルが先行公開。表紙は羽良多平吉がデザインし、誌面限定SPビジュアルが大島依提亜が担当した。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』公開記念!「ユリイカ」2020年4月号 特集=グザヴィエ・ドランは3月27日(金)発売。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ジョン・F・ドノヴァンの死と生 2020年3月13日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2018THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.
2020年03月14日