『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のショート役、『グーニーズ』のデータ役で知られる子役出身のキー・ホイ・クァン(51)が米国時間12日夜、第95回アカデミー賞授賞式で助演男優賞を受賞。受賞スピーチでクァンは母に、「私の母は84歳で、今家でこれを見ています。母さん、僕、オスカーを獲ったよ」と語りかけた。クァンは中国系ベトナム人として、ベトナム戦争末期の’71年にサイゴン(現ホーチミン市)で誕生。’75年に北ベトナムによってサイゴンが陥落したことをきっかけに母国を脱出した。受賞スピーチでは「私の旅は船の上で始まりました。1年を難民キャンプで過ごし、どうにかこうにか、このハリウッドの大舞台にたどり着きました」と難民時代にも触れた。’80年代には『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』『グーニーズ』と続けざまに大作に出演し、一躍脚光を浴びたが、彼を照らしていたスポットライトはすぐに消えてしまった。クァンはNBC Newsに「ハリウッドは私を必要としていませんでした。私にできる役はなく、10代後半から20代前半の頃は、ひたすら電話を待つだけの生活を送っていました。電話はほとんど鳴りませんでした。描いていた夢に別れを告げることはとても難しかった。当時は、アジア人俳優であるということ自体が困難だったのです」と語っている。俳優のキャリアに見切りをつけたクァンは、ハリウッドの裏方として生きていくことを決めたという。スタントコーディネーターや助監督として『X-MEN』シリーズなどに関わり、信頼できるスタッフとして名を上げたが、主要キャストがアジア系俳優で占められている『クレイジー・リッチ!』(’18年公開)が彼の人生を変えることになったと語った。「ハリウッドが劇的に変わったのだと実感しました。ハリウッドはより多くの人のチャンスを与えているのだと。もう一度、演技をやってみようか、と思ったんです」俳優復帰作は、ミシェル・ヨー(60)主演の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。クァンは主人公エヴリンを深く愛する夫ウェイモンド役を好演し、見事オスカーを手にした。アジア系俳優が助演男優賞を受賞するのは、『キリング・フィールド』(’84年)に出演したカンボジア人俳優ハイン・S・ニョール以来、史上2人目。涙で声を詰まらせながら、受賞スピーチをこう締めくくった。「夢は信じるべきものです。私は夢をほとんど諦めていました。皆さんに言いたい。夢を持ち続けて下さい」
2023年03月13日『オーメン』『スーパーマン』『グーニーズ』のリチャード・ドナー監督が、月曜日(現地時間)にロサンゼルスで亡くなった。91歳だった。妻でプロデューサーのローレン・シュラー・ドナーが「Deadline」に明かした。多くの映画人が哀悼の意を表している。『グーニーズ』で原案・製作総指揮を務めたスティーヴン・スピルバーグ監督は、「彼はいつだって子どもの心を忘れない人でした。彼が逝ってしまっただなんて信じられません。彼のハスキーで元気のよい笑い声はこれからも忘れないでしょう」と追悼。マーベルのケヴィン・ファイギは、「リチャード・ドナーは人が空を飛べるということだけでなく、コミックの登場人物たちに心、ユーモア、人間らしさ、真実味を持たせ、スクリーン上で息を吹き込ませることができると信じさせてくれました」とふり返り、「ディック(ドナー監督の愛称)とローレンは私のキャリア初期のメンターであり、MCUの誕生のあらゆる点でキーサポーターでした」とつづった。ほかにも『リーサル・ウェポン』シリーズのメル・ギブソン&ダニー・グローヴァー、『グーニーズ』のショーン・アスティンらがお悔やみの言葉を発表している。ドナー監督は『オーメン』で知名度を上げ様々な映画を監督し、また、妻のローレンと立ち上げた製作会社を通じて『フリー・ウィリー』シリーズや『X-MEN』シリーズの製作を手掛けた。(Hiromi Kaku)
2021年07月06日dTVが24日、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『E.T.』、『グーニーズ』など名作映画の視聴数が上昇していると発表した。近年、90年代中盤以降に生まれた、いわゆる“Z世代”を中心にレトロブームが起こるなか、dTVで配信している映像作品の視聴数にも変化が。数年前まで80年代の映画作品の視聴数は伸び悩んでいたが、ここ数カ月でじわじわと増加しているという。日本テレビ系『金曜ロードショー』(毎週金曜21:00~)で、海賊の隠した宝物を探す10代の若者7人の冒険を描いた『グーニーズ』が放送された11日から13日までの3日間と、前週の3日間(4日〜6日)を比較してみると、どの80年代映画も視聴数が増加傾向という結果になった。例えば、地球に取り残された異星人と子どもたちの交流を描いたSFファンタジー『E.T.』は前週と比較して約2倍、過去に戻り両親の青春時代に巻きこまれた少年の冒険談を描いた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は約2.5倍に視聴数が増加。また、『グーニーズ』に至っては前週比約3倍の視聴数になったという。
2021年06月24日6月11日の「金曜ロードショー」は、視聴者からのリクエストにより、80年代の傑作アドベンチャームービー『グーニーズ』を放送。日本公開は1985年12月。(一社)日本映画製作者連盟の記録では86年の年間ランキングにカウントされており、1位:『子猫物語』、2位:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、3位『ロッキー4炎の友情』に続く4位の配給収入(19.5億円)を記録している大ヒット作。今回、実はゴールデンタイムでの放送は28年ぶり、金曜ロードショーでは初めての放送となる本作には、製作陣、キャスト陣から吹き替えキャスト陣まで、“レジェンド”級が勢揃いしている。◆伝説その1)原案&製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ本作の製作総指揮は、脚本にも原案として携わった史上最高のヒットメーカーの一人、スティーヴン・スピルバーグ。1971年『激突!』で注目され、『ジョーズ』(75)、『未知との遭遇』(77)で一躍人気監督に。その勢いのままに80年代は、『E.T.』(82)や『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(81)『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84)や『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(89)の「インディ・ジョーンズ」シリーズなどで大ヒットを連発。『グレムリン』(84)や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』には製作総指揮として関わるなど、誰もが知る名作ばかり。この後、90年代も『ジュラシック・パーク』(93)の驚異の映像で世界中を驚かせる一方で、『シンドラーのリスト』(93)、『プライベート・ライアン』(98)でアカデミー賞監督賞を受賞。最近作『レディ・プレイヤー1』まで、ヒット作を多数生み出し続けてきた。◆伝説その2)脚本のクリス・コロンバスは後に『ホーム・アローン』『ハリポタ』を監督“レジェンド監督”スピルバーグの目に留まり、『グレムリン』(84)、本作『グーニーズ』(85)の脚本に抜擢されたクリス・コロンバス。その後、監督として『ホーム・アローン』(90)『ミセス・ダウト』(93)、さらに『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)など、大ヒットを連発してきたが、まさに本作はその原点といえそう。本作に登場するブービートラップの“カラクリ”や悪役たちのドジっぷりは、『ホーム・アローン』が思い出される。ちなみに、チャックが警察に電話するシーンでは『グレムリン』を思わせるセリフも登場するので要チェック。◆伝説その3)監督のリチャード・ドナー/世界的ヒーロー映画を手掛けた監督を務めたリチャード・ドナーも、1976年『オーメン』、1978年『スーパーマン』などを手掛けた当時大人気のヒットメーカー。『グーニーズ』の後も、『リーサル・ウェポン』シリーズ(87~)を大ヒットさせている。最近では『X-MEN』や『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の製作総指揮を務めている。◆伝説その4)若き俳優たちが熱演!当時10代だった彼らのその後は…?●マイキー役:ショーン・アスティン主人公マイキー役のショーン・アスティンは、当時14歳で本作が映画デビュー作。2001年から『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで、主人公フロドの従者・サムを好演。Netflixの世界的大ヒットシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」にも出演した。●ブランド役:ジョシュ・ブローリンマイキーの兄・ブランド役のジョシュ・ブローリンは、当時17歳。本作で映画デビューを果たした後もキャリアを重ね、2008年には『ミルク』でアカデミー賞助演男優賞にもノミネート。最近では『アベンジャーズ』シリーズで最強の敵・サノスを演じたことが記憶に新しい。●マウス役:コリー・フェルドマンちょっと生意気なマウス役のコリー・フェルドマンは、『グーニーズ』の直前に『グレムリン』『13日の金曜日-完結篇』(84)にも出演しており、当時(13歳)から人気子役でした。さらに先々週放送した『スタンド・バイ・ミー』(86)では眼鏡のテディ役を好演した。そなみに、チャンク役のジェフ・コーエン(当時10歳)は、その後、弁護士になっている。◆伝説その5)キテレツ、アムロ、悟空、メイ…吹き替え声優陣はまさにレジェンド!今回の吹き替えは、以前のテレビ放送版で放送。そのメンバーは日本の声優界のレジェンドが揃っている。●マイキー役:藤田淑子代表作は「一休さん」(一休さん)、「キテレツ大百科」(キテレツ)、「キャッツ・アイ」(来生泪)、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険(1991年版)」(ダイ)、「地獄先生ぬ~べ~」(ヒロシ)、「デジモンアドベンチャー」(八神太一)など。2018年に逝去。●ブランド役:古谷徹「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ、そして「名探偵コナン」の安室透役で有名。そのほか「巨人の星」(星飛雄馬)、「聖闘士星矢」(ペガサス星矢)、「ドラゴンボール」(ヤムチャ)、「美少女戦士セーラームーン」(地場衛:タキシード仮面)など。●チャンク役:坂本千夏『となりのトトロ』のメイちゃんでお馴染み。「それいけ!アンパンマン」では、てんどんまんやちびぞうくんを担当。そのほかに「フクちゃん」(フクちゃん)、「キャッツ・アイ」(来生愛)、「平成天才バカボン」(ハジメちゃん)、「少年アシベ」(アシベ)など。●マウス役:野沢雅子「ドラゴンボール」孫悟空役で日本を代表する声優。そのほかに、「ゲゲゲの鬼太郎」(鬼太郎第1、2期)、「いなかっぺ大将」(風大佐衛門)、「ど根性ガエル」(ひろし)、「ガンバの冒険」(ガンバ)、「銀河鉄道999」(星野鉄郎)、「怪物くん」(怪物太郎)、「釣りキチ三平」(三平三平)、「トム・ソーヤーの冒険」(トム・ソーヤー)など。金曜ロードショー『グーニーズ』は21時~日本テレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2021年06月11日