世界的なラグジュアリー・グループであるケリングは、日本の新本社「ケリングビル」を東京・表参道にオープンしました。グッチ、サンローラン、ブシュロンの店舗が所在する表参道はグループとブランドにとって重要なエリアです。2020年9月にはアレキサンダー・マックイーンが移転し、新コンセプトに基づいた店舗をオープンしました。また、11月にはバレンシアガの世界最大級となる店舗も誕生します。更に2021年には、ボッテガ・ヴェネタがクリエイティブ・ディレクターのダニエル・リーがデザインした新しい旗艦店を、ケリングビル1階から3階にオープンします。イタリアのラグジュアリーブランドの店舗および日本の本社として2004年にプリツカー建築賞受賞建築家・伊東豊雄氏によってデザインされた本ビルは、2019年にケリングがリアルエステート・パートナーと共に取得しました。表参道のけやき並木のシルエットを構造体として外周を囲い込むユニークなファサードを擁し、15年以上にわたり表参道のランドマークとして名を馳せています。ケリング ジャパンの新しい本社は単なるオフィスビルではなく、グループのビジョンや哲学を反映しています。ケリングの英語の読みは、“caring”(ケアリング、「思いやり」の意)と同じで、各ブランドや従業員、お客さま、ステークホルダー全般、更には地球について私たちがどう考え、またどのような関係を築いているかを反映しています。また、ケリングのルーツと深い関りを持つフランス・ブルターニュ地方のブルトン語で、”ker”は「家」や「生活の場」を意味します。ケリングビルでは4フロアをオフィススペースとし、内装を手掛けた建築家のファラ・タライエ氏が快適な空間を演出しています。自然の要素をデザインコンセプトに取り入れることで、ケリング・グループにとってまさに「日本の家」のようなスペースとなっています。タライエ氏は「ケリングビルはフランス文化と日本文化、そして日本の伝統的な要素とモダンな要素、それら異なるものの出会いの場であり、混じり合う場でもある」とし、ユニークなスペースを作り上げました。障子や縁側など日本の伝統的家屋の要素を取り入れた空間は、白を基調に和の色を組み合わせた、モダンで柔らかなものとなっています。また、PVCの使用禁止などケリングの環境への配慮に基づき、天然素材やリサイクル素材も多用しています。「ウーマン・イン・モーション」に代表されるケリングのアートやカルチャー界における女性への支援活動の一環として、オフィス内には女性作家によるアート作品も随所に展示しています。ケリングビルの6階には、ケリングおよびグループ・ブランドの為のイベントスペースを設け、「ウーマン・イン・モーション」やサステナビリティ関連の講演やイベントを開催する予定です。記念すべき最初のイベントとしては、ケリングビルのオープニングおよび映画『朝が来る』の公開を記念し、映画監督の河瀬直美氏、主演俳優の永作博美氏、井浦新氏の3名をゲストに迎えたトークイベント「ウーマン・イン・モーション」を開催し、ケリング公式ウェブサイトとYouTubeチャンネルでの配信を予定しています。最上階となる7階は自然に囲まれた空間です。「ケリングのアイコンであるフクロウにインスパイアされ、鳥が建物の上に作った巣をイメージしました」と建築家タライエ氏は語ります。表参道を一望できる美しいテラスは、「巣」のテーマを取り入れ、室内には卵型のチェアを配しています。17世紀に建てられた旧ラエネック病院跡地にあるケリングのパリ本社の美しい庭園にも見られるラベンダーなど、日本およびフランスでも愛される四季折々の植物や花々が植えられた空間です。日本の「家」を想起させる特別な空間の中、自然を身近に感じることができる最上階と屋上テラス。そこに集う人々の間で有機的にコミュニティが形成されていきます。「ケリングとブランドが長きにわたって関係を築き、戦略的にも重要な国である日本において、ケリングの新しいオフィスを皆さまにご紹介することをとても嬉しく思います。私たちはケリングビルをオフィス以上の場所にしたいと考えています。ラグジュアリー・グループとしての私たちを反映するこのユニークな建物は、クリエイティビティを象徴する場です。この新しいオフィスにて私たちはお客さま、ビジネスパートナー、友人の方々をお迎えするのみならず、大胆で革新的なひらめきを創出し、そして自社のビジョンや見解を発表していきたいと考えています」フランソワ=アンリ・ピノー ケリング会長兼CEOケリングおよびケリングビルについての詳細はこちらをご覧ください : Nacasa & Partners【新住所】株式会社 ケリング ジャパン〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-1-5全体平米数 2,525.86平方メートルオフィススペース平米数 1,480.62平方メートル (1階、4-7階合計面積)6階イベントスペース平米数 177.3平方メートルケリングについてケリングは、ファッション、レザーグッズ、ジュエリー、ウォッチ製品を扱うメゾン、およびケリングアイウエアを擁するグローバル・ラグジュアリー・グループです。傘下のブランドはグッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガ、アレキサンダー・マックイーン、ブリオーニ、ブシュロン、ポメラート、 ドド、キーリン、ユリス・ナルダン、ジラール・ペルゴ。戦略の中心にクリエイティビティ(創造性)を掲げるケリングは、サステナブルで責任のある方法により未来のラグジュアリーを築きながら、各ブランドがそれぞれの創造性を自由に表現することを可能にしています。このような信念が「イマジネーションをその先へ」(“Empowering Imagination”)というケリングのシグネチャーに込められています。また、 2019年には159億ユーロの売上高を達成し、グループ社員の数は年度末時点で38,000人に上ります。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年10月12日テキスタイルの廃棄量削減に取り組むウォーンアゲイン(Worn Again)社が、「ケリング(Kering)」「H&M」とパートナーシップを締結した。イギリスを拠点とする同社は、廃棄されたテキスタイルを消費者向け製品にリサイクルする企業として05年に創業。これまでに、「ヴァージンアトランティック」や「ユーロスター」「マークス&スペンサー」などのブランドとともに、テキスタイルの廃棄量削減に取り組んできた。同社ではこの度、廃棄された衣料からポリエステルやコットンだけを分別し、それを化学的に抽出するという新たなテクノロジーを開発。これにより、回収した混合繊維の分別や、染料や科学物質の除去といった問題を解決している。今後はケリング、ケリング傘下の「プーマ(PUMA)」、H&Mが抽出された繊維を元に、新たな生地や衣料を生み出していく予定だ。ケリングのチーフサステナビリティオフィサーであるマリ=クレール・ダヴォは、「今回のコラボレーションは、テキスタイルの廃棄量を減らすと同時に、ケリングのスポーツ&ライフスタイルブランドで使用するサステイナブルな原材料を、新しいかたちで調達するための抜本的な解決案を提示するもので、革新の好例であると言えるでしょう」と語っている。
2015年04月01日5月13日に開催される第68回カンヌ国際映画祭で、女性の映画に対する貢献に光を当てた第1回「Women in Motion」プログラムがローンチされる。これは映画製作への資金援助や作品の修復、ドキュメンタリー作品の製作などに積極的に携わってきた「ケリング(KERING)」が、カンヌ映画祭と共同で実施するもの。両者は今後5年間パートナーとなり、カンヌ映画祭が目指す“開かれた現代的な映画祭”のあり方を模索していく。そんな同プログラムの取り組みの一つとなっているのが、カンヌ映画祭に出席する著名人を招いてのトークショーだ。映画業界における女性の地位や職種、作品内における女性の登用、女性ならではの物語性に富む視点や作品作りにおける独特の思考性など、映画と女性に関する様々なテーマを取り上げていく。その第1回には、カンヌ国際映画祭総代表であるティエリー・フレモーがゲストとして登場する予定。これと並行して映画界において、女性の地位向上に貢献した人物を表彰する「Women in Motion」アワードが設立される。アワード受賞者は若く才能のある女性の映画監督を選出。この人物には映画製作のための資金が授与される。また、5月17日にはカンヌ国際映画祭会長ピエール・レスキュール、ケリング会長でCEOのフランソワ=アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)らが主催のプレジデンシャル・ディナーを開催。「Women in Motion」の設立を記念した特別なアワードが授与される。このプログラムについて、フランソワ=アンリ・ピノーは「女性の芸術的感性や、女性による語り口は、映画をより豊かにする欠かせない要素です。映画が私たちの物事の考え方や日々の行動に及ぼす影響を考えたときに、映画における女性のビジビリティを向上させていくことには非常に大きな意味があります」と語っている。
2015年03月31日ケリングは環境保全に必要な数量的目標を実行するために、大学関係者や専門家、NGOなどの協力を得て、二つのツールを導入した。一つは、環境負荷を測定するツールで「環境損益計算書(EP&L/Environmental Profit and Loss account)」と呼ばれるものだ。通常は二酸化炭素の排出量はトン、排水はリットルという単位を用いるが、ケリングではすべてドルやユーロの貨幣単位で表している。この方法を用いると財務部門とも意思疎通が容易になり、企業としてのリスクマネジメントに役立つという。※グループ内のプーマは既に2010年にEP&Lを公表している。グループ、及びブランドでこの共通指標を採用することで、投資の優先順位や、環境負荷を削減する手段の策定に繋がり、コストパフォーマンスの向上にも役立つ。こうした発想は、20世紀的な資本主義のビジネスモデルとは一線を画し、新たなビジネスの機会創出につながるというのが、ケリングの考えだ。「現在の使命は、遅くとも2016年までにグループレベルのEP&Lを作成すること」とダヴォ氏は言う。後日ケリングから、企業の気候変動対策のグローバルなデータベースを持つ唯一のNPOカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP) が発表するクライメート・パフォーマンス・リーダーシップインデックス(CPLI)2014年版で、二酸化炭酸ガスの放出を削減し、気候変動にもたらすリスクを抑える取り組みに対して、A判定の評価を得たとのリリースが配信された。このA判定は世界187社にのみ与えられたもので、ケリングの真摯な取り組みを物語っている。もう一つは、環境負荷を少なくしようというマテリアル・イノベーション・ラボ(MIL/Material Innovation Lab)の取り組みだ。MILは、最もサステイナブルな原材料(例えばオーガニックコットンやウールなど)の特定や、テキスタイル製造過程(染色やなめしの方法など)の研究をミラノ郊外の研究室で行っている。MILで開発された原材料は、グループ内のブランドに提案されるシステムだ。温暖化に伴う大型台風や大洪水を引き起こす気候変動の話題は、ニュースやTVの情報番組で頻繁に取り上げられている。2015年末にはパリで、2020年以降の世界の気候変動、温暖化対策を話し合うCOP21が開催される。環境への配慮は消費者1人ひとりが避けて通れない問題となっているのだ。3/3に続く。
2014年12月13日2013年6月、フランスの企業グループPPRがケリング(Kering)と社名変更したという情報は、ファッション関連のメディアに大きく報じられた。ケリング グループは、「グッチ」「ボッテガ・ヴェネタ」「サンローラン」「ステラ マッカートニー」などのラグジュアリー部門18ブランドと「プーマ」「ボルコム」などのスポーツ&ライフスタイル部門5ブランドからなるもので、このグループのビジネススタイルは、新しい時代の到来を感じさせた。その企業活動の中心には、近年メディアに頻繁に取り上げられる環境問題や、女性に対する暴力の撲滅のための活動に取り組み、持続可能=サステイナブルな企業を目指すというビジョンがある。ケリングが取り組むサステイナブルビジネスについて、同社サステナビリティ部門を統括するマリ=クレール・ダヴォ氏に話を聞くチャンスに恵まれた。1992年国連主導のもとブラジルのリオデジャネイロで「地球サミット」が開催されたのを機に、環境保全の声は高まり、21世紀に入ると企業も本格的に取り組まなければいけない課題となった。そうした動きを受け、ケリングも現在ダヴォ氏が統括するサステナビリティ部門を2003年に創設。革新やイマジネーションを刺激し、コストを低減する可能性も含む、ビジネス上の機会を創出するものとして「サステイナブル・ディベロップメント」を打ち出した。具体的な活動内容として、温室効果ガスの低減、排水、廃棄物削減、クロコダイルやリザードといったプレシャススキン、レザー、ゴールド、パッケージを含む紙類、ケリングのビジネスに欠かせない原材料の使用時に起こる問題解決がある。2012年ケリングは、メディアとステークホルダー(消費者、従業員、株主、取引先、地域社会など利害関係を有するもの)に対して、これら環境保全に必要な課題に対する、具体的な目標の数値と実行計画を発表した。その結果は2016年に公表されることになっている。実行計画をグループ全体で共有するためにグループ取締役会に「サステイナブル・ディベロップメント委員会」を設け、またダヴォ氏が属する経営委員会(エグゼクティブコミッティー)と各ブランドにも担当部署を設けた。「天然資源の枯渇、天候変動、生物多様性の消失、人口増加に伴う諸問題、これらに立ち向かう唯一の方法が、サステイナブル・ディベロップメントを日常に取り入れることだと確信しています」とダヴォ氏は毅然とした態度で語る。これまでの消費社会のありかたとは違う「より少ない資源で、より多くの価値を生み出す」という発想のパラダイムシフトが起きているのだ。2/3に続く。
2014年12月06日「ケリング(KERING)」は、11月25日の“女性に対する暴力撤廃の国際デー”に向けて「ホワイトリボン・キャンペーン」を実施している。ホワイトリボンとは、女性に対する暴力を撲滅するために90年代初頭に男性が立ち上げた社会貢献運動。ケリングでは、ケリング基金の役員でもあるステラ・マッカートニーデザインによる「ホワイトリボン・バッジ」を11月29日までの同社傘下の世界38ヶ国、700以上のラグジュアリーブランドショップにて20万個配布している。日本での対象ブランド店舗は「グッチ(GUCCI)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」「 ブリオーニ(Brioni)」「ブシュロン(BOUCHERON)」(ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガ、ブシュロンは一部店舗のみ)。また、現在オンラインでのキャンペーンも29日まで連動して実施。Facebook、Twitter、Instagramなどでデジタルバッジの配信やハッシュタグ「#WR4W」を付けての拡散も呼び掛けている。
2014年11月19日「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」などラグジュアリーブランドを数多く展開する「ケリング(Kering)」は、スイスのウォッチメーカー「ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)」の株式を100%取得することで合意した。2014年度内に取り引き完了予定。この買収によってケリングは、ラグジュアリー:ウォッチ&ジュエリーディビジョンの強化と体制の構造的な発展を企図。ケリング会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)氏は「ユリス・ナルダンは豊かな伝統と高い成長性を誇り、独立経営の稀有な存在。ブランドがルーツとアイデンティティーを大切にしつつ国際的拡大を進めることをサポートする」とコメント。ユリス・ナルダンにとってはアジアパシフィック地域の強化に繋がり、同社の技術面や業界に関する専門性はケリングの既存ビジネスとシナジーを生み出すと期待。ユリス・ナルダン取締役会長のチャイ・スナイダー(Chai Schnyder)氏は「私達のブランドは国際的拡大と技術革新を続けつつ、アイデンティティーを守りながら知識と専門性を未来へ繋げられる。ケリングはベストパートナー」と語る。1846年にスイスの時計技師、ユリス・ナルダンが設立した同ブランドは、168年にわたり機械式時計の生産に従事。ナルダンによるマリンクロノメーターは現存する中で最も正確と言われ、ウォッチコレクター垂涎のアイテム。日露戦争で両国の海軍に採用され、明治天皇ご用達になるなど日本との縁も深い。1983年ロルフ・W・シュナイダー(Rolf W. Schnyder)によりリローンチされた後は、ビジネス上も高い利益率を誇る健全な経営を続けている。
2014年08月01日「グッチ(GUCCI)」などラグジュアリーブランドを傘下に持つケリング(Kering)グループとユークス(YOOX)グループの合弁事業の一環として、事業内6ブランドのオンラインショップが6月末にオープンした。ブランドラインアップは、「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」「バレンシアガ(Balenciaga)」「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」「サンローラン(Saint Laurent)」「セルジオ・ロッシ(Sergio Rossi)」と「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」。両社は、ケリングのラグジュアリービジネスにおける経験や知識と、ユークスの持つEコマースの技術や経験の相乗効果を狙い、昨年8月にイタリアでジョイントベンチャーを設立していた。ユークスは、オンラインセレクトショップの「ユークス・ドットコム(yoox.com)」や「ザコーナー・ドットコム(thecorner.com)」、シューズに特化したオンラインショップ「シュースクライブ・ドットコム(shoescribe.com)」などを展開する他、「アルマーニ(ARMANI)」や「ゼニア(Zegna)」「マルニ(MARNI)」など世界中のブランドのオンラインショップの運営も手掛けている。ヨーロッパ、アメリカ、日本、中国、香港など100ヶ国以上にオフィスを構え、イタリア証券取引所に上場。昨年は3億7,600万ユーロ(約500億円)の売上高を記録している。
2013年07月17日