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小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第18回目のテーマは「オキシトシンな出逢い」です。群生動物である“ヒト”にとって、インターネットがどれだけ普及しようとも、個と個が触れ合うことで生まれる“オキシトシン”は大切な存在だ。“オキシトシン”とは、握手、ハグ、キス、触れ合いなど、人の肌が接触することで分泌される“幸せホルモン”のひとつ。これらは“メタバース”では決して得られない“治癒効果”を与えてくれる。ゲーム『DEATH STRANDING』では、配達人サムが、この“オキシトシン”を孤立した人々に届けるエピソードがある。寓話のような“オキシトシン”の重要さは、その後に起こったコロナ禍で、広く世間に知られることとなる。30代を超える頃、マッサージを受けるのが癖になった。見ず知らずの人に、個室で身体を触られるのに抵抗がないわけではない。ただ過酷なゲーム制作でのストレスを解消するひとつの拠り所にもなっていた。マッサージは日常に組み込まれていたのだが、あのコロナが世界を一変させた。マッサージも、ジムもコロナで辞めてしまった。しかし、しばらくして、マッサージへ通い始めることを決意した。それは、普通の生活に戻るための第一歩としての布石だった。マッサージからでも以前の生活を取り戻そう、そう思って、コジプロのある品川のとある店に飛び込んだ。当時は、まだコロナ禍の真っ只中。リラックスというよりは、緊張感の中でのマッサージだった。それから、1年以上、指名はせず、同じ店に通い続けた。ある日、小柄なコケティッシュな感じの施術師にあたった。マスクをしていて、顔はわからない。僕もマスクをしたまま施術を受ける。彼女は自ら名乗ることもなく、僕も誰何しなかった。僕は、施術中には世間話はしない。仕事や悩みから解放されたいからだ。気がつくと、久しぶりに眠ってしまっていた。僕は、彼女の丁寧な施術と魅力的な声、やわらかで明るい雰囲気に惹かれた。彼女をまた指名したくなった。でも、名前も顔も知らない。帰宅後、レシートを見ると、そこには担当者の名前があった。しかも、本名かどうかはわからないが、キュートな名前だった。仮に“Mo”さんと呼ぶ。徐々にコロナが緩和され、僕の方は、途中からマスクを取っての施術を許された。しかし、施術側の彼女はマスクをつけたまま。彼女とは、約2年もの間、ほとんど話はしなかった。挨拶と天気の話があるくらい。会話はないものの、全くの知らない人とは違う、気持ちのいい距離感。職業や仕事、個人的なことは何も交わさないサイレントな信頼関係。コナミ時代に通っていた六本木の店とかでは、「お客さん、何してる人?」と毎回、執拗に聞いてくるのが常だったのに。国内にいる時は、週一くらいで訪れるのが習慣になった。ところが、コロナが収束し始めると、お店が混みだした。“Mo”さんは、お店でも人気らしく、予約できないことが増えていった。僕のスケジュールは流動的で、事前に予約ができないことが多い。予約が取れない時は、別の人の施術を受けた。今年の春くらいだったろうか。予約が取れず、指名なしで、空いている人の施術を受けた。そこで“Mo”さんとはまた違う、別の意味でのうまい施術者に出逢った。もともと指圧や台湾式足ツボが好きな僕には相性がいい“力のある”施術だった。その人を“Mi”さんと呼ぼう。“Mo”さんにも逢いたいものの、僕は“Mi”さんを優先した。たまに壁の向こうで“Mo”さんの声を何度か聴いたこともあった。罪悪感のようなものを感じながらも、僕は“Mi”さんを指名し続けた。猛暑が続く7月のある日。施術後、着替えて帰ろうとすると、“Mi”さんから、呼び止められた。「“Mo”さんが、小島さんに直接挨拶をしたがっている」と。入口に向かうと、そこにマスクをした“Mo”さんが立っていた。この店を辞めるので、お別れの挨拶が言いたかった、と“Mo”さんは伝えてくれた。僕には、マスクの下の“Mo”さんの表情が初めて見えた気がした。あの時、僕は面食らってしまい、うまくお礼を伝えることができなかった。そのことで、今も後悔している。“Mo”さんへ。ほとんど話もできませんでしたが、あのコロナ禍を乗り切れたのは、あなたのおかげです。ありがとうございました。何処かで出逢ったとしても、顔を知らないので、挨拶はできませんが、あなたのこれからの幸せをずっと祈っています。僕は“オキシトシン”よりも大切なものをいただきました。今月のCulture Favoriteホロライブ所属の人気VTuber・兎田ぺこらさんがコジプロを訪問。ストップモーション・アニメーション映画『オオカミの家』のホアキン・コシーニャ監督とのツーショット。小島監督の誕生日祝いに訪れた星野源さんと。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。先日行われた、東京ゲームショウ2024でのイベント映像のアーカイブが公開中です。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2420号(2024年10月30日発売)です。※『anan』2024年10月9日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年10月12日アンカー・ジャパンは10月3日、ピカチュウのシルエットを施した「Anker マグネット式ワイヤレス充電器 ピカチュウモデル」や電源タップ、USBケーブル、ポーチの4製品を販売開始。自宅のデスクから外出先まであらゆるシーンでピカチュウと充電を楽しめるラインナップを展開します。■日常使いしやすい、ピカチュウのシルエットデザインを採用2022年に展開したポケモンデザインのUSB急速充電器がガジェットファンのみならず幅広いユーザーに好評であることを受け、今回揃った4アイテム。家の中から外出時までより様々なシーンでピカチュウと一緒に楽しんで充電環境を整えられるよう、新たにマグネット式ワイヤレス充電器や電源タップ等の充電関連製品を展開。さらに、いつでもどこでも持ち運べるよう新たにポーチもラインナップに加わりました。今回販売開始となるラインナップには日常使いしやすい、ピカチュウのシルエットデザインを採用。「Anker マグネット式ワイヤレス充電器 ピカチュウモデル」はマグネット式ワイヤレス充電器、パット型ワイヤレス充電器、Apple Watch充電パッドにピカチュウのシルエットを施し、機器を充電できる場所をわかりやすく表しています。また「Anker USB付き電源タップ ピカチュウモデル」は電源を入れるとピカチュウのシルエットが光るギミックを施し、「Anker タイプCケーブル(1.8m)ピカチュウモデル」はイエロー、ブラックのケーブルにそれぞれモンスターボールとピカチュウの尻尾をかたどったケーブルバンドが付属します。シリーズ製品をまとめて持ち運ぶのにぴったりな「Anker コンパクトポーチ ピカチュウモデル」にも表裏の両面にピカチュウのシルエットをあしらい、ピカチュウと一緒に出かけることができます。■商品特徴‐ ピカチュウデザイン:日常使いしやすいピカチュウのシルエットをあしらった、ピカチュウデザインの3-in-1ワイヤレス充電器。製品本体だけでなく、パッケージも特別なポケモンデザインで用意しました。‐ 3台同時にワイヤレス充電:マグネット式ワイヤレス充電器とApple Watch用ワイヤレス充電器、パッド型ワイヤレス充電器を1台にまとめた充電ステーション。Qi2対応のiPhoneやApple Watch、AirPods等のワイヤレスイヤホンの3台を置くだけで同時にワイヤレス充電できます。‐ 折りたたみ式で持ち運びにも最適:パッド型ワイヤレス充電器部分とApple Watch充電器部分は約2.5cmの薄さに折り畳むことができ、旅行や出張などの際もコンパクトで持ち歩き用に最適です。‐ 高出力でスピーディーな充電:マグネット式ワイヤレス充電器は従来のAnker MagGoシリーズ製品の最大7.5W出力の2倍の最大15W出力に対応。また、Apple Watch用ワイヤレス充電器はApple Watch Series 9を0%から約50%までを最短30分で充電できるため、外出前の短時間でも充電可能です。■商品概要サイズ:約89×60×25mm入力:12V = 3A / 15V = 2.66A出力:・マグネット式ワイヤレス充電:最大15W・Apple Watch用ワイヤレス充電:最大5W・ワイヤレス充電:最大5Wパッケージ内容:Anker マグネット式ワイヤレス充電器 ピカチュウモデル、USB PD対応USB急速充電器、 USB-C & USB-Cケーブル(約1.5m)、クイックスタートガイド注意事項:・同製品は MagSafe 非対応のケースには対応していません。ケースを使う場合は必ずMagSafe 対応のケースを使用してください。・約5mm以上の厚みがあるケース、ポップソケット、金属製や磁気を帯びたケースおよびクレジットカードは充電前に取り外してください。・同製品本体へ給電する際は、付属の30W充電器を利用してください。・iOS17.4をインストールしたiPhone 12以降の製品に最大15W出力が可能です。販売価格:15,990円-Anker、Soundcore、EufyおよびNebulaは、アンカー・ジャパン株式会社またはその関連会社の商標または登録商標です。-© Nintendo ・ Creatures ・GAME FREAK・TV Tokyo ・ShoPro ・ JR Kikaku © Pokémon-ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。-その他会社名、各製品名は、一般に各社の商標または登録商標です。(エボル)
2024年10月09日ゲームセンターに行くと、必ずといっていいほど見かけるメダルゲーム。メダルがジャラジャラと落ちる様子を見て、「ずっと眺めていたい」と思ったことはありませんか。そんな願いを叶えてくれるのが、T a T(@TaT12364250)さんが手作りしたメダルゲーム風の機械です。遊び心あふれる発想に称賛の声が上がっています。メダルゲームならぬビー玉ゲームT a Tさんが投稿した動画を見ると、上から落ちてきたビー玉が下にたまったビー玉を押し出し、再び上へ運ばれる…という動きが延々と繰り返されています。世界一楽しい永久機関作ったwwwwwwwwwwwwwwwwwww pic.twitter.com/lOffyqgm1e — T a T (@TaT12364250) June 15, 2024 自作とは思えないほどのクオリティーの高さに、さまざまなコメントが寄せられていました。・メダルゲームをしたくなっちゃった。・面白いね、ずっと見ちゃう!・自分で作れるのはすごすぎる。3Dプリンターで作られた世界に1つだけの機械T a Tさんによると、以前メダルゲーム遊びにハマった際、「家でも楽しめないか」と考えたのが自作を始めたきっかけだったそう。「今やメダルゲームを作ることが一生涯の趣味になった」といいます。また、Xには趣向を凝らした作品が数多く投稿されており、どれも3Dプリンターを駆使して製作しているのだとか。まさに『好きこそものの上手なれ』を体現した作品ばかりで、見ていて飽きません。自作ガリレオファクトリー pic.twitter.com/8jb4SOs1Ri — SAN (@SanKun_Medal) May 26, 2024 自宅でメダルゲーム!!!!! pic.twitter.com/Hcbjggot5T — T a T (@TaT12364250) June 2, 2024 T a Tさんは「メダルゲーム独自の世界観や、ゲーム性のある新作が出てくれたらいいな」ともつづっています。もしかすると、T a Tさんがメダルゲームの新しい歴史を作ってくれるかもしれませんね。今後はどのような作品を発明するのか、新たな投稿を楽しみに待ちたいところです。[文・構成/grape編集部]
2024年09月17日優しい夫・春人の人柄に惹かれて結婚した妻のゆかり。子どもが生まれたら、さぞかし夫は子育てに協力的だろうと期待していた。しかし子どもが生まれてしばらく経った頃から、夫は趣味のゲームに没頭するようになって…。■娘が起きる?! 夫のゲームがうるさいゆかりの夫、春人は穏やかで優しく、娘が生まれてからも育児を積極的にやってくれていました。しかし、ゆかりが娘を寝かしつけすると、奥から夫の声が聞こえてきて…。娘が起きてしまうのを心配するほど大きな声でゲームをしていたのでした。■夫の趣味を尊重してたけど…娘が生まれてからずっとゲームをしていないため、たまにはやりたいという春人。ゆかりは自分も息抜きがほしいのに…と思いますが、家事も育児も頑張ってくれているからと春人の趣味を尊重するのでした。しかし、ゲームをやりすぎて寝坊したり、夜夫の声が駄々漏れで…。娘が起きてしまい、ゆかりは怒りを露わにするのでした…!こちらは投稿者のエピソードを元に、ウーマンエキサイトで公開された漫画です。漫画に対する読者からのコメントを紹介します。■気になる読者の反応は…まずは、夜にゲームをする春人を見た読者の反応です。タイトルの「夫がゲーム内結婚⁉︎」に対する今後の懸念と、妻と娘への配慮を気にする意見があがりました。・ゲームが息抜き程度ならいいけど、疑似結婚までするってことは相当のめり込んで、妻と娘に向けるべき愛をその相手に向けてしまうんだろうな。まずは寝かしつけの時間に大声で会話するのをやめさせよう。(赤ちゃんキャラが今回も可愛いだけに可哀想になる)・プレイヤー同士のゲーム内結婚でしか手に入らないレアアイテムもあるからそこら辺は一切気にしないが、寝かしつけが必要な時間帯に1人でゲーム(ボイチャ含め)するのは気配りが足りない。ヘッドホンしてると喋る声も大きくなりがちだから余計にね。・多額の課金と時間決めてのゲームならいいんだけど。タイトルのゲーム内結婚がキモい。妻子持ちの既婚者が恋愛疑似体験してるって…。また、ゲームを毎晩する春人への批判です。ゆかりにも息抜きをあげてほしいという意見もあがりました。・毎日息抜きするの?奥さんが友達とランチしてたとしても毎日どころか毎週でもないよね?せめて寝かしつけは旦那がやれよ!しっかり寝かせてから静かにやってくれ。・息抜きは大事!でも、人の迷惑になるのは絶対にダメ。ましてや独り暮らしじゃないんだから…。・奥さんにも、同じ時間だけ趣味や一人の時間を作ってあげて欲しい。それをしてくれたら、ゲーム内結婚以外は何とか許せるかな。さらに、自分もゲームをするという読者からの意見です。ゲームをすることに対する考えが寄せられました。・私もゲームが好きだからやる事には否定はしないけど、何事も優先順位はある。・私だってゲーム好きだから、子供寝かしつけた後にやるけど、ちゃんと翌朝起きて朝から家事こなすよ。やることやらないならやっちゃダメだし、うるさくして子ども起こすのもダメだよ。起きたら自分は寝かしつけしないんだからさ。・私もゲーム好きだから気持ちわかるけど状況見ろや…。・学生時代はゲームめちゃくちゃしてたけど子育て中は我慢どころかやる気力も無かったよ…。・私もゲームするけど、子どものねんね中はめっちゃ声小さくしたり、ミュートにしたり、あんまり喋らないようにしてる。最後に、夫や彼氏がゲーム好きという読者からの経験談です。タイトルのゲーム内結婚についての意見もあがりました。・うちの彼もめっちゃゲーマー…。誰かとオンラインとかはしてないみたいだけど、人の声が聞こえないくらいゲームに熱中するって何?としょっちゅうイラついてます。もしそれでゲーム内結婚なんかしてたら叩き潰しそう。・旦那もそうだけど、ヘッドホンしてると自分の声聞こえずらいから声でかくなりがちなんだよね。でも女とボイチャはないわー。・まだ内容が分からないからなんとも言えないけど。自分はゲーム内で結婚とか普通にしてるなー。その方が色々できてよりゲームが楽しめるからだけど、チャットとかまで恋愛ならアウトかな?あくまでキャラ同士ならあり。・うちの夫もゲームうるさいから引っこ抜いてやった。・ほんとこれ!さっきこれで子ども起きて、こっちもやっと家事寝かしつけ終わって、1人でゆっくりドラマでもみながらのんびりできると思ってたところだったのに…。タイトルの「夫がゲーム内結婚⁉︎」に反応し、まだそこまで話までいかない1話からでも、触れている読者が多く見られました。ゲームをする人も多く、自らの思いと重ねる読者も。この後、いよいよ「ゲーム内結婚」について展開が…!▼漫画「夫がゲーム内結婚⁉︎」
2024年09月14日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第17回目のテーマは「サインの作り方」です。突然、幼馴染からメールがあり、数十年ぶりに青山の鮨屋で再会することになった。昔からパンクチャルだった彼は、待ち合わせ時間に遅れることなく、時間通りに現れた。僕と同い年なので、彼も昨年還暦を迎えた60歳。頭に白いものが混じっているものの、すぐに“なっかん”本人だと分かった。彼とは地元の中学と高校が同じ。一度だけ同じクラスになったものの、そのあとのクラスは別だった。活動クラブも違ったが、一緒に下校したり、映画を観に行ったりする仲だった。有名大学の経済学部を一緒に受験して、彼は合格し、僕だけが落ちた。卒業後、彼はそのまま大手電機メーカーに就職、僕は友人達の反対を押し切って、ゲーム会社に流れた。それが、お互い上京していたにもかかわらず、疎遠になった所以かもしれない。あれから40年、全く違う人生を歩んできた。ところが不思議なことに、ものの数分でタイムスリップしたかのように、あの学生時代へと戻れた。僕らは、10代の頃のように、心地良い北摂弁で、昔話に花を咲かせた。中学の時の“のど自慢大会”で、彼が中条きよしの「うそ」を、僕が新沼謙治の「ヘッドライト」を歌い、彼が1位、僕が2位になったこと。帰宅時にはいつも浜村淳(注1)のように、僕が映画のあらすじを、導入から最後まで語りながら下校していたこと。僕が書いていた小説の巻末には、いつも彼が解説を書いてくれていたことなど。あっという間に二人だけの同窓会は終わりに近づいた。お開き間際になって僕は彼に突然メールをくれた理由を尋ねてみた。すると、「そうそう、忘れるところだった」と、彼はスマホの写真を開いた。そこには僕らの高校名が印字されたスケッチブックが写っていた。僕も彼も国公立を最初から諦めていたので、高三時には、二時間枠の美術を専攻していたのだ。その時のスケッチブックだ。「実家を整理していたら、これが出てきたんや」と今度は、スケッチブックの中身の写真を捲る。するとグロテスクなゾンビの落書きが現れた。「小島君、こんなに絵が上手かったんやね。これ見せたくてメールしたんや」と。僕も思い出した。彼がトイレに行っている間に、彼のスケッチブックに鉛筆で落書きをしたのだ。戻ってきた彼を驚かせようとして。しかし、彼はこのイタズラに40年間、気づかなかった。「なんで、僕やと?」と聞くと、「ほら、ここに“なっかんへ”というコメントがあるやろ。それで、この下にサインがあるんや」。“なっかん”は、落書きの横をさらにピンチアウトした。最初にファンにサインをしたのは、いつの頃だったか?正確には覚えていない。僕の名前が漢字のフルネームで表記出来るように許されたのは、『SNATCHER』(注2)のPCエンジン版(1992)からだ。だから、その頃だろう。ファンに「サインをください!」と言われ、戸惑ったのは。僕は有名人でもなければ、芸能人でもない。他人からサインをねだられる人生なんて、想像もしなかった。だから、サインなど用意していなかった。そこで仕方がなく、自作の絵やイラストの横に描いていた子供の頃のサインをそのままに返した。一度、描いてしまうと、もうそれが僕の公式のサインとなった。ただ30年かけて、マイナー・チェンジはしている。西暦表記はサインの時期を把握するためにと、いつの頃からか描いていた。“ピースマーク”を付け加えるようになったのは、『MGSPW』(注3)からだ。これらの証明(サイン)が世界中のファンの元に保管されている。このサインの原型は、小学校の高学年の頃に描き出したものだ。自分の絵や小説、作品にサインをイタズラに記すようになった。当時、憧れていた松本零士先生のサインを真似て、自分流にアレンジしたものだ。比べてみれば、似ていることが分かるはずだ。イタズラから生まれた適当な記名(サイン)が、いつの間にか世界中に頒布され、小島秀夫の公式象徴(サイン)として登録されてしまっている。単純には喜べない複雑な気持ちだ。サインを描いている時、心の中ではそんなことを考えている。「これ、小島君のサインやろ?」と、“なっかん”がスマホの写真を拡大する。そこには、“1981”という西暦が丁寧に書かれている。ピースマークはまだないものの、まさしく僕のサインだった。鑑定団でも僕のサインだと認証できる、紛れもない僕の証(サイン)。「これ、サインもあるし、値打ちあるんとちゃうか?」と“なっかん”が呟く。そんなイタズラな物言いに悲しい顔で返すと、「冗談やで。これは僕らの“思い出”のサインやからな。スケッチブック、実家から持ってくるわ。小島君に“イタズラ”を返そうとおもて」と笑う。幼馴染の得意げな顔を見た瞬間、サインはこのままで行こうと決めた。イタズラで始めたことが、他人の思い出となり、思い出がまたイタズラとして自分に帰ってくるのだから。注1:浜村淳京都出身の、関西を代表するレジェンド・ラジオパーソナリティ。映画への造詣が深く、見事な話術と独自の言い回しで語られる映画評も有名。注2:『SNATCHER』小島秀夫が手がけた、1988年にコナミから発売されたアドベンチャーゲーム。PCエンジン版は1992年発売。注3:『MGSPW』2010年に発売された小島秀夫によるPlayStation Portable用ゲーム『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』。メタルギアシリーズの一作品。今月のCulture Favorite大阪コミコンで知り合った斎藤工さんがコジプロに来社してくれた時のツーショット。水ドラ25『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(テレ東系)の撮影現場にお邪魔した時に、主演の髙石あかりさん、伊澤彩織さんと。“DS2団結会”に津田健次郎さんが参加。その時のダルマを挟んでの一枚。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第2弾トレーラーが公開中。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2416号(2024年10月2日発売)です。※『anan』2024年9月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年09月07日■これまでのあらすじ結婚以来、結婚記念日を忘れたことはなかった夫の春人が、今回はすっかり記念日を忘れていたらしい。やっぱりゲーム仲間との時間のほうが夫には大事なんだ…と思った妻のゆかりは落ち込む。そんな折、ゲームをしている夫の声が漏れてきた。「俺、プロポーズしようと思ってるんだよね」耳を疑う妻だったが真相は…?夫への不満を同じくゲーム好きな妹に相談したところ、「所詮ゲームだよ」と言われてしまいました。ゲームの中でだけの結婚システムというものがあるようで…。妹のあっけらかんとした返事を聞いて、私は少し安心しました。でも、今はゲームの中だけでの出来事だけど、もし夫がその女性に本気だったらどうなってしまうのでしょうか…。逆に、相手の女性が夫のことをリアルに恋愛対象だと思っている可能性だってゼロではないと思うのです。私がゲームの世界を知らないからこんなにイライラしてしまうのでしょうか。夫の趣味を許せないなんて、私は心が狭い妻なのでしょうか…。次回に続く(全11話)毎日更新!※この漫画は実話を元に編集しています
2024年09月06日「リアル脱出ゲーム」に魅せられた高校生4人がつくった、“初めて”のリアル脱出ゲームを体感しよう全世界で累計1,300万人以上を動員しているリアル脱出ゲームを企画制作する株式会社SCRAP(本社:東京都渋谷区、代表:加藤隆生)は、新作リアル脱出ゲーム『私たちのリアル脱出ゲームからの脱出』を2024年10月24日(木)より東京ミステリーサーカスを皮切りに、全国で開催することを発表いたします。★イベント特設サイト: 謎解きを通して参加者がまるで“物語の登場人物”になったかのような体験ができる「リアル脱出ゲーム」。2024年8月23日(金)〜25日(日)には幕張メッセにて初のフェス形式でお届けした『リアル脱出ゲームフェスティバル』も開催し、累計約2万7000人を動員。ますます盛り上がりを見せています。そんな「リアル脱出ゲームフェス」で初開催し、フェス初日を迎える前から予約枠がすべて埋まるほど話題だった『私たちのリアル脱出ゲームからの脱出』が、この度全国ツアーでも開催されることが決定しました。『私たちのリアル脱出ゲームからの脱出』は、実際に2023年に幕張メッセにて開催された『終わらない夏祭りからの脱出』に参加した高校生4人が、そのときの感動から自分たちで「リアル脱出ゲーム部」を結成し、そこから生まれたイベントです。イベント参加者は彼女たちが制作した『私たちのリアル脱出ゲームからの脱出』というイベントを実際に遊ぶことができる、というものになっています。イベント中は、Live2Dを駆使して実際にイベントスタッフをしている彼女たちに会える、という演出も。「リアル脱出ゲーム」を通じて、彼女たちをリアルに感じることができる、これまでのリアル脱出ゲームになかった新しい体験をお楽しみいただけます。本作は彼女たちがつくった初めてのリアル脱出ゲームのため、イベントが始まる前の会話の様子など、まだ初々しさの残る4人が垣間見えることも。が、謎自体はしっかり練り込まれており「リアル脱出ゲームフェス」で参加した人たちからは「一筋縄ではいかない面白い謎が解けてとても満足」、「彼女たちのつくる新しいイベントも遊びたい」と大変好評の声をいただきました。そんな話題沸騰な本作の全国ツアー化が決定! 10月24日(木)の東京ミステリーサーカスを皮切りに、愛知、大阪でも開催予定。チケットは8月26日(月)より少年探偵SCRAP団(FC)先行、9月2日(月)より一般販売がスタートします。高校生4人の成長を追うことのできるストーリー、そしてそこから生まれる本格的な「リアル脱出ゲーム」に、ぜひご期待ください。▼『私たちのリアル脱出ゲームからの脱出』会場の様子※画像はイメージです。『私たちのリアル脱出ゲームからの脱出』概要■イベント特設サイト ■ストーリー私立光ヶ峰学園の朝倉渚(あさくらなぎさ)、清水海咲(しみずみさき)、橘一葉(たちばなかずは)、古城琴音(ふるしろことね)の4人が立ち上げた「リアル脱出ゲーム部」。彼女たちが初めて作ったイベントが、なんとSCRAPの店舗にて開催!記念すべき第1弾のイベントは、その名も『私たちのリアル脱出ゲームからの脱出』。果たしてあなたは彼女たちからの謎をすべて解き明かし、最後の答えにたどり着くことができるだろうか?■プレイ形式・屋内イベント・所要時間:約120分前後・プレイ人数:1チーム最大6人■開催会場、日程【東京】東京ミステリーサーカス:2024年10月24日(木)~2025年1月5日(日)※愛知、大阪でも開催予定! 詳細は後日発表いたします。■チケット販売スケジュール少年探偵SCRAP団(FC)団員先行販売:2024年8月26日(月)12:00〜9月1日(日)23:59一般販売:2024年9月2日(月)12:00〜■チケット料金<前売>・平日一般 3,500円グループチケット(1人~6人) 1人あたり3,200円(合計:19,200円)・土日祝&ハイシーズン一般 3,800円グループチケット(1人~6人) 1人あたり3,500円(合計:21,000円)<当日>・平日一般 3,800円U22団員 1,900円※平日当日チケット限定グループチケット(1人~6人)1人あたり3,500円(合計:21,000円)U22団員グループチケット(1人~6人)1人あたり1,750円(合計:10,500円)※平日当日チケット限定・土日祝&ハイシーズン一般 4,100円グループチケット(1人~6人)1人あたり3,800円(合計:22,800円)※料金は税込です。※グループチケットは1人〜6人のお好きな人数のお連れ様のみのチームでテーブルを貸し切ってイベントに参加できるチケットです。お連れ様のみのチームで参加したい方はグループチケットをご購入ください。※「1人あたり」に記載されている料金は6人で参加した場合の1人あたりの料金です。※グループチケット以外のチケットをご購入の場合、お連れ様と別れてご案内する可能性がございます。※本イベントはU22団員割引の対象となります。22歳以下の方は「U22団員」になると、平日当日券が半額で購入できます。詳細は下記よりご確認ください。 ※複数回本公演に参加したい方向けに<リピートチケット>もご用意しております。すでに本公演にご参加した方がもう一度参加したい場合は<リピートチケット>をご購入ください。詳細は下記よりご確認ください。 ■主催/企画制作:SCRAP補足情報■リアル脱出ゲームとは?2004年に発表された「クリムゾンルーム」というネットの無料ゲームを発端に、爆発的に盛り上がった「脱出ゲーム」。そのフォーマットをそのままに現実世界に移し替えた大胆な遊びが「リアル脱出ゲーム」。マンションの1室や廃校、廃病院、そして東京ドームや六本木ヒルズなど、様々な場所で開催されている。07年に初開催して以降、現在までで1,300万人以上を動員している。日本のみならず上海、台湾、シンガポールやサンフランシスコなど全世界で参加者を興奮の渦に巻き込み、男女問わずあらゆる世代を取り込む、今大注目の体験型エンターテインメントである。※「リアル脱出ゲーム」は株式会社SCRAPの登録商標です。☆オフィシャルサイト→ ☆公式X(旧Twitter)アカウント→@realdgame 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年08月25日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第16回目のテーマは「ヒゲとメガネとHIDEO」です。髭と眼鏡が僕のアイコンであり、僕のイメージとして定着しているらしい。SNSから流れてくる僕の似顔絵にも髭と眼鏡が必ずフィーチャーされている。髭と眼鏡だけで僕のコスプレだと主張する強気のレイヤーもいる。海外の人には、髭と眼鏡のアジア人はみんな「HIDEO KOJIMA」に見えるらしい。もちろん子供の頃の僕には、ヒゲもメガネもなかった。僕が眼鏡をかけだしたのは、平成を迎えた1991年くらいのことだ。僕の人生の半分は裸眼だったわけだ。両親も兄弟も親戚一同さえも、誰も眼鏡をかけてはいなかった。まさか自分が将来、眼鏡をかけることになろうとは思いもしなかった。とはいえ、僕は以前から眼が人より弱かった。暗い部屋でテレビや映画ばかりを観ていたのが祟ったのだろう。小学2年生の時の視力検査で、検査医師から忠告を受けた。「左右の視力が違うので顔を斜めにして見る癖がついている。矯正した方がいい」と。しかし、乱視が強いので当時の技術での矯正は難しいという結論になった。あの頃は、まだコンタクトはメジャーではなかった。眼鏡は逃れたものの、教室では前の方に座らされることとなった。小学5年になって、川西市(注1)に引越しすることになった。周囲には山や緑が多かったせいか、視力は日常生活で回復した。ところが、ゲーム業界に入り、5年くらい経った頃、異変が起こった。最初は頭痛が酷くなり、続いて眼が痛くなり、ゲーム開発を続けられないほどに悪化した。20数年ぶりに駆け込んだ眼医者に、「それは見えてないからですよ。矯正すべき」と言われ、僕は人生で初めて眼鏡を作った。最初は、日本語字幕が見えるようにと、映画館でだけかける程度だった。ところが、当時開発していたPC版『ポリスノーツ』(注2)というタイトルで、内作した自家製ツールを使い始めてから、一気に視力が落ちた。“眼に優しい”市販ツールではなく、スタッフが簡易製作した“眼に厳しい”ツールでの無理な作業のせいだった。日常でも眼鏡をかけるようになると、眼鏡はいつの間にか、僕の身体の一部となった。昔から眼鏡をかけていたかのように、僕の裸眼人生は永遠に抹消された。2015年年末、30年近く勤めたKONAMIを辞めて、独立した。この時、自分もイメチェンを図ろうと思った。そこで髭を生やそうと考えた。実は、髭面は嫌いだった。昭和の時代、髭はどちらかというとネガティブな印象を与えるものだったのだ。それに、毎朝、目覚めて髭を剃るという行為が、1日の始まりとしては心地よいものだった。髭を生やせば、その小さなリズムは失われてしまう。しかし、だからこそ髭は独立の新たなアイコンになる、と考えたのだ。本当はスピルバーグみたいな映画監督が生やしているボリュームのある髭が良かったが、毛深くはない僕の髭はそこまでは成長しない。仕方なく、手入れの効いた無精髭にすることに。もちろん、起床して無精髭を整えるあの儀式は続けている。30代からずっと老舗眼鏡屋である白山(はくさん)眼鏡店(注3)を愛用してきたのだが、フランスの眼鏡ブランドであるJ.F.REYに出逢った。2005年くらいのことだ。その美しさや繊細さ、それらのデザインを可能にする職人技に惹かれた。今に至るまでずっとJ.F.REYだけをかけている。元祖デザイナーであり、元祖オーナー(現在は別のオーナー)であったジャン・フランソワ・レイさんとも朋友になった。『MGSV』(注4)や『デス・ストランディング』(注5)でもコラボが実現した。先月、“HIDEO KOJIMA×J.F.REY”(注6)の第二弾となるラインナップが発表された。ここには、僕のアイデアと経験が取り込まれている。例えば、サングラス。僕はサングラスにも度を入れる。日差しがきつく、紫外線の多いLAではサングラスが必須だ。そこで眼鏡を外し、サングラスをかける。夜になって、レストランへ行く。蝋燭がゆらめく大人の雰囲気の洒落たレストランだ。ところが、鳥目の僕はサングラス越しではメニューが見えない。外すと、今度は文字が読めない。だからサングラスをしている時は、通常の眼鏡を首元にかけている。室内に入ると、眼鏡にかけ替え、サングラスを首元に。なんとも不自由な眼鏡生活を強いられてきた。そんな経験から生まれた究極のサングラス(HK×JF08+CLIP)が今回のラインナップ(注7)にも入っている。サングラス部分が上下に可動して、度の入ったレンズからずらせるようになっているのだ。“髭”と“眼鏡”が僕の“貌(かお)”からなくなれば、他人からはどう認知されるのだろうか。アイコンを外してしまえば、誰からも呼び止められない透明人間になれるのだろうか?僕の次のアイコンは何になるのだろうか?新しい眼鏡を選びながら、そんなことを考えた。ただしばらくはヒゲとメガネのHIDEOでいるつもりだ。注1:川西市兵庫県郊外の住宅地。注2:『ポリスノーツ』1994年発売のSFアドベンチャーゲーム。その後PlayStationなどにも移植された。注3:白山眼鏡店1883年創業の「白山眼鏡店(しらやまめがねてん)」にルーツを持つ眼鏡ブランド。ジャパンメイドにこだわったオリジナルフレームを製作している。注4:『MGSV』2014年に発売された、メタルギアシリーズ8作目のゲームソフト『メタルギアソリッドV』。注5:『デス・ストランディング』小島秀夫がコジマプロダクションを立ち上げ後初めて発表したゲームタイトル。2019年に発売され、その後ディレクターズカット版も登場した。注6:HIDEO KOJIMA×J.F.REY小島秀夫とJ.F.REYのコラボレーションによるアイウェアコレクション。現在第二弾が発売中。注7:今回のラインナップ7モデル各3色、全部で21バリエーションを展開。デザインや素材など随所に小島監督の世界観が表現されている。HK×JF08+CLIPは、クリップオンのサングラスを跳ね上げて着用できる2wayモデル。今月のCulture FavoriteJ.F.REY代官山店にて。HIDEO KOJIMA×J.F.REYの新コレクションのサングラス。俳優ミア・ゴスとのツーショット。チャイニーズ・シアターで行われた新作映画『MaXXXine』でのプレミアにて再会。俳優ロバート・パティンソンとごはんを食べた際の一枚。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第2弾トレーラーが公開中。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2412号(2024年9月4日発売)です。※『anan』2024年8月7日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年08月03日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第15回目のテーマは「MADでGODなSAGA」です。ロンドンで行われた『マッドマックス:フュリオサ』(公開中)のレッドカーペットで“神(GOD)”と熱い抱擁を交わした。Zoomでは何度もやりとりをしてはいたが、直接会うのは7年ぶり。神は79歳、僕は60歳になっていた。僕が神の存在を知ったのは、44年前のことだ。高校1年生の時、テレビである映画の特番が放送された。紹介されたのは、無名の監督による『マッドマックス』という映画。近未来のオーストラリアの荒野で壮絶なカーアクションを繰り広げる物語だった。公開初日、僕はひとり大阪梅田まで足を延ばして観に行った。圧倒された。オーストラリア映画はもとより、こんなにも渇いたバイオレンスは観たことがなかったからだ。これは単なるアクション映画ではない!映画小僧だった僕は、映画を超えた“神話”に出会ったのだ。ラストのマックス・ロカタンスキーを真似て片脚を引き摺りながら、売店でパンフレットを買った。そこで初めて、神の名前と貌を知った。それが神――ジョージ・ミラーとの出会いだった。それから、神が関与する映画は『マッドマックス』を含め、日本で鑑賞出来るものは可能な限り観た。最も好きな映画でもある『マッドマックス2』は、リバイバル上映される度に、必ず観に行った。ビデオやDVD、BDが出る度に購入し、定期的に観直している。独特の世界観、物語、キャラクター、哲学、アート、演出。それらが僕の体内に染み込み、全身の細胞に行き渡り、僕の物創りに影響を与えてきたのは疑いようがない。神の作品は物創りの“バイブル”なのだ。9年前の2015年は、僕にとって、人生で最も辛い時期だった。あまりの心労で体重は10キロ以上も落ち、心身共に疲弊していた。そんな折、新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の公開時に来日するジョージ・ミラー監督との対談企画が持ち上がった。僕は『マッドマックス2』に登場するヴィランの“ヒューマンガス”(注1)のTシャツを着て、神との対談に挑んだ。初めて対面した神は、あの狂気の世界観からは想像も出来ないくらい知的で、優しい人だった。息子さんが僕の大ファンであるとかで、僕のこともリスペクトしてくれていた。神は、『ベイブ』(注2)や『ハッピー フィート』(注3)の様なCG作品にも携わったデジタル映像の先駆者。僅か数分で幼馴染の様な親密感を覚えた。映画の話題だけに留まらず、お互いのクリエイティブの根幹と魂までを共有し合った。日本公開時に買った『マッドマックス2』のパンフレットにもサインを貰った。ガス欠状態だった僕は、神から大量の“ガソリン(Guzzolene)”(注4)を注入してもらった。これが、ミラー監督とのSAGAの始まりだった。2017年の3月、素敵な夜景の見えるシドニーのレストランで神と再会した。そこで、自分が独立したことと、スタジオの立ち上げタイトルである『DEATH STRANDING』の企画の趣旨を伝えた。神は、聴き終わるやいなや、紙ナプキンに数式やら図式を書き出した。そして、こう答えた。「小島さん、あなたの作品は、数学的、物理学的、心理学的、人類学的、哲学的に、既に成功している。あなたは正しい道を歩んでいます。おめでとう!」と。コナミを辞め、独立して不安に苛まれていた僕は、神から“ガソリン”をまた貰った。「この道を進んで、間違ってはいない」と、再び勇気づけられたのだ。そこからは、Zoomで物創りの話をしたり、対談をしたり、近況を報告し合ったり、さらには僕のドキュメンタリー映画『HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS』(注5)や『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』(注6)にも出演してもらったりもしている。ロンドン・プレミアでのジャンケットの最終日、ミラー監督と対談をした。その最後に、また新たなる神話を創造してくれた神に、僕は感謝の言葉を述べた。「ジョージさんは、(『マッドマックス:フュリオサ』に登場するジャックのように)僕のメンターなので、今後もずっと映画を創り続けてください。僕はあなたの背中を見ながら、後に続きます」と、ジャックの例えを理解したミラー監督は、満面の笑みを返してくれた。「Ah, that’s wonderful that you say that.」(そんな風に言ってもらえて、とてもうれしいよ)「Because when I see Death Stranding, and I see the work you did…」(『デス・ストランディング』を観れば、小島さんのことがよくわかる)「I feel like a brother, a creative brother.」(私たちは、まるでクリエイティブな兄弟みたいだね)ジョージさんが“SAGA”を創り続ける限り、僕も物創りの“ロード”を走り続ける。そこには、“狂気(MAD)”も“怒り(FURY)”もない。老いても、並走し続ける“漢たち(ROAD WARRIORS)”がいるだけだ。注1:ヒューマンガス『マッドマックス2』に登場する、金属のマスクを装着したカリスマ的悪役。演じたのはシェル・ニルソン。注2:『ベイブ』’96年公開のクリス・ヌーナン監督作品。ジョージ・ミラーは製作・脚本を担当。子豚のベイブが史上初の牧羊豚になろうと奮闘する姿を描いた。注3:『ハッピー フィート』’07年公開のミラー監督作。音痴だがダンス上手なコウテイペンギンの子供・マンブルが、故郷を離れて繰り広げる冒険を通し、自分の生き方を見つけていく物語。注4:Guzzoleneミラー監督が考えた2つの単語を組み合わせたポートマント語。これは「貪欲に飲む」という意味の「guzzle(ガズル)」と「gasoline(ガソリン)」を巧みに組み合わせたもの。注5:『HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS』小島秀夫の幼少期のエピソードや『DEATH STRANDING』制作の風景などを追いかけたドキュメンタリー映画。ディズニープラスで配信中。注6:『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』コジマプロダクションが開発中の新作ゲーム。ジョージ・ミラー監督との対談は、YouTubeで公開中!今月のCulture Favorite映画『ボーンズ アンド オール』などへの出演で知られる俳優のテイラー・ラッセルさんと。ジョージ・ミラー監督とのツーショット。津田健次郎さん、水樹奈々さんと。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第2弾トレーラーが公開中。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2408号(2024年7月31日発売)です。※『anan』2024年7月10日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年07月06日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第14回目のテーマは「“どこでも窓”から“どこでもドア”」です。家族やカップル、親しい友人たちと電話をする場合、音声だけの通話をする人は少ないはずだ。今は「FaceTime」(注1)のようなアプリで、声だけではなく、相手の顔や表情、動き、その背景までもがわかる通話が可能だ。コロナ禍の一時期、一気に普及したのが、「Zoom」(注2)だ。ネット回線で複数人を同時に繋ぐアプリケーションである。海外渡航や移動が制限された当時、国内外の人たちとミーティングや顔合わせが出来るツールは重宝された。自宅から、職場から、公園から、車中から、と何処からでもビデオ映像を双方向に送れるからだ。若い人たちは、これがあたりまえの日常だと思っているかも知れない。しかし、僕が子供だった1970年代、テレビ電話は誰もが憧れた“まだ見ぬSF世界のガジェット”だったのだ。テレビ電話、エアカー、人型ロボット、月面ホテル。これらは、高度成長期が永遠だと思わせる象徴として、当時のSF映画やアニメ、漫画で描かれた“21世紀の未来図”だった。ところが、半世紀以上を経た2024年現在、それらのほとんどが実現していない。次の大阪・関西万博で実現させるはずだった空飛ぶクルマも中止。生成AIこそ、日常生活を蝕み始めてはいるが、アトムのようなヒューマノイドは、未だに実験室を出られないし、月面開発は20世紀に凍結され、ようやく再び月へ戻るという“アルテミス計画”が再開されたくらいだ。しかし、たった一つだけ、想像以上に進化しているものがテレビ電話である。SFの世界ではテレビ電話ではなく、“ビデオフォン”と呼ばれていた。僕らの世代では『ウルトラセブン』の腕時計型「ビデオシーバー」(注3)や映画『2001年宇宙の旅』の宇宙ステーション5に設置された縦型「公衆TV電話」(注4)がまず頭に浮かぶ。ビデオ通話の日常化は、スマートフォンの普及のおかげでもあるだろう。インターネットを介することで、リアルタイムでのワールドワイドなビデオ通話が可能になった。これですべて事足りるのではないか。会社も学校も病院もリモート。来たるメタバースの時代には、もう人は人と直接会う必要はなくなるのではないか?都会に住む必要もないのでは?コロナ禍ではそんな威圧に近い風潮があった。ところが、コロナ禍でのパフォーマンス・キャプチャー(注5)では、苦い経験をすることとなった。撮影現場となるLAのスタジオに、キャストと現地スタッフに集結して貰い、僕は東京のコジプロから遠隔でのディレクションを行おうとした。Zoomやスマホ、タブレットを数十台駆使して、現場のスタッフやキャストと繋いだ。リモート慣れしたはずの我々だったが、それでも無理があった。現場は混乱した。現場でのカメラや俳優たちの位置を把握し、カメラワークや演技指導を的確に伝え、演出するのは困難だった。苦肉の策として導入したのが、Sonyの研究開発部門が考案した「窓」という最先端のシステム。LAと東京に対になる大きな縦型モニターを2セット設置。等身大の巨大なスマホ画面だと考えていい。双方向に映像と音声が同時に送れる。向こうへは行けないが、LAと東京に“どこでも窓”が出現した感じだ。この「窓」を通して、キャストたちとのコミュニケーションを取り、なんとか撮影をこなした。今後は、仕事や会議、デート、面談、面接、飲み会、式典、様々なコミュニケーションがメタバース上で標準化するのであろうか?いや、僕はそれは好きではない。ホログラム技術も今後かなり進化するだろうが、あくまでも立体映像であり、お互いが触れ合わなければ、深く理解することは出来ない。Zoomでの会議もあくまでもサブでしかない。俳優にオファーするのも実際に会ってから決める。人は直接、移動して出会うべきだ。人の移動が運ぶのは、身体にまとわりつく匂いや体温、心に宿る気分や感情、その瞬間に人が秘めているデジタル化されない膨大な情報にあると思うからだ。コロナ禍が明けて、海外へまた自由に飛べるようになった。2022年からはLA現地でのパフォーマンス・キャプチャーの撮影を再開した。一方で長距離移動は、この歳になると辛い。ジェットラグも堪える。だから今最も欲しいものは、瞬間物質移送機。『スター・トレック』(注6)の転送装置。つまり、“どこでもドア”だ。Sonyの「窓」は見るだけだったが、窓の向こう側へと繋がる“扉”。果たして、ドラえもんが生まれた22世紀には実現しているのだろうか。先月、NYで新作映画撮影中のエル・ファニングさんと『DS2』(注7)の最後のADR(注8)の際、Zoomを使った。やはり、近くで細かな演出をしたかったし、食事をしながら懇談もしたかった。“どこでもドア”が無性に恋しくなった。注1:「FaceTime」Appleが開発したビデオ通話アプリケーション。注2:「Zoom」オンラインでミーティングやセミナーなどを行えるWeb会議アプリケーション。注3:ビデオシーバー『ウルトラセブン』のウルトラ警備隊が連絡を取り合うために腕に装着していた映像通信ツール。注4:公衆TV電話映画『2001年宇宙の旅』内の宇宙ステーションに設置された、映像通話のための装置。注5:パフォーマンス・キャプチャーセンサーを装着した人間の動作や表情をデジタルデータ化する技術。ゲームや映画、VTuberなどに使われている。注6:『スター・トレック』1966年から放送され世界中にファンを持つSFテレビドラマ。映画やアニメーションにも展開されている。物質を瞬時に分解して異なる場所に移送できる転送装置が登場。注7:『DS2』コジマプロダクションが開発中の新作ゲーム『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』。注8:ADRAutomated Dialogue Replacementアフターレコーディングのこと。今月のCulture Favorite6年ぶりに揃ったマッツ・ミケルセン、ノーマン・リーダスと。5月3日(金)~5月5日(日)の3日間にかけて開催された大阪コミコン2024のステージで。©2024 Osaka comic con All rights reserved.世田谷文学館で開催中の「伊藤潤二展誘惑」での伊藤さんとのショット。エル・ファニングさんとZoomでADRを行った際の一枚。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第2弾トレーラーが公開中。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2404号(2024年7月3日発売)です。※『anan』2024年6月12日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年06月08日今回は、物語をもとにしたクイズを紹介します!クイズの解答を考えてみてくださいね。※この物語はフィクションです。イラスト:モナ・リザの戯言ゲームにハマった夫の話ゲームにハマった主人公は1日12時間もゲームをしています。その日は主人公の娘たちが所属する劇団の発表会でした。主人公はそれを見にいくつもりでしたが、ゲーム仲間から呼び出しがあり「ど、どうする!?」と悩みます。どちらか悩む主人公出典:モナ・リザの戯言かなり悩んだ主人公は、ある選択をしました。問題さあ、ここで問題です。主人公は娘とゲーム、どちらを選んだでしょうか?ヒント主人公は妻にある嘘をつきました。みなさんは答えがわかりましたか?正解は…出典:モナ・リザの戯言正解は「『仕事の連絡がきた』と噓をついてまでゲームを選んだ」でした。主人公は妻に嘘をついてまでゲームを選びます。しかしその後、妻にゲームをしていたことがバレてしまうのでした。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。(lamire編集部)
2024年05月22日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第13回目のテーマは「“りばいばる”を“もう一度”」です。忘れられない歌を 突然聞く誰も知る人のない 遠い町の角でやっと恨みも嘘も うすれた頃忘れられない歌が もう一度はやる「りばいばる」(注1)中島みゆきの曲を研ナオコが歌う『中島みゆき作品BESTアナログ』のバイナル盤が発売された。ターンテーブルにLPを載せ、“りばいばる”というかつてのヒット曲に針を落とした。僕がこの曲を好きなのは、メロディが沁みるだけではない。流行歌には当時の個人的な記憶がいつまでも付いてくる、という歌詞にある。忘れてしまいたかった当時の記憶が、歌と共にフラッシュバックするからだ。いつか君といった 映画がまたくる授業を抜け出して 二人で出かけた哀しい場面では 涙ぐんでた素直な横顔が 今も恋しい雨に破れかけた 街角のポスターに過ぎ去った昔が鮮やかに よみがえる君もみるだろうか「いちご白書」を二人だけのメモリィーどこかでもう一度「『いちご白書』をもう一度」(注2)同じリバイバルでも「『いちご白書』をもう一度」のように、思い出の映画が再び上映されることで、当時の青春時代を懐古するという歌もある。『いちご白書』(1970)は、学生運動を扱ったアメリカンニューシネマの佳作だ。まだカップルとは言えない恋人未満の若い二人が映画を観た記憶を共有する。こういう経験は誰にでもあるはずだ。映画の詳細は覚えていなくとも、当時の淡い思いは大切に胸の奥に仕舞っているはずだ。ビデオもサブスクもない時代、映画は公開時に劇場で観るほか、機会はなかった。そうなると記憶に残るのは映画の内容だけではない。だからこそ、映画館での体験は特別なものになったのだ。朝なのか?夜なのか?どの映画館で?誰と――それは、恋人なのか、初デートなのか?気まずい倦怠期なのか?それとも家族、友達、学校や会社の仲間と一緒なのか?あるいは一人で?さらには、その時の社会情勢や、自分が置かれていた状況、テンション、幸福度が、クラスターの様に映画とひとつの記憶に仕舞われている。劇場映画体験とはそういうものだったのだ。AIが勧めるサブスク映画を、お手軽なスマホやタブレットで消費する今の映画体験には、その感覚はほぼないと言える。一方で、最近は古い映画をデジタル修復してリバイバル上映することが増えた。若者たちは、音楽も映画もサブスクで受動的に消費して、劇場にはあまり足を運ばない。それは映画を巡る生活習慣が変化したからだ。昨今のリバイバル上映は、映画に特別な記憶のある世代を呼び戻すための秘策のひとつとなっている。かつてのフィルムによるリバイバルとは違い、デジタルリマスターした素材を使って修復された上映だ。劇場側の設備も改善され、4K上映が主流になってきている。しかも、驚くのは誰もが知っているような名作や傑作だけではなく、シネフィルたちの眼鏡に適うようなカルト作が多いことだ(注3)。そんな中、マカロニ・ウエスタンの代名詞ともなる「ドル3部作」(注4)の4Kデジタルリマスター版が先日、リバイバル公開された。僕も影響を受けた作品たちだ。中でも一番のお気に入りは、『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(The Good, the Bad and the Ugly)』。BDで定期的に観直しているものの、劇場の巨大スクリーンでの再会ともなると話は違ってくる。178分という長尺の上映時間のため、予定がなかなか合わず、やむを得ず、平日の午前からの回を予約した。映画館に入ると、驚いた。あきらかにシニアな人たちばかり。中には杖をついて必死に階段を上がってくる人もいる。後方の座席に座ると、白髪と禿頭ばかりが目立つ。仲良く並んでいる老夫婦もいる。僕は感動した。彼らは“映画と共に生きていた”のだ。映画館での特別な体験に、今も価値を感じているのだ。老いても忘れることなく、「ドル3部作」をずっと愛しているのだと。映画が始まる。スクリーンの中の溢れんばかりの欲望と勝機を持て余したクリント・イーストウッドやリー・バン・クリーフたちは、歳をとらず、あの頃のままだ。子供の時の初見は“GOOD”に、悪ガキ時代には“BAD”に、歳をとると“UGLY”に共感する。歳を重ねていくと映画の見方は変わるものの、好きなものは永遠だ。僕らは、映画を観て、過去を回想するだけではない。映画を観ている間、少年少女のように若返るのだ。時間を巻き戻すのではなく、再び生き返る。エネルギーが満ちる。まさにリ・サバイバル。映画にはそんな力もあるのだ。帰宅すると、部屋のターンテーブルには、“りばいばる”が鎮座している。僕は、忘れられない歌を、忘れないようにと、もう一度、回した。注1:「りばいばる」作詞・作曲 中島みゆき1979年にリリースされた中島みゆきの7枚目のシングル。1984年に研ナオコがカバーした。注2:「『いちご白書』をもう一度」作詞・作曲 荒井由実1975年、バンバンが歌い上げたフォークソングの傑作。注3:ダーレン・アロノフスキーのデビュー作『π』(1998)、ブライアン・デ・パルマの初期作品『悪魔のシスター』(1973)、クエンティン・タランティーノのデビュー作『レザボア・ドッグス』(1991)、’70年代SF映画の金字塔である『ソイレント・グリーン』(1973)など、映画ファンのツボを絶妙に突いてくるタイトルが多く上映されている。カルト作品ではないが、あの『ローマの休日』(1953)も昨年70周年記念ということで、劇場での4K版リバイバルを実現している。こちらは城達也と池田昌子による日本語吹替版。注4:「ドル3部作」クリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督、エンニオ・モリコーネ音楽という伝説のマエストロたちによる3作品『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』のこと。JASRAC出2402943‐401今月のCulture FavoriteTBS系で放送中のドラマ、日曜劇場『アンチヒーロー』の撮影現場で、長谷川博己さんと一緒に。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第2弾トレーラーが公開中。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2400号(2024年6月5日発売)です。※『anan』2024年5月8日‐15日合併号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年05月11日株式会社ユニスピードは、新生活向けキャンペーンとして2024年5月1日(水)~5月31日まで中国のVR機器メーカーarpara(読み:アルパラ)社製の高画質5K超軽量VRゴーグル「arpara Gaming Kit」、「arpara Tethered 5K」が最大40%OFFで購入できるキャンペーンを当社Amazonにて実施いたします。昨年VRゴーグルのAmazonでの販売が好調だったので今年も昨年に引き続きキャンペーンを実施することになりました。「arpara」の特徴について<超軽量、快適な装着感>約350gの軽さで、ハイクオリティなVRゲームを楽しみながら、長時間の使用による頭部の不快感を効果的に防止します。調整可能なパーツは、丁度良いフィット感で装着可能です。<高画質5Kパンケーキレンズ&Micro-OLED搭載>5Kの高画質、デュアル1.03インチMicro-OLEDスクリーン、両目解像度5120*2560、3514 PPIの高画質の世界中に飛び込めます。独自の光学設計により、超シャープで高精細な映像でのVR体験を大幅に向上し「VRゲームをより臨場感のある映像で楽しみたい」というニーズに応えます。<至高のエンターテインメント体験&速い反応速度&広角FOVでサポート>DCI-P3 90% カバー率、sRGB 127% カバー率、最大90Hzのリフレッシュレート、95°FOVの視野角を兼ね備えており、広い視野と画面の滑らかさを両立させます。arparaはシステム全体のレイテンシーを最大限向上するだけでなく、ゴースト効果を最大限に除去し、新しい体験に引き上げます。<6DoFトラッキングVRゲーム体験実現可能>シームレスな接続性と6DoFの正確なトラッキングを実現し、arparaは没入感のある夢のようなPC VRゲームへのアクセスが簡単にできます。<高音質なオーディオ体験>ゴーグル自体にデュアルチャンネル指向性ステレオを内蔵しているため、イヤフォンを装着する必要はありません。当製品をつければ、自然なサウンドでそのままVR世界に飛び込めます。かつてないほどの品質のオーディオを体験いただけます。<さまざまなデバイスに対応>ノートPC、デスクトップPCなどさまざまなデバイスに対応できます。2D/3D/360度動画対応で、旅行先でも、ベッドの上でも、家の外でも、どこでも好きな場所から自分だけの世界を楽しめます。<バッテリー消耗が気にならない有線タイプ>無線タイプが市場で大半を占める中、当製品はあえて有線にすることでデバイス本体の軽量化に成功。有線だからこそ5Kという高品質の映像を、バッテリー消耗を気にせず長時間の継続使用を可能としました。■「キャンペーン」概要実施期間:2024年5月1日(水)~2024年5月31日(金)実施商品:arpara Gaming Kit、arpara Tethered 5K■商品概要商品名: arpara Gaming Kit価格: 158,800円(税込)/40%OFFキャンペーン価格:95,280円(税込)本体サイズ: 185mm×123mm×77mm重量: 約350gメーカー: arpara商品名: arpara Tethered 5K価格: 108,999円(税込)/35%OFFキャンペーン価格:70,849円(税込)本体サイズ: 180mm×105mm×55mm重量: 約200gメーカー: arpara(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)出典:プレスリリース
2024年05月07日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第12回目のテーマは「コルギなソウル(魂)」です。ホテルのカーテンを開けると、ソウルは一面の雪景色になっていた。キャスティング関連でのわずか2日間の訪韓。午前中だけ予定が空いていたのもあり、繁華街の明洞(ミョンドン)へと向かった。焼肉屋やチヂミのハングル文字に紛れて、日本語の看板が目に入る。「韓国式エステ」。ここだ。急な階段を2フロア分、上がる。店に入ると店長らしきおばちゃんが日本語で話しかけてくる。「ギンジャ(銀座)だと、この倍の値段。うちは安いよ」と、160分の極上コースを猛烈に薦めてくる。午後から大事なミーティングがある。2時間以上のコースは避けたい。“ヒーリング・コース”を希望したが、おばちゃんの強引な推しで、話題の“顔骨気(コルギ)コース”を体験することになった。おばちゃんに連れられ、更衣室へ。指示通り、パンツ一丁になり、その上に紙パンツを履いて、チャイナドレスのような刺繍の入ったピンクの施術着を羽織る。外に出ると、別のおばちゃんが待ち受けており、階段を上らされる。曲がりくねった廊下を進むと、ドラム式の乾燥機が並んでいる小部屋に突き当たる。そこにはまた別のおばちゃん達が待機している。まさか乾燥機に足を入れるのでは?と構えたが、杞憂だった。用意されたお湯に足を浸けて、洗浄。再び階段を上り、逃げ場のない突き当たりの部屋へ通される。硬いベッドに仰向けに固定された後、店自慢の“顔骨気コース”が、いよいよスタートする。まずは、クレンジングと足つぼマッサージ。続いて、顔にクリームを塗られる。何度も何度も塗り込まれる。目隠しをされているので、何を塗られているかは、わからない。そして、唐突に骨気テラピー(注1)が始まる。かなり痛いとは事前に聞いていた。おばちゃんは、器具を使わず、指先だけで親の仇の様に攻めてくる!「イタタタ!!」と、思わず声を出して訴えるが、日本語は通じない。ところが「イタイ、イタイ」と、楽しそうにオウム返ししながら手を緩めずに続ける。我慢するしかない。続くフェイスリンパマッサージにも耐え抜き、ホワイトニングパックにシフト。同時に、空気圧による自動の骨盤マッサージが始まる。その間に、肩・肩甲骨の指圧とデコルテ、首、肩リンパマッサージ。最後に頭皮マッサージ。これで終了か、と安堵していると、入れ替わりに別のおばちゃんが迎えにやって来る。「全部脱いで、これを頭から被って。パンツも脱いでスッポンポンに」と黄色い布を渡される。まだ終わりじゃないの?よく見てみると、布の中央に穴が開いていて、そこに首を入れて着るらしい。中でパンツを脱いで、全裸になる。まるで貫頭衣(注2)ではないか?逡巡している間もなく、巨大なてるてる坊主と化したまま、階段を上らされる。いや、下りたのかもしれない。ここは、エッシャーの絵のような迷宮なのだ。最後に待っていたのは、骨気と人気を二分する“よもぎ蒸し”(注3)。部屋に向かうと、おばちゃんが入口にひとり、岩のように座っている。縦に長い部屋内には、真ん中に穴が開いた陶器製の丸い椅子(座浴器)がぞんざいに並べられている。複数の椅子とセットになるように、それぞれに丸テーブルが用意されている。奥には、てるてる坊主から首だけ出した先客の女性2人が、日本語で談笑している。女性もいるの?大丈夫?と面食らっていると、反対側の椅子へと何の説明もなく、誘導される。てるてる坊主の裾を広げて、座浴器に跨る。その下に火種があり、そこによもぎ(韓方薬/ハニャッ)が焚べられている。跨ると、肛門よりも陰嚢が熱い。蒸すというより、熱い。冷やさないといけない大切な器官。これって、男性がやって大丈夫なの?と、顔を上げると、おばちゃんは、目の前にお茶とお菓子を置いて戻っていく。ちょっと、待って!これ何分のコースだったっけ?泌尿器系の改善どころか、睾丸の生産機能がイカれてしまう!経過時間を知りたくて、見回すものの、時計は何処にもない。スマホは持ち込みOKとは知らず、ロッカーに置いてきてしまったのだ。隣では先客達が、楽しそうに自撮りをしている。あなたたち、これ熱くないの?僕はおばちゃんの顔色を窺いながらも、耐え続ける。あと何分だろう。先客は、出されたお菓子を頬張り、お茶を飲み干す。するとおばちゃんに連れられて、部屋を出ていく。なるほど、お茶を飲むのが合図で、蒸し終了なのか!と思い、手をつけていなかったお茶を飲み干す。なんと、おばちゃんはまた新しいお茶を運んでくるではないか。飲んでも終わらない?まさに地獄蒸しだ。結局、40分以上蒸されて終了。股間が熱いので、座る位置を何度も変更。座浴器の縁を移動し続けたおかげで、かなりの汗をかいた。受付に戻ると、あのおばちゃんが待ち構えていた。「お客さんの顔、ずいぶんと白くなった、小顔にもなったわよ」と、優しく笑う。ああ、この感覚。知っている。これ、嫌いじゃない。いや、むしろ好きだ。必要以上に相手を気遣うことが接客だとされる令和の時代にはない、粗暴だが、温かさのあるエネルギーが骨に染みた。またここに来ようか。ここはソウルだが、ここにはソウル(魂)がある。おばちゃんの言葉に、少しはその気になったものの、午後に韓国の人気女優さんと並ぶと、毎日、顔骨気に通っても勝てないと思った。彼女の顔はずっと小さかった。注1:骨気テラピー手や腕を使って骨を刺激し、老廃物の排出、リンパの流れや血行の促進にアプローチする韓国発祥の美容法。小顔や顔色が明るくなるなどの効果が期待できる。注2:貫頭衣生地の中央に穴を開け、そこに頭を通して着用する衣類のこと。注3:よもぎ蒸し韓国の伝統的な民間療法。よもぎなど韓方薬などを煮立て、蒸気を下半身に当てることで体を内側から温める。今月のCulture Favorite顔骨気前の小島監督と、『はちどり』などで知られる俳優のパク・ジフさん。顔骨気後の小島監督。顔がスッキリ!その後、『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』などに出演するチョン・ジョンソさんと。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第2弾トレーラーが公開中。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2396号(2024年5月1日発売)です。※『anan』2024年4月10日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年04月17日アナログゲーム愛好家が集まる恒例のイベント『ゲームマーケット2024春』が4月27日(土)と翌28日(日)に東京ビッグサイトで開催される。ボードゲームをはじめとしたカードゲーム、テーブルゲーム、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)、TCG(トレーディングカードゲーム)、マーダーミステリーゲームなど、電源を使用しないアナログゲームは近年、ファンを増やしており、コミュニケーションツールとしても注目が集まっている。ゲームマーケットは、2000年からスタートした日本最大規模のアナログゲームイベントで、例年、約2万人が来場する。会場では販売だけでなく、その場でゲームの説明を受けながら実際に遊ぶことができるのが特徴だ。新作ゲーム展示やスペシャルステージ、フードコーナーなどが登場するほか、初めての試みとして、土曜のイベント開催終了後から、無料で使用できるプレイスペース『ゲームマーケットナイト』がオープン。また、28日(日)限定で、全身を使って楽しめる巨大ゲームが集結する『ビッグゲームパーク』や、受付無し&無料で利用できる『フリープレイスペース』が設置される。ゲームマーケット2024春■チケット情報()4月27日(土)、28日(日)11:00〜17:00東京ビッグサイト 東展示棟1、2、3ホール
2024年03月29日時代時代の生活に順応する、「たまごっち」の現在形が見逃せない!“Tamaverse”でたまごっちたちと交流!ごはんをあげたり、うんちを流したりとお世話しながら育てることで、様々なキャラクターに成長する「たまごっち」。平成カルチャーを象徴するおもちゃが、いま驚きの進化を遂げている。そこで発売元であるバンダイの企画開発者・岡本有莉さんを直撃。「たまごっちは、1996年に発売されたデジタルペットで、社会現象を巻き起こすほど人気を集めました。2004年に赤外線通信機能を搭載して復活すると第2次ブームが起こり、’21年にはウェアラブル型に進化。新しい遊びや機能を追加しながら進化してきました。デジタルペットの先駆者的存在で、電源を一度オンにすると、お世話をずっとしなければ死んでしまう、その“生き物らしさ”が最大の特徴。たまごっち側が、能動的に人間の手を煩わせてくるというのは、どのエンタメのコンテンツにもない唯一無二の魅力だと思います。またユーザーと共に生活するのがペットなので、時代を象徴するようなトレンドや生活様式をたまごっちの世界にも取り入れてきました」そして昨年発売された「Tamagotchi Uni」はWi‐Fiを初搭載し、たまごっちのメタバース空間「Tamaverse」上で、世界中のユーザーが育てたたまごっちと出会えるように。「最新機種は、育成次第で性格が変わり、個性的なコーデも楽しめるので、自分だけのユニークなキャラを育てられます。そして今回の目玉である『Tamaverse』は、たまごっちのメタバース空間におでかけして、世界中のユーザーが育てたたまごっちと競ったり、協力したりするイベントを体感できるというもの。これは私たちがたまごっちを通して、育てる者同士の交流を深めることを大切にしてきたからこその進化。珍しいキャラに育った時に友達に自慢したくなるように、メタバース空間を活用することで、多様な人々とリアルタイムにつながれるので、コミュニケーションを加速させることができるのが狙いです」たまごっちが、世界中の幅広い年齢層に愛されているのは、アニメ化など、様々なメディアミックスを展開してきたことも大きい。その可能性をさらに広げるために、「TAMAGOTCHI REMIX」を始動。このプロジェクトを立ち上げたのが、バンダイのメディア部・佐藤公彦さん。「“懐かしいけれど新しい”をスローガンに、たまごっちの世界観と、トレンドを生み出している様々なカルチャーをリミックスすることで、たまごっちに触れたことがない世代やジャンルの人にも魅力を知ってもらいたい想いで立ち上げました。今後もユニークなコラボを続々予定しています」最先端の技術を搭載するだけでなく、常にトレンドにアンテナを立て、遊び心あふれるコミュニケーションの楽しさを発信してきた。今後もたまごっちカルチャーの深まりや広がりから目が離せない!昨年7月、世界同一機種を世界同時発売した、たまごっちの最新機種「Tamagotchi Uni」¥8,250。カラーバリエーションはパープル、ピンク、ブルー。「Tamaverse」では見たことないキャラやアイテムを身につけた世界中のたまごっちに出会える。一緒に旅行したり、デートやプロポーズなどの交流も。ますます発展!「TAMAGOTCHI REMIX」もチェック。ミュージックやファッション、アーティストなど様々な分野とコラボレーションするプロジェクト。テクノポップバンドLAUSBUBとスチャダラパーのラッパー・Boseさんの楽曲配信に始まり、最新となる第7弾はストリートファッションブランド『A BATHING APE(R)』とコラボした特別仕様のたまごっちを発売し、話題に!岡本有莉さん株式会社バンダイ トイディビジョン グローバルトイ企画部所属。歴代のたまごっちシリーズをバンダイと共に企画・開発してきた株式会社ウィズに就職後バンダイへ。長年たまごっちの企画・開発に携わる。佐藤公彦さん株式会社バンダイ メディア企画部所属。2022年の立ち上げ時から「TAMAGOTCHI REMIX」に携わり、現在に至るまでジャンルや世代を超えた、多くのコラボを実現させてきた。※『anan』2024年3月27日号より。取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2024年03月24日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第11回目のテーマは「推しも推される関係」です。1月、トレント・レズナーのスタジオへ訪問し、彼とアッティカス・ロスの2人と数時間に渡り貴重な時間を共有した。さらに「ナイン・インチ・ネイルズ」(注1)のファーストCDと『ソーシャル・ネットワーク』のサントラ盤CDにそれぞれサインを貰った。2016年のE3にて『デス・ストランディング』(以下『DS』)のティザー映像(注2)を初めて発表した後、コジプロ公式アドレス宛の方に、トレントから「私はヒデオの大ファンです。デスストの音楽にとても興味があります」というメールが入った。当時はまだ、精査をする担当者も不在だった為、「本当に本人からだったのか?」もわからない状態でフェードアウトしてしまった。勿論、僕にとっての彼は、ずっと“推し”だった。それからも行く先々で「トレントはヒデオのファンだ」という話を耳にした。『DS』のパフォーマンス・キャプチャー中にノーマン・リーダス(注3)からも「友達のトレントが、ヒデオの大ファンなので、明日にでもこの撮影現場に来るかもしれない」と、聞かされた。しかし、実際には彼は現れず、僕の方もやはり耳半分な状態だった。ところが、昨年末に、知人のジェフ・キーリー(注4)から「トレントが逢いたがっている!」と、直接の連絡先のメールアドレスが届いた。1月にちょうどロスに行く予定があったので、漸く逢う機会を得た。トレントは、僕を待ち受けていて、こう言った。「『MGSV』(注5)は、219時間プレイ。『DS』は発売された時にやり終えて、今はまたPCでディレクターズカットを再プレイしている!何度も言うけど、いくつかのアルバム制作を妨げたのは、ヒデオのせいだよ(笑)」お互い“推し”であったにも関わらず、実際に邂逅するまでに8年を要した。“推し”と“推し”が日常生活で偶然出逢うということは、まずあり得ない。昔は、対談などを活用して、“推し”に会う機会を作った。偶然を待っているだけでは、容易に“推し”に出逢えなかったのだ。ところがSNS時代になって、そんな“推し”との繋がり方は、大きく変わった。SNSというツールが“推し”と“推し”を容易に、効率的に繋げてくれるようになったのだ。例えば、ある本を読む、映画を観る、音楽を聴く、作品を見る。僕はその“推し”の感想をSNSに投稿する。すると、その“ラブコール”は世界中を瞬時に駆け巡り、その日のうちに、ほぼ間違いなく、“推し”にダイレクトに届くのである。僕がフォローすれば、相手もフォローしてくれる。そうなると、DMで直接話が出来る。仲良くなり「今度、どこかで逢いましょう!」と約束する。いずれ直接、歓談することが出来てしまう。“推し”同士は、エージェントやマネージャーをすっ飛ばすので、話がはやい。そうやって“推し”も“推される”関係を築いた小説家、映画監督、アーティスト、ミュージシャン、俳優、クリエイターは数えきれない。『DS』の日本語版音声に、津田健次郎さんへサム役のオファーをしたのも、まさにこういう経緯によるものだ。10年くらい前のSNSでは、今ほどの即効性も確実性もなかった。しかし、「HIDEO KOJIMAというゲームクリエイターが、あなたの作品を推しているよ」と、僕のファンと相手のファンたちが間を取り持って、うまく繋いでくれた。僕と相手を“推す”人たちが協力し合い、“推し”同士を繋いでくれたのだ。色々と問題はあるSNSだが、“推し”を推しはかる人たちにとっては、“推し”と“推し”が繋がることができる最強のツールでもあるのだ。勿論、相手が僕の事を知らない片想いの場合もある。例えば、パク・チャヌク監督(注6)。韓国映画『オールド・ボーイ』を観て、パク監督に惚れたのは20年前。どうしても彼に逢いたかった僕は、人を介してパク監督に連絡をとって貰った。韓国に飛ぶと、パク監督は『親切なクムジャさん』のラストシーンを玉川(オクチョン)という場所で撮影中とのこと。ソウルから車を飛ばして3時間あまり。零下16度の現場で“推し”に邂逅した。現場近くのレストランで通訳もなく、韓国料理を咀嚼しながら、身振り手振りで対話した。お互いが、好きな作品のことを夢中で話していると、通じるものがいくつもあることが分かった。いつしか“推し”と“推し”は、人種や言語を超えて繋がっていた。僕らは、同じものを“推し”て、創作の世界に入ったのだと理解し合った。いつの間にか“推して”いるつもりが“推される”、初めて会ったのに、幼馴染のような関係になっていた。以降、パク監督とはずっと特別な関係が続いている。“推し”とは誰かにゾッコンとなり、好きなことを公言し、行動を起こし、生涯応援することだ。同時に、それは、新たなクリエイティブにも繋がる。“推し”もまた一つの創作なのだ。好きという気持ちは世界共通だ。同じものを“推す”情熱が、見知らぬ者同士を繋いでくれる。全身全霊をかけて“推し”ていれば、いつかは“推し”からも“推される”機会がやってくる。“推し”も“推される”関係は、誰にとっても夢ではない。今日も僕は誰かを“推し”続ける。注1:ナイン・インチ・ネイルズ1988年に活動を開始した、トレント・レズナーによるプロジェクト・バンド。注2:アメリカで開催されていた世界最大級のゲームの祭典であるE3において、小島監督の新作として、そのタイトルとノーマン・リーダスが主演であることが発表された。単なる予告編とは異なり、謎に満ちた映像が世界中の注目を集めた。注3:ノーマン・リーダス俳優。『ウォーキング・デッド』『処刑人』などに出演。『デス・ストランディング』のサムを演じている。注4:ジェフ・キーリーゲーム業界のアカデミー賞ともいわれるThe Game Awards(TGA)のプロデューサーであり司会者。小島監督のよき理解者であり友人。注5:MGSV小島監督のゲーム『メタルギアソリッドVファントム・ペイン』のこと。注6:パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』のほか、『お嬢さん』『別れる決心』など数多くの映画を手掛ける。今月のCulture Favoriteトレント・レズナー、アッティカス・ロス両氏と。『犯罪都市 NO WAY OUT』に出演するマ・ドンソク氏と。4年ぶりにソウルで再会したパク・チャヌク監督と。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。『HideoTube (ヒデチュー):特別版』小島監督が、津田健次郎さん、宇内梨沙さんと、コジマプロダクションが発表した様々なトピックについて語り尽くす。次回は、2392号(2024年4月3日発売)です。※『anan』2024年3月13日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年03月09日最近、夫の趣味に悩んでいます。夫はとあるネットゲームにすっかりハマってしまって、育児そっちのけでゲーム三昧……。夜遅くまで通話をしながらゲームをしていて、私が娘を寝かしつけているといつも楽しそうな笑い声が聞こえてくるのです。「家族のために働いているのだから趣味くらい好きにさせてくれ」と言われては、やめさせることもできません。ついには、夜泣きがうるさくて集中できないと言われ、私と娘はリビングに布団を敷いて寝るようになりました。いつかゲームに飽きる日が来るのでしょうかーー。子育てよりもゲームを優先休日、昼になっても起きてこない夫を公園に誘おうと起こしにくと、夫はすでに起きていてゲーム中。私に気付き、大慌てで画面を切り替えていました。リビングにも降りてこずにゲームをしていたのがさすがに後ろめたかったのでしょうか……。 しぶしぶ公園についてきた夫は、娘と遊ぶでもなくスマホからゲームにログインし、チャットでの会話に夢中になっています。挙句、3時からイベントがあるからと早々に帰っていきました。 夫は一生ゲームを優先するのかもしれないと思うと怖くなってしまい、私はゲームに詳しい弟に相談しました。 ゲームを偵察!翌日、夫が仕事に行っている間に、私は弟に指示された通り夫がハマっているゲームをやってみました。 いつもパソコンの画面をチラ見しているので、夫がゲームで使っているニックネームやアイコンは知っています。通話している声も聞こえるので、夫が所属しているチーム名もわかるので、ゲーム内で夫を見つけるのは簡単でした。 夫のアバターを見た私はびっくり。プロフィールには同じパーティー内に“嫁”がいると書かれていたのです。相手は同じパーティーに所属している子で、ゲーム内公認カップルのようでした。 ゲーム内恋愛!?もっと詳しく調べねばと思った私は、夫のパソコンを触ってみました。他人のパソコンを見るのはなんだか気が引けますが、この状況なら仕方がありません。 機械にうとい私が触るとは思っていなかったようで、パソコンはノーガード。夫はゲームにログインした状態のまま仕事に行っていました。 おかげでゲーム内でやりとりしているメッセージもあっという間に発見。そこには「結婚できて幸せ! ずっと一緒だよ♡」「リアルでも夫婦になりたいね」というメッセージの数々……。夫はゲームの中で恋愛を楽しんでいたのです。 この恨みは…その夜、帰宅した夫に私も同じゲームを始めたと告げると、途端に慌て始める夫。「ゲームで知り合った人に教えてもらったけど、ゲームの中に嫁がいるらしいね。私、第二婦人になれる?」と言うと、これまで見たこともないような顔で驚いていました。 夫と問い詰めると、いつもにこやかで自分に甘えてくれる女の子とゲームで出会い、ゲーム内恋愛に発展したとのこと。育児にかかりっきりでボロボロの私に対し、それはそれはかわいく感じたようです。家庭での父としての役割を放棄し、ゲーム内恋愛に逃げていた夫には、わが夫ながらがっかりしました。 夫にはその場でアカウントを削除させ、ゲームは金輪際やらないと約束してもらいました。これで一旦は解決しましたが、万が一に備えて証拠は残しています。そして、この一件を私は一生忘れることはないでしょう。ゲーム内恋愛といえど、私を裏切った罪は一生かけて償ってもらうつもりです。 せっかくかわいい盛りの子どもがいるのに、ゲームばかりやっているなんて、本当にもったいないですね。これからしっかり子育てに向き合って、いかに時間を無駄にしたのかを思い知ってほしいと願います。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年02月18日映画『PLAY ! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』で、eスポーツに青春をかける高校生を熱演した奥平大兼さんと鈴鹿央士さん。俳優としてめざましい活躍が続く彼らが、本作を通して感じた芝居への想いとは。――映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』で、初共演を果たしたお二人。今作は、性格や家庭環境などまったく違う3人の高校生がチームを組み、eスポーツ『ロケットリーグ』の全国大会を目指すという実話をもとにした物語です。奥平さんは、ご自身が演じる翔太と、鈴鹿さん演じる達郎のバランスを見せるのに苦労したと話されていましたね。それぞれ、どのように役と向き合っていましたか。奥平大兼:もうひとりのチームメイトである亘(小倉史也)を含め、それぞれが今抱えている悩みとか背景などを、まったく話したりはしないんです。親友かといったらそうでもなくて、ちょっと不思議な関係の3人。仲良しの雰囲気を出すのは一番簡単な表現方法だけど、そうではなくあくまでも同じ目標を持つ仲間、という認識で臨みました。監督も僕らに自由にお芝居をさせてくれたというのもあって、それぞれが自分の役どころや3人の関係性を解釈して、お芝居をしていたと思います。鈴鹿央士:僕が演じた達郎は、もともとは人間を人間として見ていないようなタイプの人なんですけど、仲間に対する憧れみたいなものは実は3人の中で一番強いんだろうな、と思っていました。仲間ができた喜びを感じながらも表に出すことはしないのですが、少しずつ変わっていく意識を達郎に吹き込んでいく感覚で演じました。――お芝居がそれぞれに任されていた部分があったということは、お互いの表現や、想いを擦り合わせていくような作業も必要だったのでは?奥平:そうですね。だって僕や央士くんだけじゃなく、みんなが自由に演じていたし、ゲームシーンはほぼアドリブみたいなもので。鈴鹿:うん、そうだったかも。奥平:でも予想外のお芝居を受けたりするけど、その時の空気感やお互いの想いを酌んで生まれたお芝居が、リアルに近いのかもしれないとも思いました。その感覚は、役としても僕としても楽しかった。鈴鹿:あるシーンの撮影で、いろんな都合が重なってしまい、僕がやりづらさを感じてしまったんです。そうしたら大ちゃん(奥平)が「僕がこうしますよ」っていろんなアイデアを出してくれて。その結果、僕はすごくやりやすくなったし、みんなが納得して動けたと思っています。一方でテストや本番では言葉ではなく、こういう芝居どう?って感じに想いを芝居で記してくれるところもあったりして、すごく楽しかったです。奥平:みんながお互いにカバーし合ってたよね。――役の上だけではなく、現場のチームワークも高まったんですね。今作の魅力を教えてください。奥平:お互いをよく知らない3人が、eスポーツを通して熱くなっていくところです。高校時代の、この時期ならではの熱量の高さというのは、大きな魅力です。鈴鹿:日本で初めてeスポーツを題材にした映画だという新しさもありつつ、部活のことや恋愛など、青春映画としてのキラキラした部分もちゃんと組み込まれています。新しさと普遍的な部分の両方がミックスされて、現役高校生はもちろん、幅広い世代に届けられる映画だと思っています。――お二人は、熱量が思わず高くなってしまうことはありますか?奥平:僕は一つの作品を終えてクランクアップする時。それまで背負っていたものにバイバイしなければいけないのは、やっと終わったという達成感や嬉しさを感じつつも、ちょっと寂しい。特に自分の成長に繋がったり、大切な人たちと作り上げた作品の時は、泣きはしないけど想いが込み上げます。鈴鹿:クランクアップは確かに!あと僕は、最近初めてファンイベントをやったんですが、その時にも感じました。普段は画面越しに僕らの芝居を届けるばかりなので、イベントでファンの方たちの顔を直接見られた時に、わ、これはちょっとやばい…ってなって。誰かを応援したり好きになったりする気持ちって、すごく特別ですよね。みなさんが僕のドラマや映画を人生の楽しみにしてくれているのを知って、だから僕は頑張れるんだという実感が湧きました。奥平:生でファンのみなさんと会える機会は、貴重ですね。――ちなみに、テンションが高くなるとどうなりますか?鈴鹿:叫んだりはしないけど(小さく)イエーイみたいな(笑)。奥平:そうだね。シンプルに気分いい人、みたいな感じです(笑)。『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』メンバー募集のポスターを見てやってきた翔太、ポスターを貼った張本人の達郎、達郎が強引に誘った亘の3人は、お互いのことをよく知らないまま“全国高校eスポーツ大会”にエントリー。eスポーツの『ロケットリーグ』で全国大会出場を目指す青春物語。3月8日(金)より全国ロードショー。配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ(写真左)おくだいら・だいけん2003年生まれ、東京都出身。デビュー作は映画『MOTHER マザー』。配信作品『ワンダーハッチ ‐空飛ぶ竜の島‐』(Disney+)ほか主演作多数。(写真右)すずか・おうじ2000年生まれ、岡山県出身。『MEN’S NON-NO』専属モデル。出演作はドラマ『君に届け』(Netflix)ほか多数。主演ドラマ『闇バイト家族』(テレ東系)が放送中。ジャケット¥367,400シャツ¥80,300パンツ¥145,200(以上マルニ/マルニ ジャパン クライアントサービス TEL:0120・374・708)その他はスタイリスト私物※『anan』2024年2月21日号より。写真・土山大輔(TRON)スタイリスト・伊藤省吾(sitor)ヘア&メイク・速水昭仁(奥平さん)永瀬多壱(VANITES/鈴鹿さん)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2024年02月16日今回ウーマンエキサイト編集部ライターの独自目線とあらすじを交えてご紹介するコミックは「うちのダメ夫 やすしの場合」です。夫が小2の息子・たかしをかわいがるあまり、甘やかしすぎていることに悩むこずえ。注意をしても夫は真面目に聞かないばかりか、行き過ぎることもあって困っています。■息子を甘やかしすぎる夫にモヤモヤ自分のためのお金はほとんど使わない夫。しかし子どもの好きなことにはお金を惜しまず、甘やかしてしまう。こずえとしては欲しいものを買ってもらうことがあたりまえになっているたかしのことが心配なのですが…。■母の指摘にショック このままでは良くない…ある日母から電話があり、夫が息子にお金を使い過ぎていることを指摘されます。気にしていたことを指摘されてしまい、こずえはショックを受けるのでした。さらにゲームを友達に自慢するので遊ばせるのを遠慮したいというママ友たちから連絡がきて…。こちらは投稿者のエピソードを元に、ウーマンエキサイトで公開された漫画です。ここからはネタバレ!?ライターが気になった場面をピックアップします!■夫の不在時の妻の苦労も知らず…育児方針、夫婦で話し合って決めなければならない事もありますね。お金の使い方はとても大事なこと。親のお金の使い方の子どもへの影響は大きいものです。子どもの頃なんでも買ってもらえる家庭環境ではなかったこずえ。ただ、一緒に公園で遊んでくれたり、話を真剣に聞いてくれたり、ダメなことはきちんと説明してくれたりなど、しっかり向き合ってくれていたことが嬉しかったと感じていました。息子にもそう接したいと思っていたのでした。そんなこずえの、さらに本音の部分をピックアップしました。夫がいない平日、こずえは息子にゲームを我慢し勉強をさせるのに苦心しているのに、夫がいるとこずえを悪者にして2人でやりたい放題…。こんなワンオペ育児の悩みに共感するママも多いのではないでしょうか。こずえが心のモヤモヤをやっと吐き出せた場面です。そして話し合うことでやっとわかった夫の本音。厳し過ぎても甘やかし過ぎても良くない…子育ては難しいですね。二人はどのように話し合ったのでしょうか。▼漫画「うちのダメ夫 やすしの場合」
2024年02月11日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第10回目のテーマは「人生をストーリーテリングする」です。先日、配信されたSIEのイベント『State of Play』(注1)にて、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第二弾トレーラー(注2)を全世界に向けて公開した。今回も、企画、構成、画面選び、セリフ選び、コピー、音付け、編集、ディレクション、MIXなどを贅沢にひとりで楽しんだ。ほぼ1年ぶりの編集作業だった。トレーラーの尺は9分39秒。ちょっとした短編作品とも言える。発売前だが、僕にとっては、これも作品(ゲーム)の一部なのである。ゲームのプロモーション映像は普通であれば、TVCMや映画の予告編と同じく、外部の映像専門会社に委託する。なぜそれをゲーム制作者の僕がするのか?技術、納期、バジェットなど、裏事情は色々あるが、最大の理由は、やはり編集という行為が好きだからだ。ゲーム創りは高度で複雑、生き物の様に日々進化する。だから、飽きることはない。とはいえ、ゲームはインタラクティブだ。見るもの、見せるもの全ては創り手側にはなく、プレイヤーの行動に依存する。一方で、映像は創り手の思惑通りにタイムラインを操作できる。何を見せて、何を見せないか?さらにはそのタイミングも。だから、たまにはタイムラインを自分で制御した旧来の映像作品で、観客を驚かせたいと、僕は編集機の前に座る。自分だけのペースで完結した作業が出来る事も大きい。チームを動かす仕様書もミーティングも不要だ。僕が初めて編集機に触れたのは、中学生の頃。当時は家庭用のビデオカメラもまだない。友人の父親が持っていた8mmスーパー8カメラを借りて、つまらない自主映画で戯れていたアナログの時代。編集映像が覗ける画面(フィルムエディター)も付いていない、ただのフィルムスプライサー(注3)とスプライシングテープ(注4)での切り貼りを行っていた。切りすぎるとフィルムがダメになる。うまく繋げないと映写機に引っかかる。デジタル世代では当たり前の「undo」(注5)が効かない。だから、細かな編集はできない。あの頃は正直、面白いとは思わなかった。’90年代、ゲーム制作現場にもMacが導入されるようになった。当時の編集環境はMacとAdobe Premiere。しかも、今とは違うノンリニア編集なので、編集中の結果(レンダリング)は、かなりの時間を待たされ、完成した映像の解像度も低いものだった。それでもアナログ時代とは違い、デジタル編集は魔法のようだった。トレーラーやPV、CMに使う素材編集、ゲーム内に入れる実写映像などなど。ここから今に続く、僕の編集人生がスタートしたとも言える。人は時間を超えることも、遡ることも出来ない。タイムマシンやタイムワープといった“SFガジェット”は、現実には実現しそうもない。過去や未来への時間旅行は、宇宙人や魔法の力を借りない限り、無理なのだ。僕らの人生も同じだ。過去を振り返ったり、未来を想像することは出来ても、人生というタイムラインを入れ替えたり、嫌な過去を消したり、楽しかった頃を強調したりは出来ない。さらにゲームの様に生きた人生を何度もやり直し(リプレイ)することも出来ない。ところが、映像の中であれば、時間を自由に行き来出来る。カットを繋ぎ、入れ替えるだけで、時間を自在に旅することが出来る。A“ある家の玄関の前でキスをしている男女”のカット。B“お洒落なレストランで見つめ合いながら食事をする男女”のカット。この二つを並べ替えるだけで、印象は大きく変わってくる。ABだと、既に付き合っているカップルが家から出てきて、何かの記念日にレストランで祝うという物語に見える。AとBを並び替えてみる。レストランで食事をしてから、どちらかの家まで送っていき、そこで初キスをする。食事を経て、男女に恋が芽生えたというドラマティックな物語が産まれる。さらにキスシーンが夜で、レストランが昼だとすると、時間経過も大きく変わる。ABだと、二人がレストランに行くのは一泊した翌日の昼になり、彼らの愛の営みまでも連想できる。BAだと、レストランで話をしているうちに夜になり、どちらかの家まで送り、キスをしているということに。AとBの間に太陽が昇る、あるいは沈むカットを入れる(街の明かりが灯る/消えるカットでもいい)と、さらに物語を強くすることができる。編集によって、時間の操作だけではなく、二人の関係や物語をも決定出来るのだ。リアルな人生はやり直せない。しかし、想像力で編集をしてみれば、そこからまた違ういくつものストーリーを紡ぎ出せるはずだ。そのことで、よりよい未来を想像・創造が出来る。人生を素材としたストーリーテリングだ。“編集”とは僕にとってのタイムマシンであり、人生を物語ることでもあるのだ。注1:State of Play最新のゲームトレーラーやゲームプレイ映像など、PlayStationに関する情報をインターネット上で配信する番組。注2:小島秀夫監督が現在制作しているゲームの最新ティザートレーラー。注3:フィルムスプライサーフィルムを切ったり繋いだりする器具。注4:スプライシングテープ粘着剤が付きづらいものにも接着する、繋ぎ用の粘着テープ。注5:undo直前に実行した操作や処理を取り消し、元の状態に戻すこと。今月のCulture Favorite『ザ・ホエール』などを手がけるダーレン・アロノフスキー監督。俳優のマッツ・ミケルセンが来社。『DEATH STRANDING』でサムの声を演じた津田健次郎さんと。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の第2弾トレーラーが公開中。先日、完全新作オリジナルIP『PHYSINT(Working Title)』の制作を発表。次回は、2388号(2024年3月6日発売)です。※『anan』2024年2月14日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年02月10日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第9回目のテーマは「トラウマの向こうにある“好き”」です。先月のTGA(注1)で『OD』という新作ゲームを発表した。究極の“恐怖”を扱う非常に“とんがったゲーム”を目指した野心作である。昨年の秋には、この『OD』の特別企画合宿を熱海で行った。僕は子供の頃から、怖がりだった。それは今も変わらない。人には見えないものが見える、聞こえない音が聞こえる。と言っても、霊能力者ではない。感受性の強さゆえに、あらゆる刺激に過敏に反応してしまうのだ。森の木々が人に見えたり、天井のシミが歪んだ顔に見えたり、柱の影が巨大な化け物に見えたりする。だからホラー映画もオカルトも怪談も苦手だ。だが、怖がりだからこそ、誰よりも怖いものが創れるというメリットがある。ヒッチコックやスピルバーグがそうであるように。コナミ在籍時代に『P.T.』というホラーゲーム(注2)の体験版を創った。配信後、制作が中止となったこともあり、今でも多くのフォロワーが影響を受け“伝説のホラー・ゲーム”として語り継がれている。スタッフと一緒なら、怖がりの僕でも冷静に観られるかもしれない。そう思い、ある映画のBD(注3)を倉庫から発掘、熱海での合宿に持参した。どうしても観られない作品、僕のオールタイムベスト級の“怖い映画”だ(別の映画を観たいというスタッフの意見を優先し、観る機会は逃した)。それが『エクソシスト』(1973)だ。監督はウィリアム・フリードキン。昨年の8月、ロサンゼルスの自宅で肺炎と心不全のため、87歳で死去した。言わずと知れた映画界の巨匠だ。僕も多くの影響を受けた。中でも『フレンチ・コネクション』『恐怖の報酬(リメイク版)』『L.A.大捜査線/狼たちの街』などがお気に入りだ。映画を通じて、マイク・オールドフィールド(『エクソシスト』の挿入曲)やタンジェリン・ドリーム(『恐怖の報酬』のOST担当。注4)といった“プログレッシブ・ロック”という前衛音楽を教えてくれたのも彼である。訃報を聞いた夜、彼を悼んで作品を観直した。だがそれほどまでにリスペクトしている監督なのに、どうしても『エクソシスト』だけは怖くて観られない。それが日本で公開されたのは小学5年生の時。北米のわずか26館からスタートした映画は、評判が評判を呼び、世界中で空前の大ヒットを記録した。あまりの怖さに退出者が続出、心臓発作で死人が出たとの噂も飛び込んできた。口から嘔吐物を飛ばす!十字架を陰部に突き立てる!首が360度回転する!という映画の常識を超えた過激さに途中退席したという知人からの生の鑑賞譚も聞いた。「悪魔祓い(エクソシスト)」という単語さえもが、未知なる恐怖の対象だった。既にかなりの映画マニアだった僕でも鑑賞は無理だと思った。ある日、中学生だった2歳上の兄が原作本を買ってきた。その表紙のイラストがまた怖かった!青い背景に丸い窓があり、悪魔に憑依されるリーガンらしき少女のイラスト(似ていない)が載っている。左手は吊り革のようなものを握り、そのサークルの中に、笑みを浮かべた少年の頭部が逆さまに描かれている。ゾッとするイラストだった。それが本棚にあるだけで、僕は兄の部屋には入れなくなった。そこに邪悪な霊が宿っているかのようで。6年後、禁断の映画『エクソシスト』がTVで放映されることとなった。いつまでも逃げてはいられない。高校生になった僕は、決意してテレビの前に座った。日本語音声なので、少しは怖さも紛れるだろう。しかし、映画には恐怖した。以降、“最も怖い映画”として、2度と観ることはなかった。熱海の合宿後、『エクソシスト』の正統派続編と言われる話題の『エクソシスト 信じる者』が公開された。向き合うには今しかない。そう思い、10年前に購入していた『エクソシスト』製作40周年記念エディションのBDの封を開けた。60歳を超えて観直した『エクソシスト』は、怖いどころか、猛烈によく出来た映画だった。フリードキンの演出、特殊効果、音響、カメラ、役者の演技、ディテール。どのシーンも素晴らしく、完璧だった。邪悪なものに立ち向かう、人間の勇気と愛を描いた良質なドラマだったのだ。世界中で大ヒットし、今も語り継がれているのも、オカルト映画だからではなかったのだ。フリードキン監督、ごめんさない。50年間も誤解していました。あなたはやはり天才です。私は永遠にあなたを“信じる者”です。そして今、僕の眼の前に、トラウマとなったあの原作本がある。文庫版が復刊されたのだ。例の怖かった単行本の表紙は、貞子のような写真に変わっている(注5)。昨年11月に出た『エクソシスト』のソフト(注6)も購入した。原作を読んだ後に観直すつもりだ。それもフリードキンの音声解説付きで。この作品をもっと知りたいと思う。もっと好きになりたいと思う。怖さは未知から来るからだ。これから僕は、あるお祓いの儀式をする。トラウマとなった原作を読むことで“悪魔祓い”をするのだ。その“トラウマ”を乗り越えた向こうに、本当の“好き”が待っている。注1:TGAThe Game Awardsの略称で、毎年12月にアメリカで開催されるビデオゲームイベント。注2:『P.T.』プレイアブル・ティザー。2014年8月14日に無料配信され、絶賛された小島秀夫監督作品のホラー・ゲーム。注3:BDBlu‐ray Discのこと。注4:OSTオリジナルサウンドトラックのこと。注5:ウィリアム・ピーター・ブラッティの原作は、1973年に新潮社から翻訳が出版され(吊り革を握った少女のイラスト)、1977年に新潮文庫版(リーガンの顔がトレースされたイラスト)、1999年に創元推理文庫版が出版され、2023年の復刊で現在のカバーになった。注6:ディレクターズカット版&オリジナル劇場版〈4K ULTRA HD&ブルーレイセット〉(4枚組/ペーパープレミアム付き)今月のCulture Favorite新作『OD』のトレイラーに登場するハンター・シェイファー。ティモシー・シャラメと。『OD』でタッグを組むジョーダン・ピール監督と。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。次回は、2384号(2024年2月7日発売)です。※『anan』2024年1月17日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2024年01月13日いま世界で最も話題のホラー映画『TALK TO ME』を手がけたフィリッポウ兄弟と、世界的ゲームクリエイターである小島秀夫監督の鼎談を実施!作品のことから、お互いのもの創りへの考えまで、終始ハイテンションで楽しいトークをお届け。――フィリッポウ兄弟と小島監督の出会いを教えてください。小島秀夫(以下、小島):『TALK TO ME』のティザーが公開されて、こいつはすごい!と。その後にYouTubeを見たら、特殊メイク、VFX、アクションと色々な要素が全部入っていて、しかもクオリティが高くて驚いた。この世代には勝てない、会ってみたいと思って連絡しました。マイケル:大ファンだったので、光栄すぎて慌てましたね(笑)。――小島監督のゲームをプレイしていたんですか?ダニー:もちろん!マイケル:『P.T.』(幽霊の住む屋敷の廊下をループしながら探索するホラーゲーム)は本当に素晴らしい。超クール!ダニー:小島監督は、すごく存在感がある人で。マイケル:でも、いつも楽しくて緊張感なく話せるんだよね。クリエイティブな頭をしているので、刺激を受けます。小島:ずっとテンションが高くて。僕は60歳なので羨ましい。マイケル:もし小島監督が棺桶に入ったらエナジーを与えに行くので呼んでください。小島:(笑)。敬愛するジョージ・ミラー監督も双子ですが、二人に会って初めて双子っていいなと思いました。2馬力でしょ。1人で20時間働いても時間が足りないから。たとえば、現場で俳優Aと話をしていると、その間、俳優Bとは話せない。でも双子なら同時にできるので。マイケル:たとえば何かアイデアが浮かんで、すごくクレイジーだから、他の人みんなに「できるわけないよ」と言われても、双子だから「いや、できるよ」と言えるところが強みの一つ。一応、現場ではダニーが監督で彼が演出について話します。二人が監督で入ると、「え、さっきダニーが言っていたことと違う」となっちゃうから。ダニー:喧嘩をする時は、みんなの前ではせず、スマホでテキストを打って見せる感じ。マイケル:で、僕は見ないふりをするっていうね(笑)。――YouTuberとしても活躍するフィリッポウ兄弟ですが、小島監督が作品を作り始めた時代とは、もの創りの環境がかなり異なるように思います。小島:まず発表の場があることが違いますよね。僕らの時は、脚本を書いて、カメラを調達して、友だちを騙して集めて(笑)、現像して、編集して…なので、お金もものすごくかかります。でも、今はデジタルだから、カメラもライティングもCGも全部できるし、世界中の人が見ているネットで発表できます。ダニー:今みたいに発表する場がないために埋もれてしまった、いいアイデアがいっぱいあるかと思うと悲しいね。マイケル:以前、小島監督に聞いた、子どもの頃に映画作りをしたという話がすごく面白くて、映画化したいくらい。もちろん、小島さんにも出てもらう!小島:(笑)。内臓が飛び出るシーンを撮るのに、肉屋で腸を買ってきたりとかね。実際、現場でやってみたら、人間のじゃないので大きすぎて使えなくて。ダニー&マイケル:あはははは。マイケル:夕日の話も最高!小島:夕日のシーンが必要だったけどなかなか撮れなくて、友だちのお父さんが撮っていた夕日のフィルムを切りました(笑)。――『TALK TO ME』を観ていかがでしたか?小島:ホラーというより降霊版ドラマ『ユーフォリア』という印象です。パーティ、セックス、ドラッグ、その向こうに降霊があるという。YouTubeは、導入がゆっくりしていると、視聴者が飛ばしたりするじゃないですか。でも今作は最初から編集がされていないワンショットで入っていくので、作り方を変えているのかなと。マイケル:ドラマとホラーの両方を偏りなく、バランスよく作りたかったんです。ホラーもバイオレントな要素も、ストーリーにおいて必要なものだけを入れました。弟のライリーが煉獄に行くというホラー要素の強いシーンも、2分30秒くらいあったのを15秒くらいに短くしたり。ダニー:フレームごとに細かく見ていくと、ものすごいシーンが間に入っていたりもします。小島:手が作品のアイコンとしてあることや、死者との繋がり、友だちや親とのコネクションなど、僕の作った『DEATH STRANDING』と近いところもあって驚きました。僕は、主人公が元彼と手を合わせるシーンが好きなんですけど、ビジュアルで見せていく場面なので、「I miss you」とか言わせたりしそうなところなのに、やらないのがいい。ダニー:僕もそのシーンが好きで、長引かせたいと伝えていたところなので、嬉しいです。マイケル:僕は切りたかったし、「I miss you」と言わせたかったけどね!3人:(爆笑)小島:病院の街灯が消えるシーンも撮影が難しいと思うんですけど、ワンショット撮影に慣れているんだろうなと。ダニー:でも、そのシーンは難しくて14テイクかかったかな。小島:十分、少ないですよ!ダニー:えー!マイケル:オープニングのパーティシーンは大規模なものにしたかったので、毎日インスタグラムで人を募集したところ、ものすごい人が集まってしまって。当日、Wデッカー(2階建てバス)が何台も必要だったり、さらに、現場に人が勝手に入ってきたりもして、カオスに(笑)。でも、いい絵になりました。小島:僕らもゲームなので、なるべくワンショットを狙うんですけど。今作は本当にいきなりワンショットから始まるので、現代の若者たちへの映画という感じがします。アメリカン・ニューシネマに続く、YouTube・ニューシネマになるんじゃないでしょうか。――印象的な手のビジュアルは、どのように仕上げたのでしょう。マイケル:最初は指の角度やフォルムも違いましたね。ダニー:あと、木の台に載っていたけど、腕の部分を重くして自立するようにしたり。“人と触れ合いたい”という気持ちを表現した仕上がりになりました。小島:なぜ、左手なんですか?ダニー:歴史的に悪者の手は左じゃないですか。マイケルは悪いやつなので左利きです。マイケル:でも、左利きの人ってクリエイティブだよね!3人:あははは。――影響を受けたホラー映画はありますか?ダニー:『エクソシスト』とか。『リング』は前に書いた短編にすごく影響を受けています。マイケル:『殺人の追憶』も。色々なジャンルが混ざっているところがいいです。小島:僕は悪魔とか日本の幽霊が一番怖い。ゾンビは存在するから物理的に攻撃ができるので怖くないんです。ダニー:僕は幽霊でも殴るかな。3人:あははは。マイケル:小島監督の『P.T.』は、幽霊屋敷の2階にリサがいるところが怖いよね。小島:子どもの頃、よくテレビで映画を放送していて、解説者の話があるんです。でも、夕方と夜中の映画番組に解説はなく、異国の映画が突然、前情報もなく始まるのがむちゃくちゃ怖くて。『P.T.』は、架空のスタジオの名前を使うなど、そういう怖さを利用しています。ダニー&マイケル:なるほど!小島:映画『鬼婆』(熱狂的人気を誇る1964年公開のホラー作品)もテレビで観ました。ダニー:『鬼婆』は観てなくて。小島:僕はフィッリポウ兄弟が『鬼婆』を観てると知って、この人たちイケてると思ったけど、マイケルさんだったんですね。マイケル:(小島監督とグータッチして)クールなのは僕!ダニー:わ、絶対観なきゃ。『TALK TO ME』母を亡くし、日々、寂しさを募らせていた17歳のミア。高校の同級生たちの間で降霊を楽しむ「憑依チャレンジ」が流行っていると知った彼女と親友のジェイドは、集まりに参加。久しぶりに生きる実感を味わい、虜になってしまう。しかし、ある時、守らなければならない“90秒ルール”を破ってしまい…。12月22日から丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国でロードショー。©2022 Talk To Me Holdings Pty Ltd, Adelaide Film Festival,Screen Australiaダニー&マイケル・フィリッポウ兄弟映画監督、YouTuber。1992年11月13日生まれ、オーストラリア出身。ジャンル映画愛溢れるハイテンションな動画が人気のYouTubeチャンネル「RackaRacka」を運営する双子。『TALK TO ME』で長編監督デビュー、A24製作で続編『TALK 2 ME』も決定。ゲーム『ストリートファイター』の実写化作品の監督に抜擢されたことも話題に。こじま・ひでおゲームクリエイター 1963年生まれ、東京都出身。コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開く。独立後初となる『DEATH STRANDING』が世界的に話題となり、現在は『DEATH STRANDING 2』を制作中。映画、小説などの解説や推薦文も多数。※『anan』2023年12月27日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2023年12月23日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第8回目のテーマは「“ヒデミス”と“推し活”」です。この冬、全国の書店では、その年のベスト作品をセレクトした恒例のミステリー・フェアが催される。有名なものは、文藝春秋の「週刊文春ミステリーベスト10」、宝島社の「このミステリーがすごい!(このミス)」、原書房の「本格ミステリ・ベスト10」、早川書房の「ミステリが読みたい!」など。1年間に出版された国内外のミステリーのお薦め新刊リストが出揃う。もはや冬の恒例行事だ。埋もれてしまう“物語”をもう一度、人の眼に触れさせる貴重な機会となる。“僕の身体の70%は映画でできている”と、公言してきたが、“身体の70%は読書でもできている”と、言い換えていいほど、僕は本が好きだ。手軽なエンタメが日常にいくらでも散らばっているSNSやサブスクの時代に、読書人口は激減している。果たして、それでいいのだろうか。本を好きになればわかる。読書は、僕らの人生や未来を間違いなく、豊かにしてくれるのだ。本を読む習慣をつけるにはどうすればいいのか?まず、本屋に出向くこと。交通費も手間も時間もかかる。帰宅時には、荷物にもなる。そのリスクと負担があってこそ、慎重に本をセレクトできる。注意点は3つ。必ず自分の財布で購入する。買う本は自分で選ぶ。買った本は興味を失う前に読む。本はナマモノ、興味を失うと積み本というただの置物に変わってしまう。星の数ほどもある本の中から、自力で“当たり”を引くことができれば、必ず次の読書へと繋がる。重要なのは、“当たり”を見極める経験を積むことだ。小説やノンフィクションは、あくまでも人が書いたものだ。だから、その9割は“ハズレ”ばかり。しかし、残りの1割には至極の“当たり”が潜んでいる。では、“当たり”はどうやって引けばいいのか?雑誌や電子書籍ではない紙の本は、年間7万冊(部数ではない)も出版されている。7万種類の新種が書店で産声を上げている。毎年、デビューする7万人の推し候補の中から、自分の推しを如何に見つけ出すのか?それにはフェアが最適だ。出版社の人、書店員、書評家たちは、この世で一番、本を読んでいる。本に厳しく、愛してもいる。彼らがセレクトし薦めている本に間違いはないはずだ。その中から、自分が選ぶ。これなら、難しくはないだろう。コロナ禍の2021年、早川書房の塩澤編集長(現シニアエディター)から、提案があった。「小島さんが選んだ本のフェアを、出版社を超えてやりませんか?」と。以前にも僕が選んだハヤカワ文庫のブックフェアをしたことがある。コロナ禍でもあったので、本で人を助けたい!と思い、快諾した。そうやって誕生したのが、“ヒデミス”だ。正式名称は、「ヒデミス! 小島秀夫が選んだミステリー・ゴールデン・ダズン」。“ダズン”なので12作品。今年で3回目になる。コロナ禍前は毎日、本屋に通っていたが、コロナ禍後は週末に本屋を数軒回るくらいにまで減った。それでも旧刊の買い直しも含め、1年に150冊くらい(漫画や画集、ムック本は除く)は購入する。献本や、コメントや解説用のプルーフやゲラも、毎日のように届く。本には困らないが、全てを読むわけにはいかず、半分くらいが倉庫入り。積み本が“罪本”になる。心の痛むところだ。昔は、待ち合わせや電車の移動などのちょっとした隙間の時間に読書をしたが、今ではスマホに余暇を奪われる。特に今年は、海外出張が頻繁にあったので、読めたのは100冊程度だった。例年に比べるとかなり少ない。書評家や書店員、作家たちと比べると圧倒的に少なく、精度は低くなってしまう。辞退しようかとも考えたが、塩澤さんの励ましもあり、続ける決意をした。そんなこともあり、今年は13作にさせてもらった。“ヒデミス”の常連作家もいるが、純粋なミステリーだけではなく、文学系の作品やSF、ホラー、ハードボイルドなどを含む、広い意味での“ミステリー”をバランスよく選択したつもりだ。この中から選ぶのはあなただ。誰の意見も聞かず、自分で決めて欲しい。ハズれても気にしない。“当たり”を引くまで読み続ける。“当たり”があれば、読書はあなたの生活の一部となるはずだ。すると、13冊では足らなくなる。もっと面白い、自分だけの本が読みたくなる。その経験をもとに、自分の好きな本を選んでみよう。他のブックフェアや帯コピーなどを参考にしてもいい。膨大な量の本の中から、自分だけの“好き”を見つける。その出逢いは、偶然ではない。それが本と出逢うということだ。そして、面白かった本は、家族や友人たちに薦め、SNSで推してみるといい。読書とはまた異なる喜びが得られるはずだ。これがヒデオのミステリーだ。「ヒデミス! 小島秀夫が選んだミステリー・ゴールデン・ダズン」選出リスト1、『ミン・スーが犯した幾千もの罪』トム・リン2、『真珠湾の冬』ジェイムズ・ケストレル3、『踏切の幽霊』高野和明4、『頰に哀しみを刻め』S・A・コスビー5、『わたしたちの怪獣』久永実木彦6、『卒業生には向かない真実』ホリー・ジャクソン7、『生存者』アレックス・シュルマン8、『怪獣保護協会』ジョン・スコルジー9、『8つの完璧な殺人』ピーター・スワンソン10、『トゥルー・クライム・ストーリー』ジョセフ・ノックス11、『ナイフをひねれば』アンソニー・ホロヴィッツ12、『グレイラットの殺人』M・W・クレイヴン13、『この密やかな森の奥で』キミ・カニンガム・グラント※リストは発売日順今年の選出リストがこちら。小島監督が“ヒデミス”を語る配信がトーハンのYouTubeチャンネル「出版区」で配信中。今月のCulture Favorite映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどでおなじみの俳優、イライジャ・ウッドとのツーショット。西島秀俊さんとの一コマ。二人が並んだ姿は、SNSで大きな話題を呼んだ。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。’87年、初めて手掛けた『メタルギア』でステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開き、ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。世界中で年間最優秀ゲーム賞をはじめ、多くのゲーム賞を受賞。2020年、これまでのビデオゲームや映像メディアへの貢献を讃えられ、BAFTAフェローシップ賞を受賞。映画、小説などの解説や推薦文も多数。ゲームや映画などのジャンルを超えたエンターテインメントへも、創作領域を広げている。「The Game Awards 2023」にて発表した、最新作『OD』の公式ティザートレーラーが、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。次回は、2380号(2024年1月10日発売)です。※『anan』2023年12月13日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2023年12月16日長い行列や渋滞に並んでいると、いつの間にか話すことがなくなってしまいがち。会話のネタが尽きてしまうと雰囲気が気まずくなりやすく、行列が長く感じられてしまいます。それでも遊園地やテーマパークでは1時間超えの行列になることもザラ。そんな時は、前もって暇つぶしを準備しておくと良いでしょう。今回は、長い待ち時間に使える暇つぶしの方法を紹介します。■待ち時間の暇つぶし方法6選【カップル編】まずは、カップルが待ち時間で使える暇つぶしを紹介します。普段から距離感の近いカップルならではの方法を優先的にピックアップしているので、参考にしてみましょう。◇(1)心理テスト待ち時間を利用してお互いへの理解を深められるのが、心理テスト。心理テストとは、質問に対する回答から深層心理をあばくゲームです。インターネット上で検索することも、心理テストアプリをインストールして利用することもできるので、活用していきましょう。ひょっとしたら、2人が考えている理想的なカップル像や将来像の違いが見えてくるかも!?相手の思わぬ考えを知れるという意味でも、仲がグッと近づきそうです。参考記事はこちら▼心理テスト50選!当たる・盛り上がる厳選集当たって盛り上がる心理テストを50個厳選!恋愛系、性格系、面白い系、仕事系に分けて紹介します。◇(2)謎解き・クイズ・なぞなぞじっくり時間をかけて思考力を養える、謎解きやクイズ、なぞなぞなどのゲームに挑戦するのもおすすめです。オンラインで提供されている謎解きゲームも多いので、思い立ったその瞬間にチャレンジできます。小さな画面を見ながら考えるシーンが多いので、カップルにおすすめですよ。◇(3)外国語・カタカナ禁止ゲーム外国語やカタカナを使ってはいけないというルールのもと、いつも通りの会話をするゲームもおすすめ。例えば「スパゲッティ」を「小麦粉で作った麺」と言い換えるなど、多彩な表現力が求められます。行列が終わるまでにお互い何回ミスをしたかを競い、何らかの罰ゲームを用意すれば、さらに盛り上がるでしょう。◇(4)お絵描きしりとりスマホのメモパッド機能を活用し、お絵描きしりとりする方法もあります。特に、お絵描きが苦手な人であればあるほど面白くなるので、絵が苦手なカップルは必見です。相手が何を描いたか想像するのは意外と大変。絵を描くこと自体に少し時間がかかるので、行列の時間も短く感じられそうです。◇(5)動画鑑賞YouTubeやTikTokなどの動画投稿サイトの他、Netflixなどの配信サイトを活用する手もあります。周りに人が多い状態でも、イヤホンをひとつずつシェアすれば音が漏れて迷惑をかけることもありません。片耳は空いているので周囲のアナウンスも聞きやすく、気づかないうちに行列が進んでいた、などの失敗も避けられます。画面をじっと見なくても済むトークバラエティなどであれば、2人でシェアしながら楽しめるでしょう。◇(6)ミニゲームアプリアプリストアで検索すると、ミニゲームが多数収録されているアプリが出てきます。計算ゲーム・早押しゲーム・影絵ゲームなどシンプルなものから、イントロクイズなど耳を使って回答するゲームもあるので、試してみましょう。■待ち時間の暇つぶし方法6選【友達編】次に、友達同士で長い待ち時間を過ごす時の暇つぶし方法を紹介します。複数人いて初めて成り立つゲームであれば下記を、友達と2人で過ごすときはカップル向けのゲームを、と使い分けても良いでしょう。◇(1)ワードウルフワードウルフは、1人だけ違うキーワードについて話している人を見つけるキーワードゲームです。例えば参加者4人のうち3人には「クリスマス」というキーワードが与えられ、1人に「大晦日」というキーワードが与えられたとします。お互いに何のキーワードが与えられたかを隠しながら会話していくので、最初のうちは誰が違うキーワードいついて話しているか分かりません。しかし、繰り返しているうちに「この時期の食べ物といえばチキンだよね」「いやいや、お蕎麦でしょう?」などの食い違いが生じてくるので、犯人が分かるようになるのです。5人以下であればちょうどよく遊べるゲームなので、試してみましょう。◇(2)人狼ゲーム人狼ゲームは、市民チームに紛れこんだ人狼を会話で探し出すゲームです。お互いに誰がどの役割を命じられているか分からないので疑心暗鬼になりやすく、高度な心理戦が生まれます。人数によりますが、1ゲームあたり30~40分程度かかることが多いので、事前に待ち時間が長いと分かっているときに取り入れましょう。ただし、離脱してしまった人が暇になってしまう可能性があるので、他の誰かとチームを組むなど対策しておくと良いかもしれません。相手の表情なども重要な要素となるので、ドライブ中よりは行列などのシーンで役立ちます。◇(3)オンライン人生ゲーム参加者が同じアプリをインストールしておけば、オンライン人生ゲームやオンラインすごろくにチャレンジできます。お金の足し引きや物件の購入・売却などもアプリ上で完結するので紙のやり取りがなく、スペースが限られている場所でも便利です。また、お互いのスマホ画面を見れば進むので大きなボードを用意する必要がないのも、手軽に楽しめる理由として注目されています。◇(4)30を言ったら負けゲーム1から5ずつ自由な数だけ数字を進めていき、最終的に「30」を言った人が負けになるゲームです。人数が多ければ「50を言ったら負け」「100を言ったら負け」とゴールを変えたり、積み重ねられる数字の数を1から3にしたりとアレンジできます。4~5人程度であればちょうどよく先読みしづらい人数なので、ぜひ試してみましょう。◇(5)縛りのあるしりとり「国の名前」「動物の名前」「音楽用語」など縛りを設けてしりとりをしていくと、ボキャブラリーの増えた大人でも十分に楽しめます。意外と思いつかないことが多いので適度なボリュームになりやすく、お題を変えれば複数回やっても飽きることがありません。ゲームに負ければ罰ゲームを用意しておくなど工夫すれば、単純なしりとりが一気に白熱しますよ。◇(6)20の扉20の扉は、20個質問するうちに相手が考えているものを当てるゲームです。「食べ物?」「芸能人?」「クラスの人の名前?」「今身につけているもの?」「お金で買える?」などさまざまな質問を出し、答えを探っていきましょう。親は1人で他の全員が質問者となるので、より答えに近い良い質問を投げかけた人がいると盛り上がります。場合によっては質問できる回数を変更することもでき、多彩な遊び方が楽しめます。□待ち時間も楽しく過ごそう!長すぎる待ち時間を過ごしていると退屈になっていまい、なんだかつまらなく感じるもの。気まずい空気になることも多いですよね。かといって自分ばかりスマホを見ているなど、一緒にいる相手に配慮しなさすぎるのも問題です。そんな時は暇つぶしに使えるゲームやアイテムを活用し、その場にいる人全員で楽しみましょう。2人で遊べるものから人数が多いと楽しめるものまでさまざまなので、シーンに応じて使い分けるのがおすすめですよ。(マイナビウーマン編集部)※画像はイメージです
2023年12月13日毎回、多くのファンを集めるアナログゲームの祭典『ゲームマーケット2023秋』が12月9日(土)と10日(日)に東京ビッグサイトで開催される。ゲームマーケットは、1日中アナログゲームを楽しめるイベント。2000年に初開催され、現在は例年2万人の来場者を集めている。販売だけでなく、その場でゲームの説明を受けながら実際に遊ぶことができるのが大きな特徴で、企業ブースでは制作発表や先行販売なども行われる。今回は過去最多の1100以上のブースが出展する予定で、会期中には豪華ゲストによるスペシャルステージも予定。ルールを知らなくても、好みのゲームがまだなくても、まずは会場に足を運んで、新たなゲームに出会い、実際に遊べる内容になっている。ゲームマーケット2023秋■チケット情報月9日(土)、10日(日)開催時間:11:00〜17:00※9日(土)11:00〜の⼊場は「早期11時入場チケット(土)」の購入が必要※小学生以下は保護者同伴で、中学生及び高校生は学生証の提示で下記時間より入場無料12月9日(土)12時以降/12月10日(日)11時以降東京ビッグサイト 西展示棟1、2ホール
2023年11月13日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第7回目のテーマは「フィジカルなクローゼット」です。クライテリオン・コレクション社(注1)が運営する「Closet Picks」という人気企画がある。クライテリオン社のNY本社にある映画ソフト棚にゲストを迎え、各人が選んだフェイバリット作品を映像配信で紹介するのだ。映画監督は勿論、世界中の映画関係者が呼ばれる。その名誉ある“クローゼット”の案内人に指名された。ゲーム業界からの参加は初めてだという。あえて’50~’60年代の邦画を選んだ。黒澤明、小津安二郎、溝口健二、小林正樹、新藤兼人、勅使河原宏、中川信夫らの作品の中から特にお薦めの映画を9作品。誰もが名前くらいは聞いたことがあるはずだが、これらの名匠たちの作品を日本で観ることは難しい。サブスクや、BD(ブルーレイディスク)で鑑賞できる作品は限られている。ところが、米国のクライテリオン社からは、多くの邦画の傑作がBD化されている。海外のクリエイターたちは、これらの邦画を当たり前のように観ては勉強を重ねている。この皮肉な事実を伝えたかったのだ。子供の頃、映画を個人で所有することは、“夢”だった。劇場かTVで観ることしかできない。瞬きも惜しんで、映画のワンカットずつを記憶した。映画は、特別な体験だったのだ。学生時代の1970年代後半、ようやく家庭用ビデオが発売される。映画を個人で所有できる!これは人類が月面に降り立つのと同じくらい、衝撃的だった。ただし、当時のVHSソフトは、個人で購入するには高価だった。レンタルか、ダビングで我慢するしかない。ビデオテープは観るたびに、ダビングするたびに劣化してゆく。その後、レーザーディスクが登場。シネフィルはこぞって、高画質な映画を買い揃えた。映像特典も魅力だった。10年後、DVDが爆発的に家庭に浸透。DVDは何度観ても劣化しないが、まだまだ劇場クオリティには程遠かった。それでも映画ファンたちのクローゼットは拡大していった。続いてTVの進化と相まって、さらに高画質なBDが登場する。現在では、過去の名作群が、4K UHDやフィルム素材からデジタル修復(リストア)された至福のラインナップが次々と登場している。映画ファンたちのクローゼットは、まさに物理的に――フィジカルにヤバくなってきている。デジタル化してサーバーに保存すれば、“クローゼット問題”は解決するだろう。サブスクならば、買い直しの必要もない。しかし、サブスクへの不信感は否めない。たとえば、音楽。僕は未だにCDを買い、パソコンを経由してWALKMAN(注2)に取り込んだ曲を聴いている。CD化されていない過去の楽曲やデジタル配信のみの新曲は聴きようがない。だからサブスクでの体験は斬新だった。楽曲は豊富で手軽だ。フィジカル化されていない懐かしい曲との再会に喜びもした。確かに便利だ。しかし、既にサーバーにあるものを引き出して聴くだけ。自分だけのコレクションをそこに追加することはできない。錯覚をしてしまいそうだが、“自分のもの”ではない。他人が所有し、運営するデータベースの蛇口を捻る権利を一時的に付与されているだけなのだ。サブスクの映画も同じだ。国や企業、団体、時代や規範が蛇口の権限を握る。蛇口を規制され、いくら捻っても“自分のもの”が、出てこない未来は起こりうる。自分だけが好きなもの、自分だけの思い出が、一方的に他者に否定されてしまうリスクがある。イーロン・マスク氏がツイッター社を買収、「X」と名称を変えた際、ある噂が流れた。「10年以上前の投稿画像データは全て消される」と。幸いデマではあったが、それはいつ起こってもおかしくはない。政変や紛争、大災害などでサーバーが沈黙したら、蛇口どころか、何も残らない。デジタル版『華氏451度』(注3)さえ現実になりかねない。しかし、化石や壁画、ピラミッド、彫刻などフィジカルなものは、風化しても何千年もの時を超えて残る。それらには歴史の残り香がある。肌触り、重量、匂いがある。デバイスを必要とせず、思いを馳せることができる。劉慈欣の『三体』の、“文明のなかで最も残るメディアは石に刻まれた文字だ”、という記述を思い出した。僕のクローゼットは、資料置き場とは異なる。単なる資料ならば、デジタルの方が機能的だ。そこは、映画や本や音楽たちとの“思い出”を保管する場所なのだ。好きなものを所有する。それは独占欲ともまた違う。モノは場所を取るし、劣化し、色褪せるから、手入れも必要。永遠ではない。老化する肉体を持った僕ら人間たちと同じだ。厄介だけれど愛すべき存在。その大好きなものをいつも側に置きたい。好きな時に触って、眺めては、過去と繋がっていたい。だから、僕には好きなものたちを仕舞う“フィジカルなクローゼット”が必要なのだ。そうは言っても、個人が所有できる映画の数は、たかがしれている。企業が運営するサブスクには敵わない。だからこそ、そこは“僕だけのクローゼット”なのだ。そこには、僕の人生が並んでいる。「Closet Picks」出演で頂いた北米盤の名作たちをクローゼットに並べてみる。また“思い出”たちが、僕の元に戻ってきた。注1:アメリカのソフトメーカーで、歴史的に重要な名作映画のディスクを販売。古典作品のリマスターなども行っており、映画ファンからの信頼も厚い。注2:SONYのポータブルオーディオプレーヤー。注3:レイ・ブラッドベリの小説で、本の所持や読書が禁じられた架空の社会が描かれている。今月のCulture Favoriteクライテリオン・コレクション社「Closet Picks」の一コマ。Photo courtesy of the Criterion Collectionモーションキャプチャーの現場での、押井守監督との一枚。ロンドンで会ったアレックス・ガーランド監督と。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。コジマプロダクション代表。’87年に初監督作『メタルギア』でデビュー。独立後初となるタイトル『DEATH STRANDING』が世界で大きな話題を呼んだ。現在、その続編となる『DEATH STRANDING 2』の制作中。ドキュメンタリーフィルム『HIDEO KOJIMA ‐ CONNECTING WORLDS』の予告編が、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。次回は、2376号(12月6日発売)です。※『anan』2023年11月15日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2023年11月11日小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第6回目のテーマは「60歳をどう生きるか」です。夏の終わり、初めてシニア料金で映画を観た。入口で身分証明書の提示もなく、変わりない鑑賞だった。この8月24日で“還暦”を迎えた。そもそも還暦とはなんなのか?石器時代の平均寿命は15歳だというから、60歳という年齢はとてつもない。しかし現代の日本人男性は平均して81歳まで生きるという。それを思うと、60歳がめでたいのかわからなくなる。たまたま誕生日は、セルビアでキャストの撮影をしていた。現地のスタッフにお祝いをして貰った。帰国後には、コジプロで“監督還暦祝いの会”を開催していただいた。赤い革ジャン、赤いベルト、赤い靴、赤いヘッドホンを装着、全身が真っ赤に。僕の顔も赤くなる。そして、M78星雲から、真っ赤なウルトラセブンのサプライズ登場まで!僕の家系には、男性に早死の傾向がある。親父は45歳で亡くなった。親戚の叔父たちが長生きした記憶はない。だから幼い頃から、寿命への漠然とした強迫観念があった。自分が父親の45歳を超えた時には、なんとも言えない気持ちになったものだ。親父を超えて生き続けている。自分はもう大丈夫だ。そこから死の恐怖を意識はしなくなった。ただコロナ禍を経て、誰もが平等に死ぬことを悟った。自分も例外ではなく、いつかは死ぬ。あのタイムリミットを思い出した。さらに、2020年に大きく体調を崩すことがあった。生涯で初めて、「制作はもう続けられないかも?」と最悪の未来をも考えた。僕のリタイア後もコジプロを存続させる必要がある。そこで、企画草案メモが詰まったUSBを秘書に、遺書を付けて渡した。「何かあればこれを。これで数年は持つはずだ」と。幸い、体調は回復、現場に復帰することが出来た。死なないまでも、物創りが出来なくなることはあるのだと、自覚を新たにした。僕が業界に入った1986年時には、「ゲーム開発の寿命は20代後半まで」と言われていた。柔軟な頭脳と体力が求められる、長くは携われない職業なのだと。会社員として、一発当てたゲーム開発者は、所属長に抜擢される。マネージメントを覚え、管理職に就く。さらに、経営陣として参画する場合もある。僕はKONAMIでは二足の草鞋を履くことを選んだ。「経営と制作(開発)のどちらもやる、だから現場も続けさせてください」と。50歳を過ぎて、独立スタジオを立ち上げたのも、現場でクリエイトを続けるためでしかない。ゲーム業界では、60歳を超えて現場で物創りをベタでしているクリエイターはほとんどいない。ところが、これが映画業界となるとまるで話が違ってくる。今も現役で活動を続けている巨匠たちがいる。スティーブン・スピルバーグは76歳、ジョージ・ミラーは78歳。デヴィッド・クローネンバーグ、ポール・バーホーベン、リドリー・スコット、ブライアン・デ・パルマ、ダリオ・アルジェント、ミヒャエル・ハネケ、マーティン・スコセッシ、マイケル・マンたちは、80歳を超えている。ウィリアム・フリードキンは87歳で亡くなったが、最期まで映画を撮り続けていた。宮崎駿監督は82歳で『君たちはどう生きるか』を創った。『千と千尋の神隠し』が60歳の時の作品なので、その後の約20年間で5本を創ったことになる。僕が宮崎さんのように80歳まで現役を続けられたとしよう。どんな作品を、何作創るべきか。現在、僕がどっぷりかかわっているオリジナル作品は、『DS2』と“とんがったゲーム”の2本。同時進行もあるだろうが、20年でせいぜい5、6本だろうか?隠居生活は頭にはない。生涯現役で物創りを続けたい。映画やアニメ、PVのオファーは、KONAMI在籍中からいくつもあった。独立後は格段に増えた。だが、コジプロを立ち上げて社員を抱えている以上、映画創りでスタジオを数年開けることも、抜けることも許されない。残りの人生をどうするか?ゲームか?映画か?選択を迫られる。ここ数年はそのストレスが尋常ではなかった。それを朋友ギレルモ・デル・トロに相談する機会があった。「ヒデオが創っているものは、唯一無二の“映画”だ。今のままの物創りを続けるべきだ」と、彼は応えた。そこでこの先10年の優先順位を決めた。映画の企画はとりあえず保留、独立後、オリジナルの3作目となる大作ゲームの企画を頭の中だけで始めた。宮崎さんの最終作品が北米でも上映された時に、デル・トロがSNSで発した言葉が素晴らしい。“I will joyfully watch his latest rather than his last.”――最後の作品としてではなく、彼の最新作として楽しむつもりだ。寿命は自分で決めるものではない。作品もそうだ。これからの僕の作品も、常に最新作として生まれてくるのだ。60歳とは、ただの通過点でしかない。“シルバー”な隠居ではなく、“燻銀”の現役でいたい。今月のCulture Favoriteセルビアの撮影スタッフに現地で還暦を祝ってもらった時の一枚。還暦祝いのプレゼントでもらった紅革ジャン。ケータリングサービス「ライムンダ」さんの、真っ赤なオリジナル誕生日ケーキ。こじま・ひでお1963年生まれ、東京都出身。コジマプロダクション代表。’87年に初監督作『メタルギア』でデビュー。独立後初となるタイトル『DEATH STRANDING』が世界で大きな話題を呼んだ。現在、その続編となる『DEATH STRANDING 2』の制作中。ドキュメンタリーフィルム『HIDEO KOJIMA ‐ CONNECTING WORLDS』の予告編が、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。次回は、2372号(11月8日発売)です。※『anan』2023年10月18日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2023年10月21日時代を反映し、生活に彩りを与える言葉。言葉で遊ぶ“ボードゲーム”をご紹介します。世代を問わずファンが多いボードゲーム。ブームの一翼を担う〈JELLY JELLY CAFE〉の白坂翔さんいわく「言葉をテーマにしたゲームは特に人気」だそう。「ボードゲームは、元は欧米で広まったものですが、日本では独自の進化を遂げています。その筆頭が言葉系。古くから和歌を使った言葉遊びが親しまれていたことも一因なのではといわれています」連想ゲームやカルタの進化系など新商品が続々登場する中、「言葉系ゲームの最大の魅力はとっつきやすさにある」と白坂さん。「理詰めで最適解を導き出し、勝利を目指すゲームも多い中、言葉系の場合、発想力や閃きが勝利に繋がるので、経験の有無を問わず楽しめるんですよね。しかも15分程度で完結するものがほとんど。気軽にワイワイ取り組めて、プレイヤー同士の仲も深まります」ヒットマンガ“大喜利力”が試される、斬新なカルタ。吹き出しが空欄になった漫画の一コマが描かれたカードを使うゲーム。読み手は、1枚のカードのセリフを即興で考え読み上げ、他の人は対になる同じ絵柄のカードを早取り。「正解者が現れたら、読み手にもポイントが加算されるので、読み手はいかに恥を捨ててキャラクターになりきるかが肝心です」。2310円/タンサンレンレンお題の“次の次”を当てる連続連想ゲーム。最初に与えられる単語「」に対して、出題者は「なら、なら」と2回連想を繰り返す。他の人は、連想された単語の頭文字をヒントに「」を導き出したら勝利だ。「シンプルそうで難易度が高いゲーム。出題者の考えそうなことを想像しながら答えを導き出すことが求められます」。1980円/JELLY JELLY GAMESミツカルタ7つのひらがなを前に語彙力をフル稼働。1枚につき1文字のひらがなが書かれたカードを7つの山に分け、そこから3文字以上の単語を見つけるゲーム。4文字なら4点と、使った文字数の分だけ得点が入り、最終的に獲得した点数を競う。「語彙力は試されますが、ルールはシンプルなので、本格的なゲームに挑む前の準備運動にもオススメです」。1650円/JELLY JELLY GAMESことば落とし芸人顔負けのトーク力で、周囲を欺け。千原ジュニア考案のトークカードゲーム。親プレイヤーはあらかじめ指定されたワードを、3分間の雑談の中で紛れ込ませる。親以外のプレイヤーは、そのワードを当てたら勝利となる。「ワードを盛り込むために強引に話を展開させたり、にやけてしまったりする人も(笑)。トーク力が試されます」。1980円/JELLY JELLY GAMESあいうえバトル相手の単語を、1文字ずつじわじわ攻撃。スポーツ、好きな食べ物……などのお題に対して、プレイヤーはそれぞれ2文字以上7文字以下の単語を決定。50音が書かれたボードを囲み、プレイヤーは順に他のプレイヤーの単語を1文字ずつ当てる。最後まで当てられずに残ったプレイヤーの勝利。「アルファベット版もあるので、外国の方とも一緒に楽しめます」。4950円/Anagumaしらさか・しょう1984年、山梨県生まれ。自衛官、ホストなどを経て、全国に14店展開するボードゲームカフェ〈JELLY JELLY CAFE〉オーナー。商品企画も行う。将棋カフェやマーダーミステリー専門店の運営も。※『anan』2023年10月11日号より。写真・中島慶子文・福島絵美(by anan編集部)
2023年10月07日この度、株式会社ユアネットは、iOS17から実装された新機能「インタラクティブウィジェット」を採り入れ、iPhoneホーム画面に設置されたウィジェットを直接操作することで、かわいい植物キャラクターを育てることができる育成ゲーム「ぷらっち」をリリースしました。アプリを開かなくても、ウィジェットをタップして様々な操作を行うことができるという画期的な「インタラクティブウィジェット」機能を、身近で親しみやすいゲームという形で体験することができます。新しい機能をさっそく試してみたい方や、シンプルなルールと操作でじっくり長くゲームを楽しみたい方へ特におすすめしたいアプリです。昔懐かしの携帯型育成ゲーム × 最新版テクノロジーのハイブリッド◆ホーム画面でそのまま操作する、新しい形の育成ゲーム「ぷらっち」はスキマ時間にちょこっとホーム画面を覗いて、ウィジェットからお水をあげたり、お日様に当てたり、愛情を注いであげることで成長する植物キャラクターです。いちばん最初にタネを植える時と、成長が最大値になったときに植え替える時はアプリから操作しますが、それ以外のお世話はホーム画面に設置したウィジェットから操作します。忙しくてあまりゲームをする時間がないという方でも、iPhoneを開いたついでに様子を見てあげたり、そのままホーム画面上でお世話してあげることができます。ぷらっちが毎日のちょっとした楽しみや、癒しのペットとして身近な存在になるかもしれません。◆ゲーム概要ルールやゲームの仕組みはとてもシンプルです。タネを植えて、イベントが発生したタイミングや自分の好きなタイミングでぷらっちをタップしたり、水やりや日光に当てるボタンなどをタップしてお世話をします。お世話回数などの違いによって、ぷらっちは異なる形の植物キャラクターに成長します。また、タネの種類によって違う派生キャラクターに成長させることもできます。リリース時の派生キャラクターは全部で20種類以上となっていますが、今後のアップデートでさらに追加される予定です。1日数回発生するイベントも、ウィジェットでお知らせしてくれるので「お世話を忘れて枯れちゃった!」という事態を防いでくれるかもしれません。昔懐かしの携帯型育成ゲームを彷彿とさせるシンプルさ、馴染みやすさ、そして最新版テクノロジーのハイブリッドから生まれた育成ゲーム「ぷらっち」を、あなたのホーム画面の片隅で育ててみませんか?■サービス概要サービス名: ぷらっち -ホーム画面で育成ゲーム かわいい植物を育てよう!価格: 基本無料(アプリ内課金あり)推奨環境: iOS17.0以上(画像はプレスリリースより)【参考】※ストアURL
2023年09月22日