先日の第75回ゴールデン・グローブ賞に初ノミネートされたアンセル・エルゴートが主演を務める『ベイビー・ドライバー』。1月24日(水)よりブルーレイ&DVDがリリースされることに先駆け、ブルーレイに収録の映像特典から主人公ベイビー役を演じたアンセルの貴重なオーディション映像の一部が公開された。本作で監督を務めるのは、『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』などで多くの熱烈なファンを持つエドガー・ライト。『きっと、星のせいじゃない。』でブレイクしたアンセルをはじめ、『シンデレラ』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のリリー・ジェームズら注目の若手俳優に加え、アカデミー賞俳優のジェイミー・フォックスといった豪華なキャストが集結。カーアクションや登場人物の動作と音楽が見事に融合した、前代未聞のアクション・エンターテインメントとして話題を集めた。映画批評No.1サイト「ロッテントマト」では驚異のフレッシュ度100%を獲得し、全米で2億ドルを突破する大ヒットを記録。日本でも小規模公開ながら口コミで人気が加速し、スマッシュヒットとなった。そんな本作から今回公開されたのは、ベイビー役を演じたアンセルのオーディション時に撮影された貴重な映像の一部。オーディションでスタッフから「いますぐ歌える曲は?」と質問され、「コモドアーズ」の「イージー」と答えたアンセルが、エアボーカルで曲を歌う様子が収められている。曲が始まると前奏のリズムも口ずさむノリノリなアンセル。サビの直前には、一度画面から退場すると、曲に合わせて壁からゆっくりサングラスをかけて再登場するというおちゃめな演出も披露している。それを見たスタッフからは笑いが起こり、オーディションは好感触の様子。その後も、エアボーカルやエアベースをノリノリで披露するアンセルの音楽好きの一面が映し出され、ベイビー役に抜擢されたことが映像から見てとれる。彼がエアボーカルで歌った「イージー」は実際に劇中にも登場しており、本編での演技とも比較して楽しむことができそうだ。ブルーレイにはこの映像のほか、カーチェイスの撮影方法に迫った舞台裏映像や、エドガー・ライト監督らのインタビュー映像など、2時間を越える映像特典が収録されている。『ベイビー・ドライバー』のブルーレイ&DVD&UHD は1月24日(水)に発売&同時レンタル開始。デジタルは先行配信中。(text:cinemacafe.net)
2018年01月16日スリリングな犯罪劇、クレイジーなカーチェイス、応援したくなるラブストーリー、それらすべてにリンクする劇中音楽、メロディに合わせて動き、歩き、車を操るチャーミングなアンセル・エルゴート!とびっきり素敵な要素がたっぷり詰め込まれた『ベイビー・ドライバー』は、主人公の若き天才ドライバー、その名も“ベイビー”を演じたアンセルにとっても「たくさんのワクワクが詰まっている作品」だったという。「脚本を読んだとき、本当にワクワクさせられたんだ。物語と音楽が密接につながっているのも完全にユニークだったしね。ベイビーは強盗団の運転手をし、耳の不自由な里親と暮らしている。そんな彼を演じるのは、運転をし、手話を使い、アクションをし、音楽に合わせた動きもマスターするということ。そのすべてが挑戦だったし、撮影前の1か月間はサマーキャンプ状態だったよ。運転のレッスン、手話のレッスン、パルクールを取り入れたアクションのレッスン、振り付けのレッスンを1日12時間受け続ける毎日だった」。事故の後遺症で耳鳴りに悩まされるベイビーにとって、iPodから流れる音楽こそが治療薬。運転をするときも音楽は欠かせない。その設定を活かし、劇中のベイビーや彼の車はiPodの曲とシンクロした動きを見せるのだが、「僕も彼と同じように、運転中は基本的に音楽をかけている。撮影前の僕は、そこそこのドライバーだったけどね(笑)」とアンセルは明かす。「ニューヨーク市内からロングアイランド付近までを問題なく運転できるレベルかな。ただ、マニュアル車を運転したことはなかったから、撮影のために学ぶ必要があった。おかげでドリフトもできるようになったよ。もちろん、音楽つきでね。毎日って忙しいものだから、1枚のアルバムを最初から最後まで聴く時間を持つのが意外と難しい。僕にとって車の中は、音楽を集中して聴けるパーフェクトな空間なんだ。聴きそびれていたアルバムを聴いたりしてね。いい曲が流れたら、ちょっと踊ったりもするかも(笑)」。ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの「ベルボトムズ」を聴きながらベイビーがミッションに臨む冒頭に始まり、劇中にはエドガー・ライト監督セレクトの様々なナンバーが。アンセルの「いい曲」は、それらとも「だいぶマッチしている」と言う。「クイーンはもともと大ファンだったし、バリー・ホワイトもアルバムごと僕のiPodに入っている。それに、いままでに聴いた中で最も好きな曲の1つが、コモドアーズの『イージー』。だからエドガーが本編に取り入れてくれたのだけど。すごくいいなと思ったのは、幅広い選曲でありながら、全部の曲がタイムレスな魅力を持っているところ。さらに面白いのは、それぞれのアーティストの一番のヒット曲を使っているわけではないところだよね。クイーンだったら、『ボヘミアン・ラプソディ』じゃなくて『ブライトン・ロック』。B面セレクトな感じが好きだな」。音楽について語り始めると、目の輝きが増すのも納得。アンセルはミュージシャンでもあり、2015年には“DJアンソロ”として日本の音楽フェスにも参加した。しかし、オペラ演出家の母を持ち、9歳からバレエを習っていたともいうアンセル。クラシックな家庭で育った彼がいまやDJとなり、『ベイビー・ドライバー』の楽曲たちを愛するのはなかなかの方向転換にも思える。「父もクラシックやジャズが好きだしね。たしかにクラシックな家庭だったよ。子どもの頃は、レナード・バーンスタインやジョージ・ガーシュウィンのアルバムを父からプレゼントされた。『ラプソディ・イン・ブルー』を聴きながら眠るような子どもだったね(笑)。そうやって慣れ親しんだメロディは、いつまで経っても忘れないものだよ。ただ、いい音楽にジャンルは関係ないのもたしかで、音楽がほかのアートと違うのは、その人がその曲にいつ出会ったのかが大きく関わってくるところ。年齢によって好みも変わるだろうしね。だから、僕も若者としてまずはヒップホップに目覚め(笑)、次はEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)に没頭し、好みが広がっていった。でも、両親が僕に音楽を愛する気持ちを教えてくれたのは間違いないよ。頭の中にいつも音楽が流れているのは、両親のおかげだと思う」。「頭の中にいつも音楽が流れている」とは、さすがは“ベイビー”。「ヒットしたから続編!とスタジオはビジネスに走りがちだけど、エドガーは作るべき作品じゃなければ作らない人だろうから」と前置きした上で、続編にも意欲を見せる。一方、『ベイビー・ドライバー』はいわば“車が踊るミュージカル”だったが、キャストが歌って踊る正統派のミュージカルにも興味があるそう。実際、アンセルは美声の持ち主でもある。「実は、ミュージカルはすごくやりたいと思っていることの1つなんだ。映画でも、舞台でもね。近いうちに、出演できる日が来たらいいな」。(text:Hikaru Watanabe/photo:You Ishii)
2017年08月21日