3つの入り江が背中合わせになったパダール島の絶景。炎天下、坂道を上ったご褒美! 著者撮影インドネシアのフローレス島の西沖に広がる、世界遺産のコモド国立公園。“コモド”といえば、そうコモドドラゴンが生息するエリアです。でも、それだけではないのです! コモド島の国立公園事務所へ向かう途中には、なんとピンクサンドビーチがあります。インドネシア語では“赤いビーチ”という意味の“パンタイ・メラ”と呼ばれ、まさにその名のとおり。ピンクサンドビーチといえば、バハマのエルーセラやタヒチのランギロアが有名ですが、そんな遠くまで行かなくても、そしておカネをかけなくても、実はアジアで見ることができるのです。コモド島内の小さな入り江、ピンクサンドビーチ。長さ約100メートル、知名度のわりに意外と短い? 著者撮影ピンクサンドビーチはコモド島の東側の、岬に囲まれた小さな入り江で、長さは100メートルちょっとくらい。ダイビングボートが数隻集まっているので、「あ、ここか」とわかるのですが、ボートがいなかったら、うっかり通り過ぎてしまいそう。よーくみると、白砂に赤いサンゴの粒が混じっています 著者撮影上陸してみると、砂粒の中に赤いサンゴのかけらが混じっていて、全体をみると、ほんのりピンク色に見えます。特に波打ち際は、波の形跡に赤い粒が残っているので、わかりやすいでしょう。透明度の高いクリアブルーの海とのコントラストも圧巻です!水面下はサンゴとリーフリッシュが豊富で、スノーケリングも楽しめます。ピンクサンドビーチへは、ラブハンバジョのダイビングショップなどが開催している、コモドドラゴンのトレッキングと合わせた1日ツアーで訪れることができます。 パダール島の入り江。ビーチにはほぼ誰もいない状態。皆、丘の上を目指します 著者撮影そして、穴場にして、あまりの絶景にびっくりしたのが、パダール島!!パダール島はリンチャ島とコモド島の間に浮かぶ小さな無人島。誰もいないビーチに上陸し、砂地に足を取られながら急斜面の一本道を上ります。赤道近くの炎天下、目に汗が入って霞んでくるわ、歩きづらいわで、かなりきつい登り坂を行くこと約20分。それでも、がんばった甲斐を感じるのが、丘の頂上から見下ろした眺め!陸に食い込んだ、隣り合わせの3つのビーチが一度に見えるのです。この世のものとは思えない美しさ!インドネシアには知られざる絶景がまだたくさん残されているだろうな、と、ポテンシャルの高さを感じます。パダール島はまだマイナーなせいか、ダイビングショップなどをいろいろ探してはみたのですが、ツアーはやっていないようです。私は、ボートをチャーターして行ってきました。安いボートを手配したら、キャプテンはいい人だったのですが、言葉は通じず……。ま、身振り手振りで、どうにかなるものです。が、当たりハズレはあって、ズルをしようとする人も中にはいたので、目を光らせておく必要はあるかも……。カナワ島の朝食。大樹の下でいただきます 著者撮影ラブハンバジョ近くで気軽にスノーケルへ出かけるのなら、カナワ島もなかなかの絶景。一周歩いて約40~50分のサイズの島で、バンガローがあるエリアは遠浅の海、裏手は岩場やマングローブ林が広がっています。宿泊施設もあるのですが、不便なことを愛するヨーロッパ人がオーナーゆえ、かなりワイルド。トイレで巨大なトッケイヤモリと出くわした時は固まってしまいました。日帰りスノーケリング・ツアーで訪れるのがオススメです。カナワ島の全景。天気が悪かったのが残念。日帰りで訪れるのが、オススメ! 著者撮影コモド国立公園というと、ドラゴンばかりが注目されますが、ビーチ的に見ても、なかなか面白いエリアですヨ! (text : 古関 千恵子) ビーチ&リゾートコラム「アジアンビーチ☆マニア」
2016年06月30日決まった場所にいるコモドドラゴンとは、確実に会えます。餌付けはされていません。 著者撮影珍獣ハンター・イモトが追いかけっこをした、デンジャラスかつ巨大なトカゲのコモドドラゴン。のしのしと尾を振りながら走る巨体、グロテスクな顔。生ける恐竜のような、あの姿、見てみたいと思いませんか? 珍獣が生息しているのは、インドネシアのフローレス島の西沖に広がる、世界遺産のコモド国立公園内。しかもコモド島、リンチャ島、モタン島(ギリモタン)、コデ島(ヌサコデ)の4島のみ。推定約6000頭のうち、ほとんどがコモド島とリンチャ島に分布しています。ギザギザと尖った山並みが続くコモド島 著者撮影コモド国立公園へ行くには、日本からのパッケージツアーやバリ島からの現地発着ツアーに乗るのが楽ちんですが、料金設定は高め。安くあげるなら、やはり個人旅行です。コモド国立公園への拠点となるフローレス島西部の港町ラブアンバジョは、バリ島から国内線で空路約1時間30分。ここからボートで片道3~4時間かけて向かいます。方法としては、船内泊のクルーズや日帰りツアー。ラブアンバジョの旅行代理店やダイビングサービスで申し込みます。ただ、小さなショップですと、ツアーの催行人数が集まらず、当日キャンセルが告げられることも。申し込み時に状況を確認しておくといいでしょう。ラブアンバジョの町。10分ほどで踏破できる小さな港町 著者撮影料金は日帰りスノーケリング・ツアーの場合、40万ルピアぐらいから。ボートをチャーターすることもでき、私の場合、コモド島&ピンクビーチと、リンチャ島&パダール島の2回、お願いしてみました。料金は最初の言い値は200万ルピアくらいから始まり、コモド島で165万ルピア、リンチャ島は130万ルピアまで交渉(2016年4月時点)。コモド島のレンジャーさん。コモドドラゴンからのガードには、二股の棒を使用 著者撮影コモド島、リンチャ島、どちらもシステムは同じで、到着したら、国立公園事務所へ向かい、国立公園入園料(ガイド料などもろもろで29万5000ルピア)を支払います。そしてレンジャーと一緒に30分ほどのコースをトレッキングしながら、コモドドラゴンを探します。野生の大人を見るのは、なかなか難しく、早朝が狙い目だそう。コモド島ではビーチサイドの木陰でドラゴンたちは待っていました 著者撮影トレッキング中、レンジャーから聞くコモドドラゴンの生態なども興味深い内容です。たとえば、イノシシなどの獲物を骨ごと食べるのでフンは真っ白、食事は月に1~2回しかとらないため、日中はほとんど動かない、などなど。サバンナのような草原や森、周囲の海を見渡す丘の上など、変化に富んだコースなので、トレッキング自体も楽しめます。木の陰に慌てて隠れたコモドドラゴンの赤ちゃん 著者撮影日中でもコモドドラゴンをほぼ100%見られる場所が、コモド島にも、リンチャ島にも、あります。たとえばリンチャ島ならば、食糧の匂いに誘われてキッチンの下にコモドドラゴンたちが大集合。2メートルはあろう巨体のコモドドラゴンたちが、たまにまばたきをする以外は身じろぎもせず、ぼーっとしています。リンチャ島内にある国立公園の事務所。こちらで入園料を支払ます 著者撮影では、コモド島とリンチャ島、どちらの島の方がドラゴンたちと会う確率が高いでしょう?推定の頭数はコモド島2919頭、リンチャ島2875頭と、ほぼ同じ。日中なら、どちらの島でも野生はめったに会えず、定位置にいるドラゴンならばほぼ確実に会えます。移動距離で考えると、コモド島の方が30分~1時間ほど遠方にあります。事前情報でも、実際に両島へ行ってみても、正直、どっちもどっち。早朝に行くと違うのかもしれませんが、基本は運なのかもしれませんね。リンチャ島のキッチン下に集まった9頭のコモドドラゴン 著者撮影コモド国立公園の玄関口であるラブアンバジョは、10分も歩けば通り過ぎてしまう港町です。離れたエリアにリゾートホテルもありますが、コモドドラゴン狙いなら、船着き場に近い中心地が便利です。なかでも、オススメはグリーンヒル・ブティックホテル(眺めがいいのは部屋番号5~9)。ラブアンバジョの高台に建つグリーンヒル・ブティックホテル 著者撮影港や沖の島々を見渡せる高台に建ち、ツーリスト同士が情報交換できるカフェやレストランを併設しています。料金もリーズナブルです。グリーンヒル・ブティックホテル内のカフェ。フローレス島で栽培されている“フローレスコーヒー”がいただけます 著者撮影 グリーンヒル・ブティックホテル : 古関 千恵子) ビーチ&リゾートコラム「アジアンビーチ☆マニア」
2016年05月30日コモドドラゴン(コモドオオトカゲ) ©ASEAN-Japan Centre8つの世界遺産を要するインドネシア!“前回の記事”では有名な仏教寺院ボロブドゥールやバリ島など文化遺産4件を紹介しましたが、今回は多種多様な自然遺産4つをご紹介します!日本でも有名な「コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)」やオランウータンなど珍しい動物に会えたり、カヌーに乗ってマングローブを観察したり大自然を満喫できるのです!この4つの自然遺産は、コモド島、ジャワ島、スマトラ島、ニューギニア島と全て別の島にあるため、一度の旅行で4つまとめていくのは難しいのですが、バリ島の世界遺産だったり、マレーシアの世界遺産と合わせて旅程を組むと行きやすかったりします!一緒に行くならココ!という世界遺産をそれぞれ紹介しているので、要チェックですよ!コモド国立公園(自然遺産)登録基準:「自然の景観美」、「絶滅危惧種」インドネシアの自然遺産1発目は世界最大にして最強のトカゲ「コモドドラゴン」(写真一番上)が生息するコモド国立公園でございます!!人気番組「世界の果てまでイッテQ!」で、珍獣ハンターイモトアヤコさんと競争したことでも有名な「コモドドラゴン」は、体長2~3m、体重は100kgと巨体で、その姿はさながら恐竜のよう!乱獲によって生産数が激減し現在は絶滅の危機にさらされています。コモド島で食物連鎖の頂点に立つのはコモドドラゴン!彼らは野生のシカ、水牛などを毒などでじわじわと殺めて餌とします。コモド島周辺は海流が激しく天敵が入ってこなかったため、コモド島はコモドドラゴンの楽園となったのです。そんなコモド島へはバリ島から飛行機を使ったツアーが便利。バリ島のデンパサールから、まずは東へ飛行機で約1時間半のところにあるフローレス島へ飛び、フローレス島から船でコモド島とリンチャ島(リンチャ島でもコモドドラゴンが観察できます)をまわる日帰り、または1泊2日のツアーなら短期旅行でもコモドドラゴンを見ることができます。コモド島もリンチャ島もガイドの同行が義務付けられているのでツアーの参加は必須です!フローレス島からコモド島までは船で片道約3時間半、リンチャ島までは片道約2時間なので、時間に余裕があれば、どちらかの島に1泊するか船に泊まるツアーもゆっくりできて良いです。バリ島から東へ約50kmのところにあるロンボク島からコモド島、リンチャ島に寄ってフローレス島まで2泊3日のダイビングツアーなどもあるので、ダイバーの方にはこちらも人気!コモド島周辺はマンタやジンベエザメなど大物が多いんです!・アクセス成田からバリ島のデンパサールまで直行便で約7時間。デンパサールからフローレス島まで飛行機で約1時間半。フローレス島からコモド島までは船で約3時間半。・一緒に行くならこの世界遺産バリの文化的景観:バリ・ヒンドゥー哲学トリ・ヒタ・カラナを表す水利システム「スバック」ウジュン・クロン国立公園(自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」「絶滅危惧種」photo:ひさほ ゆう「ウジュン・クロン国立公園」は、ジャワ島の西の端のウジュン・クロン半島とその西にあるスンダ海峡の島々からなる自然遺産です。1883年にジャワ島とスマトラ島の間にあるクラカタウ火山が噴火しウジュン・クロン半島と島々は火山灰に埋もれてしまいましたが、現在は熱帯雨林が復活しています。川をカヌーで行くツアーがお勧め!photo:ひさほ ゆうこちらを楽しむには、インドネシアの首都ジャカルタや、ジャカルタからバスで約4時間のところにあるカリタやラブアンなどでツアーを手配するのが一般的。カヌーに乗って熱帯雨林のジャングルを体感しましょう。運が良いと絶滅危機にさらされているジャワサイや水牛など貴重な動植物に会えるかも?!・アクセス成田からジャカルタまで直行便で約7時間。ジャカルタからカリタやラブアンまでバスで約4時間。カリタやラブアンからのツアー。・一緒に行くならこの世界遺産同じくジャワ島にある世界遺産「ボロブドゥールの仏教寺院群」と「プランバナンの寺院群」ジャカルタから、ボロブドゥール、プランバナンの拠点となるジョグジャカルタまで 飛行機で約1時間。スマトラの熱帯雨林遺産(自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」インドネシアの西の端にあるスマトラ島は、日本の国土の約1.5倍という巨大な島です。「スマトラの熱帯雨林遺産」は、3つの国立公園にまたがる広大な自然遺産です。スマトラオランウータン写真提供:市川市動植物園森の人オランウータンは、ここスマトラ島とボルネオ島だけに生息しています。絶滅危惧種「スマトラオランウータン」は、出っ張ったエラが特徴です(雄のみ)。3つの公園の1つ「グヌン・レウセル国立公園」では、スマトラオランウータンに会えるかもしれません。こちらの拠点となるのは、インドネシア第3の都市メダンから100kmほど北西にあるブキッ・ラワン。すぐ近くにオランウータン・ビューイングセンターがあり餌付けを見学するミニツアーなどに参加することができます。ラフティング付きの1泊2日のツアーや、ジャングルを移動する5日のジャングルトレッキングツアーなどもあるので、幅広く楽しむことができます。スマトラトラやスマトラゾウなど貴重な動物に会えるかもしれません!・アクセスジャカルタからメダンまで、飛行機で約3時間。メダンからブキッ・ラワンまでバスで約3時間。シンガポール、マレーシアのクアラルンプール、ペナンなどからも1時間前後なのでそちらを経由するのも良し。・一緒に行くならこの世界遺産「シンガポール植物園」メダンからシンガポールまで飛行機で約1時間半。ジェットスターも飛んでいます!2015年、今年登録されたばかりの、シンガポール初の世界遺産を一緒に観光しちゃいましょう!「メラカとジョージ・タウン:マラッカ海峡の歴史都市」ジョージタウンがあるペナンとメダンは飛行機で約1時間!! LCCも各社飛んでいるので低コストで旅ができます。ペナンでマレーシアの歴史に触れつつ、屋台での食い倒れもいいですね。ロレンツ国立公園(自然遺産)登録基準: 「地球の歴史」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」世界で2番目に大きな島ニューギニア島の西部、スディルマン山脈のジャヤ山一帯を含む「ロレンツ国立公園」は東南アジア最大の面積をもつ自然公園です。ニューギニア島はインドネシアとパプアニューギニア2か国の領土で、西半分がインドネシア、東半分はパプアニューギニアとなっています!ちなみに世界で1番大きな島は北極海にあるグリーンランド、そして3番目に大きな島はボルネオ島(インドネシア、マレーシア、ブルネイの領土)です!インドネシアには世界で2番目と3番目に大きな島があるんですよ!美しい万年雪photo:インドネシア政府観光局ここには手つかずの自然が残されており、キノボリカンガルーやハリモグラなど100種類以上の哺乳類や、たくさんの鳥類などが確認されており、先住民族の部族も居住しています。「ロレンツ国立公園」には、ワメナなどからのツアーがお勧め。トレッキングをしたり、先住民族を訪問したり、伝統舞踊を楽しんだり、忘れられない体験ができることでしょう。・アクセスジャカルタからパプア州の州都ジャヤプラまで飛行機で約6時間。ジャヤプラからワメナまで飛行機で約30分。ワメナからツアー。・一緒に行くならこの世界遺産「ウジュン・クロン国立公園」先ほど紹介したインドネシアの自然遺産。ジャカルタを経由するので一緒に行っちゃいましょう。(text : 世界遺産イェーイ!鈴木かの子)(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』、『インドネシア共和国観光省』)4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2015年09月02日