歌手のアグネス・チャンが29日に自身のアメブロを更新。サンフランシスコで無人タクシーに乗車した日のエピソードをつづった。この日、アグネスは「サンフランシスコには無人タクシーをアプリで頼めます」と述べつつ「そのアプリをダウンロードするには待たないといけないのです」と説明。「三男がアプリを持っているので」と三男・協平氏がアプリを持っていたそうで「今夜乗せてもらった」と報告した。続けて「本当に誰も運転してないタクシーが来たのです」と明かし「そして目的地に連れててくれました」(原文ママ)と説明。「2回ほど危ない所があったが、無事に到着したよ。すごく面白かったです」と述べ「未来の普通をちょっと体験した気分です」とつづった。また、無人タクシーに乗車中の自身の写真などを複数枚公開し「動画も撮ったので、後でアップしますね」と予告。最後に「本当に面白かったです」と大満足の様子でつづり、ブログを締めくくった。
2023年12月29日ローソン(LAWSON)から、アメリカ・サンフランシスコのアイスクリームショップ「ガーデンクリーマリー」とのコラボレーションによる新作アイスが登場。2022年9月27日(火)より順次、全国の店舗で発売される。ローソン×サンフランシスコ発「ガーデンクリーマリー」のコラボアイス西海岸サンフランシスコに店舗を構える「ガーデンクリーマリー」は、カリフォルニアの契約農家から仕入れた旬の果物や、日本の京都から取り寄せた素材を使った多彩なアイスクリームを提案している人気店。日本初のコラボレーションとなる今回は、コーンタイプとバータイプの2種類のアイスを展開する。「バナナチョコ&キャラメルワッフルコーン」「バナナチョコ&キャラメルワッフルコーン」は、バナナ・チョコレート・キャラメルという定番の組み合わせを、アメリカンなワッフルコーンに合わせたアイス。バナナとチョコレートの2色が渦巻くアイスにキャラメルソースを合わせた、見た目にもリッチなフレーバーだ。「バニラパッションフルーツアイスバー」一方の「バニラパッションフルーツアイスバー」は、「ガーデンクリーマリー」でNo.1の人気を誇るレシピを再現したアイスバー。バニラビーンズシードの入ったバニラアイスクリームにパッションフルーツソースを加えることで、濃厚な甘さと酸味の絶妙なハーモニーが楽しめる味わいに仕上げている。商品情報ローソン「ウチカフェ×ガーデンクリーマリー」発売日:2022年9月27日(火)価格:・「ウチカフェ×ガーデンクリーマリー バナナチョコ&キャラメルワッフルコーン 160ml」300円・「ウチカフェ×ガーデンクリーマリー バニラパッションフルーツアイスバー 75ml」214円取扱店舗:全国のローソン
2022年09月30日日本へのリスペクトから生み出されたスキンケアブランド『タッチャ(TATCHA)』とは提供:TATCHAタッチャは、サンフランシスコ発、日本オリジンの“HARMONY FROM SKIN TO SOUL” -「肌と、こころに、美しい和を。」を求める女性達に向けてつくられたスキンケアブランド。創始者であるヴィッキー・ツァイが、肌も心も疲れ果てた時にたどり着いた京都・日本での、心温まる人々、古来から伝わる素肌のお手入れ法、食文化をつくってきた素材などとの出会いをきっかけに、2009年に誕生させました。以降、自らの体験やアイデアをもとに、主要成分として、日本人には馴染み深い秋田米、宇治の緑茶、沖縄の海藻を採用したタッチャ独自の「和フード発酵コンプレックス」<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>を採用、製品パッケージに日本特有の美しい形や素材(棗、桐、和紙など)を取り入れる等、日本の優れた技術と素材を駆使し、現代の女性に求められる革新的な製品を作り上げています。そんな本ブランドがこの秋グローバルブランドとして、日本での本格的な展開を開始。タッチャのスキンケアステップ「作法」~お手入れ時間を大事に、自分を労わって欲しいという願い~提供:TATCHAタッチャでは、スキンケアのステップをリチュアル(「作法」)として定義。日々の暮らしをていねいに慈しんできた日本人ですが、いつの頃か時間に追われ、肌と向き合う時間さえ確保できない方が増えているよう。そのような方へ向け、「お手入れの時間は自分のための時間。だからこそその時間を大事にし、自分を労わって欲しい。」との願いを込めた、朝と夜の4つのステップからなる「シンプル且つ最大限」のお手入れを提案しています。Step 1Purify きよめる:カメリア クレンジング オイル撮影:byBirth精油で肌の汚れを浮かし、拭き取っていた日本古来の美容法にインスパイアされたステップ。厳選された伊豆大島産の椿油と、米ぬか油を絶妙なバランスでブレンドし、肌へのやさしさを考慮しながら重さやべたつきを感じさせず、メイク汚れをすっきり洗い落とします。配合成分カメリアオイル(椿油)米ぬかオイル(米ぬか油)<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>使用方法乾いた手のひらに1~2プッシュをとり、マッサージするように顔全体になじませませた後、ぬるま湯で洗い流す。クレンジング後は洗顔料を使用。Step 2Polish みがく:ライス ポリッシュ(肌タイプ別に揃う4種展開)撮影:byBirth伝統的な日本の食文化に欠かせない米を、美容と健康に役立ててきた先人の知恵を活かし、肌を磨き上げる発想のステップ。米や酵素(タッチャ ライス ポリッシュ カミングを除く)の力で、保湿をサポートしながら不要な汚れのみを優しく洗い清めます。肌タイプ別に揃う4種展開。タッチャ ライス ポリッシュ クラッシックノーマルスキンからコンビネーション、ドライスキン用タッチャ ライス ポリッシュ ジェントルドライスキン用タッチャ ライス ポリッシュ ディープオイリースキン用タッチャ ライス ポリッシュ カミングセンシティブスキン用配合成分米粉米ぬかエキス<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>パパインクラッシック(アコヤ真珠エキス)ジェントル(甘草)ディープ(野イバラエキス・ヒオウギエキス)カミング(天然の藍エキス)使用方法濡れた手のひらに小さじ1/2程度のパウダーを取り、水を加えてクリーム状の泡を作る。目の周りを避け顔全体になじませ、15秒ほどマッサージするように洗浄した後、ぬるま湯でていねいに洗い流す。Step 3Plump うるおす:エッセンス撮影:byBirth日本が誇るスーパーフード〈米・茶・海藻〉を主成分に、日本人の生活と健康を支えてきた発酵技術を駆使。ていねいなプロセスを経て完成したタッチャ独自成分<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>に、後から水を加えずボトル詰めした高濃度・発酵化粧液です。天然のアミノ酸や乳酸を含み、潤いの力で弱った肌を立て直し、しっとり艶やか、弾力感に満ちた肌へと導きます。配合成分<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>使用方法手のひらに適量取り、清潔な肌になじませる。首やデコルテまで潤いを与えたいパーツにたっぷりと。朝・晩兼用・お手入れの最初に使用。Step 4Nourish あたえる:クリーム(お肌状態で選べる2種展開)撮影:byBirthシルクがもたらす恩恵を肌に届けるステップ。「タッチャ シルク クリーム」は、タッチャ独自成分<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>に加えて、国産アコヤ真珠由来エキス、シルク成分を配合。みずみずしい感触で、肌のすみずみまで浸透し、しなやかでハリ感のある肌へと導きます。「タッチャ デューイー スキン クリーム」は、タッチャ独自成分<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>に貴重な紫黒米ぬかエキスやヒアルロン酸、厳選されたボタニカルエキスをバランスよく配合。豊潤でリッチなテクスチャーで、ふっくら艶やか、深い潤いに満ちた肌へと導きます。タッチャ シルク クリーム潤いと軽やかな使用感の両立を求める、ノーマルスキンからドライスキンの方に。配合成分国産アコヤ真珠由来エキス(加水分解コンキオリン)シルク成分(セリシン・加水分解シルク)<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>使用方法お手入れの最後に、付属のゴールドスプーンでパール粒大のクリームをとり、顔全体になじませながら、首からデコルテまで上向きにマッサージする。朝・晩兼用・お手入れの最後に使用。タッチャ デューイー スキン クリーム濃密なテクスチャーを好む、ノーマルスキンからドライスキンの方に。配合成分紫黒米ぬかエキス(コメヌカエキス)高麗人参を含むボタニカルエキス(オタネニンジン根エキス、ワイルドタイムエキス、マヨラナ葉エキス)海藻エキス(カタメンキリンサイエキス)ヒアルロン酸<HADASEI-3(TM):ハダセイ-3(TM)>使用方法付属のゴールドスプーンでパール粒大のクリームをとり、顔から首、デコルテになじませ、上向きのストロークでマッサージする。朝・晩兼用・お手入れの最後に使用。その他、スペシャルアイテムも撮影:byBirth上記4ステップのほか、ひと吹きで艶と潤いに満ちた肌に導く発酵液エマルジョンミスト「ルミナス デューイー スキン ミスト」や、肌の上でなめらかにとろけるリッチなアイクリーム「シルク ピオニー メルティング アイクリーム」、みずみずしい唇へと導く濃密なリップマスク「キッス リップマスク」といったスペシャルケア製品、肌タイプ別に選べるスターターセット(約2週間相当分)、あぶらとり紙やオリジナル クレンジング ブラシもご用意。サンフランシスコと日本にルーツを持つ本ブランドならではの「美」を継承し、自分自身と向き合い、その時間を愛しむことを大切にしませんか。TATCHA(タッチ)紹介製品概要タッチャ カメリア クレンジング オイル(販売名:タッチャ CA クレンジング オイル)150mL5,700円タッチャ ライス ポリッシュ クラッシック(販売名:タッチャ RI ポリッシュ クラッシック)60g7,700円タッチャ ライス ポリッシュ ジェントル(販売名:タッチャ RI ポリッシュ ジェントル)60g7,700円タッチャ ライス ポリッシュ ディープ(販売名:タッチャ RI ポリッシュ ディープ)60g7,700円タッチャ ライス ポリッシュ カミング(販売名:タッチャ RI ポリッシュ カミング)60g7,700円タッチャ エッセンス(販売名:タッチャ エッセンス)150mL13,000円タッチャ シルク クリーム(販売名:タッチャ SI クリーム)50mL15,000円タッチャ デューイー スキン クリーム(販売名:タッチャ DE スキン クリーム)50mL8,500円タッチャ ルミナス デューイー スキン ミスト(販売名:タッチャ DE スキン ミスト)40mL5,500円タッチャ シルク ピオニー メルティング アイクリーム(販売名:タッチャ SI アイクリーム)15mL7,500円タッチャ キッス リップマスク(販売名:タッチャ KI リップ マスク)9g3,500円タッチャ スターター リチュアル セット(普通肌用)9,900円タッチャ スターター リチュアル セット(ドライ肌用)9,300円タッチャ あぶらとり紙40枚1,300円タッチャ オリジナル フェイシャル クレンジング ブラシ KASHOEN 華祥苑 188315,500円※税込表記
2021年10月19日「A24」と「プランB」が再タッグを組み、サンダンス映画祭でW受賞を果たすなど絶賛を受けた最新作『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』。この度、「冒頭の5分でこれが特別な作品であることが分かる」とアメリカの「Rolling Stone」誌から評された、映画冒頭の本編映像が解禁された。今回到着したのは、主人公のジミーと彼の親友・モントがスケートボードで2人乗りをしながら、坂道の多いサンフランシスコの街を駆けていく冒頭の映像。雄弁で壮大な音楽に乗せて2人を映すこのシーン。カメラワークやスローモーションが印象的。スケートボードに乗る2人はもちろん、サンフランシスコの街並みやそこに生きる人たちの姿を、スローモーションを用いて撮影した理由について、ジョー・タルボット監督は「サンフランシスコという街を、動きをつけて見せたかった。最近のサンフランシスコは、ITの進化が原因で生活のペースが早くなってしまったから、スローダウンさせて、写真に近い形で何が起きているのかを伝えたかった」と語る。また、スケートボードでの2人乗りも監督のアイディアだったが、実現が難しいのではという現場の意見も多かったそう。しかし、ジョー監督は「Thrasher Magazine」の創設者の息子で、現発行人であるトニー・ヴィテロ氏に相談。トニー氏が古い板を使ってスケボーを作っている人に連絡し、通常のボードよりも幅が広く長いものを映画のために特別に制作。ジミー役のジミー・フェイルズとモント役のジョナサン・メジャースは、2人で練習を重ね、乗りこなし方を習得した。ジョー監督は「モントがジミーの肩に手を置くだけで、2人の友情、いかに親密かが分かる。スケボーのシーンで役者2人の絆は強くなったんだよ」と語っている。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ 2020年10月9日 新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国公開©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
2020年10月09日映画「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」が、10月9日より、新宿シネマカリテ、シネクイントにて全国公開される。本作は、注目の映画会社、「A24」と「プランB」がタッグを組んで制作したことでも話題の一本。「A24」と「プランB」は、今、世界の映画シーンにおいて、その動向が最も注目されている映画会社。ともに芸術性と商業性を兼ね備えた、賞レースをにぎわす上質なヒット作を多数輩出している。この二つの会社が、アカデミー賞作品賞に輝いた「ムーンライト」以来のタッグを組んだのがこの「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」。新鋭監督のジョー・タルボットは、2019年サンダンス映画祭で上映された本作で、監督賞と審査員特別賞をW受賞し、華々しい長編映画デビューを果たした。「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」の舞台となったのは、タイトルの通り“サンフランシスコ”。ゴールデン・ゲート・ブリッジ、坂道を走る路面電車、優雅に佇むヴィクトリアン様式の家が並んでいる。歴史あるこの街は、急速な発展によって地価が高騰し、富裕層が多く住むようになったことで、代々住んでいた者たちは行き場所を失っていた。本作で主人公を実名で演じた、ジミー・フェイルズもその一人だ。生まれ育った場所が面影も残らないほど変化を遂げることで、大切な記憶が上書きされ、自分のアイデンティティまで否定されてしまうような感覚。それは、一見パーソナルな物語でありながら、今や世界中で起きつつある問題を描いている。フェイルズの幼馴染でもあるタルボット監督は、そんな彼の物語を美しい音楽や優しくも力強い台詞で紡ぎ、愛してやまない街の景観をスクリーンに閉じ込めた。自身初の長編映画となった本作は、世界各国の映画祭で高い評価を受け、オバマ前米大統領が選ぶベストムービーにも選出された。多くの財産をもたず、大都市の片隅に追いやられても、家族の記憶が宿る美しい家や、かけがえのない親友を大切にするジミー。そんな彼の姿は、「人生にとって、本当に必要なものとは何か」を見つめ直したい今だからこそ、私たちに温かい抱擁のような余韻を残し、そっと心に寄り添ってくれる一作品となるはず。■「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」のあらすじサンフランシスコで生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)は、祖父が建て、かつて家族と暮らした記憶の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛していた。変わりゆく街の中にあって、観光名所になっていたその家は、ある日現在の家主が手放すことになり売りに出される。この家に再び住みたいと願い奔走するジミーの思いを、親友モント(ジョナサン・メジャース)は、いつも静かに支えていた。今や「最もお金のかかる街」となったサンフランシスコで、彼は自分の心の在り処であるこの家を取り戻すことができるのだろうか。多くの財産をもたなくても、かけがえのない友がいて、心の中には小さいけれど守りたい大切なものをもっている。それだけで、人生はそう悪くないはずだ──。そんなジミーの生き方が、今の時代を生きる私たちに温かい抱擁のような余韻を残す、忘れがたい物語。なお、本作の公開に先立ち、この度予告編とオリジナル・サウンドトラックが解禁。まずはこちらをチェックしておこう。■「The Last Black Man in San Francisco」(Original Motion Picture Soundtrack) 【映画情報】「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」10月9日より新宿シネマカリテ、シネクイントほか、全国公開監督・脚本:ジョー・タルボット共同脚本:ロブ・リチャート原案:ジョー・タルボット、ジミー・フェイルズ音楽:エミール・モセリ出演:ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メジャース、ロブ・モーガン、ダニー・グローヴァー配給:ファントム・フィルム 提供:ファントム・フィルム / TCエンタテインメントURL:phantom-film.com/lastblackman-movie/原題 The Last Black Man in San Francisco / 2019年 / アメリカ / 英語 / ビスタサイズ / 120分 / PG12 / 字幕翻訳 稲田嵯裕里 ©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
2020年09月14日『ムーンライト』の「A24」と「プランB」の再タッグ作『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』に、約20年前に公開され、カルト的人気となった青春映画『ゴーストワールド』のソーラ・バーチが出演していることが分かった。『ゴーストワールド』といえば、アメリカのティーンエイジャーのバイブルと言われた人気コミックを映画化、高校を卒業したものの進路を決めずに好きに生きる、シニカルなイーニドと幼なじみで親友のレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)との友情と成長を描いた作品。2001年に公開され、アカデミー賞脚色賞にもノミネート。20年近くたったいまも多くの映画ファンに愛されているが、本作『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』のメガホンを執ったジョー・タルボットもそのひとり。『ゴーストワールド』への愛と、いかに作品に影響を受けたかを説いて憧れのイーニド役ソーラ・バーチに出演を熱烈オファー。“15年後のイーニドがサンフランシスコにあるIT企業の技術職に就職したら…”というイメージで彼女の役を作り上げていったという。今回解禁された場面写真は、そのソーラ・バーチ演じる女性がパンキッシュな真っ赤な髪色に黒の革ジャンを着こなし、バスの中でサンフランシスコの街の不満を漏らすシーンで、その姿はまさに大人になったイーニドのよう。よく見ると彼女の右肩には『ゴーストワールド』の際にイーニドが実際に着用していたという、トレードマークの黒ぶちめがねも!ソーラ・バーチ本人のアイディアで実現したという、ファンにはたまらないこうした細かい演出も見逃せない。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は10月9日(金)より新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ 2020年10月9日 新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国公開©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
2020年08月22日映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が、2020年10月9日(金)より、新宿シネマカリテ、シネクイント他全国ロードショー。新進気鋭の映画スタジオA24×プランBが、アカデミー賞作品賞受賞作『ムーンライト』以来のタッグを組む。変わりゆく街の中で、“大切な思い出”を守る若者のストーリー映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は、美しい街並みが魅力的なサンフランシスコが舞台。歴史深いこの街は、近年の急速な発展によって地価が高騰し、代々住んでいた者たちは行き場を失っていた。物語の主人公であるジミー・フェイルズもそのうちのひとり。かつてこの街の“最初の黒人”だったという祖父が建てた、美しいヴィクトリアン様式の家と家族との大切な思い出を守るため、奔走するジミーとその仲間の友情が描かれる。実体験をもとに映像化実は、本作でメガホンを握ったジョー・タルボットと、実名で主演を務めるジミー・フェイルズは幼馴染の仲。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は、フェイルズの実体験を映像に落とし込んだ、パーソナルな物語でもあり、タルボットにとって初の長編作品となる。映像美に映し出される、力強いメッセージ美しい街並みを捉えた映像、スローモーションを活用したカメラワーク、そして登場人物たちの優しくも力強い台詞。「多くの財産を持たなくとも、心の中に大切な居場所とかけがえのない友がいる。それだけで人生はそう悪くないはずだー。」というタルボット監督の言葉通り、映画を通して、“人生にとって、本当に必要なモノとは何か”を、今一度問いただしてくれる。世界の有名映画賞を複数受賞!なお本作は、サンダンス映画祭監督賞・審査員特別賞 ダブル受賞をはじめ、世界中の数々の有名賞を受賞。またオバマ前米大統領が選ぶベストムービー(2019)にも選ばれている。人気イラストレーターによるオリジナルアートポスターも映画公開を祝し、イラストレーターの長場雄、RUMINZ、Ryoga Okamoto がそれぞれ描き下ろしたオリジナルアートポスターが、新宿シネマカリテ・渋谷シネクイントほか全国の劇場に登場。三者三様のタッチで、スケートボードでサンフランシスコの街を走る主人公のジミーとその親友・モントの姿や、ジミーがかつて家族と暮らし、心の拠り所にしているヴィクトリアンハウスなどが描かれている。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』あらすじサンフランシスコで生まれ育ったジミーは、祖父が建て、かつて家族と暮らした記憶の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛していた。変わりゆく街の中にあって、観光名所になっていたその家は、ある日現在の家主が手放すことになり売りに出される。この家に再び住みたいと願い奔走するジミーの思いを、親友モントは、いつも静かに支えていた。今や”最もお金のかかる街”となったサンフランシスコで、彼は自分の心の在り処であるこの家を取り戻すことができるのだろうか。多くの財産をもたなくても、かけがえのない友がいて、心の中には小さいけれど守りたい大切なものをもっている。それだけで、人生はそう悪くないはずだ──。そんなジミーの生き方が、今の時代を生きる私たちに温かい抱擁 のような余韻を残す、忘れがたい物語。作品詳細映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』公開日:2020年10月9日(金) 新宿シネマカリテ、シネクイント他全国ロードショー監督・脚本:ジョー・タルボット脚本:ロブ・リチャート原案:ジョー・タルボット、ジミー・フェイルズ音楽:エミール・モセリ出演:ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メジャース、ロブ・モーガン、ダニー・グローヴァー配給:ファントム・フィルム
2020年06月13日『ムーンライト』を生み出した気鋭スタジオ「A24」と「プランB」が再タッグを組んだ『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(原題:THE LAST BLACK MAN IN SANFRANCISCO)が10月9日(金)より公開決定。ポスタービジュアルと予告編が解禁となった。舞台となるのは、ゴールデン・ゲート・ブリッジや坂道を走る路面電車、優雅に佇むヴィクトリアン様式の家が並ぶ情緒豊かなサンフランシスコ。歴史あるこの街は、急速な発展によって地価が高騰し、富裕層が多く住むようになったことで、代々住んでいた者たちは行き場所を失っていた。主人公を実名で演じる、サンフランシスコで生まれ育ったジミー・フェイルズもその1人。メガホンを執ったジョー・タルボット監督は、幼なじみであるフェイルズが体験してきた物語を自身初の長編映画として作り上げた。本作は、サンダンス映画祭で監督賞と審査員特別賞をW受賞したほか、世界各国の映画祭で高い評価を受け、オバマ前米大統領の2019年のベストムービーにも選出されている。生まれ育った場所が面影も残らないほど変化することで、大切な記憶が上書きされ、自分のアイデンティティまで否定されてしまうような感覚。それは一見パーソナルな物語でありながら、いまや世界中で起きつつある問題を描いている。多くの財産をもたず、大都市の片隅に追いやられても、家族の記憶が宿る美しい家や、かけがえのない親友を大切にするジミー。そんな彼の姿は、「人生にとって、本当に必要なものとは何か」を見つめ直し、寄り添う。解禁となった予告編では、ベイエリアを象徴する汽笛の音が鳴り響き、主人公のジミーと彼の親友・モントが2人でスケートボードに乗り、街をかけ抜けるシーンから始まる。歴史あるサンフランシスコに住んだ“最初の黒人”だったという祖父が建てた、1軒のヴィクトリアンハウス。都市開発によって変わっていく街で、家族との記憶が宿った大切なその家を取り戻そうと奔走するジミーと、それを支えるモントの友情が描かれる。美しい街並みを捉えた映像、スローモーションを活用したカメラワーク、そして登場人物たちの優しくも力強い台詞が印象的で、長編デビュー作であるにもかかわらず、世界各国で絶賛されたジョー・タルボット監督の作家性が垣間見える。予告編の最後は、「多くの財産を持たなくとも、心の中に大切な居場所とかけがえのない友がいる。それだけで人生はそう悪くないはずだー」というタルボット監督の言葉で締めくくられ、詩的な雰囲気を纏いながらも、そのメッセージはいまの時代を生きる私たちの胸に強く響くものとなっている。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は10月9日(金)より新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ 2020年10月9日 新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国公開©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
2020年06月10日サンフランシスコ発のシューズブランド・オールバーズ(Allbirds)が日本初上陸。原宿に、2020年1月10日(金)にコンセプトストアをオープンする。オールバーズは、元サッカーニュー ジーランド代表のティム・ブラウンとバイオテクノロジーの専門家である ジョーイ・ズウィリンガーにより2016年に誕生したシューズブランド。デザイン性と快適さ、サステイナビリティが共感を呼び、世界中で支持を集めている。長年スニーカーを愛用してきたティムが、大きなロゴや目立つ色、ケミカルな素材といった従来のスニーカーのあり方に疑問を持ち、ニュージーランドのメリノウールの優れた特性に着目したことからオールバーズはスタート。最高級のメリノウールを使いシンプルなデザインに仕上げた「ウールランナー(Wool Runners)」は、履いた時の快適さに加え、環境に配慮したモノ作りを凝縮させたシグニチャースニーカーだ。シューレースには再生ポリエステル、インソールには石油ではなくヒマシ油が使われている。その他、ユーカリの木の繊維で仕立てたメッシュ構造の「ツリー(Tree)」シリーズや、サトウキビ由来でカーボンネガティブな「Green EVA」素材を靴底に採用した「ウールランナーアップ(Wool Runner-up)」といった全5シリーズのシューズを揃える。日本1号店となる原宿のコンセプトストアには、オールバーズの全シューズをシリーズごとに販売。メリノウール、ユーカリ繊維などの素材説明とともに、カラフルなスニーカーが展渡欧に並ぶ。【詳細】オールバーズ 原宿オープン日:2020年1月10日(金)住所:東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森ビル1階営業時間:11:00~20:00 不定休
2019年12月19日ラリン(Laline)から、「ラベンダー」の香りが日本上陸。2019年7月12日(金)から限定発売される。サンフランシスコで人気の「ラベンダー」香るボディスクラブやボディソフレ、ボディミスト、ハンドクリームが日本に初上陸。限定デザインのパッケージには、ケーブルカーやゴールデンゲートブリッジがユニークなタッチで描かれており、サンフランシスコならではの自由で楽しい雰囲気が表現されている。アボカドオイル、ヒマワリシードオイル、グレープシードオイルといった3種の植物オイルと、死海のミネラルソルト100%を配合したボディスクラブは、アロマバスとしても使える1品。週2回程のスペシャルケアとして、優しくマッサージしながら使うことで血行を促進させ、引き締まった透明感のある肌へと導く。また、シルクのような手触りの高保湿ボディクリームであるボディソフレには、肌をしっとりと柔らかく整えるホホバオイル、潤い成分のビーワックス、またアロエベラ・カレンデュラなどの植物エキスをブレンド。しっとりとした潤いでボディを包み込んでくれる。【詳細】ラリン「ラベンダー」サンフランシスコ限定デザイン発売日:2019年7月12日(金)・サンフランシスコ限定 ラベンダー ボディスクラブ 500g 3,600円+税・サンフランシスコ限定 ラベンダー ボディソフレ 200g 2,600円+税・サンフランシスコ限定 ラベンダー ボディミスト 100mL 2,900円+税・サンフランシスコ限定 ラベンダー ハンドクリーム 100g 1,800円+税※数量限定につき、なくなり次第終了。【問い合わせ先】ラリン ジャパン カスタマーセンターTEL:0800-222-2600(フリーコール)※10:00~18:00 土・日・祝休
2019年06月13日しばらくキャンプに出かけていない人なら、驚くかもしれない昨今のキャンプ事情。スタイリッシュなテントの中にはラグが敷かれ、快適でデザイン性の高いチェアやテーブル。キャンプ料理もイタリアンから手作りパンまで思考を凝らし、ホテルに滞在するよりもよっぽど気分よく楽しく過ごせそう。間近に迫ったゴールデンウィークに久しぶりのキャンプやを予定しているなら、まずはおしゃれなキッチンアイテムから揃えてはいかがでしょうか。 サンフランシスコ発のエナメルウェアベリーコランダー¥4,536/CROW CANYON HOME(津田商会 ) アウトドアでの料理に必要なパートナーは落としても割れない素材で、持ち運びが楽チンな軽量のキッチンアイテム。グラスや皿も使い捨てではなく、環境も考えてサステナブルなものを使うのが今のキャンパースタイルです。丈夫なホーロー素材は、そうした点でアウトドア用のキッチンウェアに多く採用されていますが、今回おすすめしたいのは『CROW CANYON HOME (クロウ キャニオン ホーム)』のアイテム。アメリカ・サンフランシスコのホーロー食器ブランドで、代名詞であるマーブル柄のモダンなプロダクトを展開しています。 機能性も高く、実用的ソース/グレイビー サーバー¥4,212/CROW CANYON HOME(津田商会 ) ホーローは丈夫で長く使えるだけでなく保温・保冷に優れ、匂いうつりしにくい特性があり、アウトドアだけでなく普段使いとしてもうれしいことばかり。 キャンプグッズとのコーディネートを楽しむショートタンブラー各¥1,512/CROW CANYON HOME(津田商会 ) 液体が飛び跳ねたようなマーブル柄は、インダストリアルな素材にデザイン性を加えてぐっおしゃれな印象に。アイテムによってポップなカラーやシックな色合いまでバリエーションがあるので、好みや他のキャンプアイテムとマッチしたものをチョイスして。 津田商会 www.tsudakobe.jp078-731-5845photograph:kimyongduckstyling:Rina Taruyamatext:Momoko Yokomizo
2019年04月27日2年連続でミシュランUSAに選ばれたラーメン店「メンショー サンフランシスコ(MENSHO SAN FRANCISCO)」が、逆輸入で日本初上陸。1号店を2018年7月13日(金)新宿ミロード・レストランフロアにオープンする。「メンショー サンフランシスコ」は、アメリカ西海岸・サンフランシスコの大行列店。2年連続でミシュランUSAに選ばれるほど、地元民に愛される名店である。そんなラーメン店が日本初上陸。オーナーシェフ庄野智治が手がける創作性の高いラーメンが東京でも提供される。【詳細】「メンショー サンフランシスコ(MENSHO SAN FRANCISCO)」オープン日:2018年7月13日(金)住所:東京都新宿区西新宿1-1-3 新宿ミロード 7FTEL:03-3349-5611
2018年06月23日サンフランシスコ発の人気ベーグル&デリカテッセン「ワイズ サンズ トウキョウ(WISE SONS TOKYO)」が2月26日、東京・丸の内、丸ビル地下1階にオープン。アメリカでも美食の街として知られるサンフランシスコで、食べることをこよなく愛する創業者のエヴァン・ブルームと、幼馴染みのレオ・ベッカーマンの 2人が「どこよりも美味しいパストラミ」、「本格的なベーグル」、「心がよろこぶデリフード」をキーワードに2010年、開業したワイズ サンズ。フードトラックやファーマーズマーケットでの出店から始まった同ブランドは、現在ではサンフランシスコ・ベイエリアに5店舗を展開する人気店に成長。今回6店舗目となる「ワイズ サンズ トウキョウ」は、海外1号店。地元サンフランシスコで人気の上質なベーグルやパストラミを、手軽に食べられるモーニングから、ランチセット、ティータイムのスイーツまで、時間帯に合わせたメニューは、サンフランシスコ本店のレシピを忠実に再現した。内装は、本店の雰囲気を踏襲した温かみのあるデザイン。店内には本店同様、ワイズ サンズを象徴する3つのデザインが施された。店内右側の壁に描かれた壁画は、サンフランシスコに拠点を置く画家、エイモス ゴールドバーム(Amos Goldbaum)の作品。サンフランシスコの街並みと日本の象徴である富士山をオマージュし、サンフランシスコと日本の融合を表した。そして、店内正面にディスプレイされた写真は、同店を支える人々に敬意を込めて、従業員やそのファミリーが写る。また、ニューヨーク生まれの柔らかいタイプではなく、しっかりとした歯ごたえが特徴の、伝統的な製法で作る本格的なベーグルを西海岸で提供しているという信念の意味からカリフォルニア州の旗を全店に掲げる。店内では、デザイン性に富んだオリジナルグッズも販売。仕事でもプライベートでも活躍するクリアボトル(1,400円)や、タンブラー(2,500円から)、WISE SONS コーヒー豆(1,200円)など、数種類が揃う。自分用はもちろんプレゼントとしてもおすすめ。【店舗情報】WISE SONS TOKYO(ワイズ サンズ トウキョウ)オープン日:2月26日住所:東京都千代田区丸の内 2-4-1 丸ビル B1F時間:平日 7:30~21:00、土日祝 8:30~20:00席数:42席
2018年02月28日日本初進出となるサンフランシスコで人気のデリカテッセン「WISE SONS」(ワイズ サンズ)が2月26日(月)、東京・丸の内にある丸ビルB1Fにオープン。「WISE SONS TOKYO」では、モーニングやランチなどサンフランシスコ本店で人気の味を日本で味わうことができる。手作り&ローカルフードにこだわった「WISE SONS」本店アメリカ・サンフランシスコにある「WISE SONS」本店では、パストラミやコーンビーフ、ベーグルなど、可能な限り全ての材料を手作り。料理を通じてローカルフードの魅力、そしてオーナーのルーツでもある伝統的なジューイッシュ料理の魅力を伝えている。そして「WISE SONS TOKYO」でもそのスピリットを受け継ぎ、人気の味を再現。手軽なモーニングメニュー(テイクアウトのみ)、ランチBOX、スイーツなど多様なシーンに合わせて商品をラインナップ。WISE SONS名物「ベーグル」は必食!アメリカ西海岸を代表する「ベーグル」はシンプルな原材料を使い、モルト(麦芽)を加えたお湯でゆでた後、黄金色に焼き上げる。トッピング(セサミなど)は裏表にしっかりとまぶすのがWISE SONS流なんだとか。噛み応えもしっかりとあり、噛むたびにモルトの風味が広がるのも特徴。WISE SONSオリジナルブレンドのコーヒーは毎日でも飲みたくなる、なじみのよいテイスト。もちろんベーグルとも相性バツグンで、まさに朝食にふさわしい味わいだ。ベーグルは全5種類。そのままで食べるのはもちろんのこと、様々なフレーバーのシュミア(クリームチーズ)やトッピングを自分好みに選んで、自分流にカスタマイズするのもおすすめ。オーナーのこだわりが詰まった絶品「パストラミ」さらに外せないのは、オーナーのエヴァンとレオがこだわり抜いた「パストラミ」。ジューシーで脂と赤身のバランスのよいパストラミはブレンドしたスパイスに漬け込み、ウッドチップで丁寧にスモーク。マイルドな酸味がクセになる一品。オーナーのエヴァン・ブルームにインタビュー2月26日オープン当日、WISE SONS TOKYOに駆けつけた本店オーナーのエヴァン・ブルームにインタビュー。忙しい東京の人々にどのようにお店を利用してほしいかと訊くと「毎日気軽に利用してほしいんだ!」と話すエヴァン。「朝はベーグルとコーヒーで手早く朝食をとって、ランチは手作りのデリ。夜はサンフランシスコのIPA(ビール)を飲んでゆったりしてほしいよ。サンフランシスコのデリは朝~夜までオールデイダイニングのお店が多いから、東京の人たちにもそのようにいつでも利用してほしいね」。また店の名前「WISE SONS」の由来について訊くと、エヴァンは「『飲食店を開きたい』と両親に伝えたとき、とても反対されたんだ。それは賢明な(WISE)判断ではないよ、と。だから僕はあえてそれを皮肉ったように“賢い息子”と名づけることにしたんだ。いまでは幸運なことに、東京でもお店をオープンできたし、お店を開いたことはよかったと思ってるよ」。「WISE SONS TOKYO」では、デリのほかWISE SONSオリジナルグッズも販売。地元・サンフランシスコで愛される絶品フードを味わってみてはいかが。■「WISE SONS TOKYO」(ニューオープン)店舗:東京都千代田区 丸ビルB1F営業時間:平日 7:30~21:00土日祝 8:30~20:00※オープン日は11:00~※モーニングメニュー(7:30~11:00)はテイクアウトのみ(text:cinemacafe.net)
2018年02月26日ユーモアがスキルだとみなされ、社会的な評価を左右するというアメリカ。米CEOの98%がユーモアのセンスがある人を採用したいという調査結果があったり、大統領候補だって選挙戦での支持率を上げようと深夜のバラエティ番組でウィットに富んだ素顔を見せるほどです。心理学研究によればユーモアは4種類に分類できますが、日本とは違いアメリカでは少し気をつけなければいけないものも。こちらの人気トークショウや心理学の研究結果、実体験に基づくエピソードを紐解きながらお伝えします。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 6898%の米CEOがユーモアのある人を採用したい。短期インターン先でお世話になった社長に「勤勉でユーモアがあるから」という理由で就職を打診してもらった際に、ユーモアのセンスが重大な採用基準になるというのも「ジョークじゃないか」と思いましたが、どうやらアメリカではそうではないようです。バークレーの講義でも、人気教授の授業では10分間に1回の割合で生徒を笑わすポイントがありました。英語がよくわからない私にとっては「何がおもしろいの?」と隣の席の人に教えてもらったりして、むしろナーバスになってしまうひとときでしたが……。ユーモアがスキルとみなされ、社会的な評価も左右するというアメリカ。人材会社のHodge-Cronin and Associatesの調査結果によると、737名のCEOのうち98%がユーモアのある人を採用したいといいます。さらには84%が、ユーモアのある人のほうがいい仕事もするとも考えているのだとか。長年ユーモアについて研究してきたカリフォルニア州立大学ロングビーチ校のディビッド・アブラミス博士によれば、仕事に笑いを見いだせる人のほうがよりクリエイティブで生産的な仕事が出来、意思決定力があり同僚とうまくやっていけるとか。遅刻や病欠もユーモアのセンスが無い人よりも少ないとのことです。ところでユーモア研究の権威であるロード・マーチン博士は、ユーモアには以下の4タイプがあると分類しています。4つのユーモア スタイル1. Affliative humor (親和的ユーモア)冗談を聞いた人誰もが傷つかず、「おもしろい」と思えるたぐいのもの。目的は相手を笑わせたり、冗談を言い合うことで、他者との結びつきや仲間意識、幸せを深めること。妙な声色を使ったり、顔芸やダジャレもこのたぐいです。例えば短期インターン中に、社長のワークスペースがデスクから床に至るまで資料がダイナミックに散乱していたので、思わず唖然とした様子で見ていたら、睨みを利かした社長に「なんだね?」と言われてちょっと気まずい雰囲気に。機転をきかせて「……なんというか、美術家ジャクソン・ポロック的ですね」と返事したらお互いニヤリ。衝突を避けられたということがありました。ちなみにジャクソン・ポロックの絵の具缶から直接絵の具を滴らせて描くアクション・ペインティングとはこんな様子です。彼のワーキングスペースがどんな様子だったか、想像がつきましたか?(笑)。2. Self-enhancing humor (自己高揚的ユーモア)不都合なことが起こったり、ストレスフルな状況下で自分を寛大な態度で笑うというジョーク。映画『ライフ・イズ・ビューティフル』の主人公の態度はこれの極地ですね。3. Aggressive humor(攻撃的ユーモア)からかいや嘲笑など他者への批判を含んだユーモア。暴力的な冗談です。下の動画は、「レイト・ショー」というアメリカの人気バラエティトーク番組のひとこま。たくさんのアメリカ人が見ている深夜番組ということもあって、大統領候補なども出演し、笑いをとって国民の好感度を高めることで選挙戦での支持率を増やそうとしたりします。日本の首相候補がそんなことをするなんて、ちょっと想像もつきませんよね。さて、このなかでホストのステファン・コルバートが大統領就任後のトランプ氏を「あなたは、POTUS(The President of The United Statesの略。アメリカ大統領の意)ではなく、BLOTUS(Biggest Liar of The United Statesの略。アメリカ最大のペテンの意)だ!」となじったうえで、「あたまをひっぱたかれたゴリラが手話をしているみたいに話しますよね」と言って視聴者から笑いをとっています。これは代表的な攻撃的ユーモアの例です。4. Self-defeating humor(自己卑下的ユーモア)自分のことを ”かわいそうな私“ と攻撃的な形で貶めて笑いをとるもの。いわゆる自虐ネタです。ウディ・アレンは、この手のジョークの神だと私は崇拝しています。北米文化圏のアメリカ人やカナダ人を治験者とした心理学の研究結果では、1と2は好意的に受け取られるいっぽうで、3と4はひんしゅくを買ってしまう恐れがあるとか。当然ユーモアがどれに分類されるかは、冗談を言った場面、発言者の状況、相手の受け取り方などによって変化します。ということは文化の影響もたぶんに受けるわけで、確かにアメリカで暮らすうちに ”笑ってもらえる“ ジョークと ”笑えない” ジョークが日本とアメリカで違うなぁと実感するのです。特に自虐ギャグは、要注意です。例えば瞑想合宿に行ったときに自己紹介をし合う機会があり、社長のときと同じくアメリカ人アーティストを用いて「言うならば ”宙ぶらりんの女” というところでしょうか。アメリカ人ノーベル文学賞受賞作家ソール・ベローの『宙ぶらりんの男』になぞらえまして」と答えると、ドン引きされてしまいました。「あなた、大丈夫……?」という感じで(笑)。謙虚さが美徳とされる日本では「私は傲慢な人間ではありませんよ」という意思表示にもなる自虐ネタですが、アメリカでは ”かなり自己価値の低い、無能な人“ とみなされてしまう恐れがある様子。使い方を十分に気をつけたいところです。北米文化圏の人が高めたがる、”self-esteem”って?というのもこちらでよく使われるself-esteem(セルフ・エスティーム)という言葉あるのですが、それは自分のことをポジティブ・ネガティブの両面からどう捉えているのかという自己評価のこと。アメリカでは ”高いself-esteemを持つ(=自己評価が高い)” 人のほうが優れているという共通認識があります。このself-esteem信仰が加速したきっかけはというと、カリフォルニアでは1987年に州知事のジョージ・デュークメジアンがself-esteemが児童に及ぼす影響を研究するため245,000ドルもの年間予算を割いたのですが。その結果、高い自己評価を持つことこそが、よりストレス耐久力がある子どもを育み、社会問題を癒やすと強調し、「self-esteemを高めよ!高めよ!」と子育てや教育の現場でも取り入れられてきたのでした。「その弊害なのでは?」と日本人の私は感じるのですが、大学の授業中でも課題図書を読んでいないのがバレバレな状態で、堂々と挙手して的はずれな意見を自信満々な様子で言いながら切り抜けるという学生たちを見かけました。しかも教授はそれに対して決して否定的なコメントをせず、「ナイス!」とむしろ授業への積極的な態度を評価するのです。SOUCE: Adapted from Hene&Hehman, 2003. From Gilvin, Keltner, Chen &Nisbett’s『Social Psychology 4th Edition』(W.W.Norton&Company).これは文化間によるself-esteemスコアの違いを表したグラフです。一番左から、●日本で暮らす日本人●海外に行って北米文化に触れたことのある日本人●カナダに暮らして7年未満のアジア人(日本人以外のアジア人も含む)●少なくとも7年以上カナダで暮らすアジア人(日本人以外のアジア人も含む)●アジア系カナダ人二世(親がアジアからの移民)●アジア系カナダ人三世(祖父母がアジアからの移民)●ヨーロッパ系カナダ人の順番になります。後半アジア人全てをひとくくりにしているところがいささか乱暴だなとも感じますが、右にいくほど、つまり北米文化の影響を受けるほどにself-esteemの値が高くなり、アジア系三世とヨーロッパ系カナダ人のスコアはほとんど変わらないことがわかります。アメリカではなく隣国カナダの研究結果ですが、北米文化に触れるだけでself-esteemの高さが変わるというのです。ほかにもカナダ人は一度目の業務を成功したほうが二度目の業務に長時間取り組むけれど、日本人は一度目の業務を失敗したほうが二度目の業務に長時間取り組むという研究結果も。その理由はカナダ人(self-esteemの高さと個が重んじられる北米文化圏の人)は失敗したことを再認識すること(=self-esteemが下がること)を避けるけれど、self-esteemの高さよりも自己批判を重んじる(謙虚さと集団の和が重視される文化圏の)日本人は失敗(=self-esteemが下がること)を改善のための機会として活かすからだと結論付けられていました。個人差はもちろんあると思いますが、帰国子女だった親友が「生きづらい……」と言っていたのは、何がアリでナシかというものの見方の尺度が文化によって違うからだったのだなぁと今さら彼女がかつて抱えていた苦悩が理解できたり。オバマ元大統領は、自虐ネタを言ってもOK。とはいえ先日アメリカの大御所コメディアン(長らく前述のトーク深夜番組『レイト・ショー』のホストでもあった)ディヴィッド・レターマンのトークショーをNetFlixで見ていると、ゲストの元オバマ大統領が自虐ネタで会場を沸かしていました。愛娘から預かった簡単な組み立てキットを何時間たっても完成させられない自分の無能ぶりについて話し、観客を笑わせていたのです。これは彼の今までの功績を受けて ”オバマ大統領が無能なはずがない“、”キットを組み立てるスキルは彼の分野外であり、彼の価値とは関係ない“、よって ”彼のself-esteemは低くない” という共通認識を視聴者が持つこととなり、アメリカ人が安心して笑える自虐ネタとなるわけです。またジョークを言うときの彼の姿勢を注意深く観察すると、胸を張って深々と椅子に腰掛けて堂々とした様子で発言し、どう見ても劣等感を持った人には見えません。しかもこの眼力!(笑)。ウディ・アレンのジョークもこちらアメリカでは好みがわかれるのが事実。よくよく考えてみると、映画のなかでウディとやりあっている人は誰も笑っていませんね。”ウディ・アレンはすごい映画監督だ” という共通認識のもと、観客として映画を観ているから笑えるのです。つまりユーモアのなかでも自虐ネタで笑いが取れるのは、こちらではある程度社会的に認められた人だという表れなのかもしれません。あとは、間違ってもウディ映画の主人公のように姿勢を丸めたりせず、自虐ネタはあえて “堂々と悠然とした” 様子で言い切ってしまう、というところでしょうか。聞いているアメリカ人が笑えるように安心させる必要があるのです。肩をすくめながら「宙ぶらりんな女」を満喫中の私はまだまだ、アメリカと日本、2つのユーモアチャンネルを使いわけるほうが無難なようです。SEE YOU!バークレーは、もうすっかり春の陽気!
2018年02月18日2018年1月より大麻が全面合法化された米・カリフォルニア州。ヘルスコンシャスな人々が暮らすサンフランシスコ、オークランド地区ではマリファナにヨガを組み合わせた「ガンジャ・ヨガ」が人気です。日本では違法の大麻ですが、いったい西海岸の人たちはどう使用しているのでしょう?探ってみました。写真/文・土居彩2018年1月よりカリフォルニア州で大麻が全面合法化。©Monica Lo 20172010年代より大麻合法化の追い風がかかるこちらアメリカですが、ついに2018年1月1日よりカリフォルニア州でも21歳以上であれば嗜好・娯楽目的の大麻が解禁に。今年中にカリフォルニアを含む全9州とワシントンD.C.が全面合法化、医療目的では全30州が大麻の売買・所持を認めることになります。とはいえ、連邦政府としてはヘロインやLSDと同じく大麻は非合法なので、アメリカ=大麻OKの国だと早合点してはなりません。ジョギング、瞑想、最新の健康食品などでのセルフメンテナンスに余念がない西海岸で暮らす人々ですが、全面解禁にともなって大麻とヨガを組み合わせた「ガンジャ・ヨガ」なるものがサンフランシスコとオークランド地区で人気なのだとか。とはいえ私を含む日本人は大麻取締法で禁止されているので、21歳以上で合法の州に滞在したとしても大麻所持はNGです。でも、どんなものなのかは見てみたい……。© Elena Kulikovaそこでホームページから「私は日本からやってきたので、違法薬物に指定されている大麻を吸えません。でもどんなクラスなのかを拝見してみたいので、ヨガだけ参加しながらみなさんとお話をしてもいいですか?」と問い合わせると、「もちろん! ヨガ自体がとても素晴らしいものだから、別に大麻を使わなくったって大丈夫。大麻があるほうがヨガを深められる場合もあれば、無いほうが内側に入っていけるときもある。ここでは、『必ず大麻を吸わなきゃダメ』とは決して言いませんので、あなたの過ごしやすい方法で心と体を癒してあげて下さい」と、とても丁寧な返信が。お土産つき、ヨガレッスン90分と大麻で25ドル。フレンドリーな担当者から追って送られてきた申し込み用ウェブサイトの情報を確認すると、授業料は25ドル (インターネット申し込み手数料を含み、26.87ドル)。所要時間は2時間で、大麻代は無料だそうです。21歳以上であるか。また、ヨガならびに大麻の危険性がゼロではないことを理解したうえで、万が一何か事故等があったときは、申込みをした当人が全責任を持つといった2つの質問項目に同意をしたうえで支払いを済ませると、開催場所の住所が送られてきます。向かった先は、オークランドのダウンタウンにある古い雑居ビル。がっちりオートロックがかかっていて「まるでスパイの落ち合い場所だな……」と少々緊張しながらインターフォンを押すと、ヒョウ柄のオシャレなヨガウェアに身を包んだ受付の女性が迎えてくれました。初めての参加者にはギフトがあるということで受付の女性が配っていたのは、マリファナ用電子パイプブランド『Dipstic Vapes』の10%割引券とステッカー、合法大麻ショップ『HARBORSIDE』のライター、そしてオーガニックオリーブオイルとアロエジュースに大麻有効成分のCBD(カンナビジオール)と向精神作用があるTHC(テトラヒドロカンナビノール)がブレンドされた『TOPICANNA』のカンナビス クリーム。こちらは肌に直接塗布し、関節炎や偏頭痛などの痛みの緩和に役立つとされるそうです。開催場所は、クリエイティヴ広告会社のオシャレオフィス。©Monica Lo 2017会場はキッチン付きの広いフロアで、専用のウッドテラスに出てダウンタウンのビル群を見下ろせる贅沢空間! そもそもはポップで独創的なクリエイティブ広告を生み出すことで有名な某広告会社のオフィスということで、納得です。集合した後、始めの約30分間はお茶を飲んだり自己紹介をしながら、テーブルに置かれたさまざまな大麻製品を自由に試すといったサロン的な時間を過ごします。「ガンジャ・ヨガ」オークランドを運営するジェシカ・ドゥガンさん(通称:ジェスさん)が作ったスペシャルカカオドリンクも振る舞われ、大麻が吸えない私はこちらをゴクゴク一気飲み。ローズ水とカカオ、そしてアーモンドミルクに蜂蜜を加えたというなんとも乙女なレシピでウットリです♡ ちなみにジェスさんによれば、カカオは古代マヤ文明より “ハートを貫く水” と言われて儀式に使われていたのだとか。彼女がこのドリンクをセレクトしたのは「ガンジャ・ヨガ」では何よりも安全で信頼できるコミュニティ作りを重視しているため。このサロンのひとときは参加者が日常生活のストレスや不安を解放させるレッスンへと向かうためのとても大切な憩いの時間なのだそうです。©Michael Ellsbergちなみにお手製ドリンクを用意し、ヨガも指導してくれたジェスさん(写真上)は、もともとフェス専門のジャーナリストだったのだとか。カリフォルニアに渡ってから大麻専門の投資会社で働いた後、「ガンジャ・ヨガ」創設者のディー・デュソーさんと出会って共同運営パートナーとなったそうです。ところで参加者のなかにマーメイドのような金髪巻き毛ロングヘアの美女がいたのですが、「日本からやって来た」と言うととても親切にしてくれました。ジェスさんも金髪碧眼の美女だし、「美人と会えるからヨガを習いたい」と下心丸出しで言っていた男友だちの道理はあながち外れていないなと、ふと思ったりして。話がソレましたが、この日の参加者は10名で年齢層は20〜50代といったところ。男女比は1:9でした。さて、大麻をシェアしあったり談笑するうちに参加者の気持ちがほぐれてきたところで約90分間のヨガクラスがスタート。お気に入りの大麻電子パイプやイディブルと言われる食用大麻があれば、ヨガマットまで自由に持っていってOKで、参加者はみなそれぞれのペースでポーズをとりながら大麻を吹かしていました。クラスで提供されていたイディブルには、クッキー、グラノーラ、パワーフード入りなどさまざまな種類がありました(すべて写真のものは、ティーパック程度のサイズ)。向精神成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)を25mg含み、吸うタイプと違って効き目を実感できるのは胃腸に消化される3-4時間後なんだそうです。「強い大麻酔いをする可能性もあるので、未経験者は家に持ち帰って1/4程度からじょじょに試すほうがいいわ」というのがジェスさんからのアドバイス。©Cabrielle Lurieストレッチに近いようなポーズをゆっくりと心地良いペースで行い、特に子どものポーズ(写真上)がふんだんに一連の流れの中に取り入れられていました。ジェスさん曰く、ガンジャ・ヨガは単なるヨガにマリファナを加えたものというわけではないそうです。つまり、騒がしい日常の喧騒からしばし離れて、それぞれの精神の内側に入っていくワークなのだとか。確かに通常のヨガクラスに比べて、参加者たちは自分と周りの人の動きを比べたりせずに、求めるままに体を動かしているように感じました。違法ドラッグから彷彿される薄暗さや、アングラな様子はまったく感じられず、拍子抜けするほど終始爽やかでスタイリッシュなクラスでした。終了後に「頭のなかのおしゃべりが止んで、穏やかな気持ちになったわ」という参加者の感想を聞きながら、「朝の4時から夜の9時まで瞑想し続けて8日目の夜に一瞬感じられたそれが、そんな一瞬で得られるのか……」と愕然としたのも事実。でもま、自分にドSな私には地味に日々黙々と瞑想するほうが向いていそうです。SEE YOU!
2018年02月10日サンフランシスコ発のカフェ「ワイズ サンズ(WISE SONS)」が、東京丸ビルに日本第1号店「ワイズ サンズ トウキョウ(WISE SONS TOKYO)」をオープン。オープン日は、2018年2月26日(月)だ。サンフランシスコのローカルフードが丸ビルに「ワイズ サンズ」は、サンフランシスコで愛されるローカルフードを提供するデリカッセン。「ワイズ サンズ トウキョウ」でも、米国本店の意志を引き継ぎ、可能な限り手作りした拘りの食材で、本土料理の魅力を発信する。看板メニューのパストラミ店内には、フレッシュな野菜を使用したサラダや総菜など、様々なメニューが並ぶが、中でもお勧めは、「ワイズ サンズ」の看板名物パストラミだ。ユダヤの伝統料理でもあるパストラミは、オーナーのエヴァン ブルームが、子供のころから慣れ親しんできた料理。本格的な味わいを探し求めた結果、自分の手で満足のいくパストラミを完成させた。店内で提供されるライ麦のサンドイッチでは、ブレンドしたスパイスに付け込んだジューシーなパストラミを味わうことが出来る。セサミやスパイスがたっぷりとトッピングされたベーグル全5種類のフレーバーが揃うベーグルも、人気メニューのうちのひとつ。麦芽を加えたお湯で茹でた後、こんがりと焼き上げられたベーグルは、セサミやスパイスなどがたっぷりとトッピングされ、芳ばしい香りを放つ。そのままで食べるのはもちろんのこと、クリームチーズなどのトッピングを選んで、カスタマイズして食べるのもお勧めだ。また、店内には、手軽に食べれるモーニングから、ランチボックス、ティータイムのスイーツまで時間帯に合わせたメニューも用意されている。【詳細】「ワイズ サンズ トウキョウ」オープンオープン日:2018年2月26日(月)場所:東京丸ビル B1F住所:東京都千代田区丸の内 2-4-1TEL:03-6551-2477営業時間:平日 7:30~21:00/土日祝 8:30~20:00 ※オープン日の2月26日(月)は、11:00~営業席数:42席
2018年01月28日週末の爽やかな朝に、子どもからお年寄りまで人の目を気にせず、自由に踊りまくるというエクスタティック・ダンス。「シングル同士の男女が良い友情関係って築けるもの?」「まともな中年独身女性の行動って?」。そんなふうにカテゴリーやレッテルに囚われすぎてしまう自分のものの見方から少し自由になりたいと、筆者・土居がまたまた体験してみたようですが……。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 63【第63話】NOドラッグ&アルコールフリーの楽園?! エクスタティック・ダンスで自我を解放せよ!年齢とか性別とか肩書きとか国籍とか。そこを超えた視点を持って人と向き合いたいと思っているのに、なぜ、私はいつもどこかでカテゴリーやバイアス(先入観)に縛られてしまうのか? 自分がとっさにとってしまった態度や言動を客観視しては、毎晩反省会の日々です。突破口を見つけたいと、彼女ができたという友だちに「今こそこの質問ができる!」とたずねてみたんです。「あなたみたいに彼女がいたり、パートナーがいる男性とは自然な流れで友だちになれるんだけど、お互いがシングルだとなんか微妙な感じになっちゃって。どうしたら、シングル同士の男女が良い友情関係を築けるのか。アドバイス、くれない?」と。すると彼が「僕もシングルだったときは、それがうまくできなかったから、偉そうなことは言えないんだけど」と返事に窮します。ここで「そうでしたか……」と諦めていたのでは、旧バージョンの私。短期インターン先の社長(現メンター)の助言に習い、コンフォート・ゾーンを超えるべく、2018年は食い下がります。「ちなみに女性誌の編集者をしていたことがあって。そのときに『男と女 浮気の事件簿』っていうモノクロの特集を担当して、パートナーがいる男性に取材したことがあるんだけど」と言うと、「へぇ、おもしろいね。それによると彼らはどうして浮気するってハナシだったの?」。「単なる生理現象だって。だから生物学的な違いで、男女の友情っていうのは、そもそも難しいのかしらね」と試しにけしかけてみると、友だちが言葉を選びながら話し出しました。男性性と女性性のバランスを整えることが先決?「僕が思うに、男性も女性もみんな、男性性と女性性の両方を備えているんだと思うんだ。決断する強さや論理的に行動する力という男性性、そして受け容れるしなやかさや思いやり、ときにインスピレーションに従えるという女性性。100%男性性でできている人も、100%女性性でできている人もこの世界にはいない。それぞれの人に固有のバランスがある。そしてこの2つのバランスが崩れていると、ジェンダー絡みのパワーゲームに巻き込まれやすくなると僕は個人の体験から思ってる。だからまず、キミがするべきことは土居彩という人の男性性と女性性のバランスを整えて、ジェンダーを超えたエネルギーというか。キミの本質のようなものと繋がることじゃないかな。その先にきっと、女性だからだとかっていう部分を超えた土居彩という存在と向き合いたいという人との最適な関係が築けるようになるよ。それが友情なのか恋愛関係なのかはわからないけど、キミのバランスが整った状態で一番必要なリレーションシップだということは確か」。彼のセオリーには大いに納得したけど、で、2つの性のバランスを整えるって実際問題どうしたらいいワケ? ヴィパッサナー瞑想を一緒にしている別の友人に聞いてみると、「まずアヤは考えることから自由になるってことから始めてみたらいいんじゃないかな」と言われ、だから、それが難しいんだってば。すると「あ、じゃあさ。週末、エクスタティック・ダンスに行こうよ」と誘われたんです。エクスタティック・ダンスって?「エクスタティック・ダンスっていったいナニ?」。なんだか口にするのもちょっと照れるような、色っぽいネーミングです……。「ヒッピーのためのダンスみたいなもの。お酒もドラッグもナシで、週末の朝にみんな好きにダンスをするんだ。誰の目も気にせずにね。クレイジーに踊り狂っている人もいるし、パートナーとずっとハグしあっている人も。子どもと来てストレッチしている親子や、木みたいにずっと突っ立ってるおじいさんもいる。ただ自由に自我を健康的で安全な形で解放するんだよ!」と説明されます。よくわからないけど、なんか楽しそう! とりあえずピンときたら、考えるよりも体験してみる。ということで、向かった先はオークランドのダウンタウン。普段は劇場だという雑居ビルの2フロアです。費用は19ドル。日曜の朝9時30分からスタートし、13時15分終了とのこと。9時30分からの1時間はヨガだということで楽しみにしていましたが、駐車場探しに難航した結果、それは断念。10時30分スタートのダンスから参加しました。お酒も入らず、明るい場所で踊るのは……。超・恥ずかしい!高校時代(化石時代とも言えるほどの過去)はダンス部でスポ根をしていたので、「エクスタティック・ダンス、今回は楽勝だな」と思っていたのですが。フロアに入った途端、明るッ! 想像以上に爽やかな光が差し込む日曜の朝に、大音量のダンス・エレクトロニカに合わせて踊り狂う老若男女を目にして、まさかのドン引き。「一体感を味わえるよ!」という友だちをよそに “(友だちも含めた)みんな” と ”わたし” の間には、『出エジプトの奇跡』では割れたはずの紅海の大海原(※)がどーんと広がっています。※イメージは、チャールトン・ヘストン主演の映画『十戒』のあのシーン。ひとまず心を落ち着けようと持参したポットから温かいお茶を注ぎ、友だちに勧めるも「来たばかりで、もうお茶?」と笑われます。一緒に踊ろうよと手を差し伸べられますが、「ちょっとストレッチをしてからにします……」とやんわりと断ると(男友だちと手をつなぐのもなんだしね)、彼は素足になってダンスフロアへと軽やかに消えていきました。「お酒も飲まず、暗くもなく。こんな状況でなぜみんなは恥ずかしくないんだろう……」「ちょっとあの人、さっきから芋虫みたいに背中をフロアにこすりつけて床掃除状態? 服汚れるよ」「アレアレ、私って超ノリが悪いんでは……」「ここで踊らないなんて場の空気を乱している!」「やらねば、やらねば」「やっぱ、無理っす、無理っす」。エクスタティック・ダンスで自我を解放するどころか、自意識と先入観まみれになっています。周囲の目が気になる自分から自由になりたい。どうか私のエゴを解放して下さい!とりあえずせっかく誘ってくれた友だちを気遣わせてはならない。彼の目から逃れなければと周囲の状況を探っていると、マッサージ ブースを発見! 1分1ドルからのドネーション(寄付)制だそうです。「よし、これで時間を潰せる」。ボディワーカーのひとり・エム(※以前登場したエムとは別人です)に「お願いします」と言うと、「どこをほぐしたいですか?」とたずねられました。「マインドです。周りの目を気にしてしまう、私の自我をどうか解放して下さい!」と答えると、「……Wow」と一瞬驚かれたのち、「よろこんで!」。手渡されたアイピローをして簡易ベッドに横たわると、耳もとでエムが「僕のワークは、少し変わっているよ。ビジュアライゼーションとエネルギーワークを組み合わせているんだ」と囁きます。「まず、キミのお気に入りの木をイメージして……。視覚化できたかい?」と聞かれて頷くと、「その木になって大地とつながって、どんどん伸びていって……。あぁ、頭でどういう感じかなと考えるのではなく、そんな感覚を持つんだよ」。エムの声と温かなハンドタッチに身を委ねるうちに意識がどんどん遠くなっていき、気づいたらマッサージも終盤に。「キミは守られている」「そのままで大丈夫」「キミは安全と祝福と幸せとともにある……」という祈りのようなエムのアファメーションが聞こえてきて、左目から涙がツーっと頬を伝いました。たった15分のマッサージで涙がボロボロと出てしまった私を見て、「……Wow。キミに必要なセッションだったんだね」とエムに言われ、彼は自宅で4時間に及ぶフルタイムセッションも行っているということで連絡先を交換したのち、再びダンスフロアへ出陣!踊って、踊って踊りまくる!最後はみんなで寝そべり、シャバ・アーサナを。初対面のボディワーカーの前で涙を見せたせいか、首と肩の凝りをほぐしてもらって頭がスッキリしたせいかよくわかりませんが、「ま、いっか」という気分になり、まずはヨガの太陽礼拝を目を閉じて10回。体がほぐれたところで、ビートに合わせてステップを踏んでみます。すると向かいで踊っていたヒッピーと目があって、お互いにニコリ。少しづつ動きを大きくしていって、気づけば汗だくになるまで踊り狂っていました(笑)。その後、「ちょっと休憩しよう」と友だちと屋上を探検して見つけた色鉛筆やパンチを使って、自由に一緒に落書きしたり。男とか、女とか。日本人とか、アメリカ人とか。そんなことはひとまず置いといて、「なんだよ、ソレ」「カウボーイだよ」などと言って、子どものように笑い合います。最後の15分はサウンドヒーリングといって、みんなで床に寝そべり、ヒーリングミュージックと誘導瞑想に身と心を委ね、会がクローズしました。この一連の行動って、まともな40歳女性(未だにこの数字を言うたびに、凍えそうです)の沙汰じゃないですよね。でも、“まとも” の定義っていったいなんなんでしょう? 余談ですが、先日母とLINEでやり取りしていて、「最近、なんかすごく楽しいんだよね。状況はまるでかわらないんですが。とにかく、もっと友だち作らないとな!」と伝えると、しばらく間があいた後に「早く帰ってこ〜い!」とひと言。母よ、娘の何を察知した?ま、いろいろ置いといて。また家族で、温泉行こうね。そんでもって、ダンスとかもしちゃおうね。☆エクスタティック・ダンスの情報は、こちら。SEE YOU!2018年スケジュール帳の写真:手帳はシンプル派でしたが、今年はメッセージ “Amazing things can happen!” (すごいこと、起こっちゃうかもネ!(*土居的意訳です))が気に入り、ちょっぴりファンキーな手帳をセレクト。エクスタティック・ダンスの様子1:2階の倉庫スペースからパシャリ。年齢層は幅広い。エクスタティック・ダンスの様子2:みんな靴も靴下も脱いで自由に踊ります。木の写真:私が思い浮かべたのは、短期インターン先へと1時間かけて歩く途中に目にしていた紅葉が美しい木。落書きの写真:下手くそ! でも、それでいいのです。SEE YOU!の写真:メンターA氏に連れて行ってもらった、廃物アートの聖地・Abany Bulb。ホームレス、警察不祥事による被害者の人権を守る弁護士兼週末廃物彫刻家のOsha Neumannさんの作品の前で。
2018年01月24日日常生活におけるマインドフルネス、思いやりの実践ってどういうこと?論文を読んだり、研究アシスタントをしたり、瞑想しても、常に腑に落ちず、モヤモヤしていた筆者・土居。大学とも心理学やスピリチュアルな世界とも全く関係のない、短期インターン先で出会ったという社長がその疑問をパッと晴らしてくれたといいます。『能力を示そうと必死にならなくていい』『ただキミでいて、自信を持ちなさい』。そう、言われ続けた2か月間。アメリカ生活・第二章が始まります。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 62【第62話】アメリカ生活第二章スタート! アカデミック・コンプレックスをぶち壊してくれた社長との出会い。ヴィパッサナー瞑想から帰った後に何をしていたかというと、事情(私がインターンしている研究機関の研究は、予算がほとんどつかないもので、私を含めた過半数がボランティアで従事。ひとりふたりと協力者が抜けていくなか、メインのリサーチャーまでもが「これ以上続けられない」と言い出し研究業務が数か月間頓挫)があって、2か月間限定で全く違う世界でインターンをしていました。それはこちらでとてもお世話になっている友だちの関係でお話が来た、こだわりのあるユニークな会社でのこと。心理学とも大学ともスピリチュアルな世界とも全く関係ない場所でしたが、面接中、社長に「You don’t have to prove yourself (能力を示そうとしなくてもいいんだよ)。ただキミでいればいい」と言われたことがとても印象的で。アカデミックな世界で、“慈悲の心” やら ”畏怖の念” について研究している有名な人だけど、「なんだかこの人、思いやりに欠けてない?」とスター研究者のことを思ってしまったり、「一緒に本をだしませんか」と声をかけてもらってもスピリチュアルな世界での活動は常に持ち出しで、定職を持たない私にとっては持続可能な関わりかたを見出さなければいけない……。”良き人間でいる” ということと ”社会的に成功する” ということは比例せず、縁の下の力持ち的な人は現実世界では評価されず、最終的には飢え死にしちゃう? と、常日頃疑問に思っていたんです。実生活に落とし込めていない研究ってなんか意味あるのかなぁ、とも。そこでサバイバルな世界であるビジネスの場で、この経営者はなぜ「評価されようとしなくていい。ありのままでいろ」と、まるでスピリチュアルリーダーのように堂々と言い切れるんだろう? そう興味を持ってしまったら最後、私の性格上、まずその世界に飛び込んでみないわけにはいきません。インターン3日目に、自動車事故!ということでヴィパッサナー瞑想から帰った翌日からインターン生活が始まりました。初日にメモを取ろうと握りしめていたノートは社長に没収され、「ただみんながやっていることを観察するんだよ。2週間、キミはそれ以外何もやらなくていい。スポンジみたいに吸収するんだよ」と最初のカウンターパンチが。「2か月間しかないインターン期間の2週間(1/4!)、ただ見学するだけでいいの?!」。ラッキー? いいえ、観察するだけで働けないとなると、恐ろしいほど時間がスローに流れるのです。そこでバレないように、トイレにあったホウキを取り出して床掃除をしてみたりして。そんなふうに過ごしながら、勤務3日目。バーーーーン!! というクラッシュ音がオフィスに鳴り響きました。会社の前で追突事故が起こり、社員の人たちの車が巻き込まれてメチャクチャになったのです。会社の前は黒山の人だかりで、パトカーや救急車が。事故を起こしたドライバーは頭から血を流しています……。とっさにオフィスの前に飛び出して、入り口を塞いでいた壊れた車のドアの残骸を片付けようとしたら、車をめちゃくちゃにされた社員の人のひとりが「アヤ、警察が事情聴取をするから、このままにしておこうね」ととても冷静に優しく諭してくれ、その態度に感心。ほかの人も社内へと走って水の入ったコップを手にし、ドライバーに手渡しています。オフィスの中でも「あそこの十字路は信号が無くて、ずっと危なかったから」と、誰も自分の車を壊したドライバーの批判をしません。やっとのことで、「大変でしたね……」と車が壊滅状態になってしまった人に声をかけると、にっこり微笑んで「Just a car (ただの車だから)」と返事され、まだ瞑想合宿が続いているようなマインドフルで温かな気分になりました。インターン4日目は「営業にいくけど、一緒に来る?」と社長に誘われ、「まず腹ごしらえをしよう」とカフェに連れて行ってもらいました。けっこうゆっくり食べているので「アポ、何時なんですか?」と聞くと、「とくに決めてないよ」と言われて仰天。そんな営業スタイル、聞いたことないよ! と思いながら、新入社員のときに面倒をみてもらったマガジンハウスの上司のことをふと思い出しました(笑)。社長に「なんでキミをインターンに採用したかわかる?」と言われたので、「わかりませんね。なぜですか?」と聞くと、「面接で1時間以上かかったでしょう?」「はい、ずいぶん贅沢に時間をとってくれるなぁと思いました」「あのあいだに、なんか違うなってことをキミが言ったり反応したりするかなと、ちょっと意地悪な気持ちでずっとみてたんだけど、それが全くなかった。いつもこちらの話を中断せずに最後までちゃんと聞いて、言葉を選びながら正直にじっくり考えながら答える。その様子がいいなと思ったんだよ。面接中に『自分はこれができる』『あれができる』とアピールしてきて、こちらの話のこしを途中で折るタイプの人が多いけど、私はあれがすごく嫌いなんでね」と言われて、「そんな地味な部分を評価してくれる人がアメリカにもいるんだ!」と救われたような気分になりました。そして、「あ、社長。それはですね。私は英語がよくわからないので、聞いた英語を日本語に翻訳して、話す日本語を英語に翻訳して会話しているんです。だから、クイックに反応できず、自然にタイムラグができるというわけです。結果思慮深く見えていたなら、ラッキーですけど、からくりはそんなところです」と答えると、「そうだったのかぁ! だまされたなぁ!」と爆笑されました。研究者より、普通の人のほうが断然エライ、かも?交通費節約のため、インターン先まで1時間かけて歩いて通っていたのですが、それに気づいた同僚のエスがライド(車に乗せてくれること)を申し出てくれました。帰りが同じ時間になるといつも送ってもらうことになってしまうので、業務が終わり次第私が忍者のように去っていく様子を指摘されたので、「だって、あなたは私のUberじゃないもの。悪いわ」と答えると、「暗くなったあとに、1時間も歩いて帰っていく人を見過ごすことなんてできないわ。危なすぎる! そんなの当然のことだし、あなたのためというより私の正義感のためなのよ」と言われて、「なんてすごい場所に来たんだろう……」とちょっと震えそうになりました。オフィスにいる誰も慈悲の心も畏怖の念の研究なんても当然していないし、社長に至っては大学を中退したっていってるし。でも、みんなのほうがよっぽどそれらが何か、そして信頼関係を築くためにどれだけ大切なことかをわかっていて、実生活の中で自然な形で実践していたのです。ギフトリボンマスター降臨!インターン期間はクリスマスのホリディシーズンだったこともあって、商品を美しくリボン結びする業務などもありました。ネイティヴのみんなのように英語ができない私はせめてこれぐらいは一番を目指そうと週末にYoutubeを見ながら練習。結果、インターンが終わる頃にはみんなにラッピングを頼まれるほどになりました。ある日社長にちょっと散歩をしようと誘われ、「キミの働きぶりを見ていた。責任感、忍耐力、そして明るくユーモアのセンスもある。新しいことを毎日着実にしっかりと吸収している。それからキミの装いにはスタイルがあるね。まずは1年間、この会社できちんとした形で働いてみない? キミに必要なトレーニングがあれば、会社が負担するし、給料もちゃんと支払うよ」と打診されました。本当に嬉しかったです。やっと今の私に可能性を感じてくれて、現実的に私が自分の足で立って生きていくために力を貸そうという人が現れたのです。そこで友だちに紹介してもらった弁護士さんに相談。すると、現実問題としてアメリカで働くための短期ビザを発行するのはとても費用がかかるだけではなく、私のようなバックグラウンド(文系の学士で日本のマスコミで勤務)の場合、今回のようにアメリカでまったく新しい業務に従事するとなると(例えば、プロダクトデザインの仕事)発行される可能性はゼロだと言われたのです。「なんで私はこんなに歳をとるまで、アメリカに来られなかったんだろう」「なんで私には目の前のチャンスを手に入れることができないんだろう」。不満をぶつけたところでどうしようもない状況に対してひと晩だけ泣くことを自分に許して、とても有り難いお話だけれどお断りしますと翌日返事しました。その一週間後、大事なお得意先に贈るギフトのラッピングをして欲しいと社長に頼まれ、みんなが帰った後に残業をしていました。「アヤ、キミは本当に良い人だよね。そこがとても好きなところだし、会社のみんなともすごくうまくいっている。思いやりや控えめな心、大事だよね。でもそれはときにはビジネスの世界では足かせになる場合もある。バランスだよ。今のように短期のインターンをし続けて、商品のラッピングをしたり、ゴミ捨てしたりって。キミはそれをし続ける人じゃないよね? キミの今までの実績を考えると、それを活かしてキャリアを積み重ねていくことを考えていかないと。アヤ、そろそろコンフォートゾーン(ラクな居心地が良い場所)から抜け出しなさい。“良い人でいよう”とこれからは譲るばかりじゃなくって、もっと堂々と生きていくんだよ」。そして鏡の前に立たされ(苦笑)、「これがキミだよ。もっと自信を持って。自分を好きになって」。それが社長がくれた、インターン最後のメッセージでした。思いやりと自己主張の最適バランス。ところで短期インターンをしていた同時期に、バークレーのプログラムを修了してすでに半年経つのに、未だに修了書が送られてこないという事態が起こっていたんです。「どうなっているんですか?」とメッセージを3名の担当者に送ると責任者から「すぐに確認してメールしますね」と返事が来たけれど、待てど暮らせど連絡が来ない。3週間待った後に「その後どうなりましたか?」と連絡をすると、「責任者の彼女が大学生の期末テストの点数をつけたりで忙しく、しかもホリデーに入ってしまったかもしれない。連絡がつかないかもしれないけれど、もう一度あなたのほうからコンタクトをとりなさい」という返事がサブのひとりから。今までの私だったら、明らかなヒエラルキーのもとにひれ伏し、すごすごと彼女に「了解しました」といって責任者に「お忙しいなか恐縮ですが、修了書の件を再度確認していただけますか……?」と連絡していたのでしょうが。インターン先の社長やみんなのおかげで、「これは明らかに彼らの主張のほうがおかしい」と自分の感覚のほうを認められたんです。そこで「この件は、1週間や2週間の話ではなく、プログラムを修了してもはや7か月以上経っていますよね。私はこのプログラムのために、50,000ドル以上の費用と4学期という日時を費やしてきた。そしてこちらから確認しないと7か月以上も修了書を受け取れないまま月日が流れ、未だに何の連絡も無いという事態に対して、なぜ私のほうがなんどもなんども事実確認をしなければならないのですか? 私の常識では、この事態を理解できません」と主張したら、即修了書がFedEXで送られてきました。なんだ、やればできるんじゃん…。私が今まで信じていたものや、目指そうとしていた世界っていったいなんだったのかな? 最近強くそう思います。そして不思議なことに私の疑問と正比例するように、プログラムの責任者から「このところ、いったいどうしているの? あなたは、今どこにいるの?? 大学院を志望するのはもう辞めてしまったの???」と連絡が入るようになりました。これは私がかつて目標としていたものを今の私はどう見るんだろうと再確認するための良い機会だと思って、「じゃ、よかったらお茶でもします?」と返事し、会って話すことになりました。社長やインターン先のみんなと出会えたことで、アカデミック・コンプレックスやらアカデミック信仰やらをガラガラと崩してもらえた今。半年以上のときを経てその世界と接してみたらどんな気分になるのでしょうね。ちょっと不安でもあり、楽しみでもあります。See You!空の写真:インターン先に向かう、午前7時10分の空。私の一番好きなオパールカラーに染まる。カフェの写真:最近一番のお気に入りは、『Alchemy Collective Cafe and Roaster』というカフェ。バークレーでは、コレクティブといって共同経営者スタイルで運営するピザ屋やコーヒーショップがそこかしこに。カードの写真:今年も日本の家族や友だちにホリディカードを。カードを贈る相手がいるというのは、幸せなことですね。
2018年01月20日瞑想合宿で出会った、ひと回り歳下の男子・エム。歩く辞書、オタクエリートとはまさに彼のことで、寝癖がついた頭の中にはありとあらゆる情報が詰まっていて、話もおもしろい!そんな彼に好意を持たれた筆者・土居は、今度こそ年下男子に対してスマートに接することができたのでしょうか?写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 61【第61話】40歳のバツイチ女と30歳の既婚女、どっちがいい?ヴィパッサナー瞑想合宿が終わった後、ライドをしてくれたエムから来るメッセージが、週に2日、3日、4日となり……、気づけば毎日チャット状態に。バークレーにヴィパッサナー瞑想を実践する生徒が自由に利用できるメディテーションスペースがあるのですが、自然な流れで毎週末エムが車で家まで迎えに来てくれて、そこで午前中の3時間瞑想をして、一緒に公園にあるカフェでランチをするというのが週末の日課となったのです。エムは、プログラミングが天職だという自他ともに認める筋金入りのオタクで(夢は90年代のアナログ感があるゲームを作ること)、瞑想、本、音楽など情報の守備範囲も広く(彼の秘密にしておきたいやましい喜び(guilty pleasure)的BGMは、『恋愛サーキュレーション』、笑)、頭のなかで全てのインフォメーションが整理されているので、とにかく何についてたずねても説明がうまくてわかりやすい。服装に関しては全く無頓着で(エムの履いている謎のスニーカーは、どこのメーカーのものなのか全然わからない)周りに全然いなかったタイプの男子なのですが、情報キャッチセンスが良いんです。ずいぶんと歳下なのに私の知らない世界も知っている世界も把握していて、しかもその理解が深く、話していておもしろい!ひと回りも歳下のお坊ちゃん。手の甲のキスはルール違反だよ!エムが好意を感じてくれているのはわかるのですが、彼は28歳。ひと回りも歳下です。しかも学費が超高い東部にある名門大学を卒業した後、サンフランシスコに勤めるからといって親が買ってくれたバークレーにあるコンドミニアムに住むって、ちょっとしたお坊っちゃん。そんなちょっと世間知らずなエムは、私が40歳のバツイチであるなんて想像だにしていません。前回の女子(※)は、既婚者だったと知ってショックを受けたと言ってたし、女運が悪いのか、見る目が無いのか……。この人、また引っかかっちゃってるよ、いわくつきの女に。※気になる前回のお話はコチラ。ひとりっ子で家族ととても仲が良いエムが実家から連絡してきました。「サンクスギビング(アメリカ人にとってお正月みたいに家族で派手にお祝いする休日)って、どうしているの? スケートとか一緒にどう? 両親がくれたチケットがあるんだ」。ヤバイ。「インターンかなぁ…。あ、そうインターンだった!」「サンクスギビングなのに?」と訝しげに聞かれます。「みんなが休むときにこそ働く、そういう職種なのよ」「……ふぅん。残念だね……」。ある日車から降りるときに、手を貸してと言われたので「どうもどうも」と握手をしたら、「そうじゃないよ」と言われて、手の甲にキスをされました。グラッ。ど、どこで覚えた? それ。車中で手の甲にキスとは、離婚した後にできたボーイフレンドに生まれて初めてされて、陥落してしまったやつと同じじゃないの!(後日、エムからは丁寧な謝罪を受けました)。「緊急、緊急です! ねぇ、この事態、どうしたら良いと思う?」と男友だちに相談したら、「次会うときにさり気なく『40歳のバツイチと30歳の既婚者、どっちがいい?』って聞いてみなよ」と言われ、「その二択って28歳の男子にしちゃ、どっちも嫌でしょうよ」と頭を抱えながらも、緊縮財政のために訪問を封印していた素敵なバーへと彼が連れて行ってくれたのですっかりアガって、久しぶりの夜遊び。翌日二日酔いのまま瞑想にいくと、「え! お酒解禁にしたの?! じゃあ、一緒に飲みにいけるね!」とビール好きのエムがすごい笑顔に。「いいえ、お酒はやはりもうやめます。瞑想中ずっと寝てしまったから……(そう、私は尼僧の身)」と言うと、「でもさ、その人とは友だちっていうことでお酒飲みに行ってるのに、なんで僕とは瞑想場所でしか会えないの?」とたずねられました。正論です。私の事情がわからないと、理解できないよね。チャンス! 今こそ言うのだ、「私は、40歳のバツイチだから。それでも一緒にお出かけしたい?」と。すると「あ、車のキーが無い」とエムが言います。「え? メディテーションホールかな」と一緒に見に行くも、すでにカギがかかっていて中に入れません。「僕のことは気にしないで。キミの家には、僕がUberで送っていくよ。大丈夫」とエムは言いますが、そういうわけには行きませんよね。「でも明日から会社でしょ? 何日もここに停められないと思うよ。一緒に探すよ」。ひとしきり一緒に探し回ったけれど、鍵は見つかりません。すると、エムが「父さんに電話して、スペアキーを持ってきてもらおう!」と言うのです。えー、そんなことで日曜日にくつろいでいるお父さんを呼び出すの? で、お父さん。1時間もかけて、そんなことのために即来てくれちゃうの?? 「いいんだよ、これって父さんのメンツを立ててるんだよ。『お父さん、ありがとうございます。助かりますー』って女の子の前で息子が頭を下げたら、それって彼の顔がすごく立つことだからね」。私の常識では考えられない、ドラ息子っぷりにあっけに取られて気づきませんでしたが、結果1時間後、お父さんに「はじめまして、アヤです」とご挨拶する流れに。緊急事態。お父さんにご挨拶。お父さんはものすごくびっくりした顔をしています。そうだ、きっと。息子がこんな年増の女とハングアウトしていることに驚いているんだ! 起こるべく惨事を察知し、エムに「『彼女は単に一緒の瞑想をプラクティスしている人で、1年半したらアメリカに滞在するためのビザが切れて日本に帰るんだ』って重々説明しておいてね」と伝え、その事態について「再び緊急事態です」と今度は小学生時代の同級生にうろたえながらLINEしたら、「シンプルに重いよ」とアドバイス放棄(という名のもとのアドバイス)の寸殺(ガーン!)。うなだれながら車に乗った後に、「あ、ジャケットのポケットにキーが入ってたよ」と笑うエムからは、「先週父さん東京に行ってたばかりで、僕が今会ってるのが日本の子っていうのでその偶然にびっくりしてただけだよ。父さん、キミのこと気に入ってたよ」と、本当かウソかわからないスマートな返しが。なんなんだ? なんでこんなに心を振り乱されているのだ? ベジタリアンを貫き、毎朝晩ヴィパッサナー瞑想やって、心の平穏を保とうと努力しているのに。全然実生活に落とし込めていないじゃないか! ただ、良き隣人でいたいだけなのに……。エムを傷つけたくなくて、そして私が傷つきたくないだけなのに……。……私って、単なる偽善者?どんどん言いづらくなってきます。別に歳のこととか結婚歴とか聞かれていないから、嘘をついているわけではない。聞かれていないことをわざわざ言うのも不自然よね? …というか、ちょっとこれって、自分の全てを知られて嫌われたくないってことは、一周回って実は好きってコトなのかな……? いやー、それはありえないでしょう!! と、ぐるぐるぐる。なんかひと回りも歳下の男子とのやりとりにうろたえたりして、アタシ、カッコ悪。相談相手の男友だちには、「ね、マジに結婚してたんだよね?苦笑。そのヘタレっぷり、中学生、いや小学生に見えてきたわ」とまでに評され、イマイチどころか、イマヨンな女!イマヨンな女ですみません。そんななか次第に私が倹約生活をしていることにエムが気づいて「ねぇ、たまに僕が夕食をごちそうするのってどうかな?」と気遣いだし、「奢ってもらったところで、何のお返しもできないからダメだわ」と答えると、「ごちそうするのは僕の利己的な理由で(1.バークレーに友だちがあまりいない。2.行ってみたいレストランがある)、キミには何のお返しの義務が無いとしても?」(*心の声* そんなうまい話、ありえないでしょう。だてに人生経験積んでませんよ)。「ダメだよ。これはあなたには全く関係ない、私個人の心理的な問題で……。自己肯定感の低さといますか(←重ッ!)」「あ、そうそう、100ドル分のフリーチケットがあるんだった。両親が昨年の誕生日にプレゼントしてくれて、そろそろ期限が切れるんだよ……。だから、助けるという意味でさ」(*心の叫び* ご両親からの大事なひとり息子へのプレゼント?! そんなもん、絶対使えないわ!!! 親になったことは無いけど、ご両親がどんな人とキミが親しくなって欲しいかぐらい、想像つくよ!)。「エム……、一緒にお出かけはできないよ……」「That’s too bad……」「……ごめんね」そんなやり取りをしているうちに、毎日エムからやってきていたメールが週に4日、3日、2日と減っていき……。この状況で、瞑想場所への送り迎えだけをし続けてもらうのはさすがに都合が良すぎると思いだし、「歩いていきたいから」と断るようになると、メディテーション・ホールでエムを見かけることもなくなり。ありのままの自分のことを説明する機会を失くしたまま、結局、友情さえ築くことができずに自然に会わなくなりました。最後あたりのエムとの会話で、勤めていた会社のM&Aに伴って彼が就職活動を再度することとなり、必要なクオリティは備えていても自分はなかなか面接がうまくいかない。デートしても、女性に慣れていないせいでなんかしくじってしまう。そんなふうにエムがぼやいていたときに、「あなたは今でも十分素敵だけど、そうやっていろいろともがいているうちに、きっと10年後にもっともっと素敵な男性になるよ」と伝えたんです。「そんなもんなのかな……。10年も先のことなんて、今は想像もつかないよ。そうじゃない?」とエムは言っていましたが。ま、そりゃそうだ。歳を重ねてはじめて、わかることもある。でも自分の人生を振り返ると、案外、10年ってあっという間だったなと思います。ふとエムに言葉をかけた後に、離婚後にお付き合いしていたボーイフレンド(17歳年上でした)が「アヤはきっと、40歳を過ぎたらもっと素敵になるよ」と言ってくれたことを思い出しました。そのときの私は、彼にふさわしい女性になりたいと背伸びしまくっていたので、“キミは未完成だ” と判断されてしまったのかと少し複雑な気分になって、「今のままでは、まだダメなの? 40歳なんて。なりたくないわ!」と一蹴してしまいましたが、苦笑。今は彼がどんな気持ちでこの言葉を言ってくれたのか、少しわかるような気がします。以前にはわからなかったことが理解できるようになる。歳をとるのも悪いばかりではないですね。そして、なにかにGOサインを出すにはタイミングってあるんですよ、やっぱり。でもそのタイミングって、絶対なのでしょうか。いつの日か、年齢とか性別とか職業とか収入とか肩書きとか国籍とか。そんなカテゴリーたちにどこかで囚われてしまう自分のものの見方をちょっと緩めることができたら、もっと自由で素敵なひとになれるのかな。SEE YOU!©Chiha Hair※カラーバルーンの写真:どうにもモヤモヤしたときは、頭で考えなくてもよいアートを見にいきます。Oakland Museum of Californiaは、第一日曜日・ドネーション制です。※羊をめぐる冒険の写真:サンクスギビングは結局、ひとり侘びしくコーヒーを飲みながらしっぽりと読書して過ごしました。後日事態を知ったインターン先の社長が『家族パーティに誘ってあげればよかった』というので、『家族にどう私を説明するんです?』と聞いたら、『そこらの道で出会った日本人のホームレスの女性をほっとけなくて、と』。狭いけど雨をしのげるだけの家、あるわよ。失礼ね(笑)!※ピザの写真:今年のイヴはくだんの男友だちが “歳末たすけあい運動” の一環として、遊んでくれました。二人でガーリックたっぷりのピザをがっつりホールで完食!※SEE YOU!:髪を切りました! こちらでようやく素敵なヘアスタイリスト Chiha Hairさんに出会えました。
2018年01月11日カウンセラー・ピィーのもとでエネルギー心理学を学ぶことになった筆者・土居。二回目のクラスでは幸せを阻む有害な思い込みとネガティブな感情をセットにして解放するという心のツボ押し、タッピング療法・EFTを学んできました!写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 59【第59話】指でトントン、心のツボ押し。EFT(イー・エフ・ティー)で嫌な気持ちを吹きとばせ!「どうしてダメな部分も含めたありのままの自分を受け入れられない?」。心理学の世界でもセルフ・コンパッションといいますが、「私は良いところも悪いところもあるひとりの人間です」と、ありのままの自分を受け入れられる人は、自虐的になったり、無理に自分を正当化するのではない形で、過ちや自分の至らなさと向き合え、自己改善するためのモチベーションも高まるのだそうです(Briens & Chen, 2012)。前回の授業では筋反射テストを用いながら、幸せを阻む思い込みの出処を突き止め、解放した結果、アララ情緒不安定になってしまったというワタシ。エネルギー心理学以外にもクンダリニー瞑想、さらにはスティーブ・ジョブズに多大な影響を与えたというヨガナンダ師のアシュラムでクリヤ・ヨガまで始めてみたりと、まさに人体実験状態。あれもこれもと欲張りになった結果、ごった混ぜでプラクティスしていたのもよくなかったのかもしれません…。※第58回の記事授業第二回はまず、報告からスタートしました。つまり、授業の翌日に青竹入り羊羹のようにズルンッと体から何かが抜けていったこと。その後2週間ほどひどい落ち込みを経験したが、今はニュートラルな状態だと伝えました。そこから何を学んだか、とピィーにたずねられ、「究極的には、自分の完璧じゃなさを認めて、それをギフトだと思えるようになりたいんだなということです。誰かに愛されることを期待する前に、まずダメな部分も含めたありのままの自分を認められるようになりたい。そのうえで人間として成長していきたいです」と言うと、ピィーが感激した様子で両手を胸の前で組み合わせ、「潜在意識からの願いを受け取りましたね!」とひと言。そして「完璧な人なんてこの世には誰もいないのよ」と優しく諭されました。「……でも、どうしても私以外の人はみんな、私よりもずっと幸せで、ずっとマシに見えてしまいます」と言うと、ピィーが温かく見つめてくれます。EFT(イー・エフ・ティー)ってナニ?「では今日はあなたにEFT(イー・エフ・ティー:Emotional Freedom Technique)を教えるわ。不要な思い込みだけではなく、それにひっついたネガティブな感情も両方いっぺんに解放させていきましょう」と、ピィー。EFTとは、タッピングを用いた感情解放テクニックなんだそう。人差し指と中指の2本の指先を使って体にある、感情をリリースするというツボをトントンと軽く叩いていきます。開発者のゲイリー・クレイグはスタンフォード大で工学を学び、牧師出身という、心理学者でもなく、カウンセラーでもなく、全く心理学畑とは異なるバッググラウンドの持ち主。さて今回習ったのは、彼が開発した公式EFTをそのまま用いるのではなく、ピィー流に少しアレンジを加えたという方法です。叩いていくツボはイラストの通り(稚拙な手描きイラストでスミマセン……)で、以下のテキストにあるステップで行って。感情解放のためのピィー流・EFTタッピング場所1.眉毛の生え際(眉下)。→2.目の横(目尻側)。→3.目の下。→4.鼻の下。→5.あご。→6.鎖骨(の下)。→7.胸の中心(※ピィーは少し上めをタップしていた)。→8.脇の下。→9.胸の下。→10.頭頂。→11.親指の先。→12.人差し指の先。→13.中指の先。→14.小指の先。→15.空手チョップポイント。※1,2,6,8,9は、両手で左右同時にタッピングする。※手(11〜15)に関しては、左手からでも右手からでもどちらから開始しても良い。※タッピングの回数は各7回が目安。※但し、場所や回数は絶対これを守るべきというよりも、自分の感覚に従いアレンジして。口に出して言うフレーズ。タッピングしながら、嫌な気持ちやつらい気分になる現状、そしてそこで抱く感情について言及し、でもそんな自分でも受け入れると宣言する。例えば、「私は〜(自分のネガティブな状況)で悲しいけれど(否定したい感情)、私は私を完全に受け入れます」というようなイメージ。「さぁ、あなたは今どんなことでネガティブな気分になりますか?」とピィー。「うーんと…。あ、じゃあ、パートナーがいないというのはどうでしょうか?」と答えます。「では一緒にタッピングしながら言いましょう。『私にはパートナーがいなくて自分が至らない気持ちになるけれど、私は私を完全に受け入れる』」。え、マジですか?! それ、言うの? ヘラヘラと苦笑いをしていると、「グサッときているということは、解放するべき思い込みと感情の的が絞られているということですよ。さぁ!」と促されます。スパルタ! もう私はまな板のうえの鯉……。そこで、ピィーと一緒に「私にはパートナーがいなくて至らない気持ちになるけれど、私は私を完全に受け入れる」と声に出して眉の始点を軽くタップし、「私にはパートナーがいないけれど〜」と言っては目の脇をトントンと叩き、「私にはパートナーがいない〜、受け入れる〜」と脇の下をタッピング。「どんな感じですか?」とピィーに尋ねられ、「めちゃくちゃ恥ずかしいです!!! でもなんか、この状況の面白さのせいなのか、感情が解放されているせいなのかは正直よくわかりませんが、不思議と楽しくなってきました、笑」と解答。あらゆる不良債権を明言し、「でも私を受け入れる〜」と叫ぶ日々。この日はありとあらゆる私の抱える不良債権を口に出しては、「でも私は私を受け入れる〜」とタッピングし続けて90分の授業が終了。「私は毎日これを50年続けていますが、強い思い込みと感情解放の効果を感じていますよ。だまされたと思って、次の授業まで毎日やってみてください」とピィーから宿題を出されました。そこで真面目に毎日やっています。「私は無職のプー太郎で無力感を感じるけど、私は私を完全に受け入れます〜」「私は引きこもっているばかりで誰からも必要とされていないと悲しくなるけど、私は私を完全に受け入れます〜」といった具合に。英語でやるとハウスメイトに聞かれた場合、超絶恥ずかしいので、日本語で心置きなくたっぷりと行えるのはラッキーでしたね、ハハハ。より現実と向き合うために私は鏡を見ながら行っていますが、なんかこのタッピングのツボ、血行がよくなるのか、肌艶がよくなってきたような…(気のせい?)。せっせとEFTを真面目にし続けた1週間後ぐらいでしょうか、交際を申し込まれたんですよ。偶然かなぁ? あんまりよく知らないし、お互いに話も噛み合っていないように感じていた方から突然のことだったので丁寧にお断りしましたが。でも金ナシ、職ナシ、なんにもナシな私だけど「交際してみたい」と思ってくれるなんて、単なる珍獣狙いだったのかもしれませんが、非常に有難かったです(合掌)。「パートナーがいなくて虚しいけど、そんな私を私は完全に受け入れる〜」とピィーと叫び続けたEFT効果で芽生えた雑草感がにじみ出て、恋心というよりもむしろタフさを買われたのでしょうか…(うん、あんまり考えるのは止めよう……。良い出来事なのに、私の信念体系のせいで、また落ち込んでしまうから)。私の尊敬する禅僧・ティク・ナット・ハン師が彼の著書『Understanding Our Mind』のなかで意識についてこんなふうに説明しています。「子どもの頃、雨水貯水槽の底に美しい葉っぱを目にしたんです。手を伸ばして拾い上げようとしても、子ども時分の私では腕の長さが短くて届かない。そこで葉が表面に浮き上がってくるように、棒を使ってぐるぐると水をかき混ぜてみたのですが、葉っぱはなかなか浮き上がってこない。待つのもくたびれてしまったので、棒を投げ出し、遊びに行ったんです。そして10分後、貯水槽のところに戻ってみたら、葉が水面に姿を現していたんです。私が去ったあとも、水はずっとかき回り続けて、その動きが葉っぱを浮き上がらせたんですね。私たちの意識もそのようなもの。マインドから『こうしなさい』と命を受けたら、その後ずっと日夜それに取り組むのですよ」。この言葉からは、大変勇気をもらいました。つまり、「なかなか手放せないなぁ…」とがっかりするような根深いネガティブな思い込みや否定的な感情も、「解放するんだ!」という強い意志を持って意識に訴えかけたその日からずっと。私たちがタッチできないような深い深い潜在意識にまで働き続けて、いつの日かきっと置き換えられるのかもしれませんね。See You!街路樹:バークレーの通りを歩きながら街路樹を見上げると、宝石みたいな世界が広がっている。EFTのタッピング場所:胸の中心(6の場所)をトントンと叩くと少し刺激が強すぎると感じる人は、タッピングの代わりにさすってもいい。ちなみに私にはここが一番感情リリースと繋がる場所みたいです。人によってピンとくる場所もタップに必要な回数も異なるので、タップしながら自分の感覚とつながってみて。PUBLIC BIKE REPAIR SHOP:バークレーにある、自転車の中古部品を販売したり、無料で修理の方法を教えてくれたり、道具を貸してくれる場所。青少年が中古部品を組み立て修理した自転車も販売する。SEE YOU!「なんで私のアメリカ生活、我慢比べみたいになっているんだろう?」。EFTで感情を解放し続けた結果、避けられない苦労はあるけれども苦しむために生きているワケではないと痛感し、封印していたかわいいもの好き心が爆発! お店でひと目惚れしたヴィンテージ・メキシカン・ジュエリー。「これは絶対重ねづけしたらカワイイけど、2個は買えません…涙」と返却すると、「その通りね!」と店主が1個プレゼントしてくれた。
2017年10月05日ダライ・ラマ14世も言っています。私たちの人生の目的は幸せになることだと。でもお金があるとか無いとか、恋人がいるとかいないとか、そういう外側の状況を条件にしてしまうと、幸せとはとっても不安定なものに。さらには周りのことを気にしすぎた結果、自分だけの幸せセンサーも鈍っているかも?!そこで、エネルギー心理学で深層レベルに潜む、破壊的な信念体系にアプローチし、幸せを阻む思い込みを解放する方法をお伝えします。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 58【第58話】ピィーのエネルギー心理学①。幸せを阻む、不要な思い込みとさよならする!ただ今唯一の社会との接点であるUCSF Osher Center for Integrative Medicineでのインターン業務は現在、データ結果を個別に自宅作業で分析するということで、ますます家に引きこもりがちな今日このごろ。人との触れ合いはといえば、シャワールームで鉢合わせをしたハウスメイトと「ハイ」とひと言交わすぐらいで、ほぼ声帯を使うこと無く1日が終わる。オークランドにある洒落たセレクトショップに勤める隣室のハウスメイトは「明日から3週間旅行に行ってきま〜す♡」なんて日々エンジョイしているというのに、なぜ私はこんなに内向的で暗いのか。…暗い、暗すぎる! どうして、いつもひとりでいることを選んでしまうんだろう…? 誘ってくれる人が居ないわけじゃないのに。特に差し迫った予定も無いのに「今日はちょっと…」なんて言って、引きこもってしまうのだ。あぁ、暗い…。そんな筋金入りの出不精な私を友だちがお散歩がてら訪ねてくれたので、部屋でお茶をしながら久しぶりの談話♡ お互いにメタフィジカルな世界に興味があったということで盛り上がる。「編集者時代いろいろ頁を作ってみたんだけど、どうしてもフワッとした感じになっちゃって。はっきりとした論拠を言い切れない世界だから、なんか占いとかおまじないっぽい感じになったり。逆にお坊さんとかに瞑想について語ってもらうと説教臭い、宗教臭いって引かれちゃったりね。だから科学的根拠がとれるもので一番理数系から遠くてOKなものって考えたら心理学かなって思って勉強してみたんだけど、瞑想しながら自分の心の動きを観察していると、感情とか肉体(脳)とかってレベルだけでは捉えきれない部分が多くて。じゃあ何を学んだらいいのかっていうのは未だわからなくって瞑想だけに迷走中(おやじギャク……)」と心の内を吐露した。すると友だちがゆっくりと深く頷きながら、「ねぇ、アヤちゃん。まず、ドンズバ気になるところを突き詰めていってみてもいいんじゃないかな」とひとこと。彼女は超高学歴、エリート研究者だったが、今はそのあたりから完全に突き抜け、全くの別世界で羽ばたいている。まぶしい……。「なんか怖いなぁ…。それ、やりきったところで使い物にならなさそうで」と言いながら現状を振り返ってみると、どのみち世間で役立つ人間ではないというアテクシ。「行き着いた先で、得た素材たちをどう変換するかを考えたらいいんじゃないかな? 編集者だったんだし、そういうの得意でしょ(笑)」。彼女のアドバイスはとてもクレバーで、核心をついている。「あ、そうだ」と、ちょうど翌月から彼女のカウンセラーが月に二回のペースで、エネルギー心理学のクラスを始めるという。「一緒に勉強してみない?」と誘われ、一か八か飛び込んでみることにした。エネルギー心理学って?エネルギー心理学のクラスが催されるという指定の場所、オークランドにあるクリニックをたずねると迎えてくれたのは、ほっそりとした真顔も笑顔なピィーだった。彼女はJohn F.Kennedy大学で心理学のマスターを取得したカリフォルニア州認可セラピストであり、ヒーラー。シータヒーリング(脳波をθ波に合わせ、無意識下の思考を癒し解放するとされるヒーリングメソッド)、TAT(体の部位を軽く指圧しながらネガティブな感情やトラウマを消し去るとされる代替セラピー)、DEH(シャーマンの智慧、エネルギー心理学、心理学を組み合わせた代替療法)など、エネルギー心理学をベースとしたワークのインストラクターでもある。「まず始めに、エネルギー心理学って、何だと思いますか?」とピィー。「うーん……。例えば原因不明の腰痛で悩んでいて病院を訪ねたら「ストレスです」と診断されたとしますよね。鍼灸だと肉体を媒介にして症状にアプローチし、心理学だと思考や感情を糸口に働きかける。エネルギー心理学は、私たちを形作っているさらに本質的な領域、無意識下のもっと深いレベルまで踏み込める治療法なのかな…と漠然と思ってやってきました」と答える。「良いですね。そしてエネルギー心理学は、鍼治療の経絡理論、神経科学、物理学、量子力学、生物学、医学、シャーマニズムなどの古来の智慧、心理学など、関連する分野の概念、技術を統合して行います。さて今日は何をテーマに学びましょう?」。ピィーの授業スタイルは、決まりきったカリキュラムは無く自由で、あくまでも生徒とのやりとりをベースにした有機的なものでありたいという。「今私が知りたいのは、どうしたら無条件に幸せになれるのかということ。他人や世間の評価や、お金があるとか無いとか大きな家に住んでいるとかいないとかといった外的な条件に左右されず、自分で自分の愛やエネルギーに繋がれるようになりたいんです。スワミ(ヒンドゥー哲学の先生)からは、それは私たちに内在する無限のエネルギーにアクセスすることで、自分のゴミ箱(シャドー)を認めて受け入れた先にあると言われ続けています。「なるほど」とわかっているのに、どうしても「私は至らない」「まだまだこれをしなければダメだ」という思考が邪魔をして、不足感の中で生きてしまいます。この要らない思い込みを手放さないと幸せを感じられないとわかっているのに、過ちを繰り返してしまい、実践するのが難しいんです」。ピィーは大きく頷きながら「では不足感と逆のもの、豊かさとあなたが繋がった場合、どんな怖いことが起こりうると思いますか?」とたずねてきます。さすがカウンセラー、良い質問!「他者からの妬みです」と、意外にも即答する私。そんなふうに思っていたんだ、私ってば…。「人から妬まれたら、どんな恐ろしいことが起きますか?」。「つまはじきにされて、ひとりぼっちになってしまいます」と返事をしたら、胸がキリリッと痛んだ。「でも……今豊かさの感覚とつながっていませんが、どのみちひとりぼっちですね」と自分の計算式の矛盾に気づくと、ピィーがにっこり。有害な思い込みが潜む、4種類のレベル。ピィーの笑顔に安心し、私は続けます。「苦しみを体験すると、”なぜこの人とわかりあえないのだろう“ ”どうしてこんな気持ちになるのかな“ ”どうしたらこの心の痛みを変容できるのか“ と考える機会が持てます。今この授業を受けているのもそうですが、それは私が学び続けることへの原動力にもなっていて。また、辛い経験をすることで気づきの幅も広がり、少し優しくなれるようにも感じます。元来ナマケモノなので、豊かさに繋がったり幸せな状態になると勉強も、努力もしなくなる。そうなってしまうのが怖いというのもあります」。なるほど、「至らない」「不十分だ」という自覚の奥には、苦行を乗り越えてやっと願いを叶えることこそが素晴らしい、という私の信念もあるのだ。それに対してピィーが「でも、学びの動機が単なる好奇心というのでもいいでしょう? それから苦しみを知らないと人を幸せにできないって、では笑顔で癒してくれる赤ちゃんはどうなんですか? 思いやりを育むために、痛みや苦労は不可欠ではありません」と、私の不要な思い込みの矛盾をついていく。まさに、その通りだ。無意識レベルから顕在意識下まで、私の抱いている不要な思い込みを浮かび上がらせられたのはいいけれど、いったいその信念体系はどこからやってくるものなのか。そして、自覚しているのにパターンが変えられないのはなぜなのか。「リリース作業を進めるうえで、まずあなたのその思い込みがどのエネルギーレベルにあるかを知る必要があります」と、ピィー。彼女のシータ・ヒーリングを元にした考えによれば、その出処は4つの段階に潜んでいるという。信念体系を形成する4つのレベル1.コア信念レベル:「私は十分に賢くない」「人に迷惑をかける自分は存在価値がない」などといった自分が抱える核となる信念。子供のころから大人になるにつれて他者(親、教師、親しい友人など)や社会によって教えこまれた結果、受け入れてきた考え方で、私たちを形作るエネルギーの一部となっている。2.ジェネティック信念レベル:祖先から受け継いだ遺伝による信念パターン。ネガティブ、ポジティブに関わらず、血族から伝承された思考や行動様式が遺伝子レベルで組み込まれる。このインプリントは物理的なレベルで考えるDNAではなく、DNA形成時のエネルギーとして保持されたものと捉える。3.ヒストリー信念レベル:現世や前世で実際に起こった出来事、思い出が引き金となって抱いた信念。母親の子宮の中での深い記憶も含む。4.ソウル信念レベル:魂レベルの信念。信念レベルのなかで最も深い層に位置し、ハートのチャクラ(胸の中央あたり)にエネルギーが存在する。このレベルにある不要な信念をクリアにすると気持ちが軽やかになったり、平穏な気分になる。「さぁ、あなたの信念体系がどこからやってくるのか、キネシオロジー(筋反射テスト)で診ていきましょう」とピィーに促され、起立。キネシオロジーとは、筋肉を通して本音を読み取るテクニックだ。「背筋を伸ばして真っすぐ立って。両手は肩をリラックスさせて体のサイドに。目を閉じてたずねてください。『Yesのサインを教えてください』と」。結果、私の場合Yesだと体が前方に、Noは後方に傾く様子。ペンジュラム(ダウジング用の振り子)を用いる場合も多いが、初心者にはこれが一番わかりやすいという。Yes Noの筋反射を手がかりにしながら、潜在意識に問いかけていく。「私のこの『ありのままの自分では至らない』という信念体系はコアレベルからくるものですか?」というように、コアレベルからソウルレベルまでひとつずつゆっくりと。胸の中央をさすりながら信念体系を解放すると、涙が。キネシオロジーの結果、私の信念体系は2のジェネティック信念レベルからくるようだ。再び筋反射テスト(今度はピィーがペンジュラムを用いて)を行った結果、父方は5世代前、母方は7世代前と父母両方の祖先から代々受け継いできた、根強い信念体系だという。「あなたのご両親はよくやったと思うわ。なぜってご自身もこのパターンを受け継いでいるけれど、あなたはヒストリーレベルでは体験としてそれを抱えていないから。さぁ、もう手放しましょう」。解放の方法は、ハートのチャクラのある胸の中央あたりを優しくさすりながら目をつぶってアファメーションするというもの。「あなたがたから受け継いできた『私は至らない』『何かであらねば存在する価値が無い』という信念を私はもう受け継ぎません。それらを手放します」。そう声に出して宣言するのだ。私がジェネティックレベルの信念をクリアできれば、最大7世代前の(もしくはそれ以上、つまり兄妹や子孫まで)DNAを共有するすべての関係もクリアされるという。そこで父と母、兄、祖父と祖母と目を閉じて思い浮かべていると、その先の会ったこともない着物姿の人たちの姿もふと浮かんできた。すると、左目からのみ涙がツゥーっと。「どうですか?」とピィーに尋ねられて、目を開けるとクンダリニー瞑想中にいつも体験するのと同じように視界が、紗がかかったようにふわっとして強い光に包まれている。「彼らの悲しみがハートに直接伝わってきました。ひどく不憫に感じ、『あなたたちは十分にやってきた。もう苦しまなくていい。みなさんが居なければ、私は存在できなかった。だから、本当に有難うございます』と伝えました。どうしてこんなに精一杯やってきた人たちが自分を責め続けなければならないのか。その苦しみを取り去ってあげたいと思いました。彼らに対するあふれるような感謝の気持ちが湧いてきて、そしてもうこの信念体系による痛みや苦しみを次の世代に受け継ぎたくないとも」と答えた自分が、普段よりもどこか凛としていて、うまく表現できないのだけど…。私が目の前のピィーを見ているのだけれど、私以外の誰かが私の目を使って彼女を見つめているような、そんな不思議な気分になった。まるで青竹入り羊羹。何かがズルンッと抜けてった!その翌日、とても奇妙な体験をする。気絶しそうなぐらいに眠かったので、目の前の全てを中断し、とことん寝ることに。すると眠りながら激しい悪寒が。私は神社やお寺にいった翌日に高熱を出すことがあるので『また、あれか……』と思いつつ、『明日プログラミングのワークショップ、朝からあるから困るなぁ。まぁ、仕方がないか。身を委ねます……』と考えていると、何かがズルンッと体から抜けていった。青竹入りの水羊羹ってありますよね、アレみたいな感じ、笑。かなり深い睡眠だったのだけれど、体験したことのない異変に「な、なんじゃコリャ」と思わず目を覚ましたぐらい。その体験の後1週間ぐらいは、ものすごーーーーーーーーーく、気分が落ちた。「おいおい、エネルギー心理学って大丈夫なのか。タッチしちゃいけない領域まで入ってしまったのでは」と正直不安になったけれど、ピィーは信頼できるカウンセラーだと感じたので、落ち込みに抵抗せず、ちょっと離れて観察してみることに。そこでなるべく緑をみたり、寝たいだけ寝たり、部屋を掃除したり、ピィーにもらったアロマオイルでマッサージしたり、フレッシュなフルーツを食べたりとなるべく穏やかに過ごした。すると少しずつ気分も回復していき、ニュートラルな状態になった、2週間後。二回目のピィーのエネルギー心理学の授業へと向かったのです。See You!写真:doTERRAのオイル授業のあとにピィーにプレゼントされたdoTERRAのエッセンシャルオイル、White Fir。世代間の思考パターンを顕在化させ、クリアしていくという。1日に二度、胸の中心に数滴塗布する。写真:Blue Bottle CoffeeのカプチーノGreater Good Science Centerのインターンを辞めた後、カナダ在住の編集者がバークレーに来るということで誘われてお茶を。「実は履歴書見た時点から、なんでこんなにいろんな資質がある人がこのポジションに応募してきたのかなって疑問に思っていたのよ」と言われ、「えっ、そうだったのー?!」。他人が自分のことをこう評価しているはずというのも、自分の信念体系という色眼鏡から判断したもの。だから実はそれって真実じゃないのかも。写真:蜘蛛の巣ハウスハロウィーンが近くなると、お化け屋敷デコレーションをするお家がちらほらと。遊びゴコロがあって、良いですよね。見習いたい。See You!今年3月、バークレーClaremontにできたヴィンテージショップにて。「欲しい」「いや、買い物なんてしている場合じゃない」とせめぎ合う心の内がちょっと不安な表情に出ているなぁ。
2017年09月30日大学院へのチャレンジをいったん保留し、Greater Good Science Centerのインターンも辞め、目指す方向を見失った筆者・土居。父や元カレに指摘されたように、どうしようもない状態になって帰国することになるのだろうか…。貯金残高やビザのタイムリミットもちらつき、言いようもない不安感が押し寄せる。もはや神頼み、「内なる神さま、向かうべき方向を教えてください!」と心のなかで唱えていると、コーヒーショップで隣席に座っていた女性に思いがけず話しかけられたのですが―。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 57【第57話】ゴールはおろか、今何がしたいのかすらわからない。「だったら、4歳のあなたに聞いてみたら?」。最近よくみる悪夢は、貯金が尽きてビザの期限も切れた。さてアメリカから日本に帰国しなきゃいけないのにこのままでは食べていけない。なんのスキルも無く、生活していけないといった内容です。威勢よく父や元カレに啖呵をきったものの、「彼らの言ったとおりの状態になっているなぁ。やはり彼らのほうが人生経験豊富だし、私は世間知らずのバカだったのだなぁ……」と、うなだれたりして。「大変ですね」「頑張っていますね」と言われますが、目指す方向が定まっているときは、やらなきゃいけないことが山積みでもお金が無くても意外に大丈夫なんです。キツイのは、向かうべき場所がどこなのかがわからないとき。本当に自分がやりたいことが何なのかが定まらず、目を向けられないときです。そして、それはまさに今の私。渡米理由だったGreater Good Science Centerのインターンを辞め、あのまま続けていても違っていたとはわかっているものの、ぽっかりと空いた穴は未だ塞がらぬまま。目覚ましをかけずに思いっきり寝られる、バンザーイ!と思っていたのも、つかの間の極楽・約1週間。その後は、言いようもない不安感と無価値観が襲ってきます。貯金には限りがあり、ビザのタイムリミットとともに「早く答えを出せ!」とジリジリ迫ってきて―。でも、ど、ど、ど、どうしたらいいのかわからない……。本音に目を向けること=社会からはみ出してアウト?第34話では、直感カウンセラーのリン・ロビンソンさんにすべてのプロセスを信頼して、とアドバイスされましたが、心理的にそう悠長に構えてもいられないチキンな私。「内なる神さま、ヒントだけでもいいからどこに向かっているのかを教えてください!」。そうぶつぶつと祈りながら、UCSFオシャー・センターでのインターン業務前、データ計算を行うためにコーヒーショップへ。私にはデスクがないので、自宅やコーヒーショップを作業スペースにしているのです。『The Left Brain Speaks The Right Brain Laughs(左脳は語り、右脳は笑う)』というランサム・ステファン博士の本を机に置いて席を確保し、注文へ。いつものお決まり、本日のコーヒーとバナナブレッドを抱えて席に戻ると、隣の席に座っている女性が「それ、おもしろいのかしら?」と話しかけてきました。「あ……これ前にインターンしていたところ (Greater Good Science Center)で借りた本で、まだ12頁ぐらいしか読めていなくて。だからおもしろいかどうかまだよくわからないです。でもややこしい脳神経学の専門用語をうまく説明しているなと思いますよ。なぜですか?」と答えると、「クリエイティブ・ライティングのコースを教えているから、どんなものなのかなってちょっと興味があったの。私はジェイ、はじめまして」。そこで世間話が終わるかと思ったのですが、ジェイは依然としてがっつりと私側に体を向けています。そこで「あ、私はアヤです。この近くの研究機関で体内感覚と感情のつながりについての研究のアシスタントをしています。日本人と日系人を治験者としたものです」。「へぇ、なにかきっかけがあったの? あなたは研究者かなにか?」とジェイが。「いいえ。私は瞑想の実践者なのですが、その体験から自分が思考に巧みに騙されていると感じまして。では、体内感覚はどうだろうと興味を持って、お手伝いすることになりました。でも、この研究に関わりながら、私も含めて日本人にとって体内感覚に繋がるということもまた、難しいんじゃないかと感じています」と話しました。「おもしろいわね。それはどうしてなのかしら?」とジェイ。「”出る杭は打たれる“ ということわざが日本にあるのですが、ご存知ですか?」とたずねると、ジェイが肩をすくめます。「アメリカ人に比べて日本人は集団の和の中で生きています。目立ちすぎないように注意を払い、規制し合って、助け合って、均整をとる。例えばスターバックスのトイレだって、こちらアメリカと違って日本のものは驚くほど清潔に保たれています。でも体というのは個々のもので、誰ともシェアできませんよね。だから悲しみを感じると胸がギュッとするとか、何か釈然としないとお腹のあたりがざわつくといった体内感覚に繋がるということは集合的な価値観から独立した “自分” とアクセスするということ。それは私たちの感情にもつながっていくことだと感じています。でも、そういった体内感覚に敏感になってしまうと、和を保つために “我慢” が重んじられる日本社会にうまく適合できなくなるんじゃないかという無意識の不安やタブーが私たち日本人にはアメリカ人よりもあるんじゃないかなと感じるんです」。「あなたもそうなの?」とジェイが身を乗り出して聞いてきます。「正直を言えば、そうですね。瞑想なんかをやっていますけど、体内感覚につながった結果、抑圧していた感情とも向き合わないといけないので、しんどいですね」。「でも大切なことよ。どうか、あなたの感覚を信頼して、愛情込めて自分を大事にしてあげて」とジェイ。「でも自分を大事にするという感覚がよくわからないです。集団の価値観の中で生きてきましたから、いきなり好きなことをやればいい、何がしたいの? って言われてもよくわからないです」。ジェイがびっくりした様子で聞きます。「それって子供の頃から?」。あるがままの喜びを知るのは、4歳の頃の私。「たぶん、子供の頃は違いました」。「じゃあどんなときに喜びを感じて自分を大事にできているなと感じた? 子供の頃を思い出してみて」。なんと突然ジェイによる公開カウンセリングが始まりました。コーヒーショップで、笑!「祖母の家で、ただひとりで落書きをしていたときですね。それは、完全な安全と安心感のなかで。描いた絵がうまかろうが下手だろうが誰にもジャッジされない。ただ絵を描くのが楽しいから描くというような、その先のことや評価を考えなくてもいい。ただ今やりたいことをやってOKという守られた感覚のときですね」。「それっていくつぐらいのとき?」。「4歳ぐらいかな」。「じゃあ、これから何かをするとき、4歳の頃のあなたに聞いてみたら? これ、本当に楽しい? やりたいの?って」。「でも人生の大切な決断を4歳児にさせるって、だいぶリスキーじゃないです?笑」と私。するとジェイに「だけど、4歳のあなたしか、あなたの喜びがわからないんでしょう?」と言われ、まさにその通り。「でも私たちは学ばないと、知識を得ないと、経験しないと何かに到達できないと考えていますよね? 4歳児の私に比べて、今の私のほうが長く生きてきた分、それが多少あると思うんですが」。するとジェイが優しく辛抱強く私を諭します。「そうじゃないの。外側の何かは確かに論理的に物事を判断したり、整理する助けになると思うわ。でもね、大事なのはあなたの内側の感覚。嬉しいとか、悲しいとか、辛いとか、あなたの心と体が今何を感じているの? それを聞くのよ。そして、信頼して答えを待つの。その結果として、あなたのクリエイティヴィティとも繋がれるの。内側に聞いて待つ。必要なのはそれだけよ」。するとどんどんどんどん私の自我が、ジェイの言葉を受け入れたいのにそれを無視しようと躍起になります。「ただ今を感じるなんて、贅沢すぎませんか? 私はマインドフルネスの実践者でもありますが、いっぽうで “今を生きる” ということに罪悪感を持ってしまうんです。未来や過去に対して無責任な気分がして。ただ自分の感覚とつながって、今を感じるって、それっていいの?って。社会に対して何も還元できないばかりか、自分の人生をも放棄しているようで…」。するとジェイがキッパリと言います。「それは違うわ。今という瞬間にしっかりコミットすることで、過去や未来も獲得できるの。むしろ全てとさらに強く関わり合えるのよ。”ただあなたである“ というのは、人生を放棄して漫然と好き勝手に遊ぶというのとは違う。今に寛ぎ、それを味わうことで、何をあなたが感じているのかを知る。そこから気づきや本来やるべきことに導かれていくのよ」。私たちをもろくするものは、私たちを美しくするもの。初対面にも関わらず90分ほど話し込み、「いつでも連絡ちょうだい」と最後に名刺をくれたジェイ。彼女は作家だった。17歳で子どもを産み、38歳で夫を亡くして未亡人となり、45歳でスタンフォード大学で学士を取得し、孫が産まれた年にフィレンツェへ海外留学。自分より半分以上年下の同級生とともに学んだ、とインターネット上にありました。全く違う部分もたくさんあるけれど、どこか私の人生と重なる部分もある。しかし人の人生にはそれぞれにそれぞれのタイミングとドラマがあるものですね。体内感覚のように誰ひとりとして全く同じ体験は無く、それが美しい。ジェイに会った翌日はインターン業務も無く、完全なオフでした。そこで「よし自分を大事に喜びで満たしてあげるぞ」と、あのカフェに行って名物チャイを飲み、あの映画を観て……といろいろと妄想するも一応、4歳児の私を心の中に思い浮かべ確認してみます。「何がしたい?」と。すると、「家に居て、GREの勉強がしたい」と言うのです。意外!! 実は前日に「いったいこれからどうするんだ?」と、心配したおじからもらったメールにも「今は大学院を目指す意味がわかりませんので、もうGREは勉強しません」ときっぱり返信したばかりだというのに。ビザだってあと2年しか残っていませんよ? 貴重なアメリカ生活、目標も定まっていないのに、部屋にこもって参考書を読んで潰すのーーー?!で、ふと気がついたのです。頁を開くたびに意味不明でため息すら出てしまう、GREの参考書。文章題を解こうとするたびに「私って、救いようのないほどのバカ……」と自己肯定感もひたすら下げてくれる、G・R・E! 今の私にとってGREというのは「やってもムダ」「時間がもったいない」「ムリだ」「結果は出ない」「(人と比べて)今の私って(歩みが遅くて)恥ずかしい」という私のネガティブな自己知識や信念体系を最も顕著に投影してくれる存在だったのです。でも4歳児の私にはただそれを「やりたいからやってみて悪いの?」「結果が伴わなければ、チャレンジしてみたいって気持ちをムシしなきゃいけないの?」「絶対にどこかに向かってないとやっちゃいけないのかなぁ……?」と、なぜ熱意において成功の保証が必要なのかと、疑問でならないのです。そこで、今に集中して完全に不安や思考からフリーな状態になれていたあの頃を思い出してみます。「あぁ、そういうことなのか……」と、とりあえず参考書に向かってみました。今やっていることが何なのか、その先にゴールがあるのかすらも正直わかりません。さらには未だに大学院を目指したいのかもわかりません。でも、結果を手放し今に集中するというレッスンをしているんだなとわかりました。GREというのは単にそれをわかりやすく表現してくれているひとつのフォームに過ぎないのです。この先、これに変わる別の対象物が見つかるのかもしれないし、これこそがその対象物に向かうための必要な過程なのかもしれません。それはまだ今の私にはわかりません。ただ、私の体験からみなさんにもお伝えしたいことがひとつあります。思考にトラップされて、言いようのない不安を感じることがあっても、自分が存在するのに値しないという恐れがあったとしても、助言が必要なときに心を開いて待てば、必ず答えはいつかやってきます。それがいつになるのかはわからないし、その形もさまざま。例えば今回の私のケースのように通りすがりの人の言葉だったり、または友人からのメールだったり、ふと目にした看板のメッセージだったり、耳にした音楽のフレーズや本の一節だったり、です。そして「答えが欲しい」とすがるような気持ちにさせてしまう、心をもろくするものこそ、私たちを美しくするものなのかもしれないとも感じます。See You!猫の写真:愛想笑いなど一切しない近所の猫。でもどうしても友だちになりたくて、おそるおそる近寄ってみたら、くしゃみをされて鼻水をぶっかけられました。自立について学びます。Activistの写真:学生活動家などのアクティビストたちが盛んにそれぞれの意見を述べたり、抗議のデモや集会をするバークレー。トランプ大統領就任以降、『Black Lives Matter(黒人(も白人もみんな)の生活は大切だ)と書かれた紙が貼られた窓を数多く見かけます。正直私はどこかいつも取り残されたような気分になります。なぜだろう?Bouquet marketの写真:CAVIER & CIGARETTEのオーナー・ブロンディに誘われて足を伸ばした、ブーケ・マーケット。バークレー 4th streetで定期的に行われる感度の高いマーケットで、デッドストックショップや新参デザイナーのジュエリーや家具などが揃います。SEE YOU!週一で友達に教えているヨガでの一コマ。これが公園だというのだから、すごく贅沢。バークレーの豊かな自然にはいつも深い安らぎとインスピレーションを与えられます。
2017年09月22日洋服を寄付した帰り道に、必要な家具を拾う。Uber代を散財した代わりに、読みたかった本が手に入る……。何かを手放すと必ず何かを受け取る体験を繰り返し、「世界は自分が思うよりもシンプルにできているのでは?」と感じ始めた筆者・土居彩。では、ひとつずつ、少しずつ、思い込みを取り去っていったら、どんな自分と出会えるんだろう。そこで、彼女は大決断をします。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 56【第56話】ホント!手放せば、新しいものが入ってくる。渡米理由だった研究所インターンを辞めてみる。最近とっても不思議なのですが、何かを手放すと必ず何かを受け取るようになっているなと思うことが続くのです。例えば引っ越しに伴って洋服をさらに減らそうと、ドネーションボックスに寄付をしたり、友だちに受け取ってもらったりしたんです。80cm幅のクローゼットに入るぐらいだから、最終的に上下8セットぐらいになったのかな? 「これは、あのデートのときのだな」とか「取材のときに着ていったら褒められたよな」などとそれなりに想い出深い品々でしたから、人手に渡すとなると身を切られるような思いもしました。でも、ま、部屋に入らないなら仕方がない。「今までどうもありがとう。良い人と新しいときを過ごしてください」とバタンとボックスの蓋を締めて2ブロックほど通りを歩いたら、なんと引越し先の部屋にちょうどいい感じ。観葉植物とケトルを置くのにぴったりなスツールが放出されていたりして、ラッキー!先日も楽しみにしていた友達のお話し会があったのですが、うっかり寝坊してしまいました。まったくの言いわけですが、最近本当に寝ても寝ても寝足りないのですよ、眠くって! 現地まで1時間かけて歩こうと考えていたのですが、すでに取り返しのつかないほどの大遅刻中。そこで奮発してUberで向かうことにしました。ところが運転手さんが道に迷ってしまい、倍以上の料金がかかってしまったのです。「楽しい会話でした。ありがとう」と降りる際に言われて、それに対して笑顔で「良い1日を」と返事しつつも、ケチな私は内心「チッ」と舌打ち。帰りは友だちがライドを申し出てくれましたが道草したい気分だったので固辞し、ぶらぶらとお気に入りの公園に寄りつつ歩いて帰ることにしました。すると道中で、バークレー名物の道端本ボックス発見。中をのぞくと読みたかったラマナ・マハリシの本が。「おー、またオーバーしたUber代がチャラになったなぁ」というわけです。野花を摘む心と時間の余裕とマリファナハウス。今の生活では友だちが部屋に遊びに来てくれるとなると、まず午前中に野花を摘みに通りを散歩します。バークレーという街は気候が寒すぎず暑すぎず穏やかで緑がいっぱいなので、表参道なんかの素敵なフロリストで売っているような花が普通に道端に咲いていたりするんです。まぁ、それが所有地なのか原っぱなのかそこはちょっと見極めが必要だったりもしますが。そこもスリリングで楽しいところ!(なんて)。今までの人生のなかで、お客さんを迎えるために街を散策して野花を摘むという時間と心の余裕が自分にあっただろうかと思います。無かったですね。お気に入りのキャンドルを焚きながら、その香りを封じ込めるようにシーツをホテルみたいにピーンっとなるように毎日アイロンをかけたりもして。「この時間、すごい贅沢だなぁ」と思います。そんなふうにウットリと悦に入っていますが、現実問題全人生でもっとも狭いうえに、ハウスメイトがシャワーに入ると部屋全体が揺れるぐらいのボイラー音がするシャワー室に隣接した部屋で暮らしています。廊下からは彼らが吸うマリファナ臭が漂いますし。そういえばこのあいだ訪ねてくれた日本の方からは、「なんか、(この家)アジアっぽいですね」と言われましたしね(ソレどういう意味?、笑)。ほかに7人もハウスメイトがいれば、衛生レベルも騒音レベルもそれぞれなので、アジア勢である日本人の私と韓国人の友だちがだいたいいつもふたり頭を抱えながらせっせと掃除することになります(それでも追いつきません)。豊かさと貧しさの価値観がゆらぐ。でも最近、なにが豊かでなにが貧しいのかという自分のなかの判断基準がよくわからなくなってきているんですよ。「いつもヨガを教えてくれるお礼」とハウスメイトがなけなしのお金を叩いてお気に入りのケーキショップで買ってきてくれたティラミス一個を二本のフォークで突きながら一緒に食べたんです。ananでオヤツ頁を担当していたからありとあらゆるスイーツを食べ尽くしてきた私ではありますが、「これ、ティラミスっていって、私の一番好きなケーキなの」なんて言われると、「へぇ、ティラミスっていうんだね。お酒がきいていておいしいんだね」と、まるで初めて食べたときの気持ちを再体験させてもらえたようで、もう本当に一生忘れられない味になるんです。とはいえ未だに、現状を惨めに感じることもあります。2週間ほど前のことでしょうか。バークレーの街を歩いていると、キレイに刈り揃えられた生け垣にぐるっと囲まれた大きな家があったんです。それは、京都にあった祖母の古い洋館を彷彿させる家でした。「もうあんなお屋敷みたいな場所には、一生ご縁が無いのだろうなぁ。速攻で締め出しを食らってしまうような存在になったものだな……」と自分がどうしようもなくちっぽけで、落ちぶれたように感じてしまう、いつものクセが。小さい頃は、ただ “セミが一杯捕れる、大好きなおばあちゃんが住む家” でしかなかったのに、こんなふうにこの家に圧倒されてしまったのは、どうしてなんだろう……?祖母が亡くなったとき、それは私が大学生の頃でしたが、おじに「なんでも好きなものを持っていっていいから、ひとりで一度訪ねてきなさい」と言われたんです。私は大変なおばあちゃんっ子でしたから。祖母がいないガランとした洋館にしばらくひとりにしてもらって、ようやく彼女と一緒に遊んだリボンや祖母の編みかけの毛糸、食事に出かけたときに彼女が履いていた草履などを持って帰りました。それらには、彼女のぬくもりが感じられたからです。すると家族に「なんでそんなガラクタみたいなもんを。翡翠のついた化粧棚とかいろいろあったでしょうに」と苦笑いされて、自分の見る目の無さを恨みましたねぇ、あのときは。あぁ、こういうときにはそういうものを選ぶべきだったんだ、損したッ!と、笑。自分の思い込みにダマされているのかも?バークレーのお屋敷と自分の部屋、ガラクタを持ち帰ってしまった私……。「私って、どうしようもないほど生きていくために必要な見る目がないのかな」。そんなふうにモヤモヤしていたとき、いつも夕食に招いてくれる友人夫婦がたまたまメッセージをくれました。それは私の価値観をぶっ壊してくれるものでした。その内容とは、アヤが我が家にしょっちゅう来てくれるの、すごく嬉しいし、楽しい。お世話している気は全然ないし、励まそうとか、応援しようとか、そんなんでもない。ただ一緒に過ごせて楽しいし、それだけと違って、辛いこともしんどい事も話せるし、学びの事や未来の事も一緒に語れる。アヤはお金じゃ買えないものの価値をちゃんと知っていて、その価値を私たちにも惜しみなくわけてくれていると思っている。わかっていると思ったけど、ちゃんとはっきり伝えておきたいと思ったからあえて書いてみた、というものでした。どこかいつも世話になっていることで申し訳ないと思っていたことを見透かされたような気がして胸がいっぱいになってすぐに返事ができず、「あとでゆっくり返事するね!」と送ると、これまた私の気持ちをちゃんとわかっていて「せんでええ」と即返事が。これには、泣きましたね。あまりの大きな愛に対して。だから、今までガラクタと思っていたものはガラクタじゃないのかもしれない。その宝石は私には必要ないものなのかもしれない。今までよくもいろんな思い込みを重ね、騙されてきたものだなと思います。今も思い込みだらけです。で、いろいろ考えたのですが。Greater Good Science Centerのインターンを辞めることにしました。これはそもそもバークレー大の学生へのポジションですが、私はプログラム終了後も特例で続けさせてもらっていました。そこから自分が得たかったものはすでに学び終えていたのに、なぜまだ続けているのか自分でもワケがわからなかったんですが。アメリカに来た理由のような存在だったし、こことの接点が無くなると本当に自分の存在理由も将来もなくなってしまうような気がして、もはや必要ないのに怖くて手が離せなかったんですね。これを手放したら、何かが入ってくるのかな。それとも何も入ってこないのかな。この期待からまず、手放さなきゃですよね、笑。まぁ少なくとも、私が辞めたら、かつての私のようにこのポジションが欲しくてたまらない人にパスすることはできますよね。ひとつずつ、少しずつ、思い込みを取り去っていったら、私は誰なのだろうと思います。1年前にプラム・ヴィレッジでのマインドフルネス合宿でシスターに言われたように、現在もまたスワミに言われ続けているように、もうちょっと勇気を出して、深く自分を見つめてみたいと思います。See You!写真:本とブックエンド本は道端本ボックスで得たシャーリー・マクレーンの『アウト・オン・ア・リム』。タイトルは、果実(真理)を得るためには、危険を冒して枝の先まで行かねばならないという意味だそうです。バークレーの野花を押し花にし、祖母の淡水パールを組み合わせて作ったブックエンドを友人に。写真:道端本ボックスバークレーを歩くとそこかしこにある道端本ボックスとはこちら! 自由に本や雑誌を借りたり、提供し合ったりできる。個人宅の敷地内に設置されている。写真:野花とキャンドルすべて道で摘んだ野花。バークレーのクリエイターショップで見つけて以来、ハマっているAYDRY & Co.は2016年にできたLAベースのハンドメイドのキャンドルと美容グッズブランド。クリエイティブ・ディレクターのアユ・カールトンは、日本生まれのようでなるほど!写真:ガラスのドアバークレー南西にあるUrban Oreは、いわばスリフトストアの博物館。ガラスドア、トイレ、家具、洋服、各30セントのカセットまで目移りしてしまう品揃え。日本から家具好きの友だちが来たら、ここへ一番に案内したいです!
2017年08月22日このままじゃ、きっと生きていけない。至らないから、スキルをつけないと。お金を稼がないと……。ずっとそう思って生きてきました。会社を辞めてアメリカに来てからは、さらに強く。でもスワミ(ヒンドゥー哲学の先生)のもとで学んだり、たくさんの人に助けてもらううちに「このままの自分でも、まいっか」と思えるように。「無理になにかを目指さない。周りと違っていても、ただの自分でいてもいい」。そう自分を赦せた途端、目の前のことを最大限に楽しもうと思考がシフト。しみじみとした幸せを感じるようになってきたのです。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 55【第55話】もう何も目指さなくていい。ただ自分でいてもいい。未来思考を中断したら、しみじみと幸せが。またずいぶんと間をあけてしまいました。この不定期更新に、気長にお付き合いくださるみなさん、大変感謝しています。会社を辞めてから決めています。それは、自分で学び、なるべく実体験し、そこから何を感じたのか、どう理解したのかを本音で書くということ。となるとこういったランダムでスローなペースになっちゃって……。すみません、そしていつもありがとうございます。この一か月をおさらいしますと、まず引越しをしました。いろいろと支えてくれたおばあさんとの生活に終止符が打たれたので、異常なほどに家賃が高いうえに(たぶん東京の倍以上)、物件がでれば激戦となるこちらベイエリアで部屋探し。それは定職を持たない外国人としては、大変難航するものでした。けれども幸いにして退去日の3日前に奇跡が起き、現在は無事に大好きな街・バークレーで引き続き暮らせています。男子学生寮に破格で隠れ住む!?どうしても部屋が見つからなかった場合は、知り合いの部屋を又貸し(subleaseと言います)させてもらって、バークレーの男子学生寮のシングルルーム(ただしシャワールームは男子学生3名とシェア)に破格で隠れ住む、というオプションもあるにはあったのですが……。その場合 ”隠れ住んでいる“ ので、住所不定になっちゃうために、銀行の手続きとか郵便とか諸々不便そう。この歳で男子学生寮に住む(しかもスパイのように身を潜めて)っていうのもなかなかできないことなので、やったら書き手としての経験値は上がったと思いますが、それなりに失うものも大きいかなとも思いましたし(ハハ)。まぁ、それ以上に又貸し禁止物件なのでバレて、突然また出ていってくれとなったら困るなぁと。だから、がむしゃらに部屋探しをしましたね。インターン先が見つかったと思ったら、次は部屋探しとなったわけです。なかなか落ち着きませんね。でも、決まりませんでした。退去日1週間前なのに、まだ次の部屋が決まっていない。そんな崖っぷちのなか「だからこそ、今行くのよ!」と、70年代のインドを旅し続けた元祖ヒッピーの大先輩が一泊旅行に連れ出してくれました。向かったのはバークレーから車を北へ2時間ほど走らせた、ユカイヤというこじんまりとしたかわいらしい街。ユカイヤにある彼女のお友達ご夫婦の家を訪ねたのです。そこは朝日と夕日の両方を望める、まさにヒーリングハウス。かつて山のなかでそのリズムとともに暮らしていたという彼らと過ごすうちにすっかり癒やされ、心を覆っていた氷も溶けて寛いだ気分になっていると、バークレーで一緒に学んだ友達から突然メッセージが。彼女が住むシェアハウスに一部屋空きが出て(相場で考えると非常にリーズナブルなため、ほとんど空きが出ない物件)、私の知らないところで彼女が即・オーナーに掛け合ってくれていたのです。そこで旅行から帰ってすぐに内見と面接、そして無事に契約。それは退去日の3日前でした。ふぅ、ギリギリセーフ! そこで現在は7人のハウスメイトと暮らしています。しかし私は本当に運がいいというか、しぶといというか、笑。いつも人とのつながりに助けられていますね。社会的に不安定な場所に身を置くと、わかるんです。人の優しさのキャパシティは私が想像している以上に、ずっとずっと大きいということを。「人に迷惑をかけちゃいけない」と言われて育ってきましたから、なるべく人の負担にならないようにと気をつけて生きてきました。でも、今は頼らざるを得ない。それなりにプライドもありますから、なんとかひとりでやろうとしていても見るからに危ういんでしょうね(笑)。頼まなくても、見かねていろいろな人が手を差し伸べてくれます。プライスレスな経験をしている!日本にいた頃は、「マガジンハウス アンアン編集部の土居彩です」と自己紹介していました。それが私のアイデンティティーだったワケです。そう言えば周りの人に「なるほど、そういう人なんだな」と簡単に納得してもらえたし、社会的な信用にもなりました。生活するのに十分なお給料ももらっていたし、部屋もすぐ借りられたし、離婚をしたときだって洗濯機とか冷蔵庫といった必要なものはためらわずに即買い揃えて、引越し当日には今まで通りの生活を始められ、働いていましたから。だから、たとえ仕事でスタッフに頼ることがあったとしても、蛇口の水は自分が汲んだものではないとはわかっていても、「私はひとりで生きているし、経済的にも社会的にも自立している」と確信していました。傲慢でしたね。でも、いまはそうじゃないですよね? ライターと言ったとしても、ご存知このスタンスだからほとんど原稿を書いていないし(日記はすごい量を書いているけど、苦笑)。行きたかった研究機関2箇所でインターンをしているけどタダ働きだから、職業っていうのとは違うし。バークレーのプログラムを5月に無事修了したので、現在学生でもない。スワミのもとで学び、自分の心の奥にある本音と向き合ううち、本当に大学院に行きたいかどうかもよくわからなくなってGREの勉強を中断。参考書ではなく気になる哲学書ばっかり読みふけっているので「大学院を目指しています」とも言えない。なんだか胸を張って「わたしはこうだ」と自分のことを人に説明できないわけです。いったい今の私って、誰……?と宙ぶらりんで危うい状況になるとですね、予想外なことが起こります。何が起こるというのでしょう? みんながいろいろ助けてくれるんです。車を出して引っ越しを手伝ってくれたり、夕食に招いてくれたり、家具や食器をくれたり……。引っ越し先の洗濯機のノブが取れていて使えず、「毎回コインランドリーは、高いよ」とボー然としていたら、友達が人差し指を軽く湿らせてスライドしたらいい、なんて実践して見せてくれたりしてね。湿り気がノリのように働いて指でダイヤルを回せるようになるのです! これには「なんだか今の私の人生、すごいことが起きているなぁ」と普通に感動しましたね。だって、そうじゃないです? これって、文字通りプライスレスな体験ですよ!マイナス思考が始まったら、いったん脇に置いてみる。こういった境地に至ったのは、この1か月間いろんな人の意見を聞く機会が持てたから。まず、週に二回瞑想を教えてもらっているスワミに「どうしてもやっぱり人と自分を比べてしまうんです。なんであの人みたいに賢くないんだろう、きれいじゃないんだろう、お金持ちじゃないんだろう。面接も部屋探しもあの人と違って、私はなんで選ばれないんだろうって。自分よりも恵まれている人には嫉妬をするし、辛く当たってくる人は憎いと思うし。そんな自分が醜くて受け容れられません」とぶつけてみたんです。すると「私たちはみんなゴミ箱を抱えて生きています。でもゴミ箱って、必要だよね?」とニッコリ。「自分のことをこの体と同一視すれば、あなたは体になるでしょう。あなたの職業と同一視すれば、あなたは職業になるでしょう。嫉妬と同一視すれば、嫉妬になるでしょう。でも私たちの本質は、ただの肉体ではなく、ただの思考ではなく、ただの感情でもない。純粋な私たちとは、個々の形で表現している神性なんです。すべての違いの背後には、本源的なアイデンティティーにおいてあなたと彼女と彼と私の間には何の違いや隔たりもないのですよ。だから、「私はあの人とは違う」としてしまう、誤解した物の見方をいったん停止する勇気を持つ必要があります。あなたを解放することのできる真の喜びとは周りや状況には左右されません。あなたの内にすでにあるのですよ。それはこうだったら……という条件つきではない、無条件の喜びです」。言われたときは、正直ピンとこなかったです。「いや、周囲の状況に左右されるでしょう。そもそもまず、家賃高すぎるし」と、笑。でも一銭の得にもならないのに、私に助け舟を出してくれるさまざまな人たち。行動の理由が損とか得ではなく、自分の信念に沿うか沿わないかということである人たちを見ていると「やっぱり私、自分の見解からいったん自由になってみようかな」。そう思って、何か思考が起こるたびになるべくすぐには反応せず、ひとつひとついったん脇へ置いてみるようにしました。これはユカイヤで出会った素敵なご夫婦にも教えていただいたことです。彼らとお話をしているときに「期待値が高いんだね」と言われたんです。「人に対する、ですか?」と聞くと「”こうじゃないと、ダメ“ っていう自分への期待かな。これはあくまでも僕にとっては、なんだけど。僕にとって僕を一番苦しめたのは、”自分の正しさ” だった」と。この言葉は、ズシーンと胸に刺さりましたね。バスの運賃をケチってバスで10分のところを片道50分かけて歩いていたりすると、「ひょっとして私は取り返しがつかないほど、人生の時間を無駄遣いしているのでは……」という思考がやってきては、置いといて。研究所でインターンをしていると「このサボリ気味なアメリカ人学生は時給20ドルもらえるのに、私はビザの関係で無給なのか、トホホ」という感情がやってきては、また置いといて。そんなふうに「置いといて」を繰り返しているうちに、そもそも50分もかけて歩ける時間の余裕と健康があること自体、とても豊かだなぁ。歩いている最中、道端本ボックスでシャーリー・マクレーンの『アウト・オン・ア・リム』と出合えたし。部屋に飾るお花は道中で見つけた野花を摘めばいいからお金はかからない。家から歩いて5分足らずの場所には、ヨガをするのにぴったりの公園だってある。なんて豊かなんだろう……。しみじみとした幸せを感じられるようになってきたのです。あるとき風にゆれる街路樹を見て「なんてキレイなんだろう……」と立ち止まっていると、ぶわーーっと胸が熱くなって突然涙が(笑!)。ひとしきり泣いたら、すごく優しい鞘のようなものに自分がすっぽりと包まれたような、穏やかさと安らぎに満ちた気分になりました。パートナーもいないし、子どもを産んだこともないし、定職もない。このところナイナイ尽くしの自分を楽しめるようになってきたんです、不思議と。そうするとしだいに、今のバークレー生活は私の人生において自由の象徴なんだとようやく気づけたんです。別に何かを目指さなくてもいい。ただ自分らしくあれば、いい。私は自分と世界との気持ち良い関係性を探究する旅をしているんだ。今の私は人生のなかで最も幸せで豊かな時間を過ごせているのかもしれません。ある意味、人生ゲームでいうところの “一回休み” のコマにいるような私。「何も目指さないって、いったいどうなっちゃうんだろう……?」との不安もありますが、自分の価値観が大きなトランジションを迎えようとしているタイミングなのでしょう。しみじみとした幸せを味わいながら、まぁゆっくりいこうと思います。See You!写真/公園をオフィスにする女の子:元祖ヒッピーの先輩に連れ出してもらった、とっておきの公園。ラグをひいて机を置いて、公園だって立派なオフィス代わりに!写真/お花:道端で摘んだ野花の美しさに、はっとさせられました。写真/カップ:引っ越しをしたら隣の部屋のハウスメイトが「良かったらいる?」とくれたカップは、なんとオールドノリタケ! 「あなたのカップとしてキープしておくから、いつでもお茶飲みに来てね」と喫茶室・Aya、オープンです。写真/モビール:部屋の壁にもちょっとした喜びを。
2017年08月16日「羨ましい」「あれを持たないと」「私は至らない」と、人と自分を比べてしまう。世界を自分と自分以外に切り離して見てしまうことがすべての苦しみの原因だとはわかっていても、毎回同じことの繰り返し……。そんな迷える筆者・土居は、たまたま遭遇したスピリチュアルセンターでスワミ(ヒンドゥー哲学の先生)のもと、クンダリニー瞑想の手ほどきをうけることになるのですが……。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 54【第54話】人生初! クンダリニー瞑想で変性意識の世界を垣間見る。トリカシャラ・クンダリニー・メディテーションセンターは、バークレー西部にあるクンダリニー瞑想センターです。トリカシャラとは、インド・カシミール地方で興ったヒンドゥー教シヴァ派の宗派のひとつ。ちなみにサンスクリット語でトリカ(Trika)とは、意識、エネルギー、(犬だったり、石だったり、あなたや私だったりという…)固有の形式で存在する生きとし生きるものの顕れ、という三位のこと。そしてシャラ(shala)は学派を意味します。具体的にここで何をやっているかというと、スワミ(ヒンドゥー哲学の先生の意味)ケチャラナタ(通称・ナタジ)がクンダリニー瞑想を無料で教えているのです。ちなみにクンダリニーとは、「とぐろを巻いたもの」「螺旋状のもの」「ヘビ」という意味。人間のもっている潜在的な力であり、それは宇宙に存在する根源的なエネルギー。普段はとぐろを巻いたヘビのように眠っていますが、チャクラと呼ばれる7つのエネルギー中枢を覚醒させ、尾てい骨から頭頂を走るクンダリニーエネルギーを目覚めさせることで、心と体を解放できるというのです。怪しいですか? 笑。もしよかったらついてきて下さい……。ハートを解放させるダブルブレス呼吸瞑想。どうしてわたしがこのセンターに行き着いたかというと、ヨガを再開しようとインターネットでスタジオ検索しているときにたまたま見つけたんです。訪ねてみると「…ヨガクラスのお問い合わせで」というのがはばかられるほど、本気度がビシバシ伝わってくる、エキゾチックな場所。瞑想教育を中心に提供しているスピリチュアルセンターといいますが、ヨガに関してはワンクラス、カーヴィーヨガというものがあるといいます。ハタヨガの一種にそういうものがあるのかな?と「カーヴィー(曲線的)な動きをするものでしょうか?」とたずねると、「カーヴィーな(身体にお肉がついている豊満な)人向けのクラスということです」と言われ、「あ、文字通りのカーヴィーなわけですね」。「ははは、そう文字通り(Yes, literally!)」と、センターの老紳士とともに和やかに会話を交わしました。痩せっぽちの私がそのクラスに参加している構図を2人で想像し、同時に違和感を覚えて苦笑い。「ヨガは週に一度ですが、火曜日と木曜日の夜はスワミによるクンダリニー瞑想のクラスが、そして月・水・金の朝は瞑想室をみなさんに開放していますよ」と言われました。「参加費用はいくらですか?」と聞くとキョトンとされ、「無料ですよ」と当然のように言われます。「は? このべらぼうにお金がかかるベイエリアで(家賃は東京の倍以上)無料とはどういうこと?!」。その太っ腹さも気になり(カーヴィーヨガはしないけど)、帰宅しても気になってしまい、どうにも落ち着きません。どんなに克服しようとしても、”私は不十分だ“、”自分以外の人が羨ましい“ と、人と自分を切り離して比べてしまう思い癖が治らないことも重なり、参加の場合は事前連絡をと教えてもらった問い合わせ先にいてもたってもいられずに電話。すると「瞑想は19時からですが、初めて参加なさる方にはその前に1時間イントロの時間を設けて、心構えなどを指導しています。そこで18時にいらしてください」と言われました。当日ドキドキしながら向かうと、イントロ講習の生徒は私ひとり。スワミのお弟子さんが先生です。「か、貸し切りレクチャー??」。バークレーで4学期間、一学期につき約200万円というべらぼうに高い学費を払い続けてきた私としては、目が点です。インド哲学の流れとクンダリニー瞑想の歴史、瞑想の流れ、心構えなどを説明してもらった後、「では少し練習してみましょう」と10分間の呼吸法を教えてもらいます。それは、このセンターで教えるスワミ・ケチャラナタの師のひとりであるスワミ・ルドラナンダ(ルディ)が開発した、ダブルブレスというもの。具体的には……。【ハートを開く、ダブルブレスの方法】1.深呼吸をします。手放し、リラックス。2.1の呼吸にはスピリチュアルな力と滋養が満ちていることに気づきます。3.息を吸い、それがハート・チャクラ(胸、心臓のあたりに位置するエネルギー中枢)へと向かっていくように意識をします。呼気が喉に位置するチャクラに流れてきたら、飲み込みます。息を力づくでコントロールしようとするのではなく、自然とあなたの胸を満たしハートを開いていくようその流れに身を委ねます。ハート・チャクラをリラックスさせて。意識が拡大していく様子、心身を成長させたいというあなたの深い願いを感じます。深くハートを開き、心に浮かぶ心配事や問題、区別性を手放します。呼吸を10秒間ほど、もしくは自然とリリースされていくまで胸に留めます。4.3の呼吸の1/5程度をリリースします。胸のなかにあるエネルギーに意識を留めます。5.再び呼吸をし、呼吸と意識をハートを通過させた後、おへそのあたりにあるチャクラに向けていきます。息を優しくおへそにあるエネルギー中枢に留め、深くリラックスします。拡大されていくエネルギーとともにお腹が柔らかく、開いていくのを感じます。10秒間ほど息と意識をおへそのあたりのチャクラに留めます。息を吐くに従って、性器のあたりに位置するチャクラと背骨の下に向かって自然とエネルギーが拡大していくのを感じます。6.背骨の土台をリラックスさせ、背骨の下から頭上に向かってエネルギーが上昇していく様子に身を委ねます。エネルギーを感じます。ダブルブレスの後に頭がボーッとしていると、「質問はありませんか?」とスワミのお弟子さんに笑顔で聞かれます。そこで「ハートのチャクラに呼吸と意識を向けたときに、詰まりのようなものを感じました。スムーズに呼吸やエネルギーが流れません」と相談。「ハートを開くのは誰にとっても大変難しいことです。そこで、少しずつやっていきましょう。スワミも30年以上アシュラムに住み、1971年から現在まで46年間実践・指導なさっていますが、まだまだご自身には成長できるスペースがあるとおっしゃっています」。「私は両親に愛されて育ち、恵まれた環境で生きてきたのに、なぜでしょうか? どうしてしばしば人と自分を比べてしまい、心を閉ざしてしまうのでしょう」とたずねると、「ひょっとすると現人生での経験した結果とは関係なく、魂そのものが持つ個性も影響しているのかもしれませんね。私たちには誰にでもクンダリニーの力が潜在しています。そこで私たちができることはクラスに参加し、自分自身を清めてエネルギーを強くすること。”いつ自分を解放させることができるのか“ と心配するよりも、ダブルブレスを自習し、クラスに参加してただ練習をするのです。実践し、経験しながらすべてを自然な成り行きにまかせることで、必要なタイミングで必要な能力が身についていきますよ」。ついにスワミが登場!イントロ後、美しい絨毯が敷かれた講堂に通されました。「またひとりだったらどうしよう…」という心配は杞憂に終わり、瞑想ホールには約40名が集い、人種比率は、8割以上が白人。インド人を含めたアジア人が2割、黒人はいませんでした。けれども参加者の年齢は20代から80代と大変幅広い。これはバークレーで参加したマインドフルネス瞑想のサンガと異なる点でした。インドのギター・シタールなどの生演奏のもと、まず全員でチャンティングといってマントラをメロディーに合わせて詠唱します。実はなんとなく宗教的なイメージを受けて最初は引いてしまったのですが、普通にメロディーとして美しい。そこで先入観を手放し、目を閉じてその音とエネルギーに心を傾けてみることにしました。チャンティングも終盤になり、スワミが登場し祭壇に。想像していたのとは違い、白人の男性でした。「なんて強いオーラがある人だろう!」その後、目を開けた瞑想、オープンアイクラスが行われます。瞑想中はスワミとアイコンタクトをします。スワミは瞑想参加者それぞれと1,2分程度目を合わせ、それが5,6回繰り返されます。エネルギーのことを一般的にシャクティ(shakti)といいますが、トリカシャラではスワミの目を通じて、直接シャクティが伝送されます。その際に私は摩訶不思議な体験をすることに。4回目のアイコンタクト中でしょうか。目の前の世界がものすごく強い光に包まれたのです。麻酔をかけられたときのビジュアルってありますよね。そのような蛍光色の強い、強い光の中の世界です。そのなかにスワミの目があった場所に、2つの黒い点が見えます。オープンアイクラスも大詰めを迎えると、痙攣しだす女性がいたり、腕を上げたり下げたりし始める人、そして後ろに座る男性はずっとゲップをしています。「なんじゃあ、こりゃあ?!」と仰天たまげて、開いた口が塞がらない。自分でもわかるんです。バカみたいにあんぐりと口を開けているのが。でも閉じることもできないんです、唖然としすぎて。「うわぁ……キレイだなぁ……。もっとこの景色のなかに居たいなぁ」と思っているうちにスワミは他の人へ目線を向けます。その途端、また普段通りのビジュアルの世界に戻ります。スワミが目を閉じた途端、オープンアイクラスから、目を閉じる瞑想に切り替わります。しばらくすると、スワミが私の額に手を触れ、第三の眼(サードアイ)がある眉間のあたりに指をぐっと食い込ませて開き、クンダリニーが通過しやすくなるように姿勢を正します。すると、目の奥に青い光のようなものがボォッと浮かんでくるんです。最後にQ&Aです。ぶったまげすぎて何も質問ができなかったのですが、ある人の質問に対するスワミの答えが私の体験へのアンサーでした。「クンダリニー瞑想とは、心を開き、体験したことを手放す。そして制限のある自分の物の見方や理解から自由になるためのものです。感覚が鋭敏になるとか、超能力を身につけるとかそういうたぐいのものではありません」と、キッパリ。「今まさにわたしが取り組みたい課題だ……」。満たされた気持ちでいっぱいになりつつ、何か理解を超えたものを体験したことで、頭をボーッとさせながら家に帰ったとたん、おばあさんの遺産相続人の方からメールが入っていました。そこには「学生であるあなたと、今後さらにお世話を必要とする彼女がこれ以上一緒に暮らすことは、あなたのためにも彼女のためにもやはり難しい。そこで今月末で出ていって下さい。今まで本当にあなたの思いやりあふれる彼女への対応を感謝します。引っ越しの際はお手伝いしますので、おっしゃってくださいね」というメッセージが……。「え……」。ショックを抱えながらも、「この出来事は、いったいどういう意味なんだろう?」。「この状況で、私はどうハートを開けと言うんだろう?」。偶然にも年に2回のリトリートがたまたま2週間後にあるということで、参加を決めるのです。See You!センター外観の写真:大きな窓に差し込む光線が、まるで虹のよう。講堂の写真:毎週木・金の19時〜1時間半程度瞑想とQ&Aが行われる。初めて参加する場合は、INTRO(18時〜)を受ける必要が。Peaceの石の写真:ハートを開き、体験を手放すことで平穏が手に入るとスワミ。またそれは無関心、無感覚になるということではないという。いったいどういうことだろう…?SEE YOU! 写真:センターのトイレが超ゴージャスで思わずパチリ。
2017年07月11日フリーランスエディターの赤木真弓です。昨年末、アメリカ・テキサス州にあるオースティンという街に、1歳の息子を連れて、初の子連れ海外旅行に行ってきました。オースティンはアメリカを中心にカナダやイギリスに展開する、オーガニック系のスーパーとして知る人ぞ知る、「Whole Foods Market(ホールフーズマーケット)」の発祥の地なんです。そんなオースティンを旅して感じた食のオーガニック事情をレポート。子連れ旅行にも嬉しい街の魅力についてもご紹介します。 ■「第2のポートランド」と呼ばれ、注目される理由とは緑豊かでのんびりとした雰囲気ながら、ニューヨーク・ブルックリンのようなカルチャーも感じます。テキサスと聞くと、カウボーイやビーフといった、豪快で、“オーガニック” とすぐに結びつかないイメージを持っている人は少なくないと思います。私も行くことになるまで、その程度の情報しか持っていなかった人の一人です。テキサス州は、アメリカ南部に位置し、メキシコと国境を接する州。日本からオースティンまではサンフランシスコやロスアンゼルスを経由して、約14時間のフライトです。アップルやアマゾン、フェイスブックの支店のほか、多くのIT関連企業が集まっているほか、「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」や「ACL Music Festival」などの世界的に有名な音楽イベントも行われているので、音楽好きにはよく知られています。音楽の街らしく、空港ではギターのモチーフや生演奏も行われていました。気候も温暖で、私が訪れた11月でもコートいらずの暖かさ。夏は40度近くまで上がりますが、冬の間も半袖でいられる日が多く、3月中旬には初夏を思わせる気候になるそう。私もハワイにいるときのように、暑すぎず寒すぎず、過ごしやすいと感じました。そんなことも手伝い、住みやすい街として人気があるようです。今回この場所を旅先に選んだのは、ここに長く暮らす友人から、すごくいいところだと聞いていたから。友人によると「オースティンは州都でありながら、リベラルで、すべてのカルチャーに対する寛容な姿勢が見られる街」とのこと。近年、おしゃれな流行に敏感で、オーガニックや環境問題にも関心の高いヒップスターを中心に、アメリカ各地からの移住者も多く、「第2のポートランド」と呼ばれている注目の街なんです。 ■あの「ホールフーズマーケット」発祥の地そんなオースティンは、食の街としても知られています。その理由のひとつが、先にも述べた通り、オーガニック系スーパー「ホールフーズマーケット」の発祥の地であること。その本店に行ってきました。「ホールフーズマーケット」は、オーガニックや地元のオーガニック商品を積極的に扱うスーパー。広大な店内には、新鮮な野菜や果物、魚介類、パンなどの食品はもちろん、化粧品や洗剤など生活用品まで幅広く、豊富に扱っています。 オーガニックのコーヒー豆と地元の水を使った、オースティン発のコールドブリューコーヒー(水出しのアイスコーヒー)、「カメレオンコールドブリュー」。特に嬉しいのは、野菜不足になりがちな旅行者にぴったりのデリコーナー。サラダやスープなどもあり、まだあまり食べられるものの選択肢が少ない、子どもの食事にも大助かりでした。 デリコーナーで買ったランチ。野菜やお米、肉もあり、子どもも大人も大満足。ホームページによると、「ホールフーズマーケット」が1980年にオープンした当時は、アメリカ全土で6店舗に満たないほどしか、ナチュラル系のグローサリーストアがなかったそう。開店から4年後には、オースティン以外にもどんどん進出するほどの成功を収めた、いわばオーガニック系スーパーの先駆けです。日本でオーガニックというと高価なため、日常的に買い続けるのは難しいというイメージがありますが、ジェネリックのオーガニック食品を積極的に作っているところが多く、低価格で品質のしっかりした商品が手に入りやすいのだとか。品揃えの豊富さ、新鮮さ、そして信頼できる品質で成功した「ホールフーズマーケット」に続くべく、オーガニックや地元食材にこだわった、おしゃれなグローサリーストアやフードコープも多くあるのが、オースティンの魅力です。■オーガニック系のコンビニまで!「Wheatsville Food Co-Op(ウィーツヴィルフードコープ)」も、オーガニック系グローサリーストアのひとつ。入り口や店内には、今週の商品の何パーセントがオーガニックで、地元のものかがわかりやすく書いてあります。グローサリーストアの「in.gredients(イングリディエンツ)」では、食材がどこから来たものかまで、細かく表示され、安心感があります。友人によると、「オースティンに住む人の多くは、オーガニックや地元のオーガニック料理にこだわっているので、需要と供給が成り立っているからこそ実現できる」そう。子どもが生まれてから、特に食には気をつけたいと考えている私にとっては、かなりうらやましい環境でした。このほかにもオーガニック系のコンビニもあり、ヴィーガン(動物性食品を食べない主義の人)の食品しか扱わないところなど、さまざまな食に対応してくれる店がありました。アメリカは大味でジャンクと思っていると、イメージを覆されるはず。どこもおしゃれで、老若男女問わず賑わっているのが印象的でした。 オーガニック系の食品を多く扱うコンビニ「Quickie Pickie(クイッキーピッキー)」の店内。イートインコーナーはおしゃれなカフェ風。■オーガニック系ストアには、キッズコーナーも充実少し話が逸れますが、スーパーの入り口に、子どもたちがフルーツを無料で持っていってもいいというコーナーが設けられているところがいくつかありました。また別の店では、子どもが「お腹が空いた」と泣いていたとき、すぐにお店の人が売っているりんごをむいてプレゼントしてくれました。「ホールフーズマーケット」のキッズコーナー。「ウィーツヴィルフードコープ」ではフルーツのほか、ぬり絵も用意されています。日本では周りの目が気になるような場面ですが、子どもへの優しい対応もとても居心地よく感じられました。■レストランやマーケットのオーガニック事情オーガニックや地元食材にこだわっているのは、スーパーだけでなく、カフェやレストランも同様です。野菜はもちろん、ワインやコーヒー、紅茶などのドリンクまでオーガニックというお店も少なくありません。テキサス州では一般的に、アメリカ南部とメキシコ料理が結びついた、タコスやブリトーなどの「テクスメクス料理」が多く食べられていますが、オーガニックや地元の食材を使用したり、ヴィーガン対応のものもあります。滞在中は自炊もしていたため、あまり外食はしませんでしたが、友人に連れて行ってもらったカフェ「Hillside Farmacy(ヒルサイドファーマシー)」でも、野菜に地元のオーガニック野菜が使用されていました。 もともとは薬局というお店は、とてもおしゃれな内装。ジャンクに思えるハンバーガーも、オーガニック野菜を使っていると思うとペロリと食べられます。またオースティンの象徴ともいえるフードトラックでも、コーヒーやスイーツ、バーベキューから、地元のオーガニック食材やヴィーガン食材にこだわるものまであります。オースティン各地で見られる、おしゃれなフードトラック。気軽においしいものが食べられます。 「Arlo’s(アーロズ)」のフードトラックは、オースティンで3か所に出店。ヴィーガンに対応したタコスなどが食べられます。またオースティンでは、毎週6箇所でファーマーズマーケットが開催されています。そのひとつ、日曜日に開催されている「Texas Farmers’ Market at Mueller」にも訪れました。 ここで食べたのが、トウモロコシの粉を練って伸ばした皮に肉や野菜をのせ、バナナの皮で包んで蒸した、メキシコ料理の「Tamales(タマレス)」。優しい味わいで、子どもも夢中になって食べていました。 この店の看板にも、オーガニックが掲げてありました。このように、いたるところでオーガニック商品を扱っているので、あえて選択をしなくても自然と手にできるのが印象的です。食に対する考えが、「安いことが一番」より「安全でおいしい、地元のものを食べるのが一番」という風に変わっていけば、結果的にオーガニックの食材も低価格で手に入るようになるのではないかなと感じました。暮らすように旅したオースティン。食事情だけでも、ここなら住んでみたいと思うほどの魅力に溢れていました。協力:Naho Harvey
2017年02月22日チョコレートが毎日作られるファクトリー♪洗練されたデザインの店内に足を踏み入れると、一面に広がるファクトリーが。本格的な機械が置かれた工房では、カフェ、チョコレート、ペストリーの3つのチームに分かれ、チョコレートプロダクションのスタッフが、朝から夕方までチョコレートを生み出しています。2階はカフェスペースとなっており、飲食はもちろん、ビーントゥバーチョコレートの製造体験やチョコレートの食べ比べができるワークショップも開催。開放感があり、つい長居したくなりそうな雰囲気なんです。カカオの風味を生かした滑らかな口どけダンデライオン・チョコレートのチョコレートはカカオ豆の風味を生かすため、材料や製法にこだわりが詰まっています。豆によって温度や時間を細かく調整してローストするほか、カカオニブ(殻を取り除いたカカオ豆の内側を指す)と砂糖を合わせて挽くメランジングの工程は、なんと約3日間かけて行うそう!一番の売れ筋はシンプルな板チョコレート!一番の人気商品は、カカオの個性を最大限に引き出したシンプルな板チョコレート。フレッシュなヨーグルトやイチゴの風味を楽しめるものから、こっくりとしたアーモンドのようなフレーバーまでバラエティー豊かにラインナップされています。ラッピングにもこだわった本格派チョコレートは、大人の男性に贈りたくなる一品です。取材・文/恋する旅ライターかおりスポット情報スポット名:ダンデライオン・チョコレートファクトリー&カフェ蔵前住所:東京都台東区蔵前4-14-6電話番号:03-5833-7270
2017年02月07日開放的な港町が登場ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに数あるエリアの中でも、特に開放感のある空間は「サンフランシスコ・エリア」ではないでしょうか。アメリカでも随一の港町であるサンフランシスコの街並みが再現されており、フィッシャーマンズワーフやチャイナタウンが並びます。道路には路面電車の軌道まで再現されている細かさです。ラグーン(海が陸側に入り込んでできた湖)からの眺めは絶景で、夜は街あかりも相まってロマンチックな雰囲気。カップルで訪れるお客さんが多いようです。バックドラフトサンフランシスコ・エリアにあるアトラクションはバックドラフトです。映画「バックドラフト」の世界を体感出来るアトラクションは、映画を知らなくても大丈夫。最初に監督や出演者が映画の見所や、キーワードである「バックドラフト現象」についてしっかり解説してくれます。“ストーリー亡くなった父の後を継ぎ、消防士の道を選んだ兄弟。だが、未熟な弟は失敗続きで自信を失う。そんなある日、連続放火犯を追う男の手助けをすることに。弟は放火犯の手口が、「バックドラフト」と呼ばれる炎の性質を利用した専門的な手口であることを告げられる。犯人はこの現象を知りつつ利用できる人物。果たして誰が…!?”出典:以上の特殊効果を駆使して、目の前に大迫力の火災現場が出現します。ドラム缶が爆発したことをキッカケに、燃料パイプから炎が噴き出し、熱風が襲い掛かってきます。炎の壁はもはや絶望してしまうレベル。果たして、この窮地からどのように生還することが出来るのでしょうか…!?■所要時間:約20分■定員:240名(車イス・電動車イス用のスペースは5台)■開催回数:19:00まで随時■制限事項:特になし■その他:ユニバーサル・エクスプレス・パス対応、チャイルドスイッチ対応※チャイルドスイッチ→身長制限などでアトラクションを体験出来ない人が一緒にいる場合、1回分の待ち時間で、付き添いの人が順番で交互にアトラクションを楽しめるシステム。■ポイント:メインアトラクションは3列になって楽しみます。ショップ・レストラン案内サンフランシスコのスナック・スタンドをイメージした「ワーフカフェ」では、子どもが喜ぶミニオンズやセサミストリートのホットドリンク、食べ歩きに最適なホットドッグなどが販売されています。小腹が空いた時にオススメです。しっかり食事をしたい場合は、チャイナタウンの中国料理店「ザ・ドラゴンズ・パール」がオススメ。主食とサイドメニューが選べるワンボックス・コンボは、主食としてチャーハンや焼きビーフンを味わうことが出来ます。倉庫を改装した「ハピネス・カフェ」には、コカ・コーラ初のロボット「CoRoBo」がいます。来場記念として、世界にひとつだけのネームボトルを作ることも出来ますよ。食事も充実しているので、食事からおやつまで楽しむことが出来ます。水辺を散策したら、お土産を探しましょう。サンフランシスコ・エリアには、ミニオンズのグッズが勢揃いしている「サンフランシスコ・キャンディーズ」があります。ユニークなお土産を手に入れて、旅の思い出を持ち帰りたいですね。大迫力のアトラクションと美しい景色を堪能出来るサンフランシスコ・エリア。活気と開放感に溢れたこのエリアを、じっくり満喫してくださいね。TM & © 2016 Sesame WorkshopDespicable Me, Minion Made and all related marks and characters are trademarks and copyrights of Universal Studios. Licensed by Universal Studios Licensing LLC. All Rights Reserved.画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン※12/22時点の情報です。価格・内容は予告なく変更する場合があります。店舗情報店名:ユニバーサル・スタジオ・ジャパンTEL・予約:0570-20-0606(インフォメーションセンター)住所:〒554-0031 大阪市此花区桜島2丁目1番33号営業時間:月によって営業時間が異なります、HPにて必ずご確認ください。※営業時間は予告なく変更する場合があります。来場前に再度ご確認ください。また、当日、パークオープン時間より早く入場を開始する可能性があります。予めご了承ください
2016年12月23日サンフランシスコに拠点を置く本とデザインの店・PRESSのショップインショップが7月9日、東京・新宿のルミネエスト地下2階のdestination Tokyoにオープンする。PRESSは、11年の創業以来、アート、ファッション、デザイン、工芸、カウンターカルチャーに関する絶版本や初版本、スモールプレスの新刊、世界中から集められたユニークな文房具、60年代から80年代のデザイン・オブジェなどのセレクトアイテムを展開している本とデザインの店。店内の本はどれも、丁重にクリーニングを施し、古書を保存するために開発されたデュポン社製ポリエステルフィルムでカバーし、それらの本の美しさやオリジナリティーが一番映える方法で陳列されている。今回、そんなPRESSの日本第1号店がオープン。また、7月29日から8月8日まで、東京・表参道のエイチ・ピー・デコ(H.P.DECO)にも期間限定でオープンする予定だ。なお、エイチ・ピー・デコ内のポップアップショップは8月8日のみ休業。
2016年07月06日