赤ちゃんのなかには、「シャフリングベビー」と呼ばれる子がいます。ハイハイをせず、おすわりの状態のまま移動することが特徴で、おすわり以外の成長は少しゆっくりとしているそうです。わが家の娘もこの「シャフリングベビー」でした。そんな娘の成長過程や、その成長を保育士さんとともに見守った体験談をご紹介します。成長がゆっくりだった娘娘は、成長がゆっくりとした赤ちゃんでした。首のすわりも遅めで、生後3カ月健診のときには母子健康手帳に「要観察」のハンコが押されました。その後、首がすわったのは生後5カ月に入ってからでした。 その後もうつぶせになるのは嫌がり、寝返りもできないまま。ただ、おすわりは生後7カ月くらいでできるようになりました。赤ちゃんの成長には個人差があると聞いていたので、「これも個性なのかなぁ」とあまり気にしていませんでした。 そして生後7カ月で保育園に入園。ゆっくりとした娘の成長を促すために、園では保育士さんが積極的にうつぶせの姿勢をとらせてくれていました。 「シャフリングベビー」と診断された!生後9カ月になってもハイハイどころかずりばいもしない娘。ただ、座ったままの状態でずりずりと移動することはできました。 そして生後10カ月のとき、小児科の健診で「シャフリングベビー※」と診断されました。シャフリングベビーの特徴の「座ったまま移動」は、まさに娘がしている動作のこと。帰ってインターネットで調べてみると、うつぶせを嫌う、寝返りをしようとしない、おすわりは通常通り完成する、ハイハイをしないなど、娘に当てはまることばかりでした。 ※シャフリングベビー:ハイハイを始める時期を過ぎても、おすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いとされています。しかし、一見シャフリングベビーのように思えても、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。お子さんがシャフリングベビーではないかと感じた際には、保育士や医師に相談しましょう。 保育士さんのすすめで療育センターを受診生後11カ月のころ、保育士さんから市のこども療育センターに行くことをすすめられ、「専門家に診てもらえるなんてありがたい!」とすぐに受診。先生は言葉を選びながら慎重にお話ししてくれましたが、毎日娘と過ごしている私は「さほど心配いらないのでは?」と気楽に構えていました。 専門医の診察の結果は、「確かに成長はゆっくりだが、このまま様子を見てみてもいいでしょう」という内容でした。専門家のアドバイスにより、発達を促すマッサージを保育園・家庭の両方でおこなっていくことに。娘の状態に合わせて少しずつ内容を変えながら、毎日足のマッサージや足の曲げ伸ばし運動などを続けました。保育士さんもとても協力的で、本当に助かりました。 娘はその後、1歳でずりばい、1歳1カ月でハイハイ・つかまり立ち・つたい歩きができるように。そして、1歳3カ月のときにはひとりで歩くこともできるようになりました。マッサージの効果も大きかったかもしれません。 シャフリングベビーだった娘の成長はゆっくりでした。その成長を保育士さんと一緒に見守り、サポートできたのは心強かったです。発達を心配された娘も、歩けるようになってからの成長は周りの子どもと同じペースに。そんな娘も今では小学6年生。元気に大きく成長してくれました! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:久保田さや長女(小6)・長男(小1)・次男(2歳)の母。歯科衛生士。育児と仕事を両立しながら衛生士としてキャリアを積む。第3子出産後は、専門知識や子育て経験を中心に記事執筆を行う。
2022年09月01日シャフリングベビーとは?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンシャフリングベビーとは、四つ這いのハイハイの代わりにお座りの姿勢で移動をする赤ちゃんのことです。シャフリングベビーの語源は「足を引きずって歩く」という意味の英語“shuffle”に由来しています。座ったままの姿勢で移動するというこのユニークな動きは、「いざりばい*注」「尻ばい」と呼ばれることもあります。シャフリングをする赤ちゃんを「シャッフラー」と呼ぶこともあります。赤ちゃんは生後半年~10ヶ月ごろまでにずりばい、腰すわり、四つ這い、高這いの順で移動手段を獲得するのが一般的ですが、シャフリングベビーはオーソドックスなハイハイをせず、お座り姿勢での移動を経てつかまり立ち、一人歩きへと進むことが多いです。シャフリングベビーは医学的には一般的ではないが珍しくはなく、個性的ではあるが異常ではない、と考えられています。*「いざる」は現在では差別用語とされていますが、乳幼児の動作を表す言葉として慣習的に使われてきた背景を説明するため、本記事内では部分的に使用しました。シャフリングベビーの特徴は?シャフリングベビーには座った姿勢で移動をしたがる以外にも、以下のような特徴があるそうです。1. 首すわりから腰すわりまでの神経発達は定型的2. 寝返りを始める時期が遅い、もしくは寝返りをしない3. うつぶせの姿勢を嫌う4. 足を床につけるのを嫌がる(足の裏を触られるのを嫌がる)5. 脇を支えて持ちあげても脚は伸ばさず、お座り姿勢のまま6. 一般的なハイハイはしないシャフリングは腰がすわってからつたい歩きを習得するまでの期間に発生します。シャフリングをしている期間は1~5ヶ月強と赤ちゃんごとに幅があり、短期間のシャフリングのあとハイハイに移行する赤ちゃんと、数ヶ月間のシャフリング後につかまり立ち、つたい歩きに移行する赤ちゃんがいるそうです。参考:1歳6カ月児健診におけるshuffling babyの疫学的調査(P41より)シャフリングベビーになる原因、発達障害などとの関係は?シャフリングベビーになる原因は現在の医学では解明されていません。ほとんどのシャフリングベビーは、遅くとも2歳までに歩き始め、その後の発達は定型発達児と変わりなく成長していくのは前述の通りです。シャフリングベビーの中には、ごくまれに発達障害や神経系の疾患がシャフリングの原因となっているケースがあります。定型発達のバリエーションとしてシャフリングする赤ちゃんと、障害や疾患を由来としてシャフリングをしている赤ちゃんを見分けるには、まず以下の4点にあてはまるかを観察する必要があります。(1)ミルクの飲みが悪い(2)泣き方が弱い(3)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする(4)手指の発達が遅いこれら4つの特徴は「低緊張」と呼ばれる状態の赤ちゃんに見られるものですが、低緊張のためシャフリングをしていると推測される赤ちゃんでも、ただちに疾患や障害があるという診断はできません。なぜなら低緊張の状態は、時間の経過や日々の運動遊びでも改善できることがあり、一過性の場合もあるからです。■日々の運動遊びなどでできる対策・うつ伏せ抱っこ(仰向けになった親御さんのお腹の上に、赤ちゃんをうつ伏せに寝かせて抱っこします。顔をあわせて、うつぶせの状態にならしていきます)・うつ伏せ遊び(赤ちゃんをうつ伏せにして、目の前にお気に入りのおもちゃをみせたり、顔を見合わせてはなしかけます)・足の裏をタッチング(足の裏の過敏さを和らげる効果があります)・手押し車(赤ちゃんの腰や両足をさあさえて、赤ちゃんが腕を伸ばして、上半身を支えるようにうながします)低緊張と見られる状態でシャフリングをする赤ちゃんは、さらに以下の3点についても注意しながら見ていきます。・言葉の理解が遅い・手指の発達が遅い・表情の発達が乏しいこの中の1つ以上思い当たることがあれば、脳性麻痺(まひ)、自閉スペクトラム症などの発達障害や疾患に由来するシャフリングである可能性があります。この場合はまず冷静に専門家に相談し、診断や支援を求めることをおすすめします。受診のきっかけがつかめない場合は、予防接種や乳幼児健診の機会を利用して、まずは小児科医に相談してみてはいかがでしょうか?シャフリングベビーの不安を相談するには?乳幼児の発達は特に個人差が大きく、スピードも経過も十人十色とはいうものの、ユニークな赤ちゃんの育児に不安を感じるのは親心としては自然なことかもしれません。育児書の目安とは異なるシャフリングベビーとの暮らしに疑問や迷いが生じたときは、以下に紹介する相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか?小児科地域子育て支援センター児童相談所(こども相談所)保健福祉センターもし住居の近くに上記のような機関があるか分からない、相談するタイミングがつかめないというときは、自治体主催の乳幼児健康診査(乳幼児健診)を利用しても、同様の相談ができます。まとめシャフリングベビーとは、お座り姿勢のまま移動する個性的な赤ちゃんの呼び方です。シャフリングベビーは歩き始めるのは遅めでも、その後の発達に問題はないという統計データがあるので、その赤ちゃんなりの運動発達の道筋として温かく見守ってあげてください。もしユニークな移動方法に不安を覚えた場合でも、シャフリングを卒業するためにできる工夫はいろいろあります。赤ちゃんの体の状態や生活環境を理解し、遊びの中でハイハイやつかまり立ちを促すことも工夫の一つですし、小児科医や地域子育てセンターに相談し、支援してもらうのも、保護者だからこそできることではないでしょうか?赤ちゃんはその子らしいペース、方法で必ず成長していくものです。保護者の前向きな言葉かけや笑顔も赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちの意欲をひき出します。動作のバリエーションを数多く体験をさせてあげることがシャフリングの卒業につながります。
2022年08月31日赤ちゃんがハイハイを始める時期を過ぎてもしないことを心配しているママやパパのために、今回は「シャフリングベビー」についてお話しします。赤ちゃんの成長・発達赤ちゃんの成長は、首がすわる(生後3~5カ月ごろ)→寝返りをする(生後5~6カ月ごろ)→おすわりが安定する(生後8カ月ごろ)→ハイハイをする(生後7~9カ月ごろ)→つかまり立ちをする(生後8~11カ月ごろ)→つたい歩きをする(1歳ごろ)→ひとりでじょうずに歩く(1歳~1歳6カ月ごろ)という順に発達することが一般的です。 早産で生まれた赤ちゃんは、明らかな障害や疾患がなくても運動や言葉の発達が遅く、あとから追いつくパターンもあるので、出産予定日を出生日として計算した修正月齢と照らし合わせて発達を評価します。 シャフリングベビーとは?シャフリングベビーとは、ハイハイを始める時期を過ぎてもおすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャッフラー(shuffler)と呼ぶこともあります。日本では、医療者が親へわかりやすく説明するため、医学的な専門用語ではありませんが「いざり児」「いざりっ子」という言葉を使うことも多いです。ここからは、「シャフリングベビー」に表現を統一してお話しします。 シャフリングベビーは、非常に軽度の下肢の筋緊張低下があり、おすわりや歩行開始が遅いことがあります。寝返りやうつぶせの姿勢を嫌い、うつぶせにしてもすぐにあお向けやおすわりの姿勢になります。足の裏を床につけるのを嫌がるため、ハイハイをしないまま、つかまり立ちの時期が遅くなり、結果的に歩き始める時期が1歳半~2歳ごろに遅れることが多いです。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いです。 しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんのなかにも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)母乳やミルクの飲みが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いでしょう。 シャフリングベビーの原因は?なぜハイハイをせず、おすわりの姿勢のまま前進するのか原因はわかっていません。ハイハイが歩くために必要と思いがちですが、イギリスの小児科医ロブソンをはじめとする国内外の調査によると、ハイハイをしないシャフリングベビーは歩行開始が遅くなること、大きくなるまで見守ると運動能力などに問題のない子どもに育っていくこと、親や兄弟姉妹が似たような運動発達をしている傾向にあること、多くの赤ちゃんとは異なる運動発達の経過があっても異常ではないことがわかっています。 ゆっくり運動発達する赤ちゃんの診断と治療は?10カ月健診の時点でハイハイするか、1歳6カ月健診の時点でじょうずに歩行できるかを医師がチェックします。それぞれの健診で運動発達に遅れがある場合は、専門機関へ紹介されます。専門機関へ紹介されると、ママやパパは不安と心配で落ち込むことがあるかもしれませんが、ハイハイや歩行開始が遅くても、将来的に何も問題のないこともあります。 しかし、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。専門機関できちんと発達の評価をしてもらうことで、赤ちゃんの発達に合わせた治療や遊び方のアドバイス、リハビリなどのサポートを受けられますので、親だけで悩まず、赤ちゃんの発達に詳しい専門家に頼ってみたりしましょう。 まとめ月齢の近い赤ちゃんと一緒に過ごしたときや、保育園などで集団生活を始めたときに運動発達が遅いと親が気づくケースもあります。 もし、わが子を「シャフリングベビーかな?」と思ったら、保育園の通っている時期であれば保育士へ相談してみましょう。自宅保育の場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師へ相談したり、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口を利用したりすることもできます。小児科を受診するのも一つです。子どもの発達について親だけで悩まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。【参考】国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(平成30年3月)」『乳幼児健診マニュアル 第5版』(福岡地区小児科医会・乳幼児保健委員会 編/医学書院)楢崎修・楢崎明珠「1歳6カ月児健診におけるshufflingbabyの疫学的調査」(『脳と発達』1986年18巻 p484-489)CHILD RESEARCH NET「【子どものからだと健康】第1回 ハイハイしない子ども」一般社団法人大阪小児科医会「いざりっ子(シャフリングベビー)」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2022年07月05日赤ちゃんのなかには、「シャフリングベビー」と呼ばれる子がいます。ハイハイをせず、おすわりの状態のまま移動することが特徴で、おすわり以外の成長は少しゆっくりとしているそうです。わが家の娘もこの「シャフリングベビー」でした。そんな娘の成長過程や、その成長を保育士さんとともに見守った体験談をご紹介します。成長がゆっくりだった娘娘は、成長がゆっくりとした赤ちゃんでした。首のすわりも遅めで、生後3カ月健診のときには母子健康手帳に「要観察」のハンコが押されました。その後、首がすわったのは生後5カ月に入ってからでした。 その後もうつぶせになるのは嫌がり、寝返りもできないまま。ただ、おすわりは生後7カ月くらいでできるようになりました。赤ちゃんの成長には個人差があると聞いていたので、「これも個性なのかなぁ」とあまり気にしていませんでした。 そして生後7カ月で保育園に入園。ゆっくりとした娘の成長を促すために、園では保育士さんが積極的にうつぶせの姿勢をとらせてくれていました。 「シャフリングベビー」と診断された!生後9カ月になってもハイハイどころかずりばいもしない娘。ただ、座ったままの状態でずりずりと移動することはできました。 そして生後10カ月のとき、小児科の健診で「シャフリングベビー※」と診断されました。シャフリングベビーの特徴の「座ったまま移動」は、まさに娘がしている動作のこと。帰ってインターネットで調べてみると、うつぶせを嫌う、寝返りをしようとしない、おすわりは通常通り完成する、ハイハイをしないなど、娘に当てはまることばかりでした。 ※シャフリングベビー:ハイハイを始める時期を過ぎても、おすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いとされています。しかし、一見シャフリングベビーのように思えても、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。お子さんがシャフリングベビーではないかと感じた際には、保育士や医師に相談しましょう。 保育士さんのすすめで療育センターを受診生後11カ月のころ、保育士さんから市のこども療育センターに行くことをすすめられ、「専門家に診てもらえるなんてありがたい!」とすぐに受診。先生は言葉を選びながら慎重にお話ししてくれましたが、毎日娘と過ごしている私は「さほど心配いらないのでは?」と気楽に構えていました。 専門医の診察の結果は、「確かに成長はゆっくりだが、このまま様子を見てみてもいいでしょう」という内容でした。専門家のアドバイスにより、発達を促すマッサージを保育園・家庭の両方でおこなっていくことに。娘の状態に合わせて少しずつ内容を変えながら、毎日足のマッサージや足の曲げ伸ばし運動などを続けました。保育士さんもとても協力的で、本当に助かりました。 娘はその後、1歳でずりばい、1歳1カ月でハイハイ・つかまり立ち・つたい歩きができるように。そして、1歳3カ月のときにはひとりで歩くこともできるようになりました。マッサージの効果も大きかったかもしれません。 シャフリングベビーだった娘の成長はゆっくりでした。その成長を保育士さんと一緒に見守り、サポートできたのは心強かったです。発達を心配された娘も、歩けるようになってからの成長は周りの子どもと同じペースに。そんな娘も今では小学6年生。元気に大きく成長してくれました! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:久保田さや長女(小6)・長男(小1)・次男(2歳)の母。歯科衛生士。育児と仕事を両立しながら衛生士としてキャリアを積む。第3子出産後は、専門知識や子育て経験を中心に記事執筆を行う。
2021年09月24日娘さんが生後9カ月のときにシャフリングベビーと診断されたママの体験談を紹介しています。一般的な成長と異なる点に戸惑ったこと、周囲の反応に対する心境、現実と向き合うきっかけになった小児科医のアドバイスについて伝えています。 赤ちゃんは誰でもハイハイすると思っていた私。おすわりは早かったものの、うつ伏せは苦手でなかなか動こうとしない娘は、座ったまま不思議な方法で移動するようになりました。すべてが初めてで手探り状態の育児のなか、「自分の子どもが周りとは違う」ということに悩み、気持ちが沈む日々でした。今回は、娘が生後9カ月でシャフリングベビーと診断されるまでの経緯や周囲の反応、そして当時の私の心境と葛藤をお伝えします。 わが子はシャフリングベビーかも?生後5カ月でおすわりができるようになった娘は、一方で生後7カ月を過ぎてもなかなか寝返りをしませんでした。ハイハイもする気配がなく心配していたら、いつの間にか座ったまま移動をするように。 持っていた育児書には、体の発達の順序が入れ替わったり、ハイハイをしなかったりする場合もあるとあり、赤ちゃんの成長は個人差が大きいと頭では理解していたつもりでした。しかし、実際にわが子が一般的な成長過程とは異なる現実を突きつけられると、冷静ではいられなくなるものです。 検索魔になって不安な日々当時は海外で出産・子育てをしていたので、日本語の育児書が入手困難な上に、子育て支援センターで気軽に相談にのってもらうような機会もありませんでした。それゆえ、情報収集は主にインターネットからでした。 知識は得られても、調べた情報が正しいものなのか判断が難しく、不安は拭えなかったことを覚えています。夫が赤ちゃんのころに同じ移動方法をしていたことを義母から聞いたあとは、遺伝かもしれないから仕方がないと自分に言い聞かせて過ごしていました。 好奇の目で見られることが耐え難い娘の独特な移動方法は好奇の目で見られ、次第に外で遊ばせるのがおっくうになりました。周囲の人がおもしろがる反応に対して、「恥ずかしい、隠したい」という気持ちになり、そのたびに自己嫌悪に陥りました。幸運にも否定的な言葉を言われたことはありません。 しかし、「動きがおもしろい」「珍しくてかわいい」というポジティブな意見をもらっても前向きになることは難しかったです。当事者でなければ、この苦悩はわからないと思い込み、表現しがたい負の感情に捉われていたのです。 小児科医に相談した結果を受けて…不安な気持ちが和らぐきっかけをくれたのは、娘の主治医です。9カ月健診のときに相談し、骨や筋肉、股関節を調べてもらいました。結果、シャフリングベビーという診断でしたが異常はなく、1歳健診まで様子を見ることになりました。 不安を感じたら「座って移動するのは彼女の個性で、医者の観点からはノーマルだから安心しなさい」という医師の言葉を思い出すように心がけました。私の考えを見透かしたように、立ち上がるのも遅い可能性が高いこと、フィジカルセラピーでの訓練も可能なことを説明してもらえたことも大きいです。結局、娘はハイハイしないまま1歳2カ月でつかまり立ちを始め、1歳4カ月でひとり歩きするようになりました。現在は4歳になり、健康に過ごしています。 当時は視野が狭くなり気が付かなかったけれど、皆それぞれ違う点で子育ての悩みを抱え、向き合っているのだと今ならわかります。専門家の意見を聞き、冷静に物事を見ることの大切さを実感しました。親身に寄り添い、そのことに気付かせてくれた小児科医には感謝の気持ちでいっぱいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/おんたま監修/助産師REIKO著者:新居はるみ1男1女の母。パートナーの転勤でアメリカ滞在中に2人の子どもを出産。自身の経験をもとに旅行、海外生活、子育て系の記事を中心に執筆。
2021年09月01日赤ちゃんがハイハイを始める時期を過ぎてもしないことを心配しているママやパパのために、今回は「シャフリングベビー」についてお話しします。赤ちゃんの成長・発達赤ちゃんの成長は、首がすわる(生後3~5カ月ごろ)→寝返りをする(生後5~6カ月ごろ)→おすわりが安定する(生後8カ月ごろ)→ハイハイをする(生後7~9カ月ごろ)→つかまり立ちをする(生後8~11カ月ごろ)→つたい歩きをする(1歳ごろ)→ひとりでじょうずに歩く(1歳~1歳6カ月ごろ)という順に発達することが一般的です。 早産で生まれた赤ちゃんは、明らかな障害や疾患がなくても運動や言葉の発達が遅く、あとから追いつくパターンもあるので、出産予定日を出生日として計算した修正月齢と照らし合わせて発達を評価します。 シャフリングベビーとは?シャフリングベビーとは、ハイハイを始める時期を過ぎてもおすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャッフラー(shuffler)と呼ぶこともあります。日本では、医療者が親へわかりやすく説明するため、医学的な専門用語ではありませんが「いざり児」「いざりっ子」という言葉を使うことも多いです。ここからは、「シャフリングベビー」に表現を統一してお話しします。 シャフリングベビーは、非常に軽度の下肢の筋緊張低下があり、おすわりや歩行開始が遅いことがあります。寝返りやうつぶせの姿勢を嫌い、うつぶせにしてもすぐにあお向けやおすわりの姿勢になります。足の裏を床につけるのを嫌がるため、ハイハイをしないまま、つかまり立ちの時期が遅くなり、結果的に歩き始める時期が1歳半~2歳ごろに遅れることが多いです。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いです。 しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんのなかにも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)母乳やミルクの飲みが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いでしょう。 シャフリングベビーの原因は?なぜハイハイをせず、おすわりの姿勢のまま前進するのか原因はわかっていません。ハイハイが歩くために必要と思いがちですが、イギリスの小児科医ロブソンをはじめとする国内外の調査によると、ハイハイをしないシャフリングベビーは歩行開始が遅くなること、大きくなるまで見守ると運動能力などに問題のない子どもに育っていくこと、親や兄弟姉妹が似たような運動発達をしている傾向にあること、多くの赤ちゃんとは異なる運動発達の経過があっても異常ではないことがわかっています。 ゆっくり運動発達する赤ちゃんの診断と治療は?10カ月健診の時点でハイハイするか、1歳6カ月健診の時点でじょうずに歩行できるかを医師がチェックします。それぞれの健診で運動発達に遅れがある場合は、専門機関へ紹介されます。専門機関へ紹介されると、ママやパパは不安と心配で落ち込むことがあるかもしれませんが、ハイハイや歩行開始が遅くても、将来的に何も問題のないこともあります。 しかし、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。専門機関できちんと発達の評価をしてもらうことで、赤ちゃんの発達に合わせた治療や遊び方のアドバイス、リハビリなどのサポートを受けられますので、親だけで悩まず、赤ちゃんの発達に詳しい専門家に頼ってみたりしましょう。 まとめ月齢の近い赤ちゃんと一緒に過ごしたときや、保育園などで集団生活を始めたときに運動発達が遅いと親が気づくケースもあります。 もし、わが子を「シャフリングベビーかな?」と思ったら、保育園の通っている時期であれば保育士へ相談してみましょう。自宅保育の場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師へ相談したり、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口を利用したりすることもできます。小児科を受診するのも一つです。子どもの発達について親だけで悩まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。【参考】国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(平成30年3月)」『乳幼児健診マニュアル 第5版』(福岡地区小児科医会・乳幼児保健委員会 編/医学書院)楢崎修・楢崎明珠「1歳6カ月児健診におけるshufflingbabyの疫学的調査」(『脳と発達』1986年18巻 p484-489)CHILD RESEARCH NET「【子どものからだと健康】第1回 ハイハイしない子ども」一般社団法人大阪小児科医会「いざりっ子(シャフリングベビー)」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2021年07月21日1歳を迎えた息子は成長がゆっくりめ。初めてハイハイをしたのは生後11カ月のときでした。かかりつけの小児科で発達の相談をすることもあり、ふと見てしまった息子の通院履歴が載っているパソコン画面のメモ欄に、「シャフリングベビー?」の文字。気にしないほうが良いとわかっていても、気になってしまう……そんな私の体験談です。 なかなかずりばい、ハイハイをしない息子母子健康手帳に、ハイハイは生後7カ月過ぎから9カ月に約9割の子どもができるようになると記されていました。しかし息子は生後8カ月になってもずりばいをせず寝返りで転がって移動したり、眠っているときや座るときに足をクロスさせることが多かったりして、気になっていました。 ネットで調べるとハイハイをしないのは成長に悪い影響がある、気にしなくて良いなどさまざまな意見がありましたが、やはり母親としてはハイハイをしないことが気になってしまうものでした。 見てしまった…「シャフリングベビー?」かかりつけの小児科では、予防接種や風邪で診てもらったときに発達についての相談もしていました。ある日予防接種で小児科を訪れた際の出来事です。先生が使うパソコンに息子の通院履歴や状況が載っている画面がふと見えてしまいました。前回まだハイハイをしないことを伝えていたこともあり、メモ欄には「シャフリングベビー?(※)」と書かれていました。 ハッキリと「発達が遅い」と言われたわけでは決してないですが、「やっぱり他の子より成長も遅いし、息子はシャフリングベビーなんだ……」。先生がそう書いていたことがショックでした。 (※)シャフリングベビー:ハイハイを始める時期を過ぎても、おすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。整形外科、区の発育相談に生後8カ月になってもまだずりばいもハイハイもしないことを伝えると、念のため整形外科に行って診てもらっても良いかも、と紹介されました。紹介された整形外科では股関節の開き具合や、両足のシワの寄り具合が左右対象かを確認してくれました。骨に異常はなさそうなので、レントゲンを撮る必要はないとのこと。 また、住んでいる区でも保健センターで発育の相談をしていることを知り、発育専門の小児科医が診てくれるとのことで行ってみました。実際に足を触り、座っておもちゃで遊ぶ様子を確認し、「足は変に筋肉が硬くてクロスしてしまうということでもないし、今触った限りは問題ないと思いますよ。座るのはしっかりできているし、ハイハイももう少し様子見で大丈夫」という言葉をいただき、安心しました。 突然ハイハイをするように!生後9カ月を過ぎたころ、息子はずりばいで進むようになりました。相変わらず寝返りでコロコロ移動したり、ずりばいをしたり。それが息子のペースなんだなと思いました。 しかし生後11カ月を過ぎたある日、ふと息子に目を向けると、四つん這いの姿勢になり2、3歩前に進んでいたのです! あまりに突然のことで、それまで心配していたことが嘘のように、数日でどんどんハイハイで進んでいく息子の姿を見て私は安心感に包まれました。 周りと比べて発達が遅く、ずりばいやハイハイをしないことを気にしていましたが、他の子と比べず息子のペースを見守っていくことが大切なんだと学びました。また、困ったときは地域の病院や住んでいる区の支援を頼れることがわかったので、今後も育児で悩むことがあればひとりで抱え込まず、周りに助けを求めることも必要だと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:森まり子1歳の男の子のママで、現在妊娠中。本業は育休中で、現在は子育てをしながらライターとして活動中。主に子育て・共働きに関する体験談や、ママ向けの美容記事を執筆している。
2021年06月02日娘さんがいざりばいをすることを特に気にしていなかったのに、9カ月健診で突然医師からシャフリングベビーだと言われたママ。ショックを受けたママの体験談を紹介しています。 「首がすわるようになった!」「寝返りをうつようになるのはいつかな?」。初めての子だったこともあり、私と夫にとって関心の中心でした。娘はどちらかというと成長がゆっくりでしたが、赤ちゃんによって寝返りやたっちができるようになるのが早い子と遅い子がいるからとあまり気にしていませんでした。しかし、娘はハイハイをせずお尻で前に進む「いざりばい」をするシャフリングベビーでした。そのときの体験談をお話しします。 うちの子はマイペース??娘を散歩に連れていくと、同じような月齢のお子さんがママに手を引かれながら歩く練習をしているのを見かけましたが、「うちの子はマイペースなのだ」とあまり気にしていませんでした。 しかし、9カ月健診のとき、同じ月齢の子が数人いたのですが、みんなハイハイやつかまり立ちをしようとしているのです。これを見てさすがに私も不安になりましたが、その予感は医師の診察で的中しました。 9カ月健診でまさかの要チェック!?健診では発達のチェックや家での日頃の様子を聞かれました。娘はハイハイをせずお尻で前に進み、寝返りもするけれど、それほど頻繁にはしないことを伝えました。おまけに娘は診察のときに機嫌が悪く大泣き。 いつもは顔にティッシュやタオルをかけると手で払いのけるのですが、そのときは興奮して何も反応しません。この様子を見た医師から「1歳のときに詳しい検査をしましょう」と言われたのでした。 そのとき私がしたこと夫はスペイン人ですが、欧米は人と比べることをしない文化なので、いざりばいをすることをたいして気にしていませんでした。特に周りから指摘されて困ったこともありませんでしたし、娘も楽しそうにお尻で移動していました。しかし、医師からのひと言で2人とも大ショック。その日は無言で夕食を食べました。 ネットで調べるとシャフリングベビーと呼ばれる子は異常ではなく、人よりもペースは遅くなる傾向もあるけれど、その後は問題がないことが多いということを読んで安心しました。子どもにもお絵かきが得意な子とそうでない子がいるのと同じように、個性として考えることにすると気がラクになりました。 運命の12カ月健診9カ月健診のことがあったので「今回もまた何か言われるのでは?」と心配しながら12カ月健診の日を迎えました。医師にはその後の娘の様子を聞かれました。このころには娘は寝返りもうつし、寝返りの態勢から起き上がったり、ソファーにつかまって立とうとしたりしています。 それを医師に伝えると「それならば、大丈夫です。歩くのが平均よりも遅くなるが心配いりません」とニッコリ。医師の言葉に胸をなでおろしました。 娘のいざりばいを気にしていませんでしたが、医師に言われてからは心配してしまいました。でも、親が神経質になってしまうと子どもにも伝わるので、個性だと割り切るくらいがちょうど良いのかと思いました。娘は今1歳を過ぎ、つかまり立ちをするようになり、こちらが疲れてしまいます。あのときに比べたらぜいたくな悩みだと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:成谷 凛音仕事をしながら1歳の女の子を子育て中の母。夫はスペイン人。臨床心理士として活動しているほか、書籍(著書:『輪廻の羽根』/文芸社)や記事の執筆などをおこなう。
2020年11月02日赤ちゃんのなかには、「シャフリングベビー」と呼ばれる子がいます。ハイハイをせず、おすわりの状態のまま移動することが特徴で、おすわり以外の成長は少しゆっくりとしているそうです。わが家の娘もこの「シャフリングベビー」でした。そんな娘の成長過程や、その成長を保育士さんとともに見守った体験談をご紹介します。 成長がゆっくりだった娘娘は、成長がゆっくりとした赤ちゃんでした。首のすわりも遅めで、生後3カ月健診のときには母子健康手帳に「要観察」のハンコが押されました。その後、首がすわったのは生後5カ月に入ってからでした。 その後もうつぶせになるのは嫌がり、寝返りもできないまま。ただ、おすわりは生後7カ月くらいでできるようになりました。赤ちゃんの成長には個人差があると聞いていたので、「これも個性なのかなぁ」とあまり気にしていませんでした。 そして生後7カ月で保育園に入園。ゆっくりとした娘の成長を促すために、園では保育士さんが積極的にうつぶせの姿勢をとらせてくれていました。 「シャフリングベビー」と診断された!生後9カ月になってもハイハイどころかずりばいもしない娘。ただ、座ったままの状態でずりずりと移動することはできました。 そして生後10カ月のとき、小児科の健診で「シャフリングベビー」と診断されました。シャフリングベビーの特徴の「座ったまま移動」は、まさに娘がしている動作のこと。帰ってインターネットで調べてみると、うつぶせを嫌う、寝返りをしようとしない、おすわりは通常通り完成する、ハイハイをしないなど、娘に当てはまることばかりでした。 保育士さんのすすめで療育センターを受診生後11カ月のころ、保育士さんから市のこども療育センターに行くことをすすめられ、「専門家に診てもらえるなんてありがたい!」とすぐに受診。先生は言葉を選びながら慎重にお話ししてくれましたが、毎日娘と過ごしている私は「さほど心配いらないのでは?」と気楽に構えていました。 専門医の診察の結果は、「確かに成長はゆっくりだが、このまま様子を見てみてもいいでしょう」という内容でした。専門家のアドバイスにより、発達を促すマッサージを保育園・家庭の両方でおこなっていくことに。娘の状態に合わせて少しずつ内容を変えながら、毎日足のマッサージや足の曲げ伸ばし運動などを続けました。保育士さんもとても協力的で、本当に助かりました。 娘はその後、1歳でずりばい、1歳1カ月でハイハイ・つかまり立ち・つたい歩きができるように。そして、1歳3カ月のときにはひとりで歩くこともできるようになりました。マッサージの効果も大きかったかもしれません。 シャフリングベビーだった娘の成長は、普通の赤ちゃんよりゆっくりでした。その成長を保育士さんと一緒に見守り、サポートできたのは心強かったです。発達を心配された娘も、歩けるようになってからの成長は周りの子どもと同じペースに。そんな娘も今では小学6年生。元気に大きく成長してくれました! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:久保田さや長女(小6)・長男(小1)・次男(2歳)の母。歯科衛生士。育児と仕事を両立しながら衛生士としてキャリアを積む。第3子出産後は、専門知識や子育て経験を中心に記事執筆を行う。
2020年09月13日赤ちゃんは誰でもハイハイすると思っていた私。おすわりは早かったものの、うつ伏せは苦手でなかなか動こうとしない娘は、座ったまま不思議な方法で移動するようになりました。すべてが初めてで手探り状態の育児のなか、「自分の子どもが周りとは違う」ということに悩み、気持ちが沈む日々でした。今回は、娘が生後9カ月でシャフリングベビーと診断されるまでの経緯や周囲の反応、そして当時の私の心境と葛藤をお伝えします。 わが子はシャフリングベビーかも?生後5カ月でおすわりができるようになった娘は、一方で生後7カ月を過ぎてもなかなか寝返りをしませんでした。ハイハイもする気配がなく心配していたら、いつの間にか座ったまま移動をするように。 持っていた育児書には、体の発達の順序が入れ替わったり、ハイハイをしなかったりする場合もあるとあり、赤ちゃんの成長は個人差が大きいと頭では理解していたつもりでした。しかし、実際にわが子が一般的な成長過程とは異なる現実を突きつけられると、冷静ではいられなくなるものです。 検索魔になって不安な日々当時は海外で出産・子育てをしていたので、日本語の育児書が入手困難な上に、子育て支援センターで気軽に相談にのってもらうような機会もありませんでした。それゆえ、情報収集は主にインターネットからでした。 知識は得られても、調べた情報が正しいものなのか判断が難しく、不安は拭えなかったことを覚えています。夫が赤ちゃんのころに同じ移動方法をしていたことを義母から聞いたあとは、遺伝かもしれないから仕方がないと自分に言い聞かせて過ごしていました。 好奇の目で見られることが耐え難い娘の独特な移動方法は好奇の目で見られ、次第に外で遊ばせるのがおっくうになりました。周囲の人がおもしろがる反応に対して、「恥ずかしい、隠したい」という気持ちになり、そのたびに自己嫌悪に陥りました。幸運にも否定的な言葉を言われたことはありません。 しかし、「動きがおもしろい」「珍しくてかわいい」というポジティブな意見をもらっても前向きになることは難しかったです。当事者でなければ、この苦悩はわからないと思い込み、表現しがたい負の感情に捉われていたのです。 小児科医に相談した結果を受けて…不安な気持ちが和らぐきっかけをくれたのは、娘の主治医です。9カ月健診のときに相談し、骨や筋肉、股関節を調べてもらいました。結果、シャフリングベビーという診断でしたが異常はなく、1歳健診まで様子を見ることになりました。 不安を感じたら「座って移動するのは彼女の個性で、医者の観点からはノーマルだから安心しなさい」という医師の言葉を思い出すように心がけました。私の考えを見透かしたように、立ち上がるのも遅い可能性が高いこと、フィジカルセラピーでの訓練も可能なことを説明してもらえたことも大きいです。結局、娘はハイハイしないまま1歳2カ月でつかまり立ちを始め、1歳4カ月でひとり歩きするようになりました。現在は4歳になり、健康に過ごしています。 当時は視野が狭くなり気が付かなかったけれど、皆それぞれ違う点で子育ての悩みを抱え、向き合っているのだと今ならわかります。専門家の意見を聞き、冷静に物事を見ることの大切さを実感しました。親身に寄り添い、そのことに気付かせてくれた小児科医には感謝の気持ちでいっぱいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:新居はるみ1男1女の母。パートナーの転勤でアメリカ滞在中に2人の子どもを出産。自身の経験をもとに旅行、海外生活、子育て系の記事を中心に執筆。
2020年08月16日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は生後10カ月の赤ちゃんの発達に関するご相談です。 Q.シャフリングベビーなのでしょうか?生後10カ月の娘がいます。未だにハイハイできずずっとずりばいで移動します。首は生後4カ月に入る前にすわりましたが、寝返りも初めてできたのが生後7カ月になる前です。ずりばいは生後8カ月前、うつ伏せから座るようになったのが生後9カ月に入ってからと成長が遅めです。おすわりはだいぶ安定しているのですが、ハイハイはしそうにありません。最近つかまり立ちをちょこちょこするようになってきたのですが、シャフリングベビーなのでしょうか? 宮川めぐみ助産師からの回答ハイハイしないということですが、ずりばいで移動をしてくれているのですね。赤ちゃんがあぐらをかいたような座った姿勢の状態で飛び跳ねるように移動をしているのでしょうか? シャフリングはそのような移動をすることを言いますよ。ずりばいからつかまり立ちをするようになっていることはシャフリングとは言いませんので、よかったら参考になさってみてくださいね。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 赤ちゃんの成長・発達赤ちゃんの成長は、首がすわる(生後3~5カ月ごろ)→寝返りをする(生後5~6カ月ごろ)→おすわりが安定する(生後8カ月ごろ)→ハイハイをする(生後7~9カ月ごろ)→つかまり立ちをする(生後8~11カ月ごろ)→つたい歩きをする(1歳ごろ)→ひとりでじょうずに歩く(1歳~1歳6カ月ごろ)という順に発達することが一般的です。 早産で生まれた赤ちゃんは、明らかな障害や疾患がなくても運動や言葉の発達が遅く、後から追いつくパターンもあるので、出産予定日を出生日として計算した修正月齢と照らし合わせて発達を評価します。 シャフリングベビーとは?ハイハイを始める時期を過ぎても、おすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャッフラー(shuffler)と呼ぶこともあります。日本では、医療者が親へわかりやすく説明するため、医学的な専門用語ではありませんが「いざり児」「いざりっ子」という言葉を使うことも多いです。 シャフリングベビーは、非常に軽度の下肢の筋緊張低下があり、おすわりや歩行開始が遅いことがあります。寝返りやうつぶせの姿勢を嫌い、うつぶせにしてもすぐにあお向けやおすわりの姿勢になります。足の裏を床につけるのを嫌がるため、ハイハイをしないまま、つかまり立ちの時期が遅くなり、結果的に歩き始める時期が1歳半~2歳ごろに遅れることが多いです。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いです。 しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんの中にも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)ミルクの飲みが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いでしょう。※参考:基礎知識(ベビー)「【医師監修】シャフリングベビーとは?特徴や原因、診断と治療について」【監修者:医師 松井 潔 先生小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
2020年07月23日赤ちゃんがハイハイを始める時期を過ぎてもしないことを心配しているママやパパのために、今回はシャフリングベビーについてお話しします。 赤ちゃんの成長・発達赤ちゃんの成長は、首がすわる(生後3~5カ月ごろ)→寝返りをする(生後5~6カ月ごろ)→おすわりが安定する(生後8カ月ごろ)→ハイハイをする(生後7~9カ月ごろ)→つかまり立ちをする(生後8~11カ月ごろ)→つたい歩きをする(1歳ごろ)→ひとりでじょうずに歩く(1歳~1歳6カ月ごろ)という順に発達することが一般的です。 早産で生まれた赤ちゃんは、明らかな障害や疾患がなくても運動や言葉の発達が遅く、あとから追いつくパターンもあるので、出産予定日を出生日として計算した修正月齢と照らし合わせて発達を評価します。 シャフリングベビーとは?シャフリングベビーとは、ハイハイを始める時期を過ぎてもおすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャッフラー(shuffler)と呼ぶこともあります。日本では、医療者が親へわかりやすく説明するため、医学的な専門用語ではありませんが「いざり児」「いざりっ子」という言葉を使うことも多いです。ここからは、「シャフリングベビー」に表現を統一してお話しします。 シャフリングベビーは、非常に軽度の下肢の筋緊張低下があり、おすわりや歩行開始が遅いことがあります。寝返りやうつぶせの姿勢を嫌い、うつぶせにしてもすぐにあお向けやおすわりの姿勢になります。足の裏を床につけるのを嫌がるため、ハイハイをしないまま、つかまり立ちの時期が遅くなり、結果的に歩き始める時期が1歳半~2歳ごろに遅れることが多いです。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いです。 しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんのなかにも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)母乳やミルクの飲みが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いでしょう。 シャフリングベビーの原因は?なぜハイハイをせず、おすわりの姿勢のまま前進するのか原因はわかっていません。ハイハイが歩くために必要と思いがちですが、イギリスの小児科医ロブソンをはじめとする国内外の調査によると、ハイハイをしないシャフリングベビーは歩行開始が遅くなること、大きくなるまで見守ると運動能力などに問題のない子どもに育っていくこと、親や兄弟姉妹が似たような運動発達をしている傾向にあること、多くの赤ちゃんとは異なる運動発達の経過があっても異常ではないことがわかっています。 ゆっくり運動発達する赤ちゃんの診断と治療は?10カ月健診の時点でハイハイするか、1歳6カ月健診の時点でじょうずに歩行できるかを医師がチェックします。それぞれの健診で運動発達に遅れがある場合は、専門機関へ紹介されます。専門機関へ紹介されると、ママやパパは不安と心配で落ち込むことがあるかもしれませんが、ハイハイや歩行開始が遅くても、将来的に何も問題のないこともあります。 しかし、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。専門機関できちんと発達の評価をしてもらうことで、赤ちゃんの発達に合わせた治療や遊び方のアドバイス、リハビリなどのサポートを受けられますので、親だけで悩まず、赤ちゃんの発達に詳しい専門家に頼ってみたりしましょう。 まとめ月齢の近い赤ちゃんと一緒に過ごしたときや、保育園などで集団生活を始めたときに運動発達が遅いと親が気づくケースもあります。 もし、わが子を「シャフリングベビーかな?」と思ったら、保育園の通っている時期であれば保育士へ相談してみましょう。自宅保育の場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師へ相談したり、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口を利用したりすることもできます。小児科を受診するのも一つです。子どもの発達について親だけで悩まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。【参考】国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(平成30年3月)」『乳幼児健診マニュアル 第5版』(福岡地区小児科医会・乳幼児保健委員会 編/医学書院)楢崎修・楢崎明珠「1歳6カ月児健診におけるshufflingbabyの疫学的調査」(『脳と発達』1986年18巻 p484-489)CHILD RESEARCH NET「【子どものからだと健康】第1回 ハイハイしない子ども」一般社団法人大阪小児科医会「いざりっ子(シャフリングベビー)」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2020年07月02日赤ちゃんがハイハイを始める時期を過ぎてもしないことを心配しているママやパパのために、今回はシャフリングベビーについてお話しします。 赤ちゃんの成長・発達赤ちゃんの成長は、首がすわる(生後3~5カ月ごろ)→寝返りをする(生後5~6カ月ごろ)→おすわりが安定する(生後8カ月ごろ)→ハイハイをする(生後7~9カ月ごろ)→つかまり立ちをする(生後8~11カ月ごろ)→つたい歩きをする(1歳ごろ)→ひとりでじょうずに歩く(1歳~1歳6カ月ごろ)という順に発達することが一般的です。 早産で生まれた赤ちゃんは、明らかな障害や疾患がなくても運動や言葉の発達が遅く、後から追いつくパターンもあるので、出産予定日を出生日として計算した修正月齢と照らし合わせて発達を評価します。 シャフリングベビーとは?ハイハイを始める時期を過ぎても、おすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャッフラー(shuffler)と呼ぶこともあります。日本では、医療者が親へわかりやすく説明するため、医学的な専門用語ではありませんが「いざり児」「いざりっ子」という言葉を使うことも多いです。ここからは、「シャフリングベビー」に表現を統一してお話しします。 シャフリングベビーは、非常に軽度の下肢の筋緊張低下があり、おすわりや歩行開始が遅いことがあります。寝返りやうつぶせの姿勢を嫌い、うつぶせにしてもすぐにあお向けやおすわりの姿勢になります。足の裏を床につけるのを嫌がるため、ハイハイをしないまま、つかまり立ちの時期が遅くなり、結果的に歩き始める時期が1歳半~2歳ごろに遅れることが多いです。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いです。 しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんの中にも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)ミルクの飲みが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いでしょう。 シャフリングベビーの原因は?なぜハイハイをせず、おすわりの姿勢のまま前進するのか原因はわかっていません。ハイハイが歩くために必要と思いがちですが、イギリスの小児科医ロブソンをはじめとする国内外の調査によると、ハイハイをしないシャフリングベビーは歩行開始が遅くなること、大きくなるまで見守ると運動能力などに問題のない子どもに育っていくこと、親や兄弟姉妹が似たような運動発達をしている傾向にあること、多くの赤ちゃんとは異なる運動発達の経過があっても異常ではないことがわかっています。 ゆっくり運動発達する赤ちゃんの診断と治療は?10カ月健診の時点でハイハイをしない、1歳6カ月健診の時点でじょうずに歩行できるかを医師がチェックします。それぞれの健診で運動発達に遅れがある場合は、専門機関へ紹介されます。専門機関へ紹介されると、ママやパパは不安と心配で落ち込むことがあるかもしれませんが、ハイハイや歩行開始が遅くても、将来的に何も問題のないこともあります。しかし、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。専門機関できちんと発達の評価をしてもらうことで、赤ちゃんの発達に合わせた治療や遊び方のアドバイス、リハビリなどのサポートを受けられますので、親だけで悩まず、赤ちゃんの発達に詳しい専門家に頼ってみたりしましょう。 まとめ月齢の近い赤ちゃんと一緒に過ごしたときや、保育園などで集団生活を始めたときに運動発達が遅いと親が気づくケースもあります。 もし、わが子を「シャフリングベビーかな?」と思ったら、保育園の通っている時期であれば保育士へ相談してみましょう。自宅保育の場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師へ相談したり、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口を利用したりすることもできます。小児科を受診するのも一つです。子どもの発達について親だけで悩まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。 【参考】国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(平成30年3月)」『乳幼児健診マニュアル 第5版』(福岡地区小児科医会・乳幼児保健委員会 編/医学書院)楢崎修・楢崎明珠「1歳6カ月児健診におけるshufflingbabyの疫学的調査」(『脳と発達』1986年18巻 p484-489)CHILD RESEARCH NET「【子どものからだと健康】第1回 ハイハイしない子ども」一般社団法人大阪小児科医会「いざりっ子(シャフリングベビー)」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2019年06月12日赤ちゃんのなかには、「シャフリングベビー」と呼ばれる子がいます。ハイハイをせず、おすわりの状態のまま移動することが特徴で、おすわり以外の成長は少しゆっくりとしています。わが家の娘もこの「シャフリングベビー」でした。そんな娘の成長過程や、その成長を保育士さんとともに見守った体験談をご紹介します。 成長がゆっくりだった娘娘は、成長がゆっくりとした赤ちゃんでした。首のすわりも遅めで、生後3カ月健診のときには母子手帳に「要観察」のハンコが押されました。その後、首がすわったのは生後5カ月に入ってからでした。 その後もうつぶせになるのは嫌がり、寝返りもできないまま。ただ、おすわりは生後7カ月くらいでできるようになりました。赤ちゃんの成長には個人差があると聞いていたので、「これも個性なのかなぁ」とあまり気にしていませんでした。 そして生後7カ月で保育園に入園。ゆっくりとした娘の成長を促すために、園では保育士さんが積極的にうつぶせの姿勢をとらせてくれていました。 「シャフリングベビー」と診断された!生後9カ月になってもハイハイどころかずりばいもしない娘。ただ、座ったままの状態でずりずりと移動することはできました。 そして生後10カ月のとき、小児科の健診で「シャフリングベビー」と診断されました。シャフリングベビーの特徴の「座ったまま移動」は、まさに娘がしている動作のこと。帰ってインターネットで調べてみると、うつぶせを嫌う、寝返りをしようとしない、おすわりは通常通り完成する、ハイハイをしないなど、娘に当てはまることばかりでした。 保育士さんのすすめで療育センターを受診生後11カ月のころ、保育士さんから市のこども療育センターに行くことをすすめられ、「専門家に診てもらえるなんてありがたい!」とすぐに受診。先生は言葉を選びながら慎重にお話ししてくれましたが、毎日娘と過ごしている私は「さほど心配いらないのでは?」と気楽に構えていました。 専門医の診察の結果は、「確かに成長はゆっくりだが、このまま様子を見てみてもいいでしょう」という内容。専門家のアドバイスにより、発達を促すマッサージを保育園・家庭の両方でおこなっていくことに。娘の状態に合わせて少しずつ内容を変えながら、毎日足のマッサージや足の曲げ伸ばし運動などを続けました。保育士さんもとても協力的で、本当に助かりました。 娘はその後、1歳でずりばい、1歳1カ月でハイハイ・つかまり立ち・つたい歩きができるように。そして、1歳3カ月のときにはひとりで歩くこともできるようになりました。マッサージの効果も大きかったかもしれません。 シャフリングベビーだった娘の成長は、普通の赤ちゃんよりゆっくりでした。その成長を保育士さんと一緒に見守り、サポートできたのは心強かったです。発達を心配された娘も、歩けるようになってからの成長は周りの子どもと同じペースに。そんな娘も今では小学6年生。元気に大きく成長してくれました!著者:久保田さや長女(小6)・長男(小1)・次男(2歳)の母。歯科衛生士。育児と仕事を両立しながら衛生士としてキャリアを積む。第3子出産後は、専門知識や子育て経験を中心に記事執筆を行う。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月29日シャフリングベビーとは?出典 : シャフリングベビーとは、よつんばいのハイハイの代わりにお座りの姿勢で移動をする赤ちゃんのことです。シャフリングベビーの語源は「足を引きずって歩く」という意味の英語“shuffle”に由来しています。まずは動画でその動きをご覧ください。座ったままの姿勢で移動するというこのユニークな動きは、ハイハイの1種類で「いざりばい*注」「尻ばい」と呼ばれることもあります。シャフリングをする赤ちゃんを「シャッフラー」と呼ぶこともあります。赤ちゃんは生後半年~10ヶ月頃までにずりばい、腰すわり、ハイハイの順で移動手段を獲得するのが一般的ですが、シャフリングベビーはオーソドックスなハイハイをせず、お座り姿勢のハイハイを経てつかまり立ち、一人歩きへと進むことがほとんどだそうです。*「いざる」は現在では差別用語とされていますが、乳幼児の動作を表す言葉として慣習的に使われてきた背景を説明するため、本記事内では部分的に使用しました。参考リンク:一般社団法人 大阪小児医学会いざりっ子(シャフリングベビー)参考書籍:小西行郎/監修 『0~3才 心と脳をすくすく育てる本』(学研パブリッシング,2009)いわゆるよつんばいスタイルのハイハイをしないことに不安をもつ保護者は多いものですが、医学博士で日本子ども学会理事長でもある榊原洋一さんは、チャイルド・リサーチ・ネットのブログで以下のように解説しています。(イギリスの小児科医)ロブソンは、シャッフラーは多くの子どもと異なった筋道で運動発達を示す「正常な子ども」であると結論しています。なぜ、ハイハイをせずに、シャッフルするのかまだその理由は分かっていません。赤ちゃんはだれでもハイハイする、という常識が実はそうではなかったのですね。このように、シャフリングベビーは医学的には一般的ではないが珍しくはなく、個性的ではあるが異常ではない、と考えられています。シャフリングベビーの特徴は?出典 : シャフリングベビーには座った姿勢で移動をしたがる以外にも、以下のような特徴があるそうです。1. 首すわりから腰すわりまでの神経発達は定型的2. 寝返りを始める時期が遅い、もしくは寝返りをしない3. うつぶせの姿勢を嫌う4. 足を床につけるのを嫌がる5. 脇を支えて持ちあげても脚は伸ばさず、お座り姿勢のまま6. 一般的なハイハイはしないシャフリングは腰がすわってからつたい歩きを習得するまでの期間に発生します。シャフリングをしている期間は1~5ヶ月強と赤ちゃんごとに幅があり、短期間のシャフリングの後ハイハイに移行する赤ちゃんと、数ヶ月間のシャフリング後につかまり立ち、つたい歩きに移行する赤ちゃんがいるそうです。シャフリングベビーは歩き始めが生後1歳6~10ヶ月と遅めな傾向があるそうです。1980年代に福岡県で行われた地域調査では、シャフリングベビーの95%以上は2歳頃までには一人歩きを始め、その後の発達は定型発達児と変わらず、成長の遅れも認められないという結果が出たそうです。出典:1歳6カ月児健診におけるshuffling babyの疫学的調査P41より上記論文には夏生まれの赤ちゃんは、他の季節に比べてシャフリングベビーになる率がやや高いという調査結果も掲載されています。夏生まれの赤ちゃんは寝返りからハイハイの時期が冬になるため、厚着で運動遊びがしにくく、そのためシャフリングする赤ちゃんがやや多いのではないか、という推論に言及しています。また、座敷文化の日本より土足文化の欧米に若干シャフリングベビーが多いというデータもあることから、家屋環境の違いもシャフリングベビーの発生に関係があるのではないか、との推測はできるかもしれません。シャフリングベビーになる原因は?出典 : シャフリングベビーになる原因は現在の医学では解明されていませんが、先に紹介した地域調査と愛知県の乳幼児健診の追跡調査から、シャフリングべビーと診断された幼児には以下の所見があったそうです。・シャフリングベビーの親や兄弟姉妹のうち、40%にシャフリングをする/した人がいる・脚の動かし方、手の使い方のバリエーションが少ない・下半身の筋肉の張りが弱く、筋肉量も少なめ出典: あいち小児保健医療総合センター 乳幼児健診の実際P113より上記の所見があっても、ほとんどの赤ちゃんは2歳までに歩き始め、その後の発達は定型発達児と変わりなく成長していくのは前述の通りですが、シャフリングベビーの中には、ごくまれに発達障害や神経系の疾患がシャフリングの原因となっているケースがあります。定型発達のバリエーションとしてシャフリングする赤ちゃんと、障害や疾患を由来としてシャフリングをしている赤ちゃんを見分けるには、まず以下の4点にあてはまるかを観察する必要があります。(1)ミルクの飲みが悪い(2)泣き方が弱い(3)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする(4)手指の発達が遅いこれら4つの特徴は「低緊張」と呼ばれる状態の赤ちゃんに見られるものですが、低緊張のためシャフリングをしていると推測される赤ちゃんでも、ただちに疾患や障害があるという診断はできません。なぜなら低緊張の状態は、時間の経過や日々の運動遊びでも改善できることがあり、一過性の場合もあるからです。低緊張と見られる状態でシャフリングをする赤ちゃんは、さらに以下の3点についても注視していきます。・言葉の理解が遅い・手指の発達が遅い・表情の発達が乏しいこの中の1つ以上思い当たることがあれば、ダウン症候群、脳性麻痺(まひ)、自閉症スペクトラム障害などの発達障害や疾患に由来するシャフリングである可能性があります。この場合はまず冷静に専門家に相談し、診断や支援を求めることをおすすめします。受診のきっかけがつかめない場合は、予防接種や乳幼児健診の機会を利用して、まずは小児科医に相談してみてはいかがでしょうか?赤ちゃんの健全な成長を願う親心には不安がつきものですが、素人判断は赤ちゃんのためにはなりません。専門家に診てもらうことで疾患の可能性がないとわかれば安心できるし、仮に障害の可能性があった場合は、早期発見・早期治療につながります。低緊張状態は理学療法で改善する場合もあるので、そのための施設や専門家を紹介してもらえる機会も得られるはずです。専門家の手を借りることは、保護者として赤ちゃんのためにできることの一つなので、上手に利用できるとよいですね。シャフリングベビーの不安を相談するには?出典 : 乳幼児の発達は特に個人差が大きく、スピードも経過も十人十色とはいうものの、ユニークな赤ちゃんの育児に不安を感じるのは親心としては自然なことかもしれません。育児書の目安とは異なるシャフリングベビーとの暮らしに疑問や迷いが生じた時は、以下に紹介する相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか?小児科小児科というと子どもの病気を診断、治療をするイメージを持つかもしれませんが、赤ちゃんの発達に関する悩みごとの相談にも乗ってくれます。子どもではなく赤ちゃんを専門とした機関の情報も持っているので、より詳しく赤ちゃんの状態を見てくれる専門機関につなげてもらえることもあります。地域子育て支援センター行政や自治体が主体となって運営している施設です。子育ての不安・悩みに対し専門的なアドバイスをしてくれる保健師が在籍または巡回しています。日時によっては乳幼児の発達相談を無料で行っています。定期的に地域の母子向けに子育てサロンを開催していたり、発達に合わせた無料セミナーを主催していたりすることもあるので、気軽に利用してみてください。児童相談所(こども相談所)育児の相談、健康の相談、発達の相談など、0~17歳の児童を対象としたさまざまな相談を受け付けています。必要に応じて発達検査を行う場合もあり、ほとんどの場合は無料で医師や保健師、臨床心理士などからの支援やアドバイスをもらうことができます。基本的に予約制なので、あらかじめお住まいの市町村のHPなどを見て、スケジュールを確認するようにしましょう。上で紹介した機関は、赤ちゃんの発達相談だけでなく育児全般に関わる情報に出会える場所でもあるので、上手に利用することで育児ストレスの発散にも役立つかもしれません。保健福祉センターこちらも、行政や自治体が主体となって運営している施設です。子育て支援センターは主に母子の悩みに対応してくれる施設ですが、保健福祉センターは地域に住むすべての人を対象としています。乳幼児だけでなく保護者の心身の健康相談にも対応してくれます。保健福祉センターを経由して、相談者ごとの悩みに合わせた診察機関や支援機関を教えてもらえる窓口です。もし住居の近くに上記のような機関があるかわからない、相談するタイミングがつかめないという時は、自治体主催の乳幼児健康診査(乳幼児健診)を利用しても、同様の相談ができます。乳幼児健診は厚生労働省で定める母子保健法に基づき各自治体が実施するものです。3ヶ月、6ヶ月、1歳半といった乳幼児の発達の節目に、出生届を出した自治体から受診票が送付され、指定された日時・場所で集団で受けるケースがほとんですが、事情があれば日付や受診場所の変更も相談にのってもらえます。乳幼児健診は赤ちゃんの発達状況を確認し、病気の早期発見や予防をするために行われます。小児科医師や保健士、栄養士など、様々な乳幼児保育のエキスパートが直接赤ちゃんを診察してくれるので、シャフリングだけでなく子育てのコツやなかなか話す機会がない保護者の心配ごとも相談できます。また、同じ月齢の赤ちゃんを育てるほかの保護者も来ているため、地域の子育て情報を交換する場としても便利なので、上手に活用してください。赤ちゃんにハイハイしてほしい・立ってほしい時の工夫は?出典 : シャフリングをする赤ちゃんの姿はユニークで愛らしいものですが、やはりハイハイする姿を見届けてみたい、つかまり立ちやつたい歩きを心待ちにしている、という方も少なくないと思います。そこで、この章ではハイハイやつかまり立ちを引き出す効果のある親子遊びの方法を3つずつご紹介します。出典 : ハイハイを促したい場合は、事前準備として平らなスペースを確保してください。赤ちゃんがハイハイしやすい環境を整え、ハイハイをする喜びを教えてあげることが初めの一歩です。床の上に細かい物が散らばっていたり不衛生な環境では、誤飲やケガの危険があります。布団の上は足をとられて動きにくいので、畳やクッションフロアのような適度な硬さがある床の上がおすすめです。・うつぶせ姿勢で遊ばせるうつぶせ姿勢を嫌うのはシャフリングベビーの特徴ですが、ハイハイを促すためにうつぶせの姿勢に慣れることは必須です。仰向けで寝転がった大人のお腹の上で赤ちゃんをうつぶせにすると、体が密着していて目が合うので赤ちゃんは安心し、少し長めにうつぶせをしてくれることが多いそうです。落ちないように配慮しながらバランスボールの上でうつぶせにさせてもよいでしょう。この姿勢は頭を支える肩や背中の筋力を鍛えるとともに、うつぶせで重心をとる感覚を強化していくことができます。大人がうつぶせの赤ちゃんを抱えあげて前後に揺らす、飛行機遊びのような動きも赤ちゃんは喜ぶでしょう。・赤ちゃんの背後や左右から呼びかけるシャフリングベビーは、お座り姿勢から別の姿勢になることを避ける傾向があります。正面からの呼び掛けには方向転換の必要がないため赤ちゃんはシャフリングで移動をしますが、背後や左右から呼び掛けた場合はすばやく方向転換をするために手を使う頻度が上がます。この過程で赤ちゃんは自然に重心を左右に傾ける感覚をつかんでいき、いつしかお座りからよつんばい、よつんばいからお座りになることに慣れていきます。・ハイハイを見せる、追いかけっこをする赤ちゃんは真似をすることが大好きなので、保護者や他の赤ちゃんのハイハイ姿をたくさん見せてあげることも刺激になります。シャフリングをする赤ちゃんをハイハイで追いかけたり、ハイハイしながら逃げるそぶりを見せる遊びにより、赤ちゃんが手と脚を連動して動かすことを視覚的に覚え、ハイハイする意欲を引き出せるかもしれません。熊や犬、猫など、四足歩行の動物の出てくる絵本や動画をいっしょに見て、真似をしてみるのもよいでしょう。出典 : 赤ちゃんの足腰の筋力アップとバランス感覚の強化につながる遊びを取り入れることで、つかまり立ちの意欲を引き出すことを狙います。シャフリングベビーは前述の通り下半身の筋力が未熟な傾向があるため、赤ちゃんが不機嫌になるようなら短時間で切り上げ、日や時間を改めて繰り返すことをおすすめします。時に、歩行器を使うご家庭でシャフリングベビーの足腰の発達を促したい場合には使い方を一度考え直してみてください。なぜなら、歩行器は上半身を支える力を補助する効果がある一方で、爪先だけの軽い蹴りでも移動ができてしまうからです。立つ/歩くということは、すなわち自分自身の力で体を支え、腰と足裏でバランスをとって移動できるようになることなので、補助器具を用いた練習はほどほどにしたほうがよいかもしれません。つかまり立ちを始めた頃の赤ちゃんは転びやすく、頭を打つような転び方をすることもあるので注意をしてください。下記の遊びを取り入れる時には、赤ちゃんの後ろにクッションを置くなどの工夫をし、転倒対策や頭の保護を忘れないようにしましょう。・足裏でキックお座り赤ちゃんの足の裏に手のひらや膝(ひざ)を合わせて軽く押します。力をかけることで、足の裏で体重を支える感覚を疑似体験させるとともに、筋肉の発達を促します。保護者の太ももや膝に腰をかけさせ、足裏をしっかり床につけた状態で、赤ちゃんの脇を支えて左右に一緒に揺れる運動おすすめです。・布団などをよじ登らせる少し高さのあるものを乗り越える遊びは、高い位置に手をついて立ち、手と足裏で体を支える練習になります。この遊びは視野が広げる経験が増えるため、立つ・歩く意欲を自然に引き出すことが期待できます。布団がなければ大人がうつぶせになった上を乗り越えさせたり、低めのテーブルを使ったりしてもよいでしょう。転落、転倒防止のため、最初は低い段差から挑戦しましょう。・家具越しに「いないいないばぁ」テーブルやソファ越しに赤ちゃんと「いないいないばぁ」をします。赤ちゃんの座高より高い位置から顔を出すと、赤ちゃんは保護者の顔をのぞきこもうとして手をつき、自然とお尻を浮かせる動作をします。赤ちゃんはこの動作で、腰から膝、足裏に重心を移動しつつバランスをとる感覚を覚えていくそうです。奥行きのあるテーブルの中央にお気に入りのオモチャを置いても同じ効果が狙えます。秋田県理学療法士会子供のリハビリテーション参考書籍:久保田競/著『能力と意欲を伸ばす積極育児法』(主婦の友社,2004)自分の体を自分の力だけで支え、動かす感覚は、歩き始めた後も様々な運動の発達に関係してきます。運動機能の基礎は歩き始めてから鍛えても遅くはありませんが、自力で移動できること自体が赤ちゃんと保護者の喜びや自信につながるのは、乳幼児期ならではの経験です。この時期だけの成長過程を楽しみつつ、その後につながる運動能力をつけてあげられるとよいですね。まとめ出典 : シャフリングベビーとは、お座り姿勢のまま移動する個性的な赤ちゃんの呼び方です。シャフリングベビーは歩き始めるのは遅めでも、その後の発達に問題はないという統計データがあるので、その赤ちゃんなりの運動発達の道筋として温かく見守ってあげてください。もしユニークな移動方法に不安を覚えた場合でも、シャフリングを卒業するためにできる工夫はいろいろあります。赤ちゃんの体の状態や生活環境を理解し、遊びの中でハイハイやつかまり立ちを促すことも工夫の一つですし、小児科医や地域子育てセンターに相談し、支援してもらうのも、保護者だからこそできることではないでしょうか?赤ちゃんはその子らしいペース、方法で必ず成長していくものです。保護者の前向きな言葉かけや笑顔も赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちの意欲をひき出します。動作のバリエーションを数多く体験をさせてあげることがシャフリングの卒業につながることもあるようなので、シャフリングベビーの個性を楽しみながら、いろいろな運動遊びを試してみてくださいね。
2017年02月23日