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シャープは4月24日、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」への搭載に向けて、空気中を浮遊する細菌などの微生物の量を自動計測できる微生物センサー「BC-300C」3台を宇宙航空研究開発機構(JAXA)に納入したと発表した。「BC-300C」は計測エリアの空気を吸引した後、独自手法を加えた蛍光検出法により、微生物の量を約10分で自動計測することができる。連続計測も可能なため、微生物量の経時変化を監視することも可能だ。シャープは今回、同センサーを微小重力に対応させたものを納入した。密閉空間である「きぼう」内の適切な環境維持のためのモニタリング装置として利用される予定だ。
2015年04月24日シャープは4月23日、小学生向けの個別学習サポートシステム「STUDYFIT」を開発したと発表した。全国自治体や小学校を対象に、5月から販売を開始する。副教材大手の日本標準と共同開発したデジタル教材を採用。日本マイクロソフトとも協力して全国展開を図っていく。STUDYFITは、診断テストと指導問題からなるデジタル教材と、Windowsタブレット向けアプリケーション、教員用のサーバーアプリケーションで構成された学習支援システム。ハードウェアとしてはペン入力可能なWindowsタブレット、教員用サーバー・PCで構成され、無線LANやルーター、インターネット回線などの通信環境も提供する。全国の自治体では、文部科学省の音頭もあって教育にITを組み込もうという動きが進展している。115自治体が教育にITを活用しているとされており、タブレットを児童・生徒一人一人に貸与予定の自治体も6自治体になり、佐賀県では県立高校生全員に配布している。シャープはこれまでもInteractive StudyやSTUDYNOTEといったSTUDYシリーズを提供することで、東京都日野市平山小学校や茨城県つくば市春日学園といった導入例がある。ただ、こうした取り組みの中で教材不足、学校のネットワーク回線の貧弱さ、先生への負荷、通常授業への影響といった課題が見えてきているという。こうした課題に対応するために開発したのがSTUDYFITだ。教材不足の解消のため、学校の現場で実績のある日本標準とともにデジタル教材を開発。シャープの電子書籍技術で教材をHTML5化・DRMの付与を行ってWindowsタブレットで利用可能にした。学校によってはネットワーク環境が貧弱で、佐賀県立高校へのタブレット導入で問題になった「一斉にアプリケーションをダウンロード、インストールするため回線がパンクする」といったトラブルを回避するため、学習履歴の送信のみにネットワークを使い、アプリケーションのインストールなどはUSBメモリやSDカード経由で行うようにした。デジタル教材は自動採点や児童の自己採点が可能なため、教員への負荷も少なく、学習履歴が教員のサーバーにすぐにアップロードされるため、児童それぞれのつまづきポイントや苦手分野がすぐに分析できる。学習指導要領に応じたカリキュラムに影響を与えないように5~10分程度で終わる問題にすることで、すき間時間に学習ができる。さらに、児童個人個人の学習ポイントを分析したあとは、学習状況に応じて問題を変更するなど、個人に合わせた学習が可能になるという。2014年11月下旬~2015年3月にかけて、佐賀県多久市の公立小学校3校の5年生186人に対して実証実験も実施。約3カ月間、毎日の始業時間前に「朝のタブレット学習」を設けることで検証をした結果、診断テストの結果が学習前後では国語で8点、算数で12点上昇した。成績順では、下位層が減少し、中位層、上位層がそれぞれ上昇して、全体的な底上げとなったという。教員にとっても児童全員の学習ポイントが把握でき、それに応じた問題を提示できるため、偏りなく学習指導ができるようになった。そのため、成績上位の児童の成績もさらに上がるといった効果もあったという。朝学習を習慣づけることで集中力が増し、さらに個別学習で進度に応じた問題にすることで児童の学習意欲が上昇した点も大きな効果だったとしている。実際の現場でも、児童、教員ともに前向きな反応をもらった、ということで、シャープでは今回のシステムに手応えを感じているようだ。多久市の横尾俊彦市長は、「1点を挙げるのも大変な中、わずかな期間で点数を上げられたのは大きな成果」と評価。学習効果だけでなく、朝学習で集中力が向上し、「校内の雰囲気も落ち着くという効果も出た」ということで、教育環境の向上にも役立ったと指摘する。タブレットの導入では、児童はすぐに慣れて使いこなせるようになり、教員も多少の負荷は増えても児童が熱心に取り組んで学習効果も出ていることで指導意欲も増すという効果もあったそうだ。端末のトラブルがあっても、予備を用意することでその場ですぐに交換していくなどの対策を実施していたことで、学習への影響は「ゼロだった」(シャープ)という。多久市には複数のメーカーのWindowsタブレットを貸与しており、今後の実導入の際は、教育委員会の要望などに応じてタブレットの選定や配布なども行う。現在はインストールのためにメモリカードやUSBメモリといったメディアに対応している必要があり、教材もWindows向けのため、導入はWindowsタブレットとなるが、シャープ自身はマルチプラットフォーム対応の電子書籍技術を持っており、教材もすでにHTML5アプリ化しているため、将来的にはiPadなどへの対応も可能だという。また、デジタル教材は今のところ5年生向けのものしかないが、今後3~6年生用の教材も開発し、提供していく。同様に、国語・算数だけの対応強化も拡大していきたいとしている。多久市でも新5年生に対して実証研究を継続し、STUDYFITの効果を検証していく。今後、教材がそろえば他の学年にも広げていきたい考えだ。シャープでは、こうした実証研究の効果測定を継続して効果をアピールしていき、16年度末までに100自治体での導入を目指す。導入の価格は、児童1人当たり年額5,000円に、教員用の管理システムが1校あたり30万円となり、例えば児童100人の場合は年額80万円程度になるということだ。
2015年04月23日シャープは4月22日、サイクロンふとん掃除機「Cornet(コロネ) EC-HX100」を発表した。シャープ初のふとん掃除機で、約40℃の温風を吹き出しながら同時に吸引する「ヒートサイクロン」の搭載が特徴だ。発売は5月21日。価格はオープンで、推定市場価格は税別40,000円前後だ。Cornetは、約40℃の温風を吹き出しながらダニを引きはがして吸引する「ヒートサイクロン」方式を採用したふとん掃除機。ヒートサイクロンは、シャープが徹底して行ったというダニ研究から生まれた。ダニは掃除機で吸引されると、それに抵抗するべく、するどいツメで繊維にしがみついてしまう。ところが、ダニが嫌う温度である約40℃の熱を与えると、そこから逃げ出そうとして、繊維から手を離すということが実験から明らかになった。そこでシャープは、温風でダニに熱を与えつつ吸引するヒートサイクロンを開発。吸い取られたダニは、遠心分離サイクロンの高速旋回気流によって99%以上が死滅するという。加えて、布団の微細なゴミなどもたたき出して捕じんできるよう、1分間に最大約6,000回振動する「たたきパワーブラシ」を装備。モーター駆動の回転ブラシとゴムブレードでハウスダストをかき出す。Cornetは温風を吹き出すためにヒーターを搭載しているわけではなく、掃除機の内部で発生するモーターなどの熱エネルギーを掃除機の底面で循環させている。消費電力は280W、最大でも530Wだ。ちなみに、Cornetという名称はフランス語で円錐や角笛を指す「cornet」と、布団が清潔になって「コロっと寝られる」という2つの意味を込めて付けられたそうだ。○「ふとん掃除機=ダニ退治機」という認識発表会には、シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長 林一正氏、シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部 国内商品企画部 手塚萌子氏が登壇した。林氏はまず、掃除機の市場について説明した。2014年4月の消費税増税の影響もあり、2014年度の掃除機販売台数は減少。しかし、コードレス式掃除機やロボット掃除機など新ジャンルの掃除機は伸びを見せた。特にふとん掃除機の市場は大きく伸長し、ニーズが拡大していることから今回の発売に至ったという。続いて、手塚氏が新製品のCornetを紹介した。実際に撮影されたダニの映像を見てみると、確かに室温25℃ではダニがきっちりと繊維にしがみついて離れない。Cornetを用いて約37℃の状況で吸引してみると、ダニは繊維から手を離し、スルっと吸い込まれていってしまった。そのほか、手塚氏は使い勝手についても説明。ベッドと敷き布団の使用者割合が日本では半々に近いことから、どちらにも対応できる持ち手「ラウンドハンドル」を採用した。ベッドを掃除したい時は真横から、敷き布団を掃除したい時は少し上部を持つようにするとラクに掃除できるとしている。実際に使ってみると、持ち上げるのは「重い」と感じたが、ベッドと掛け布団の上ではスルスルと滑らせるような感覚で、使い心地は軽かった。○プラズマクラスターイオンで寝具の消臭もCornetはプラズマクラスターイオンを放出する機能も持つ。プラズマクラスターイオンによって寝具についたニオイなどを消臭できる。
2015年04月22日シャープは4月22日、サイクロンふとん掃除機「Cornet(コロネ) EC-HX100」を発表した。発売は5月21日。価格はオープンで、推定市場価格は40,000円前後(税別)。掃除機で布団のダニを吸い込もうとすると、ダニがツメで繊維にしがみつくため、なかなか吸い込めない。しかし、ダニは熱を嫌う習性があり、温風を当てると逃げ出そうとする。EC-HX100はこの習性を利用した「ヒートサイクロン」を搭載するふとん掃除機だ。温風を当てながらダニを吸引することで、ダニを繊維から引きはがす。吸引部には、布団に振動を与えてハウスダストやダニの死がい・フンなどをたたき出す「たたきパワーブラシ」を装備。たたきパワーブラシは、最大6,000回/分で振動する。温風の熱には、掃除機内部のモーターなどから発生したものを利用し、ヒーターは搭載していない。プラズマクラスター発生機構も装備しており、温風とプラズマクラスターの組み合わせにより、布団や枕に付いたニオイや湿気を除去できる。本体サイズはW304×D405×H254mmで、質量は2.4kg。電源はAC100Vで、消費電力は280W(最大消費電力530W)となっている。ダストカップの容量は0.1L。カラーはシルバー系とピンク系の2色。
2015年04月22日シャープは4月3日、液晶ディスプレイを複数繋ぎ合わせたマルチディスプレイや4K対応ディスプレイによる大型デジタルサイネージシステムを、東京都・新宿駅西口広場に納入し、4月9日より運用を開始すると発表した。納入するシステムは、70V型 4K対応液晶ディスプレイ<PN-H701×2台>や、32V型 4K対応液晶ディスプレイ<PN-K322B×2台>、60V型 液晶ディスプレイ<PN-V601A×12台>、47V型 液晶ディスプレイ<PN-U473×10台>、32V型 液晶ディスプレイ<PN-Y325×7台>などとなる。60V型液晶ディスプレイを12台繋ぎ合わせた約227インチ相当の大型マルチディスプレイには、東京都からの行政情報や電車・バスなどの交通情報を表示。4K対応の70V型/32V型液晶ディスプレイでは、高精細な4K表示で周辺地域の地図案内を行う。また、32V型液晶ディスプレイでは、簡単なタッチ操作で地図情報を検索できるほか、検索した情報を70V型の大画面液晶ディスプレイに表示し多人数で確認することも可能だ。さらに、災害発生時には災害情報や道路情報などを提供し、地域の防災活動支援にも活用される予定となる。なお、同システムは、公益財団法人東京都道路整備保全公社により設置・運営される。参考記事 : 東京都・新宿駅に新大型デジタルサイネージ - 情報提供を強化
2015年04月06日●どこが進化した?シャープが4月1日に発売するスロージューサーの新モデル「ヘルシオ ジュースプレッソ EJ-CF10A」。2012年6月に初代、2013年4月に2代目を発売し、今回で3代目となる新製品は、従来機種の使い勝手を改善しながら、新たにフローズンメーカー機能を搭載した。ウォーターオーブンやお茶プレッソと並んで、"健康的な食生活"を家電で実現する新製品をひと足早く体験したレポートをお届けしたい。○手入れしやすくなったスクリュー&フィルターまずは本製品で一番の改良ポイントとなるのが、「フィルター分離型スクリュー」だ。2代目モデルでは、フィルターと一体型のスクリューを採用し、部品のコンパクト化や装着、手入れなどのわずらわしさを改善したが、今回はフィルターとスクリューを分解できるようにした。分解できるようになったことで、フィルターの網の目に詰まった食物の繊維など搾りかすを取り除きやすくなった。従来はスクリューと一体になっていたぶん、重くて扱いづらかったのだが、新製品ではフィルターのみを洗えるため、かなりラクになった。また、フィルターは袋状になっており、手を差し入れられるため、握りやすく洗いやすいというのもメリットだ。スクリューとフィルターを分離したことによって新たに実現したのが「フローズンメーカー」としての機能だ。ジュース用のフィルター部分をフローズン用アタッチメントに付け替えることができる。どちらの発想が先だったのかは不明だが、仕様を一つ変更したことにより、二つの恩恵が受けられるという一石二鳥の改良といえる。スクリューとフィルターが一体の従来モデルは、使用時の装着部品が少なく、組み立てがシンプルだという長所があった。フィルター一体型スクリューを本体の容器にセットして、フタをしたら上から材料を投入する、という単純なステップだけ。新製品はフィルターとスクリューが分離したとはいえ、複雑な構造というわけではなく誰でも迷わず部品を装着できるようになっている。これなら機械操作が苦手な人でも安心して使えるだろう。パーツどうしをかみ合わせなければならない部分などに、マークやガイドが描かれているのも地味ながら親切な心遣いだ。●ジュースとフローズンを作ってみる○低速だからなめらかな仕上がりEJ-CF10Aは、モーターが1分間に32回転するスロージューサーだ。低速回転のおかげで、モーターによる温度の急上昇を抑えて食材の酸化や栄養素の破壊を防ぐ。低速だとアスパラガスなどの硬い食材や、水分が少ない葉物野菜などからもしっかりジュースを搾り取れ、ニンジンなど繊維の多い食材でも、なめらかでサラッとしたジュースを搾れる。カッターで食材を切り刻んで液状化させるフードプロセッサーやミキサーの類とはまったく異なるできあがりだ。○フローズン機能の追加はうれしい進化フローズン用アタッチメントに付け替えると、凍らせた食材をすりつぶしてシャーベットやジェラートのような冷たいデザートを作ることができる。世間一般的にみれば特段珍しい機能ではないが、ジュースプレッソでは今回が初の対応である。フローズン用アタッチメントが1つ追加されただけのように思われるかもしれないが、実際には凍った食材をすりつぶせるだけの十分な馬力(トルク)を持つモーターを組み込む必要があり、本体の大きさをそれほど変えずに実現したのはスゴイことなのだ。前述のとおり、分離可能なスクリューとフィルターの採用により、手入れはかなりラクになった。それに加えて、フローズン機能の搭載だ。順当な進化を遂げた3代目で、スロージューサーとしての完成度はかなり高いと評価できる。●"とりあえず冷凍"の救世主スロージューサーとしては高評価だが、フローズンメーカーとしては"あと一歩"と思うところもある。すりつぶして外へ押し出す過程で、押し出しきれずに中に食材がたまってしまうのだ。特に水分が少ない食材や粘り気の多い食材をフローズンにすると顕著で、容器内側の溝やスクリューの溝・隙間に留まってしまう。洗い流して捨てるのももったいないので、この点はぜひ改善してほしい。とはいえ、スロージューサーとしての完成度の高さとフローズンを楽しめるということを考えれば、全体的に満足できる製品と言ってよい。いろいろな食材で、オリジナルのメニューを、しかも添加物など余計なものを加えずにフレッシュな状態で、自宅にいながら楽しめるというのは何と言っても贅沢。また、腐らせてしまう前にとりあえず冷凍保存したものの、結局そのまま使わずじまい、なんて食材をフローズンメニューとして再生させれば、食費節約のためのちょっとした救世主にもなるかもしれない。
2015年03月31日シャープは3月25日、「HEALSIO(ヘルシオ)」シリーズのお茶メーカー「ヘルシオ お茶プレッソ」の新モデルとして「TE-TS56V」を発表した。発売は4月24日。価格はオープンで、推定市場価格は税別28,000円前後だ。お茶プレッソは、本体に備わったセラミック製の「お茶うす」で茶葉を粉末状にしたうえで、湯などを注いでお茶を淹れてくれるお茶メーカー。このたび発表されたTE-TS56Vは、2014年4月に発売された初代モデル「TG-GS10A」の後継モデルに当たる。TE-TS56Vでは、一度沸騰させた湯を空冷方式で冷ましてからお茶を淹れる「湯ざまし機能」を追加。従来は85℃の「温茶」しか淹れられなかったが、70℃の「ぬるめ」を選択できるようになった。70℃まで冷ましてからお茶を淹れることによって、カフェインやカテキンの苦みを抑えたまろやかなお茶を抽出できる。お茶を淹れるのにかかる時間は従来モデルと同じだ。お茶うすは、さらにきめ細かい粉末茶を実現するために下臼の溝部分に設けられた紋様を変更。茶葉がより長時間臼に留まるようになったため、約15ミクロンから20ミクロンの粒度のきめ細かい粉末茶を挽ける。摩擦熱で茶葉にダメージを与えないよう、臼の回転速度は従来モデルと同様の1分間100回転のままだ。また、下臼中心の軸に「茶葉引掛け突起」を新たに装備。突起に茶葉を引っ掛けて引き込むことで、臼挽き時間を従来の2分から1分40秒に短縮した(1杯分の場合)。従来モデルでは、飛散した茶葉や粉末茶が静電気によって本体に付着してしまうことがあった。TE-TS56Vではお茶うすを本体にセットする箇所に帯電防止樹脂を採用し、付着を防止する。また、置き台とつゆ受けトレイが取り外しできるようになり、丸洗いできるようになった。サイズはW233×D225×H296mm、重量は3kg。容量は従来より140ml増量した560ml。消費電力は940W。カラーはグリーン系とレッド系。別売のオプションとして、お茶うす「TH-GU2」もTE-TS56Vと同日に発売する。推定市場価格は税別6,000円前後だ。シャープは下位モデルとして、湯ざまし機能を省略した「TE-GS10B」も発表した。サイズはW220×D207×H277mm、重量は2.6kg。容量は420ml。消費電力は930W。カラーはグリーン系とブラウン系。推定市場価格は税別25,000円前後だ。
2015年03月25日シャープは3月19日、さまざまな業務用システムの構築を可能とする「ITユニバーサルボックス(品名:SC-BX2)」を開発し、2015年4月下旬より提供を開始すると発表した。これまで業務用途のシステムではWindowsベースのものが多かったが、近年、スマホの普及のほか、カスタマイズのしやすさなどが受け、Androidを使おうという機運が高まりを見せている。一方、テレビなどの表示機器もスマート化が進んできており、業務用ではAndroidを搭載したITテレビモニターなども提供されるようになってきている。シャープではそうした動きを受け、テレビの業務用途展開の加速を目指して取り組んできたが、新たにそうしたITテレビモニターを購入するのではなく、最新世代のテレビを手軽にスマート化したいというニーズもあったことから、今回の製品の開発に至ったとする。同製品は、用途に合わせてソリューションの提案を可能とするAndroidの外付けボックス型端末でCortex-A17クアッドコアSoCを搭載。メモリはRAMとしてDDR3が2GB、ROMとしてeMMCが8GB搭載されているほか、1000Base-Tの有線LAN、IEEE802.11 a/b/g/n/ac対応(5GHz帯対応)の無線LAN、Bluetooth 4.0+EDR/LEのネットワークに対応している。またインタフェースとしてはHDMI出力×1、USB 2.0×2、microUSB(容量としては128GBまでは同社にて確認済み)×1、microSDカードスロット×1を揃えており、4k@60fpsの動画再生にも対応している。さらにCEC信号にも対応しているため、CEC信号に対応しているテレビのリモコンで操作することが可能。加えて、高圧縮動画デコード「H.265/HEVC」にも対応しており、画像伝送時のサーバ負荷の軽減を可能とする。OSにはAndroid 4.4.2を採用しているが、今後のアップデートについては配信サーバとのセットソリューションで提供するソリューションの場合でサポートをすることを検討しているほか、サーバを介さずにクラウドベースでアップデートを行うといったサービスもニーズや案件に応じて検討を進めていくとする。さらに、業務用途としての信頼性を確保するために、GoogleのCTS認証も取得しており、Androidアプリの安定した動作が保証されている。また、システムハングアップ時の自動再起動機能やシステムファイル破損時の出荷時情報への復帰機能のほか、コイン電池を用いることで電源が供給されていない場合でのカレンダー情報保持が可能となっている。なお、同社では自社販売のほかSIerなどを経由して販売していくとしており、価格は台数次第のところはあるが5万円前後を予定しており、年間1万台の販売を目指すとしている。
2015年03月19日シャープは3月12日、ロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」シリーズの新モデル「RX-V95A」を発表した。部屋の隅を特に念入りに掃除する機能を搭載している。発売は4月下旬。価格はオープンで、推定市場価格は税別90,000円前後だ。RX-V95Aは、部屋の隅にたまったゴミを風でかき出す「エアーすみブラシ」搭載したロボット掃除機。部屋の隅を検知すると「ここは念入りに」という音声を発して、首振りを3回する。首振りの間に、エアーすみブラシから吹き出す風でゴミを進行方向へ移動させて、後で回収する仕組みだ。走行システムは、部屋の隅を丁寧に掃除する「首ふり走行」のほか、掃除スタート時に壁際などを規則正しく走行する「縦・横ジグザグ走行」、物が多い時に採用される「ランダム走行」、家具の脚まわりに沿うように走行する「くるりん走行」、ゴミを検知した際に吸引力をアップして念入りに掃除する「8の字走行」を組み合わせた「縦横無じんシステム」を採用している。人工知能「ココロエンジン」は進化し、より多彩な言葉を話すようになった。掃除中に「ここは念入りに!」「壁際やりまーす!」「ゴミ発見!」「パワーアップ!」など自分の動作状態を知らせるセリフや、起動時の挨拶などのバリエーションを追加。そのほか、ユーザーが留守中に行った掃除を報告してくれる「聞いてボタン」を新たに搭載した。また、発話音声を自分の好きな声に差し替えられる「音声カスタマイズ」では、これまで別途マイクやパソコンが必要だったが、RX-V95A本体にマイクとSDカードスロットを搭載。これにより、RX-V95Aだけで音声の録音が完了する。そのほか、プラズマクラスターイオンでウォークインクローゼットなどのスポット脱臭を行えるモードなどを備える。内蔵バッテリーは交換可能で、サービスセンターなどへ持ち込まなくても、ユーザーが交換できるようになっている。サイズは直径310×90mmで、重量は2.3kg。約3時間でフル充電される。連続運転時間は最大約100分で、およそ40畳を掃除できる。シャープは同日、エアーすみブラシや縦横無じんシステムを搭載したスタンダードモデル「RX-V70A」も発表した。サイズと重量、充電時間、連続運転時間などの仕様はRX-V95Aと共通だ。価格はオープンで、推定市場価格は税別75,000円前後。
2015年03月12日シャープは3月5日、液晶テレビ「AQUOS(アクオス) W20」シリーズから40V型の「LC-40W20」を発表した。発売は3月20日。価格はオープンで、推定市場価格は95,000円前後(税別)。LC-40W20は、スリムベゼルを採用した40V型の液晶テレビだ。使用している液晶パネルの解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。チューナーは、地上デジタル×2とBS/110度CSデジタル×2(うち、1基は裏番組録画専用)を搭載している。USB HDDへの録画機能を搭載しており、裏番組録画も可能だ。ただし、2番組同時録画には対応していない。DLNAプレーヤー機能も搭載しており、DLNAサーバー機能を搭載したレコーダーなどに保存されているコンテンツを、ホームネットワーク経由でLC-40W20から再生可能だ。そのほか、無線LAN(Wi-Fi)機能を持つため、ネットサービス「AQUOS City」から、YouTubeやTSUTAYA.TV、アクトビラ、Huluなどのコンテンツを利用可能だ。また、番組情報とネット番組を一覧表示する「ビジュアルモーションガイド」を採用し、利用したいコンテンツへすばやく移動できる。入力はHDMI端子×3、D5端子×1、AV入力端子×1、PC入力(ミニD-Sub15ピン)を装備。USBポートはHDD接続用×1と、写真や音楽、動画入力用×1を装備する。本体サイズはW901×H550×D221mmで、質量は約14.5kg。消費電力は約82Wで、年間消費電力量は60kWh/年となっている。
2015年03月06日ロドルフォ・パリアルンガ2シーズン目となるジル・サンダー(JIL SANDER)2015-16秋冬コレクションはシャープな中に柔らかい温かみがある。張り感のあるドライな質感のカシミア×ウール素材のテーラードジャケット、ミニマムなコート、ワンピースなどアウター類は細く縦長なシルエット。ひざ下まで覆うコートとワンピースは脇や前後にスリットが入り、動き安さに配慮されている。シャープな印象だが、素材のダブルフェイスカシミアが温かみを醸す。ベルトのみで留めるコートはローブのようで、リラックス感に溢れる。この柔らかい印象はホームカーペットやラグのようなテクスチャーと柄でデザインされたファーコートも同様。パッチワークやジャカードで作られた手の込んだアイテムだ。インナーに合わせられるのはタートルネックニットやジル・サンダーには珍しいフリルのシャツ。付け襟タイプもあり、二重にしたり、襟のみ着用と様々なルックでスタイリングされている。カラーは深いグリーンとネイビーに明度の高いオレンジ、ピンク、イエローなどをミックス。このミニマルな色合わせに斜線やチェックが挿入され、よりグラフィカルな印象が増す。チョークストライプのようなラインの大判チェック、レザーテープをミシンで叩いて作り出したストライプ、レザーをボンティングしたジオメトリック模様などスパイスの利いた柄パターンだ。新バッグはフラップの中央部にスリットが開いたデザインのショルダーとフラップにハンドルが穿たれた2タイプが登場。様々な色とレザーで展開されている。
2015年03月04日シャープは2月24日、電子黒板用途などに適した新しい手書き入力を実現できるタッチパネルシステムを開発したと発表した。今回開発したタッチパネルでは、ボタンなどで複数のペン機能を利用できるアクティブ方式のスタイラスを同時利用でも認識できるようになった。具体的には、2012年12月に、多点入力を一括して検知・処理できるシャープ独自の並列駆動方式のタッチパネルを発展させたもので、タッチパネルを制御するコントローラICのソフトウェアを改良し、スタイラスにこのICと連携する回路を内蔵したことで個々のスタイラス識別や、指とパッシブペンとの同時認識を可能にした。アクティブ方式のスタイラスは、現在も様々な製品が市場に投入されているが、有線による接続でなければ遅延なく同時認識できない制約がある。無線によるスタイラスを実現していたとしても、タッチ信号処理とペン信号処理を時分割していたため、タッチとペンを同時に利用するとタッチ性能が劣化するケースが多かったという。一方で、今回のアクティブスタイラスを統合した静電容量方式タッチアーキテクチャは、タッチ信号処理とペン信号処理をCDMAによってマルチプレクスした。Drive Chに割り振るコードと同様に各アクティブペンにコードを割り当て、タッチコントローラはアクティブペンをDrive Chの1つとして信号復調を行い、ペン位置を特定している。現時点で、アクティブペンの同時認識は2本となっており、4本~10本程度は大きなシステムの改修なしで対応できるという。これは、各アクティブペンに割り当てる符号をどれだけ長くできるかにかかっており、長い符号を割り当てられれば、それだけ多くのアクティブペンを利用できることになるという。ただ、100本単位になると、コントローラICの並列読み出しに負荷がかかってしまうので、現在のICでは難しいようだ。アクティブペンの電池は、開発レベルの素子にFPGAを利用していることもあって消費電力が大きく、単4電池となっているが、商品化する際にはIC化を図り、単6電池で1000時間の設計仕様を目指すという。これは、1日2時間の利用を想定した場合、2年間もつ計算で、十分実用に耐えうるレベルだろう。ICの回路設計はほぼ完了しており、製品化は遠くないタイミングで実現できるとしていた。現在はパッシブペンであっても、ホバー操作が可能なディスプレイがスマートフォン向けに投入されているが、タブレット端末やさらなる大画面では実現が難しい。アクティブペンは、ペン先から信号を出しているため位置検知が可能だが、今回のタッチパネルでもホバー操作を実現している。試作ディスプレイでは、2cm程度離しても利用可能で、商品化時でも1cm程度離しても位置を特定できるようにするようだ。アクティブペンは、ペンに付いているボタンとホバー操作を含めて多様な操作を実現できるため、プロ用途としても潜在的な需要が大きい。今回の発表では、「電子黒板に適した手書き入力」としているが、記者向けに行われた説明会では、タブレット端末への導入も視野に入れているとした。ただ、シャープのタッチパネルディスプレイはTVなどの大型製品であっても静電容量方式タッチパネルの性能が高いため、アーケードゲーム機などのエンタテインメント活用や、情操教育といった電子黒板以外の教育用途の利用も面白いかもしれない。なお、米国・サンフランシスコで22日~26日に行われている半導体技術の国際学会「ISSCC 2015」で、この新タッチパネルシステムの論文が採択されている。
2015年02月24日シャープは2月23日、従来機からハイブリッドパワーコンディショナの定格出力と、リチウムイオン蓄電池の容量を増強した「クラウド蓄電池システム」を発売すると発表した。同システムは、ネットワーク上で情報を管理する「クラウドサーバー」と連携し、電気料金プランや季節・時間帯によって変化する電力使用状況に合わせたエネルギーマネジメントを実現する。太陽光発電と蓄電池を制御するハイブリッドパワーコンディショナは、従来機と同サイズながら定格出力は30%向上し5.5KWを実現、入力回路は2回路から3回路へと増えた。また、リチウムイオン蓄電池本体は、容量が9.6kWhと従来機の2倍に拡大した。さらに、大雨や暴風、高潮などの気象警報が発令されると、自動的にリチウムイオン蓄電池本体を満充電の状態に維持し、停電時に備える機能が搭載された。この「クラウド蓄電池システム」は5月26日の発売を予定しており、希望小売価格は356万円(税別)となっている。
2015年02月23日シャープは2月13日、液晶事業説明会を開催し、2014年度の液晶事業の見通しと、今後注力する車載用ディスプレイの取り組みについて発表した。2014年度第3四半期の同社液晶事業の売上高は、前期比6.3%減、前年同期比14.2%減の2380億円だった。第4四半期は前期比13.8%増、前年同期比15.3%増の2710億円を見込んでいる。これにより、2014年度の営業利益は400億円となる見通し。第3四半期の業績悪化は、タブレットなどの中型市場の需要拡大の遅れや、中国スマートフォン市場の競争激化によるパネル価格の下落、WQHDなどの高精細パネル市場の立ち上がりの遅れにより、流通在庫が増加したことなどが要因だったという。そして、これらに加え、中国のサプライチェーンでのトラブルも挙げた。昨年夏のタッチパネルメーカー台湾Wintekの経営破綻によるもので、「月産100~150万枚規模のスマートフォン向け液晶とタッチパネルの貼り合わせ工場が、夏以降も稼働していたが、12月初旬に突如閉鎖しストップした。徐々に他のタッチパネルメーカーへの切り換えを進めていたが、このルートに当社製品が多かった」(代表取締役 専務執行役員 デバイスビジネス担当 方志教和氏)と詳細を述べた。一方、今後の展開について、2015年度以降の直近の対応では、中型パネルの新規顧客開拓と拡販を図り、亀山第2工場(三重県)の中小型生産比率を50%まで引き上げることを目指す他、中国市場での競争優位性を確立するため、スマートフォンメーカーが多く集まる華南地区の営業強化、IGZO液晶の高性能化、インセルタッチパネルの早期量産化を進める。なお、インセルタッチパネルについては、今年6~7月より量産を開始する予定で、スマートフォン向けの中小型では、WQHD対応品の量産を低温poly-Si(LTPS)でスタートさせる。17型クラスの中型はIGZOで進めていく方針で、サイネージ向けなどの大型に関してはIGZOとコントローラを組み合わせた「フリードローイング技術」で実現していくとした。2017年以降の中期の対応では、液晶事業のポートフォリオを転換し、車載、IA、医療など社会インフラなどを中心としたBtoBtoB市場に注力して、その比重を拡大していく。スマートフォンやタブレット、液晶TVなどのコンシューマ製品扱うBtoBtoC市場は、低価格志向が強く、サイクルタイムが短い。さらに市場の変動が激しく、急激な売価ダウンのリスクが高い。これに対し、BtoBtoB市場はカスタム性が強く、品質力、技術力、サポート力などが必要で、強みが生きるとシャープでは考えており、「液晶事業のBtoBtoB構成比を2014年度の15%から、2021年度には40%まで引き上げたい」(方志氏)とした。また、BtoBtoB市場の中でも、特に注力する分野として車載を挙げた。バックミラーにディスプレイを内蔵した製品や、超低反射ディスプレイ、インパネ向けにフリーフォームディスプレイ(FFD)、高感度タッチパネルやジェスチャセンサ、さらにディスプレイ技術以外ではカメラを生かしたビューシステムなど、次世代技術をユーザーに提案し普及を目指すとしている。
2015年02月16日●中国スマホ市場の変調が影響シャープは2月13日、大阪市内で、同社の液晶事業への取り組みについて説明を行った。同社が発表した2014年度第3四半期決算では、液晶事業の減速感が際立った格好になったが、今回の説明では、それを補足するとともに、同社が開発中の技術をあらためて公開する場とした。○中国スマホ市場の変調が原因同社の第3四半期における液晶事業の実績は、売上高は前年同期比14.2%減の2380億円、営業利益は55.9%減の114億円と減収減益になった。タブレット向けの中型液晶市場の需要拡大が遅れたこと、中国スマートフォン市場の環境変化が影響。亀山第2工場における中小型比率は当初の見込みを下回り、35%の構成比に留まった。利益率の高い中小型液晶ディスプレイへのシフトが遅れ、想定の利益を確保できなかったことが原因だ。「中国スマートフォン市場における流通在庫の増加により、競争が激化した。パネル価格の下落、高精細市場の立ち上がりの遅れによるモデルミックス悪化などの影響が出た。市場の急激な変化への対応が遅れた点が反省点」だと、シャープ 代表取締役専務執行役員デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏は語った。また、「中型パネルの落ち込みを小型パネルで補おうと考えたが、台湾のタッチパネルメーカーが破たんしてことでサプライチェーンが途切れ、調達が遅れた。これにより、中型パネルの落ち込みをカバーできなかった」と振り返った。中国最大手スマホメーカーのシャオミへの液晶パネル供給がジャパンディスプレイに移行し、シャープの液晶ビジネスに大きな影響を与えた点も見逃せない。ただし、「中国スマホ市場においては、シャープが一人負けのような形で報道されている部分もあるが、そうとは思ってない。オセロがひっくり返るような状況にはなっていない」(シャープ・方志代表取締役専務執行役員)という。さらに、今回の業績を受けて、2014年度通期の見通しを下方修正。売上高は10月公表値に比べて300億円減の9700億円、営業利益は150億円減の400億円とした。だが、「2013年度の営業利益実績から、特許や技術指導などのエンジニアリング収入を除いたベース値からは1.5倍の着地になる」と説明。計画値には達していないものの、液晶パネルそのものでの利益を確保していることを強調した。○IGZO液晶やインセルタッチパネルがカギ今後はタブレットやPC、モニター向け中型パネルの新規顧客開拓と拡販によって、亀山第2工場における中小型液晶パネルの生産比率を50%に高めることで収益性を改善するという。方志代表取締役専務執行役員は「液晶事業の構造改革は2年前から開始しており、中小型をフレキシブルに生産にできる体制をすでに構築している」と述べた。また、中国市場での競争優位性確立に向けて、中国・華南地区での営業体制の強化、IGZO液晶のさらなる高付加価値化とコスト革新の実現、インセルタッチパネルの早期量産化などに取り組む姿勢をみせた。第3四半期決算発表の場では、高橋興三社長が、「インセルタッチパネルの量産化は今年夏になる」としていたが、今回、方志代表取締役専務執行役員は、「6~7月になる」と時期を明言した。インセルタッチパネルは、タッチ機能を液晶パネルに内蔵する技術で、従来のように液晶パネルの上にタッチパネルを貼り付ける方式に比べて、モジュールを薄型軽量化できるのが特徴。タッチパネルを外付けしないためコストダウンが可能になる。だが、その一方で、歩留まりが悪く、画面サイズの大型化が難しいこと、ノイズ対策の難しさや開口率の低下が表示性能に影響するといった課題があった。シャープでは独自アルゴリズムの採用により、競合他社の技術に比べて大型化を可能とし、17型程度の大きさにまで対応できるという。さらに、今回説明したインセル技術とは異なるが、独自のノウハウを採用したフリー・ドローイング技術により、100型までの大型ディスプレイや4K2Kディスプレイにまで、タッチ技術を効率的に埋め込むことができる。「シャープのインセル技術は、中型サイズやWQHDの高精細まで展開が可能である点が特徴。また、大型ディスプレイでは当社独自のフリー・ドローイング技術によって、操作性を革新し、新たな市場開拓に取り組むことができる。液晶パネルにUI技術をシステムインテグレーションすることで、1~100型まで、また、HD720~4K2Kまでの付加価値がある液晶パネルを幅広く提案していく」。また、「インセルタッチパネルは、ほとんど追加投資がなく生産できる。三重工場や亀山第2工場、天理工場でも生産でき、既存顧客向けに加えて、新規顧客向けにも提供していく」とした。●BtoBtoBの比重を拡大、とくに車載市場に注力する○BtoBtoBの比重を拡大、とくに車載市場に注力するまた、2017年度以降の中期の液晶事業の基本戦略として、車載、IA、POS端末、医療分野や公共施設、教育施設、商業施設などの社会インフラを中心とした、BtoBtoBの比重拡大を図る姿勢を明らかにした。シャープのビジネスは、スマートフォン向けやタブレット、ノートPC、テレビ向けのBtoBtoCビジネスが85%を占め、車載用、IA(インダストリアル・アプライアンス)、社会インフラなどのBtoBtoB向けは15%に留まる。これを2021年度には約40%にまで高めていく計画を示した。「BtoBtoCはボラテリティリスクが高いのに対して、BtoBtoBはカスタム性が強く、品質力、技術力、サポート力、提案力が必要となり、参入障壁が高い。BtoBtoCへの依存度を軽減し、BtoBtoB領域ではディスプレイのUI革新により、既存システムの進化を提案する」という。同社では、車載市場は2018年には、2014年比で1.3倍、IA・医療市場は1.1倍、サイネージ市場は2.1倍になると想定。これにより、BtoBtoB事業の拡大を目指すという。とくに車載事業は今後の重要な柱になるようで、実際、「BtoBtoB事業の核として車載事業を拡大する」と宣言した。車載ディスプレイ市場は、2018年には、2014年比で、金額ベースでは130%となる5805億円、台数ベースでは140%の1億2500万台への伸長が見込まれている。具体的には、バックモニターミラーディプレイ、インパネディスプレイ、センターインフォメーションディスプレイ、ディスプレイオーディオ、ヘッドアップディスプレイ、リアシートモニターといった製品群によって、シャープの強みを発揮していく。シャープ ディスプレイデバイス第一事業本部第四事業部長の森正治氏は、「今後は、自動車のなかに多くのディスプレイが入って行くことになる。車載用ディスプレイは、インパネディスプレイ、センターインフォメーションディスプレイ(CID)といった様々な用途が考えられる」とする。安全運転の支援ではミラーディスプレイのほか、超低反射液晶、低温超高速応答といった技術を生かす一方、スタイリッシュなデザインの実現では、フリーフォームディスプレイや曲面ディスプレイの採用、ストレスない操作の実現ではフリー・ドローイング技術による高感度タッチパネル、ジェスチャーセンサーなどの技術で差別化できるとする。「シャープは、1990年に車載用4型TFT液晶ディスプレイの量産を行って以来、車載用ディスプレイ市場において25年の実績を持つ。新しい市場ニーズの発生に伴い、安全(視認性向上)、快適(異型・狭額縁・曲面)、使いやすさ(センサー機能統合)などの価値が求められるようになっている。40年以上にわたる液晶ディスプレイ開発実績と、25年にわたる車載納入実績に加えて、センシングデバイスとの融合を図ることで、人にやさしい安全、快適、使いやすい車の実現に貢献していきたい」と述べた。
2015年02月13日シャープは2月10日、「HEALSIO」シリーズから、スロージューサー「ヘルシオ ジュースプレッソ」の「EJ-CF10A」と「EJ-ST1」を発表した。発売は4月1日。価格はオープンで、推定市場価格はEJ-CF10Aが37,000円前後、EJ-ST1が33,000円前後(いずれも税別)。ジュースプレッソは2012年6月発売の初代、2013年4月発売の第2世代に続いて、今回のEJ-CF10AとEJ-ST1が第3世代にあたる。初代から"低速圧縮搾り"と呼ばれる方式を採用しており、栄養素の破壊と酸化を抑えてジュースを搾れる。EJ-CF10AとEJ-ST1では、"分離型スクリュー"と呼ばれる新たな部品を採用。第2世代のフィルター一体型スクリューを分解できるようになり、内側に詰まった食物の繊維といった絞りかすをしっかり取り除けるように改良された。EJ-CF10Aはフローズンデザート作りにも対応。フィルターを新たに用意したフローズン用のアタッチメントに付け替えることで、凍らせた食材からフローズンデザートやフローズンサラダを作ることができる。EJ-ST1は従来モデルのデザインを引き継ぎ、EJ-CF10Aは竹をイメージした直筒状のデザインとなっている。本体カラーは従来のレッドに加えて、フルーツや野菜をイメージしたビタミンカラーの全5色で展開。EJ-CF10Aがレッド系、グリーン系、オレンジ系の3色、EJ-ST1がイエロー系、ブルー系の2色を用意する。サイズと重量はEJ-CF10AがW150×D177×H425mm/4.7kg、EJ-ST1がW150×D194×H435mm/4.6kg。いずれも1分間に32回転する。○手入れもしやすい"フィルター外搾り"方式製品の発表に先駆け行われた記者説明会でデモンストレーションなどを行った、シャープ 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部 副事業部長兼商品企画部長の田村友樹氏は「現在市場に出ているスロージューサーは、スクリューとフィルターの間で食材を搾って、ジュースが外側へ濾される"フィルター内絞り"方式を採用している。これに対して、シャープのジュースプレッソは2代目以降、一体になったスクリューとフィルターで、ジュースが内側へ濾される"フィルター外搾り"を採用しているのが特徴。フィルター内絞りタイプに比べて、繊維質をあまり含まずに搾れることや手入れのしやすさに優位性がある」と説明。さらに、「従来モデルでも、弊社はDCモーターを採用して小型化を図っていた。今回のフローズン対応にする際にも、十分な馬力(トルク)のモーターを組み込むところが大変だった」と製品設計上の苦労を明かした。
2015年02月10日シャープは2月5日、デジタルコードレスファクシミリ「UX-AF90CL」と電話機「JD-AT80CL」を発表した。新製品は、昨今問題となっている"振り込め詐欺"の対策に役立つ製品だという。○どうやって"振り込め詐欺"被害を防ぐのかUX-AF90CLとJD-AT80CLは、振り込め詐欺被害に遭うことを防ぐための7機能を搭載する。そのうちの1つが「自動聞いてから応答」機能だ。電話機本体の電話帳に登録されていない電話番号から着信した場合、振り込め詐欺対策モードが設定されていることを知らせる自動応答メッセージが流れる。その音声メッセージが、電話を掛けてきた相手に名乗るよう促すため、ユーザーは相手の名前を確認してから電話に出るかどうかを判断できる。そのほか、電話帳に登録されていない電話番号からの着信を赤色のランプで通知する「あんしんLED」機能や、非通知の電話を自動で通話拒否できる「非通知お断り」機能、警告メッセージを流してから通話内容を録音する「自動通話録音」、不審な電話などで困った時に家族や警察・自治体などあらかじめ登録した相談先にワンタッチで電話を掛けられる「あんしん相談ボタン」などの機能を備える。ファクシミリのUX-AF90CLは、2013年2月に発売されたUX-810CLの後継モデルだ。4.9型の視認性に優れた液晶ディスプレイや、ワンタッチで操作できる"音量大"ボタン・"音声案内"ボタンなど高齢者の使用を意識した操作性となっている。○足立区で新製品の効果を実証する実験新製品発表会には、シャープ デジタル情報家電事業本部 モバイルソリューション事業部 事業部長の辰巳剛司氏が登壇。「携帯電話の普及によって固定電話回線の加入者数は微減が続いているが、現在も約5,600万回線を維持している。ファクシミリや電話機端末の需要も減少傾向にあるが、2014年度の販売台数は年間約280万台に上る」と固定電話機に根強い需要があることを強調した。さらに「固定電話端末の購入者層は60歳代が30.9%、70歳以上が42.8%。全体の約7割が60歳以上のシニア層」と分析し、高齢者のニーズに合わせる形で、このたびの新製品に振り込め詐欺対策機能を搭載したと述べた。また、発表会にはゲストとして、足立区役所 危機管理室 危機管理課長の伊藤三津夫氏も登場した。軽犯罪が多いといわれる同区での犯罪防止の取り組みと、振り込め詐欺被害の実態を紹介した。伊藤氏によると、"特殊詐欺被害"と呼ばれる、いわゆる振り込め詐欺の被害件数は、足立区において2013年が107件、2014年が101件。被害額はそれぞれ約3億1,000万円、約3億4,000万円にも上ったとのことだ。足立区は、2014年8月から都内で実施されている「特殊詐欺根絶オール東京プロジェクト」のモデル自治体でもあり、区内では実証実験なども行われている。2015年4月から9月までの半年間、足立区内に住む65歳以上の100世帯に新製品を貸し出して行う効果検証には、シャープも協力する。伊藤氏は「1件でも振り込め詐欺を減らしたい。今回の新製品がその起爆剤となれば」と実験への意気込みを語った。
2015年02月05日シャープは2月5日、デジタルコードレスファクシミリ「UX-AF90CL」とデジタルコードレス電話機「JD-AT80CL」を発表した。発売はUX-AF90CLが2月27日で、JD-AT80CLが3月13日。いずれも価格はオープンになっている。UX-AF90CLとJD-AT80CLは、振り込め詐欺対策に役立つ機能を搭載したモデル。本体の電話帳に登録されていない番号から着信があった際、電話を掛けてきた相手に「振り込め詐欺対策モード」になっていることを知らせ、相手に名乗るように促す自動メッセージが流れる「自動聞いてから応答」のほか、電話帳に登録されている番号とそうでない番号を緑と赤のLEDで知らせる「あんしんLED」、非通知の電話を自動で通話拒否する「非通知お断り」、自動で通話内容を録音する「自動通話録音」、電話帳登録されていない番号との通話後に音声メッセージで注意を呼びかける「通話後声かけ」などの機能を搭載する。親機側だけでなく、子機にも電話番号や通話先などが見やすい大型の液晶パネルを採用。「保留/内線」「音量大」ボタンを通話中でも押しやすい位置に配置している。サイズと重量は、UX-AF90CLがW296×D256×H279mm/2.3kg、JD-AT80CLがW160×D212×H74mm/620g。推定市場価格は、子機1台の「UX-AF90CL」が28,000円前後、子機2台の「UX-AF90CW」が38,000円前後、子機1台の「JD-AT80CL」が16,000円前後、子機2台の「JD-AT80CW」が26,000円前後だ。
2015年02月05日シャープは1月26日、コンビニチェーンのコミュニティ・ストアと連携し、コミュニティ・ストアに設置する同社製マルチコピー機を使った行政サービス対応を2月に開始すると発表した。同サービスは、住民基本台帳カードを利用し、自治体が発行する住民票の写しなどの各種証明書をコンビニエンスストア店舗に設置のマルチコピー機から取得できるもの。2016年1月からの「個人番号カード」交付開始を控え、今後の利用拡大が見込まれている。同サービスの開始に合わせ、新聞などのコンテンツを有料でプリントできる「コンテンツプリントサービス」、専用サイトにデータを登録して最寄り店舗で出力できる「ネットワークプリントサービス」も提供を開始する。同サービスは2月2日に港区の芝浦カピラ店で開始された後、全国のコミュニティ・ストア約100店舗で順次展開される予定。
2015年01月27日シャープは1月22日、同社製「家庭用エアコン」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」の3品目において、特定家庭用機器再商品化法(以下、家電リサイクル法)にもとづくリサイクル料金を引き下げると発表した。リサイクル料金の改定が実施されるのは4月1日から。家庭用エアコンは旧価格の1,500円から1,300円に、内容積170L以下の冷凍庫・冷蔵庫は旧価格の3,600円から3,400円に、内容積171L以上の冷蔵庫・冷凍庫は旧価格の4,600円から4,300円に、洗濯機・衣類乾燥機は旧価格の2,400円から2,300円に引き下げられる(価格はいずれも税別)。このたびのリサイクル料金引き下げは、解体後の素材回収技術が向上したことや、素材市況の価格動向を踏まえて決定された。
2015年01月22日シャープは1月20日、液晶テレビ「AQUOS(アクオス) H20」シリーズを発表した。ラインナップは、40V型の「LC-40H20」と32V型の「LC-32H20」の2モデル。発売日は2月10日で、価格はオープンとなっている。推定市場価格はLC-40H20が90,000円前後、LC-32H20が60,000円前後(いずれも税別)。H20シリーズは、直下型のLEDバックライトを採用した液晶テレビ。明るさのムラが少なく、クリアな発色を実現している。パネルの解像度は、LC-40H20が1,920×1,080ドットで、LC-32H20が1,366×768ドットだ。搭載しているチューナーは、地上/BS/110度CSデジタル×各1。USB接続HDDへの録画機能を備えており、バッファロー製の長時間録画HDD「レコロング」にも対応する。同HDDを使用した場合、BSデジタル放送で4倍、地上デジタル放送では3倍の長時間録画が可能だ。入力端子はHDMI×2に、D端子×1、AV入力×1、PC入力(ミニS-Sub15ピン)×1、USBポート×1、LAN端子×1を装備する。HDMI端子は1080/24p入力とARCに対応している。また、HDMI 2端子はMHLと兼用になっており、スマートフォンなどのコンテンツを大画面で利用することも可能だ。USBポートは、録画用HDDのほかにUSBメモリも接続することができる。写真データを保存したUSBメモリを接続すると、H20シリーズをフォトスタンドとして使用することが可能だ。LAN端子は双方向通信用で、ネットワーク機能は装備していない。本体サイズは、LC-40H20がW926×D200×H603mmで、LC-32H20がW733×D170×H488mm。質量は、LC-40H20が約11.5kgで、LC-32H20が約6.3kg(いずれもスタンド込み)。年間消費電力量は、LC-40H20が76kWh/年で、LC-32H20が35kWh/年となっている。
2015年01月20日●精細感や色の美しさ、そして音にこだわるシャープは、米ラスベガス開催の2015 International CESにおいて、Beyond 4Kと呼ぶ次世代テレビなどを展示。同社の水嶋繁光副社長が、「新たなテレビ、新たなディスプレイはシャープが切り開いていく。それを見せたい」と意欲を見せたように、シャープ独自の最新技術を採用したテレビおよびディスプレイに集中したブース構成だった。なかでも力を注いでいたのが、Beyond 4Kと呼ぶ次世代テレビだ。4Kパネルを利用しながら、独自の画像処理エンジンの搭載により、8K相当の超高精細感や、色の美しさを実現。「4Kを超える次世代AQUOS」の世界を見せた。実際、ルーペを用いて表示された小さな文字や細い線を見ると、4Kではつぶれて見えなかったり、線にギザギサ感が残っていたりするが、Beyond 4Kではきれいに表示されているのが分かった。8Kディスプレイでは、2014年10月に日本で開催されたCEATEC JAPANで披露した85型のフルスペック対応8Kディスプレイを展示した。ここで特徴的なのは、8Kスーパーハイビジョン放送規格であるBT.2020に準拠した表示性能だけでなく、音に関してもこだわっている点だ。上下に30個ずつの小型スピーカーを配置し、波面合成によって、立体的に音を再生できるという。「音を制御する技術によって、映像に合わせた形で、その場所から音が出るような表現ができる。花火の映像であれば、打ち上げた場所から音が鳴っているように聞こえる。しかも、低価格のスピーカーを利用することで、これを再現できる。大画面化すればするほど、音が別の場所で鳴っていると違和感があるので、映像の高精細化に伴って音についてもこだわっていく必要がある」とする。さらに、これまでのAQUOSシリーズに比べて、約3分の1となる約8mmの薄さを実現した70型の「スーパースリムAQUOS」も展示した。●円形、曲面、MEMS-IGZO、量子ドットなどの次世代ディスプレイ○円形、曲面、MEMS-IGZO、量子ドットなどの次世代ディスプレイ一方で、次世代ディスプレイとして、ディスプレイの奥が見えるシースルーディスプレイや、ハーフミラーに変わる素材を使用し、鏡の上に情報を表示するミラーディスプレイ、スマートフォンのAQUOS Crystalで実現したフレームレスデサインを採用した70型、46型のフレームレスディスプレイを展示した。急遽、展示を決定したというのが、量子ドットを採用した液晶ディスプレイだ。「各社ともに量子ドットを採用した展示を行っており、赤の発色に優れているという特徴を訴求している。シャープの場合は、赤の発色性の良さをより自然な形で表現することに力を注いだ」という。今回のCESではBtoB領域にも力を注いでおり、これまでのCESにおけるシャープの展示では見られなかったものだ。BtoB領域で目玉となるのは、世界最大サイズとなる120型の4K2K液晶サイネージ用ディスプレイだ。さらに104型の5Kディスプレイでは、縦型設置で等身大表示が可能である点を訴求。「直接床に設置すれば、反対側に続いた空間があるような演出ができる」(水嶋副社長)とする。また、円柱に巻き付け可能な60型曲面ディスプレイも展示。各社が投入している曲面ディスプレイが凹型であるのに対して、シャープは凸型の加工を行うことで、円柱に巻けるようにした。展示では、水槽のなかに魚が泳いでいる様子をデモンストレーションしたが、まるで円柱のなかに水槽があるような演出が行われていた。四角いディスプレイ形状にとらわれない自由な形状を実現するフリーフォームディスプレイ(FFD)では、新たに丸い形状のものを展示。これまでは一辺が直線形状であることが前提となっていたが、初めて全面丸いディスプレイを実現してみせた。時計などへの応用のほか、自動車のハンドルの中心部に配置し、ハンドルを回転させても表示は常にドライバーに向いているといった使い方もできる。加えて、カメラやセンサー技術を組み合わせた360度フリービューシステムなどの、車載用デバイスを展示した。そのほか、Qualcommの子会社Pixtronixと共同開発した7型のMEMS-IGZOディスプレイ搭載のタブレットや、暗いところでもカラーで撮影ができるカラー暗視カメラ、Android を搭載した2015年モデルのAQUOSシリーズを展示。水嶋副社長は、「米国向けにはほぼすべての機種にAndroidを搭載することになる。日本向けには、徐々にAndroid搭載モデルのラインナップを増やしていく。将来的にはすべての製品で、Androidを搭載することになるだろう」と語った。
2015年01月11日ゼブラは1月8日、シャープペンの芯折れによる集中力への影響を調べることを目的とした脳波を計測する実験の調査結果を発表した。同実験では、どれだけ力を込めても芯が折れないシャープペン「デルガード」と従来のシャープペンを使って、集中力に違いが出るかどうかを、脳科学的に検証した。具体的には、高校3年生男子1名に脳波記録用電極を装着してもらった後、従来のシャープペンと「デルガード」を使って計算問題を解いてもらい、計算問題に取り組んでいる最中にランダムに短い雑音を聞かせ、脳がどれくらい反応(注意散漫)するか、を脳波で計測した。この実験では、集中していればしているほど「外界からの刺激(雑音)」に対して人間の脳が反応する度合いが小さくなることが予測されるという。問題は、マークシート式計算問題150問で、シャープペンシルは両条件とも、3回ノックして芯を出した状態で使用した。実験の結果、従来のシャープペンを使用して芯が複数回折れる状態では、雑音に対して脳が反応しやすく、集中力が大きく低下する様子が見られたのに対し、「デルガード」を使用して芯が折れない状態では、実験中の雑音に対する脳の反応が従来品と比べて、36%抑えられたという。
2015年01月09日シャープは1月5日、米・ラスベガスで6日(現地時間)より開催される家電展示会「2015 International CES」に合わせて、4K(3,840×2,160ドット)表示対応の液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」シリーズ新モデルなどを発表した。発表されたのは4K表示対応の「UH30」「UE30」「UB30」の3シリーズなど。フラッグシップの「UH」シリーズとミドルクラスの「UE」シリーズでは、Android TVプラットフォームが採用されており、スマートフォンなどからコンテンツを転送して映し出したり、ボイスサーチを利用したりできる。また、「Google Play」経由でアプリやゲームをダウンロードすることも可能だ。2シリーズともに、「SmartCentral 4.0」も採用しており、ブラウジングを行ったり、1つの画面内でケーブルTV、衛生放送、ストリーミングの映像サービスなどから横断的にコンテンツサーチを行ったりすることが可能だ。なお、「UB30」シリーズでは「SmartCentral 3.0」が採用される。ラインナップされるサイズは「UH30」シリーズが80型、70型、「UE30」シリーズが80型、70型、60型、「UB30」シリーズが65型、55型、50型、43型となっている。「UH30」シリーズは広色域技術「リッチカラーテクノロジー」や、残像低減技術「AquoMotion 960」を、「UE30」シリーズは「AquoMotion 480」をそれぞれ搭載。また、同社はフルHD(1,920×1,080ドット)表示のAQUOSや、8K(7,320×4,320ドット)表示に対応する85型液晶ディスプレイなども発表・展示している。
2015年01月06日シャープは19日、車載用のプラズマクラスターイオン発生機を3モデル発表した。カップホルダーにセットする「IG-GC15」、カーエアコンの吹き出し口に取り付ける「IG-GC1」、フィルター(空気清浄機能)を搭載した「IG-GCF15」をラインナップする。いずれも発売は2015年1月9日で、価格はオープン。車載用のプラズマクラスターイオン発生機は、2009年12月に1号機を発売して以来、5年で約250万台、他社ブランドも含めると累計900万台を売り上げている。車という限られたスペースに設置することで効果を実感しやすく、タバコやペット、汗のニオイ、カーエアコンのカビ臭さなどが軽減した、というユーザーの声が寄せられているという。軽自動車が売上の上位を占めるようになった自動車市場の変化や、PM2.5など空気環境への不安増大を背景に、このたび用途に合わせた3機種を発売する。○カップホルダーにセットする「IG-GC15」IG-GC15は、車のカップホルダーに設置するプラズマクラスターイオン発生機。タンブラーのようなデザインで、350mlペットボトルと同じくらいのサイズだ。通常運転の約2倍の濃度でプラズマクラスターイオンを発生する「ターボ運転」機能を搭載した。また、背面には10μm以上の微細なゴミを約80%キャッチできる「花粉キャッチフィルター」を備える。サイズは上部直径76mm・下部直径65mm・高さ157mm、重量は280g。カラーはレッド系、ブラック系、ゴールド系。推定市場価格は税別13,000円前後だ。○カーエアコンの吹き出し口に取り付ける「IG-GC1」IG-GC1は、カップホルダーが少ない軽自動車での使用が想定されている。カーエアコンの気流を利用してプラズマクラスターイオンを車内に送り出す。エアコンをオフにしている場合は、運転者の顔周辺にプラズマクラスターイオンを集中して放出。イオンを取り囲む水分子が肌をうるおし、保湿効果も見込めるとしている。また、USB端子から電源を取れるので、車だけでなくデスクや外出先でも使用可能だ。同梱のUSB-カーシガー変換アダプタだけでなく、別売のモバイルバッテリーやUSB ACアダプタ、パソコンのUSBに接続しても使える。サイズはW44×D20×H76mm、重量は約42g。カラーはピンク系、ブラック系、ベージュ系。推定市場価格は税別13,000円前後だ。○フィルターを搭載した「IG-GCF15」IG-GCF15は、プレフィルター、洗える脱臭フィルター、集じん・脱臭一体型フィルターを搭載したプラズマクラスターイオン発生機。イオンを発生するだけでなく、フィルターで空気清浄も行い、車内の空気をすばやくきれいにする。PM2.5にも対応。通常運転の約2倍の濃度でプラズマクラスターイオンを発生する「ターボ運転」機能も搭載する。車内のニオイと空気の汚れ具合を2段階で知らせるセンサーを搭載しており、自動で適した風量に調節する。ベルトでアームレストやヘッドレスト背面に固定して取り付ける。サイズはW184×D77×H243mm、重量は1.1kg。カラーはブラック。推定市場価格は税別25,000円前後だ。○デモの様子製品説明会では、実車を用いたデモも行われた。ドライアイスに湯をかけて発生した白煙を除去したり、車内に置かれたチーズバーガーのニオイを比較したりできた。
2014年12月19日シャープは12月18日、カラー電子辞書「Brain(ブレーン)」の新製品「PW-SB2」「PW-SA2」「PW-SH2」「PW-SJ2」を発表した。発売はPW-SB2とPW-SA2が2015年2月6日、PW-SH2とPW-SJ2が2015年1月23日で、価格はオープンとなっている。推定市場価格はPW-SB2とPW-SA2が34,000円前後で、PW-SH2とPW-SJ2が38,000円前後(いずれも税別)。キーボードを使用するスタイルと、画面を反転させてタブレット端末のようなタッチ操作スタイルの2Wayスタイルで利用できる電子辞書。画面には5.2型・WVGA(800×480ドット)のカラー液晶を採用する。共通の新しい特徴としては、「柔和」を「じゅうわ」というように誤って入力(正しくは「にゅうわ」)した言葉でも正しいものを調べられる「あいまいチェック」機能や、音声入力機能を備える。「あいまいチェック」機能では、誤って言葉を入力した際に正しい言葉の候補をBrainが表示してくれる。本体は落下や加圧、振動などの衝撃に強い「パワーボディ」を採用。アルミ合金液晶フレームが2014年2月発売の従来モデル「PW-SH1」より約30%強化されている。PW-SB2ビジネス・語学向けのモデル。「リーダーズ英和辞典 第3版/リーダーズ・プラス」「新和英大辞典 第五版」(研究社)、「ロングマン現代英英辞典 6訂版」「LONGMAN Collocations Dictionary and Thesaurus」(ピアソン・エデュケーション)、「ATR CALL TOEICテスト対策」(ATR Learning Technology)、「はじめての新TOEICテスト全パート総合対策」(アスク)、「完全攻略!TOEFL iBT テスト」(アルク)などの学習コンテンツから「1週間でマスター 時事&一般常識の完璧対策 2015年度版」(日経HR)のような就職活動対策コンテンツまでを収録する。PW-SA2は生活・教養向けのモデル。「日本語大シソーラス 類語検索大辞典」(大修館書店)、「接客指さし会話帳 4カ国18業種対応」(情報センター出版局)、「アナウンサーが読む 聞く教科書 山川詳説日本史/世界史」(山川出版社)、「NHKラジオ講座 基礎英語1~3 for Brain」(NHKエデュケーショナル)などを収録する。PW-SH2は高校生向けのモデル。「総合英語Forest 7TH EDITION」(桐原書店)、「ATR CALL for Brain」、「ATR CALL TOEICテスト対策」「ATR CALL 理工系学生のためのCOCET」 (ATR Learning Technology)、「完全攻略! TOEFL iBTテスト」(アルク)、「アナウンサーが読む 聞く教科書 山川詳説日本史/世界史」(山川出版社)、「ジーニアス英和/和英辞典」(大修館書店)など、英語学習や試験に役立つコンテンツを収録する。PW-SJ2は中学生向けのモデル。「ATR CALL for Brain」(ATR Learning Technology)、「レインボー英和/和英辞典」(学研)、「英検過去6回全問題集*」「英検でる順パス単」(旺文社)などを収録する。ハードウェア仕様は、ディスプレイが5.2型のタッチパネル式カラー液晶(800×480ドット、タッチパネル部分のサイズは5.6型)で、計算機能の桁数が12桁(加減乗除、メモリー、パーセント計算などが可能)、電源がリチウムイオン充電池となっている。充電池での使用時間は連続表示時で約70時間、連続使用時で約40時間、動画の連続再生時で約5時間。本体サイズはW152.4×D96.5×H18.7mm(突起部含む)で、重量は約300g(充電池、タッチペン、ダミーカード含む)。
2014年12月18日シャープは12月16日、イオングループの書籍専門店「未来屋書店」が運営する「電子書籍ストア mibon(ミボン)」に、汎用のWebブラウザだけで電子書籍が手軽に閲覧できるソリューション「EBLIEVA(エブリーバ)ブラウザビューア」が採用され、サービスの提供を開始したと発表した。また、カタログ通販サービスのニッセンと連携し、ニッセンのサービスサイトを訪れた会員に対して、電子書籍(雑誌)を無料で楽しめる「コンテンツギフト」ソリューションを提供。会員は、雑誌の最新号をスマートフォンなどで楽しめる。さらに、マーケティングソリューション企業のCDGと連携し、サービス業や飲食店の待合室など、訪れた場所でのみ電子書籍(雑誌)を閲覧できる「マガジンスポット」ソリューションを提供。利用者は、待ち時間に自身のスマートフォンなどで雑誌を無料で閲覧できる。シャープは今後も同ソリューションの利便性を活かし、様々な業種に電子書籍の活用を提案していくという。
2014年12月17日シャープは26日、同社のエアコン「SXシリーズ」の新製品発表会を開催した。冷房能力6畳用から23畳用までの8機種を、2015年1月20日に発売する。シャープのエアコンは、独自のイオン発生技術"プラズマクラスター"機能や、上下両側に開いて送風もできる"ロングパネル気流"などを備えている。これらに加えて、前年の2014年度モデルでは、"足冷えまセンサー"と呼ばれる機能を搭載したほか、業界で初めて足元の温度を設定できる製品を発売し、"ママと赤ちゃんにやさしいエアコン"を謳った販売戦略を展開した。今回発表されたSXシリーズは、エアコンの"清潔さ"に主眼を置いた新機能や改良が図られたのが特徴だ。特にカビ対策に重きを置き、従来のプラズマクラスターによるカビの抑制に加えて、カビを発生させないための機能や機構が採用されている。まず1つが運転中の機能として、"ホコリブロックフィルター"を採用。これはエアコン内部にホコリを侵入させないようにするためのもので、フィルターの目を従来の1/4にあたる、1マス5万5300マイクロ平方メートルに小さくした。さらに、フィルターの目に入り込める細くてしなやかな毛と、ホコリをボックスに掻き出せる弾力のある毛からなる"ハイブリッドブラシ"により、従来比で約1.8倍のホコリ除去が可能になっている。また、ファン・送風路・新パワー集中ガイドと呼ばれる部品に"静電反発型チタニア"をコーティング。これは「酸化チタン複合物」ともいわれる物質で、成田国際空港ターミナルの天井ガラス面にも採用されている。この素材の採用により、静電反発の力で電荷を帯びたホコリを弾くことができる。これら機能によってもなお付着してしまったホコリは、従来機種にも搭載されていた"熱交換器クリーニング"機能により、洗い流す。次に運転停止後には、エアコン内部の除湿が行われる。これはプラズマクラスター内部清浄と呼ばれる従来の機能。メーカーによると、冷房・除湿運転時のエアコン内部の湿度は90%以上にもなるとのことだ。ホコリと水分を栄養源にして、空気中の浮遊カビが着床しやすくなることから、エアコン運転後に不可欠な行程としている。最後に停止中の機能として、"プラズマクラスターパトロール"を搭載。室温20度・湿度70%以上というカビが生育しやすい環境になると自動でエアコン内部の空気を動かし、1立方センチメートルあたり10万個の高濃度イオンを放出。さらに、ファンが逆回転することにより、エアコン内部全体にプラズマクラスターを行き渡らせる。シャープでは、これら一連のカビ対策機能を総称して"風クリーンシステム"と呼ぶ。一般的に、カビ菌は室内の空気中1立方メートルあたり100~1000個存在すると言われる。同社が日本食品分析センターに依頼して行った試験では、空気中1立方メートルあたり920個の浮遊カビ菌が含まれる環境下において、エアコンの運転前後のカビ菌数を比較したところ、風クリーンシステム非搭載の前年モデルでは6,500個に増殖していたのに対して、新製品では860個と逆に減少していたという。そのほか冷暖房の機能では、"スピード暖房"と、エアコンの内部を予熱して暖房運転開始後すぐに温風を出せる"即温風タイマー"を追加。2つの機能により、6分以下で部屋全体を設定温度まで温めることができるとしている。また、"やさしさ冷房"も搭載。温度と湿度を検知し、28度設定の冷房運転とリズム風を送る扇風機モードを自動で切り替える機能で、主に就寝時の使用を想定している。前年モデルで搭載された、室温15度で弱運転する"やさしさ暖房"が好評だったことから、今回冷房バージョンとして新たに追加された。記者発表会で登壇したシャープ 健康・環境システム事業本部 空調システム事業部・副事業部長の苅田英之氏は「自社で行った、お母さんを対象にしたアンケートでは、家庭内でカビが気になる場所としてお風呂の次にエアコンと答えた人が多かった。しかし、エアコンのお手入れをしている頻度は半年か1年に1回という人が多く、意識と実態がかけ離れていることがわかった」と説明。「お手入れしなくてもエアコン自身で清潔さを保てるのが大切。カビを予防するという発想で今年のモデルは商品づくりを行った。カビ取りの専門業者など、社内外のカビの専門家にヒアリングを実施してカビ発生のメカニズムに着目して開発した」(苅田氏)と、新製品にいたる経緯を明かした。市場想定価格は、冷房時の定格出力7.1kW (23畳用)のAY-E71SX2が35万円前後。以下、20畳、18畳、14畳、12畳、10畳、8畳、6畳用の順に各33万、30万、28万、27万、26万、24万、23万円前後となっている。
2014年11月26日シャープは26日、プラズマクラスターエアコン「SXシリーズ」8機種を発表した。吹き出す風を清潔にする「風クリーンシステム」を採用している。発売は2015年1月20日。価格はオープンで、推定市場価格は機種によって異なり、税別220,000円から350,000円前後だ。SXシリーズは、エアコン内部を清潔に保ってきれいな風を送り出す「風クリーンシステム」を採用したルームエアコン。目の細かい「ホコリブロックフィルター」、ホコリが風の通り道に付着することを防ぐ「チタニアコート」、熱交換器のホコリを洗い流す「熱交換器クリーニング」を採用し、エアコン内部にホコリがたまらないようにする。そのほか、冷房・除湿運転後にエアコン内部を乾燥させる「内部清浄」、使用しない期間もエアコン内部の環境を見張り、必要に応じてプラズマクラスターイオンを放出する「プラズマクラスターパトロール」機能を搭載し、エアコン内部のカビ発生を防ぐ。運転開始後に設定温度まで一気に暖める「スピード暖房」、エアコン内部を予熱することですぐに温風を吹き出せる「即温風タイマー」を新たに搭載した。また、足冷えまセンサーとロングパネル気流制御による「足もと暖房」機能では、足もと周辺を21度から35度の範囲で暖められる。子育て中の女性たちにヒアリングして生まれた機能「やさしさ冷房」を搭載。部屋の空気と湿度を見張り、冷やしすぎないよう、冷房運転と扇風機モードを自動で切り替えて運転する。そのほか、約15度に部屋を暖める「やさしさ暖房」機能を備える。同社の加湿空気清浄機と連動する機能も搭載。エアコンの暖房運転時に空気清浄機が加湿運転するなど、空気のトータルケアが可能だとしている。また、運転状態や操作方法などを音声でガイドする「ココロエンジン」を搭載。家電ワイヤレスアダプター「HW-A01AY」(別売)を用いればクラウドと連携し、ユーザーは無料の専用アプリ「ココロボ~ド」を通じて、スマートフォンなどからエアコンのメンテナンスについてや天気予報にもとづくアドバイスを受け取れる。主な仕様と推定市場価格は以下のとおり(いずれも税別)。
2014年11月26日●B2C・エネルギーソリューション・B2Bの3分野をバランス良く展開シャープは18日、国内事業についての説明会を開催した。日本国内は経済状態が厳しいものの、2015年度には営業利益率5%を目指し、目標に向けて「目の付け所がシャープという商品を出していきたい」(宮永良一・執行役員 国内営業本部長)と意気込んでいる。シャープは、中期計画初年度となる2012年度に営業利益で黒字回復をしたのち、13年度に当期純利益の黒字化となり、2014年度からは「再成長ステージ」として収益体質のさらなる強化を図っている。通期の営業利益予想は1,000億円で、「上期は市況が厳しくちょっと足りなかったが、14年度では数字を達成するよう努力している」(宮永氏)という状況だ。2015年度には営業利益率5%を目指している。基本戦略として「勝てる市場・分野」へ経営資源をシフト、自前主義からの脱却とアライアンスの積極活用、ガバナンス体制の変革による実行力の強化、という3点を挙げており、取り組む製品としてはB2C、エネルギーソリューション、B2Bの3分野を強化していく。どれかに偏るのではなく、3分野をバランス良く展開していく方針だ。B2C事業では、国内の社会情勢が、高齢化社会、女性の社会進出、世帯数増加という変化にある中、高齢化社会では「平均寿命から健康寿命への関心が高まっている」と、国内営業本部副本部長の細尾忠弘氏は語る。健康をキーワードにした商品の提案や販促活動が大きなポイントになるという。女性の社会進出では、働く女性の人口が過去最高になり、家事と仕事を両立する人が増えたことで、家事の効率化がチャンスになる。さらに、独身世帯の増加による新たな商品需要の増加も見込めるという。さらに、社会インフラでも2016年の電力・ガス自由化、SIMロック解除による通信の自由化、そして4K、8Kの高精細テレビ放送も大きな変化。電力・ガスの自由化では新たなビジネスが出てくると予想。2000年と比較して、世帯ごとで最も支出が伸びた項目が通信費で、この通信費の支出を少なくする商品がビジネスチャンスになるとみる。高精細テレビ放送では、「4K放送が見えてきて、年末を皮切りに一気に4Kが伸びてくる」(細尾氏)と見込む。細尾氏は、家電製品では「日本文化が見直されてきている」として、新たに赤と黒の市松模様デザインの「MiYABi」ブランドを立ち上げ、「和の持つ良い文化を商品にも取り入れることを狙った」という。普及率が100%近い冷蔵庫は、なかなか買い替えが進まないが、こうした商品で訴求を図る。同シリーズは今後も拡大していきたい考えだ。●ヘルシオお茶プレッソにコードレスサイクロン掃除機など意欲的なチャレンジさらに、細尾氏が語る「チャレンジ商品」の第1弾として投入したのが「ヘルシオお茶プレッソ」。健康をキーワードにお茶文化を広げていこうとしてリリースしたが、「発売以来、大変な勢いで売れている」という。第2弾ではコードレスサイクロン掃除機「FREED」。細尾氏いわく「簡単に持ち歩けて新しい掃除の文化を提案することを目指した」。第3弾としては、プラズマクラスターイオン発生器を投入する。シャープ独自の製品として力を入れているプラズマクラスターイオン発生器だが、「1世帯に1台は終わり、各部屋、TPOにあわせた需要の拡大」(細尾氏)を図っていくという。その1つが天井設置型の発生器で、E26口金の電球ソケットに装着して天井からプラズマクラスターイオンが降り注ぐ、というもの。LED電球と人感センサーを内蔵。人が近づくとLED電球がつき、人が離れると電気が消えてプラズマクラスターイオンが発生する。トイレやクローゼットなどに設置することを想定しており、除菌、消臭ができるというのが売りだという。住宅市場は縮小しているが、リフォーム需要は微増している、と細尾氏。そのタイミングでの導入を期待しており、しかも各戸に複数設置できるため、市場規模は大きいとしている。エネルギーソリューション分野では、太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池、エコキュート、省エネ家電との連携、といった賞品・サービスを展開。16年の電力小売り自由化によって、7.5兆円規模の電力市場が一般家庭に開放されることで、「大きなビジネスチャンスになる」とシャープエネルギーソリューション真鍋政尚社長はみている。ソーラーパネルでは、屋根全体を覆うように設置でき、1.5~1.6倍の容量増になって美観的にも有効なコーナーモジュールをアピール。さらに、HEMUSと組み合わせたクラウド蓄電池でより効率的に電力を利用できることを提案。今後は認知度向上のためにテレビCMも放映し、蓄電池売り場でお茶プレッソを出しつつ、ゆっくりと説明できるような場を作って訴求を図っていくなど、販売に力を入れていく。○"目の付け所がシャープ"の伝統に戻った宮永氏は、「シャープはニーズを見極めて新たな市場を開拓していった。それが"目の付け所がシャープ"の伝統だった」と指摘。お茶プレッソも、顧客のニーズが店頭などの現場から上がってきて、それを商品化したことでヒットに繋がったとしており、現在はその伝統に「戻っていったといえるのではないか」(宮永氏)という。消費増税に天候不順が重なり、足元の市況は停滞しているが、「欲しいものがあったら買いたいという意欲は折れていない」と宮永氏は見る。厳しい状況ながら、「"目の付け所がシャープ"のような商品を出していく」(同)ことで需要を喚起していく。その中でテレビは、エコポイント終了移行低迷しているが、50インチ以上は4K中心となり、金額的にもフルHDを逆転。4Kが刺激となっていると分析する。ロボット掃除機を始め、海外メーカーが人気の分野もあり、細尾氏は「海外勢に後れを取った」という認識を示す。これに関しても、「日本の文化にあう商品を作って出していきたい」(細尾氏)考えで、先行する海外勢に対抗していく考えだ。
2014年11月19日