しろありやすらかにねむれせいげつ(@seigetu_burari)さんがTwitterに投稿した石碑には、そのような言葉が刻まれています。しろあり供養 pic.twitter.com/zYIvXkVRTG — せいげつ (@seigetu_burari) February 24, 2023 「やすらかにねむれ」というワードから、お墓の可能性も考えられるでしょう。しかし、この世にシロアリのお墓があるというのは、にわかには信じがたい事実ですね。もう1つ注目したいのは、石碑に小さく刻まれた『日本しろあり対策協会』という文字。せいげつさんが投稿した石碑との関連性について、協会にうかがいました。謎の石碑の正体は…?『日本しろあり対策協会』というのは、木造建築物のシロアリ被害などを防止する目的で結成された、50年以上の歴史を持つ協会です。せいげつさんが投稿した石碑は、和歌山県の高野山にある『しろあり供養塔』。人間生活と相容れないために駆除された、シロアリの供養を目的として、1971年に協会が建てました。1975年からは、シロアリ防除に携わってきた功労者も一緒にまつるようになり、2023年3月現在で約120人が奉納されているとのこと。また、高野山を参拝する多くの人たちがお墓を見ることによって、シロアリ問題の啓蒙につながる役割もあるそうです。シロアリを供養するだけでなく、たくさんの意味が込められて建てられた、お墓なのですね![文・構成/grape編集部]
2023年03月02日どんなに家の中をきれいにしていても、ある日突然現れる不快な「ゴキブリ」や「シロアリ」。あの姿を想像しただけでゾッとしますよね…。今回は、住まいの害虫で代表的な「ゴキブリ」と、大事な住まいに大きな被害をもたらす「シロアリ」のという2大害虫の発生を予防する方法や、発生してしまった場合の駆除方法を解説します。■ ゴキブリが潜みやすい場所のポイントは「温・暗・湿・狭」ゴキブリは不快感をもたらすだけでなく、様々な細菌や病原体を運んでくる可能性もあります。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ゴキブリの発生を予防するポイントは、ゴキブリの習性を知り、ゴキブリが潜みやすい場所を定期的に清掃することです。ゴキブリが潜みやすい場所ゴキブリは温かくて暗い、湿った狭い場所が大好きです。例えば、調理台付近のすき間、冷蔵庫の下や裏、引き出しの裏、浴槽の裏側、洗面台下の収納庫、排水溝の中、常に温かい家電の近く等です。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)ゴキブリが潜みやすい場所のポイントは「温・暗・湿・狭」と覚えてください。■ ゴキブリは発生予防と駆除を同時に行うことが大事まずはゴキブリの潜みやすい場所をしっかり清掃するとともに、ゴキブリが潜みやすい「すき間」を塞いだり、エサとなる生ゴミ類はフタ付きの容器に捨てるようにするなど、ゴキブリが住みづらい環境を作りましょう。kaka / PIXTA(ピクスタ)ゴキブリは隅に沿って歩く習性があるので、壁と床の接地面や家具・家電と床の接地面、収納扉の隅などにゴキブリ専用のスプレー式殺虫剤を吹き付けます。こうすることで殺虫剤はその場所に残留してゴキブリを駆除します。Aoao2981 / PIXTA(ピクスタ)さらにゴキブリが食べて死ぬ「毒えさ」等を、ゴキブリが通りそうな場所や潜んでいそうな場所に置いて食べさせます。このようにゴキブリは「発見」してからではなく、発生予防と駆除を同時に行うことが大事なのです。ただし、殺虫剤の撒き過ぎには十分注意し、毒えさも幼児の手の届かない場所に保管するなどその管理は厳重に行ってください。■ シロアリ被害を確認する3つのポイント大事な住まいに致命的な被害を与えるシロアリ被害。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)4月~5月の日中に羽アリ(ヤマトシロアリ)が群飛していたり、6月~7月の夜、電灯などの明かりに羽アリ(イエシロアリ)がたくさん集まっていたら、その近くにシロアリの巣がある可能性大です。そのような光景を見かけたら、自宅がシロアリの被害に遭っていないかをまずは自分で確かめてみましょう。シロアリ被害の確認ポイント1.「蟻道(ぎどう)」ナベマサ / PIXTA(ピクスタ)木造住宅で床下収納庫がついている場合、その収納ボックスを外せばそこから床下を点検できます。建物の基礎や土台の表面にトンネル状の蟻道(シロアリの通り道)がないかを確認してください。シロアリ被害の確認ポイント2.「空洞音」シロアリの被害が進むと柱や木材の内部が空洞になりますので、木材の表面を叩いてその音を確認しましょう。「コツン、コツン」ではなく、「ポコ、ポコ」という空洞音がしたら危険なサインです。シロアリ被害の確認ポイント3.「羽アリが家の中にいた」Tevarak / PIXTA(ピクスタ)家の中に羽アリがいたり、羽アリの羽が落ちていたりしたら、家のどこかにシロアリの巣があるかもしれません。■ シロアリの予防と駆除Flatpit / PIXTA(ピクスタ)シロアリは主に地中を移動して家の中に侵入してきますので、発生を予防するには家の周りに木材等を置きっぱなしにしないことや、建物の基礎まわりの風通しを良くし、陽があたるような工夫をすることが大切。それに加え、専門業者による薬剤を使った定期的な「防蟻処理」が必要です。それでも、万が一シロアリの被害に遭ってしまったら、その駆除は素人では難しいので専門業者に依頼することになります。シロアリ被害の調査は業者によって無料だったり有料だったり様々です。そして、実際に被害がある場合はもちろん、被害が無かった場合でも何らかの対策を勧められる場合もあります。費用や保証期間などを必ず確認し、十分にその内容を理解・納得してから業者に依頼するようにしてください。■ ハチ、蚊…その他の害虫ベランダや軒下に巣を作る「ハチ」、感染症を媒介する可能性がある「蚊」など、今回ご紹介した以外にも、住まいの害虫はたくさんいます。yod67 / PIXTA(ピクスタ)それぞれの害虫に対する対処方法などは各自治体のホームページなどで紹介していますので、それらを参考にして害虫発生の予防や駆除を適切に行いましょう!【参考】※横浜市保健所害虫に関する情報※豊島区役所くらしの中の虫
2018年09月24日以前の記事でも書いたとおり、僕は東京・世田谷で大家業を営むかたわら、祖父が東京のはずれの山奥に建てた小屋の管理もしています。築50年以上のボロ家ではありますが、自然豊かな環境が自慢です。さまざまな野鳥の鳴き声や虫の音が聞こえ、夏の夜に川沿いを歩けば蛍の光がきれいです。……というのは良い面だけを切り取った話。自然に囲まれた生活は、たくさんの生き物と隣り合って(ときには気づかないうちに同じ屋根の下に)暮らすことを意味します。クルマを運転すればタヌキやイノシシにも出くわしますし、虫が室内に入ってくるのも日常茶飯事です。この間の夏にはどこから入ってきたのか、居間を沢ガニが何食わぬ顔で歩いていました……。今回は、僕が山の家で実際に体験した生き物トラブルの数々をご紹介します。■ 別荘の敵と言えば、ハチ!ハチが家の軒先に巣を作るのは「別荘あるある」ですね。うちはなぜかアシナガバチに気に入られてしまっているらしく、毎年のように巣を作られます。これは家の前の石垣に巣を作られてしまったときの写真です。しばらく使っていなかった離れの書庫を覗いたら、本棚に巣が作られていたこともあります。昨年は、しばらく足が遠のいていた間に、玄関に巣を作られてしまいました。これでは家の出入りもままならないので駆除することに。たびたびお世話になっている害虫駆除業者さんに聞いてみたところ、アシナガバチは比較的危険が少ないため、きちんと準備すれば自分でも駆除できると聞き、チャレンジしてみました。ホームセンターで駆除スプレーを購入。働きバチは夕方に巣に帰ってくるので、日が暮れるのを待ってから全身重装備で固め、遠くから噴射して巣を攻撃して駆除しました。■ 危険なスズメバチの巣は業者に駆除を依頼すべし巣の大きさやハチの種類によっては業者を呼んだほうが安全です。不運なことに、今年はスズメバチに巣を作られてしまいました。気がつくとベランダの屋根に10cmほどの巣が。見慣れたアシナガバチの巣とは形が異なるのでよく見てみると、なんとスズメバチらしきハチが出入りしているではありませんか。夜には、明かりに引き寄せられたのか、窓に張り付いていることも。これが室内に入ってきたらと思うとゾッとします。業者に連絡して現地をみてもらうと、キイロスズメバチだと判明しました。アシナガバチと比べて攻撃性が高いそうで、素人が駆除するのは危険。大人しくプロにお願いしました。料金はおよそ2万円也。巣が大きいと、もっとかかるようです。別荘はこういう地味な出費が多いですね……。以前、日刊Sumaiの記事でも「ハチ激取れ」なるアイテムが別荘必需品として紹介されていましたが、来年からはうちでもお世話になったほうがよさそうです。■ 屋根裏がハクビシンのトイレに?いちばん驚いたのはハクビシンです。夜、寝ていると、屋根裏から不気味な足音が聞こえることがあったのですが、あるとき「ジョーッ」とオシッコする音がして、これはさすがにヤバイぞと思い、業者に調査を依頼したのでした。屋根裏を見てもらうと一画にフンの山ができており、ハクビシンだとわかりました。幸い家の外に出かけている最中だったので、その間に屋根裏を消毒してもらい、出入り口と思われるスキマを塞いでもらいました。フンの山やオシッコなどというと笑いごとに聞こえますが、これがたまると徐々に天井を傷めていき、天井が落ちてしまう場合もあるそうです。そう考えると、全然笑えない話です。■ とにかく衛生的に厄介なのが野ネズミ屋内に入ってこられて厄介なのが野ネズミです。築古物件だけに家のあちこちにスキマがあり、小型のネズミの侵入を防ぐのはほぼ不可能です。ちょっと料理をしようものなら、すぐに匂いをかぎつけて夜な夜なキッチンを歩き回ります。そこかしこにフンをするので、衛生管理上、非常に厄介です。あるときは、解凍しようとキッチンに出しておいた肉を夜中にかじられ、泣く泣く廃棄したことも。我が家では、ホームセンターでネズミ捕りや忌避剤を購入して対策しています。ネズミ捕りは、大型のゴキブリホイホイのような粘着シート。効果はてきめんですが、ほ乳類を殺すというのはなかなかの罪悪感を抱かせるもの。ネズミを寄せ付けないという薬剤(ハーブのような強い香りがする)を併用し、なるべくネズミ捕りを使わないで済むように努力しています。■ 最恐の敵は、家の柱を喰らうシロアリ!建物を傷めるといえば、最も恐ろしいのがシロアリです。やつらは知らないうちに床下の根太や柱を食い荒らし、取り返しのつかないダメージを家に与えてしまいます。我が家も、床下にシロアリが住みついたことがあり、柱の一部を補修することになってしまいました。ラッキーなことに、うちは取り返しのつかないダメージを受ける前に、なんとか水際で食い止めることができました。シロアリを駆除してもらったあとも定期的にシロアリ対策の薬剤を散布してもらっているので、現在は被害が出ていません。ちなみに、シロアリは一定以上の高地になると出現しないようなので、別荘購入を検討している方は購入前に確認しておくとよいかもしれません。僕の体験だけでもこれだけありますから、別荘の数だけ自然生物との戦いがあるといっても過言ではないでしょう。自然の素晴らしさを満喫できる印象が強い別荘生活も、害獣や害虫対策なしには成り立ちません。セカンドハウスの購入や田舎への移住をご検討の方は、生き物との戦いを覚悟しておいてください。
2018年07月31日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。勝手に決められている「標準」内での設計、鳥の言いなりの間取り、目を疑うダサさを誇る外観図に、とうてい満足できるはずもない鳥夫婦。そしてコンサルさんの指示通り、断熱・シロアリ対策についても確認したのですが……。■ 断熱について問うコンサルさんから「断熱工法を教えてもらってください」との指示を受け、保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)に質問してみました。すると「グラスウール(重さ10kg・厚み75mm)を壁面に敷き詰める予定です」とのご回答。断熱材については主義主張によって評価が変わり、どれが優れているのかは一概に言えないようですね。ただいずれにしろR社の「グラスウール(重さ10kg・厚み75mm)」という選択は、「それが最も断熱性能に優れている」からではなく「最低限の性能を確保するための選択」だろうと思いました。耐震等級と同じく。保奈美さんに一応「断熱性能についても気がかりなのですが……」と伝えたのですが、「まあー、でも昔に比べれば、今の家は暖かいですよ」という返答だけ……。ちなみに今回の施工業者に決まっているT社は、「Tハウス」という高気密高断熱工法をウリにしている工務店でした。だったらそのご自慢のTハウス仕様で建ててくれれば良いものを、今回の仕様はそうはなっていない。保奈美さんに「Tハウス仕様にしてほしい」と頼んだところ、「Tハウスそのものは無理だが(理由はおそらく保奈美さんが設計できないため)、せめて断熱材はグラスウールからTハウス用の断熱材に変えてくれる」とのこと。も・ち・ろ・ん、オプションで。なんかさ、コンサルさんのアドバイス通り、「自分たちの要望をぶつけて、できる限り良い家にしていただく」べく対応してもらっても、根本的なツギハギ感が否めないのよね……。ジップアップのフリースを作るお店に行って、「ジップアップのフリースなんて嫌よ!」「フリース生地ではなくダウン生地に変えて!」「裾はロングに伸ばして!」と要望をぶつけて、無理やり仕立てさせているみたいな……。フリース用の型紙なのにダウン生地に変えてしまってズレは出ないのか?ロング丈に伸ばすのにジップアップのままで良いのか?だったら、はなからオーダーメイドのお店に注文した方がスムーズに仕立ててもらえますよね?まさにニーズと合わないお店に行ってしまったということです……。■ シロアリ被害の実体験またコンサルさんから、シロアリ対策についても確認するよう指示がありました。ちなみに、鳥の実家はRC造なのですが、築10年ぐらい経った頃だったかしら……、突然、階段の踊り場に大量の羽蟻が出現しました!第一発見者はまだ若かりし頃の鳥だったのですが、いつものごとく無防備な心持ちで階段を駆け上がったところ……、Tevarak / PIXTA(ピクスタ)この突然目の前に現れた「本能が拒絶する光景」に、「ヒィッ!」と短い悲鳴をあげました(「キャーッ」という悲鳴って、現実には出ないですよね)。それから毎年、春になると、律儀に階段の踊り場から出現するようになった羽蟻たち。あいつら、風の強い日に出てくるんですよね……。きっと風に乗って、明るい未来へと旅立っていくつもりなんでしょう。最初は怯えまくっていた鳥も鳥姉も、いつしか春の風物詩として慣れてしまい、羽蟻が出ても無言でキンチョールだの掃除機だので処理するようになりました。ちなみに今ではもう羽蟻は出ていないようです。RC造りでも断熱材の種類によっては喰われることがあるとのこと。もう羽蟻は鳥実家の断熱材を喰い終わったのかもしれません。■ シロアリの大好物「ホワイトウッド」が柱に!?さて、このような実体験があるために、鳥は人一倍シロアリを怖れていました。やっと見せてもらえた詳細仕様書によると、構造材の仕様は以下のようなものでした。コンサルさん曰く、この通し柱・隅柱・管柱に採用されている「WW」とは「ホワイトウッド」のことらしいのですが……なんとこのホワイトウッドは腐朽菌にも弱い上に、シロアリの大好物とのこと!(ホワイトウッドの産地はシロアリの生息していない北欧)にもかかわらず、国産の木材に比べて安価ゆえ、コストダウンのために数多く流通しているとのこと。R社もさすがに土台にまで採用することはしていませんが、「シロアリの大好物が柱に使われる家」なんて知ってしまった鳥夫婦の気持ちは、あえて書かなくてもわかっていただけますよね……。(鳥)
2018年07月27日理化学研究所は7月6日、シロアリ腸内の原生生物の細胞表面に共生する細菌がリグノセルロースの分解酵素を持ち、シロアリの効率的なリグノセルロース分解に役立っていることが分かったと発表した。同成果は理研環境資源科学研究センター バイオマス研究基盤チームの雪真弘 特別研究員とバイオリソースセンター微生物材料開発室の大熊盛也 室長らの研究グループによるもので、欧州の科学誌「Environmental Microbiology」オンライン版に掲載された。リグノセルロースは植物の木質部を構成する成分で、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどを主成分とし、バイオマス資源として注目を集めている。しかし、容易に分解することができず、化学処理や物理的処理で前処理を行った後、セルロースやヘミセルロースを酵素によって単糖まで分解しないと利用する事ができない。そのため、木材を効率的に分解することができるシロアリの能力は、リグノセルロースの活用への応用が期待されている。シロアリのリグノセルロース分解能力は、腸内に共生する微生物群が大半を担っている。この微生物群は10数種類の単細胞の真核生物である原生生物と数百種の細菌から構成されており、これまでの研究では分解プロセスで主に働いているのは原生生物であると考えられてきた。しかし、微生物群集全体を対象にした解析では、個々の微生物がリグノセルロースの分解でどのような役割を持っているか明らかにすることが難しく、シロアリ腸内の効率的なリグノセルロース分解プロセスの詳細についてはわかっていなかった。今回の研究では、ヤマトシロアリの腸内に共生する細菌を分離装置を用いて1細胞ずつに分離後、ゲノムDNAを増幅した。この中から原生生物の細胞表面に共生している細菌の全ゲノム増幅産物を用いて、シングルセルゲノム解析を実施。その結果、セルロースやヘミセルロースを分解するさまざまな分解酵素を持つことが分かり、原生生物が取り込む前のリグノセルロースを効率的に分解できるように、前処理をする役割を担っている可能性が示唆された。同研究グループは「今後、原生生物と原生生物に共生する細菌が協調した分解システムの理解が進めば、効率的なリグノセルロースの分解システムに応用できると考えられる」とコメントしている。
2015年07月06日