昨年10月に東京・PARCO劇場ほかで上演された女性キャストのみの舞台、パルコ・プロデュース2021「ジュリアス・シーザー」が、CS放送局「衛星劇場」にてテレビ初放送されることになった。本公演はシェイクスピアの有名な「ローマ劇」の1つ「ジュリアス・シーザー」を、吉田羊、松井玲奈、松本紀保、シルビア・グラブら女性キャストだけで上演し話題を集めた舞台。演出には、いまや演劇界の重鎮と言える森新太郎を配し、朋友たちとの友情、師と仰ぐ人物への信頼と憧れ、正義ゆえの裏切りなどを、ローマ史実を基に壮大な政治劇として描き出す。本作が初めてのシェイクスピア劇出演となる吉田さんが主人公ブルータス役を演じるほか、松井さんがシーザーの腹心の部下アントニー役を、松本さんがブルータスの同僚で友人のキャシアス役を、ミュージカルのみならずストレートプレイでも大きな存在感を放つシルビアさんがブルータスらに暗殺を謀られる古代ローマ王政の独裁官、ジュリアス・シーザー役で出演する。さらに、三田和代や久保田磨希、藤野涼子ほか映像、舞台で活躍するベテランから若手まで硬軟取り混ぜた女優たちが大集結した。ストーリー共和政末期のローマ、紀元前44年3月15日のジュリアス・シーザー暗殺とその後をめぐる物語。宿敵を破ったシーザーが民衆の歓呼を浴びながら堂々とローマへ凱旋するところから芝居は始まる。護民官や貴族のなかには、いまや対抗勢力のなくなったシーザーに危険な野心を感じるものがいた。キャシアスも、その権力が益々強大になり共和政の伝統を破壊することを危ぶんでいた。そして、市民から厚い信望を得ていたブルータスを仲間に引き入れ、シーザーの暗殺を決行する。英雄の死に一度は混乱した市民たちも、直後に行われたブルータスの演説に納得するが、シーザーの腹心だったアントニーが弔辞を述べると、今度は逆に反ブルータスへと翻ってしまい…。パルコ・プロデュース2021「ジュリアス・シーザー」は4月24日(日)17時~「衛星劇場」にて放送。(text:cinemacafe.net)
2022年04月14日シェイクスピアのローマ史劇の名作を、女性キャストだけで上演することで注目を集めている、森新太郎演出・吉田羊主演『ジュリアス・シーザー』が10月10日、東京・PARCO劇場で開幕した。その演出力の高さから俳優たちから最も信頼されている演出家・森新太郎が、3月に上演された『Romeo and Juliet ーロミオとジュリエットー』に続いて今年2本目のシェイクスピア劇を手がける本作。もとは男性による政争劇だが、性別を意識させるセリフをあえて排除し、オールフィメールキャストたちが「男性」を演じるのではなく、「人間」を演じるよう演出。人の業や欲望、正義や信念といったものをつまびらかにしながら、よりリアルな人間たちのドラマを浮き彫りにしていく。初日を終えて森は、「権力闘争劇の金字塔ともいうべき本作が、これほどまでに様々な感情の渦巻く人間ドラマであるとは知りませんでした。オールフィメールで臨んだことによって、この作品の新たな魅力に出会えたような気がします。歴史劇や政治劇の類い、そして何よりもシェイクスピア劇といったものに普段まったく食指が動かぬ方にこそ、是非観ていただきたく思います」とコメント。主人公・ブルータスを演じる吉田羊は、「お客様が入って、この作品の最後のピースが埋まったというか、物語が完成したなという感じがしました」と初日公演の感想を述べ、「シリアスな物語にも関わらず笑いが絶えず、毎日、演出をつけられた役者が目に見えて変わっていく様がとても面白かったです」と稽古を振り返る。見どころについては「“言葉”によって突き動かされていく人々の物語を、かくもドラマティックかつパワフルに仕上げた森新太郎氏の手腕! そう来たか!と唸って頂きたいです!」と息巻く。シーザーの腹心の部下・アントニー役の松井玲奈は、「稽古中の『芝居は呼吸。息を吸ったときに感情が生まれる』という森さんの言葉が強く印象に残っています。今まで感じていたことがハッキリとした言葉で表された時、ハッとするものがあり、この現場での大きな学びの言葉となりました(中略)アントニーを演じる上では、生まれた感情を殺さないようにしたいと考えています。ブルータスとアントニーの演説場面は大きな見どころのひとつです。民衆の心が動かされていくように、客席の皆様の心までも動かす演説ができるよう、ひとりひとりの心に強く訴えかけていきたいと思います」と稽古での手ごたえと見どころについて語った。シーザー暗殺を企てるキャシアス役の松本紀保は、稽古を振り返り「キャストが女性だけなので、稽古場でのリラックスした時間は女子校の休み時間の様な雰囲気で、笑顔のたえない時間でした」としつつ、「演出の森さんとは 2 回目ですが、とにかく容赦ないダメ出しの嵐は 2 回目も健在でした。役者の心に火をつけるのがとても上手な演出家だと思います。今回は歌手、スポーツ選手、芸人さんなど、〇〇さんのようにという例えを使われていてそこがとてもわかりやすく面白かったです」「この作品は全てが見せ場なので、1シーンたりとも見逃せない! なかでも民衆達が扇動されていく姿は、現代にも通じるも のがあるのではないでしょうか」とコメントを寄せた。シルビア・グラブが演じるジュリアス・シーザーは今回「妻のキャルパーニアの前では弱みをかなり見せてます」とのこと。「男たちのドラマであるのはもちろん、今回、森さんはキャラクターのヒントとしていろんな俳優や有名人の名前を持ち出し、そのキャラクターに近づけていくキャストの皆さんを見るのが楽しかった。古畑任三郎をはじめ、松岡修造さんからオードリーの春日さんまで、バラエティに飛んだキャラクターたちがステージ上に隠れています」と松本同様、独特な森演出についてふれた。上演は10月31日(日)までPARCO劇場にて。その後、大阪・山形・福島・宮城・富山・愛知と全国を巡る。
2021年10月11日ウィリアム・シェイクスピアの政治闘争劇を、女性キャストのみで立ち上げることが話題を集めているパルコ・プロデュース2021『ジュリアス・シーザー』。高潔な魂を持つブルータスが、友人であり古代ローマの礎を築いた英雄シーザーを殺害するまでの苦悩や葛藤、そして事後の悲劇が描かれる。本作の演出を務める森新太郎と主人公ブルータスを演じる吉田羊に、稽古前の心境を尋ねた。思いの丈を叫び尽くす、吉田羊の新境地を見せたい──吉田さんは初めてシェイクスピア作品に出演されますね。吉田実はシェイクスピア自体に苦手意識があって敬遠してきたものですから、一生縁がないと思っていたんです。でも来年芸歴25周年を迎える節目のタイミングで、あちらの方からやって来てくださったということは……「原点に帰りなさい」という演劇の神様からのメッセージかな、と思って挑戦することにしました。──なぜシェイクスピアを敬遠されてきたのでしょうか?吉田これまで観客の立場で拝見してきましたが、シェイクスピア作品には俳優の鍛錬と演出家の想像力が求められると感じておりまして。役者の場合、レトリックの多い長ゼリフを朗々と発したり肉体的にも精神的にも大変そうですよね。自分にできるだろうか……と不安を覚える一方で、俳優なら一度は挑戦すべきハードルとも考えていて。シェイクスピアは、作品に選ばれて初めてトライできる感覚がずっとありました。今回のブルータス役を機に、自分を更新していきたいですね。──森さんが、主人公ブルータスに吉田さんを指名した理由は?森新太郎森羊さんのお顔がパッとひらめいたんです。これまで仕事でご一緒したことはありませんが、出演作を拝見すると、羊さんは考えていることを表に出さない人物の芝居が非常にうまい。同時に、こうした抑えた芝居が効くのは心の中にものすごく「激しいもの」を秘めているからなんだろうな、とも感じまして。これほど熱いものをお持ちの方にはシェイクスピアに出てもらわないといけない。むしろご経験がないことの方が不思議でして。吉田ふふふ(笑)。シェイクスピアの登場人物って、心の中をすべて口に出してしまう激しさがありますよね。たとえばブルータスなら「愛する仲間(シーザー)を正義のために殺さねばならぬのだ!」と決意するまで、ありとあらゆる比喩や修飾語を駆使して葛藤や苦悩を語るわけで。森そうなんですよ! 思いの丈をこれほど叫び尽くす吉田羊は見たことがない、とお客さんに新境地をお見せして驚いてもらう方がおもしろいんじゃないかな。羊さんを別のフィールドへ引っ張り出したい。そう思ってオファーさせてもらいました。さらにこれだけ叫んでも本音がわからないブルータスの底知れなさも感じさせてくれそうだな、って。衣裳から垣間見える、オールフィメールのおもしろさ──男性の登場人物が多い『ジュリアス・シーザー』を、女性だけで上演しようと考えた企画意図を教えてください。森シェイクスピア作品は「虚構性」が立った方がおもしろいと感じていまして。もともとは野外のグローブ座で上演されていて、明るい光の中で夜を表現しなければいけなかったわけですし、女性役も少年俳優が演じていました。「これはフィクションです」と現実との線引きが明確にされているからこそ、観客は想像力をフル稼働させて、自分の中で物語を構築していくおもしろさがあった。いわば、日常の約束ごとや規範から解き放たれて自由になれる時間だったんじゃないかな。そういった意味で、男性の登場人物が多くを占める『ジュリアス・シーザー』の虚構性は、女性キャストだけの上演形式でいちばん発揮できるのでは……と仮定して、オールフィメールを提案させてもらいました。吉田女性キャストだけで上演する試みにも惹かれました。一方で、大変な挑戦だと思うんです。史実も含めて有名な作品ですし、お客さんの固定観念を取り払うのは容易ではありません。でも本作は森さんが元の戯曲から取捨選択して、男女それぞれの役割を固定するようなセリフがほとんどカットされているんです。これによって性別という概念がなりを潜めて、「人間同士」の会話として響くようになった気がしますね。その先にどんな感情が見えてくるのか、ぜひ劇場でお確かめいただきたいです。吉田羊──現時点で、どんな衣裳をお考えでしょうか?森オールフィメールでよく見かけるのは、男性のフォーマルを着せてしまうパターンですよね。今回でいうなら、古代ローマの軍人が装着していたような「鎧」で男装するような。でも僕、レトリックの多いシェイクスピア作品では「言葉」を鎧にした方がいいんじゃないかと思うんですよ。吉田たしかに。おもしろいですね!森いまイメージしているのは、コンテンポラリーダンスの踊り手が身につけるような抽象的でシンプルな衣裳です。男装する女性キャストがリアルを追求すると、胸を潰したり男性の体に近づけようとするでしょう? でも今回はそれやる必要はないと思っていて。女性が本来持っている体のままでいて欲しい。吉田それ、大賛成です! 私はもともと中性的な衣裳がいいな、と思っていました。というのも人間の意識って視覚から入る情報でほとんど決まってしまうから、男装した時点でお客さんは我々を「男性」と認識しますよね。でも演じている中身は「女性」だから……違和感になってしまう気がするんです。森その考えをお聞きして、やっぱり舞台経験の豊富な羊さんにオファーしてよかったと思いました。僕とワクワクするポイントが似ているな、って。オールフィメールでシェイクスピアをやることの魅力や楽しみ方を、構想段階からわかっていらっしゃる気がする。吉田あんまりハードル上げないでくださいね(苦笑)個性派が揃ったキャスティングを堪能して──吉田さんは、ブルータスの人物像をどのように捉えていらっしゃいますか?吉田ブルータスって、私利私欲が一切ない「ミスター正義感」ですよね。でも彼の本当の魅力は、人間的な「弱さ」にあるんじゃないでしょうか。友人キャシアスらにそそのかされて最後の炎を燃え立たせるわけですけど、シーザー殺害の一大決心をするまでに、彼は逡巡を繰り返して自らを鼓舞しまくります。はたから見ると優柔不断で煮え切らない人物ですが、そのカッコ悪さこそ人間くさい。お客さんが「決心しろ、ブルータス!」と応援したくなる魅力なのかな、と思いますね。優しさゆえに自分の首を絞めて、物語が加速していく側面もありますし。──そのブルータスを、現時点でどのように演じていこうと考えていらっしゃいますか?吉田お客さんがこの作品に没入できるかどうか、ブルータスの人間的な魅力が要素のひとつになるだろうな、と思っています。政治闘争劇というと小難しいイメージがありますけど、シーザー殺害や事後の悲劇にいたる感情のアプローチにフォーカスしながら演じていきたいですね。──ブルータスを取り巻く登場人物にも多様なキャラクターが勢揃いしています。森さんはどのようにキャスティングしていかれたのでしょうか?森個性ある俳優さんばかりお選びしました。いつもキャスティングは相当こだわるんですが、今回は特に手応えがあります。まずは、シーザー腹心の部下であるアントニー役に松井玲奈さん。アントニーってブルータスたちよりやや若くて、彼らからすると理解できない側面がある新世代の人物だと思うんですよ。このジェネレーションギャップをフレッシュに演じてくれそうな松井さんにお声がけしました。吉田まさに! 初めましての松井さんとは陰影の濃いコントラスト……ブルータスとアントニーのコントラストを一緒につくれたらいいですね。『ジュリアス・シーザー』メインビジュアル:上段左から、吉田羊(主人公・ブルータス役)松井玲奈(アントニー役)、下段左から、松本紀保(キャシアス役)シルビア・グラブ(ジュリアス・シーザー役)森ブルータスの友人キャシアスには、松本紀保さん。以前ご一緒したことがあるんですが、彼女の無尽蔵のエネルギーには目を見張りました。個人的には、ブルータスとキャシアスの間に起こる終盤の諍いがおもしろいと思っているんですよね。様々な状況が複雑に絡み合った末に、ついにお互いの感情が爆発して。吉田いきなり夫婦ゲンカみたいなやり取りが始まりますよね。松本さんのキャシアスとは、かたい友情を育みたいと思っていたんですけど(笑)森当人たちは真剣に、絶叫しながら議論してるんでしょうけどね……若干コミカルにも見える(笑)。そしてタイトルロールには、シルビア・グラブさん。以前『メアリ・スチュアート』でご一緒した時に、エリザベス女王を演じてもらいました。もはや世界の覇者シリーズみたくなっていて、次はチンギス・ハーンしかないんじゃないかと思ってるんですけど(笑)吉田あはは(爆笑)森ブルータスってシーザーを憎む一方で、もしかしたらそれ以上に愛しているんですよね。最後の最後までシーザーの呪縛から逃れられなくて夢や幻の中にシーザーの姿を見るほど。そう考えると、作品タイトルが『ジュリアス・シーザー』なのも頷けるんです。その関係性も女性キャストならではというか、他人が立ち入る隙がないような精神的な結びつきを描けるんじゃないかと期待しています。吉田共演経験のあるシルビアさんが宿敵シーザーで安心感を覚えています。クレバーで優しく愛のかたまりみたいな彼女が、権力を前に揺れ動く臆病で純粋なシーザーをどう演じるのかすごく楽しみですね。シルビアさんに対する私の信頼がブルータスとシーザーの関係性にリンクして、友情の先にある「正義の暗殺」という構図を見せられたら。抑圧されている女性に勇気を与えられる演目でありたい──シェイクスピア作品でオールメールやオールフィメールの上演形式はこれまでもありましたが、森さんは今回なぜ『ジュリアス・シーザー』に着目されたのでしょうか?森僕はね、『ジュリアス・シーザー』の主役って実は「民衆」のような気がしているんです。姿こそ舞台上に現しませんが、この物語は「シーザーに王冠を被せろ」という民衆の熱狂からスタートします。ここから登場人物たちは人生を狂わされていく。ブルータスがいちばん恐れているのもシーザーの圧政というより、彼の存在に惹きつけられていく得体の知れない民衆の熱狂なんですよね。──そこから殺害を決行して、演説で民衆を味方につけようとするもアントニーにちゃぶ台返しされてしまいますよね。森そう、暴動にまで発展してね。ブルータスをはじめとする政治家たちが、民衆の間をただ右往左往しているだけに思えてなりません。で、現代に生きる我々も毎日そんな光景を見てばかりいるわけです。移り気で、無責任で、熱狂のための生贄を常に探し求めている民衆。誰かに支配されるのを嫌いながら、同時に誰かに支配されたいとも望んでいる実に厄介な存在です。そんな民衆の姿を炙り出したいと感じたのが、この『ジュリアス・シーザー』を上演したいと思った動機のひとつですね。吉田そうだったんですね。私も人間の普遍的な業や情を見せたいと思っているので、森さんがこの作品をどのようにステージングしていくのか楽しみにしています。──2021年にも通じる普遍的な時代性を感じていらっしゃるんですね。女性キャストのみで「いま」上演する意義はどのように考えていらっしゃいますか?森オールフィメールでの上演についてどう感じるか、周りの女性に聞いてみました。そうしたら、皆さん揃って目を輝かせながら「おもしろそう!」と言ってくださって。喜んでもらえそうでよかったと思う反面、これほど女性をウキウキさせる背景にあるものって何だろう、とも感じて。──森さんの中で、思い当たることがおありになるのでしょうか?森ひょっとしたら、女性が政治から遠ざけられていることの反映なんじゃないかな……と感じました。最新のジェンダーギャップ指数も、政治参画の面では最下位に近いところにランクしていますよね。依然、深刻な男女不平等が続いていると言わざるを得ません。例えば2020年までに国会議員の女性候補者を30%に引き上げると言っていたのにまったく果たされず、蓋を開けてみたら閣僚20人中2人しか女性がいませんでした。──日本の乏しい現状が、この政治劇を女性キャストのみで発表された瞬間のワクワクにつながっていると?森日ごろ抑圧されていると感じる女性が、オールフィメールのような倒錯性に惹かれることは無視できない気がしました。願わくばこの上演形式がさほど珍しいことでなく「当たり前」になるような時代になればいいな、と。日本の現状に鬱屈としている女性たちに少しでも勇気を与えられる演目でありたいと思っています。取材・文:岡山朋代撮影:川野結李歌パルコ・プロデュース2021『ジュリアス・シーザー』東京公演:2021年10月10日(日)〜10月31日(日) PARCO劇場大阪公演:2021年11月3日(水・祝)森ノ宮ピロティホール山形公演:2021年11月7日(日)やまぎん県民ホール 大ホール福島公演:2021年11月14日(日)いわき芸術文化交流館アリオス大ホール宮城公演:2021年11月17日(水)仙台銀行ホールイズミティ21大ホール富山公演:2021年11月20日(土)・21日(日)富山県民会館ホール愛知公演:2021年11月27日(土)・28日(日)東海市芸術劇場大ホールチケット情報
2021年09月29日シェイクスピアの有名な「ローマ劇」のひとつで、男たちの陰謀と策略の渦巻く古代ローマの政治闘争を描く『ジュリアス・シーザー』を、ブルータス役の吉田羊をはじめ女性キャストのみで演じる舞台が、10月10日(日)~10月31日(日)PARCO劇場で、さらに大阪など各地で上演されることが決定した。あわせて、キャストのコメントが発表された。『ジュリアス・シーザー』は、ローマ史に基づいて描かれた、『コリオレイナス』『アントニーとクレオパトラ』と並ぶシェイクスピアの舞台作品。演出するのは、『Romeo and Juliet ―ロミオとジュリエットー』に続いて、今年2作目のシェイクスピア劇に挑む森新太郎だ。舞台となるのは共和制末期のローマ。宿敵を破ったシーザーが民衆の歓呼を浴びながら堂々とローマへ凱旋するが、護民官や貴族のなかには、いまや対抗勢力のなくなったシーザーに危険な野心を感じる者がいた。そのひとりキャシアスは、市民から厚い信望を得ていたブルータスを仲間に引き入れ、シーザーの暗殺を決行する。主人公・ブルータス役には、『国民の映画』以来、7年ぶりのPARCO劇場出演となる吉田。また、松井玲奈がシーザーの腹心の部下アントニー役を務め、松本紀保がキャシアス役を演じる。さらにシルビア・グラブが、ブルータスらに暗殺を謀られる古代ローマ王政の独裁官、ジュリアス・シーザー役で参加することが分かった。さらに藤野涼子や久保田磨希、中別府葵ほか、映像、舞台で活躍するベテランから若手までがキャスティングされた。キャストのコメントは、以下の通り。■吉田羊コメント初めてシェイクスピア作品に挑戦させて頂くことになりました。凛として端正な台詞の応酬にクラクラしながらも、ひとたび口にすればありありと人物が浮かび上がるシェイクスピアの表現力に感動もし、演者として携われることに心から感謝する思いです。今作は、古代ローマの史実を軸に英雄たちの「人間らしい顔」が描かれています。彼らは苦悩し歓喜し、それぞれの守るべきもののために闘っていて、その姿は、現代の私たちとなんら変わりないように見えます。さらには、男性の戯曲とされるこの物語を、ジェンダーの定義が多様化しているこの時代に女性だけで演じる試みに、大きな意義を感じてもいます。最初は違和感があるかもしれません。けれど固定概念を取り払ったその先には、時代や性別を超えた、「人間」の業や情が見えてくるはずと信じております。演出の森新太郎さんとは初めてご一緒します。数多くのシェイクスピア作品を手掛けられた方ですので、その胸をお借りしながらアイデアを持ち寄って高め合い、素晴らしい共演者の皆様と力を合わせて、新しいジュリアス・シーザーをお届けできるよう頑張りますので、何卒、応援よろしくお願いいたします。■松井玲奈コメントこの度『ジュリアス・シーザー』に出演させていただくことになりました。はじめてのシェイクスピア、憧れのシェイクスピア。とても好きなこの演目に出演できるということを大変嬉しく感じています。共和制末期のローマ。時代がガラリと音を立てて変わる時。セリフの一言一言からほとばしるそれぞれの熱い信念を真っ直ぐにお伝えするべく、たっぷりのエネルギーでキャスト一同演じきりたいと思います。■松本紀保コメント今回新生パルコ劇場にて、このような素晴らしい作品、キャストの皆様と作品を創っていくことができ、本当に嬉しく、そして本当に楽しみです。森新太郎さんとは2度目になりますが、そのしつこく熱い演劇魂に喰らいついていきたいと思います」■シルビア・グラブコメントまさか私が……。一生で絶対に関わることがあるとは思っていなかったシェイクスピア。しかも、本来ならオール男性でやっていたものをオール女性キャストで上演する。色んな意味で痺れます。恐ろしくもあり、エキサイティングでもあり。私はすでに震えが止まらない!久しぶりにPARCOで吉田羊さんとの共演、そしてまた新たな共演者との出会いもとても楽しみです。森新太郎さんの熱い指導の元また新たな自分を発掘したいと思います。『ジュリアス・シーザー』【作】ウィリアム・シェイクスピア【訳】福田恆存【演出】森新太郎【出演】吉田羊松井玲奈松本紀保シルビア・グラブ/藤野涼子久保田磨希智順中別府葵小山萌子安澤千草高丸えみり岡崎さつき 鈴木崇乃水野あや清瀬ひかり原口侑季西岡未央/三田和代【東京公演】 2021年10月10日(日)~10月31日(日)PARCO劇場【大阪公演】2021年11月3日(水・祝)森ノ宮ピロティホール【山形公演】2021年11月7日(日)やまぎん県民ホール 大ホール【福島公演】2021年11月14日(日)いわき芸術文化交流館アリオス大ホール【宮城公演】2021年11月17日(水)仙台銀行ホールイズミティ21 大ホール【富山公演】2021年11月20日(土)、21日(日)富山県民会館ホール【愛知公演】2021年11月27日(土)、28日(日)東海市芸術劇場大ホール
2021年07月14日カナダ・トロント出身の次世代R&Bシンガー、Daniel Caesar(ダニエル・シーザー)の初来日公演が3月5日(月)東京・UNITで開催される事が決定した。【チケット情報はこちら】ダニエル・シーザーは2018年1月に発表される第60回グラミー賞に、シングル『Get You』が最優秀R&Bパフォーマンス、アルバム『Freudian』が最優秀R&Bアルバムにそれぞれノミネート。心地良く響くオーガニックなサウンドで世界を席巻中だ。チケットの一般発売は1月20日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、Live Nation Japan先行を実施中。受付は1月14日(日)23時59分まで。■Daniel Caesar(ダニエル・シーザー)3月5日(月) UNIT(東京都)開場 19:15 / 開演20:00料金:オールスタンディング 7,500円 (税込・別途1Drink代)※未就学児入場不可
2018年01月12日愛する者を失ったシーザーと、彼の抹殺をもくろむ人類との戦いがクライマックスを迎え、地球が“猿の惑星”へと向かう『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』。このほど、赤ちゃん猿だったシーザーが聖戦を戦うまで、これまでのシリーズを収めた特別映像がお披露目された。高度な知能を得た猿たちの反乱、人類の文明崩壊、そして猿と人類の戦争という衝撃的なストーリーを描き、全世界震撼の大反響を呼んだ『猿の惑星』シリーズ。全米では、『創世記(ジェネシス)』『新世紀(ライジング)』に続いて、3作連続初登場第1位を達成。メディアからは「これだけのスケールのメジャー映画で本作以上に優れた作品はない」(Deadline)、「すべての猿たちがあまりにリアルなので、観客は彼らが猿であることをすぐに忘れてしまうだろう」(USA TODAY)といった声が相次いでいる。そんな中、最初は赤ちゃん猿だった主人公シーザーがいかにして高度な知能を得て、聖戦を戦わなくてはならなくなったのかに迫った特別映像が到着。映像の冒頭では、『創世記』でアルツハイマー病を患う父親(ジョン・リスゴー)を持つ若き科学者ウィル(ジェームズ・フランコ)が、この病気を劇的に治癒する新薬の開発に没頭する様子が描かれる。その薬を投薬されたチンパンジーは脳が活性化し、並外れた知能を示していた。そのチンパンジーが産んだ赤ん坊のシーザーも母親の特殊な遺伝子を受け継ぎ、高い知能を発揮していく。しかし、あるトラブルが原因で動物保護施設に収容されると、猿たちが人間に虐待されている残酷な現実を目の当たりにしたシーザーは、苦悩の末、仲間を率いて人類への反乱を実行した。シリーズを通してシーザーを演じ続けているアンディ・サーキスは、シーザーにとっては「常に、家族と自分の種を守るためのバランスをとることが問題だ」と語る。「より大きな全体像に対して、誰もが生き残れるように、人間と猿の間のバランスをとること。そういうプレッシャーを彼は感じていている」と、新薬開発という希望から始まった物語が戦いへと発展する中での、シーザーの苦悩に触れる。この言葉を裏づけるように、続く『新世紀』でも、シーザーと生存者グループの穏健派マルコム(ジェイソン・クラーク)は和解の道を探るが、憎しみを抑えられない猿と人間側(ゲイリー・オールドマンら)の両陣営の対立は激化していった。『創世記』でほかの猿と一緒にされるまでは、自身を人間だと思っていたシーザー。「そのため、人間に対する敬意と、第一に自分の種を助けようという思いの間で揺れる葛藤に陥り、彼は自分の猿らしさを見つけなければならなかった。その後、彼は社会を、コミュニティを全力で築き、自分の種である猿を前進させる道を作ることに取り組んだ。前作で描かれたこの部分は、今回は、より大きな脅威のせいで、さらにレベルアップされている」と、アンディは過去作をふり返り、本作ではその葛藤もスケールアップされていることを明かす。そして本作では、最愛の家族を失い、復讐の旅に出たシーザーと、彼の宿敵で軍隊を率いる大佐(ウディ・ハレルソン)との種の存亡をかけた、壮絶にしてエモーショナルな物語が展開する。さらに口のきけない謎めいた少女ノバ(アミア・ミラー)の出現、そして予期せぬ人類の退化により、この惑星の運命が大きく変わろうとしていくのだが…。前作に引き続きメガホンをとったマット・リーヴス監督は、「この物語は、シーザーの内面と感情を強く押し出したレベルで見せるが、前2作とはちがうスケールの大きさを見せなくてはならないとも思っていた。なぜならこれは文明の始まりでもあるからだ」と、いよいよ地球が猿の惑星へと移行することをほのめかしている。猿にとっても人類にとっても、敗北は種の滅亡を意味する“聖なる戦い”、その歴史的瞬間がついに本作で明かされる。『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』は10月13日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月14日新生『猿の惑星』シリーズの待望の最新作『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』の日本公開が、10月に決定。あわせて、高度な知能を持つ猿たちのリーダー、シーザーと、謎めいた少女が映し出されたポスタービジュアルが解禁となった。『聖戦記』と命名された本作。カリスマ的な主人公のシーザーが、リーダーとしての使命感と家族を奪われた復讐心の狭間で葛藤するドラマを核に、地球の支配者が変わりゆく激動の歴史のうねりが、ついにクライマックスを迎える。未来を切り開く“希望の地”へたどり着くのは、猿か、それとも人類か。誰もが知っている結末の、誰も知らなかった壮絶なドラマがついに明かされる――。このたび到着したポスターには、強い決意の表情をしたシーザー。その背後には、新たに登場する謎めいた少女が描かれる。少女の名はノバ。「そして、猿の惑星になる。」という衝撃的なキャッチコピーには、ドキリとさせられる。猿のシーザーと人間のノバは対峙しているのではなく、ノバがシーザーの背中に隠れているようにも見て取れる。果たして、ノバとシーザーの関係は?まだまだストーリーは、謎のベールに包まれている。シリーズを通して、モーションキャプチャーでシーザーを演じ続けているアンディ・サーキスは、「このシリーズの素晴らしい点は、人間と猿のストーリーを適切なバランスで見せていることだ。シーザーは明らかに多くの意味で両方の世界に関係している」と語る。人間に育てられたことから人間に対する敬意を抱きながらも、自らの種を助けようという思いの間で葛藤に陥っているシーザーについて、改めて振り返っている。そして、前作に引き続きメガホンをとったマット・リーヴス監督は「本作のスケールは、シリーズのどの映画よりも大きいが、一方で中心となる核はそのまま維持している。つまり、シーザーと猿たちに関係する感動のストーリーということだ」と明かしている。愛する者を失ったシーザーと彼の抹殺をもくろむ人類。地球は、ついに“猿の惑星”へと変貌していくのか。極限の怒りと葛藤のドラマが交錯するとき、猿と人類の“人間性”をかけた“聖戦(グレート・ウォー)”が幕を開ける。『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』は10月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年05月31日アカデミー賞を4度受賞したジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督が、ジョージ・クルーニーら主演級の豪華キャストで贈る最新作『ヘイル、シーザー!』。そのブルーレイ&DVDが10月5日(水)にリリースされることに合わせ、チャニング・テイタムのキレキレタップダンスやスカーレット・ヨハンソンの華麗なる水中レビューといった、最高にゴージャスな劇中劇シーンのメイキング映像がシネマカフェに到着した。黄金期といわれていた1950年代のハリウッド、とあるスタジオ。歴史スペクタクル超大作『ヘイル,シーザー!』の撮影中に、なんと主演俳優であり世界的大スターのウィットロック誘拐事件が発生!“スタジオの何でも屋”は、お色気たっぷりの若手女優や、みんなの憧れのミュージカル・スター、演技がド下手なカウボーイ俳優など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込み、プレスの双子姉妹の目をくぐり抜け、事件解決に挑むのだが…。コーエン兄弟監督がジョージ・クルーニーと実に4度目のタッグを組んだ本作。さらに、ジョシュ・ブローリン、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムなどに加え、2018年公開予定『スター・ウォーズ』スピンオフ作品で若きハン・ソロ役を射止めた注目俳優アルデン・エーレンライクと、現在のハリウッドを席巻する俳優たちが一堂に会したことでも話題に。さらに、50年代を舞台に、当時の映画製作事情や、TVの台頭で揺れるハリウッドビジネスの実態、俳優たちのスキャンダラスな裏の顔などを実話ベースで描いており、コーエン兄弟の映画愛を存分に堪能できることも魅力の1つとなっている。今回解禁となったのは、特典映像に収められた、劇中劇において披露されているチャニングのタップダンスと、スカーレットの水中レビューのメイキング映像の一部。本作の登場人物といえば、50年代に実在したハリウッド俳優がモデルになっている。チャニングが演じるバート・ガーニーのモデルとなったのは、『錨を上げて』のジーン・ケリーと『トップ・ハット』のフレッド・アステアなど。チャニングはこの2大俳優のタップダンスをYouTubeで可能な限り見たと語っている。『マジック・マイクXXL』をはじめ、数々の映画で華麗なダンスを披露してきたチャニングだが、音を鳴らす必要があるタップダンスは予想以上に大変だったとか。「タップダンスと言えるレベルではない」と謙遜するチャニングだが、タップダンスの振付師クリス・ガッデーリは「練習にも手を抜かない。最高のタッパーの一人だ」と絶賛。しかも、ジーン・ケリーやフレッド・アステアを見てダンスを志すようになったというクリスにとって、昔の映画にオマージュを捧げて振り付けができたのは夢のような仕事だったという。また、スカーレットが演じるディアナ・モランの水中レビューシーンのメイキングでは、水上から水中に沈んでいく映像を逆回転させ、水上に出てくるように撮影された様子が明かされている。これは、モデルとなった『水着の女王』のエスター・ウィリアムズの手法だという。エスター・ウィリアムズが“実際に撮影を行った”スタジオで撮影を行い、当時スタジオがどう使われていたのかを徹底的にリサーチした点など、完全再現された本シーンの撮影秘話が明かされている。そのほか、特典映像にはクルーニー、ブローリン、ティルダ・スウィントンら豪華キャスト陣が本作の舞台裏を語る様子も収められているというから、期待して待っていて。『ヘイル、シーザー!』ブルーレイ+DVDセットは10月5日(水)より発売(※同日レンタル開始)。(text:cinemacafe.net)
2016年09月06日アカデミー賞受賞監督、コーエン兄弟の華麗なる集大成ともいうべき最新作『ヘイル、シーザー!』。この度、本作の公開を記念し、公開アフレコイベントが開催され、俳優・高畑裕太と「ロバート」秋山竜次が登場。その際収録された、スペシャルアフレコ版日本語吹き替え予告映像が到着した。1950年代、ハリウッドが“夢”を作り世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中に、主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!撮影スタジオは大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性溢れるスターたちを巻き込んで、世界が大注目する難事件に挑む――!5月12日(木)、映画の公開を記念し、公開アフレコイベントを実施。どヘタなアクション俳優・ホビー・ドイル(アルデン・エーレンライク)役を、名女優・高畑淳子を母に持ち、いまやバラエティにもひっぱりだこの高畑さんが。そして映画監督ローレンス・ローレンツ(レイフ・ファインズ)役を、お笑いトリオ「ロバート」の秋山さんが演じ、大盛り上がりのイベントとなった。2人がイベントで挑戦したのは、映画で特に観客の笑いを誘う、ホビーと映画監督ローレンスとの一連の演技指導のシーン。田舎者丸出しで訛りが抜けないホビーに頭を抱えながらも、 根気強く正しい発音を叩き込むローレンス監督のシーンは、 微笑ましくも思わず笑ってしまうユーモアたっぷりの名シーンだ。今回到着した映像は、その際に収録されたアフレコを基に制作された吹き替え版予告映像。映像では、「なぜだかね」というセリフを「なんでだかに」となってしまう高畑さんに対し、「なんでそうなってしまうんだぁ~?」とイライラが募る秋山さん、そして改善されないばかりか「やっべ!マジむずいなこれ」と一言。そんな2人の掛け合いに思わずクスッとしてしまう。会場でも、映画監督役に入り込みエキセントリックな演技を見せる秋山さんと、訛りの演技を何故か「ガッツ石松さんを手本にした」という天然さあふれる高畑さんの掛け合いが笑いを誘っていたよう。本編でのユーモラスなシーンを期待させる爆笑必至の予告映像となっている。『ヘイル、シーザー!』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年05月19日アカデミー賞受賞監督コーエン兄弟と、ハリウッド主役級のスターたちが勢揃いした『ヘイル、シーザー!』。ハリウッド黄金期の撮影スタジオを舞台とし、当時の華やかな世界観を細部に至るまで見事に作り上げている本作だが、今回は、中でも目を引き映画を彩るゴージャスな衣装に注目。1950年代、ハリウッドが“夢”を作り世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!撮影スタジオは大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性溢れるスターたちを巻き込んで、世界が大注目する難事件に挑む――!キャストには、コーエン兄弟作品常連のジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンをはじめ、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒル、チャニング・テイタムなど、ハリウッド主役級の豪華俳優陣が集結している。『ファーゴ』『ノーカントリー』で知られる、コーエン兄弟ことジョエル&イーサン・コーエン。そんな彼らの華麗なる集大成ともいうべき本作は、ジョエル・コーエンが 「どうやって当時の世界観を作り上げるか。各部の全メンバーがたくさんリサーチをしたんだ」と語るように、当時の様々な映像や写真を研究するだけでなく存命の美術職人たちに調査を実施するなど、徹底したリサーチを行った。そして、当時の華やかさを現代に伝えるべく、美術スタッフ陣が衣装から小道具、セットに至るまで一切の妥協なく製作されている。劇中、隅々までこだわり抜かれている本作だが、中でも最も目を惹くのが、衣装の華やかさと豊富さ。例えば、古代ローマの衣装から、人魚、西部劇、そして50年代の正装や普段着と様々な衣装が登場。そしてその全ては、エキストラの衣装まで合わせると2,500~3,000の衣装が必要だったとか。そんな今回の衣装のデザインを手掛け、コーエン兄弟の作品に多く携わる衣装デザイナー、メアリー・ゾフレスは「映画の製作が始まる前段階で、すべてのデザインを終えていた」と明かし、大変だったと語りながらも、「大きな挑戦だったけど、すごく楽しかったし、衣装デザイナーが夢見るような仕事だったわ」と、同時に充実していたと話す。当時の衣装を再現することはもちろんのこと、コーエン兄弟が作り上げた個性豊かなキャラクターに合わせ衣装を選んだゾフレス。そこでティルダを例に出し、「ティルダは何を着ても似合うの。少しやり過ぎかとも思ったけど、彼女が一人二役で演じる双子も大げさなキャラクターだし、2人ともスーツ姿で羽根のついた大きな帽子を被っているわ。ひとりは羽根が右に傾いていて、もうひとりは左に傾いているのよ」と、衣装がキャラクター付けにおいて小さくない役割を担っていると説明した。また、単に見た目だけではなく、撮影の状況まで考慮し衣装をデザインする必要もあり、「ゾフレスは、衣装がそれぞれの役者の体に合っているかどうか、着心地がいいかどうかに細心の注意を払ってくれたわ」と、人魚のコスチュームを着て見事な水中パフォーマンスを劇中で披露したスカーレットは語る。尾びれやウロコをきらびやかに仕上げつつも、一定の機動性がある衣装を準備する必要があったというこのコスチューム。「彼女のデザインのおかげで楽に動くことができたし、人魚の衣装は動きがすごく制限されるけど、彼女は着やすく脱ぎやすい形にしてくれていたの」とも絶賛した。ハリウッド黄金期の華やかさをいまに伝え、見る者の目を楽しませる本作。見た目だけでなく、演者たちの着心地にもこだわった衣装はもちろん、画面細部にまで手を掛けられたその世界観をぜひ大画面で楽しんでみて。『ヘイル、シーザー!』は5月13日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年05月01日アカデミー賞受賞監督コーエン兄弟の華麗なる集大成とも言うべき最新作『ヘイル、シーザー!』。ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら超豪華スターが出演する本作から、彼らがそれぞれ写るゴージャスすぎるキャラクターポスターがこのほど解禁された。1950年代、ハリウッドが“夢”を作り世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中に、主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!撮影スタジオは大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性溢れるスターたちを巻き込んで、世界が大注目する難事件に挑む――!『ファーゴ』『ノーカントリー』で知られるジョエル&イーサン・コーエン兄弟が描く本作は、ハリウッド全盛期を舞台に、世界的スターの誘拐事件解決に挑むサスペンスコメディ。キャストには、コーエン兄弟作品常連のジョシュ、ジョージ、スカーレット、フランシス・マグドーマンド、ティルダ・スウィントンをはじめ、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒル、チャニングなどハリウッド主役級のスターら豪華俳優陣が集結している。本作の現場は常にリラックスした雰囲気で、監督の常連キャスト、スタッフはもちろんのこと、初めて参加した人々も楽しみながら撮影に取り組んでいたそう。スカーレットはその素晴らしい環境について、「ハリウッド黄金期の人物を演じるのは楽しいだろうと思った。考えてもみてよ、あの衣装、あの輝き、あのクオリティに、あの舞台裏の状況!心を奪われたわ!それに、コーエン兄弟は現場で遊び心があった。安心できるクリエイティブな環境だったの」と当時の様子をふり返った。そして今回到着したのは、それぞれのカラーで華やかに彩られた豪華7名のスターがザ・ハリウッドなポーズを決めているポスター。ジョシュは“スタジオの何でも屋”、ジョージは“突然消えた世界の大スター”、レイフは“キレたら超危険な映画監督”、ジョナは “バカ真面目な公証人”、スカーレットは“お色気で勝負する若手女優”、ティルダは“ネタを探すしつこい双子の記者”、チャニングは、“歌って踊れるみんなの憧れミュージカルスター”と、それぞれ想像力を掻き立てるキャラクターの一言紹介が添えられている。これまで世界中の観客たちに強烈なインパクトを残した独特なキャラクターを創り続けてきているコーエン兄弟。過去には『バートン・フィンク』の“狂気に囚われる劇作家”、『ファーゴ』の “臨月妊婦の警察署長” などが登場し、カンヌ国際映画祭男優賞やアカデミー賞し注目を浴びている。そんな今回も注目を集めそうな本作のポスターは、TOHOシネマズみゆき座をはじめ、全国の上映劇場にて7連貼りで掲出されるとのこと。『ヘイル、シーザー!』は5月13日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月13日ジョージ・クルーニー、ジョシュ・ブローリンをはじめ豪華俳優たちが、4本のオスカー像を持つコーエン兄弟のもと集結する最新作『ヘイル、シーザー!』。先日、開幕した第66回ベルリン国際映画祭で名誉あるオープニング作品に選ばれた本作から、コーエン兄弟監督やキャストたちによるゴージャスなレッドカーペットイベントと記者会見の模様が到着した。1950年代、ハリウッドが“夢”を作り、世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、主演俳優であり世界的大スター(クルーニー)の誘拐事件が発生することから始まる物語。事件解決への白羽の矢を立てられたのは、演じる“スタジオの何でも屋”(ブローリン)。彼は、お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、人気ミュージカルスター(チャニング・テイタム)、パッとしない若手アクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込み、世界が大注目する難事件に挑んでいく。世界3大映画祭のひとつに数えられるベルリン国際映画祭のオープニング作品といえば、過去にはコーエン兄弟北米最大のヒット作となった『トゥルー・グリット』をはじめ、アカデミー賞にも直結する超話題作が選出されることでも有名。66回目を数える歴史ある本映画祭のオープニングで選ばれた本作からは、ジョエル&イーサン・コーエン監督、ブローリン、クルーニー、アルデン・エーレンライク、ティルダ・スウィントン、チャニング・テイタムが参加した。鬼才コーエン兄弟の最新作としての期待の高さはもちろん、豪華スターが顔を揃えることでもその注目度は高く、監督とキャスト陣がレッドカーペットに登場すると、ベルリンの観客からは大きな歓声が!主演のブローリンは婚約者のキャスリン・ボイドとレッドカーペットに入り、ベルリンのファンたちの声援に堂々と応えていた。また、クルーニーは愛妻アマルさんをエスコートしながら颯爽と登場、本作で演じるスター俳優らしく、精力的にファンサービスを行っていた。さらに、白のドレスに個性的な髪型で登場したスウィントンには、報道陣のカメラから多くのフラッシュがたかれた。特に会場の女性からひときわ黄色い声を浴びていたのは、テイタム。自身の“セクシー写真”にサインを求められた際には、苦笑いで応えるひと幕も。まさに、豪華スターが共演する本作にふさわしい、華々しいレッドカーペットイベントとなった。その後、監督とキャストが参加した記者会見も、みな仲良くジョークを飛ばし合い、終始和やかな雰囲気で行われた。■ジョシュ・ブローリンコメントコーエン兄弟と一緒に仕事できて楽しかったよ。彼らは良い友だちだし、彼らの映画も好きだし、彼らがCM作ることになったら、ビールでも下着でもやるよ。ちょっと痩せなきゃいけないだろうけどね。彼らの映画には3本半(本作と『ノーカントリー』『トゥルー・グリット』、『それぞれのシネマ~カンヌ国際映画祭60回記念製作映画』はショートフィルムのため半分とカウント)出演させてもらっているけれど、今後も彼らと仕事ができればそれだけで満足だね。当時のハリウッドのことは分からないけれど、僕らの働いている世界を面白おかしく茶化すのは好きだよ。だって、とても馬鹿げてる業界だからね。(映画業界の)進化を見ると、当時はもっと大変だっただろうね。東部で40,000ドル稼いでいたヤツが突然2.5億ドル相当のお金を生み出すんだから、頭がおかしくなきゃできないだろう。コーエン兄弟はそれをシニカルなユーモアに昇華させてるんだ。■ジョージ・クルーニーコメント彼ら(コーエン兄弟)はとにかく楽しいんだ。素晴らしいフィルムメーカーで、一緒に仕事をするのは楽しいよ。良いヤツらだし、とても働きやすいんだよ。■アルデン・エーレンライクコメントコーエン兄弟は、リラックスして楽しい環境を作ってくれるから、最後には家に帰りたくなくなっちゃうくらい面白いんだ。■チャニング・テイタムコメント実は当初、この映画で何をやるのかは知らなくて、脚本には3文字くらいで、その後に「ダンス」としか書いてなかったんだ。いままでタップダンスもやったことないし、映画で歌ったこともなかった。でも、ほかにこんな映画はないし、目を閉じて崖から飛び降りるような気持ちでやったよ!そこにはコーエン兄弟がいたし、彼らは(当時の映画について)とても勉強していて、これまで作られた映画について全部知っていた。僕は彼らに完全に任せっきりだったよ。ユーモアにあふれた魅力的な映画だね。僕らも彼らも当時生きていたわけじゃないけど、当時を舞台としたコーエン兄弟なりの面白い解釈だよね。ドキュメンタリー的映画ではなく、本当に面白いエンターテインメント映画だ!『ヘイル、シーザー!』は5月13日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月14日ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら超豪華スターたちが競演する『ヘイル、シーザー!』。2月2日(日本時間)、ロサンゼルスにてワールド・プレミアが開催され、監督を務めたイーサン&ジョエル・コーエン兄弟を始め、豪華キャスト陣が登場した。本作の舞台は、1950年代、ハリウッドが“夢”を作り、世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、なんと主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!スタジオが大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込み、“最高にゴージャスな大捜査”が幕を開ける――。コーエン兄弟最新作として期待の高さはもちろん、豪華スターが顔を揃えるということもあり製作時から注目を集めていた本作。寒空の下にも関わらず多くのファンが待ち構える中、1950年代という時代設定に合わせ、リムジンではなく年代物のクラシック・カーで登場したのは、ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、チャニング・テイタム、ジョナ・ヒル。俳優たちにとってもクラシック・カーでの登場は新鮮に感じられたようで、自身の写真撮影中にレッドカーペット入りしたクラシック・カーを見つめていたジョシュは、後部座席にいたチャニングの姿を見つけると嬉しそうに手を振り、仲の良さを感じさせる一幕も。ジョシュはコーエン監督作の出演に「コーエン兄弟は自分が知る中でも最高のコンビだ。彼らと一緒にいるのは本当に楽しいんだよ。どのくらい楽しいかって?それはジョージ・クルーニーを引っ叩くことと同じくらいだね(笑)!」とジョーク交じりに話した。チャニングも「『ヘイル、シーザー!』はいままで出演した中で大好きな映画のひとつだよ。もっともっと彼らの作品に出たいんだ」とコーエン兄弟を絶賛した。そんなジョージは「ジャンバティスタ ヴァリ(GiAMBATTiSTA VALLi)」のオートクチュールを身に纏った妻・アマルをエスコートしながらレッドカーペットに登場。本作について聞かれると「コーエン兄弟は脚本を送ってきては『この大バカモノは君のために書いたんだ』って言ったんだ。彼らは狂ってるよ。でも最高に楽しいんだ!」と興奮気味にコメント。また、「21ジャンプストリート」で共演し名コンビとなったジョナとチャニングは、チャニングがジョナに向けておふざけでキスを贈るというサプライズで会場を笑わせていた。『ヘイル、シーザー!』は5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月03日