映画『ハロウィン』最終章となる『ハロウィン THE END』が来年4月に公開されることが決定。主演のジェイミー・リー・カーティスが日本のファンに向けた特別コメント付きの超特報映像も到着した。1978年、鬼才ジョン・カーペンターが32万5,000ドルの製作費をかけて生み出し、4,716万ドルの全米興行収入を記録した『ハロウィン』(’78)は、いまなおホラー映画の金字塔として愛され続けている。そして、映画史に残るホラー・アイコン“ブギーマン”を生み出し、数多くの作品やクリエイターたちに影響を与えた。その78年版から40年後を描いた正統な続編『ハロウィン』(’18)は、全世界で2億5,561万ドルを稼ぐ大ヒットを記録し、批評家や観客からも高い評価を獲得。2021年には続編となる『ハロウィン KILLS』が公開され、全世界で1億3,164万ドルの興行収入を記録した。最終章では、前作に引き続きデヴィッド・ゴードン・グリーンが監督・脚本・製作総指揮を、キャラクター原案、製作総指揮、音楽をシリーズ生みの親であるジョン・カーペンターが務め、『透明人間』『ハッピー・デス・デイ』など良質ホラー作品を製作するブラムハウス・プロダクションズを率いるジェイソン・ブラム(製作)、ダニー・マクブライド(製作総指揮・脚本)ら、『ハロウィン』(’18)からの強力な製作陣が続投。ジェイミー・リー・カーティス-(C)Getty Images主人公ローリー・ストロードを1978年の『ハロウィン』からシリーズを支え続けるジェイミーが務めるほか、ローリーの孫娘アリソン役のアンディ・マティチャックやカイル・リチャーズ、ウィル・パットンが続投、本作の物語の鍵を握る一人コーリー役としてローハン・キャンベルが新たに参加している。今回公開された映像では、冒頭、ジェイミーが日本のファンへ日本語で挨拶をしたあと、45年に渡るローリーとマイケルの戦いをふり返りながら、本作で最終決戦を迎えることを告げる。そして、第1作目の映像を含む過去のシリーズの映像を交えながら、これまでのローリーとマイケルの戦いをプレイバックするとともに、さらにパワーアップして帰ってきたマイケルの姿、そして第1作目を彷彿とさせる衣装を身にまとったローリーが、「さあ 行くわよ」とマイケルに挑まんとする姿がとらえられた。なお本作は、今月に全米公開され、40,050,355ドルの興行収入で全米No.1のオープニングを記録している。『ハロウィン THE END』は2023年4月、TOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ハロウィン THE END 2023年4月、TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国にて公開Ⓒ2022 UNIVERSAL STUDIOS
2022年10月31日テレビ朝日のマスコットキャラクター・ゴーちゃん。と、J-WAVEのリスナー会員サービス「J-me」のオフィシャルキャラクター・ジェイミーが、21日~29日に「J-WAVE META STUDIO」でメタバースラジオ番組を配信する。テレビ朝日は、21日、22日、23日の3日間、六本木ヒルズとオンラインで開催される日本最大級のデジタル・クリエイティブフェス「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2022」(主催J-WAVE 以下、イノフェス)の会場で、リアルとメタバースを横断するJ-WAVEとの初のコラボレーション企画を行う。今年7回目の開催となるイノフェスでは、六本木・J-WAVEのスタジオがメタバース化され、「J-WAVE META STUDIO」として公開されるが、そのメタバーススタジオにてジェイミーとゴーちゃん。によるラジオ番組を配信することが決定した。VRやARを駆使したバースデーイベントを開催するなど常に新しいテクノロジーに興味深々のゴーちゃん。がジェイミーとイノベーティブな未来について語り合う。ご近所仲間の2人によるメタバースラジオ番組に注目だ。テレビ朝日が手がけるメタバース空間「光と星のメタバース六本木」にはジェイミーとゴーちゃん。の2ショットスペシャルコラボパネルも設置される。さらに光と星のメタバース六本木内には、「イノフェス」も手がける開発ユニット「AR三兄弟」と『新世界 メタバースTV!!』が共同開発した巨大な顔が壁から飛び出す仰天コンテンツ「メタの壁 by 『新世界 メタバースTV!!』」が登場。同番組MCの関智一&ぺこぱ3人の顔がVR空間上のテレビ朝日本社ビルから突如出現し、その「顔」は次元を超えて六本木ヒルズアリーナの「イノフェス」の会場でテレビ朝日周辺に隠されたメタバースとリアルな世界の結節点から「メタ顔」が飛び出てくるARコンテンツとなっている。実際にMC3人が「メタ顔」を体験して記念撮影した模様は、23日の『新世界 メタバースTV!!』(10:00~)に放送される。
2022年10月19日2003年に公開されたディズニー製作の『フォーチュン・クッキー』について、主演のジェイミー・リー・カーティスが続編製作にやる気を見せた。主演作『Halloween Ends』のプロモーション活動で、トーク番組「The View」に出演したジェイミー。ファンから「『フォーチュン・クッキー』の続編出演には前向きですか?」という質問が寄せられると、「もうディズニーとは連絡を取っているんですよ。友だちがディズニーで働いていて。それに私、ディズニーの新しい『ホーンテッド・マンション』の映画にも出るので」と答えた。『フォーチュン・クッキー』は、ジェイミー演じる母親とリンジー・ローハン演じる娘の中身がふとしたことから入れ替わってしまうというコメディ。「中身が入れ替わってしまうおばあちゃんにならせてください。それで、リンジー・ローハンがセクシーなおばあちゃんになって、いまもいろんな意味で(ライアン役の)マーク・ハモンと幸せで。単純に、リンジーがホットなおばあちゃんになっている姿が見たいです。それに、私がいまの子供たちとどう接しようとするのかも見たいですね。私がオールドレディとなったこの時代の世界で、過保護な親になってみたいんです」と続編の構想について語った。ジェイミーとリンジーとの友情は現在も続いており、メールを送り合う仲だという。ディズニーがGOサインさえ出せば、また2人が母娘を演じる『フォーチュン・クッキー』続編製作が実現するようだ。【更新】10月11日15:55 記事の内容に誤りがあり一部修正いたしました。(賀来比呂美)
2022年10月11日『リコリス・ピザ』のポール・トーマス・アンダーソン監督の過去作を上映する「ポール・トーマス・アンダーソンにゾッコン夢中!初期傑作選」が、下北沢トリウッドにて開催される。世界三大映画祭全てで監督賞に輝き、新作を発表する度にアカデミー賞多数ノミネート必至のアンダーソン監督。現在活躍する数多くの映画監督も彼のファンだと言及することも度々、最新作『リコリス・ピザ』では、ますます瑞々しい魅力を炸裂させ、全世界に衝撃を与えた。今回の上映では、そんな監督の初期傑作から問題作まで4作品を期間限定一挙上映。本上映会に合わせて、字幕も一新、全て新字幕で上映する。そんな4作品は、日本では正式な劇場公開をされることなく、限定的なイベント上映とソフト販売のみにとどまっている、幻ともいえる長編デビュー作『ハードエイト』。実在したポルノ男優ジョン・ホームズをモデルに、70年代末から80年代のポルノの産業の裏側を描き、長編2作目にしてアカデミー脚本賞にノミネートもされた出世作『ブギーナイツ』。『ハードエイト』自己啓発セミナーを開催するナンパ師を演じるトム・クルーズをはじめ、豪華キャストが怪演、名演を魅せる、監督の初期の代表作『マグノリア』。名優フィリップ・シーモア・ホフマンの「シャシャシャシャシャラップ!」が必見、“強烈な一目惚れ”を扱う、『リコリス・ピザ』ファンには絶対に外せない恋愛コメディ『パンチドランク・ラブ』がラインアップされている。『パンチドランク・ラブ』下北沢トリウッドでは、最新作『リコリス・ピザ』も本上映会と同時期の10月8日(土)~11月4日(金)に上映(※平日火曜定休)。なお関西では、京都みなみ会館で本上映会が開催予定だ。「ポール・トーマス・アンダーソンにゾッコン夢中!初期傑作選」は10月8日(土)より下北沢トリウッドにて土日限定上映。(cinemacafe.net)■関連作品:リコリス・ピザ 2022年7月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
2022年09月19日オーストラリアの広大な砂漠地帯で記憶を失った男が、自分を探して疾走する大ヒットクライムサスペンス「ザ・ツーリスト俺は誰だ?」(全6話)。この度、主演ジェイミー・ドーナンが80年代の大ヒット曲をドライブ熱唱するシーンを含む舞台裏の特別映像と、撮影のメイキング写真が解禁となった。この度解禁された特別映像は、「ザ・ツーリスト」撮影の裏側:ジェイミー・ドーナン熱唱編では、記憶喪失の“男”を演じたジェイミーほかキャストやスタッフが本作の魅力や撮影の舞台裏について語っている。(左)ダニエル・ネットハイム監督(右)ジェイミー・ドーナン「砂漠地帯を舞台にしたロードムービーのようだが、ミステリー、スリラー、西部劇、ロマンスの要素もある」と、様々なジャンルがミックスされた本作の特徴をダニエル・ネットハイム監督が解説する。(左)ジェイミー・ドーナン(右)シャローム・ブルネ=フランクリンジェイミーは「第1話の終わりで彼の悪の部分が垣間見られる。目が離せなくなるはず」と本作の魅力を話す。そんな彼が出会うのが、ルーシー・ミラーという女性。「ルーシーはレストランの店員でそこに彼が客としてやってくる」と演じるシャローム・ブルネ=フランクリンは言い、ジェイミーが「はじめは2人の間につながりがあるのかは分からない」と続けている。「彼女は現在を自分のものにしようとする旅に出る。でも過去からは逃げている」と意味深な言葉を続けるルーシーが気になる。その謎の“男”を、地元クーパー・スプリングス警察の警官ヘレン・チェンバーズが取り調べるが、「ヘレンは新人警官で、いつも怖くて行動を起こせない人だったけど、ついに行動する勇気を持つ。彼女は勇敢だと思った。まさにピッタリの言葉だと思う」とダニエル・マクドナルドは解説する。さらに、“男”を執拗に追い続ける不気味な男、ビリーを演じたオラフル・ダッリ・オラフソン(『LIFE!』)は「すごくいい作品になると思う。視聴者は全員に何が起こっているのかを発見できる内容だし、それはすばらしいことだ。そして、ジェイミーの歌声も聞ける」と笑顔を見せる。ジェイミー演じる“男”は、この直後にとんでもない事態になることも知らず、1981年の大ヒット曲、キム・カーンズの「ベティ・デイビスの瞳」を車中で熱唱するのだ。本作は、エミー賞と並び世界四大映像祭の1つである、世界的なテレビ番組コンクール「モンテカルロ・テレビジョン・フェスティバル(モンテカルロ・テレビ祭)」にて6月21日に、TVドラマ部門において最優秀賞にあたるゴールデンニンフ賞と、最優秀クリエイション賞をW受賞、さらに観客賞も受賞する快挙を達成。本作は早くもシーズン2の製作が決定している。「ザ・ツーリスト 俺は誰だ?」はスターチャンネルEXにて全話配信中。BS10スターチャンネルにて毎週月曜23時~放送中(全6話)。(text:cinemacafe.net)
2022年08月12日ジェイミー・ドーナン主演のクライムサスペンスドラマ「ザ・ツーリスト」が、7月29日(金)より「スターチャンネルEX」にて全話配信。「世界コアラの日」でもあることに合わせ、主人公の記憶喪失の“男”が記憶を取り戻すカギとなる(?)コアラのぬいぐるみを持った新場面写真が解禁となった。また、ドーナン演じる旅行先のオーストラリアで記憶を失くす主人公の“男”を追う、謎の男ビリー・ニクソンを演じたオラフル・ダッリ・オラフソンと、同じく“男”を追うロジャース警部を演じたデイモン・ヘリマンのインタビューが到着した。ロジャース警部役デイモン・ヘリマン本作では、観る者に恐怖や謎を与えドラマを盛り上げている2人。「ビリーは決していい人ではなく、登場人物の誰もが彼に会いたがらない人物です」と、オラフソンは明かす。「ビリーに会うと大抵いいことはないですからね。ビリーという役はどんな俳優でも演じたいと思う役柄だと思います。ナルシストで、サイコパスな人物を演じるのはとても演じ甲斐があります。このようなスケールの大きな作品に参加できて光栄でした。現代の西部劇的な作品でもあります」と、キャラクターと作品についてコメント。ビリー役オラフル・ダッリ・オラフソンアイスランド出身のオラフソンはオーストラリアでの撮影が初めてでアウトバック(砂漠地帯)にワクワクしたといい、南オーストラリアで育ったヘリマンも撮影を楽しんだという。「ロジャース警部はキャリアのある、とても尊敬されている警部です。彼はプライドが高い仕事人間ですが、家族思いな男でもあります。そのことがストーリーにも大きく関わってきます」とヘリマン。本作について「コメディとシリアスなドラマが混在している」といい、「この“男”は誰で、どこから来たのか、どんな経歴なのか、誰が彼を知っているのか、登場人物と同じように探求頂ければと思います」とアピールした。そして、7月29日(金)の「世界コアラの日」にちなんだ場面写真には、本作でキーアイテムとなるコアラのぬいぐるみを手にするジェイミーの姿が収められている。「ザ・ツーリスト 俺は誰だ?」(全6話)はスターチャンネルEXにて全話一挙配信中。BS10スターチャンネルにて8月8日(月)23時~毎週月曜放送。(text:cinemacafe.net)
2022年07月29日モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)から、「1 モンクレール JW アンダーソン( 1 MONCLER JW ANDERSON)」の新作ウェアが、2022年6月9日(木)より一部の国内モンクレールブティック、主要セレクトショップなどにて発売される。“陽気な逃避行"を表現した新作ダウンジャケット&ウェア今季で3シーズン目を迎える1 モンクレール JW アンダーソンの新作では、“陽気な逃避行”を表現。イエローやグリーン、ブルー、ピンクといった鮮やかな色彩と、素朴かつサイケデリックなパターンを駆使しながら、モンクレールのアウトドアをルーツとする機能性によりフォーカスしたコレクションとなっている。ラインナップは、レザーストラップ付きのパッド入りパーカー、クロップド丈のブルゾン、ジップアップジャケット、パッド入りベスト、オーバーサイズのジャンパー、スウェットシャツ、パーカー、テディフリース、パッド入りミニスカート、バミューダ、リラックスシルエットのパンツなど。ディテールに遊び心を効かせた、ジェンダーレスなデザインのアイテムが揃う。小さな“ピロー”付きファスナーを配したダウンジャケットなど例えば、ベビーピンクやブルーのダウンジャケットや、イエローのフード付きダウンジャケットのファスナーの引手には、小さなピロー型の装飾をプラス。同様のディテールは、フラップポケット付きのショートダウンジャケットやハーフジップのニットトップスにもあしらわれている。また、色が滲んだような質感のフリースフーディーやTシャツ、グラフィカルな模様のTシャツ、スカート、ライトブルーのデニムコートなども登場。袖にボリュームを持たせたフード付きジャケットには、1 モンクレール JW アンダーソンのロゴ入りレザーパッチを配し、アクセントを効かせた。パッド入りバッグやサンダルもその他、パッド入りトートバッグやかぎ針編みの帽子など、小物も充実。カラフルなスライドサンダルは、ボリュームのあるチューブを連ねたような、プレイフルなデザインが魅力だ。【詳細】1 モンクレール JW アンダーソン「Dream in color」発売日:2022年6月9日(木)販売店舗:一部の国内モンクレールブティック、主要セレクトショップ、オフィシャルECサイト価格例:・ダウンジャケット 305,800円・フード付きジャケット 220,000円・フリースフーディー 146,300円・トートバッグ 119,900円・サンダル 85,800円【問い合わせ先】モンクレール ジャパンTEL:0120-977-747
2022年06月12日アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)から、ユニセックスの新作デニムパンツとシャツが登場。2022年4月6日(水)にオープンするアンダーソン アンダーソン 阪急うめだ本店限定で展開される。阪急うめだ本店限定アイテムアンダーソン アンダーソンは、“和紙”から作られた新素材「ワシファブリック(WASHIFABRIC)」を取り入れた、肌に優しいアイテムを提案するライフスタイルブランド。関西エリア初の実店舗としてオープンする阪急うめだ本店では、限定アイテムとしてデニムパンツとシャツを展開する。“和紙糸”使用のサラサラデニムパンツインディゴカラーのデニムパンツは、ユーズドライクな裾のひげ加工が魅力。和紙糸ならではのサラサラ触感や吸放湿性などの機能性により、暑い夏でも快適に着用できそうだ。グラフィック入りシャツ六分丈のシャツには、表面にポリエステル、裏面に和紙が出るように織り上げたオリジナルの生地を採用。バックには、シンプルなグラフィックをプリントし、スタイリッシュな佇まいに仕上げた。なお、アンダーソン アンダーソン 阪急うめだ本店は、阪急うめだ本店とマッシュグループのタッグにより誕生した4階の新設フロアにオープン。店舗は、サスティナブルな素材を使用しながら落ち着きのあるラグジュアリーな空間に仕上げている。【詳細】アンダーソン アンダーソン 阪急うめだ本店限定アイテム発売日:2022年4月6日(水)場所:阪急うめだ本店 4階住所:大阪府大阪市北区角田町8-7TEL:06-6313-7317アイテム:・WASHIFABRIC DENIM 19,800円サイズ:ウィメンズ 0.1.2、メンズ 1.2.3・バックプリントダブルクロスショートスリーブ ウィメンズ 12,100円、メンズ 12,980円サイズ:ウィメンズ 0.1、メンズ 1.2■ノベルティ1万円以上の購入者に先着でカトラリーセットをプレゼント。※数量限定の為なくなり次第終了
2022年04月03日ウェス・アンダーソン監督第10作目『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』のデジタル配信とブルーレイ+DVDリリースが決定。さらに3月16日(水)よりディズニープラスにて見放題独占配信も開始することが分かった。本作は、20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部が舞台。ある日、編集長が急死し、彼の遺言によって「フレンチ・ディスパッチ」の廃刊が決定。編集長の追悼号にして最終号の全貌を、1つのレポートと3つのストーリーで描く、エスプリとユーモアに富んだオムニバス映画だ。名物編集長アーサー・ハウイッツァー・Jrをビル・マーレイが演じているほか、オーウェン・ウィルソン、フランシス・マクドーマンドら常連キャストに加え、ベニチオ・デル・トロ、ティモシー・シャラメ、ジェフリー・ライト、レア・セドゥ、シアーシャ・ローナン、エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォーといった、豪華で贅沢なキャストらが出演している。実在する雑誌「ニューヨーカー」と、実在する著名な記者に触発されて作られたという本作。全編を通しての監督の映画とフランスと活字カルチャーへのこだわりと大きな愛、ファンを惹きつけて止まないカラフルで特徴的な独特の世界観も絶賛され、第74回カンヌ国際映画祭では、上映後に約9分もの熱いスタンディング・オベーションで讃えられた。また今回リリースが決定したブルーレイ+DVDセットの初回限定仕様として、物語を構成する1つのレポートと3つのストーリーのポスター4種をデザインした、オリジナル・miniステッカーが封入される(※在庫がなくなり次第、ステッカーのない通常版に切り替わる)。なお、ディズニープラスでの配信は、3月16日16:00より開始される。(cinemacafe.net)■関連作品:フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年1月28日より全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2022年03月11日ケネス・ブラナーの自伝的作品『ベルファスト』より、少年バディの父親を演じたジェイミー・ドーナンのインタビュー映像が解禁。作品の舞台となる、出身地ベルファストへの思いや役作りなどについて語っている。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の若き大富豪クリスチャン・グレイ役で一躍注目を集めたジェイミー・ドーナン。彼が本作で演じるのは、監督・製作・脚本を担当したブラナーが自身を投影したという少年・バディの父親役。税金のことでちょっとしたトラブルを起こし、金にだらしない一面もありながら、家族のために単身イギリスへと出稼ぎに赴く大黒柱だ。1~2週間に1度、愛する家族の元に戻ると子煩悩な父親へと変身し、子どもたちと遊び、学校へ送り出し、映画館に連れて行く。家族を愛し、愛される良き父親だ。出稼ぎで家を空けがちだからこそ、ベルファストを襲う危険を正確に理解し、大切な家族を何としても守り抜こうとする父親役を、ジェイミーは強い意思を感じさせる演技で体現している。ジェイミー自身もベルファスト生まれのベルファスト育ち。そんな彼は本作の役作りについて「このキャラクターの中には僕が過去に出会った人々の性格が少しずつ入っている。すぐにこの役に入れたんだ」とケネス同様、自身のルーツとなる故郷の物語にすんなり入り込めたそう。オファーを受けた当初も、脚本を読み、タイトルを見た瞬間に「“いいぞ”と思った」と言い、「すぐこのキャラクターに感情移入できたし、監督にとってどれだけ大事な物語か理解できた。ベルファスト出身というのは僕自身も誇りに思っていることだ。それを表現できるのはありがたい」と出演を決めたと語っている。また、「ケネスは本当に素晴らしい方法で故郷の人々の善良さを表現してくれた」とケネスとの撮影をふり返りながら、「アイルランドでは何世紀も過酷な状況が続き、人々は苦しみ、そしてお互いを傷つけ合ってきた。だからユーモアで乗り切るしかなかったんだ。ケネスはそのユーモアをうまく引き出してくれたよ。喜びに満ちた脚本を書いてくれた」とも明かしており、過酷な状況においても、未来を見据え、ユーモアと笑顔を忘れずに生きた人々を描いた本作に想いを馳せている。『ベルファスト』は3月25日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベルファスト 2022年3月25日よりTOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開© 2021 Focus Features, LLC.
2022年03月02日肌着ブランド「アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)」から、ブランド初となるメンズ・ウィメンズのオリジナルデニムが登場。2022年2月25日(金)より、アンダーソン アンダーソン取扱店舗で発売される。アンダーソン アンダーソン"初"のオリジナルデニムアンダーソン アンダーソンは、“和紙”から作られた新素材「ワシファブリック(WASHIFABRIC)」を取り入れたアイテムを提案するライフスタイルブランドだ。そんなアンダーソン アンダーソンから、天然由来素材の"和紙"を使用したオリジナルデニムが、メンズ・ウィメンズ共に展開される。オリジナルデニムは、縦糸にコットン、横糸に和紙を使用し、さらっとした肌触りを実現。通常のデニムよりも軽く薄手であり、シーズンを問わず履くことができるのもポイントとなっている。長く愛用できるようメンズ・ウィメンズ共に、無駄をそぎ落としたシンプルなデザインを採用。メンズは、オーソドックかつ、スタイルを選ばないストレートシルエット。ウィメンズは、足首がすっきりと見えるテーパードシルエットを起用し、カジュアルながら女性らしさを感じられる1本に仕上げた。機能性にも優れており、和紙本来の吸放湿性に加え、抗菌・防臭などにも対応している。カラーは、ユーズドライクな洗いをかけたインディゴと、"漆黒"からインスピレーションを受けたブラックがラインナップ。さらに、洗いや加工を施していない生デニム(ノンウォッシュデニム)も用意する。【詳細】「アンダーソン アンダーソン」オリジナルデニム発売日:2022年2月25日(金)取扱店舗:アンダーソン アンダーソン取扱店舗、公式オンラインストア、ウサギオンライン※2月22日(水)12:00~ 公式オンラインストア、ウサギオンラインにて先行販売開始<アイテム例>・メンズストレートデニム(インディゴ、ブラック) 19,800円サイズ:1.2.3ノンウォッシュストレートデニム(インディゴ) 19,800円サイズ:1.2.3・ウィメンズテーパードデニム(インディゴ、ブラック) 19,800円サイズ:0.1.2ノンウォッシュテーパードデニム(インディゴ、ブラック) 19,800円サイズ:0.1.2
2022年02月17日ガル・ガドットとジェイミー・ドーナンが共演することになった。スパイスリラー映画で、タイトルは『Heart of Stone』。監督は『ワイルド・ローズ』のトム・ハーパー。製作配給権は、競売の結果Netflixが獲得している。ストーリー設定などは明らかにされていない。ドーナンの最近作は、ケネス・ブラナー監督の『ベルファスト』。今作での演技は高い評価を受けており、来週8日に発表されるオスカーノミネーションで助演男優部門に食い込むことも期待される。ガドットの次回作は今月公開予定の『ナイル殺人事件』。こちらもブラナーが監督をしている。文=猿渡由紀
2022年02月02日『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』はウェス・アンダーソン監督の記念すべき第10作目の長編映画。日本文化へのリスペクトが詰まった前作のストップモーション・アニメーション『犬ヶ島』とは打って変わり、彼自身が夢中になった往年のフランス映画や「ザ・ニューヨーカー」誌へオマージュを捧げた映画世界が繰り広げられている。その世界観は、ウェス作品御用達のプロダクション・デザイナーであるアダム・ストックハウゼンによれば「フランスの古い映画や写真でよく目にする、すすけた世界」とポップな色彩が調和しており、オープニングからエンドロールまで情報量が半端ない、まるで“観る雑誌”のごとき完成度。ウェス作品の常連であるティルダ・スウィントンが「(ウェス監督が)フランス語で書いたラブレター」と評するのも納得の作品となっている。活字好きにはたまらない!?ウェス監督が贈る“観る雑誌”『ムーンライズ・キングダム』から『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』とウェス作品に参加してきた名優ボブ・バラバンは、「10作目でもウェスの冒険心は尽きない」と特別映像の中でふり返っている。その尽きることのない冒険心は今回、20世紀フランス、架空の街にあるアメリカの新聞社「カンザス・イヴニング・サン」の支局で編集されている雑誌「フレンチ・ディスパッチ」の緻密な“誌面”に惜しみなく、もちろん遊び心も忘れずに注がれることになった。冒頭から、活字カルチャー好きが心躍るオープニング。やがて飲み物を手にしたウェイターが縦長の建物を延々と上っていく。その行き着く先が、ビル・マーレイ演じる「フレンチ・ディスパッチ」創刊者にして編集長のアーサー・ハウイッツァー・Jr.の部屋だ。ところが、アーサーは最新号制作中に急死、その遺言に従って編集長の追悼号が最終号となってしまう。本作は、この名物編集長のためにひと癖もふた癖もある記者たちが「フレンチ・ディスパッチ」に寄稿したアンソロジーの体裁をとり、4つの短編からなるオムニバス映画のようになっている。まずは、お馴染みオーウェン・ウィルソン演じる記者エルブサン・サゼラックが、舞台となる架空の街アンニュイ・シュール・ブラゼをその裏道まで自転車で巡り、レポートにしたためる。続いては、ティルダ演じる美術界の表裏を知り尽くした批評家J.K.L.ベレンセンが、獄中の天才画家モーゼス・ローゼンターラーによる「確固たる名作」について執筆。ウェス組常連俳優の1人、フランシス・マクドーマンド演じる高潔なジャーナリストのルシンダ・クレメンツが、ティモシー・シャラメ演じる学生運動のリーダー、ゼフィレッリ・Bを取材した「宣誓書の改訂」を仕上げ、ジェフリー・ライト演じるローバック・ライトが警察署長お抱えの天才シェフを取材しながら、とある誘拐事件に巻き込まれる「警察署長の食事室」へと続く。街、アート、革命、グルメと、まさにフランスの象徴が詰め込まれたような構成だ。だが、フランス生まれで本作の音楽を担当する作曲家アレクサンドル・デスプラは、本作で描かれるフランスは「監督の頭を通したイメージですから、すこし歪んでいます」と明かす。それはウェス監督の膨大な知識と記憶とイマジネーションから生まれた、あくまでも本物っぽく見える「詩的なフランス」なのだ。超豪華キャストにワクワク!初参加組ティモシー・シャラメらに注目そんな「フレンチ・ディスパッチ」誌をスクリーンでめくっていくプロセスは、上に挙げた以外にもレア・セドゥやエイドリアン・ブロディ、マチュー・アマルリック、シアーシャ・ローナン、エドワード・ノートンら、何本もの映画が作れるビッグネームや名だたる賞に輝く豪華俳優たちが絶え間なく登場することもあって終始ワクワク。その分、一度見ただけでは全貌を語りきることができないほどの情報が各シーンに凝縮されている。だからこそ、お気に入りの雑誌のように何度でも確かめたくなる妙味があり、「フレンチ・ディスパッチ」の表紙イラストを手がけているデザイナー、ジャヴィ・アズナレツによる“バックナンバー”もじっくりと眺めてみたい衝動に駆られる。エンドロールまで見逃し厳禁だ。また、ウェス組初参加ながら、この世界観に見事に馴染んでいるベニチオ・デル・トロが演じた天才画家は、ジャン・ルノワール監督『素晴らしき放浪者』(1932)で怪優ミシェル・シモンが演じた“放浪者”がヒントになったという。ジェフリーが巻き込まれる誘拐事件や銃撃戦はフィルム・ノワールの雰囲気もありながら、アニメーションも盛り込まれるなど、フランス映画史を紐解ける一面もある。とりわけ、1968年の五月革命を彷彿とさせる「宣誓書の改訂」に登場した、珍しくヒゲを伸ばしたティモシーの姿や『パピチャ 未来へのランウェイ』のリナ・クードリが演じるヘルメットを被ったショートカットの会計係ジュリエット、さらに白いシーツに包まる“2人”などは、ヌーヴェルヴァーグの旗手ゴダールやトリュフォーの映画の登場人物のよう。どこか懐かしくもフレッシュな魅力があり、思わず“付箋を貼りたくなる”1ページとなっている。『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は全国にて公開中。(text:Reiko Uehara)■関連作品:フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年1月28日より全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2022年01月28日映像を見れば、すぐにそうと分かるウェス・アンダーソンの世界。その記念すべき10作目となる長編映画『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』もまた、石造りの建物が並ぶ20世紀フランスの架空の街や、クセの強い記者たちの仕事部屋を備えた「フレンチ・ディスパッチ」編集部のビルなどにワクワクがたっぷりつまった、見るも楽しい“1冊の雑誌”となっている。スクリーンではカラフルな世界からモノクロへ、画角もワイドからスタンダードへ、描かれるストーリー(記事)に合わせて変幻自在に移り変わる独特の世界観を見事に形づくったのは、アダム・ストックハウゼン。2007年のウェス監督4作目『ダージリン急行』以来、コンビを組んでいるプロダクション・デザイナーのインタビューがシネマカフェに到着した。印象深いのは『グランド・ブダペスト・ホテル』「大変でしたが最高の週末でした」「私は(『ダージリン急行』の美術)マーク・フィリードバーグの依頼でその映画の美術を担当していました。その映画で最初にしたことは列車のシーンの準備でした」とストックハウゼンはふり返る。「何度も同じチームで働けることはすばらしいことです。お互いの理解が深まり、阿吽(あうん)の呼吸が生まれますからね」。ウェスとの創作の中ですぐに心に浮かぶのは、『グランド・ブダペスト・ホテル』だと言う。「ロビーを重層的に造りました。1960年代のロビーを1930年代のロビーの中に造ったのです。ですから、全体としてどのように見えてくるのか、完成するまで分かりませんでした―。他のシーンから頭をひねって想像するしかなかったのです」と話し、「週末に大急ぎでセット替えをすることもありました。60年代調を引っ剥がして30年代風に仕立てるのです。大変な作業でしたが最高の週末でした。今は良い思い出となっています」と回顧する。『グランド・ブダペスト・ホテル』よりそのほかにも、ウェス監督作品の美術を手掛けていて、ふと“思い出してしまうような”楽しい瞬間はあったか尋ねてみると、「たくさん楽しい思い出がありますよ!必ずしも大がかりなセットとは限りません。『ムーンライズ・キングダム』で、ボーイスカウトがカヌーで上陸するときのボブ・バラバンの浜辺のシーンでは、私たちは草むらにロープを持って入り、そのロープでカヌーを引っ張り上げました。こんな場面の撮影にはそう簡単には出会えません」と、確かに楽しそうにふり返る。「脚本を読んでいてめまいが…」膨大なセットの数とはいえ、本作に関しては「脚本を読んでいてめまいがしました!」とストックハウゼンは打ち明ける。「サゼラック(演:オーウェン・ウィルソン)の話で、この街をどう捉えるかが最初の難関でした。調査から取り掛かり、美術の取り組み方を下書きしてゆくことで、他の話も進展しだしました」。複数の短編からなり、複数のセットを要する本作。その数は約130にも及んだという。「この映画の美術の罠はおびただしい数の、細心の注意を要する、幅広いことがらがあったことです。それを切り抜けることができたのは、信じられないほど優秀なチームがあったからです」と話し、「エリカ・ドーンは次々と雪崩のように押し寄せる画像の要求にこたえました。ステファヌ・クレッサン(美術監修)とイラストレーターとアートディレクターから成る先鋭チームは監督の要望を1つずつかなえました。リナ・ディアンジェロ(装飾)は懸命に各セットを彩りました」とスタッフ陣をねぎらった。「すすけた感じがあってこそ美しい」古いフランスの街並舞台となる架空の街“アンニュイ=シュール=プラゼ”は、全てフランス西部のアングレームで行われた。フランスで最も古いバンド・デシネ(漫画)の祭典「アングレーム国際漫画際」が行われる地としても知られる。その町でのストックハウゼンの狙いは「バランス感」だったという。「私たちがよく写真や古い映画で見る美しいフランスはいつもすすけています。そのすすけた感じがあってこそその美しさが成り立っています。その均衡がとれることでフランスの美はさらに増します」と明かし、「実際の街とのバランスを取るように常に気を遣いました。建物に水を撒く場合もありました。小穴がとても多い石でできた建物が多く、濡れると色が濃くなるのです」と教えてくれた。そういった細部へのこだわりを発見するのも、観客の楽しみとなる本作。1回見ただけでは気がつかないような場面はあるか尋ねてみると、「なんと言っても<ビフォー/アフター>の画ですね。肉市場とそれがその後、地下鉄の入り口に変わった姿を隣り合う画で対比させるセクションです。これをどう見せるかを考えるのはとても楽しかったです」とストックハウゼン。「静物画を描く部分もとても気にいっています。<ビフォー/アフター>はとても難しかったですが、とても楽しかったです。その後、監獄の余暇室での争いの場面の美術を手掛けました。オペラの天井画を描く素晴らしい画家のチームが背景画を描いてくれました」と、ベニチオ・デル・トロが監獄の中の天才画家モーゼス・ローゼンターラーを演じるシークエンスも付け加えた。カギとなったのは伝説的名作『赤い風船』さらに、編集長のビル・マーレイをはじめ、ティルダ・スウィントンやフランシス・マクドーマンド、オーウェン・ウィルソン、ジェフリー・ライトら、錚々たる顔ぶれが集う「フレンチ・ディスパッチ」編集部のセットでは、それぞれの記者の個性が映し出される部屋も必見ポイントだ。ストックハウゼンは「それぞれの記者の執筆スペースに関しては、トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ベン・ヘクト、リュック・サンテ、エミリー・ディッキンソンほかの多くの実在の作家の書斎を参考にし、イメージのテーマにしました」と語り、「編集部全体のイメージには、どの新聞からか思い出せないのですが、参考となる素晴らしい写真がありました。広々としていて、再利用により記者の作業スペースとなった打って付けの佇まいでした」とヒントになった写真があったことを明かす。この編集部のように、すすけた街の雰囲気とは極めて対照的な黄や赤、青が効いた色調も見どころとなる。「(先ほどの)美しさとすすけた感じのバランスという話に通じます。これを実現するために私たちは具体的な方法をとりました」とストックハウゼン。「映画『赤い風船』を参考のカギとしました」と、パリの路地裏に色鮮やかな赤い風船が映えるアルベール・ラモリス監督の1956年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品を挙げる。「『赤い風船』では当時の街のほこりっぽさが背景にあることで、色彩のポップさが鮮やかに浮き上がっていることが分かります。もちろん映画に出てくる風船の色もそうですが、車の色も、お店の店先の色も効いています。最も重要なことは<古いすすけた建物を背景にした明るい対象物>というバランスを保っていることです」と、本作にもつながる色彩のマジックを打ち明ける。現在、「残念ですが、まだあまりお話できない」というウェス監督の次回作をスペインで撮影中というストックハウゼン。次はどんなウェス・アンダーソンの世界を魅せてくれるのか、まずは彼らが創りだした20世紀フランスの街を堪能してみてほしい。『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は1月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年1月28日より全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2022年01月21日ウェス・アンダーソン監督作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』より、キャラクターたちやこだわりのオマージュ等を解説する特別映像が解禁された。20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部を舞台に、一癖も二癖もある才能豊かな記者たちの活躍を描く本作。『ダージリン急行』、『ファンタスティック Mr.FOX』、『グランド・ブダペスト・ホテル』、『犬ヶ島』といった名作の数々を生み出したウェス・アンダーソン監督の記念すべき長編第10作目となる。この度解禁となった特別映像(Table setter編)では、ウェス・アンダーソン監督が「本作のキーワードは3つ。“アンソロジー”、“「ザ・ニューヨーカー」”、そして“フランス映画”」と本作について意気揚々と説明する様子から始まる。その言葉の通り、異なる編集者が手掛けた想い出の記事が紡がれていく“アンソロジー”、ウェスがオマージュを捧げた敬愛する有名週刊誌“「ザ・ニューヨーカー」”、そして劇中の舞台でもある“フランス映画”といった要素が詰めこまれている。特別映像ではその3つのキーワードを軸に、映画の魅力に迫っていく。物語の舞台はフランスの架空の街にあるアメリカの地方紙の編集部。ビル・マーレイ演じる情に厚い編集長のハウイッツアーは「ザ・ニューヨーカー」の創始者がモデル。ウェスは「各記事のヒーローは編集者だ」とも明かしており、「ザ・ニューヨーカー」や活字文化へのリスペクトを込めて本作を製作したことが窺える。続いて映像には第1話「確固たる名作」、第2話「宣言書の改訂」、第3話「警察署長の食事室」と本編シーンが展開し、ティルダ・スウィントンやベニチオ・デル・トロ、ティモシー・シャラメ、ジェフリー・ライトといった豪華キャスト陣が、各話のユニークなキャラクターたちやストーリー、フランスにちなんだ物語の舞台背景について思い思いに語る姿が映し出される。第2話に登場するフランシス・マクドーマンド演じる記者のクレメンツは、メイヴィス・ギャラントという実在する「ザ・ニューヨーカー」常連の女性作家がモデルとなっており、ウェスが「この記事は彼女へのオマージュになっている」と貴重な脚本の裏話を明かしている。映像には本編シーンのほかにも監督がフランシスやティモシー、ジェフリーらに熱心に演出をつける姿や、全編の撮影をフランスの小さな街で敢行したという本作の大掛かりな屋外セットの様子を映し出すメイキング映像も収められており、製作の舞台裏を垣間見ることができる。先ごろ発表された第79回ゴールデングローブ賞において作曲賞(アレクサンドル・デスプラ)にもノミネートされ、ますます注目が集まる本作。監督が長年描きたかったテーマが随所に散りばめられた渾身の1作だ。『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は1月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年1月28日より全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2022年01月18日完璧なシンメトリーの構図。独特のカラー・パレット。ミニチュアのように作り込まれた世界観。ウェス・アンダーソンの映画の魅力は様々だが、彼の美意識と映画世界の根底にある要素として、ここでは彼の文学的なセンスを取り上げたい。絵画や写真、そして膨大な数の過去の映画作品をイメージの参照にしているウェス・アンダーソンだが、物語の面で彼が大きな影響を受けているのがJ・D・サリンジャーの小説だ。特に青春映画の要素が強い初期作品のオリジンは彼自身が愛読書として挙げる「キャッチャー・イン・ザ・ライ」にある。テキサス大学オースティン校の脚本執筆クラスでオーウェン・ウィルソンに会ったことが、アンダーソンの映画作りの始まりだった。2人はやがてアンダーソンの長編デビュー作『アンソニーのハッピー・モーテル』(1996)の基となる脚本を書き始めるが、私立のプレップ・スクールを追い出され、次々と学校を退学になった後、士官学校に転校せざるを得なくなったオーウェン・ウィルソンはまさしく「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のホールデン・コールフィールドそのもの。『アンソニーのハッピー・モーテル』(C) APOLLO映画嫌いのサリンジャーが断固として自分の作品の映像化を許そうとしなかった結果、逆にニューシネマ以降次々と「キャッチャー・イン・ザ・ライ」的な青春映画が作られることになるが、オーウェン・ウィルソンが共同で脚本を書き、かつ出演したアンダーソンの初期の作品もその系譜に組み込まれている。2人のサリンジャー作品への愛は「フラニーとゾーイー」などの「グラス・サーガ」作品群からインスパイアされた『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』へと結実していく。しかしアンダーソン世界の主人公であるオーウェン・ウィルソンは『ダージリン急行』(2007)での包帯だらけの姿と連動するかのように、「バナナフィッシュにうってつけの日」のシーモアを思わせるような痛ましい事件をプライヴェートで起こし、一旦アンダーソンの世界で後方に退いてしまう。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(C) APOLLOアメリカ青春文学的な要素の代わりに、アンダーソンの作風に現れ出したのはヨーロッパ趣味だ。架空の東欧の国を舞台にした『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)は、オーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクに捧げられている。ツヴァイクの作品の世界観だけでなく、人々が語るストーリーを第三者が聞き、その語られたストーリーの中にも別の話をする人物がいるというツヴァイクの「昨日の世界」の構造自体がウェス・アンダーソンの脚本に大きな影響を与えている。『グランド・ブタペスト・ホテル』(C) APOLLO最新作の『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2021)は、近年のヨーロッパ志向とかつてのアメリカ文学趣味の融合だ。1920年代から60年代にかけての「ニューヨーカー」誌にオマージュを捧げた作品だが、舞台となる編集部があるのはニューヨークではなくパリ。ヨーロッパに派遣されたスタッフ・ライターや、フランス在住で「ニューヨーカー」誌に寄稿していた作家たちの記事を基にした物語が、それこそ雑誌的な構成によって語られている。若い頃は故郷テキサスで「ニューヨーカー」のバックナンバーを集めていたというウェス・アンダーソンらしいアイデアで、同誌のファンならずとも、彼の雑誌愛に胸が熱くなるような映画だ。しかしどうしてウェス・アンダーソンは、豪華キャストが勢揃いするこの映画にウォーレス・ショーンをキャスティングしなかったのだろう。ニューヨークを舞台にした映画やドラマに必ずと言っていいほど出てくるこの俳優は『フレンチ・ディスパッチ』でビル・マーレイが演じる編集長のモデルとなった「ニューヨーカー」二代目編集長のウィリアム・ショーンの息子。顔もそっくりなのだ。あまりに距離が近くて、声をかけづらかったのかもしれないが、アンダーソン作品にハマりそうな人なので、いつか出演して欲しい。(text:山崎まどか)■関連作品:グランド・ブダペスト・ホテル 2014年6月6日よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国にて公開© 2013 Twentieth Century Foxフレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年1月28日より全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2022年01月14日ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作、映画『リコリス・ピザ』が、2022年7月1日(金)公開。本作は第94回アカデミー賞にて作品賞、監督賞、脚本賞の3部門にノミネートされた。映画『リコリス・ピザ』名匠ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『ブギーナイツ』『マグノリア』『インヒアレント・ヴァイス』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ファントム・スレッド』など、数々の名作映画を生み出してきた監督ポール・トーマス・アンダーソン。カンヌ国際映画祭の監督賞、ベルリン国際映画祭の銀熊賞、ヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞を獲得し、3大映画祭の監督賞を全て受賞した、稀有な経歴を持つ名匠だ。そんなポール・トーマス・アンダーソン監督が手掛ける映画『リコリス・ピザ』は、2021年11月下旬より全米公開すると、2021年年末にかけての全米の映画賞を席巻。第79回ゴールデングローブ賞では作品賞、脚本賞にノミネート、第94回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞の3部門にノミネートされた。70年代アメリカを舞台にした恋愛物語映画『リコリス・ピザ』の舞台となるのは、1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレー。実在の俳優やプロデューサー、実際の出来事を背景に、男子高校生・ゲイリーと10歳年上の女性・アラナの初恋模様を描く。ゲイリーとアラナ役の主演は『リコリス・ピザ』で映画デビュー■ゲイリー...クーパー・ホフマン男子高校生。ポール・トーマス・アンダーソン監督の盟友であり俳優フィリップ・シーモア・ホフマンの息子、クーパー・ホフマンが、映画デビュー。ゴールデングローブ主演男優賞にノミネートされた。■アラナ....アラナ・ハイムゲイリーと恋をする10歳年上の女性。三人姉妹バンドHAIMのメンバーであるアラナ・ハイムも、『リコリス・ピザ』で映画デビュー。ゴールデングローブ主演女優賞にノミネートされた。■ジャック・ホール...ショーン・ペンアラナが受けたオーディションで出会い、意気投合する俳優。『麗しのサブリナ』『ワイルドバンチ』など、ハリウッドを代表する名優、ウィリアム・ホールデンがモデルとなっている。髪をオールバックにぴっちりと撫でつけ、低い声で囁く伝説の二枚目スター。■レックス・ブラウ...トム・ウェイツ映画監督。モデルは、ウィリアム・ホールデン主演の『トコリの橋』を監督したマーク・ロブソンが有力だが、その破天荒さはサム・ペキンパー、ジョン・ヒューストンからもインスピレーションを得ているようだ。演じるのは、ミュージシャンとしてロックの殿堂入りを果たし俳優としても活躍するトム・ウェイツ。■ジョン・ピーターズ…ブラッドリー・クーパーブラッドリー・クーパーが演じるジョン・ピーターズは、1970年代の実在する映画プロデューサー。女優のバーブラ・ストライサンドとの交際で有名になり、彼女の主演映画『スター誕生』をプロデュースした他『アリー/スター誕生』の製作にも関わっている“超大物”で“クレイジー”なハリウッドプロデューサーだ。主人公ゲイリーのモデルであるゲイリー・ゴーツマンが実際にウォーターベッドを販売していた店「ファットバーニーズ」にて、“ウォーターベッドを売っていた知人がジョン・ピーターズの家にベッドを届けた”という話から着想を得たキャラクターだ。■アラナの家族...ハイム一家。アラナの家族を演じるのは、なんと主演アラナ・ハイムの“実の家族”。バンドHAIMの姉エスティ、ダニエルに加え、ポール・トーマス・アンダーソン監督の小学校時代の美術教師だったという母ドナ・ハイム、父モチ・ハイムまで、ハイム一家が家族総出演している。ファッションやヘアスタイルなど70年代を再現セット、⼩道具、ファッション、ヘアスタイル、音楽など、1970年代を再現したノスタルジックな世界観にも注目だ。高校生のゲイリーとアラナの出会いのシーンでは、あえて撮影用のメイクを一切行わず“不完全で複雑な”佇まいを映し出すことで、人間的な輝きを際立たせた。また、レトロなファッションの若者たちや廃れた街に輝くネオン、オレンジ色のフォードのトラックなども登場。「あの頃の気持ち」を呼び起こすかのような演出が随所に散りばめられている。音楽はレディオ・ヘッドのジョニー・グリーンウッド音楽を手がけたのはレディオ・ヘッドのジョニー・グリーンウッド。ゲイリー、アラナの感情に寄り添う音楽が、物語を彩る。ジョニー・グリーンウッドと監督のポール・トーマス・アンダーソンによるタッグは、『リコリス・パイ』で5作品目となる。【詳細】映画『リコリス・ピザ』公開日:2022年7月1日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー監督・脚本・撮影:ポール・トーマス・アンダーソン出演:アラナ・ハイム、クーパー・ホフマン、ショーン・ペン、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディ原題: Licorice Pizza配給︓ビターズ・エンド、パルコ
2022年01月09日ベルリン国際映画祭の金熊賞(『マグノリア』)、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界三大映画祭全てで監督賞を受賞した名匠ポール・トーマス・アンダーソンの最新作が『リコリス・ピザ』の邦題で2022年に日本公開されることが決定した。本作は、1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に、アラナ(アラナ・ハイム)とゲイリー(クーパー・ホフマン)の恋模様を描くヒューマンコメディ。主演は三人姉妹バンド「HAIM」のメンバーであるアラナ・ハイムとポール・トーマス・アンダーソン監督の盟友フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン。ともに本作で鮮烈な映画デビューを飾っている。公開前から期待と前評判の高かった本作だが、11月26日の全米公開から年末にかけて全米の映画賞を席巻、オスカー最有力との呼び声も高い。ゴールデングローブ作品賞、脚本賞、主演女優賞、主演男優賞ノミネート(ミュージカル・コメディ部門)のほか、ナショナル・ボード・オブ・レビュー作品賞、監督賞、ブレイクスルー賞(アラナ・ハイム&クーパー・オフマン)など、注目の映画賞で高い評価を得ている。映画ファンが待ち望んだ天才監督の最新作。続報を待ちたい。『リコリス・ピザ』は2022年、日本公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:リコリス・ピザ 2022年、全国にて公開© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
2022年01月06日『グランド・ブダペスト・ホテル』でアカデミー賞4部門を受賞したウェス・アンダーソン監督の記念すべき長編10作目『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』が、2022年1月28日(金)より公開。この度、あげるとキリがないほどの超豪華キャストとウェス・アンダーソン監督がフレンチ・ディスパッチ誌のイラストになったストーリーポスター4点と、シネマポスター2点の計6点のポスターが一挙解禁となった。突如急死した編集長(ビル・マーレイ)の追悼号のため、個性豊かな記者たちによる選りすぐりのストーリーが描かれる本作。今回到着したストーリーポスターは、劇中で描かれる4つのストーリーをフィーチャー。「自転車レポーター」では、記者のサゼラック(オーウェン・ウィルソン)が編集長の愛した街アンニュイ・シュール・ブラゼを自転車で一巡しながら紹介する様子を。「確固たる名作」では記者ベレンセン(ティルダ・スウィントン)が超個性的な画家で囚人のモーゼス(ベニチオ・デル・トロ)と彼のミューズで看守のシモーヌ(レア・セドゥ)との驚くべき関係を記事にしたためる姿。「宣言書の改定」では記者ルシンダ(フランシス・マクドーマンド)が、“若き理想主義者運動”を立ち上げたリーダーのゼフィレッリ(ティモシー・シャラメ)と会計士ジュリエット(リナ・クードリ)が関わる学生運動、その青春の激しさと甘さを間近で捉える。「警察所長の食事室」では記者ローバック(ジェフリー・ライト)が警察署長(マチュー・アマルリック)お抱えの天才シェフのネスカフィエ(スティーヴン・パーク)お手製の絶品料理を優雅に堪能する姿が切り取られている。もちろん、どの物語もポスターに描かれた内容に留まるわけもなく、ウェス・アンダーソンらしいユーモアとエスプリが絶妙に混ざった、想像を遥かに超えた展開が巻き起こっていく。一方、シネマポスターは本作のアンダーソン監督が営む架空の映画館へ。劇中の登場人物たちが足を運び、『フレンチ・ディスパッチ』を一緒に鑑賞する様子を愉快に描いたデザイン。本作で長編10作品目を迎えたウェスの映画、映画館に対する愛がこめられ、本作の映画館での鑑賞に最高に心躍る仕上がりとなっている。いずれも劇中に登場する「フレンチ・ディスパッチ誌」の表紙イラストのデザイナー、ジャヴィ・アズナレツ(@javi_aznarez)が手掛けたもので、ストーリーポスターは表紙のデザインを模したものとなっており、遊び心満載。さらに11月12日(金)正午からは先行発売としてムビチケオンライン、12月3日(金)には劇場で販売のムビチケカード第一弾、12月24日(金)には別ビジュアルのムビチケカード第二弾が、随時発売開始、それぞれオリジナル購入特典が付くことも決定。詳細は以下とサーチライト・ピクチャーズ公式サイト、公式SNSの情報にて更新される。『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は2022年1月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年1月28日より全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年11月12日ジョンマスターオーガニック(john masters organics)とアンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)が初のコラボレーション。2021年11月18日(木)より「マスク&エア リフレッシュナー」をジョンマスターオーガニック直営店ほかで発売する。“まるで森林浴”和ハッカやヒノキの香りジョンマスターオーガニックは、「和紙がつくる健やかな肌。」をコンセプトに“和紙でできた”アンダーウェアを展開するアンダーソン アンダーソンと初めてのコラボレーションを実現。アンダーソン アンダーソンの肌着に使用している和紙の原料が“針葉樹”であることに着目し、針葉樹=ヒノキをアクセントに効かせた香りアイテムを作り出した。和ハッカやティーツリーなど、和を思わせる香りに、温かみのあるヒノキ、シャープなアオモジやユーカリなどを合わせることで、“まるで森林浴をしているような”リラックスできる香りをデザイン。「マスク&エア リフレッシュナー」は、空間にシュッとスプレーすると、気分を心地よくリフレッシュ。布製品にも使用できるので、外出先での気分転換にもぴったりだ。パッケージは、スリムなカードタイプで持ち運びにも便利。仕事中や外出時など、いつでもスマートに使用することができる。【詳細】ジョンマスターオーガニック×アンダーソン アンダーソン「マスク&エア リフレッシュナー」 15mL 1,375円発売日:2021年11月18日(木)数量限定発売取り扱い店舗:ジョンマスターオーガニック直営店、オンラインストアなど【問い合わせ先】ジョンマスターオーガニックTEL:0120-207-217
2021年10月31日ウェス・アンダーソン監督の記念すべき第10作目となる、雑誌の編集部を舞台にした物語『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』。本作が10月22日より北米でついに公開がスタートし、『ブラック・ウィドウ』『ヴェノム』最新作を凌ぐ、圧倒的な館アベレージ記録で大ヒットを記録しているという。日本では来年とまだ少し先の公開となる本作。今回、北米の14都市52劇場で一足早く公開を迎えた本作は、週末の3日間で興行収入1,348,840ドルと、9位にランクイン。オープニング週末の館アベレージで25,939ドルを叩き出し(※boxoffice mojo調べ)、『ブラック・ウィドウ』(週末館アベ19,400ドル)、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(週末館アベ21,300ドル)を凌ぐ、コロナ禍以降過去18か月で初の圧倒的な新記録を樹立した。また、期間限定の本作特設カフェを設置したN.Y.では、3ブロックにもまたがる長蛇の列ができ、大盛況っぷりを見せているという。そして日本でも、プレミア上映となる東京国際映画祭のチケット抽選は応募が殺到、完売しており、多くの注目を集めていることが伺える。『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は2022年1月28日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年、全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年10月26日ウェス・アンダーソンの次回作のタイトルが「Asteroid City」であることがわかった。ロンドン映画祭に出席したビル・マーレイが明かしたもの。ただ、これはまだ仮題で、今後変わる可能性もあるようだ。映画は現在スペインにて撮影中で、マーレイもスペインからロンドン入りした。彼以外の出演者は、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、スカーレット・ヨハンソン、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、ブライアン・クランストン、ジェフリー・ライト、ホープ・デイヴィス、ジェイソン・シュワルツマン、リーヴ・シュライバーら。ストーリーや設定はわからない。アンダーソンの最近作『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は、今年のカンヌ映画祭でお披露目された。日本公開は1月28日。文=猿渡由紀
2021年10月12日ウェス・アンダーソン監督待望の最新作『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』の日本公開日が、ついに2022年1月28日(金)に決定し、予告映像が到着。さらに10月30日(土)~11月8日(月)の10日間で開催される第34回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門に出品されることも決定した。『グランド・ブダペスト・ホテル』でアカデミー賞4部門を受賞したウェス・アンダーソン監督の記念すべき第10作目を飾る最新作の舞台は、20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部。ひと癖もふた癖もある才能豊かな記者たちが活躍し、国際問題からアート、ファッションから美食に至るまで深く斬り込んだ唯一無二の記事で人気を獲得している。ところが、編集長が仕事中に急死、遺言によって廃刊が決まってしまう。果たして、何が飛び出すか分からない追悼号にして最終号の、思いがけないほどおかしく、泣ける、その全貌とは――?解禁された予告映像は、ナレーターの「始まりは休日だった」という言葉に始まり、“フレンチ・ディスパッチ誌”がどのようにして誕生したのかが説明される場面からスタート。ビル・マーレイ演じるアーサー・ハウイッツァー・Jrが編集長を務める「フレンチ・ディスパッチ」誌は、オーウェン・ウィルソン演じる向こうみずな自転車レポーターのサゼラック、ティルダ・スウィントン演じる批評家であり編年史家のベレンセン、フランシス・マクドーマンド演じる孤高のエッセイストのクレメンツ、ジェフリー・ライト演じる博識家のローバック・ライトといった、アーサーが誇る当代一の海外ジャーナリストたちが勢揃い。そんな彼らがアーサーの不幸をきっかけに、「自転車レポーター」「確固たる名作」「宣言書の改定」「警察所長の食事室」と名付けられた思い出のスクープの数々をふり返っていく。各ストーリーではベニチオ・デル・トロ、レア・セドゥ、ティモシー・シャラメ、シアーシャ・ローナンといった豪華キャスト陣がユーモアに溢れた個性的なキャラクターに扮する姿も確認でき、観る者をワクワクさせる。まったく趣向の異なる4本の物語と錚々たるキャスト陣を、アンダーソン監督がどのようにまとめ上げるのか期待が膨らむ予告編となっている。『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は2022年1月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 2022年、全国にて公開©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年09月28日『ファントム・スレッド』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ザ・マスター』などで知られる異才、ポール・トーマス・アンダーソン監督の全作品を網羅した唯一無二のコンプリートブックが発売。名場面スチールや、映画ポスターなど豊富なビジュアル300点などが収められている。次回作『Soggy Bottom』(原題)が今冬、全米公開を控える映画監督ポール・トーマス・アンダーソン。「ポール・トーマス・アンダーソンザ・マスターワークス(仮)」は、日本劇場未公開の監督デビュー作『ハードエイト』から、ポルノ映画産業の内幕を描き、その名を一躍スター監督の座に押し上げたヒット作『ブギーナイツ』。『ブキーナイツ』のページ“21世紀の『市民ケーン』”とも称される『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、トマス・ピンチョン原作の『インヒアレント・ヴァイス』、そして名優ダニエル・デイ=ルイスを再び主演に迎えた最新作『ファントム・スレッド』まで完全網羅。『マグノリア』のページ名場面スチール、描き下ろしイラスト、映画ポスターなど豊富なビジュアル300点や、撮影監督や編集技師、衣装デザイナーほか、アンダーソンの共同制作者たちのインタビューも収めた豪華決定版。序文は、ロバート・パティンソン主演『グッド・タイム』やアダム・サンドラー主演『アンカット・ダイヤモンド』など、米インディペンデント映画界で大注目の監督ジョシュ&ベニー・サフディ兄弟が捧げた。また、「レディオヘッド」や「ハイム」ほか、アンダーソンが監督したミュージック・ビデオも紹介されている。「ポール・トーマス・アンダーソンザ・マスターワークス(仮)」は9月17日(金)発売予定。予価:4,500円+税発行元:DU BOOKS発売元:ディスクユニオン(text:cinemacafe.net)
2021年08月22日ミュージカル『ジェイミー』が、8月8日に開幕。これに先駆け、報道陣にゲネプロが公開された。イギリスのBBCで放送されたドキュメンタリー「Jamie: Drag Queen at 16」をベースにミュージカル化された本作。番組の舞台になったサウス・ヨークシャーで初演されたあと、本場ウエストエンドにも進出し、2018年のローレンス・オリヴィエ賞で5部門にノミネートされた。9月にはAmazon Prime Videoでの映画版配信も決定している。ドラァグクイーンに憧れる16歳のジェイミー(森崎ウィン / 高橋颯:Wキャスト)は、高校卒業を記念して行われるプロムに“自分らしい”ドレスで参加することを目指していた。誕生日に母マーガレットから真っ赤なハイヒールを贈られたのを機に夢に向かって突き進もうとするも、教師や同級生・保護者から猛反対される。さらにジェイミーの夢を理解できない父との確執も深まって──。取材日にタイトルロールを務めていたのは、ダンス&ボーカルグループ・WATWINGメンバーの高橋だ。母の応援を胸にショードレス専門ショップのオーナーや仲間たちと打ち解け、ドラァグクイーンになる夢を叶えようとする主人公ジェイミーを、高橋は等身大のキャラクターとして立ち上げる。ジェイミー:高橋颯ハリのある歌声で高校生らしい若さを打ち出しつつ、喜怒哀楽といった感情表現の豊かさが高橋の魅力に感じられた。父から決定打を喰らって打ちのめされるソロナンバー「Ugly in This Ugly World」や、互いを想う母子のやり取りが胸に迫る「My Man, Your Boy」でその本領が垣間見られる。ジェイミーを見守る大人たちには、ベテランキャストが揃い踏みだ。母マーガレットに扮する安蘭けいの必聴ナンバーは、我が子ジェイミーに対する無償の愛を歌う「He’s My Boy」だろう。ジェイミーにドラァグクイーンの手ほどきをするヒューゴ役の石川禅は、かつて自身がロコ・シャネルの名でショーの世界にいた頃の武勇伝を語る「The Legend of Loco Chanel」などで迫力の歌声を響かせた。左からヒューゴ/ロコシャネル:石川禅トレイ・ソフィスティケイ:吉野圭吾ジェイミー父/サンドラ・ボロック:今井清隆ライカ・バージン:泉見洋平ジェイミー:高橋颯プリティ:山口乃々華このほか、進路指導の授業から発展する冒頭の「And You Don’t Even Know It」や、興味本位でショーを観に行ったはずの同級生がジェイミーにノックアウトされた様子を歌う「Everybody’s Talking About Jamie」など、にぎやかなダンスナンバーでステージが彩られる瞬間も。一方で、親友プリティ(田村芽実 / 山口乃々華)がジェイミーを励まし、その背中を押す「It Means Beautiful」も沁みる。プロムのためドレスを身に纏ったクラスメイトたち左から:田野優花フランク莉奈鈴木瑛美子伊藤かの子ディーン:矢部昌暉ジェイミーを目の敵にするクラスメイト・ディーンとの関係性の変化もみどころフィナーレは、周囲に“自分らしさ”を認められたジェイミーを中心に展開される「Out of the Darkness(A Place Where We Belong)」。くちびるに紅を差し、真っ赤なピンヒールで楽しそうにパフォーマンスする姿に心が躍った。逆境をバネに道を切り開いたジェイミーのたくましさから、前向きなエネルギーを受け取れるだろう。ミュージカル『ジェイミー』は8月29日(日)まで東京建物Brillia HALLにて上演。その後9月4日(土)から9月12日(日)まで大阪・新歌舞伎座にて、9月25日(土)から9月26日(日)まで愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される。※高橋颯の「高」は“はしご高”が正式表記。取材・文:岡山朋代撮影/田中亜紀ミュージカル『ジェイミー』チケット情報
2021年08月13日ウェス・アンダーソン監督の映画世界を感じさせる、世界中の実際の風景を集めた「ウェス・アンダーソンの風景」が発売中、巣ごもり期間中に注目を集め重版出来となった。最新作『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』がカンヌ国際映画祭で絶賛を集め、2022年に日本公開が決定しているウェス・アンダーソン監督。書籍「ウェス・アンダーソンの風景」の著者ワリー・コーヴァルは、インスタグラムで153万人以上のファンを擁するコミュニティー、Accidentally Wes Andersonの設立者。世界の現実の風景からウェス・アンダーソン映画世界の美学をセレクトし、ウェス・アンダーソンによる序文と、各スポットの詳細なガイドを掲載した永久保存版となっている。巣ごもり中にもあれこれと想像を巡らせて旅に行った気分になれる、旅行ガイドともなりそうだ。「ウェス・アンダーソンの風景」は定価:本体3,500円+税にて発売中。ウェス・アンダーソン[序文]ワリー・コーヴァル[編]樋口武志[訳]B5/並製/オールカラー368ページ発行元 : DU BOOKS 発売元 : 株式会社ディスクユニオン(text:cinemacafe.net)
2021年08月13日『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のマーゴット・ロビーが、ウェス・アンダーソン監督の次回作(タイトル未定)への出演が決まったという。「The Hollywood Reporter」誌が報じた。本作には、アンダーソン監督作の“常連”のティルダ・スウィントンが主演すると先月報じられたばかり。その際、ティルダ本人が出演を認めており「9月にスペインで撮影する」と話していたが、同誌によれば撮影は今月下旬からスタートする模様。ビル・マーレイ、ウェス・アンダーソン、エイドリアン・ブロディキャストは他にティルダと同じくアンダーソン監督作の常連のビル・マーレイ、エイドリアン・ブロディの出演が決まっている。マーゴットとともに今作で新たにトム・ハンクスもアンダーソン・ファミリーに加入する。マーゴットは2013年の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のナオミ役で注目を集めて以来、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『スキャンダル』などの話題作に出演し、アカデミー主演女優賞・助演女優賞にノミネートされるまでの女優に上り詰めた。成功していることで抱えている不安も大きいといい、「正直に言って、こういうことを考えて夜眠れなくなることがあります。『ここからすべてが下り坂かも。いまがピークで、これ以上よくなることはないんじゃないか』って思うんです」と率直な思いを「Fox News」のインタビューで語っている。しかし、今後マーゴットはアンダーソン監督作だけでなく、デヴィッド・O・ラッセル監督作(タイトル未定)、デイミアン・チャゼル監督の『Babylone』(原題)、グレタ・ガーウィグ監督の実写版『バービー』など、多数の出演作を抱えており、「下り坂」とは縁遠い活躍ぶりだ。(Hiromi Kaku)
2021年08月11日ミュージカル『ジェイミー』が開幕した。本作は、イギリスBBCで放送されたドキュメンタリーをベースにつくられた英国発のミュージカル。ドラァグクイーンに憧れる高校生・ジェイミーの夢に向かって突き進む姿が、多くの観客に爽快な感動をもたらし、2017年の初演以来、今なおロングラン上演が続いている。そんな大ヒット作品がついに日本に初上陸。ジェイミー役に森崎ウィン、髙橋颯(WATWING)の2人を迎え、フレッシュな若手キャストに、安蘭けい、石川 禅ら実力あるベテラン勢が華やかに作品世界を彩っている。今回は、ジェイミー:森崎ウィン、プリティ:田村芽実、ディーン:佐藤流司によるゲネプロをレポートする。ポップミュージックが奏でる、ジェイミーの夢への大冒険左から:森崎ウィン保坂知寿安蘭けい樋口麻美自分らしく生きたい。誰に口出しをされることもなく、誰に嘲笑われることもなく、自分の好きだと思ったものを愛し、自分の信じた道を貫き、自分の夢を叶えたい。そんな当たり前のことが、私たちの生きる世界では、とても難しい。カビの生えた社会規範に、嫉妬まじりの世間の目。いろんなものが手足を縛り、私たちを生きにくくさせている。だからだろう。こんなにもジェイミーを応援したくなるのは。時につまずき、涙を流しながらも、とびきりキュートな笑顔で立ち上がるジェイミーの姿に心が揺り動かされるのは。ジェイミーが暮らすシェフィールドは、労働者たちの街だ。人々を支配する保守的な価値観。職業適性テストで決められる自分の将来。まぶしい夢を見る子どもたちを、教師のミス・ヘッジ(樋口麻美)は「現実を見なさい」とたしなめ、同級生のディーンはジェイミーを「ホモ野郎」と蔑む。左から:小西詠斗太田将熙佐藤流司川原一馬MAOTO左から:安蘭けい保坂知寿狭苦しい灰色の檻の中で、ジェイミーは言う、「自分の生き方をまっとうするのに許可なんていらない」と。お仕着せのタキシードじゃ私じゃない。もっと自分らしい服装でプロムに出たい。16歳のジェイミーの胸に宿ったその夢から物語は一気に動き出す。そんなジェイミーの冒険をきらびやかに飾るのが、音楽だ。ポップスを主体としたキャッチーなメロディが、あなたも一緒に踊ろうよと観客の手を引く。高揚感たっぷりの「誰も知らない」に乗せて繰り出される高校生たちの軽快なステップ。椅子代わりのボックスを使ったムーブに、笑い声まで聴こえてきそうな賑やかなダンスは、まるで手づくりのカーニバルだ。ドレスを着てプロムに出ることを決めたジェイミーに向けてプリティが歌う「スポットライト」も、静かに心を奮い立たせる力強いミディアムナンバー。田村の透明感ある歌声に、軽やかなクラップが溶け込み、まるでジェイミーへのエールのように劇場に響き渡る。ジェイミーの母・マーガレット(安蘭けい)が歌う「我が子」も、母の愛と願いに溢れた極上のバラードだ。オーセンティックなメロディラインに、安蘭けいの力強く伸びやかなヴォーカルが映える。物語的にも、ジェイミーと母にとって大きなターニングポイントとなる大事な場面。悲しみを振り払うような安蘭の歌声に胸を締めつけられることだろう。森崎ウィンが体現する、ジェイミーの強さと脆さジェイミー:森崎ウィンこうした楽曲の良さもさることながら、何より観客を沸かせるのは、キャスト陣の好演だ。ジェイミー役の森崎はいつもより少し高めのトーンで、ジェイミーの愛らしさを演出。森崎自身が内包している太陽のような明るさと月のような翳りが、ジェイミーのキャラクターにうまくマッチしている。マーガレットやプリティの前で見せるパワフルな一面と、ある出来事を境にさらけ出されるジェイミーの脆さの両方を、豊かな感情表現で印象づけてくれた。森崎の小さな顔と長い脚が、ドラァグクイーンに憧れる役どころにぴったり。真っ赤なハイヒールがその脚線美をより際立てている。注目は、ハイヒールを履いた状態で踏むステップの足さばきと腰使い、しなやかな腕のライン。愛すべき新たな主人公が、ここに誕生した。そしてディーン役の佐藤は憎まれ役ながら、終盤でのジェイミーとの関係性につい頬が綻んでしまう。劇中でディーンのバックボーンが詳しく語られることはないが、その屈折した内面をつい観客が想像したくなるのは、佐藤が演じているからこそ。また、厳格な態度でジェイミーを突き放すミス・ヘッジだが、注目してほしいのは彼女の足元。そこに教師としてではない人間としての彼女のキャラクターが見えたとき、思わずいとしさがこみ上げてくる。ジェイミー:森崎ウィンディーン:佐藤流司近年、「多様性と調和」が社会のテーマとなっている。誰も差別しない。誰も排除しない。平等で公平な社会を築いていこう。そう号令をかけるのは、今この社会がまださまざまなアンフェアに満ちているからだ。そんな偏見と迫害が根強く残るこの社会の一員として、本作で特に響いた台詞がある。詳述は避けるが、ある場面で女子生徒たちがお互いのドレスについて「私だったら着ないけど、あなたには似合っている」というようことを話すのだ。きっと、こういうことでいいんじゃないんだろうか。人は、それぞれ違う。性別とか、人種とか、宗教といった大きなことから、好きな色も、お気に入りのバンドも、よく行くショップも、みんな違う。「他の人とは違う」と悩むことや、それを謗ること自体、そもそも奇妙な話なのかもしれない。だって、みんな違うのだから。この世に同じ人なんていない。だから、それを恥じることも、疎むこともない。同じになんてなる必要はない。ただ、尊重すること。私だったら着ないけど、あなたには似合っている。そうやって認め、称えるだけで、たぶん世界はもっと生きやすくなる。もし自分の常識やルールにないものに出くわして、それが自分の見てきた世界や信じてきた正しさを揺るがすもののように思えて、つい攻撃したくなってしまう人がいたら、どうかこんなふうに思ってほしい。それは決してあなたを脅かすものではないのだ、と。理解はできなくてもいいから、受容する。それだけで、きっとあなた自身も楽になる。色とりどりのドレスを眺めながら、そんなことを改めて思い直した。ミュージカル『ジェイミー』は、8月29(日) まで東京建物Brillia HALLにて上演。その後、大阪公演は9月4日(土) から9月12日(日) まで新歌舞伎座にて、愛知公演は9月25日(土) から9月26日(日) まで愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される。撮影/田中亜紀取材・文/横川良明ミュージカル『ジェイミー』チケット購入はこちら
2021年08月09日ミュージカル『ジェイミー』(原題:Everybody’s Talking About Jamie)の公開ゲネプロが7日、8日に東京・東京建物Brillia HALLにて行われ、森崎ウィン、高橋颯(※高ははしごだか)、安蘭けいが取材に応じた。同作は英BBCで放送された実話を基に2007年イギリスでミュージカル化され、大ヒットを記録し、映画化も決定した。ドラァグ・クイーンに憧れる16歳の高校生ジェイミー・ニュー(森崎/高橋 Wキャスト)が、母親から真っ赤なヒールをプレゼントされた事を機に、高校のプロムにドラァグ・クイーンとして出席する夢を抱き始めるも、学校や教師、保護者からの猛反対を受ける。マイノリティに理解のない周囲からの心無い言葉、ジェイミーの事を理解できない父親との確執など、多くの困難を乗り越えながら、それでもなお、自分らしくあろうとするジェイミーの姿を描いていく。初日を目前に、森崎は「ほっとしている部分もありつつ、緊張感が高まっていて、カンパニーが今、すごく1つになっているので、このまま引き締まっていきたいと思います」、高橋は「もう1チームを観ることができるので、勇気をもらってやれそうです。初日から全力でやります」、安蘭は「本当に幕があくんだと思ってワクワクしています。今は出来る状況じゃないけど、乾杯したい気分です。2人を見守りたいと思います」とそれぞれ心境を表す。森崎は「作品を通して、お越しいただいた方の背中を押せるような作品でありたい」と語り、「お客様と一緒に成長していきたいですし、そうできると信じています。安全対策は万全に、心よりお待ちしております」とメッセージ。高橋は「ここまでたくさんの方に、すごく見守ってもらって、支えてもらってきました。ジェイミーとして、やっと舞台にたてるので、お芝居でしっかり返せるように、感謝の気持ちをお客さんに届けられたらと思います」と意気込んだ。7日のゲネプロには、Wキャストの森崎ウィン、田村芽実、佐藤流司、吉野圭吾、泉見洋平、樋口麻美、8日には高橋颯、山口乃々華、矢部昌暉、吉野圭吾、永野亮比己、実咲凜音が登場。ほかシングルキャストの安蘭けい、伊藤かの子、太田将熙、川原一馬、小西詠斗、鈴木瑛美子、田野優花、フランク莉奈、MAOTO、保坂知寿、今井清隆、石川禅が登場した。○公開ゲネプロ 8月7日
2021年08月08日イギリスで大ヒットし、ウエストエンドでロングラン上演を続けるミュージカル『ジェイミー』が日本に初上陸する。実話を元に、ドラァグクイーンになることを夢見るゲイの高校生ジェイミーが、さまざまな問題や困難を乗り越えていく姿をポップミュージックで綴る。ジェイミーをダブルキャストで演じる森崎ウィンに話を聞いた。ミュージカル「ジェイミー」チケット情報現在、舞台の稽古真っただ中。「演出を手掛けるジェフリー・ペイジさんは、ジェイミーがゲイだからこうして、というのはまったくないんです。あくまでも一人の人間としての描き方で、型にはめない。『僕は指揮者だから、指揮者はバイオリニストに弾き方は教えない。持ってきたものに対して全体のバランスをとるから』と。僕もプロとして彼に提示できるものをすべて持っていきたいです」と気を引き締める。ジェイミーはイギリスの公営住宅に母親と住み、子どものころから母親の服を着、靴を履いて遊んでいた。父親は家を出て行ってしまったが、母親から真っ赤なハイヒールをプレゼントされたことをきっかけに、夢に向かって突き進むことを決心する。ミュージカルの元となったジェイミーの姿は、英BBCのドキュメンタリー番組で放映され、森崎はその本人と対談する機会があった。「ジェイミーはいろんなエピソードを笑って話してくれましたが、いじめられていたこともあり、相当傷ついてきたんだなと目を見ていたら想像がつきました。僕は自分なりのジェイミーを作りますが、彼から得たものを化学反応として気持ちで発せられたらと思います」。ほかにも届けたい思いがある。「恐怖心を解いて、自分らしく自由になること。ジェイミーご本人も『何でもいいのよ、どんな服でも自分が自信をもって着れば、すごく素晴らしくなるから』と言っていました。観客が自分らしくいられる、背中を押すような作品にしたいです」。映画やドラマでも活躍中の森崎。2018年公開のスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』では、オーディションを勝ち抜きハリウッドデビューを果たした。「この世界にいていいんだと言われた気がした。向いているのかなと悩むより、まずは努力しよう」と考えるようになったという。大きいミュージカルは今作で2本目だが、来年は『ピピン』の主演にも抜擢され、大役が続く。「いつか海外公演もやりたいですし、ブロードウェイにも立ってみたいですね、人生一度きりですから。早く自由に行動できる社会に戻ってほしいですが、ジェフリーは『コロナは言い訳。それでもできることはある』と。まずは『ジェイミー』の日本初演で、こんなにいい作品を作ったんだと自分たちを認め合えるカンパニーにして、自信を持ってみなさんに届けたいです」。公演は8月8日(日)から29日(日)まで東京建物Brillia HALL、9月4日(土)から12日(日)まで大阪・新歌舞伎座、9月25日(土)・26日(日)愛知県芸術劇場 大ホールにて。チケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2021年08月05日