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映画や小説において、人気の高いジャンルといえばミステリー。そこで今回ご紹介するのは、生涯で400冊以上を執筆し、発行部数5億部以上を誇る世界的な推理作家ジョルジュ・シムノンの大ヒットシリーズを映画化した話題作です。『メグレと若い女の死』【映画、ときどき私】 vol. 5571953年のパリ。ある夜、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。不釣り合いなほどの高級ドレスは血で真っ赤に染まり、5か所にも及ぶ執拗な刺し傷があった。この謎めいた事件を担当することになったのは、警視庁犯罪捜査部のジュール・メグレ警視。しかし、死体のそばに持ち物はなく、事件を目撃した人もいないため、彼女が誰なのかわからないままだった。わずかな手がかりをもとに、メグレは犯人を捜し始めることに……。これまでに、さまざまな国で何度も映像化されてきたメグレ警視シリーズ。日本では、アニメ『名探偵コナン』に登場する目暮警部のモデルとしても知られています。今回は、本国フランスで初登場1位を獲得した本作についてこちらの方にお話をうかがってきました。パトリス・ルコント監督(C) CLAIRE GARATEカンヌ、ベルリン、ヴェネチアという世界三大映画祭すべてでノミネート経験があり、フランスの名匠と呼ばれているルコント監督。日本では『髪結いの亭主』をはじめとする数々の作品をヒットさせ、90年代のミニシアターブームを牽引した監督の1人とされています。本作では、自身の代表作『仕立て屋の恋』の原作者であるシムノン作品に再び挑戦。そこで、物語の魅力や名優との現場で感銘を受けたこと、そして映画作りでのこだわりなどについて語っていただきました。―前作からは8年ほど間が空きましたが、本作の準備に時間がかかっていたのか、それともなかなか撮りたい題材と出会えなかったのか、新作が完成するまでの経緯についてお聞かせください。監督私にとってこの作品は30本目の作品ですが、実はそれ以外に30本ほどのプロジェクトが流れてしまった経験をこれまでしてきました。なので、この作品に出会うまでも、本当はたくさんのおもしろい企画があったんですよ。なかにはキャスティングまで進んだのに、まるでトランプで作ったタワーが突然崩れ落ちるようになくなってしまったこともありましたから。貴重な時間を無駄にしてしまった気持ちはありますが、映画界においてはよくあることですね。ただ、本作に関しては予算面で難しい時期があったくらいで、そのほかはスムーズにいったほうかなと。脚本の執筆は2か月ほどで、撮影も6か月で終えることができました。犯人探しよりも、犠牲者にスポットを当てていて感動した―メグレシリーズには75の長編と28の短編がありますが、そのなかから監督が選んだのは1954年に発行された小説「メグレと若い女の死」。理由のひとつは事件の舞台がパリだったからだそうですが、なぜですか?監督今回、パリであることは私にとって非常に大事な点であり、その思いは本作の脚本家であるジェローム・トネールとも共通していたことでした。なぜならメグレ警視がセーヌ川やパリの街のなかを歩いている姿を描きたかったからです。もちろんこのシリーズでは、地方を舞台にした作品もありますが、我々のメグレ像を作り上げるうえでは、パリであることが必要だと思ってこの作品を選びました。―そのほかにも、映画化したいと思うに至った要素があれば、教えてください。監督本作は、「名前も年齢もわからない若い女性が理由もなく血だらけで殺されてしまう」という珍しい設定で物語が始まります。そんななかで私が感動的だと思ったのは、メグレ警視が犯人捜しよりも犠牲者である女性にスポットを当てて調べていくところです。そういうところにも、魅力を感じました。―メグレ警視を演じたジェラール・ドパルデューさんの存在感と重厚な演技が素晴らしかったですが、現場での様子はいかがでしたか?監督以前からドパルデューの作品は観ていましたし、私にとっては大好きな俳優の1人でした。ただ、これまで一緒に仕事をする機会はなかったので、直接会ったのは今回が初めてです。まず感銘を受けたのは、彼の仕事に対する姿勢。現場ではほかの俳優たちと直前まで冗談を言い合ったり、その場の雰囲気をおもしろく盛り上げたりしてくれるのですが、いざ「スタート」の声がかかると1~2秒ほどで役に入り込み、完全に役になりきってしまうのです。その様子については、驚くしかありませんでしたね。そこで、あるとき「なぜそんなふうにすぐに役に入れるんですか?」と彼に聞いてみました。すると、彼は「自分が役に集中するための方法は直前に役から離れること」だと教えてくれたのです。そういう方法を取っていると知り、さらに感銘を受けたことを覚えています。ドパルデューとメグレ警視の共通点は、観察眼の鋭さ―それは非常に興味深いですね。メグレ警視の役はこれまでにいろんな国の俳優が演じていますが、ドパルデューさんだからこそ表現できたと感じた部分もありましたか?監督私が個人的に気づいたこととしては、メグレ警視とドパルデューは両者ともに自分の周りにいる人たちを非常によく見ているということでした。特にドパルデューは、現場でもすべての人々に注意を払っていましたから。そんなふうに観察眼が鋭いのが2人の共通点ですが、だからこそドパルデューはメグレ警視を見事に演じてくれたのだと思います。―ちなみに、日本では国民的アニメの重要なキャラクターのモデルにもなっていますが、世界中にメグレ警視が広がっていることについては、どう感じていますか?監督メグレという人物は、非常に普遍的な存在と言えるのではないでしょうか。国籍を問わずどんな人にでも感動を与えられますし、彼のなかに自分を見い出すこともできるので、私からするとユニバーサルな人物だと思います。なので、メグレがあらゆる国の人に受け入れられていることはうれしいです。―監督から見たシムノン作品の魅力は、どんなところでしょうか。監督私がシムノンの作品に出会ったのは、14歳か15歳のとき。旅行で不在にしていた両親の代わりに私の世話をしてくれた祖母が勧めてくれたのがきっかけでした。私がシムノン作品で一番好きなところは、無駄がないところ。短い作品でも本質的なことをすぐに教えてくれる文体なので、必要ないところをそぎ落として大切な部分を描くのが上手な作家だと思います。そして、その方法というのは私が映画を作るときのやり方とも非常に類似しているのではないかなと。おそらくそれがいまでも私が彼に惹かれている理由の1つです。実際、今回の映画も90分以内という長編のなかでは比較的短い尺の作品となっています。重要なシーンでも、何度も撮る必要はない―監督には「俳優たちが最高のパフォーマンスをするのは、最初の1回目か2回目」という持論があり、今回もその撮影方法を取り入れられたそうですね。監督私は撮影のときに何度も撮り直しをするのがもともと好きではないタイプの監督なので、今回もその考えは事前に伝えました。これまで出演してくれた俳優たちもその方法に賛同してくれる方々が多かったですが、ドパルデューも喜んでいてくれていたようです。たとえ重要なシーンであったとしても、10回以上とか何度も撮る必要はない。それよりも1回か2回くらいで終わるほうが感動的なことですし、仕事のクオリティとしてもそのほうが高いと考えています。―本作でも、その方法が功を奏したと感じたシーンなどもあったのでしょうか。監督それはすべてのシーンにおいて言えることでもありますが、そのなかから1つを挙げるとすれば、メグレ警視がある人物に「自分の子どもが死んだときには、すべてを失い何も残らない」と言われるところです。彼は「知っている」と返事をしますが、ドパルデュー自身も実の息子を亡くしているので、ここは観客にとっても心に刺さるのではないかなと。この場面では何度も撮ることはあえてせず、ワンテイクで撮ったので非常に印象深く残っています。―長年、映画づくりと向き合うなかで創作意欲の源となっているものとは?監督私が描く映画ではキャラクターに焦点を当てているものがほとんどですが、新しいストーリーを考えるとき、私の場合は人物第一主義。まずは自分の周りにいる人たちを観察し、それをストーリーに落とし込むことが多いです。なので、私にとっては人物を掘り下げることがインスピレーションの源であり、またモチベーションの源でもあります。もっと身の周りに目を向けて、大事にしてほしい―また、これまで日本には何度かいらっしゃったことがあると思いますが、日本に関する思い出があれば、お聞かせください。監督日本での思い出はたくさんありますが、これまでは自身の作品をプロモーションするための来日だったので、ホテルの部屋でジャーナリストたちと会っている時間のほうが長かったかもしれません(笑)。そんななかでも、東京の街を散歩することがありましたが、驚いたのはパチンコに興じている人たちを見たとき。私にとってはうるさくてわけがわからなかったですが、パチンコ玉を耳栓にしてまでやっている彼らの熱量がすごくて私にとってはおもしろい体験でしたね。―確かに、見慣れない方にとっては珍しい光景かも知れませんね。監督あと、個人的に日本の習慣でいいなと思うのは、距離を取りながらお辞儀をして挨拶をしているところ。フランスでは握手やキスをするのが普通ですが、コロナ禍でそれができなかったときに「日本人のようにすればいいんだよ」と冗談で言ったこともあったくらいです。素敵な習慣なのでフランスでも広まったらいいなと思いましたが、いまだにそれは難しそうですね。それから、日本では若者たちが着ている服に対してこだわりを持ってオシャレをしている姿にも感動しています。―ありがとうございます。それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督私はあまりメッセージを送るのが得意なほうではないのですが、日本の方だけでなく、地球上すべての人に対して言えることがあるとすれば、「人生ではあまり先を急がないでください」ということでしょうか。自分の近くにいる人たちや身の周りで起きていることに目を向け、そしてそれを大事にしてほしいということは伝えておきたいと思います。難事件の裏に隠された謎解きと人間心理に迫る!事件の真相を暴くだけでなく、被害者女性の生涯とメグレ警視が抱える闇にも迫っているヒューマンミステリー。ルコント監督ならではの鋭い洞察力と繊細な心理描写によって、深い余韻と感動が味わえる珠玉の1本です。取材、文・志村昌美心がざわつく予告編はこちら!作品情報『メグレと若い女の死』3 月 17日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか 全国順次公開配給:アンプラグド️(C)2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.
2023年03月16日10月2日(金)に公開する映画『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』の本編映像が公開された。帝国を築いた伝説のファッションブランド「ピエール・カルダン 」。作中では、ブルジョワ向けのオートクチュール(高級仕立服)から脱却して、プレタポルテ(既製服)に業界で初めて本格参入し、未来的なコスモコール・ルックで若者を熱狂させたモード界の革命児に密着する。今も現役で活躍するレジェンドの回想は、ファシズムが台頭する祖国イタリアからフランスへ脱出した記憶からスタート。先鋭的すぎてファッション界から敬遠された苦悩と反撃、ジャンヌ・モローとの運命的な恋、情熱を注いだ劇場運営、門前払いされた高級レストラン「マキシム・ド・パリ」のリベンジ買収など、波乱万丈でカラフルな97年が明かされる。ファッション後進国だった日本や人民服を着ていた中国に先陣を切って乗り込み、おしゃれの楽しさを世界中に伝えたのも彼である。秘蔵映像や豪華なゲストたちの証言から浮かび上がるのは、スキャンダラスな天才デザイナーのチャーミングな素顔と輝かしいレガシー。ファッション好きだけでなく、楽しく生きたい全ての人に贈る一作だ。今回公開されたのは、カルダンと様々なアーティストとの深い交流を収めた本編映像。かつて舞台俳優を目指していたカルダンは、1970年に劇場を買収して、エスパス・ピエール・カルダンを開設。「『ボーデン湖の騎行』で最初のチャンスを与えた」と語るように、フランスの名優ジェラール・ドパルデューはカルダンをはじめ、フランス国内外の才能ある新人を見出した。さらにエスパス・ピエール・カルダンでのマレーネ・ディートリッヒやディオンヌ・ワーウィック、アリス・クーパーなど大物歌手とのエピソードも。各国の芸術を紹介して、国際文化交流にもく貢献していたカルダンの多方面で数々の偉業を成し遂げたことを裏付ける本編映像となっている。『ライフ・イズ・カラフル!未来をデザインする男ピエール・カルダン』10月2日(金)全国公開
2020年09月30日おとな向け映画ガイド今週は、バラエティにとんだセレクト3本をオススメします。ぴあ編集部 坂口英明20/8/9(日)イラストレーション:高松啓二今週のロードショー公開は17本(ライブビューイング、映画祭企画を除く)。全国100スクリーン規模以上で拡大公開される作品は『弱虫ペダル』『思い、思われ、ふり、ふられ』『劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song』の3本。あとの14本は中規模公開とミニシアター系の作品です。今回はその中から、おとな向けの作品3本を厳選して、ご紹介します。『ジェクシー!スマホを変えただけなのに』なんだか気詰まりな夏休み、というかたも多いでしょうから、あえて、気軽に楽しめて気分が上がる、ぶっちゃけていえば「おバカ映画」を最初にご紹介しましょう。サンフランシスコが舞台。主人公のフィルは、やわらかニュース系配信会社に勤める、不器用な独身男。かなりのスマホ依存症です。ところが、歩きスマホが原因で愛機を破損してしまい、機種変更をするはめに。購入した最新鋭のスマホには、Siriの上をいく、ジェクシーというフェロモン声の「ライフコーチ」機能がついていて、お節介な生活指導が始まります。仲間も増え、仕事もうまくいき、恋人まで出来て!、と効果はバッチリなのですが、実はこのジェクシー、ジェラシーもすごくって……。銀行のパスワードはもちろん、恥ずかしい写真だって、こっそりやった検索だって、個人情報はすべてスマホが知っています。しかも、超優秀なジェクシーはクラウド上にいるので、あらゆるデバイスを駆使してフィルにせまるのです。人工知能型OSと恋におちる、『her/世界でひとつの彼女』という映画がありました。設定は似ています。あの作品が作られたのは2013年。近未来におきるかもしれないというラブファンタジーでしたが、7年もたってみると、「ハイ、Siri」とか日常的にやってるわけですからね。ずっとリアル感あります。なんといっても、あの『ハングオーバー!』シリーズの原案・脚本を手がけた、ジョン・ルーカスとスコット・ムーアが脚本・監督。下ネタもふくめ、やんちゃなギャグやセリフは、おとなも楽しめること請け合いです。『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』このところ毎週のように、スターリン時代のソ連を舞台にした映画が公開されています。それも決して良い時代として描いているわけではありません。この映画もそんな一本。1930年代前半、ソ連の経済は好調と伝えられた裏で、ウクライナでは「ホロドモール(飢餓による殺害)」と呼ばれる飢饉が起き、死者は300万人以上にのぼったといいます。この隠蔽されている状況を取材し、世界に伝えようとした実在のイギリス人記者、ガレス・ジョーンズの物語です。力をつけてきたヒトラーにインタビューをしたこともあるジョーンズは27歳、野心と正義感に燃えるジャーナリストです。元首相ロイド・ジョージに買われ、外交顧問をつとめたこともあります。大陸の政治状況が劇的に変化しつつあることに警鐘を鳴らし、ヒトラーに対抗するためにもイギリスはソ連と組むべきだと主張しますが、耳を貸す政治家はいません。彼は、スターリンに単独インタビューを試みるため、モスクワに乗り込みます。功名のためはもちろんですが、ジャーナリストとして、大恐慌で世界中が苦しむ中でなぜソ連は繁栄を続けているか、という疑問の答えを見つけたかったからです。前半はスパイ映画のようにテンポよく進み、ウクライナに潜入してからは、まるでモノクロのドキュメンタリー映画のようなタッチで衝撃の事実が描かれます。監督はポーランドの社会派、アグ二ェシュカ・ホランド。脚本と製作を担当したのは、ホロドモールを生き延びた祖父を持つアンドレア・チャルーパ。イギリス、ポーランド、ウクライナの合作映画です。『ファヒム パリが見た奇跡』これも実話をもとにした映画です。バングラデシュから父親とふたりでフランスに亡命してきた8歳の少年ファヒムが、チェスのフランス全国大会で、ジュニアチャンピオンになるという、一見おとぎ話のようですが、いろいろな苦難や、複雑な社会背景もかいまみえる、なかなか深い映画です。母国を出た理由は、親族が反政府組織に属していたことと、ファヒムがチェスの大会で優勝したことへの妬みから、一家が脅迫を受けたため。決意した父親はそれ以上に、ファヒムの才能を伸ばしてやりたかったのでしょう。ふたりが、チェスのトップコーチ、シルヴァンと出会えたのは幸運としかいいようがありません。シルヴァンを演じているのが、フランスの名優、ジェラール・ドパルデュー。ちょっと変わり者、巨漢の熱血コーチです。ファヒム役は、やはりバングラデシュ出身の子役アサド・アーメッド。この師弟のドラマ、父子のドラマを中心に映画は進みます。心がなごむのは、彼らをとりまく大人たちや、チェス学校の級友たちの、人情といいますか、温かいまなざしと支え。ちょっとステキな話、です。
2020年08月09日パリへ逃れた政治難民の少年がチェスチャンピオンを目指す、フランスで起きた感動の実話を基にしたヒューマンドラマ『ファヒム パリが見た奇跡』。この度、スピード感に思わず目を奪われる本編映像がシネマカフェに到着した。母国バングラデシュで天才チェス少年として有名だったファヒムは、8歳のときに政治難民として父と共に突然パリに移り住む。そして、自由な未来を勝ち取るため、言葉も分からず住む場所も定まらないパリで、チェスのチャンピオンを目指すことに…。今回、シネマカフェが独占入手した映像では、すでに天才チェス少年として有名だったファヒムが、その実力をさらに磨くため、チェスのトップコーチ・シルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)のチェススクールを訪れ、シルヴァンと自信満々に対局するシーン。自分のチェスの腕に自信満々のファヒムだが、対局は彼には全く想定外だった“引き分け”に。しかし、ファヒムはその現実が受け入れられず、対戦終了後のシルヴァンの握手も無視してチェスを打ち続ける…。世界に飛び出したことで、初めて厳しい現実を知ったファヒム。その挫折を乗り越え、自らの努力で未来を切り開いていく“スタート”となるワンシーンとなっており、そのスピード感にも注目だ。『ファヒム パリが見た奇跡』は8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ファヒムパリが見た奇跡 2020年8月14日 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開©POLO-EDDY BRIÉRE.
2020年08月01日難民としてパリにやってきた8歳の少年が、チェスのチャンピオンを目指す実話に基づいた感動作『ファヒムパリが見た奇跡』。本作の予告編とポスタービジュアルが解禁された。今回解禁された予告編は、わずか8歳で母親と離れ、父親と共に母国バングラデシュから命がけでパリにやってきた少年ファヒム(アサド・アーメッド)が、チェスのトップコーチ、シルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)のもとを訪ね、「チャンピオンになる」と宣言するところから始まる。フランス語も分からず、難民申請も困難と告げられるファヒムだが、共にチェスを学ぶ仲間たちの協力を得てフランス全国大会に参戦することに。しかし、その大会でファヒムとシルヴァンは「薄汚い移民をスカウトか」「不法滞在者が勝ってもチャンピオンとして認められない」と罵倒と侮蔑、冷たい仕打ちを受ける様子が映し出される。さらに、「国に強制送還されれば、引き離されこの子の命が危ない」と心配する父親が、警官に掴まれながら「息子だけは!」と叫ぶシーンも。そんな厳しい状況の中でも、「ママに約束したんだ僕が迎えに行くって」というひたむきな想いを胸に、必死でチェス盤と向き合うファヒムを応援したくなる内容となっている。また、対戦相手に向けたファヒムの真剣な眼差しが印象的なポスタービジュアルは、「その一手に希望を乗せて」というコピーが添えられたもの。チェス盤を囲むファヒムとシルヴァン、さらに笑顔で応援する仲間たちや、バングラデシュとフランスの国旗の脇で親指を立てる父親とファヒムのカットもあり、師弟の絆や友情、親子の愛情と共に、温かな未来を感じさせるものとなっている。『ファヒムパリが見た奇跡』は8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファヒムパリが見た奇跡 2020年8月14日 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開©POLO-EDDY BRIÉRE.
2020年06月19日第二次世界大戦末期、フランス領インドシナの凄惨な戦場の実態と、傷ついたひとりの兵士の魂に迫った戦争ドラマ『この世の果て、数多の終焉』が公開されることが決定。併せて、ポスタービジュアルと場面写真が解禁となった。■ストーリー1945年3月、フランス領インドシナ。現地に進駐していた日本軍がクーデターを起こし、それまで協力関係にあったフランス軍に一斉攻撃を仕掛けた。駐屯地での殺戮をただひとり生き延びた青年兵士ロベールは、兄を殺害したベトナム解放軍の将校ヴォー・ビン・イェンへの復讐を誓い、部隊に復帰する。しかし険しい密林でのゲリラとの戦いは苛烈を極め、憎きヴォー・ビンの居場所は一向につかめなかった。その悪夢のような日々のなか、マイというベトナム人の娼婦に心惹かれるロベールだったが、復讐の怨念に駆られる彼はもはや後戻りできない。やがて軍規に背く危うい行動を繰り返し、理性を失ったロベールは、さらなるジャングルの奥地に身を投じていくのだった…。■ギョーム・ニクルー監督が描く、第二次世界大戦末期におけるインドシナの凄惨な真実本作は、宗主国フランスの視点で第二次世界大戦末期におけるインドシナの凄惨な真実に迫った一作。当時のフランス領インドシナではベトナム人民がフランス軍と日本軍に二重支配されており、多くの日本人にとって知られざる衝撃的な歴史の闇をえぐり出した戦争ドラマである。フランス映画祭2016で上映された『愛と死の谷』で絶賛を博した鬼才、ギョーム・ニクルーが監督を務め、ベトナムでの現地ロケを敢行。殺戮という無慈悲な行為が日常化し、兵士がいともやすやすとただの肉塊に変わり果てていく戦争のあまりにも不条理なリアルを、いわゆる痛快な見せ場や扇情的なバイオレンスを一切排除した禁欲的な演出スタイルで映し出す。説明描写をあえて最小限にとどめ、想像と解釈の余地を広げた独特のストーリーテリングの手法も実に刺激的だ。主人公ロベールを演じるのは、『ロング・エンゲージメント』『ハンニバル・ライジング』『サンローラン』で世界中を魅了したギャスパー・ウリエル。グザヴィエ・ドラン監督と組んだ『たかが世界の終わり』ではセザール賞に輝く繊細な名演技を披露したフランスのトップスターが、ベトナム人娼婦との激しいセックス・シーンも熱演。理性と狂気、愛と死の狭間でもがく兵士の痛切な運命を渾身の演技で体現した。共演には、『終電車』『シラノ・ド・ベルジュラック』などに出演し、セザール賞やゴールデングローブ賞で主演男優賞の受賞歴もある名優ジェラール・ドパルデュー。本作ではロベールの魂を救済しようとする作家役で出演し、映画に確かな重みを与えている。今回解禁されたポスタービジュアルには、ウリエル演じるロベールがひとりベンチに佇み、虚ろな表情で正面を見据える姿が。「ここが最も『死』に近い場所。」というコピーが添えられ、大量虐殺のなかを生き延び心身共に傷ついたフランス人兵士の“行き着く果て”はどこなのか、最後まで見届けたくなる1枚に仕上がっている。『この世の果て、数多の終焉』は8月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年06月11日母国バングラデシュからパリへ逃れた政治難民の少年が、チェスチャンピオンを目指す実話を映画化した『ファヒムパリが見た奇跡』(原題:Fahim)。この度、8月14日(金)より日本公開が決定した。ストーリー政変が続くバングラデシュ。家族が反政府組織に属していたことに加え、チェスの大会で勝利を重ね続けるファヒムに対する妬みが原因で、徐々にファヒムと家族は脅迫を受けるようになっていた。自分たちの身に危険を感じた父親は、まだわずか8歳だった少年・ファヒムを連れ、2人だけでパリへ国外脱出、そこでチェスのトップコーチであるシルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)と出会う。独特な指導をする、かつての天才チェスプレーヤーでもあるシルヴァンと、天才的頭脳で口達者なファヒムはぶつかり合いながらも、チェスのトーナメントを目指して信頼関係を築いていく。そんな中、移民局から政治難民としての申請を拒否されたファヒムの父親は、身の置きどころがなくなり姿を消してしまう…。迫りくる強制送還のタイムリミット、そこから逃れるための解決策はただ一つ。ファヒムがチェスのフランス王者になることだった――。主人公の少年は、実際の亡命者の息子ファヒムの才能をいち早く見抜き、彼をフランス王者にするために厳しくも愛情溢れた熱心な指導に没頭するファヒムのチェスコーチ、シルヴァンを演じるのはフランスの誇る名優ジェラール・ドパルデュー(『シラノ・ド・ベルジュラック』)。監督が実際の“ファヒム”の指導者であるグザヴィエ・パルマンティエに出会った際に、「彼の恰幅の良さ、優しさ、激しい気性を知りまっさきに思い浮かべたのがジェラール・ドパルデューだった」という。「私はおめでたい人間ですから、すぐにジェラールがぴったりだと思い、1秒たりとも断られる可能性を想像しませんでした。それでもジェラールのエージェントに脚本を送った時は多少ドキドキしましたよ。脚本は140ページあり、この長さがジェラールのやる気をそぐんじゃないかと怖くなったのです。でも違いました。48時間後に彼はOKの連絡をくれました」とその喜びを語る。そして、チェスの天才少年ファヒムを演じたのは、これが演技初挑戦であり、自身も撮影が始まる約3か月前にバングラデシュから政治亡命者の息子をして逃れてきたというアサド・アーメッド。ある日、父親から「いとこと一緒にでかけろ」と言われた先が映画のキャスティング現場だったと言う。本作について「脚本の内容を聞いた時、とても感動しましたし、バングラデシュの首都ダッカで起こっているいろいろな問題を思い出しました」とアサド。「ファヒムの物語は僕のものではありません。でも僕が経験してもおかしくなかった」「この映画を通して、人々が移民の生活が簡単ではないと分かってくれることを願います」とその想いを語る。監督は、俳優としても活躍するピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル。本作を製作することになったきっかけについて、彼は「2014年2月、テレビで14歳のバングラデシュ人の少年が、彼のこれまでの人生を語った本『Un roi clandestin(密入国者の王さま)』(日本未発売)についてインタビューを受けていたのを見たのです。それまで彼のことをまったく知りませんでしたが、落ち着いた声で話すこの少年に魅了され心を揺さぶられたのです」と明かす。「なぜ8歳の時に急に母親から引き離され、国を出なければならなかったのか。父親と一緒に言葉も生活習慣も知らないフランスに降り立ち、その4年後に、不法滞在のホームレスであったにもかかわらず、どうやって12歳以下のチェスのフランス王者になったのか。すごい道のりです!私の映画作家としての血が体をひと巡りし、すぐにこの映画を作りたいと思ったのです」。政治難民の父親に伴われ、わずか8歳で見ず知らずの街で生きることになったファヒムが“チェス”という共通項を通して様々な人と出会い、信じ合うことでその才能が花開き、目標に向かってひたむきに生きる姿には心打たれるだろう。『ファヒムパリが見た奇跡』は8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファヒムパリが見た奇跡 2020年8月14日 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開©POLO-EDDY BRIÉRE.
2020年05月23日是枝裕和監督との対談も話題となったケン・ローチ監督の最新作『家族を想うとき』をはじめ、これから公開される、夫婦や家族の様々な形と絆を描いた3作品をピックアップ。夫婦やカップルで一緒に映画館で鑑賞したら、感想をじっくりと語り合いたくなる珠玉作ばかりとなっている。時代に翻弄される英国の家族を描く『家族を想うとき』2016年カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝き、日本でも大ヒットを記録した『わたしは、ダニエル・ブレイク』。この傑作を最後に、一度は表舞台から降りたケン・ローチ監督だが、同作のリサーチ中に社会の底辺で目の当たりにした“現実”が彼の心の中に生き続け、いつしか“別のテーマ”として立ち上がり、どうしても撮らなければならないという使命へと駆り立てた。労働者階級に寄り添ってきた名匠が引退表明を撤回して最新作で描いたのは、グローバル経済が加速しているいま、世界のあちこちで起きている働き方問題と、急激な時代の変化に翻弄される現代家族の姿。個人事業主とは名ばかりで、理不尽なシステムによる過酷な労働条件に振り回されながら、家族のために働き続ける父。そんな父を少しでも支えようと互いを思いやり、懸命に生き抜く母と子どもたち。日本でも日々取り上げられている労働問題や家族の姿とも重なり、観る者はこの家族の美しくも力強い絆に、激しく胸を揺さぶられるだろう。ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか12月13日(金)より全国にて順次公開。時と国を超えた壮大な家族の物語『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』ゴールデン・グローブ賞を含む38の賞を受賞した大ヒットドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス」。その企画・脚本・製作総指揮を手掛けるダン・フォーゲルマンが、何十年もの歳月、2つの大陸、2つの言語にまたがる壮大な家族の物語を書き上げ、自らメガホンを取り映画化した『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』。キャストは、オスカー・アイザック、オリヴィア・ワイルド、オリヴィア・クック、アネット・ベニング、アントニオ・バンデラスと実力派俳優が総出演。愛ゆえの葛藤、家族との別れ、一瞬のあやまち、運命のいたずら――。誰もが人生の旅路で出会う悲しみを真正面から描き、その悲劇に押しつぶされそうになっても、必ず喜びの瞬間を見つけることができると伝えてくれる感動のストーリーを紡ぎ出す。11月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。2組の夫婦関係の“新たな意義”『冬時間のパリ』『夏時間の庭』『アクトレス 女たちの舞台』などで知られるフランスの名匠オリヴィエ・アサイヤスの最新作『冬時間のパリ』。紙からデジタルへ、テクノロジーの進化と共に変化を迫られるパリの出版業界を舞台に、編集者と女優、作家と政治家秘書という、2組の夫婦の愛の行方を軽妙なタッチで描き出す。出演は、是枝裕和監督『真実』も話題の大女優ジュリエット・ビノシュや、監督としても活躍する『セザンヌと過ごした時間』のギヨーム・カネ、ポスト・ジェラール・ドパルデューと称される『女っ気なし』『セラヴィ!』のヴァンサン・マケーニュ、人気コメディエンヌのノラ・ハムザウィ、そして『木と市長と文化会館』で主演を務めたパスカル・グレゴリーが思わずニヤリとさせられる役どころで出演。「互いの関係に新たな意義を見出し、受け入れ合う夫婦を語りたいと思った」と語るアサイヤス監督の脚本は、洗練された会話とユーモアに満ちており、迷える男女の愛のドラマとパリの出版業界を共鳴させながらも、“パリのいま”を鮮やかに活写する。まるでウディ・アレン作品を思わせるような、“フランス的、人生の愉しみ方”がたっぷりと詰まった、小粋で洒脱な大人のラブストーリー。12月20日(金)よりBukamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:家族を想うとき 2019年12月13日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©Joss Barratt, Sixteen Films 2019冬時間のパリ 2019年12月20日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIMEライフ・イットセルフ未来に続く物語 2019年11月22日TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2018 FULL CIRCLE PRODUCTIONS, LLC, NOSTROMO PICTURES, S.L. and LIFE ITSELF AIE. ALL RIGHTS RESERVED
2019年11月22日フランスの名優、ジェラール・ドパルデュー(69)にレイプと性的暴行を受けたとして、22歳の女性が警察に被害届を提出。検察庁が捜査を開始したという。ニュース局「BFM」などが報じた。「BFM」によれば、この22歳の女性はジェラールが教鞭をとる演劇学校の学生で、事件は8月7日と13日、ジェラール宅で劇のリハーサル中に起きたとのことだ。ジェラールの弁護士は、メディアに「ジェラール・ドパルデューと長い時間、話し合いを行いました。私は彼が完全に無実であることを確信しましたし、証明できるでしょう」と語った。ジェラールは1978年に「Film Comment」誌のインタビューで「数えきれないほどのレイプ事件があった」という内容のコメントをしており、1991年に「TIME」誌がこの件について「自分がレイプをしたということか?」と尋ねると肯定。「ああいう環境では完全に普通のことだった。私の子ども時代はね」と答えたという。しかし、後にジェラールは「レイプなんて決してしたことがない。私は女性に敬意を持って接している」と否定し、激怒。「性体験が早かった、レイプ事件を目撃した」とフランス語で言ったことが、英語に翻訳される過程で間違いが生じたに違いないと結論づけた。(Hiromi Kaku)
2018年08月31日今年で26回目を迎える「フランス映画祭2018」の映画団長に、ナタリー・バイが就任し、来日することが決まった。さらに、『たかが世界の終わり』(’17)でセザール主演男優賞を受賞したフランス映画界の次世代俳優ギャスパー・ウリエルが主演を務める話題作『世界の果て』(原題:LES CONFINS DU MONDE )の上映も併せて決定した。■本年度のフランス映画祭団長は、ナタリー・バイに決定!日仏交流160周年も迎える記念すべき本年の開催は、フランスとも親交が深い街・横浜で13年ぶりに実施されることが決定。フェスティバル・ミューズには、横浜市出身で何度もフランスを訪れたことのある常盤貴子さんが就任し、開催前から盛り上がりをみせている。さらに、映画祭団長として、映画界の巨匠ゴダール、トリュフォーらに愛されたフランスの名女優、ナタリー・バイの就任と来日も決定。2013年以来、3度目の団長を務める。ナタリーの起用理由としてユニフランス代表イザベル・ジョルダーノ氏は「クラシックでエレガントなフランス映画界の巨匠達であるフランソワ・トリュフォー監督やベルトラン・タヴェルニエ監督から新世代の監督たちまで、また、世界的に活躍するS・スピルバーグ監督やグザビエ・ドラン監督らにも愛される女優であり、多様な世代と多彩なジャンルをカバーするにふさわしい団長だと思っております」とコメントを寄せた。■『モカ色の車』ほか、個性豊かな長編2作品の追加上映も決定先日ラインアップ記者会見にて発表となった新作12作品に加えて、個性豊かな長編2作品の上映も追加決定。まずは団長のナタリーが出演する、エマニュエル・ドゥヴォスとナタリーの競演が光るサスペンス『モカ色の車』(原題:Moka)。その上映前にはナタリーの娘であるローラ・スメットの監督短編作品『トマ』の上映も決定した。ローラ・スメットの来日も予定されている。そして、『たかが世界の終わり』(’17)でセザール主演男優賞を受賞したフランス映画界の次世代俳優ギャスパー・ウリエル主演で、第71回(2018)カンヌ国際映画祭監督週間にも出品された話題作『世界の果て』の上映も決定。ジェラール・ドパルデューとの共演で、第二次世界大戦下で繰り広げられる人間ドラマを描いている。長編14作品の全ライナップが出揃った「フランス映画祭2018」。上映スケジュールもオフィシャルホームページにて6月2日(土)午前0:00時に解禁、同日よりチケット発売も開始する。<フランス映画祭2018 開催概要>期間:6月21日(木)~6月24日(日)会場:みなとみらい地区中心に開催(横浜みなとみらいホール、イオンシネマみなとみらい)主催:ユニフランスオープニング作品:『セラヴィ!』(『最強のふたり』の監督コンビの最新作)(text:cinemacafe.net)
2018年05月25日スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督が、5月17日(現地時間)に開幕する第70回カンヌ国際映画祭の審査員長に決定した。カンヌ映画祭のプレスリリースによると、アルモドバル監督は「70周年を迎えるカンヌ映画祭を、特別なポジションで祝えることができてとてもうれしい。ありがたいことですし、光栄ですが、ちょっと緊張しています」とコメントしている。また、「審査員長という立場には、責任も伴いますし、しっかりと務めたいと思います。この任務に全身全霊をかけて取り組むと自信を持って宣言します。まさにそれが特権であり喜びです」と熱く語っている。アルモドバル監督とカンヌ国際映画祭の歴史は長く、1992年に審査員長ジェラール・ドパルデューの元で審査員を務め、2004年には『バッド・エデュケーション』がオープニング作品として上映された。60周年記念の2007年には、ペネロペ・クルス、ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソンらとともに映画祭のポスターに登場。いままでに監督した『オール・アバウト・マザー』、『ボルベール<帰郷>』、『抱擁のかけら』、『私が、生きる肌』、『ジュリエッタ』の5作品で受賞またはノミネート経験を持つ。そのほかの審査員は4月中旬に発表されるということだ。(Hiromi Kaku)
2017年02月01日1993年から開催されている「フランス映画祭2016」が今年も開催され、6月24日(金)、オープニングセレモニーが行われた。10年ぶりの来日となったイザベル・ユペールのほか、スペシャルゲストに浅野忠信、是枝裕和監督らが出席した。「フランス映画祭」は毎年日本で行われている映画祭で、日本初公開となるフランス映画の新作を中心に上映される。本年もクラシック作品1本を含む全13本がスクリーンを彩り、記念すべきオープニング作品には、カトリーヌ・ドヌーヴが主演を務めた『太陽のめざめ』がラインナップされた。団長に就任したイザベルは、ジェラール・ドパルデューと共演した『愛と死の谷』と『Asphalte』(原題)に出演している。赤いジャケットに黒いパンツ姿で颯爽と登場したイザベルは「こんばんは。わたし、とても、しあわせです」と日本語で話すとフランス語で「(日本語を)頑張りました。次回はもっと頑張ります。フランスでは日本の映画が大好きだから、日本でぜひ撮影したいです」と、日本での映画出演に意欲を見せ、キュートにほほ笑んだ。カンヌ国際映画祭<ある視点>部門に正式出品した映画『海よりもまだ深く』でメガホンをとった是枝監督は、花束ボーイとして登場。緊張した面持ちで花束をイザベルに手渡しながら、「フランス映画史そのもののような女優さんです」と讃え、「いろいろな形でお互いの国の映画が交流し合って、刺激できればと思います」と、日仏映画の架け橋になれればと抱負を語った。さらに、同じく本年度カンヌ国際映画祭<ある視点>部門 審査員賞に輝いた『淵に立つ』の深田晃司監督と主演を務めた浅野さんも壇上に上がり、カンヌを賑わせた日本人が揃った。浅野さんは、イザベルさんの横に立つと終始そわそわで、「僕はイザベルの大ファンで、本当に今日うれしくて。僕は映画のことは分かっていなくて、何しろイザベルさんに会えるということで来ました。ぜひ深田監督に僕とイザベルさんの映画を撮ってほしく、そのために来たようなものです」と、少年のような笑顔で語り、これにはイザベルさんも浅野さんに向き直り“快諾”かに見える拍手を送っていた。そのほか、フランソワ・ファヴラ、ローラン・ラフィット、パスカル・プザドゥー、マルト・ヴィラロンガ、ギヨーム・ニクルー、マイウエン、ウニー・ルコント、ニコラ・サーダ、マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール、ルシール・アザリロヴィック、ロッド・パラドが登壇した。「フランス映画祭2016」は6月24日(金)~27日(月)まで有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇で開催。(cinamacafe.net)
2016年06月24日東京・銀座のミシュラン2ツ星レストラン、ドミニク・ブシェ トーキョーにて2月27日、名優のジェラール・ドパルデューが愛したメニューを復刻した一夜限りのスペシャルイベントが開催される。同イベントでは、映画『グリーンカード』、『料理人ヴァテール』、『レ・ミゼラブル』などで知られる名優のジェラール・ドパルデューがこよなく愛した「仔牛の料理」を復刻。このメニューは、ドミニク・ブシェがパリにあるホテル・ド・クリヨンの総料理長を務めていたころに提供していた料理で、しっとりときめ細かくシルキーな肉質を誇る仔牛を干し草の香りを付けて焼き上げている。イベント当日は、この仔牛料理を含めた特別コースメニューを、料理に合わせて厳選したグラスワインとともに提供。食事の前のアペリティフタイムには、ドミニクシェフによるホテル・ド・クリヨン時代の秘話を聞くこともできる。予約は、オフィシャルサイト()及び、電話にて。【イベント情報】「エリタージュ・ディナー イベント」会場:ドミニク・ブシェ トーキョー住所:東京都中央区銀座1-5-6 レンガ通り福神ビル2階期間:2月27日時間:18:00~料金:2万5,000円(アミューズ、前菜、魚料理、仔牛のロースト、デザート、シャンパーニュ1杯付き※税込・サ別)
2016年02月08日フランスの名優ジェラール・ドパルデューが、昨年5月に性的暴行容疑でニューヨークで逮捕されたフランスの政治家、ドミニク・ストロス=カーンを題材にした新作映画に主演することが明らかになった。『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』(’94)のアベル・フェラーラ監督がメガホンをとり、夫人でジャーナリストのアンヌ・サンクレールにあたる妻役をイザベル・アジャーニが演じる。フランスでは昨年12月に映画化のうわさが流れたが、その際に製作会社のワイルド・バンチは「そのような企画は全く予定していない」と否定していた。フェラーラ監督は今月、仏紙「Le Monde」紙上で「製作者が新企画の詳細について語りたがらないのは当然だ」とコメントしつつ、「だが、私は監督だ。私が自分の映画について語るのを誰も止めることはできない」と企画が進行中であることを認めた。国際通貨基金(IMF)専務理事在任中の昨年5月、ニューヨークのホテルで女性従業員への性的暴行容疑で逮捕・訴追されたストロス=カーンは、今年行われるフランス大統領選の有力候補とみなされていた。その後、被害女性の証言の信ぴょう性に疑問が生じて昨年8月に起訴は取り下げられたものの、この一件が影響し、大統領選挙への出馬は難しい状況だ。事実をそのまま映画化するのではなく、人名は変更されるようだ。「政治とセックスについての映画をドパルデューとアジャーニで撮る。富と権力を持つ人間を描く映画だ」と語るフェラーラ監督は、ドパルデューについて「彼は考える人であり、物事を感じ取ることもできる。監督が求めるすべてを持っている俳優だ」と大絶賛。現在ほかにも数本の企画を抱えているが、6月からパリ、ワシントン、ニューヨークでの撮影を目指しているという。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO
2012年02月07日6月23日(木)より開催されるフランス映画祭の映画祭団長がリュック・ベッソンに決定!フランス人アーティストたちを引き連れて来日することも発表され、原作・脚本・監督を手がける人気の『アーサー』シリーズの第3弾となる『アーサー3』(仮題)も同映画祭で上映されることが明らかになった。1993年に始まり、今年で19回目を迎えるフランス映画祭。日本初公開となる作品が上映され、毎年多くのゲストが来場し日仏の掛け橋の役目を担ってきた。近年ではカトリーヌ・ドヌーヴ(’07)、ソフィー・マルソー(’08)、ジュリエット・ビノシュ(’09)、ジェーン・バーキン(’10)と大物女優が団長を務めてきたが、今年はフランスの娯楽映画を牽引するベッソン監督がその任に就くことに。東日本大震災および、その後の原発問題でハリウッド、ヨーロッパを問わず、プロモーションなどで来日を控える動きが強まっていたが、フランスが世界に誇る大監督が来日!オープニング作品としてベッソン監督が実写と3DCGアニメーションを組み合わせて製作した、『アーサーとミニモイの不思議な国』、『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』に続くフレディ・ハイモア主演の『アーサー』シリーズ第3弾となる『アーサー3』(仮題)が上映される。ベッソン監督以外にはオタール・イオセリアーニ、ジャン=ポール・ジョー、レベッカ・ズロトヴスキ、ファブリス・ゴベールなどが来日する予定となっており、長編作品12作品と短編6作品が上映される。注目はヴァネッサ・パラディとロマン・デュリス共演の『ハートブレイカー』。凄腕の別れさせ屋・アレックスは、結婚式を控えるあるカップルの花嫁の父親の依頼を受けて2人を分かれさせるべく式場となるモナコへ。だが、ターゲットの花嫁は難攻不落の完璧なレディ!アレックスは彼女のボディガードとして仕事の遂行をうかがうが…。ジョニーのパートナーであるヴァネッサと、日本でも大人気のデュリスが繰り広げる、スリリングな恋の駆け引きの行方は――?ほかにもジェラール・ドパルデュー、イザベル・アジャー二が出演するロードムービー『マムート』など話題作がズラリ。アニメや短編作品の上映に加え、今年は東日本大震災の復興支援としてオリジナルTシャツを制作するという取り組みも。フランス映画祭2011は6月23日(木)から26 日(日)の日程で東京・有楽町朝日ホールおよびTOHOシネマズ 日劇にて開催。公式サイト:■関連作品:ゲンスブールと女たち 2011年5月21日よりBunkamuraル・シネマ、新宿バルト9ほかにて公開© 2010 ONE WORLD FILMS-STUDIO37-UNIVERSAL PICTURES INTERNATIONAL FRANCE - FRANCE 2 CINEMA - LILOU FILMS - XILAM FILMSアーサー3 (仮題)© 2010 EUROPACORP - TF1 FILMS PRODUCTION - APIPOULAI PROD- AVALANCHEPRODUCTIONS Images et Effets 3D - BUFアーサーとミニモイの不思議な国 2007年9月22日より丸の内プラゼールほか松竹・東急系にて公開©2006 EUROPACORP - AVALANCHE PRODUCTIONS - APIPOULAI PRODアーサーと魔王マルタザールの逆襲 2010年4月29日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 EUROPACORP–TF1 FILMS PRODUCTION–APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONSImages et Effets 3D–BUF photos:Daniel Smith © 2009 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS■関連記事:バーキンにブリジット・バルドー、ヴァネッサ…ゲンスブールに魅せられた女たちの想い数々の美女を虜にした伝説の男『ゲンスブールと女たち』試写会に10組20名様ご招待GACKTがアニメ版「SUPERNATURAL」のボイスキャストに!“選ばれた子供”演じるデ・ニーロやビノシュらが、石打ち死刑宣告を受けたイラン女性釈放を訴える書簡に署名IMALUインタビュー身長2ミリになったら「人の生活を覗き見してみたい(笑)」
2011年05月23日つい先日、来日を果たしたカトリーヌ・ドヌーヴが主演する『しあわせの雨傘』の予告編がいち早くシネマカフェに到着。以前より、真っ赤なジャージ姿のドヌーヴの姿が話題となっていた本作だが、こちらの予告編ではディスコで踊ったり、青いジャージ姿でランニングをする様子も!『8人の女たち』以来となるフランソワ・オゾン監督とのコンビによる本作。ドヌーヴが演じるのは“お飾りの妻”と娘からも揶揄される雨傘工場の社長夫人・スザンヌ。だが、夫が組合との労働争議のさなかに心臓発作で倒れ、彼女が工場を仕切ることになり…。先日の東京国際映画祭のオープニングにはシースルーの黒いドレスで優雅に登場したドヌーヴだが、こちらの予告編のオープニングには真っ赤なジャージ姿で登場。だが、そんな彼女が徐々にその手腕を発揮し、周囲に認められていく中で優雅に“変身”していく姿は見応え十分。やがて夫が休養から復帰するが、夫の「ここのボスは誰だ?」という言葉にスザンヌはあっさり「私よ」とタンカを切る。さらに、昔の恋人であり、いまでは街の市長となっているババン(ジェラール・ドパルデュー)との間には恋の火種まで!?今年で67歳のドヌーヴ&62歳のドパルデューが、ディスコで並んでダンスする様子は圧巻!さらに、青ジャージでジョギングまで…。これだけでも一見の価値アリ!まずは予告編を見るべし。『しあわせの雨傘』は2011年1月8日(土)よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:しあわせの雨傘 2011年正月第2弾TOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国順次公開© Mandarin Cinema 2010■関連記事:【シネマモード】今年はドレスも省エネ気味?第23回東京国際映画祭【TIFFレポート】C・ドヌーヴ舞台挨拶登壇も撮影切り上げ退場「たくさん撮ったわ」劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨
2010年10月30日今年も東京・六本木ヒルズをメイン会場に、世界各国から選りすぐりの作品を集めて開催される東京国際映画祭(TIFF)。つい先日、コンペティション部門に出品される日本映画『海炭市叙景』の監督、キャスト陣が出席して公式記者会見が行われたが、さらにその後、中国映画『ブッダ・マウンテン』のコンペティション出品が発表され、コンペティション全15本が出揃った。ここでは邦画および話題作を中心にコンペティション部門の行方、さらにその他の部門に出品されている注目作品などをご紹介!まずはコンペ!まずは邦画!ということで、今年、「東京 サクラ グランプリ」獲得の期待を背負って日本からコンペティション部門に出品されるのは、先述の『海炭市叙景』と『一枚のハガキ』の2作品。『海炭市叙景』は、村上春樹らと並び称されるほどの文才を持ちつつも生前、不遇を囲った函館出身の作家・佐藤泰志の幻の小説を映画化した作品。海炭市という、函館を思わせる架空の街を舞台に、そこで暮らす様々な人々の日常のドラマを映し出し、函館市と市民の協力の下、函館で撮影が行われた。監督は『空の穴』、『ノン子36歳(家事手伝い)』の熊切和嘉。規模の大きな作品とは言えないが谷村美月、加瀬亮、小林薫、南果歩といった錚々たる顔ぶれが函館に集い、市井の人々の生きる様子を静かに、そして確かに演じている。もうひとつの邦画『一枚のハガキ』は脚本家および監督として数々の名作を世に送り出してきた新藤兼人が98歳にして「映画人生最後の作品」として挑んだ作品。戦争末期に召集された兵士と、彼が戦友から託された手紙に関するある頼みにまつわる物語を通じて、庶民の視点から見た戦争の惨禍が浮き彫りにされる。こちらも豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、大杉漣、柄本明、倍賞美津子と現在の邦画界になくてはならない名優たちがズラリと名を連ねる。時代背景は違えど市井の人々の姿を描き出す2作が邦画代表に!派手さはないものの静かな感動を呼び起こす。第1回(1985年)の『台風クラブ』(相米慎二監督)、第18回(2005年)の『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)に続く邦画の最高賞受賞なるか?両作に期待がかかる。邦画以外でコンペで注目を集めているのは、名作『日の名残り』の原作者カズオ・イシグロの小説を映画化した『わたしを離さないで』。謎めいた寄宿施設で育てられた3人の若者たちの絡み合う愛憎、痛切な運命を儚く描き出したラブストーリー。『17歳の肖像』で世界中の称賛を浴びたキャリー・マリガンに、“新スパイダーマン”アンドリュー・ガーフィールド、そして『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキーラ・ナイトレイという豪華キャストが揃っており、東京 サクラ グランプリ最有力候補と言えそう。それ以外の作品で、日本でも知名度の高い俳優の出演作としてはマイケル・シーン主演で大学構内で起こった銃乱射事件がある家族にもたらす悲劇を通じて家族の絆を問い直す『ビューティフル・ボーイ』に、海辺の町を舞台にした文豪グレアム・グリーンの名作を映画化した、サム・ライリーとヘレン・ミレン出演作『ブライトン・ロック』などが出品されている。とはいえ、過去の最高賞受賞作を見ても、知名度の高い俳優が出演している話題作が受賞するとは限らないのがTIFF。何より、いずれの作品もかなりの倍率を突破してこのコンペティションに名を連ねているだけに粒揃い。どの作品が受賞しても不思議はない。この映画祭を機にこれから世界へ羽ばたいていく監督も多いだけに、決して事前の注目度の高くない作品を見て回るのも一興?そしてコンペ以外にも話題作が続々と日本上陸!いまだ謎多き『トロン:レガシー』は全世界初公開となるフッテージ映像の上映が行われるほか、デヴィッド・フィンチャー監督最新作『ソーシャル・ネットワーク』がオープニングを飾り、そしてベン・アフレックが自ら監督・主演を務める『ザ・タウン』がトリを務める。また、「WORLD CINEMA」部門にも話題の作品が続々。9月に急逝したヌーヴェルヴァーグの巨匠クロード・シャブロルの遺作でジェラール・ドパルデュー主演の『刑事ベラミー』に、今年のヴェネチア国際映画祭で絶賛を浴び、ヴィンセント・ギャロに主演男優賞をもたらした『エッセンシャル・キリング』(原題)。ユアン・マクレガー扮するゴーストライターが、政治を巡るある陰謀に巻き込まれる『ゴースト・ライター』、フィリップ・シーモア・ホフマンの初監督作『ジャック、舟に乗る』、そして鬼才ミシェル・ゴンドリーが自らの叔母にカメラを向けたドキュメンタリー作品『心の棘』など気になる作品があちらこちら。ほかにも「アジアの風」、「日本映画・ある視点」、「natural TIFF」ほか部門もジャンルも多彩!会期は9日間。何を観るべきか?そして東京 サクラ グランプリの行方は――?東京国際映画祭は10月23日(土)より開催。特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF■関連記事:映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待早くもオスカー最有力?『ソーシャル・ネットワーク』北米初登場1位!来日も決定函館から世界へ!谷村美月、南果歩ら東京国際映画祭コンペ出品会見
2010年10月13日フランス・ヌーヴェルヴァーグの巨匠、クロード・シャブロルが12日、自然気胸の合併症が原因の徐脈(不整脈の一種)のため亡くなった。享年80。ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーらと同様に「Cahiers du Cinema」誌の批評家から映画監督の道へ進み、1957年に『美しきセルジュ』でデビュー。2作目の『いとこ同志』でベルリン映画祭金熊賞に輝き、その後もイザベル・ユペール主演の『ボヴァリー夫人』をはじめ数々の映画、TVドラマを監督。多作な作家として知られた。独特の愛敬ある風貌で俳優としても活躍した。シャブロル監督の遺作となった『Bellamy』(原題)で主演を務めたジェラール・ドパルデューは「クロードは生きる喜びそのもののような人だった。彼が死ぬなんて誰も考えられないことだった。彼が逝ってしまったと想像することさえできない。私はこう考えたい。彼はもう電話には出ないけれど、そこにいる。いまもあらゆる場所に存在しているんだ」と哀悼の意を表した。ニコラ・サルコジ大統領は「バルザックのように鋭く社会を描写し、ラブレー(16世紀の作家)のように生き生きとしたユーモアがあった」とシャブロルの才能を讚えた。フランスではTV局各局がシャブロルの作品を追悼放映するなど、国をあげてその死を悼んでいる。(text:Yuki Tominaga)写真は2009年のベルリン国際映画祭でのもの。© CATARINA ERIC/Gamma/AFLO■関連作品:石の微笑 2007年6月30日より渋谷Q-AXシネマほか全国にて公開©Moune Jamet■関連記事:映画にまつわるファッション小噺 vol.38愛は証明できるのか?
2010年09月13日