2021年3月7日(日)、公益財団法人ジョイセフが、3月8日の『国際女性デー』の前日に、『国際女性デー ホワイトリボン オンラインフェス』を開催します。国際女性デーとは『国際女性デー』とは、3月8日に女性について、さらには自分の性やジェンダーについてもう一度見つめ直す日として国連によって制定された日です。実は世界では、2分に1人、1日約800人の女性が、妊娠・出産・中絶によって命が絶たれてしまっています。女性たちが健康的な生活を送るために、ジョイセフが行っているような支援や、自身の体や性をきちんと理解することが重要です。ジョイセフは『国際女性デー』の前日に、『国際女性デー ホワイトリボン オンラインフェス』を開催することで、女性の健康を支援していくそうです。有名人も続々登場!『国際女性デー ホワイトリボン オンラインフェス』は、『Healthy Women, Healthy World』をテーマに2021年3月7日(日)に開催されます。当日は女性の健康とSDGsにまつわるトークセッションやプレミアムエクササイズなど、さまざまな企画を実施。イベントにはジョイセフアンバサダー・冨永愛さんやWWDジャパン編集長・向 千鶴さん、モデル・長谷川理恵さんらが登場します。イベント参加にあたって冨永さんは、コロナ禍の現状について言及しながら、「パワーをためて、動こう!」と力強くコメント。「このコロナ下でさらに“女性だから”被る不利益や岐路も多い気がしていて」と今の状況を分析する向さんは、「女性の立場だからこそ発信できることがあるのだと確信しています」とイベント参加への意気込みを語ります。さらに、長谷川さんはコロナ禍こそ前向きに頑張ろうと語りつつ、「ぜひみなさん、Tシャツを着て一緒に走りましょう!楽しみにしています」と述べ、イベントに集まる人々と過ごす時間を待ち望んでいる様子でした。【イベント情報】『国際女性デー ホワイトリボン オンラインフェス』日時:2021年3月7日(日)13:00 ~16:00配信方法:YouTube配信参加方法:無料でどなたでも参加可能※2021年3月7日(日)~2021年3月31日(水)の国際女性デー月間の期間中、アーカイブ配信を実施「アンダーアーマー」とのコラボTシャツでチャリティー企画も!オンラインフェスに加え、Tシャツのチャリティーキャンペーンも行われるとのこと。貧困や医療従事者として最前線で闘うなど、命の危険に脅かされている女性を守るという趣旨で企画されたチャリティーで、Tシャツの売上は全て寄付されます。Tシャツはスポーツブランド『アンダーアーマー』とのコラボにより生まれた機能性&デザイン性ともに優れた1着。オールシーズン着られて使い勝手抜群です。【商品情報】販売期間:~2021年3月31日(水)価格:ユニセックス(大人)・1枚につき¥3,800(税込)/サイズ:XS、S、M、L、XLキッズ(子ども)・1枚につき¥1,900(税込)/サイズ:130、140、150さまざまなプロが登壇する今回のオンラインフェス。女性の健康への意識や関心が高くなりつつある今だからこそ、様々な知識も得られそう……!オンラインで簡単に参加できるので、ぜひのぞいてみてください。【参考】国際女性デー ホワイトリボン オンラインフェスを開催 - PR TIMES©公益財団法人ジョイセフMonster Ztudio/Shutterstock文/Sayuri
2021年02月27日文/RKRKP&Gのヘアケアブランド『パンテーン』は、「あなたらしい髪の美しさを通じてすべての人の前向きな一歩をサポートする」ことをブランド理念として掲げ、2020年9月より、LGBTQ+(セクシュアル・マイノリティ)の元就活生とともに、“自分を偽らず、自分らしさを表現できる就職活動”について考える『#PrideHair』を行っています。『#PrideHair』プロジェクトでは、テレビCM・新聞広告・デジタル動画、および公式ブランドサイトにてLGBTQ+の元就活生の体験談が公開されました。動画は1週間で2,000万回再生を超え、SNS上では賛同や共感の声が寄せられるなど話題を呼びました。一方で、まだまだジェンダーへの偏見や思い込みが、社会に多く存在することも判明。美容サロンで働く人から、「サロンを、さらにひとりひとりの個性に寄り添う場所にできないか」といった声や、LGBTQ+当事者の方からは「ダイバーシティに配慮した美容室が増えて欲しい」といった声があがり、パンテーンでは、『#PrideHair・サロン』プロジェクトをスタートしました。「#PrideHair・サロン」プロジェクトとはLGBTQ+当事者への調査同社が調査した結果によると、75%のLGBTQ+の方々が、「ヘアサロン(美容院・理容室)で自分が本当になりたい髪型をオーダーできなかったことがある」と回答しています。また、半数以上のセクシュアル・マイノリティが、「伝えると通いづらくなりそう」などの理由で「自身のセクシュアリティを伝えたいと思わない」と回答しています。そして、80%と多くの方々が、「セクシュアル・マイノリティ(LGBTQ+)を始めとする、ダイバーシティに配慮したヘアサロン(美容院・理容室)が増えてほしい」と答えています。美容サロンで働く方への調査美容サロンで働く方のうち半数以上の美容師・理容師が、「ヘアサロンにおいて、セクシュアル・マイノリティのお客様への配慮や取り組みは必要だと思う」と回答。しかし、93%の美容師・理容師が、「勤めているヘアサロンに、セクシュアル・マイノリティのお客様への対応など、ダイバーシティに関するガイドラインがない・あるかわからない」と答え、まだまだジェンダーに関する制度や理解・対応が不足している可能性があることがわかりました。これらの調査も踏まえ、『#PrideHair・サロン』プロジェクトは、ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアルの作成・普及を皮切りに、プロジェクトに賛同するサロンを全国に広める活動やLGBTQ+当事者と多様性を尊重するヘアサロンがマッチングしやすい仕組みづくりなどに取り組んでいくとのことです。LGBTQ+フレンドリーマニュアル作成のためのワークショップも実施!『#PrideHair・サロン』プロジェクトの展開に先立ち、2020年12月15日~16日に美容サロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル作成のためのオンラインワークショップを開催。ワークショップでは、「多くの美容サロンにおいて、LGBTQ+が抱える課題についてそもそも意識されていない」という課題のもと、LGBTQ+の当事者10名と、LGBTQ+フレンドリーを実践しているヘアサロンで働く美容師3名によるディスカッションが行われました。LGBTQ+の当事者の方からは、「会話をあまりしないようにしているため、本当になりたい髪型をオーダーし 、実現することができない」という意見もあるなか、居心地の良いヘアサロンが見つかってからは「色々な髪型をオーダーできるようになり、ヘアサロンへ行くのが楽しみになった」「『予約時のお名前で呼ばせて頂きます』とHPに記載があると、それだけで配慮してもらえているという安心感が得られて嬉しい」といった意見もあげられました。美容師の方からは、「美容室は前提として、お客様を素敵にし、ワクワクさせる場所であるべきだと思う」という意見も交わされました。パンテーンでは、引き続きダイバーシティー&インクルージョン(多様性の受容と活用)の取り組みを進めていくほか、2020年には婚姻の平等(同性婚の法制化)に賛同する企業を可視化するための『Business for Marriage Equality』にも賛同するなど、今後も誰もが安心して自分らしくいられる世界を作る活動に取り組んでいくとのこと。これからもパンテーンの活動に注目です!【参考】#HairWeGo80%のLGBTQ+の方が回答した「ダイバーシティに配慮した美容室が増えて欲しい」という願いを受けてパンテーン『#PrideHair・サロン』プロジェクトが始動-PR TIMES©︎プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
2021年01月08日『Business for Marriage Equality』(略称:BME)は、一般社団法人・Marriage For All Japan - 結婚の自由をすべての人に(以下、MFAJ)と、NPO法人・LGBTとアライのための法律家ネットワーク(以下、LLAN)、そして認定NPO法人・虹色ダイバーシティの3団体が共同で実施するプロジェクトです。パナソニック株式会社や日本コカ・コーラ株式会社など日本国内の大手企業をはじめ、多くの分野の企業から賛同が集まり、134社の賛同を得てスタートしました。※2020年11月18日(水)時点日本社会の婚姻の平等への後押しとなることを願って世界では近年急速に同性婚に関する法整備が進んでおり、現時点で29の国と地域で婚姻の平等が制度化されています。しかし、G7の中で同性カップルのパートナーシップが国レベルで法的に保障されていないのは、日本のみ……。まだまだ法整備の余地があるんです。一方で、既に同性婚を実現したアメリカ、オーストラリアなどでは、企業が同性婚に賛成することで実現を後押ししたとのこと。そんな海外の事例をふまえ、企業の賛同のもとに『BME』が発足しました。また、今回の取り組みは、『SDGs(持続可能な開発目標)』の目標5「ジェンダー平等を実現しよう」と目標10「人や国の不平等をなくそう」等に寄与することも期待されます。企業の貢献の先にあるのは?企業が婚礼の平等に賛同することは、性的マイノリティを持つ人々にとって働きやすい環境を生むことに繋がります。特に、性的マイノリティは“人口の3~10%”というデータがありますが、その周辺の家族や友人などを含めるともっと大きな人数となります。企業の賛同は、それら多くの人々の幸せに貢献する可能性があるのです。また、同性婚が実現化すれば、企業にとっての人材確保がより円滑になる、結婚式や住宅、子育てなどの分野で、新たな需要が生まれることも期待されています。賛同企業からコメントが!パナソニック株式会社 執行役員・CHRO 三島茂樹氏は、「2016年からは配偶者の解釈に同性婚を含めた人事制度の制定とともに当事者の方が心理的安全性をもって働けるようなカルチャー作りなど着実に一つずつ取り組んでいます。社員にもお客様にも当事者がいることは確かであり、個々人が自分らしく生活し、最大限のパフォーマンスを発揮できるように環境を整えるのは、企業として非常に重要な役割だという考えのもと、今後もこのような取り組みを地道に続けてまいります」とコメント。また、日本コカ・コーラ株式会社 人事本部 デピュティ シニアバイスプレジデント・パトリック・ジョーダン氏は、「コカ・コーラ社はこれまで、LGBTQコミュニティに対する受容性と平等の推進に寄与する、グローバル及び各地域の政策を一貫して支援してきました。弊社は、米国で真っ先に「雇用差別禁止法」に対する賛同を公に表明した企業の一つでした。また、「婚姻の平等」については、最近のオーストラリアも含め、多くの国でその実現を支援しています」とコメントを残しました。日本における婚姻の平等への賛同企業や団体の数は?『BME』には、46社の企業が日本における婚姻の平等への賛同を行いました。2018年9月19日に在日米国商工会議所(ACCJ)が他の4つの在日商工会議所とともに公表した婚姻平等の提言に対する賛同企業と合わせると、合計134社が日本における婚姻平等に賛同した形となります。【法人概要】一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に設立:2019年1月代表理事:寺原真希子・三輪晃義理事:上杉崇子・加藤丈晴・中川重徳・松中権・柳沢正和世界での動きとともに、渋谷区などでは既に『同性パートナーシップ証明』の制度が開始されています。今回の『BME』発足とともに、ぜひ性的マイノリティや、日本の現状を考えるきっかけにしてみてください。【参考】日本国内における同性婚の法制化(婚姻の平等)に賛同する企業を可視化するキャンペーン「Business for Marriage Equality(BME)」開始 - PR TIMES©一般社団法人Marriage For All Japan
2020年11月23日一児の親でもあるりゅうちぇるさん。インスタライブでは、クリスマスの思い出を明かしたほか、おもちゃとジェンダーについての熱い想いを語りました。息子さんとの初めてのクリスマスでやったことは…?毎年、息子のリンクくんへのクリスマスプレゼントに悩んでしまうというりゅうちぇるさん。何を重視してプレゼントを選んでいるのかを視聴者へ問いかけると、「笑顔になりそうなものを考えて選びます」などのコメントが視聴者から寄せられました。そんな中、りゅうちぇるさんは「サンタさんという存在を把握するだけでクリスマスがすごい楽しめるじゃん?」と持論を展開。続けて、昨年のリンクくんの初めてのクリスマスでは、「クリスマスに関する絵本をたくさん読んで、土台作りを11月くらいからしていた」というエピソードを告白。「プレゼントをもらっても、サンタさんが持ってきてくれたんだと気づかせられるように」とその想いを語りました。りゅうちぇるさんが、子どもの頃に欲しかったモノは?インスタライブでは、SNSで展開されるキャンペーン『#おもちゃに性別いるのかな』にちなみ、「一年に一度のクリスマスさえも欲しいものを言えなかった」という子どもの頃の思い出も明かしました。「昔から女の子っぽいというか、そういうタイプの子どもだった」と語るりゅうちぇるさんは、クリスマスプレゼントで欲しかったのは「バービー人形」だったそう。しかし、周囲の大人の視線や、「男の子は男の子のおもちゃで、女の子は女の子のおもちゃで」という空気を察し、「この遊びをすることで親を悲しませちゃう」と考えて顕微鏡が欲しいと言っていたと、当時の苦しい胸の内を告白。意外と大人より子どもの方が周りの目に敏感で、傷つきやすいことを語りました。“おもちゃとジェンダー”に対する違和感も告白また、自身の思い出から、おもちゃとジェンダーに対して今まで感じていた“違和感”についても明かし、「女の子のおもちゃのCMには女の子しか出ないし、無言の圧力があると思う」とコメント。続けて、子ども時代に固定観念を植え付けられてしまうことへの危惧とともに、「無言の圧力が影響を与えて個性を踏みにじっちゃうし、才能の開花を塞いでしまう力があると思ってる。人と違うことも続ければ、文化になる」と話すと、視聴者から共感のコメントが多く寄せられました。コラボ商品のおもちゃに「原宿で持ち歩きたい」この日の配信でりゅうちぇるさんは、『フィッシャープライス』と『サンリオベビー』のコラボ商品の感想も語りました。『サンリオベビー おやすみハローキティ』¥6,000(税抜)リラックスできる音楽が流れたり、光ったりしながら寝かしつけをサポートするぬいぐるみ。様々なモードを楽しみつつ、「赤ちゃんだけでなく、ママもパパもリラックスできてすごくいい。ぼくは原宿で持ち歩きたいくらい(笑)」と感想を述べました。【商品情報】『サンリオベビー おやすみハローキティ』価格:¥6,000(税抜)©1976, 2020 SANRIO CO., LTD.『サンリオベビー ミュージカル・デラックスジム』¥11,000(税抜)サンリオキャラクターに囲まれて、遊べるジム。音が20分間流れることやキティちゃんのぬいぐるみについて絶賛しながら「赤ちゃんのものは清潔にしたいから、洗濯が簡単にできるのは便利だし、性別を押し付けない感じのデザインもいい」と、親としての意見も語られていました。【商品情報】『サンリオベビー ミュージカル・デラックスジム』価格:¥11,000(税抜)©1976, 1979, 1988, 1989, 1992, 1993, 2020 SANRIO CO., LTD.『サンリオベビー インファント・トドラーロッカー』¥12,500(税抜)子どもの成長に合わせて3wayで長く使えるベビーラック&ロッキングチェアには、「性別を超えてほしくなる商品だし、大人気キャラクターもいてかわいい。不安で泣いたりするときにもいいな」とその使いやすさに感心していました。【商品情報】『サンリオベビー インファント・トドラーロッカ』価格:¥12,500(税抜)©1976, 1979, 1982, 1985, 1988, 1989, 1992, 1996, 2001, 2020 SANRIO CO., LTD.「おもちゃに年齢はいらない」というりゅちぇるさんの考え最後に、「ぼくは性別どころか、おもちゃには年齢もいらないと思っている」と自身の考えを披露。「年齢なんて気にせず、ぼくもリンクのおもちゃを勝手に鞄に入れたりしてます。だって収録前に楽屋に並べると、モチベーションが上がる!大人になっても自分の中で頑張れる源みたいなのを分かっておくことが大事」と訴えかけました。りゅうちぇるさんらしい、明るく優しい言葉の数々。これからは、ジェンダーを気にしないアイテム選びをしていきたいですね。【参考】<インスタライブ事後レポート>おもちゃ×ジェンダーを考えるきっかけに!りゅうちぇるさんが“いろんな世界を知って個性を認め合う大切さ”を発信「#おもちゃに性別いるのかな」 インスタライブ - PR TIMESマテル・インターナショナル
2020年11月22日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ジェンダー・ギャップ指数」です。極端に低い日本。男女格差をなくすには意識変革を。3月8日は国際女性デーでした。この日に注目されるのが「ジェンダー・ギャップ指数」。ダボス会議主宰で知られる世界経済フォーラムが、政治、経済、教育、健康の4分野で男女格差を指数化し、毎年発表しています。2019年12月の最新報告書で、日本は153か国中121位。‘18年は110位でした。順位が下がった理由は、女性の政治参加度の低さ。今年2月の時点で、日本の衆議院の女性比率は9.9%。これは193か国のうち167位と著しく低い。他国では女性の首相が誕生していますが、日本は知事止まり。選挙候補者の数を男女50%ずつにすることを努力目標に掲げていますが、当選して閣僚になる女性は少数です。企業のなかでも女性管理職の割合は低い状態が続いています。女性の社長の比率は上昇していますが、創業者や同族継承がほとんどで、内部昇格の割合は8%にすぎません。これほど女性のリーダーが極端に少ないというのは、日本の経済発展を阻んでいると思います。子育て政策でも、近年ようやくお母さん方を中心に声があがり、女性議員が先導する形で待機児童問題に目が向くようになりました。「子供は家庭で育てるもの」という古い考えのまま、男性社会と切り離して捉えていたため、問題に気づけなかったのです。つまり政府や企業経営者など、制度を作る側、決める側に女性が参加していなければ、考え方の多様性が担保されず、女性の働きやすい環境実現は遅れる一方です。もうひとつ、ジェンダー・ギャップを生む背景に「マンスプレイニング」が指摘されています。「man(男)」と「explain(説明)」を掛け合わせた言葉で、男性が女性を見下して解説、助言するさまを指します。無意識の男性のそうした態度が、女性の発言する機会を失わせます。昨年は、職場でヒールやパンプスを履くことを強要しないでほしいという#KuToo運動が始まりました。女性性を否定するものではなく、履くのも脱ぐのも自由意思を尊重してほしいという主張です。「オフィスでは女性はヒール」というのも固定観念にすぎません。慣習を疑うことが、ジェンダー・ギャップをなくす第一歩なのかもしれません。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年4月8日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年04月02日クロエ(Chloé)が、ユニセフとグローバルパートナーシップを締結。ジェンダー平等を目的としたユニセフのプログラムを3年間サポートしていく。この支援は、ボリビア、ヨルダン、モロッコ、セネガル、タジキスタン等において、デジタル技術や起業家能力の育成促進が目的。世界の650万人の少女たちが雇用を得られるようスキルを身に付けることを目指す。3月8日の国際女性デーに際し、「GIRLS FORWARD」キャンペーンを行う。そのアンバサダーに女優のケイティ・ホームズ(Katie Holmes)、ルーシー・ボイントン(Lucy Boynton)を起用した。キャンペーンに合わせて3月6日から、オーガニックコットンのTシャツ(4万7,000円)、ブレスレット(2万1,000円)、ネックレス(3万9,000円)を販売。「Girls Forward」のメッセージを掲げたTシャツは2色展開。これらアイテムの売り上げの全額はユニセフに寄付される。Tシャツ(4万7,000円)ブレスレット(2万1,000円)取り扱いは、CHLOE.COMと、日本を含む世界6か国の一部直営店にて。
2020年03月06日音楽、テレビ、演劇、アニメ、漫画など、それぞれの世界に刺激を与えている面々の仕事ぶりに迫りました!今回はNHK制作局ドラマ番組部の上田明子さん。昨年、NHKのよるドラ枠で放送され、話題を呼んだドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』の創り手。LGBTQを題材に、世間が無自覚に押し付ける“普通”になれず、苦しむ人たちの姿を、切実に丁寧に描いた作品だ。これを企画したのが上田さん。“テレビドラマとして描くことで、少しでも生きやすい社会になれば”「企画を立ち上げたのは、私が妊娠中のこと。ちょうどその時、局で立ち上げに動いていた企画があって、みんなで話し合いを進めていたんです。でも、妊娠がわかった途端、周りに善意から『子供を大事にして』って言われるようになったんですね。私にとっては、仕事も生まれてくる子供と同様に大事なものなのに、それがなかなか理解してもらえない。男性は“子供も仕事も両方大事”が許されるのに、なぜ女性が両方を選んだらいけないんだろうと思ったんです。そんな時に読んだのが、浅原ナオトさんの原作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』です。主人公の純くんは、ゲイで同性の恋人がいますが、結婚して子供を作るという“普通”の幸せも手に入れたいと願う。彼の、なぜ全部を欲しがっちゃいけないのか、という叫びにすごく共感したんです」自分をごまかさず、懸命に“空気”に抗う主人公たちの姿に魅了され、「このことをドラマにすることでもっと多くの人たちと考えてみたいと思った」そう。「これをテレビドラマにすることで、ある種の生きづらさや息苦しさを感じている人に、自分自身でいいんだと少しでも思ってもらえればと。そして、少しでも生きやすい社会に変わればと…。実際、放送が始まるとSNSを中心に多くの方に盛り上がっていただけたんですよね。なかにはこちらの意図していなかった深いところまで読み取って発信してくださる方もいて、視聴してくださる方々と一緒に番組を育てていくことができたような気がしています」じつはNHK入局当初は、ドキュメンタリー制作を志望していたそう。しかし、地方局に在籍中にオーディオドラマの制作に携わったことで、本当にやりたかったことに気がついたという。「もともと物語を読むのが好きでしたし、学生時代は演劇部でお芝居を創ったりもしていました。結局好きだったんですよね」ドラマ制作に携わるいま、NHKという公共放送のプロデューサーであることは意識しているとも。「みなさまからいただく受信料で制作されているわけですから、創るならば、ちゃんと社会的に意味のあるものをと思っています」そんな上田さんがいまプロデューサーとして携わっているのが、2月より放送開始のドラマ『伝説のお母さん』。RPGの世界に生きる伝説の魔法使い・メイ(前田敦子)が、専業主婦となりワンオペ育児に奮闘するという内容だ。「企画したのは、先輩の男性ディレクターなんです。とにかく忙しいドラマ制作の現場にいて、どちらかといえば仕事人間。その彼が、お母さんたちにとって切実で、共感の詰まった原作を、ドラマにしたいというのが面白いと思ったんです。これが、個人的体験をリアルに描いた作品だったとしたら、きっと彼は興味を持たなかった気がするんです。ファンタジーの世界を通すことで届くものがあるということですよね。子育て世代のお母さん方に見ていただきたいのはもちろんですが、子育てなさってない方たちにも見ていただけたらと思っています」うえだ・あきこNHK制作局第4制作ユニット(ドラマ)プロデューサーNHK甲府放送局在籍時にオーディオドラマ『祖父と手紙と僕と』の演出を手がける。その後、東京に移り現在の部署へ。連続テレビ小説『まれ』、大河ドラマ『真田丸』助監督、ドラマ10『この声をきみに』などで演出を務める。2月1日放送開始のよるドラ『伝説のお母さん』よりプロデューサーに。※『anan』2020年1月15日号より。写真・土佐麻理子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月13日最近、海外文学で話題に上ることが多い、ジェンダーというテーマ。『anan』の「Book」ページでいつも魅力的な本を紹介してくれる瀧井朝世さんと三浦天紗子さんが現代のジェンダーについて気づきを与えてくれる作品をガイド!違和感の言語化が知りたいという思いに。三浦:ここ2~3年、ジェンダーやフェミニズムという切り口が注目されるようになりましたよね。瀧井:確かにそうだけど、海外文学でそういう作品が急に増えたというより、日本で紹介される機会が増えてきた印象です。三浦:むしろそっちですね。瀧井:MeToo運動が日本でも浸透したのが大きいと思います。韓国では、女性を無差別に狙った江南(カンナム)駅殺人事件が2016年にありましたよね。それを機に韓国の女性たちが立ち上がり、一大ムーブメントのなかで生まれたのが、『82年生まれ、キム・ジヨン』。韓国の女の人が、家族のなかでさえもこんなに虐げられているのかと愕然としました。三浦:優秀でも、夫の実家に行くと嫁としてしか扱われない感じとか、かなり露骨でしたね。瀧井:受験や就活での差別もそうだけど、日本人が身近に感じられる問題が多くて、女性の人生カタログになってるんですよね。三浦:著者は、放送作家として社会派番組を長年担当してきた人。取材してきたことを淡々と出しているような文体だから、読者は自分を投影しやすかったのかも。同じ韓国の『娘について』は女性問題全般の話で、60代のお母さんが語り手なんです。娘は大学院を卒業したのに、仕事が不安定。介護職に就いている母は、グローバルな活動家だった認知症の高齢女性を世話しているんですけど、周囲は雑に扱うのを見て、女性としての行く末にものすごく危機感を抱くんです。作者は1983年生まれなので、普通は娘視点で書くのではないかと思いますよね。ところが、母視点で書いているのが実に新鮮です。女が母や祖母の世代から受けてきたいろんな迫害が、彼女のなかにも染み込んでいるんだなと感じました。瀧井:たとえばセクハラとかマウンティングって言葉がなかった頃は、もやもやしてもうまく言えなかったし、ひと昔前はストーカーの被害に遭っても「そんなに愛されてよかったね」で片付けられていた。そういう現象が言葉にされることによって、理不尽に思っていいのだと気づき、もっと積極的に知りたいっていうのが、今の流れなのかもしれませんね。三浦:ジェンダー小説と銘打っていなくても、男女間の問題を描いた作品は日本にも以前からありますよね。柚木麻子さんや山内マリコさんなどの小説はまさにそう。瀧井:村田沙耶香さんや松田青子さんも、ジェンダー問題にとても敏感です。『問題だらけの女性たち』は、松田さんが海外の書店で見つけて自ら翻訳した絵本なのですが、19世紀の女性たちがどう見られていたか、皮肉たっぷりに書いています。たとえば女性の脳はスポンジみたいな素材だったとかビックリな内容で、しかも錚々たる偉人男性が女性差別的な発言をしているんです。だけどそれを切々と訴えるのではなく、ユーモラスにかわいらしく表現しているところに、しなやかさを感じます。意識のアップデートが新しい世界を広げる。瀧井:世界中にある同じような問題を知るという意味で、最近の注目作は『三つ編み』です。インドとイタリアとカナダの3人の女性の物語なのですが、途中で読むのがつらくなるくらい過酷で…。三浦:イタリアの女性は家業で人毛のカツラを作っていて、カナダの女性は弁護士で、がんになって髪を失ってしまう。インドの女性は不可触民で財産がないから、自分の髪しか神様に奉納できるものがない。3人の人生が女性の象徴である髪で結び合わされていくのがよかった。職場でパワハラに遭うカナダの女性が、日本人の境遇と一番近いかもしれない。個人的にはカナダってフェアネスが浸透している国という印象が強かったので、この描かれ方は意外でした。瀧井:欧米の国々はもっと平等という意識が強いと思いがちだけど、小説や映画を通して改めて気づくことって結構ありますよね。三浦:『ノーラ・ウェブスター』は、’70年代のアイルランドが舞台。夫に先立たれて復職するしかない専業主婦が、何も期待されていない社会の空気のなかで自覚的に生きることを目指すわけです。ジェンダー小説っていうのは結局、女性が自己選択していく小説なのかなと思いました。要は女性を取り巻く社会の差別や偏見って、濃いか薄いかの違いはあるけれども、いつの時代も世界中に存在する。そのなかで主人公たちが何を選び、どうやって生きるのかを決意する小説だといえるのかも。瀧井:ジェンダーを扱った作品はたくさんあるから、カテゴライズすることがはたしてよいのかって思いも正直あります。普及していくためのアプローチも大事だろうし。そういう意味でいいなと思ったのが、『サイモンvs人類平等化計画』。ゲイの男の子がカミングアウトするか悩むYA文学なのですが、10代の子が読むものとしてこういう小説が翻訳されるのは、とてもいいこと。もちろん、大人が読んでも面白いですよ。三浦:今、ジェンダー小説というムーブメントがあるというより、連綿と書かれてきた歴史はあって、むしろ受け取る側の意識が変わってきたことで花開いたことが、実は一番大きいのかもしれない。瀧井:本はいつの時代に、どう読まれるかで変わってくるものだから。読む側も意識をアップデートしていくことが大切ですよね。『82年生まれ、キム・ジヨン』著:チョ・ナムジュ訳:斎藤真理子1500円(筑摩書房)ある日突然、母親や友人の人格が憑依したかのように話し始めたキム・ジヨン。なぜ彼女にそんな症状が現れたのか。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…その人生を振り返るなかで、読者は女性の人生に立ちはだかる困難や差別を目の当たりにする。圧倒的な共感と反発が、今日のジェンダー観を浮き彫りにした問題作。『問題だらけの女性たち』著:ジャッキー・フレミング訳:松田青子1200円(河出書房新社)女性の脳は男性より小さい、深く考える女性の生殖器はダメになる…。19世紀ヴィクトリア朝の“トンデモ女性観”を、イギリスらしい皮肉とユーモアで綴った絵本。ルソー、ダーウィン、ピカソ、クーベルタンなど偉人が続々登場するのも二重の驚き。「問題」が暴かれるほど、不思議と女性がたくましくスマートに見えてくる。『三つ編み』著:レティシア・コロンバニ訳:齋藤可津子1600円(早川書房)インド、イタリア、カナダ。3つの国で生きる年齢も境遇も異なる女性が、自らの運命と戦う物語。因習が根強く残る場所にも、一見男女平等と思える場所にも存在する差別に打ちのめされるが、それでも前を向く女性たちに拍手を送りたくなる。フランス本国で100万部を突破し、著者自身の脚本・監督による映画化も進んでいる。『ノーラ・ウェブスター』著:コルム・トビーン訳:栩木伸明2400円(新潮クレスト・ブックス)46歳にして夫に先立たれた専業主婦ノーラが、子どもたちを育てるために20年ぶりに事務員として復職。同僚から嫌がらせを受け、子どもたちとぶつかり合いながらも、自分の足で人生を歩くことの喜びを知る3年間を描く。『ブルックリン』でも知られるアイルランドを代表する作家が、自身の母の姿を投影した自伝的小説。『サイモンvs人類平等化計画』著:ベッキー・アルバータリ訳:三辺律子1800円(STAMP BOOKS)サイモンはアメリカに暮らすゲイの高校生。同級生にゲイであることがバレてしまい、周囲にカミングアウトするべきか、なぜゲイだけがわざわざカミングアウトしなければいけないのか思い悩む。ネットで知り合った「ブルー」との進展も気になる、青春&恋愛小説。『Love, サイモン 17歳の告白』として映画化されている。『娘について』著:キム・ヘジン訳:古川綾子1900円(となりの国のものがたり/亜紀書房)夫と死別し、老人介護施設で働く母の家に、30代半ばの娘が同性のパートナーと転がり込んでくる。娘がレズビアンであることを受け入れがたい母、ありのままの自分を認めてほしい娘。ぎくしゃくした共同生活に起こる、いくつかの事件と変化。LGBT、母娘の関係、女性と仕事、老い、貧困などさまざまなテーマを内包している。たきい・あさよライター。著書に『偏愛読書トライアングル』など。辻村深月×今日マチ子、桜庭一樹×嶽まいこなど注目のコンビが続く「恋の絵本」シリーズの編集も担当。みうら・あさこライター、ブックカウンセラー。書評、インタビューを担当するほか、女性の健康などをテーマに執筆。著書に『震災離婚』『そろそろ産まなきゃ』など。※『anan』2019年7月10日号より。写真・中島慶子取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年07月06日