「いちばんつらかったのは、ジャニーズの生のコンサートがなくなってしまったとき。ジャニヲタにとって、コンサートはその日だけ楽しいのではなく、チケット当落、座席確定、“遠征”(=自分の住んでいる以外の地域のコンサートに行くこと)ならその準備、コンサートの余韻、と1年単位で気持ちが持続する大切なイベントなのに……」(20代会社員ジャニヲタ)あらゆることが激変した2020年。そしてそれは、ジャニヲタ(=ジャニーズタレントのオタク、ファン)たちにも多大なる影響を及ぼしたーー。生きがいともいえるコンサートは配信になり、なかには“推し”(=自分が応援するタレント)が新型コロナウイルスに感染して悲鳴をあげることになったケースも。一方で、けなげに現状のプラス面を見ようとするヲタもいて……。大人のジャニヲタたちからコロナ禍の悲喜こもごもの声を集めた!■「自分磨きをしなくなった……」「ヲタにとってコンサートはデートですから!これまでは“推し”に会場で会えるから、コンサート前に美容院に行ったり新しい服を買ったりしたんですけど……」(30代パートジャニヲタ)コンサートが無観客配信ばかりとなってしまった現状ではおしゃれもやる気が起きないのだという。「友達と配信やDVDの鑑賞会をする機会もありますが、そのためだけにはキレイになろうとは思わないんですよね」(20代会社員ジャニヲタ)■「グッズを買わなくなりました」「ジャニショ(=ジャニーズショップ)のオンラインショッピングがあるけれど、店先で友達とキャッキャ言いながら買うのが楽しかったので。ネットで見ていると“やっぱ、いらないかも…”と我に返ってしまう」(20代会社員ジャニヲタ)こんなグッズにまつわる声も上がった。ただ、活動休止直前の嵐のコンサートグッズは別物だそうで……。「とうぶん嵐のグッズを買う機会もなくなるのかと思うと、ついつい余計に買っていしまっています。いつもは買わないようなアイテムまで買ってしまいました……」(50代主婦ジャニヲタ)。■「ジャニーズ以外の“現場”に力を入れるように」“現場”(=生のコンサートや舞台など)にこだわりがあるヲタたちのなかには、ジャニーズのコンサートに行けない現状に耐えかねて他ジャンルに手を出し始めてしまった人もいるようだ。「好きな俳優さんがいるので、そちらの舞台やミュージカル、映画の舞台挨拶に力とお金を注ぎました」(20代会社員ジャニヲタ)■「配信で“担降り”してしまいました」コンサート会場を訪れることができないと嘆くヲタがいる一方で、配信コンサートになったメリットもあったようだ。これまでのコンサートの場合、チケットの当落に一喜一憂していたヲタたちだが、配信コンサートは当落がなく、申し込めば見られる。また、チケットの価格も比較的安く、ヲタ自身の暇な時間も増えたので、自分の“推し”以外のグループも見るようになったという声が。「配信でいろいろなコンサートが見られるから他担同士で鑑賞会をして楽んでいます。遠出がしにくくなったので、遠くの“同担”より近くの“他担”と遊ぶようになってその影響を受け始めたというのもあるかも」(20代会社員ジャニヲタ)さらに発展して、こんなな現象も起きているとか……。「Jr.はYouTubeでの無料動画配信も多かったので、周囲でJr.に“担降り”(=今まで応援したタレントのファンをやめ、別のタレントのファンになること)するヲタが複数いましたね」(20代会社員ジャニヲタ)「今までは時間がなくて見てこなかったけれど配信で見てみたら、自担にない輝きをJr.に見つけてしまった。いままでは某デビュー組のファンでしたが、なにわ男子に落ちてしまいました……」(30代会社員ジャニヲタ)■「会えない時間に自担への愛が深まりました」担降りするヲタがいる一方、こんなけなげな声も聞こえてきた。「ステイホーム期間に積ん読になっていた雑誌やグッズ、DVDの整理をしたんです。昔のインタビューを改めて見返したり、録画していた音楽番組を見たりして“よくここまで売れたな〜”と感慨にふける時間が増えましたね」(40代主婦ジャニヲタ)■「ジャニーズのダンスで運動不足を解消してます」コロナ禍の自粛生活で問題になった運動不足だが、強者ジャニヲタはこんな解消の仕方を。「配信やテレビを見て担当外のグループの体操やダンスを積極的に覚えました。コンサート会場じゃなく、自宅だから一目を気にせず思いっきり踊れるんですよね」(50代主婦ジャニヲタ)■「配信に備えて機器に強くなった」録画機器、SNSなど、最新のツールを使いこなして、ヲタ活を謳歌するのは、昔から変わらぬジャニヲタあるある。「配信をよりよい環境で見るために、HDMIケーブルでパソコンとテレビをつないて大画面で楽めるようにしたり、音響を整えたりしました。ネット環境も見直しましたね。今までそこまで興味がなかったんですが」(30代パートジャニヲタ)あるジャニヲタが、こんなことをぽつりと言っていた。「お金を使う機会が減っているはずなのに、お金がどこかに消えているんですよね……」。時代が変わっても、ジャニヲタたちは、なんだかんだでお金を使って日本経済を回しているようだ。ジャニヲタたちよ、ニュー“ヲタ活”を楽しんで!
2020年12月25日青春出版社は5月12日、青春文庫の最新刊『ジャニヲタあるある+(プラス)』(みきーる 著/二平瑞樹 漫画/税別690円)を発売する。○ジャニヲタ事件簿と用語集を追加同書は、2012年にアスペクトから刊行された単行本を、文庫化にあたって加筆・修正し、新規コンテンツを加えて再編集したもの。巻頭付録「めざせ! 自担と結婚!!! ジャニヲタ人生すごろく」のほか、内容は「思わずうなずく! ジャニヲタあるあるベスト50」「苦労もするケドおもしろい! "ジャニヲタのまわりの人"座談会」「会場で目撃! 老若男女ジャニヲタ図鑑」「コンサートから日常まで! シーン別あるある」「自担からファンサをもらおう! ジャニヲタのための"モテしぐさ"」(特別寄稿 印象評論家・重太みゆき)。さらに書き下ろしで、単行本発売以降の3年間にジャニヲタ界で起こった出来事を短歌や川柳にした「悩ましきもの、それはジャニ 詠む! ジャニヲタ事件簿」、"ゼロズレ""担降り""無所"などの難解用語を解説する「ジャニヲタ用語集(現場編/応援スタンス編/Jr.編など)」が収録されている。
2015年04月24日