東京・帝国劇場の開場101年目が元日より『新春滝沢革命』で華やかに開幕。1月3日、同劇場にて座長の滝沢秀明が、弟役の中山優馬(NYC)と共に記者発表を行った。この日の開演中、舞台機構にトラブルがあり、安全確認のため12分間の中断を余儀なくされたが、無事再開。カーテンコールでは滝沢が観客に向けて、中断の理由と謝罪の挨拶を。中山は、ハプニング時の滝沢に対し、「やはり頼りになります。どうしたらいいかとみんなが滝沢くんのことを見ていたと思います」と、滝沢座長の、その存在の頼もしさを述べた。『新春滝沢革命』チケット情報物語は、紀伊国熊野が舞台。紀伊を治める長老(錦織一清)一族は、海の王妃(紫吹淳)との争いに敗れ、紀伊の海を奪われる。しかし時は経ち、成長した長老の息子ヒデアキ(滝沢)は弟ユウマ(中山)をはじめとする仲間を率いて、奪われた海を取り戻すべく王妃軍に立ち向かう。ステージ上には巨大な船や白鯨が登場し、フライング、殺陣、ダンスで力強く進むスペクタルアドベンチャー。今回新たに、その登場人物の心情、物語の世界観を音とダンスで表現するシーンが追加された。滝沢自身が作曲した15分強に及ぶ組曲で、静寂、激動、再会、逃避、情熱の5要素をドラマティックに展開している。『新春滝沢革命』と言えば、初演より年々スケールアップしている水の演出にも目を奪われる。ウォーターピクチャーは水で絵や文字を描き、水のスクリーンのように幻想的。物語終盤の大決戦シーンに登場する本物の滝は、時折鉄砲水のようにも暴れ出し、スペクタルそのもの。今年は帝劇地下のプールから水を吸い上げるホースが倍増、プール自体も1台増設し、毎分30トンの放水量が実現。日本演劇史上最大級の水の演出となっている。滝沢は「僕から“今回は(水量を)もっとすごいことにしたい”とスタッフにお願いしたら、じゃあやってやる、と(笑)。ホントに水の量が去年とは全然違いますし、滝の角度とかいろんなことを計算して作ってくれました。すごいですよ!これは帝国劇場でしかできないこと。やってて気持ちいいですね」と話していた。「ギネス世界記録2012年度版」にて、“最も多くのSHOWをプロデュースした人物”に輝いたジャニー喜多川が、受賞後初めて世に放ったこの作品。公演は1月29日(日)まで。チケットは発売中。(文・堀江純子)
2012年01月04日巨大な舞台セットや瞬時にして収容される大奈落、専用の照明・吊り物用バトン、そして客席天井まで張り巡らされたフライング設備。それまでの常識を根底から覆す舞台機構を配備し、帝国劇場が『MILLENNIUM SHOCK』を上演したのが2000年のこと。それから11年、座長・堂本光一が率いる『SHOCK』シリーズは毎年公演を重ね、今年3月10日までに799公演147万人の動員数を記録。いまや世界中から観客を迎えるようになった本シリーズが来年1月に博多座、続いて2月から4月まで帝劇にて、連続4か月公演を行うことが決定した。10月26日、都内のホテルで行われた製作発表には、堂本光一のほかキャストの植草克秀、内博貴、ヒロインを務める神田沙也加が出席した。神田沙也加のほかの画像まずは東宝株式会社島谷能成代表取締役社長から、「初演から10年が経ち、構成・演出のジャニー喜多川さんからそろそろ外に出て行ってもいいんじゃないかという話が出て」、東京から一番遠い劇場をと博多座に決めた経緯を。その言葉を受け、博多座芦塚日出美代表取締役社長も「博多では若い人たちはもちろん、私たちの年代もこの公演を待ちに待っています。舞台機構も新たに準備し、万全の状態でお迎えしたい」と意気込みを語った。座長である堂本からは開口一番、「3月11日の東日本大震災により1幕でストップしたあの日から、僕たちの中では登場人物がそのまま止まっています。その続きを、博多座という素晴らしい劇場で再開できるのが嬉しい」という率直な心情が伝えられた。その言葉をうなずきながら聞いていた植草と内。「この作品に出るようになって、勉強になると同時に年齢を重ねるなかで勇気をもらっています」(植草)、「昨年7月に初参加した時は体験したことがない舞台に戸惑いました。でも公演を経た今では自分になかった部分が成長できたと思っています」(内)と、それぞれの胸中を。初参加となる神田も「帝劇内の稽古場から帰るときなど『SHOCK』を観終わったお客様と一緒になることがあるんですが、皆さん本当にキラキラした笑顔で。そんな素晴らしい作品に参加できて光栄です」と興奮気味に話した。フォトコールの前には、芦塚社長から500人分25㎏の明太子が贈られる粋なサプライズも。大喜びの神田らを前に、その一部が入った桶を持ち上げ「すごい!でもめっちゃ重い…」と嬉しそうな笑顔を見せた堂本。11月にはマイケル・ジャクソンの振付も担当したトラビス・ペイン氏のレッスンと本作の振付を受けにロスに向かうなど気合い充分。その全貌が明らかになる本番を、今から楽しみに待ちたい。公演は2012年1月7日(土)から31日(火)まで福岡・博多座で上演後、2月7日(火)から4月30日(月)に東京・帝国劇場にて公演。取材・文佐藤さくら
2011年10月27日