トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』が、北米で予想を上回る大ヒットデビューを果たした。公開初週末の成績は約9,400万ドルで、10月公開作品としては『ヴェノム』を抜いて史上最高記録。R指定のため、17歳以下の観客は全体の8%にとどまっている。観客評価はBプラスだった。北米外でも大好調で、全世界興収はすでに2億3,400万ドルに達している。海外での成績トップは、韓国、イギリス、メキシコの順。北米2位はアニメ映画『Adominable』、3位は『Downton Abbey』、4位は『Hustlers』、5位は『IT/イット THE END “それ“が見えたら、終わり。』だった。文=猿渡由紀『ジョーカー』全国公開中
2019年10月07日ホアキン・フェニックスがDCコミックの人気ヴィラン・ジョーカーに演じ、第76回ヴェネツィア国際映画祭でアメコミ作品として初の金獅子賞を獲得した話題作『ジョーカー』(公開中)。本作を手掛けたトッド・フィリップス監督によるビデオ通話会見が先日都内で開催された。コメディアンを夢見る心優しい青年アーサーが、次第に追い詰められていき、やがて悪のカリスマ、ジョーカーへと変貌していく様を、原作にはないオリジナルストーリーで描く。爆笑コメディ「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス監督がメガホンをとり、同作でも組んだブラッドリー・クーパーが製作を務めている。――ホアキンの鬼気迫るすさまじい演技におののきましたが、彼を演出してみていかがでしたか?ホアキンはあの世代では最も優れた俳優だといつも思っていたけれど、驚きの連続だった。ちょっと言葉では言い表せないけど、彼の演技を目の当たりにすればわかるかもしれない。すごすぎて、見ている方は、口をポカンと開けてしまうような状態になる。思わずカメラのオペレーターに向かって「いまの見ていた? 信じられない!」と言ってしまったよ。――ホアキンとロバート・デ・ニーロという名優2人の共演シーンにもうなりました。僕もホアキンも、デ・ニーロを崇拝しているから、撮影の現場ではなく、彼のオフィスで初めて会った時は、とても緊張したんだ。彼と一緒に映画が作れるなんて、夢みたいだった。2人の俳優の間に座っていた僕にとって、あの日はすばらしい一日だった。でも、実際に共演シーンを撮影した時は、すでにホアキンはジョーカーとして自分の世界に入り込んでいたから、まったく問題はなかったよ。――時代設定を70年代後半~80年代初期に設定した主な理由について聞かせてください。今までの映画で観てきたジョーカーと今回のジョーカーが共存することは避けたかったので、意図的にそうしたんだ。また、『タクシードライバー』(76)や『狼たちの午後』(75)『キング・オブ・コメディ』(83)のような時代に起こった出来事として作りたかったよ。――これまでたくさんのDCコミックスを映画化した人気作品がありますが、本作はどういう位置づけの作品になりましたか?DCという大きなユニバースから切り離し、独立した作品にしたかった。ジョーカー役は過去にすばらしい俳優が演じているし、すばらしいコミックも描かれ、テレビ番組にもなっている。そこを描くのは、チャレンジでもあり、怖い気持ちもあったが、だからこそホアキンと私は、可能な限り現実というフィルターを通して、自分たちのバージョンを作ろうとしたよ。――『バットマン』の生誕を祝う9月21日の「バットマンの日」には、DCエンターテイメント 共同発行人でアーティストのジム・リーが来日し、日本でもバットマン80周年の式典が。ジム・リーが、アニバーサリーの式典に来るというのは面白い。彼とはメールでのやりとりしかしていないが、「映画がとても良かった」と言ってくれた。一般的に知られているジョーカーから全てが逸脱していたにも関わらず「この映画の独特なスタイルが特に気に入った」と言ってくれた。――監督は「ハングオーバー」シリーズなど、コメディ監督としての印象が強いのですが、ジョーカーがコメディアン志望だったという点も印象深いです。監督が今回、描きたかったこととは?この映画で表現しようとしたことは、ホアキンの台詞「人生は悲劇だと思ってた。だが、いまわかった、僕の人生は喜劇だ」が物語っている。それは、僕は面白い人たちとコメディ映画を多く作り、コミック作品の仕事もたくさんしてきたなかで、僕自身が受け取った言葉でもあるから、今回そこを探求したいと思った。――「ハングオーバー」シリーズでは主演を、本作ではプロデューサーを務めているブラッドリー・クーパーとは、数多くタッグを組まれてきましたが、彼の存在は大きかったですか?ブラッドリーとは、お互いにフィードバックし合える仲だ。脚本に対しての意見交換もそうだし、そして編集室にも一緒に入る。私にとってブラッドリーは、かけがえのない存在だ。編集室に一日中いてくれたり、何日も通ってきては、メモを書いて渡してくれる。でも、それは彼の監督作『アリー/スター誕生』(18)の制作時に、プロデューサーだった私がしたことと基本的には同じだ。「ハング・オーバー」1作目の撮影からもう12年経つけど、素晴らしいパートナーシップが取れている。僕が最も信頼している親友で、コラボレーターの一人だね。(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DCComics
2019年10月06日コメディアンを夢見るひとりの男が、映画史上最凶の悪役といわれる“ジョーカー”になるまでを描くサスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』。劇場型の犯罪で人を恐怖に陥れる“悪のカリスマ”を描く本作に込められたメッセージについて、主演のホアキン・フェニックスや監督のトッド・フィリップスが明かした。まず、フィリップス監督は「この映画の大きなテーマのひとつは、思いやりの欠如だ」と断言する。解禁済みの予告編に登場する、バスの中で少年を笑わせようとおどけたアーサーが、少年の母親に冷たくあしらわれる切ないシーンについて、監督は「母親が『息子を笑わせてくれてありがとう』と言っていたら、アーサーはものすごく喜んで、踊りながら家に帰っただろうね。アーサーは世の中の苦労を背負っているんだよ」と語り、世間の心ない行為の積み重なりが次第にアーサーを傷つけ、心をむしばんでいくと明かした。フィリップス監督と共に脚本を手がけたスコット・シルバーも、“思いやりの欠如”について「アーサーはもともと人を笑わせ、笑顔にすることだけを考えていたから、ピエロになってコメディアンを目指すんだ。ところが街の空気や環境がアーサーをむしばんでいく。思いやりや共感に欠け、治安が悪化した社会から生まれるのがジョーカーなんだよ」と語る。さらに、ホアキン・フェニックスは「例えば、誰かが道で殴られているのを見たら、その痛みや辛さを想像することができるよね。同じように、映画を観る人が、アーサーに共感してくれたら良いなと思うんだ。感情移入というのは人間の普遍的なことだからね」と語り、アーサーというキャラクターは、観客が思わず共感してしまうような一面も持っていることを明かす。そしてフィリップス監督もまた、「この映画が人々の心に響いて、世界に少しでも温もりが増えるといいなと思うよ」と言う。圧倒的な悪を描く映画でありながら、思いやりや共感する心を持ってほしいという優しくて温かいメッセージが本作には込められている、というのだ。本作は、第76回ヴェネツィア国際映画祭で8分間のスタンディング・オベーションが巻き起こり、最高賞の金獅子賞を受賞。世界三大映画祭でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは初の快挙となり、映画史を大きく塗り替える受賞となった。すでにアカデミー賞最有力といわれている本作の、“衝撃”とその裏にあるメッセージを、劇場で確かめてみてほしい。『ジョーカー』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月05日圧巻という言葉では足りない。オスカー最有力の呼び声高き『ジョーカー』でホアキン・フェニックスは、何かにとりつかれたかのように、最強のヴィランに命を吹き込んだ。あえて言葉にすれば「悪魔的な神々しさ」。撮影中、ホアキンの中に何が宿っていたのだろうか?全く異なるアプローチで“新たなジョーカー”が誕生――アメコミ界きってのヴィランであるジョーカー誕生秘話をオリジナルストーリーで描いた本作。先日発表された第76回ヴェネチア国際映画祭で、最高賞にあたる金獅子賞に輝いた瞬間、あなた自身はどのように感じたのでしょうか?ただただ、僕の期待や想像を超えた出来事だったね。トッド(・フィリップス監督)とはいつも「自分のキャリアを終わらせるような映画は作りたくない」ってジョークで言っているんだけど(笑)、正直『ジョーカー』がこういう形で熱狂的に受け取られるとは思いもしなかった。映画にとってはいいことだけど…、何て言えばいいんだろう?もう「驚きと興奮」という言葉に尽きるね。――ジョーカー役のオファーを受けた際は、どのように思いましたか?即決だったのか、それとも迷いがありましたか?どんなオファーも簡単には引き受けられないが、今回ばかりは、ジョーカーを演じきれる自信がなかったから、大いに迷った。それくらい『ジョーカー』は大きな挑戦なんだ。演じるうえで、映画が示すメッセージ、そして自分自身を深く掘り下げる必要があったし、きっと観客にとってもチャレンジングなものになると思った。新しい何かとの出会い…と言えば、大げさに聞こえるけど、目の前に知らない世界が広がるのは、俳優冥利に尽きるね。映画を見る魅力もそこにあると思うから。そう考えれば、ジョーカーほど最高なキャラクターはいないよ。――ジョーカーは過去に何度も映像化されたキャラクターですよね。ジョーカーといえば、子どもの頃に見た『バットマン』(1989年製作)のジャック・ニコルソンがとても印象に残っているし、『ダークナイト』のヒース・レジャーがすばらしかったのは、言うまでもない。助演だから、決して出演シーンが多いわけじゃないのにね。どちらのジョーカーも、一瞬にして見る者を恐怖させ、同時に魅了したんだ。――そのうえで、改めてジョーカーを演じるあなたが、意識したことは何ですか?だからこそ、僕らはまったく異なるアプローチで、いま一度ジョーカーを掘り下げる必要があったし、それは大きな利点だった。映画そのものを理解することに役立ったからね。アイデアはたくさん持ち寄ったが、「このやり方がジョーカーにはぴったり」というわかりやすい道筋は見えなかった。だから、何かに影響を受けた…というのは、答えるのが難しいな。あっ、そうだ!実は撮影中、ふと「あっ、いまの自分はフランクン・フルターに影響されているな」って思う瞬間があったんだ。そう、『ロッキー・ホラー・ショー』に登場する奇妙な城主のフルター博士さ。子どもの頃から大好きで、いつか演じたいと思っていたほどだから、不思議な感覚に襲われたよ。内面・外面ともに徹底した役作り――映画を見れば、きっと観客はあなたの変ぼうに驚くと思います。具体的には、ずいぶんとお痩せになりましたよね?栄養士と一緒に取り組んだよ。幸運なことに、準備期間はあったから、最初の2ヶ月はカロリーを落としながら、自分でワークアウトした。撮影が始まる2ヶ月前には、栄養士と相談して、特殊なカロリー制限のダイエットに臨んだんだ。正直、とてもきつかった。でも、アーサーは人生に決して満足しておらず、常にもっと何かを渇望している。僕自身も減量を通して、その気持ちは共有できたね。徐々に目標体重に近づき、体つきにも変化が出てくると、筋肉の動きや感じ方にも影響が出てきた。欲望に打ち勝てたという、ある種の満足感で、力が漲ったんだ。そういった過程のすべてが、役作りの大きな要素となったよ。――衣装もジョーカーという人物を物語るうえで、非常に重要なエッセンスだと思います。衣装デザインを手がけるマーク・ブリッジスとは、『ザ・マスター』『インヒアレント・ヴァイス』(ともにポール・トーマス・アンダーソン監督)でもタッグを組んでいますね。彼は史上最高のデザイナーの1人だから、僕から何かを評価するとか、そういうものを超越した存在なんだ。もちろん、仕事ぶりはすばらしいけど、そのプロセスは謎に満ちている。ディテールへのこだわりもすごいよ。ポケットの中のハンカチとかね。そうだ、ジョーカーが着るスーツについては、秘密があるんだ。実は序盤のアーサーと、終盤のジョーカーは同じスーツを着ている。色は違うんだけど、それはマークが撮影中、段階的にスーツを染めてくれたんだ。まさにアーサーが、次第にジョーカーへと変ぼうするみたいにね。注意して見てみると、確かにだんだん赤色が鮮やかになっている。初見では見逃してしまうかもしれない繊細なこだわりだけど、キャラクターや作品全体への貢献は計り知れないよ。24時間ジョーカー「怒りもまた」――例えば「家に帰っても、ジョーカーをひきずってしまう」という弊害はなかったですか?映画を拝見し、本当に役柄に入り込んでいると感じたので、何というか…、心配になってしまって。うーん、どうかな。仮に撮影中、自分自身と演じるキャラクターが“分離”する瞬間があるとすれば、それは満足な演技ができていない証拠かもしれない。両者の距離がゼロになり、焦点がバッチリ重なってこそ、最高の状態だと思うから。僕が何かすれば、そのキャラクターの言動になる…それが理想だね。だから、スタジオに役柄を置いてきたり、家に帰って脱ぎ捨てたりはしないんだ。――24時間ジョーカーだったと?もちろん、自宅ですでに撮影した映像を見直し「じゃあ、明日はこうしよう」と演技プランを組み立てることはある。少し矛盾して聞こえるかな?でも、寝ている時間以外は、映画と演技について常に考え続けているのは確かだね。今回、苦労したことがあるとすれば、スケジュールの都合で順撮りできなかった点だな。「このタイミングで、ジョーカーにはなれないよ!」って、トッドに怒りをぶちまけたこともあった(笑)。でも、その怒りもまたジョーカーを演じるために必要だったのかしれないと、いまは思っているよ。(text:Ryo Uchida)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月04日主演作『ジョーカー』が、第76回ヴェネチア国際映画祭にて最高賞の金獅子賞を獲得。続く第44回トロント国際映画祭では、今年から新設された俳優に対する功労賞「トリビュート・アクター・アワード(TIFF Tribute Actor Award)」をメリル・ストリープとともに初受賞したホアキン・フェニックス。彼が『ジョーカー』で演じたのは、ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーなど名優たちが演じてきた不気味で極悪非道なジョーカー像とは少し異なる。生きづらさを抱えた孤独な男が“悪のカリスマ”ジョーカーへと変貌していく物語を、“独壇場”ともいえる形で演じ切った彼は、いまアカデミー賞に最も近い俳優のひとりだ。3度の同賞ノミネートを誇る壮絶な演技派ホアキンのキャリア史上最高と呼ぶにふさわしい、『ジョーカー』までの道のりをふり返った。転機となった亡き兄リヴァーとの秘話を告白『グラディエーター』で傲慢で嫉妬深いローマ皇帝を怪演し、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』では吹き替えなしで歌やギターを披露、『ザ・マスター』ではカリスマ教祖に見せられる元海兵隊員を演じて、助演と主演で計3度もアカデミー賞にノミネートされたホアキン。1974年10月28日、プエルトリコ生まれ。23歳の若さで急逝した俳優リヴァー・フェニックスを兄に持ち、姉のレイン、妹のサマーも女優として活動していた役者一家。母親は米TV局NBCの職員であり、8歳からホアキンも演技の道へ。1986年、12歳のとき“リーフ・フェニックス”の名義で『スペース・キャンプ』で映画デビュー。キアヌ・リーヴスも出演していたロン・ハワード監督『バックマン家の人々』(’89)で注目を浴びたが、その後活動を休止する。そんな彼が図らずも、再び世間の目を集めることになったのが、1993年の“ハロウィーン”10月31日だった。当時ジョニー・デップが共同所有していたナイトクラブ「ザ・ヴァイパー・ルーム」で兄リヴァーが薬物の過剰摂取により急死、一緒にいたホアキンが救急車を呼んだといわれる。19歳の誕生日の直後の出来事だった。先日、トロントでの「トリビュート・アクター・アワード」授賞式では、ウィレム・デフォーがまだ紹介している最中に登場して笑いを誘っていたが、スピーチでは母親や家族らに対して、とりわけ兄リヴァーについて語った言葉が多くの映画ファンを涙させることになった。それはホアキンが15、16歳ごろのこと。『ジョーカー』でも共演するロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・スコセッシ監督の『レイジング・ブル』(’80)のVHSテープを持って帰宅したリヴァーは、ホアキンに映画を見せ、翌朝起きてからもまた見せたのだという。「お前はもう一度演技をやるんだ。これがお前のやるべきことなんだよ」、そうホアキンに話したことを明かし、リヴァーのおかげで「演技が素晴らしい人生を与えてくれた」ことに涙を浮かべながら感謝を述べていた。ハリウッドで将来を期待されながら亡くなった兄リヴァーへの想いを、ホアキンがこうした場で語るのはおそらく初めてのこと。兄に背中を押されて再び歩んだ俳優人生の過渡期に出会った象徴的なキャラクターに、悩みながらも全身全霊で挑んだ自信をも覗かせていた。名匠、鬼才に愛される演技派へと真っすぐに成長…とは行かず!?1995年になって、兄リヴァーを『マイ・プライベート・アイダホ』に起用していたガス・ヴァン・サント監督のもと、ホアキン・フェニックスとして『誘う女』で俳優復帰。オリバー・ストーン監督の『Uターン』などをへて、ニコラス・ケイジと共演したジョエル・シュマッカー監督作『8mm』(’99)では放送映画批評家協会賞助演男優賞を受賞、2000年にリドリー・スコット監督『グラディエーター』と出会い、M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』『ヴィレッジ』から、新米消防士を演じた『炎のメモリアル』のように若手スター俳優らしい作品や実際の大虐殺を描いた『ホテル・ルワンダ』など話題作に次々と出演した。だが、2008年10月、突如ホアキンは俳優業を引退してラッパーになると宣言!激太りに伸ばしっぱなしのヒゲと髪、相次ぐ奇行などで大騒ぎとなったが、実はそれはすべて前代未聞の壮大なドッキリ、ケイシー・アフレック(妹サマーの当時の夫)が監督したモキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』のために仕組まれたものだった。約2年間、「ヤラセではないか」と言われながらも、実際に俳優のオファーをすべてキャンセルし、私財を投げ打って“ラッパーになりたいホアキン・フェニックス”を演じ切ったホアキン。しかし、すべてフェイクだったという事の顛末にはマスコミや同業者、ファンまでが激おこに…。結果的に干されることになってしまった。それでも2012年、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ザ・マスター』にて完全復活。体重を絞って臨んだ彼の演技も高く評価され、第69回ヴェネチア国際映画祭では“教祖”役のフィリップ・シーモア・ホフマンと男優賞を分け合い、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされることになった。アンダーソン監督とはその後、『インヒアレント・ヴァイス』(’14)でも再タッグを組んでいる。ニコール・キッドマンに愛されたかっただけなのに…『誘う女』(1995)もしも現在なら、SNSで話題騒然となっていただろうイケメンぶりを見せる、“ホアキン・フェニックス”が世に知られることになったガス・ヴァン・サント監督作。“TVに映らなければ生きている意味がない”という自意識過剰で自己中心的な、お天気キャスターのスーザン・マレットに、ある目的のために利用される高校生のジェームズを演じた。とてつもない野心と腹黒さを持った大人の女性にセックスによって翻弄されていく、若きホアキンの熱演は必見。ラッセル・クロウが憎くてたまらない皇帝に…『グラディエーター』(2000)古代ローマ帝国を舞台にしたリドリー・スコット監督による超大作。父である皇帝から信頼の厚い騎士マキシマス(ラッセル・クロウ)に激しい嫉妬の炎を燃やし、彼を陥れ、父を暗殺して皇帝の座についたコモドゥスを演じた。ヴィラン的な役回りながら、どこか寂しげでセクシーなのがさらに罪深い。半裸で勇ましく剣を振るうシーンもあり、24キロも減量したというジョーカーとの体格差を比べてみてほしい。兄への想いが重なる…『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)1950年代にプレスリーらと共に人気を博した伝説的カントリー・ミュージシャン、ジョニー・キャッシュを、同じくシンガーのジューン・カーターを演じたリース・ウィザースプーンとともに、歌もギターも吹き替えなしで演じ切った。父親との確執と、音楽を教えてくれた兄の死に責任と痛みを感じているジョニーの姿が、ついホアキンと重なってしまう。ゴールデン・グローブ賞に加えて、グラミー賞も受賞した。警察一家の爪弾き者に…『アンダーカヴァー』(2007)『アド・アストラ』のジェームズ・グレイ監督とは『裏切り者』(’00)、本作『アンダーカヴァー』、『エヴァの告白』(’13)など4作品で組んでいる。マーク・ウォールバーグとともに製作総指揮にも名を連ね、マークが警察一家の優秀な兄、ホアキンがそんな兄にコンプレックスを抱えて夜の世界で働く弟を演じた。タイトルは「潜入捜査」の意味だが、むしろ家族愛と正義という名の復讐の物語。1988年のニューヨーク・ブルックリンが舞台で『ジョーカー』の世界と近しい空気感がある。ホアキンの繊細な演技はもちろん、エヴァ・メンデス(現在はライアン・ゴズリング夫人)とのラブシーンにも注目。ルーニーに振られ、スカヨハのAIに恋…『her/世界でひとつの彼女』(2013)ホアキン演じる主人公セオドアが、自身に最適化された最新AI型OS“サマンサ”を利用するうちに恋に落ちてしまう設定と、その声の主をスカーレット・ヨハンソンが演じたことで話題に。スパイク・ジョーンズ監督が自ら手がけた脚本はアカデミー賞に輝いた。婚約者のルーニー・マーラとの初共演作だが、演じたのは離婚調停中の妻…。彼女への想いを引きずりながら、AIに恋していく孤独な男をとてもナチュラルに演じたホアキンがキュート。肉体からキャラクターを表現する…『ビューティフル・デイ』(2017)『少年は残酷な弓を射る』のリン・ラムジー監督のもとトラウマを抱えた退役軍人の殺し屋を演じ、第70回カンヌ国際映画祭男優賞に選ばれ、ラムジーも脚本賞を受賞した。その男は行方不明の少女たちを捜し出し、ハンマーを手に関係者はすべて消すのが仕事。だが、時折フラッシュバックで戦地での壮絶な体験や、幼児期の記憶が…。年老いた母の世話をしながらのつつましい暮らしや、全身傷だらけで筋肉のたるみ方がリアルな肉体が表現する人物像は『ジョーカー』を思わせる(体格は全く違うけど)。2019年は公開作続々の“ホアキンYear”ガス・ヴァン・サント監督最新作で、ルーニーとの共演作『ドント・ウォーリー』(順次公開中)では車いすの風刺漫画家ジョン・キャラハンに。自暴自棄になっても、周囲の人々の優しさと風刺漫画によって前向きになることができたキャラハン。辛辣なユーモアで知られたキャラハンだが、コメディアンを夢見る『ジョーカー』のアーサーはいかに!?同じくルーニー共演『マグダラのマリア』(配信中)は、長らく罪人扱いだったマグダラのマリアをイエス・キリストの使徒のひとり、そして復活の証人として初めて描いた作品。マリアをルーニー、イエスをホアキンが演じて恋に落ちてしまったのだから、これはもう運命というほかない。さらに『ゴールデン・リバー』(順次公開中)では、ジョン・C・ライリーと悪名高いシスターズ兄弟に。粗暴でありながら、どこか間の抜けたところもある人間くさい殺し屋役は真骨頂だ。フランスのジャック・オーディアール監督による西部劇は、本流の西部劇とはひと味違うところも魅力。そして『ジョーカー』が、10月4日(金)に日米同時公開を迎える。アメコミ史上最も有名で凶悪なヴィランの誕生物語で、ホアキンは一体どんな衝撃を与えてくれるのか。ただ、本作ではバットマンとの宿命は匂わされているものの、アメコミ作品であることをあまり感じさせない点が特徴的。あくまでも社会から爪弾きにされた、“笑顔でいる”ことしかできない、愛を求める男の凋落人生と考えれば、ホアキンにとって最高のハマり役といえるのだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月01日孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”へと変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描いた『ジョーカー』。この度、超豪華キャスト陣が集結したUSプレミアが、現地時間9月28日(土)にロサンゼルスのTCLチャイニーズ・シアターにて華々しく開催。アーサー/ジョーカー役ホアキン・フェニックスや、アーサーが秘かな好意を抱くソフィー役のザジー・ビーツ、アーサーの母親役のベテラン女優フランセス・コンロイ、監督・製作・共同脚本を務めたトッド・フィリップスらが集結した。初めて、衝撃のジョーカー誕生の理由が語られる本作。第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門にて金獅子賞を受賞し、第44回トロント国際映画祭ガラ・プレミア部門に選出され絶賛と注目を浴びている中、プレミア会場には、ジョーカーのイメージカラーである緑色のカーペットが敷かれ、その周辺には開演前から大勢のファンが集まり、道の反対側にもファンたちで溢れかえった。そんな会場に主演のホアキン・フェニックスが登場すると会場のボルテージは最高潮に。そして、声援と拍手で迎えられたキャスト&スタッフたちは一人一人、サインや写真撮影に応じた。クリスチャン・ベイルからコメントも「ジョーカーを演じるのは、とても勇気がいること」ハリウッドで初お披露目となるこのプレミアには、69か国でNo.1を獲得した『アクアマン』のジェイソン・モモアが祝福に駆け付ける姿も。また、本プレミアには足を運べなかったが、『ダークナイト』でバットマンを演じたクリスチャン・ベイルからは「僕は、ヒース(・レジャー)と一緒に仕事をしましたが、彼の後にジョーカーを演じるのは、とても勇気がいることだと思う。でも、ホアキンは最高の俳優です。だから、『ジョーカー』を僕は絶対に観たいんです!」とのコメントが。ジョーカーを演じアカデミー賞を受賞した故ヒース・レジャーと共演した彼が、本作でのホアキンの演技に期待を寄せた。そして先行して鑑賞した、数々のヒーローやヴィランを描いてきたコミックアーティストの巨匠ジム・リーは、「『ジョーカー』は、激しく、生々しく、魂のこもった作品です。ホアキン・フェニックスの魅力的かつ心をかき乱す演技は、我々の愛すべきヴィランについて、深く完全な洞察を与えてくれました。間違いなく、長年のDCファンは、このつらく苦しい教訓の物語がもたらす多くの事実と疑問をひも解くため、長い時間を費やすことになるでしょう」と、フィリップスのオリジナル脚本での解釈、そしてベイルに同意するかのようにホアキンの演技を絶賛した。この日は、プレスのレッドカーペットでのインタビューはなかったものの、プレミア前に実施されたインタビューでホアキンは、「とにかく映画を成功させたいという気持ちで精一杯でした。僕にとって『ジョーカー』は特別な映画だ。僕は、多くの人が楽しめる映画が好きだ。この作品は、観客の期待に応えられるものになっていると思うよ」とコメント。「だから、日本にもプロモーションで行きたかったよ」と日本のファンへの思いも語っていた。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月30日9月28日(土)今夜のフジテレビ系「土曜プレミアム」枠では、映画『ジョーカー』の公開を記念して、故ヒース・レジャーがジョーカーを演じてアカデミー賞助演男優賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ『ダークナイト』を放送する。今年で誕生80周年を迎える人気コミック「バットマン」シリーズ。幾度となくドラマ、映画化されてきた本シリーズを『ターミネーター4』『エクソダス:神と王』のクリスチャン・ベイル主演、『インセプション』『インターステラー』などのクリストファー・ノーラン監督によって新たに映像化、2005年に公開された『バットマン ビギンズ』に続くシリーズ第2作となるのがこの『ダークナイト』だ。ゴッサム・シティーに究極の悪が舞い降り、犯罪こそが最高のジョークだと不敵に笑うジョーカー(ヒース・レジャー)は今日も銀行強盗の一味に紛れ込み、彼らを皆殺しにして大金を奪った。バットマン(クリスチャン・ベール)はジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)と協力、マフィアのマネー・ロンダリング銀行の摘発に成功。正義感に溢れる新任の地方検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)もバットマンを支持、犯罪撲滅を誓う。資金を絶たれ悩むマフィアのボスたちの会合に現れたジョーカーは、バットマンを殺す条件としてマフィアの全資産の半分を求めるが、ジョーカーの真の目的は金ではなく、ムカつく正義とやらを叩き潰し、高潔な人間を堕落させ、世界が破滅していく様を特等席で楽しむこと。そしてジョーカーが仕掛ける生き残りゲームがついに始まる――という物語。本作でバットマン“最悪の敵”ジョーカーを演じるのは、『パトリオット』『ブロークバック・マウンテン』などのヒース・レジャー。圧倒的な役作りで新たなジョーカー像を作り上げ、ノーラン監督に「とてつもなく素晴らしい、観る者を圧倒する演技」と言わしめたヒース。本作の完成を待たず逝去した彼の圧巻の演技をお見逃しなく。ヒースやジャック・ニコルソンなどの名優たちが演じてきたジョーカーにフォーカス、彼の“誕生の物語”を描く映画『ジョーカー』は10月4日(金)から日米同時公開。『グラディエーター』『ビューティフル・デイ』のホアキン・フェニックスが新たなジョーカーを演じ、第76回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞に輝くなど高く評価された同作にも期待だ。土曜プレミアム『ダークナイト』は9月28日(土)今夜21時~フジテレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:ダークナイト 2008年8月2日、3日先行公開、8月9日より丸の内プラゼールほか全国にて公開TM & © DC Comics© 2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2019年09月28日緑色の髪に白塗りの顔、ニヤリとした笑顔のような真っ赤な口元、甲高い笑い声で人を小馬鹿にするように悪事を働くジョーカー。バットマンの宿敵であり、映画史上最も有名なヴィランのひとりとして圧倒的人気を誇る“悪のカリスマ”は、これまでに演じてきた俳優もジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レトら名優ばかり。そして今年、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーが、新たな“伝説”として映画史に名を刻むことになる。どこかコミカル!ジャック・ニコルソン@『バットマン』(1989)ジャック・ニコルソンが演じたのは、もともとはゴッサム・シティを牛耳るマフィアの幹部ジャック・ネイピアという男。化学工場でバットマンと争った末、煮えたぎる薬品タンクに落下、全身の肌が漂白され、顔面には笑顔が張りついて“ジョーカー”となった。映画はティム・バートン監督ということもあって随所に遊び心も見られ、プリンスが手がけた曲に合わせて軽快にダンスを踊ったり、美術館の絵画を台無しにしたり、何をしでかすか分からない、どこかコミカルで芝居がかったジョーカーの姿が印象的。紫色のケバいスーツにオレンジ色のド派手なシャツなど、原作コミックから抜け出てきたようなビジュアルで、まさしく道化、ピエロという言葉がぴったり。ゴッサム・シティを滅ぼすことを楽しむとともに、バットマンことブルース・ウェインとの“宿命”の対決を目にすることができる。ちなみに今作のバットマンを演じたのは、バートン監督と『ビートルジュース』(’88)でも組んだマイケル・キートン。後年、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(’14)で“かつてスーパーヒーロー映画で一世を風靡した俳優”を演じてアカデミー賞にノミネートされた。さらにハーヴェイ・デント検事を演じているのは、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でスクリーンに帰ってくるビリー・ディー・ウィリアムズ。2017年の『LEGO(R) バットマン ザ・ムービー』ではトゥーフェイスの声を担当している。アカデミー賞を3度受賞、ジャック・ニコルソン製作陣がジョーカー役は彼しかいない、と当初から考えていたという言わずと知れた名優。1937年4月22日、ニュージャージー州生まれ。1969年の『イージー・ライダー』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『カッコーの巣の上で』(’75)、『恋愛小説家』(’97)で同主演男優賞、『愛と追憶の日々』(’83)では同助演男優賞に輝いている。『恋愛小説家』の偏屈者から『ディパーテッド』のマフィアのボスまで多彩に演じ分ける大物俳優がアメコミ原作のヒーロー映画に、しかも悪役で出演したのは異例のこと。次に紹介するノーラン版「ダークナイト」3部作のモーガン・フリーマンとは『最高の人生の見つけ方』(’07)にて共演、また、“新ジョーカー”ホアキンとは物議を醸した問題作『容疑者、ホアキン・フェニックス』(’10)にて本人役で共演している。アカデミー賞ノミネートのドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』のハリウッドリメイク版に乗り気だったが、残念ながら降板したことが伝えられている。混沌の体現者!ヒース・レジャー@『ダークナイト』(2008)長らく定着していた“犯罪界の道化王子”のイメージを、自身もニコルソン版ジョーカーの大ファンだったというヒース・レジャーがよりスタイリッシュに、現代的に再構築した。パンダのような目元や口紅が滲んだメイクに道化っぽさは残るものの、反社会的で倫理観や共感力はゼロ、混沌を生み出し、バットマンさえ意のままにしようとした冷酷無比なジョーカー像は大絶賛された。『バットマン ビギンズ』に続いてメガホンをとったクリストファー・ノーラン監督は、もともとブルース・ウェイン/バットマンの候補のひとりだったヒースの“大胆不敵”な部分に惚れ込んでジョーカー役に抜擢。ヒースは6週間もの間ホテルに閉じこもり、ジョーカーになりきるための日記をつけ、『時計じかけのオレンジ』の主人公や数々の原作コミックなどを参考にしながら、あの独特の話し方や身振り手振りを研究していったという。彼の熱演に支えられた『ダークナイト』は、いまもなお強烈なインパクトを放つ名作として語り継がれている。また、今作はジョーカーの“始まり”(オリジン)については触れられていないことも特徴的。口元の裂けた傷についても、酔った父親が包丁で切り裂いた、妻のために自らカミソリを口に入れた、などと語る度に二転三転しており、素性はまったくの不明、多くの謎を残している。今作をはじめ、「ダークナイト」3部作でブルース・ウェイン/バットマンを演じたのはクリスチャン・ベイル。ゴードン本部長にはゲイリー・オールドマン、執事のアルフレッドにはマイケル・ケインなど、錚々たるキャスト陣も人気となった。撮影終了後に28歳の若さで急逝…ヒース・レジャー今作の撮影終了後の2008年1月22日、ヒースは世界中の絶賛を耳にすることなく、複数の処方薬摂取による急性薬物中毒にて死去。その後、史上2人目となる死後のアカデミー賞受賞を果たした。1979年4月4日生まれ、オーストラリア・パース出身。『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』(’99/未)『パトリオット』(’00)『ROCK YOU![ロック・ユー!]』(’01)などに次々起用され、若手スターとして躍進。アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたアン・リー監督『ブロークバック・マウンテン』(’05)で共演したミシェル・ウィリアムズとの間にもうけた娘・マチルダの後見人を、相手役のジェイク・ギレンホールがつとめていることでも知られる。また、撮影途中だった遺作『Dr.パルナサスの鏡』はジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが“鏡の中の主人公”をそれぞれに演じて代役をつとめ、出演料全額をマチルダに寄贈したという。恋に生きた!? ジャレッド・レト@『スーサイド・スクワッド』(2016)2人の名優が演じてきたジョーカーとはさらに異なる方向性を目指したのが、デヴィッド・エアー監督『スーサイド・スクワッド』のジャレッド・レトだ。白塗りではあるものの顔も全身もタトゥーだらけ、緑の髪は短髪オールバック、口元には銀歯がギラギラと光るビジュアルのインパクトは絶大。マーゴット・ロビーを大スターにしたハーレイ・クインとの危うすぎるラブロマンスも大きな話題となった、狂気とセクシーさが同居するジョーカーだ。ジャレッドもまた相当役をつくり込んだようで、精神科医や重罪犯たちと面会したり、共演者たちにグロテスクな贈り物をしたり…。ときには道で見知らぬ人たちに向かって突然大笑いしてみせ、その反応を観察したこともあったそうで、撮影期間中は現場以外でもジョーカーのキャラに入り込んでいたらしい。だが、こうした壮絶な役作りにもかかわらず、映画では出演シーンが大幅にカット。ウィル・スミス演じるデッドショットをはじめとしたスーサイド・スクワッドの一員といった訳でもなく、ハーレイ・クインの“相手役”のような形となってしまい、出演時間は15分も満たない。さらに、楽しみにしている人も多かっただろうジャレッド主演のジョーカー単独主役映画とジョーカー&ハーレイ・クインのラブストーリーを描く映画は製作中止が伝えられている。今作で宿敵バットマンを演じたのは、ベン・アフレック。なお、マーゴットのハーレイ・クインは、彼女自身が製作する『バーズ・オブ・プレイ』(Birds of Prey:And The Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn/2020年公開)と、ジェームズ・ガン監督・脚本の新たな『スーサイド・スクワッド』(The Suicide Squad/2021年公開)に登場する。役作りがハンパない!ジャレッド・レト自身のバンド「サーティー・セカンズ・トゥ・マーズ」で音楽活動も精力的に行っているジャレッド。1971年12月26日生まれ、アメリカ・ルイジアナ州出身。『ファイト・クラブ』『17歳のカルテ』(ともに’99)などに出演し、『レクイエム・フォー・ドリーム』(’00)でドラッグ依存者を熱演して注目される。ジョン・レノン殺害犯マーク・デイビッド・チャップマンを演じた『チャプター27』(’07)では体重を約30キロ増量させたかと思えば、『ダラス・バイヤーズクラブ』(’13)では約18キロも減量してトランスジェンダーのエイズ患者を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞。Netflixオリジナル映画『アウトサイダー』では浅野忠信、椎名桔平、忽那汐里らと共演した。一転、2020年7月全米公開予定のマーベルコミック原作『Morbius』(原題)では、吸血鬼のような能力を得る主人公マイケル・モービウス博士を演じる。ほかにも!様々なジョーカーの俳優たち1966~68年のTVシリーズと長編映画『バットマン/オリジナル・ムービー』で実写版の初代ジョーカーとなったのが、シーザー・ロメロ。コメディ色の強いシリーズだったため、いかにも道化らしい陽気なキャラクターで、バットマンも、ペンギンやキャット・ウーマンもみんな人間くさい。ロメロの甲高い笑い声が印象的。近年、アメリカのお茶の間で最も親しまれているジョーカーといえば、『スター・ウォーズ』シリーズでも知られるマーク・ハミルかもしれない。エミー賞受賞のTVアニメシリーズ「バットマン」(’92~98)や記録的ヒットとなったゲーム「バットマン:アーカム・アサイラム」など多数の作品でジョーカーの声優をつとめてきた。今年公開されたリブート版『チャイルド・プレイ』のチャッキーも記憶に新しく、米国吹き替え版『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐などの声を担当してきたマークは、クレイジーさを前面に出したジョーカーで毒気たっぷりの高笑いは耳に残る。なお、マークはDCのTVシリーズ「THE FLASH/ザ・フラッシュ」では別のヴィラン、トリックスターに扮している。また、大ヒットした『LEGO(R) バットマン ザ・ムービー』(’17)でジョーカーの声を担当していたのが、新作『ジョーカー』トッド・フィリップス監督の代表作『ハングオーバー! 』シリーズのザック・ガリフィアナキス。カリスマ“かまってちゃん”ヒーロー、バットマンのことが実は大好きでたまらないジョーカーはLEGO(R)ワールドなればこそで、とっても愛おしい!日本語吹き替え版はジョーカーを子安武人、バットマンを山寺宏一が演じている。さらに、若き日のジム・ゴードン刑事を主人公にバットマン誕生以前を描いてきたTVシリーズ「GOTHAM/ゴッサム」(’14~19)は、この秋、ファイナル・シーズンが日本上陸。精悍な青年となったブルース・ウェインがマントをまとったヒーローに変身する一方、ついにジョーカーらしき人物が降臨…。「シェイムレス俺たちに恥はない」『ヴァンパイア・アカデミー』などに出演してきた若手注目株キャメロン・モナハンが演じるジェローム・バレスカの変貌ぶりを要チェック。オスカー俳優から個性派まで、実に様々な俳優たちが演じてきたジョーカー。フィリップス監督による『ジョーカー』では、コミックから離れ、独自の解釈でジョーカー誕生のいきさつが描かれる。コメディアンを夢見て都会の片隅でピエロとして働く、孤独で心優しい男アーサー・フレックはいかにして“悪のカリスマ”ジョーカーとなったのか。演じるホアキンもまた、3度のアカデミー賞ノミネートを誇る演技派として名高いだけに、期待は高まるばかりだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月27日ヴェネチア国際映画祭にて最高賞・金獅子賞を受賞し、「本年度アカデミー賞最有力」の呼び声高い『ジョーカー』。実はアカデミー賞3度のノミネートを誇る名優ホアキン・フェニックスでさえ、超難役として知られる“ジョーカー”を演じるにあたり、撮影中に行き詰ることがあったという。そんな彼のスランプ脱出の鍵は、なんと“音楽”。ホアキンは「あの曲から掴んだインスピレーションが大きなターニングポイントになった」と明かしている。映画史上最も有名な悪役のひとりで、圧倒的な人気を誇る反面、そのキャラクターの複雑さから俳優にとっては演じ甲斐のある難役といえるジョーカー。演技派として名高いホアキンでさえ演技に行き詰ってしまったというが、ある音楽に引き寄せられるかのようにホアキンのもとに“ジョーカーが降臨した”というべき誕生秘話を、ホアキンと監督のトッド・フィリップスが明かした。撮影中、主人公アーサーがジョーカーに変貌していくにあたっての表現方法で行き詰ってしまったというホアキンとフィリップス監督。スランプを脱する手段のひとつとして、ホアキンは作曲家が用意していた劇中の音楽を試しに聴いてみたという。その時のことについて、「作曲家からもらった素晴らしい曲が効果抜群だった。曲を聴いてすぐ、『ジョーカーのキャラクターを少し掴めるかもしれない』と言ったら、トッドは『僕がいたら邪魔になるだろうから、あとは任せた』と一言だけ残して去っていった。スランプを脱したんだ。撮影前にいろんな研究や練習もしたけど、あの曲から掴んだインスピレーションが大きなターニングポイントになったよ」とふり返り、音楽を聴いた瞬間に“ジョーカーが降臨した”という衝撃の事実を明かした。さらにフィリップス監督も、「アイデアが尽きかけたときに作曲家からもらった曲をホアキンに聴いてもらったら、彼もとても気に入って、曲に合わせてスローダンスを始めたんだよ。すると突然、アーサーから余裕のある一面が出てきた。ジョーカーの部分が現れたんだ。あの瞬間が変貌の始まりになったんだ」と語り、ジョーカー誕生の瞬間を目の当たりにしたという。その音楽を生み出したのは、エミー賞ノミネートの海外ドラマ「チェルノブイリ」や『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』などを手掛けてきたヒルドゥル・グーナドッティル。彼は「アーサーは素朴だけど多面性があって、素直な子供のような人物。必死で社会に馴染もうとしているのにそれを実現できない彼の鬱屈した心情を音で表現したら、ごく簡素で単調なメロディになると思いました」と語り、ジョーカー降臨のきっかけに大きく貢献した音楽について明かした。ジョーカーはインパクト大のルックスと劇場型の犯罪で人々の心をむしばんでいく、唯一無二の悪役。だが、その誕生の物語は謎めいていた。しかし本作では、これまで明かされることのなかった、ひとりの孤独な男アーサーが“悪のカリスマ”ジョーカーになるまでの生い立ちや内面にスポットが当てられる。この新たなジョーカーは、第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、8分間のスタンディング・オベーションが巻き起こり話題をさらうと、最高賞となる金獅子賞を受賞した。世界三大映画祭でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは初の快挙。すでにアカデミー賞最有力と言われ、その完成度の高さは証明されている。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月22日全世界に熱狂的なファンをもつ人気キャラクターを主人公に据えた衝撃作『ジョーカー』が、10月4日(金)から公開になる。本作では、後に自らを“ジョーカー”と名乗る心優しい男アーサーをホアキン・フェニックスが演じ、人気コメディ『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップスが脚本と監督を務めた。観客の中にはなぜコメディが得意な監督が『ジョーカー』を?と思うかもしれない。しかし、フィリップス監督はこう言い切る。「悲劇と喜劇はいつも抱き合わせ」映画の主人公アーサーは老いた母と暮らしている、優しいが孤独な男だ。舞台になる大都会は暴力や経済的な格差がひどく、彼は“人を笑わせて幸福にしたい”と願っているが、次第に追いつめられていく。荒廃し、問題が山積みの社会と、そこで生きる孤独で苦しみを抱えた主人公。本作は『タクシードライバー』や『真夜中のカーボーイ』など1960年代後半から70年代のアメリカで公開された多くの名作映画を思わせる設定だが、そもそも本作は監督が「1970年代に作られた人間を考察する映画に大きな影響を受けてきたので、それをコミックブックのキャラクターでやったらどうだろう?」と思ったところから創作がスタートしたという。「『カッコーの巣の上で』や『セルピコ』『キング・オブ・コメディ』などは人間の内面に迫る映画だからね。それにこの時代を舞台にしたのは、最近のコミックブック映画の世界から距離を置く目的もあった」『ジョーカー』は米DCコミックスの伝説的なキャラクターが基になっている。しかし、監督曰く本作は「典型的なコミックブック映画ではない」。だからこそフィリップス監督はアーサーを演じきることのできる最上級の俳優をイメージしながら脚本を執筆した。名優ホアキン・フェニックスだ。「決まるには時間がかかった。脚本を送ったらすぐに“やります”と返事がきたわけではないんだ。何度もミーティングをして、細かい話し合いをして、お互いのことを理解してようやく決まったんだ」完成した映画を観れば誰もがフェニックスの演技に圧倒され、同時に彼が出演を即決しなかった理由もわかるだろう。それほどアーサーは難役なのだ。監督は「本人に聞いてもらいたいけれども、自分にこの役が務まるだろうかという恐れもまた、彼がやりたいと思った理由だったようだ。未知の領域、恐怖というのが彼は好きなんだよ」と推測する。本作でアーサーは幾度も危機的な状況に陥り、暴力的な場面に巻き込まれ、痛みを感じ、孤独や迷いや怒りを制御できずにいる。それでも彼は笑う。その声は笑い声のようにも、悲鳴のようにも聞こえる。「僕の映画は次第にダークになってきていると思う。コメディだって奥底にはダークさがある。『ハングオーバー!』シリーズにだってある」とフィリップス監督は説明する。「だから僕が突然に変化したわけじゃないんだ。僕はコメディが好きだし、コメディで成功させてもらったし、コメディを作るのが好きだけど、今の世の中ではコメディを作るのが難しくなった。それに悲劇と喜劇はいつも抱き合わせ。今作は悲劇だ」ピエロの扮装と笑い声に満ちた“悲劇”を描く『ジョーカー』は、多くの観客に忘れることのできない強い印象を残すことになるだろう。あなたの耳に残るのは笑い声だろうか?それとも悲鳴だろうか?『ジョーカー』10月4日(金) 全国ロードショー
2019年09月20日先週、新バットマンに就任したロバート・パティンソンに対する「Variety」誌のインタビュー記事が話題となった。インタビュー中、ロバートが『ジョーカー』のホアキン・フェニックスに関するあたりさわりのない話をしていたのに「ヤバい」とあわて、いまの発言は書かないでほしいと記者に頼んだことが書かれていたからだ。ロバートの希望通り、「なに」を言ったかは分からないままだが、この記事により、DCコミックス及び映画のファンたちの間では、「きっとバットマン(ロバート)とジョーカー(ホアキン)の共演の話だ!」という憶測が飛び交った。しかし、残念なことに、ファンの望みは絶たれてしまった。同誌がトロント国際映画祭に出席した『ジョーカー』のトッド・フィリップス監督に、「バットマンとジョーカーを同じ映画の中で見られる可能性は?」と尋ねると、「ない。絶対にないことだね」と返答したという。とはいえ、シェークスピアの「ハムレット」が数々のバージョンで作られているように、「いろんなジョーカーが誕生するんじゃないかな。今後、きっとね」と、今回の『ジョーカー』が最後のジョーカー映画ではないことをにおわせた。先月にも、「ホアキンが乗り気なら絶対やる!」と『ジョーカー』の続編製作に前向きな発言もしている。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月11日アメコミ界きっての“ヴィラン”ジョーカー生誕の秘密をオリジナルストーリーで描いた『ジョーカー』が第76回ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞に輝いた。DCコミックスの映画化作品が同賞を受賞するのは、史上初めて。仮面の扇動者が映画史を“転覆”させた。そんな記念碑ともいえる本作は、もちろんDC映画史上最高傑作だ。『ダークナイト』以来の衝撃、それを凌駕するカオスと興奮がむせかえっている。「本当の悪は笑顔の中にある」。しかし、映画がクライマックスを迎えた瞬間、あふれる涙を抑えることができなかった。その理由はいったい何なのか、自分でもわからない。観終わった後には、世界の見え方がガラッと変わってしまった。この感覚、本作を見れば、きっと共感してもらえるはずだ。現代社会の病巣を鋭く投影しながら、現実/妄想をさまようジョーカーの「痛ましさと危うさ」を鮮やかに切り取る視線。社会派ドラマの側面を強調しつつ、まるで時限爆弾のように、巧みに仕掛けられた伏線が、時間差で連鎖反応を起こすエンターテインメント性も大きな魅力だ。コミックの世界観を“匂わせる”バランス感覚も絶妙で「バットマン」ファンも絶対に満足できるはず。ホアキン・フェニックスの“名演”は現時点で、オスカー最有力。悪魔がかったその姿が、神々しい。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(Text:内田涼 @uchidaryo_eiga)(text:Ryo Uchida)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月08日第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門へ正式出品され、現地時間8月31日(土)に世界初お披露目された『ジョーカー』に早くも絶賛の嵐。レッドカーペットセレモニーには主演のホアキン・フェニックス、共演のザジー・ビーツ、監督・脚本をつとめたトッド・フィリップスが参加、彼らは記者会見にも登壇した。本年度アカデミー賞の行方を占う本映画祭ほか、第44回トロント国際映画祭ガラ・プレミア部門にも選出され注目を浴びている本作。そんな本作のレッドカーペットセレモニーとあって、会場は炎天下にも関わらず世界中から集まった大勢のマスコミと早朝から陣取ったジョーカーのコスプレをしたファンや、ホアキン・フェニックスの写真や似顔絵を手にしたファンで溢れかえった。本作のスタッフ・キャストに先行して、是枝裕和監督最新作『真実』に主演するカトリーヌ・ドヌーヴ、『ブルージャスミン』『キャロル』のケイト・ブランシェット、『女王陛下のお気に入り』『トールキン旅のはじまり』のニコラス・ホルト、さらにホアキンの婚約者である『her 世界でひとつの彼女』『キャロル』のルーニー・マーラなど大物俳優たちがこぞって祝福に駆け付けた。熱気に包まれた会場にザジー・ビーツ、トッド・フィリップス監督、そしてホアキンが登場すると会場のファンからは大歓声が!3名がファンへのサインや撮影に応じると、中には感極まって泣き出すファンの姿も見られ、プレミア上映の時間が迫り、ホアキンが会場への移動を促されるも、押し切ってファンの元へ戻るひと幕もあった。8分間のスタンディングオベーション!「アカデミー賞の価値がある」その後の座席数1,032席を誇るSala Grandeで世界初お披露目となる上映が行われると、終映時には「ブラボー!」の声と今年の上映一番の拍手喝采が起き、スタンディングオベーションが8分間も続いた。その圧倒的な完成度とジョーカー誕生の衝撃の物語を目撃した評論家からは、「ホアキン・フェニックスにはアカデミー賞の価値がある」(Total Film)、「ホアキン・フェニックスに心奪われる」(Time Out)、「決して見逃してはならない作品」(Hollywood Reporter)、「大胆かつ衝撃的で、この上なく美しい」(Empire)など、早くも絶賛の声が続出中だ。監督「ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合った」過去に『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でゴールデン・グローブ賞作品賞を受賞したことのあるフィリップス監督は、「本作で最初からはっきりしていたのは、これまで描かれてきたジョーカーとは異なるアプローチをすること。ジョーカーの過去は原作でも詳しく描かれていないから、自由に創造できるスペースがあったんだ」と明かし、「だから、ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合って、撮影中ですら脚本を書き替えていったんだ」と、ジョーカーという人物を追及した過程をふり返る。「もともとはカオスをもたらすのが彼の目的だったわけじゃない。彼のゴールはあくまで『人々を笑わせたい』、『世界に喜びをもたらしたい』ということだったんだ。でもそれが様々な出来事が重なって、まったく異なる結末になってしまうんだ」と、記者会見では物語の行く末をにおわせた。ホアキン「役者人生で初めての経験」、ジョーカー役をふり返るさらに、これまでアカデミー賞3度のノミネート経験を持ち、本作での受賞に注目が集まっているホアキンは「アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物」と、“悪のカリスマ”ジョーカーのイメージとはかけ離れたアーサーの人物像に興味を抱いたことを告白。「彼が、単に苦痛を抱えたキャラクターだとは思っていませんし、私は演じる上でキャラクターをそういう風に決めつけることは、絶対にしない。8か月かけて探求したこのアーサーという人物を一言で語るのは難しいが、オファーを受けてからの数週間で感じた彼と撮影を終えるころに感じた彼とでは完全に異なっていた。常に変化していて、役者人生で初めての経験だ」と、改めてその役が与えた影響に言及、「“ジョーカーの笑い方のオーディションをして欲しい”とトッドに依頼したんだ。彼は“(役に決まっているんだから)お願いだからやめて!”って気まずそうにしていたけどね(笑)」とジョーク交じりに語っていた。本作には、本映画祭最高賞の“金獅子賞”受賞、および早くもアカデミー賞への期待もますます高まっている。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月02日10月4日(金)より日米同日公開となる『ジョーカー』。孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”に変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描くサスペンスエンタテインメントだ。本作の公開に先駆け、第76回ヴェネチア映画祭コンペティション部門へ正式出品。現地時間8月31日(日本時間9月1日)に世界で初お披露目され、レッドカーペットセレモニーには、主演のホアキン・フェニックス、ザジー・ビーツ、監督と脚本を務めたトッド・フィリップスが参加し華々しく執り行われ、同日開催となった記者会見にも登壇した。本映画祭だけでなく、第44回トロント映画祭のガラ・プレミア部門にも選出されており、「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント映画祭:キャメロン・ベイリー)ら映画祭ディレクターをはじめ、世界の映画関係者が「本年度アカデミー賞最有力」と絶賛と注目を浴びせている。そんな注目の本作のレッドカーペットセレモニーとあって、会場は炎天下にも関わらず世界中から集まった大勢のマスコミと早朝から陣取ったジョーカーのコスプレをしたファンや、フェニックスの写真や似顔絵を手にしたファンで溢れかえった。本作のスタッフ・キャストに先行して、カトリーヌ・ドヌーヴ、ケイト・ブランシェット、ニコラス・ホルト、フェニックスの婚約者ルーニー・マーラーなど大物俳優たちがこぞって祝福に駆け付けた。熱気に包まれた会場にビーツ、フィリップス監督、フェニックスが登場すると会場のファンからは歓声が起こり、カメラのフラッシュが一斉に焚かれた。3名がファンへのサインや撮影に応じると、中には感極まって泣き出すファンの姿も。そして、プレミア上映の時間が迫り、フェニックスが会場への移動を促されるも、押し切ってファンの元へ戻る一幕もあった。その後、座席数1032席を誇るSala Grandeで世界初お披露目となる上映が行われ、終映時には「ブラボー!」の声と今年の上映一番の拍手喝采が起き、スタンディングオベーションは8分間も鳴りやまなかった。その圧倒的な完成度とジョーカー誕生の衝撃の物語を目撃した評論家からは、「ホアキン・フェニックスにはアカデミー賞の価値がある」(Total Film)、「ホアキン・フェニックスに心奪われる」(Time Out)、「決して見逃してはならない作品」(Hollywood Reporte)、「大胆かつ衝撃的で、この上なく美しい」(Empire)など、早くも絶賛の声が集まっている。高評価を受けた本作の監督と脚本を務め、過去には『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でゴールデングローブ賞作品賞を受賞した経験を誇るフィリップス監督は「本作で最初からはっきりしていたのは、これまで描かれてきたジョーカーとは異なるアプローチをすること。ジョーカーの過去は原作でも詳しく描かれていないから、自由に創造できるスペースがあったんだ。だから、ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合って、撮影中ですら脚本を書き替えていったんだ」とジョーカーという人物を追及した過程を振り返る。そして、ジョーカーを演じたアカデミー賞・3度のノミネート経験を持ち、本作での受賞に注目が集まっているフェニックスは「アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物」と、“悪のカリスマ”ジョーカーのイメージとはかけ離れたアーサーの人物像に興味を抱いたと明かす。スタンディングオベーションの大きさや、各国ジャーナリストからの絶賛の声の高さから、本映画祭“金獅子賞”受賞、及びアカデミー賞受賞への期待が高まっている本作。「どんな時も笑顔で」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。ドン底から抜け出そうとした彼はなぜ“悪のカリスマ”・ジョーカーに変貌したのか?あわせて、フェニックス、フィリップス監督のコメントも公開された。■ホアキン・フェニックスまずは、アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物。彼が、単に苦痛を抱えたキャラクターだとは思っていませんし、私は演じる上でキャラクターをそういう風に決めつけることは、絶対にしない。8カ月かけて探求したこのアーサーという人物を一言で語るのは難しいが、オファーを受けてからの数週間で感じた彼と撮影を終えるころに感じた彼とでは完全に異なっていた。常に変化していて、役者人生で初めての経験だ。“ジョーカーの笑い方のオーディションをして欲しい”とトッドに依頼したんだ。彼は“(役に決まっているんだから)お願いだからやめて!”って気まずそうにしていたけどね(笑)。■トッド・フィリップス監督もともとはカオスをもたらすのが彼の目的だったわけじゃない。彼のゴールはあくまで「人々を笑わせたい」「世界に喜びをもたらしたい」ということだったんだ。でもそれがさまざまな出来事が重なって、まったく異なる結末になってしまうんだ。『ジョーカー』10月4日(金)より日米同日公開
2019年09月02日ホアキン・フェニックスとトッド・フィリップス監督が、『ジョーカー』について「Los Angeles Times」紙に語った。2人は、とにかくジョーカー誕生の物語にリアリティーをもたせたかったという。悪のカリスマ・ジョーカーのキャラ設定について「現実の世界で、酸が入った大だるに落っこちたら真っ白けになって、スマイルを浮かべて、髪が緑色になるなんて信じられないよね」「それじゃあ、彼がもしピエロだったらどうだろうと考えたんだ」とフィリップス監督。スコット・シルヴァーとともに脚本も手掛けた監督は、「ルールを破ってばかりの脚本だから、書くのが楽しくて仕方なかった」とふり返っている。「ぼくなりのアプローチで役作りをした。誠実かつユニークと感じられることをただやってみただけだよ」とホアキンは語る。その役作りには、約24キロ(52ポンド)の大幅減量も含まれており、最新の予告編では、減量後のあばら骨が浮き出たジョーカーの姿が見られる。真摯に役作りに取り組んだホアキンだが、「それでも、まだ彼のわからない部分がある。まあよしとしよう。答えを見つける必要のない疑問というのも、楽しいじゃないか」と、ミステリアスなジョーカーについて分析した。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月30日ホアキン・フェニックスが“ジョーカー”を演じ、本年度アカデミー賞最有力ともされるサスペンス・エンターテインメント『ジョーカー』。この度、予告編とポスタービジュアルが到着した。今回到着したのは、ホアキン演じる孤独だが心優しいアーサーが、バスの車内で子ども笑わせるシーンからスタートする予告編。母からの「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を胸に、都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながらドン底から抜け出そうとしていたが、上手くいかず。そんなある日、大好きなトーク番組の司会者マーレイ(ロバート・デ・ニーロ)が「誰もがコメディアンになれる日が来た」と、クラブのステージでジョークを披露しているアーサーの姿を紹介。しかし、茶化され笑顔は曇る。ほかにも、アーサーが不穏な笑みをみせる場面や、彼が秘かに好意を抱くソフィーとの幸せそうなワンシーン、さらにピエロメイクを施す様子も登場しており、次第にジョーカーへと変貌を遂げていく様子が確認できる。併せて到着したポスタービジュアルは、戦慄に満ちたアーサーが全面に。そして複雑な表情を見せている。キャストのブライアン・タイリー・ヘンリーは「本作はジョーカーがかつて、いかに“幸せな人間”だったかが語られるところから始まります」と内容について言及。監督と脚本を兼任したトッド・フィリップスも「ロバート(・デ・ニーロ)が、脚本をものすごく気に入ってくれたんだ」と明かしている。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月29日世界中に熱狂的なファンを持つ人気キャラクターの誕生のドラマを描く衝撃作『ジョーカー』の最新予告編が公開になった。ピエロのメイクで高らかに笑いながら現れ、人間の奥底に潜む欲望や悪意を引き出して世界を混乱させる希代のヴィラン(悪役)はいかにして生まれたのか? なぜ私たちはこんなにも悪くて恐ろしい男に魅了されてしまうのか? すべての謎に挑む衝撃作だ。本作のタイトルにもなっている“ジョーカー”は、バットマンの永遠のライバル的存在で、社会を混乱させ、狙った相手を精神的に追いつめていく恐ろしい悪役だ。これまでに数多くのコミック作家がジョーカーを描き、名優と呼ばれる俳優がジョーカーを演じてきた。ところがこのほど公開になった予告編映像に登場するのは、白塗りもしていない、子どもを笑顔で楽しませる男アーサーだ。彼は母親の世話をしながら大道芸人として暮らしているが、人生は苦しいことの連続で、孤独は日に日に大きくなっていき、彼は追いつめられていく。映像ではアーサー役のホアキン・フェニックスが悲鳴のような笑い声をあげるシーンが描かれる。そんなある日、アーサーは大好きなトーク番組の司会者マーレイ(ロバート・デ・二—ロ)が番組で自分を紹介してくれる瞬間に立ち会い、満面の笑みを浮かべる。しかし、その笑顔はわずか一瞬。結果として彼はさらに追いつめられ、ピエロのメイクを施して“ジョーカー”に変化していく。映像の後半には、アーサー=ジョーカーだけでなく、ピエロのマスクをして暴徒化した市民が街を破壊し、火をつける衝撃的な場面も登場。これまでもジョーカーは単独で行動するだけでなく、彼を支持する暴徒を時に味方につけて悪事を働いてきたが、新作でも彼が人々を動かし、街を混乱に陥れる場面が描かれるようだ。予測不可能で、底知れぬ悪意を持ち、しかし誰もが惹かれてしまうカリスマ=ジョーカーは俳優にとって魅力的だが、演じるのは極めて難しい役どころ。しかし、ホアキン・フェニックスは見事にジョーカーを演じきっているようで、本作が世界初上映されるヴェネツィア国際映画祭のキャメロン・ベイリーは「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技」とその演技を絶賛。この秋、多くの観客が恐ろしいのに惹かれてしまう、衝撃的なのに心に“深く刺さる”体験をすることになりそうだ。『ジョーカー』10月4日(金) 全国ロードショー
2019年08月29日ひとりの孤独な男が、巨大な悪のカリスマへと変貌していく衝撃のドラマをアカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストが描く『ジョーカー』。映画史上、頂点の人気を誇るヴィランでありながら、ジョーカーが誕生した理由やその過去は謎めいたベールに包まれている。そんなジョーカー誕生の謎に迫る本作だが、そもそも彼は何者なのか?実は知っているようで知らない、“悪のカリスマ”ジョーカーをふり返った。ジョーカーといえば、白塗りのピエロメイクに緑の髪、邪悪な笑いと優れた頭脳、インパクト大のルックスと劇場型の犯罪で人々の心をむしばんでいく“悪”として、世の中に衝撃を与えてきた。あらゆるメディアで調査されてきた“好きなヴィラン”ランキングで常に首位を獲得しているジョーカーは、予測不能の凶行で人々を戦慄させ、世界の全てを狂わそうとするが、実は“超人的なパワーを持たない”ため、不死身なわけでもなく、ましてや瞬間移動などができるわけでもない“ただの人間”だ。しかし、「犯罪界の道化王子」「憎悪の道化師」などの異名の通り、DCコミックスでは毒ガスを使うなど、何をしだすか分からない凶暴で危険な存在であり、ティム・バートン監督の映画『バットマン』では「『エルム街の悪夢』のフレディ並みに怖くする」と当時の製作陣が語ったように、ジャック・ニコルソンが演じたジョーカーが強烈な存在感で街を恐怖に陥れる。そして、故ヒース・レジャーが演じた『ダークナイト』のジョーカーは、監督のクリストファー・ノーランが「ジョーカーは、映画史上で究極の大悪党だ。彼自身が混沌を引き起こす源であり、何かの目的のために罪を犯すのではなく、目的のない悪党だから誰も理解できないんだ」と表した通り、心理的にも人々を恐怖に陥れる事件を引き起こし、大いなる脅威を生み出した。しかし、本作のジョーカーはいままでとは異なる姿で現れる。『ジョーカー』に出演するブライアン・タイリー・ヘンリーが、「ジョーカーがかつて、いかに“幸せな人間”だったかが語られるところから始まります」と語っているように、コミックスや過去の映画では語られていない意外な過去が明かされることになるからだ。まず、何より驚くのは恐ろしいジョーカーの正体は、純粋で心優しい男=アーサー・フレックだったということ。アーサーは、母からの「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を胸に、コメディアンを夢見て都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしている。二人暮らしの母を助けながら、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いているような穏やかな男だ。そんなアーサーがいかにして、“悪のカリスマ”ジョーカーとなってしまうのか?彼の身に起こる壮絶な“悲劇”とは?すでにネット上では「ホアキン・フェニックスの、この切ない恐ろしいジョーカーやばい」「ジョーカーが涙している姿は衝撃」と、誰も見たことがないジョーカーの切なくも衝撃の誕生秘話に期待の声が高まるばかり。「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア国際映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント国際映画祭:キャメロン・ベイリー)ら映画祭ディレクターをはじめ、世界の映画関係者からも絶賛と注目を集めている。『ジョーカー』は10月4日(金)より日米同日公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月25日ひとりの孤独な男が、巨大な悪のカリスマへと変貌していく衝撃のドラマを描く『ジョーカー』が10月4日(金)に日米同日公開となる。公開に先駆け、第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門への正式出品、第44回トロント国際映画祭のガラ・プレミア部門に選出され、早くもアカデミー賞有力候補との呼び声が高まっている。「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア国際映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント国際映画祭:キャメロン・ベイリー)と、主要映画祭のディレクターをはじめ世界の映画関係者が絶賛を送り、注目を集めている本作。この度、到着した画像は、コメディアンを夢見る純粋で心優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)が、ピエロのメイクを施しているもの。しかし、その瞳からは涙があふれて止まらない…。狂気で人々を震撼させる映画史上最も有名なヴィラン、ジョーカーのイメージとは違い、人間味を感じさせながらも複雑な感情が入り混じった表情が印象的で、彼の身に一体何が起きたのか、想像をかき立てられる画像。監督・脚本を務めたトッド・フィリップスが「ジョーカーを描いたのではなく、“孤独な男がジョーカーになるまでのリアルなドラマ”を描いたんだ」という言葉を裏づける姿だ。3度のアカデミー賞ノミネート実績を持つホアキン・フェニックスが演じるアーサーは、「どんな時も笑顔で、そして人々を楽しませなさい」という母の大切な言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きている。コメディアンになり、世界を笑わせようとした1人の“人間=アーサー”が、なぜ、狂気溢れる“悪のカリスマ=ジョーカー”に変貌してしまうのか?本作はDCコミックスの原作の映像化ではなく、完全オリジナル・ストーリーでジョーカー誕生の衝撃の理由が初めて語られる。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月09日ひとりの孤独な男が巨大な悪のカリスマへと変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストが描く衝撃のサスペンスエンタテインメント『ジョーカー』が、10月4日(金)より日米同日公開。この度、映画史上、頂点とも言える悪のカリスマ“ジョーカー”誕生の謎に迫る本作で、ジョーカーへと変貌を遂げる男・アーサーのメイクと涙の表情を捉えた場面写真が公開された。公開に先駆け、第76回ヴェネチア映画祭コンペティション部門への正式出品、第44回トロント映画祭のガラ・プレミア部門に選出され、早くもアカデミー賞有力候補との呼び声が高まっている本作。「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント映画祭:キャメロン・ベイリー)と、映画祭ディレクターをはじめ、世界の映画関係者が“本年度アカデミー賞最有力”と絶賛と注目を浴びせている。公開された場面写真は、コメディアンを夢見る純粋で心優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)が、ピエロのメイクを施しているもの。しかし、その瞳からはとめどなく溢れる涙が……。狂気で人々を震撼させる映画史上最も有名なヴィランであるジョーカーのイメージとは違い、人間味を感じさせながらも複雑な感情が入り混じった表情が印象的で、彼の身に一体何が起きたのか、想像を掻き立てられるものとなっている。監督・脚本を務めたトッド・フィリップスの「ジョーカーを描いたのではなく、“孤独な男がジョーカーになるまでのリアルなドラマ”を描いたんだ」という言葉を裏付ける印象的な姿だ。3度のアカデミー賞ノミネート実績を持つフェニックスが演じるアーサーは、「どんな時も笑顔で、そして人々を楽しませなさい」という母の大切な言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きている。コメディアンになり世界を笑わせようとしたひとりの“人間=アーサー”が、なぜ、狂気溢れる“悪のカリスマ=ジョーカー”に変貌してしまうのか?原作の映像化ではなく、完全オリジナル・ストーリーで初めて語られるジョーカー誕生の理由。切ない衝撃の真実とは?早くもアカデミー賞受賞の呼び声も高い全世界待望の衝撃のサスペンスエンタテインメントに、大いに期待が高まる。『ジョーカー』10月4日(金)より全国公開
2019年08月09日映画『ジョーカー』が、第92回アカデミー賞で、主演男優賞と作曲賞を受賞。2020年2月7日(金)からは『ジョーカー〈アカデミー賞最多ノミネート記念〉』として一部劇場を除くIMAX、ドルビーシネマでの再上映が決定した。DCコミックスの人気ヴィラン、ジョーカーの“悲劇”かつ“喜劇”な人生を描くジョーカーは元々バットマンの敵役として登場した、DCコミックスに登場するヴィランの中でも人気のキャラクターだ。シーザー・ロメロが初代を演じ、ティム・バートン監督の『バットマン』ではジャック・ニコルソン、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』ではヒース・レジャー、さらに『スーサイド・スクワッド』ではジャレッド・レトが役を務めた。ジョーカーの特徴そんなジョーカーは、白い顔のピエロメイクに緑の髪、インパクト大のルックスが特徴。超人的な能力は無いが優れた頭脳を持つ。邪悪に笑う不気味さ、外見に相まって劇場型の犯罪で人々の心を徐々にむしばんでいく悪のカリスマだ。予測不能の凶行で人々を戦慄させ、世界を混乱させることを楽しんでいる。“孤独な男がジョーカーになるまで”のオリジナルストーリー映画『ジョーカー』は、“悲劇”とも“喜劇”とも言える彼の人生にフォーカスした完全オリジナル・ストーリー。狂気で人々を恐怖に陥れる“ジョーカー”そのものではなく、“孤独な男がジョーカーになるまでのリアルなドラマ”が描かれる。初めて語られるジョーカー誕生の理由、切ない衝撃の真実とは?なぜジョーカーになったのか?アーサー・フラック(ホアキン・フェニックス)主人公はアーサー・フラック。後にジョーカーとなる人物。彼は母に「どんな時も笑顔で、そして人々を楽しませなさい」と教わっていきてきた。子供が好きで、病弱な母と同居して面倒まで見ている。大都会で大道芸人として生き、ゆくゆくはコメディアンとして世界を笑わせようとした人間味あふれる“人間”だった。しかし現実は残酷で、周囲からの冷たい扱いを受けることとなるアーサー。やがて彼の歯車は狂いだし、自ら施すピエロメイクと共に“ジョーカー”へと変貌を遂げていく…。アーサーを取り巻く登場人物マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)ロバート・デ・ニーロはトーク番組「アーサー・フランクリン・ショー」の大物司会者役として登場。アーサーにとっては英雄も同然の存在で、面識こそないものの、フランクリンのユーモアに共感を覚える。駆け出しのコメディアンにとってフランクリンのトークショーに呼んでもらうことは一世一代のチャンス。しかし、彼の言動がアーサーの運命を大きく動かし、アーサーにとっても悲願につながっていく。ソフィー(ザジー・ビーツ)彼女はアーサーと同じアパートに住み、5歳の娘をもつシングルマザー。アーサーからは好意を抱かれている。アーサーが人づきあいが苦手なこと、どこか自信を失っていることは理解している。それゆえに他の隣人同様、アーサーには親切に接する。ペニー(フランセス・コンロイ)アーサーの母。もともとは裕福な実業家の下で働いていた。アーサーを“ハッピー”の愛称で呼んでいる。アーサー・フランクリン・ショーのファン。トーマス・ウェイン(ブレット・カレン)後にバットマンになるブルース・ウェインの父。映画『ジョーカー』の時代では、次期市長候補である。アーサーにとって父親を思わせる人物だ。1980年代初頭のゴッサム・シティを舞台に物語の舞台となるのは、80年代初頭のゴッサム・シティ。混迷を極めてはいるものの、「バットマン」シリーズのゴッサムように闇の組織が暗躍するわけでも、マフィアのドンが私腹を肥やしているわけでもない。しかし街に影を落としているのは、理不尽な格差社会。それぞれのコミュニティが分裂し、さらにゴミ収集業者はストライキを長く続ける。行政も役人も機能せず、財政難を抱え社会保障費は削減される一方…こんな不穏な社会もアーサーを“ジョーカー”へと変貌させた要因の1つでもあるのだ。衣装は80年代ファッション1980年代を再現するため、青、茶、海老茶、薄紫、グレー、紺、カーキを多用。スタイルのベースはアメリカンカジュアル。そして長年着古したスーツを着用している。新たな“ジョーカー”ホアキン・フェニックスの役作り一足早く公開されたヴェネツィアやトロントの国際映画祭では、ジョーカーを見事に演じたホアキン・フェニックスの演技が絶賛されており、早くもアカデミー賞が期待されている。これまで『her/世界でひとつの彼女』『ザ・マスター』『ビューティフル・デイ』など難しい役どころを見事にこなしてきた彼だが、この役を演じるにあたっても人並みならぬ努力を継続。撮影当時は、約24キロも減量し”腹を空かした不健康な男、栄養失調の狼”を表現した。ホアキン・フェニックスがジョーカーを演じるにあたって次のように話した。「アーサーの心情が理解できる瞬間もあれば、彼の判断にイライラすることもありました。演じるものとしては、ジョーカーというキャラクターは手ごわかった。きっと、観客にとってもそうだろうし、ジョーカーに一定のイメージをもつ人にとっても受け入れがたいキャラクターかもしれないです。ただ、この映画のストーリーの答えは、私たちが暮らす現実の世界でも、アーサーの住む架空の世界でも、すぐに見つかるわけではないと思います。」監督・脚本をトッド・フィリップス監督は、『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップス。そして彼とともに、『ザ・ファイター』でアカデミー賞脚本賞にノミネート経験もあるスコット・シルバーが脚本を手掛ける。脚本は、個性と意外性を表現することにたけたアホアキン・フェニックスがアーサーを演じることを念頭に置いて書かれたそうだ。トッド・フィリップスは映画について次のようにコメントしている。「ジョーカーの原点は映像化する価値があると思いました。コミックの中にも正式な誕生秘話はありませんし、過去に誰も手をつけてきませんでした。複雑な事情を抱える男がどう変わり……どうやって悪に転換するのか。ジョーカーではなく、ジョーカーの“成り立ち”のほうに興味がありました。」賞レースを総なめヴェネツィア国際映画祭ではコンペティション部門へ出品され、世界で初めてお披露目された。映画の上映が終わると、ジョーカー誕生の物語を目にした観客は、約8分間のスタンディングオベーションを送った。そして映画祭の最高賞となる金獅子賞を受賞した。もちろん世界三大映画祭において、アメコミ作品が最高賞を受賞するのは初の快挙だ。第77回ゴールデングローブ賞では主演男優賞と作曲賞を受賞、全米映画俳優組合賞では主演男優賞を獲得している。また第92回アカデミー賞では、最多11部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞、音響編集賞、録音賞、編集賞、作曲賞、衣装デザイン賞、メイク・ヘアスタイリング賞の)にノミネート。そのうち作曲賞を受賞した。金獅子賞は2017年の『シェイプ・オブ・ウォーター』、2018年の『ROMA/ローマ』と、近年ではアカデミー賞にも直結しており、ますます期待が高まる。記録的ヒットなお日本では公開から3週目を迎える週末も週末ランキングで3週連続の1位を記録、19日間で早くも興行収入30億円を突破する記録的なヒットとなった。世界中でも大きな話題を集め、日本、アメリカ含む世界66 カ国で初登場1位。その後、記録を伸ばしR指定映画としては史上初の全世界収入10億ドルを超えるヒットとなった。【作品詳細】『ジョーカー』公開日:2019年10月4日(金)製作:トッド・フィリップス監督・脚本:トッド・フィリップス脚本:スコット・シルバー出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、フランセス・コンロイ、ザジー・ビーツ配給:ワーナー・ブラザース映画■『ジョーカー 〈アカデミー賞最多ノミネート記念再上映〉』公開日:2020年2月7日(金)劇場情報:全国のIMAX、ドルビーシネマ(一部劇場を除く)配給:ワーナー・ブラザース映画
2019年05月13日ホアキン・フェニックスが新たに主演を務める『ジョーカー』の日本公開が、日米同日の10月4日(金)に決定。ひとりの男が巨大な悪へと変貌を遂げていく特報映像とポスタービジュアルが到着した。先月、世界解禁となったUS版予告は日本でも大きな反響を呼び、熱いコメントが数多く寄せられたことでも話題となった本作。今回完成した日本版特報では、「俺の人生は悲劇だ。いや違う、喜劇だ」という印象的なセリフと共に孤独な男アーサー・フレックが狂気の“ジョーカー”へと変貌していく様が映し出される。「どんな時も笑顔で」そして「人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きていたアーサー・フレック。だが、映像は、アーサーの精神が崩壊してしまったのか、ピエロの格好をした彼が地下鉄で1人、突如笑い始めるインパクトたっぷりのシーンからスタート。ジョークで世界に笑いを届けるはずだった彼に、一体何が起きたのか?映像の後半、緑色の髪・白い肌・口が避けたかのようなピエロのメイク…不気味な“ジョーカー”となったアーサーの姿で幕が降りる。「笑いの仮面をかぶれ」というコピーと共に、映像の中の唯一のセリフとなった「俺の人生は悲劇だ。いや違う、喜劇だ」の言葉には胸が張り裂けそうな悲しみが象徴され、見る者をゾクゾクさせる映像が完成した。そんな本作で“ジョーカー”を演じるのは、これまで3度のアカデミー賞ノミネート実績を持ち、車いすの風刺漫画家を演じた『ドント・ウォーリー』が現在公開中のホアキン・フェニックス。ジョーカーといえば、これまでジャック・ニコルソン(『バットマン』)、ヒース・レジャー(『ダークナイト』)、ジャレッド・レト(『スーサイド・スクワッド』)など様々な名優たちが演じてきたが、近年特に注目を集めるホアキンは特報でも“狂演”の一端を見せつけており、早くもアカデミー賞へ期待が高まっている。また、共演には泣く子も黙る生ける伝説・オスカー俳優ロバート・デ・ニーロ。監督は『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップス。『ザ・ファイター』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたスコット・シルバーが監督と共に脚本を手掛けている。ハリウッドの実力派が集結し、1人の男の悲劇――いや、壮絶な“喜劇”を描く本作に、引き続き注目していて。『ジョーカー』は10月4日(金)より日米同日公開。(text:cinemacafe.net)
2019年05月10日アメコミ史上ナンバーワンヴィランが主人公に、凄絶なドラマが描かれる映画『ジョーカー』の日本での公開日が、アメリカと同日の10月4日(金)に決定。あわせて、日本版の特報映像とポスタービジュアルが公開された。本作で“ジョーカー”となっていく大道芸人、アーサー・フレックを演じるのは、ホアキン・フェニックス。これまでもジョーカーというキャラクターは、ジャック・ニコルソン(『バットマン』)、ヒース・レジャー(『ダークナイト』)、ジャレッド・レト(『スーサイド・スクワッド』)など、さまざまな名優たちが演じてきた。3度のアカデミー賞ノミネート実績を持つ演技派フェニックスが、どのように狂気の演技を見せるのかに注目が集まる。また、本作ではオスカー俳優ロバート・デ・ニーロも共演している。監督は『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップス、そして、監督とともに脚本を手がけるのは、『ザ・ファイター』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたスコット・シルバーだ。「どんな時も笑顔で」そして「人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で 大道芸人として生きていたアーサー。この度公開された特報では、ピエロの格好をしたアーサーの精神が崩壊してしまったのか、地下鉄の車内でひとり大爆笑するという、インパクトあるシーンからスタートする。ジョークで世界に笑いを届けるはずだった彼に、一体何が起きたのか。映像の後半、緑色の髪、白い肌、口が避けたかのようなピエロのメイクをして、不気味な“ジョーカー”となったアーサーの姿が映し出される。特報に流れる曲は、喜劇王と呼ばれたチャールズ・チャップリン作曲の『スマイル』である。同時に公開されたポスターは、ジョーカーと見られるひとりのピエロが、暗闇の中で天を仰ぐビジュアルとなっている。
2019年05月10日バットマンの宿敵ジョーカーの誕生を描く『Joker』(原題)の予告編が公開された。シーザー・ロメロ、ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レトからバトンを受け継ぎ、今回ジョーカーを演じるのはホアキン・フェニックス。トッド・フィリップス監督による今作は、『スーサイド・スクワッド』などのような同一の世界観を共有するDCエクステンデッド・ユニバースには属さない独立した作品だ。2分半弱の予告編の中で、ジョーカーことアーサーは母親からの「笑顔で、幸せそうな顔をしていなさい」という教えを忠実に守りながら、狂気に満ちたジョーカーへと変身を遂げていく。不気味さを加速させているBGMは、ジミー・デュランテの「スマイル」。ファンの評価は非常に高く、ジョーカーの「僕の人生は悲劇だと思っていたけれど、いまは喜劇だと実感しているんだ」というセリフに「本当にゾクゾクした」という声や、「オスカーのにおいがする」とアカデミー賞獲得に期待する声まで。「この予告で唯一残念だと感じたのは、公開が10月だってこと!」と半年以上先の公開を待ちきれないというコメントも寄せられた。(Hiromi Kaku)
2019年04月04日『The Joker』(原題)の撮影がスタートし、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーことアーサーの姿が初めて公開された。監督のトッド・フィリップスがSNSに、少し髪が長く不気味な雰囲気を醸し出すホアキンの画像に「アーサー」とキャプションを付けて投稿。7月に報じられた通り、ホアキン演じるジョーカーの本名が「アーサー・フレック」であることを認めた。また、「Variety」誌は、バットマンことブルース・ウェインの父トーマス役が、降板したアレック・ボールドウィンからブレット・カレン(「パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット」)に代わったことも伝えている。アレックはトーマス役に決定したと報じられてからわずか2日後に「スケジュールの都合」で降板し、「映画に出演できなくなったんだ。あの役を演じられる俳優はほかに25人はいるだろう」と語っていた。新たにトーマス役にキャスティングされたブレットは、別のバットマン映画『ダークナイト』にも議員役で出演していた。その他のキャストはロバート・デ・ニーロ、フランセス・コンロイ、マーク・マロン、ザジー・ビーツら。『The Joker』の全米公開は2019年10月4日予定。(Hiromi Kaku)
2018年09月18日映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』の初日舞台挨拶が21日、都内で行われ、声優を務めたバットマン役の山田孝之、ハーレイ・クイン役の知英、ジョーカー役の安田顕、FROGMAN監督が出席。知英と安田は、お気に入りのセリフをカットされたことに不満を漏らした。アメコミの代表格であるDCエンターテイメントと日本のフラッシュアニメ『鷹の爪』がタッグを組んだ同作。舞台挨拶では全員、胸にタイトル題字と背中に「予算崩壊」と書かれたオリジナルTシャツ姿で登場し、監督が「舞台挨拶の予算を残していなかったと言われ…」と説明した。ハーレイ役の知英は、よくわからなかったセリフを聞かれると「実は本編には出てないんですけど、『メトロという名のラビリンス』というセリフがあったんです。意味わからないですよね?」と、日本の地下鉄が入り組んでいるさまを表現したというジョーカーのセリフを挙げ、「それがなんでカットされたのか…」と疑問。ハーレイもその場面で楽しく発言していたと言い、「結局使われなかった」と嘆いた。ジョーカー役の安田は、カットになったことを知らなかったそうで「あーそうですか。カットになってるんですね。今一番ショックですよ。カットになっていたんですね。あーそう…」と監督の目の前で不満たっぷりにコメント。FROGMAN監督は、思わぬクレームに「だんだん険悪な雰囲気に」と困った表情を見せ、会場から笑いが起こった。『鷹の爪』劇場版第9弾となる本作は、DCエンターテイメントとタッグを組むという格差コラボが実現。DCの中のジャスティス・リーグに所属するスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグの6人に加え、悪役にはジョーカー、ペンギン、ハーレイ・クインの3人が登場する。
2017年10月21日世界的人気ヒーロー「ジャスティス・リーグ」と「鷹の爪」の奇跡のコラボが実現した映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』。なんと劇中で、ジョーカー(声:安田顕)とハーレイ・クイン(声:知英)が『君の名は。』の世界に迷い込んでしまう(?)ことが分かった。「鷹の爪」シリーズは、CGクリエイターのFROGMANが監督・作画・声優(女性キャラ以外)をほとんど1人で務め、制作を行っている大人気フラッシュ・アニメーション。劇場版第9作となる本作では、バットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンらをはじめとした、あのDCコミックスのスーパーヒーロー・チーム「ジャスティス・リーグ」とまさかのスペシャル・コラボが実現!とはいえ、「鷹の爪」らしさは随所に健在だ。今回シネマカフェが入手した映像では、バットマンの宿敵として知られるジョーカーが悪夢から目を覚ますところから始まる。通常は紫スーツ姿のジョーカーが、寝間着Tシャツ姿や制服姿を披露、ハーレイ・クインはJK姿になって登場し、どこかで聴いたことがあるような、ないようなテーマソングが流れてくる、ほかのDC作品では観ることができない貴重な映像となっている。どうやら彼らが迷い込んでしまったのは、国民的大ヒットアニメ映画『君の名は。』の世界。新海誠作品ではお馴染みのNTTドコモ代々木ビル(通称:ドコモタワー)を背にし、白塗りで緑髪のジョーカーが、半そでシャツの制服を着ているというミスマッチすぎる世界観がとてもシュールだ。また、JK姿のハーレイ・クインが階段で振り向く姿は、『君の名は。』の印象的なビジュアルそのもの。怖いものなしのブッ飛んだイカれキャラとして知られるジョーカーだが、明らかにこの世界観に動揺している姿も何だか新鮮。「なーんだとーーー!」と叫ぶ姿は、ジョーカーファンに新たな嵐を巻き起こすに違いない!?まさにギリギリを攻める鷹の爪の世界に巻き込まれてしまったジョーカーの運命や、いかに!?実は本作には、このシーン以外にも日本の作品のパロディが満載。ジョーカーが鷹の爪団の秘密兵器に目を付けて悪だくみをし、それを阻止するために東京にジャスティス・リーグが登場するのだが、日本にやってきたジョーカーとハーレイ・クインは「テラスハウス」風のおしゃれなシェア・ハウスをアジトに選んでいる。アジト内では「テラハ」お馴染みの、住人同士による恋模様や家族会議が勃発している点にも注目だ。それ以外にも、『シン・ゴジラ』をもじった全長600mの「シン・入社員」が登場するなど、抱腹絶倒のパロディが盛りだくさん。また、アメリカを拠点とするジョーカーたちが、鷹の爪団の拠点の麹町に降り立ち、レインボーブリッジにも登場するなど、本作でしか観ることのできない数々の姿を目にすることができる。ともかく、なぜジョーカーが全く縁のなさそうな『君の名は。』の世界に迷い込んでしまうのか?本編のラストで明かされるこの謎を、劇場で確認してみて。『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』は10月21日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年10月19日先日、マーティン・スコセッシ監督がDCコミックスのスーパーヴィラン“ジョーカー”が主役の映画をプロデュースするかも、と報じられたが、主演の候補にレオナルド・ディカプリオの名前が浮上した。白塗りの顔に耳まで裂けた大きな口、クレイジーな高笑いが印象的なジョーカー。『バットマン』シリーズを中心に、多くの作品に登場した文字どおりの超級ヴィランだが、演じてきた俳優も名優ぞろいだ。■シーザー・ロメロ実写版の初代ジョーカー俳優は、1960年代のTVシリーズと初の長編映画『バットマン』(’66)に出演したシーザー・ロメロ。コメディ色の強い作風ゆえ、ヴィランと言っても恐怖や不気味さより笑いを優先させたキャラクターだが、緑の髪と白塗りの顔で、真っ赤な口を開けて高笑いする姿は、後の作品では描かれる背景などが一切ない分、逆に恐ろしいかも。■ジャック・ニコルソン何と言ってもインパクト大だったのは1989年、ティム・バートン監督の『バットマン』でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンだ。いまでこそ、大物俳優がヒーロー映画に出演するのは当たり前だが、80年代にオスカー俳優(76年に主演男優賞、84年に助演男優賞受賞)がコミックの映画化作に、それも悪役で出演するのはかなり異例のことだった。ニコルソンは白塗りも高笑いも、凄みたっぷりに演じて、名優とスーパーヒーロー映画の相性の良さを証明。先鞭をつける形で、その後の流れを作った。■ヒース・レジャー2008年、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』でジョーカーを演じたのはヒース・レジャー。先述のニコルソンもオスカー俳優だが、レジャーはこのジョーカー役でアカデミー賞助演男優賞に輝いた。もともとニコルソン版ジョーカーの大ファンだったレジャーだが、「クリストファー・ノーラン作品とティム・バートン作品には大きな違いがある。ということは、新しいジョーカーを演じるために、できることもたくさんある」と役に臨んだ心境を生前、「Empire」誌のインタビューで語っている。その言葉通り、目元や口元が滲んだ白塗りの顔や独特の声色も禍々しい冷血なジョーカー像を作り上げ、それまでコミカルな印象もあったジョーカーのイメージを一新させた。撮影終了後、レジャーは公開を待たずに急逝したが、その鬼気迫る名演でオスカー候補となり、史上2人目となる死後の受賞を果たした。■ジャレッド・レト最新のジョーカー俳優は『スーサイド・スクワッド』(’16)に登場したジャレッド・レト。レトにとって、アカデミー助演男優賞に輝いた『ダラス・バイヤーズクラブ』(’13)以来の長編映画出演作でもあり、気合いの入った役作りが評判に。白塗りの顔と緑の髪に加えて、タトゥーも施した強烈なヴィジュアルに加えて、撮影期間中は現場以外でもジョーカーのキャラで通し、共演者たちに不気味な贈り物を渡すなど、心身ともに役になりきったのだが、完成作では出演シーンが大幅にカットされてしまい、出演時間は15分に満たない。「たぶん、ジョーカー映画が1本作れるくらいのフッテージがあるはず」とBBCラジオ1のインタビューで本人が嘆いていた。■彼らに続くか?レオナルド・ディカプリオドラマからスライドする形で映画版に続投したロメロを除き、メジャースタジオの大作でヴィランを演じたニコルソンもレトもオスカー俳優、レジャーはこのジョーカー役でオスカー受賞。…となると、『レヴェナント蘇りし者』(’15)で悲願のオスカー受賞を遂げたディカプリオはまさに適役だが、現時点では製作のワーナー・ブラザーズから正式なオファーはまだなく、スコセッシとの契約も済んでいない状態。さらに『スーサイド・スクワッド』続編などDCエクステンデッド・ユニバース作品でジョーカー役を続投するレトが、もう1人ジョーカー役が存在することに不快感を示しているという。果たして、2人のジョーカー共存となるのか否か?今後の展開に要注目だ。(text:Yuki Tominaga)
2017年09月07日巨匠マーティン・スコセッシが、DCコミックスのスーパーヴィラン“ジョーカー”を主役とした映画をプロデュースするため、ワーナー・ブラザースと交渉中であることが報じられた。「Deadline」によると、監督・脚本を『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のトッド・フィリップス、共同脚本を『ザ・ファイター』のスコット・シルバーが担当することが決定しているという。ジョーカーといえば、いままでにシーザー・ロメロ、ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レトと4人の俳優が演じてきた。このジョーカー単独映画では『スーサイド・スクワッド』でジャレッドが演じた最新版のジョーカーとは全く違ったジョーカーが描かれることから、「別のもっと若い俳優」を新たにキャスティングするようだ。物語の舞台は、1980年代のゴッサム・シティ。ジョーカーのオリジン(起源)に焦点を当て、いわゆる典型的なスーパーヒーローものの映画ではなく、「ハードボイルドなクライムドラマ」テイストを想定しているとのこと。(Hiromi Kaku)
2017年08月24日全米で2週連続No.1に輝き、早くも全米興行収入100億円を突破する大ヒットとなっている『レゴ(R)バットマン ザ・ムービー』。バットマンやロビン、ジョーカーなどのお馴染みの面々がレゴ(R)で登場する本作から、『スーサイド・スクワッド』でマーゴット・ロビーが演じて日本でも大人気となったキャラクターの、レゴ(R)ハーレイ・クインの場面写真がシネマカフェに到着した。悪いヤツらから街を守るレゴ(R)バットマンは、みんなの人気者。だが、その正体は超“かまってちゃん”な、こまったちゃんヒーローだった!でも家に帰ると、彼はいつもひとりボッチ。そんなある日、元気すぎる新入りがやってくる。パンツ一丁の“パンいち”ボーイ、ロビンのせいでバットマンのペースはガタガタに。おまけに世界をのっとろうと、ジョーカーが悪の軍団を目覚めさせてしまった。キングコングに、「あの」怪獣、ハリポタの「あの人」まで!あらゆるワルがおしよせて、世界が終わってしまう!?果たして、レゴ(R)バットマンはロビンたち仲間と力を合わせ、世界を救うことができるのか!昨年のハロウィンでは、一般の若い女性だけでなく、「AKB48」の“こじはる”こと小嶋陽菜やローラ、そして「L’Arc-en-Ciel」と「VAMPS」のボーカリスト、HYDEまでもがハーレイ・クインのコスチュームを披露して大きな話題に。今回は、レゴ(R)になったハーレイ・クインの劇中場面写真が到着。実は、本作に登場するジョーカーは、『スーサイド・スクワッド』でジャレッド・レトが演じたジョーカーとはまるで違う、どうしても目立ちたくて仕方がない“自意識ライジング”キャラ!?にも関わらず、ハーレイ・クインはレゴ(R)になってもジョーカーのためにとことん尽くしてしまう、女子力MAXのワルカワちゃん。レゴ(R)になったハーレイ・クインはジョーカーと、どのようにバットマンと対峙していくだろうか、いまからも待ちきれない。『レゴバットマン ザ・ムービー』は4月1日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:レゴバットマン ザ・ムービー 2017年4月1日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC.
2017年02月27日