世代を超えて人々を魅了し続ける“伝説”のミュージカルを、巨匠スティーブン・スピルバーグが映画化した『ウエスト・サイド・ストーリー』が、12月10日(金)より公開決定。併せて、名曲「Somewhere」にのせて贈る予告編が解禁された。舞台は、1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や成功、そして自由を求める多くの移民たちがいた。しかし、差別や偏見による社会への不満を抱えた若者たちは、やがて仲間と集団を作り激しく敵対し合っていく。ある日、ジェッツと呼ばれるチームの元リーダー・トニーは、対立するシャークスのリーダーの妹マリアと出会い、一瞬で惹かれあう。そしてふたりの禁断の恋が、多くの人々の運命を変えていく――。1957年にブロードウェイ・ミュージカルとして誕生した「ウエスト・サイド物語」は、翌年にトニー賞2部門、1961年には映画化され作品賞含むアカデミー賞10部門を受賞。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにした物語は、世界中を空前の感動で包み込んだ。今回そんな名作を映画化したスティーブン・スピルバーグ監督は、本作を自身の手で映画化することを長年夢見ていたと言い、本作で初めてミュージカル映画に挑戦している。今回解禁された映像は、物語の舞台であるニューヨークの街並みから始まる。敵対するチーム、ジェッツとシャークスの一触即発の対面シーンはもちろん、ジェット団の元リーダー・トニー(アンセル・エルゴート)とシャーク団のリーダーの妹・マリア(レイチェル・ゼグラー)がダンスホールで出会うシーンなど、物語を代表する場面も。また予告編の中で流れる名曲「Somewhere」には、そんな異なる立場の者同士が手を取り合うことができるのか?という本作のテーマが反映されており、いまを生きる我々への問いになっている。そのほかミュージカルらしい華やかで躍動感のあるダンスシーンも垣間見え、スピルバーグ監督が紡ぐ新たな『ウエスト・サイド・ストーリー』に期待が高まる。『ウエスト・サイド・ストーリー』は12月10日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウエスト・サイド・ストーリー 2021年12月10日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2021年08月10日巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督による初のミュージカル映画『ウエスト・サイド・ストーリー』の日本公開日が12月10日(金)に決定。合わせて、「きっとどこかに…私たちの居場所がある」と歌い出される名曲「Somewhere」にのせた予告編がWEBで公開された。1957年にブロードウェイ・ミュージカルとして誕生した「ウエスト・サイド物語」は、翌年にトニー賞2部門に輝き、1961年には映画化され作品賞含むアカデミー賞(R)10部門を受賞。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにした物語にこめられた“異なる立場を越えて、私たちは手を取り合えるのか?”という問いかけは、不朽の名曲とセンセーショナルなダンスとともに世界中を空前の感動で包み込んだ。そんな伝説の作品を自身の手で映画化する事を長年夢見ていたというスティーブン・スピルバーグ監督。これまで『シンドラーのリスト』、『プライベート・ライアン』で二度のアカデミー監督賞を受賞、一方で人気シリーズ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ジュラシック・パーク』『インディ・ジョーンズ』など多岐に渡るジャンルの名作を贈りだしてきたスピルバーグ監督にとって初のミュージカル映画となる。物語の舞台は1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や成功、そして自由を求める多くの移民たちがいた。しかし、差別や偏見による社会への不満を抱えた若者たちは、やがて仲間と集団を作り激しく敵対し合っていく。ある日、ジェッツと呼ばれるチームの元リーダーのトニーが出会ったのは対立するシャークスのリーダーの妹マリア。一瞬で惹かれあったふたりの禁断の恋が、多くの人々の運命を変えていくこととなる。今回公開された映像は、物語の舞台であるニューヨークの街並みから始まる。敵対するチーム、ジェッツとシャークスの一触即発の対面シーンはもちろん、ジェット団の元リーダー・トニーとシャーク団のリーダーの妹・マリアがダンスホールで出会うシーンなど、物語を代表する場面も健在。予告編の中で流れる名曲「Somewhere」は、そんな異なる立場の者同士が手を取り合うことができるのか?という本作のテーマが反映されていて、対立するグループの中で惹かれ合う二人の主人公にもきっと安らげる居場所があるはずという想いが込められている。その他ミュージカルらしい華やかで躍動感のあるダンスシーンにも注目だ。主人公トニー役を務めるのは『ベイビー・ドライバー』で注目を浴びたアンセル・エルゴート。また、トニーと恋に落ちるマリア役には、3万人のオーディションから新人レイチェル・ゼグラーが大抜擢された。さらに、1961年の映画版でシャークスのリーダーの恋人・アニータを演じてアカデミー助演女優賞を受賞したレジェンド女優リタ・モレノもトニーの良き理解者として出演。新たなキャストを迎え、映画史に残る伝説の作品がスクリーンに蘇る。誰もが知るナンバー「Cool」、「America」に乗せ描かれる、躍動感あふれるダンスシーンに心が躍り、夢を追いかける“今”を生きた若者たちの禁断のラブストーリーが、胸に熱く響く『ウエスト・サイド・ストーリー』。巨匠スピルバーグから再び投げかけられるメッセージを、世界は今どう受け止めるのか。ぜひ劇場で思いを巡らせてほしい。『ウエスト・サイド・ストーリー』予告編『ウエスト・サイド・ストーリー』12月10日(金)より公開
2021年08月10日2007年にマイケル・ベイ監督、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮によって、記念すべき1作目が製作され、空前の大ヒットを叩き出した『トランスフォーマー』の待望の最新作が4年ぶりとなる2022年に公開されることが決定。そして、オリジナルタイトル『Transformers: Rise of the beasts』の発表に合わせて、同時に邦題タイトルも解禁となった。シリーズ初めてタイトルに“ビースト”のワードがついた今作。シリーズファンに絶大なる人気を誇り、当時としては画期的な全編3DCGによるTVアニメーションとして大きな話題を呼んだ『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』を想起させるタイトルとなった。果たして『トランスフォーマー』にビースト参戦なるか、その全貌解明が待たれる。本作では、シリーズ全作品のプロデューサーであるロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが製作を行い、監督を担当するのは『クリード 炎の宿敵』のスティーブン・ケイブル・Jr。出演者には北米で大ヒット中『イン・ザ・ハイツ』に主演していることでも話題のアンソニー・ラモスや、本年度アカデミー作品賞にノミネートされた『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』で重要な役を演じたドミニク・フィッシュバックが発表されている。この新たな幕開けで、シリーズの独創的なビジョンをどのように“トランスフォーム”させていくのか、続報にぜひ注目してほしい。邦題『トランスフォーマー/ビースト覚醒』日本公開:2022年原題『Transformers: Rise of the beasts』北米公開:2022年6月24日
2021年06月23日スティーブン・スピルバーグの制作会社アンブリン・パートナーズがNetflixと製作パートナーシップ契約を締結した。アンブリンはすでにユニバーサル・ピクチャーズと契約しているが、それと並行して新たに結ばれたもの。ユニバーサルとNetflixの間でどちらが優先というのはないが、コンテンツを多数望んでいるNetflixに対しては年に複数の映画を提供することになりそうだという。スピルバーグは3年前、配信の作品はテレビであり映画ではないと、配信の作品がオスカーの候補になるのを批判したことがあった。コロナでL.A.やニューヨークでは1年も映画館が閉鎖し、人々がより配信に慣れた今、ハリウッドで最も影響力を持つ彼も考えを変えたようだ。最初のプロジェクトがどのような作品になるのかはまだ明らかにされていない。文=猿渡由紀
2021年06月22日スティーヴン・スピルバーグ監督の製作会社「アンブリン・パートナーズ」がNetflixと提携し、複数の映画製作を行うことが明らかになった。Netflixのツイッターが「伝説的なフィルムメーカーの会社が、Netflixに各年複数の新作映画を製作することになりました。とてもワクワクしています」と発表した。Netflixの共同CEOテッド・サランドスは「スティーヴンは、クリエイティヴで明確なビジョンを持ったリーダーです。世界中の多くの人にとってそうであるよう、私も彼が作り出した思い出深いキャラクターや物語を見て育ちました。刺激的で気付きを与えてくれる、不朽の作品です。『アンブリン』のチームと一緒に働くのが待ちきれません。スティーヴンの映画の歴史において、この章では私たちがその一部になれる。光栄で心が躍ります」とコメント。スピルバーグ監督といえば2019年、Netflix作品はオスカーではなく、エミー賞で選考されるべきだと発言して話題となった。同年のオスカーで、アルフォンソ・キュアロンが監督したNetflix映画『ROMA/ローマ』が監督賞、外国語映画賞、撮影賞を受賞したことがきっかけだった。スピルバーグ監督は、映画芸術科学アカデミーの役員会で、「Netflix作品には出品資格がない」というルールを設けるよう提案もしていた。そのため、一部のファンは「Netflixのことが嫌いなんだと思っていた」「お金の力ってすごい…」と辛らつなコメントを寄せている。(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2021年06月22日スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮で、トニー賞受賞舞台を映画化した『OSLO/オスロ』が6月28日(月)よりU-NEXTにて見放題で独占配信。ルース・ウィルソンやアンドリュー・スコットらキャストたちをとらえたティザー予告も日本初公開された。本作は、1組の夫婦が実現させた歴史的な和平交渉の裏側を描くHBO映画。トニー賞演劇作品賞受賞をはじめ数々の演劇賞を総なめにし、日本でも坂本昌行、安蘭けいによって今年初上演された同名舞台を、スピルバーグ製作総指揮で映画化。いまから約30年前の1993年、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の両代表が初めて和平交渉に合意した「オスロ合意」。この歴史的な和平交渉を叶えたのは、1組のノルウェー人夫婦だった。いかにして、お互い会うことすら禁じられ、激しく敵対する両者の対話が実現したのか?なぜ夫婦は危険を顧みず、献身的に寄り添ったのか?イスラエル人、パレスチナ人、そしてノルウェー人による、スリリングな秘密裏の会合、思いもよらない友情、そして静かな勇気が描かれていく。外交官の妻と社会学者の夫のノルウェー人夫婦を演じるのは、「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」「ミセス・ウィルソン」のルース・ウィルソン、「Fleabag フリーバッグ」「SHERLOCK/シャーロック」などエミー賞ノミネートのアンドリュー・スコット。製作総指揮には、スピルバーグ、マーク・プラット(『ラ・ラ・ランド』『シカゴ7裁判』『クルエラ』)が名を連ね、脚本に原作舞台を手掛けたJ・T・ロジャース、監督にエミー賞受賞舞台監督バートレット・シャー、撮影は『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』などでスピルバーグとタッグを組み、アカデミー賞に2度輝いた名匠ヤヌス・カミンスキーと豪華スタッフが集結。「圧倒的な力作」(ワシントン・ポスト)、「今、観られるべき作品」(TVガイド)、「夢中になった」(ハリウッド・レポーター)と海外メディアから絶賛評が送られ、映画批評サイト「ロッテン・トマト」でも81%の高評価をマーク。U-NEXTでは、5月29日に全米HBO・HBO Maxの放送・配信されたばかりの本作が、わずか1か月後に日本上陸となった。『OSLO/オスロ』は6月28日(月)0時~U-NEXTにて見放題独占配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:OSLO / オスロ 2021年6月28日よりU-NEXTにて配信© 2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
2021年06月16日スティーヴン・スピルバーグ監督が、1957年に初演されたブロードウェイ・ミュージカルを改めて映画化した『ウエスト・サイド・ストーリー』から、初映像となる予告編が解禁された。これまでも多くの名作を送りだしてきたスピルバーグ監督がミュージカル映画を手掛けるのは、今回が初めて。同ミュージカルは1961年にも『ウエスト・サイド物語』として映画化され、アカデミー賞10部門を獲得している。出演は『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートと、『シャザム!』続編にも出演が決まっている新星レイチェル・ゼグラーほか、アリアナ・デボーズ、マディー・ジーグラー、コーリー・ストール、ブライアン・ダーシー・ジェームズら。1961年の映画に出演したリタ・モレノも出演しており、第93回アカデミー賞授賞式では作品賞のプレゼンターとしても登場した。振付はトニー賞の受賞歴があるジャスティン・ペック、脚本はトニー賞、ピューリッツァー賞戯曲部門の受賞歴があり、『リンカーン』でもスピルバーグ監督と組んだトニー・クシュナーで、1961年版よりもオリジナルのブロードウェイ版に近いものになるといわれている。『ウエスト・サイド・ストーリー』は12月10日(金)より全国にて公開。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ウエスト・サイド・ストーリー(原題) 2021年12月10日より全国にて公開
2021年04月26日少年少女の時代というものは毎日がワクワクに満ちていて、目や耳にするものすべてが、『冒険への入り口』のように感じた人もいることでしょう。映画の世界ではこうした幼少期のワクワクが、文字通り『大冒険』へと変化を遂げる時があります。そんな、子供たちが大活躍するワクワクの冒険映画を5作品紹介します!お宝探し、妖精、宇宙人! 胸高鳴るアドベンチャー!グーニーズ10代を対象にした作品は『ジュブナイル』とも呼ばれており、その金字塔とも称されるのが1985年公開の映画『グーニーズ』です。原案がスティーブン・スピルバーグ、脚本は映画『ハリー・ポッター』シリーズのクリス・コロンバス、監督に映画『スーパーマン』のリチャード・ドナーを迎えた、最強の布陣で作られた本作。老若男女楽しめる娯楽快作です。■あらすじアメリカ、オレゴン州の田舎町グーンドッグ。病気がちの少年マイクは、マウス、チャンク、データというあだ名の親友3人とともに、自分たちを『グーニーズ』と呼んで、毎日遊びに明け暮れていました。そんなある日、マイクは父がいつも聞かせてくれる冒険譚と符合する宝の地図とメダルを屋根裏で見つけます。気の置けない仲間とともに、退屈な日常を飛び出して胸躍る冒険の旅へ…。本作は、そんなジュブナイル映画の楽しさが目一杯に詰まったお手本のような作品です。お宝を狙う泥棒一家とのバトルや、1人ではぐれてしまった食いしん坊のチャンクの活躍など、胸が熱くなる展開も魅力の一作といえるでしょう。スパイキッズ次は、姉弟が大活躍する2001年の冒険活劇スパイ映画『スパイキッズ』です。監督は、映画『シン・シティ』や映画『アリータ:バトル・エンジェル』などで知られるメキシコ系アメリカ人の人気監督ロバート・ロドリゲスです。主演は当時13歳だったアレクサ・ヴェガと、当時9歳だったダリル・サバラ。一家の父親役でアントニオ・バンデラスが出演しています。■あらすじとても切れる頭を持つ姉のカルメンと、泣き虫の弟ジュニ。2人はどこか冴えない両親に退屈しながら、日々を過ごしていました。しかし、ある時両親が何者かに捕まってしまったことで、2人が元超敏腕スパイ夫婦だったことを知ります。残された秘密道具を駆使して、姉と弟は『両親救出作戦』に乗り出すのでした。ノリノリのロックなテーマソングと、ハチャメチャながらもクールなガジェットを駆使してピンチを乗り切る本作は、まるで小学生の妄想を具現化したような楽しさに満ちており、観終わった後はハッピーな気持ちになること請け合いです。ザスーラ次は、2005年公開の宇宙大冒険ファンタジー映画『ザスーラ』です。監督は、後に映画『アイアンマン』を手がけ大ブレイクする、監督であり俳優のジョン・ファヴロー。人気同名絵本を実写映画化した一作で、批評家から高評価を獲得した傑作冒険映画です。■あらすじ退屈な土曜の昼下がり、6歳の少年ダニーが地下室で見つけたのは『ザスーラ』という名の宇宙が舞台のボードゲーム。ケンカばかりしている兄のウォルターとゲームを始めてみると、いつの間にか家ごと宇宙に漂っていたのでした。日本でも大ヒットした魔法のボードゲームをめぐるアドベンチャー映画『ジュマンジ』の宇宙版ともいえる本作。『ジュマンジ』の影に隠れがちですが、少年が憧れる『夢に満ちた宇宙』をこれでもかと味わわせてくれる気持ちのいい一作です!スパイダーウィックの謎次は、2008年公開のファンタジーアドベンチャー映画『スパイダーウィックの謎』をご紹介します。児童文学作家ホリー・ブラックの同名人気小説シリーズを実写映画化した本作。映画『チャーリーとチョコレート工場』で、主演のチャーリーを演じたフレディ・ハイモアが、双子役を1人2役で演じています。■あらすじ双子の兄弟のジャレッドとサイモン、そして姉のマロリーは、母に連れられて、緑豊かな土地にある古びた屋敷に越してきます。屋敷は、失踪した大伯父スパイダーウィックのもの。ジャレッドは家の中を冒険するうちに、大伯父が残した本を見つけるのですが…。古びた屋敷の屋根裏で見つけた秘密の本と聞くだけで、胸が高鳴りますね。大伯父が研究していた『目に見えないとある生物たち』の秘密に、きっとあなたもワクワクするはずです!SUPER8/スーパーエイト最後は、人気監督が巨額を投じて制作した2011年のジュブナイル大作映画『SUPER8/スーパーエイト』です。本作は、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』や、2009年公開の映画『スター・トレック』などで知られる映画監督J・J・エイブラムスが手がけたSFアドベンチャー作品。主演には本作がデビュー作となる新人のジョエル・コートニー、ヒロインには『全米の妹』とも称される俳優のエル・ファニングがキャスティングされています。■あらすじ舞台は、1979年のオハイオ州。映画好きの少年ジョーと仲間たちは、みんなが密かに恋心を寄せるアリスを主役に自主映画を取ろうと、夜のさびれた駅に集まっていました。しかし、そこを通った軍の列車が大爆発。彼らが偶然撮ってしまった8ミリフィルムには信じられない生物の痕跡が写り込んでしまっていたのです。傑作と名高いスピルバーグ監督の映画『E.T.』と『グーニーズ』を掛け合わせたかのようなハイブリッドさが魅力の本作。少年たちがほのかな恋を抱く美少女を救うため、命がけの冒険に挑む様子を、驚異のグラフィックで描き出した豪華な一作です!少年少女の冒険映画は、時に荒んでしまいがちな大人の心に、当時の活力を呼び起こしてくれるもの。毎日に疲れてしまった人は、今回紹介した映画をゆっくり見て癒されるのもオススメですよ![文・構成/grape編集部]
2021年04月22日数々の傑作を生み出してきた名監督、クリント・イーストウッド、スタンリー・キューブリック、マーティン・スコセッシの映画製作の裏側に迫る貴重なドキュメンタリー映像が本日3月15日(月)より、ワーナー・ブラザースの特設サイト「FILM MAKERS/名監督ドキュメンタリー<映画製作の舞台裏>」にて無料配信スタートした。配信中の映像は、3人の巨匠がどのように映画を製作してきたのか、本人のインタビューや撮影当時の映像・資料に加え、スティーブン・スピルバーグやウッディ・アレン、メリル・ストリープ、モーガン・フリーマン、トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、ジャック・ニコルソン、ケビン・ベーコンなどが登場、ハリウッドを代表する名監督や俳優、スタッフなどの証言も交えたドキュメンタリーだ。アメリカを代表するフィルムメーカーで、2度のアカデミー賞監督賞を受賞しているイーストウッド監督。今回配信中のドキュメンタリー「イーストウッド語られざる伝説」は、ワーナー・ブラザース設立90周年を記念して特別に製作されたもので、日本初公開。監督デビューしたばかりの頃から、現場のカメラがイーストウッドの監督としての手腕を記録。また、謎に包まれた巨匠キューブリック監督の生涯とキャリアを探求する貴重なドキュメンタリー「ライフ・イン・ピクチャー」。ナレーションはトム・クルーズが務め、数々の写真や映像作品、ホームビデオなどの資料によって、如何にして歴史に残る偉大な名作を残したか、その作家性や独自の視点に迫っている。そしてスコセッシ監督の映像は、「グッドフェローズ スペシャル・エディション(2枚組)」DVD発売時に映像特典として収録された「グッドフェローズの伝説」。前半は『グッドフェローズ』の製作の裏側に迫るドキュメンタリーで、後半ではフランク・ダラボン、リチャード・リンクレーターらが製作者の立場から本作に対する感謝と彼らの作品にどのように影響したかについて語っている。なお、この貴重な映像は、イーストウッド監督が約70分、キューブリック監督が約142分、スコセッシ監督が約43分という見ごたえのある映像となっている。(cinemacafe.net)
2021年03月15日スティーブン・スピルバーグが、パーソナルな映画を作ろうとしているようだ。アリゾナで育った子供時代の思い出にもとづくもので、ミシェル・ウィリアムズが出演を交渉しているという。ウィリアムズの役は、スピルバーグの母にインスピレーションを得ているが、その通りではなく、独立したキャラクターということだ。スピルバーグは脚本も共同執筆する。タイトルは未定。来年の公開を目指し、この夏に撮影をスタートする予定。スピルバーグの次回公開作は、ミュージカル映画「West Side Story」。映画は完成しているが、コロナで公開が延期になっている。ウィリアムズの最新作は、現在日本公開中の「秘密への招待状」。文=猿渡由紀
2021年03月10日エドガー・ライトが『バトルランナー』を映画化することになった。スティーブン・キングがリチャード・バックマンのペンネームで活動していた頃の作品で、1982年に、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で一度映画化されている。今度の映画は、より原作に忠実になるようだ。脚色は、ライトとマイケル・バコールが手がける。プロデューサーはサイモン・キンバーグ。製作配給はパラマウント。ライトの最近作は、先月のサンダンス映画祭で初上映されたドキュメンタリー映画『The Sparks Brothers』。次回公開作は、コロナで延期された『Last Night in Soho』。出演はアニャ・テイラー=ジョイ、トマシン・マッケンジー。文=猿渡由紀
2021年02月22日「インディ・ジョーンズ」シリーズの第1作『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』が日本公開40周年を記念して、4DX版で期間限定公開されることが決定。併せて、4DX版ポスタービジュアルと新・オリジナル予告編が解禁された。「インディ・ジョーンズ」シリーズの第1作として1981年に公開された本作は、「スター・ウォーズ」シリーズのジョージ・ルーカスと『ジョーズ』『未知との遭遇』の巨匠スティーブン・スピルバーグが初タッグを組んだ冒険活劇。今回解禁された予告編では、あの名曲とともに、ハリソン・フォード演じるインディ・ジョーンズがアーク《聖櫃》を求めて砂漠地帯やジャングルを駆け巡る姿が映し出される。銃撃戦を繰り広げ、走る車にしがみつくアクションシーン、そしてあの巨大な岩玉が転がってくるシーンなど大迫力&躍動感溢れるシーンの連続に、4DX版への期待が高まる予告編に仕上がっている。併せて解禁されたポスタービジュアルには、鞭を片手に微笑をたたえたインディ・ジョーンズを中心に、彼を取り巻くキャラクターたちが肖像画で描かれている。『レイダース 失われたアーク《聖櫃》4DX』は3月5日(金)より全国4DXシアター(一部劇場は除く)にて期間限定公開。(text:cinemacafe.net)
2021年01月26日今週の「おとな向け映画ガイド」アカデミー賞有力候補作がこんなにも!ー『Mank/マンク』『ミッドナイト・スカイ』など劇場公開されたNetflixオリジナル4作品をオススメ。ぴあ編集部 坂口英明20/12/20(日)イラストレーション:高松啓二今週末のロードショー公開は11本(ライブビューイング、映画祭企画を除く)。全国100スクリーン以上で拡大公開される作品は『劇場版ポケットモンスター ココ』『映画 えんとつ町のプペル』『ジョゼと虎と魚たち』の3本です。今回ご紹介するのは、いま話題のNetflixオリジナル作品4本。館数は少ないですが、今なら映画館でご覧になれます。この年末年始は、おうちでゆっくり配信を観るという楽しみ方も。『ミッドナイト・スカイ』ジョージ・クルーニー主演・監督・製作、世界の静かな終末を描くSF大作です。2049年、地球は壊滅の危機にあります。クルーニーの役は、避難をせずに北極圏の天文台にひとり残った老宇宙物理学者オーガスティン。食料の備蓄もあるこの観測施設で死を待つ状態です。施設内で、家族とはぐれ取り残された少女アイリスを見つけるのですが、彼女を救うすべもありません。ある日彼は、木星の探査を終え地球に帰還する宇宙船からの無線をキャッチします。彼らは、地球との連絡が途絶え、混乱状態のなか、情報を求めてあてのない発信を続けていたのです。オーガスティンは、よりよい通信設備のある遠く離れた別の基地へ氷原のなかをアイリスと移動します。映画は、そのサバイバルの旅と、宇宙船の地球帰還を並行して描いていきます。原作はリリー・ブルックス=ダルトンの『世界の終わりの天文台』。なぜ地球は滅亡するのか?木星探査のミッションは? 宇宙船内の人間関係は?オーガスティンはなぜ残ったのか? 少女アイリスの謎?などなど、原作とは異なる部分もあったり、観た人の想像力に委ねられるところも多くて、映画を観終わっても話題はつきません。氷とオーロラの北極圏、宇宙空間でのスリリングな船外活動シーンや、船内のライフスタイル、といった映像の見どころも盛りだくさんです。12/11(金)から劇場公開。ヒューマントラストシネマ渋谷他で上映中。12/23(水)からNetflixで配信開始。『ザ・プロム』ブロードウェイとハイスクール・ラブコメをガッチャンコさせた良いとこ取りミュージカル。しかもメリル・ストリープ、ニコール・キッドマンら大物俳優を起用するという大盤振る舞いの、ゴージャスなNetflix映画です。ルーズベルト大統領夫人を主人公にした新作ブロードウェイ・ミュジーカル『エレノア』、劇場前の派手なキャンペーンで華々しく初日を迎えるのですが、酷評であえなくクローズ。やけ気味の主演女優ディーディー(メリル・ストリープ)とその仲間たちは起死回生のアイデアをSNSでみつけます。それは、インディアナ州の田舎町の高校で、同性の恋人とプロム(卒業パーティ)に参加する予定の女子高校生がいるため、PTAがプロムそのものを中止したという記事。この女子高生をブロードウェイのスターが応援しよう、というわけです。ディーディーたちの出現に、現地は大騒ぎ。監督は学園シリーズ『glee グリー』のライアン・マーフィ。女子高生エマを演じる新人ジョー・エレン・ペルマンは、どこか『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンを彷彿とさせます。学園ミュージカルの躍動感とベテランたちの円熟の芸の見事な交配。メリル・ストリープ扮する大女優のセルフ・パロディは余裕を感じますし、彼女や、ニコール・キッドマン、ジェームズ・コーデン(トニー賞受賞男優)らが歌い踊るシーンは一見の価値あり、です。12/4(金)から劇場公開。ヒューマントラストシネマ渋谷他で上映中。Netflixで配信中。『Mank/マンク』米アカデミー賞レースで最有力候補といわれている作品です。監督は『ゴーン・ガール』などのデヴィッド・フィンチャー。映画史上燦然と輝く名作中の名作『市民ケーン』は監督で主演のオーソン・ウェルズの功績が語られますが、この映画は脚本を担当した”マンク”こと、ハーマン・J・マンキーウィッツにスポットをあてた新味の“名作誕生秘話”になっています。脚本を担当したのはジャック・フィンチャー。監督の実父です。『市民ケーン』のモデル、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストや、MGMの創始者メイヤー、『ラスト・タイクーン』の主人公、タルバーグなど、実在したハリウッド・レジェンドが実名で描かれています。1930年代、黄金時代のスタジオらしい熱病のような浮かれた雰囲気と、きらびやかな世界の裏で展開するどろどろとした人間模様。ハリウッド内幕ものの魅力にあふれています。評判をよんでいるひとつは映像です。モノクロの、まるで『市民ケーン』(1942年作品)と同じようなテイスト。様々な時制のシーンをインサートする構造は、フラッシュバックを多用した『市民ケーン』を連想させます。役者も高い評価を得ています。マンクを演じているのは、個性派ゲイリー・オールドマン。今回も、この酒びたりで、毒舌、ハリウッドの暴れん坊を魅力的に演じています。『市民ケーン』はいまや世界の映画ベスト1にも選ばれますが、当時、ハリウッドからは総スカンで、アカデミー賞9部門にノミネートされるも、受賞したのはこのマンキーウィッツ(とオーソン・ウェルズ)の脚本賞だけ。さて、『マンク』はどんな結果になりますか。11/20(金)から劇場公開。アップリンク吉祥寺他で上映中。Netflixで配信中。『シカゴ7裁判』1968年シカゴでおきたベトナム戦争への抗議デモ弾圧事件の、今からみると衝撃的で理不尽な裁判を描いた物語です。事件は、大統領選挙に向けて民主党全国大会が行われたシカゴにベトナム反戦の活動家が集結したなかで起きました。デモ隊と警察、州兵が対立し、なかば暴動状態となり、デモ指導者が逮捕されました。映画は翌年に行われた裁判を追いながら、事件の背景も描いていきます。シカゴ7とよばれた被告は、新左翼の学生団体SDSのリーダー、トム・ヘイデンや、政治に傾斜したヒッピー集団イッピーのアビー・ホフマンとジェリー・ルービン、非暴力の活動家など7人。さらに過激派ブラック・パンサーのリーダーも告発されていました。監督・脚本はアーロン・ソーキン。『ホワイトハウス』などTVシリーズのヒット脚本家として知られ、最近は映画監督として活躍しています。当初、この作品はスティーブン・スピルバーグが監督するといわれていました。トム・ヘイデンといえば、その後、カリフォルニア州議会議員となりますが、映画ファンにはよく知られた名前。ジェーン・フォンダの元夫です。この映画では、『ファンタスティック・ビースト』シリーズのエディ・レッドメインが演じています。フランク・ランジェラが演じた超タカ派の裁判官の横暴、意外な証言者の登場(マイケル・キートン扮する前司法長官など)、被告団の内輪もめ……といった裁判ドラマならではの展開の面白さ。そして感動のラスト!アメリカではベトナム反戦、フランスの五月革命、日本では全共闘運動と、若者たちの関心が政治に向けられた時代の物語です。それが、トランプが再選をめざし、さまざまな政治対立が現出した今年に公開されたことに意味があります。これもアカデミー賞の有力候補の一本です。10/9(金)から劇場公開。アップリンク渋谷他で上映中。Netflixで配信中。
2020年12月20日秋田県の伝統行事「男鹿のナマハゲ」から着想したオリジナル脚本の映画『泣く子はいねぇが』で、鮮烈な劇場監督デビューを飾る佐藤快磨監督。その才能がただならぬものであることは、カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールに輝いた『万引き家族』(18)の是枝裕和監督を唸らせ、本作がデビュー作でありながら、権威あるサン・セバスティアン国際映画祭のオフィシャル・コンペティション部門で最優秀撮影賞を受賞したことからも明らかだ。果たして突如、流星の如く現れ、世界の映画ファンを魅了する新時代の映像クリエイターはいったい何者なのか? 佐藤快磨監督を直撃し、過去作から最新作への道のりを辿りながら、彼の脳内とその眼差しの先にあるものを探ってみた。サッカーと同じくらい情熱を捧げられた映画作りとの出会い── 映画を撮り始めたきっかけは?僕は映画をほとんど観てこなかったので、いまこうして映画を撮っていること自体が不思議で。ただ、サッカーをずっとやっていたし、ナイキのCMが好きだったから就職活動で広告代理店を受けたんです。でも、映像作品を作ってなかったので受からなくて。それでニューシネマワークショップという映画学校に1年間通ったんですけど、そこで映画作りを始めたらすごく面白かったんです。サッカーを高校卒業と同時にやめてから情熱を傾けられるものがなかったんですけど、そのときに“これだ!”という感じで映画作りに一生携っていきたいと思ったんです。── ニューシネマワークショップでも監督をしたんですか?卒業制作の監督に選んでいただいて、初めて役者さんに出てもらう『ぶらざぁ』(13)というタイトルの30分の短編を撮ったんです。その現場で、役者さんが自分の書いた脚本通りに演じてくれているのを見たときに、これまで生きてきて感じたことのない濃密な空気と空間を感じて。その衝撃が大きかったですね。── 続く『ガンバレとかうるせぇ』(14)は高校サッカー部の女子マネージャーが主人公の映画ですけど、あの話はどこから?大人になってから、高校時代のサッカー部の仲間やマネージャーとお酒を飲む機会があって。そのときにマネージャーが選手のために裏でしてくれていたことを初めて知ったり、選手とマネージャーの“勝ちたい”という気持ちは違うからと決めつけて、どこか疎外していたことを思い出したんです。そのあたりを、ある種の皮肉を込めて描けたらと考えたんですね。── この作品は、ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2014で映画ファン賞と観客賞をW受賞し、第19回釜山国際映画祭のコンペティション部門「ニューカレンツ」にノミネートされました。その年の「ニューカレンツ」のノミネート作品で僕の映画だけが自主製作だったんですけど、亡くなられた副ディレクターのキム・ジソクさんが「あなたにしか撮れない作品だから選びました」って言ってくれて、それがすごく嬉しかったんです。その言葉が、自分の中では映画を本格的に撮るきっかけなったような気がしますね。── その次の『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』(16)は、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2015」の監督に選ばれて撮ったものですね。ええ。この映画は映画学校時代の同級生の原案を僕が脚本にして映画化したんですけど、主演をプロデューサーから推薦された太賀(現・仲野太賀)くんにお願いしたんです。太賀くんとはこの作品で出会いました。── そして、『歩けない僕らは』(19)でSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019の観客賞を受賞しますが、この作品は回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士の女性と脳卒中で下半身が不随になった青年との物語です。この作品が、それまでの中でいちばん大変でした。知らない世界でしたし、下半身不随の人を自分が描くことに対するおこがましさがあって、自分が撮る意味が見い出せなかった。それで脚本が全然書けなかったんです。苦しかったですね。でも、その分思い入れがあるし、自分でも好きな作品です。足りてない自分を感じ、映像制作者集団“分福”へ── 『歩けない僕らは』の撮影に入る前に、是枝裕和監督率いる映像制作者集団“分福”の監督助手募集に応募したのはどんな想いからですか?商業映画の現場にほとんど行ったことがなかったので、現場を見て勉強しないとダメだなと思っていたときに“分福”の監督助手募集を知って。是枝監督の現場に行って、監督のもとで映画の勉強をしたいという想いで応募しました。── 是枝監督の現場を経験されたんですか?いや、監督助手としては採用されなかったんです。でも、そのときに『ガンバレとかうるせぇ』を観てくれたり、『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』や今回の『泣く子はいねぇが』の脚本を読んでくださった是枝監督が「“分福”に来てもいいよ」って誘ってくださったんです。是枝監督も唸った『泣く子はいねぇが』ラストシーン── 是枝監督は『泣く子はいねぇが』の脚本を読んで唸ったということですけど、どこを評価されたのでしょう?ラストシーンですね。僕も「男鹿のナマハゲ」にインスパイアされたあのラストシーンが真っ先に頭に浮かんだんですけど、是枝監督から「このラストシーンがいちばん泣けるように直せ!」って言われ続けました。でも、あそこは最初の脚本からまったく変わっていないです。── 以前の取材で監督は「父親でもない自分が父性を探す映画を撮ったら新しいものができると思った」と言われましたが、どんな経緯でその考えに行きついたんですか?年齢を重ねれば重ねるほど、父親になったり、家族を持つ自分を想像できなくなったんです。そこから、そんな自分が父性に目覚めるのはタイミングなのか? それともある一定の時間なのか?って考えるようになって。そこを映画を撮りながら探して行けば、新しい父親の物語になるという確信があったんです。キャストと一緒に考えていった「父になるとは?」「母になるとは?」── 主演の仲野太賀さんとは『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』に続いて2度目のタッグですね。たすく役は、最初から太賀くんに決めていたんですけど、今回は前回と違い、僕も太賀くんも責任と覚悟を持ってこの映画に臨んでいたと思います。だから、意見をぶつけ合うことができたし、考えが共有できるまでふたりとも諦めなかった。それが信頼関係に繋がったような気がします。── 太賀さんの言葉で印象に残っているものは?言葉ではないんですけど、自分の考えが定まっていないときに限って、太賀くんが隣でごはんを食べていたりするんです。それはただ移動するシーンの前だったりするんですけど、どういう目的で移動するのか僕が考えていないと見抜いてぶつかってくる。それで、それが如何に大事なシーンかが分かったこともあったし、太賀くんがいなければ、この映画は違うものになっていたと思います。── たすくの妻・ことねを演じた吉岡里帆さんは、監督が自ら手紙を書いて出演を依頼されたそうですね。NHKのドラマ『京都人密かな愉しみ Blue 修業中』の中の1編『祇園さんの来はる夏』(19)の吉岡さんがすごく無防備な顔をしていて、それがことねという役に繋がったんです。それで、「父親になりきれない男が主人公の映画ですけど、女性も母になれるか不安だし、子供を産んだからといって母親になれたわけではないと思うので、母になるとはどういうことなのか? を吉岡さんと探していきたい」と手紙に書いて、送らせていただきました。「切実な想いを抱えた人に光を当てたい」から映画を撮り続ける── 監督が一貫してこだわっているテーマはありますか?コミュニケーションをしているようでできていない、人間関係に臆病なディスコミュニケーションの人たちは自分を投影しやすいですね。観ていただいた方から「佐藤くんの映画は、最後でいつもナルシシズムが爆発するよね」って言われたこともあります(笑)。── その閉塞感を打ち破っていく感じが、いまを生きる人たちの共感を呼ぶんでしょうね。そうかもしれない。現代人は人間関係を閉ざしてひとりでも生きていけるんだけど、それでも誰かと繋がっていたいという相反する切実な想いも抱えている。僕はその切実さを肯定したいのかも。人と繋がらなくても生きていけるけど、そうじゃないよって言ってあげたいんです。── その想いが、佐藤監督が映画を撮り続ける原動力ですか?切実な想いを抱えた人に光を当てたいんです。自分も映画でそういう人物を見て勇気づけられたから、その人たちの心の内側に光を当てたい。きっと、心の内側を見たいんだと思います。心の内側は見えないし、映画も心の内側は映せないけれど、人の内側を見たいという衝動が、僕が映画を撮り続ける理由かもしれません。新たなる才能の誕生! 自分にしか撮れないものを追及した『泣く子はいねぇが』“映画作り”に自分の一生を捧げたいと思い、“自分にしか撮れない映画”を考え抜いた結果の産物でもある『泣く子はいねぇが』で待望の劇場監督デビューを果たす佐藤快磨監督。その素顔は一見シャイだが、話を聞けば聞くほどいい意味で頑固な、撮りたいもの、撮るべきものがはっきり見えている人だな~という印象でした。その発言の数々は、それを形にしてきた自信と力強さを伴っていて頼もしさすら感じる。実際、過去作を順に観ていくと脚本=ストーリーと構成の精度が回を追うごとにアップし、演出力や映像センスもどんどん研ぎ澄まされていることが分かる。『泣く子はいねぇが』に至っては、是枝裕和監督や“分福”に所属するプロデューサー、女性監督らの厳しい意見も自分のものにしていて、展開に一切の無駄がない。しかも、仲野太賀、吉岡里帆ら俳優陣の力を信じた、攻める映像表現で観る者の心を鷲づかみにしてしまうのだからスゴい! 恐るべき“映画の子供”が登場したものだ。振り返ると、洋の東西を問わず、新たなる映画の才能は30代前後で覚醒し、“自分にしか撮れない”作品で世界中の映画ファンを魅了してきた。スティーブン・スピルバーグ監督が『ジョーズ』(75)を撮ったのは29歳のときだし、ポン・ジュノ監督が『殺人の追憶』(03)を撮ったのは33歳。岩井俊二監督は31歳のときに撮った『Love Letter』(95)で脚光を浴び、クリストファー・ノーラン監督が『メメント』(00)でその名を世界中に轟かせたのも29歳のときだ。佐藤快彦監督は現在31歳だから、ちょうどその年齢。まだ原石かも知れないし、本人も気づいていないとんでもないイマジネーションとそれを視覚化する能力を秘めているかもしれない。いずれにしても、『泣く子はいねぇが』はその第一歩。新たなる才能の誕生を、ぜひ自分の目で目撃して欲しい。取材・文:イソガイマサト
2020年11月12日今年2月、スティーヴン・スピルバーグ監督が、製作進行中の『インディ・ジョーンズ』5作目から降板した。スピルバーグは、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』から『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』まで『インディ・ジョーンズ』シリーズ4作のメガホンを取っており、監督を務めないのは今作が初めて。前作から引き続き脚本を担当する予定だったデヴィッド・コープが、その経緯を「Den of Geek」とのインタビューで明かした。「スピルバーグと一緒に、同作について何パターンかの構想を出しました。いいところもあれば、うまくいかないところもあった。すべての要素――スピルバーグ、主演のハリソン・フォード、ディズニー、脚本をひとまとめにするというのはすごく大変なことで、結局みんなが一つになることはありませんでした」と語り、スピルバーグとコープが離脱することになったと説明した。スピルバーグはプロデューサーとしては作品に携わる。新しい監督にはすでに報じられているように、『LOGAN/ローガン』のジェームズ・マンゴールドに決定。「ジェームズが新しくやってきて、スティーヴンが降板したときが、自分も企画から離れる合理的なタイミングだったかなと思います。だって、新しい監督にとって前の監督の脚本家なんて、最もほしくない存在でしょうから」とやや皮肉交じりに語るが、2人の離脱は友好的であり、コープは新たな方向に進んでいく『インディ・ジョーンズ5』を楽しみにしているとも。2016年から企画が進行している同作は、何度も公開予定日が変更されており、現在のところは2022年7月29日に全米公開予定。(Hiromi Kaku)
2020年09月29日華やかなハリウッド業界。スクリーンの中で華麗に活躍する彼らを観て、我々は元気をもらっているわけですが、そんな彼らも今の活躍からは想像できない過去を背負っていることがあります。無視や暴行など、卑劣ないじめの被害にあってもなお挫けず、ショービズ界を駆け上がっていった不屈のスターたちを紹介します。無視、嫌がらせ、暴力…いじめに屈しなかったスターの過去いじめられっ子だったセレブ①:クリスチャン・ベールまず紹介するのは、徹底した役作りと肉体改造で知られる実力派俳優、クリスチャン・ベールです。鬼気迫る演技で何度もアカデミー賞にノミネートされる一方で、2003年公開の映画『リベリオン』や、2005年公開の映画『バットマン ビギンズ』から続く3部作など、娯楽作品にも分け隔てなく出演して人気を博してきました。そんなクリスチャン、今や知らない人も多いですが、元々は子役出身。3人いる姉の一番上がミュージシャンであることから、その影響で音楽の道を目指していましたが、のちに俳優を志すようになりました。10歳から演劇学校に通い始め、13歳の時に名匠スティーブン・スピルバーグ監督の1987年公開の映画『太陽の帝国』で、見事主役の座を獲得しています。この役の成功でスターの仲間入りを果たしたクリスチャンでしたが、同級生たちはそんな活躍を妬んでか、彼に殴る蹴るのいじめを行なっていたそうです。インタビューでクリスチャンは「彼らのせいで地獄を見た」と当時を振り返っています。いじめられっ子だったセレブ②:ミーガン・フォックス次は、印象的な眼差しと抜群のスタイルを活かしたセクシーな役柄で人気の女優、ミーガン・フォックスです。5歳から演技やダンスの練習を始め、1999年に13歳でモデルとしてデビューしました。彼女を一躍有名にしたのは、2007年公開のSF超大作『トランスフォーマー』でしょう。ホットパンツ姿で金属生命体たちと爆炎の中を駆ける姿に、世界中が魅了されました。そんなミーガンは、傭兵チームVS殺人ライオンという豪快な設定のアクションスリラー映画『ローグ(原題)』でアクションに挑戦しています。これまでのようなセクシーな役柄からの脱却の想いも込めているそうですが、そう考える彼女には、モテるゆえの苦悩があったようです。 View this post on Instagram Training for #RogueMovie A post shared by Megan Fox (@meganfox) on Nov 11, 2019 at 11:31am PST雑誌のインタビューで過去を振り返った彼女は、10代の頃、派手な格好や自信に満ちた振る舞い、さらに学校で人気者の男子とたびたび恋愛関係になっていたことを明かしています。しかし、それが原因で一部の女子から無視やケチャップを投げつけられるなどの嫌がらせに遭い、トイレでランチを食べる状態にまで追い詰められてしまったそうです。いじめられっ子だったセレブ③:ジェシカ・アルバ次は、エキゾチックかつキュートな顔立ちで一斉を風靡した女優、ジェシカ・アルバを紹介します。11歳の時に友人の後押しもあり、ビバリーヒルズで開催された演技コンテストに出場し、思わぬ優勝を勝ち取ったことで演技の楽しさに目覚めたというジェシカ。その後、1994年公開の映画『僕達のサマーキャンプ 親の居ぬ間に…』でデビューを飾りました。2000年には、連続ドラマ『ダーク・エンジェル』の主役で大ブレイク。2005年公開の『シン・シティ』や『ファンタスティック・フォー/超能力ユニット』などでセクシーかつキュートな役を熱演し、ハリウッドのセックスシンボルの1人となりました。そんなジェシカですが、高校時代には彼女が混血であることや、貧しい生まれでかわいい服や流行りのアイテムが買えなかったことなどをからかわれ、ひどいいじめに遭っていたそう。保健室で1人ランチをとることも多く、いじめが深刻化した時は、父親が学校の校内まで送り届けてくれていたそうです。いじめられっ子だったセレブ④:ウィノナ・ライダー次は、数々のトラブルや苦難を乗り越え、カムバックを果たした実力派女優のウィノナ・ライダーです。 View this post on Instagram That bag A post shared by Winona Ryder (@winonaryderofficial) on Mar 16, 2020 at 10:16am PDT12歳の時に業界入りを果たした子役出身のウィノナ。1986年、ウィノナが16歳の時に青春映画『ルーカスの初恋メモリー』で映画デビューしました。1988年に、映画『ビートルジュース』に出演し、1990年には映画『シザーハンズ』でのクールでキュートな美少女ヒロイン役で大ブレイクを果たしました。しかし、2000年代前半には万引きや大麻の所持で逮捕されるなど、苦難の時を迎えます。その後、2016年から始まった大ヒットドラマ『ストレンジャー・シングス』で、息子のために大活躍する母親役を演じ、再び人気を取り戻しました。そんなウィノナ、中学時代はボーイッシュな格好をしていたせいで、トイレで髪を掴まれ壁に叩きつけられて大ケガを負うなど、壮絶ないじめの被害に遭っていました。彼女はスターになった後年、地元でサインをせがんできた相手がかつてのいじめっ子だったことに気付くや「あんたなんかくたばっちまえ!」と啖呵を切った、という胸のすくようなエピソードも残っています。いじめられっ子だったセレブ⑤:ハリソン・フォード最後は、70歳を超えた現在も現役バリバリ、ハリウッドのレジェンド俳優、ハリソン・フォードです。 View this post on Instagram A post shared by Harrison Ford (@harrisonford_official_page) on May 2, 2019 at 1:35am PDT大学時代にドラマコースを選んだことで演技に目覚め、その後、俳優を目指して奮闘。1966年には、端役で映画デビューを果たします。しかしなかなか芽が出ず、大工として食いぶちをつなぎながら実に11年も下積みを重ね、1977年公開の映画『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役で大ブレイク。1981年には『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』で、もう1つのハマり役、考古学者インディアナ・ジョーンズを演じて世界的大スターにのし上がりました。80歳となる2022年には、なんとシリーズ5作目の公開が予定されています。そんなハリソンですが、小学校時代にはグラウンドの丘の上から突き飛ばされるなどいじめを受けており、高校に入ってからもさまざまな嫌がらせを受けてきました。しかし、シャイで優しい性格ゆえか、決してやり返すことはせず、耐え抜いていたそうです。目立つゆえにイジメの対象にされてきたスターたち。しかし、その隠し切れないオーラこそが才能ともいえます。不屈の魂でいじめっ子の遥か上にのし上がったことは、ある意味、一番の復讐。そんな彼らをこれからも応援していきたい限りです![文・構成/grape編集部]
2020年08月17日スティーヴン・スピルバーグ&ケイト・キャプショーの末娘デストリー・アリーン(23)が、インスタグラムで婚約したことを発表した。「親友と共に人生を歩めることに、すごくワクワクする! 最高の日! 大好き!」と絵文字で飾ったキャプションと婚約者のゲンク・レグランドのツーショットを掲載。ゲンクの首に手を回し、頬にキスしているデストリーの左手薬指にはダイヤモンドの指輪が光っている。2枚目の写真には2人が繋いでいる手が写っており、指輪もよりクローズアップされている。コメント欄にはエル・ファニングが「あああ!! おめでとう、美しいカップル」と祝福メッセージを寄せ、ジュリアン・ムーア、ケイトリン・デヴァーらも祝いの言葉を贈った。交際開始時期は不明だが、2人のインスタグラムには、2017年10月頃からツーショットが掲載されるようになっている。両親同様、数年前から映画業界で女優、監督、プロデューサーとして活動しているデストリー。お相手のゲンクはスイス出身の俳優で、キャリアを求めてロサンゼルスに移住。リー・ストラスバーグ・シアターで2年間の演技コースを修了したという。(Hiromi Kaku)
2020年07月06日お笑いコンビ・ピースの綾部祐二が、ドリームワークス・アニメーションの最新作『トロールズ ミュージック★パワー』(10月公開)のワールド・マーケティングプロデューサーに就任。同スタジオを訪問し、声を演じたアナ・ケンドリック、ジャスティン・ティンバーレイクにインタビューを敢行した特別映像が9日、公開された。『シュレック』や『ボス・ベイビー』のドリームワークス・アニメーションの最新作となる本作は、ポピー達に届いたロック族のクィーン・バーブからの一通の手紙から始まる。それをきっかけにトロール達の封印されていた秘密が明らかに。そして、全トロールを救うためポピーと仲間達が未知なる世界へと旅立つ。映画の都ハリウッドに高級リムジンに乗って颯爽と現れたのは、“最重要依頼”を受けたというNY在住の綾部。スーツにサングラスというハリウッドスターさながらのキメキメルックの綾部は、本作を楽しみに待つ日本のファンに向けて映画の魅力を伝えるため、本作の“WMP”ことワールド・マーケティングプロデューサーとしてドリームワークス・アニメーション・スタジオに招待された。NBC Universalの担当者は「祐二とトロールズの明るさがぴったりだと思ったの。トロールズの魅力を世界に広めてもらうには彼にお願いするべきだと思ったわ」と綾部がWMPに適任であることを力説。綾部もアメリカでの生活の中で友人の子供が家に行くと『トロールズ』をずっと見ていると本シリーズの人気ぶりを実感していると言い、「子供だけじゃなくて大人が観ても楽しいのはもちろん感動的だし、最新作にお仕事でお招きいただきうれしい限り!」とWMP任命に喜びの表情を見せる。今回綾部が訪れたのは、スティーブン・スピルバーグによって設立され、数々の賞を受賞しているハリウッドを代表するスタジオ。そんな貴重な場所で、本作の主人公ポピー役のアナ・ケンドリック、ブランチ役のジャスティン・ティンバーレイク、監督のウォルト・ドーンにインタビューをするという重大任務を敢行した。6分しかない取材時間を有効なものにしようと意気込む綾部にスタッフが「通訳さんも用意していますが、どうされますか」と尋ねると、綾部は「失礼になりますから、帰れって言うのも。本当は自分で行こうかと思ったんですけど…呼んでるんだったら来ていただきますよ」と返し、日本語でインタビューすることに。綾部が日本に宣伝していくポイントについて問うと、ジャスティンは大スターを前に緊張で顔をこわばらせていた綾部に「まず笑顔だね」と優しくアドバイスし、「映画のメッセージはみんな自分らしくいていいんだということ。個性があることは素晴らしいことだからね。そのメッセージを広めて欲しいな」とアピール。続けてアナは「喜びを広めることね。あなたは楽しそうな人だからこのお役目はぴったりね」と背中を押す。また、本作の監督ウォルト・ドーンは「日本の皆さんが楽しんでくれることを願っているよ。日本の文化やアニメに影響を受けているからね。旅行した国の中で日本が一番好きなんだ。気に入ってもらえたらすごく嬉しいよ」と日本好きだからこそのコメントを寄せ、綾部は重大な任務を無事に終えた。なお、綾部とスタジオで働く日本人クリエイターとの対談も実現しており、続報として近日映像が公開される。
2020年05月09日グザヴィエ・ドランが衝撃のデビューから10年を経て、ハリウッドの豪華キャストとタッグを組んだ初めての英語作品『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』。デジタル撮影が映画界の主流になった現在でも、あえてフィルムでの撮影にこだわる作家性を放つ監督は数多い。スティーブン・スピルバーグ、クリストファー・ノーラン、クエンティン・タランティーノ、ポール・トーマス・アンダーソンら、名だたる映像作家がフィルムを後世に残す活動に力を注いでいる。本作のグザヴィエ・ドラン監督も、「デジタルで撮影することはない」と語るほどの圧倒的なフィルム派。今回は、本作と共にぜひチェックしておきたい、フィルムならではの質感を堪能できる作品に迫った。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』35mmと65mmを併用して追求した圧倒的映像美カンヌ国際映画祭審査委員賞を受賞した『Mommy/マミー』ではInstagramのような正方形の画面が、あるシーンで一気に広がりを見せるなど、独自の映像へのこだわりで知られるドラン。ドラン史上最大規模の大作となった本作では、過去に使用していた35mmフィルムに加え、いまではめったに使用されることがない65mmフィルムを使って撮影に臨んだという。自らファインダーを覗き、撮影構図を決定し、撮影監督が担当する仕事の大部分を自らこなし、究極の質感を求めて65mmフィルムが誇る圧倒的映像美に酔いしれる傑作を完成させた。「費用がかかろうが日程が伸びようが、ドランの納得がいくまで同じシーンを撮り続けた」と撮影監督が証言するほど。ドランがフィルムならではの質感にこだわった、同じ孤独を抱えたスター、ジョン・F・ドノヴァンと少年ルパートの文通を巡る物語には、どこか懐かしさが漂うヴィンテージな雰囲気が醸し出されている。また、大規模な予算をかけた65mmフィルムのシーンでは、映像美が光り、まさにスクリーンで堪能すべき1作となっている。『君の名前で僕を呼んで』北イタリアの避暑地が35mmフィルムで絵画のように1980年代の北イタリア、17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)が大学教授の父が招いた大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と出会い、激しい恋に落ちるが、夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてきて――。全編1種類の35mmフィルムで撮影した『君の名前で僕を呼んで』(2017)。極力自然光を生かし、フィルムの質感を最大限に活かすことを目的として撮影は進められた。フィルムで切り取られた、夏のまばゆい太陽がきらめく中のエリオとオリヴァーの姿はまるで絵画のような美しさ。太陽の光が眩しい北イタリア、何ひとつ忘れられない恋は、きめの細かい35mmフィルムによる映像にマッチ。『キャロル』16mmフィルムで映し出される映画史に刻まれる出会い1952年ニューヨークの高級デパート。娘へのクリスマスプレゼントを探すキャロル(ケイト・ブランシェット)に、テレーズ(ルーニー・マーラ)はひと目で心を奪われ……。カンヌやアカデミー賞をはじめ、多くの映画批評家から絶賛された美しい愛の名作『キャロル』(2015)は、物語の舞台となった1950年代初期当時の空気感を再現するため、荒い粒子が特徴の16mmフィルムで撮影された。衣装やセットも、当時使われていた色合いのみ使用する徹底的ぶり。自然主義的なアプローチを取ることで、観る者が50年代に飛び込んだような感覚になるほど、物語の世界観にのめり込ませることに成功した。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』は3月13日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefactureジョン・F・ドノヴァンの死と生 2020年3月13日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2018THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.
2020年03月09日スティーヴン・スピルバーグ&ケイト・キャプショー夫妻の養子でポルノ女優のミカエラ・スピルバーグ(23)が、ドメスティック・バイオレンスの容疑で逮捕された。「Fox News」などが伝えた。ミカエラが逮捕されたのは、土曜日の朝6時半頃(現地時間)。事件が起きたテネシー州ナッシュビルの警察によると、ミカエラと婚約者のチャック・パンコウがバーから帰ってきた後、口論に。チャックに「ひどいこと」を言われて怒ったミカエラが、手当たり次第に物を投げつけ、チャックが手と手首を負傷したとのこと。しかし、チャックは「Fox News」に対し、ミカエラが逮捕されたことは「本当」と認めるも、事件については「誤解だ」と言い、「だれもケガしていない」とケガについて否定している。ミカエラはすでに保釈金1000ドル(約11万円)を支払い、12時間後には釈放されるという。また、3月8日に法廷審問が行われる。逮捕される約10日前に、アダルト業界で活躍したいと大々的に宣言し、注目されたミカエラ。両親は友人に「応援はしているが、心配している」と語っていたというが、仕事以外にも別の心配事を増やしてしまったようだ。(Hiromi Kaku)
2020年03月02日スティーブン・スピルバーグが『インディ・ジョーンズ』5作目の監督の座を降りるつもりのようだ。Variety.comが伝えるところによると、彼がバトンタッチを希望しているのは、『LOGAN/ローガン』『フォードVSフェラーリ』のジェームズ・マンゴールド。シリーズに新たな視点を加えることが目的のようで、スピルバーグはプロデューサーとして深く関わり続けるつもりだという。このシリーズを彼が直々に監督しないのは、初めてのこと。今回も主演するハリソン・フォードは、『野生の呼び声』のためのインタビュー中、『インディ5』は「夏にも撮影開始」と話していた。何度も延期が続いた今作だが、現在は、来年7月9日の北米公開が予定されている。文=猿渡由紀
2020年02月27日グレタ・ガーウィグ監督が、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を撮るにあたり、スティーヴン・スピルバーグ監督のアドバイスを受けていたことを「The Hollywood Reporter」に明かした。数年前にスピルバーグ監督に会ったというガーウィグ監督。偶然にも『若草物語』は、スピルバーグが監督した『リンカーン』(2012年)と舞台が同じ南北戦争の時代であったことから、貴重なアドバイスを得られたという。スピルバーグ監督は「フィルムで撮るべきだ。匂いが違うんだから。1861年の物語を撮るのに、デジタルじゃダメだよ。そんなことはさせられない」とガーウィグ監督を説得し、なんと、『ジュラシック・パーク』(1993)で使用したフィルムカメラを見せてフィルムの匂いをかがせたのだとか。さらに、スピルバーグ監督は、ガーウィグ監督が執筆した『若草物語』の脚本についても助言。ガーウィグ監督は「そこに座って、だれかにストーリーを伝える練習だ」と言われ、どんな物語なのか、詳しく説明させられたという。参考になりそうな映画として、デヴィッド・リーン監督の『逢引き』を紹介してもらったとも。『若草物語』をフィルムカメラで撮る決意をしたガーウィグ監督は、製作・配給のソニー・ピクチャーズの映画部門の会長トム・ロスマンに「なんでフィルムで撮るの?」と尋ねられた。「スピルバーグ監督にフィルムカメラの匂いをかがされたから!」と答えたそうだ。(Hiromi Kaku)■関連作品:ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 2020年3月より全国にて公開
2019年12月24日42年にわたり紡がれ、世代をまたいで受け継がれてきた「スター・ウォーズ」がついに完結する『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』。そのワールドプレミアがハリウッドにて開催され、ハン・ソロ役ハリソン・フォード、ルーク・スカイウォーカー役マーク・ハミルらレジェンドも参加、さらにスティーブン・スピルバーグ監督も駆けつけた。日本時間12月17日(火)、ロサンゼルスのハリウッドで開催されたワールドプレミアには、先日の来日も大きな話題となった主人公レイ役のデイジー・リドリー、フィン役のジョン・ボイエガ、ポー・ダメロン役のオスカー・アイザックをはじめとするキャスト陣に加え、ダース・ベイダーの遺志を受け継ぐカイロ・レン役のアダム・ドライバーをはじめ、ケリー・マリー・トラン、ナオミ・アッキー、ケリー・ラッセル、リチャード・E・グラント、ヨーナス・スオタモらの姿も。さらに、この伝説を象徴するルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、『フォースの覚醒』で息子カイロ・レン(=ベン・ソロ)の刃に倒れたハン・ソロを演じたハリソン・フォードが登場。レジェンドたちの降臨に、「スター・ウォーズ」という伝説の結末がついに明らかになる歴史的なイベントは大盛況となった。いま様々な憶測を呼びながら、伝説の結末に熱い視線が送られている本作。そんな歴史的なワールドプレミアを取材しようと全世界から取材陣も集結。会場はイベント開始前からファンたちの熱い熱気に包まれ、キャストやスタッフ陣がレッドカーペットに姿を現すたびに大きな歓声が巻き起こった。中でも、ルークを演じたマーク、ハン・ソロを演じたハリソン、C-3POを演じたアンソニー・ダニエルズ、ランド・カルリジアンを演じたビリー・ディー・ウィリアムズ、暗黒卿パルパティーンを演じたイアン・マクダーミドらレジェンドの登場は、キャスト陣も驚くほどの最高潮の盛り上がりとなった。デイジー・リドリー、感情的になって「泣いてしまった」「これから、世界中に映画が公開されるのよね、というワクワク感がすごい」と語るデイジーは、周囲から“終わり”について言われることが増え、「私は悲しくて酷いくらい感情的に『うえええーーん』という感じで泣いてしまったの。人々にはこの作品を観てもらいたいけれど、終わってしまうというのは…とても不思議な感じがします」とコメント。「(ライトサイドorダークサイド)どちらのサイドに着くとしても、その一部になりたいと思わせてくれるし、もし観客として観てもその物語の一部になって楽しめる。『スター・ウォーズ』は誰が観ても楽しめる普遍的なストーリーがあると思うの」と語る。「スター・ウォーズ」が愛されてきた理由は「キャラクター」と語るアダムもまた、「(ルーク・スカイウォーカーの)物語は、彼の家族について語り、その家族からは誰も逃れられず、物語はその全てと家族との関わりを描くのです。逃れられないと感じられる運命、そして変えてしまいたいと思う宿命、そしてそこにある大きなテーマ、それらすべてがこの物語を時代とともにある存在にしていると思います」と、物語の普遍性に触れた。「『スター・ウォーズ』の映画には希望がある」とマーク・ハミルルーク役のマークは、ファンに対して「どんなに感謝してもしきれるものじゃありません。彼らは単なるファンじゃなく、もっと家族というものに近い存在なんだ。ファンの方々がいなければ、いま私たちはここにはいないでしょうね」と言いながら、泣きまねで会場の笑いを誘うひと幕も。そして「『スター・ウォーズ』の映画には希望がある。これらの映画が語っているのは、自分に嘘をつかず、自分を信じて、自分だけのためでなく、自分の周りの人々のために行動をすれば勝利を手に入れることができるということ。これはおとぎ話なんです。ただその舞台が宇宙だったんだ」と、レジェンドとしてコメント。C-3PO役のアンソニーは、「ジョージ・ルーカスの行ったすばらしいことのひとつは、この『スター・ウォーズ』をみんなの『砂場』のようなものにしたこと。人々もそれを受け入れて、三世代にもわたって、この『砂場』で遊び、物語を作り、衣装を作り出し、ダークサイドだろうがライトサイドだろうが喜びを共有してきたことです。映画には、みんなのための何かが、誰かがいつもそこにあるのです」と、世代を超えて愛されたシリーズについて語った。さらにこの日は、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督をはじめ、『フォースの覚醒』や『エピソード5/帝国の逆襲』『エピソード6/ジェダイの帰還』の脚本家ローレンス・カスダン、『アイアンマン』『ライオン・キング』ジョン・ファヴロー監督といった名だたるフィルムメーカーたちも続々と来場。「完結した『スター・ウォーズ』を前に、この40年以上の類まれなる旅がもたらしてくれた素晴らしい贈り物への誇りと感謝を感じている」と、シリーズの完結についてコメントしている映画史に名を刻むレジェンド的作曲家ジョン・ウィリアムズも姿を現し、ファンを大いに沸かせた。また、日本からは「スター・ウォーズ」ファンの1人、「Hey!Say! JUMP」の中島裕翔もカーペットゲストとして来場。全世界から集まった熱いファンと共に、完結編の最初の目撃者の1人となった。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は12月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 2019年12月20日より日米同時公開©2019 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
2019年12月18日映画『グレムリン』(’84)の公開35周年を記念して、グレムリン35thアニバーサリーアイテムが発売されることが決定した。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務めた『グレムリン』は、可愛くていたずら好き、不思議な生き物モグワイ(ギズモ)がクリスマスに巻き起こす大騒動を描いた、大ヒットファンタジー映画。今回発売されるアイテムは、ギズモをモチーフに、「35th Anniversary」の文字を刻んだ「Fire-King 製スタッキングマグ」、「熊野筆メイクブラシ」の2つ。まずマグは、ギズモの姿をそのままデザインに配し、反対側には「GREMLINS」のタイトルロゴと「35th Anniversary」の赤文字が描かれた温かみのあるミルクガラスマグに。そしてメイクブラシは、連綿と受け継がれてきた伝統技法を誇る日本一の筆産地・広島県熊野町の職人が、ひとつひとつ心を込めて丁寧に作り上げる逸品。作品に登場する「ギズモの背中から飛び出した毛玉」をイメージしたフェイスブラシは、軸には桜の木を使用し、眠るギズモの線画が刻み込まれている。また、パッケージにもこだわりが。作品に登場する「モグワイが入っていた木箱」をイメージして、約300年の歴史と伝統を誇る埼玉県春日部市の桐箱が採用されている。なお、これらの販売は、11月26日(火)よりオンラインストアにて受付中。12月9日(月)からは、東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店にて店頭販売も行われる。(cinemacafe.net)
2019年11月26日オビ=ワン・ケノービ役に復帰することが決まったユアン・マクレガーが、伝説的ホラー映画『シャイニング』の正統続編にあたる『ドクター・スリープ』で主演を務めている。前作からおよそ40年。そこに受け継がれた恐怖の正体とは?ホラー映画の金字塔『シャイニング』とは?スティーブン・キングの原作をもとに、数々の名作を世に残したスタンリー・キューブリックが監督・共同脚色を手掛けたホラー映画の金字塔、それが『シャイニング』だ。公開は1980年。当時ニューズウィーク誌が「史上初の叙事詩的ホラー映画」と評し、その後も、多くの映像作家に影響を与えた。また、長年にわたりファンが議論や考察を重ねており、その奥深い恐怖と魅力が人々を虜にしている。舞台は、コロラド州の雪山に建つ展望ホテル。そこに冬季休業中の設備管理を任された小説家志望のジャック(演じたのはジャック・ニコルソン)、妻のウェンディと息子のダニーがやって来るが、閉ざされた空間で、次第にジャックは精神的に追い詰められ、内に秘めた狂気を覚醒させてしまう。逃げ場を失った母子の運命は?ダニーはシャイニング=特殊能力の持ち主『シャイニング』、そして40年後を舞台にした『ドクター・スリープ』に共通して登場するのが“シャイニング”というキーワード。本シリーズにおいては一種の特殊能力を意味しており、そのバリエーションは多種多様。実は登場人物の1人であるダニーは、このシャイニングの持ち主であり、彼の場合は、他人と言葉を介さずにコミュニケーションを取れ、さらに心の中を読んだり、かすかに未来を予見することもできるのだ。40年前、父親が巻き起こした惨劇を生き残ったダニー(ユアン・マクレガー)は、成長した後も深いトラウマに苦しみ、何より自分の特殊能力から逃れようと、深刻なアルコール依存症に陥っている。そこに訪れた、ある出会い…。過去と決別し、人生の目的を見出そうと一歩を踏み出すダニーの物語が『ドクター・スリープ』の重要なポイントである。「237号室」や「鏡」などのキーアイテム特殊能力を意味する“シャイニング”のほかにも、『シャイニング』『ドクター・スリープ』の両作品には、同じ設定やアイテムが共有されている。例えば随所に登場する<鏡>は、目の前の幻想/目を背けたい現実を両方映し出し、キャラクターが抱える不安や恐怖を同時に観客に見せつける重要なアイテム。劇中に登場する文字列「REDRUM」が、鏡に映すと「MURDER(殺人)」となる演出も見逃せない。また、惨劇の舞台となった展望ホテルの中でも、特に<237号室>には要注意!ここはある事件の舞台となった部屋で「絶対に入ってはいけない」とされている。一体何が?さらに水色のドレスを着た<双子の少女>や、大量の血液があふれ出す<エレベーター>など、象徴的なキーアイテムがどちらの作品にも登場し「40年経っても終わらない恐怖」を示唆。なお、これら一連のシーンは、スティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』にてオマージュとして登場している。『シャイニング』40年後…再びあのホテルへ狂気に陥った父親ジャックによる惨劇を生き残ったダニーは40年後、生まれ持ったシャイニングに導かれ、自分に似た能力者の少女・アブラと出会う。時を同じくして、周辺では、少年少女の連続失踪事件が発生。その犯人は、同じ特殊能力を持ったカルト集団だった。アブラもターゲットだと知ったダニーは、彼女を守ろうと奮闘。そして、事件解決のカギを求めてたどり着いたのが、かつて惨劇の舞台となった雪山の展望ホテルだった…。主人公が幼少期のトラウマを克服するために、あえて恐怖に立ち向かうという姿は、日本でも大ヒットした『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』2部作にも共通しており、原作であるスティーブン・キングが描き続ける“命題”とも受け取れる。キング原作に関しては今後、『ペット・セメタリー』の再映画化版が来年1月に日本公開されることも決定。ホラー界の“キング”が、再び脚光を集めている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドクター・スリープ 2019年11月29日より全国にて公開©2019 Warner Bros. Ent. All Right Reserved
2019年11月26日映画『キャッツ』の日本語吹替え版制作発表会が18日、都内にて行われ、主人公ヴィクトリア役の声優を務める葵わかなをはじめ、山崎育三郎(マンカストラップ役)、高橋あず美(グリザベラ役)、お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次(バストファージョーンズ役)、森崎ウィン(ミストフェリーズ役)、大貫勇輔(スキンブルシャンクス役)、大竹しのぶ(オールドデュトロノミー役)、そして日本語吹替え版音楽プロデュースを担当する蔦谷好位置が登壇した。同作は、全世界累計観客動員数8,100万人、日本公演通算1万回を記録するミュージカル「キャッツ」の実写映画版。映画『レ・ミゼラブル』のトム・フーパーが監督を、スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を、それぞれ務める。主人公のヴィクトリアを演じる葵は自身のキャラクターが白猫であることから純白のワンピースで登場。映画の吹替えを担当するのが初めてとしながらも「ヴィクトリアを通して、観客の皆様をキャッツの世界に誘えるよう、精一杯演じていきたい」と意気込みを語った。また、役に合わせ、黒のハットにタキシード姿という普段のイメージとは異なる装いで登場したロバートの秋山は、自身の演じる役へのアプローチを聞かれ「(普段の生活を)猫のライフスタイルに合わせましたね。基本的に魚を食べるようにしましたし、お偉いさんの足元にすり寄っていったりとか。その辺から(役作りを)徹底しましたね」と真顔で話し、会場を笑わせた。また、キャッツが大好きだと語る森崎が「猫の気持ちの研究はまだできていない」と話すと、秋山が「食べ物くらいは寄せたほうがいいよ」とアドバイスした。さらに、キャッツの代表曲「メモリー」の映画日本語吹き替え版を歌うグリザベラ役の高橋は、この曲を歌えるのが夢のようだと話し、「「メモリー」は幼少時代から聴きなじみのある曲。素敵なメロディだけど、どこか切なくて。本当に大きなメッセージが込めらた曲だなと思っています」とコメント。発表会の締めくくりとして、蔦谷好の伴奏で「メモリー」を熱唱し、会場を沸かせた。
2019年11月19日ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)から映画『グレムリン』とのコレボレーションウェアが、2019年10月25日(金)よりルシアン ペラフィネ 東京ミッドタウン店限定で発売される。1984年に公開された『グレムリン』は、スティーブン・スピルバーグによって制作された大ヒットファンタジー映画。いたずら好きの不思議な生き物「ギズモ」が、クリスマスの街で大騒動を巻き起こす物語だ。今回のコラボレーションでは、『グレムリン』に登場する「ギズモ」をメインモチーフに採用。ルシアン ペラフィネを象徴するスカルのネックレスを付けた姿や、時計にぶら下がりいたずらをするギズモをフロントに大きくデザインした。ラインナップは、最高級のカシミアを使用したニットとカーディガンの2型。それぞれメンズ、ウィメンズサイズで展開する。【詳細】ルシアン ペラフィネ × グレムリンコラボレーション発売日:2019年10月25日(金)取り扱い店舗:ルシアン ペラフィネ 東京ミッドタウン店モデル数:全4型価格:540,000円+税~【問い合わせ先】ルシアン ペラフィネ 東京ミッドタウン店TEL:03-5647-8333
2019年10月26日ミルクボーイ(MILKBOY)がプロデュースするコンセプトショップから登場した「ランド バイ ミルクボーイ(LAND by MILKBOY)」と、映画『キャスパー(CASPER)』のコラボレーションコレクションが登場。2019年10月12日(土)よりラフォーレ原宿の限定ストアにて先行販売されたのち、10月下旬より全国のランド バイ ミルクボーイ取り扱い店舗にて発売される。『キャスパー』は、1995年に公開された、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮によるSFハートフル・ファンタジー。母を亡くして以来、心を閉ざしている少女キャットと心理学者の父が、ひょんなことから屋敷で出会った孤独な少年ゴースト “キャスパー” 、そして3人の叔父ゴーストたちと繰り広げる温かな交流は世界の人の涙を誘い、今でもなお多くの人に愛されている。今回のコラボレーションは、「ランド バイ ミルクボーイ」の2019年秋冬シーズンのテーマである“I’m not afraid of Ghosts(オバケなんか怖くない)”のもと実現した。映画版『キャスパー』が、アパレルブランドと全17型に及ぶコラボレーションアイテムを発売するのは今回が初となる。採用したグラフィックでは、「ランド バイ ミルクボーイ」の解釈を加えて現代的にアレンジし、ヘッドホンを付けて音楽を楽しんだり、雑誌の表紙トップを飾ったりするキャスパーを描いた。愛らしくもほのかにエッジィなデザインは、パーカー、Tシャツ、バッグ、キャップ、アクセサリーといった豊富なラインナップに落とし込んでいる。なお、11月上旬からはヴィクセン プロダクツ内併設のヴィクセン・カフェ(VIXEN CAFE)にてコラボレーションスイーツも展開予定だ。【詳細】ランド バイ ミルクボーイ×映画『キャスパー』先行発売日:2019年10月12日(土)~10月22日(火)先行取り扱い店舗:ラフォーレ原宿の限定ストア限定ストア場所:ラフォーレ原宿1階エントランススペース(渋谷区神宮前1-11-6)全国発売時期:2019年10月下旬取り扱い店舗:全国のランド バイ ミルクボーイ取り扱い店舗※2019年10月1日(火)よりWEB限定ルックブック公開※11月上旬よりヴィクセンカフェにてコラボレーションスイーツ展開。※キャスパー ザ ムービー×ランド バイ ミルクボーイのコラボレーションアイテム20,000円(税込)以上の購入者にキャスパー・アクリルキーホルダーをプレゼント。■全国のランド バイ ミルクボーイ取り扱い店舗ランド バイ ミルクボーイ 池袋店、ランド バイ ミルクボーイ 渋谷店(11/22 グランドオープン)、ランド バイ ミルクボーイ 梅田店、ミルクボーイ 札幌店、ミルクボーイ 広島店、仙台 ベビーピンクムーン、京都 ルークアンドステラ、ZOZOTOWN ミルクボーイ、ZOZOTOWN ミルク、ギズモビーズ プレイランド(一部雑貨のみ取り扱い)■アイテム価格例コーチジャケット 13,800円+税パーカー 18,000円+税スウェットパンツ 15,000円+税キュロット 14,500円+税MAGAZINE Tシャツ 7,500円+税AT THE BASEMENT PHOTO ロンT 7,800円+税LOGO スウェット 9,200円+税ウォレット 12,000円+税iPhoneケース 3,700円+税© Universal City Studios LLC and Amblin Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2019年10月04日スティーヴン・スピルバーグ監督が、リメイク版『ウエスト・サイド物語』の撮影が終了したことを明らかにした。スピルバーグ監督の製作会社「アンブリン・エンターテインメント」のツイッターアカウントが、「『ウエスト・サイド物語』の撮影が終わりました。その記念に、スティーヴンがみなさんと思いや画像を共有したいと思います」と発表した。ツイッターに掲載されたスピルバーグ監督の長文レターによると、撮影は9月28日午前12時10分にニューヨークのスタジオにて終了。「世界的に有名なミュージカルの物語&音楽との、楽しく、とても感動的で、終わりない驚きの出会いに満ちた、先例のない長い旅でした」と撮影をふり返り、キャストやスタッフをねぎらった。記念写真は3枚投稿された。1枚目は監督とアンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ、デヴィッド・アルヴァレスの4人のメインキャストと撮ったもの、2枚目はキャスト&スタッフとの集合写真、3枚目は監督とオリジナル版でアニタ役を演じ、今作では女版ドク役で出演しているリタ・モレノのツーショット。リタが再び出演することに喜ぶファンは多く、「リタに神の祝福を。2度も『ウエスト・サイド物語』の映画を明るく照らしてくれるなんて」、「リタが出るっていうだけで、もうすでにお気に入りの作品だ」などのコメントが寄せられている。(Hiromi Kaku)■関連作品:ウエスト・サイド物語 1961年12月より公開© 1961 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
2019年10月03日《text:宇野維正》主人公一家を乗せたメルセデスEクラスのちょっと古いステーションワゴン(このクルマのチョイスだけで、彼らが比較的裕福なこと、でも父親はちょっと見栄っ張りなことがわかる)が、サマーバケーションを過ごすためカリフォルニア州サンタクルーズにある母親の実家が所有する別荘へと向かう。カーステから流れるのは「I Got 5 On It」。カリフォルニア州オークランド出身のルーニーズが1995年にリリースした、ベイエリアヒップホップのクラシック。父親と母親の世代にとってはティーンの頃を思い出させる懐メロだ。でも、子どもたちは言う。「これってマリファナのことでしょ?」。その通り。友達が1パック10ドルで買ったマリファナ、それを半分分けてくれと5ドル札を手渡すときの決まり文句、それが「I Got 5 On It」だ。その「I Got 5 On It」は物語のクライマックスにも再登場。そこでは、前作『ゲット・アウト』に続いてスコアを手がけたアベル・エイブルス(ちなみにジョーダン・ピールはスティーブン・スピルバーグから直々に「彼は君にとってのジョン・ウィリアムズになるから今後も一緒にやり続けた方がいい」とアドバイスされたという)の手によって、チョップド&スクリュードの流儀で曲のピッチが落とされた上にストリングスのおどろおどろしいアレンジが加えられて、まるで「もう一つの世界」の「I Got 5 On It」のように生まれ変わっている。というわけで、本稿では『アス』のテーマソング「I Got 5 On It」にあやかって5つのキーワードから、「いまのところ傑作しか撮っていない男」ジョーダン・ピールの最新作『アス』の世界を読み解いていきたい。キーワード1:ハンズ・アクロス・アメリカ1986年の過去シーンから始まる『アス』。少女時代の主人公アデレードが見ているテレビの画面に映し出されているのがこれ。1986年5月25日、「アメリカ国内の貧困層及びホームレスを救おう」というお題目で、アメリカ中の人々が手に手を取って東海岸から西海岸までを一つに繋げたイベントだ。前年のUSAフォー・アメリカ『ウィ・アー・ザ・ワールド』とライブエイドによって大規模チャリティーへの機運が高まっている中で生まれたイベントだったが、開催当時からその偽善性を指摘する声も多く、今ひとつ盛り上がりにかけた。その結果が現在のアメリカ社会というのは笑えない冗談だ。ジョーダン・ピールだけに。キーワード2:「スリラー」のTシャツ少女時代のアデレードが遊園地の射的で当てた景品が、マイケル・ジャクソン「スリラー」のビデオのビジュアルがあしらわれたTシャツ。アルバム『スリラー』がリリースされたのが1982年12月。同作から7曲目のシングルとしてシングル「スリラー」がリリースされて、ミュージックビデオの歴史を変えた、あのジョン・ランディスによるビデオが初めてテレビで放送されたのが1983年12月。つまり、本作で描かれている1986年の時点で、「スリラー」Tシャツは「寂れた遊園地の射的の景品」になるほど余剰在庫を抱えていたということ。ちなみに、ジョーダン・ピールが設立したモンキーポー・プロダクションのプロデューサーであるイアン・クーパーは「レッドの文化的な嗜好は1986年で止まったままだ」と重要な指摘をしている。つまり、まるで「スリラー」のビデオのゾンビのように「もう一つの世界」から現れた「もう一つの家族」のお揃いの真っ赤なコスチュームにはマイケルからの影響が?また、アデレード/レッドの長男ジェイソン/プルートーが、地上の世界で『ジョーズ』のTシャツを着ていたのもなにやら意味深。その暗示に気づいたとき、自分は心底ゾッとしましたね。キーワード3:ウサギオープニングクレジットのシーンから、こちらも意味深な存在として出てくる膨大な数のウサギたち。ジョーダン・ピールによると「子どもの頃からウサギが苦手だったんだ。目が赤いのが怖くて」とのことで個人的な恐怖の象徴でもあるようだが、ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』でアリスを地下の世界に誘ったのも、キリスト教のイースター祭で卵を運んでくるのも、ウサギだ。ここでは、それらに加えてもう一つ解釈を。13世紀にイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが、今も数学界で用いられている「フィボナッチ数」を発見する際に解いたのが「ウサギの問題」。以降、欧米においてウサギは「無数に増えていく個体」の比喩となっている。とすれば、ウサギたちがいた場所が「もう一つの世界」であったことの意味はより深まるだろう。キーワード4:80年代ホラー映画からの引用ルーニーズの「I Got 5 On It」が初めて映画の劇中で使用されたのは『エルム街の悪夢』シリーズ。長男ジェイソンが被っているお面/プルートーが被っているマスクのイメージの源流は『13日の金曜日』シリーズ(そもそも名前がジェイソン!)。80年代ホラークラシックへのオマージュが全編に散りばめられている『アス』。ポスターのビジュアルなどで象徴的に用いられているのは、レッドが武器として手にしている真鍮のハサミだ。ハサミが凶器としてフィーチャーされた作品としてホラー映画ファンが最初に思い浮かべるのは、トニー・メイラム監督の『バーニング』(1981年)だろう。同作には登場キャラクターが文字通り火だるま(=バーニング)になるショッキングなシーンもあって、そこも『アス』との共通点。キーワード5:エレミヤ書11章11節劇中、何度か重要なシーンに現れるホームレスのような謎の男と、その男が掲げた段ボールやその額に刻まれていた言葉。あるいは、家の中のデジタル時計に表示されている「11:11」の数字。それらが意味するのは、旧約聖書の三大預言書の一つ、エレミヤ書の11章11節のことだ。「見よ。私は彼らに災いを下す。彼らはその災いから逃れることはできない。彼らは私に向かって叫ぶだろうが、私は彼らに耳を貸さない」。『アス』が描いているのは、いつか必ずやってくる、我々が逃れることのできない「災い」ということになる。(text:宇野維正)■関連作品:アス 2019年9月6日よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2018 UNIVERSAL STUDIOS
2019年09月13日