10月23日に全米公開され、早くも賞レースへの期待が高まる『スティーブ・ジョブズ』(原題『Steve Jobs』)の日本公開が、2016年2月に決定。併せて、初となるマイケル・ファスベンダーが演じる“ジョブズ”の場面写真が解禁となった。パソコンか携帯電話さえあれば、指1本動かすだけで、いつでもどこでも世界中とつながることができる。現代ではすっかり当たり前のライフスタイルを実現させた男、スティーブ・ジョブズ。本作は、アップル社の共同設立者であり、デジタルテクノロジーの常識を変えた世界で最も有名なカリスマ生き様の全てに迫った人間ドラマ。『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞「監督賞」を受賞したダニー・ボイルと、『ソーシャル・ネットワーク』で同「脚色賞」を受賞したアーロン・ソーキンが強力タッグを組み、『それでも夜は明ける』『悪の法則』などで知られる演技派マイケル・ファスベンダーがジョブズを熱演。共演にはケイト・ウィンスレットやセス・ローゲンらが名を連ねている。原案は、ジョブズ本人、家族、関係者への約3年にわたるインタビューなどを基に執筆された唯一無二の記録本であり、ジョブズ自身が伝記作家ウォルター・アイザックソンに頼み込んで完成したという著作「スティーブ・ジョブズ」。日本でも上下巻合わせて100万部を越えるベストセラーとなっている。ただ単に、彼の激動の人生を追うだけの伝記映画とはどこか一線を画す本作。特に注目すべきは、新作発表会でジョブズが人々の心をわしづかみにした、3つの伝説的プレゼンテーションの〈直前40分の舞台裏〉を描いていることだ。それは、ジョブズの生涯で最も波乱に満ちた時期に発表された1984年の初代Macintosh、Appleを追われて作った1988年のNeXT Cube、Appleに復帰後に発表した1998年のあのiMacという、現在にも語り継がれる重要な3大製品の裏側。そこには、信念を貫き通す彼の生き様と驚嘆のビジネスセンスがあり、誰の人生にも、どんな仕事の場面にも生かせるヒントがあふれている。さらに本作では、元ガールフレンドが生んだ娘リサとの確執と和解という、プライベートにも真正面から切り込んでいることにも注目。裁判や認知などをへて、Appleコンピュータにその名をつけるほどに愛した、不器用すぎる親子愛が観る者の心を揺さぶる。すでに全米でも絶賛の声が寄せられており、アカデミー賞をはじめ賞レースの目玉となりそうだ。『スティーブ・ジョブズ』は2016年2月より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月、全国にて公開(C) Universal Pictures
2015年10月29日アップル社の共同設立者スティーブ・ジョブズの半生を追った映画『スティーブ・ジョブズ』が2016年2月に公開されることが決定した。『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイルが監督を、『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家アーロン・ソーキンが脚色を手掛け、通常の伝記映画とは一線を画す人間ドラマを描き出す。その他の写真本作は、ジョブズ本人、家族、関係者への約3年に渡るインタビュー等を基に執筆されたウォルター・アイザックソンの同名著作をベースに、デジタルテクノロジーの常識を変えた世界的カリスマの姿を描いたドラマ。『それでも夜は明ける』での演技が世界で評価されたマイケル・ファスベンダーがジョブズに扮し、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、ジェフ・ダニエルズら豪華キャストが共演する。ジョブズは1976年にアップル社を創業し、企業ではなく個人がコンピュータをもつ“パーソナルコンピュータ”の開発に尽力。彼が生み出したMacintoshは、世界中に衝撃を与え、多くの人々の創作スタイルや人生を変えた。後に彼は自分でつくったアップル社を追われるも、その後に復帰。洗練されたデザインで人々を驚かせたiMacや、コミュニケーションの手段を大きく前進させたiPhoneを発表。一方で、名作を次々に発表するピクサー・アニメーション・スタジオの経営に携わるなど、生涯をかけて“まだ誰も見たことがないビジョン”を追求してきた。映画ではそんなジョブズの生涯を、彼の長い人生の中で、波乱に満ちていた3つの時期に焦点を当て、その時期の製品(1984年のMacintosh、1988年のNeXTCube、1998年のiMac)の新作発表会でジョブズが行った伝説のプレゼンテーション直前の“舞台裏”を描きながら、彼の偉大な足跡をたどっていく。さらに映画では、彼のプライベートにも大胆に切り込み、ジョブズと娘リサとの確執と和解など、これまであまり語られてこなかった彼の“真の人物像”をも描き出していく。脚本を手がけるソーキンは、『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』『マネーボール』など実話から“観客の心を掴むドラマ”を描き出すことに長けており、本作でも“天才”、“時代の寵児”と称されたジョブズの知られざる一面にも光があたることになりそうだ。『スティーブ・ジョブズ』2016年2月
2015年10月29日米BOX OFFICE MOJOは10月23日~10月25日の全米週末興業成績を発表した。前週トップの『グースバンプス』を僅差で2位に退け、『オデッセイ』が首位に返り咲き。公開から4週間の累計興行収入は1億6,635万5,148ドルに到達した。4位に『The Last Witch Hunter(原題)』が初登場。"ワイルド・スピード"シリーズをはじめとする作品で活躍するアクション俳優 ヴィン・ディーゼル演じる不老不死の男が現代のニューヨークを舞台に、魔女との闘いを繰り広げるアクション・ファンタジーで、『クレイジーズ』のブレック・アイズナー監督がメガホンを取る。超常現象を描いた大ヒットホラー映画"パラノーマル・アクティビティ"シリーズの5作目で最終章にあたる『Paranormal Activity: The Ghost Dimension(原題)』は初登場6位に。シリーズ生みの親のオーレン・ペリと、1作目から関わるジェイソン・ブラムが今回も製作にあたり、2作目と『パラノーマル・アクティビティ呪いの印』で編集を務めた、グレゴリー・プロトキンが本作で監督デビューを飾った。ウォルター・アイザックソンによる、アップルの創設者スティーブ・ジョブズの伝記を映画化した『Steve Jobs(原題)』が、前週11位から7位に浮上し、公開3週目にして初めてトップ10入り。ジョブズの伝記映画としては第2弾となる本作では、『SHAME -シェイム-』『それでも夜は明ける』のマイケル・ファスベンダーがジョブズを演じている他、セス・ローゲンが共同創設者のスティーブ・ウォズニアック、Macintoshのマーケティング担当責任者・ジョアンナ・ホフマンをケイト・ウィンスレットが演じるなどキャスティングも注目を集めている。
2015年10月26日原宿のストリートカルチャーにおいて、もはや“伝説”といえるショップ「プロペラ」で、バイヤー・プレスを務めた男・山下裕文。彼が2010年に立ち上げたブランド・モヒート(MOJITO)が、10月30日から11月15日の期間、名古屋のラシックにてポップアップイベント「Inter View 02」に参加する。これに先駆け、『メンズクラブ(MEN’S CLUB)』の元編集長・小暮昌弘を聞き手に、ブランドについて熱く語る。小暮昌弘(以下、小暮):モヒート(MOJITO)を始めたのはいつからですか?山下裕文(以下、山下):2010年からです。ずっと自分の意志で洋服が作れるブランドをやりたいという思いはあったのです。やはり「MOJITO」の商標を検索したことがきっかけだと思います。ブランドを作る上で必要な衣類と衣類小物という分類で、「MOJITO」の商標が空いていることにたまたま気付き、特許庁に行って、「MOJITO」という商標を申請したんです。小暮:自分のブランドをやろうと思った時に、モヒート(MOJITO)というブランドの名前がポッと浮かんだんですか?山下:そうですね。もともとお酒の「モヒート」が好きで。アーネスト・ヘミングウェイにまつわるお酒の逸話はたくさんあるのですが、なかでも代表が、「ダイキリ」と「モヒート」。但し「モヒート」に関しては、実はヘミングウェイは実は飲んでいなかったという説もありますが…。小暮:そもそも山下さんはヘミングウェイの服というか、彼自身に興味を持っていたのでは?山下:ヘミングウェイは「アメリカンマッチョの象徴」といわれるくらいで、男性としてはほとんど全部の欲望を叶えた人だと僕は思うのです。まず、スポーツができて、酒が強くて、結婚も4度もして。小暮:女好きだからね、彼(笑)。山下:本をたくさん書き、世界中を旅して、最後はノーベル文学賞まで受賞する。地位も、名誉も、欲求もすべて満たされた、タフガイの象徴だと。彼が着ていた服や身の廻りのものを自分のビジネスと絡めて見るようになったときに、「あぁ、やっぱりこの人は只者じゃないな」とずっと感じたのです。小暮:山下さんと初めて会ったのは、モヒートをまだ始める前でしたよね。下町の呑み屋さんで(笑)。こんな服を作ろうと思っていると、大きなバッグからスエードのジャケットとショーツを出してきて。「今時こんな男っぽい服作る人、いるんだ」と思ったくらい。革のサファリジャケットを見たときに、ヘミングウェイの着ていた服そのまま作るんだと思っていたら、いざコレクションを見させてもらったら、そうじゃなかった。山下:そうですね。小暮:山下さん自身が、ヘミングウェイの写真、本、たくさんの資料を読み解いて、そこからインスパイアを受けて、自分なりに(ヘミングウェイらしい)服を作っているわけじゃないですか。(故)山口淳さんの書いた『ヘミングウェイの流儀』(今村楯夫共著 日本経済新聞社刊)。これはアーネスト・ヘミングウェイが着たものなどを一冊にまとめた本。ここに書かれているように、ヘミングウェイが着ていたものをそのままトレースするのなら簡単じゃないですか。例えば(彼が行きつけだった店)「アバークロンビー&フィッチ」風の服を作って、彼がよく巻いていたベルトをそのまま作って、みたいな発想だったら割と僕は簡単だと思います。例えばリーバイス(LEVI’S)の「501」が好きだったら、昔の「501」をそのまま作り直すことがデニム好きの頂点みたいなところがあったのを、山下さんはそうはしなかった。山下:たぶんヘミングウェイをアイコンにしたブランドって、僕らが知る以上にたくさんあると思います。テーマとして、ヘミングウェイを扱うこともファッションブランドでは多いのでは。でも僕としては、ヘミングウェイはあくまで目標にすべきもの、憧れでもあります。いわば、神的な存在なわけです。ヘミングウェイが着ているものをまんまやるのであれば、「ウィルス&ガイガー」に行って、「これを同じものを作ってください」みたいにやるでしょう。それだったら僕がやる意味がない。ヘミングウェイがもし今生きていたら、どういう服を着るだろうか?そんなことを考えて服を作ってみたかったのです。小暮:もしヘミングウェイが生きていたら、どんな服を今着るのでしょうか?山下:この「アブサンシャツ」(長年モヒートで作り続けているシャツ品番)という開襟シャツ。おそらく彼はお金も名誉も手に入れた人だから、あまりネクタイをしめなくてもいい。スティーブ・ジョブズもそうですし、こういう人たちって、もう誰に気を使う必要もなくて、自由で開放的。でもどこか知的。それをイメージしてこの開襟シャツをデザインしました。「ヘミングウェイで最高の作品は自分自身」と言われる人物でしょ。彼と同じ服を作っても、もしかしたら彼にしか似合わないのでは。着せられているという感じになってしまう。だから小説のなかから気になるキーワードを拾い上げるかとか、住んでいた街だとか、家だとか、その周りの人をヒントに、それを服に落とし込み、あるいは空想して、時代性に合った服に仕上げる。それがモヒートの服をディレクションする醍醐味だと感じています。小暮:例えばモヒートに「アルズコート」という名品があるでしょ。今季で、バージョンいくつ?今7作目くらいですか?山下:16SSのコレクションで、10作目ですね。小暮:もう10作目か(笑)。 モヒートは、そんな風に、何度も(同じ品番の服を)バージョンアップするわけですよね。男は定番好きといわれながらも、意外と世の中に定番って少ないじゃないですか。定番風のものはあってもね。しかも同じ品番を毎年ちょっとずつ進化させて行っているのがモヒートですね。山下:産み出す側としては、全部を新しくするよりも、同じものを2回発表する方が、勇気がいりますね。例えば「アルズコート」など、展示会に出す前に自分で十分煮詰めて作り上げ、ほぼ変えようがないくらいのものを世に出しているつもりです。でもずっと買い続けてくれるエンドユーザー(お客さま)の方々には、常に進化の姿を見せないと。それで毎年新しい要素を加えてバージョンアップさせるのです。小暮:同じ「アルズコート」でも、新作が出ると、またお客様は買ってくれるんですか?山下:「アルズコート」は8枚とか9枚持っている人、いらっしゃいますね。「ガルフストリームパンツ」もそうです。小暮:「ガルフストリームパンツ」、僕も2本買いました。山下:11本とか持っている人も。「アブサンシャツ」だったら20数枚持っているとか。そういう方が普通にいらっしゃるんです。小暮:なるほど。山下:リーバイスの「501」は、世界で山のようにあるブランドの中で唯一、品番が品名になったアイテムです。僕らぐらいの歳になると、リーバイスを今まで10本履いたとか、毎年(同じ)ホワイトリーバイスを穿き替えるとかという人もけっこういらっしゃいます。そうなると僕らが「リーバイス」と同じことをやってもまず通用しないんです。だから「バージョンアップ」というテクニックが必要なんです。小暮:モヒートは、いわば、スモールコレクションですよね。必要なものを必要なだけ作っているという感じを受けます。山下:展示会にたくさんの品番を並べたり、同じような服をたくさん作り、バイヤーさんに「さぁどうぞ、選んでください」という見せ方よりも、僕は「これだけ選びました」という、ちょっと違うアプローチにしたいんです。僕がよく使う言葉ですけれど、「背骨をブラさない」。毎シーズン、コレクションが、何かガラッと変わるようなことは、僕好みではないんです。小暮:展示会に出す前から、山下さん自身が吟味しているわけですね。削ぎ落としている。それって、もしかしたらハードボイルド。ヘミングウェイの生き方に通じますね。山下:そうですね。そういう部分をヘミングウェイはすごく持っていた人ですし、モヒートもそうありたいんですね。2/2に続く。-- 「洋服のルーツを、横に広げるんじゃなくて、下へ下へと、掘り下げていく」
2015年10月24日“マンガの神様”手塚治虫や“世界のNINAGAWA”こと演出家の蜷川幸雄、そして“映画界の巨匠”黒澤明も題材として取り上げ、今年は佐々木蔵之介の舞台でも話題になったウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」。このほど、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールの競演により映画化されたシェイクスピア没後400周年の記念作『マクベス』が、2016年初夏、日本公開されることが決定。本作で、吉本興業が初の洋画配給を手がけることになった。「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶシェイクスピア4大悲劇の1つとして知られ、中世のスコットランドに、欲望と野心にとらわれた勇敢で有能な戦士・マクベスが、最愛の妻“レディ”マクベスと共に歩んだ激動の生涯を描いた本作。今年5月に開催された第68回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門のクロージング作品として上映された際には、その圧倒的な映像美とドラマ性の高さが絶賛され、約10分間にもおよぶスタンディングオベーションが起こった。マクベスを演じるのは、主演作『SHAME-シェイム-』にて第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で「俳優賞」を受賞、また、ブラッド・ピット製作で話題となった『それでも夜は明ける』では2013年の第86回アカデミー賞「助演男優賞」にノミネートされたマイケル・ファスベンダー。米映画サイト「TC Candler」による 「世界で最もハンサムな顔」第1位(2013年)のセクシーな容姿とともに、“世界最高の演技派”の一人として注目されており、ダニー・ボイル監督のもとでアップル創業者スティーブ・ジョブズを演じることでも話題となっている。また、物語のカギを握るマクベスの妻を演じるのは、マリオン・コティヤール。主演映画『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』で第80回アカデミー賞「主演女優賞」受賞をはじめ、第65回ゴールデングローブ賞、第33回セザール賞などを受賞、『サンドラの週末』でも再びアカデミー賞にノミネートされたフランスを代表する女優。彼女もまた、「世界で最も美しい顔100人」第1位に選出された美貌と実力を兼ね備え、本作ではファスベンダーと共に、手を血に染め、野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていく夫婦を演じている。「シェイクスピア史上最高傑作」とも言われる原作に忠実な解釈を行いながらも、そんな夫婦の心情を圧倒的かつ繊細な映像表現で描き出したのは、オーストラリア出身のジャスティン・カーゼル監督。共演には、『コードネーム U.N.C.L.E』のエリザベス・デビッキ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネーション』で悪役を演じたショーン・ハリス。また、全米での配給を行うのは、『英国王のスピーチ』などアカデミー賞常連作品を多数製作し、ハリウッドで絶大な影響力をもつザ・ワインスタイン・カンパニー。日本では、吉本興業が『るろうに剣心』3部作や『許されざる者』の製作アイアトン・エンタテインメントとタッグを組み、初めての洋画配給に乗り出す。本作の製作スタジオStudioCanalからは、「吉本興業及びアイアトン・エンタテインメントの新しい事業である洋画の映画配給に関して、喜びをもって協力いたします」とコメントが寄せられており、作品の高評価とともに日本公開に期待が寄せられている。『マクベス』は2016年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日米Salesforceが創業16年目にして、大規模な改革を進めている。「Lightning」という新しいユーザーインタフェース技術だ。2014年秋の自社イベント「Dreamforce 2014」で発表されたもので、9月18日まで米サンフランシスコで開催した今年のDreamforceでも大きなトピックとなった。なんでも、故Steve Jobes氏のアドバイスからインスピレーションを得たものだという。Salesforceは主力製品の営業支援「Sales Cloud」を中心に、顧客サービス「Service Cloud」、マーケティング「Marketing Cloud」、分析ツール「Analytics Cloud」、コラボレーションの「Chatter」、そして今年のDreamforceで加わった「IoT Cloud」を持つ。Amazonのように使いやすく、Webブラウザで利用できる業務アプリケーションを、創業時から目標を掲げてきたが、この間も、モバイル、ソーシャル、データサイエンスなどのトレンドに応じて適宜機能を追加してきた。Lightningでは、ユーザーが直接触れるユーザーインタフェースや体験の刷新とあって、すべての顧客に影響が及ぶことになる。Salesforceのユーザーインタフェース改革は複数年に渡るプロジェクトとなる。2013年に「Salesforce1」としてモバイル向けのユーザー体験を提供、2014年にはLightningのプラットフォーム部分を構成する「Lightning App Builder」と「Lightning Components」を発表、そして今年は「Lightning Experience」と「Lightning Design System」が登場した。Lightning Experienceはデスクトップ、スマートフォンやタブレット、そしてスマートウォッチなどでシームレスに直感的なユーザー体験を提供、これを利用してSalesforceの情報にアクセスできる。カスタマイズ性も備えており、顧客のニーズに合わせたLightning体験を構築できるという。Sales Cloud担当執行バイスプレジデント、Mike Rosenbaum氏によると「中核のSalesforceプラットフォームにとって最も重要なリリースになる」という。このLightningを最初に導入するのがSales Cloudだ。8月に発表されたもので、Rosenbaum氏は、プレス向けのセッションで「ユーザー数が最も多いフラッグシップ製品であるSales Cloudからスタートし、ユースケースを作っていく」とした。メイン画面からのナビゲーションとしては、左のメニューと検索の2つの方法を提供する。支援機能により、次のステップを示したり、アラートで先にやるべきことを知らせてくれる。抱えている案件を表示するページでは、フィルタイングにより表示を調整したり、営業の段階別に案件を表示することも可能。分析が組み込まれているため、クリックすると詳細をチャートで表示してくれる。ドラッグ&ドロップによる並び替えなど、コンシューマー向けのサービスの感覚で営業支援ツールを利用できる。「より高速に、より効率的に、よりスマートな営業活動を支援し、自分の望む方法で利用できる」とRosenbaum氏はメリットをまとめる。Lightningに新たに加わるもう1つの要素となるLightning Design Systemは、アプリ構築の新しい方法となる。Rosenbaum氏は、「GoogleがGoogle Material Designを提供するのと同じ」と形容する。Salesforceおよびパートナー、そして開発者が容易にモダンなユーザー体験を構築できるという。Salesforceはまた、Lightningベースの新しい業界特化型アプリ「FinancialServices Cloud」「Health Cloud」も発表している。このように、大掛かりな取り組みを進めるSalesforceだが、既存のUIで問題点を感じていたのかという質問に対しRosenbaums氏は、「15万社以上がSalesforceを利用しており、クラウドでは最も成功したUIだ。だがモダンなインタフェースが向かっている方向、それにHTML5やCSS3などの技術側の進展をみたとき、簡単に使えるUIの潜在性は大きいと考えた」と話す。また、「顧客企業のエンドユーザーはコンシューマー向けのサービスやアプリを利用しており(トレンドは無視できない)、われわれはこの分野の動向を見ている」とも答えた。Lightning開発を統括したSalesforceの共同創業者Paker Harris氏は「創業して以来、最大の変化」と意気込む。そして、共同創業者兼CEOのMarc Benioff氏とともにAppleのSteve Jobs氏を訪ねた際にもらったアドバイスがインスピレーションになったことを明かした。「Jobs氏はモバイル向けに最初に体験を構築するようにと助言してくれた」とHarris氏。Harris氏は、MicrosoftのCEO、Satya Nadella氏がイベント中、スマートフォンにキーボードと画面を接続してデモを行ったことにも触れ、「コンピューティングが変わっており、われわれも考えを変えていく必要がある」と述べた。
2015年09月28日『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』(明日香出版社)という本が話題になっていますね。その中で紹介されている習慣の一つが、「仕事が速い人はどんどん“モノ”を捨て、仕事が遅い人は“モノ”を大事にする」ということ。「デキる人は机がきれい」ってよく言うし、耳が痛いな~と感じる人も多いかもしれません。≪優秀な人は本当に片づけ上手?≫ところが、あのスティーブ・ジョブズやアインシュタインの机は、実はとんでもない無秩序っぷりだったとか。つまり「デキる人=机がきれい」という定説は、必ずしも当たっていない!?実際のところ、デスクのきれいさで優秀かそうでないかを判断するのは難しいところ。でも、「汚い部屋は心の表れ」などと言いますから、机を見ても性格や心理状態ならわかるんじゃないでしょうか。そこで今回は、デスクの状態から「あの人の本音」を分析!カレが喜ぶ“ほめ方”のポイントと、お付き合いするうえでの注意点も併せてご紹介します。≪机がきれいな人の頭の中≫◆几帳面で仕事をきっちりこなす。片付けまでが仕事の一環と考える。◆穏やかで優しく、時にふざけているように見えても、内面は非常に真面目。見かけによらず我が強く、言い出したら聞かないところがある。◆乱れた机は心の乱れ、という思い込みが強く、周りにどう見られているか常に気にしている。意外と自信のない一面も。◆他人の言動が気になる。中でも、机の上を片付けない人にはつい忠告してしまうなど、相手の都合よりも自分の価値観を優先させる傾向がある。しかし、その忠告は純粋に思いやりから来ている。完璧主義で頑固なんですね。その反面、自分に自信はないと…。こういう男性に対しては、ちょっとした小物のセンスなど、他の人がほめないところを見つけて、さりげなくほめるといいかもしれません。ずっと一緒にいると「ちっちぇ~男」と感じることもありそうですが、真面目でキチッとしている分、良い旦那さんになってくれるはず。遊びの恋に疲れたら、結婚相手には机がきれいな人を選んでみては?≪片付けない派の頭の中≫◆「片付いてると落ち着かない」は単なる言い訳で、整理整頓することにそれほどの価値や重要性を感じていない。◆必要な物はすぐ手が届く所に置いておきたい、効率重視派。その上でワークスペースさえ確保されていれば、後はどうでもいいという鷹揚さ。人にどう思われるかもまるで気にしていない。◆片付け(パーソナルなこと)よりも仕事(オフィシャルなこと)を優先させる傾向が強い。それゆえ頼まれると断れない一面があり、プライベートを犠牲にしがち。◆人にもよるが、意外とモノの位置を細かく把握しており、勝手に机の上のものを動かすと混乱して怒り出したりする。デスクが汚くても全て把握できてるってことは、努力家というより天才肌なのかも。こういう人には、ひたすら「すごい」と尊敬してみせると良さそう。ただ、この手の男性って自分だけわかっていて、いざという時、他の人に引き継げない…みたいな状況になりがち。お付き合いしても、仕事を優先させるあまりプライベートが疎かになり、急に連絡が取れなかったりするイメージも。≪番外編:机の上がテーマパーク化≫机の上は一応整頓されているものの、フィギュアや芸能人の写真、教訓入りカレンダーなどでデコレートして完全に自分の世界を作り上げている人。こちらは見ての通り、我が道を行くタイプ。若干協調性には欠け異色の存在とされることもあるが、アイデアが豊富で仕事に対する思いとプライドは人一倍あり、根は一本気。カレのお気に入りアイテムをほめるかどうかはお任せしますが、好きなものが似ていれば、距離を縮めるまでにそれほど時間はかからなさそう。悩ましいのは、その趣味がプライベートをどこまで浸食しているか…という点。もしリアルよりも二次元を愛していたらと思うと、ちょっとつらいですね。≪職種によって机のきれいさが違う!?≫ちなみに、机が整頓されていることと生産性の関係は職種にもよる、という説もあります。例えば、道具を扱ってモノを形作る職業…料理関係や製造業、機械整備、アパレル関係などモノを作る職種では、作業の流れに合わせてワークスペースのあり様もどんどん変わります。道具を管理することが大切な仕事の一つでもあることから、整理整頓された環境のほうが能率が上がる、とのこと。一方、企画や編集デザインなどクリエイティブな職業では、少々雑多な環境のほうが面白いアイデアが湧きやすいとか。確かに、ジョブズ氏の机からはものすごいアイデアが湧いて出てきそうですし、あの堀江貴文氏も「掃除などの日常よりも仕事に集中したい」と、机の上のことなど気にも留めていない様子です。職種による違いは多少見られますが、クリエイティブ系の人でも机をキッチリ片付ける人もいるし、結局のところ価値観の違いという名の個人差であることが多いよう。デキるかデキないかというよりも、その人の生き方や仕事観がデスクに表れるのかもしれませんね。つまり、あなたのデスクにもご自身の人となりが出てしまっている…そこのところはお忘れなく!(文=石村佐和子)彼を本気にさせる方法【無料占い】
2015年09月14日●発表会の主役はiPhoneではない?Appleのスペシャルイベントが9月9日(日本時間では9月10日午前2時~)に開催されることが発表された。例年のパターンからいって新型iPhoneの発表が濃厚とされる同イベントだが、今回のキャッチコピーは「Hey Siri,give us a hint.」(Siri、ヒントをちょうだい)となっている。毎回発表内容と微妙にリンクしてくるキャッチコピーだが、今回のコピーは一体何を意味しているのだろうか? 予想してみよう。○質問してもスッとぼけるSiri今回のキャッチコピーは、ストレートに読めば「Siriに聞いてみろ」だ。しかし、実際にSiriに聞いてみると「9月9日に何か発表があるらしいですよ」と煙に巻かれるだけである。とぼけ続けるSiriはさておいて、キャッチコピーの謎に挑んでみよう。まずSiriについてだが、ご存知の通りiOSに搭載された音声アシスタントだ。充電状態で「ヘイ、Siri」と呼びかけるか、ホームボタンを長押しにして起動し、ユーザーが自然言語で問いかけた質問に対し、文字と音声で答えてくれる。Googleの「OK Google」や、マイクロソフトの「Cortana」と同等のものと考えればいいだろう。このSiriだが、iPhoneとiPad、それにiPod touchには搭載済みで、iOS 9である程度機能が強化されるとはいえ、わざわざ言及するほどではない。まだ搭載されていない機器は2つあり、そのうちのひとつがMac。OS XにSiri搭載となれば、Windows Phone/Windows 10のCortanaと競合するデスクトップ/モバイル対応の音声アシスタントとしてユニークな位置付けになるのだが、残念ながらOS Xの発表はもう少し先だし、6月のWWDCでもSiriについては言及されていなかったため、その線は薄い。となると、もうひとつ残ったデバイスが怪しい。そう、Apple TVだ。●Apple TVとは○お茶の間にSiriさん参入か?読者の皆さんはすでにご存知のことかと思われるが、Apple TVはアップルが販売しているテレビ用セットトップボックスだ。故スティーブ・ジョブズ前CEOの時代から「これはホビーだ」という但し書き付きで販売が続けられており、iPhoneやiPadでブイブイ言わせているアップルの中ではほとんど採算が取れていないのに、細々と続いているプロジェクトになる。元はパソコンのiTunesライブラリや、オンラインのiTunes Storeで購入した映画や楽曲をテレビで再生するための機器で、今はライブラリがほとんどクラウド上に置かれるため、パソコンなしの単独でもコンテンツ再生用デバイスとして利用できる。独自のインターフェースを採用しているが、中身はiOSベースで動作しており、やがて登場する新型では、アプリでの拡張が可能になったり、ゲームコンソールになる、iOS 9の「Home kit」に対応したスマートホーム機器の管理が可能になる、などさまざまな噂があった。現在販売中のAppleTVが、発売以来3年以上モデルチェンジしていないこともあり、いいかげんそろそろアップデートするはず、という見込みも、また確度の高い情報筋からの噂もある。現行モデルはApple A5のシングルコア版を搭載しており、デュアルコア版A5を搭載する iPhone 4Sの半分程度の性能だが、これが新モデルでは、最新のA8になるという噂もある。こうなるとフルHDの画面でゲームをするのも苦ではなくなるし、Siriを始めとする、処理の重いさまざまな機能も実現可能になるはずだ。●Siriが発表会のキーワードに!?○リモコンに加えて音声でも操作可能に?そもそもSiriのような音声アシスタントは、リビングなど家庭でこそ使い勝手がいい技術だ。Amazonの音声アシスタント搭載スピーカー「Echo」(日本未発売)や、GoogleのNEXUS Playerは音声入力による操作が可能になっており、Apple TVもここに加わるのではないか、というのが筆者の予想だ。コンテンツの再生はもちろん、噂に上がっているHome Kitとの連動でも、音声で「Siri、子供部屋の電気を消して」や「Siri、温度をもう少し下げて」などと操作できれば、かなり便利なはずだ。「Hey Siri」の呼びかけ方が共通だと、Apple Watchや充電中のiPhoneなども反応してしまうのではないかと気がかりだが、このあたりはうまく解消する手段が用意されているのかも含めて興味深い。ということでiPhoneを差し置いてイベントではApple TVが脚光を浴びる、というのが筆者の予想だが、当たるかどうかはまったくの未知数。案外いい線をいっていると思うのだが……。
2015年08月28日●かつてはモノに囲まれていた最小限(ミニマル)なモノで暮らす「ミニマリスト」として知られる佐々木典士さん。6月には初の著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ - 』(ワニブックス/1,000円+税)を上梓した。「そんなにモノが無くて大丈夫?」と聞きたくなるような生活を送る佐々木さんに、ミニマリズムについてお話を伺った。○ミニマリズムに目覚めたきっかけ――佐々木さんは以前からモノをもたないタイプだったのですか?もともとはモノがたくさんある部屋に住んでいました。多趣味で、浅く広くいろいろなものに手を出すタイプだったんです。本やCD、DVDを集めていたし、カメラも趣味で自宅に暗室を設けていたこともあります。今になっては、何であのときあんなにモノを持っていたのかわからないです(笑)。――ミニマリズムに目覚めた一番大きなきっかけは?「ミニマリスト」という言葉に出会ったことですね。2013年末にクロアチアの島へ撮影に行ったんです。そのとき雨が降っていて、ホテルの部屋に閉じこもっていたんです。古いホテルの部屋は質素で何もなくて。撮影に同行していて、今一緒にブログもやっている沼畑さんという人が、その時の気分をミニマリストみたいだな、と思ったらしくウェブサイトで記事にしていました。そこではじめて「ミニマリスト」という言葉に出会い、検索してみたんです。――検索結果は?当時はまだ日本で「ミニマリスト」という言葉が浸透していなかったので、海外の人ばかり出てきて。例えばモノを15個しかもたないアンドリュー・ハイドという人の写真や、スティーブ・ジョブズが座禅を組んでいる若いころの写真です。出てくる人たちがすごく身軽で自由そうに見えて、「これだ!」と直感的に思いました。○「本」を手放すメリット――現在に至るまでで、「ここがターニングポイントだった」と思う出来事はありましたか?本棚をまるごと手放したことです。神保町の本屋さんに来ていただき、まとめて売りました。あとはCDやDVDなどのコレクションも、一度にすべて手放したことが大きかったのではないでしょうか。最初は段階的にやるつもりでしたし、マンガは売るつもりがなかったのですが、間違って全部持って行かれてしまって(笑)。でもその結果、すごくすっきりしました。――思い切りましたね……!本棚に本がたくさんあると、その中にある未読の本を読んだ方がいいんじゃないかな?と思ったりしてしまいますよね。でも絶対そこから選ばなくてはいけない、ということはないんです。本棚をまるごと処分したことで、今本当に一番読みたい本を1冊だけカバンに入れておくことができるようになりました。――出版社で編集の仕事をされていますが、職業柄「本を手放す」というのは非常に大変だったのでは?読めていない本はあるしホコリも積もるしで、本棚いっぱいの本を持つことがどこか自分の負担になっていたんです。読んでいても、自分の身になっていないものがたくさんありました。人は「自分の好きなモノ」に囲まれると心地いいと普通考えますよね。でも好きなモノを手放したときの開放感も、実はものすごいんです。「これは絶対必要だ!」と思っていたモノを捨てたとき、「捨てのK点越え」をしたときです。それにより、また新しい世界が見えたような気がします。編集部注:「捨てのK点越え」とは、自らを「捨て変態」と称し、モノを極限まで減らした暮らしをしているゆるりまいさん(「なんにもないぶろぐ」主宰)の言葉。「絶対に捨てられない」と思っていたモノを捨てたときに用いられるそうです。○捨てるのを迷ったモノ、1位は「テレビ」――本以外で捨てるときに迷ったモノはありますか?テレビです。映画がすごく好きでしたし、いい番組も本当にたくさんありますからね。でも手放して一番良かったと思います。――なぜでしょうか?手放してみると、こんなにも影響を受けていたんだなということがわかりました。ずっと「テレビは必要」だと思っていました。生まれたときからあったので、テレビのない生活が想像できなかったんです。録画機能も随分進歩して、長時間録画ができたりしますよね。でもせっかく録画したのに見てないと、「こんなにまだ見なきゃいけないのか」とプレッシャーになる。消化しても消化しても見きれないんです。見る義務はないのですが、録画された番組から「たまってますよー」というメッセージが伝わってくる。それって精神状態にはよくないと思うんです。今は見たい映画があればネットを通して借りることもできるし、特定の番組だけを買って見ることもできる。「見なきゃいけない」というプレッシャーがなくなり、「本当に見たいからこの映画を、番組を見よう」ということが気軽にできます。――モノが出すプレッシャーから解放されたんですねそうとはいえ、テレビを捨てた後もしばらくは無意識でリモコンを探したりしていましたけどね(笑)――テレビという情報源を絶つことに不便を感じませんか?ネットがつながればニュースを知ることはできますし、不便は感じません。むしろ今はそういう情報をあまり入れないようにしています。ネットも目を引く情報がたくさんあって、楽しいじゃないですか。でも、そのときだけ「楽しいな」と思っても、その後思い返さないことが多くあります。それよりは、本を読んだりした方が自分に本当に必要なモノや情報を取捨選択して身につけられる、と思うようになりました。自分が積極的にとりに行くべき情報かを考えることにもつながりました。――ミニマリズムは「モノ」だけでなく「情報」まで及ぶのですね「ここまでやっちゃうんだ!?」ってね。びっくりです(笑)。2013年にミニマリズムに出会ってここまで来ました。今は厳選したモノだけが身の回りにあるという感じです。本当に身軽になったので、現在の住まいへの引っ越しも、荷造り含めて30分ぐらいで終わりました。そのうち5分ぐらいは天井の照明を外すのにかかった時間(笑)。次に引っ越すとしたら15分で終わるんじゃないでしょうか。●ミニマリズムはなぜ広がったのか○ミニマリズムが受け入れられた理由――知名度がほぼなかった「ミニマリズム」は、どうして広がっていったのでしょうか?第1に「モノを持たなくても済むようになった」ということ。僕がテレビを捨てられたのも、見たい番組だけを買うことができるようになったから。本を捨てられたのも、ネットショップで同じ本がいつでも買える世の中になったからです。絶版本って、「これを捨てたら神保町の本屋を何件も回らないと見つからないんだろうな」と思うと捨てられなかったのですが、そういうモノも手に入りやすくなりました。技術やサービスの発展のおかげですね。第2には「モノがなくてもいい」という価値観が生まれたこと。これまでは思い込みのように、「モノをたくさん持っていて、それに囲まれている方がいい」という考え方があったように思います。でも、今はなくてもいいという流れが生まれている。「買うべきモノが少なくなってしまった」といえるかもしれません。例えばスマートフォンは、毎年新しい機種が出ているけど形は大きく変わらない。スマートフォンのような最近出てきたモノですら、もはやそうで、いろいろなモノが「成熟」してしまったように思います。その結果、買うべきモノが少なくなってきた気がします。僕はモノが好きで、「新しい!」と思うものが出たら買うタイプです。例えば「手でもたなくていい」とか「すごくはじいて永久にぬれない」といった革新的な傘が誕生したら、きっとそれを買って試すと思います。でも今ある傘は、形がずっと変わっていないですよね。革新的なモノが毎年のように出続けていれば、僕もいまだにモノをたくさん買っていると思います。第3には「シェア」が大きな役割を果たしていると思います。カーシェアリングやシェアハウスなど、モノを共有することがごく当たり前になってきていますよね。モノも部屋も、余っているモノはネットを通じて、細かく誰かとシェアできる。シェアすることを考える上では、ネットの普及は本当に大きいですね。○ミニマリスト同士の交流――ブログを拝見すると、ミニマリストのオフ会をされていますよね。マイナビニュースで連載中の「断捨離パンダのミニマルライフ」の著者「おはぎさん」ともお会いされたとかもともと「ミニマリスト」って、1年前はほとんど誰もいなくて。言葉自体浸透していなかったし、普通に生きていると身の回りで出会わなかったんです。オフ会は、ミニマリズムを楽しんでいる仲間と実際に会ってみたい、しゃべりたい、みたいなノリで始まったのではないでしょうか?同じような価値観を持っている人をネットで探すって面白いと思います。僕は本を書くに当たって、ほかのミニマリストさんとお話してみたいな、と思ってオフ会に参加しました。もしかして僕が考えている「ミニマリズム」は、ひとりよがりの妄想かもしれないという不安があったので、実践している人たちに話を聞きたかったのです。会ってみると、ミニマリストの人たちって単純に良い人が多いです。モノに振り回されていないので、ストレスもなく穏やかで満たされている。ただし、見た目は本当に人それぞれです。ヒョウ柄のビジュアル系とか、カミソリのペンダントをつけている女の子とか、ビシッとスーツを着ているかたとか(笑)。――勝手なイメージですが、リネン素材の服が好きな人が多いのではないかと思っていました本当にバラバラです。スーツの方は、百貨店の売り場で働いているのですが、セールの時期になると「私のよー!」「私が先に手を付けたのよー!!」という戦いが本当にすごいんだそうです。そういうのを見ていたら物欲が引いたと(笑)。モノが少ない、というだけで普通の人の集まりですね。○ミニマリズムは炎上しやすい?――ミニマリズムが知られるようになった結果、ミニマリズム関連の話題が炎上しているのを見るようになった気がするのですが……「ミニマリズムの方がかっこいいから、その生活をしてないやつは駄目だ」と言ってしまうからではないでしょうか? 新しい価値観に出会った当初って、「こっちの方が新しい」「いい暮らしを見つけた」となってしまうんです。「モノを持っている方がよい」という価値観に対して、「何でそんなにモノを持っているんだよ」と言ってしまうとそれは炎上しますよね。――価値観を否定されるのはカチンと来ますね今まで一生懸命働いてモノを集めた人からしてみれば、「モノがない方がいい」という価値観に反発するのは当たり前のように思います。自分がやっていることを否定されたようにも感じるでしょうから。ただ、ミニマリズムが炎上するだけ新しい価値観であるということの裏返しだと考えることもできます。それだけ衝撃のある、面白い価値観だったと。僕は今でもモノが大好きなので、モノがあっていいという価値観はよくわかりますし、否定するつもりはありません。ただモノがなくてもいいという価値観もあってもいいし、それができる時代になってきた。だからその価値観を、自由な選択肢のひとつとして付け加えられればと思っています。――共存するためにはどのようにすれば良いでしょうか?「いやいや、モノがある生活を否定しているわけではないんだよ」と、お互いの価値観を否定せず、きちんと対話するといいのではないでしょうか? そういう問題が起こることも想定しつつ書きましたので、僕の本を読んで、そういう争いも収まってくれたらうれしいです(笑)●ミニマリストの「モノ選び」○人からもらった「プレゼント」はどうする?――思い出のモノが捨てられないのですが、どうしたら良いでしょうか?「過去の思い出」って過大評価されているような気がしています。思い出のモノって、無条件に素敵で、捨てちゃいけないモノという有無を言わせない重圧のため、捨てるときに罪悪感がありますよね。――「せっかくくれたのに申し訳ないな」って思ってしまいます思い出のモノを捨てるときは「相手に悪いかな」と思うんですけど、あげた本人って意外と忘れているものなんですよね。僕、小学生のとき好きだった子に腕時計をプレゼントしたことがあるんですけど、本を出したときにその子から「ようやくもらったモノを手放せます」と連絡がきました。多分ですが、彼女は「捨てたら悪いなあ」と思って、わざわざとっておいてくれていたんですね。でも僕は、失礼な話なんですけど何をあげたかとか覚えていなくって(笑)。――言われてみれば、プレゼントしたモノってあまり覚えていないかもしれないです僕がプレゼントする立場なら、もらって困っているモノはどんどん手放して欲しいです。自分があげたモノで、誰かが煩わしいと思っているのは嫌ですね。――「手放す」覚悟はできても、「捨てる」ことができない場合はどうしたら良いですか?どうしても捨てられないモノは、欲しい人にあげるのもいいのではないでしょうか。ミニマリストのみなさんもツイッターで欲しい人を募集したり、フリーマーケットで売ったりしています。いろいろな手放し方があると思います。誰にも「これは捨てられないなあ」と思うモノがあると思います。本当に大事なモノは「捨てられないなあ」とすら思わないものです。本にも書いたのですが、「5回迷ったら捨てる」のがいいのではないでしょうか? その思いがなくなることはまずないです。そこからあと1,000回は悩みますね(笑)。僕の場合ですが、iPhoneを見て「捨てられないなあ」とは思いません。それは絶対に必要なモノだから。それ以外は捨てられると思いますね。――佐々木さんは今処分しようか迷っているモノはあるんですか?布団乾燥機です。「これは行けるんじゃないか」と思いながら眺めています(笑)。もちろん「捨てたけどやっぱり必要だった」となったモノがひとつだけあります。それがフットマッサージ機で、結局3回買いましたね。1回捨てて、やっぱり必要だと思って買ったものの、また捨てるっていう(笑)。今は手元にないのですが、また買うかもしれません。○ミニマリストのモノ選び――たくさんのモノに囲まれた生活から、極限までモノを減らす暮らしにシフトされた佐々木さん。現在手元に残っているモノや、新しく選ぶモノのこだわりはありますか?飽きのこないデザイン、シンプルだったり小さくてコンパクトなモノを選ぶようにしています。今は机と椅子の購入を真剣に検討しているんですけど、折りたたみでクローゼットに入るような品を選ぶと思います。あとは掃除がしづらいアイテムは買いません。素敵だけどごちゃごちゃしてホコリがたまりそうなモノは選ばないですね。――クローゼットがすごくスッキリしていますが、服はこれだけですか?パンツやTシャツはボックスに収納していますが、基本服はこれだけです。服選びにまようこともありません。最近は、洗濯ものをそのままハンガーでクローゼットに干す「クローゼット部屋干し」というスキルも身につけました。クローゼットがスカスカだからできることですね(笑)。○カーテンもない!? - ミニマリストの暮らし――書籍やブログ、出演されていた番組(7月7日放送 NHK「おはよう日本 ミニマリスト特集」)で紹介されている佐々木さんの部屋は、このようにして作られたのですね正直、テレビの放送を見て自分のことながら引きましたね。テーブルとして使っている茶托とか、「これはひどい、独居房みたいだ」って(笑)。ミニマリスト以外の方からの反響も大きくて、「カーテンすらないの!?」とネットで話題になりました。――カーテンも捨ててしまったんですか!?ロールスクリーンをつけているのですが、ちょうど映ってなくて。ネットで「カーテンはさすがに必要では?」という記事も出たので、これには反証しなくては!と思って、「カーテンはないけどロールスクリーンはあります!」とツイッターでつぶやいたんですけど、誰も反応してくれませんでした……。このインタビューでは「僕の家にはカーテンはないけど、ロールスクリーンがある!」ということが伝わればいいなと思っています(笑)。――しっかりと書いておきます(笑)。ありがとうございました『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ - 』(ワニブックス/1,000円+税)持ちモノを最小限にしたからこそ、見えてくる本当の豊かさやモノが少ない幸せ。他人の目線ばかり気にした世界から、自分の声に耳を澄ませてみること。終わりのないモノへの追求から一度思いっきり距離をとってみること。これはもう一度「幸せ」について考え始めることに他ならない。生き方にはもっと自由な選択肢があっていいはずだから。――持ちモノを自分に必要な最小限にする「ミニマリスト」という生き方と常識にとらわれない豊かな暮らしを紹介。
2015年08月19日『キック・アス』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマシュー・ヴォーン監督がメガホンをとるスパイアクション映画『キングスマン』が9月11日に公開される。俳優コリン・ファースが演じる主人公は、実体は世界最強のスパイ機関というロンドンの高級テーラー「キングスマン」に所属するエリートスパイのハリー。組織の指揮者アーサー(マイケル・ケイン)のもと、地球規模のテロを企てるIT富豪のヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)に立ち向かう。原作者のマーク・ミラーがグラフィック・ノベルとして作品にする前から、ストーリーの構成に関わっていたというマシュー・ヴォーン監督は「マーク・ミラーも私も最近のスパイものがやたらシリアスになっていることに不満だったんだ」と明かし、「われわれは『007』シリーズや『電撃フリント・アタック作戦』、TVシリーズ『おしゃれ(秘)探偵』などを見て育ってきた。どれも軽やかながらしっかり楽しめるスパイもので、とにかく楽しくて想像力あふれる作品だったんだ」とコメント。「そこで、『現代のスパイ劇を描くならどうするか』という話に発展し、古い世代と新しい世代がミックスるする展開も入れてはどうか、と。そうやって『キングスマン』が生まれたんだ」と明かした。さまざまなスパイ映画へのオマージュがちりばめられていることについては、「過去のあらゆるスパイ映画へのポストモダニズム的なラブレターだよ」と表現し、「だからといって模倣しただけではないんだ。スパイものの楽しい部分をさらに新しくし、現代の観客に楽しんでもらえるようなものを作っているよ」と説明。「取り上げているテーマはシリアスなのに、思いっきり楽しくしているところがこの映画の特徴だね」と本作の魅力をアピールする。そして、キングマンの組織をアーサー王の円卓の騎士になぞらえた理由について、「キングスマンが道義心や礼節の精神に根ざしたものだということを描くのに分かりやすい方法だったんだ」と返答。「円卓の騎士の伝説なら皆知っているし、伝説を現代化させ、新鮮に感じさせるのにいいモチーフだった」と語った。また、主人公のハリーについて「俳優のデヴィッド・ニーヴンをモデルにしている。当時はモダン紳士ともてはやされていた俳優だ」と語り、「粋だがタフで、チャーミングだがお高くとまっているわけではない。そういう要素が(この作品を作る上でも)大切だったんだ」と説明。敵役のヴァレンタインについても「実在のモデルは特にいないが、あえて挙げるならスティーブ・ジョブズかな」と名前を挙げ、「つまり億万長者で、そのブランドと技術が全世界に影響を与えるほどの力を持つ男だ。その男が仮に悪巧みをしようとしたら恐ろしい強敵になるだろう? そういった意味で、スティーブ・ジョブズが一番近い」と補足した。アカデミー賞主演男優賞を受賞した『英国王のスピーチ』などで知られ、アクション未経験のコリン・ファースを起用したことについては、「いつもと違う彼を見ることができたら楽しいに違いないと思ったからだ」とコメント。「彼は何カ月にも及ぶトレーニングに取り組んでくれたよ」と言い、「『この役をやるなら必ずトレーニングしなければならない』、そして『撮影に入る前にテストをする』とも言ったんだが、そのテストに見事に合格してくれたね」と明かす。さらに、本作のアクションシーンへの反響がいい理由は2つあるとし、「僕はアクションは見せるためだけではなく、そこに必然性がなければならないと思っている。仮に、この映画のアクションシーンをそっくりそのまま他の映画に応用したとしても、キャラクターに共感することもできないし、鬼気迫るものにはならないだろうから、飽きてくるよね」と1つ目の理由を説明。もう1つは「格闘シーンのコリオグラフィーとセカンド・ユニットの監督を務めるブラッドリー・ジェームス・アランが優秀なんだ」と分析し、「ジャッキー・チェンという天才のもとでトレーニングをした人だよ。カンフーなどの要素を入れつつ、西洋化させた振り付けになっている」と語った。(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation
2015年08月09日●ソフトバンクのこれまでの成長戦略7月30日、ソフトバンクの法人向けイベント『SoftBank World 2015』において、ソフトバンクグループ代表取締役社長 孫正義氏が初日の基調講演を行った。「情報革命で、今日、次の世界へ」と題し、同社がその鍵と考える三つの分野とそれらの展望について語った。○企業の成長には「情報武装」と「成長戦略」孫氏はまず、過去20年間において製造業の時価総額は約20倍に成長したが、インターネット産業は約720倍であることを示した。この成長をけん引するのは「情報革命」であり、それを作るのは「情報武装」と「成長戦略」であるというのが孫氏の考えだ。情報武装とは、スマートフォン・タブレット・クラウドという"三種の神器"を使いこなすこと。成長戦略とは、20年後30年後の未来を読み、それに対して戦略的な準備をすることだ。成長戦略を描くことについては、孫氏がボーダフォンを買収し携帯電話事業に参入することを決める2週間前に、当時AppleのCEOであったスティーブ・ジョブズ氏を訪問したエピソードが披露された。まだiPhoneがApple社内でもほんの数人だけが知る極秘プロジェクトだった頃、孫氏は「携帯電話会社買収のために新しい武器が必要。あなたしかいない。ぜひ組んでくれないか」と、当時のiPodに電話機能をつけることを構想した手書きの絵を見せ、こういうものを作って欲しいと話したそうだ。孫 「勝てる手段も戦略もなく参入するのは無謀な戦い。これからの時代、携帯端末が最も重要なインターネットの中心的危機になるということを先読みし、成長戦略を描きました。」その後、過去に他の誰もが手にしたことのなかった情報の武器を日本国内で独占販売し、同社の大きな発展に寄与するものとなった。●キーワードはIoT、AI、スマートロボット○ソフトバンクグループが注力する3つの成長分野今後成長が期待される様々な分野の中で、孫氏はその中心になるものとして「IoT」「AI」、そして「スマートロボット」の三つを挙げた。IoT (Internet of Things=モノのインターネット)については、現在1人平均2つのデバイスをインターネットに接続しているが、今後30年でそれが1人平均1000個にまで拡大すると予測。世界の人口を越える数のデバイスがあらゆる情報をクラウドに持ち込むことになる。しかし、ただデータが集まるだけでは意味がない。孫氏は、これらを分析し、データマイニングして新しいビジネスモデルを構築する「IoTエコシステム」がキーワードになると述べた。孫 「IoTが本当に広まるのかと疑問に思う人もいるでしょう。しかし、iPhone発売当時『日本独自の携帯文化に適合しないから日本では売れない』と言われた頃からまだ10年経っていません。スマホが人々のライフスタイルを変えたように、これからはIoTがあらゆる分野で爆発的に人々のライフスタイルを変えていくでしょう。」AIについては、今年2月よりソフトバンクテレコムと日本IBM共同によるIBM Watsonの日本における展開を開始。また、この10月からはWatsonを活用したアプリケーションやサービスの開発・提供を行うためのエコシステムパートナーの正式募集を開始することが発表された。孫氏の計算によると、人間の脳細胞にあるニューロンの数を、1チップ上のトランジスタ数が上回るのは、2018年になるという。これが逆転することはなく、差はさらに開いていく。これを相手に知能・知識で戦って人間が勝てるのか。人間が当たり前のように行っている作業の多くは、良い悪いは別にして、人工知能に置き換えられていく時代がやってくる。しかし悲しむ必要はないと孫氏は語る。孫 「単純労働はコンピュータにどんどん置き換え、AIの活用が競争力強化になる。我々は IBM Watsonとの提携により、人々の質問疑問、生活、生産性のアシストをし得る、様々なサービスを提供していきたい。」スマートロボットはこのAIとの組み合わせにより発展する分野だ。機会的な作業のためのロボットではなく、IT企業として、支援・知能・知識を強化する角度からスマートロボットに取り組みたいという孫氏。その一歩目として、この6月にPepperが「感情を持つ」ロボットへと進化したことが発表された。孫氏はこれをPepper発表の時から夢見ていたという。孫 「人間で想像してみてください。頭は切れるけれど心がない人よりも、励まし、慰めてくれる人と関わりたいと思いますよね。人工知能が人間を超える時代を避けて通れないなら、単に知能が優れるだけでなく、人を慮ってくれるロボットと一緒にいたいと、私は思います。」ステージにはPepperも登場し、Watsonと検索機能の組み合わせにより自ら学習するディープラーニング機能や、法人向けモデル「Pepper for Biz」を10月より提供することも発表された。●孫正義が描く情報革命の未来とは?○情報革命は人々を幸せにするものここまでの話を振り返り、孫氏は「情報武装した会社が成長する。そういう会社は戦略的に手を打っていくことが大事」と述べる一方で、「情報革命は単に企業の成長のためだけではない」と強調した。コンピュータの知能が人類を超える日があと数年で到来する。それを我々は、どのように迎えればいいのだろうか。孫 「私は、情報革命は人々を幸せにするものだと確信しています。だからこそ、"彼ら"に人を思う心を与えてあげたい。」そう考えたきっかけは孫氏が6歳の時。テレビで見た『鉄腕アトム』が、100万馬力のヒーローでありながら、たったひとつ欠けていたものがハートだった。人の涙の意味がわからない。喜びや幸せがわからない。幼心にそれはかわいそうだと、自分が大人になったらアトムにハートをプレゼントしたいと思ったそうだ。情報革命は単に生産性のためだけではない、と孫氏は繰り返し強調する。「情報革命で人々を幸せに」という同社の理念が変わることなく継続していることを述べ、講演を締めくくった。
2015年07月31日『ダークナイト』3部作で知られる“ゴッサム・シティ”を舞台に、その前日譚として若き日のゴードン刑事の活躍を描いた海外ドラマ「GOTHAM/ゴッサム」。先日、本作のメインキャストらが来日し話題を呼んだが、この度、主演のベン・マッケンジーと彼の吹き替えを担当した人気声優・小野大輔との夢の“日米ゴードン”対談が実現。その模様がWEB上で公開された。本作で主役のゴードンを演じるのは、「The OC」のライアン役で人気を博したベン。実はそのライアン役の日本語吹き替えを担当したのも、本作と同じく人気声優の小野さんだったという。小野さんは、洋画吹き替えでは「glee」(フィン・ハドソン役)、「スティーブ・ジョブズ」(スティーブ・ジョブズ役)などを担当。またアニメ作品にも多数出演しており、「黒執事」(セバスチャン・ミカエリス役)や「宇宙戦艦ヤマト2199」(古代進役)など話題作で立て続けに主演を好演。声優アワードでは主演男優賞を過去2回受賞している実力派声優だ。アーティスト活動も活発に行なっており、2016年1月には自身初の単独日本武道館公演が決定している。そんな人気声優の小野さんにとって、「The OC」は洋画での初主演作であり、当時は大きなプレッシャーを感じたという。そんな中、ベンと小野さんが同じ歳であるということや、2人とも“役者としてはこれから”という似た境遇にあることを知り、シンパシーと勇気を感じたそう。「この役者さんと一緒に成長してゆきたいと思っていたんです。お会いするのは初めてなんですが、昔からの旧友に会ったような感覚です」と大感激の様子。一方のベンも、「『The OC』の頃は、僕もカメラの前に立った経験はほぼゼロだったんだ。だから小野さんと同じように、火の中へ投げ込まれるような感覚だった。分身に会ったようでとても面白いね。自分の役の声優さんにお会いするのは、初めてなんだ。とても新鮮な感覚だよ」と、小野さんとの出会いに感銘を受けたよう。また「吹き替えを聞いたけれど、深い声ですごくいいね。おかげでジムも男前に見えるね。もうすっかりファンだよ」と小野さんの演技を絶賛した。公開された対談映像では、そのほかにもそれぞれのキャラクターの演技論や、ベンもアニメでの声優経験があることからアニメ吹替え論について熱く語る姿が映し出される。最後には、小野さんから「これからもベンの吹替えは僕が担当したいです。そして、もし僕が声優として出演したアニメがアメリカで放送されるときは、ぜひベンにお願いしたいです」と互いの今後の活躍を健闘しあう一幕も。日米の実力派俳優たちが、不思議な縁で結ばれ役10年越しに同じ役を演じた本作。ぜひ吹き替え版でも本作を観賞し、ベンも絶賛した小野さんの演技を堪能してほしい。「GOTHAM/ゴッサム<ファースト・シーズン>」は7月22日(水)よりDVD&デジタルレンタルがスタート。(text:cinemacafe.net)
2015年07月05日世界初の長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』から20周年を記念して贈るディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』が7月18日(土)より公開となる。11才の少女ライリーの幸せを見守る、ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという頭の中の“5つの感情たち”がどのように誕生したのかを探るべく、シネマカフェはアメリカのカリフォルニア州に存在するピクサー・アニメーション・スタジオに潜入。今回はピクサーならではのユニークなアイディアが生まれるスタジオをご紹介!■スティーブ・ジョブズがスタッフに遺した最高の場ピクサー・アニメーション・スタジオには、「ザ・スティーブ・ジョブズ・ビルディング」「ウエスト・ビレッジ」「ソーホー」「ブルックリン」というオフィスがある。「ピクサー」の投資家として加わっていたスティーブ・ジョブズの名をとって「ザ・スティーブ・ジョブズ・ビルディング」と名づけられたメインのオフィス。中に入ると早速、『モンスターズ・ユニバーシティ』のサリー&マイク、『トイ・ストーリー』のウッディ&バズがお出迎え。中から見て印象的なのが、光が差す開放感あふれるロビー。壁一面が窓になっている建物は、外からもアイディアが入ってくるようにオープンになっているのだという。またジョブズは、工業的なデザインを残したかったため、柱や橋は機械を使わず、あえて手作業で作ったのだそう。右側はアニメーションが作られるクリエイティブサイド、左側はテクニカルサイドと“脳”をイメージして作られている。これもジョブズのアイディアで、社員が過ごしやすいよう設計されており建設段階からジョブズのこだわりが感じられた。「ザ・スティーブ・ジョブズ・ビルディング」には、最新作『インサイド・ヘッド』がいたるところに登場。「スティーブ・ジョブズ・シアター」の前には“ヨロコビ”が描かれた大きな壁画が飾ってある。さらにストーリーがどのように進んでいくか最初から最後まで描かれている“カラースクリプト”があり、常にそれを見ながらスタッフ同士でストーリーを確認するのだという。オフィスを出て右に歩いていくと、ピクサーの中で一番最近に建設された最先端のデジタルアニメーション制作施設「ブルックリン」がある。ここには「プレスト・シアター」があるほか、暖炉の裏側には「ブルックリン・ハーフ・ラウンジ」というシークレットルームも設備。「ザ・スティーブ・ジョブズ・ビルディング」とは違ってシックな雰囲気を醸し出している。■アイディアは楽しいところに隠れている常に楽しむことをモットーにするピクサーは、スタジオ内・外にはスタッフがリフレッシュするための場が多々存在する。スタジオ内には、カフェテリアや14種類あるシリアルバー始め、ビリヤードやシアター、スタジオ内でしか買うことのできないグッズが販売されているショップがある。外には、サッカー場や、冬は温水になるプールもあり、アイディアに行き詰ったときにリラックスして仕事に戻ってこれるようにさまざまな工夫が施されているのだ。こういった仲間たちとのコミュニティの場で生まれるアイディアは作品にも取り入れられることがあるという。■ジョン・ラセターの部屋はまるでおもちゃ箱ウォルト・ディズニーとピクサー・アニメーション・スタジオズ両社のチーフ・クリエイティブ・ オフィサーであるジョン・ラセター。彼の部屋にはいままでのピクサー作品のフィギュアやデザイン画がズラリと並ぶ。そんな中、一際目立つのは20数年来の友人・宮崎駿との“友情”スペース。大きなネコバスやトトロ、さらにはラセター氏の誕生日に贈られてくる宮崎監督の直筆メッセージの数々が大事に展示されていた。仕事漬けになっても、目指すのはいかに楽しく仕事をするか。ピクサー・アニメーション・スタジオにあふれるアイディアの数々は、人と人の距離が近く常にコミュニケーションがとれること、作品への愛情を共有することによって生まれるのかもしれない。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月03日生きている限り悩みは尽きないが、その中でも人間関係の悩みほど厄介なものはない。会社で働いていて、仕事の内容には満足しているのに人間関係で躓いてしまい、結局環境を変えざるを得なくなったという話はよく耳にする。心理学者のアルフレッド・アドラーは「人間の悩みはすべて人間関係の悩みである」と言ったそうだが、すべてかはともかく、人間関係の悩みが数ある悩みの中でも大きな比重を占めていることは間違いない。人間関係の悩みが難しいのは、「感情」という理屈では割り切れない要素が大きく絡んでくる点にある。たとえば仕事で苦手な人と付き合う場合に、「あの人とは仕事上の関係でしかない。どう思われても構わない」とスパッと割り切れれば実はそんなに害はない。しかし実際には、相手が嫌なヤツでもできれば嫌われたくないと思ってしまうし、嫌なことを言われたら不快な思いが長時間心から消えない。これらは結局「自分の感情のコントロール」の問題なのだが、怒ったり落ち込んだりといった自然発生的な感情を理屈だけで完全に支配するのはとても難しい。今回紹介する『心がスッキリ軽くなる 苦手なあの人と付き合わないですむ本』(中村将/宝島社/2015年6月/1300円+税)がテーマにしているのはまさにこの「感情のコントロール」である。対人関係で感情のコントロールがうまくできずに悩んでいるという人はぜひ本書を読んでみて欲しい。本書で紹介されている「考え方」を身に付ければ、毎日がもっとすごしやすいものに変わる可能性がある。○自分ごとゾーン/他人ごとゾーン表で悩むべき問題を選別する感情をうまくコントロールするための手段として、本書では「自分ごとゾーン/他人ごとゾーン表」というツールが紹介されている。これはある問題が「自分にとって悪いことがある/悪いことがない」「他人にとって悪いことがある/悪いことがない」という要素の組み合わせで表現される二次元マトリクスで、ある問題に突き当たった時はそれがこのマトリクス上のどのゾーンに位置するか考えた上で、対応方法を決める。たとえば、「自分の子供が受験に失敗しそうだ」という問題があったとする。この場合、他人である自分の子供にとって、受験に失敗するのは悪いことである(他人にとって悪いことがある)。一方で、親である自分について考えると、別に子供が受験に失敗したところで学校に通えなくなるのは子供自身なのだから、実害はない(自分にとって悪いことがない)。以上より、「自分ごとゾーン/他人ごとゾーン表」を用いるとこの問題は「他人にとって悪いことはあるが、自分にとって悪いことはない」ゾーンの問題だと考えることができる。○自分にとって悪いことがないなら、もう気にしない「自分ごとゾーン/他人ごとゾーン表」を用いて問題の属するゾーンが確定したら、あとは機械的に悩むべきか悩むべきでないかが決まる。「自分とって悪いことがある」場合は悩むべきで、「自分にとって悪いことがない」場合には悩むべきではない。この場合は他人にとっては悪いことだが、自分にとっては悪いことではないので悩まない。そうやって割り切る。ここまで読んで「自分の子供にとって悪いことがあるのに悩むなというのは酷いのでは?」と思った人もいるかもしれない。そう思うこと自体は立派なのかもしれないが、感情をうまくコントロールしたいのであればいったんこういう考え方は捨てたほうがいい。多くの人間関係の悩みは他人ごとであるはずの問題を他人ごとだと捉えられないことで起きている。「他人に親切にしましょう」という道徳の常識は、いったん忘れてしまったほうがいい。他人に親切にするのは、まず自分が完全に満足して不満のない状態になってからでよいはずだ。「自分よりも他人を優先する」という行動原理を貫くと、自分の人生ではなく他人の人生を生きていることになってしまう。たとえ他人に嫌われることになったとしても、自分の人生を生きたほうがいいのは間違いない。そういえば、あのスティーブ・ジョブズも「他人の人生を生きることで時間を無駄にするな」と言っていたなと本書を読みながら思い出した。○他人の悩み相談に乗るときのお手本としても本書のもう1つの使い方として、「誰かの悩み相談に乗るときのお手本にする」というのが考えられるかもしれない。本書は悩みを抱えた人と著者の対話という形式で進んでいくのだが、実はこの対話の質が非常に高い。理屈を押し付けるわけではなく、かと言って完全に相手の言うことに迎合するわけでもなく、示唆を与えて相手に自分で「気づかせる」というやり方で本書のカウンセリングは行われていく。もし誰かの悩み相談に乗る機会が今後あるなら、本書のようにできたらいいだろうなと思わずにはいられなかった。そういう意味では、本書は自分が人間関係の悩みを抱えている場合だけでなく、周囲に人間関係の悩みを抱えている人がいる場合でも使える本ということになる。人間関係の悩みに携わるすべての人に、本書はきっと重要なヒントを与えてくれるだろう。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年07月03日○プレゼンの「準備」、できてますか?発表の前日の夜、スライドの準備でてんてこまいになっている主人公。プレゼンテーションをしたことがある人であれば、同じような思いをした人も多いのではないでしょうか?いまやビジネスマンから学生まで、多くの人が行う機会のある「プレゼンテーション(プレゼン)」。Apple創設者のスティーブ・ジョブズのように、聴衆のほうを向いて堂々と語るスタイルが「お手本」とされる風潮はあります。ですが、実際のところ、プレゼンをする側は資料を作るのに精一杯で、本番のトークはぶっつけ本番。聴く側はスライドと同じ内容が朗読されるのを聞いているうちに途中で眠くなる……という状況に陥りがちです。プレゼンの天才とされるジョブズですが、実際は"プレゼンのプロ"のサポートを仰ぎ、何度もリハーサルを重ねて本番に臨んでいました。つまり、ジョブズのような人でも、プレゼンの前にはそれだけの備えをしていたのです。逆に言えば、「見やすい工夫」「分かりやすくする工夫」をちりばめることで、プレゼンの完成度はぐっと高くなります。そもそも、プレゼンは聴き手に語り手のアイデアや企画を伝達する場所。お互いの理解度が高まることで、発表する人も聴く人も、両方がハッピーになるはずです。この連載では、「仕事や勉強」の場で個人がつくるプレゼン資料に焦点を当てて、「いつものプレゼンがちょっと楽しく、わかりやすくなる」Tipsを、LINEスタンプで人気のキャラクター「こむぎこをこねたもの」と一緒に、ゆるりと、だけどまじめに学んでいきましょう!(文・編集部)首藤智之1990年~2013年までソニーに在籍中、会社の対外プレゼンテーションのデザインディレクションを行う。現在はプレゼンテーションに使用するスライドをデザインする「ゲッコープロダクション」を設立。本連載では監修を行う。Jecyイラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。現在、最新作「こむぎこをこねたもの その2」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。本連載では漫画を担当。
2015年06月25日●iPhone 4sは相当古いアップルが次期iOS「iOS 9」を発表した。対応機種としてiPhone 4sが発表されたことは、ある種の驚きをもって受け止められている。今となってはかなり古い機種となるiPhone 4sだが、どうしてアップルはiOS 9でiPhone 4sのサポートを続けることにしたのだろうか?○iPhone 4sは4年前の端末iPhone 4sは2011年10月に発売された、iPhoneとしては5代目に当たる機種だ。ディスプレイは3.5インチ(960×480ドット)、CPUはデュアルコアのApple A5を搭載する。搭載メモリは512MBだ。OSは当初iOS 5を搭載しており、音声アシスタント「Siri」が使えるようになったのも当機からだ。通信機能としては3Gまでで、LTEには対応していない。細かいことだが、発売当初は「4S」であり、iPhone 5s/5cが登場したのに合わせて「4s」と、小文字になったという経緯がある。もうひとつ、アップルの創業者にして伝説的な経営者となったスティーブ・ジョブズはiPhone 4sの発表翌日(10月5日)に息を引き取っており、ジョブズが見届けた最後のiPhoneでもあるわけだ。4sのsはスティーブのSだ、という人もいるほどだ。最初の発売からすでに4年半を経ており、翌年型落ちになってから購入したケースを考慮しても、さすがに国内でもバッテリー等にかなり経年劣化が見られる端末が増えているだろう。こうした古い機種は最新OSのサポートから外し、さりげなく(……でもないが)買い替えを勧めるのが通常の方針だ。実際、1つ前のiPhone 4はiOS 8でサポートされなくなっており、順当にいけばiOS 9でiPhone 4sが外れるはずだった。なぜ4sだけはこんなに長くサポートされ続けるのだろうか。理由を考えてみよう。●iPhone 4sがサポートされる理由:その1理由1:開発途上国での人気が高いから考えられる理由のひとつが、開発途上国では比較的最近まで販売されていたことだ。iPhoneはスマートフォンの中でもプレミアムブランドであり、アップルは理由もなくブランド価値を下げるような廉価販売を嫌う傾向にある(そのためiPhone 5cが想像より高く、あまり売れなかったということもあったが)。しかし一方で、潜在的ユーザー数が圧倒的に多く、成長市場として無視できない開発途上国にも端末を投入する必要がある。そこでアップルが取ってきたのが、1~2年型落ちの機種を、フラッシュメモリの容量も減らした上でこれらの市場に投入するという手法だ。たとえば新興市場であるインドは12億人以上の人口を持ち、将来世界2位となると言われている巨大市場だが、未だにiPhone 4sが人気機種として販売されている。最新のiPhoneには手が出ないが、それでもiPhoneが欲しいという層に人気があるそうだ。アップル自体のインドでのシェアは5%前後にすぎないが、それでも年間200万台程度は販売が見込める。将来インド市場が現在の中国市場のように成長したときを考えて、種をまいておくのに越したことはないというわけだ。いくら型落ちで安いとはいえ、月収の数割を費やしてやっとiPhoneを購入した人たちに、「君たちがこの間買ったiPhoneだけど、もう最新のOSは動かないからね」と言うわけにはいかないだろう(もっとも、実は2014年前半に、iPhone 4で同じことをやったようなのだが……)。理由2:ほかの機種もA5を使っているからApple A5を搭載している機種は、iPhone 4のほか、iPad 2、iPad mini、それに第3世代のApple TVがある(ただしApple TVのA5はシングルコアになっている)。Apple TVのOSはiOSベースで、バージョンから類推するとiPhoneのそれよりも1世代低いようなのだが、CPUがA5であることには違いがない。A5を搭載した機種はいずれも、比較的長く売り続けられた端末だ。iPad 2は2011年4月に発売されて2014年3月まで、iPad miniは2012年11月に発売され、今なお販売が続いている。iPad 2とiPad miniは教育市場などでも多く使われており、これを早々とカットするのは戦略的に見ても得策ではないだろう。また、Apple TVは発売以降3年以上が経過しており、今年中にも新型の登場が噂されているものの、値下げしたばかりでこれからユーザーを増やそうというところ。iOS 9でもイチオシのHomekitでも、家の外からiCloudを経由して家電を制御する際に、Apple TVがハブとして機能することを発表したばかりだ。つまり、戦略上もこれらの機種を無下にカットするわけにはいかないので、結果的にiPhone 4sも延命されたというわけだ。●iPhone 4sがサポートされる理由:その2理由3:来年大きなカットオフが行われるから来年は初代iPhone OSから数えて10年目、iOSもバージョン10となる記念すべき年だ。筆者はここで、比較的大きな改定がおこなわれるのではないかと見ている。それは画面解像度や対応CPUといった部分にまで大きく影響してくる変更になる。たとえばiPhoneはiPhone 4でRetina化、5でワイド化、6/6 Plusでさらなる高解像度化と画面サイズの変更を経ている。またCPUは、iPhone 5sのApple A7で64bit化を果たしており、Touch IDが採用されたのもここからだ。つまり、4sを切ればワイド化以前の画面アスペクト比を、5(および5c)までを切れば32bitコードとTouch IDを搭載しない不用心な環境も排除できる。アプリ開発やサービスを提供する上で、ユーザーの環境を一定に揃えるのが理想的だが、アップルはiOS 10でこうした大粛清を行い、一気にユーザーの環境を均質化する可能性はないだろうか。以上、つらつらと思いつくままに考えてみたが、どの理由が正しいというよりは、複合的に絡まっているように感じられる。アップルがどのような戦略のもとにサポートを決定したかは、アップルのみぞが知るというところだろう。とはいえ、日本市場に限って言えば、iPhone 4sはそろそろ本気でバッテリーも辛くなっているはず。余計なお世話かもしれないが、2年縛りも終わっているだろうし、iOS 9を待たずとも、そろそろ新しい機種に買い替えを考えてみてはいかがだろうか。
2015年06月10日●Apple Watch登場の噂 - 2014年8月Appleの腕時計型ウェアラブルデバイス、Apple Watchが4月10日に予約受付を開始する。発売日は4月24日だ。Watch OSという独自のOSを載せたApple Watchは、iOS 8.2以降を搭載する「5」以降のiPhoneと連携し、時計や活動量の計測、着信やメッセージの受信などが行える。これら基本機能に加え、公開されている開発ツールにより、デベロッパが制作したアプリの追加も可能だ。着信やメッセージ受信はもとより、負荷のかかる処理や、アプリのインストールなどもiPhone経由で行われる。ラインナップは「Apple Watch Sport」「Apple Watch」「Apple Watch Edition」の3種類。いずれも「ケース」と呼ばれる本体に、「デジタルクラウン」(りゅうず部分)を搭載し、回転によるズームやスクロール、押してホーム画面の表示、長押しで「Siri」の起動など、iOSデバイスを彷彿とさせる操作感がうたわれている。バンドは好みのデザインを選ぶことができ、価格は4万円代前半から、上は200万円超(!)まで揃えられる。これがApple Watchの概要だ。長いことApple Watchの情報はWeb上で公開されてきており、購入希望者にとっては、ようやくの予約開始と言っていいだろう。本稿では、Apple Watchを取り巻く流れを記事で振り返ってみたい。○Apple Watch登場の噂 - 2014年8月Apple Watchの登場が広く知られるようになったのは、2014年8月。Appleによる"腕時計型デバイス"に関する特許が、米特許商標局(USPTO)で公開されたことから始まった。米IT系情報サイトRe/Codeなどが2014年8月27日に腕時計型デバイスの存在を報じた。申請日は2011年7月で、今から約4年前となる。その頃日本のアップルではiPad 2を発表したり(2011年3月)、「Apple Thuderbolt Display」を発表したり(2011年7月)していた。なお、この年の10月に米Apple共同創業者で元CEOのスティーブ・ジョブズ氏が逝去している。その後、米国時間9月9日にスペシャルイベントを開催されることが明らかになり、「iWatch」の呼称で噂が広まっていたApple Watchも、このタイミングで披露されると見られた。米Apple、9月9日イベントの招待状を送付 - iOS 8/iPhone 6/iWatchを発表か?○Apple Watch正式発表 - 2014年9月2014年9月に開催された実際の発表会では、「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」とともに、Apple Watchの名称で製品が登場。ティム・クックCEOによる"One more thing"で披露されたApple Watchは、2015年初頭という発売時期と簡単な価格が明かされたのみで、詳細はまだ不明だった。【速報】3分でわかるApple新製品まとめ - iPhone 6からApple Watchまで実際にApple Watchを触ってみた! - これは「時計」を超えた「時計」である!!米Appleがスマートウォッチ「Apple Watch」を発表 - 2サイズ・3モデル展開○開発ツール「WatchKit」公開 - 2014年11月2014年10月に発表されたAppleのスペシャルイベントでは、「iPad Air 2」や「OS X Yosemite」のほか、Apple WatchのSDKが11月に登場することが明かされた。その後予定通り、11月には、Apple Watch用の開発ツールセット「WatchKit」が提供される。【速報】90秒でわかるApple新製品まとめ - iPad Air 2からiMac with Retina 5K Displayまで米Apple、Apple Watch用の開発ツールセット「WatchKit」の提供開始を発表●3月のスペシャルイベントで発売日が明らかに○3月のスペシャルイベントで発売日が明らかに2015年に入ると、3月9日に開催されるAppleのスペシャルイベントで、Apple Watch発売発表への期待が高まった。すでにティム・クックCEOが1月27日の決算カンファレンスコールで、4月の発売をコメント。このため、イベントでは発売日がいつになるかが注目された。Apple、3月9日に特別イベント開催 - 「Apple Watch」 発売日発表か○価格と発売日決定 - 2015年3月米国時間3月9日に開催されたスペシャルイベントでは、医療研究アプリ「ResearchKit」「新しいMacBook」とともに、Apple Watchの発売日が4月24日であることが発表された(予約開始は4月10日)。Apple Watchをサポートする「iOS 8.2」も同時にリリース。iOS 8.2では、iPhoneとのペアリングや設定が行える「Apple Watch」アプリが追加された。【速報】60秒でわかるApple新製品まとめ - Apple TV値下げからApple Watch詳細まで「Apple Watch」の価格と発売日が決定 - 4月10日に予約受付を開始アップル、Apple Watchをサポートする「iOS 8.2」をリリース「Apple Watch」「MacBook」、近未来を見せたAppleのスペシャルイベント○発売に向けた流れ - 2015年3月~4月4月10日の予約開始日に向け、取り扱い店舗ではさまざまな準備が進んでいる。予約はWebサイト「Apple Online Store」、全国の「Apple Store」8店舗、新宿伊勢丹にオープンするApple Watch専門店「Apple Watch at Isetan Shinjuku」にて受け付ける。伊勢丹新宿店に白い壁が出現 - Apple Watch展示準備進む米Apple、Apple Watchアプリのストア登録受付を開始Apple Watch、使い方ビデオを公式Webサイトにて公開
2015年04月09日3月28日、アップルが直営店「Apple Store」にて提供しているジュニア向けプログラム「フィールドトリップ」が、Apple Store, Ginzaで開催された。今回は山梨県甲府市の山梨英和中学校・高等学校から12名が参加した。フィールドトリップは毎年春と秋に開催される学生向けのプログラムで、Apple Storeで作品作りを体験したり、これまで作った作品や研究の発表を行えるというもの。機材もApple Store側で用意してくれるが、山梨英和中学校・高等学校ではiPadを使ったICT教育を実施しており、生徒達は全員iPadを購入して使用している。今回も各生徒が自前のiPadを持ち込んでの発表となった。会場となったApple Store, Ginza 3階のシアタールームでは、まずはワークショップの進行役を務めるApple Storeのスタッフが登場し、iPadとKeynoteを用い、AirPlayを使ってApple TVへiPadの画面を表示しながらプレゼンを行うことを説明。軽妙なトークで生徒たちの緊張をほぐすと、同校の三井貴子校長が挨拶を行った。山梨英和中学校・高等学校は1889年創立で、今年115周年を迎えた、伝統あるキリスト教主義の中高一貫女子校。同校の理事長が熱心なアップルファンということもあって、2012年からiPadを使ったICT教育を取り入れているという。ちなみに、2013年には文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されている。ここからは生徒たちが司会進行を行いながら、各人のプレゼンに移る。 山梨英和中学校・高等学校の生徒たちが日々iPadを使って学んだことや、iPadをどのように学習に使っているかなどが発表された。普段の学習で学んだことをPagesを使ってレポートにまとめ上げたり、Keynoteを使ってクラス内で発表を行うなど、iPadの特徴を生かした活動が随所に見られた。いずれも素晴らしい発表だったが、中でも目を引いたのは、iTunes Uを使った数学の反転学習についての発表。これは授業を受け、基本問題→応用問題と解きながら学習する従来型の授業ではなく、インターネットを使って事前学習を行っておき、グループ内で解き方を教え合いながら学び、解法を発表するというもの。1つの学習について時間はかかるものの、理解を深めることができるほか、予習の習慣をつける、人前で発表することに慣れる、さまざまな解法の導き方を知ることができるといったメリットがあるという。山梨英和中学校・高等学校では英語や数学でiTunes Uを使った課題の配布・提出が行われており、課題が出されるとリアルタイムで通知されるということで、課題忘れなども起きにくくなっているとのことだが、iPadに用意された機能やサービスをうまく活用していると感じさせられた。約1時間半の発表会は恙無く終了。最後は全員で記念撮影を行い、修了証と記念品が授与された。発表が始まるまでは緊張した面持ちだった生徒たちも、発表終了後は満面の笑みで、しっかりと発表会を楽しめた様子だった。今回の取材を見て感じたことは、生徒達がiPadの操作に熟達しているだけでなく、自然にテクノロジーを活用しているということだ。iPadのカメラで写真や映像を撮影して資料に取り込んだり、クラウドでファイル共有するといった高度な応用も当たり前のようにすんなりこなしている。海外校との交流では、FaceTimeによるビデオチャットも当然のものとして使われている様子が伺えた。Keynoteを使ったプレゼンも堂に入ったもので、プレゼンといえば模造紙やOHP用フィルムに手書きで資料を作っていた時代と比べると隔世の感がある。ITが身近にある世代ならではの姿だとも言えるだろうが、iOSが習得しやすく、操作系も統一されていて使いやすいこと、また学校側も肩肘張ってiPadを導入するのではなく、無理のないかたちで広げていったこともまた、功を奏しているのだろう。資料類をすべて1つにまとめることができ、軽量で持ち運びやすいiPadは、生徒たちにとってもお気に入りということで、お仕着せではなく自然に使いこなしている様子が印象的だった。コンピュータを使った教育、いわゆるICTについては、各地でさまざまな取り組みが行われている。鳴り物入りでスタートしてみたはいいが、現場では理想としていたほどうまく回っていないケースもあり、手探り状態のところが多い。こうした失敗事例では、ICTの導入という目的が先行しすぎてしまい、何のためにICTを導入し、何をするべきなのかという議論が行われていないように感じる。たとえば山梨英和中学校・高等学校でも、すべての授業でiPadを使っているわけではなく、通常の授業では紙のノートを使って勉強しているという。しかし必要なシーンではiPadの機能を効果的に使い、従来型の教育では難しかった授業の導入を成功させている。ICTの導入で苦労している自治体や学校にとっては、フィールドトリップを通じて他校の導入事例を見るのも、大いに参考になるのではないだろうか。次回のフィールドトリップは2015年の秋に開催の予定だが、参加に興味のある教育関係者の方々は、申し込みの登録等についてこちらをチェックしてほしい。スティーブ・ジョブズをはじめとする各界の著名人らが登壇したApple Store, Ginzaのシアタールームを発表の舞台にできる経験は、生徒たちにとっても、きっと一生忘れられない学習体験になるはずだ。
2015年03月30日Appleのスティーブ・ジョブズ、Facebookのマーク・ザッカーバーグらとも並ぶ、ネット界に激震を走らせたインターネット上で情報漏洩を意図的に行う内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジを描いた、映画『フィフス・エステート:世界から狙われた男』。本作で“カリスマ”と呼ばれたこの男を演じるのは、3月に公開を控える『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』で第87回アカデミー賞「主演男優賞」の受賞も有力視されている俳優ベネディクト・カンバーバッチだ。本作は、アサンジと彼の魅力に囚われていった仲間たちが、自らの危険を冒しながらも“リーク(告発)”という武器のみで権力の不正に立ち向かう姿を実話に基づきながらスリリングに描き出していく。日本未公開というファンにとってはまさに幻の1本。ベネディクトが役作りや作品に対する思いを語った。ベネディクトは「彼の顔は覚えていたよ。とても印象的な人物だからね」とアサンジについて語り始める。「あらゆる大見出しで彼を目にしたことを思い出したよ。内部告発者を守るように作られたウェブサイトができたという事実の後に、秘密の扱い方における革命や、秘密の流布や秘密の価値がどうなるのかについて書かれた『ガーディアン』(※イギリスの大手新聞)やそのほかの主力紙の記事を夢中になって読んでいたよ」。本作の出演のオファーがきたときには「やります」と即答したというベネディクトだが、苦労する点もあったようだ。「この人物については身につけるべきものがたくさんあったんだ。体や声だけでなく、信念や、僕たちが語ろうとしている物語の意味も含めてね。降参して、事の重大さを真に理解せずにこの映画を自分が引き受けたのか、という事実を認めた方がよかったかも」と語る。まずは外見から手を付けたというベネディクトは、髪を伸ばしてブロンドに染め、彼の容姿から言動に至る細部までとことん研究したという。しかし、ベネディクトの意見が通らなかった部分もあったようで、「僕は真っ白に染めようと乗り気だったんだけど、その後の製作でそれについてちょっと論争があったので、これ(ブロンドカラー)は妥協案なんだ」と残念そうに明かす。さらに「ジュリアンのまゆ毛はとても薄い色だった。だから、僕の濃いゲジゲジまゆ毛を抜くのではなく脱色したんだ。それから、もう1つの要素は顔だ。僕はかなり顔が長いけれど、彼はもっとソフトでまるい感じなんだ。そこで、頬骨を砕くために何かできることはないかと思い、少しやってみて、プランパーと義歯を試し、僕がいましているものにたどりついたよ」と完成形になるまで、かなり試行錯誤した様子。最後にベネディクトは、本作から現代社会に生きる若者に向けて学んでほしいと訴えかけた。「ニュースを越え、自分だけの真実、その真実の中にある自分だけの価値観を探してほしい。そして、政治意識をもつこと。彼らの破局の結果がどうであれ、それによって全体的メッセージをぼやけさせないこと。それはこの組織で起こる良いことであり、自分自身で調べ、見る必要があるものなんだ。自力で見に行き、自力で見つけてもらいたいね」。(text:cinemacafe.net)
2015年02月18日マイケル・ファスベンダーが、アップルの創業者の故スティーブ・ジョブズを演じることが正式に決定した。マイケルが主演するのは、ウォルター・アイザックソンが2011年に発表した伝記本「スティーブ・ジョブズ」を映画化する『Steve Jobs』(原題)で、『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソーキンが脚本、ダニー・ボイルが監督を務める。映画化が決定した際、まずはレオナルド・ディカプリオにオファーしたが、監督の予定だったデヴィッド・フィンチャーの降板を受けてレオが出演を辞退。マット・デイモン、ベン・アフレック、ブラッドリー・クーパーが候補に上がり、昨年10月にはクリスチャン・ベイルの起用が発表されたが、わずか数日で降板が発表された。ほかにはアップルの共同設立者のスティーブ・ウォズニアックをセス・ローゲン、マッキントッシュの元マーケティング担当のジョアンナ・ホフマンをケイト・ウィンスレット、アップル社の元CEOのジョン・スカリーをジェフ・ダニエルズが演じる。ジョブズの最初の妻・クリスアン役はイギリス出身のキャサリン・ウォーターストーン、マッキントッシュOSの開発にあたったプログラマーのアンディ・ハーツフェルド役はマイケル・スタールバーグ。撮影はすでにサンフランシスコで始まっている。映画の公開は2016年の予定。(text:Yuki Tominaga)
2015年01月30日ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会は6日、「新成人が理想とする働き方」の調査結果を発表した。調査期間は2013年12月16日~17日の2日間、対象は2015年に新成人を迎える1994年4月2日~1995年4月1日生まれの男女計400名。○身近な存在が上位にランクイン「理想の社会人」の1位は「父親」、続いて「両親」「先生」「先輩」と身近な存在がランクインした。著名人のうちトップ10に入ったのは「イチロー」(5位)、「松岡修造」(7位)、「櫻井翔」(9位)、「スティーブ・ジョブズ」(10位)であった。「どんな社会人になりたいか」という質問では、75.4%が「プライベート重視で働きたい」と回答し、「バリバリ働きたい」(19.7%)という人の3.8倍に上った。また、「働きたくない(専業主婦など)」は4.9%であった。前年の同調査と比較すると、より「プライベート重視」の傾向が高まっている。「働きたい地域」について、最も多かったのは「地元」(42.9%)。次に「東京」(30.4%)、「東京、大阪、地元以外の国内のどこか」(14.3%)となった。一方、「海外」と答えた人は、4.6%にとどまった。昨年と比較すると、より「地元志向」が高まっており、東京・大阪を除く地方で働きたい若者が増加していることが明らかになった。「どんな組織で働きたいか」を尋ねた質問では、「大企業で」と答えた人が26.5%で最も多くなった。次点では、昨年1位の「中小企業」、昨年3位の「公務員」が続いた。「その他」には、病院、政治家、博物館、職人、まだわからない、といった回答が寄せられた。
2015年01月07日「キャリア」に関係するコラムを書いていると、若手ビジネスマンの方から「キャリアアップ」についての相談をよく受ける。その相談の多くは「キャリアアップ=転職」だという前提の相談であることが多い。中には、もうほとんど本人の心のなかでは「転職」を決意している人もいる。最後の「ひと押し」を私にして欲しいのだろうと思うこともある。しかし、私は「キャリアアップ=転職」だとは少しも思っていない。だから「転職」を前提に「キャリアアップ」について相談された場合は、必ずといっていいくらい、引き止めモードに入る。○望んでいるキャリアアップの種類は?ところで、キャリアアップには大きく2つしかない。1つは「職種」を追求して 、異なる「組織」での経験を積み上げる場合。もう1つは「職種」は柔軟に考えて、同じ「組織」の中で経験を積み上げる場合。中には「職種」も「組織 」も同時に両方変わるケース もあるかもしれないが、それは良い意味での「チャレンジ」である。必ずしも「キャリアアップ」とは私は呼ばないことにしている。そういう意味では「キャリアアップ」とは、少なくとも現時点での何らかの「経験」を活かした上でさらに新しい経験を積むものだと思う。ある程度は成功の確実性がないといけない。話を元に戻す。私にもちかけられる相談の多くが「キャリア=転職」という前提なので、最初に、「本当に同じ組織の中ではキャリアアップを積めないのか?」と聞く。 まずは冷静に「本当に転職する必要があるのか?」と自問自答してもらう。どうしても「転職」をするというならば、「職種」は変えずに、新しい「組織」の中で 経験を積み上げることを進める。全く異なる組織の中で、全く異なる職種で新たな経験を積むことは、30代以上ではリスクの方も高い。ところが、矛盾するようなことを言うのだが、自分自身の「キャリア」を後から俯瞰すると、必ずしも「キャリアアップ」になるなどとは、その時は思わなかったが、実は「キャリアアップ」につながっていることがある。どういう時にそういうことがあり得るのか?それは、自分が経験してきた「職種」と新しい「職種」との間に、ちょっとした「ズレ」があった時だ。例えば、私自身の経験で言えば、私は長くテレビ局での広報宣伝の仕事をしてきた。主にマスメディアを活用したコミュニケーション方法だった。後にアップルに転職したのだが、 アップルで行ったメールやWebサイトやコールセンターを活用した既存ユーザー向けのコミュニケーション(今でこそ『ダイレクトマーケティング』や『CRM』などと呼ぶ)とでは、全く種類が異なるものだった。経験を活かしているように見えて、実は経験したことのない経験をしていた。このちょっとした「ズレ」が、今になって考えると大きな「チャレンジ」でもあった。スティーブ・ジョブズのスタンフォード大での卒業式での有名なスピーチに下記の名言がある。「点と点の繋がりは予測できません。 あとで振り返って、点の繋がりに気付くのです」しかし、実際には何年もあとになってからしかわからない「繋がり」を意識して新たな チャレンジをすることには リスクが伴う。 そう簡単にリスクある行動を人はとれない。(まして…相談された立場の私は、相談者にリスクをオススメはできない)だから必ず私は「リスクはなければない方がいい」「全く経験を活かせない転職なんてリスクが高すぎる」「だけど少しはズレがある方転職の方がいい」「今までの自分の経験を100%活かそうなんてセコいこと考えてるとチャレンジにならない」…などと言っては、いつも相談者をかえって惑わせてしまうのである。だから、あんまりムズカシイ人生の相談は、私になんてしない方がいいのかもしれない。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年12月25日ユニバーサル・ピクチャーズが製作準備を進めているスティーブ・ジョブズの自伝映画に、ジェフ・ダニエルズが出演することになるかもしれない。役柄は、元アップルのCEOジョン・スカリー。ダニエルズは、アーロン・ソーキンがクリエータ-を務めるテレビドラマ『ニュースルーム』でエミー賞に輝いた。この映画は、ウォルター・アイザクソンのベストセラーノンフィクション本をソーキンが脚色したもので、ふたりはビッグスクリーンで再びコンビを組むことになる。まだ正式なオファーは出されていないが、ダニエルズはダニー・ボイル監督の第一候補だそうだ。ジョブズ役にはマイケル・ファスベンダーが正式に決まり、スティーブ・ウォズニアック役はセス・ローゲンで進んでいる。ジョアンナ・ホフマン役にはナタリー・ポートマンが興味を示していたが実現には至らなかった。文:猿渡由紀
2014年12月10日マイケル・ファスベンダーが、スティーブ・ジョブスの伝記映画への出演を交渉している。一度はクリスチャン・ベールに決まったと報道されたが、まもなくベールが辞退して、ソニー・ピクチャーズは次の候補を探していた。その他の情報原作は、ウォルター・アイザックが書いたベストセラー本『スティーブ・ジョブス』。アップルの共同創設者スティーブ・ウォズニアック役には、セス・ローゲンが決まっている。監督はダニー・ボイルで、脚色はアーロン・ソーキン。ファスベンダーは今年、『X-MEN:フューチャー&パスト』『FRANK -フランク-』に出演。来年北米公開の『Macbeth(原題)』では、主役マクベスを演じる。共演はマリオン・コティヤール。文:猿渡由紀
2014年11月06日●日本のプレゼン用スクリーンが「文字ばかり」になる理由新製品の発表や企画会議、コンペなどの場で披露される「プレゼンテーション(以下、プレゼン)」。この単語を聞いてワクワクと心おどらせる人は正直なところ、少ないのではないだろうか。薄暗い会場の中、スクリーンに映し出された「PowerPoint(パワポ)」の資料には、テキストがびっしりと並んだページ、"お決まりの色"のグラフ、空いたスペースに入れ込まれたデフォルト収録のイラスト。プレゼンターはうつむいて原稿を淡々と読み上げ、聴衆の中には夢の世界に旅立ってしまった人もちらほら……。日本のビジネスシーンでたびたび遭遇する「プレゼン」は、こんな印象が強いといえよう。今回は、"プレゼンのデザイン"専門のデザイナーであるゲッコープロダクション 首藤智之氏に、プレゼンにおける日本人の「雑」な部分、そして魅力的なプレゼンのために必要な事柄に関してお話を伺った。○スライド専門のデザイナー首藤氏は元ソニーのデザイナーで、在籍中は当時の取締役社長のプレゼンを担当して以降、プレゼンテーション周辺の業務に携わってキャリアを積んできた。そんな同氏がなぜ独立し、「プレゼン」専門のデザイン事務所を立ち上げたのか、その起業の理由を尋ねた。すると、「Googleの画像検索の結果を見ていただけると分かりやすいかもしれません」と意外な提案が。「presentation design USA」、「presentation design UK」、「プレゼンテーション デザイン 日本」でと3パターンの検索結果を比較した画面を提示された。「USやUKは明らかに色彩を取り入れており、ビジュアル面に配慮しているが、日本はスクリーンに用いる文字の量が多い。これが日本と欧米のギャップだと思います」と語る首藤氏。この「ギャップ」にビジネスチャンスを見いだして、ソニーを飛び出したのだと語った。○日本のプレゼンに「ビジュアル」を取り入れにくい理由プレゼン用のスクリーンに関して、首藤氏は「ビジュアルを活用することで、印象的なものになる」と語り、自身が作成した架空の食肉普及団体のプレゼン用ビジュアルを披露してくれた。2枚のスクリーン用画像の見た目は大きく異なるが、表す情報の内容は同じ。確かに、シズル感のある写真を用いたスクリーンは、一般的な日本のビジネスの文法にのっとった物よりも魅力的に見える。しかし、「ビジュアルを重視したスクリーンを、日本の現場で採用するのはなかなか難しい」と首藤氏。その理由は、「プレゼンの本番前に練習する時間がない」ためだ。基本的に日本のビジネス現場では「プレゼンの練習」をする習慣がなく、口頭で補う部分が多いビジュアルメインのスクリーンは採用しづらい。また、原稿が頭に入っていないために、表やグラフに書かれているキーワードを見ないと発話のきっかけをつかめない人も多い。そのため、どうしても「表やグラフをメインとしたスクリーン」になってしまうという。デザイナーとして、首藤氏はここにジレンマを抱えている。「文化的背景の違いだと思っています。海外(欧米)では、プレゼンテーションに対し、練習時間など、多くのコストを払うのが一般的です。こうした認識が国内でも広がれば」と語り、その例として、日本でもよく知られているAppleの創始者・スティーブ・ジョブズ氏の製品発表プレゼンを挙げた。ジョブズ氏のプレゼンは、自然なふるまいとサプライズ(One more thing)が印象的で、実際、国内のビジネスマンの中には、彼の「まね」をして、思いつきで話そうとする人もいたそうだ。しかし、同氏のプレゼンは「演出家がつき、(ジョブズ氏自身が)何度も練習した結果」であり、決して「思いつきで話しているのではない」と強調した。首藤氏は、クライアントに対して、スクリーンのデザインだけでなく、「スピーチの練習」を提案するようにしていると語った。●「日本のプレゼン道」は海外に通用するか○日本の「プレゼン道」話は変わり、首藤氏は日本式のプレゼンを、歴史上の出来事「元寇」になぞらえた。まず名乗りを上げてから相まみえる日本人の戦のスタイルをモンゴル軍相手に行ったら、名乗りの途中で矢を射られてしまったというエピソードが、日本のプレゼンの現状に近い、と語る。日本企業のプレゼンの多くが、創業の歴史や事業説明、売り上げ報告などから始まるが、確かに「名乗り」に近いかもしれない。首藤氏はこうした日本国内で暗黙の了解として守られている形式、いわば「プレゼン道」とでも呼べるようなしきたりは、「国際競争力の面では弱い」と語る。海外では、企業紹介ひとつ取っても、「この間会社が爆発したんですよ」など、「ツカミ」の部分を設けてから、「商品開発をしていまして、実は爆発したのは3回目です。でも、4回目は絶対成功します」と続け、聴衆の注意をひきつける。それから創業の歴史を語れば、耳を傾ける人も多くなるだろうと、その「作法」の違いを解説した。○「プレゼン」と「会議」の違いそして、日本の「プレゼン道」が編み出された原因のひとつとして、「社内会議とプレゼンの同一視」があるのではないかと語った。社内会議は関係者同士の会話になるため、例えるなら「98%の知識がある人と96%の知識がある人とのすり合わせ」が実施される。非常に細かな部分に話が及ぶため、膨大な資料が必要になることもある。しかし、プレゼンとなると、聴衆の知識はゼロと考えるのが基本だ。何も知らない人に、どれだけ早く70%程度の知識をつけてもらうかというのがプレゼンの役割だが、そこで日本企業は「社内会議」用の緻密な資料を出すために、ミスマッチが起こるというのだ。また、首藤氏によれば、プレゼンを聞いているのは「4種類の人間」という。具体的には、「(プレゼンターのことが)好きな人」、次に「好きと嫌いの比率が半々の人」、「明らかなアンチ派」、最後には「特に意見を持たない人」。1回30分程度のプレゼンで、これらすべての立場の人をひっくるめて、少なくとも70%の聴衆に好印象を持たせなくてはならない。そんな場面では、緻密で詳細な資料を延々と提示するのではなく、わかりやすい話をまず「好きな人」向けに出して、次に反対派を納得させるような情報を出し、攻略を進めていくのがコツだと話した。「日本には欧米式のプレゼンをせずとも、「事実を話していけばいつかはわかってもらえる」という方も多いです。実際にそのようなこともあるかもしれませんが、それは(一般的なプレゼンの持ち時間である)30分では絶対に達成できなません」。この点において、首藤氏は国内外の感覚の大きな差を感じたそうだ。○理解と共感の違い「わかってもらえる」という言葉ひとつ取っても、そこには「理解」と「共感」という異なる意味が含まれてしまう。おそらく、日本企業のビジネスマンの多くは、「理解」を目標にプレゼンしていることだろう。しかし、「共感できないプレゼンはダメなんです」と首藤氏はきっぱりと断言する。首藤氏自身も、過去に「言っていることは正しいけれど、合意したくない」という反応を受けたことがあり、こうなるとプレゼンの結果としては「負け」なのだと指摘。その逆の例として、「言っていることは穴だらけだけど、面白そうだからやろう」という展開になったこともあるという。後者のように、相手に「共感」を覚えさせるためには、主張する事柄の面白さをどう伝えたら良いかという部分がキモとなり、それには写真などのビジュアルの活用が不可欠だと語った。そして、対外的に行うプレゼンでは、ゲッティ イメージズのような有料の商用素材を使うのが「かえって安上がり」になる可能性もあるとのこと。というのも、フリーの写真素材の場合、モデルリリース(被写体の人物から取得する写真の利用許可)をとっているかどうかはカメラマンのリテラシーに依拠するのが現状で、海外では訴訟問題にも発展した例もあるという。信用のおける素材を使うことも、ビジネスを円滑に進める上では大切になるということだ。○プレゼンの目的は「好きになってもらうこと」「日本人は几帳面」……国民性を語る際、よく挙げられるポイントである。実際、工業製品やサービス業などにみられるこだわりには肯定的な声も多い。しかし、首藤氏はこの「細かさ」が、プレゼンにおいてあだになり、逆の効果をもたらしているパターン、聴き手に「雑なプレゼン」という印象を与えることもあると指摘する。「日本人には、ディティールにこだわりすぎる傾向があるようです。売り上げなどの数値を端数まで正確に読み上げたり、グラフの配置を1ミリずつずらしたり、そういった部分にフォーカスしてしまいがちです。しかし、プレゼンテーションの目的というのは、聴衆の心をつかみ、プレゼンター自身のことを好きになってもらうことです」。首藤氏は力強く語った。同氏は、古巣であるソニーの創業者・盛田昭夫氏の「プレゼンをするときに、原稿を絶対読むな」という印象的なフレーズを挙げた。これに続けて、「女性を口説く時、原稿を読み上げるわけがない。プレゼンも相手の心をつかみに行くのだから。相手の目を見て話すべきだ」と語ったそうだが、確かに、人の心を動かす場面で、視線をそらすというのは致命的と言える。視線をあげるために、首藤氏はスクリーンに映された原稿を読み上げるにしても、プレゼンターの視線の先にプロンプター(原稿を表示するモニター)を設置すべきとコメントした。そして、本番前には必ず近くにいる人に依頼して、話している様子を見てもらうことが重要とも指摘。資料を作っている段階では分からないが、声に出してみると読みづらい部分などが明確になり、ブラッシュアップされる。練習できる時間がたとえ10分~20分でも効果はあるため、まったくやらないより、短くても練習はぜひ取り入れてほしいと話した。そして、最終的には不完全な部分を「個性として割り切ったほうがよい」という。例えば、プレゼンの最初に「私は噛みやすいです」と宣言すれば、たとえつかえて話すことになっても、致命的なミスにはなりにくいそうだ。日本国内の傾向として、「プレゼン」という機会に対して完璧を目指し、技巧を凝らした演出やよどみない読み上げにこだわる向きが強く、プレゼンの「テクニック」を知りたいという声も多いという。しかし、首藤氏は「まずは一生懸命伝えようとすることが大前提で、最も大切なことです。たとえその結果、プレゼンの作法にのっとっていない部分があったとしても、聴衆には思いが伝わります」と強く語り、話を締めくくった。122609607, Datacraft Co Ltd/ imagenavi(c)iStock.com/szefei, 24712984(c)iStock.com/annamoskvina, 27402407(c)iStock.com/Wiktor Rze?uchowski, 42153708(c)iStock.com/Kemter, 42605232
2014年11月06日先月30日、第1子となる娘・ワイアット・イザベルちゃんが誕生したばかりのミラ・クニスとアシュトン・カッチャーだが、2人の交際が始まったばかりの頃にアシュトンが浮気していたのでは?という疑惑がもちあがっている。ミラとアシュトンは2012年4月頃から一緒にいるのを目撃されるようになり、7月に交際を公にしたが、その1か月ほど前に、バーで出会ったスウェーデン人のメイクアップ・アーティストの女性をハリウッドの自宅に連れ帰っていたことが明らかになった。ゴシップ雑誌「Star」では、バーで2人を目撃した人物の証言を掲載。友人たちと店に来ていたアシュトンの方から彼女に合図して、自分たちの席に呼んだという。その際に、「クリス」と本名で自己紹介したそうだ。アシュトンの家には友人たちも一緒に向かったが、1人また1人と帰宅し、最後に残ったのがこの女性だった。現在21歳のこの女性はイギリスの「The Sun」紙上で、アシュトンの家でしばらく会話を楽しんだ後、「彼は私の手をとって、2階に連れて行ったの」と語り、その後に親密な時間を過ごしたと明かした。彼女は、当時『スティーブ・ジョブズ』の役作りで髪を伸ばし、ひげもたくわえていたアシュトンとベッドの上で抱き合っている写真も同紙に提供している。「彼はミラのことも、ほかの誰のことも話さなかったわ」と彼女は語っている。(text:Yuki Tominaga)
2014年10月31日身の周りにあふれているドラマやマンガ、小説などが職業選択に影響を与えることはあるのだろうか? 2015年卒業予定のマイナビ会員を対象に実施した「2015年卒 マイナビ大学生のライフスタイル調査」(回答者5,663名)から、理系男子が「就職活動や職業選択をする上で影響を受けた作品」を紹介する。調査期間は2013年12月13日~2014年1月13日。同質問に回答した理系男子245名の結果となる。■半沢直樹(TBSのTVドラマ、及び池井戸潤『半沢直樹シリーズ』文藝春秋)・「金融業界に少し興味を持つようになった」・「銀行員かっこいいと思った」・「大企業内での個人の動きの不自由さを感じた」・「金融業の世界を少しだけ知ることができたので、金融業界に興味を持ちました」■TVドラマ・「『ダンダリン』(日本テレビ系列)…労働基準監査官という職種がどのようなものかわかり、興味をもった」・「『CSI:科学捜査班』(CBS)…科学捜査を仕事にすると決めた」・「『ER 緊急救命室』(NBC)…この作品では薬剤師が手術室に入って医師に薬剤情報を提供するなど、現状の日本とは薬剤師の働く場が大きく違うことに気づき、自身が病院薬剤師として活躍の場を広げようと思うきっかけになりました」・「『GOOD LUCK!!』(TBS系列)…航空業界に興味を持った」・「『ブラッディ・マンデイ』(TBS系列)…パソコンを自由自在に扱う姿が格好良いと感じたため」・「『リーガル・ハイ』(フジテレビ系列)…人との議論する場において、必要だと思われる先読みの力、反対の仕方などを学んだから」・「『相棒』(テレビ朝日系列)…起きていることの原因やその裏側を考える癖がついた」■考え方が参考になったマンガ・「『Dr.スランプ』(鳥山明/集英社)…則巻千兵衛の、道具を自作し、自分や周囲の人間の生活に役立てる姿勢に感動した」・「『NHKにようこそ!』(原作:滝本竜彦、作画:大岩ケンヂ/角川書店)…自分の書いたESを人に見せるのが怖かったけど上記の漫画を読んだことで自分の視野の狭さに気がつき、積極的に人に関わるようになった」■職業の参考になったマンガ・「『銀の匙 Silver Spoon』(荒川弘/小学館)…農業に興味はなかったが、農業機械等に興味がわくようになった」・「『宇宙兄弟』(小山宙哉/講談社)…エンジニアになるということを確信させてもらったから」・「『動物のお医者さん』(佐々木倫子/白泉社)…動物が好きなので生物方面に行こうと思った」・「『ドラえもん』(藤子・F・不二雄/小学館)…人型ロボットや秘密道具のようなものを見て、将来はこのようなものを作りたいと思い、その実現のために必要な技術を割り出し、行きたい職業を決定した」・「『もやしもん』(石川雅之/講談社)…自分と同じ農学部という舞台で、さらに微生物に携わっているという点が共通しているため、微生物に対する興味関心が以前よりさらに増して、自分の知らなかった職業のおもしろさを教えてくれたから」■小説・「『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫/文藝春秋)…マスコミの職場の忠実に描かれていて関心を持つことができた」・「『こころ』(夏目漱石)…この本の中で登場人物のKが『精神的向上心のないものはただの馬鹿だ』と言った。これを受けて自分も精神的向上心を常に持っていたいと思い、そのような考えに共感されるまたはそのような考えが評価されるところに就職したいと思う」・「『沈黙の春』(レイチェル・カーソン/新潮社)…食や生活の安全に関わる仕事がしたいと思えた」・「『数学ガール』(結城浩/ソフトバンククリエイティブ)…作者のことをいろいろ調べアルゴリズムとかに興味をもった」■作りたくなった映画・「『トランスフォーマー』…この映画は車が多く登場したので、私は工業の強い企業に入って日本が誇れる車を開発、もしくはそれに関係した仕事に従事したいと思いました」・「『スターウォーズシリーズ』…宇宙船やライトセイバーなど、自分で映画の中に出てくるようなものを作りたいと思い、高専に入学し、ものづくりについて深く学びました。現在の就職活動でも、ものづくりを通して社会に貢献できる仕事を中心に企業を見ています」・「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』…生ゴミを燃料として使ってるのをみて、エネルギー関連に興味を持った」■考え方などに影響を受けた映画・「『スティーブ・ジョブズ』…大企業を支えている人間は小さいところから大きな努力に、よって生まれたところに影響しました。諦めない心と好奇心と執着によって生まれた大企業だと思います。自分もこのように夢を実現できるように努力をしていきたいと思っています」・「『黒部の太陽』…高度経済成長期のインフラ確保に努めた先人たちの努力・意思に感服し、インフラ業界を志望するきっかけとなった」・「『ソーシャルネットワーク』…ハーバード大学の学生がfacebookを設立するエピソードで、同じ学生と言う立場でもこなしている事が同じ学生とは思えないほど、専門性が高いと思った。そのことから、自分の専門性を学ぶ意識に影響を受けた」・「『プラダを着た悪魔』…仕事の大変さ、憧れだけでは成就しないこと、自分から変わらなければ何も変わらないこと、を学んだ。自分を飾らないことが大事だというメッセージが込められていたと感じ、自分もありのままで生きようと思った」・「『風立ちぬ』…航空関係イコールパイロットとしか目を向けていなかったけど|映画をみて、いろいろな仕事があると実感した」・「『風立ちぬ』…技術者のかっこよさ、誇り」■就職活動の参考になった・「『ミス・パイロット』(TBS系列)…就職活動をしている学生の頃から描かれていて、選考会などの様子が鮮明でした。パイロットなど、すごく難しい世界で、限られた人だけや、固定概念を持ってしまいがちですが、就職活動は1度きりであり、チャレンジできる場なんだと感じました」・「『就職活動の神様』(ユーキャン)…就活についての考え方や意気込み、スケジュールなどを改めて見直す機会が持てました」・「『就職四季報』(東洋経済)…企業研究の際、安定性などの情報を得るのに役立った」・「『宇宙兄弟』(小山宙哉/講談社)…実際に採用の選考が進む過程を見ることで、その立場を自分に置き換えながら考えることができる」・「『アイカツ!』…アイカツ! に出てくるキャラクターのアイドルに対する考え方と自分の就活に対する考え方がよく似てるから」■その他・「『涼宮ハルヒの憂鬱』…この作品に出会い、虜になったことが、アニメ文化に深く触れるきっかけになりました。そして、世にもっとアニメ文化を広められるような職に就きたいと思うようになりました」・「『エースコンバットシリーズ』(バンダイナムコゲームス)…戦闘機から飛行機に興味を持ち、航空宇宙業界を目指すようになった」・「『プロジェクトX ~挑戦者たち~』(NHK)…技術系の職業に就きたいと考えるようになった」・「『いつやるか? 今でしょ!』(林修/宝島社)…自分の考えの中に新たに、『慢心をしない』がプラスされました。必ず世の中の負け組と呼ばれる人には共通点があるという説論ででたのが慢心でした。これを読んだ時すぐに具体的な例が頭をよぎったので事の重要性を理解できました。なので、自分も就活の成功や物事に取り組むに当たってまず慢心せず常に向上心を持とうと思うようになりました」■総評文系男子にも影響を与えていたドラマ『半沢直樹』は、理系男子にも影響大だった。金融と言えば文系のイメージがあるかもしれないが、理系のトップクラスを求めている企業も多いため注目を受けたのは良かったのではないだろうか。また、理系男子で特徴的だったのが「●●の研究に興味を持った」という視点。たとえば『ドラえもん』によって秘密道具をつくってみたいと理系を志したり、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でエネルギーに興味を持ったりと、目のつけどころがひと味違うようだ。『風立ちぬ』『動物のお医者さん』『ER 緊急救命室』など、理系専門職について書かれた作品も人気を集めた。就活市場では人気の理系男子、「作ってみたい」が大きな原動力になっている様子がよくわかる。就職してからもその気持ちを忘れずにいれば、どんどん魅力的なものを世の中に生み出してくれることだろう。調査時期: 2013年12月13日~2014年1月13日調査対象: マイナビ会員調査数: 理系男子245名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2014年10月30日好きなドラマやマンガ、小説などから影響を受けたことはないだろうか。就職活動で会社や仕事を選ぼうという場面になれば、なおさら影響は大きくなる。今回は2015年卒業予定のマイナビ会員を対象に実施した「2015年卒 マイナビ大学生のライフスタイル調査」(回答者5,663名)から、文系男子が「就職活動や職業選択をする上で影響を受けた作品」を紹介する。調査期間は2013年12月13日~2014年1月13日。同質問に回答した文系男子274名の結果となる。Q.ドラマ、映画、漫画、小説、テレビ番組などの作品で、あなたが就職活動や職業選択をする上で影響を受けたものを教えて下さい。■半沢直樹(TBSのTVドラマ、及び池井戸潤『半沢直樹シリーズ』/文藝春秋)・「良くも悪くも銀行で働くことに興味を持った」・「銀行業に興味があったため、仕事の一部を知ることが出来たため」・「ドラマの脚色はあるものの、企業で働く大変さや、企業の課題に前向きに立ち向かう大事を痛感した」・「銀行は金の流れを作ることで日本の産業を支えており、それは社会貢献に有用」・「こんな銀行員は本当にいるのかと思ったとき、興味を持った。職業については中身をよく知る必要があると考えたため」・「銀行に入行するのはやめておこうと思った」■ビジネス書・実用書など・「『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)…ネットでよりよい人生にすべく調べて7つの習慣の概要を見つけ覚える後、漫画版を本屋で発見しはじめて内容に触れる。人間関係、自分の心のもちようなどおそらく一生参考になる本だと思う。まだ最近は就職活動や課題にSPIなどで忙しいが、漫画でない本家の『7つの習慣』は近いうち購入したいと熱望している」・「『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』(長谷部誠/幻冬舎)…メンタルマネジメントの大切さを学びました」・「『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』(山田真哉/光文社)…会計や、経理に興味を持ち、いずれはそういう仕事をしたいなと思うようになった」■TVドラマ・「『GOOD LUCK!!』(TBS系列)…子供ながらに航空業界に興味を持った。現に今も全日空が第一志望です」・「『アスコーマーチ! ~県立明日香工業高校行進曲~』(テレビ朝日系列)…工業高校を舞台に展開するドラマなのですが、ドラマ中で『つくる喜びを知って、壊れる悲しみを知る』という一言があり、これは全てのメーカーに共通する心理だと思い、深いと感じました」・「『ハケンの品格』(日本テレビ系列)…物語の仕事現場が企画・営業職で、社員が協力し和気藹々とし面白い職種だと思ったためです。私もそのようなところで仕事ができたらやりがいも持つと思いました」・「『パパとムスメの7日間』(TBS系列)…このドラマで商品企画の様子を初めて見て商品企画の道に進もうと思ったので」・「『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系列)…IT企業のイメージがよくなった」・「『相棒』(テレビ朝日系列)…警察官を目指すようになった」■考え方が参考になったマンガ・「『サラリーマン金太郎』(本宮ひろ志/集英社)…サラリーマンの生き方を学んだ。ぶれない信念や、まっすぐに、間違っていることを違うと言えること。周りに流されないこと」・「『みそララ』(宮原るり/芳文社)…コピーライターを主人公にした漫画であり、自分の志望する業界と全く異なるものだが、仕事をどのように捉えていくのかということについて考えさせられた」・「『進撃の巨人』(諫山創/講談社)…『何かを得ることができる人は、何かを犠牲にすることができる人だ』という言葉に感銘を受けた」■職業の参考になったマンガ・「『クロサギ』(原案:夏原武、作画:黒丸/小学館)…財産の運用はプロの知識なしにやるべきではないと学んだ。また、専門知識はそれを持っているだけで人生の役に立つと思った」・「『ソムリエ』(原作:城アラキ、漫画:甲斐谷忍、監修:堀賢一/集英社)…まだ、お酒お飲んだことのない未成年だった私にワインの世界の入り口を示してくれて、これをきっかけにワインのみならずフランス語とお酒全般に興味をもつようになった。その結果、大学ではフランス語を専攻し、就職活動では商社や酒類メーカーを中心に見ている」・「『バクマン。』(原作:大場つぐみ、作画:小畑健/集英社)…今まで漫画を集め、すでに1,000冊以上読んできまして、元々漫画が好きでしたが、バクマン。を読んだことがきっかけで現在漫画の担当編集者を目指しています」■小説・「『エネルギー』(黒木亮/講談社)…エネルギーに関連する業界の仕事がどのようなものか分かり、同時に魅力的に感じたので、同業界を志望するようになりました」・「『さまよう刃』(東野圭吾/朝日新聞出版)…その内容により少年犯罪の現状の裁き方と限界、被害者やその家族への配慮などを考えさせられました。そして私が法学部に進学しようと思った理由の一つにもなりました」・「『スロウハイツの神様』(辻村深月/講談社)…若手クリエイターが夢に向かって邁進する話。自分が勝負できる土俵にこだわって世界とつながろうとする姿勢が、私にもそのこだわりが崇高なものだと痛感させる。私も彼らのようなこだわりを持って世界とつながりたい」・「『女子大生会計士の事件簿』(山田真哉/角川書店)…この本は公認会計士がその知識を使ってミステリーを解く小説で、私はこの本を読んで経営の楽しさ、簿記の楽しさを感じたから」■映画・「『アマルフィ 女神の報酬』…日本人が外国語を操り問題を解決していく姿がかっこいいから」・「『おくりびと』…暗い職業のやりがいと真実に惹かれた」・「『スティーブ・ジョブズ』…ITに関する考え方であったり、人との接し方などがとても参考になった」・「『ディア・ドクター』…偽医者である主人公が僻地の医療に貢献したという話から、時には嘘をつくことが人の役に立つこともあると学んだ」・「『風立ちぬ』…人生を賭けて取り組んだ製品への想いが素晴らしく伝わってきたから」■就職活動の参考になった本・「『何者』(朝井リョウ/新潮社)…就活の話で、主人公と自分を重ねて読むことができた。就活を通して何かと他人を見下すことで自分を保つ主人公のようにはなりたくないと強く思った」・「『銀のアンカー』(原作:三田紀房、作画:関達也/集英社)…就職活動に関しての漫画で、就職とはどのようなものか、主人公とともにイメージすることができた」・「『採用基準』(伊賀泰代/ダイヤモンド社)…今、企業の方々がどのような人材を欲しがっているか理解できた」■その他・「UVERworldというアーティストのMC。ライブへ行くたびにボーカル自身が夢を叶えるために苦労してきた事などをつたてえくれるし、それがあり夢が叶ったことなどを身にしみるほど伝えてくれている」・「『N・H・Kにようこそ!』(独立UHF局)…大学生である主人公がひきこもってしまう話です。悪い見本を見せてくれます。ただ、このアニメは話を盛り上げるためにご都合主義でかわいい女の子と知り合いますが、現実はその要素すら抜けてしまうと思うので、自分から歩んでいかなければならないなと思い知らされました」・「『ルパン三世シリーズ』…自由気ままに生きるルパン三世の姿を見て、もっと自分のやりたいことをしていいんだと思えるようになった」■総評文系男子が影響を受けた作品として最も大きかったのが『半沢直樹』という結果に。2013年大ヒットを記録しただけあって、良くも悪くも銀行や金融業界に興味を持ったという人が多かったようだ。「銀行には絶対入りたくない」とネガティブな感想を持つ学生が多い中、「社会貢献になっている」「銀行に入りたくなった」という意見もあり、そういった人は入ってからも成功できそうだ。また文系男子の特徴として、ビジネス系書籍や自己啓発、実用書などを読んで影響を受けている人が多かったこともあげられる。スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』といった自己啓発書の古典作から、スポーツ選手が書いたメンタルマネジメントの本まで、幅広いラインナップが回答にあがった。マンガを回答する人も見られたが、こちらは「考え方などに影響を与えたもの」と「職業観に影響を与えたもの」と2つに分けられた。『進撃の巨人』などの戦闘漫画もあり、現実的な仕事の話だけが影響を与えるわけではないことがよくわかる。刑事ドラマを見て警察官を目指す人、パイロットのドラマを見て航空業界を目指す人など、『半沢直樹』意外のドラマも健闘。小説、映画などではじめて知った職業から仕事観が変わったと言う人も多かった。もし気になる職業があれば、いちどこういった作品に触れてみるのもいいかもしれない。調査時期: 2013年12月13日~2014年1月13日調査対象: マイナビ会員調査数: 文系男子274名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2014年10月27日現在、開催中の第27回東京国際映画祭(以下、TIFF)に合せ、来日中のディズニーのジョン・ラセター氏(エグゼクティブ・プロデューサー)。10月24日(金)、ラセター氏が直々に日本のマスコミ関係者を招待してのプレゼンテーションが行われたが同日、極秘裏にディズニーが主催するレセプションパーティが行われた。シネマカフェがこのパーティに潜入した。プレゼンテーションでは、TIFFのオープニング作品であり、まもなく日本で公開を迎える新作『ベイマックス』を始め、今年社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』の続編『フローズン・フィーバー』(原題)、さらに『ファインディング・ニモ』(’03)の続編『ファインディング・ドリー』(原題)など計8作品のストーリーやコンセプトビジュアルなどが公開された。『アナと雪の女王』以降、『マレフィセント』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』など作品単体ではなくアニメーション・スタジオとして勢いづくディズニーの“これから”のビジョンに、来場者は期待を込めて拍手を送っていた。その後行われたレセプションパーティには、大手企業の面々がラセター氏と言葉を交わそうと詰めかけた。重々しい“The 業界人パティ―”の雰囲気になるかと思いきや、そこはラセター氏の人柄か終始和やかで楽しいものとなった。立食形式のパーティで、軽食には『ベイマックス』でも大きなインスパイアを受けたという日本文化を象徴する寿司を始め、鴨肉、蟹クリームをシュー生地で包んだものなどが並び、参加者は思い思いに舌鼓を打っていた。ラセター氏はもはやお馴染みとなった、自前で作ったというディズニーのキャラクターがプリントされたシャツ&ジーンズというラフな姿で現れ、次々と握手を求める人々に笑顔で話かけ、記念撮影に応じていた。そんな中、「直接挨拶できるチャンスです」という主催者側の言葉に甘え、筆者もラセター氏に挨拶することに。ジブリの宮崎駿を「親友」と呼び、スティーブ・ジョブズが創設したピクサーで活躍し、ディズニー・アニメーションの黄金期を再来させた男――そんな肩書きに緊張にぶるぶると身を震わせながら、「『シネマカフェ』という日本のメディアです」と手を差し出すと、ラセター氏は笑顔で握手に応じてくれた。ディズニーにピクサーといった自身のスタジオを始め、果ては明日のアニメーション業界を作り上げ、支える彼の手はいろんなモノをひっくるめながら引っ張っていける力強さがあり、そして温かかった。緊張が少しほぐれると、折角なので少しトークもしてみたいという思いが沸々と込み上げた。先だってのラセター氏のプレゼンテーションで筆者が最も気になった、人間が存在しない“動物だけの世界”を描いた、2016年のGWに日本公開を予定している『ズートピア』(原題)という作品について話してみる。「早く観たい」という旨を伝えてみると、「それは嬉しいね。ところで、(『ズートピア』に)もし日本の動物を登場させるなら何がいいと思う?」とまさかのお題が…。全く動物に詳しくなく、かなりの動揺を伴いながら頭をフル回転させ、ようやく思いついた答えは「ニホンカモシカですかね…」だった。我ながら、不甲斐ない。ニッポニアニッポン(鴇)やニホンザルなどビジュアル的に見栄えのするものにすればよかった…と後悔しながら顔色を窺っていると、ラセター氏は「おぉ!それは鹿なのかい?ぜひ登場させたいね」と笑顔を見せてくれた。ニホンカモシカが劇中に登場するかどうか、その答えはきっと2016年に分かるはずだ。最後は、記念撮影をして再びがっしりと握手。なんとも大きくて、温かい人なのだろうか。その後もラセター氏は、記念撮影やプレゼントの贈呈と行く先々で人々が彼の周りに輪を作り、楽しげなトークに華を咲かせていた。『ベイマックス』は12月20日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月26日○トラブル同梱版恒例行事となった新型「iPhone」発売日の大行列。郊外のソフトバンクショップを回れば、当日発売分を並ばずにゲットできることは珍しくもないというツッコミは野暮でしょう。行列に並ぶことが目的化されているからです。出荷台数は順調に推移し、さっくりと1000万台を越えたとアナウンス。しかし、そのアップルから「0.2」の匂いがしてなりません。中国勢による低価格スマホが、シェアを急拡大しているといった外部要因ではありません。かつての悪夢がデジャブのように浮かんで消えないからです。iPhone6の発売に合わせて発表された「iOS8」が不具合続き。これは「0.2」ではなくいつものアップル。アップルの新製品は「トラブル同梱」というのが、スタンダードだからです。トラブルを嫌うなら、経験則からいって、最低でも3カ月は手を出してはいけません。問題はiPhone6の際立つ特徴が「大きくなった」だけということ。「iPhone6 Plus」に至っては「小ぶりのiPad mini」という声も上がっています。本稿は「新型iPad」の予想発売日の一週間前に執筆しているため、「新型iPad mini」のサイズはわかりませんが、首都圏近郊のスーパー銭湯の露天風呂での若者たちの会話を紹介します。○らしさを捨てたよね「iPhone6買う?」「買わない。でかすぎる」「大画面ならギャラクシー(サムスン)だよね」「そう、大きいとiPhoneらしさがないよね」彼らの主張する「らしさ」の定義はわかりませんが、大画面にはサムスンという先行者がいます。また、同時に発表した「iWatchi」についても同じくサムスンが「GEAR」をすでに発売しています。アップル製品が「トラブル同梱」でも支持されたのは、それを上回る「オリジナリティ」があったからです。「アップルらしさ」とは洗練された筐体と、フレンドリーなOS、なにより他社に類を見ない「オリジナリティ」にありました。これはアップルの創業者故スティーブ・ジョブズも敬愛した全盛期の「ソニー」と重なります。そして、iPhoneに「Plus」が加わったように、増え続けるラインナップが、かつての記憶を呼び起こします。○フランチャイズ展開したアップルiPad、iPad mini、iPhone6 Plus、iPhone6、iPod Touch。Webにアクセスでき、音楽が聴け持ち運びが容易という共通項の商品が5種類(2014年10月10日現在、記憶容量やカラーバリエーションを除く、以下同)。また、祖業である「パソコン」もノートパソコンの「MacBook」が「Air」と「Pro」、デスクトップの「Mac mini」「iMac」「Mac Pro」とこれまた5種類。筐体もコンセプトも異なる商品をこれだけ擁しているのはアップルぐらいです。野放図に増やしたラインナップは、経営の負担となることを、90年代のアップルはすでに経験しています。ちなみにサムスンのGALAXY(ギャラクシー)のフラグシップモデルはS、Note、Tabの3種類だけ。ジョブズを追放したアップルは、しばらくもせず停滞をはじめました。多くのラインナップを抱えながら、そのすべてが独創性に乏しい中途半端な仕上がりになったからです。社内において、開発プロジェクトが乱立していたのです。そこでモトローラやIBMなど、他のパソコンメーカーにOSを提供する「互換機」で、Windows陣営に対抗しようと狙います。しかし、「互換機」とはフランチャイズ展開するようなものでありがたみが薄れます。ましてアップルへの期待は、大将のコダワリが売りの寿司屋のそれです。そしてファンは離れ、くり返し「身売り」が報じられたのが90年代の中ごろ、いまから20年前です。○ジョブズはいない歴史に学ぶなら、いま、もっとも危惧するのは「iOS互換機」の登場です。かつての失策を、Googleの「Android」への対抗策としてチョイスするなら「アップル0.2」どころではありません。復帰したジョブズは、増えすぎたラインナップを整理統合し、互換機政策も撤回し、反転攻勢のきっかけになったオリジナリティ溢れる「MacOS 8.0」を世に出します。奇しくも現在の「iOS」も同じバージョンナンバーですが、今もこれからもアップルに、ジョブズが戻ってくることはありません。つまり、かつての過ちの先に、救世主は待っていません。四半世紀を超えるアップルファンとして、いまの成功を継続し、同じ轍を踏まないように願うばかりです。しかし、iOSを更新すると「U2のアルバムが勝手にダウンロードされる」ことに不安を拭いきれません。U2とアップルの関係は、「iTunes Music Store」を展開するにあたり、ジョブズがボーカルのボノを口説き落としたころからの蜜月関係。アップルファンなら誰もが知るところで、サービスのつもりだったのでしょう。しかし、なにより「自由」を求めたジョブズなら、それが盟友の名盤であっても、音楽を強制するような真似はしなかったことでしょう。ここにも「0.2」の黒い影を見つけます。○エンタープライズ1.0への箴言「「らしさ」を失った先輩はソニー」宮脇 睦(みやわきあつし)プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。営業の現場を知る強みを生かし、Webとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供している。コラムニストとして精力的に活動し、「Web担当者Forum(インプレスビジネスメディア)」、「通販支援ブログ(スクロール360)」でも連載しているほか、漫画原作も手がける。著書に『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)がある。最新刊は7月10日に発行された電子書籍「食べログ化する政治~ネット世論と幼児化と山本太郎~」筆者ブログ「ITジャーナリスト宮脇睦の本当のことが言えない世界の片隅で」
2014年10月21日