《スロープに、スロープが必要な人を完全ブロックする障害物を設置。これだから新宿区はクソ》4月29日、こんなコメントと共に、公園らしき場所のスロープに車止めのブロックが設置されている写真をあるユーザーがTwitterに投稿。「障がい者差別」だとネットで炎上している。問題のスロープは、東京・新宿区の区役所通りとゴールデン街に挟まれた「四季の道」という遊歩道公園内にあり、本来なら区役所通りから遊歩道に通り抜けできるようになっている。ところが、スロープ上に四角い石のブロックが2つ設置されているため、車椅子やベビーカーの通行ができない仕様になっているのだ。これにはネットで批判が殺到した。《これはバリアフリーじゃなくバリヤ》《スーツケースとかベビーカーも通れないしこれほんと酷いわ》《障害や高齢者、乳児まで拒否してる事ですよね》《ここまで幅を狭めても自転車は通れてしまうし、スケボーやキックボードなら持ち上げればいいだけ。結果として車椅子をピンポイントで排除してしまっている》新宿区のホームページによると遊歩道公園「四季の道」は次のように説明されている。《新宿遊歩道公園四季の路は、昭和45年3月に廃止された都電13系統(新宿駅前~水天宮前)の専用軌道敷を、新宿区が東京都より譲渡を受けて整備し、昭和49年6月24日に遊歩道公園として開園しました。失われつつある都心の緑の回復と、住民が安心して憩える場を提供するため、ビルの谷間に武蔵野の面影をしのばせる緑を再現しました》仮に安全対策が目的だとしても、《住民が安心して憩える場を提供するため》とあるのに、遊歩道公園に車椅子やベビーカーが利用できないというのは本末転倒ではないだろうか。新宿区の担当者に話を聞いた。――設置の経緯は?「今、区の方で確認をしておりまして、すぐに正確な設置の日時などはお答えできない状況なので、そこはご理解いただきたいと思います」――設置の目的は安全対策?「これも推察なのですが、ホテルの側からのスロープにつきましては、ホテルが開設するときに“通路を作りましょう”ということで合意して作ったところです。ただ、その後の管理上の課題が出まして、ああした石製の車止めを設置したと考えているところです」――管理上の問題とは?「いま確認しているところなのでこれも推察ですが、公園側に区役所通りから自転車やオートバイで通り抜けをする利用があったようです」――遊歩道公園自体に車椅子は入れる?「入れます。ホテル側からの通路以外は入れるんですが、そこだけが管理上そうした状態になっています」――車椅子の人が入れないということに、設置当時は想定していなかった?「そこは確認しているところですが、車椅子等で新宿遊歩道公園をご利用いただく際は、申し訳ないのですが、公園からホテル側への取り抜けができないので、他の入り口をご利用いただきたいということで、そこは少し説明させていただいていたというところです」――今後、ブロックはどうしていく予定?「考え方としましては、仮に自転車やオートバイの利用を抑制するためとはいえ、あちらの通路についきましても車椅子の方がご利用できることが本来なら望ましいので、今後は車椅子も通れて、なおかつ自転車やオートバイの侵入抑止できるような別な設置について検討して参ります。ただ、物理的に有効幅員や傾斜など様々な制約があると思うのですが、そうしたものも踏まえまして、区として何ができるか、最善の対応を検討していきたいという風に考えているところです」一歩ずつでもみんなが気持ちよく利用できる空間が広がっていくことを願うばかりだ。
2023年05月01日駐車場付近などで、段差を解消する「段差スロープ」が設置されていることがあります。文字通り段差のある部分を補うもので、自動車を安全に傷つけず走行するためものです。当然便利なものであることから、ホームセンターやインターネットショッピングサイトでも販売されており、一定の人気を持っています。 段差スロープを道路に置くと違反?そんな段差スロープですが、道路に置くと道路交通法違反になることを知っているでしょうか。常識のようにも思えますが、意外と知られていないようです。そこでなぜ段差スロープの道路設置が違反になるのか、銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に聞いてみました。齋藤弁護士:「道路法第43条2号違反の恐れがあります。道路法では、1条において、「この法律は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的とする」と定めています。道路の管理や構造、安全の確保などの見地から、交通を阻害させる恐れがある行為に関して取り締まることを明記しています。道路の安全管理に重点を置いていると読み取ることができますので、43条2号「みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞(おそれ)のある行為をすること」の読み方として、駐車スロープが道路の安全ですとか、管理などに支障をきたすと判断されてしまうと、交通に支障を及ぼす恐れがあると判断される危険があります」 段差スロープ以外に犯罪になるものは?段差スロープを道路に設置することは、やはり犯罪ということなのでしょうか?また、段差スロープ以外にも道路に置くことで道路交通法違反になるような物はあるのでしょうか?銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に聞くと…。齋藤弁護士:「犯罪とまではいえません。これは行政法規といって、刑事罰を目的としている規定ではありません。万が一往来に危険が生じた場合には、過失犯が成立する可能性はあります。段差スロープ以外に違反になるものですが、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞(おそれ)のある行為という形で、広く網を定めていることからすると、たとえば実際にあった例では、漬物石を放置している事例、古くなった大型テレビを放置している事例がありえます。往来の危険につながる物理的なものかどうかの判断が必要になるでしょう」道路の構造または交通に支障を及ぼすような物を置く行為は、道路交通法違反となります。覚えておきましょう。*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律経済事務所齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)段差スロープを道路に置くと道路交通法違反って本当?弁護士の見解は…はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。段差スロープを道路に置くと道路交通法違反って本当?弁護士の見解は…はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2020年01月31日高齢者にとっての外出は、デイサービスや病院、近隣との交流など、意外に多くあります。新築やリフォームでは、玄関から道路までの外出ルートをいかにスムーズにし、気軽に出かけられるようにするかが重要です。ここでは、要介護者が車いすでも気楽に外出しやすい「玄関まわり」のルートづくりについて紹介します。■ 手すりにつかまり玄関の段差に腰かける認知症高齢者の場合、いずれ車椅子が必要となるのは致し方のないことでしょう。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)なかには最期まで自分で歩いて外に出ることができる人もいますが、あくまで少数派だといえます。外出ルートでポイントになるのは、段差をどう解決するかということです。まずは玄関までの通路には手すりを設置し、歩行を助けます。Mills / PIXTA(ピクスタ)歩ける状態であれば手すりにつかまって、ゆっくりと玄関まで進み、段差(框)に腰掛けて靴を履くことができます。近くにベンチがあると、そこに座って靴を履いたり、一息ついたりできる場となります。段差近くの手すりは、横ではなく縦に設置します。Graphs / PIXTA(ピクスタ)床と室内との上り下りや、座ったり立ったりするなど、人の動きが上下になるからです。■ 段差が高い時は「携帯スロープ」を利用して車椅子を移動問題は室内から車椅子を使用している場合です。室内と床との段差が高いときは携帯スロープを利用すると良いでしょう。チンク / PIXTA(ピクスタ)18cm程度の段差であれば、120cmほどの携帯スロープで昇降できます。ただし、玄関の広さは120cmにプラスして介助者と車椅子が動ける広さ(約1~1.5m)が必要となります。スロープで車椅子を使うときに注意したいのは、上りは前向き・下りは後ろ向きで通行するということ。逆にしてしまうと、座っている人が前に落ちる可能性があります。■ 玄関から道路へはスロープやワイドステップで玄関ドアの前のスペース(玄関ポーチ)は、ドアの開くスペースのほかに車椅子がとめられるスペースも確保しましょう。東北の山親父 / PIXTA(ピクスタ)ポーチから道路までスロープを設ける場合、車椅子が無理なく通れる角度と長さを考慮しなければなりません。玄関ポーチと道路との高低差は30cm以上という住宅が多く見られます。勾配1/12(120cm行って10cm上がる)とすれば、30cm上るためには360cmのスロープが必要になります。玄関から道路まで360cmのスロープを確保するのが難しい場合、スロープを住宅の壁面に沿うようにつくったり、「ワイドステップ」にしたりすると解決できることがあります。ワイドステップとは、10cm以下の段差を2、3個つけることで、一つひとつのステップ(階段でいうと足で踏む部分)が短くできる、省スペース型のスロープのことです。30cmの段差の場合でも、2つ段差をつけると1ステップは90cmほどの長さで済み、全長180cmのスロープにすることが可能です。■ 「段差解消機」や「階段昇降機」などの設備も活用できるより手っ取り早く段差を解消するのが「段差解消機」という設備です。ABC / PIXTA(ピクスタ)仮に玄関ポーチが100cmの高さであっても、エレベーターのように車椅子に乗ったまま昇降できるので、スロープをつくる必要はなくなります。また、屋外や室内で階段の上り下りのある住宅の場合、「階段昇降機」という製品もありますので、検討してみてはいかがでしょうか。taka / PIXTA(ピクスタ)これは階段に昇降機が走行するためのガイドレールを設置し、そのガイドレールに沿って椅子が動くという仕組みです。屋外用と室内用があり、費用は平均で50万~60万円。やや高額ですが、補助金が利用できるケースもありますので、考えてみてもいいかもしれません。介護の必要な高齢者が外出する場合、介護者はその対応で体力的にも精神的にも大きな負荷がかかります。障害物のない平坦な通路ならまだしも、階段があり、モノが置かれ、風雨にさらされたりする玄関まわりでは、高齢者とともに介助者の負担も軽減するルートづくりが大切であることを理解しておきましょう。
2018年11月26日