’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「性暴力被害に遭った女性は、忌まわしい記憶と直面するのもストレスなのです。それに目を背けてきたのに、カウンセリングで『ひどい犯罪ですね』『暴力ですね』と言われると、一気にトラウマ化することもあります。ですから私は『よく思い出してくれました』や『お仕事の頑張りがすごいですね』という言葉で、まずは安心させることから始めます」 こう語るのは、精神科医の香山リカさん。性暴力被害に遭った場合、心のケアがまずは大事。とくに避けなければいけないのが自己嫌悪に陥ることだと香山さんは言う。 「“私はレイプされた女”と自分自身に間違ったレッテルを貼ってしまう方も多いのです。ときには医師としてではなく、『姉の立場として考えれば』と慎重に語りかけ、『あなたの存在のすばらしさは変わらない』ことを強調。自分が傷ついた人間ではないということを彼女が理解して、それが警察に訴えるという動きに変わっていければいい」(香山さん) その後は自治体にある性被害支援の女性センターや、知人の女性弁護士を紹介することもあるそう。 「NPOでは警察の取調べに付き添ってくれるスタッフもいますが、警察の担当者が理解ある人ばかりとは限りません。『女性のスタッフを準備してください』と依頼してもいいでしょう」 性暴力事件が起きると、被害者の家族もまた心を傷つけられる。 「『まさか自分の家族が』と認めたくないとの思いもあるでしょう。でも最後まで味方でいられる存在は家族だけ。まずは『私たちがいるから』という安心感を与えられるように接してください。『体は大丈夫だった?』『ケガはない?』など基本的なことから気遣うといいでしょう」 災害時のケアのように、食事や寒さなど身の回りのことから声をかけてあげるほうが、特別な意識をさせないですむ場合もあるという。 「また被害者の家族は、怒りや恨みから、逮捕や裁判とあらゆる手段で“被害の回復”を考えると思いますが、最初に考えてほしいのは被害に遭った本人の回復です」 そして心配されるのが、話を聞く前から「被害者に落度があるんじゃないか」と思いたがる人が周囲にいることだろう。 「性被害の対処法は、世代によっても考え方が違うことが多いので、これを機会に、一度家族全員で確認し合っておくとよいと思います。とくにこの新年度から社会に出る方がいるご家族には、それをお勧めしたい」
2018年02月19日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「厚労省HPにもあるように何より『セクハラは犯罪』なのです。毅然とした態度で対処しましょう」 こう話すのは、弁護士の打越さく良さん。では、セクハラ被害に遭ったとき、どう対処すればいいのか。打越さんが解説してくれた。 「勤務中や仕事に関する範囲内でセクハラ被害に遭った場合は、記録やメモを取っておくべきです。自分の手帳でかまわないので、日付や細かいシチュエーションを書いたうえで『◯◯をされた』と具体的な記載を心がけてください」(打越さん・以下同) また上司と部下、対クライアントなど、NOと言えない立場だからこそおとしめられる。もとから支配されていて断わりにくいという図式は、裁判になっても考慮されるそう。 「『嫌だ』と言ったのに、され続けている場合も、完全なセクハラです。声を上げにくい関係性だからこそ起こりやすいのがセクハラですが、できればそのつど、相手に対して、『それはセクハラです』とはっきり言っておいたほうがいいでしょう」 会社側が「酔った席での与太話を本気にするなよ」というように、のらりくらりの姿勢のこともある。しかし、「酔った席での軽口」といった言い逃れで見過ごされることを許してはいけない。 「会社に相談しても、会社側も相手の肩を持つ、つまりグルだという場合には、各自治体の労働局に相談を。それでもらちが明かない場合は労働弁護団のホームページにも窓口があり、必要な場合は代理人にもなってくれます」 ただし法廷までいっても、日本では、慰謝料もアメリカの懲罰的な高額に比べて高くはなく「裁判をしてまで」となってしまいがち。かといって我慢していればすむという問題ではなく“被害が繰り返される”危険もある。 「また、実際に性暴力を受けて妊娠などの恐れがある場合には、すみやかに産婦人科に行くべきです。被害届を提出するために警察にも相談を。ワンストップ支援センターは現在、全国41自治体にあり、相談しやすいと思います」
2018年02月18日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「ネットの時代が来たことで、テレビをはじめ、旧メディア側は『世論』を知ることになりました。視聴者や読者にどう伝わっているかが、ネットの反響という形で直に見られるようになったのです。悪気なく作った番組でも配慮に欠ければ批判される。価値観が多様化した時代に合わせた変化球が求められています」 こう話すのは、元アナウンサーで現在はエッセイストとして活躍する小島慶子さん。マスコミに携わる小島さんが、テレビ業界のセクハラ事情を明かしてくれた。 「大手放送局のアナウンサーは、いわば会社の“箱入り娘”。守られた立場でもあったので、私は性行為を強いられた経験はありません。ただ、『出演者の男性からセクハラされています』と、会社に訴え出た女性アナウンサーもいました」(小島さん・以下同) それを機に社内のセクハラ通報窓口の開設や実態調査が行われたが、残念ながら“そこまで”で、当の男性出演者には触れずじまいだったという。 「少しずつ変わってきてはいますが、まだテレビ業界には、セクハラに限らず『耐えてなんぼ』のような空気があります。セクハラやパワハラ行為を愛情表現や破天荒な才能の証しと考えたり、そうした上司や先輩などからの“いじり”に対して、面白い返しや愛嬌のある反応をすることが、デキる業界人だと評価されます」 ハラスメントをなくすには、知識を広めることと、対話の場を増やすことが必要だと小島さんは言う。 「『悪気がない』ことこそが問題。『細かいこと言うなよ』とか『目くじら立てるな』ですませてしまう人が困る。『#MeToo』は反男性運動ではなく、暴力に泣き寝入りするしかない社会を変えようという動きです。ハラスメントにNOと言えない社会は暴力の連鎖を生み、その最も弱いところから上がってきたのが『#MeToo』の声。だから夫や息子、男性たちもこの運動に関わってほしい。たとえば『#HeForShe』で『MeToo』の声を上げた女性をサポートする=『セクハラを見たら止める』という価値観のシェアです」 米国では、トランプ大統領に対する「ウィメンズ・マーチ」に始まり「#MeTooキャンペーン」「タイムズ・アップキャンペーン」へと広がっていき、運動を一過性でないものにしている。 「私はいま日本のメディアの最前線にいる女性たちの“危機感”に期待しています。彼女たちは長くセクハラやパワハラの渦中にいました。だからこそ後悔している。『自分たちが黙ってきたことが、セクハラを助長してきたのかもしれない』と。彼女たちの尽力で『#MeToo』がニュースになり、次のアクションへの模索も始まっています」 先日、テレビの収録でこんな場面があったという。ある熟年の男性出演者が、ミニスカート姿の若い女性タレントにこう言った。 男性「お前そんなスカートはいてくるなよ、見ちゃうだろ」女性「それセクハラですよ」男性「俺はそのセクハラって騒ぐのが気に入らないんだよ」女性「いいえ、そういう言い方は『女は好きな服を着るな』と言っているのと同じですよ」 「編集でカットされたのが残念ですが、若い世代の意識はちゃんと変化しています。みんなが自分の半径2メートルから『もうそんなのやめにしよう』を始めれば、世の中は変わります。男性も女性も、一緒にハラスメントにNOを」
2018年02月18日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「日本では、性暴力被害に遭っても、被害者が警察に相談したり、裁判で加害者を訴えたりということは、とても少ないのが現状です。加害者側が、職場の上司や取引先、師弟といった上下関係を利用したケースが多いので、訴えることで報復を受けたり、職を失ったりすることを怖れて、我慢せざるをえないことがあるからです」 そう語るのは、弁護士の太田啓子さん。太田さんはセクハラ裁判における「日本の司法」に限界を感じている。 「勇気を出して警察に相談しても、性犯罪の捜査の過程で「どこをどう触られたのか」「そのとき、どのような体勢だったのか」など詳細に説明させられ、精神的に耐えられなくなってしまうことも。そのうえ、刑事事件として起訴するには、被害者の体内から、加害者の体液や、デートレイプドラッグなどが検出されるという客観的証拠が必要です。これを得るためには、被害を受けてすぐ警察に行かなければ証拠が採取できず、結局、証拠不十分で起訴に至らないことも多いのです」(太田さん・以下同) 起訴されたまれな事例では、元柔道金メダリストの内柴正人氏が、当時18歳だった部員に酒を飲ませてレイプに及び、準強制性交等罪(旧・準強姦罪)に問われた事件。 「この裁判では、同じ柔道部員が、内柴氏が酩酊状態の被害女性を背負って帰るところを目撃していたことなどから立証され、有罪になりました。性犯罪被害に遭ったらどうすべきか、という情報がもっと広く共有されることが、被害者を救う第一歩です」 刑事裁判に訴えられない場合は、損害賠償を求めて民事裁判を起こすが、ここで問題になるのが、性交の際の“合意の有無”。 「加害者側からは、『確かに性的関係はあったが、彼女も合意していたのだから違法ではない』という反論が、よく出ます。それまでの人間関係がどのようなものだったのか、性的関係の強要はなかったのか等について、いろいろな証拠から判断されることになります」 被害者と加害者が面識のある人間関係の場合、事件があった後も、いつもどおりにふるまわざるをえないこともある。 「うっかり、被害者側が『先日はありがとうございました』などとお礼のメールやLINEを送ってしまい、『性被害を受けた直後の被害者が、加害者に対してこんなことを言うはずはない』などと加害を否定する証拠として利用されることもあります。今後は、『すぐに抗議できなかったとしても不思議ではない』という認識を社会的に広げ、裁判官にも理解を求めていくことが重要です」
2018年02月17日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「昨年10月の『Black Box』の出版を機に、アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』はじめイギリスのBBCやフランスなど海外メディアからの取材が殺到しました。『#MeToo』運動のうねりのなかで、各国の女性が声を上げ始めていますが、やはりアジア圏からの実名での声はまだ少ないからでしょう」 こう話すのは、元TBSテレビ報道局ワシントン支局長の山口敬之氏からのレイプ被害を記者会見で訴えたジャーナリストの伊藤詩織さん。著書『Black Box』(文藝春秋)も出版され、“顔の見える”被害者の訴えに社会的関心が集まっている。 「運動の発祥の地のアメリカは当然として、私が驚いたのはスウェーデンの反響のすさまじさ。人口はそれほど多くないのに、インタビューが掲載されたとたん、多くのメッセージが私の元に届きました。激励に加えて、同じサバイバーの方からの『勇気をもらった』という声も多かった。わざわざスウェーデンから日本の性犯罪救済センターに寄付を送ってくれた方もいました」(伊藤さん・以下同) 伊藤さんがインタビューのなかで、「日本では性暴力救済センターやスタッフの数が足りていない」と話しているのを読んでくれての行動だった。 「私は、自分が性被害に遭って以来、海外の性犯罪被害のサポート体制を取材し続けています。特に、イギリスのサポートの厚さには驚かされることの連続でした。現地の警察では、日本と違って、性犯罪専門のトレーニングを受けた捜査員がいます。しかも、ほとんど女性だから話しやすい。人形を相手に、被害状況を再現させられるなどの、セカンドレイプに当たるようなことは決して行われません。イギリスでは、被害者が事件の状況を説明するのは最低限少なくし、大体3回にするように努力しているそうです」 1度目は罪名を決めるために概要を、2度目は捜査のためにビデオカメラの前で、そして3度目が法廷だ。 「また、性犯罪救済センターなども、おもに寄付などで運営されてきた日本とは違い、政府が資金を出しています。ここでは被害届を出すかどうか決めていない段階でも、捜査員が匿名で話を聞いてくれます。そのうえで、どんなサポートを受けられるのかアドバイスをもらえます」 一度、話ができたことでとハードルが下がるのか、その後、被害届を出す人は約7割にも上るという。 「性被害を受けたあとのPTSDは私も体験していて、加害者と同じ背格好の男性を見ると体が震えたり、彼が働くオフィスの近くに行くことも怖くて、仕事に支障をきたしたりすることもありました」 イギリスでは、そうした性犯罪を受けたあとの精神的なケア、いち早く社会に復帰できるようにサポートしてくれる体制が整っているそう。 「大学のキャンパス内でレイプされたある女子学生は、大学に通えなくなり、単位を落としたんですが、スタッフが代わりに大学側に説明して、再度テストを受けられるようになりました。また、大学から紹介を受けて入居したアパートも追い出されそうになりましたが、それも交渉してくれたそうです」
2018年02月17日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「私は、日本でまだ『セクハラ』という言葉が誕生する以前の『性的嫌がらせ』と呼ばれていた時代から、この問題に深く関わってきました。最初は、’89年のセクハラ裁判の第1号となった福岡セクハラ訴訟でした」 そう語るのは、大阪大学人間科学研究科教授の牟田和恵さん。“セクハラ”誕生から30年。意識改革はどこまで進んだのか。牟田さんに話を聞いた。 「その後もおよそ30年の間、少しずつ社会状況は変わりつつあるとはいっても、まだまだ被害を口にできず、自分を責め続け、我慢している人が多い現実を思えば、現在もセクハラを取り巻く状況は課題が山積みのままです。そんなとき「#MeToo」の世界的な波及によりセクハラへの意識が高まり、女性たちが『悪いのは自分じゃないんだ』と自覚し、声を上げ始めたことはうれしい驚きでした」(牟田さん・以下同) 世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダー・ギャップ指数では、日本は’13年には136カ国中105位、’16年も144カ国中111位と、先進国でも順位が低いままだ。 「これらの解決策としては、社会にもっと決定権を持つ女性が増えることが重要だと思います。最も期待するのは女性議員ですが、それは企業の管理職でも、メディアでも同じことが言えるでしょう」 今後は、女性の権利はもちろんだが、LGBTや高齢化社会のなかでのお年寄りなど、弱い立場の尊厳や権利が守られる社会にしていかなければならない、と牟田さん。 「セクハラに対する第1の防衛法は、ふだんから“シミュレーション”をしておくことでしょう。ただし、現実問題として、最初から思うようにサポートしてもらえるとは限りません。大事なのは、あきらめないこと。世の中は確実に変わりつつあります」 ’99年施行の男女雇用機会均等法改正法で、企業はセクハラの防止に配慮することが定められた。 「その後、セクハラ防止規定や相談窓口が設けられています。また、会社外にもセクハラ問題に詳しい弁護士が大勢います」 同時に、日本中に性犯罪・性暴力の被害者に対して総合的な支援を行うワンストップセンターが開設されたという動きもある。 「必ず、あなたをいろんなかたちで助け、支えてくれる人はいますから、あきらめないで声を出し続けてほしい。いちばん避けるべきは、我慢してしまうことです。その場ではトラブルを回避できたようでも、その後も被害が繰り返されると、自分を損なう気持ちが澱のようにたまっていくのです」 それに打ち勝つためにも、常に情報を集めておくことが大切だと牟田さんは言う。 「ニュースをチェックしたり関連本を読んでもいい、セクハラ問題に関心をもって情報を集め、もしものときに駆け込める場所や相談できる人を想定して、準備しておくことです。そうしてシミュレーションすることこそが、自分をセクハラから守ることになります。ふだんから『自分を大切にして生活する』ことを考えてください」
2018年02月17日“独立の洗礼”で片付けていいものか。 世界的に今、セクハラ被害への見方が変わりつつあります。ハリウッドセレブたちがこぞって抗議の声をあげ、日本でも「#MeToo」というセクハラ告発運動が盛んに行われています。 そんななか“麿サマ”の愛称でおなじみの元NHKアナウンサーの登坂淳一さん(46)にも疑惑が。「週刊文春」により同僚へのセクハラが告発され、キャスター就任が決まっていた番組も降板することを発表しました。 セクハラはあくまでも“疑惑”ということでしたが、これをキッカケに過去の噂が多数報告される始末。大々的にテレビで報じられることはありませんが、登坂さんはある意味社会的に“抹殺”されようとしています。 就任後にスクープが発覚し、番組内定辞退が決まる。この流れは、経歴詐称疑惑が浮上したタレントのショーン・マクアードル川上さん(49・以降、ショーンKさん)と同じ。そのためさまざまな比較をされていますが、実際は同じとはいえません。 ショーンKさんはもともと異業種からの大抜擢でしたが、登坂さんはNHKアナウンサーとしての確固たる実績と実力が評価されて抜擢されました。また事前に見抜けなかったテレビ局側の甘さを指摘する声もありますが、セクハラ被害は目に見える証拠が残りにくいもの。改めてセクハラ問題の扱いについて、難しさも感じます。 登坂さんは独立後の大きなチャンスを失ったことになりますが、セクハライメージのついた彼は今後どうやって活躍の場を作っていけばよいのでしょう。 実はそのチャンスが、すでに目の前まで迫っています。そう、平昌オリンピックです!実は登坂さんの趣味の1つはカーリング。豊富な知識とアナウンス力、そして熱い熱量をオリンピック中継で伝えられれば……。もう一度実力が認識され、風向きも変わってくると思います。 今やネットを駆使すれば、個人でなんでも発信可能な時代。お膳立てされた舞台はないものの、実力を示す技術とチャンスはあまた用意されているのです。 セクハラは当然ながら、許されない問題です。ただ登坂さんを擁護するわけではありませんが、あくまでも“疑惑”の段階なのに、社会的に“抹殺”してしまうのは少し悲しい気もします。 それと同時に、不倫報道に匹敵する世間の強烈な熱量も感じます。日本人はもともと誠実で潔癖な人を好む傾向がありますが、現実問題としてはどんな人にも“そうじゃない部分”があります。 登坂さんは上品なイメージが先行していますが、地方局時代はおちゃめでユーモアあふれる姿がファンを喜ばせていたそうです。 アナウンサーとしてキャリアに傷はついてしまいましたが、もしその傷が謝罪してすむ程度なら……。そのときは彼のつまずきを許し、独立という大きな決断をもう一度応援する“正しく”優しい日本でありたい。 この一件は世界のトレンドをふまえたうえで、日本人として今いちど考えていくべき問題だと思うのです。
2018年02月06日アンソニー・ラップから「未成年の頃にセクハラ被害を受けた」と暴露され、主演ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を解雇されたケヴィン・スペイシーが、今度は人種差別主義者であることも指摘されている。「私はケヴィンの大ファンだったのですが、いまじゃ大っ嫌いですね」と「Daily Mail」紙に語るアール・ブルーさん。2012年、彼が経営する警備会社は「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の撮影現場の警備担当として製作会社に雇われた。彼を含む黒人警備スタッフのグループがキャストたちのトレーラーを監視していたところ、アールさんはケヴィンが自分の個人的なセキュリティースタッフに「俺のトレーラーをニガー(※黒人に対する差別擁護)なんかに見ててほしくない」と言っているのを聞いてしまったという。これを受けてアールさんは撮影マネージャーに抗議したものの、「お偉方だから。あれが彼なんだよ。ぼくらは彼をとにかくハッピーでいさせなきゃならないんだ」と取り合ってもらえなかったそうだ。また、アールさんとチームを組んでいたほかの黒人スタッフもケヴィンが「握手を拒否した」と語っている。結局、製作会社はアールさんの警備会社の仕事ぶりに「満足している」と言いながら、シーズン1以降契約を更新してくれなかったとのことだ。(Hiromi Kaku)
2018年01月16日ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で主演男優賞に輝いたジェームズ・フランコが、5人の女性からセクハラ行為を告発された。ジェームズはゴールデングローブ賞授賞式で、ハリウッドの多くの女優たちが支持しているセクハラ撲滅運動「Time’s Up」のピンバッチを身につけていた1人であった。このピンバッチをつけていたことがセクハラ被害者たちの感情を逆なでし、告発に至ったようだ。「The Los Angeles Times」によると、5人のうち4人はジェームズが経営し教鞭をとる演劇学校の学生だというのだから驚きである。ジェームズが監督した『The Long Home』(原題)に出演したサラ・タイサー=カプランは、フルヌードでの出演は承諾していたものの、セックスシーンでジェームズにプラスティックの前張りを取られたと憤っている。2016年にジェームズと交際していたヴァイオレット・パレイは、ツイッターに車の中でオーラルセックスを強要されたこと、ジェームズがヴァイオレットの友人で17歳の少女をホテルに呼び出そうとしたことを激白。ジェームズはもちろん全否定しており、「ねえ聞いてよ。ぼくはいままでの人生で、自分の行いすべてに責任を持ってきたし誇りに思ってる」と言い、「ツイッターに書かれてることは正しくない。でも、ぼくは何かを告白する人や声を上げることについては完全に支持するよ。だって、長い間声を上げられなかったんだからね」と語った。(Hiromi Kaku)
2018年01月12日俳優のマイケル・ダグラス(73)が、32年前の元職員にセクハラ行為をはたらいたとする疑惑が浮上する可能性があると知り、事前にその疑惑を否定した。マイケル・ダグラス(C)BANG Media Internationalマイケルはその女性を触ったり、友人たちと下品な会話をしたり、脅迫したなどという件についてコメントを求められたことを受け、公になる前に自ら否定コメントを出すことが必要だと感じたという。マイケルはデッドラインにこう語った。「その女性からは、まず始めに、僕が彼女に対して、ではなく彼女の前で下品な言葉を使ったと言われた」「2番目に僕が彼女の前でしていた電話の最中、そのプライベートな会話で友人に対していやらしい発言をしていたと」「結局、その女性は仕事ぶりが理由で解雇したんだけど、3番目として彼女は僕がこの業界では2度と仕事がもらえないようにすると自分を脅したと言ってる」「そして4番目、僕が彼女の前で自慰行為を行ったと」マイケルはその女性の前でひどい言葉を使用したことを謝罪したものの、脅迫したことや、自慰行為を行ったことなどないと断言した。「どこから始めればいいかも分からないよ。これは完全な虚偽で、全く持って事実無根だ」ザ・ハリウッド・レポーターからこの件について連絡を受けたというマイケルは「とても心が痛いね。僕は父(ーク)の長年の歴史などは言うまでもなく、この業界での自分の評判に誇りを持っている」「下品な言葉を使った点については認めるよ。でも彼女の前で自慰行為をしただって? そんなの去年に初めて聞いたような話さ。80年代に使われたような表現ではないね。だからおかしいと思った。それでなぜ、こんなことをしようとする人がいるのか考えたよ」「一番辛いことと言えば、こんなことを妻や子供たちと共有しなくちゃいけないことさ。うちの子供たちはすごく落ち込んでいる。僕がセクハラ人間だというニュースが出るんじゃないかと心配しながら学校に通わなければいけないんだから」と話した。妻キャサリン・ゼタ=ジョーンズとの間に2人と前妻の間に1人の計3人の子供を持つマイケルは、今回自らの潔白を宣言すると共に、セクハラ抗議運動である「#MeToo」を支援すると続けた。(C)BANG Media International
2018年01月11日今年で記念すべき90周年を迎えるアカデミー賞レース。今回の「入門編」では、作品賞候補の声が高い作品の中から、確実にノミネートされそうな厳選5作品を分析してみた。■確実にノミネートされそうな5作品『ダンケルク』まずはクリストファー・ノーラン監督の戦争映画『ダンケルク』。とにかくこの作品はテンションが高い。だが戦争映画でもっとも血糊が少ない映画と言ってもよく、映像とサウンドのみで観客を矢継ぎ早に窮地、また窮地に追い込み、戦地の兵士同様に絶体絶命な気分に追い込んでいくノーラン監督の手腕は凄い。映像も素晴らしくこの作品はノミネートほぼ確実いえる。『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』次に作品賞ノミネート必至と思われるのが、スティーヴン・スピルバーグ監督・主演トム・ハンクス&メリル・ストリープの『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』。実話を基にしたサスペンス・ドラマで、ベトナム戦争激化の当時に、女性経営者のワシントン・ポスト紙が政府の脅迫、出資者の反対、世間の性差別に屈せず、当時の米国政府がいかにアメリカ国民を嘘で操って泥沼化していたベトナム戦争を30年間にも渡って長引かせてきたかを暴露するまでの壮絶な“バトル”が描かれている。現在、トランプ政権で大揺れに揺れているアメリカ、そして様々なセクハラ問題などから女性の社会立場が何かと話題になる最近の世相において、まさにタイムリーな映画で、作品賞候補にノミネートされること請け合いの作品だ。『ゲット・アウト』そして次のノミネーション確率大の作品は、こちらも世相を反映したユニークなエントリーでホラー映画『ゲット・アウト』。アカデミー賞候補にホラー映画のタイトルが挙がるのは非常に珍しい。アカデミーは「ホラーとSFが嫌い」という定説はいまだ根強いのだが、この『ゲット・アウト』の強みはただのホラーではなく、ここ数年アメリカに吹き荒れている人種問題に、非常に賢い風刺を効かせたストーリーであるという点だ。黒人監督、黒人ライターそして黒人男優主演による本作は、現在ハリウッドで注目されている業界での多様性を具現化している作品ということでも特出している。これまであまりに白人優位で問題になったアカデミーにとって本作をノミネートすることは、心機一転・汚名挽回のいいチャンスとなるだけに候補確率はかなり高い。『レディ・バード/Lady Bird』(原題)今年のダークホースで、こちらもノミネーションほぼ確実と思えるのが『レディ・バード/Lady Bird』。これまで女優業中心だったグレタ・ガーウィグの監督デビュー作で、自分がティーンエイジャーだった頃の経験を基に執筆したストーリーとのことで、映画祭などでこの作品をすでに見た人々からはその質の高さに新米監督の作品とは思えないと言う声が上がっているほどの話題作だ。主役クリスティーヌこと“レディ・バード”を若き演技派シアーシャ・ローナン(『ブルックリン』)が演じ、彼女の名演もアカデミー賞主演女優部門でノミネーション間違えなしとの下馬評が高い。『シェイプ・オブ・ウォーター』5本目にご紹介の『シェイプ・オブ・ウォーター』も以前であればアカデミー賞候補になるには少々異色すぎると言われていたかもしれない。日本ではまだ未公開の本作だが、ギレルモ・デル・トロ監督が製作・脚本も兼ねたこの作品は、彼お得意の美しくもダークなファンタジー・ドラマで、謎の人魚男と口のきけない女性とのロマンスを描いている。ひと昔前に人魚姫がトム・ハンクス演じた普通の男性に恋をしてしまう映画『スプラッシュ』を男女逆にしてもっとダークにしたのがこの作品である。口のきけないヒロイン(サラ・ホーキンス)が、愛する人魚を邪悪な科学者から守ろうと、命がけで救出を試みる様には思わずエールを送ってしまう。■今年のアカデミー賞は女性主人公の作品がポイントに?今年のアカデミー賞作品部門のノミネーション予想をしていて気がつくことは、女性を主人公にした作品がこれまでになく目立つことだ。2017年はハリウッド映画業界で「セクハラ」に苦しめられた女性被害者たち立ち上がり、権力乱用の大物を次々に暴露していったたことがキッカケで、ある意味で女子パワーの年となった。現在、オンラインでもアカデミー賞レースの上位を走っている上記5作品中、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』、『レディ・バード』、『シェイプ・オブ・ウォーター』の3作品が女性を主人公にした映画で、これは特筆に値する。ここ数年において、会員の年齢、性別、人種が多様化したと言われるアカデミーだが、『シェイプ・オブ・ウォーター』のような作品をノミネートしてしまうかもしれない新世代アカデミーには、これまでにはなかった新しい何かを期待できるかもしれない。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2018年01月04日ハーヴェイ・ワインスタインの長年に渡るセクハラが明るみになってから、女優たちによるセクハラ事件の暴露が後を絶たないハリウッド。ワインスタインのみならず、次から次へと著名な俳優たちの蛮行も明らかになってきた。「People」誌によれば、1月7日(現地時間)に開催されるゴールデングローブ賞授賞式では、エマ・ストーンやメリル・ストリープら女優たちが、ハリウッドに蔓延しているセクハラへの抗議として全身黒ずくめで出席するという。彼女たちに賛同しているドウェイン・ジョンソンらも同様の服装で出席する。ドウェイン、アーミー・ハマー、トム・ヒドルストンのようなハリウッドのトップ俳優を担当しているスタイリストのイラリア・ウルビナーティがインスタグラムで明かした。「みんな私に聞いてくるのよ…。ええ、ゴールデングローブ賞では、男性陣が女性陣と団結して立ち上がり、黒ずくめの服装で女性軽視に対する抗議を行うわ。少なくとも、私のクライアントの男性たちはね」。華やかなファッションが見どころの1つである授賞式だが、ファッションによるこの抗議は、ゴールデングローブ賞だけでなく賞シーズンを通して続くかもしれないとのことだ。(Hiromi Kaku)
2017年12月25日BIGLOBEはこのほど、「セクハラに関する意識調査」の結果を明らかにした。同調査は11月18日~24日、全国の20代~50代の社会人男女800人を対象にインターネットで実施したもの。セクハラをされたことがあるか尋ねたところ、女性の39.0%が「ある」と回答した。男性も8.5%が「ある」と回答している。このうち、20代および30代男性でセクハラされたことがある人は、どちらも1割以上になり、現代のセクハラは若い男性にも拡大していることがわかった。セクハラをされたことがあると回答した人に、誰からセクハラをされたか聞くと、82.6%が「上司・先輩」と回答した。2位は「取引先・お客様」(27.9%)となっている。セクハラをされたことがある20代に限定すると「友人」からのセクハラ経験が15.9%と、他の年代より高かった。20代は「上司・先輩」(70.5%)のほか、「同僚」(29.5%)も多かった。セクハラをされたことがあると回答した人に、どのような場面でセクハラをされたか聞くと、「食事・飲み会」(53.2%)が多く、次いで「通常業務時」(48.4%)、「会社行事の飲み会(新・忘年会、歓迎会など)」(42.6%)となった。セクハラをされたことのある20代女性では、「食事や飲み会」(65.6%)、「残業時」(18.8%)が全体よりも高かった。特に「食事や飲み会」は、全体の結果よりも10ポイント以上も高くなっている。
2017年12月06日ハリウッド大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題が露見してから、問題の火の手は収まるどころか悪化しておりハリウッドのエンタメ業界はパニック状態となっている。■ケヴィン・スペイシー事件のあとには…ワインスタイン事件以来、セクハラ問題がまるで異常乾燥注意報時の火災がごとく映画業界の至る所で火の手をあげて俳優やセレブ監督にも飛び火しており、人気海外ドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段」などで日本でもお馴染みの俳優ケヴィン・スペイシーが30年前、26歳のときに14歳の俳優アンディー・ラップに対して性的行為を試みようとしたというニュースはアメリカ内外でも大変な話題となった。今週に入り、映画『テッド』のガールフレンドを演じたジェシカ・バースが2012年に当時のマネージャーでハリウッドの大物であるデヴィッド・ギルロッドから性的暴行を受け、ロス市警に届けたもののその後ギルロッドから脅迫され恐ろしくなり、訴訟を取り下げざる得なかった、と大手業界サイトの「the Wrap」に暴露してこれも大変な騒ぎとなった。とにかく連日のように、新しい有名人の名前が「セクハラ事件」という見出しの横に並ぶ、とんでもない状況のハリウッド。セレブ監督のブレット・ラトナーも6人の女性からセクハラで槍玉に挙げられている。ブレット・ラトナーといえば、アクションコメディー映画『ラッシュ・アワー』シリーズ(ジャッキー・チェン&クリス・タッカー主演)で一躍人気監督となり、近年では自ら設立したプロダクション・スタジオより大ヒット作『ワンダーウーマン』や『X-MEN: ファイナル ディシジョン』などを産出してノリに乗っていたハリウッドの大物である。ラトナーは、問題発覚後に里親的存在だったワーナー・ブラザーズ映画から縁を切られている。■ハリウッドで崇拝されているアノ俳優まで!?今回のセクハラ問題で周囲を一番ショックに陥れたのが、今年で御年80歳の大御所名優ダスティン・ホフマンである。『卒業』や『トッツィー』などの名作をはじめ、メリル・ストリープと共演した『クレイマー、クレイマー』と、トム・クルーズ共演の『レインマン』ではアカデミー賞主演男優賞受賞歴もある、あのダスティン・ホフマンである!時をさかのぼること32年前。ダスティン・ホフマンが1985年に手がけていた芝居のプロジェクトで、当時17歳だったインターンのアンナ・グラハム・ハンターさんにセクハラをしたのだという。このショッキングなニュースに周囲が愕然とするなか、どうやらダスティンの“素行の悪さ”は、それに始まったことではないということが明るみに出はじめた。1979年に『クレイマー、クレイマー』でダスティンと共演したメリル・ストリープは、撮影前に初めてダスティンと対面したときに、なんと胸を触られて非常に不快な思いで撮影に臨んだというのである。この打ち明け話はメリルのインタビュー記事として当時のタイム誌に掲載されており、これがいまになって浮上し、ダスティンにとっては非常に不利な話題となっている。■セクハラ問題の波紋セクハラ問題は、関わった俳優や監督たちのキャリアを崩壊に追い込むばかりでなく、その周囲にもひどい打撃を与えている。増え続けるスキャンダルに伴い、暮れのホリデーシーズン公開予定作品が目まぐるしく変更されているのがその一例だ。たとえば、TWC(ザ・ワインスタイン・カンパニーの略)の手がけたホラー映画『ポラロイド』(原題)は、かなりのヒットが見込まれていたものの、セクハラ事件が露見したことで、ほとぼりが冷める来春ころへの延期が決定している。被害を被っているのは劇場側だけではない。一連のセクハラ問題は、アカデミー賞を筆頭とする映画賞レースへの影響も必至とみられている。前出のケヴィン・スペイシーは、Netflixより「ハウス・オブ・カード野望の階段」の打ち切りを命じられただけでなくアカデミー賞シーズンに向けてノミネート必至とされていた新作スリラー映画『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド/All The Money In The World』(原題)が受賞作戦のPRから外されることが決定している。この映画は『エイリアン』シリーズのリドリー・スコット監督作品で、ケヴィン・スペイシーの共演者にはミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォールバーグも参加している話題作だったのに、ケヴィンが昔に犯した軽率な過ちのせいでとんだ迷惑を被っていしまった形だ。■ハリウッド・メンタリティとその対策「お金があってパワフルならばどんな振る舞いをしてもいい」という暗黙の了解がまかり通っていたハリウッド。…というよりは、どこの業界でもパワーを持っている者が下のものを足蹴にしたり酷い扱いをしたりということは往々にある。その頂点にあるのがセクハラだ。映画業界にセクハラが横行している理由に、「何が何でも俳優になりたい」という若者が溢れているという事実がある。だが、いくら相手がどんなにデスパレートでも、分別のある人間であればセクハラに及ぶなどということはない。長いことハリウッドにいて学んだことがある。自分の心の声はうそをつかない。少しでも妙な気配を相手から感じ取ったら、自分の心がザワつき出したらその場から素早く身を引くことが肝心だ。どんな業界に居ようが、上に立つ相手が自分の価値観や信条に反するようなことを提案したり押しつけたりして来たら、相手が誰であろうが「NO」と言って、毅然とした態度でその場を離れる勇気を持つことが大切なのだ。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2017年11月10日今年3月、『プリズン・ブレイク』シーズン5の上映会に登場したロバート・ネッパー(写真:Richard Shotwell/Invision/AP/アフロ) ハーヴェイ・ワインスタインに関する報道に端を発したセクハラ告発の連鎖が止まらない。ケヴィン・スペイシーやスティーヴン・セガールら大物俳優の名が次々と挙げられる中、日本でも人気のあの人にも疑惑が持ち上がった。『プリズン・ブレイク』のセオドア・“ティーバッグ”・バッグウェル役で知られるロバート・ネッパー(58)だ。 衣装デザイナーのスーザン・バートラムは1991年、映画『Gas Food Lodging』の撮影クルーとして働いていた。ニューメキシコ州での撮影中、ネッパーのトレーラーに衣装を運んだ際に事件は起こった。The Hollywood Reporterにバートラムが語ったところによると、入室するやネッパーはすぐさま立ち上がり、彼女の股の部分を思い切りつかんできたという。ネッパーはそのまま壁に彼女を押し付けて、「あんたをめちゃくちゃにしてやろうか」とささやいた。「すぐにもがいて彼の腕を振りほどき、トレーラーから飛び出しました。外に出ると、あまりの恐怖に膝から崩れ落ちてしまいました」とバートラムは当時の記憶を掘り起こした。 ネッパーはこの告発を受け、Instagramに反論メッセージを掲載。 「ここ数週間にわたり、女性たちが経験した痛みと、彼女たちが前に進むために見せた勇気について妻と私は語り合ってきました。私はある女性から暴力について誤った告発をされ、非常にショックを受けています。言われているのは私ではありません。今回のことで私を支え、元気づけてくれた人々に心からの感謝を送ります」
2017年11月10日いい音楽、いい雰囲気、そのなかで楽しい時間を過ごすための夜の外出=ナイトアウト。それなのに、もしもこちらが望まないかたちで体を触られるような「セクハラ」を受けたりしたらせっかくの夜は台なしになる。しかしイギリスの世論調査会社YouGov(ユーガブ)の調査では、実に女性の35%、男性の9%が「ナイトアウト中にセクハラを受けたことがある」と回答したという。そんなお酒によるトラブルは避けて楽しもうと呼びかけているイギリスのボランティア団体「Drinkaware」(ドリンクアウェア)は、夜間の外出におけるセクハラについて警笛を鳴らしている。※動画が見られない方はこちら誘ってもないのに体を寄せてくる、避けてもしつこく近づいてくる、こちらが嫌がっているのにやめないなど、万が一セクハラ被害にあってしまった場合、ほかの誰かが気づいてくれたらどれほど心強いだろうか。「大丈夫?」と一言かけてくれる人が来たらハラサー(ハラスメントをする人)が離れてくれるかもしれないし、少なくとも、過度に騒ぐことなく拒否の意思を伝えるきっかけになりやすい。It’s #oktoask someone being sexually harassed on a night out if they’re ok. Make sure 2 spot it, check it, speak out pic.twitter.com/MudiBexran— drinkaware (@Drinkaware) September 28, 2017 とはいえ、セクハラを避けようとするがあまり「出会い」や「お誘い」を楽しめなくなるのでは、せっかくのナイトアウトの楽しみが半減するのも事実。ナイトアウト先で出会った「すてきな相手と距離を縮めること」と「セクハラ」の間にハッキリと明確な境界線を引き、万が一望んでもいないの触られたり、断ってもしつこくつきまとわれたり、ましてや一方的にキスされるようなことがあれば立派なセクハラ行為だと主張するべきだが、自分ではどうしようもないシチュエーションもあるだろう。だからこそ、少し様子が変に見える人がいるときは、友だちだろうとまったくの他人だろうと、一言「大丈夫?」と声をかけ合おう。 ドリンクアウェアは、ハッシュタグ・アクティビズム「#oktoask」(直訳:聞いてもいい)を通して、そんな呼びかけをしている。一方で安全の確保も忘れてはならない。目の前で行われていることがセクハラなのかどうか。自分だけで判断できないと思ったら、他の誰かに意見を聞いたっていい。助けに入っても安全か、必要に応じてセキュリティガードに頼むなど、冷静な判断をすることが大切だともいえる。Fulling loving the drinkaware #oktoask advert. SEXUAL HARASSMENT IN CLUBS IS NOT OKAY.— Billie May ✨ (@billiemayr) October 29, 2017 「ドリンクアウェアの#oktoaskのキャンペーンいいね。クラブでのセクハラがOKなわけない。」We worked with @Drinkaware to craft the message & guidance behind their #oktoask Bystander Intervention campaign Good Night Out (@_goodnightout) October 3, 2017 満員電車の痴漢行為や合意なしの性行為といったわかりやすい性犯罪と異なり、クラブのような場では、ある程度の接触も”お楽しみ”に含んでいいもんだと思われがちだが、被害者が不快に感じたり、やめてほしいと思った時点でセクハラ行為なんだと認識していい。また、ナイトアウトという”楽しい場に来ている負い目”を感じる必要はまったくない。シラフの状態で”やってはいけないこと”は、酔っているときだってするべきではないのだ。Photo by Yuri Catalanoナイトアウト先でのセクハラがまるで当たり前のようになってしまった背景には、ナイトカルチャーを形成する”猥雑さ”という魅力があるからだと想像するが、誰かの尊厳が傷つくような文化はいずれ衰退するもの。多様を肯定しようとするこの時代に目指すべきは、性的なダンスは表現として認められるが、勝手に相手の体に触ることは許されない”健全な猥雑さ”ともいえるような本物の文化の確立ではないだろうか。嫌がっている人にたった一言「大丈夫?」と聞くことで、性別も年齢も関係ない、人として当たり前ともいえる配慮をどんな場にいても忘れてはいけないという意識を広められる。そんな小さな心がけには、セクハラを容認してきた社会を少しずつ変えていくの可能性があるのだ。Text by Madoka YanagisawaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!レイプ防止!「飲み物に入れられたドラッグ」を検出できるストローを開発した、3人の女子高生。 「デートレイプ」という言葉を知っているだろうか?デートレイプとは、友人や知人など顔見知りの人の犯行によるレイプのことを指す言葉。これによく使われるというのが、相手の意識を失わせ...
2017年11月07日『プラネット・テラー in グラインドハウス』のローズ・マッゴーワン(写真:Everett Collection/アフロ) 長年ハリウッドを牛耳っていたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラスキャンダルが露見してからひと月以上。未だに彼の悪行を告発する声が後を絶たない。その手口は共通しており、駆け出しの新人女優を「打ち合わせ」と称してホテルの部屋に呼び出し、マッサージを強要。合意を装って性的関係を結び、いくばくかの口止め料と映画出演と引き替えに沈黙を強いるという非常に卑怯なものだった。 セクハラの域を超え、レイプされてしまった女優も既に何人か名乗り出ている。そのうちの1人、ローズ・マッゴーワンが9月に「レイプについて黙っていれば100万ドル(約1億千万円)支払う」という申し出を受けていたことをTIMES紙に明かした。 マッゴーワンは『プラネット・テラー in グラインドハウス』(2007)で、ゾンビに食いちぎられた太腿の下に義足代わりにマシンガンを装着して戦うセクシーダンサーを演じ、世界的に知名度を上げた。しかし、彼女がこの役を獲得した裏には、ワインスタインによる“買収”があった。ワインスタインにレイプされるも、映画出演と10万ドル(約,1100万円)の和解金を差し出され、黙らざるを得なかったのだ。 TIMESによると、今年9月に記事が出ることを知ったワインスタインは、弁護士経由でマッゴーワンに連絡を取り、100万ドルと引き替えにレイプの事実を隠し通すよう依頼したという。 「あいつをじわじわ苦しめてやりたくて、600万ドルじゃないと応じない、と返答したけど、その後に『もううんざり。あんたのお金なんか欲しくない』って言ってやったの」。 『プラネット・テラー in グラインドハウス』では、マッゴーワン演じるダンサーが自らをレイプした男を惨殺するシーンがある。この作品を監督したロバート・ロドリゲスは、当時マッゴーワンと交際しており、このシーンをワインスタインへの意趣返しとして撮影したと先週Variety誌に語っている。
2017年10月30日30年間にわたる多数の女性へのセクハラ疑惑が告発されたプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(65)が、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)から追放された。アカデミー賞を主催する同団体が、ワインスタインを除名することを声明で発表した。「理事会は早急にワインスタインをアカデミーから除名することに決定しました。単に彼のような、同僚からの尊敬に値しない人物を追放しただけでなく、我々の業界での性的暴力や職場でのハラスメントに対し、見て見ぬふりをしたり、恥ずべき加担行為を働いたりする時代は終わったというメッセージでもあります」「ここで問題となっているのは、我々の社会において許されることのない深い問題です。理事会は今後も、全てのアカデミー会員が例示することが期待される、倫理的な行動規範を確立するため努力を続けていきます」スティーブン・スピルバーグやトム・ハンクス、ウーピー・ゴールドバーグらを含む理事会の幹部らが今回の追放を決定したと報じられている。同団体においては、理事会は3分の2の投票によって会員を正当な理由として除名できる決まりとなっており、今回の件に関しては「3分の2を優に超える」投票を得たという。アカデミー追放に先立っては、ワインスタインの弟ボブが、ワインスタイン・カンパニーの株主持ち分をワインスタインが失う可能性があると明かしていた。また、ワインスタインはフランスの名誉であるレジオンドヌール勲章をはく奪されることが発表された。エマニュエル・マクロン仏大統領は、2012年にニコラ・サルコジ元大統領によってワインスタインに授与されていたその栄誉をはく奪することに向けて動き出したことを、広報担当を通じて発表していた。(C)BANG Media International
2017年10月16日就職率は上昇中であるものの、自分の希望する企業に内定を貰うのはやはり難しい。余裕をかましているうちに「内定が取れなかった……」と嘆く人も多い。就活生はとても難しい立場にあります。そんな女子就活生に対して、弱みに付け込む輩もいるとか……。今回は、就活女子大生に届いた大企業男子からのセクハラLINEをご紹介します。文・塚田牧夫「業界の人ならみんな持ってる本をあげる」「私はどうしても広告業界に就職したかったので、広告系に就職した1個上の先輩にお願いして、採用に携わっているという人を紹介してもらいました。私の初歩的な質問にも丁寧に答えてくれて、とても親切なんですが、毎回直接会わないと話を聞いてくれないんです。電話やメールでも済むようなことでも、直接話したほうが伝わると言って。そのうち、就活に関係ない飲みの席にも呼ばれるようになりました。あるとき“業界の人ならみんな持ってる本をあげる”というLINEが来ました。私は“郵送じゃダメですか?”と送ったら、会って渡したいと。紹介してくれた先輩の手前もあったのですが、ちょっと行き過ぎていると思い“セクハラじゃないですか?”に近い文面を思い切って送ってみました。そうしたら“うちそういうの揉み消せるから”と開き直る始末。頭にきて、連絡を絶ちました」アヤメ(仮名)/23歳「君を試したんだ」「就職説明会で、何度か顔を合わせた人がいて友だちになったんです。その人に、私が希望している会社を伝えたら、ある男性を紹介してくれました。その人は採用担当者で、面接官もしているという人でした。まずはLINEだけ交換して、やり取りするようになりました。最初のうちは必要事項や心構えなんかを教えてくれていたんですが、ちょいちょい“恋人はいるの?”とか“合コンとかするの?”とか、関係ない質問も挟んでくるんです。それがだんだんエスカレートしてきて“今度食事に行かない?”と、誘うような内容に変わってきました。はぐらかしてはいたんですが、“この日空いてる?”と、どんどん具体的に責めてくるんです。私はさすがに“申し訳ありません”とお断りしました。すると、“君を試していたんだ”と返事が来ました。『圧迫面接』というのがあるというのは知っていました。それは、面接の際に、面接官がわざと否定的な態度を取ったり、意地悪な質問をしたりすること。その人は、圧迫面接に対応できるかどうかを試してたと言うんです。ホントかよ……と思いましたけど。まあ、少しは有益な情報が聞けたから良しとしました」ミカコ(仮名)/24歳就活女子大生に届いた大企業男子からのセクハラLINEをご紹介しました。どの世界にも、弱みに付け込む輩はいるようです。そういった行為に流されないよう、明確な意思を持って対応して欲しいですね。就活応援しています!(C) Dorota Zietek / Shutterstock(C) ImYanis / Shutterstock
2017年09月26日*画像はイメージです:企業ではセクハラなど会社に重大な損失を与える行為をした、犯罪をした社員に対し、懲戒処分を前提とした「自宅待機命令」を出すことがあります。会社は当該社員を自宅で待機させた上で、事実関係の調査や処遇の考慮などを行うことが一般的。懲戒処分相当の行為をしたことが事実であることが確認できた場合は、相応の処分が下されることになります。 ■賃金はもらいたいところ……労働者側としては懲戒処分相当の行為をしてしまった場合は、会社の決定に従わざるを得ません。「クビ」といわれて辞めさせられることもあるでしょう。しかし、自宅待機命令については、会社が「来るな」と言っているわけですから、労働者側としては、待機中の賃金を支払ってもらいたいところ。会社側としてはもちろん、支払いたくはありません。セクハラなどの重大行為で懲戒処分を検討している社員に対して自宅待機命令を出した際、企業は賃金を支払う必要があるのか。社員は賃金をもらうことができるのか。法律事務所あすかの冨本和男弁護士にお伺いしました。 ■自宅待機命令期間中賃金はもらえる?「セクハラが事実で懲戒処分が相当であれば、自宅待機中の賃金は貰えないのが普通です。懲戒処分とは、企業が秩序を維持するために従業員の規律違反・秩序違反に対して行う制裁のことです。セクハラは企業秩序を乱す職場規律違反と考えられますから、就業規則で「職場規律違反」を懲戒事由、「出勤停止」を懲戒の手段の一つと定めていたのであれば、セクハラを理由として自宅待機命令を下すことができます。この場合、セクハラを行った従業員は、会社から自宅待機を命じられたことで労務を提供できないわけですが、職場規律に違反し自業自得ですのでその間の賃金請求はできない、働いていない以上もらえない、ということになります。ただし、懲戒処分は相当なものでなければならず、懲戒事由と比較して不相当に重い処分は無効ですので、セクハラの内容からして不当に長い自宅待機の場合、相当な自宅待機期間を超える期間の分の賃金は請求できると考えます」(冨本弁護士)従業員の犯した行為や就業規則などが、考慮ポイントになるようです。素人には判断のつきにくい事案ですので、弁護士に相談するのがベストかもしれませんね。 *取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Graphs / PIXTA(ピクスタ)
2017年09月14日歌手のテイラー・スウィフトが、元ラジオDJのデヴィッド・ミューラーに対してのセクハラ裁判に勝訴した。この訴えは、2013年6月コロラド州デンバーのペプシ・センターにおける「レッド・ツアー」のライブ前にテイラーがデヴィッドにセクハラを受けたというものだったが、今回テイラーは損害賠償たった1ドル(約110円)の「名誉」の裁判に勝訴し、その額をこのような性的暴行の被害者のための基金に寄付するという。テイラーの声明には「判事ウィリアム・J・マルティネス氏及び慎重な判断を下してくださった陪審員の方々、そして私の弁護団に感謝を述べたいです。彼らは、私や性的暴行によって沈黙をさせられてきた被害者の方々のために戦ってくれました。そして、この4年に及ぶ苦しい試練と2年続いた裁判の間サポートしてくれた全ての人々に感謝します」「このような裁判には多大な費用がかかり、これを賄うことができる自分自身というものを自覚しています。私の望みはこのような性的暴行の被害者の声に手をさしのべることで、近い将来には彼らをサポートしているいくつかの団体に寄付を行いたいと思っています」とつづられている。一方のミューラーは、テイラーがデンバーのラジオ局KYGO-FMにこの暴行を告げたことで自身の「夢の仕事」を失ったとしてテイラー本人を300万ドル(約3億3000万円)の損害賠償を求め提訴していたが、テイラーにこの象徴的な1ドルの逆提訴をされていた。さらにミューラーは、テイラーの母アンドレア・スウィフトと彼女のラジオ関係者も提訴していたが、1週間にわたる公判の後1日もかからずに陪審員から棄却された。今月11日には裁判所において、テイラーの元ボディーガードも暴行が行われた現場を目撃したとし、「私は見たんです。ミューラー氏がテイラーに腕を回した時、手がスカートの方にのびました。テイラーは飛び上がって、スカートを下げ、女性がいる場所へ逃げていました」と証言していた。最近テイラー自身もこの事件が「卑劣でぞっとする」とし、「彼は私のお尻を触り続けたので遠くに逃げたのです。掴まれたのです。とても長い時間でした」と告白していた。(C)BANG Media International
2017年08月16日テイラー・スウィフトがラジオDJのデヴィッド・ミューラー氏からセクハラを受けていたとことは「確定的」だとテイラー側の弁護士が主張している。テイラーは2013年、自身の公演におけるステージ裏での写真撮影の際、ミューラー氏からお尻を掴まれたとしてコロラド州デンバーの裁判所で申し立てを行っているところだ。それに対し、2015年9月にミューラー氏は、テイラーの訴えにより年収15万ドル(約1600万円)とされるデンバーのラジオ局「KYGO-FM」での仕事を失ったとして、テイラー本人を提訴していたが、その1カ月後にはテイラーは対抗訴訟の構えでこのペプシ・センターでの暴行に対し逆提訴をしていた。そして今月8日にテイラーは出廷し、陪審員らに対し2013年6月2日に起こった暴行現場の写真を提出したとのことだ。写真にはテイラー、ミューラー氏、そしてミューラー氏の当時の恋人シャノン・メルヒャーがポーズを取っている。しかし問題のミューラー氏の右手がテイラーの後ろに隠れて写っていないとのことで、ミューラー氏の弁護士は「ミューラー氏はスウィフト氏のスカートの中に手を入れてはいません。スカートが乱れていないではないですか」「ミューラー氏はテイラー氏に不適切に触れたということに対し全面否定をしています」と主張し、このような不当な訴えは侮辱的で、間違っているため容認できないとしている。今回の冒頭陳述においてミューラー氏は自身の名誉を晴らし、失った収入のために訴えを起こしたことを述べているが、一方のテイラー側の弁護士、ダグラス・ボルドリッジ氏は「この写真に何か問題がありますか? 女性が暴行され、通報し、それに対して訴えられたのです」「これは不適切に触ったというものではなく暴行です」と8人の陪審員に語り掛けた。母アンドレアと共に出廷したテイラーだが、この訴訟はたった1ドルの賠償を求める「名誉のため」の裁判だという。(C)BANG Media International
2017年08月12日セクハラについて、厳しい処分が下されるようになった昨今。「おっぱいデカいね」なんて言おうものなら、袋叩きにもあいかねません。それでも、網の目をくぐり抜けるように、仕掛けてくる輩もいます。特に、LINEで繋がっていたりすると、被害に遭いやすい。そこで、注意を促すべく“上司から届いた下心丸出しLINE”エピソードをご紹介しましょう。文・塚田牧夫下半身ギリギリの写真を送ってくる「私は学生時代バレーボールをやっていて、全国大会にも出るほど熱中していました。だから男性に対する好みのタイプも、肉体派。そんな私の話を聞いて、上司が“俺も腹筋割りたいんだよね”なんて言ってきました。“アドバイスしてよ”と言うので、“いいですよ”と気軽に答えておきました。するとトレーニングを始めたらしく、しばらくしてLINEで写真が送られてくるようになったんです。最初は、普通にお腹の辺りを写したものでした。“どうかな?”“まだまだですね”なんてやり取りが続きました。でも、それが次第に変わってきて……。写真のアングルが少しずつ変化して、下半身が写りそうなギリギリの写真だったり、なぜか背後から撮ってお尻の線が見えるようなものまで。下心見え見え。ソッコー削除して、適当に返事してました」カエデ(仮名)/27歳彼と仲良くしようとする「私のいる部署はすごくアットホームで、休日にバーベキューをすることがあるんですが、そこに家族を連れてきたり、恋人を連れてきたりもするんです。そこで部長に紹介するのが慣例となっていました。私も彼を連れていき、部長に紹介。すると案外気が合ったようで、二人はLINEを交換していました。彼はSNSを結構やる人で、LINEタイムラインに同期させて、色々写真をアップしていました。すると、何かアップするたびに部長がリアクション。“彼女の手料理”といって写真をあげたりすると“美味しそう”なんてコメントが。“いいな~俺も食べたいな~”というコメントに、彼も“是非うちに来てください!”なんて返したりしていました。私はてっきり、部長がホモなんだと思っていましたが、その彼と別れてから、違うということが分かりました。新たな彼氏ができて、また部長に紹介すると、今度はその彼にも同じことをし始めたんです。結局、狙いは私だったみたい」ミナミ(仮名)/27歳上司から届いた下心丸出しLINEエピソードをご紹介しました。まだまだ、セクハラまがいのメッセージを送っている人もいるようです。このままエスカレートしないといいんですが……。あまりにひどい内容で身の危険を感じたら、早めに誰かに相談するようにしてください。(C) ArtOfPhotos / Shutterstock(C) Olena Zaskochenko / Shutterstock
2017年08月08日コンプライアンスが厳しい昨今、“セクハラ”なども気をつけなければいけませんが、結構仲良しな職場の仲良しグループだと、エグい会話をしていることも多いですよね。エッチな冗談、からかいも言える楽しい職場!……とはいっても、超えてはいけないボーダーラインはあるものです。今回は、男子たちが後輩女子から届いて「さ…さすがにこれはマズイだろ」と思ってしまった衝撃のLINEエピソードを暴露しちゃいます。文・塚田牧夫サキのブラ!「会社の女子メンバーだけでお泊まり会をやるとか言っていて、“写真でも送ってよ”と言ってはいたのですが。どうやら泥酔しているようで、始末が悪い状態で。“山田! サキのこと好きなんだろう?”とかウザくからんでくるし、挙句の果てには、“サキのブラ!”とか、ペロンとシャツをめくって、写真付きで!さすがにこれはマズイだろと思ったのですが、あとで“ネットで拾ったエロ画像ですよ”とか言い訳してた。本当かな!?」山田(仮名)/33歳キスしたくなっちゃった「入ってきたばかりの新入社員ですよ。いろいろと指導していたんですけど、あとで感謝と質問LINEがきたんだけど、なんか途中で変な雰囲気になってきて、“筧さんって、本当に優しいですよね”“仕事もできるし、”“なんか、上司って感じがしない雰囲気”“ぶっちゃけ内緒ですけど、今日隣で教えてもらっていたとき”“キスしたくなっちゃった”だって!最後のはマズイだろ! しかも、そこだけなんかタメ口なのが、生々しくないですか? 最近の女子っておそろしー」筧(仮名)/31歳トップ処女あげます!「営業チームの新人の子がすごいヤリ手で。早くも成績トップを競っていたんだけど、どうしても1位になりたいらしく、人材派遣業だったので、それにはより良い人を紹介する必要がある。僕は登録している人たちを営業さんに割り振る立場だったんですが、ある日、そのヤリ手の子からLINEがきて、“マサキさーん。良い人、こっちへくださいー”と。“良い人、あげてるやん”と返したのですが、“まだたりない”“お願い”と。“規定どおりにしているだけだから”と言っているのに、“ウソ。”“ミナミさんに甘いの知っている”“私にも甘くして”“私がトップとったら、トップ処女あげます!”ときた……。おいおい。社内枕かよ…。期待の新人だけど、さすがにそこまでやるのは反則ですわ。ということで、一応人事に報告しておきました」マサキ(仮名)/34歳後輩女子からきて、「さすがにマズイだろ」と男子が思ってしまったLINEを3つご紹介しました。なんとも最近の若い子は元気というか肉食というか……。恐ろしいものです。(C) DK samco / Shutterstock(C) Forewer / Shutterstock
2017年07月17日WOWOWの連続ドラマ「ヒトヤノトゲ~獄の棘~」の完成披露試写会が3月8日(水)に開催され、主演の窪田正孝をはじめ、小澤征悦、萩原聖人、平山秀幸監督が舞台挨拶に登壇した。窪田さんが新人刑務官を演じ、閉ざされた刑務所内の知られざる世界を描き出す本作。死んだ父と同じ刑務官の職に就いた良太が剛腕と噂の法務省出身のエリートや清濁併せ呑む一面を持つたたき上げの先輩、受刑者ながら絶大な権力を誇る暴力団組長らクセ者たちに囲まれ、やがて刑務所のあり方に疑問を抱き始めるが…。窪田さんは、セットとはいえ精密に再現された牢獄での撮影について「独特の雰囲気が流れていた」と述懐。「一度、独房の中に入ったら、閉められてしまって出られなくなったことがありました。入ると内側はドアノブがないので、出られないんです。『こういう感覚なのか!』と思いました。鉄格子も本物で、重さがありました」とふり返る。良太の先輩刑務官でたたき上げの秋山を演じた萩原さんは「ムシムシした空気のなかで、男しかいなくて、しかも牢獄ですからね。気が滅入りそうだなと思ったんですが、そこは平山ワールドに素直に溶け込み、ストレスを感じることもなかったです」と語る。そして、劇中の剛腕かつ冷徹なキャリア官僚・名久井の雰囲気を全く感じさせない爆笑トークを引っ張ったのは小澤さん。真面目な雰囲気や作品の持つシリアスなムードに耐えられなくなったのか、現場の様子について、いきなり「窪田くんのセクハラがすごかった!」と告白。さらに窪田さんの印象をついて「初夏のリス」と謎めいたたとえで表現。「真っ直ぐな男で。『やっと夏がキター!うれしい!』ってのを内に秘めたリスです」「でもとにかくストイック」など、不規則発言連発で場を乱す。窪田さんが、現場の芝居のやり取りについて「男同士、肌で感じることが多かった」と極めて真剣に語るも、先の小澤さんの“セクハラ”発言のせいで、妙な誤解を生むことに…。小澤さんは「セクハラはないです(苦笑)。俺も(窪田さんの発言を)聞いててマズいな…と思ってました。みなさん、忘れてください!」と場を盛り上げようと口にしたひと言に後悔しきりだった。ちなみに、窪田さんについては萩原さんからも「とにかくストイック。めんどくさいなって思うくらい(笑)。普通のこと話してても、基本、最後は役の話になる」と役への真摯な姿勢に対する称賛が贈られたが、30歳以上年の離れた平山監督からは窪田さんについて「宇宙人」という声も…。窪田さんは「セクハラに初夏のリス、ストイックの次は、宇宙人?」と困惑しつつも、自身へのミステリアスな評価に「光栄です」と笑顔を見せていた。窪田さんは本作について「気づいたら、善悪の区別ができなくなる」と正義や善悪といった価値観が見方によって入れ替わっていく面白さを説き「実生活に置き替えられる部分もあり、大切なものについて気づかせてくれる」とその魅力を語っていた。連続ドラマW「ヒトヤノトゲ~獄の棘~」は3月19日(日)より放送開始。(text:cinemacafe.net)
2017年03月08日2017年2月6日に放送された『情報ライブ ミヤネ屋』で、司会の宮根誠司さん(53)が小池百合子都知事(64)のことを「ババア」と呼ぶ一幕があり、これが物議を醸しています。番組では、5日に投開票された東京都千代田区長選挙を取り上げ、 小池都知事の女性人気についても言及。人気の高さについてコメンテーターの梅沢富美男さんは、昨年行われた都知事選の際に石原慎太郎さんが小池さんのことを「大年増の厚化粧」と発言したことを取り上げ指摘しました。これに対し宮根さんは『だってババアじゃん!』と発言。これには話題を提供した梅沢さんも驚いたようで、苦笑する様子を見せました。アナウンサーとしての発言とは思えない「ババア」発言に、批判が殺到しています。●宮根アナの「ババア」発言に疑問の声宮根さんが番組中に、小池都知事のことを「ババア」呼ばわりしたことについてネット上では、『これはアナウンサーとしての発言とは思えない』『バラエティ番組と勘違いしてない?面白ければいいとか思ってそう』『こんなの立派なセクハラだろ。常識ってものがないのかな?番組降板してほしい』『最近調子乗りすぎ。もうこいつ見たくないわー』『お前もジジイだろ!何様のつもりなんだよ!』『頭悪そうにしか思えないからこんなこと言わない方がいいと思いますけど…』『思いついたことすぐ言っちゃうとかガキかよ』『もう老害だな。みんなでクレーム入れて降板させよう』『これ番組内で言ったってこと?ありえなくない?普通に引くんだけど…』『強がってるけど小池さんの前ではぺこぺこしそう(笑)』など、番組内での発言として許されるものではないという声が多く聞かれました。歯に衣着せぬ発言で人気を集めてきた宮根さんですが、ときおり視聴者の批判を買うことも少なくありません。今回の発言も、公共の電波にのせるものとしては不適切だったと言えるでしょう。【画像出典元リンク】・宮根誠司オフィシャルブログ「ブログ屋」Powered by Ameba/●文/ぶるーす(芸能ライター)
2017年02月08日もういくつ寝るとお正月。初詣のお願い事はもう決まっていますか?無病息災、交通安全、商売繁盛、そして何より良縁成就。だがしかし!良縁を引き寄せるためには、悪縁を断ち切っておかなければならない、ということも忘れてはなりません。そこで今回は、「縁切り神社」と呼ばれる神社についてのお話を。家を大掃除して福を呼ぶように、自分の幸せを邪魔している目に見えない何かをサクッと片付けようではありませんか!◆神様に○○と縁を切るサポートをしてもらおう神社にはそれぞれ得意とするご利益がありますが、「縁を切る」なんてちょっと怖い気も。ですが、「病気」や「ギャンブル」、はたまた「ブラック企業」「ストーカー」など、困ったアレコレと縁を切ることで幸せがすんなりやってくる、ということで、縁切り神社の参拝客は後を絶ちません。なるほど、自分の幸せを邪魔しているのは何か、を冷静に見極めること自体も大切ですよね。さて、2017年こそ良いご縁を!ということで、悪縁とサヨナラできると評判の全国の神社をピックアップしてみました!◆だめんず対策は東の『お岩さん』・西の『崇徳天皇』◎於岩稲荷田宮神社関東の縁切り神社、と言えば、四谷怪談で有名なお岩さんを祀った『於岩稲荷田宮神社』(東京都四谷区)。実際には四谷怪談は創作話であり、ここでお祀りされているのは実在した良妻賢母の鑑のような女性だったそうです。とはいえ、お岩さん、ってだけで、何か強力なパワーがありそう…。そして実際に、ここにお参りして縁切りを実現した人も多いのだとか。女性をお祀りしているだけあって、だめんずとの縁を切り女の幸せを手にするためには、力強い味方になってくれそうです。◎安井金比羅宮一方、京都の『安井金比羅宮』は、縁切り神社の中でも国内最強と言われる神社。私生児に生まれ一時は天皇となるもその座を追われ、失意のうちに亡くなり怨霊となった崇徳上皇をお祀りしています。そのパワーは凄まじく、良からぬ恋人との縁切りだけでなく、パワハラ・セクハラ・不倫に病気に借金にと、マルチな縁切りパワーなんだとか…。境内も、他の神社仏閣とは一味違った空気が流れているそう。本当に困ったら、ここに行くしかない!?◆ストーカー対策は絶縁神社『野宮神社』源氏物語にも登場する野宮神社(京都府)は、憑き物のようなストーカーやセクハラ被害など、自分ではどうにもならない悪縁を切るのに絶大なご利益があるのだそうです。光源氏のことが好きすぎて、嫉妬のあまり生霊となって次々に光源氏に近づく女性に取り憑き、死に至らしめてしまった六条御息所。そのことに悩んだ彼女は、キッパリと光源氏を諦めるために野宮を訪れ、源氏に別れの和歌を詠みました。このエピソードもあって、行き過ぎた情念を祓い落とす神社として知られるようになったのだそうです。◆不倫を清算する神社、略奪する神社不倫に関する縁切り、というと、二種類あると思うんです。一つは、自分が相手と縁を切り不倫を清算する方法。もう一つは、不倫相手と奥さん(あるいは、夫と不倫相手)の縁を切ってしまう方法。一つ目は、自分が「不倫を精算して新しい人生を始めるんだ!」という強い意思を持ち、縁切り神社にてお参りをすればOK。なおかつ、良縁に恵まれるよう縁結びの祈願もしてくると良さそうです。一方の奥さんとの縁を切ってもらう方法は、なかなか難しいのだとか…。神社での縁切りは基本的に本妻の味方であり、愛人サイドから本妻を追い出し略奪する祈願には弱い、という説もあるようです。でも、そんな願いを叶えてくれる神社ももちろんあるわけで…。有名所では東京都の『縁切り榎』。神社というか、パワースポットと言えるでしょうか。この縁切り榎を訪れ、絵馬を書いて参拝するとご利益が得られるのだとか。かつて江戸遊郭のど真ん中にあったこの榎には、遊女たちが「お客が本妻と別れて身請けしてくれますように」と願をかけていたのかも。◆全国の有名縁切りスポットをご紹介縁切り、というとなんだか恐ろしいような気もしますが、良縁を招き幸せになるためには必要なステップなのかもしれません。ただ、縁切りの神様は少しばかり強引、という話を聞きます。ご利益をいただいて悪縁が切れる時は、波乱に次ぐ波乱に振り回される、なんてこともあるのだそう。でも、後になって考えれば「あの出来事がなければ今の幸せはなかった!」と思えるんですって。最後になりましたが、各都道府県で代表的な縁切りの寺社、及びパワースポットをリストアップ!2017年は素晴らしいご縁をいただくためにも、「○○と縁を切りたい!」という意思と覚悟を固めて、お参りに行ってみてはいかがでしょうか。【全国・縁切りパワースポット】北海道北海道神宮青森県恐山菩提寺岩手県中尊寺宮城県雄島渡月橋秋田県塩湯彦鶴ヶ池神社大湯環状列石山形県立石寺總宮(そうみや)神社福島県橋場のばんば茨城県大杉神社栃木県門田稲荷神社日光二荒山神社群馬県満徳寺埼玉県鴻神社千葉県本光寺縁結び大社東京都陽運寺豊川稲荷東京別院於岩稲荷田宮神社神奈川県東慶寺江島神社新潟県白山神社富山県総持寺石川県貴船神社福井県護国神社山梨県穴切神社朝気熊野神社長野県貧乏神神社岐阜県千代保稲荷神社静岡県神場山神社愛知県津島神社三重県石神さん神明神社弥勒院善福寺滋賀県多賀神社浄土寺地蔵笠石仏京都府安井金比羅宮野宮神社菊野大明神橋姫神社瑞光寺鉄輪の井戸大阪府生國魂神社鎌八幡高津宮兵庫県敏馬神社奈良県不空院和歌山県飛鳥神社熊野連玉大社鳥取県万正寺島根県佐太神社田中神社岡山県最上神社広島県厳島神社山口県白崎八幡宮徳島県賢見神社香川県金刀比羅宮愛媛県医座寺高知県龍王院宗圓寺福岡県野芥縁切地蔵尊愛宕神社御井寺・縁切りの塔佐賀県祐徳稲荷神社高野寺長崎県稲佐山熊本県宝来宝来神社大分県萩原稲荷神社宮崎県芝原神社上野神社鹿児島県梅が縁不動堂沖縄県末吉宮天久宮ライタープロフィール石村佐和子エディター・Webディレクターを経て、結婚、出産後、フリーライターに。微妙に偏った恋愛経験を持つ、アラフォー二児の母。好きなことはモノ作り、工場見学、カフェ巡り。将来は陶芸などしながら優雅に暮らしたいと目論んでいます。
2016年12月26日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。わが国で『セクシャルハラスメント』(以下“セクハラ”と略す)という言葉が一般的に使われるようになったのは1989年の新語・流行語大賞の新語部門でこの言葉が金賞を受賞したころからだったかと記憶しています。そのころと比べればずいぶんと世間のセクハラに対する目は厳しくなり、女性が理不尽な不快感に苦しむことの少ない社会にはなったように思います。しかし、筆者が最近気になっているのは“限りなくパワハラと一体化したセクハラ ”で、絶対的に優位な立場を利用して卑劣な行為を行う人を見ていると同じ男性としてとても情けない気持ちになってしまいます。都内でメンタルクリニックを開院する精神科・心療内科医のT先生は、『パワハラ一体型のセクハラが原因で適応障害などの大事(おおごと)に至ってしまう前に一度、心療内科の医師のところへ相談にきてほしい』と言います。子育ても一段落してパートやアルバイト、派遣といった形でまた働いてみようと考えておられる女性のみなさんにも参考にしていただければ幸いです。●セクハラ被害の相談件数は、派遣労働者のほうが正社員の3倍以上も多いT先生が言う“パワハラ一体型のセクハラ”とは、これまでも「対価型セクハラ」などと呼ばれてきた“職場における階級の優位性を利用して下位にある者に対して行う性的なハラスメント行為 ”に近い概念です。製造業などの作業現場で監督・指導をする立場にある上司が、作業スペースの狭さを利用して作業員の女性に体を密着させてきたりすることもこれに当たるでしょう。セクハラ自体が本来パワハラの一種であるとする考え方もありますが、筆者が近年この“限りなくパワハラに近いセクハラ行為”が目立つのではないかと感じていることには統計的な裏づけもあります。厚生労働省が公表している『個別労働紛争の相談状況』や『派遣労働者実態調査』の直近の数字と、総務省が実施している『労働力調査』の雇用形態別雇用者数の数字などから算出すると、2014年以降のセクハラ被害の相談件数は派遣労働者で正社員の実に3倍以上も多い ことがわかっています。そのため、近年のセクハラは“単に性衝動に基づいたもの”と考えるより、“パワハラと一体化したもの”の方が多いと考えた方が自然だからです。よほどのことがない限り無期限の雇用を保障されている恵まれた人たちによって、景況や業績といった理由で企業側の都合でいつ雇用契約を打ち切られてもおかしくない非正規雇用という弱い立場で働いている人たちが、理不尽で不快なセクハラ行為の被害に遭っている。そうだとすれば、これは看過できないことなのではないでしょうか。●左手薬指のダミー指輪の効果も今は昔、既婚女性こそセクハラ被害に遭いやすい傾向がしかもこうした“パワハラ一体型セクハラ”の加害者となっているような相対的に上位の職責にある人たちが、ここ数年来の傾向としてセクハラ行為の対象を“未婚女性”から“既婚の女性”へも広げてきている ことが、このタイプのセクハラ問題をより深刻化させていると、前出のT先生は指摘しています。『たとえば以前であればセクハラ行為の主たる被害者であった未婚の女性が、わざとダミーの指輪を左手の薬指にすることでセクハラ被害に遭う危険性を減らすことに効果がありました。「既婚者の女性と、面倒なことにはなりたくない」といった思いが加害者側にあったからです。ところが最近は、「既婚の女性の方がセクハラ行為に対して我慢強い 」みたいに相当身勝手な思い込みを抱いているセクハラ加害者が増え、ダミーの指輪のようなセクハラ撃退法が功を奏さなくなりつつあります』このようなお話を日頃からセクハラ被害の相談に携わっている医師の口から聞くと、パワハラと一体化したセクハラというものは被害者の“生活”という人の暮らしの根源的な部分の弱みに乗じているため、かなり質(たち)の悪い ものであるような気がしてきます。しかしそれでも、『対処法はある』と、T先生は言います。●パワハラ一体型セクハラの加害者は自分の立場が揺らぐことが何よりもこわい『パワハラと一体化したセクハラ行為をする人は、被害者である非正社員の女性が抗議をすることはあっても“雇い止め”につながりかねない法的な手段にまで出ることはまずないだろう と高をくくっています。非正規雇用の人にとっては数か月とか半年の単位でやってくる雇用契約の期限のときに会社側が「この人は面倒だ」と感じるような状態にあれば、雇用契約を打ち切ることに会社側には現行法上何の非もないため、適当な理由でもって雇い止めにしてくれるだろうと思っているからです。したがって法的に闘う場合にはセクハラ上司が明らかに法に触れる行為をしているという証拠の収集 が必要で、これは次の職場を探しておく必要がある非正社員のセクハラ被害者にとってはかなりの負担になります。一方、パワハラ一体型セクハラへの対処法として、法的な手段ではなくわれわれ医師に相談していただくという方法が存在します。この場合法的に“闘う”のとはちょっと違って、被害者の心身の健康を“守る” という感じの対処の仕方になります。パワハラ一体型セクハラの被害者にはストレスからくる集中力の低下、不安感、恐怖感、抑うつ感、イライラ感、わけもなく涙が出る、喉の異物感、頭痛、胃痛などの心療内科的な症状が伴うため、医師の立場で患者を守るというスタンスの対処法です』(50代女性/前出・心療内科医師)T先生はこう言い、具体的には次のような段取りの対処法をおしえてくださいました。パワハラ一体型セクハラの被害に遭ってしまったときには、(1)事態をできるだけ落ち着いて省み、自分には非はなく悪いのはセクハラをする上司の方である ことをまず自覚する(2)その上で、セクハラ上司の上司にあたる立場の人の中で、できるだけ信頼がおけ自分の話をきちんと聴いてくれそうな人は誰かを選定する(3)(2)ができたらわれわれ医師の方で事態の改善に有効と考えられる診断書を書きますので、(2)で選定した“セクハラ上司の上司”に診断書を携えて 相談してくださいパワハラ一体型のセクハラをする加害者は自分の立場が揺らぐことが何よりもこわいため、このような対処法が有効であるというのがT先生の見解です。その点が“単に性衝動に基づいたセクハラ”と質的に区別されるということでした。なお先生によれば心療内科や精神科のほか、レディースクリニックやウイメンズクリニックのような看板を掲げている医療機関であればほとんどのところでセクハラの相談にのってくれるとのこと。法務関連の専門機関と連携しているクリニックもある とのことです。自分の立場の優位性や自分が手にしている権力をいいことにパワハラ一体型のセクハラをしてくるような上司に、泣き寝入りをつづけることはありません。●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2016年11月15日今の仕事は好きだけど、職場内にセクハラしてくる上司がいるのが唯一の悩み…と思っている女性も少なくないようです。社内のセクハラ変態おじさんをうまく回避して仕事に集中できる環境を整えたいというのは共通の夢でしょう。そこで今回は、社内でセクハラ被害を受けている女性に向けた、セクハラ上司の回避方法を紹介していきます。■セクハラだと理解していないケースも多いまず、セクハラ問題で重要なのは、相手側がセクハラをセクハラだと認識しているかどうかということ。セクハラをしている男性の中には、自分がしていることがセクハラだと理解していないというケースも少なくないのです。身体を触ることだけがセクハラではありません。たとえば、性的な質問をしてきたり、体型のことを指摘してきたり、恋愛事情に首を突っ込んできたりというのも、セクハラに含まれるのです。女性側が不愉快に感じるのなら、それはセクハラ。上司がセクハラだと認識していないようなら「それ、たぶんセクハラですよ?」と伝えることから始めましょう。セクハラだとわからないまま続けていた人なら、その言葉をきっかけにピタリとセクハラを辞めてくれるというケースも多いようです。 ■周りに気づかれないようにこっそり伝えることセクハラだとわかっていながらそれを続けてくるセクハラ上司なら、2人だけのときにこっそりと不満を伝えてみてください。嫌がらないから触っても大丈夫という考え方をする男性もいますので、「抵抗しないから受け入れているんでしょ?」と思っているのかもしれません。まずは上司に「触られるの嫌なので…辞めてもらえますか?」などと下手にでて、不愉快に感じていることを伝えましょう。ここで強気に出てしまうと、逆上させてしまったり、悪いうわさを流されたりと、あなたにとって不利な状況になってしまうかもしれません。面と向かって言えないのなら、メールや電話などの連絡ツールを使って伝えるようにしましょう。■シラを切る場合は証拠があることを伝えた方が吉セクハラ上司の中には、自分の立場などを考慮して、セクハラを指摘されても「え? セクハラなんてしないよ?」とシラを切ろうとするケースもあります。そういうタイプのセクハラ上司には、証拠を武器にするべきです。強気に出るのではなく、「証拠はあるのでやめてください」と穏やかな対応を見せるのがカギとなります。相手は自分の地位や名誉、信頼などが失われることを恐れ、あなたに近づかなくなるでしょう。どうしても改善されないのなら、相談機関を利用して的確な対処法を教えてもらってください。円満に働くためにも、波風を起こすことなくセクハラに対処しきたいですね。
2015年09月04日コミュニケーションだと思っていたちょっとした会話や、悪気はなくて良かれと思った叱咤の言葉がセクハラやパワハラになることも多々あります。今回は、アディーレ法律事務所の弁護士・篠田恵里香先生にそのボーダーラインについて詳しく教えてもらいました!●「休日は何をしているの?」がセクハラに!?――「休日は何をしているの?」は、上司との会話によくあるセリフのように思えますが、これもセクハラになると聞きました。「上司にとっては何気ない質問かもしれませんが、『休暇の予定を聞く』という行為は、過度にプライベートなことを詮索する行為。ケースバイケースではありますが、セクハラの要素があるとされているので、この一言で訴えられてしまう可能性もあります。休日の予定は会社の仕事とは無関係ですから、そこに興味を示す行為自体がNGなんです。もちろん、『彼氏いるの?』『休日はデートかな?』というセリフも同様。ただ、『次の休日に臨時出勤してほしいんだけど、休日の予定はまだ都合つくかな?』といった質問は業務上の合理的必要性が認められますし、プライバシー詮索の意味合いが薄れるのでセクハラには当たらないでしょう」(篠田恵里香先生、以下同)――では、聞かれた場合はどう返すのがベストなのでしょうか。「もし、何度も休日の予定を聞かれたとしたら、必要以上に重く受け止めず軽く流すとよいでしょう。こういった上司の場合、『映画に行きます』などと特定の予定を返すと、『誰と?』とさらなる詮索につながりますので、オススメはしません。あまりにしつこい場合は、明確に『あまり私生活を詮索されるのは苦手なんです』と抗議するのもよいでしょう。とはいえ、なかなか上には言いにくいという人もいますよね。そういう場合は、厚労省は会社に相談窓口を設置することを各企業に義務付けていますので、そこに相談することが大事です。この抗議を機に、弁護士を立てて明確に抗議することや法的手段をとることも可能です」●「子どもはいつ?」「子どもは産んだほうがいいよ」 もタブーなセクハラ発言!――結婚したあと、すぐに聞かれる子ども問題。夫婦それぞれに計画や事情があるのに、何も考えず聞いてくる上司は多いですが、どうすれば良いか教えてください。「基本的に出産に関する意見を告げることも、個人の領域やプライベートに過度に介入する行為としてセクハラの典型例とされています。子どもについては、『いつ何人子どもが欲しいか』といった夫婦の意向や夫婦間での性交渉をどのくらいの頻度で行うかにも関わりますし、そもそも『子どもが欲しいのになかなかできない』という女性もいるわけです。なので、出産に関する意見を述べることは女性にとって少なからず嫌悪感を与えるものと考えられています。しかし、聞いた上司は良かれと思って聞いていることもあります。だからこそ、目くじらはあまり立てたくないですよね。そんなときは、今後、何度も聞かれないようなセリフを返すのがベストです。もし明るくいくのであれば、『子どもができたらご報告しますね』と、かわすのもよいでしょう。また、少々、雰囲気が気まずくなっても今後の質問を防ぎたいのであれば『ナイーブな問題なのであまり触れられたくないんです』や、『子どもが欲しいけどなかなかできないんです』など、暗い表情で伝えると、その後『あまり触れたら悪いな』という意識を持ってくれるかもしれません。上司としても、不快な思いをさせるつもりではなかったのであれば、その後は発言を控えてくれるでしょう。一方、意識的に嫌がらせとして発言している上司であれば、セクハラ窓口や上層部に相談するか、弁護士にご相談いただき、今後の方針を考えるのが良いでしょう」●「お前は何をやってもダメ!」機嫌で態度が変わる上司の発言は典型的なパワハラ!――その日の機嫌によって態度が変わる上司もいますよね。そういう上司に「お前は何をやってもダメ!」「こんなことも知らないの!?」と言われたことがある人も多いようです。どう対応すれば良いか教えてください。「これらの言葉はれっきとしたパワハラに値します。業務上の処理で部下が失敗し、これに対して指導教育する意味で、それが合理的な指導の範囲内の行動であれば、上司の“叱咤”も指導の一環として許容されるのは当然です。ただ、不相当にその労働者を侮辱する行為や、うっぷん晴らしのように当たるケースであれば話は別。実際に失敗をしてしまったとしても、その失敗を改善するための必要な範囲内の指導を行うのが上司の仕事であり、『何をやってもダメだ』とまで言う必要はありません。さらには、ほかの同僚の面前で大声で叱る、何度も同じ失敗について文句を言うなどの事情が加われば、相当パワハラの度合いが強くなります」――そういう上司には、どう接すればいいのでしょう。「こういった上司には『当たらないでください』と抗議しても火に油を注ぐだけです。まずは上層部に相談して、上司の勤務態度を改めてもらうことを考えましょう。言いにくいかもしれませんが、我慢し続けることによって精神的に滅入ってしまえば元も子もありません。また、叱り癖がついている人は感覚が麻痺していて、自分では気づいていないケースが多いんです。上司の行動が『パワハラ』であることを告げて、自身の違法行為を認識してもらうことが大事です」とても身近にあるデリケートなセクハラ&パワハラ問題。1人で悩まず、すぐに上層部や担当窓口などに相談することが大事なようですね。<文・取材/吉田可奈、取材協力/弁護士法人アディーレ法律事務所>
2015年07月21日