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近鉄では、沿線の地域を盛り上げるため、8月17日(土)に南大阪線の針中野駅にて、セレッソ大阪、駒川商店街振興組合および長居植物園など、地域の関係者と連携して「セレッソ大阪キックボーリング」や「缶バッチ作り体験」などのイベントを実施します。イベント当日は、セレッソ大阪アンバサダーの勝矢寿延氏と酒本憲幸氏にも参加していただき、駅に設置するセレッソ大阪応援フォトスポットや、セレッソ大阪のマスコットキャラクター ロビーのフィギュアで装飾したお客さま対応インターフォンのお披露目会も行います。近鉄では今後も、沿線関係者と連携し、積極的な地域貢献活動を行い、皆さまから親しまれる企業を目指します。詳細は以下のとおりです。セレッソ大阪アンバサダー(左:勝矢寿延氏 右:酒本憲幸氏)セレッソ大阪ロビーフィギュア(イメージ)【地域の関係者と連携したイベントの概要】1.日時:2024年8月17日(土) 13時30分から17時00分まで2.場所:針中野駅2階コンコース イベントスペース“HITONO-WA針中野”3.内容:(1)セレッソ大阪キックボーリング参加条件 ピンク色の物を身に着けているもしくは近鉄定期券保有者参加特典 ヨドコウ桜スタジアムピッチ内での記念撮影券 1名ロビー焼印ミルクパン 30名、ひまわりの苗 70名駒川商店街500円クーポン券、セレッソ大阪ステッカーを参加者全員にプレゼント(2)長居植物園による押し花の缶バッジ作り体験ロビーのイラストと花びらを使用した押し花の缶バッジ作り参加条件 長居植物園電子チケットサイトの会員登録された方(スマートフォン必要)押し花の缶バッジ(イメージ)4.参加人数 :(1)100名 (2)84名5.参加方法 :現地にて時間指定整理券を配布配付時間:12時30分(13時30分~14時00分)13時30分(14時00分~15時00分)14時30分(15時00分~17時00分)6.協力:セレッソ大阪、駒川商店街振興組合、長居植物園、株式会社ダイヤ【セレッソ大阪応援フォトスポットの概要】1.設置場所:南大阪線 針中野駅2階改札外コンコース2.設置内容:セレッソ大阪ロビー等身大パネル、セレッソ大阪試合情報など【セレッソ大阪ロビーフィギュアの概要】1.設置場所:南大阪線 針中野駅2階改札口2.用途:お客さま対応インターフォンセレッソ大阪マスコットキャラクター ロビー【お披露目会の概要】1.日時:2024年8月17日(土) 13時00分~2.場所:南大阪線 針中野駅2階改札外コンコース3.内容:セレッソ大阪ロビーフィギュア及び応援フォトスポット除幕、記念撮影4.参加予定者:セレッソ大阪アンバサダー 勝矢寿延氏、酒本憲幸氏、ロビー大阪阿部野橋駅駅長 新澤 数巳【記念入場券の概要】1.発売日時:2024年8月17日(土)13時30分から17時00分まで2.場所:南大阪線 針中野駅2階コンコース 改札口付近3.内容:針中野駅コラボ記念入場券※入場券お買上の方に記念台紙をプレゼント4.発売額:180円5.発売数量:200枚(記念台紙イメージ)【その他】8月17日(土)限定で、駒川商店街ココロホールに設置しているシェアサイクル(HUBchari・1回利用165円~)の自転車が追加配置されますので、駒川商店街から長居公園、ヨドコウ桜スタジアムなどへの移動が便利になります。(※台数制限有り・要アプリ登録)(以 上)【参考】 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年08月08日冬休みを取得されている方も多い時期ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。本日は、ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト「サカイク」で2023年8月から12月に配信した記事の中でみなさんの注目度が高かったチーム・トレーニング関連記事をランキングでご紹介します。子どもへの接し方をはじめ参考になることがたくさんありますので、記事配信当時に見逃した方も、いま一度ご覧ください。第3位初出場で準優勝、ソレッソセレクトが普段別のチーム所属の子たちによる「選抜チーム」を大舞台に送り出すために心がけたこと第3位は、現在開催中のJFA 第47回全日本U-12サッカー選手権大会でも決勝に勝ち上がる等、注目のソレッソ熊本の記事。今夏のワールドチャレンジでは初出場で準優勝。セレクションを実施しないクラブながら、今年U-12、15ともに夏の全国大会で準優勝と注目を集めるチームが、急造チームのメンバーを大舞台に送り出すときに心がけたことに関心が集まりました。大きな舞台で選手たちに緊張がある中、子どもたちが思い切りプレーするためにコーチたちはどのような心構えでいたのか、参考にしてください。記事を読む>>サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!第2位「止めて蹴る」ではなく「止めながら運ぶ」へ 止める蹴る運ぶのクオリティを高めるためにセレッソ大阪が取り組むこと第2位は、ワールドチャレンジで伺ったセレッソ大阪U-12が、海外チーム(バルサ)を見て感じた課題についての記事でした。「とめる、蹴る、運ぶ」といったスキルをどう身に付けさせるか、というのが日本の小学生年代の課題だと思っていたら、育成の名門バルセロナはそれを動きながら実践していたこと、日本の同年代でもそのような動きができるようにしないと......といったお話は、育成年代の現状を知りたい方や世界との差に興味がある方の注目を集めました。選手たち自身が対戦して感じたバルセロナの選手の違いも伺っているので、改めてご覧ください。記事を読む>>第1位レベル差があるから学年ミックスのグループ分けを検討するも、保護者から「劣等感を抱く」と反対が......。レベル差のあるチームの指導、どうすればいい?第1位は、学年ミックスでのレベル別チーム分けに対する指導者の悩み。1~7月のランキングでも技術差による学年ミックスに対しての悩みがランクインしており、指導者・保護者の皆さんにとって大変関心が高いことが分かりました。セレクションのないチームなどは、上手い子にもサッカー経験が浅い子にも、どちらにも「サッカーって楽しい」と思ってほしいという意図で学年ミックスでレベル別に分ける運営をして、保護者にも好評のチームもあります。最近は学校の授業などでも一部の教科でレベル分けクラスを実施しているところもあり、保護者の方にもだいぶ受け入れられてきているようですが、地域などによっては、まだまだ理解してもらうのが難しいケースもあるようです。チームとして全員が協働し、上手くなるためのやり方を池上さんが回答していますので、ご覧ください。記事を読む>>いかがでしたでしょうか。これからも親御さんご自身が考えるきっかけになったり、チームがよくなるきっかけになる記事を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2023年12月28日U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで決勝トーナメントに進出し、ラウンド16でFCバルセロナと対戦した、セレッソ大阪U-12。10番の石渡悠吏選手を中心に、バルサの攻撃を粘り強く跳ね返していましたが、0-3で敗れました。セレッソのみなさんは、バルサと試合をしてみて、どのようなことを感じたのでしょうか?試合後、久川直裕監督(以下、久川)と選手たちに話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:高瀬波音也)試合の感想を語ってくれた選手たち(C)高瀬波音也<<関連記事:今年も熱い試合がたくさんあったワールドチャレンジ2023を振り返る■バルサは次の目的を持ちながらボールを受けている対戦してみて分かった自分たちとの違い――バルセロナ戦の感想を聞かせてください。久川子どもたちも言っていましたが、止める蹴る運ぶという、こだわをりを持ってやっているところが出せませんでした。どれぐらい通用するかを試してもらいたかったのですが、運んだら取られるのではないかと、怖がっている部分もありましたね。バルセロナと対戦してみて止める蹴る運ぶの質の高さを実感したと語った久川監督(C)高瀬波音也――セレッソのアカデミーでは「止める蹴る運ぶ」にこだわっていますが、バルサの質に関してはどう感じましたか?久川バルサの選手は、プレーの次の目的を持ちながらボールを受けていますよね。うちの子達は、とりあえずボールを受けるといった感じで、止めるという一つのことはできるのですが、その先の二つ三つまで、意識するところが少なかったのかなと思います。あそこにボールを出したいからここに止めるとか、目的があって、そのために体の向きやボールを止める場所があるわけで、その部分で質の違いを感じました。これからの課題にしていきたいです。サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!■止める蹴る、運ぶのクオリティを高めるための今後の課題――止める蹴る運ぶのクオリティを高めるために、普段どのようなアプローチをしていますか?久川止める蹴る運ぶをバラバラに取り組むことも、混合させたトレーニングをすることもあるのですが、もう少し「止めて蹴る」ではなく「止めながら運ぶ」「運びながら蹴る」といったところが出せればなと。そこが今後の課題ですし、僕にとってもいい勉強になりました。――セレッソのアカデミーで目指す姿はどのようなものですか?久川一番は技術の向上です。もちろん年齢が上がればスピード、パワーも必要になってはきますが、まずは技術を向上させて、個人で戦える選手を育成したいと思っています。■ワールドチャレンジは世界を垣間見ることができる大会――去年に続くワールドチャレンジの出場ですが、大会の意義はどう感じていますか?久川ワーチャレは世界を垣間見ることのできる大会です。僕自身、ワーチャレで感じたことを子どもたちに伝えながらやってきました。大事にしていることは去年も今年も同じなので、それをどれだけ突き詰めてできるか。彼らの今後の成長に期待したいです。■選手たちはバルサとの対戦をどう感じたのかバルセロナとの試合後、選手に話をうかがいました。インタビューを受けてくれたのは中杉環くん(11番)、石渡悠吏くん(10番)、大村憲心くん(8番)、藤田大智くん(7番)、梅本淳正くん(6番)、泊樹佑くん(4番)■バルサは止める蹴る、運ぶの一つひとつが上手かった――バルセロナと試合をした感想を聞かせてください。中杉バルセロナは広がってプレーしていて、真ん中で引きつけた後にボールを戻して、次にサイドを使ったりと、常に遠くを見ながらプレーしていました。もっと縦と中を切って守備をすれば良かったです。ポジショニングの微調整が大事だと思いました。石渡バルセロナは真ん中にボールをつけて戻して、サイドに振ってから縦に突破することが多かったです。2人の間を強引に割られて危ない場面があったので、次に生かせるように頑張りたいです。大村バルサは止める蹴る、運ぶ、一つひとつのプレーが上手くて、いろんなところが見えていました。藤田一人ひとりが強くて、何人かでボールを取りに行っても抜かれるし、一つのミスが大きなピンチになってしまうので、これからはミスを少なくしていこうと思います。梅本フィジカル面が自分たちと違って、世界レベルで速かったです。自分たちが守備をしていても、バルサは集中が切れた隙を逃がさず、攻撃してきました。泊個人能力が高くて、3人で囲んでも取れないこともあったので、ひとりでも取れるようにディフェンスを高めていきたいです。■バルサとの対戦を今後どう生かすか――バルサと試合をした経験を、今後どう生かしていきたいですか?中杉ワンタッチの質を上げて、駆け引きして、一歩外れて、持ちすぎずにはたいてもう1回受ける回数を増やしていきたいです。石渡1人でも守れるように強く行って、ボールを取り切り、前に繋げられるようにしたいです。大村バルサみたいに一つひとつのプレーが上手くなれるようにもっと練習して、試合で生かせるように、頑張りたいです。藤田攻撃のときにもっと落ち着いボールを回して、何人かでパスを回して、ゴール前まで行って決めきることができるようになりたいです。梅本体で劣っていても、技術で勝るために磨いていきたいです。泊バルサよりも上というか、どのチームにも通用する技術を身につけたいです。ワールドチャレンジ2023決勝戦の動画はこちら>>ワールドチャレンジ2023の記事はこちら>>サッカーにおける認知・判断を高める賢いサッカー選手を育てるトレーニング
2023年09月05日森ノ宮医療大学(大阪市住之江区)は、9月1日(金)にセレッソ大阪とオフィシャルスポンサー契約を締結しました。また、一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブとヨドコウ桜スタジアムパートナー契約を締結しました。本締結に伴い、セレッソ大阪のホームスタジアムであり、2021年にリニューアルされた「ヨドコウ桜スタジアム」のメインスタンド南ゲート(「森ノ宮医療医療大学ゲート」の呼称権を伴う)に本学看板が設置されました。これまでセレッソ大阪とは、本学の所在する咲洲の隣、舞洲にクラブハウスができた2013年当初から、南港地域の活性化等に関わる活動を共に行ってきました。今後も、学生の学びや地域の方々への貢献につながる取り組みを続けて参ります。●ヨドコウ桜スタジアムHP ●セレッソ大阪オフィシャルHP 学長コメント森ノ宮医療大学は、優れた医療人を育て輩出し、医療を通じて社会貢献を目指す、関西最大級の医療系総合大学です。このたび森ノ宮医療大学は、関西そして大阪を代表するサッカークラブのセレッソ大阪様とオフィシャルスポンサー契約を締結し、ヨドコウ桜スタジアムメインスタンド南ゲートに広告を掲出することとなりました。2014年より学校法人森ノ宮医療学園としてセレッソ大阪アカデミー様の支援も継続してまいりましたが、今後もセレッソ大阪様をあらゆる面でサポートしたいと存じます。そしてセレッソ大阪様の発展とともに、本学も、在学生や卒業生、地域の皆様、そしてセレッソ大阪様をはじめとする多くのステークホルダーの皆様全員が誇れる大学となれるよう邁進して参ります。(森ノ宮医療大学 学長:青木 元邦)森ノ宮医療大学 presents サッカークリニック開催!9月9日(土)「セレッソ大阪スポーツクラブ」と協力して、年中~小学6年生向けの「サッカークリニック」を開催いたします。セレッソ大阪のサッカースクールコーチに直接ご指導いただける貴重な機会です。※申込は締切ました。<開催日>9月9日(土)1部 9:30~10:30(年中~小学2年生対象)/2部 10:45~12:00(小学3~6年生対象)<開催場所>森ノ宮医療大学グリーンスクエア森ノ宮医療大学は、多岐にわたる医療系専門職養成学科を擁する関西最大級の医療系総合大学です。各学部・各学科・専攻科・大学院はそれぞれ高度な医学教育・研究を展開しており、また専門領域の垣根を超えた横断的医療教育プログラムにより魅力的な多職種連携チーム医療教育を実践していきます。■看護学部:看護学科■総合リハビリテーション学部:理学療法学科、作業療法学科、言語聴覚学科(2024年4月開設)■医療技術学部:臨床検査学科、臨床工学科、診療放射線学科、鍼灸学科■大学院保健医療学研究科■助産学専攻科■森ノ宮医療大学附属 大阪ベイクリニック■森ノ宮医療大学附属 鍼灸臨床センター【関連リンク】・森ノ宮医療大学公式WEBサイト ・森ノ宮医療大学 高校生・受験生専用サイト ・森ノ宮医療大学公式YouTubeチャンネル ・森ノ宮医療大学公式X(旧Twitter) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月04日お子さんたちは冬休みの時期です。親御さんたちも年末年始はお仕事がお休みの方も多いのでは。本日は、ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト「サカイク」で2022年8月から12月に配信した記事の中でみなさんの注目度が高かった記事をランキングでご紹介します。今年は冬にワールドカップが開催され、日本が強豪国から勝利を挙げるなどサッカー熱が高まっているかと思います。このタイミングで、親子でサッカーについて話し合ったり、子どものサッカーへのかかわり方を見直すきっかけにしてください。第3位止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること3位はこの夏開催された、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022で取材したセレッソ大阪U-12の記事でした。セレッソ大阪のアカデミーの育成についてのお話、サカイクの読者も関心が高いサッカーの「止める・蹴る・運ぶ」が目的になってはならない理由とは。「止める・蹴る・運ぶ」の技術に特化するのではなく、「サッカーをする」上で大事なこと、Jクラブのアカデミーの考えをご覧ください。記事を読む>>サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!第2位たくさん練習することを「頑張っている」と喜ぶ親や指導者がいるけど、正しいの? 練習しすぎの影響を教えて2位は「練習しすぎ」の弊害について池上正さんにお話を伺った連載記事でした。たくさん練習すると上手くなる、と思っている方は多いですよね。「リフティングが何百回もできるようになったんです」「サッカーが好きすぎて練習後も数時間自主練してます」のように、時間や回数で評価する価値観をお持ちの方はまだまだいますが、毎日たくさん練習することでオーバートレーニングになるなど、心身の成長に影響はないか気になっている方もいるのでは?この記事では練習しすぎの弊害とともに、筋力アップやスキル習得のために必要な事についてもお伝えしています。成長期のお子さんを育てる読者の皆さんに、ぜひ知っておいてほしいことですのでご一読ください。記事を読む>>第1位「子どもが人質」だからと暴力暴言指導を黙認する親たち 当事者として子どもを守る方法は?下半期1位は、「暴力暴言指導を黙認する親たち」に向けた、当事者として何ができるかをご紹介した記事でした。未だに暴力暴言指導がある、旧態依然とした指導の背景には指導者たちが受けてきた教育が......と言った記事は多いですが、この記事では子どもが理不尽な指導を受けているのを「子どもを人質に取られて何も言えない」と黙認してはいけない、と伝えているところが読者の皆さんに共感をいただいたようです。「ひどい目に合っているのを知っているのに、うちの親、子どもを守る行動してくれなかった」と、子どもの心に刻み込まれないよう、保護者の皆さんができることをご紹介しています。子どもを守るために大人は何ができるか。今現在悩んでいる方だけでなく、お子さんをサポートしたいすべての親御さんにご覧いただきたい内容です。記事を読む>>【次点】上位3つに続いたのはこれらの記事でした。こちらも冬休みの間に改めてご覧ください。堂安律を輩出した関西の育成クラブ・西宮サッカースクールが「低学年のうちはパスを使わない試合もさせる」ワケTOP3に次いで見られたのは、ワールドチャレンジでの西宮サッカースクールへのインタビュー記事でした。関西有数の育成クラブとして知られ、堂安律選手を始めとするプロ選手を輩出しているクラブが低学年のうちはパスを使わない試合もする狙いは何なのか、伺いました。記事全文を読む>>息子を試合に出さない理由を、親がコーチに聞いてもよろしいか問題こちらの記事も惜しくもTOP3には入りませんでしたが、たくさんの方に閲覧いただきました。試合出場の条件にリフティングの回数を出したから、練習してチームで一番できるようになったのに、出場機会が減っている。子どもは5年生なんだけど、試合に出さない理由を親が問いただしても良いものか。というご相談へのアドバイスです。疑問や不満を持っているけど「試合に出るために何が必要なのか」指導者に質問できないお子さん、結構いるのでは?親が出る幕なのか、子どもに行動させる方がいいのか、記事をご覧になって考えてみてください。記事全文を読む>>いかがでしたでしょうか。これからも親御さんご自身が考えるきっかけになったり、チームがよくなるきっかけになる記事を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年12月28日8月下旬に開催された、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022。セレッソ大阪U-12は、9~16位決定戦で鹿島アントラーズノルテジュニアから4ゴールを奪い、4対2で勝利しました。試合を通じて「中央を攻める」プレーが印象的だったセレッソ大阪U-12の久川直裕監督(以下、久川)と選手たちに、話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)「中央を攻める」プレーが印象的だったセレッソ大阪U-12(C)新井賢一<<関連記事:バルサのPKを3連続ストップで勝ち上がったヴィッセル神戸を制し、malvaスクール選抜が優勝■アカデミーに変化をもたらした風間八宏さんの教え――4対2で勝ちました。試合の感想をお願いします。久川選手たちは暑いなか頑張ってくれて、僕らが大事にしている「止める・蹴る・運ぶ」の技術は発揮できたかなと思います。――セレッソのアカデミーに風間八宏さんが来られて、指導面の変化は感じられますか?久川はい。ユース、ジュニアユース、レディースと全国大会で優勝しましたし、選手たちの変化も含めて「ボールを大事にする」という面で変わったと思います。アカデミーとしては個人の技術を重視しながら、ゴールという目的を持つ中で、常に次のプランを持ってプレーすることを意識しています。■「止める・蹴る・運ぶ」はあくまでゴールを奪うための手段、それが目的にならないように――選手に話を聞くと、全員の口から「止める・蹴る・運ぶ」という言葉がスラスラと出てきました。久川子どもたちの中にその意識があるのは練習の成果かなと思います。ただ、止める・蹴る・運ぶはあくまでゴールを奪うための手段ですので、それが目的にならないように気をつけています。その技術を、試合のどこでどう使うのかを判断することが大事だと思っています。サカイク公式LINEアカウントでイベントや最新情報などをお届け!■足元の技術に特化するのではなく、相手を見てサッカーすることが大事――試合中のコーチングでは、周りを見ることの重要性を伝えていました。久川相手を見た上でサッカーをすることが大切で、それがあるからこそ、技術を発揮することができます。どうしても「止める・蹴る・運ぶ」の技術に特化してしまう子もいるので、相手を見ながらサッカーをすることや、相手の変化を感じること、相手の動きを見て逆を取ることができるようになることが大事だと思うので、そこを意識するような声掛けをしました。――得点場面のように、中央のスルーパスやくさびを入れて落としたりと、グラウンダーのパスを中心に、狙いを持った攻撃をしているのが見て取れました。その辺りは普段から意識しているところなのでしょうか?久川はい。僕らのコンセプトに、サイドよりも中央の、よりゴールに近いところから攻撃することがあります。ゴールを奪うためには、サイドに遠回りするのではなく、中央を攻めることが一番の近道です。だからこそゴールに一番近いところから、最短でゴールを目指すことを意識しています。■風間八宏さんが来てからよりゴールへの意識が向くようになった「止める、蹴る、運ぶ」を目的にしてはいけないと語ってくれた久川監督(C)新井賢一――風間さんは以前から「ペナ幅(ペナルティエリアの幅)」をキーワードに攻撃を構築していましたが、セレッソのアカデミーも重視しているんですね。久川はい。アカデミーでも、トレーニングから「ペナ幅」は意識させています。もちろんサイドを捨てるわけではなく、よりゴールに近いところ、ペナ幅でボールを受けて前を向くことや、相手が密集する中でも、ボールを受けることができる技術を身につけることが重要だと考えています。そのためにも、止める・蹴るの正確性とスピードを上げることに意識を向けています。――トレーニング自体も、風間さんが来る前と以降では、変わったのでしょうか?久川トレーニングメニューに関しては多少の変化があります。止める・蹴る・運ぶがメインになるのですが、より早く、ゴールを奪いにいく部分は少し変わったと感じます。今まではサイドを使ったり、時間をかけて崩す形が多かったのですが、「ゴールへの最短距離は中央だよね」と、より中央からゴールへ意識が向くようになってきました。■ワーチャレは生で海外のチームを見ることができるいい機会――ワールドチャレンジの意義については、どのように感じていますか?久川子どもたちにとって刺激になりますし、生で海外のチームの試合を見ることができるすごくいい機会だと思います。今年は海外のクラブと対戦ができなかったので、来年以降チャレンジしたいです。このサッカーをさらに熟成させて、またこの舞台に戻って来られるように頑張ります。■「周りの選手と関わるところ」が身についた選手のみなさんにも、試合の感想をうかがいました。大会を通じて個人ではパスやボールを止めることにこだわったという鈴木奏翔くん(C)新井賢一背番号10番MF・鈴木奏翔(すずき・かなと)――試合の感想を聞かせてください。鈴木ボールを止めて蹴るがしっかりできて、勝てたので良かったです。――大会を通じて成長したと感じるところは?鈴木チームとしては前に関わるところで、個人ではパスやボールを止めることにこだわりました。――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?鈴木練習では止めて蹴るをたくさんしているので、止める蹴るの技術は上手くなったと思います。――好きな選手は?鈴木メッシ選手です。FWとSBでプレーした伊東雅葵くんSBでは対人であまり負けなかったことが良かったと振り返った(C)新井賢一背番号7番FW/DF・伊東雅葵(いとう・あおい)――試合の感想を聞かせてください。伊東フォワードとサイドバックでプレーしたのですが、サイドバックでは対人であまり負けなかったところが良かったです。フォワードでは、動き出しでチャンスに絡むことができました。――大会を通じて成長したと感じるところは?伊東緊張してるときに、いかに自分の実力が出せるかが大事だと思うのですが、止める蹴るの部分では、実力を発揮できたと思います。――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?伊東止める蹴るの他に、シュートも決められるようになったので、そういうところも上手くなったと思います。――好きな選手は?伊東メッシ選手です。相手が上手い選手でも、普通にドリブルで抜いてゴールを決めるので、かっこいいです。自分に自信が持てるようになったと教えてくれた谷口怜音くん(C)新井賢一背番号4番DF・谷口怜音(たにぐち・れおと)――試合の感想を聞かせてください。谷口勝つことはできましたが、守備のところやボールを取られた後の戻りが甘い部分もあったので、そこを修正して次は0点で抑えて勝ちたいです。――大会を通じて成長したと感じるところは?谷口チームとしては団結力とか、みんなで支え合うところが強まったと思います。個人としては、自分に自信が持てるようになりました。――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?谷口周りの選手と関わるところとシュートです。――好きな選手は?谷口ネイマールです。ドリブルで相手をかわして、シュートを決めるところが好きです。金森類くんは試合を振り返って、後半はチーム一丸となってプレーできたことを良かった点としてコメント(C)新井賢一背番号8番MF・金森類(かなもり・るい)――試合の感想を聞かせてください。金森前半は慌てるところがあったのですが、後半はチーム一丸となってプレーできたので良かったです。――大会を通じて成長したと感じるところは?金森チームとしては、初めは焦って悪かったところもありましたが、最後は質が高くなってボールが回り得点もたくさん取れたので良かったと思います。――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?金森止める・蹴る・受ける・運ぶ・外すの質や、動き出しを学んでいるので、そこが上手くなったと思います。――好きな選手は?金森デ・ブライネ選手です。パスもシュートもドリブルも上手いところが好きです。ワールドチャレンジ2022決勝戦の動画はこちら>>サッカーにおける認知・判断を高める賢いサッカー選手を育てるトレーニング
2022年09月06日自分で考える力やコミュニケーション力など、人間性を高めることがサッカーの上達にもつながる、とする「ライフスキルプログラム」をサカイクキャンプで導入しています。慶應義塾大学准教授の東海林祐子先生の監修によるプログラムは、参加した子どもたち自身、「考える力がついた」「声が出せるようになった」など、サッカー面でも成長を感じています。その内容に賛同してくれるプロチームも増えつつあり、これまでに野球の西武ライオンズとのコラボキャンプを開催。この夏もセレッソ大阪のアカデミーコーチたちとサカイクキャンプコーチによるコラボキャンプを開催します。今回は、どうして人間性を高めることがサッカー面での成長につながるのか、改めてご紹介します。■「ライフスキル」を身につけることでスポーツの結果が変わる今回のセレッソ大阪×サカイクのコラボキャンプ開催に当たり、担当コーチたちにライフスキル指導をしてくれた慶応義塾大学准教授の東海林先生は、かつてサカイクのインタビューにこう答えてくれました。「私が過去やってきた研究では、ライフスキルのレベルが高い選手の方がより高いレベルで活躍している選手が多いという結果が出ています。たとえば陸上競技の選手たちですが、インカレなど全国大会に出場するAグループと都道府県大会の出場にとどまるBグループでは、Aグループの選手たちの方がライフスキルのレベルが高いことがデータとして現れています」最近ではサッカー上達のために「人間力」が必要であるとして、自主性やマナーなど心を育てる指導を行っているチームも増えていますが、それを裏付ける結果があることを教えてくれました。どんなスポーツにおいても「上達するために課題を見つけ、どう解決すべきか」を自分で積極的にできる選手と指導者に頼りっぱなしの選手とでは成長に違いが出るのは共通のようです。ただ、育成年代の子どもたちは「何をどうすれば上達ができるのか」という経験が少ないため、解決策を見つける材料をあまり持っていません。だからこそ、指導者の存在が重要なのです。サカイクでは東海林先生のアドバイスを受け、2017年のキャンプからライフスキルプログラムを導入。初日と3日目にアンケートを取った結果、5つのライフスキル(考える力、リーダーシップ、感謝の心、チャレンジ、コミュニケーション)に変化が現れました。出典:上達のために必要なのは「こうしなさい」ではない!課題に気づき、考える力をつける指導とは【2022夏休み通い開催】セレッソ大阪×サカイクSummer Camp>>■3日間の体験で「プレーの流れを読む力」がつく今回開催するセレッソ大阪とのコラボキャンプでは、元日本代表で「ドーハの悲劇」を経験した勝矢寿延コーチをはじめとするセレッソ大阪のスクールコーチたちと、サカイクキャンプのヘッドコーチである菊池健太コーチが「サッカーの技術向上」と「人としての土台作り」を指導します。キャンプでは、風間八宏さんが提唱する止める・蹴る・運ぶなどの基本技術を軸とした、セレッソアカデミーとしてのトレーニングメソッドを取り入れたサッカーの技術向上と、自分の現在地を知り、サッカーへの思考を深める「サカイクサッカーノート(※)」を使ってのライフスキル講習で「人としての土台作り」を行います。実際にノートを書いてもらい、初日と3日目でどんなふうに変わったか可視化できるので、参加した子どもたち自身が成長を実感することができるのが特長です。セレッソ大阪のスカウトとして活動していた勝矢コーチは、ライフスキルプログラムがサッカーの上達にも繋がると語ります。「サッカーは常に状況を判断して、プレーを選択していくスポーツです。ボールの展開であったり、プレーの流れを読む力は、すごく大切です。先を読んでプレーすることも、考える力につながりますよね」また、「試合に向けた気持ちの準備や用具の準備ができる子は、将来的に伸びていく子が多かった」という経験を通じて、今回の参加者に「5つのライフスキルのように、人間として成長する上での気づきも与えられたらと思っています」と意気込みを語ってくれました。開催場所は、普段はセレッソ大阪のホーム、ヨドコウ桜スタジアムです。憧れの選手たちが試合をするピッチで、この夏サッカーと人間力を高める体験をしてみませんか。<スクール・アカデミー割引あり>セレッソ大阪とのコラボキャンプの詳細・お申込みはこちら>>※E-3ショップで販売しているサッカーノートとは異なる、ライフスキルプログラムを導入したサカイクキャンプ参加者のみに渡されるサッカーノート【2022夏休み通い開催】セレッソ大阪×サカイクSummer Camp>>window.dataLayer = window.dataLayer || []; function gtag(){dataLayer.push(arguments);} gtag(’js’, new Date()); gtag(’config’, ’AW-966008133’);gtag(’event’, ’conversion’, { ’send_to’: ’AW-966008133/ztHsCNzBn8cDEMW60MwD’, ’value’: 1.0, ’currency’: ’JPY’, ’aw_remarketing_only’: true });
2022年08月04日Jリーガーの平均身長は約178cm、近年は体格に恵まれた選手が増えているのは間違いありません。では、大きくなれないと活躍できないの?プロにはなれないの?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、小柄でも活躍している選手はいます。「小さいころから小さかったし、フィジカルは海外でもJでも弱い方」と語るセレッソ大阪の乾選手もその一人。小柄でも抜群のテクニックと判断で海外でも活躍。Jリーグ復帰後もチームをけん引しています。前編では、幼少期を振り返ってもらいながら、他よりも小柄な乾選手が、どんなことを考えながらプレーしていたのか、お聞きしました。後編の今回は、ドイツ、スペインでプレーした際に感じた小柄な選手でも活躍できる方法についてお聞きしています。(取材・文:森田将義)(C)CEREZO OSAKA<<前編:「夢中になれれば、最強」乾貴士選手が語る、サッカーが上手くなるために一番大事なこと■サッカーは騙し合い。相手が思っていないことをできるかが大事――海外でプレーする中で、日本との違いを感じた部分はありますか?海外に行ってからは、球際の競り合いの部分で違いを感じました。スペインに渡ってからは戦術理解度というか、やっぱり上手くて頭が良い選手が多いと感じました。サッカーを知っているなって。プレーの判断と言うんですかね。ここではボールを獲られてはいけない、ここでは獲られても良いから思い切ったプレーをするという判断ができる選手がたくさんいました。日本と比べると一つのミスで展開が大きく変わり、一気にやられてしまうケースが多いので、みんなが危機感を持ってプレーしていた気がします。こうした意識は変えようと思っても、簡単には変わらない部分だと思います。自分自身も含め、日本人には「これくらいなら大丈夫だろう」という感覚があるのかもしれません。スペインにいた頃は監督に指摘されながらも、一つひとつのプレーに集中していました。――屈強な選手が多いヨーロッパでは、フィジカルの部分での苦労も多そうです海外ではフィジカルの差もありましたが、自分が小さいのは昔から。フィジカルで勝てるとも思っていないので、どれだけ相手に触れられないようプレーするか常に考えています。触れられても、最悪ファールを貰えれば良いという考えです。判断が悪いから、相手に距離を詰められ、ボールを奪われてしまう。そのためにはサッカーを理解し、一つ一つの判断を速くすることが大事だと思っています。小さい頃から、「サッカーは騙し合い。どれだけ相手が思っていないことをできるかが大事」と言われながら育ってきました。相手に触れられないためにも大事な考え方だと思います。ボールが来る前から、「ここなら相手が付いて来ないだろう」というトラップの位置を見れている選手が、本当に上手い選手だと思います。久保(建英)くんとかは、そうしたタイプのプレイヤーですよね。小柄だからこそ小学生年代で身につけてほしい足元のスキルなどは特にないのですが、こうした周りの状況を見て判断することは、小学生のうちから意識できることだと思うので、ぜひ真似して欲しいですね。■ワールドカップで結果を残すには、組織的な守備がカギ――野洲高校時代の恩師である山本佳司先生は、ヨーロッパに行ってから乾選手の守備が上手くなったと仰っていましたドイツの時は、マンツーマン気味の守備だったので、フィジカル勝負になって負けることが多かったんです。サイドは特にフィジカル勝負の要素が多くて難しかったけど、スペインのエイバルでは、メンディリバル監督の下、ゾーン守備を徹底し、みんなで守ろうというスタイルでした。もちろん球際の強さも求められましたが、それ以上にポジショニングが大事。自分に合っていたのもあり、エイバルでプレーしてからは、一気に守備意識が変わりました。組織的な守備は、日本人にとって凄く大事だと思うんです。ワールドカップで結果を残したいと考えた時に、フィジカル勝負では勝てません。でも、全員で組織的な守備ができれば、チャンスがあると思っています。海外に出てから、強く思った部分です。――ゾーンでの守り方などは、日本の育成年代ではできない選手が多いように感じますピピくん(中井卓大)を観にレアル・マドリーの試合へ何度か行きましたが、スペインは育成年代から細かいポジショニングを意識してプレーしていました。そういった頭で理解している部分、「サッカーを知っている」という面で日本の先を行っているなと感じました。プロのカテゴリーでも自然と良いポジションがとれる選手が多かったけど、自分は考えながらプレーしなければいけなかった。彼らは試合中いちいち考えていません。状況ごとのプレーに瞬時に対応しているのです。それがプレースピードにつながります。日本との違いは、とても大きく、サッカーを見て学ぶ習慣が根付いている気がしました。同時に選手だけが原因でなく、もしかしたら日本の場合はポジショニングまで教えられる指導者がまだ少ないのかもしれません。■壁にぶち当たった時に、自分を変えられるかが大事――そうした気付きが、守備の変化に繋がっていったんですね昔は守備が下手というか、やらなかったんですが、海外に行ったら守備をしないと試合に出られない。自分自身が、海外のサイドアタッカーと張り合える程の突破力があるかと言えば、そこまではないので、突破やボールキープにプラスして何ができるか考えた際に、メンディリバル監督が求める守備だと思ったんです。僕は自分に対するプライドが強い方ではありません。自分のプレースタイルはもちろんありますけど、それを壊してでも試合に出たい。そこまで試合に出た方が良いのか?と悩んだり、自分のスタイルを壊したくないと思う人もいると思いますが、自分はそっちタイプじゃない。監督が求めることをやらなければと思うタイプなんです。プラスアルファでちょっと違いが作れれば良いと思いながら、プレーしていました。――監督が求めることをやらなければと考えていたのは、昔からでしょうか?セゾンFCや野洲高校でプレーしていた時はプライドの塊でしたよ(笑)。自分のやりたいことだけをやろうと思っていたから、守備をしなかった。自分がボールを持った時だけ、違いを見せれば良いと思っていました。高校に入った時くらいまでは、それでも良いと思うんです。でも、プロって上手い人たちの集まりで、それまで中心選手として活躍してきた選手ばかり。海外に行けば更に凄い選手がたくさんいるじゃないですか。そうした選手を見て、「自分のレベルはだいたいこれ位なんだな」というのが分かったけど、スペインで少しでも長くプレーしたかった。生き残っていくためにはどうすれば良いんだろうと思った時に、こうした考えに至りました。壁にぶち当たった時に、自分を変えられるかが大事だと思うんです。変えられるなら、高校くらいまでは王様でも良い。そう思うと、幼少期に考える習慣を身につけさせてもらった岩谷さんの存在は大きかった。最初に出会ったのが岩谷さんじゃなかったら、違うサッカー人生になっていた気がします。
2021年10月26日身長169cmという小柄な体格を苦にしない卓越したテクニックと的確な判断を活かしたプレーで、ドイツ・スペインで10シーズンに渡ってプレーしてきたのが、日本代表MFの乾貴士選手です。9月に古巣・セレッソ大阪に復帰してからも華麗なプレーを披露し、多くのサポーターを魅了する乾選手ですが、幼少期から身体は小さく、プロになってからもフィジカルでは劣る選手がほとんど。そうした中で活躍できる理由を、お聞きしました。前編となる今回は幼少期についてです。(取材・文:森田将義)(C)CEREZO OSAKA■とにかくボールに触らないと上手くなれない――まずは幼少期の乾選手について教えてください小学校1年生でサッカーを始めた当初は、他のスポーツもやっていましたが、サッカー中心の生活を送っていました。でも、小学4年生くらいになると厳しい指導に音を上げて、サッカーへの熱が冷めていったんです。年上のチームでプレーさせてもらいながらも、練習をサボることも多かったですし、休むことが増えていった。一人でボールを蹴ることもなくなっていきました。高学年の頃は、みんなで野球をしていた記憶の方が多いですね。今となっては、サボってしまった時期を後悔しています。一番技術が身につく小学生から、中学1、2年生の頃にどれだけサボらないかが大事。それくらいの年齢は、ゲームなど色んな誘惑があります。サッカーが上手く行かず、違うスポーツに進む子ども出てくるでしょう。そこでどれだけ頑張れるかが、大事だと思います。僕は中学3年生から、もう一度自主練を真面目にし始めたので、ちょっと遅かったな、と今となって感じていることです。――なぜ、再びサッカーを頑張ろうと思えたのでしょうか?野洲高校の練習に行かせてもらった際に、一歳上の先輩たちの練習に混ぜてもらったのですが、岩谷さん(岩谷篤人さんセゾンフットボールクラブ代表、2003年から10年間野洲高校のコーチを務めた)から「一人だけ子どもだぞ」と言われたんです。この前まで一緒にやっていた先輩たちとプレーし、まったく自分のプレーが良くなかったので、焦りと悔しさを感じました。このままじゃまずいな、もう一回ちゃんとサッカーを頑張ろうって思ったんです。とにかくボールに触らないと上手くなれないというのを、その時にやっと感じました。チームの練習だけじゃ、上手くなれないんだって。――幼少期の指導で現在に活きていることはありますか?ドリブルや足元のテクニックを学べたのは大きかったです。なにより、高校卒業までお世話になった岩谷さんと出会えたのは大きかった。岩谷さんは教える際に、答えを言わないんです。答えを教えてもらうと選手は楽で、それをやっておけば良いと考えてしまう。でも、岩谷さんは「なぜ今のプレーがダメだったのか」、「ここを崩すためには、どうすれば良いのか」と小学生ながらに考えさせる指導でした。答えを言わず、サッカー以外の例えを言ってくれたりしました。それをちゃんと聞いていないと、岩谷さんが求めるプレーができない。話を聞いているか、聞いていないかすぐバレてしまうんです。分かっていなかったら叱られたりもするので、ある日を境に「聞かなきゃ」という意識が芽生え、一生懸命話を聞くようになりました。悩むことも多かったけど、考えて考えてサッカーをやっていたのは、凄く財産になっています。あの時がなければ、身につかなかったと思っています。■人の真似が、プレイヤーとしての成長に繋がる――技術面もセゾンFC、野洲高校のカラーが良く出ているように感じますテクニックの面では、小学生の頃からずっとやっていたジグドリ(足裏や甲を多用して行う複数のドリブルメニュー)の効果は大きかったと思います。スピードに乗った中で、どれだけ細かくタッチができるか、スピードを落とさず相手を抜いていけるのは、あの練習があったから。見た目以上にしんどいメニューでしたが、サッカーが好きなら嫌がらずにできると思うので、苦じゃなかった。野洲高校は他の学校よりボールを使うメニューが多かったというのもあるかもしれません。――野洲高校の恩師である山本佳司先生は、ずっとボールを蹴っていたと仰っていました確かに、高校の時は練習前後に高く蹴り上げたボールをトラップする練習をずっとしていました。普通にトラップするだけでも、難しいボールを単に止めるのではなく、止めたと同時にスピードに乗ったドリブルができるようになろうと思って。試合を意識した動きをしていました。当時、ロナウジーニョ(元ブラジル代表)のプレーが好きだったので、同じような動きを楽しみながら真似していました。人のプレーの真似をするのが得意というか、良い所を盗むのが好きだったんです。サッカーを始めたばかりの頃は、マラドーナのプレーが好きで、よくビデオを見ていました。■夢中になれれば、最強――努力をしている感覚ではなく、サッカーが好きで堪らなかったという感覚なのでしょうか?上手くなるには、どれだけ夢中になれるかが大事ですよね。好きになって、夢中になれれば、最強ですよ。絶対そんな選手は自ら好んで練習ばっかりしているはずなので、自然と上手くなっていく。嫌々やるのでは効果はありません。基本的にサッカー選手は、サッカーが好きな人ばかり。好きなのに努力しない人は何かの誘惑に負けているからだと思います。子どもたちにはサッカーを好きになって、夢中になるのが一番だって伝えたい。そうなれば勝手に上手くなっていくんです。――サッカー少年たちに伝えたい言葉です。サカイクの読者である親御さんには、何かメッセージはありますか?親御さんに対しては難しいですね。僕もサッカー選手の親ですが、とても難しい。教えて欲しいくらい(笑)。ほかのサッカー選手は、わが子に対してどう接していたんですかね。水沼(貴史)さんとか、プロ選手の親に聞いてみたい。自分で言うのもあれですが、プロになった位なので息子の年齢くらいの時はもっと上手かったなって感じてしまうんです。だから、できなかったことに対して指摘してしまうんですよね。学校へ行く前に一緒にボールを蹴ったりするんですが、「何で出来ひんの?」、「もっとやれよ」って言ってしまうことも......。そうしたきつい言葉をかけると、サッカーへの気持ちが離れてしまうので、どうしたら良いんだろうって常日頃から考えています。そっと見守ってあげるのが一番なのかなとは思うんですけどね。「夢中になれれば、最強」とは思っているのですが、夢中にさせるまでに持っていくのが、難しいと感じています。
2021年10月21日中学時代にトレセン歴のような輝かしい経歴がない選手がほとんどなのに、高校時代に個性を磨きあげ、セレッソ大阪のDF松田陸選手、松田力選手を筆頭にこれまで28人ものJリーガーを輩出している立正大学淞南高校の南健司監督。前回は現在発売中の南監督の著書「常に自分に問え! チームの為に何が出来るか 立正大淞南高校の個とチームの磨き方」から一部を抜粋し、前向きな志向の重要性について紹介しました。後編となる今回は、立正大淞南がサッカーで大事にしている要素について紹介します。(構成・文:森田将義)立正大淞南高校サッカー部(C)森田将義<<前編:「トレセン歴なし」がほとんどなのに約30人がJリーガーに!全国常連の強豪サッカー部監督に聞く「個とチームの磨き方」■誰にも負けない武器が一つでもあれば、選手は成長できる淞南に来る選手の多くは欠点が多くても、何か一つ誰にも負けない武器を持った選手ばかりです。長所が一つでもあれば選手は成長できると考えています。突出した武器があるから、他の部分も伸びていくのです。多くの人が、「満遍なく卒なく無難にこなせる」のも才能だと気付いていません。過去にいた選手に、中学の指導者が「ストロングポイントがないから淞南には向いていない。身体能力や体格に優れておらず、パスが正確なだけ」と評する選手がいましたが、確実にパスが繋げるのも武器なのです。日本は足が速い選手や身長の高い選手を、長所を持った選手として持て囃しますが、私の定義は違います。ピッチに立つ11分の1として、チームが勝つためのプレーができる選手が、長所を持った選手なのです。いくら足が速くても、試合で有効でなければ、長所ではありません。横パスしかできなくても、どんな状況でも落ち着いて正確にパスができるのなら、立派な長所です。■長所があれば弱点を「ごまかす」こともできる長所さえ持っていれば、短所もカバーできます。選手には、ごまかす力も大事だと常に伝えています。私は大学時代、技術がない選手でしたが、チームメイトはサッカーが私に下手なイメージを持っていないそうです。とにかくヘディングが強くて、スライディングで突破を止めまくれるのに、左足でインサイドキックができなかった。相手に寄せられると慌ててパスができなくなるため、ボールを奪ったらすぐロングボールを蹴って、自ら「ナイスボール!」と叫ぶような選手でした。プレッシャーに負ける姿を見せたら、相手に狙われるとも考えていました。私はロングキックが長所だったため、公式戦の緊張感のある舞台でも、弱点を誤魔化せたので、チームメイトに下手な印象を持たれていないのです。ロングボールという武器を持っていれば、ロングキックを蹴るふりをして蹴らないというキックフェイントもできます。武器が一つあれば、二つの武器を手にしているのと同じと言えるでしょう。■不平不満しか言わない指導者は選手の良い部分を見つけられない私は良い所探しの天才だと自負しています。学校に対しての不満を一切言わないのも、良い所をたくさん知っているからです。淞南が実施しているサッカースクールでは、選手が子どもに指導するのですが、子どもへの説明が上手い選手がいます。プレーが下手であっても、指導力という良い所を持った選手なので、私は認めています。不平不満しか言わない指導者は良い部分が見つけられない性格であるため、きっと選手の良い部分も見つけられず凄い選手を育てられません。良い所探しができる性格なのかは、良い指導者と言えるかどうかの条件でしょう。他の仕事でも同じで、「最近の若い奴は」と不満を口にする年配の人は、入社したての頃は会社の上層部の批判をしていたはずです。■サッカーは全てのプレーに本質があるサッカーは攻守の切り替えが速く考える時間がなさすぎるスポーツですが、野球は次のプレーでどうすれば良いかを考える時間があるため、分析が好きな日本人に合ったスポーツだと思います。それなのに多くの指導者はサッカーの分析をたくさんするうちに難しく考えすぎてしまい、本質を見失った練習メニューや指導法が溢れている気がします。淞南のグラウンド横の掲示板には、私が就任した当初に記したサッカーの基本をまとめて張り出しています。淞南サッカー部ではAチームの選手として不可欠な10の絶対条件を掲げています。掲示板に張り出されているサッカーの基本10か条(C)森田将義1.攻守の切り替えが速く、予測を持って連続で激しく動ける(基本動作)2.ヘディングが強い(技術)3.ロングキックができる(技術)4.トラップの前にステップフェイントがあり、キックフェイントで突破できる(技術)5.攻守に渡りゴール前で頭から飛び込める(基本)6.ロングスローが投げられる(技術)7.精神的に戦える(精神面)8.全国で勝てる自主練習ができる(想像力)9.基本練習を実践的に自ら難しくできる(想像力+責任感)10.素直である(一流選手たる条件)こうした掲示物を見ると、サッカーの基本は大きく変わっていないのだと思います。サッカーは進化していると口にする指導者がいますが、ボールを出したら周りを見る意識や、チャレンジ&カバー、ラインの押し上げは大昔から変わらないサッカーの本質です。サッカーの本質が大事と表現しますが、全てが本質なのです。本質を強調しなければいけないのは、本質を抑えていない指導者が増えているからではないでしょうか。■1つの技術だけでなくサッカーに必要な要素をすべて教えることドリブルスクールのように一つの技術を切り取って教えるのも間違っているように思います。他のスポーツでは一つの技術に特化したスクールがあるなんて話は聞きません。同じ野球でも野手とは別種目に近いピッチャーですら、専門のスクールはないのにサッカーにだけ存在するのは不思議です。ラーメン屋に例えるなら、スープにこだわりながらも麺はスーパーで売られているのを使っているような店は繁盛しないのと同じだと言えるでしょう。チャーシューなどの具材だけではなく、器までこだわる店には敵いません。1つの技術だけでなく、サッカーに必要な要素を全て教えなければ、良い選手に育たないのです。テクニカルなチームが、なぜドリブルの練習をたくさんしているのか意図すらも理解できず、型だけを真似している指導者が多いように思います。■必要な技術はどの年代でも同じ野球の練習法は日本全国どこに行っても大きく変わりません。それ以上の練習方法がないと行きついているから、30年前も今も同じ練習をしているのです。日本サッカーはまだ行きついていないから違いや流行り廃りがあると考えています。ジュニア年代に応じた練習メニューが提唱されたりもしますが、必要な技術はどの年代でも同じです。教えるべき技術を幼少の頃から、きちんと徹底して指導すべきです。※この記事は「常に自分に問え! チームの為に何が出来るか 立正大淞南高校の個とチームの磨き方」(竹書房・刊)より抜粋したものです。南健司監督
2021年05月19日全国選手権出場18回、インターハイ出場13回。今や全国屈指のサッカー強豪校として知られる島根県の立正大学淞南高校です。在籍する選手は中学時代にトレセン歴のような輝かしい経歴がない選手がほとんどですが、個性を磨きあげ、セレッソ大阪のDF松田陸選手、松田力選手を筆頭にこれまで28人ものJリーガーを輩出しています。チームを率いる南健司監督の独自の哲学には高校サッカーだけでなく、サカイクの読者であるジュニア年代の親御さんや指導者にも役立つヒントがたくさんあります。今回は現在発売中の南監督の著書「常に自分に問え! チームの為に何が出来るか 立正大淞南高校の個とチームの磨き方」から一部を抜粋し、紹介していきます。(構成・文:森田将義)立正大淞南高校サッカー部(C)森田将義■ハーフタイムは、チームメイトへの指摘は禁止ようにしています。育成年代では、自分にとって都合の良い話ばかりをして、チームがネガティブな雰囲気になる話し合いが珍しくありません。例えば、FWがチームメイトに対し、「俺がパスコースを制限しているんだから、もっとインターセプトを狙ってよ」と不満混じりに要求するケースです。こうした場合、淞南では「俺は前から奪いに行く」と自分のやりたいことしか話さないようにしています。周りの選手に対しての指摘は、禁止です。そうすれば、中盤の選手は「俺はこぼれ球を狙う」、DFの選手は「絶対に空中戦で競り勝つ」とポジティブな発言が続き、チームの雰囲気は良くなるでしょう。■チームの雰囲気は勝つ力につながる試合中でも、前線の選手がボールを失った際に「もっとフォローを速くして」と周りの選手に伝えると、周りの選手は「すぐに奪われるからフォローに行けない」と考え、チームの雰囲気が悪くなります。しかし、「次はもっとキープできるように頑張る!」と話せば、周りの選手は助けるために素早くフォローに走ろうと前向きに次のプレーを頑張れるでしょう。高校生は放っておくと、そこまで考えて発言しないので、最初のきっかけとして大人がきちんと声掛けの方向性を示すべきだと考えています。野球で例えるなら二回も三振した、エラーをしたなど反省は自分一人ですべきです。チームメイトに対しては「次は必ずホームランを打つから!」と前向きな言葉を発し、チームの雰囲気を良くすれば、試合で勝つ力になるのです。特に、インターハイや選手権のような短期決戦には大切な考えで、大会期間中はチームを良くするための行動、発言、表情をすべきで、負のオーラは一切出さないよう伝えています。■発想のきっかけは中山雅史選手の姿勢こうした発想の原点は元日本代表の中山雅史選手(現・アスルクラロ沼津)のダイビングヘッドとスライディングです。身体を投げ出しても届かないクロスに対しても、中山選手は必ず「ナイスボール!」と伝えます。ダイビングヘッドやスライディングでも届かないボールはパスミスですが、それでも前向きな言葉を掛けられたチームメイトは「次は必ず良いボールを出します!」と次のプレーの活力になるのです。■前向きな思考は社会に出てからの人付き合いを豊かにする梅木翼(レノファ山口FC)は高校時代から、常にそうした前向きなプレーができる選手でした。チームが上手く行かない時に守備から試合に入ろうと考え、届きもしないスライディングを繰り返し、チームを盛り上げていました。ボールに届かず、セカンドボールが拾われても、「こぼれ球に反応しろよ」とチームメイトに愚痴を零すのではなく、「悪い!俺が寄せきれなかった」と口にしていました。そうした前向きな言動を続けるから周りが発奮し、チームの雰囲気が良くなるのです。前向きな思考は高校を卒業して社会に出てから求められる要素だと考えています。同級生だから、同じ部に所属しているからとの理由でなんとなく人付き合いをする高校生までとは違い、大学生や社会人になる19歳以降は違和感を覚えれば人付きをする必要はなくなります。自分が上手く行かない時に不貞腐れていても、周りが「元気出せよ」と励ましてくれていた18歳までとは違い、無視されるようになるのです。年を重ねるごとに自分と合わない人に合わせる時間は勿体ないと考えるようになり、気の合う人、心が通じ合える人との時間を大事にするようになります。一緒にいて、暗い気持ちになる人だと人付き合いがなくなってしまうのです。■苦しい状況が続いても人前では前向きに振舞うのも一流の条件プロスポーツ選手にも当てはまる考えです。Jクラブの収入は、ファンやサポーターの方からの入場料が多くを占めています。チームを応援する人だけでなく、"あの選手を応援したい"と思う人たちが足を運んでくださるから、選手はサッカーで生活ができるのです。ネガティブな言動する選手であっては、応援する人が増えません。チームが勝てず苦しい状況が続いたとしても、人前では常に明るく前向きに振舞えるのが、一流のプロスポーツ選手の条件だと考えています。<後編へ続く>※この記事は「常に自分に問え! チームの為に何が出来るか 立正大淞南高校の個とチームの磨き方」(竹書房・刊)より抜粋したものです。南健司監督
2021年05月10日元日本代表のキャプテン長谷部誠選手の出身校、藤枝東高校は、高いレベルで勉強とサッカーを両立している学校としても知られています。県内トップクラスの進学校がどのようにして文武両道を行っているのか、同校出身の小林公平監督にお話を伺いました。選手自身が映像を編集してプレー分析も行うなど、自分たちで課題改善を行う取り組みなども伺ったのでご覧ください。(取材、文:本川悦子)藤枝東高校サッカー部の部員たち。練習後にチームメイトと談笑する姿■選手自身が映像を編集してプレー分析も名門・藤枝東がオンラインミーティングやサッカーノートのアプリを駆使して選手との意思疎通を図ってきたというのは前編でお伝えしました。彼らはそれ以外にもテクノロジーを使った活動を積極的に行っています。その1つが練習・試合の動画分析です。選手数人が公式戦や練習試合、紅白戦を撮影し、編集したものを共有ファイルにアップ。それを全員が帰宅途中や帰宅後に映像確認し、感想をサッカーノート(アプリ)に書いたり、ミーティングで議論し合ってフィードバックする形を取っているのです。今年から使っているソフトでは、個人のシュートシーンやゴールシーン、被ゴールシーンに特化した映像編集ができるほか、セットプレー時の好守も確認が可能です。さらには時間帯ごとのパス・シュート数などのデータも出てくるので、チーム全体が自分たちの課題や収穫を明確に捉えられます。こうした科学的アプローチの有効性を小林公平監督も実感しているといいます。「現場で見ている感覚と後から映像で振り返る感覚は全然違います。実際にプレーしていた選手も自分の一挙手一投足を映像で客観視すれば、何が課題でどう改善すればいいのかハッキリします。試合前に対戦相手の映像分析をするチームはよくありますけど、日常的に映像を使って可視化する作業に慣れておけば、将来的にそういう仕事に携わることも可能だと思います。ツエーゲン金沢入りが内定している稲葉楽選手もJクラブの練習に参加した時『藤枝東ではプロ同等の分析やスカウティングをしていることが分かって大きな自信になった』と話していました。藤枝東は社会のリーダーになるべき人材を育てている部分も大きいので、これからも可能な限り多くの情報を入手して、有効活用していくように、選手たちには働きかけていきたいと考えています」■加圧トレーニングの定期計測でフィジカル管理データ管理という意味では、2018年から取り入れている加圧トレーニングの定期的計測を行い、練習や試合に生かしています。今年のコロナ禍で3か月間活動休止になったこともあり、選手たちの太もも周りの筋肉が落ち、体脂肪率が増えてしまったといいます。そこで再び加圧トレーニングに注力し、フィジカル強化を図って、最大の目標である高校サッカー選手権に備えているのです。「6月時点ではそこまで数字的な変化は見られなかったのですが、夏場になって計測したら平均4~5㎝ダウンという状況が鮮明になりました。『これは大変だ』と危機感を抱き、意識的に取り組みました。日本ユース年代のSランクである高円宮杯プレミアリーグ参加チームと我々の一番の差はやはりフィジカル。僕が藤枝東の監督に就任した6年前も技術・戦術面の違いはほとんど感じませんでしたが、身長体重を筆頭に当たりの強さや激しさ、走力の部分が劣っていると痛感させられたんです。その差を縮めるべく、サッカーノートのアプリを導入したり、管理栄養士さんに食育の話をしてもらったりとさまざまな試みをスタートしましたが、短時間で筋量を増やせる加圧はかなり効果がありました。10月に計測したところようやくコロナ前の状態に戻った印象ですが、継続しないと意味がない。選手も自覚を持って取り組んでくれています」■高2まで目立った選手でなかった長谷部誠が急激に伸びたキッカケ小林監督が自ら行動を起こす重要性を繰り返し強調するのも、1学年上の長谷部誠選手(フランクフルト)という偉大な存在を目の当たりにしているから。長谷部選手は高2まではそこまで目立った選手ではなかったものの、高2の終わりに静岡県選抜に選ばれ、高いレベルに目覚めてからはグングンと成長していったそうです。練習から100%でやるように意識も変わり、意欲的にサッカーと向き合うようになって、浦和レッズ入りというチャンスをつかみました。2008年にドイツに渡り、日本代表に定着し、8年間もキャプテンを務めるといった飛躍的成長には小林監督も驚きを禁じ得なかったといいます。「高校生は何らかのきっかけをつかめば長谷部さんのようになれる可能性を秘めている」と今も自らに言い聞かせているのです。「県選抜に入ってからの長谷部さんは『自分は十分やれる』という自信と手ごたえをつかんだのか目の色が変わっていきました。浦和入りした後、長谷部さんのいるサテライトと練習試合をしたことがあるのですが、もう手が付けられないレベルになっていた。『17~19歳の2年間でここまで変わるのか』と本当にビックリしましたね。当時は服部(康雄=静岡県サッカー協会副会長)先生が指導されていましたけど、サッカーの楽しさを面白さを追求する姿勢を重んじていましたし、主体性や自主性も大事にしていました。そういう環境だったから長谷部さんは伸び伸びとやれたし、自分で気付いて成長できたんだと思います。僕自身も『ここでもう1回サッカーをやりたい』と感じたのが指導者になったきっかけです。そういう藤枝東の文化を引き継ぎ、発展させていくことが自分の大きな仕事。入ってくる選手も『長谷部さんみたいになりたい』という子が年々増えています。つねに誠実で多くの人に愛されるのが長谷部さん。今の選手にも『愛される選手になりなさい』とことあるごとに声をかけています」このように藤枝東は人間的成長を促しながら、かつてのような高校トップを目指しています。同じ高体連で2019年プレミアリーグ王者の青森山田高校らとはまだまだ実力差があると小林監督は感じているそうですが、藤枝東らしく文武両道を貫き、自主性や自立心を生かしながら進化を遂げていければ理想的。そうなるように今後も高いレベルに突き進んでいくつもりです。小林公平(こばやし・こうへい)藤枝東高校出身。高校時代は県を代表する左サイドバックで、全国総体準Vや国体制覇などに貢献。国士舘大卒業後、藤枝東高非常勤講師、湖西高監督を経て2015年に藤枝東高校サッカー部監督に就任。
2020年11月09日サッカーを思いきり楽しんでほしいけど、勉強も疎かにしてほしくない。親御さんたちの本音ですよね。元日本代表のキャプテン長谷部誠選手や中山雅史選手の母校で、サッカー強豪校であり、県内でもトップクラスの進学校、藤枝東高校ではどのように文武両道を実現しているか、小林公平監督にお話を伺いました。セレッソ大阪のU-15出身で、卒業後はプロ入りが決まっている稲葉楽選手からも、どのように毎日サッカーと勉強に取り組んでいるか聞いたのでご覧ください。(取材、文:本川悦子)藤枝東高校サッカー部の部員たち。この日はテスト明けで1週間ぶりの部活ということもあり、練習後もグラウンドで会話を楽しんでいました■長谷部誠選手らを生んだ文武両道の名門新型コロナウイルス感染拡大で開催が不安視されていた第99回全国高校サッカー選手権大会が、12月31日から1月11日に予定通り実施されることが決まりました。全国の高校サッカー部員にとって非常に明るいニュースと言えるでしょう。サッカー王国・静岡の名門・藤枝東高校もその朗報を受け、11月の決勝トーナメントに挑みました。J2・ツエーゲン金沢入りが決まっている3年生のDF稲葉楽選手も「今年は夏の高校総体がなくなり、全国大会は冬の選手権だけなので、何とか県大会で勝って本大会に行きたいです」と力を込めていました。残念ながら1日の東海大翔洋戦で0-2と黒星を喫し、全国行きは叶いませんでしたが、彼らは精一杯戦い抜いたことでしょう。過去4度の選手権優勝を誇り、中山雅史選手(アスルクラロ沼津)や長谷部誠選手(フランクフルト)ら数々の日本代表選手を輩出した同校は文武両道の名門として知られています。2020年度の偏差値は66と静岡県でトップ5に入っており、100人近いサッカー部員たちも勉強とサッカーを両立させています。セレッソ大阪U‐15出身の稲葉楽選手も「入学時点では成績が学年でも下の方だったけど、練習が終わって家に帰ってから必ず勉強をすることを日課にしたら目に見えて上がりました。周りも頭のいい子ばかりだし、『何事も自分から率先してやろう』という自立心が自然と養われたのがよかったと思います」とチーム全員の学習意識の高さを強調していました。■選手たちの精神的な不安を取り除くためにオンラインを活用藤枝東OBで長谷部選手の1学年下、大井健太郎選手(ジュビロ磐田)と同期に当たる小林公平監督も選手たちの自主性を尊重しています。「最後の選手権まで部活動を続けてほしい」という指揮官の思いに応えて、例年であれば、トップチームの選手は全員残り、Bチームの選手が早めに引退するのが常でした。しかしコロナ禍の今年はトップチームから引退者が出たといいます。「2月末に全国一斉休校となってから、僕らは3か月間活動を休止しました。まず感染しないことを第一に考えましたが、いつ再開できるのか、どの大会が行われるのか全く分かりませんでした。そういう中で受験を重視する選手が出るのは仕方ないという思いもありました。そんな中でも体力面をキープし、マイナスを最低限にとどめるための工夫は凝らしました。まず運動生理学やトレーニング理論を学んでもらおうと週1回のズームミーティングを始めました。加えて、管理栄養士による食事管理のミーティングを1回、トレーナーのリモートトレーニングを1回と合計週3回はオンラインで交流を持てるようにしたんです。選手たちは学校に来られず、練習もできなくて精神的な不安感を感じていました。私も精神科医の先生に相談しましたが、『オンラインでもいいからつながりを持てるようにした方がいい』とアドバイスを受け、実行に移しました」小林監督からのアクションに呼応するように、選手たちも絆を深める活動を率先して始めました。その1つが動画を使ったリレー。各自の目標を、動画を通じて伝えあったり、リフティングリレーをするなど、今どきの高校生らしい試みを始めたのです。4人1組でラインビデオを使ったリモートトレーニング動画を投稿するといった取り組みもありました。仲間が懸命に追い込んでいるのを見れば、「自分もやらなければいけない」という意識になるもの。そうやって選手個々が向上心を持ち続けて苦しい3か月間を乗り切ったのだといいます。■もっと選手を信じていい、選手たちは十分やれる「教師の自分にとっても、これだけ長期間の空白期間は初めてで、選手以上に不安感は強かったと思います。そこで自分もJFAのフィジカルトレーニングメニューを配信していただけるように旧知の先生にお願いしたり、指導者同士のオンライン交流会に参加したりしました。そこで感じたのは『もっと選手を信じていい』ということ。僕らが直接的に行動を起こせる機会が少なくなる中、彼らに自主的かつ主体的に行動してもらう場が増え、十分やれるなという手ごたえを感じたんです。3年生のレギュラーの選手が引退を決断したのは残念ですが、藤枝東としては進路も非常に重要だと考えています。我々としては高1の段階で希望を出してもらっていますが、スポーツ推薦や指定校推薦で関東大学1部や関西1部の大学には毎年選手がお世話になっていますし、一般受験で国公立やMARCH以上の大学に進む子も多い。そのあたりを基準にして文武両道にチャレンジしています。コロナを経てそういう意識を高めてくれる選手が増えたのは、前向きな点だと思っています」■サッカーノートを通して選手の内面を良く知ることができる藤枝東では小林監督就任2年目の2015年からアプリのサッカーノートを導入していますが、それも選手の自立心の高さを実感する一助になったようです。朝晩の体温・体調管理はもちろんのこと、選手が不安に感じていること、サッカーと学業を両立する上での懸念材料などを書いてもらい、毎日提出してもらうことで、彼らの内面に深く切り込むことができたといいます。「アプリだと休校期間も共有でき、選手とコミュニケーションを定期的に取れたので、非常に有難かったですね。6月の活動再開後は往復の電車や移動途中などに記入し、送ってもらっていますが、時間の有効活動という観点から見ても助かります。サッカーノートの中には、疲労度を1~10段階で判定し、選手自身に申告してもらう項目があるのですが、それも強度の高い練習を取り入れるに当たって有効です。選手権予選などの大きな大会前は追い込みたいという一方でケガも防がなければいけません。一番いい落としどころを探るうえでも役立っています。こうやって要所要所で数値を取り入れながら可視化できるデータを蓄積していけば、いずれは藤枝東サッカー部の大きな財産になる。そんな期待も抱いています」この記事が掲載される「サカイク」は、小学生向けなのでアプリではなく紙のノートですが、子どもたちがたくさん書けるようになる工夫を施したサッカーノートを販売しています。編集スタッフの依頼で小林監督にその内容を見ていただくと、「なるほど、これは書きやすいですね」と回答いただきました。サカイクサッカーノートの内容を見ていただきました小学生年代で、特にサッカーを始めたばかりでサッカーノートを上手く書けない子のために、いくつかの質問を用意して、書くのが苦手な子どもたちも自分の考えをたくさん書けるようになる工夫が施されているのですが、ページごとの設問を見て「ただ自由に書くのではなく、設問があることで思考力をつけるベースになりそうですね」「うちの選手たちにも聞いてみたい設問ですね」など高く評価してくれました。もともとITを駆使できる小林監督ですが、今回のコロナ禍を通して、利用できるテクノロジーを最大限生かしながら、強い藤枝東を築き上げていくことの重要性を再認識したようです。ご自身がITが好き、というのもあるそうですが「社会に出て重要なビジネスシーンで活躍する生徒も多く輩出する学校なので、最先端の情報に触れさせたいという思いもあるのです」と語ってくれた小林監督。彼らには文武両道の名門ならではのやり方で高校サッカー界に新風を吹かせてほしいものです。(後編に続く)小林公平(こばやし・こうへい)藤枝東高校出身。高校時代は県を代表する左サイドバックで、全国総体準Vや国体制覇などに貢献。国士舘大卒業後、藤枝東高非常勤講師、湖西高監督を経て2015年に藤枝東高校サッカー部監督に就任。
2020年11月02日9月24日、大阪・なんばグランド花月『吉本興業創業100周年特別公演 170日目』の日替わりゲストコーナー「唄って笑って100周年」にセレッソ大阪アンバサダー・森島寛晃が出演した。なんばグランド花月『吉本興業創業100周年特別公演』のチケット情報坂田利夫、安尾信乃助、今別府直之、吉田裕らが所属するフットサルチームの即戦力として入部という設定で、学生服に瓶底メガネ姿で登場した森島。その意外な格好に会場からどよめきが起こる中、すぐさまユニフォームに着替えると、まずはリフティングを披露。足はもちろん、肩や背中を駆使した見事な技で観客を魅了した。また、ゴールキーパー役の今別府を相手に、力強いシュートを何本も決めていく森島。そのスピードとパワーに怖気づいて逃げ惑う今別府と舞台上は大騒ぎ、会場も大いに沸いた。そして、約10分の出番を終えた森島は「今日は緊張したけど楽しかったです。今、Jリーグはオリンピック選手も戻ってきて盛り上がっています!ぜひ、応援してください!」とJリーグをPRした。なんばグランド花月『吉本興業創業100周年特別公演』は毎日、なんばグランド花月で開催中。
2012年09月24日